説明

中和装置、並びに、燃焼装置

【課題】配置位置周辺に広く空間が確保できない場合であっても、実質的な容積を変更することなく、容易に配管の取付け作業を実施可能な中和装置、及びそのような中和装置を備えた燃焼装置を提供する。
【解決手段】中和装置15の上方部分に、外部の部材との間に亘って設けられる配管を取付け可能なドレン導入部61を形成する。このとき、ドレン導入部61を、管状の挿入部73と、溝部74とを備えた構成とし、挿入部73の基端部を溝部74の開口面より中和装置の本体内部側に位置させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼ガスの潜熱を回収する際に発生するドレンを中和する中和装置に関するものである。また、その中和装置を備えた燃焼装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、バーナを燃焼させた際に発生する熱の熱交換効率を向上するべく、燃焼ガスの顕熱だけでなく潜熱まで回収する潜熱回収型の燃焼装置が市場に普及している。この潜熱回収型の燃焼装置は、燃焼ガスの主に顕熱を回収する一次熱交換器に加え、潜熱を回収する二次熱交換器が具備されており、高い熱交換効率を有している。
【0003】
このような燃焼装置でバーナを燃焼させる際の燃料として、主成分がメタンやプロパン等のガスが使用されている。このようなガスは水素を含有しており、燃焼させると燃焼ガス中に水蒸気が含まれる。このことから、この水蒸気が有する潜熱を二次熱交換器で回収すると、燃焼ガス中の水蒸気が液化してドレンが発生する。加えて、燃焼によって空気中の窒素と酸素とが反応して窒素酸化物が生成されるため、燃焼ガスに晒されたドレンがこの窒素酸化物によって酸性となる。即ち、このような潜熱回収型の燃焼装置は、構造上、酸性のドレンが発生してしまう。
【0004】
この酸性のドレンは、具体的には強酸を呈する硝酸であるため、処理を行うことなくそのまま外部に排水すると環境等に対して悪影響を及ぼす懸念がある。そのため、潜熱回収型の燃焼装置には、ドレンを外部に導くドレン排出系統を設け、そのドレン排出系統の中途に酸性のドレンを中和する中和装置が備えられたものがある。この種の燃焼装置では、二次熱交換器で発生したドレンを中和装置で中和してから外部に排水しているため、環境等に対して悪影響を及ぼすことがない。
【0005】
例えば、特許文献1には、このようなドレンを中和する中和装置、並びにそのような中和装置を備えた燃焼装置が開示されている。特許文献1に開示されている燃焼装置は、所謂逆燃焼方式と称される燃焼装置であり、上方から順に、バーナ等を備えた燃焼部と、一次熱交換器と二次熱交換器を内蔵した燃焼ケースと、排気集合部とが連続して設けられている。そして、排気集合部の下方部分と中和装置の上方部分とが配管で接続され、排気集合部から中和装置へドレンが流入する構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−34588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、近年、狭い場所に設置可能な燃焼装置が市場から望まれており、そのような要求に応えるべく小型化された燃焼装置が開発されている。このような燃焼装置では、燃焼装置の内部空間が実質的に狭くなるため、中和装置の設置位置の周辺に広い空間が確保できなくなってしまう。すると、中和装置を燃焼装置内部に取付けるとき、作業者が作業するためのスペースが確保できなくなってしまう。
【0008】
具体的に説明すると、中和装置を燃焼装置内部に取付けるとき、作業者は、配管の片側端部を中和装置の上方部分に予め接続した状態で、中和装置を燃焼装置内部へと移動させ、設置予定位置へと設置する。そして、その状態で、中和装置に接続した配管のもう一方の端部を、排気集合部といったドレンの流れ方向上流側の部材の下方部分へと接続する。したがって、中和装置とドレンの流れ方向上流側の部材との間に、十分な空間が確保できないと、このような中和装置の取付け作業が非常に困難となってしまう。
【0009】
このような小型化された燃焼装置に中和装置を設置する方法として、中和装置本体の小型化が考えられる。しかしながら、中和装置本体を小型化してしまうと、中和剤を収納するのに十分な容積が確保できず、短期間に何度も中和剤を補填する必要が生じるため、不便であるという問題がある。即ち、中和装置に中和剤を僅かしか詰め込めないため、中和剤がすぐになくなってしまうという問題である。
【0010】
さらにまた、中和装置本体を小型化してしまうと、中和装置の内部にドレンを長い時間留まらせることができないという問題がある。詳説すると、中和装置は、ドレンが内部へ流入され続け、ドレン流入量が中和装置の貯留量を超えたとき、中和装置の外部へドレンが排出される構造となっている。このとき、中和装置の容積が小さいと、中和装置の貯留量も小さくなる。そのため、ドレンが流入されてから排出されるまでの時間が短くなり、ドレンを中和装置の内部に長い時間留まらせることができなくなる。ここで、ドレンは、中和剤が詰め込まれた中和装置の内部に所定時間以上留まることで中和される。したがって、ドレンを中和装置の内部に長い時間留まらせることができないと、ドレンを十分に中和できないという問題が発生してしまう。
