説明

中空シリカ粒子、それらを含む組成物、およびその製造方法

中空シリカ粒子を作製する方法および組成物が開示される。前記粒子はテトラアルコキシシラン、トリアルコキシシランおよびそれらの誘導体、ジアルコキシシランおよびそれらの誘導体、アルコキシシランおよびそれらの誘導体、シリコーンオリゴマー、オリゴマー性シルセスキオキサン、およびシリコーンポリマーからなる群から選択されるシリコン含有化合物を含む組成物を、ポリマーテンプレートコアの全体を覆って分配させ、前記粒子からコアを取り除いて、作製される。本発明の粒子は、実質的に均一な粒子径を有し、液体に対する低い透過を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は全般的に、シリカ粒子の合成分野に関する。より詳細には、本発明は、パーソナルケア製品に使用される実質的に均一なシリカベースの粒子であって、内部が中空のカプセルである粒子を合成する分野に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルケア製品では、特にスキンに対するパーソナルケア製品に関して、そばかす、傷、変色等を被覆する、並びに自然なルックスを与える処方成分に対する需要がある。良好な被覆率を与える化粧品製品は、仮面状で不自然に見える問題があることは良く知られている。これは、化粧品に最も一般的に見られるタイプの乳白化剤である二酸化チタンベース材料で特に当てはまる。ある程度の自然らしさを有し高度な被覆率を与える多くの化粧品組成物類が報告されているが、必要とされる被覆率を犠牲にしないで消費者が強く望むレベルの自然らしさを与える物は無かった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
中空粒子の例は以前に記述された。しかし、以前に記述された材料は化粧品処方における乳白化剤として顕著な欠点を有する。塩化ビニリデン、およびアクリロニトリル、または塩化ビニリデン、アクリロニトリルおよびメタアクリル酸メチルから作製された2元および3元ポリマー系が報告されている(例えば、エクスパンセル(Expancel)(登録商標))。不幸にして、これらの種類の材料は、化粧品用途における最高の光学的特性を達成するのに必要と考えられる大きさを超えた粒子径でのみ容易に入手可能であった。スチレン/アクリレートの中空粒子(例えば、ローパーク(Ropaque)登録商標)、ロームアンドハース)も知られているが、これらの粒子は化粧品処方に望まれる光学的利点を提供できないことも知られている。
【0004】
ポリマーシェルを備えた中空粒子は、加水分解可能な酸基を有するコアと塩基を透過するシース、またはシェルとを含有するコア/シェルを生成することによって作製できる。静電堆積技法を使用してテンプレート上に各層を合成したシリカシェルを有する中空粒子も知られている。加えて、中空粒子はテンプレート粒子上にアルコキシシランから誘導されたナノ粒子堆積により、並びテンプレート粒子上での珪酸ナトリウムの縮合とそれに続くテンプレート除去によっても合成されてきた。しかし、そのような粒子は粒子表面における連続性を欠損していることが多く、従ってシェルの透過性で不適格であることが多い。更に、既知の、発表されている粒子は全て、所望される実質的に均一で狭い粒子径分布を有する狭い範囲の粒子の生成を可能にする方法よって作製されていないし、透過性も不適格である。あるいは、それらが解決されても、多数の合成工程を必要としそれらをパーソナルケア用途に使用するための生産を実施不能にする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
化粧品処方において、特定の狭い粒度分布を有する所定の粒子径範囲の中空粒子であって、低い透過性を示す中空粒子が生産され、同時に既知の化粧品処方と比較して高い被覆率に加えてより自然な外観を提供することが可能になる、ことが見出された。
【0006】
本発明は、テトラアルコキシシラン、トリアルコキシシラン、ジアルコキシシラン、アルコキシシラン、シリコーンオリゴマー、オリゴマー性シルセスキオキサン、シリコーンポリマー、および誘導体類およびそれらの混合物を含む1種以上のシリコン化合物から誘導された珪素原子を組み込んだシリコン含有化合物を含む組成物から作製される中空シリカ粒子に関する。これらのシリコン化合物は、その基が粒子生成を阻害しないという条件付きでどんな有機基または基の混合物でも任意に官能基化できる。本発明の粒子は実質的に均一な粒子径を有する。また本発明は中空シリカ粒子の化粧品組成物への利用にも関する。
【0007】
更に本発明は中空シリカ含有粒子を作製する方法に関する。例えば、それに限定されないが、ポリマー製テンプレート粒子のようなテンプレート粒子が生成され、テンプレート粒子は狭い粒子径分布を有することが特徴である。シランカップリング剤がテンプレート混合物に供給される。次いで、シリコン含有化合物または化合物の混合物はテンプレート粒子の上にシリカ含有シェルの堆積を引き起こす条件で反応可能になり、実質的に均一なコーティングをテンプレート粒子の上に生成する。続いて、テンプレート粒子のコアは加熱、溶解、または抽出を経由して、および好ましくは2段階加熱を経由して得られた粒子から取り除かれ、実質的に均一な厚さ、所望される低レベルの液体透過性、白色着色、および全体的に狭い粒子径分布範囲を有する中空シリカ粒子が残される。
【0008】
本明細書で用いる場合、「化粧品組成物」は、全ての着色化粧品、ネイルケア製品、スキンケア製品を意味する。「化粧品組成物類」としては、ファンデーション、黒色及び茶色(すなわち、マスカラ)、コンシーラー類、アイライナー類、ブローカラー類、アイシャドウ類、頬紅類、口紅類、リップクリーム類、フェースパウダー類、固形エマルションコンパクトなどを含む、顔に色を残す製品類が挙げられるが、それらに限定されない。用語「ファンデーション」は、皮膚の全体的な着色を均等にするために、化粧品会社によって創製された、又は再導入された、液体、クリーム、ムース、パンケーキ、コンパクト、コンシーラー、若しくは同様の製品を指す。「スキンケア製品類」としては、スキンクリーム類、湿潤剤類、ローション類、およびボディウォッシュ類が挙げられるが、それらに限定されない。
