説明

中空パイプ体補強シート貼付工法

【課題】中空のパイプ体内部に筒状の補強シートを貼り付ける工法において、補強シート内部にまで接着剤を含浸できるようにする。
【解決手段】中空パイプ体補強シート貼付工法として、補強シート40を細く畳んだものを気密性シートで形成された袋体内に入れ、内部の空気を抜いて圧縮した補強シート圧縮袋Fを、中空パイプ体内部に連通する孔12から前記中空パイプ体P内に挿入し、連通口から補強シート圧縮袋F内に接着剤を流入させ内部の前記補強シート40に接着剤を含浸させ、その後、前記補強シート圧縮袋Fを構成する袋100を取り出し、補強シート40内部から外部へ力を加えて前記補強シート40を前記中空パイプ体P内に貼り付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電柱、鉄塔、気体や液体の配管などの中空パイプ体の内部に、側面から内壁に筒状の補強シートを貼り付ける工法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、老朽化した電柱などを補強するために、電柱内部に鉄筋を入れモルタルを打設することなどが行なわれている。しかし、鉄筋を入れてモルタルを打設する方法は通常、電柱の頂上部に孔を開けて、この孔から鉄筋を挿入する工程が必要であり、作業性が悪く、危険も大きい。これに対して、本願発明者は、下記特許文献において、鉄筋に変えて筒状の補強シートを電柱の側面に設けた孔から挿入して電柱の内壁に貼りつける工法を提示している。
具体的には、電柱の側面に孔を開け、この孔を介して、風船体により電柱内壁に係合する頭部固定装置と底部固定装置をそれぞれ電柱内壁の上部及び下部に線材を用いて押しいれて風船体内部に空気を入れることで固定する。そして、頭部固定装置及び底部固定装置に設けられた被係合部には予め前記孔から表出するようにワイヤーが設けられ、このワイヤーを用いて頭部固定装置及び底部固定装置間を移動するように、接着剤を噴射ノズルにより電柱内壁に吹きつけて塗布する。その後、噴射ノズルを取り出して、ワイヤーに補強シートの上端及び下端に結び付けて、引っ張ることで、補強シート上端および下端に設けられた係合部材を頭部固定装置及び底部固定装置の被係合部に係合させて固定する。最後に、補強シート内部を空気により膨らませて内壁に貼りつけることで、補強シートを電柱に貼りつけることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4157149号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記の工法では、接着剤を噴射ノズルで電柱内壁に接着剤を吹き付けこれに補強シートを押し付けるので、補強シートの電柱との接触面のみに接着剤が含浸する。しかし、補強という観点からは補強シート内部まで接着剤を含浸させてこれを硬化させる方が強度が高くすることができる。
本発明は、このような問題に鑑みて、中空のパイプ体内部に筒状の補強シートを貼り付ける工法において、補強シート内部にまで接着剤を含浸できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明は次のような構成を有する。
請求項1に記載の発明は、中空パイプ体を補強するために筒状の補強シートを当該中空パイプ体内に貼り付ける工法であって、以下の(101)〜(106)の要件を備える中空パイプ体補強シート貼付工法である。
(101) 前記補強シートを細く畳んだものを気密性シートで形成された袋体内に入れ、内部の空気を抜いて圧縮した補強シート圧縮袋を用いる。なお、気密性シートは、気密性のあるシート体であれば材質は問わず、合成樹脂シート、合成ゴムシート、合成樹脂シートに金属を蒸着させた複合材からなるシートなど種々のものを採用することができる。
(102) 前記補強シート圧縮袋には、弁体が設けられた内部に連通する第一連通口が設けられる。
(103) 前記中空パイプ体側面に設けられた中空パイプ体内部に連通する孔であるパイロット孔から前記補強シート圧縮袋を前記中空パイプ体内部に挿入する挿入工程を有する。
(104) 前記挿入工程の後、前記第一連通口から接着剤を流入させ前記補強シート圧縮袋内部の前記補強シートに接着剤を含浸させる接着剤含浸工程を有する。なお、第一連通口から接着剤を流入させるためには、(103)において、第一連通口をパイロット孔から表出させるか、第一連通口にパイロット孔から表出できる長さを有するパイプを予め接続しておけばよい。
(105) 前記接着剤含浸工程の後、前記補強シート圧縮袋を構成する袋を前記パイロット孔から取り出す袋体取出工程を有する。
(106) 前記袋体取出工程の後、前記補強シート内部から外部へ力を加えて前記補強シートを前記中空パイプ体内に貼り付ける補強シート貼付工程を有する。