【0011】
また、中和装置に対する配管の接続方向や、配管の延長方向を変更する方法が考えられる。即ち、中和装置の配管取付け口の設置面を変更し、配管の取付け作業がやり易い位置に配管取付け口を形成する方法である。しかしながら、上記したように、中和装置を設置する場所が狭いため、配管取付け口の設置面の変更には制限があり、変更は困難であるという問題がある。また、このような方法によると、配管を曲げたり、捻じったりして配管長を不必要に長くせねばならない。しかしながら、配管を曲げる、捻じる等して取付けると、流路が複雑に延びることになるので、配管内にドレンの液溜まりが形成されてしまったり、ごみ等がドレンと共に流入してしまったときに、配管のつまりの原因となる可能性があるため、望ましくないという問題がある。
【0012】
そこで本発明は、上記した従来技術の問題点に鑑み、中和装置本体の容積、配管の接続方向及び延長方向を変更することなく、小型化された燃焼装置内であっても配管の接続作業を容易に実施可能な中和装置、並びにそのような中和装置を備えた燃焼装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、燃焼器と、主に燃焼ガスの潜熱を回収する熱交換器とを有する燃焼装置において、前記燃焼装置内から前記熱交換器で発生するドレンを中和して排出するための中和装置であって、本体の上方部分に、外部の部材との間に亘って設けられる配管を取付け可能なドレン導入部が設けられており、当該ドレン導入部は、前記配管の端部内周に挿入可能な管状の挿入部と、当該挿入部を囲繞する溝部とを有し、前記挿入部は、外部と本体内部を連通するものであり、前記挿入部の基端部が、前記溝部の開口面より前記本体内部側に位置することを特徴とする中和装置である。
【0014】
本発明の中和装置は、管状の挿入部と、挿入部を囲繞する溝部とを有したドレン導入部を備えている。また、挿入部の基端部が、前記溝部の開口面より前記本体内部側に位置している。このことにより、挿入部を、本体内部に近い位置に配することができる。また、配管を挿入部に取付けたとき、配管に挿入部が差し込まれて形成される、配管と挿入部とが内外で重なった部分(以下つなぎ部分とも称す)を、本体内部側に位置させることができる。そのため、本発明の中和装置では、つなぎ部分の長さを短くすることなく、挿入部の先端部分を本体内部側に位置させることができる。
【0015】
ここで、配管に挿入部を挿入するとき、つなぎ部分の長さが長いと、接続した配管が抜けにくくなる。具体的に説明すると、2つの管状の部材のうち、一方の管状の部材の内孔に、他方の管状の部材を挿入して2つの管状の部材を接続するとき、2つの管状の部材が重なりあった部分(つなぎ部分)が形成される。このとき、このつなぎ部分には、一方の管状の部材を、他方の管状の部材に対して抜ける方向へ移動させたとき、その移動を妨げるように摩擦力が働く。そのため、つなぎ部分の長さが長いと、一方の管状の部材を、他方の管状の部材に対して抜ける方向へ移動させるとき、より長い距離を移動する間、移動を妨げる方向に摩擦力が働く。このことにより、接続した配管が抜けにくくなる。即ち、本発明の中和装置では、つなぎ部分の長さが比較的長いので、配管を強固に取付けることができる。
【0016】
また、挿入部の基端部を本体内部側に位置させると、挿入部の先端と、外部の部材との間に形成される空間を広くできる。すると、挿入部と外部の部材との間に亘って設けられる配管を取付けるとき、配管の取付け作業を行うための空間が広くなる。このことにより、中和装置を小さくすることなく、配管の取付け作業を実施可能な空間を十分に確保できるため、配管の取付け作業が容易となる。
【0017】
本発明の中和装置では、前記挿入部は、上下方向に沿って延びており、前記溝部の開口面は本体上面と同一平面を形成する構成であることが望ましい(請求項2)。
【0018】
請求項3に記載の発明は、本体の上方部分に固定具取付け用空間が形成されており、前記固定具取付け用空間は、前記溝部の外周部分と連続していることを特徴とする請求項1又は2に記載の中和装置である。
【0019】
本発明の中和装置は、溝部と固定具取り付け用空間が連続しているので、配管の端部近傍が溝部の内部に嵌った状態であっても、配管の端部近傍に対する固定具の取付けを容易に実施できる。このことにより、配管をより強固に取付けることができる。
【0020】
請求項4に記載の発明は、本体内部の内周面では、前記溝部が形成された部分に、外方から内方へ凸となる突起が形成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の中和装置である。
【0021】
本発明の中和装置は、本体内部の内周面であって、ドレンの流入口となる挿入部の近傍に、内方へ凸となる突起が形成されている。このことにより、本体内部上面に付着したドレンの水滴の流れを抑制できる。
