中空タワーの施工方法および中空タワー施工用型枠
【課題】 筒状で上方に向かうにしたがい径が変化して構築されたコンクリート製タワーの施工コストを大幅に削減できる中空タワーの施工方法および中空タワー施工用型枠を提供する。
【解決手段】 単位高さを有する筒状の外型枠23と、この外型枠の内側に単位高さを有する筒状の内型枠17とを基礎上に配設し、これら外型枠と内型枠との間にコンクリートを打設して、単位高さを有する筒状構造物をつくり、これを繰り返すことによって、上方に向かうにしたがい径が変化するタワーを構築する中空タワー1の施工方法において、前記筒状の外型枠23および内型枠17を周方向に分離された複数個のセグメント39,47で構成し、このセグメントの周方向両端部を相互に重ねて筒状に形成し、この相互に重ね合わされた部分の長さを調整して、前記外型枠23および前記内型枠17の径を調整することによって、一組の外型枠23及び内型枠17によって、径の異なるタワーの基底部から上端部までを施工する。
【解決手段】 単位高さを有する筒状の外型枠23と、この外型枠の内側に単位高さを有する筒状の内型枠17とを基礎上に配設し、これら外型枠と内型枠との間にコンクリートを打設して、単位高さを有する筒状構造物をつくり、これを繰り返すことによって、上方に向かうにしたがい径が変化するタワーを構築する中空タワー1の施工方法において、前記筒状の外型枠23および内型枠17を周方向に分離された複数個のセグメント39,47で構成し、このセグメントの周方向両端部を相互に重ねて筒状に形成し、この相互に重ね合わされた部分の長さを調整して、前記外型枠23および前記内型枠17の径を調整することによって、一組の外型枠23及び内型枠17によって、径の異なるタワーの基底部から上端部までを施工する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筒状で上方に向かうにしたがい径が変化するコンクリート製タワーを構築する中空タワーの施工方法および中空タワー施工用型枠に関する。
【背景技術】
【0002】
筒状で上方に向かうにしたがい縮径して構築されたコンクリート製タワーは、今日各方面で利用されている。特に、近年風力発電が盛んに行われるようになり、この風力発電用の風車を載置するためのタワーとして使用されるようになった。
【0003】
このコンクリート製タワーは、以下のようにして構築する。すなわち、上部径が下部径より縮径され単位高さを有する筒状の第1の外型枠設け、この外型枠の内側に、上部径が下部径より縮径された筒状の第1の内型枠を配設し、これらの間にコンクリートを打設することによって、上部径が下部径より縮径された筒状の第1のコンクリート構造物を建設する。次いで、この第1のコンクリート構造物の上端に、下部径が前記第1のコンクリート構造物の上端の外径になされ上部径がこの下部径より縮径された第2の外型枠を設け、この第2の外型枠の内側に、下部径が前記第1のコンクリート構造物の上端の内径になされ上部径がこの下部径より縮径された第2の内型枠を設け、これらの間に、コンクリートを打設することによって、前記第1のコンクリート構造物の上端に第2のコンクリート構造物を接続して構築する。そして、以下これを繰り返すことによって、筒状で上方に向かうにしたがい縮径するコンクリート製のタワーを構築する。
【0004】
しかしながら、このような、コンクリート製タワーの施工方法にあっては、順次下から構築していく第1、第2、第3…のコンクリート構造物毎に、サイズの異なる外型枠、内型枠を用意する必要があり、建設コストが嵩むという問題点があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、かかる問題点を解決すべくなされたものであって、筒状で上方に向かうにしたがい縮径して構築されたコンクリート製タワーの施工コストを大幅に削減できるコンクリート製中空タワーの施工方法および中空タワー施工用型枠を提供することをその目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく本発明は、筒状の外型枠と内型枠との間にコンクリートを打設して第1の筒状構造物を構築し、この第1の筒状構造物の上端部に、下部径が前記第1の筒状構造物の上端部の外径になされた筒状の外型枠を設けるとともに、下部径が前記第1の筒状構造物の内径になされた筒状の内型枠を設け、これら第1の筒状構造物の上端部に配設された外型枠と内型枠との間にコンクリートを打設して、前記第1の筒状構造物の上端に第2の筒状構造物を接続して構築し、以下これを繰り返すことによって、筒状のタワーを構築する中空タワーの施工方法において、前記筒状の外型枠および内型枠を周方向に分離された複数個のセグメントで構成し、このセグメントの周方向の両端部を相互に重ねて筒体をなし、この相互に重ね合わされた部分の長さを調整して前記外型枠および前記内型枠の径を調整し、一組の外型枠及び内型枠の径を順次変化させることによって、上方に向かうにしたがい径が変化するタワーを施工することを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、筒状の外型枠と内型枠を備え、前記外型枠及び内型枠は、周方向に分離された複数個のセグメントを有し、これらセグメントはその周方向の両端部が相互に重ね合わされて筒体をなし、この相互に重ね合わされた部分の長さを調整することによって前記外型枠および前記内型枠の上端部及び下端部の径を調整しうるようになされた中空タワー施工用型枠であって、前記外型枠と内型枠の上端部及び下端部の径を所望の値に調整した後、これら外側枠と内型枠の間にコンクリートを打設して第1の筒状構造物を構築し、この第1の筒状構造物の上端部に、下部径を前記第1の筒状構造物の上端部の外径に調整した外型枠を配設するとともに、下部径を前記第1の筒状構造物の内径に調整した内型枠を配設し、これら第1の筒状構造物の上端部に配設された外型枠と内型枠との間にコンクリートを打設して、前記第1の筒状構造物の上端に第2の筒状構造物を接続して構築し、以下これを繰り返すことによって、上方に向かうにしたがい径が変化するタワーを構築することを特徴とする。