【0009】
本明細書で用いる場合、「中空粒子」は、液体中に置かれた場合または液体と接触された場合、依然として中空状態を保持するものである。これらは、液体中に置かれた場合または液体と接触された場合、実質的なサイズの連続的中空空隙を保持する。更には、それらは低い透過性を示す。粒子内部の中空部分は、例えば、芳香剤類、オイル類、放出調節用材料、水、または処方中にあるかも知れないその他の液体等の液体類を、実質的に取り込んだり充満したりしない。
【0010】
本明細書では、「含む」とは、最終結果に影響を及ぼさない他の工程及び他の成分を加えることができることを意味する。この用語には、「から成る」及び「から本質的に成る」という用語が包含される。本発明の組成物及び方法/プロセスは、本明細書に記載する本発明の必須要素及び制限、並びに本明細書に記載する追加の若しくは任意の成分、構成要素、工程、又は制限のいずれかを含み、これらから成り、及びこれらから本質的に成ることができる。
【0011】
百分率、割合及び比率はいずれも、特に指定されない限り、本発明の組成物類の総重量に基づいている。列記された成分に関するこのような重量は全て、活性分濃度に基づくものであり、したがって特に明記しない限り、市販材料類に包含され得る溶媒類又は副生物類を含まない。用語「重量%」は、本明細書中「wt%」として表示される。
【0012】
指示がない限り、測定は全て25℃で行う。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
1.製造方法
本発明の中空粒子を作製する方法には、テンプレート粒子を調製するステップと、その粒子の上にシリカ含有シェルを堆積するステップと、次いでテンプレート材料を取り除き、液体に対して低い透過性を有し所定の実質的に相似した寸法の中空のシリカ含有シェルを残すステップとが含まれる。適格な透過性は、化粧品またはその他の組成物の調製したものがそれらの光学的特性を十分な時間の間保持できるということである。好ましくは、所定の実質的に狭い粒子径分布範囲を有した、特定な所定の粒子径を有するテンプレート粒子は、乳化重合、分散重合、または懸濁重合の下で作製される。テンプレート粒子は、シェル堆積の後に続く、加熱、溶解、または抽出を介して取り除くことができる。好ましくは、このテンプレート粒子は例えば、ポリスチレン、またはスチレン系ポリマーを含む物のような、ポリマーラテックス粒子である。
【0014】
図1に示されるように、本発明の1つの好ましい実施形態に従うと、テンプレートポリスチレン粒子は特定条件下でスチレン1を重合することによって調製される。そのような反応条件には、熱処理、および特定の反応物の添加が含まれる。適合する反応物、濃度、温度、および例えば、撹拌速度および撹拌機デザインなどののプロセス条件を選択することによって、約200nm〜約700nmの間にある直径平均値である粒子径を有するテンプレート粒子3が形成される。テンプレート粒子が形成されてから、それらはカップリング剤で処理され、続いて特定pHおよび温度条件下でシリコン含有化合物または化合物の混合物で処理され、粒子テンプレートの上に実質的に均一なシリカ含有コーティング6を堆積させ、ポリスチレンのコア7およびコーティング6を有するコーティングされた粒子5が形成される。次いで、コーティングされた粒子5は、単離され、特定の条件下で加熱され、コア7が取り除かれ、結果として所望の目的製品、すなわち、実質的に均一な中空シリカ粒子9および副生物のスチレンおよびスチレンの酸化生成物(図示してない)、が得られる。
【0015】
図2は本発明の1つの実施形態に従って調製され、平均粒子径約500nmおよび狭い粒子径分布を有するポリスチレンテンプレート粒子を示す顕微鏡写真である。最後に、図3は、本発明の最終製品、狭い粒子径分布で約500nm平均粒子径を有する実質的に均一な中空シリカ粒子の顕微鏡写真である。
【0016】
本発明の1つの好ましい実施形態に従うと、好適なテンプレート粒子径は乳化重合、分散重合、または懸濁重合の条件によって制御され、粒子径は好ましくは約200nm〜約700nmの直径であり、更に好ましくは約250nm〜600nmの直径である。理想的な粒子径分布は、画像解析によって測定された場合に、粒子の少なくとも25%が、好ましくは少なくとも50%が、200nm〜700nmの範囲にあることである。このように理想的分布は平均粒子径に依存する。テンプレート粒子は、シェル堆積に続いて行われるポリマーコアの除去を可能にするあらゆるモノマーまたはポリマーを含むことができる。好適なテンプレート材料としては、スチレン系ポリマー、アクリレートポリマー、および関連するコポリマー系が挙げられる。好ましくは、スチレン、αーメチルスチレンのようなスチレン誘導体、またはスチレンとスチレン誘導体の混合物が、乳化重合、分散重合、または懸濁重合反応のモノマーとして使用される。更に好ましくは、スチレンが単独のモノマーとしてまたはスチレン/αーメチルスチレン混合物として使用され、なお好ましくはスチレンが単独で使用される。
【0017】
図1の概略のように、好適なテンプレートラテックスは、場合により界面活性剤の不在下で合成されるが、テンプレート合成は乳化重合、分散重合、または懸濁重合反応を阻害しない界面活性剤または界面活性剤混合物のいずれの存在下でも実行できることに留意すべきである。好ましくは、界面活性剤または界面活性剤混合物は、陰イオン性である。より好ましくは、界面活性剤または界面活性剤混合物は、アルキル硫酸エステル、アルキル硫酸塩、直鎖アルキル硫酸塩、またはこれらのいずれかの組み合わせ、から選択される。更に好ましくは、界面活性剤はドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムまたはそれらの混合物である。好ましくは、開始剤がテンプレート粒子の合成反応に添加される。特に好適な開始剤には、過硫酸塩、有機ヒドロペルオキシド、アゾ開始剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0018】
