説明

中継端末、及び報知方法

【課題】筐体外部にユーザが直接操作する操作手段を設けることなく設置時に基地局との間の通信品質を簡単に確認できる中継装置を提供する。
【解決手段】制御部106の電話番号判定部106aは、電話信号処理部104から受けた電話番号と、記憶部105に記憶されている特定の電話番号とが一致するか否かを判定し(ステップS101)、一致した場合(ステップS101:YES)、検査モードに設定する(ステップS102)。検査モードに設定されると、電話信号処理部104は着信を受け、通信コネクションを確立する(S103)。制御部106の通信品質測定部106bは、無線部102で処理する信号のRSSI値を測定し(S104)、制御部106は測定結果に応じた合成音声データを記憶部105から取得して電話信号処理部104を介して応答メッセージとして送信する(ステップS105)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基地局と無線接続し、当該基地局と他の通信装置との通信を中継する中継端末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報通信の発展に伴い、無線通信技術を用いたブロードバンド通信が行われるようになってきている。
例えば、通信事業者の電話局と、通信サービスに加入しているユーザ宅との間の回線(いわゆる、ラストワンマイル)を無線接続することが提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
この場合、具体的には、ユーザ宅側で宅内の通信装置に中継装置を接続し、この中継装置が、通信事業者がラストワンマイル設置した無線基地局と通信を行い、宅内の通信装置と基地局間の通信を中継する。
中継装置をユーザ宅に設置する際、設置する方位や高さ、障害物の有無などによって基地局との通信品質にばらつきが生じることがある。
【0004】
このため、ユーザは、中継装置と基地局との間で通信が最も良好に行うことのできる場所を探し、その場所に中継装置を設置することが望ましい。
従来、中継装置の設置時に、中継装置にPC(Personal Computer)等のコンピュータを接続し、コンピュータ上で通信品質を測定するアプリケーションを走らせ、通信品質を調べながら中継装置の設置場所を変えていき、最も良好に通信の行うことのできる場所を探す必要があった。
【特許文献1】特許公開2003−124942号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の方法では、いちいち中継装置にコンピュータを接続しなければならず、いちいち、中継装置を持って設置場所を変えてみて、その時々の通信品質を調べるためにコンピュータの画面を確認するには、中継装置とコンピュータ間を行ったり来たりしなければならず、手間がかかって煩雑である。
さらに、中継装置とコンピュータとを接続するケーブルが短ければ、中継装置と一緒にコンピュータを運んでユーザ宅を移動する必要もあり、ユーザに与える負担はさらに増大する。
【0006】
また、基地局と最も良好に通信するために、中継装置は結果的にユーザ宅のバルコニーや軒下付近などの屋外に設置することが多いため、雨水や雪などの自然に影響を受けやすい。
このため、安易に中継装置の筐体外部に露出する形でユーザが操作可能なボタンやスイッチを設け、ユーザの操作によって通信品質を報知させることが困難である。
【0007】
そこで、本発明は、筐体外部にユーザが直接操作する操作手段を設けることなく設置時に基地局との間の通信品質を簡単に確認できる中継装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、基地局と無線接続し、当該基地局と他の通信装置との通信を中継する中継端末であって、特定の電話機を識別する識別情報を記憶している記憶手段と、前記基地局との間の通信品質を測定する通信品質測定手段と、前記記憶手段に記憶されている識別情報で識別される電話機からの着信があった場合、自端末と前記基地局との間の通信品質を検査するための検査モードに設定する設定手段と、前記検査モードに設定されている間、前記通信品質測定手段で測定された測定結果に応じた報知を行う報知手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