具体的に説明すると、中和装置にドレンが流入するとき、本体内部上面にドレンの水滴が付着してしまうことがある。そして、このドレンの水滴は、本体内部上面を伝わって流れていくことがある。ところで、中和装置には、内部に貯留したドレンの水位を検出すべく、電極が取り付けられることがある。したがって、このような中和装置では、流れていったドレンの水滴が電極等の部材に接触してしまうことで、電極が短絡する等の不具合が発生してしまうおそれがある。
そこで、本発明の中和装置では、このような問題の発生を防ぐべく、ドレンの流入口となる挿入部の近傍に、内方へ凸となる突起が形成されている。このことにより、突起の外縁部分と突起の外側に位置する部分に段差が形成される。この場合、突起の突出端面に付着したドレンの水滴が突起の外方へ移動するためには、段差に沿って上方に流れる必要がある。しかし、ドレンの水滴には重力が作用するため、上方に流れることはない。
即ち、本発明の中和装置は、突起によって形成される段差によって、突起外方へのドレンの水滴の流れを阻止できるため、所定領域へのドレンの水滴の浸入を阻止できる。このことにより、ドレンの水滴が他部材に接触することに起因する問題を防止できる。
【0022】
請求項5に記載の発明は、燃料を燃焼するバーナと、バーナが作動して生成される燃焼ガスの主に顕熱を回収する一次熱交換器と、当該燃焼ガスの主に潜熱を回収する二次熱交換器と、請求項1乃至4のいずれかに記載の中和装置を備えたドレン排水系統を有することを特徴とする燃焼装置である。
【0023】
本発明の燃焼装置は上記した請求項1乃至4のいずれかに記載の中和装置を備えており、燃焼装置を小型化しても、中和装置はその大きさを維持することができる。そのことにより、中和装置の内部に十分な量の中和剤を詰め込むことができるので、短期間に何度も中和剤の補填作業をする必要がなく、効率のよい運用が可能となる。さらにまた、中和したドレンを十分に貯留した後で排出可能であるため、ドレンが確実に中和できる。即ち、本発明の燃焼装置では小型化とドレンの排出動作の効率化とを同時に実現できる。また、本発明の燃焼装置では、中和装置の設置位置の周囲に狭い空間しかない場合であっても、配管の取付け作業を容易に実施できる。そのため、設置作業時やメンテナンス時において、施工業者にかかる負担を軽減することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の中和装置は、挿入部を本体内部に近い位置に配しているので、挿入部の先端と、外部の部材との間に形成される空間を広くできる。このことにより、配管の取付け作業を行うための空間が広くなるので、ドレンタンク本体の容積、配管の長さ、配管の取付け方向等を変更することなく、配管の取付け作業を容易に実施可能とすることができるという効果がある。
また、そのような中和装置を備えた本発明の燃焼装置は、筺体を小型化しても中和装置の大きさを不必要に小さくする必要がないため、中和したドレンを十分に貯留した後で排出可能である。そのため、筺体を小型化してもドレン排出動作を効率よく実施できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施形態に係る燃焼装置を示す構成図である。
【図2】図1の中和装置を示す斜視図である。
【図3】図2の中和装置の本体部を示す斜視図である。
【図4】図3の中和装置の本体部を示すA方向矢視図である。
【図5】図2の中和装置の蓋部を示す斜視図である。
【図6】図5の中和装置の蓋部を示すA−A断面図である。
【図7】図5の中和装置の蓋部を裏面側からみた斜視図である。
【図8】図2の中和装置にドレンホースを取付けた状態を示す斜視図である。
【図9】中和装置に対してドレンホースを取付けた状態における、ドレン導入部及びドレンホースを示す断面図である。
【図10】中和装置に取付けたドレンホースを他の部材に取付けるときの手順を示す説明図であり、(a)〜(c)の順に取付ける。
【図11】中和装置に対してドレンホースを取付けた状態における、ドレン導入部及びドレンホースを示す断面図であって、ドレンの水滴が中和装置の蓋部分に付着した状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態にかかる燃焼装置1、並びに中和装置15について詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。また以下の説明において、上下左右の位置関係については特に断りのない限り通常の設置状態を基準として説明する。
【0027】
燃焼装置1は、図1に示すように、筺体2の内部に燃焼部3(燃焼器)と、主に顕熱を回収する一次熱交換器4と、主に潜熱を回収する二次熱交換器5(熱交換器)とを備えた所謂潜熱回収型と称される燃焼装置である。
【0028】
燃焼部3は、図示しないバーナによって、下方に向けて火炎を形成可能となっている。即ち、燃焼部3は、所謂逆燃焼式バーナを備えた構成となっている。
【0029】
また、燃焼装置1では、燃焼部3が筺体2の上端よりに位置しており、燃焼部3の下方に一次熱交換器4が位置している。さらに、一次熱交換器4の下方に二次熱交換器5を収納する収納ケース7があり、収納ケース7の上側であって一次熱交換器4の側方に消音部8が位置している。また、消音部8の上方には排気部9が設けられており、排気部9は筺体2の天面から上方に突出している。
