説明

中和装置、並びに、燃焼装置

【課題】本発明は、容器を大型化することなく、ドレンの通過孔における詰まりを防止することができる中和装置、並びに、燃焼装置を提供することを目的とした。
【解決手段】中和装置11は、ドレンが導入される貯留部15を備えており、その貯留部15は、ドレンの流れ方向下流側に向けて直列的に並べられた2以上の部屋と、部屋同士の間に設けられたドレンが流通する上流側開口30a、30bを有している。上流側開口30a、30bは、互いに水平方向に異なる方向に開口している。これにより、ドレン導入室21から流出するドレンは、上流側開口30a、30b同士の開きの範囲内において拡散する水流が形成されるため、ドレン導入室21では、堆積し得る堆積物質が分散して堆積する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼ガスの潜熱を回収する際に発生するドレンを中和する中和装置に関するものである。また、その中和装置を備えた燃焼装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、バーナを燃焼させた際に発生する熱の熱交換効率を向上するべく、燃焼ガスの潜熱までも回収する潜熱回収型の燃焼装置が市場に普及している。この潜熱回収型の燃焼装置は、主に燃焼ガス中の水蒸気が液化する際に発生する熱を回収するものであるため、潜熱回収を行う熱交換器(二次熱交換器)では、多量のドレンが発生する。そして、このドレンは、燃焼時に生成された窒素酸化物が溶け込んで、酸性を呈することが知られている。
【0003】
そのため、この種の燃焼装置は、ドレンを外部に導くドレン排出系統を有し、その流路の中途に酸性のドレンを中和する中和装置が備えられた構成とされている。すなわち、二次熱交換器において発生した酸性のドレンは、その酸性を維持したまま外部に排出されることはなく、中和装置で中和されてから外部に排出されるため、環境に悪影響を及ぼすというおそれはない。
【0004】
ところが、ドレン排出系統と、燃焼ガスの排気流路は連通した関係であるため、本来、燃焼装置の排気筒を介して外部に排出されるべき燃焼ガスが、ドレン排出系統を介して、外部に排出されてしまう懸念があった。特に、屋内設置型の燃焼装置では、ドレン排出系統から燃焼ガスが排出されると、居住空間内である屋内に燃焼ガスが排出されてしまうため、居住者の安全性等の観点からすれば、このような不具合は避けるべき事項の1つであった。
【0005】
そこで、この対策として、中和装置の容器内の燃焼ガスが通過し得る部分を、ドレンで所定の水位まで満たして水封し、その水封構造によって、燃焼ガスの流通を強制的に阻止する方策が一般的に採用されている。例えば、特許文献1にその技術が開示されている。
すなわち、特許文献1の中和装置は、ドレンが流れる方向に、第一室と、中和剤を充填した第二室及び第三室とが順に備えられ、第一室と第二室との間に水封を形成する構成とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−150576号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、この種の中和装置は、中和剤の中和反応後の残りかすに加えて、燃焼ガスによって運ばれる燃焼かす(具体的には「すす」)やゴミが容器内に堆積するため、特に、水封される箇所のドレンの通過孔が、詰まり易いという問題を抱えていた。
【0008】
具体的に説明すると、特許文献1の中和装置は、第一室と第二室が、容器の底面に沿って設けられたスリット(通過孔)によって連通している。そのため、第一室側の底面に中和剤の残りかす、すす及びゴミが経時的に堆積すると、その堆積物が堆積した分、スリットの開口面積が狭くなり、最終的にそのスリットを閉塞状態にしてしまっていた。そして、この詰まりが起因して、容器内が導入されたドレンで溢れて、燃焼を停止させる制御を発動してしまう可能性があった。
【0009】
そこで、中和装置の容器構成として、水封が形成される箇所のドレンの通過孔の位置を、堆積物の堆積高さを予め加味した高さに変更することが勘案される。すなわち、ドレンの通過孔の位置を、堆積物が堆積しても影響がない程度の高位置に変更することが勘案される。
【0010】
しかしながら、近年の、燃焼装置の小型化、軽量化という市場の傾向からすれば、通過孔の高さを過度に高くするという構成は採用することが困難である。すなわち、水封を形成する箇所のドレンの通過孔を高位置に変更すれば、変更前と同様の水封の効果を得るために、通過孔の高さの増加分、水位の位置も上昇しなければならず、結果的に中和装置並びに燃焼装置の大型化が不可避となる。
【0011】
そこで、別の方策として、隣接する部屋を隔てる仕切壁に、同一方向に開口したドレンが流れる通過孔を複数設け、堆積物を広範囲に分散させて堆積させることで、堆積物による詰まりの影響を低減する構成が勘案される。この方策であれば、通過孔の高さ方向の位置を変えないため、中和装置並びに燃焼装置が大型化することはない。ところが、この方策の場合、ドレンの流通する方向は1方向のみであるため、結局のところ、図24に示すように、堆積物の殆どは通過孔103近傍に密集し、堆積物による詰まりを発生させる懸念があった。
【0012】
そこで、本発明では、従来技術の問題点に鑑み、容器を大型化することなく、ドレンの通過孔における詰まりを防止することができる中和装置、並びに、燃焼装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、湯水又は熱媒体を加熱する燃焼装置に備えられ、主に燃焼ガスの潜熱を回収する際に発生するドレンを中和して外部に排出するドレン排出系統の一部を形成する中和装置であって、ドレンを貯留する貯留部を有し、貯留部は、ドレンの流れ方向下流側に向けて直列的に並べられた2以上の部屋と、部屋同士の間に設けられたドレンが流通する通過孔を有し、貯留部に導入されたドレンは、通過孔を介して、順次、下流側の部屋に流入するもので、いずれかの部屋同士の間の通過孔は、水平方向に異なる2以上の方向に形成されていることを特徴とする中和装置である。
【0014】
本発明の中和装置は、貯留部が2以上の部屋に分割されており、いずれかの部屋同士の間の通過孔が、水平方向に異なる2以上の方向に形成された構成とされている。すなわち、本発明では、少なくとも1つの部屋においては、下流側に隣接する部屋に対して、水平方向に異なる2以上の方向にドレンが流れる構成である。これにより、この異なる2以上の方向に形成された通過孔の上流側の部屋では、ドレンの流れがその異なる方向の数だけ形成されるため、当該部屋では、通過孔同士の離反する範囲内において、堆積し得る物質(以下、堆積物質という)を広範囲に分散させて堆積させることができる。換言すれば、本発明は、1つの通過孔近傍に、堆積物質が集中的に堆積することを阻止することができる。そして、このような通過孔を、例えば、貯留部の最上流の部屋と、その部屋と隣接する別の部屋との間に設ければ、先に説明したような燃焼ガスの流入に伴い運ばれる「すす」や「ゴミ」等の堆積物質による詰まりの発生を効果的に防止することができる。