【0008】
従って、径の異なる多数の外型枠、内型枠を準備する必要がなく、一組の型枠で施工を行うことができるから、施工コストを大幅に削減することができる。
【0009】
また、本発明にあっては、フレームの中央部で前記セグメントの周方向の中央部を固定し、フレームの両端部に設けられた調整手段で前記セグメントの周方向の両端部を保持し、前記調整手段を突出もしくは引き寄せることによって、前記セグメントの周方向の曲率を変化させることを特徴とする。
【0010】
したがって、型枠の径を容易に変更することができ、従って作業性を大幅に向上させることができる。
【0011】
さらに、本発明にあっては、前記外型枠の外周にワイヤーを巻回し、この巻回されたワイヤーを締め上げることによって前記外型枠に加わる打設圧を支えることを特徴とする。
【0012】
従って、補強リブなどを設け型枠の剛性を向上させる必要がなく、簡易な構造で型枠を構成することができ、したがって、型枠のコストを削減することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明にあっては、筒状の外型枠および内型枠を周方向に分離された複数個のセグメントで構成し、このセグメントの周方向の両端部を相互に重複して筒状に形成し、この重複部分で外型枠および内型枠の径を調整するするようにしている。従って、コンクリート製タワーの基底部から上端部までを一組の外型枠、内型枠で施工することができ、径の異なる多数の外型枠、内型枠を準備する必要がなく、施工コストを大幅に削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の一実施の形態について図1ないし図11を参照して説明する。
【0015】
図1は、上方に向かうに従い縮径するようになされたコンクリート製中空タワーを示す。このコンクリート製中空タワー1は、基礎3上に、高さ約5mで筒状のコンクリート構造物を第1ロット5、第2ロット7、第3ロット9…の順に順次積み重ねて施工して、全体のタワーを構築する。
【0016】
図2Aないし図2Iは、この施工方法において、第1ロット5上に第2ロット7を施工する工程を具体的に示したものである。
【0017】
まず、図2Aに示すように、第1ロット5のコンクリート構造物の上端部に、内枠足場11、内枠固定リング13、外枠足場15を装着する。
【0018】
次に、図2Bに示すように、予め組み立てておいた内型枠17を内枠固定リング13上にセットするとともに鉄筋19を第1ロット5上に設置する。
【0019】
ついで、図2Cに示すように、内枠足場11に作業足場21を固定するとともに、予め組み立てておいた外型枠23を吊り込みセットし、図2Dに示すように、上端に位置決め治具25をセットする。
【0020】
そして、図2Eに示すように、セットされた外枠23と内枠17の間にコンクリートを打設して、第2ロット7のコンクリート構造物を施工する。
【0021】
その後、図2Fにしめすように、内枠固定リング13、内枠17、作業足場21を撤去し、次の段の内枠足場27をセットする。
【0022】
次に、図2Gに示すように、外枠23を撤去し、外枠足場吊り上げ梁29をセットする。
【0023】
次いで、図2Hに示すように、外枠足場15をクレーンにて吊り上げる。
【0024】
そして、図2Iに示すように、外枠足場15を第2ロット7の上端部にセットする。
【0025】
以下、図2Aから図2Iを繰り返すことによって、中空タワー1全体を施工する。
【0026】
このような施工方法に使用される外型枠、内型枠、足場等について、図3ないし図8を参照して説明する。
【0027】
図3は、第1ロット5のコンクリート構造物の上端部に内枠足場11、内枠固定リング13、外枠足場15が装着され、内枠固定リング13に内型枠17、外枠足場15に外型枠23がセットされた状態を示している。内側足場11上には作業足場21が載置され、外枠足場15には、図5に示すように、外側固定フレーム31及び外側スライドブラケット33が設けられ、この外側スライドブラケット33には、外側スライド足場35が装着されている。この外側スライド足場35は、図4に示すように、コンクリート構造物の外径に応じてスライドして拡大できるようになっている。
【0028】
また、外枠足場15には、型枠調整ジャッキ37を介して外型枠23がセットされている。この外型枠23は、図7に示すように、周方向に分割された複数個のセグメント39,…からなり、その周方向の両端には調整枠39aが設けられている。そして、この調整枠39aを重ね合わせて筒状の外型枠23を構成している。また、このセグメント39の外周には、縦方向に縦リブ39bが設けられており、打設圧力を支えるようになっている。このような外型枠23は、この調整枠39aのラップ代Lを変えることによって、全体の径を変化させることができるようになっている。また、内型枠17についても同様の構造になっており、そのラップ代Lを変えることによって内型枠17の径を変えることができるようになっている。従って、1組の外型枠23、内型枠17の径を変化させることによって、上方にゆくに従って縮径する中空タワー1の全てのロットの施工を行うことができ、型枠にかかるコストを大幅に削減することができる。
【0029】
