説明

中和度の低い、色安定性の吸水性ポリマー粒子の製造方法

本発明は、55mol%未満中和されている、酸基を有する少なくとも1のエチレン不飽和モノマー溶液の重合、および得られるポリマーゲルを加熱されたガス流により乾燥させることにより(この際、少なくとも2の温度帯域において乾燥を実施する)、吸水性ポリマー粒子を製造する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、55mol%未満中和されている、酸基を有する少なくとも1のエチレン不飽和モノマーを重合させ、かつ得られるポリマーゲルを加熱されたガス流により少なくとも2の温度帯域で乾燥させることによる、吸水性ポリマー粒子の製造方法に関する。
【0002】
本発明のさらなる実施態様は、請求項、詳細な説明、および実施例から読み取ることができる。前述の、およびこれ以降より詳しく記載される本発明の対象の特徴が、記載されたその都度の組み合わせにおいてのみならず、本発明の範囲を離れないその他の組み合わせにおいても使用可能であることは明らかである。
【0003】
吸水性ポリマーとはとりわけ、(共)重合された親水性モノマーから成るポリマー、適切なグラフトベース上の1またはそれ以上の親水性モノマーのグラフト(コ)ポリマー、架橋されたセルロースエーテル、または架橋されたデンプンエーテル、架橋されたカルボキシメチルセルロース、部分的に架橋されたポリアルキレンオキシド、または水性の液体中で膨潤可能な天然生成物、例えばグアール誘導体である。このようなポリマーは水溶液を吸収する製品として、おむつ、タンポン、生理用ナプキン、およびその他の衛生用品を製造するために使用されるが、また農業的な造園において水保持剤としても使用される。
【0004】
吸水性ポリマーの製造は例えば、刊行物"Modern Superabsorbent Polymer Technology",F.L.Buchholz und A.T.Graham,Wiley−VCH,1998年、またはUllmanns’Encyclopedia of Industrial Chemistry,第6版、35巻、73〜103pに記載されている。
【0005】
通常、重合後には水性ポリマーゲルが得られ、該ポリマーゲルを乾燥させなければならない。ポリマーゲルの乾燥は同様に、刊行物"Modern Superabsorbent Polymer Technology",F.L.Buchholz und A.T.Graham,Wiley−VCH,1998年、87〜93pに開示されている。
【0006】
EP289338A2は、乾燥のために使用されるガス流が少なくとも当初は50〜100℃の露点を有するポリマーゲルを乾燥させる方法を記載している。
【0007】
EP1002806A1は、ポリマーゲルを少なくとも3つの区域で乾燥させる吸水性ポリマーを製造するための方法を開示している。
【0008】
書類番号102005014291.5の比較的古いドイツ特許公報は、温度プロフィールを有する乾燥方法を記載している。
【0009】
本発明の課題は、中和度の低い吸水性ポリマー粒子の改善された製造方法を提供すること、とりわけ工程の間に発生する吸水性ポリマーゲルの改善された乾燥方法を提供することである。
【0010】
本発明のさらなる課題は、中和度の低い色安定性の吸水性ポリマー粒子、すなわち長期間の貯蔵において黄変しづらいポリマー粒子の提供である。
【0011】
この課題は、
a)55mol%未満中和されている、酸基を有する少なくとも1のエチレン不飽和モノマー、
b)少なくとも1の架橋剤、
c)選択的に、a)で言及したモノマーと共重合可能な1またはそれ以上のエチレン不飽和モノマー、および/またはアリル不飽和モノマー、および
d)選択的に1またはそれ以上の水溶性ポリマー
を含むモノマー溶液を重合させることによる吸水性ポリマー粒子の製造方法(この際、該モノマー溶液を重合させ、かつ得られるポリマーゲルを加熱されたガス流によって乾燥させる)によって解決され、前記乾燥を少なくとも2の温度帯域で行い、この際少なくとも2の温度帯域のガス入口温度は、TnがTn+aより大きいという条件を満たし[式中、指数nとaはその都度0より大きい整数である]、ならびに温度帯域Tnにおけるガス入口温度が175℃未満であり、かつ温度帯域TnとTn+aのガス入口温度の温度差が10℃超であることを特徴とする。
【0012】
この指数は温度帯域の時系列的な、および/または空間的な順序を示しており、該温度帯域を被乾燥物が昇順で通り抜ける。温度帯域とは、ガス入口温度を独立して調整可能な範囲である。
【0013】
本発明は、ポリマーゲルが乾燥の際にそれぞれの中和度によって全く違って振る舞うこと、およびポリマーゲルの乾燥条件は、製造される吸水性ポリマー粒子の色安定性に決定的な影響をもたらすという発見に基づく。
【0014】
ガス入口温度Tnは、好ましくは少なくとも120℃、より好ましくは少なくとも130℃、さらに好ましくは少なくとも140℃、最も好ましくは少なくとも150℃であり、かつ好ましくは173℃未満、より好ましくは171℃未満、さらに好ましくは169℃未満、最も好ましくは167℃未満である。
【0015】
ガス入口温度Tn+aは、好ましくは少なくとも100℃、より好ましくは少なくとも110℃、さらに好ましくは少なくとも120℃、最も好ましくは少なくとも130℃であり、かつ好ましくは160℃未満、より好ましくは158℃未満、さらに好ましくは156℃未満、最も好ましくは154℃未満である。
【0016】
ガス入口温度TnとTn+aとの温度差は、好ましくは11℃超、より好ましくは12℃超、さらに好ましくは13℃超、最も好ましくは14℃超であり、かつ好ましくは50℃未満、より好ましくは40℃未満、さらに好ましくは35℃未満、最も好ましくは30℃未満である。