【0006】
請求項2に記載の発明は、前記中空パイプ体補強シート貼付工法において、前記第一連通口は、前記補強シート圧縮袋の一端側に設けられるとともに、前記補強シート圧縮袋の他端側には、弁体が設けられた内部に連通する第二連通口が設けられ、前記接着剤含浸工程において、前記第一連通口から接着剤を流入させると同時に、前記第二連通口側は開放又はポンプにより吸引するものである。なお、前記第二連通口側は開放又はポンプにより吸引するためには、(103)において、第二連通口をパイロット孔から表出させるか、第二連通口にパイロット孔から表出できる長さを有するパイプを予め接続しておけばよい。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の中空パイプ体補強シート貼付工法において、 前記第二連通口からポンプで吸引するものであって、ポンプで吸引された接着材を前記第一連通口から流入される接着剤に用いることで、接着剤を前記補強シート圧縮袋を循環させるものである。
【0007】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の中空パイプ体補強シート貼付工法において、前記接着剤含浸工程で、前記第一連通口から一定量の接着剤を流入させた後に、前記第一連通口又は前記第二連通口のいずれか一方側を閉じて、他方側からポンプで吸引する補強シート圧縮袋再圧縮処理を行うものである。
請求項5に記載の発明は、前記中空パイプ体補強シート貼付工法において、前記中空パイプ体は立てた状態で固定されているものであって、前記第一連通口は、前記補強シート圧縮袋の一端側に設けられ、挿入工程において、前記第一連通口が上部に位置づけられるものである。
【0008】
請求項6に記載の発明は、中空パイプ体を補強するために筒状の補強シートを当該中空パイプ体内に貼り付ける工法であって、以下の(201)〜(206)の要件を備える中空パイプ体補強シート貼付工法である。
(201) 前記補強シートを細く畳んだものを気密性シートで形成された袋体内に入れ、内部の空気を抜いて圧縮した補強シート圧縮袋を用いる。
(202) 前記補強シート圧縮袋には、弁体が設けられた内部に連通する第一連通口が設けられる。
(203) 前記第一連通口から接着剤を流入させ前記補強シート圧縮袋内部の前記補強シートに接着剤を含浸させる接着剤含浸工程を有する。
(204) 前記接着剤含浸工程の後、前記中空パイプ体側面に設けられた中空パイプ体内部に連通する孔であるパイロット孔から前記補強シート圧縮袋を前記中空パイプ体内部に挿入する挿入工程を有する。
(205) 前記接着剤含浸工程の後、前記補強シート圧縮袋を構成する袋を前記パイロット孔から取り出す袋体取出工程を有する。
(206) 前記袋体取出工程の後、前記補強シート内部から外部へ力を加えて前記補強シートを前記中空パイプ体内に貼り付ける補強シート貼付工程を有する。
【0009】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の中空パイプ貼付工法において、前記接着剤含浸工程において、接着剤を流入させた後に、前記第一連通口からポンプで吸引する補強シート圧縮袋再圧縮処理を行うものである。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の中空パイプ貼付工法において、前記第一連通口は、前記補強シート圧縮袋の一端側に設けられるとともに、前記補強シート圧縮袋の他端側には、弁体が設けられた内部に連通する第二連通口が設けられ、 前記補強シート圧縮袋再圧縮処理において、前記第一連通口からポンプで吸引することに代えて、前記第一連通口を閉じて前記第二連通口からポンプで吸引するものである。
請求項9に記載の発明は、請求項6から8に記載の中空パイプ貼付工法において、前記接着剤含浸工程において、前記第一連通口から接着剤を流入させた後に、前記補強シート圧縮袋に外部から圧力をかける圧力付加処理を行うものである。
【0010】
請求項10に記載の発明は、中空パイプ体を補強するために筒状の補強シートを当該中空パイプ体内に貼り付ける工法であって、以下の(301)〜(304)の要件を備える中空パイプ体補強シート貼付工法である。
(301) 前記補強シートを細く畳み、接着剤を含浸させた後、気密性シートで形成された袋体内に入れ、内部の空気を抜いて圧縮した補強シート圧縮袋を用いる。
(302) 前記中空パイプ体側面に設けられた中空パイプ体内部に連通する孔であるパイロット孔から前記補強シート圧縮袋を前記中空パイプ体内部に挿入する挿入工程を有する。
(303) 前記接着剤含浸工程の後、前記補強シート圧縮袋を構成する袋を前記パイロット孔から取り出す袋体取出工程を有する。