乳化重合、分散重合または懸濁重合反応は、好ましくは、約25℃〜150℃の、より好ましくは50℃〜100℃の間の温度範囲で、さらにより好ましくは約70℃で、実施される。1実施形態では、界面活性剤がテンプレート粒子の調製に使用される。界面活性剤が使用される場合、その素性および濃度は、後続するシェル堆積を顕著に阻害しないように選択され、その結果ラテックスは、シェル堆積ステップにおいて生産されるにつれて使用可能になる。かならずしも好ましい方法ではないが、界面活性剤は、テンプレート粒子を単離し洗浄することにより、またはシェル堆積ステップを実行する前に反応混合物を適切なイオン交換樹脂に通過させることにより、任意に除去できる。この方法が選択される場合、洗浄が完了した後で、ラテックステンプレートは水中に再懸濁できる。別の実施形態では、ポリスチレンラテックスは界面活性剤の不在下で調製され、シェル堆積ステップにおいて生産されるにつれて使用される。
【0019】
シェル堆積ステップのために、一般的にはポリスチレンラテックスは、シェル堆積ステップに適合する濃度に希釈される。典型的には、固形分濃度は、約0.1〜約50%、好ましくは約2〜30%の範囲である。ポリスチレンラテックス混合物は、昇温温度に加熱されることが一般的である。例えば、シリコン含有化合物としてテトラエトキシシランが使用される場合、その温度は約20℃〜約150℃、より好ましくは約45℃〜約90℃の範囲で、および更に好ましくは約50℃である。
【0020】
好ましくは、pHは、シェル堆積ステップ中に添加されるシリコン含有化合物または化合物の混合物の性質に依存した理想的pHに調節される。例えば、テトラアルコキシシランに対しては反応混合物のpHは約8〜約12の範囲にあるのが好ましく、より好ましくは約9〜約11の範囲に、更に好ましくは約10〜約10.5の範囲にある。pH調節は、当業界の技術者に公知の、適切な酸(特定のシリコン含有化合物で好適な低いpHのために)または塩基で達成できる。例えば、テトラエトキシシランのようなテトラアルコキシシランが使用される場合、水酸化アンモニウムは好適な選択である。
【0021】
pH調節後で、シェルを堆積するためのシリカ含有化合物を添加する前に、親和剤、例えばシランカップリング剤などを添加することが有利になり得る。ポリスチレンテンプレート粒子に対して好適な親和剤には、フェニルトリメトキシシラン、(3−アミノプロピル)トリエトキシシラン、またはそれら2種の組み合わせ、が挙げられる。テンプレート粒子の表面上にシリカ含有シェルの堆積を促進可能なあらゆるカップリング剤が使用できる。
【0022】
ポリスチレンラテックス混合物にカップリング剤を添加した後に続いて、シェル前駆体のシリコン含有化合物を撹拌しながら添加し、シリカ含有シェルが堆積される。好適なシリコン含有材料は、例えば、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシランまたはテトラメトキシシランのようなテトラアルコキシシランであり、好ましくはテトラエトキシシランまたはテトラメトキシシランである。部分縮合したエトキシシランのような部分縮合アルコキシシランおよびその他のアルコキシー含有オリゴマーまたはポリマーは、同様に本発明の範囲内にあると見なされる。シリコン含有化合物の好適な添加速度は、その化合部の素性に依存する。例えば、テトラアルコキシシランに対する添加は、ゆっくりで3〜48時間以内で行われるのが好ましくは、好ましくは約24時間以内である。シリコン含有化合物がテトラメトキシシランである場合、添加は30分から16時間以内で完結されるのが好ましい。シリコン含有化合物は添加に先立って、必須ではないけれども、溶剤で希釈されることができ、例えばテトラエトキシシランの場合にはエタノールで希釈され得る。しかし、シリコン含有化合物は、例えばテトラプロポキシシランのような一部のテトラアルコキシシランと共にアルコールまたはアルコール混合物で希釈することが望ましい場合がある。テンプレート粒子の重量に対する重量%としての、テンプレート粒子分散体に添加されるシリコン含有化合物の添加量は、シリコン含有化合物の化学的性質および堆積の効率に依存する。理想的な量は、所望のシェル厚さを有したコア/シェル粒子を単離するに必要な最小量であり、所望の用途に対する十分な純度を特徴とする。「所望のシェル厚さ」は、所望される最終粒子性能の点から定義される。本発明の用途に対して、シェルはコアの除去を可能にするに十分な薄さであることが望ましく、また機械的な操作に耐え、構造の完全性を失うことなくその後の処方に耐えるに十分な厚さであることが望ましい。本発明に従って製造されたシェルは、一般的に約10〜約30nmの厚さであり、より一般的には約15〜約25nmの厚さである。シリコン含有化合物の添加が完了してから、任意選択で粒子を単離する前に反応の撹拌を継続できる。
【0023】
コア/シェル粒子は、遠心分離またはろ過のどちらかで単離される。本発明の1実施形態によると、中実のSiO2の無い、より純粋な製品を単離する能力がより優れている理由で遠心分離が好まれる。実際に、本発明のある実施形態によって遠心分離の処理法がより詳しく観察される。複式分離は不要であり、光学的に透明な母液中に存在するコロイドSiO2は、サンプルに印加する力を約5,000〜約20,000gで約5分〜約1時間とする遠心分離機設定により、より好ましくは約10〜15分間にわたる約15,000gの力で、単離製造物に混入することが無い。これらの遠心分離パラメータによる反応混合物中の粒子の処理は、結果として、懸濁液中にかなりの量のコロイドSiO2が保持されているものをもたらし、それは注ぎ出しされ沈降物中により純粋な製品が残される。同様に、ろ過方法は粒子の単離が可能であれば選択肢であり、結局は所望の利点が得られる。コア/シェル粒子は任意選択で洗浄および再単離が可能であるが、このことは必須ではない。