そして、燃焼部3の内部から一次熱交換器4、収納ケース7、消音部8、排気部9の各内部を連通する空間が形成され、燃焼部3で発生した燃焼ガスが流動可能となっている。
【0030】
したがって、この燃焼装置1を稼働すると、燃焼部3で発生した燃焼ガスが一次熱交換器4、収納ケース7、消音部8へと流れ、排気部9へと至る。そして、排気部9の上方に形成された排気口から外部へ放出される。その一方、外部から供給されてきた湯水が入水配管(図示せず)を介して二次熱交換器5へと供給される。そして湯水が二次熱交換器5を経て一次熱交換器4に流入する。このとき、二次熱交換器5及び一次熱交換器4で回収した燃焼ガスの熱によって湯水が加熱される。そして、加熱された湯水は一次熱交換器4の出水口から流出し、給湯先となるカランや浴槽等に向けて供給される。
【0031】
ここで前記したように、二次熱交換器5は燃焼ガスの主に潜熱を回収するので、二次熱交換器5では燃焼ガスの温度が一定値以下に低下する。そのことにより、燃焼ガスに含まれる水蒸気が液化してドレンが発生する。そして発生したドレンは、燃焼ガスに晒されることにより、燃焼により生成された窒素酸化物が溶け込んで酸性を呈する。
【0032】
そこで、本実施形態の燃焼装置1は、発生したドレンを中和し、外部に排出するためのドレン排出系統6を備えた構成となっている。
【0033】
ドレン排出系統6は、ドレンの流れ方向上流側から順番に、収納ケース7の底部に形成されたドレン排出部80(図10参照、図1では図示せず)と、ドレンホース14(上流側配管部材)と、中和装置15と、下流側配管部材16によって構成されている。
【0034】
ドレン排出部80は、収納ケース7の内部と外部を連通し、収納ケース7の底部から略垂直下方へ突出している配管部材である。そして、ドレン排出部80の突出方向先端側の開口が、収納ケース7の内部から外部へドレンを排出するドレン排出口となっている。
【0035】
ドレンホース14は、合成ゴム、塩化ビニル等の適宜の樹脂によって形成され、可撓性を有する配管部材となっている。
【0036】
そして、ドレン排出系統6では、ドレン排出部80から排出されたドレンが、ドレンホース14を介して中和装置15に流入する。
【0037】
このとき、中和装置15の内部空間は、仕切り壁によって複数の空間に区切られており、少なくとも1つ以上の空間に中和剤が充填されている。そして、流入したドレンは、この複数の空間を順次流れていく。このとき、各空間では、空間内に流れ込んだドレンが一旦留まり、一定以上の水位になると空間外へと流出する。即ち、中和装置15内に流入したドレンは、中和装置15内のそれぞれの空間に、所定時間留まった後で流出することになる。したがって、中和剤が充填された空間をドレンが通過するとき、時間をかけてゆっくりと通過する。また、ドレンは、空間内に留まっている間に中和剤と反応することで中和される。
【0038】
つまり、中和装置15に流入したドレンは、中和装置15内に所定時間貯留され、貯留されている間に中和剤と反応して中和される。そして、中和されたドレンは、中和装置15の排出口まで流れていき、中和装置15の排出口から下流側配管部材16を介して筺体2の外部へ排出される。
【0039】
ここで本発明の特徴的構成部材たる、中和装置15について詳細に説明する。
【0040】
中和装置15は、図1で示されるように、燃焼装置1の下端近傍であり、収納ケース7よりやや低い位置であって、周囲を配管、ポンプ等に囲まれた位置に配置されている。
【0041】
そして、中和装置15は、図2で示されるように、本体部23(本体)と蓋部24から形成される箱状の部材であり、内部に液体(ドレン)を貯留可能となっている。
【0042】
本体部23は、図3で示されるように、上部が開放された容器であり、略直方体箱状の中和空間形成部30と、中和空間形成部30から横側に張り出すように設けられた補水用空間形成部31から形成されている。補水用空間形成部31は、中和空間形成部30に比べて、小さな直方体箱状の部分であって、中和空間形成部30の1側面と一体に形成されている。詳細には、中和空間形成部30の1側面の長手方向端部であって、上端部分から外側へ突出するように設けられている。
【0043】
このとき、中和空間形成部30の内部空間と、補水用空間形成部31の内部空間は、円弧状に屈曲した補水空間仕切壁32を介して連続している。具体的には、補水空間仕切壁32には、上下方向に延びるスリットが複数設けられており、補水空間仕切壁32の延長方向で並列している。そして、このスリットを介して中和空間形成部30の内部空間と、補水用空間形成部31の内部空間とが連続している。
【0044】
中和空間形成部30は、底面部35と、底面部35の縁部分から略垂直上方へ突出する側壁部36,37,38,39によって形成されている。ここで、底面部35は、底面部35の大部分を占める低位置部35aと、低位置部35aより高い位置に設けられた高位置部35bから形成されている。このとき、低位置部35aと高位置部35bは段差を介して連続しており、高位置部35bには、ドレン排出部42が設けられている。