【0017】
乾燥させるポリマーゲルの水含分は、温度帯域Tnに入る際に少なくとも30質量%、より好ましくは少なくとも40質量%、最も好ましくは50質量%であり、かつ好ましくは最大70質量%、さらに好ましくは最大65質量%、最も好ましくは最大60質量%である。
【0018】
乾燥されたポリマーゲルの水含分は、好ましくは少なくとも2質量%、より好ましくは少なくとも3質量%、最も好ましくは少なくとも5質量%であり、かつ好ましくは最大10質量%、より好ましくは最大9質量%、最も好ましくは最大8質量%である。
【0019】
水含分は、EDANA(Europian Disposables and Nonwovens Association)推奨試験法No.430.2−02"Moisture content"により測定する。
【0020】
好ましい実施態様においては、乾燥前にポリマーゲルに不粘着剤を添加混合する。好ましくは、不粘着剤を乾燥の直前に添加する。不粘着剤は、ゲル粒子の相互接着を減少させる。適切な不粘着剤は、界面活性剤、例えば12未満のHLB値を有するモノオレイン酸ソルビタン、無機粉末、例えば熱分解法シリカ、および有機粉末、例えば吸水性ポリマー粒子である。HLB値は界面活性剤の水への、または油への溶解性の基準であり、かつ通常の方法、例えば"Surface Active Agents and Detergents",第2巻、Interscience Publishers,Inc.,479p以降に記載された方法、または表から読み取れる方法で測定することができる。粉末は典型的には300μm未満の、好ましくは250μm未満の、より好ましくは200μm未満の、最も好ましくは150μm未満の平均粒径を有する。適切な吸水性ポリマー粒子は好ましくは、吸水性ポリマー粒子の製造の間に生じ、かつ分級で小粒として分離されたポリマー粒子である。粒径は例えば、EDANA(Europian Disposables and Nonwovens Association)推奨試験法No.420.2−02"Particle size distribution"により測定することができる。有利には、10質量%未満の、好ましくは5質量%未満の、より好ましくは3質量%未満の水含分を有する乾燥された吸水性ポリマー粒子を使用する。
【0021】
ポリマーゲル層を貫流するガス流の速度は、好ましくは少なくとも0.5m/秒、より好ましくは少なくとも0.8m/秒、最も好ましくは少なくとも1m/秒であり、かつ好ましくは最大5m/秒、より好ましくは最大3m/秒、最も好ましくは最大2m/秒である。
【0022】
使用されるガスは限定されない。乾燥のためには、空気、窒素、または乾燥条件下で不活性の他のガスを使用してもよい。好ましいのは空気である。
【0023】
乾燥の際の滞留時間は、好ましくは少なくとも10分、より好ましくは少なくとも15分、最も好ましくは少なくとも20分であり、かつ好ましくは最大100分、より好ましくは最大80分、最も好ましくは最大60分である。
【0024】
乾燥は好ましくは大気圧に比べて減圧下で行い、好ましくは少なくとも0.5mbar、より好ましくは少なくとも2mbar、最も好ましくは少なくとも10mbarである。
【0025】
本発明にとって好ましい方法は、ベルトコンベア法(ベルト式乾燥機)である。ベルト式乾燥機は対流式乾燥システムであり、空気にさらすことができる製品を特に静かに取り扱うために適している。乾燥させる製品を、ガスを通す循環型コンベアベルトの上に置き、かつ加熱されたガス流、好ましくは加熱された空気流を貫流させる。
【0026】
乾燥ガスは循環させ、製品層を何度も貫流させる際に可能な限り高度に飽和させる。乾燥ガスの一定の割合、1度の貫流あたりガス量の好ましくは10%未満、より好ましくは15%未満、最も好ましくは20%未満、および好ましくは最大50%未満、より好ましくは最大40%未満、最も好ましくは30%未満が、高度に飽和された蒸気として乾燥機を離れ、かつ製品から蒸発する水量を運び去る。
【0027】
乾燥機のサイズと様式は、加工される製品、製造能力、および乾燥効率に左右される。
【0028】
ベルト式乾燥機は単ベルト式、多ベルト式、多工程式、または多段式のシステムとして実施することができる。本発明に好ましいのは、少なくとも1のベルトを有するベルト式乾燥機の稼働である。単ベルト式の乾燥機が極めて特に好ましい。ベルト式乾燥工程を工業手法的に最適に実施するために、吸水性ポリマーの乾燥特性を、選択された工程パラメータによって個々に測定する。ベルトの孔径と網目幅は、製品に合わせる。特定の表面改良、例えば電解研磨、またはテフロン化も可能である。
【0029】
製品の最適な運搬を保証するために、当業者に公知のチェーンガイド式の、またはチェーンレスのベルトシステム、例えば、プレート状ベルト、金属薄板ベルトと循環型プレート状ベルト、プラスチックのベルト、および金属繊維のベルトを使用することができる。
【0030】
吸水性ポリマーの経済的な乾燥を保証するために、乾燥機内のガス制御は、一貫してエネルギー効率のよい稼働に基づいて構成されている。乾燥特性、およびエネルギー利用の点で有利な、様々なガス制御概念が可能である。エネルギー回収システムを使用して、排出ガス流からの熱を、供給される新鮮なガスの予熱に利用することができる。
【0031】
乾燥機の加熱は、直接的、または間接的に様々な加熱媒体、例えば蒸気、温水、排出ガス、熱媒油、またはガスによって、好ましくは蒸気によって行うことができる。
【0032】
最適な乾燥の前提条件は、生成物の均一な供給である。生成物の均一な供給は、回転可能な分散ベルト、および振動式分散ベルト、揺動流出、またはスクリュー、振動流出、または揺動式コンベヤの使用により実施することができる。
【0033】