【0024】
コーティング粒子を単離した後、コア材料は取り除かれる。好ましくは、その除去は2段階でコア/シェル粒子を加熱することにより達成される。第1段階では、テンプレートが解重合し揮発が有利になる温度に粒子を加熱することが含まれ、加熱措置の終了時に白色で所望の光学的特性を有している粒子を製造するに十分な時間その温度を大体一定に保持される。第1温度で「保持」の後、粒子をより高い温度でシェルが高密度化するに十分な時間加熱することが有利である。粒子が化粧品製品に取り込まれる場合には、白色の中空粒子を得ることが本発明の好ましい実施形態である。許容される白色を有する粒子には、TAPPIの輝度値(T−452輝度(1987年)法)が約0.5に等しいかまたは好ましくはより大きい、より好ましくは約0.55に等しいかまたはより大きい、更に好ましくは0.6に等しいかまたはより大きいという特徴がある。同様に、本発明の中空粒子は、使用条件でシェルを介して液体が実質的に通過しないことが好適である。本発明のコア除去の加熱措置によるシェルの高密度化は、中空粒子が所望の不透過性を有することを可能にする。
【0025】
第1段階と第2段階の間で材料を冷却することは不要である。理想的な段階1の温度は、モノマーまたはモノマー混合物の素性並びにテンプレート粒子を調製するために使用して得られたポリマーの特性並びに設計、および加熱炉の物質移動特性に依存する。テンプレート材料にポリスチレンラテックスを使用する場合には、段階1は好ましくは約325℃〜約525℃の範囲の温度に、より好ましくは約375℃〜約475℃の間で、更に好ましくは約425℃で加熱することが含まれる。サンプルは、段階1の温度で好ましくは約1〜約8時間、より好ましくは約2〜約6時間、更に好ましくは約4時間にわたり保持される。テンプレートがスチレンまたはそれの誘導体混合物から作製されたかどうかに関係なく、段階2の温度は好ましくは約525℃〜900℃の範囲の温度で、より好ましくは約550℃〜約700℃の間で、更に好ましくは約600℃である。段階2の温度は約1〜8時間、好ましくは約2〜6時間保持される。2つの段階の温度が保持される時間の所望の長さは、ある程度は炉の中のガス流れ、および物質移動に影響を与えるその他のパラメータに依存し、従って提示した保持時間はそれに限定されるのではなく、むしろ例として示すことを意図する。温度の上昇速度および下降速度は、傾斜率が最終製品中に着色を導く働きがない限りにおいて、最終製品の特性には重要ではない。温度の上昇速度および下降速度は、一般的に約0.1℃/分〜約25℃/分の範囲、好ましくは約1℃/分〜10℃/分の範囲である。加熱工程は、酸素含有雰囲気または不活性雰囲気で実施できる。大気の流量は、加熱処理の間に粒子上に温度により、望ましくない着色をもたらす分解生成物の付着を避けるのに十分である限り重要ではない。代替のコア/シェル加熱システムに、流動床があり、それはまたコア除去の好適な方法であり得る。更に、ガスの流量を変更してコア除去時間改善することができることは当然であるが、実際的には流量の制約により、中空粒子製造物が軽量である事実が原因の製造物の損失を回避することは、当分野の当業者に容易に理解されるであろう。代替として、コアは溶解または溶剤抽出によって除去できる。コア除去に溶解が使用される場合、粒子単離に続いてシェルを高密度化する段階2の加熱手順を行うことが有利である。
【0026】
これで、化粧品用途に所望の特性を有した中空シリカの製造を可能にする本発明の1実施形態には、テンプレート粒子として乳化重合、分散重合、または懸濁重合によるポリスチレンラテックスの使用が含まれることが確認された。この好適な方法により、粒子径全体および粒子径分布を厳格に制御することが可能になり、そのことは本発明の粒子を組み入れて得られる化粧品製品の所望の光学的効果を達成するために重要である。このポリスチレンラテックスの使用により、シリカコーティングされたコア/シェル生成物から加熱によって最後のテンプレート除去が更に実現される。更に有利な特徴には、シランカップリング剤の使用により、コア表面上にシリカの堆積が促進されること、並びに特定の制御されたpHおよび温度でシリコン含有化合物を制御して添加することが挙げられる。親和剤の使用並びにアルコキシシランの添加速度、反応のpHおよび温度の制御により、縮合および粒子表面上のシリカの堆積がバルク溶液中での縮合/粒子形成と比較して十分であることが可能になる。バルク溶液中での中実粒子を形成するシリカ縮合は、テンプレートをコーティングしたシリカを産出しない、従って結局は中空粒子を産出しないので、このことは重要である。バルク溶液中で製造されたシリカ粒子は、本発明の1方法によって所望の生成物から分離される。更に、本発明中に規定された加熱手順により、テンプレート材料を効率良く、望ましくない着色を発生させないで、除去することが可能になる。重要なことは、本発明の方法により、化粧品およびその他の組成物における使用条件下で、限定例ではないが、水、デカメチルシクロペンタシロキサン(ゼネラルエレクトリック社、ニュヨーク州より入手可能で、SF1202として市販)のような、液体に対して低い透過性を示す中空シリカを単離することが可能になる。中空粒子の合成に関するこれらの態様により、化粧品処方のような特定の媒体中で処方した場合、増強された被覆性および目に見えて優れた自然な感じの両方を提供する材料が与えられる。本発明の粒子の透過性は、特別の透過性試験に対して合格であると判定される。化粧品用途に合格であるためには、本発明の仕上がりの中空粒子は、極度に低い透過性、または換言すれば、デカメチルシクロペンタシロキサンに対して実質的に不透過であらねばならない。デカメチルシクロペンタシロキサンサンプル10〜15mL中で粒子サンプル約50〜100mgの約90〜約100%が、少なくとも約30日間の間浮いている場合に、その粒子はデカメチルシクロペンタシロキサンに対して実質的に不透過であると称される。このフロート試験を満たす製品は、化粧品製品に組み込まれた場合、少なくとも7ヶ月という有用な保存寿命を示すことが知られている。