また、上記課題を解決するために、本発明の第2の態様は、基地局と無線接続し、当該基地局と他の通信装置との通信を中継する中継端末であって、外部の機器と接続するための接続手段と、前記基地局との間の通信品質を測定する通信品質測定手段と、前記接続手段を介して前記外部の機器が接続されていない場合、自端末と前記基地局との間の通信品質を検査するための検査モードに設定する設定手段と、前記検査モードに設定されている間、前記通信品質測定手段で測定された測定結果に応じた報知を行う報知手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
上記第1の態様の構成によれば、中継端末を設置するときにユーザは、特定の電話から電話を中継端末にかけることで、中継端末と基地局間の通信品質を知ることができる。
また、上記第2の態様の構成によれば、中継端末を設置するときにユーザは、設置後に使用するPCや電話機を外しておくことで、中継端末と基地局間の通信品質を知ることができる。
【0011】
以上の構成により、PCなど他の装置を接続することなく、また、筐体外部にユーザが直接操作する操作手段を設けることなく、中継端末の設置時に、中継端末を色々な場所に移動させながら通信品質を簡単に確認することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
<実施形態1>
(1.システム)
実施形態1に係る中継装置100を含む通信システムについて、図1を参照しながら説明する。
【0013】
図1に示すように、中継装置100は、ユーザ宅に設置され、宅内の通信装置である2台の電話機(TEL−1、TEL−2)及び、コンピュータ(PC)に接続されている。
基地局600は、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線を介して、IPコアネットワークに接続されており、さらにゲートウェイ201とトランクゲートウェイ202を介してそれぞれインターネット網と公衆電話網に接続されている。これらバックグラウンドの構成は公知のものであるため、電話局やNOC(Network Operation Center)といった詳細はここでは説明しない。
【0014】
中継装置100は、基地局600と無線接続することで、インターネット網及び公衆電話網と、宅内のTEL−1、TEL−2、及びPC間の通信を中継するものであり、接続する電話機TEL−1及びTEL−2の2台分の電話番号が割り当てられている。
(2.中継装置100)
ここで、中継装置100の構成について、図2〜3を参照しながら、説明する。
【0015】
図2に示すように、中継装置100は、外部ユニット100Aと内部ユニット100Bとに分かれており、互いにケーブルで接続されている。
外部ユニット100Aは、基地局600と無線接続するためのユニットであり、基地局600と良好な通信を行うために主に障害物の少ない屋外に設置して使用される。
内部ユニット100Bは、宅内のTEL−1、TEL−2、及びPCと接続するためのユニットであり、主に宅内に置いて使用される。
【0016】
AC(Alternative Current)アダプタ300は、家庭用の交流電源を直流電源に変換して内部外部ユニット100A及び内部ユニット100Bに電力を供給するものである。
図3を参照しながら、中継装置100の構成をより詳しく説明する。
中継装置100の外部ユニット100Aは、アンテナ101、無線部102、イーサ信号処理部103、電話番号処理部104、記憶部105、制御部106、及びインターフェース107を備えている。
【0017】
アンテナ101は、基地局600から飛来するADSL信号を捕捉して無線部102に送出するものである。
無線部102は、受信時にはアンテナ101から受けたADSL信号を周波数区分によってデータ信号と電話信号とを分離して、それぞれイーサ信号処理部103又は電話番号処理部104に送出するものである。送信時にはイーサ信号処理部103から受けたデータ信号又は電話番号処理部104から受けた電話信号をアンテナ101に送出するものである。
【0018】
イーサ信号処理部103は、ADSL回線で用いられる例えばDMT(Discrete Multi Tone)方式で変調されたデータ信号と、PCとの間で用いられるイーサネット(Ethernet)(登録商標)方式の信号(以降、「イーサ信号」と呼ぶことがある)とを相互に変換するものである。受信時には無線部102から受けたデータ信号をイーサ信号に変換してイーサネット(登録商標)ポート107aに送出し、送信時には後述するイーサネット(登録商標)ポート107aから受けたイーサ信号をデータ信号に変換して無線部102に送出する。