(304) 前記袋体取出工程の後、前記補強シート内部から外部へ力を加えて前記補強シートを前記中空パイプ体内に貼り付ける補強シート貼付工程を有する。
【0011】
請求項11に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか1項に記載の補強シート貼付工法に用いられる補強シート圧縮袋であって、筒状の補強シートと、細長く畳んだ前記補強シートを内部に入れる気密性シートで形成された袋体と、前記袋体に設けられる弁体が設けられた当該袋体内部に連通する1以上の連通口とを有し、前記袋体内に前記補強シートが入った状態で、少なくとも1つの連通口から空気を吸引することで前記袋体を圧縮した後に、すべての前記連通口の弁体を閉じたものである。
請求項12に記載の発明は、請求項10に記載の補強シート貼付工法に用いられる補強シート圧縮袋であって、筒状の補強シートと、細長く畳んだ前記補強シートを内部に入れる気密性シートで形成された袋体と、前記袋体に設けられる弁体が設けられた当該袋体内部に連通する1以上の連通口とを有し、前記袋体内に接着剤が含浸された前記補強シートが入った状態で、少なくとも1つの連通口から空気を吸引することで前記袋体を圧縮した後に、すべての前記連通口の弁体を閉じたものである。
【0012】
請求項13に記載の発明は、前記補強シート圧縮袋において、前記補強シートには、内外を連通する線材である内部線材が設けられるものであって、前記袋体の封止状態を保持したまま、前記内部線材の一部が前記袋体外部に表出しているものである。
請求項14に記載の発明は、前記補強シート圧縮袋において、前記袋体の端部に操作のための線材である操作線材が連結されるととともに、当該操作線材の操作により袋体が開封できる開封構造が設けられているものである。
【発明の効果】
【0013】
上記のような構成により本願発明は以下のような効果を奏する。
請求項1に記載の発明は、補強シート圧縮袋により補強シートを細長い状態で圧縮したまま、中空パイプ内に挿入するので、細いパイロット孔からの挿入が可能であり、補強シート圧縮袋内に接着剤を流入させることで補強シートの接着剤を含浸させるので、比較的容易に補強シート内部にまで接着剤を含浸させることができる。
請求項2に記載の発明は、第二連通口を設け、接着剤流入時に、第二連通口を開放するか又は第二連通口をポンプで吸引することで、接着剤の流入速度を早くすることができ、作業時間を短縮することができる。
請求項3に記載の発明は、接着剤を補強シート圧縮袋内で循環させることでよりむら無く接着剤を補強シート内に含浸させることができる。
請求項4に記載の発明は、接着剤を一定量入れた後に、第一連通口と第二連通口の内の一方を閉じて他方からポンプで吸引することで、補強シート圧縮袋の内圧が下がり、補強シート圧縮袋が外圧で圧縮されるのでよりむら無く接着剤を補強シート内部に含浸させることができる。
請求項5に記載の発明は、中空パイプが立てられた状態で、上端側の第一連通口から接着剤を流入することで重力により接着材が下方に落下するので、流入速度を速めることができる。
【0014】
請求項6に記載の発明は、補強シート圧縮袋が中空パイプ外にある状態で、接着剤を補強シート圧縮袋内に流入させて、接着剤を補強シートに含浸させるので、含浸状態を比較的容易に確認することができ、中空パイプに補強シート圧縮袋を挿入した後の状態が確認しにくい作業工程を減らすことができる。
請求項7に記載の発明は、補強シート圧縮袋を再圧縮することで、補強シートを細くでき中空パイプのパイロット孔から挿入しやすくなる。
請求項8に記載の発明は、一端側の第一連通口から接着剤を流入させた後に、他端側の第二連通口からポンプで吸引することで、接着剤が一端側から他端側に引かれて移動するので、よりむら無く接着剤を補強シート内部に含浸させることができる。
請求項9に記載の発明は、接着剤を含浸させた後で補強シート圧縮袋外部から圧力を描かけることで、よりむら無く接着剤を補強シート内部に含浸させることができる。
【0015】
請求項10に記載の発明は、工場で予め接着剤を含浸させておいた補強シート圧縮袋を用いることで、作業現場での作業工程を減らすことができる。
【0016】
請求項11に記載の発明は、請求項1から9に記載の工法により、より確実に接着材を補強シート内に含浸させることができる。
請求項12に記載の発明は、請求項10に記載の工法に用いることにより、簡易に接着剤を含浸させた補強シートを中空パイプ内に貼り付けることができる。
請求項13に記載の発明は、補強シート内部に通じる内部線材を補強シート圧縮袋外部から表出させることで、前記中空パイプ体補強シート貼付工法において、前記パイロット孔から当該内部線材を表出させたまま、中空パイプ内からの袋体の取り出しを行った後に、補強シート内部に連通する内部線材からの補強シート内部に行う作業を容易にすることができる。