【0027】
単離後、中空粒子の表面と顕著に反応するかまたは相互作用する能力のある、モノマー、オリゴマー、またはそれらの混合物、のいずれかとの反応によって、中空粒子は官能基化できる。例えば、官能性シラン、シラザン、或いはシリコーンオリゴマーまたはポリマーは、粒子表面にある表面シラノールと反応することが可能である。そのような好適な材料として、トリアルコキシ−またはトリアリールオキシシラン類、ジアルコキシ−またはジアリールオキシシラン類、アルコキシ−またはアリールオキシシラン類、それらの誘導体類(即ち、オリゴマー性またはポリマー性)、またはそれらの混合物類、並びに例えばヘキサメチレンジシラザンのような反応性シリコン含有材料が挙げられる。反応性シラン、オリゴマーまたはポリマーに存在する官能基の選択により、粒子の分散性の変性、粒子の安定性の向上、その他の処方成分と粒子の親和性の向上、または消費者が評価するその他の利点例えば光学的またはその他の官能的利点(例えば、柔らかい感じ)を追加する機能の提供、が可能になる。アルコキシシランまたはアリールオキシシランの場合には、追加の官能基、例えば、アルキル、アリール、オレフィン、エステル、アミン(aine)、酸、エポキシド、アルコール、等の基が組み込みできる。一つの好適な官能基化反応は、中空シリカ粒子をヘキサメチルジシラザンと反応させることにより起こるものである。この反応は、液体の反応混合物中でまたは溶剤不在下の気相状態のヘキサジメチルシラザンと乾燥材料の間で実行できる。
【0028】
2.化粧品組成物
本発明の中空シリカ粒子は化粧品組成物に使用できる。本発明の中空シリカ粒子は、組成物の重量基準で、約0.01%〜約90%、より好ましくは約0.02%〜約50%、更に好ましくは約0.03%〜約25%、より更に好ましくは約0.05%〜約15%、の量で存在する。
【0029】
本発明の組成物は、例えば顔料または染料のような着色剤を含むことが好ましい。顔料類は、それらが使用される媒体中で不溶性である着色剤類と定義される。従って、顔料類は、製品中又は使用時に実質的に溶解しないか、又は不溶性である。多くの場合、顔料類は製品中で僅かに可溶性である。顔料類のこの可溶性部分は、遊離染料と呼ばれる。顔料類には、レーキ類及びカプセル化された着色剤類が含まれるが、これらに限定されない。
【0030】
染料類は、それらが使用される媒体中で実質的に可溶性である着色剤類である。染料の使用は、永久的な、半永久的な、または耐久性の着色を皮膚や爪に形成することを意図することが多い。
【0031】
本発明に使用できる染料の幾つかは以下のもであるが、それらに限定されない:D&Cイエロー7号、D&Cレッド36号、FD&Cレッド4号、D&Cオレンジ4号、D&Cレッド6号、D&Cレッド34号、FD&Cイエロー6号、D&Cレッド33号、FD&Cイエロー5号、D&Cブラウン1号、D&Cレッド17号、D&Cグリーン3号、D&Cブルー4号、D&Cイエロー8号、D&Cオレンジ5号、D&Cレッド22号、D&Cレッド21号、D&Cレッド28号、D&Cオレンジ11号、D&Cイエロー10号、D&Cバイオレット2号Ext.、D&Cバイオレット2号、D&Cグリーン6号、D&Cグリーン5号、D&Cレッド30号、D&Cグリーン8号、D&Cレッド7号、FD&Cブルー1号、D&Cレッド27号、D&Cオレンジ10号、D&Cレッド31号、FD&Cレッド40号、D&Cイエロー11号、CI番号10020、CI番号16185、CI番号16255、CI番号45430、CI番号73015、CI番号74160、カーミンおよびこれらの混合物。
【0032】
顔料は単独または染料と組み合わせて使用してよい。本明細書に有用なこれらの幾つかとして、以下のもが挙げられるが、これらに限定されない:アルミニウム粉末、ウルトラマリン、オキシ塩化ビスマス、酸化クロムグリーン、水酸化クロムグリーン、酸化鉄、フェロシアン化第二鉄、マンガンバイオレット、二酸化チタン、亜鉛華、マイカ、ブロンズ粉末、銅粉末、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、カプサンチン/カプソルビン、ベントナイト、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、カーボンブラック、炭酸マグネシウム、着色シリカ、上記リスト染料のレーキ、およびこれらの混合物。他の好適な着色剤類及び顔料類は、国際化粧品成分辞典及びハンドブック(International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook)、第7版で見出すことができる。
【0033】