【0045】
ドレン排出部42は、底面部35の一部である高位置部35bから、略垂直下方へ突出する管状部分である。そして、ドレン排出部42は、下流側配管部材16(図1参照)の内孔に挿入可能となっている。
【0046】
次に、本体部23の内部について説明する。
本体部23の内部は、図4で示されるように、第1仕切壁45、第2仕切壁46、第3仕切壁47、第4仕切壁48によって区切られている。このことにより、本体部23の内部空間は、ドレンの流れ方向上流側から、第1空間51、第2空間52、第3空間53、第4空間54、第5空間55に区切られている。
【0047】
ここで、第2空間52の底面には、第1排水部58が設けられており、第4空間54の底面と第5空間55の底面とに跨がる位置には、第2排水部59が設けられている。このとき、第4仕切壁48は、第2排水部59の上を通過するように延びており、換言すると、第2排水部59は、第4仕切壁48の下端に埋め込まれるように設けられている。
【0048】
第1排水部58、第2排水部59は、通常時には使用しない排水口と連続するものであり、中和装置15を長期間使用しなかった場合に、内部に貯留する液体(中和水)を外部に排出するために形成されている。したがって、第1排水部58及び第2排水部59と連続する排水口は、通常時、図示しない排水栓で液密に封止されている。
【0049】
また、第5空間55には、排水用連通孔60が設けられている。この排水用連通孔60は、第5空間55の底面を貫通するものであり、上記した本体部23のドレン排出部42(図3参照)の内孔と連通する連通孔となっている。
【0050】
次に蓋部24について説明する。
蓋部24は、図5で示されるように、平面視が略L字板状の蓋本体部24aと、蓋本体部24aの縁部分を囲むように一体的に接合し、略垂直下方へと突出する蓋側壁部24bによって形成されている。
【0051】
また、蓋部24には、ドレンホース14(図1参照)を取付け可能なドレン導入部61と、補水電磁弁19との間に設けられる補水配管20(図1参照)を取付け可能な湯水供給部62が形成されている。そして、蓋部24には、図示しない水位検出機構の一部たる、電極68,69,70,71が一体に取り付けられた電極配置領域63が形成されている。
即ち、本実施形態の中和装置15は、本体部23の内部に貯留されたドレンの水位を検知可能な構成となっている。また、外部から、本体部23の内部に湯水を流入可能な構成となっている。
【0052】
ドレン導入部61は、図5に示されるように、上下方向に延びる円筒状の挿入部73と、挿入部73を取り囲むように位置する溝部74と、溝部74の外側に形成された固定部材移動溝75(固定具取付け用空間)によって形成されている。
【0053】
挿入部73は、図5に示されるように、上端が蓋本体部24aの天面より上方に位置しており、下端(基端)が蓋本体部24aの天面より下方に位置している。具体的には、図6に示されるように、挿入部73が設けられている部分では、蓋本体部24aが下方に窪んでおり(溝部74が形成されており)、挿入部73は、下方に窪んだ部分のうち最も低い部分から上方に突出している。そして、挿入部73の中心に形成される貫通孔73aは、蓋本体部24aを貫通している。
【0054】
溝部74は、図5,6で示されるように、蓋本体部24aが下方に窪んで形成され、挿入部73を囲繞するように設けられた円環状の溝である。このとき、溝部74の内周面は、上記した挿入部73の外周面と同一面となっており、溝部74の外周面は、蓋本体部24aの天面、固定部材移動溝75の底面、固定部材移動溝75の側壁面とそれぞれ各部分で連続している。なお、溝部74の外周面と各部が連続している部分は丸みを帯びており、これらはなだらかに連続している。
【0055】
ここで、蓋本体部24aの裏面側に注目すると、図6で示されるように、溝部74が形成されている部分は、略垂直下方に向かって凸となっている。このとき、溝部74の底面の裏側に位置する部分が、凸となった部分において最も下方に位置する突出端面となっている。そして、この突出端面は、一方で挿入部73の内周面と連続しており、他方で蓋本体部24aの裏面であって溝部74が形成されてない部分の裏面、又は、固定部材移動溝75が形成されている部分の裏面と連続している。即ち、図7で示されるように、蓋本体部24aの裏面側では、溝部74が形成されている部分が、蓋本体部24aの裏面から略垂直下方へ向かって突出する略トーラス状の円環突起76を形成している。
【0056】
固定部材移動溝75は、図5で示されるように、円環状の溝部74の外周面の一部と連続し、略扇状の空間を形成するように円弧状に屈曲して延びる溝である。この固定部材移動溝75の底面は、図6で示されるように、溝部74の底面より上方に位置しており、蓋本体部24aの天面より下方に位置している。このとき、溝部74の底面と、固定部材移動溝75の底面の内縁部分(挿入部73側の部分)が段差を介して連続している。また、固定部材移動溝75の底面の外縁部分と蓋本体部24aの天面もまた、段差を介して連続している。なお、これらの連続している各部分は、丸みを帯びており、なだらかに連続している。
【0057】