請求項14に記載の発明は、操作線材から袋体端部の開封作業を行えるので、前記中空パイプ体補強シート貼付工法において、前記操作線材を前記パイロット孔から表出させておくことで補強シート圧縮袋の前記パイロット孔からの取り出し作業を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】補強シートの斜視図である。
【図2】実施形態1、2に係る補強シート圧縮袋の斜視図である。
【図3】(a)〜(d)は、実施形態1に係る補強シート貼付工法の過程を模式的に示す図である。
【図4】(a)〜(d)は、図3に続く補強シート貼付工法の過程を模式的に示す図である。
【図5】(a)(b)は、図4に続く補強シート貼付工法の過程を模式的に示す図である。
【図6】(a)〜(e)は実施形態2に係る補強シート貼付工法の接着剤含浸工程の過程を模式的に示す図である。
【図7】実施形態3に係る補強シート圧縮袋の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。本実施形態においては、中空パイプ体として電柱が用いられる。本実施形態に係る中空パイプ体の補強シート貼付工法は、補強シートを内封し圧縮した補強シート圧縮袋を用いることを特徴とする。
まず、補強シート圧縮袋内部に封入される補強シートについて説明する。図1に補強シート40の斜視図を示す。補強シート40は炭素繊維,アラミド繊維,ガラス繊維、ポリエチレン、ビニロンなどの高強度繊維繊維で構成されたシート体を2重にして丸め、接合部を縫い合わせることで筒体に形成したものであり、補強する電柱の内壁面の所定範囲面に合致する外面を有する。補強シート40の側面には内部に連通する管体からなる連通管42が設けられている。また、補強シート40の内側には、補強シート40の内周面に沿う筒状の外周面を有する長尺風船体50が予め収められており、弱い強度の接着剤により補強シート40に固定されている。長尺風船体50の、前記連通管42に合致する位置には、長尺風船体50の内部に連通する空気注入管51が前記連通管42内を通るように設けられている。長尺風船体50の内部には、可撓性及び弾性を有する中空の内部線材52が先端部を長尺風船体50の頂点部に固定され、基端側が空気注入管51内部を通って外部に表出するように設けられている。また、この内部線材52の基端側には、後述する線材を固定するための線材固定ジョイント52aが設けられる。また、線材固定ジョイント52aには係合するジョイントと接続することで開く弁体が設けられている。内部線材52の側面には、長尺風船体50内に空気を入れるための穴が数箇所設けられ、これにより、内部線材52は空気注入管としての機能も果たす。
【0019】
次に、補強シート圧縮袋について説明する。図2に補強シート圧縮袋Fの斜視図を示す。 この補強シート圧縮袋Fは、図1に示す内部に長尺風船体が挿入された補強シート40を袋体100内に封入したものである。より詳しく説明すると、補強シート圧縮袋Fは、補強シート40を丸めて外径80mm程度に細くし、この外周にビニール製のシートを巻きつけて上面及び側面をラミネート加工により閉じて袋体100としたものである。この補強シート圧縮袋Fは、下端側から内部線材52を密閉状態でさらに外部に伸ばすためのパッキン101と、内部から外部への流通を阻止する逆支弁が形成された下部接続アダプタ102が設けられ、上端側側面に係合するジョイントと接続することで開放される弁体が形成された上部接続アダプタ103が設けられ、さらに、上端に一定以上の力で引くと袋体100の上端が破れて開放されるように設けられた操作線材となる鋼線104が設けられる。この補強シート圧縮袋Fは、内部線材52の基端部を塞いだ状態で、下部接続アダプタ102又は上部接続アダプタ103より空気を抜くことで、圧縮されて約60mmの外径に形成され、この状態で工場より現場に搬送される。
【0020】
次に、この補強シート圧縮袋Fを用いた中空パイプ体の補強シート貼付工法について説明する。中空パイプ体の補強シート貼付工法は(1)挿入工程、(2)接着剤含浸工程、(3)袋体取出工程、(4)補強シート貼付工程からなる。以下、これらについて説明する。
(1)挿入工程
この工程では、前記補強シート圧縮袋Fを、事前に電柱の側面に設けておいたパイロット孔から押し入れる。具体的には、図3(a)に示すように、リール100Aに巻き取られた状態の補強シート圧縮袋Fをリール100Aから引き出して、先端から電柱Pのパイロット孔12を通じて中空パイプ体P内に入れていく。補強シート圧縮袋Fの基端がパイロット孔12近傍に来た状態で挿入は完了する。なお、補強シート圧縮袋Fの上端側の上部接続アダプタ103には、先端側に開閉弁が設けられた連結パイプ103aが予め接続されている。