本発明の組成物は、いずれの好適な任意選択成分、例えば、米国特許出願第10/840833号、2004年5月7日出願、および米国特許出願第2003/000306064A1号、2003年1月2日に公開、に記載のようなものを含むことができる。任意選択の成分として、以下のものが挙げられるがこれらに限定されない:揮発性または不揮発性のキャリア、極性または非極性のキャリア、例えば、水性キャリア、シリコーンキャリア、炭化水素キャリア、ワックスキャリア、および米国特許第6696049号に記載のその他のもの、剥離活性分(desquamation actives)(米国特許第5,681,852号に開示のようなもの)、抗痙瘡活性分、制汗活性成分、抗シワ活性分/抗萎縮活性分、酸化防止剤/ラジカル捕捉剤、キレート化剤、フラボノイド(米国特許第5,686,082号および同第5,686,367号に開示のようなもの)、抗炎症剤、抗蜂巣炎剤(anti-cellulite agents)、局所麻酔剤、日焼け剤、皮膚光沢剤(skin lightening agents)(国際特許出願公開第95/34280号、国際特許出願第95/07432号、および国際特許出願第95/23780号に記載のようなもの)、スキンスージング活性分(skin soothing actives)、スキンヒーリング活性分(skin healing actives)、抗菌活性分、抗真菌活性分、日焼け止め活性分(サガリン等(Sagarin, et al)による、化粧品科学および技術(Cosmetics Science and Technology)(1972年)第8章、189頁以降、に開示のようなもの)、微粒子材料(米国特許第5,997,887号に開示のようなもの)、コンディショニング剤(米国特許第4,976,953号に記載のようなもの)、増粘剤(米国特許第5,087,445号、同第4,509,949号、同第2,798,053号、およびCTFA国際化粧品成分辞典(CTFA International Cosmetic Ingredient Dictionary)、第4版、1991年、12頁および80頁、米国特許第5,100,660号、同第4,849,584号、同第4,835,206号、同第4,628,078号、同第4,599,379号、欧州特許第228,868号、米国特許第5,654,362号、および同第5,880,210号、ワース(Warth)、ワックスの化学と技術(Chemistry and Technology of Waxes)、第2部、ラインホールド出版、(1956年)に記載のようなもの)、追加的な粉体状成分(C.T.F.A.化粧品成分ハンドブック(C.T.F.A. Cosmetic Ingredient Handbook)第5版、ワシントンD.C.(1988年)、および米国特許第5,505,937、に記載のようなもの)、耐摩耗性または耐移行性を増強するための材料(E.S.バラバス(E.S. Barabas)による、ポリマー科学および工学百科辞典(Encyclopedia of Polymer Science and Engineering)、2版、17巻、198〜257頁、国際特許出願公開第WO96/33689号、および同第WO97/17058号、および米国特許第5,505,937号、国際特許出願公開第WO99/18431号、および米国特許第5,800号、に開示のようなもの)、乳化剤(ウイルキンソンおよびムーア(Wilkinson and Moore)による、ハリーの美容学(Harry's Cosmeticology)、7版、1982年、738頁、シックおよびフオークス(Schick and Fowkes)、界面活性剤科学シリーズ、2巻、界面活性剤溶液の溶剤性質、607頁、C.T.F.A.化粧品成分ハンドブック(C.T.F.A. Cosmetic Ingredient Handbook)第3版、化粧品および芳香剤協会社、ワシントンD.C.(1982年)587〜592頁、レミントンの医薬科学、15版、1975年、335〜337頁、マッカッチョンの乳化剤および洗剤第1巻(McCutcheon's Volume 1, Emulsifiers & Detergents)、1994年、北アメリカ版、236〜239頁、米国特許第4,268,499号、および同第5,143,722号、に記載のようなもの)、および相互溶解補助剤(co-solubilizer)(米国特許第4,268,499号、および同第5,143,722号に記載のようなもの)。
【0034】
本明細書に記述の合成方法の利点として、粒子径の予測的制御、シェル厚さの制御、表面を官能基化できる能力、および実質的に均一な厚さを有する連続したシェルを生成する能力、が挙げられる。本発明の粒子を適用した製品の性能利点には、例えば、化粧品製品として処方した場合の高被覆性、および自然な見映えが挙げられる。本発明の表面を官能基化できる能力により、粒子の分散性、処方内および処方外における安定性、親和性化、および例えば光学的効果のような消費者関連の利点が提供される。
【0035】
本発明の中空シリカ粒子または「シェル」は、密度、熱挙動、光学特性、粘度、加工性、またはその他の物理的特性を改良するための種々のポリマー用フィラーとしても有用でありえる。また、シェルは、例えば、金属性シェルのような別の材料のシェル成長のテンプレートまたは支持体としても有用である。金属性シェルは銅、銀、金、などを含むことができ、それらの特性は金属性シェルの厚さに依存する。
【0036】
堆積した/グラフトした/反応した、シェルは同様にポリマー的性質であることができる。従って、本発明は粒子テンプレートの上に複数のコーティングの存在を更に意図する。テンプレートは最初のコーティングの上に単一のコーティングを堆積させた後で除去してよい。加えて、複数のコーティングがコアの除去を妨げないのであれば、コアの除去前に複数のコーティングを粒子テンプレートの上に堆積させてよい。金属層が採用できる場合には、本発明は、得られる所望の効果に応じて、金属層および非金属層のあらゆる有用な順番による堆積を意図することを理解すべきである。
【0037】
本発明の化粧品組成物は、広範囲の製品の形態であることができる。これらには、ローション、クリーム、ジェル、スティック、スプレー、軟膏、ペースト、ムース、及び化粧品(例えば、ファンデーション、目元用メークアップ、有色又は無色リップトリートメント、例えばリップスティックなどを含む、固体、半固体、又は液体のメークアップ用品)等が挙げられるが、これらに限定されない。これらの製品形態は、溶液、エアゾール、エマルション、ジェル、固体、及びリポソームが挙げられるが、これらに限定されない、いくつかの種類のキャリアを含んでよい。好適なパーソナルケア製品形態は、米国特許第6071503号、同第6139823号、同第6019962号、同第6106820号、同第6017552号、同第6013269号、および同第6001373号に開示される。