【0019】
電話番号処理部104は、無線部102から受けた電話信号を処理するものである。モジュラージャック107b及び107cにはそれぞれ固有の電話番号が割り当てられており、受信時には無線部102から受けた電話信号を、電話番号に応じていずれかのモジュラージャックに送出し、送信時にはモジュラージャック107b及び107cから受けた電話信号を無線部102に送出する。
【0020】
また、他の処理として、無線部102から受けた電話信号の発信元である電話番号を特定して制御部106に送出する機能、及び記憶部に記憶されている合成音声データを変調して電話信号として無線部102に送出する機能を有する。
記憶部105は、各種情報を記憶するメモリであり、特に、特定の電話番号、及び、中継端末100と基地局600間の通信品質を示す数種類の合成音声データを記憶している。
【0021】
例えば、通信品質を所定の閾値毎に5段階に分け、「1段階です」「2段階です」「3段階です」「4段階です」「5段階です」という5つの合成音声を記憶する。
制御部106は、各構成要素101〜107を制御するものであり、電話番号判定部106a、及び通信品質判定部106bを含む。
電話番号判定部106aは、電話信号処理部104から受けた電話番号が記憶部105に記憶されている特定の電話番号と一致するか否かを判定するものである。
【0022】
通信品質判定部106bは、無線部102が信号を受信中に、その信号のRSSI(Received Signal Strength Indicator)値を測定するものである。
インターフェース107は、外部の機器と接続するためのものであり、PCと接続するためのイーサネット(登録商標)ポート107a、TEL−1及びTEL−2と接続するためのモジュラージャック107b、107c、及びACアダプタ400と接続するためのACアダプタポート107eを備えている。
(2.動作)
次に、中継端末100の動作について、図4を参照しながら説明する。
【0023】
図4を参照すると、まず、中継装置100の無線部102が電話信号の着信を受けると(ステップS100)、電話信号処理部104が電話信号の発信もとの電話番号を特定して制御部106に送出する。
制御部106の電話番号判定部106aは、電話信号処理部104から受けた電話番号と、記憶部105に記憶されている特定の電話番号とが一致するか否かを判定し(ステップS101)、一致した場合(ステップS101:YES)、検査モードに設定する(ステップS102)。
【0024】
検査モードに設定されると、電話信号処理部104は着信を受け、通信コネクションを確立する(S103)。
制御部106の通信品質測定部106bは、無線部102で処理する信号のRSSI値を測定し(S104)、制御部106は測定結果に応じた合成音声データを記憶部105から取得して電話信号処理部104を介して応答メッセージとして送信する(ステップS105)。
【0025】
通信コネクションが確立している間(ステップS106:NO)は、通信品質測定部106aは逐次RSSI値を測定して応答メッセージを送信する。
一方、終話されて通信コネクションが切断されると(ステップS106:YES)、制御部106は検査モードを終了する(ステップS107)。
以上のように動作することで、中継端末100は、特定の電話番号の電話機から着信があった場合に、通信品質(RSSI値)を測定して報知する。
【0026】
これにより、中携帯端末100を設置する際、ユーザ、例えば、設置を担当する業者は、特定の電話機から中継端末100に電話をかけることで、中継端末100に通信品質の報知を行わせることができる。
ユーザは、いちいち中継端末100にコンピュータを接続することなく、中継端末100に電話をかけるだけで、中継端末100と基地局との間の通信品質をこの電話機を介して知ることができる。
【0027】
このため、例えば、携帯電話機を使えば、ユーザは携帯電話機を耳に当てて通信品質を確認しながら、中継端末100を持ち運んで最適な設置場所を探すことができる。
また、設置が終了すれば、ユーザは単に電話を終話するだけでよく、設置後の電話機やPCとの通信に影響を及ぼすことがない。
さらに、中継端末100は、特定の電話番号の電話機からの着信という外部からの通信を契機として報知を行うため、筐体外部に操作手段を設ける必要がないため、屋外に設置する際の風雨などの自然的障害に強くすることができる。