以上のように、堆積物質の量が従来技術であればドレンの通過孔を閉塞してしまっていた量であったとしても、本発明によれば、水平方向に異なる2以上の方向に形成された通水孔は、当該通過孔同士の水平方向に離反した範囲内において、堆積物質を広範囲に分散させることができるため、ドレンの通過孔の高さを変更することなく、通過孔が閉塞してしまうことを防止することができる。すなわち、本発明は、中和装置の大型化を招くことがなく、貯留部におけるドレンの円滑な流通を確保することができる。
また、万一、異なる2以上の方向に形成された通過孔のうち、いずれかの通過孔が堆積物質の影響で閉塞状態となった場合であっても、ドレンはその他の通過孔から下流側に流れるため、ドレンが完全に外部に排出されなくなるという不具合は発生し難い。
【0015】
ここで、従来から、ドレンが最初に導入される導入室と、その下流側に隣接する別の部屋との間に、燃焼ガスの流通を阻止する水封を形成する技術が知られている。これによれば、導入室よりもドレンの流れ方向下流側に、燃焼ガスが流出しない。一方で、この構成を採用した場合、導入室において、燃焼ガスが運んできた「すす」や「ゴミ」等が集中的に堆積するため、導入室とその下流側に隣接する部屋との間の通過孔が閉塞状態となり易く、ドレンの流通が阻止される場合がある。
そこで、本発明の中和装置は、貯留部は、ドレンが最初に導入される導入室を有し、前記異なる2以上の方向に形成された通過孔は、導入室と、当該導入室のドレンの流れ方向下流側で隣接する別の部屋との間に設けられていることが望ましい。(請求項2)
【0016】
本発明の中和装置は、前記導入室は、ドレンの流れ方向下流側に隣接する別の部屋と、互いに交差する関係の2つの仕切壁で仕切られており、当該2つの仕切壁のそれぞれに、前記通過孔が設けられていることが望ましい。(請求項3)
【0017】
請求項4に記載の発明は、前記異なる2以上の方向に形成された通過孔のうち、少なくとも1方向の通過孔は、水平方向に並んだ複数の孔で形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の中和装置である。
【0018】
かかる構成によれば、通過孔が、水平方向に異なる2以上の方向に形成され、そのうちの少なくとも1方向の通過孔が水平方向に並んだ複数の孔で形成されているため、堆積物質の分散効率をさらに向上させることができる。すなわち、本発明によれば、堆積物質がより広範囲に広がって堆積するため、堆積物質が存在する領域の単位面積当たりの堆積率が低下する。結果的に、従来よりも、通過孔を低い位置に変更できるため、中和装置をより小型化(特に高さ方向)することが可能となる。
【0019】
請求項5に記載の発明は、燃料を燃焼する燃焼部と、燃焼部で生成される燃焼ガスの主に顕熱を回収する一次熱交換器と、当該燃焼ガスの主に潜熱を回収する二次熱交換器と、当該二次熱交換器で発生したドレンを外部に排出するドレン排出系統と、当該ドレン排出系統の一部を形成する請求項1〜4のいずれかに記載の中和装置を備えていることを特徴とする燃焼装置である。
【0020】
本発明の燃焼装置は、堆積物質の量が従来技術であれば通過孔を閉塞し得る量であったとしても、中和装置において、ドレンの通過孔が、水平方向に異なる2以上の方向に形成されており、堆積物質を広範囲に分散させることができるため、そのドレンの通過孔の高さの位置を変更することなく、通過孔が閉塞してしまう可能性を低くすることができる。すなわち、本発明は、燃焼装置自体を大型化することなく、貯留部におけるドレンの円滑な流通を確保することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の中和装置、並びに、燃焼装置では、ドレンの通過孔を、水平方向に異なる2以上の方向に形成しているため、容器の大型化を招くことなく、ドレンの通過孔における詰まりを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態に係る燃焼装置の筺体内部を示す構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係る中和装置を示す斜視図である。
【図3】図2の中和装置を示す分解斜視図である。
【図4】図3の蓋部を別の角度から示す斜視図である。
【図5】図3の本体部を別の角度から示す斜視図である。
【図6】本体部における各部屋の底面壁の位置関係を概念的に示す説明図である。
【図7】本体部を示す平面図である。(実線矢印:ドレンの流れ方向、破線矢印:上水の流れ方向)
【図8】貯留部の側面壁に注目した概念図である。
【図9】有底空間の側面壁に注目した概念図である。
【図10】図5の貯留部を示す断面斜視図である。
【図11】本体部における開口、切欠き部、スリット、孔のそれぞれの位置関係及び本体部と蓋部との関係を概念的に示す説明図である。
【図12】図3の本体部を示すA−A断面図である。
【図13】隔壁を示す正面図である。
【図14】図3の有底空間のスロープ部を示すB−B断面図である。
【図15】本体部に中和剤を充填した状態を概念的に示す図で、(a)は平面図で、(b)は断面図である。
【図16】(a)、(b)、(c)は、ドレン導入室及び第一中和室が上水で満たされるまでの上水の流れを示す説明図である。
【図17】ドレン導入室における水流及び堆積物質の堆積領域を概念的に示す説明図である。(矢印:水流、ドット領域:堆積物質)
【図18】(a)、(b)、(c)は、第二中和室が液体(ドレンのみ、又は、ドレンと上水の混合水)で満たされるまでの液体の流れを示す説明図である。
【図19】有底空間と、ドレンが正常に外部に排出される際のドレンの水位との関係を概念的に示す説明図である。
【図20】3つの主仕切壁を備えた中和装置示す概念図である。(矢印:水流、ドット領域:堆積物質)
【図21】円弧状の主仕切壁を備えた中和装置示す概念図である。(矢印:水流、ドット領域:堆積物質)
【図22】方形状の主仕切壁を備えた中和装置示す概念図である。(矢印:水流、ドット領域:堆積物質)
【図23】円形状の主仕切壁を備えた中和装置示す概念図である。(矢印:水流、ドット領域:堆積物質)
【図24】同一方向に開口した2つの通過孔を設けた場合の水流及び堆積物質の堆積領域を概念的に示す説明図である。(矢印:水流、ドット領域:堆積物質)
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本発明の実施形態に係る燃焼装置1、並びに、中和装置11について説明する。
本実施形態の中和装置11は、灯油等の液体燃料を噴霧又は気化させて下方に向けて燃焼させる所謂逆燃式の燃焼部2を備え、その燃焼部2で生成される燃焼ガスの潜熱までも回収可能な潜熱回収型の燃焼装置1に好適である。
【0024】
まず、燃焼装置1について説明する。