乾燥させるポリマーゲルは、好ましくは回転ベルトによってベルト式乾燥機のベルト上に置く。供給高度、すなわち回転ベルトとベルト式乾燥機のベルトとの垂直距離は、好ましくは少なくとも10cm、より好ましくは少なくとも20cm、最も好ましくは少なくとも30cmであり、かつ好ましくは最大200cm、より好ましくは最大120cm、最も好ましくは最大40cmである。
【0034】
乾燥させるポリマーゲルの層厚はベルト式乾燥機上で好ましくは少なくとも1cm、より好ましくは少なくとも2cm、最も好ましくは少なくとも4cmであり、かつ10cm未満、より好ましくは9cm未満、最も好ましくは8cm未満である。
【0035】
ベルト式乾燥機のベルト速度は、好ましくは少なくとも0.005m/秒、より好ましくは少なくとも0.01m/秒、最も好ましくは少なくとも0.015m/秒であり、かつ好ましくは最大0.05m/秒未満、より好ましくは最大0.03m/秒未満、最も好ましくは最大0.025m/秒である。
【0036】
好ましい実施態様においては、乾燥させるポリマーゲルに対して、ベルト式乾燥機の前半区域では下から上に、かつベルト式乾燥機の後半区域では上から下に、ガス流を貫流させ、ポリマーゲルの水含分が好ましくは少なくとも15質量%、より好ましくは少なくとも20質量%、さらに好ましくは少なくとも25質量%、最も好ましくは少なくとも28質量%に、かつ好ましくは最大45質量%、より好ましくは最大35質量%、さらに好ましくは最大32質量%、最も好ましくは最大30質量%になったところで、流れを逆転させる。
【0037】
好ましくは、流れを逆転させた後のガス速度を、好ましくは少なくとも10%、より好ましくは少なくとも30%、最も好ましくは少なくとも40%、かつ好ましくは最大100%、より好ましくは最大80%、およびより好ましくは最大60%、上昇させる。
【0038】
ベルト式乾燥機に対して少なくとも部分的に下から上へ貫流させる場合、ガス速度は好ましくはポリマーゲルをベルトから離すために必要となるガス速度の少なくとも5%、より好ましくは少なくとも8%、最も好ましくは少なくとも10%、かつ好ましくは最大30%、より好ましくは最大25%、最も好ましくは最大20%である。
【0039】
ポリマーゲル層をベルトから離すガス速度、または空気速度(流動点)は、実験的に測定するか、または
【化1】

[式中、Vmaxはポリマーゲル層をベルトから離す最大ガス速度、または最大空気速度、ρBはポリマーゲルのかさ密度、gは重力定数、Δhはポリマーゲル層を貫流することによる圧力損失、およびCDは空気抵抗係数である]
によって計算することができる。
【0040】
適切なモノマーa)は例えば、エチレン不飽和カルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、およびイタコン酸、またはこれらの誘導体、例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸エステル、およびメタクリル酸エステルである。特に好ましいモノマーは、アクリル酸とメタクリル酸である。最も好ましいのは、アクリル酸である。
【0041】
モノマーa)、特にアクリル酸は、好ましくは最大0.025質量%のヒドロキノン半エーテルを含む。好ましいヒドロキノン半エーテルは、ヒドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)、および/またはトコフェロールである。
【0042】
トコフェロールとは、以下の式:
【化2】

[式中、R1は水素またはメチル、R2は水素またはメチル、R3は水素またはメチル、およびR4は水素または1〜20の炭素原子を有する酸基である]
の化合物である。
【0043】
4の基に好ましいのは、アセチル、アスコルビル、スクシニル、ニコチニル、およびその他の生理的に認容性のカルボン酸である。カルボン酸はモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはトリカルボン酸であってよい。
【0044】
好ましいのは、R1=R2=R3=メチルを有するα−トコフェロール、とりわけラセミ体のα−トコフェロールである。R1は好ましくは水素、またはアセチルである。とりわけ好ましいのは、RRR−α−トコフェロールである。
【0045】
モノマー溶液は、その都度アクリル酸に対してアクリラートもアクリル酸として考慮して好ましくは最大130質量ppm、より好ましくは最大70質量ppmの、好ましくは少なくとも30質量ppm、より好ましくは少なくとも30質量ppm、および特に約50質量ppmのヒドロキノン半エーテルを含む。モノマー溶液を製造するために例えば、相応するヒドロキノン半エーテル含分を有するアクリル酸を使用することができる。
【0046】
重合阻害剤はまた、例えば活性炭上に吸収させることによってモノマー溶液から取り除くこともできる。
【0047】
架橋剤b)は、ラジカルによりポリマー網目構造中に重合導入可能な少なくとも2の重合可能な基を有する化合物である。適切な架橋剤b)は例えば、EP530438A1に記載されているようにエチレングリコールジメタクリラート、ジエチレングリコールジアクリラート、アリルメタクリラート、トリメチロールプロパントリアクリラート、トリアリルアミン、テトラアリルオキシエタンであるか、EP547847A1、EP559476A1、EP632068A1、WO93/21237A1、WO2003/104299A1、WO2003/104300A1、WO2003/104301A1、およびDE10331450A1に記載されているようにジアクリラートおよびトリアクリラートであるか、DE10331456A1、およびDE10355401A1に記載されているように、アクリラート基の他にさらなるエチレン不飽和基を含む混合アクリラートであるか、または例えばDE19543368A1、DE19646484A1、WO90/15830A1、およびWO2002/32962A2に記載されているような架橋剤混合物である。