【0021】
(2)接着剤含浸工程
この工程では、補強シート圧縮袋F内に接着剤を注入して、内部の補強シート40に接着剤を含浸させる。具体的には、図3(b)に示すように、前記挿入工程において、電柱P内に補強シート圧縮袋Fが挿入された状態で、接続アダプタ102に二股になった管体を用いて、定量ポンプ20B1、20B2を接続する。定量ポンプ20B1には接着剤の主剤が入ったペール缶20B1aが接続され、定量ポンプ20B2には接着剤の硬化剤が入ったペール缶20B2aが接続されている。この状態で、上部接続アダプタ103に接続された連通パイプ103aの先端を開放し、定量ポンプ20B1、20B2を作動させて袋体100内に接着剤と硬化剤を混合しながら注入していく、これにより袋体100は膨らみ、補強シート40には混合液が含浸していくことになる。混合液が連通パイプ103aを通じて外部に排出されたところで、定量ポンプ20B1、20B2の動作を止め、しばらく時間を置いて十分に補強シート40に接着剤が含浸させる。以上で、接着剤含浸工程が完了する。
【0022】
なお、ここでは、下端側から接着剤及び硬化剤を袋体100内に注入したが、連通パイプ103aを通じて上端側から注入することもできる。また、一端側から定量ポンプで注入し他端側から排出される接着剤を、再び定量ポンプで一端側から注入することで、接着剤を袋体内部で循環させるようにしてもよい。また、接着剤が一定量袋体内に注入された段階で、接着剤を注入している側の弁を閉じ、他端側から空気を吸引することで袋体を外気により再圧縮することで接着剤の含浸を促進してもよい。さらに、下端側を閉じて内部がほぼ真空状態のまま、上端側から接着剤を所定量注入するようにしてもよい。補強シートは弾性を有するので、接着剤が注入されることによる体積増加分を膨らむことで吸収し、これにより補強シート内部へ接着剤を浸透させることができる。
【0023】
(3)袋体取出工程
この工程では、補強シート圧縮袋Fから補強シート40のみを電柱P内に残し、袋体100を電柱Pから取り出す。具体的には、接着剤含浸工程終了後、接続アダプタ102と定量ポンプとの接続を解き、図3(c)に示すように、補強シート圧縮袋Fの下端部を切り開いて内部線材52と一体になったパッキン101を分離し、また、鋼線104を引っ張って袋体100の上端を開封する。それから、図3(d)に示すように袋体100の下端側から刃物で切り開きつつ、袋体100を連通パイプ103aとともにリール100Bにより巻き取り、袋体100を中空パイプ体P内から外部に取り去る。以上の作業により、接着剤を含浸した状態の補強シート40が残る。
【0024】
(4)補強シート貼付工程
この工程では、接着剤を含浸した補強シート40を電柱内壁に貼り付ける。まず、補強シート40の内部線材52先端に設けられる線材固定ジョイント52aにやはり弾性と可撓性を有するパイプからなる線材30を結合し、図4(a)に示すように、線材30を電柱P内に押し入れることで、補強シート40を電柱内部に押し入れる。内部線材52及び線材30は十分な弾性を有するものを採用することで、補強シート40は電柱P内である程度真っ直ぐ伸びた状態で電柱P内に存する。そして、この状態のまま、線材30を一定量だけ巻き取り、図4(b)に示すように、パイロット孔12の位置と補強シート40の連通管42の位置がほぼ一致するようにして線材30を固定する。それから、図4(c)に示すように線材30の基端にエアポンプ20Aを接続して空気を入れる。なお、この場合、空気注入管51の側面を縛って、空気が漏れないようにしておく。線材30及び内部線材52は中空であり、内部線材52の側面には穴が設けられているので、エアポンプ20Aにより、線材30の基端から空気を入れると長尺風船体50内に空気が入り、図4(c)に示すように長尺風船体50は膨らんで、補強シート40を電柱Pの内壁に押し付ける。補強シート40は接着剤を含浸しているので、補強シート40は電柱Pの内壁に接着されることとなる。
一定時間この状態で保持して接着剤が十分硬化したのち、今度は、エアポンプ20Aを用いて長尺風船体50の空気を抜く、補強シート40と長尺風船体50は弱い強度の接着剤により接着されているので、この操作で長尺風船体50は補強シート40から離れて、しぼむこととなる。この状態で、線材30を電柱P内部に押入れ、図4(d)に示すように長尺風船体50の後端側がパイロット孔12の位置にくるようにする。そして、補強シート40の連通孔42の内部から長尺風船体50の後端部を引っ掛けて取り出し、この状態で、長尺風船体50を連通孔42から引っ張りだし、図5(a)に示すようにリール40Aに巻き取る。同時に、内部線材52、線材30、も連通管42を通じて抜き取られていくこととなる。図5(b)に示すように、長尺風船体50、内部線材52、線材30をすべて取り出して補強シート貼付工程は完了する。