【実施例】
【0038】
(実施例1)
【0039】
【表1】

【0040】
最初に、中空シリカ、顔料、シクロペンタシロキサン、およびジメチコンコポリオールを組み合わせて「相A」を調製する。十分に分散するまでミリングする。次に、水、グリセリン、および防腐剤を均一になるまで、必要な場合加熱して、混合して「相B」を調製する。相Bを相Aに添加して均一になるまでミリングする。ジメチコンクロスポリマーを添加して均一になるまで混合する。サンプルを3本ロールミルに1回通す。
【0041】
(実施例2):
【0042】
【表2】

【0043】
最初に、中空シリカ、顔料、シクロペンタシロキサン、ジメチコン流体、およびジメチコンコポリオールを組み合わせて「相A」を調整する。十分に分散するまでミリングする。次に、水、グリセリン、および防腐剤を均一になるまで、必要な場合加熱して、混合して「相B」を調製する。相Bを相Aに添加し均一になるまでミリングする。ジメチコンクロスポリマーを添加し均一になるまで混合する。サンプルを3本ロールミルに1回通す。
【0044】
(実施例3):
【0045】
【表3】

【0046】
最初に、中空シリカ粒子および未処理顔料を水と混同し粒子が良好に分散するまでミリングして「相A」を調製する。次いで、シクロメチコン、シクロペンタシロキサンおよびジメチコンコポリオール、並びに防腐剤をミキサーを用いて均質になるまで混合して「相B」を調製する。相Aをゆっくりと相Bに添加し、均一になるまで混合する。
【0047】
(実施例4):
【0048】
【表4】

【0049】
水、グリセリン、中空シリカ粒子および未処理顔料を混合し均一になるまでミリングする。水相混合物にポリアクリルアミドを添加する。残りの成分を添加し混合する。
【0050】
(実施例5−9):
【0051】
【表5】

**メルクアット(Merquat)100−ナルコ・ケミカル社(Nalco Chemical Company)より入手
【0052】
均一な色および着色剤の有効な使用を確実にするために、高速ディスパーサー、ミル、または当該技術分野で既知のその他の方法を使用して、着色剤/顔料/フィラーおよび中空シリカをシリコン相に分散または混合することによってファンデーションを調製する。固体ワックス類の溶融を確実にするために必要な場合は加熱しながら、残りの添加剤を加える。全ての水相成分を混合しながら合わせ、他の成分が溶解した後でポリマーを加える。必要であれば相を室温に冷却する。水相をシリコン相にゆっくりと加え、攪拌機、ホモジナイザー、又は当該技術分野において既知の他の方法により混合してエマルションを形成する。当業者に明白であるように、最終エマルション特性は変性又は調整されることができる。
【0053】
(実施例9):
【0054】
【表6】

【0055】
最初に、中空シリカ粒子、顔料、シリコーンコポリオールクロスポリマー、および任意選択でシリコン相防腐剤をシクロペンタシロキサンと混合して「相A」を調製する。中空シリカ粒子が良好に分散されるまでミリングする。次に、水、グリセリン、および防腐剤を、必要な場合加熱して、均一になるまで混合して「相B」を調製する。相Bを相Aに添加し、均一になるまでミリングする。ジメチコンクロスポリマーを添加し、均一になるまで混合する。サンプルを3本ロールミルに1回通す。
【0056】
(実施例10):
【0057】
【表7】

【0058】
成分を低せん断下で加熱しながら(70−80℃)均一になるまで混合する。減圧下で空気を取り除く。融解した混合物を金型に流し込み、次いで冷却する。金型から取り出して、適した包装に入れる。
【0059】
(実施例11):
【0060】
【表8】

【0061】
MQ樹脂およびジメチコンゴムを適切な量のイソドデカン溶媒に溶解する。イソドデカン、ヘクトライト粘土、およびプロピレンカーボネートをペーストにミリングする。ペースト、樹脂およびゴム混合物を組み合わせ、次いでミリングする。中空シリカ、顔料/着色剤/フィラーを上記混合物に添加し均一になるまでミリングする。
【0062】
本発明の特定の諸実施形態を図示し、記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが当業者には自明である。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
【0063】
「背景技術」「発明の概要」、及び「発明の詳細な説明」で引用されるすべての文献は、その関連部分において、本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用もそれが本発明に関して先行技術であるという容認として解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の1つの好適方法の概略的な化学反応表示。
【図2】本発明の1実施形態に従って形成されたテンプレート粒子を示す顕微鏡写真。
【図3】中空シリカ粒子を示す本発明の1実施形態の顕微鏡写真。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空シリカ含有粒子を含む組成物であって、前記粒子を作製する方法は
テンプレート粒子を生成するステップと、
前記テンプレート粒子表面にカップリング剤を供給するステップと、
前記テンプレート粒子上にシリカ含有シェルを堆積させるためシリコン含有化合物を供給し、前記テンプレート上に実質的に均一なコーティングを生成するステップと、