【0048】
適切な架橋剤b)はとりわけ、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、およびN,N’−メチレンビスメタクリルアミド、ポリオールと不飽和モノカルボン酸または不飽和ポリカルボン酸とのエステル、例えばジアクリラートまたはトリアクリラート、例えばブタンジオールジアクリラート、ブタンジオールジメタクリラート、エチレングリコールジアクリラート、エチレングリコールジメタクリラート、ならびにトリメチロールプロパントリアクリラート、およびアリル化合物、例えばアリル(メタ)アクリラート、トリアリルシアヌラート、マレイン酸ジアリルエステル、ポリアリルエステル、テトラアリルオキシエタン、トリアリルアミン、テトラアリルエチレンジアミン、リン酸のアリルエステル、ならびにビニルリン酸誘導体であり、これらは例えばEP343427A2に記載されている。適切な架橋剤b)はさらに、ペンタエリトリトールジアリルエーテル、ペンタエリトリトールトリアリルエーテル、およびペンタエリトリトールテトラアリルエーテル、ポリエチレングリコールジアリルエーテル、エチレングリコールジアリルエーテル、グリセリンジアリルエーテル、グリセリントリアリルエーテル、ソルビトールベースのポリアリルエーテル、ならびにエトキシ化されたこれらの変性体である。本発明による方法において使用可能なのは、ポリエチレングリコールのジ(メタ)アクリラートであり、この際、使用されるポリエチレングリコールは300〜1000の分子量を有する。
【0049】
しかしながら特に有利な架橋剤b)は、3〜15回エトキシ化されたグリセリンの、3〜15回エトキシ化されたトリメチロールプロパンの、3〜15回エトキシ化されたトリメチロールエタンの、ジアクリラートおよびトリアクリラートであり、とりわけ2〜6回エトキシ化されたグリセリンの、または2〜6回エトキシ化されたトリメチロールプロパンの、3回プロポキシ化されたグリセリンの、3回プロポキシ化されたトリメチロールプロパンの、ならびに合計3回エトキシ化またはプロポキシ化されたグリセリンの、合計3回エトキシ化またはプロポキシ化されたトリメチロールプロパンの、15回エトキシ化されたグリセリンの、15回エトキシ化されたトリメチロールプロパンの、40回エトキシ化されたグリセリンの、40回エトキシ化されたトリメチロールエタンの、40回エトキシ化されたトリメチロールプロパンの、ジアクリラートおよびトリアクリラートである。
【0050】
架橋剤b)としての使用に非常にとりわけ好ましいのは、例えばWO2003/104301A1に記載されている、アクリル酸またはメタクリル酸によってエステル化されてジアクリラートまたはトリアクリラートになった、複数回エトキシ化されたおよび/またはプロポキシ化されたグリセリンである。とりわけ有利なのは、3〜10回エトキシ化されたグリセリンのジアクリラートおよび/またはトリアクリラートである。特にとりわけ好ましいのは、1〜5回エトキシ化された、および/またはプロポキシ化されたグリセリンのジアクリラートまたはトリアクリラートである。最も好ましいのは、3〜5回エトキシ化されたおよび/またはプロポキシ化されたグリセリンのトリアクリラートである。これらはとりわけ、吸水性ポリマーにおける特に低い残留含分(典型的には10質量ppm未満)によって特徴付けられ、かつこうして製造される吸水性ポリマーの水性抽出物は、同じ温度の水と比較してほとんど変わらない表面張力を有する(典型的には少なくとも0.068N/m)。
【0051】
モノマーa)と共重合可能なエチレン不飽和モノマーc)は例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、クロトン酸アミド、ジメチルアミノエチルメタクリラート、ジメチルアミノエチルアクリラート、ジメチルアミノプロピルアクリラート、ジエチルアミノプロピルアクリラート、ジメチルアミノブチルアクリラート、ジメチルアミノエチルメタクリラート、ジエチルアミノエチルメタクリラート、ジメチルアミノネオペンチルアクリラート、およびジメチルアミノネオペンチルメタクリラートである。
【0052】
水溶性ポリマーd)としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、デンプン誘導体、ポリグリコール、またはポリアクリル酸を、好ましくはポリビニルアルコールとデンプンを使用することができる。
【0053】
好ましい重合阻害剤は、最適な効果のために溶解された酸素を必要とする。従って重合阻害剤は、不活性化、すなわち不活性ガス、好ましくは窒素の貫流によって重合前に溶解された酸素から自由になっていてよい。モノマー溶液の酸素含分を重合前に、好ましくは1質量ppm未満、より好ましくは0.5質量ppm未満に下げる。
【0054】
適切なベースポリマー、ならびにさらなる適切な親水性のエチレン不飽和モノマーd)の製造は、DE19941423A1、EP686650A1、WO2001/45758A1、およびWO2003/104300A1に記載されている。
【0055】
吸水性ポリマーは通常、モノマー水溶液の重合、および場合により引き続いたポリマーゲルの粉砕により得られる。適切な製造方法は、文献に記載されている。吸水性ポリマーは例えば、
バッチ法での、または管式反応器でのゲル重合、および引き続いた粉砕機、押出機、または混練機での粉砕(EP445619A2、DE19846413A1)、
例えば対向撹拌軸による連続的粉砕による、混練機での重合(WO2001/38402A1)、
ベルト上での重合、および引き続いた粉砕機、押出機、または混練機での粉砕(DE3825366A1、US6241928)、