また、このセグメント39には、図8に示すような曲率変化フレーム41が装着されている。この曲率変化フレーム41には、この曲率変化フレームの中央部とセグメント39の中央部とを固定する固定ボルト43と、曲率変化フレーム41の両端部とセグメント39の両端部とを連結する押しボルト45が設けられている。そして、この押しボルト45でセグメント39の両端部を押すことによって、セグメント39の曲率を変えることができるようになっている。このようにして、セグメント39の曲率を変えることによって、これら複数のセグメント39によって構成される外型枠23の径を変えることができるようになっている。また、図8に示すように、内型枠17のセグメント47についても、外型枠23と同様に曲率変化フレーム49を有し、曲率変化フレーム49の中央部とセグメント39の中央部とを固定する固定ボルト51と、曲率変化フレーム49の両端部とセグメント47の両端部とを連結する引きボルト53が設けられている。
【0030】
そして、引きボルト53を調整することによってセグメント47の曲率を変え、内型枠23の径を変えるようになっている。
【0031】
図9ないし図11は、コンクリートの打設時の側圧を支える型枠締結装置61を示したものである。この型枠締結装置61は、図9に示すように、外型枠23の外周の3カ所にワイヤ固定部材63を有しており、この3カ所のワイヤ固定部材63間には、締結ワイヤ65が緊張して巻回されている。このワイヤ固定部材63は、図10に示すようなワイヤ固定部67を有しており、締結ワイヤ65の一端をくさび69でワイヤ固定部材63に固定している。また、このワイヤ固定部材63は、図11に示すようなワイヤ引張部71を有している。このワイヤ引張部71には、ワイヤの他端に固定されたボルト部73が挿通されており、このボルト部73に螺合するナット75がスラストベアリング77を介してワイヤ固定部材63に係合している。このような構成において、3つのワイヤ固定部材63,63,63間に3つの締結ワイヤ65,65,65を張り渡し、一端をワイヤ固定部67に固定し、他端をワイヤ引張部71に装着する。そして、ワイヤ引張部71のナット75を回動することによって、それぞれの締結ワイヤ65を緊張させ、外型枠23を締結する。
【0032】
コンクリート打設時の側圧を支えるには、外型枠23の断面係数を大きくしてもよいが、型枠自体が大型化し重量が嵩むことになる。また、セパレータによって型枠を支えることもできるが、セパレータのセットに多大の時間がかかり作業能率が低下する。これに対して上記の型枠締結装置61のように、ワイヤもしくはPC鋼より線で型枠を締め付けることによって、型枠全体を軽量化することができ、また作業効率を高めることができる。
【0033】
図12ないし図15は、コンクリートの打設時の側圧を支える他の実施形態を示したものである。図12において、符号91は、周方向に複数個配設された外型枠を示しており、この複数の外型枠91の間には連結部材93が介装されている。これら外型枠91と連結部材93とは型枠セットボルト95で連結されて、全体としての外枠97を形成している。そして、型枠セットボルト95のナット位置を変えることによって外枠97全体の径を変えることができるようになっている。
【0034】
一方、符号99は、周方向に複数個配設された内型枠を示しており、この複数の内型枠99の間には連結部材101が介装されている。これら内型枠99と連結部材101とは型枠セットボルト103で連結されて、全体としての内枠105を形成している。そして、型枠セットボルト103のナット位置を変えることによって内枠105全体の径を変えることができるようになっている。
【0035】
このような構成において、複数個の外型枠91のうちの1つには、型枠締結装置107が設けられている。この型枠締結装置107は、上記外枠97の外周に巻き付けられたワイヤーロープ109と、このワイヤーロープ109の一端を固定するワイヤーソケット111と、このワイヤーソケット111を外型枠91に固定するソケット保持部112と、固定されたワイヤーロープ109の他端を牽引する牽引装置113と、この牽引装置113を外型枠91に固定する牽引装置保持部114とを有している。この牽引装置113は、ワイヤーロープ109の他端が接続されたねじエンド115と、このねじエンド115に螺合するスラストベアリング付きナット117とを有している。
【0036】
このような構成において、外枠97を締め付けるには、牽引装置113のナット117を回動することによってねじエンド115を牽引し、ワイヤーロープ109で外枠97全体を締め付ける。
【0037】
このように、この型枠締結装置107にあっては、1本のワイヤーロープ109で外枠97を巻き付けるようにしているから、ロープの巻き付け作業を容易に行うことができる。また、ロープの牽引をナット117を回動させるだけで行うことができ、作業の効率化を図ることができる。
【0038】
一方、内枠固定リング13には、図6に示すように、テーパリング81が設けられている。また、内型枠17の下端部には、このテーパーリング81に嵌合するテーパー部17aが形成されている。そして、内型枠17のテーパー部17aをテーパリング81に嵌合させることによって、内型枠17の径および下端を正確に位置決めできるようになっている。これは、施工するタワーの形状が円錐形で1ロット毎に径寸法が変化するので、正確な位置決めが必要だからである。
【0039】
このように、この中空タワーの施工方法にあっては、筒状の外型枠23および内型枠17を周方向に分離された複数個のセグメント39,47で構成し、このセグメント39,47の周方向の両端部を相互に重ねて筒状に形成し、外型枠および内型枠の径を調整することによって、一組の外型枠及び内型枠によって、径の異なるタワーの基底部から上端部までを施工するようにしているから、径の異なる多数の外型枠、内型枠を準備する必要がなく、一組の型枠で基底部から上端部まで施工を行うことができ、従って、施工コストを大幅に削減することができる。
【0040】