燃焼装置1は、図1に示すように、筺体3のほぼ中央に燃焼ケース5が配置され、その燃焼ケース5に燃焼部2と、一次熱交換器20と、二次熱交換器25とが内蔵されている。具体的には、燃焼ケース5は、バーナ側ケース5aと、高さ方向(上下方向)に長いほぼ直方体状の縦長ケース5bと、幅方向(左右方向)に長い横長ケース5cとが内部で連通するように連結されて形成されたもので、バーナ側ケース5aに燃焼部2が配され、縦長ケース5bに一次熱交換器20が配され、横長ケース5cに二次熱交換器25が配されている。
また、燃焼装置1の筺体3の左側には、燃焼ガスを外部に排気する排気筒10が配されている。具体的には、その排気筒10は、燃焼装置1の筺体3の内外に渡るように配置されると共に、横長ケース5cの上部左側に接続された配置である。
【0025】
すなわち、燃焼部2で燃焼ガスが生成されると、その燃焼ガスは、まず、下方に向けて進行し、一次熱交換器20を通過して、二次熱交換器25に流入する。そして、二次熱交換器25に流入した燃焼ガスは、燃焼ガスの流れ方向を下方向から上方向に方向変換し、排気筒10を通過して、外部に排気される。
なお、本実施形態の燃焼装置1は、図示しない送風機を有し、その送風機によって、燃焼に必要な空気が供給され、さらに燃焼部2で生成された燃焼ガスを下方に向けて流している。
【0026】
また、一次熱交換器20と二次熱交換器25は、それぞれ燃焼ガスと熱交換する上水が流れる図示しない受熱管を有し、それらの受熱管と、図示しない入水側配管及び出湯側配管とが、燃焼装置の筺体3内で一連した流路を形成している。具体的には、上水の流れ方向上流側から、入水側配管、二次熱交換器25、一次熱交換器20、出湯側配管の順に直列的に接続されている。すなわち、燃焼装置1では、入水側配管を通過した上水は、二次熱交換器25を流れた後、一次熱交換器20内を流れることによって、順次熱交換され、その後、出湯側配管を介して給湯先に向けて供給される。
【0027】
また、燃焼ケース5であって、横長ケース5cの内部には、二次熱交換器25の潜熱回収時に発生するドレンを回収する回収部(図示しない)が設けられ、当該回収部から燃焼装置1の下部側に向けてドレンを流すドレン排出系統7が接続されている。すなわち、このドレン排出系統7は、横長ケース5cよりも筺体3の下方側に位置するもので、中和装置11と、図示しない回収部と中和装置11とを繋ぐドレン導入側配管37と、中和装置11で中和されたドレンを外部に導くドレン外部排出配管38とによって構成されている。
また、本実施形態の中和装置11は、中和装置11内の水封構造を確実なものとするべく、給水源から供給される上水が通過する中和器給水管9が接続されている。
【0028】
続いて、特徴的構成を備えた中和装置11について詳細に説明する。
なお、以下の説明においては、上下左右の位置関係については、特に断りのない限り、図1に示す通常の設置状態を基準として説明する。
本実施形態の中和装置11は、前記したように、装置内の水封構造を確実なものとするべく、中和器給水管9が接続されており、所定の条件が満足すると、給水源から供給された上水が中和器給水管9を介して導入される構成とされている。
具体的には、中和装置11は、図2に示すように、外観がほぼ「L」字型の容器であり、ドレン導入側配管37を通過したドレンが一時的に貯留される貯留部15と、中和器給水管9を流れた上水が通過する有底空間16とを有する本体部12と、その本体部12の上部に着脱可能に設けられた蓋部13とを備えた構成とされている。
【0029】
蓋部13は、図3に示すように、平面視形状がほぼ「L」字型の天面壁40と、その天面壁40の縁端を囲繞するようにほぼ直交する方向、具体的には、天面壁40に対して垂直下方に向けて立設した側面壁41と、本体部12の上部が嵌り込む嵌合溝49(図4)とを有する構成である。
【0030】
天面壁40には、給水部33と、ドレン導入側接続部35と、4つの電極挿通孔45〜48が設けられている。
給水部33は、中和器給水管9を通過した上水を本体部12の有底空間16に導入するべく、天面壁40の厚み方向に貫通した配管継ぎ手部である。具体的には、給水部33は、図3に示すように、天面壁40の「L」の張り出し長さが短い側の領域(以下、短領域という)42であって、図4に示すように、側面壁41の立設側において、短領域42のほぼ中央に給水口29が位置するように配されている。なお、本実施形態では、給水部33に対して、ほぼ水平方向(天面壁40に沿う方向)に延びた補助継ぎ手43が装着されている。そして、その補助継ぎ手43は、内径が、中和器給水管9(図1)の外径とほぼ同一のサイズに設定されている。すなわち、中和器給水管9は、補助継ぎ手43の内径側にそって挿着されて接続される。
【0031】
ドレン導入側接続部35は、図3に示すように、短領域42と天面壁40の「L」の張り出し長さが長い側の領域(以下、長領域という)44の双方の基端側に位置する領域(以下、基端領域という)50に位置し、ドレン導入側配管37(図1)を通過したドレンを、本体部12の貯留部15に導入するべく、天面壁40の厚み方向に貫通した配管継ぎ手部である。そして、ドレン導入側接続部35は、外径が、ドレン導入側配管37の内径とほぼ同一あるいは若干大きいサイズに設定されている。すなわち、ドレン導入側配管37は、ドレン導入側接続部35の外径側に沿って、嵌め込むようにして接続される。
【0032】
4つの電極挿通孔45〜48は、図3に示すように、長領域44側であって長領域44と基端領域50の境界近傍に位置し、天面壁40の厚み方向に貫通した孔で、後述する電極55〜58を挿通できる程度の大きさに設定されている。
【0033】
ここで、電極挿通孔45〜48に挿通される4つの電極55〜58について説明する。
本実施形態の電極55〜58は、貯留部15内の水位を検出するための公知の水位検出手段である。具体的には、電極55はグランド電極であり、その他の電極56〜58は、それぞれ、オーバーフロー電極、給水制御電極、異常燃焼検知電極である。すなわち、この水位検出手段は、貯留部15内において、グランド電極55と、その他の電極56〜58のいずれかがドレン内に浸かった状態となれば、グランド電極55とその他の電極との間で通電状態となり、貯留部15内の水位がいかなるものであるかを判断することができるものである。
なお、オーバーフロー電極56は、貯留部15内のドレンの水位の異常上昇を検出するもので、給水制御電極57は、ドレン排出系統7内の燃焼ガスの流通を阻止可能な水位が維持できているか否かを検出するもので、異常燃焼検知電極58は、貯留部15内の水位が異常に大きく低下して、ドレン排出系統7内の燃焼ガスの流通を阻止できない水位であることを検出するものである。
以上が、本実施形態で採用された電極55〜58の説明である。
【0034】
嵌合溝49は、天面壁40の下面側、つまり側面壁41が立設する側に設けられており、図4に示すように、外側嵌合溝49aと、内側嵌合溝49bとで構成されている。外側嵌合溝49aは、側面壁41とその側面壁41に沿って配された外側溝形成壁61とによって形成された溝で、内側嵌合溝49bは、側面壁41から離反した位置であって後述する貯留部15のドレン導入室21の一部に沿って配された1対の内側溝形成壁62で形成された溝である。
なお、本実施形態では、蓋部13は、嵌合溝49に図示しないパッキンを嵌め込み、その状態で本体部12に取り付ける構成とされている。