既に比較的狭いゲル粒径分布のパール重合体が生じるエマルション重合(EP457660A1)
によって得ることができる。
【0056】
好ましくは、例えばWO2001/38402A1に記載された混練機、またはEP955086A2に記載されたベルト式反応器で、反応を実施する。
【0057】
得られるポリマーゲルの酸基は、55mol%未満、好ましくは10〜55mol%、より好ましくは20〜50mol%、およびさらに好ましくは25〜45mol%で中和されており、この際、通常の中和剤を使用することができ、好ましくはアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属炭酸塩、またはアルカリ金属炭酸水素塩、およびこれらの混合物を使用することができる。アルカリ金属塩の代わりに、アンモニウム塩を使用することもできる。ナトリウムとカリウムがアルカリ金属としてとりわけ好ましいが、最も好ましいのは水酸化ナトリウム、炭酸ナトリムまたは炭酸水素ナトリウム、およびこれらの混合物である。通常は中和剤を水溶液として、または好ましくは固体材料として添加混合することにより中和を行う。例えば明らかに50質量%未満の水割合を有する水酸化ナトリウムは、23℃以上の融点を有するロウ状物質であってよい。この場合、個々の塊として、または溶融物として高められた温度で供給することが可能である。
【0058】
中和は重合後にポリマーゲルの段階で実施することができる。しかしながら、モノマー溶液に中和剤の一部を加えておくことによって最大40mol%、好ましくは10〜30mol%、より好ましくは15〜25mol%の酸基を重合前に中和し、かつ所望の最終的な中和度を、重合後にポリマーゲルの段階で調整することも可能である。モノマー溶液は、中和剤の添加混合によって中和することができる。ポリマーゲルは、例えば粉砕機によって機械的に粉砕されていてよく、この場合中和剤をスプレー、振りかけ、または注ぎ込んでよく、かつその後注意深く混合する。均質化のために、得られたゲル体をさらに複数回粉砕してもよい。モノマー溶液を最終的な中和度に中和することが好ましい。
【0059】
引き続き得られる水性ポリマーゲルを、前述の本発明による方法に従って乾燥させる。
【0060】
乾燥されたポリマーゲルのさらなる処理は、本発明による方法にとって重要ではない。本発明による方法はさらに、例えば粉砕、ふるい分け、および/または後架橋の工程を含む。
【0061】
乾燥させたポリマーゲルを、好ましくは粉砕し、かつふるい分けし、この際粉砕には通常ロールミル、ハンマーミル、ピンミル、またはスイングミルを使用することができる。ふるい分けされた乾燥ポリマーゲルの粒径は、好ましくは1000μm未満、より好ましくは900μm未満、最も好ましくは800μm未満、かつ好ましくは100μm超、より好ましくは150μm超、最も好ましくは200μm超である。
【0062】
特にとりわけ好ましいのは、106〜850μmの粒径(ふるい画分)である。粒径は、EDANA(Europian Disposables and Nonwovens Association)推奨試験法No.420.2−02"Particle size distribution"に従って測定する。
【0063】
引き続き、ベースポリマーを表面後架橋するのが好ましい。このための適切な後架橋剤は、ポリマーゲルの少なくとも2のカルボキシラート基と共有結合を形成することができる基を含む化合物である。適切な化合物は例えば、EP83022A2、EP543303A1、およびEP937736A2に記載されているアルコキシシリル化合物、ポリアジリジン、ポリアミン、ポリアミドアミン、ジグリシジル化合物、ポリグリシジル化合物であり、DE3314019A1、およびDE3523617A1、およびEP450922A2に記載されている二官能性の、または多官能性のアルコールであり、またはDE10204938A1、およびUS6239230に記載されているβ−ヒドロキシアルキルアミドである。
【0064】
適切な後架橋剤としてはさらに、DE4020780C1に記載の環状炭酸塩、DE19807502A1に記載の2−オキサゾリドンとその誘導体、例えば2−ヒドロキシエチル−2−オキサゾリドン、DE19807992A1に記載のビス−2−オキサゾリジノン、およびポリ−2−オキサゾリジノン、DE19854573A1に記載の2−オキソテトラヒドロ−1,3−オキサジンとその誘導体、DE19854574A1に記載のN−アシル−2−オキサゾリドン、DE10204937A1に記載の環状尿素、DE10334584A1に記載の二環式のアミドアセタール、EP1199327A2に記載のオキセタンと環状尿素、およびWO2003/31482A1に記載のモルホリン−2,3−ジオンとその誘導体である。
【0065】
後架橋は通常、表面後架橋剤の溶液をポリマーゲルに、または乾燥したベースポリマーにスプレーすることによって行う。スプレーに引き続きポリマー粉末を熱的に乾燥させるが、この際架橋反応が乾燥前だけではなく乾燥中に起こってもよい。
【0066】
架橋剤溶液のスプレーを、好ましくは可動式混合器具を有する混合機、例えばスクリュー型混合機、パドル型混合機、ディスク型混合機、スキ型混合機、およびシャベル型混合機で行う。とりわけ好ましいのは、垂直型混合機、および特にとりわけ好ましくはスキ型混合機とシャベル型混合機である。適切な混合機は例えば、Loedige(登録商標)混合機、Bepex(登録商標)混合機、Nauta(登録商標)混合機、Processall(登録商標)混合機、およびSchugi(登録商標)混合機である。
【0067】
熱による乾燥を、好ましくは接触式乾燥機、より好ましくはシャベル型乾燥機、最も好ましくはディスク型乾燥機で行う。適切な乾燥機は例えば、Bepex(登録商標)乾燥機、およびNara(登録商標)乾燥機である。その上、流動層乾燥機も使用することができる。