また、固定部材移動溝75の底面のうち、内縁部分以外の部分では、底面に対して略垂直上方に立設される側壁面と連続している。したがって、固定部材移動溝75の側壁面は、底面の内縁部分側から外側に向かって延びる2つの側壁面と、これら2つの側壁面を結ぶように設けられて円弧状に延びる側壁面の3つの側壁面を有している。ここで、底面の内縁部分側から外側に向かって延びる2つの側壁面は、それぞれ延び方向の内側端部で溝部74の外周面の上方部分と連続している。また、3つの側壁面はいずれも上方部分で蓋本体部24aの天面と連続している。なお、これらの連続している各部分は、丸みを帯びており、なだらかに連続している。
【0058】
次に、本実施形態の中和装置15を、燃焼装置1に取付けるときの手順について説明する。
【0059】
中和装置15を燃焼装置1に取付けるとき、図8で示されるように、中和装置15のドレン導入部61(図2参照)にドレンホース14を取付けた状態とする。具体的には、ドレンホース14の内孔に挿入部73を挿通した状態とする。そして、ドレンホース14をより中和装置15に相対的に近づけることにより、ドレンホース14を中和装置15に押し込み、ドレンホース14の片側端部よりの部分が溝部74に嵌入された状態とする。
【0060】
そして、固定具78によってドレンホース14を外側から締め付け、固定した状態とする。
【0061】
ここで、本実施形態では、固定具78は、2つのつまみ部78aと、針金状の部材をつるまき状に加工した掛止部78bによって形成されている、クリップである。そして、2つのつまみ部78aを掛止部78bの周方向に移動させることにより、掛止部78bが拡径したり、縮径したりする。具体的には、2つのつまみ部78aを相対的に近づけると、掛止部78bは径方向に拡がって緩んだ状態となる。そして、2つのつまみ部78aを相対的に遠ざけると、径方向に縮んで締まった状態となる。
【0062】
つまり、固定具78の環状のつまみ部78aを、ドレンホース14の上方から相対的に近づけ、掛止部78bにドレンホース14を挿通した状態とする。そして、そのまま、固定具78をドレンホース14の下方側へと移動させる。さらに、固定具78のつまみ部78aを、固定部材移動溝75によって形成される空間で相対的に遠ざけることにより、固定具78でドレンホース14を外側から締め付けた状態とする。
【0063】
そして、このようにドレンホース14を取付けた中和装置15を燃焼装置1の筺体2内に移動させ、ドレンホース14を収納ケース7に取付けることで、中和装置15を燃焼装置1に取付けが完了する。
【0064】
このとき、本実施形態のドレン導入部61では、上記したように、挿入部73が蓋本体部24aの天面より下方側から突出している。このことにより、図9で示されるように、蓋本体部24aの天面より上方の領域において、ドレンホース14に挿入部73が挿入されている部分の長さL1(以下天面上部の挿入長さL1とも称す)を短くすることができる。
【0065】
ここで、仮に、筒状の挿入部が蓋本体部24aの天面から突出する構成、即ち、従来の中和装置のような構成であった場合について考える。この場合、ドレンホース14の下端側部分のうち、挿入部が挿入されている部分の全体の長さL2(以下挿入全長L2とも称す)と、天面上部の挿入長さL1は同一となってしまう。即ち、ドレンホース14に挿入部が挿入された部分のうち、全ての部分が天面より上側に位置してしまう。
【0066】
これに対して、本実施形態では、挿入部73の下端部分が蓋本体部24aの天面より下方に設けられているので、挿入全長L2に対して、天面上部の挿入長さL1が小さくなる。即ち、ドレンホース14の下端側部分のうち、挿入部73が挿入されている部分の大半が蓋本体部24aの天面より下方に位置する構成となる。このため、挿入全長L2を短くすることなく(挿入全長L2の長さを維持しつつ)、天面上部の挿入長さL1を短くすることができる。そして、このことにより、ドレンホース14を中和装置15に強固に取付け可能であるとともに、中和装置15の燃焼装置1への取付けが容易になる。このことにつき、それぞれ説明する。
【0067】
まず、挿入全長L2の長さを維持することで、ドレンホース14を中和装置15に強固に取付け可能となることについて説明する。
【0068】
挿入全長L2が短くなってしまうと、ドレンホース14を挿入部73に外嵌したとき、ドレンホース14が挿入部73から抜け易くなってしまう。つまり、ドレンホース14の内孔に挿入部73を挿入して取付けたとき、ドレンホース14が挿入部73を外側から締め付けることで、ドレンホース14から挿入部73に径方向内側へ力が加わる。したがって、ドレンホース14の内孔の内周面と、挿入部73の外周面との接触している部分には、ドレンホース14を挿入部73に対して抜ける方向へ移動させるとき、抜け方向への移動を妨げる力(径方向内側へ加わる力)が働く。したがって、ドレンホース14を挿入部73に対して抜ける方向へ移動させてドレンホース14を取り外すとき、挿入全長L2が長いほど、抜け方向への移動を妨げる力は、ドレンホース14に対して長い時間に亘って加わる。したがって、挿入全長L2が長い方が、ドレンホース14は挿入部73から抜けにくくなる。本実施形態の中和装置15は、挿入全長L2を長くできるため、ドレンホース14を挿入部73から抜けにくい状態で取り付けることができる。