【0035】
一方、本体部12は、図3、5に示すように、上部側が開放された外観がほぼ「L」字型の容器であり、底面壁51とその底面壁51を囲繞するように立設された側面壁52とで容器の外郭が形成されている。そして、本体部12の容器の内部には、貯留部15と有底空間16が設けられている(図7)。
なお、以下においても、短領域42、長領域44、基端領域50は、上記同様の位置として説明する(図7)。
【0036】
まず、本体部12の底面壁51について説明する。
底面壁51は、図2、5に示すように、高さ方向の位置が異なる3つの底面壁51a、51b、51cで構成されている。すなわち、底面壁51は、図6に示すように、高さ方向の位置が低いものから、貯留部15の底面の大半を形成する貯留部底面壁51aと、貯留部15の底部の残部を形成する排出底面壁51cと、有底空間16の底面を形成する有底空間底面壁51bとを有する。換言すれば、図7に示すように、長領域44及び基端領域50の底面を、貯留部底面壁51aと排出底面壁51cが形成し、短領域42の底面を、最も高さ方向の位置が高い有底空間底面壁51bが形成している。
【0037】
続いて、本体部12の側面壁52について説明する。
側面壁52は、便宜上、貯留部15側(長領域44及び基端領域50)と、有底空間16側(短領域42)に大別して説明する。
貯留部15側の側面壁52は、図8に示すように、貯留部底面壁51a及び排出底面壁51cをほぼ長方形状に取り巻くように配された部分で、本体部12の「L」字の外側に位置する外基側面壁52a及び外長基側面壁52bと、「L」の内側に位置する内長側面壁52dと、外基側面壁52aと内長側面壁52dとを繋ぐと共に有底空間16の下方に位置する有底下側面壁52eと、外長基側面壁52bと内長側面壁52dとを繋ぐ長端側面壁52fとで構成されている。すなわち、貯留部15側の側面壁52は、外基側面壁52aが長端側面壁52fと対面した関係であり、外長基側面壁52bが内長側面壁52d及び有底下側面壁52eと対面した関係とされている。
【0038】
有底空間16側の側面壁52は、図9に示すように、有底空間底面壁51bをほぼ「コ」の字型状に取り巻くように配された部分で、本体部12の「L」字の外側に位置する外短側面壁52cと、本体部12の「L」字の内側に位置する内短側面壁52gと、外短側面壁52cと内短側面壁52gとを繋ぐ短端側面壁52hとで構成されている。すなわち、有底空間16側の側面壁52は、有底下側面壁52eよりも上側に位置すると共に、外短側面壁52cと内短側面壁52gが対面した関係であり、さらにその両者の間に短端側面壁52hが配された関係とされている。したがって、有底空間16は、短端側面壁52hに対向する側面壁が欠落した構成であり、当該欠落部側を介して、貯留部15と連通した関係とされている。
【0039】
次に、本体部12の貯留部15について説明する。
貯留部15は、図3、7、10に示すように、ドレンを一時的に貯留して中和するラビリンス構造を有した貯留空間であり、底面壁51に対してほぼ直交する方向、具体的には、貯留部15は、貯留部底面壁51aに対して垂直上方に向けて立設した主仕切壁17及び補助仕切壁18によって、複数の部屋に分割されている。すなわち、貯留部15は、主仕切壁17及び補助仕切壁18によって、ドレン導入室21と、第一中和室22と、第二中和室23とに分割された構成である。
なお、本実施形態においては、主仕切壁17と補助仕切壁18は、相対的に高さが異なる構成とされており、主仕切壁17の方が、補助仕切壁18より頂部が高く設定されている。具体的には、図3、11に示すように、主仕切壁17は、本体部12の側面壁52とほぼ同一の高さとされており、補助仕切壁18は、その主仕切壁17の高さよりも若干低く設定されている。
【0040】
ドレン導入室21は、蓋部13を本体部12に取り付けた状態において、ドレン導入側接続部35及び電極挿通孔45〜48の直下に位置する部屋であり、貯留部15に導入されたドレンが、最初に入る空間である。具体的には、ドレン導入室21は、図7、8に示すように、外基側面壁52aと直交する方向に延伸した第一主仕切壁17aと、外長基側面壁52bと直交する方向に延伸した第二主仕切壁17bと、外基側面壁52aと、外長基側面壁52bとで囲まれた、平面視形状がほぼ長方形の部屋である。換言すれば、ドレン導入室21は、外長基側面壁52bに沿って延びた第一主仕切壁17aと、長領域44側において外基側面壁52aに沿って延びた第二主仕切壁17bと、本体部12の側面壁52の一部とで囲まれた、本体部12の隅に位置する空間である。
【0041】
第一中和室22は、ドレン導入室21を通過したドレンが、最初に中和される部屋であり、第一主仕切壁17aと第二主仕切壁17bを間に、ドレン導入室21と隣接した空間である。具体的には、第一主仕切壁17aと第二主仕切壁17bは、図7に示すように、互いに交差(本実施形態ではほぼ直交)するように成形されており、第一中和室22は、その交差する関係の第一主仕切壁17aと第二主仕切壁17bを隔てて、ドレン導入室21と隣接している。より詳細には、第一中和室22は、ドレンの流れ方向上流側が、ドレン導入室21に隣接しており、第一主仕切壁17a及び第二主仕切壁17bと、外基側面壁52aと、有底下側面壁52eと、第一補助仕切壁18aとで囲まれた部屋である。換言すれば、第一中和室22は、ドレン導入室21と、後述する有底空間16との間に位置する空間である。また、その第一中和室22の平面視形状は、大きさの異なるほぼ長方形状の2つの部屋を挟副された流路で繋いだ、歪な瓢箪形状である。
なお、第一中和室22には、所定量の中和剤が充填されており、本実施形態では、中和剤として、最小粒径が6mmの炭酸カルシウムが採用されている。
【0042】
そして、第一中和室22とドレン導入室21とは、図10、11に示すように、第一主仕切壁17a及び第二主仕切壁17bの高さ方向下部側に設けられた、ドレンを下流側に流すための通過孔(以下、上流側開口という)30によって連通している。この上流側開口30は、第一主仕切壁17aの下部側に設けられた2つの第一上流側開口30aと、第二主仕切壁17bの下部側に設けられた1つのドレン上流側開口30bである。具体的には、第一上流側開口30aと第二上流側開口30bは、高さ方向の位置を同一にして、互いに水平方向に異なる方向(本実施形態では直交方向)に開口している。すなわち、第一上流側開口30aと第二上流側開口30bは、一方の開口を基準に、他方の開口を水平方向にほぼ90度回転させた位置関係である。換言すれば、第一上流側開口30aと第二上流側開口30bは、ドレン導入室21において、水平方向に異なる開口30a、30bに向けて、ほぼ90度に拡がる水流を形成し、第一中和室22において、水平方向に異なる開口30a、30bから、ほぼ90度に拡がる水流を形成するものである。また、2つの第一上流側開口30a同士は、互いに水平方向に隣り合うように並べられ、同一方向に開口した孔である。
なお、図10、11に示すように、第一上流側開口30aは、開口下縁が直線状で、開口上縁が波形状の開口形状であり、開口幅方向に長く伸びた長孔であり、第二上流側開口30bは、ほぼ長方形状の長孔である。