【0025】
(実施形態2)
次に実施形態2に係る中空パイプ体の補強シート貼付工法について説明する。本補強シート貼付工法の実施形態1に係る補強シート貼付工法との相違点は、中空パイプ内に補強シート圧縮袋Fを入れる前に接着剤を補強シートに含浸させる点である。即ち、本実施形態に係る中空パイプ体の補強シート貼付工法は(1)接着剤含浸工程、(2)挿入工程、(3)袋体取出工程、(4)補強シート貼付工程からなる。以下、これらについて説明する。
【0026】
(1)接着剤含浸工程
この工程では、施工場所で接着剤を補強シート40に含浸するものである。まず、図6(a)に示すようにリール10Aに巻かれた補強シート圧縮袋Fを略水平に引き出し、図6(b)に示すように、一端側の接続アダプタ103に二股になった管体を用いて、接着剤の主剤が入ったペール缶20B1aが接続される定量ポンプ20B1及び接着剤の硬化剤が入ったペール缶20B2aが接続される20B2を接続する。この状態で、定量ポンプ20B1、20B2を作動させて、袋体100内に補強シート40を適切に含浸できる量だけの接着剤と硬化剤を混合しながら袋体100内に注入する。
【0027】
注入後、定量ポンプ20B1、20B2をはずし、接着剤を注入した側から、内径60mm程度のリング体200を補強シート圧縮袋Fに通し、図6(c)に示すように、リング体200を他端側に移動させていく。これにより、一端側に溜まっていた接着剤が他端側に押し出されながら補強シート40に順次含浸されていく。
その後、図6(d)に示すように吸引ポンプ20Cを一端側の接続アダプタ102に接続し、余分な接着剤及び空気を抜いて、補強シート圧縮袋Fを細くし、その後、吸引ポンプ20Cをはずし、図6(E)示すような接着剤が含浸された補強シート40を内包する補強シート圧縮袋Fが完成することで本工程は終了する。
【0028】
なお、接着剤を注入する側は、接続アダプタ102側からでもよい。また、接着剤の注入時又はリング体200を通す際に、接着剤を注入しなかった他端側は開放したり、吸引ポンプで吸引したりするようにしてもよい。また、この他端側を開放しなかった場合は、注入する接着剤の量を適量にすることで、図6(d)に示す吸引を省略することができる。さらに、本実施形態では補強シート40を丸めて細くしているので、リング体200により外部から圧力を描けたが、袋体外部から圧力を掛けることができれば種々の方法をとることができる。また、補強シート40を平らに折りたたんで補強シート圧縮袋F内に封入する場合は、平らな部分を狭持する2つのローラーにより圧力を付与するようにしてもよい。
【0029】
(2)挿入工程・(3)袋体取出工程・(4)補強シート貼付工程
挿入工程では、上述した接着剤が含浸された補強シート40を内包する補強シート圧縮袋Fを、電柱のパイロット孔から電柱内部に挿入し、基端部のみがパイロット孔から表出する状態まで入れる。その後は、前述した実施形態1に係る袋体取出工程、補強シート貼付工程と同じであるので説明は省略する。
【0030】
(実施形態3)
上記実施形態2では、現場において補強シート圧縮袋F内に接着剤を注入したが、本実施形態では、現場ではなく、工場で予め接着剤を封入しておく。このため、補強シート圧縮袋には接着剤を注入するための弁体を設ける必要が無く、図7に示すような封入補強シートF2を用いる。封入補強シートF2を構成する袋体100Aは、内部線材52を密閉状態でさらに外部に伸ばすためのパッキン101と、上端側を開封するための鋼線104のみが設けられ、工場において、袋体の一部を開封した状態で、開封したところから袋内に硬化時間の長い接着剤と硬化剤を入れて補強シート40の接着剤と硬化剤を含浸させた後に開封部分から100内の空気を抜いて全体を細くした後に、開封部分を閉じることにより形成される。
この封入補強シートF2を用いた中空パイプ体の補強シート貼付工法は、(1)挿入工程、(2)袋体取出工程、(3)補強シート貼付工程のみから構成される。この方法は、実施形態2における挿入工程・袋体取出工程・補強シート貼付工程と同じなので説明は省略する。
【0031】
(変形例)
上記実施形態1、2では、補強シート圧縮袋F内部へ連通する連通口が2つ設けられたが、1つだけでも、機能を果たすことが可能である。
また、補強シート圧縮袋Fに補強シート40内部を通る内部線材52を密閉状態でさらに外部に伸ばすためのパッキン101が設けられているが、袋体100内部に内部線材52と繋がって固定される部分を設けることで、袋体100を取り出す際に内部線材52の先端をパイロット孔から引き出すことができるので、パッキン101のような内部線材52を外部に伸ばす構造を省略することができる。