【0068】
乾燥は混合機自体において、ジャケットの加熱、または温い空気の吹き込みによって行ってもよい。同様に後接続された乾燥機、例えばトレー式乾燥機、回転管式オーブン、または加熱可能なスクリューを使うこともできる。しかしながら乾燥工程としては、例えば共沸蒸留を利用することもできる。
【0069】
好ましい乾燥温度は、50〜250℃、好ましくは50〜200℃、より好ましくは50〜150℃の範囲である。反応混合機、または乾燥機におけるこの温度での好ましい滞留時間は30分未満、および好ましくは10分未満である。
【0070】
本発明のさらなる対象は、本発明による方法に従って得られる吸水性ポリマー粒子、ならびに
i)重合導入され、55mol%中和されている、酸基を有する少なくとも1のエチレン不飽和モノマー、
ii)重合導入された少なくとも1の架橋剤
iii)選択的に、i)で言及したモノマーと共重合可能な、1またはそれ以上の重合導入されたエチレン不飽和モノマー、および/またはアリル不飽和モノマー
iv)選択的に、i)で言及したモノマーを少なくとも部分的にグラフト重合させてある1またはそれ以上の水溶性ポリマー、
を含む吸水性ポリマー粒子であって、この際このポリマー粒子は15質量%未満の水含分、および少なくとも60のHunter60値を有し、ならびにこのHunter60値が70℃で、かつ相対空気湿度90%で一週間貯蔵の間、初期値の10%未満しか減少しない。
【0071】
吸水性ポリマー粒子の酸基は、好ましくは10〜55mol%、より好ましくは20〜50mol%、およびさらに好ましくは25〜45mol%中和されている。
【0072】
色の測定は、CIELAB法(Hunterlab、第8巻、1996年、No.7、1〜4p)に従って行う。この場合、色は三次元系のL*、a*、およびb*の座標により示される。L*は明度を示し、L*=0は黒を意味し、かつL*=100は白を意味する。a*とb*の値は、色軸の赤/緑、もしくは黄色/青での色の位置を示し、この際、+a*は赤、−a*は緑、+b*は黄色、および−b*は青を表す。
【0073】
色の測定は、ドイツ工業規格DIN5033−6の三区域法(Dreibereichverfahren)に準拠する。
【0074】
Hunter60値は、表面の白色度の基準であり、L*−3b*と定義される、つまり値が低ければ低いほど、色が暗く、かつ黄色くなる。
【0075】
Hunter60値は、好ましくは少なくとも65、より好ましくは少なくとも68、最も好ましくは少なくとも70である。
【0076】
70℃で、かつ相対空気湿度90%で一週間貯蔵する間に、Hunter60値は、初期値の好ましくは12%未満、より好ましくは10%未満、最も好ましくは8%未満しか減少しない。
【0077】
*値は好ましくは10未満、より好ましくは7未満、さらに好ましくは5未満、最も好ましくは4未満である。
【0078】
70℃で、および相対空気湿度90%で一週間貯蔵する間に、b*値は初期値の好ましくは75%未満、より好ましくは50%未満、最も好ましくは30%未満しか上昇しない。
【0079】
本発明のポリマー粒子の水含分は、好ましくは少なくとも2質量%、より好ましくは少なくとも3質量%、最も好ましくは少なくとも5質量%であり、かつ最大10質量%、より好ましくは最大9質量%、最も好ましくは最大8質量%である。
【0080】
本発明による吸水性ポリマー粒子の平均粒径は、好ましくは200〜700μm、より好ましくは300〜600μm、最も好ましくは300〜500μmである。生成物フラクションの平均粒径は、EDANA(Europian Disposables and Nonwovens Association)推奨試験法No.420.2−02"Particle size distribution"により測定し、この場合ふるい画分の物質割合を累積的な形で作図し、そして平均粒径が視覚的に求められる。この際平均粒径は、積算値の50質量%に相当する網目幅の値である。
【0081】
本発明のポリマー粒子の好ましくは10質量%未満、より好ましくは5質量%未満、最も好ましくは2%未満が、150μm未満の粒径を有する。小さな粒子の割合が高すぎると、白色度は確かに高まるが、さらなる液体に対する膨潤ゲル層の透過性を減少させる。
【0082】
本発明による吸水性ポリマー粒子は、典型的に少なくとも20g/gの、好ましくは少なくとも23g/gの、より好ましくは少なくとも25g/gの、および通常は100g/gの遠心分離時保水力(CRC)を有する。遠心分離時保水力(CRC)は、EDANA(Europian Disposables and Nonwovens Association)推奨試験法No.441.2−02"Centrifuge retention capacity"により測定する。
【0083】
本発明の対象はさらに、上記の本発明による吸水性ポリマー粒子の使用を含む衛生用品、とりわけおむつの製造方法である。
【0084】
品質を測るために、乾燥させた吸水性ポリマー粒子を、以下に記載する試験法を用いて試験する。
【0085】
方法:
特に言及しない限り、測定は23±2℃の周囲温度、かつ相対空気湿度50±10%で行う。吸水性ポリマーは測定前、良好に完全混合する。
【0086】
水含分
吸水性ポリマー粒子の水含分は、EDANA(Europian Disposables and Nonwovens Association)推奨試験法No.430.2−02""Moisture content"に従って測定する。
【0087】
遠心分離時保水力(CRC Centrifuge Retention Capacity)