【0043】
さらに、本実施形態では、上流側開口30と連通した縦長スリット59が設けられている。この縦長スリット59は、各上流側開口30a、30bのほぼ中央に位置し、当該位置の開口下縁から底面壁51に向けて垂直下方に伸びた開口である。そして、縦長スリット59は、上流側開口30a、30bよりも底面壁51側に存在する液体(主にドレン)のみを下流側に流すべく、スリット幅が粒形状の中和剤と比較すると、極めて小さい大きさに設定されている。換言すれば、縦長スリット59は、「中和剤の中和後のかす」や、燃焼ガスで運ばれる「すす」やゴミ等が通過し得ない大きさの開口である。なお、この縦長スリット59に替えて、当該縦長スリット59よりも大きめの開口を設け、濾紙状の不純物通過阻止手段を設けても構わない。
また、第一中和室22の底面壁51には、メンテナンス等の際に、ドレンを人為的に抜き取る水抜き栓63が設けられている。この水抜き栓63は、第一中和室22における底面壁51の部材厚方向に貫通した孔であり、通常時には、閉塞栓によって閉塞されている。
【0044】
第二中和室23は、第一中和室22で中和されたドレンを、さらに中和して下流側のドレン外部排出配管38に排出する部屋であり、第一中和室22と同様の中和剤が所定量充填されている。そして、第二中和室23は、第一中和室22と第一補助仕切壁18aを隔てて隣接した空間である。具体的には、第二中和室23は、図7に示すように、ドレンの流れ方向上流側が、第一中和室22に隣接しており、第一補助仕切壁18aと、外長基側面壁52bと、長端側面壁52fと、内長側面壁52dとで囲まれた、平面視形状が大きさの異なるほぼ長方形状の2つの空間が連結された部屋である。換言すれば、第二中和室23は、本体部12の長領域44の大半を占めた空間である。
【0045】
そして、第二中和室23と第一中和室22とは、第一補助仕切壁18aの高さ方向上方側で連通している。すなわち、第一補助仕切壁18aは、前記したように、頂部が側面壁52や主仕切壁17よりも低い位置に設定されているため、本体部12に蓋部13を取り付けた状態において、第一補助仕切壁18aの頂部と蓋部13との間に隙間が形成される構成である。さらに、本実施形態では、図10、11に示すように、第一補助仕切壁18aの頂部を、下方に向けて方形状に切り欠いた切欠き部31が設けられているため、当該切欠き部31及び頂部より上の隙間で連通している。したがって、第一中和室22に導入されたドレンは、主に第一補助仕切壁18aの上部側に設けられた切欠き部31から第二中和室23に流入する。なお、この切欠き部31は、若干第二主仕切壁17bに設けられた第二上流側開口30b寄りに形成されている。
【0046】
また、本実施形態では、この切欠き部31に対して、網状部材70が取り付けられている。この網状部材70は、第一中和室22から第二中和室23、あるいは、第二中和室23から第一中和室22へ中和剤が流れ込むことを防止する中和剤侵入防止手段であり、中和剤の粒径より小さい網の目のものが採用されている。すなわち、網状部材70の網の目の1つの最大開口幅が、6mm未満、好ましくは5〜4mm未満のものである。
【0047】
また、第二中和室23内部は1つの補助仕切壁18bによって、2つの空間に分割された構造とされている。具体的には、第二補助仕切壁18bは、外長基側面壁52bと内長側面壁52dを繋ぐ方向(以下、空間分割方向という)に配されて、第二中和室23内を、図7、11に示すように、一次空間65、二次空間66に分割すると共に、空間65、66の境目に開口を設けて水の流れを確保している。
【0048】
より詳細に説明すると、一次空間65は、第二中和室23における最上流に位置する空間である。すなわち、一次空間65は、第二補助仕切壁18bを、長端側面壁52fに対して、ほぼ一定の距離離反した位置で壁面同士が対面するように配されて形成された2つの空間のうちのドレンの流れ方向上流側の空間である。そして、一次空間65は、第二補助仕切壁18bの下部側であって、空間分割方向中途の位置に、正面視形状がほぼ方形状のドレン下流側開口34を設け、そのドレン下流側開口34から隣接する二次空間66に対してドレンを流出する。
【0049】
また、本実施形態では、第二補助仕切壁18bの空間分割方向中途の位置に、頂部をほぼ方形状に切り欠いた臨時用切欠き部68を有し、ドレン下流側開口34に詰まり等が生じた場合に、臨時的に、その臨時用切欠き部68からドレンを下流側に通過させる構成とされている。
【0050】
二次空間66は、第二中和室23における最下流の空間である。すなわち、二次空間66は、図7に示すように、、第二補助仕切壁18bによって形成された2つの空間のうちのドレンの流れ方向下流側の空間である。そして、二次空間66は、貯留部底面壁51aよりも高位置に配された排出底面壁51cに、厚み方向に貫通したドレン排出部36を設け、そのドレン排出部36を介して、ドレン外部排出配管38側にドレンを排出する。
【0051】
なお、本実施形態では、ドレン排出部36に中和剤が侵入しないように、ドレン排出部36を囲繞した孔囲繞壁53が設けられている。この孔囲繞壁53は、排出底面壁51cから垂直上方に立設した壁である。そして、この孔囲繞壁53は、ドレン排出部36の囲繞方向端部側と長端側面壁52fとの間に隙間を形成し、その隙間からドレンをドレン排出部36に導いている。すなわち、孔囲繞壁53は、ドレンの流路を確保しつつ、ドレン排出部36への中和剤の侵入を阻止する異物侵入阻止手段である。
【0052】
また、第二中和室23の底面壁51であって、第二補助仕切壁18bを跨ぐ位置には、第一中和室22に設けられたものと同様の水抜き栓63が設けられている。換言すれば、第二中和室23に設けられた水抜き栓63は、一次空間65及び二次空間66に跨るような配置とされている。
【0053】
また、第二中和室23は、一次空間65から二次空間66に渡って、高さ方向中途の位置から底面壁51に向けて、開口面積が徐々に減縮する構成とされている。具体的には、第二中和室23は、図5、10、12に示すように、第二中和室23を構成するいずれかの側面壁52が、ドレン下流側開口34の上縁の位置と排出底面壁51cの位置との間の位置sから、下方に向かって、本体部12の内側方向に傾斜した形状とされている。より詳細には、内長側面壁52dは、ドレン下流側開口34の上縁より若干上方の位置から下方に向けて傾斜した形状で、長端側面壁52fは、排出底面壁51cとほぼ同一の位置から下方に向けて傾斜した形状である。
【0054】
続いて、本体部12の有底空間16について説明する。
有底空間16は、給水源から供給される上水が通過する部屋であり、図3、5、7に示すように、外基側面壁52aと内長側面壁52dが交差する位置において、貯留部15から張り出すように配された空間である。具体的には、有底空間16は、貯留部15の第一中和室22と隣接した位置であると共に、その第一中和室22を挟んで、ドレン導入室21と対向する位置に配されている。そして、有底空間16は、貯留部15との境界近傍に、有底空間底面壁51bに対して垂直上方に向けて立設した、平面視形状が円弧状の隔壁19が設けられて、有底空間16と貯留部15との境界が決定されている。すなわち、有底空間16は、外短側面壁52cと、内短側面壁52gと、短端側面壁52hと、隔壁19とで囲まれたほぼ円形状の空間である。