【0069】
次に、天面上部の挿入長さL1を短くすることにより、中和装置15の燃焼装置1への取付けが容易になることについて、図10を参照しつつ、詳細に説明する。
【0070】
上記したように、中和装置15を燃焼装置1へ取付けるとき、予めドレンホース14を取付けた中和装置15(図8参照)を筺体2内へと移動させてから、ドレンホース14を収納ケース7に取付ける。
【0071】
ドレンホース14を取付けた中和装置15を収納ケース7の下方へ移動させると、図10(a)で示されるように、ドレンホース14の上端部が、収納ケース7のドレン排出部80の近傍に位置する。そして、図10(a)で示される状態から、ドレンホース14を屈曲させ、図10(b)で示されるように、ドレンホース14の上端部分をドレン排出部80に取付ける。
【0072】
ここで、本実施形態では、天面上部の挿入長さL1が短いので、挿入部73の上端からドレン排出部80の下端までの長さを長くすることができる。このことにより、挿入部73とドレン排出部80との間に形成される空間の上下方向の長さが長くなる。つまり、挿入部73とドレン排出部80との間に十分に広い空間を確保できるため、作業者は接続作業をやり易くなる。
【0073】
さらにまた、天面上部の挿入長さL1が短いことにより、ドレンホース14の屈曲可能な部分を長くすることができる。即ち、ドレンホース14を弾性変形させるとき、挿入部73が挿入されている部分では、挿入部73が弾性変形を阻害するため、ドレンホース14を弾性変形させることができない。したがって、ドレンホース14は、挿入部73の上方に位置する部分でのみ、弾性変形可能となる。本実施形態では、天面上部の挿入長さL1が短いので、ドレンホース14の挿入部73の上方に位置する部分が比較的長くなり、ドレンホース14の弾性変形可能な部分が長くなる。
【0074】
このように、ドレンホース14の弾性変形可能な部分を長くすると、取付け作業を実施するとき、ドレンホース14の変形の自由度が高くなる。即ち、収納ケース7と中和装置15の間の空間が狭い場合であっても、ドレンホース14を大きく変形させることにより、ドレンホース14の上端部分をドレン排出部80の下方へ容易に回り込ませることができる。このことにより、ドレンホース14のドレン排出部80への取付け作業が容易となり、延いては、中和装置15の燃焼装置1への取付けが容易となる。
なお、図10(b)では、説明のため、ドレンホース14を大きく屈曲させた図を示している。しかし、ドレンホース14はより硬い部材であってもよく、大きく屈曲させなくてもよい。
【0075】
そして、ドレンホース14の上端部分をドレン排出部80に取付けた状態から、図10(c)で示すように、ドレンホース14の弾性変形を元の状態に戻し、ドレンホース14を上下方向に延びた状態とすることで、ドレンホース14の収納ケース7への取付けが完了する。そして、中和装置15の適宜の部分を筺体2の内壁に固定し、中和装置15のドレン排出部42(図2参照)に下流側配管部材16(図1参照)を取付け、下流側配管部材16を筺体2の外部の部材に接続することで、中和装置15の燃焼装置1への取付けを終了する。
【0076】
以上で、中和装置15を燃焼装置1に取付けるときの手順について説明を終了する。
【0077】
ところで、中和装置15を燃焼装置1に取付けて使用すると、ドレンを中和装置15の内部へ流入した後、図11で示されるように、蓋本体部24aの裏面にドレンの水滴が付着した状態となる場合がある。ここで、上記したように、本実施形態では、内部へのドレン流入口となる挿入部73の貫通孔73aの周囲に、蓋本体部24aの裏面から略垂直下方へ向かって突出する円環突起76(図7参照)を形成している。このことにより、ドレンの水滴の、円環突起76の外側への移動を阻止することができる。
【0078】
具体的に説明すると、ドレンが中和装置15に少しずつ流れ込むと、図11で示されるように、表面張力によって、ドレンの水滴が挿入部73の貫通孔73aの内周面や、この内周面と連続する円環突起76の突出端面に付着することがある。このとき、付着したドレンの水滴が、円環突起76の外方(図11の矢印で示す方向)へ向かって流れていくことがある。
【0079】
ここで、本実施形態の蓋本体部24aの裏面では、円環突起76が形成されている部分と、円環突起76が形成されていない部分との間に段差Ld1(又は、段差Ld2及び段差Ld3)が形成されている。
【0080】
そのため、ドレンの水滴が外方へ流れていくと、やがて円環突起76の突出端面の外縁部分まで移動し、段差Ld1(段差Ld2)の部分へ至る。ここで、ドレンの水滴が、この部分から段差Ld1(段差Ld2)を越えて外方へ移動するためには、ドレンの水滴は、段差Ld1(段差Ld2)に沿って上方へ移動する必要がある。しかしながら、ドレンの水滴には重力が働いているため、上方へ移動することはない。
【0081】