最初に325℃〜525℃、好ましくは375℃〜475℃の第一温度で、第一時間の間、好ましくは2〜6時間にわたって、前記テンプレート粒子を加熱し、次いで525℃〜900℃、好ましくは550℃〜700℃の第二温度で、第二時間の間、好ましくは2〜6時間にわたって、前記テンプレート粒子を加熱することにより前記テンプレート粒子を除去し、中空シリカ粒子を作製するステップと、
を含み、および前記組成物は化粧品組成物である組成物。
【請求項2】
前記テンプレート粒子は高分子材料を含み、好ましくは前記テンプレート粒子は、スチレン、α−メチルスチレン、およびそれらの混合物からなる群から選択されるモノマーから構成されるポリマーを含み、好ましくは前記テンプレート粒子はポリスチレンである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記粒子を作製する前記方法は、開始剤を供給するステップであって、前記開始剤は過硫酸塩、有機過酸およびアゾ開始剤からなる群から選択されるステップを更に含み;前記テンプレート粒子は界面活性剤の不在下で生成され;前記テンプレート粒子生成ステップは、アルキル硫酸エステル、アルキルスルホネート、直鎖アルキルアリールスルホネート、およびそれらの混合物からなる群から選択される界面活性剤を供給するステップを更に含み;前記粒子を作製するステップは、フェニルトリアルコキシシランおよび(3−アミノプロピル)トリアルコキシシランからなる群から選択される前記テンプレート粒子に対する親和剤を供給するステップを更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記テンプレート粒子上で縮合されるシリコン含有化合物は、テトラアルコキシシラン、ジアルコキシシラン、アルコキシシラン、シリケート、コロイダルシリカ、シリコーンオリゴマー、オリゴマー性シルセスキオキサンおよびシリコーンポリマー、好ましくは、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、およびテトラメトキシシランからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記テンプレート粒子の平均粒子径は、200nm〜700nm、好ましくは250nm〜600nmの範囲にある、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
得られる中空シリカ含有粒子は、前記テンプレート粒子が除去された後は白色である、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
中空シリカ含有粒子を含む組成物であって、好ましくは前記中空シリカ含有粒子は前記組成物中に0.01重量%〜90重量%、好ましくは0.02重量%〜50重量%の範囲の量で存在し、前記粒子を作製する方法は:
250nm〜600nmの平均粒子径を有するテンプレート粒子を生成するステップと、
前記テンプレート粒子表面にカップリング剤を供給するステップと、
前記テンプレート粒子上にシリカ含有シェルを堆積させ、前記テンプレート粒子上に実質的に均一なコーティングを生成させるためにシリコン含有化合物を供給するステップと、
最初に375℃〜475℃の第一温度で2〜6時間の第一時間の間にわたって加熱し、次いで550℃〜700℃の第二温度で2〜6時間の第二時間の間にわたって前記テンプレート粒子を加熱することにより前記テンプレートを除去して、中空シリカ粒子を作製するステップと、
を含み、前記組成物は化粧品組成物である、組成物。
【請求項8】
着色剤を更に含み、好ましくは前記着色剤は顔料および染料からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
テトラアルコキシシラン、トリアルコキシシランおよびそれらの誘導体、ジアルコキシシランおよびそれらの誘導体、アルコキシシランおよびそれらの誘導体、シリコーンオリゴマー、オリゴマー性シルセスキシロキサンおよびシリコーンポリマーからなる群から選択されるシリコン含有化合物を含む組成物から作製される中空シリカ粒子を含む組成物であって、前記中空シリカ粒子は実質的に均一な粒子径を有し、前記中空シリカ粒子は白色であり、かつ、実質的にデカメチルシクロペンタシロキサン不透過性であり、前記組成物は化粧品組成物である、組成物。
【請求項10】
前記中空シリカ粒子は200nm〜700nm、好ましくは250nm〜600nmの平均粒子径を有し、好ましくは前記中空シリカ粒子は実質的に球状であり、好ましくは前記中空シリカ粒子は少なくとも1種のコーティングから作製されるシェルを含み、前記シェルは10nm〜30nmの実質的に一定の厚さを有し、好ましくは前記中空シリカ粒子はオルガノシリル基を含む材料で官能基化された外側表面を有し、好ましくは前記中空シリカ粒子は外側表面をヘキサメチルジシラザンと反応させることによって官能基化された前記外側表面を含み、好ましくは前記中空シリカ粒子はオレフィン、エステル、アミン、酸、エポキシド、アルコール、およびそれらの混合物からなる群から選択される化学官能基を更に含み、好ましくは顔料および染料からなる群から選択される着色剤を更に含み、好ましくは前記中空シリカ含有粒子は組成物中に0.01重量%〜90重量%、好ましくは0.02重量%〜50重量%の量で存在する、請求項9に記載の組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−504632(P2009−504632A)
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−525702(P2008−525702)
【出願日】平成18年8月9日(2006.8.9)
【国際出願番号】PCT/IB2006/052753
【国際公開番号】WO2007/017843
【国際公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】