【0055】
また、隔壁19は、頂部から下方に向けて切り欠いた湯水吐出用のスリット部(以下、湯水用スリットという)27が設けられており、当該湯水用スリット部27を介して、上水が貯留部15側に吐出する構成である。この湯水用スリット部27は、図13に示すように、複数(本実施形態では5つ)のスリット39を有し、各スリット39が、隔壁19の中央側で群を形成した中央スリット群27aと、その中央スリット群27aから外側(隔壁19の円弧方向端部側)に離反した位置の外側スリット27bとを形成してなるものである。具体的には、本実施形態では、中央スリット群27aは、3つのスリット39で形成されており、各スリット39同士の間隔oが密(スリット39の開口幅程度)にされている。そして、外側スリット27bは、1つのスリット39で形成されており、中央スリット群27aに対して、円弧方向であって、中央スリット群27aの各スリット39同士の間隔oよりも広い間隔pで離反した配置とされている。
【0056】
また、有底空間16の有底空間底面壁51bには、図14に示すように、上水の流れ方向下流側に向かって下り勾配のスロープ部(傾斜部)54が設けられている。このスロープ部54は、図7に示すように、ほぼ全体が隔壁19の内側に収まるサイズに設定されている。さらに、スロープ部54は、上水の流れ方向下流側端部が、隔壁19のスリット部27の開口下端縁よりも若干下方に位置する構成である。すなわち、有底空間16においては、隔壁19の下方側の一部は、スロープ部54との間で段差を形成しており、上水の堰として機能する。したがって、有底空間16を通過する上水は、下流に位置するスロープ部54に流れ込み、スロープ部54の下流側端部に達すると、隔壁19のスリット部27の下端部を乗り越えるようにして貯留部15側に吐出される。
【0057】
次に、中和装置11における各部分における位置関係と、中和剤の状態について説明する。
中和装置11は、本体部12の上部開放端側に蓋部13が装着されている。すなわち、蓋部13の嵌合溝49に、本体部12の開放端が嵌合し、本体部12の開放側の面が蓋部13によって閉塞されている。より具体的には、本体部12の側面壁52が蓋部13の外側嵌合溝49aに嵌合し、本体部12の第一主仕切壁17aと第二主仕切壁17bが蓋部13の内側嵌合溝49bに嵌合する。そしてこれにより、中和装置11は、図11に示すように、側面壁52沿いと、ドレン導入室21沿いがシールされた状態となる。
【0058】
また、この状態において、蓋部13に設けられたドレン導入側接続部35及び電極挿通孔45〜48は、ドレン導入室21の直上に位置し、蓋部13における給水部33は、有底空間16の直上に位置する。特に、給水部33は、有底空間16の内部側において、有底空間底面壁51bのほぼ真ん中に位置し、有底空間16を形成する側面壁52、底面壁51、隔壁19に対して、それぞれ一定距離(本実施形態では25mm)以上離された配置とされている。
そして、電極挿通孔45〜48には、各電極55〜58が挿着されている。
【0059】
貯留部15の内部では、一部の領域に所定量の中和剤が充填されている。具体的には、中和剤は、貯留部15の第一中和室22及び第二中和室23に充填されており、図15に示すように、第一中和室22の中和剤の嵩が、第二中和室23の中和剤の嵩よりも高くなるように配分されている。このとき、第一中和室22及び第二中和室23に充填された中和剤の上部側は、第一補助仕切壁18aの切欠き部31まで到達しているが、網状部材70によって、中和剤の他室への移動が阻止されている。また、第一中和室22においては、充填された中和剤の上部側が、有底空間16まで到達しているが、隔壁19によって、有底空間16内への侵入が阻止されている。
【0060】
次に、本実施形態の燃焼装置1の動作について説明する。
本実施形態の燃焼装置1は、中和装置11内に形成される水封構造を維持するべく、中和装置11に給水する中和器給水機能が備えられている。すなわち、貯留部15は、配置された電極55〜58によって、水位が監視されている。そして、それらの電極55〜58(特に給水制御電極57)によって、貯留部15における水位が所定値以上であることが確認されなければ、中和器給水機能が働いて、貯留部15に強制的に上水が給水される。すなわち、燃焼装置1の設置直後においては、当然ながら、貯留部15にドレンが存在しないため、中和器給水機能が働き、貯留部15内の水位が所定値に達するまで給水される。
【0061】
中和器給水機能による貯留部15への給水は、電極55〜58の信号に基づいて、給水源から上水が供給され、中和器給水管9及び給水部33を介して、有底空間16内に導入される。すなわち、上水は、有底空間16の有底空間底面壁51bの直上から流入し、スリット部27を介して、貯留部15に吐出する。
【0062】
貯留部15に供給された上水は、図16(a)に示すように、まず第一中和室22に導入される。そして、上水の供給が継続されて、第一中和室22内において水位を増すと、その水位が第一主仕切壁17aの第一上流側開口30a及び第二主仕切壁17bの第二上流側開口30bに達する。その後、ドレン導入室21が第一中和室22と同一の水位に達するまでは、さらに上水が継続的に導入されても、第一中和室22の水位は増すことはなく、ドレン導入室21側に流出する。そして、ドレン導入室21の水位が第一中和室22の水位に達すると、第一中和室22とドレン導入室21の水位は、ほぼ平衡に増していく。
【0063】
その後、さらに上水の供給が継続されると、図16(c)に示すように、第一中和室22とドレン導入室21の水位が、給水制御電極57の下端部に達する。そして、この水位になった時点で、給水制御電極57に通電が生じ、燃焼動作を実行し得る状態となる(以下、このときの水位を燃焼可能水位という)。すなわち、貯留部15が、燃焼可能水位となった時点で、給水が停止される。
【0064】
なお、このときの第一中和室22における水位は、第一主仕切壁17aの第一上流側開口30aよりも十分高位置であると共に、第二主仕切壁17bの第二上流側開口30bよりも十分高位置であり、さらに第一補助仕切壁18aの切欠き部31よりも低位置である。換言すれば、燃焼可能水位は、ドレン導入側配管37を通過し、ドレン導入側接続部35からドレン導入室21に流入された燃焼ガスが、それより下流側に流通し得ない水位である。
【0065】
このようにして、本実施形態の燃焼装置1あるいは中和装置11の設置直後においては、中和器給水機能によって、十分な水位を確保するための中和装置11への給水初期動作が実行される。
以下、中和装置11への給水初期動作後における、燃焼装置1の動作として説明する。
【0066】