さらに、上記実施形態2、3では、接着剤を含浸した補強シートを入れた補強シート圧縮袋F、F2をそのまま電柱内部入れて、その後、袋体を取り出すようにしたが、挿入前にパイロット孔12の直前で袋体を切り裂いて取り去りつつ補強シート40部分のみを内部に入れるような方法も可能である。
【0032】
それから、上記実施形態では、上端に一定以上の力で引くと袋体100の上端が破れて開放されるように設けられた鋼線104により袋体100上端を開放するようにしたが、これは種々の変更が可能である。例えば、電熱線を袋体100上部に固定し、これに接続された電線をパイロット孔12から外部に出し、これに通電することで袋体100を溶かして開封するようにしたり、袋体上部を電気的な錠で閉じられた蓋体とし、これに接続された電線をパイロット孔12から外部に出し、これに通電することで蓋体の錠を開いて開封するようにしたり等、種々の方法が考えられる。
また、本実施形態では、内部線材52及び線材30により補強シート圧縮袋Fを電柱内部に保持したが、特許第4157149号公報に示されるような頭部固定装置にワイヤーにより吊り上げて固定するような方法で固定することもできる。
さらに、上記実施形態では、補強シート40を長尺風船体50を膨らませることで、電柱内壁に押し付けたが、補強シート40の連通管から強く空気を吹き込むことで補強シート内側の圧力を高めることで電柱内壁に押し付けたり、機械的なリンク機構などで電柱内壁に押し付けたりするなど種々の方法を採ることができる。
【符号の説明】
【0033】
P 電柱
F、F2 補強シート圧縮袋
12 パイロット孔
30 線材
40 補強シート
42 連通孔
50 長尺風船体
52 内部線材
100 袋体
101 パッキン
102 下部接続アダプタ
103 上部接続アダプタ
103a 連結パイプ
104 鋼線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空パイプ体を補強するために筒状の補強シートを当該中空パイプ体内に貼り付ける工法であって、以下の(101)〜(106)の要件を備える中空パイプ体補強シート貼付工法。
(101) 前記補強シートを細く畳んだものを気密性シートで形成された袋体内に入れ、内部の空気を抜いて圧縮した補強シート圧縮袋を用いる。
(102) 前記補強シート圧縮袋には、弁体が設けられた内部に連通する第一連通口が設けられる。
(103) 前記中空パイプ体側面に設けられた中空パイプ体内部に連通する孔であるパイロット孔から前記補強シート圧縮袋を前記中空パイプ体内部に挿入する挿入工程を有する。
(104) 前記挿入工程の後、前記第一連通口から接着剤を流入させ前記補強シート圧縮袋内部の前記補強シートに接着剤を含浸させる接着剤含浸工程を有する。
(105) 前記接着剤含浸工程の後、前記補強シート圧縮袋を構成する袋を前記パイロット孔から取り出す袋体取出工程を有する。
(106) 前記袋体取出工程の後、前記補強シート内部から外部へ力を加えて前記補強シートを前記中空パイプ体内に貼り付ける補強シート貼付工程を有する。
【請求項2】
前記第一連通口は、前記補強シート圧縮袋の一端側に設けられるとともに、前記補強シート圧縮袋の他端側には、弁体が設けられた内部に連通する第二連通口が設けられ、
前記接着剤含浸工程において、前記第一連通口から接着剤を流入させると同時に、前記第二連通口側は開放又はポンプにより吸引するものである
請求項1に記載の中空パイプ体補強シート貼付工法。
【請求項3】
前記第二連通口からポンプで吸引するものであって、ポンプで吸引された接着材を前記第一連通口から流入される接着剤に用いることで、接着剤を前記補強シート圧縮袋を循環させるものである請求項2に記載の中空パイプ体補強シート貼付工法。
【請求項4】
接着剤含浸工程において、前記第一連通口から一定量の接着剤を流入させた後に、前記第一連通口又は前記第二連通口のいずれか一方側を閉じて、他方側からポンプで吸引する補強シート圧縮袋再圧縮処理を行う請求項2又は3に記載の中空パイプ体補強シート貼付工法。
【請求項5】
前記中空パイプ体は立てた状態で固定されているものであって、
前記第一連通口は、前記補強シート圧縮袋の一端側に設けられ、
挿入工程において、前記第一連通口が上部に位置づけられるものである
請求項1から4のいずれか1項に記載の中空パイプ体補強シート貼付工法。
【請求項6】
中空パイプ体を補強するために筒状の補強シートを当該中空パイプ体内に貼り付ける工法であって、以下の(201)〜(206)の要件を備える中空パイプ体補強シート貼付工法。