また、この中空タワーの施工方法にあっては、曲率変化フレーム41,49の中央部でセグメント39,47の周方向の中央部を固定ボルト43,51で固定し、曲率変化フレーム41,49の両端部に設けられた押しボルト45、引きボルト53でセグメント39,47の周方向の両端部を保持し、押しボルト45、引きボルト53を突出もしくは引き寄せることによって、セグメント39、47の周方向の曲率を変化させるようにしているから、外型枠23、内型枠17全体の径を容易に変更することができ、従って作業性を大幅に向上させることができる。
【0041】
さらに、外型枠23の外周にワイヤー65を巻回し、この巻回されたワイヤー65をワイヤ固定部材63で締め上げることによって外型枠23に加わる打設圧を支えるようにしているから、補強リブなどを設けて型枠の剛性を向上させる必要がなく、簡易な構造で型枠を構成することができ、したがって型枠のコストを削減することができる。
【0042】
なお、上記実施の形態では、基底部から上端に向かうに従い縮径する中空タワーの施工方法について説明したが、これに限る必要はなく、上方に向かうに従い拡径する部分や径が一定の部分を有する中空タワーの施工方法に本発明を適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の適用される中空タワーを示す図。
【図2A】本発明の中空タワーの施工法の前提となる方法を順を追って示す図。
【図2B】本発明の中空タワーの施工法の前提となる方法を順を追って示す図。
【図2C】本発明の中空タワーの施工法の前提となる方法を順を追って示す図。
【図2D】本発明の中空タワーの施工法の前提となる方法を順を追って示す図。
【図2E】本発明の中空タワーの施工法の前提となる方法を順を追って示す図。
【図2F】本発明の中空タワーの施工法の前提となる方法を順を追って示す図。
【図2G】本発明の中空タワーの施工法の前提となる方法を順を追って示す図。
【図2H】本発明の中空タワーの施工法の前提となる方法を順を追って示す図。
【図2I】本発明の中空タワーの施工法の前提となる方法を順を追って示す図。
【図3】本発明の中空タワーの施工法に使用される装置を示す正面図。
【図4】本発明の中空タワーの施工法に使用される装置を示す平面図。
【図5】図3に示す本発明の中空タワーの施工法に使用される装置の要部を示す正面図。
【図6】図5に示す装置のVIで示す部分の拡大図。
【図7】本発明のコンクリート製中空タワーの施工法に使用される外型枠の要部を示す斜視図。
【図8】本発明の中空タワーの施工法に使用される曲率変化フレームを示す図。
【図9】本発明の中空タワーの施工法に使用される型枠締結装置を示す概略平面図。
【図10】図9に示す型枠締結装置のワイヤ固定部を示す断面図。
【図11】図9に示す型枠締結装置のワイヤ引張部を示す断面図。
【図12】外型枠、内型枠、型枠締結装置の他の例を示す断面図。
【図13】図12中符号120で示す部分の拡大図。
【図14】型枠締結装置のワイヤーソケット側を示す拡大図。
【図15】型枠締結装置の牽引装置側を示す拡大図。
【符号の説明】
【0044】
1 コンクリート製中空タワー
3 基礎
17 内型枠
23 外型枠
39 セグメント
39a 調整枠
41 曲率変化フレーム
45 押しボルト
47 セグメント
49 曲率変化フレーム
53 引きボルト
63 ワイヤ固定部材
65 締結ワイヤ
109 ワイヤロープ
【技術分野】
【0001】
本発明は、筒状で上方に向かうにしたがい径が変化するコンクリート製タワーを構築する中空タワーの施工方法および中空タワー施工用型枠に関する。
【背景技術】
【0002】
筒状で上方に向かうにしたがい縮径して構築されたコンクリート製タワーは、今日各方面で利用されている。特に、近年風力発電が盛んに行われるようになり、この風力発電用の風車を載置するためのタワーとして使用されるようになった。
【0003】
このコンクリート製タワーは、以下のようにして構築する。すなわち、上部径が下部径より縮径され単位高さを有する筒状の第1の外型枠設け、この外型枠の内側に、上部径が下部径より縮径された筒状の第1の内型枠を配設し、これらの間にコンクリートを打設することによって、上部径が下部径より縮径された筒状の第1のコンクリート構造物を建設する。次いで、この第1のコンクリート構造物の上端に、下部径が前記第1のコンクリート構造物の上端の外径になされ上部径がこの下部径より縮径された第2の外型枠を設け、この第2の外型枠の内側に、下部径が前記第1のコンクリート構造物の上端の内径になされ上部径がこの下部径より縮径された第2の内型枠を設け、これらの間に、コンクリートを打設することによって、前記第1のコンクリート構造物の上端に第2のコンクリート構造物を接続して構築する。そして、以下これを繰り返すことによって、筒状で上方に向かうにしたがい縮径するコンクリート製のタワーを構築する。
【0004】
しかしながら、このような、コンクリート製タワーの施工方法にあっては、順次下から構築していく第1、第2、第3…のコンクリート構造物毎に、サイズの異なる外型枠、内型枠を用意する必要があり、建設コストが嵩むという問題点があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、かかる問題点を解決すべくなされたものであって、筒状で上方に向かうにしたがい縮径して構築されたコンクリート製タワーの施工コストを大幅に削減できるコンクリート製中空タワーの施工方法および中空タワー施工用型枠を提供することをその目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく本発明は、筒状の外型枠と内型枠との間にコンクリートを打設して第1の筒状構造物を構築し、この第1の筒状構造物の上端部に、下部径が前記第1の筒状構造物の上端部の外径になされた筒状の外型枠を設けるとともに、下部径が前記第1の筒状構造物の内径になされた筒状の内型枠を設け、これら第1の筒状構造物の上端部に配設された外型枠と内型枠との間にコンクリートを打設して、前記第1の筒状構造物の上端に第2の筒状構造物を接続して構築し、以下これを繰り返すことによって、筒状のタワーを構築する