燃焼装置1は、例えば、カラン等が開かれて給湯の要求があると、図示しない入水配管に上水が流れ、入水配管の中途に設けられた図示しない流量センサが流量を検知することにより、燃焼部2が燃焼動作を開始する。そして、その燃焼動作に伴って発生した燃焼ガスは、燃焼ケース5を下方に向けて流れる。そして、その燃焼ガスは、一次熱交換器20が配置された領域に流入し、さらに下流の二次熱交換器25が配置された領域に導入される。そして、二次熱交換器25で熱交換された燃焼ガスは、排気筒10から外部に排気される。
【0067】
一方、図示しない入水配管を介して外部から供給されてきた上水は、最初に、二次熱交換器25に導入される。二次熱交換器25に導入された上水は、主に燃焼ガスに含まれた潜熱を回収し、これにより加熱される。これに伴い、燃焼ガス中に含まれている水蒸気が凝縮し、二次熱交換器25の表面等にドレンが発生する。
【0068】
二次熱交換器25で加熱された上水が流出すると、一次熱交換器20の上流側から導入される。一次熱交換器20に導入された上水は、燃焼ガスとさらに熱交換して加熱される。すなわち、一次熱交換器20では、燃焼ガス中の主に顕熱を回収し、これにより加熱される。このようにして、一次熱交換器20において加熱された上水は、一次熱交換器20の下流側から流出し、給湯先となるカランや浴槽等に向けて供給される。
【0069】
そして、上記したように、燃焼装置1では、二次熱交換器25における熱交換に伴ってドレンが発生する。ここで発生したドレンは、二次熱交換器25の図示しない回収部に集まり、ドレン排出系統7を通じて外部に排水される。
【0070】
具体的に説明すると、前記回収部に回収されたドレンは、ドレン導入側配管37を通過して、ドレン導入側接続部35から中和装置11に導入される。すなわち、二次熱交換器25で発生したドレンは、ドレン導入側接続部35を介して、貯留部15のドレン導入室21に流入する。また、これと同時又は別のタイミングに、ドレン導入室21に燃焼ガスが流入する。
【0071】
そして、ドレン導入室21に流入したドレンは、第一上流側開口30a及び第二上流側開口30bから第一中和室22に流出する。具体的には、ドレン導入室21から第一中和室22に流入するドレンは、水平方向にほぼ直交した方向に水流を形成して第一上流側開口30a及び第二上流側開口30bを通過する。すなわち、ドレン導入室21においては、図17に示すように、第一上流側開口30aから第二上流側開口30bの水平方向に離反する範囲内で、水流が形成される。これにより、ドレン導入室21で堆積し得る物質が広範囲に分散して堆積する。そして、第一中和室22に導入されたドレンは、第一中和室22内に充填された中和剤と反応して中和が行われる。一方、ドレン導入室21に流入した燃焼ガスは、給水初期動作により形成された水封構造により、第一中和室22側に流出することはない。
【0072】
その後、継続的に燃焼動作が行われ、貯留部15にさらなるドレンの導入があれば、ドレン導入室21及び第一中和室22の水位が平衡に増していく。そして、図18(a)に示すように、第一補助仕切壁17aの切欠き部31に達すると、ドレンはその第一補助仕切壁18aを乗り越えて、第二中和室23側に流出する。第二中和室23に流入したドレンは、一次空間65において、一定水位まで貯留される。そして、その水位が第二補助仕切壁18bのドレン下流側開口34に達すれば、図18(b)に示すように、ドレンが二次空間66に流出する。その後、さらなるドレンの導入が続けば、第二中和室23全体の水位が平衡に増して、図18(c)に示すように、その水位が排出底面壁51cに到達し、ドレン排出部36を介して、ドレン外部排出配管38から外部に排出される。
【0073】
このように、燃焼動作が開始されて、ドレンが正常に外部に排出されている状態においては、貯留部15の水位は常に一定に維持された状態となる(以下、正常水位という)。すなわち、図19に示すように、ドレン導入室21及び第一中和室22では、第一補助切欠部31の下端部の高さと同等の水位(上流側正常水位)が維持され、第二中和室23では、排出底面壁51cの高さと同等の水位(下流側正常水位)が維持される。
【0074】
そして、この正常水位は、上水が通過する有底空間16の位置よりも低位置とされている。具体的には、上流側正常水位は、下流側正常水位よりも高位置にあり、有底空間16の有底空間底面壁51bよりも低位置にある。換言すれば、上流側正常水位は、燃焼可能水位よりも高位置であり、有底空間16のスロープ部54の下端部よりも低位置にある。
なお、給湯初期動作の後であっても、何らかの影響を受けて、電極55〜48によって、貯留部15内の水位が十分な水位ではないと確認された場合においては、給水初期動作と同様の制御が実行される。
【0075】
以上のように、本実施形態では、ドレン導入室21と第一中和室22との間に設けられた第一上流側開口30aと第二上流側開口30bとが、互いに水平方向に異なる方向に形成されているため、ドレン導入室21から第一中和室22にドレンが流出する際に、広範囲に拡がるような水流を形成することができる。これにより、本実施形態では、ドレン導入室21内に、堆積し得る物質(「すす」、「ゴミ」、並びに、「中和剤のかす」)が存在する場合であっても、それらの堆積物質はドレンの水流に乗って、ほぼ90度の範囲に拡散するため、従来技術のように、1つの開口(通過孔)に集中的に堆積することがない。結果的に、堆積物質が起因した詰まりの発生が起こり難くなる。また万一、1つの開口が堆積物質によって、閉塞状態になることがあったとしても、他の開口がフォローできるため、ドレンの流通自体が不能となることはない。
【0076】
また、本実施形態では、第一補助仕切壁18aの切欠き部31に網状部材70を取り付けたため、切欠き部31に到達するほどの中和剤が第一中和室22に充填された場合であっても、中和剤が第二中和室23側に侵入することを阻止することができる。
【0077】
また、本実施形態は、ドレン上流側開口30と連通した縦長スリット59を設けて、ドレン上流側開口30よりも下方に存在するドレンを下流側に流すことができる構成としたため、例えば、燃焼装置1を長期間使用しないような場合に、ドレン導入室21側のドレンをほぼ完全に排出することが可能となる。これにより、本実施形態では、貯留部15内で、ドレンが凍結してしまうことを、予め防止することができる。
【0078】
ここで、壁掛け型等の燃焼装置1は、固定強度等の観点から、できるだけ軽量化を図りたいという要望がある。そこで、比較的重量物である中和剤の量に注目した。
ところで、本実施形態では、第二中和室23は、第一中和室22よりもドレンの流れ方向下流側であるため、酸性度が弱められたドレンが流れ込んでくる。また、一般的に、中和剤は液体に浸かっている場合、経時的に消耗することが知られている。
そこで、本実施形態では、第二中和室23におけるドレンに浸り得る中和剤を減量するべく、第二中和室23の内部を、底面壁51方向(高さ方向下方)に向けて開口面積が減縮する構造とした。これにより、第二中和室23に充填される中和剤は、所定の高さを基準に、高さ方向下方に向かうほど量が少なく、高さ方向上方は量が一定となる。すなわち、本実施形態では、第二中和室23において、ドレンが浸かり得る部分を下方に向かって縮小される構造にすると共に、ドレンが浸かり得ない部分を縮小されない構造にすることで、中和剤の総量が従来に比べて減縮させることが可能となる上、ドレンを適度に中和しつつ、待機させるべき中和剤を十分に確保することができる。