(201) 前記補強シートを細く畳んだものを気密性シートで形成された袋体内に入れ、内部の空気を抜いて圧縮した補強シート圧縮袋を用いる。
(202) 前記補強シート圧縮袋には、弁体が設けられた内部に連通する第一連通口が設けられる。
(203) 前記第一連通口から接着剤を流入させ前記補強シート圧縮袋内部の前記補強シートに接着剤を含浸させる接着剤含浸工程を有する。
(204) 前記接着剤含浸工程の後、前記中空パイプ体側面に設けられた中空パイプ体内部に連通する孔であるパイロット孔から前記補強シート圧縮袋を前記中空パイプ体内部に挿入する挿入工程を有する。
(205) 前記接着剤含浸工程の後、前記補強シート圧縮袋を構成する袋を前記パイロット孔から取り出す袋体取出工程を有する。
(206) 前記袋体取出工程の後、前記補強シート内部から外部へ力を加えて前記補強シートを前記中空パイプ体内に貼り付ける補強シート貼付工程を有する。
【請求項7】
前記接着剤含浸工程において、接着剤を流入させた後に、前記第一連通口からポンプで吸引する補強シート圧縮袋再圧縮処理を行う請求項6に記載の中空パイプ貼付工法。
【請求項8】
前記第一連通口は、前記補強シート圧縮袋の一端側に設けられるとともに、前記補強シート圧縮袋の他端側には、弁体が設けられた内部に連通する第二連通口が設けられ、
前記補強シート圧縮袋再圧縮処理において、前記第一連通口からポンプで吸引することに代えて、前記第一連通口を閉じて前記第二連通口からポンプで吸引するものである
請求項7に記載の中空パイプ貼付工法。
【請求項9】
前記接着剤含浸工程において、前記第一連通口から接着剤を流入させた後に、前記補強シート圧縮袋に外部から圧力をかける圧力付加処理を行う
請求項6から8のいずれか1項に記載の中空パイプ貼付工法。
【請求項10】
中空パイプ体を補強するために筒状の補強シートを当該中空パイプ体内に貼り付ける工法であって、以下の(301)〜(304)の要件を備える中空パイプ体補強シート貼付工法。
(301) 前記補強シートを細く畳み、接着剤を含浸させた後、気密性シートで形成された袋体内に入れ、内部の空気を抜いて圧縮した補強シート圧縮袋を用いる。
(302) 前記中空パイプ体側面に設けられた中空パイプ体内部に連通する孔であるパイロット孔から前記補強シート圧縮袋を前記中空パイプ体内部に挿入する挿入工程を有する。
(303) 前記接着剤含浸工程の後、前記補強シート圧縮袋を構成する袋を前記パイロット孔から取り出す袋体取出工程を有する。
(304) 前記袋体取出工程の後、前記補強シート内部から外部へ力を加えて前記補強シートを前記中空パイプ体内に貼り付ける補強シート貼付工程を有する。
【請求項11】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の補強シート貼付工法に用いられる補強シート圧縮袋であって、
筒状の補強シートと、
細長く畳んだ前記補強シートを内部に入れる気密性シートで形成された袋体と、
前記袋体に設けられる弁体が設けられた当該袋体内部に連通する1以上の連通口と
を有し、
前記袋体内に前記補強シートが入った状態で、少なくとも1つの連通口から空気を吸引することで前記袋体を圧縮した後に、すべての前記連通口の弁体を閉じた
補強シート圧縮袋。
【請求項12】
請求項10に記載の補強シート貼付工法に用いられる補強シート圧縮袋であって、
筒状の補強シートと、
細長く畳んだ前記補強シートを内部に入れる気密性シートで形成された袋体と、
前記袋体に設けられる弁体が設けられた当該袋体内部に連通する1以上の連通口と
を有し、
前記袋体内に接着剤が含浸された前記補強シートが入った状態で、少なくとも1つの連通口から空気を吸引することで前記袋体を圧縮した後に、すべての前記連通口の弁体を閉じた
補強シート圧縮袋。
【請求項13】
前記補強シートには、内外を連通する線材である内部線材が設けられるものであって、
前記袋体の封止状態を保持したまま、前記内部線材の一部が前記袋体外部に表出しているものである請求項11又は12に記載の補強シート圧縮袋。
【請求項14】
前記袋体の端部に操作のための線材である操作線材が連結されるととともに、当該操作線材の操作により袋体が開封できる開封構造が設けられているものである請求項11〜13のいずれか1項に記載の補強シート圧縮袋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−167919(P2011−167919A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−33435(P2010−33435)
【出願日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(506225765)
【Fターム(参考)】