即ち、本実施形態では、蓋本体部24aの裏面側において、ドレンの流入口を取り囲む位置に下方へ突出する突起(円環突起76)を形成することにより、ドレンの流入口と他の部分との間に段差を形成している。そして、形成した段差によってドレンの水滴の移動を阻止する構成となっている。
【0082】
このことにより、本実施形態では、中和装置15の蓋部24の裏面に付着したドレンの水滴が、円環突起76の外側に流れていくことはなく、例えば、ドレンの水滴が電極配置領域63(図7参照)まで流れるということがない。したがって、ドレンの水滴が電極配置領域63まで流れ、電極68,69,70,71に接触することにより、水位検出機能が誤作動するといった問題を確実に防止できる。なお、本実施形態では、図7で示されるように、挿入部73の貫通孔73aと、電極配置領域63との間に固定部材移動溝75が形成されている。そのことにより、図11で示されるように、挿入部73の貫通孔73aから電極配置領域63に向かう方向に、1つでなく、複数の(2つの)段差Ld2,Ld3が形成されることとなる。このため、より確実にドレンの水滴の電極配置領域63への移動を阻止できる。
【0083】
上記した実施形態では、ドレン導入部61の挿入部73を上下方向に沿って延びる構成としたが、本発明の中和装置はこれに限るものではない。例えば、挿入部は、側方に向かう方向(上下方向と垂直に交わる方向)の成分を含む方向に延びるものであってよい。即ち、挿入部は斜め方向に延びていてもよい。同様に、ドレン導入部61の溝部74の深さ方向も上下方向に沿う方向に限るものではない。蓋部本体の天面から斜め方向に窪んでいてもよい。
【0084】
上記した実施形態では、扇型の空間を形成する固定部材移動溝75を設けた構成であったが、本発明の中和装置はこれに限るものではない。固定部材移動溝75は必ずしも設けなくてもよい。また、固定部材移動溝は、固定具の形状に応じて変形してよく、扇型でなくてもよい。
【0085】
上記した実施形態では、挿入部73の上端が蓋本体部24aの天面より上方に位置する構成であったが、本発明の中和装置はこれに限るものではない。例えば、挿入部の上端は、蓋本体部24aの天面と同じ高さでもよく、蓋本体部24aの天面より下方に位置していてもよい。即ち、ドレンホース14と挿入部とが重なった部分の長さ(挿入全長L2)が十分長く確保され、このドレンホース14と挿入部とが重なった部分が、収納ケース7から十分に離れた位置にあればよい。
【0086】
また、挿入部の位置(ドレンホース14と挿入部とが重なった部分の位置)の変化に応じて、固定部材移動溝75の形状や位置を変更してよい。固定部材移動溝75は、溝部74に嵌め込まれた状態のドレンホース14の下端近傍に対して、固定具78の取付け、取り外しが可能であるように形成されればよい。
【符号の説明】
【0087】
1 燃焼装置
3 燃焼部(燃焼器)
4 一次熱交換器
5 二次熱交換器(熱交換器)
6 ドレン排出系統
14 ドレンホース(上流側配管部材)
15 中和装置
23 本体部(本体)
61 ドレン導入部
73 挿入部
74 溝部
75 固定部材移動溝(固定具取付け用空間)
76 円環突起(突起)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼器と、主に燃焼ガスの潜熱を回収する熱交換器とを有する燃焼装置において、前記燃焼装置内から前記熱交換器で発生するドレンを中和して排出するための中和装置であって、
本体の上方部分に、外部の部材との間に亘って設けられる配管を取付け可能なドレン導入部が設けられており、
当該ドレン導入部は、前記配管の端部内周に挿入可能な管状の挿入部と、当該挿入部を囲繞する溝部とを有し、
前記挿入部は、外部と本体内部を連通するものであり、
前記挿入部の基端部が、前記溝部の開口面より前記本体内部側に位置することを特徴とする中和装置。
【請求項2】
前記挿入部は、上下方向に沿って延びており、前記溝部の開口面は本体上面と同一平面を形成することを特徴とする請求項1に記載の中和装置。
【請求項3】
本体の上方部分に固定具取付け用空間が形成されており、前記固定具取付け用空間は、前記溝部の外周部分と連続していることを特徴とする請求項1又は2に記載の中和装置。
【請求項4】
本体内部の内周面では、前記溝部が形成された部分に、外方から内方へ凸となる突起が形成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の中和装置。
【請求項5】
燃料を燃焼するバーナと、バーナが作動して生成される燃焼ガスの主に顕熱を回収する一次熱交換器と、当該燃焼ガスの主に潜熱を回収する二次熱交換器と、請求項1乃至4のいずれかに記載の中和装置を備えたドレン排水系統を有することを特徴とする燃焼装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−71090(P2013−71090A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−213353(P2011−213353)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000004709)株式会社ノーリツ (1,293)
【Fターム(参考)】