中空タワーの施工方法において、前記筒状の外型枠および内型枠を周方向に分離された複数個のセグメントで構成し、このセグメントの周方向の両端部を相互に重ねて筒体をなし、この相互に重ね合わされた部分の長さを調整して前記外型枠および前記内型枠の径を調整し、一組の外型枠及び内型枠の径を順次変化させることによって、上方に向かうにしたがい径が変化するタワーを施工することを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、筒状の外型枠と内型枠を備え、前記外型枠及び内型枠は、周方向に分離された複数個のセグメントを有し、これらセグメントはその周方向の両端部が相互に重ね合わされて筒体をなし、この相互に重ね合わされた部分の長さを調整することによって前記外型枠および前記内型枠の上端部及び下端部の径を調整しうるようになされた中空タワー施工用型枠であって、前記外型枠と内型枠の上端部及び下端部の径を所望の値に調整した後、これら外側枠と内型枠の間にコンクリートを打設して第1の筒状構造物を構築し、この第1の筒状構造物の上端部に、下部径を前記第1の筒状構造物の上端部の外径に調整した外型枠を配設するとともに、下部径を前記第1の筒状構造物の内径に調整した内型枠を配設し、これら第1の筒状構造物の上端部に配設された外型枠と内型枠との間にコンクリートを打設して、前記第1の筒状構造物の上端に第2の筒状構造物を接続して構築し、以下これを繰り返すことによって、上方に向かうにしたがい径が変化するタワーを構築することを特徴とする。
【0008】
従って、径の異なる多数の外型枠、内型枠を準備する必要がなく、一組の型枠で施工を行うことができるから、施工コストを大幅に削減することができる。
【0009】
また、本発明にあっては、フレームの中央部で前記セグメントの周方向の中央部を固定し、フレームの両端部に設けられた調整手段で前記セグメントの周方向の両端部を保持し、前記調整手段を突出もしくは引き寄せることによって、前記セグメントの周方向の曲率を変化させることを特徴とする。
【0010】
したがって、型枠の径を容易に変更することができ、従って作業性を大幅に向上させることができる。
【0011】
さらに、本発明にあっては、前記外型枠の外周にワイヤーを巻回し、この巻回されたワイヤーを締め上げることによって前記外型枠に加わる打設圧を支えることを特徴とする。
【0012】
従って、補強リブなどを設け型枠の剛性を向上させる必要がなく、簡易な構造で型枠を構成することができ、したがって、型枠のコストを削減することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明にあっては、筒状の外型枠および内型枠を周方向に分離された複数個のセグメントで構成し、このセグメントの周方向の両端部を相互に重複して筒状に形成し、この重複部分で外型枠および内型枠の径を調整するするようにしている。従って、コンクリート製タワーの基底部から上端部までを一組の外型枠、内型枠で施工することができ、径の異なる多数の外型枠、内型枠を準備する必要がなく、施工コストを大幅に削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の一実施の形態について図1ないし図11を参照して説明する。
【0015】
図1は、上方に向かうに従い縮径するようになされたコンクリート製中空タワーを示す。このコンクリート製中空タワー1は、基礎3上に、高さ約5mで筒状のコンクリート構造物を第1ロット5、第2ロット7、第3ロット9…の順に順次積み重ねて施工して、全体のタワーを構築する。
【0016】
図2Aないし図2Iは、この施工方法において、第1ロット5上に第2ロット7を施工する工程を具体的に示したものである。
【0017】
まず、図2Aに示すように、第1ロット5のコンクリート構造物の上端部に、内枠足場11、内枠固定リング13、外枠足場15を装着する。
【0018】
次に、図2Bに示すように、予め組み立てておいた内型枠17を内枠固定リング13上にセットするとともに鉄筋19を第1ロット5上に設置する。
【0019】
ついで、図2Cに示すように、内枠足場11に作業足場21を固定するとともに、予め組み立てておいた外型枠23を吊り込みセットし、図2Dに示すように、上端に位置決め治具25をセットする。
【0020】
そして、図2Eに示すように、セットされた外枠23と内枠17の間にコンクリートを打設して、第2ロット7のコンクリート構造物を施工する。
【0021】
その後、図2Fにしめすように、内枠固定リング13、内枠17、作業足場21を撤去し、次の段の内枠足場27をセットする。
【0022】
次に、図2Gに示すように、外枠23を撤去し、外枠足場吊り上げ梁29をセットする。
【0023】
次いで、図2Hに示すように、外枠足場15をクレーンにて吊り上げる。
【0024】
そして、図2Iに示すように、外枠足場15を第2ロット7の上端部にセットする。
【0025】
以下、図2Aから図2Iを繰り返すことによって、中空タワー1全体を施工する。
【0026】
このような施工方法に使用される外型枠、内型枠、足場等について、図3ないし図8を参照して説明する。
【0027】
図3は、第1ロット5のコンクリート構造物の上端部に内枠足場11、内枠固定リング13、外枠足場15が装着され、内枠固定リング13に内型枠17、外枠足場15に外型枠23がセットされた状態を示している。内側足場11上には作業足場21が載置され、外枠足場15には、図5に示すように、外側固定フレーム31及び外側スライドブラケット33が設けられ、この外側スライドブラケット33には、外側スライド足場35が装着されている。この外側スライド足場35は、図4に示すように、コンクリート構造物の外径に応じてスライドして拡大できるようになっている。
【0028】