【0079】
上記実施形態では、ほぼ90度に交差する関係の2つの主仕切壁17a、17bのそれぞれに上流側開口30a、30bを設け、ドレン導入室21から水平方向に異なる2方向にドレンを流出させる構成を示したが、本発明はこれに限定されず、水平方向に3方向以上異なる方向に上流側開口を設けた構成であっても構わない。
例えば、図20に示すように、ドレン導入室を形成するべく、3つの主仕切壁73、74、75を互いに同一方向に向かないように折れ曲がり状に設け、各主仕切壁73、74、75に上記実施形態のような関係の上流側開口76a、76b、76cを設けた構成や、図21に示すように、ドレン導入室を形成するべく、曲線状(あるいは円弧状)の主仕切壁77を設け、その主仕切壁77の接線方向に開口する上流側開口78a、78b、78cを設けた構成であっても構わない。さらに、図22、23に示すように、本体部12の側面壁52から離反した位置に平面視形状が方形状や円形状の主仕切壁79、80で囲繞されたドレン導入室を形成し、そのドレン導入室を形成した主仕切壁79、80に、水平方向に異なる方向に形成された上流側開口81、82を設けた構成であっても構わない。
【0080】
上記実施形態では、第一主仕切壁17aに、水平方向に並んだ2つの第一上流側開口30aを備えた構成を示したが、本発明はこれに限定されず、1つであっても、3つ以上あっても構わない。
また、本発明では、第一主仕切壁17aに替えて、又は、加えて、第二主仕切壁17bに水平方向に2以上並んだ第二上流側開口30bを備えた構成であっても構わない。
【0081】
上記実施形態では、ドレン導入室21と第一中和室22との間に、燃焼ガスの流通を阻止する水封を形成する構成としたため、当該間の通過孔を水平方向に異なる方向に開口した構成を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、第一中和室22と第二中和室23との間に、水封を形成する構成にした場合であれば、当該間の通過孔を水平方向に異なる方向に開口した構成としても構わない。
【0082】
上記実施形態では、主仕切壁17や補助仕切壁18にドレンの通過孔として、主に方形状の開口やスリットあるいは切欠きを設けた構成を示したが、本発明ではこれに限定されず、曲線を含んだ形状や、多角形状のものであっても構わない。なお、第一主仕切壁17aに関しては、歪な形状のものを示したが、方形状であったり、多角形状のものであっても構わない。また、第二主仕切壁18bに関しては、第一主仕切壁17aに設けた第一上流側開口30aと同様の形状のものであっても構わない。
【0083】
また、上記実施形態では、液体燃料を使用する逆燃式の燃焼装置1に中和装置11を適用した構成を示したが、本発明はこれに限定されず、ガス燃料を使用する一般的な燃焼装置に適用した構成であっても構わない。
【0084】
また、上記実施形態では、貯留部15の一部の領域に中和剤を充填した構成を示したが、本発明はこれに限定されず、貯留部15の全ての領域に中和剤を充填した構成を示しても構わない。
【0085】
上記実施形態では、第一中和室21と第二中和室23において、中和剤の充填配分を変化させた構成を示したが、本発明はこれに限定されず、中和剤の充填配分を変化させない構成であっても構わない。
【0086】
上記実施形態では、第一補助仕切壁18aの切欠き部31に網状部材70を取り付けた構成を示したが、本発明はこれに限定されず、切欠き部31に替えて、第一補助仕切壁18a自体に中和剤が通過し得ない形状の開口を設けた構成としても構わない。
また、第一補助仕切壁18aに、網状部材70を取り付けたり、中和剤が通過し得ない開口を設けることなく、単に切欠き部31を備えた構成であっても構わない。
【0087】
上記実施形態では、第一主仕切壁17aに縦長スリット59を設けた構成を示したが、本発明はこれに限定されず、設けない構成であっても構わない。
【符号の説明】
【0088】
1 燃焼装置
7 ドレン排出系統
9 中和器給水管
11 中和装置
15 貯留部
16 有底空間
17、76、78、79、80 主仕切壁
18 補助仕切壁
19 隔壁
21 ドレン導入室
22 第一中和室
23 第二中和室
25 二次熱交換器
29 給水口
30、76、78、81、82 上流側開口(通過孔)
36 ドレン排出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
湯水又は熱媒体を加熱する燃焼装置に備えられ、主に燃焼ガスの潜熱を回収する際に発生するドレンを中和して外部に排出するドレン排出系統の一部を形成する中和装置であって、
ドレンを貯留する貯留部を有し、
貯留部は、ドレンの流れ方向下流側に向けて直列的に並べられた2以上の部屋と、部屋同士の間に設けられたドレンが流通する通過孔を有し、貯留部に導入されたドレンは、通過孔を介して、順次、下流側の部屋に流入するもので、
いずれかの部屋同士の間の通過孔は、水平方向に異なる2以上の方向に形成されていることを特徴とする中和装置。
【請求項2】
貯留部は、ドレンが最初に導入される導入室を有し、
前記異なる2以上の方向に形成された通過孔は、導入室と、当該導入室のドレンの流れ方向下流側で隣接する別の部屋との間に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の中和装置。
【請求項3】
前記導入室は、ドレンの流れ方向下流側に隣接する別の部屋と、互いに交差する関係の2つの仕切壁で仕切られており、当該2つの仕切壁のそれぞれに、前記通過孔が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の中和装置。
【請求項4】
前記異なる2以上の方向に形成された通過孔のうち、少なくとも1方向の通過孔は、水平方向に並んだ複数の孔で形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の中和装置。
【請求項5】
燃料を燃焼する燃焼部と、燃焼部で生成される燃焼ガスの主に顕熱を回収する一次熱交換器と、当該燃焼ガスの主に潜熱を回収する二次熱交換器と、当該二次熱交換器で発生したドレンを外部に排出するドレン排出系統と、当該ドレン排出系統の一部を形成する請求項1〜4のいずれかに記載の中和装置を備えていることを特徴とする燃焼装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2013−71091(P2013−71091A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−213354(P2011−213354)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000004709)株式会社ノーリツ (1,293)
【Fターム(参考)】