吸水性ポリマー粒子の遠心分離時保水力はEDANA(Europian Disposables and Nonwovens Association)推奨試験法No.441.2−02"Centrifuge retention capacity"に従って測定する。
【0088】
色の測定
色の測定のために、Hunterlab LabScan測色計(LS−5100型)を使用した。
【0089】
実施例:
実施例1〜7
37.3質量%のナトリウムアクリラート水溶液1235.1g、アクリル酸529.31g、水1182.77g、尿素1.32g、3回エトキシ化されたグリセリントリアクリラート1.32gを秤量し、5,000mlのガラスビーカーに入れた。中和度は40mol%であった。その後、この溶液を金属フリットを用いて100l/hの窒素で30分間、不活性化した。さらに、溶液を撹拌した(〜100rpm)。撹拌の間、モノマー溶液を10℃に冷却した。冷却槽は開始剤添加の直前に取り除いた。引き続き、3質量%の2,2’−アゾビス−(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド水溶液10.0g、3質量%の過硫酸ナトリウム水溶液30.0g、3質量%の過酸化水素水溶液7.0g、および1質量%のアスコルビン酸水溶液4.5gを添加した。反応開始後、撹拌器具と金属フリットを反応溶液から取り除いた。30分間の反応時間後、ゲルを取り出し、有孔板を備える粉砕機で粉砕した(有孔直径6mm)。
【0090】
粉砕されたゲル700gを、網目底を備えるトレーに均等に分散させ、かつ75分間、強制空気循環式乾燥棚(Heraeus UT 12、最大空気循環)において、表中に示した温度で乾燥させた。
【0091】
ロールミル(市販のBaumeister LRC 125/70、スロット幅1000μm、600μm、400μm)で三回粉砕後、ポリマーをふるい上で850〜100μmのふるい画分にふるい分けする。
【0092】
得られる吸水性ポリマー粒子について、遠心分離時保水力(CRC)を測定した。その結果は、表1にまとめてある。
【0093】
【表1】

【0094】
乾燥温度が上がるにつれて、遠心分離時保水力(CRC)は悪化している。
【0095】
実施例8〜14
37.3質量%のナトリウムアクリラート水溶液2478.79g、アクリル酸275.41g、水192.91g、3回エトキシ化されたグリセリントリアクリラート4.13gを秤量し、5,000mlのガラスビーカーに入れた。中和度は72mol%だった。その後、この溶液を金属フリットを用いて100l/hの窒素で30分間、不活性化した。さらに、溶液を撹拌した(〜100rpm)。撹拌の間にモノマー溶液を10℃に冷却した。冷却槽は、開始剤添加の直前に取り除いた。引き続き、3質量%の2,2’−アゾビス−(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド10.0g、3質量%の過硫酸ナトリウム水溶液30.0g、3質量%の過酸化水素水溶液7.0g、および1質量%のアスコルビン酸水溶液4.5gを添加した。反応開始後、撹拌器具と金属フリットを反応溶液から取り除いた。30分間の反応時間後、ゲルを取り出し、そして有孔板を備える粉砕機を用いて粉砕した(有孔直径6mm)。
【0096】
粉砕されたゲル700gを、網目底を備えるプレートに均等に分散させ、かつ75分間、強制空気循環式乾燥棚(Heraeus UT 12、最大空気循環)において、表中に示した温度で乾燥させた。
【0097】
ロールミルで三回粉砕後(市販のBaumeister LRC 125/70、スロット幅1000μm、600μm、400μm)、ポリマーをふるい上で850〜100μmのふるい画分にふるい分けする。
【0098】
得られる吸水性ポリマー粒子について、遠心分離時保水力(CRC)を測定した。その結果を、表2にまとめている。
【0099】
【表2】

【0100】
乾燥温度が上がるにつれ、遠心分離時保水力(CRC)もまた上昇する。この挙動は、40mol%の中和度を有するポリマーゲルで見られるものとは正反対である。
【0101】
従って中和度の低いポリマーゲルは、中和度の高いポリマーゲルとは異なる方法で乾燥しなければならない。
【0102】
実施例15〜24
アクリル酸117.62g、水223.05g、および50質量%の水酸化ナトリウム水溶液52.28gを、温度が35℃超に上がらないように混合した。引き続き尿素0.18g、および3回エトキシ化されたグリセリントリアクリラート0.18gを秤量し、600mlのガラスビーカーに入れた。中和度は40mol%だった。この溶液を金属フリットを用いて100l/hの窒素で30分間、不活性化した。この溶液をさらに撹拌した(〜100rpm)。撹拌の間にモノマー溶液を10℃に冷却した。冷却槽は、開始剤添加の直前に取り除いた。引き続き、モノラウリン酸ソルビタン0.16g、3質量%の2,2’−アゾビス−(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド水溶液1.33g、3質量%の過硫酸ナトリウム水溶液4.0g、3質量%の過酸化水素水溶液0.93g、および1質量%のアスコルビン酸水溶液0.6gを添加した。反応開始後、撹拌器具と金属フリットを溶液から取り除いた。30分間の反応時間後、ゲルを取り出し、有孔板を備える粉砕機を用いて粉砕した(有孔直径6mm)。
【0103】
粉砕されたゲル300gを網目底を備える円筒形の容器(底板の網目幅:350μm、高さ:11cm、直径:10cm)に移し、かつ熱い、湿気を加えていない周辺空気(空気速度:1.0m/秒)でt1の時間にわたりT1の温度で乾燥させ、かつ場合により付加的にt2の時間にわたりT2の温度で乾燥させた。この調整は表3にまとめた。
【0104】