また、外枠足場15には、型枠調整ジャッキ37を介して外型枠23がセットされている。この外型枠23は、図7に示すように、周方向に分割された複数個のセグメント39,…からなり、その周方向の両端には調整枠39aが設けられている。そして、この調整枠39aを重ね合わせて筒状の外型枠23を構成している。また、このセグメント39の外周には、縦方向に縦リブ39bが設けられており、打設圧力を支えるようになっている。このような外型枠23は、この調整枠39aのラップ代Lを変えることによって、全体の径を変化させることができるようになっている。また、内型枠17についても同様の構造になっており、そのラップ代Lを変えることによって内型枠17の径を変えることができるようになっている。従って、1組の外型枠23、内型枠17の径を変化させることによって、上方にゆくに従って縮径する中空タワー1の全てのロットの施工を行うことができ、型枠にかかるコストを大幅に削減することができる。
【0029】
また、このセグメント39には、図8に示すような曲率変化フレーム41が装着されている。この曲率変化フレーム41には、この曲率変化フレームの中央部とセグメント39の中央部とを固定する固定ボルト43と、曲率変化フレーム41の両端部とセグメント39の両端部とを連結する押しボルト45が設けられている。そして、この押しボルト45でセグメント39の両端部を押すことによって、セグメント39の曲率を変えることができるようになっている。このようにして、セグメント39の曲率を変えることによって、これら複数のセグメント39によって構成される外型枠23の径を変えることができるようになっている。また、図8に示すように、内型枠17のセグメント47についても、外型枠23と同様に曲率変化フレーム49を有し、曲率変化フレーム49の中央部とセグメント39の中央部とを固定する固定ボルト51と、曲率変化フレーム49の両端部とセグメント47の両端部とを連結する引きボルト53が設けられている。
【0030】
そして、引きボルト53を調整することによってセグメント47の曲率を変え、内型枠23の径を変えるようになっている。
【0031】
図9ないし図11は、コンクリートの打設時の側圧を支える型枠締結装置61を示したものである。この型枠締結装置61は、図9に示すように、外型枠23の外周の3カ所にワイヤ固定部材63を有しており、この3カ所のワイヤ固定部材63間には、締結ワイヤ65が緊張して巻回されている。このワイヤ固定部材63は、図10に示すようなワイヤ固定部67を有しており、締結ワイヤ65の一端をくさび69でワイヤ固定部材63に固定している。また、このワイヤ固定部材63は、図11に示すようなワイヤ引張部71を有している。このワイヤ引張部71には、ワイヤの他端に固定されたボルト部73が挿通されており、このボルト部73に螺合するナット75がスラストベアリング77を介してワイヤ固定部材63に係合している。このような構成において、3つのワイヤ固定部材63,63,63間に3つの締結ワイヤ65,65,65を張り渡し、一端をワイヤ固定部67に固定し、他端をワイヤ引張部71に装着する。そして、ワイヤ引張部71のナット75を回動することによって、それぞれの締結ワイヤ65を緊張させ、外型枠23を締結する。
【0032】
コンクリート打設時の側圧を支えるには、外型枠23の断面係数を大きくしてもよいが、型枠自体が大型化し重量が嵩むことになる。また、セパレータによって型枠を支えることもできるが、セパレータのセットに多大の時間がかかり作業能率が低下する。これに対して上記の型枠締結装置61のように、ワイヤもしくはPC鋼より線で型枠を締め付けることによって、型枠全体を軽量化することができ、また作業効率を高めることができる。
【0033】
図12ないし図15は、コンクリートの打設時の側圧を支える他の実施形態を示したものである。図12において、符号91は、周方向に複数個配設された外型枠を示しており、この複数の外型枠91の間には連結部材93が介装されている。これら外型枠91と連結部材93とは型枠セットボルト95で連結されて、全体としての外枠97を形成している。そして、型枠セットボルト95のナット位置を変えることによって外枠97全体の径を変えることができるようになっている。
【0034】
一方、符号99は、周方向に複数個配設された内型枠を示しており、この複数の内型枠99の間には連結部材101が介装されている。これら内型枠99と連結部材101とは型枠セットボルト103で連結されて、全体としての内枠105を形成している。そして、型枠セットボルト103のナット位置を変えることによって内枠105全体の径を変えることができるようになっている。
【0035】
このような構成において、複数個の外型枠91のうちの1つには、型枠締結装置107が設けられている。この型枠締結装置107は、上記外枠97の外周に巻き付けられたワイヤーロープ109と、このワイヤーロープ109の一端を固定するワイヤーソケット111と、このワイヤーソケット111を外型枠91に固定するソケット保持部112と、固定されたワイヤーロープ109の他端を牽引する牽引装置113と、この牽引装置113を外型枠91に固定する牽引装置保持部114とを有している。この牽引装置113は、ワイヤーロープ109の他端が接続されたねじエンド115と、このねじエンド115に螺合するスラストベアリング付きナット117とを有している。
【0036】
このような構成において、外枠97を締め付けるには、牽引装置113のナット117を回動することによってねじエンド115を牽引し、ワイヤーロープ109で外枠97全体を締め付ける。
【0037】
このように、この型枠締結装置107にあっては、1本のワイヤーロープ109で外枠97を巻き付けるようにしているから、ロープの巻き付け作業を容易に行うことができる。また、ロープの牽引をナット117を回動させるだけで行うことができ、作業の効率化を図ることができる。
【0038】
一方、内枠固定リング13には、図6に示すように、テーパリング81が設けられている。また、内型枠17の下端部には、このテーパーリング81に嵌合するテーパー部17aが形成されている。そして、内型枠17のテーパー部17aをテーパリング81に嵌合させることによって、内型枠17の径および下端を正確に位置決めできるようになっている。これは、施工するタワーの形状が円錐形で1ロット毎に径寸法が変化するので、正確な位置決めが必要だからである。
【0039】
このように、この中空タワーの施工方法にあっては、筒状の外型枠23および内型枠17を周方向に分離された複数個のセグメント39,47で構成し、このセグメント39,47の周方向の両端部を相互に重ねて筒状に形成し、外型枠および内型枠の径を調整することによって、一組の外型枠及び内型枠によって、径の異なるタワーの基底部から上端部までを施工するようにしているから、径の異なる多数の外型枠、内型枠を準備する必要がなく、一組の型枠で基底部から上端部まで施工を行うことができ、従って、施工コストを大幅に削減することができる。
【0040】
また、この中空タワーの施工方法にあっては、曲率変化フレーム41,49の中央部でセグメント39,47の周方向の中央部を固定ボルト43,51で固定し、曲率変化フレーム41,49の両端部に設けられた押しボルト45、引きボルト53でセグメント39,47の周方向の両端部を保持し、押しボルト45、引きボルト53を突出もしくは引き寄せることによって、セグメント39、47の周方向の曲率を変化させるようにしているから、外型枠23、内型枠17全体の径を容易に変更することができ、従って作業性を大幅に向上させることができる。
【0041】
さらに、外型枠23の外周にワイヤー65を巻回し、この巻回されたワイヤー65をワイヤ固定部材63で締め上げることによって外型枠23に加わる打設圧を支えるようにしているから、補強リブなどを設けて型枠の剛性を向上させる必要がなく、簡易な構造で型枠を構成することができ、したがって型枠のコストを削減することができる。
【0042】
なお、上記実施の形態では、基底部から上端に向かうに従い縮径する中空タワーの施工方法について説明したが、これに限る必要はなく、上方に向かうに従い拡径する部分や径が一定の部分を有する中空タワーの施工方法に本発明を適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の適用される中空タワーを示す図。
【図2A】本発明の中空タワーの施工法の前提となる方法を順を追って示す図。
【図2B】本発明の中空タワーの施工法の前提となる方法を順を追って示す図。
【図2C】本発明の中空タワーの施工法の前提となる方法を順を追って示す図。
【図2D】本発明の中空タワーの施工法の前提となる方法を順を追って示す図。
【図2E】本発明の中空タワーの施工法の前提となる方法を順を追って示す図。
【図2F】本発明の中空タワーの施工法の前提となる方法を順を追って示す図。
【図2G】本発明の中空タワーの施工法の前提となる方法を順を追って示す図。
【図2H】本発明の中空タワーの施工法の前提となる方法を順を追って示す図。
【図2I】本発明の中空タワーの施工法の前提となる方法を順を追って示す図。
【図3】本発明の中空タワーの施工法に使用される装置を示す正面図。
【図4】本発明の中空タワーの施工法に使用される装置を示す平面図。
【図5】図3に示す本発明の中空タワーの施工法に使用される装置の要部を示す正面図。
【図6】図5に示す装置のVIで示す部分の拡大図。
【図7】本発明のコンクリート製中空タワーの施工法に使用される外型枠の要部を示す斜視図。
【図8】本発明の中空タワーの施工法に使用される曲率変化フレームを示す図。
【図9】本発明の中空タワーの施工法に使用される型枠締結装置を示す概略平面図。
【図10】図9に示す型枠締結装置のワイヤ固定部を示す断面図。
【図11】図9に示す型枠締結装置のワイヤ引張部を示す断面図。
【図12】外型枠、内型枠、型枠締結装置の他の例を示す断面図。
【図13】図12中符号120で示す部分の拡大図。
【図14】型枠締結装置のワイヤーソケット側を示す拡大図。
【図15】型枠締結装置の牽引装置側を示す拡大図。
【符号の説明】
【0044】
1 コンクリート製中空タワー
3 基礎
17 内型枠
23 外型枠
39 セグメント
39a 調整枠
41 曲率変化フレーム
45 押しボルト
47 セグメント
49 曲率変化フレーム
53 引きボルト
63 ワイヤ固定部材
65 締結ワイヤ
109 ワイヤロープ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の外型枠と内型枠との間にコンクリートを打設して第1の筒状構造物を構築し、この第1の筒状構造物の上端部に、下部径が前記第1の筒状構造物の上端部の外径になされた筒状の外型枠を設けるとともに、下部径が前記第1の筒状構造物の内径になされた筒状の内型枠を設け、これら第1の筒状構造物の上端部に配設された外型枠と内型枠との間にコンクリートを打設して、前記第1の筒状構造物の上端に第2の筒状構造物を接続して構築し、以下これを繰り返すことによって、筒状のタワーを構築する中空タワーの施工方法において、
前記筒状の外型枠および内型枠を周方向に分離された複数個のセグメントで構成し、このセグメントの周方向の両端部を相互に重ねて筒体をなし、この相互に重ね合わされた部分の長さを調整して前記外型枠および前記内型枠の径を調整し、一組の外型枠及び内型枠の径を順次変化させることによって、上方に向かうにしたがい径が変化するタワーを施工することを特徴とする中空タワーの施工方法。
【請求項2】
フレームの中央部で前記セグメントの周方向の中央部を固定し、フレームの両端部に設けられた調整手段で前記セグメントの周方向の両端部を保持し、前記調整手段を突出もしくは引き寄せることによって、前記セグメントの曲率を変化させることを特徴とする請求項1に記載の中空タワーの施工方法。
【請求項3】