ロールミルで三回粉砕後(市販のBaumeister 125/70、スロット幅1000μm、600μm、400μm)、ポリマーをふるい上で850〜100μmのふるい画分にふるい分けした。
【0105】
それぞれの試料を2.5gずつ小さなプラスチック製ペトリ皿(深さ:1.2cm、内径3.5cm)に移し、かつMacbeth Color−Eye 2180(方式:CIELab、光源:D65、観察者:10゜、CMC比 明度(I):2.、CMC比 色度(c):1.、色度波長:オート、ブロックサイズA1:55.00、ブロックサイズA2:66.00、ブロックサイズA3:77.00)を用いてHunter60値(HC60)と、b*値を測定した。7日間、および14日間、試験用キャビネットで貯蔵後(相対空気湿度90%、70℃)、この測定を繰り返した。
【0106】
これらの値から、7日後の変化を初期値と比較して算出した。
【0107】
結果は表3にまとめた。
【0108】
【表3】

【0109】
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a) 55mol%未満中和されている、酸基を有する少なくとも1のエチレン不飽和モノマー
b) 少なくとも1の架橋剤
c) 選択的に、a)で言及したモノマーと共重合可能な1またはそれ以上のエチレン不飽和モノマー、および/またはアリル不飽和モノマー、および
d)選択的に、1またはそれ以上の水溶性ポリマー
を含むモノマー溶液の重合による(この際、前記モノマー溶液を重合させ、かつ得られたポリマーゲルを加熱されたガス流により乾燥させる)吸水性ポリマー粒子の製造方法において、
前記乾燥を少なくとも2の温度帯域で行い、この際少なくとも2の温度帯域のガス入口温度は、TnがTn+aより大きいという条件を満たし[式中、記号nとaはそれぞれ0より大きい整数である]、ならびに温度帯域Tnにおけるガス入口温度が175℃未満であり、かつ温度帯域TnとTn+aとのガス入口温度の温度差が、10℃超であることを特徴とする、吸水性ポリマー粒子の製造方法。
【請求項2】
ポリマーゲルの水含分が、温度帯域Tnに入る際に少なくとも30質量%であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ポリマーゲルが1の不粘着剤を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
乾燥させる前記ポリマーゲルの層厚が10cm未満であることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
ポリマーゲル層を貫流させるガス流の速度が0.5〜5m/秒であることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
乾燥機におけるポリマーゲルの滞留時間が、10〜120分であることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記乾燥の際の圧力が大気圧より低いことを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記乾燥をベルト式乾燥機で行うことを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記ポリマーゲルが乾燥後に2〜10質量%の水含分を有することを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法によって得られる、吸水性ポリマー粒子。
【請求項11】
i)55mol%未満中和されている、重合導入された、酸基を有する少なくとも1のエチレン不飽和モノマー、
ii)重合導入された少なくとも1の架橋剤、
iii)選択的に、i)で言及したモノマーと共重合可能な、1またはそれ以上の重合導入されたエチレン不飽和モノマー、および/またはアリル不飽和モノマー、
iv)選択的に、i)で言及したモノマーを少なくとも部分的にグラフトさせてある、1またはそれ以上の水溶性ポリマー
を含む吸水性ポリマー粒子であって、
前記ポリマー粒子が10質量%未満の水含分、および少なくとも60のHunter60値を有し、ならびに70℃で、かつ相対空気湿度90%で一週間貯蔵する間に、Hunter60値が初期値の15%未満しか減少しない、吸水性ポリマー粒子。
【請求項12】
前記ポリマー粒子が10未満のb*値を有し、ならびにこのb*値が70℃で、かつ相対空気湿度90%で一週間貯蔵する間に初期値の75%未満しか上昇しないことを特徴とする、請求項10または11に記載のポリマー粒子。
【請求項13】
150μmより小さい直径を有する粒子の割合が、10質量%未満であることを特徴とする、請求項10または12に記載のポリマー粒子。
【請求項14】
前記ポリマー粒子が、少なくとも20g/gの遠心分離時保水力(CRC)を有することを特徴とする、請求項10から13までのいずれか1項に記載のポリマー粒子。
【請求項15】
前記ポリマー粒子が、300〜600μmの範囲の平均粒子直径を有することを特徴とする、請求項10から14までのいずれか1項に記載のポリマー粒子。
【請求項16】
請求項10から15までのいずれか1項に記載の吸水性ポリマー粒子を含む、衛生用品。

【公表番号】特表2010−503758(P2010−503758A)
【公表日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−528696(P2009−528696)
【出願日】平成19年9月17日(2007.9.17)
【国際出願番号】PCT/EP2007/059759
【国際公開番号】WO2008/034786
【国際公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】