前記外型枠の外周にワイヤーを巻回し、この巻回されたワイヤーを締め上げることによって前記外型枠に加わる打設圧を支えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の中空タワーの施工方法。
【請求項4】
前記外型枠および内型枠を上方に向かうにしたがい縮径するように使用し、前記中空タワーを上方に向かうにしたがい縮径するように施工することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の中空タワーの施工方法。
【請求項5】
筒状の外型枠と内型枠を備え、前記外型枠及び内型枠は、周方向に分離された複数個のセグメントを有し、これらセグメントはその周方向の両端部が相互に重ね合わされて筒体をなし、この相互に重ね合わされた部分の長さを調整することによって前記外型枠および前記内型枠の上端部及び下端部の径を調整しうるようになされた中空タワー施工用型枠であって、
前記外型枠と内型枠の上端部及び下端部の径を所望の値に調整した後、これら外側枠と内型枠の間にコンクリートを打設して第1の筒状構造物を構築し、この第1の筒状構造物の上端部に、下部径を前記第1の筒状構造物の上端部の外径に調整した外型枠を配設するとともに、下部径を前記第1の筒状構造物の内径に調整した内型枠を配設し、これら第1の筒状構造物の上端部に配設された外型枠と内型枠との間にコンクリートを打設して、前記第1の筒状構造物の上端に第2の筒状構造物を接続して構築し、以下これを繰り返すことによって、上方に向かうにしたがい径が変化するタワーを構築することを特徴とする中空タワー施工用型枠。
【請求項1】
筒状の外型枠と内型枠との間にコンクリートを打設して第1の筒状構造物を構築し、この第1の筒状構造物の上端部に、下部径が前記第1の筒状構造物の上端部の外径になされた筒状の外型枠を設けるとともに、下部径が前記第1の筒状構造物の内径になされた筒状の内型枠を設け、これら第1の筒状構造物の上端部に配設された外型枠と内型枠との間にコンクリートを打設して、前記第1の筒状構造物の上端に第2の筒状構造物を接続して構築し、以下これを繰り返すことによって、筒状のタワーを構築する中空タワーの施工方法において、
前記筒状の外型枠および内型枠を周方向に分離された複数個のセグメントで構成し、このセグメントの周方向の両端部を相互に重ねて筒体をなし、この相互に重ね合わされた部分の長さを調整して前記外型枠および前記内型枠の径を調整し、一組の外型枠及び内型枠の径を順次変化させることによって、上方に向かうにしたがい径が変化するタワーを施工することを特徴とする中空タワーの施工方法。
【請求項2】
フレームの中央部で前記セグメントの周方向の中央部を固定し、フレームの両端部に設けられた調整手段で前記セグメントの周方向の両端部を保持し、前記調整手段を突出もしくは引き寄せることによって、前記セグメントの曲率を変化させることを特徴とする請求項1に記載の中空タワーの施工方法。
【請求項3】
前記外型枠の外周にワイヤーを巻回し、この巻回されたワイヤーを締め上げることによって前記外型枠に加わる打設圧を支えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の中空タワーの施工方法。
【請求項4】
前記外型枠および内型枠を上方に向かうにしたがい縮径するように使用し、前記中空タワーを上方に向かうにしたがい縮径するように施工することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の中空タワーの施工方法。
【請求項5】
筒状の外型枠と内型枠を備え、前記外型枠及び内型枠は、周方向に分離された複数個のセグメントを有し、これらセグメントはその周方向の両端部が相互に重ね合わされて筒体をなし、この相互に重ね合わされた部分の長さを調整することによって前記外型枠および前記内型枠の上端部及び下端部の径を調整しうるようになされた中空タワー施工用型枠であって、
前記外型枠と内型枠の上端部及び下端部の径を所望の値に調整した後、これら外側枠と内型枠の間にコンクリートを打設して第1の筒状構造物を構築し、この第1の筒状構造物の上端部に、下部径を前記第1の筒状構造物の上端部の外径に調整した外型枠を配設するとともに、下部径を前記第1の筒状構造物の内径に調整した内型枠を配設し、これら第1の筒状構造物の上端部に配設された外型枠と内型枠との間にコンクリートを打設して、前記第1の筒状構造物の上端に第2の筒状構造物を接続して構築し、以下これを繰り返すことによって、上方に向かうにしたがい径が変化するタワーを構築することを特徴とする中空タワー施工用型枠。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図2G】
【図2H】
【図2I】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図2G】
【図2H】
【図2I】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2006−249689(P2006−249689A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−64154(P2005−64154)
【出願日】平成17年3月8日(2005.3.8)
【出願人】(000237134)株式会社富士ピー・エス (20)
【出願人】(597094503)巴機械工業株式会社 (4)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月8日(2005.3.8)
【出願人】(000237134)株式会社富士ピー・エス (20)
【出願人】(597094503)巴機械工業株式会社 (4)
【Fターム(参考)】
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