<実施形態2>
次に、実施形態2の中継端末について説明する。
【0028】
実施形態1では、特定の電話番号を持つ電話機からの着信を受けることで検査モードに設定して通信品質を報知するようになっているが、実施形態2では、中継端末と他の通信装置(電話機やPC)が接続されていない場合に検査モードに設定する。
(1.構成)
実施形態2に係る中継端末は、実施形態1の中継端末100同様、外部ユニット200Aと内部ユニット200Bとから成る。以降、両ユニットを指す場合、中継端末200と呼ぶ。
【0029】
中継端末200の構成について、図5を参照しながら説明する。
なお、中継装置100と同じ構成については同じ符号を付し、ここでは詳述しない。
図5を参照すると、アンテナ101、無線部102、イーサ信号処理部103、電話信号処理部104、及びインターフェース107の構成は中継端末100の構成と同様である。
【0030】
制御部201は、各構成要素101〜107、及び後述する記憶部202とスピーカ202を制御するものであり、通信品質判定部106b、及び通信装置接続検知部201aを含む。
通信品質判定部106bは、無線部102が信号を受信中に、その信号のRSSI(Received Signal Strength Indicator)値を測定するものである。
【0031】
通信装置接続検知部201aは、イーサネット(登録商標)ポート107aを介してPCが接続されているか、モジュラージャック107Bb、107cに電話機が接続されている場合、これを検知するものである。
記憶部202は、各種情報を記憶するメモリであり、特に、中継端末100と基地局600間の通信品質を示す数種類の合成音声データを記憶している。
【0032】
例えば、通信品質を所定の閾値毎に5段階に分け、「1段階です」「2段階です」「3段階です」「4段階です」「5段階です」という5つの合成音声を記憶する。
スピーカ203は、記憶部202に記憶されている合成音声データを音響信号として放音するものである。
(2.動作)
次に、中継端末200の動作について、図6を参照しながら説明する。
【0033】
図6に示すように、まず、中継端末200の電源が投入されると(ステップS200)、制御部201の通信装置接続検知部201aが、インターフェース107を介してPC又は電話機が接続されているか否かを判断し(ステップS201)、接続されていることが検知されると(ステップS201:YES)、検査モードに設定する(ステップS202)。
【0034】
検査モードに設定されると、制御部201の通信品質測定部106bは、無線部102で処理する信号のRSSI値を測定する(ステップS203)。
制御部201は測定結果に応じた合成音声データを記憶部202から取得してスピーカ203に送出することで、スピーカ203が報知を行う(ステップS204)。
その後、電源がOFFにされず(ステップS205:NO)、電話機又はPCが接続されない限り(ステップS201:NO)、検査モードを継続するが、電話機又はPCが接続されると(ステップS201:YES)、制御部201は検査モードを終了する(ステップS206)。
【0035】
以上のように動作することで、中継端末200は、電話機やPCを接続せずに電源を入れた場合に、通信品質(RSSI値)を測定して報知する。
これにより、中携帯端末200を設置する際、ユーザ、例えば、設置を担当する業者は、電話機やPCを接続せずに電源を入れることで、いちいち中継端末200にコンピュータを接続することなく、中継端末200を持ち運んで最適な設置場所を探すことができる。
【0036】
また、設置が終了すれば、ユーザは単に電源を切るか、使用する電話機やPCを接続するだけでよく、設置後の電話機やPCとの通信に影響を及ぼすことがない。
さらに、報知を行うスピーカ203を、中継端末200の筐体外部に放音孔のあるスピーカではなく、筐体内部に収容する内蔵スピーカとすれば、屋外に設置する際の風雨などの自然的障害に強くすることができる。
<実施形態3>
次に、実施形態3の中継端末について説明する。
【0037】
実施形態2では、他の通信装置(電話機、PC)と接続されていない場合に検査モードに設定して通信品質を報知するようになっているが、実施形態3では、中継端末とACアダプタ400が接続されていない場合に検査モードに設定する。
(1.構成)
実施形態3係る中継端末は、実施形態2の中継端末200同様、外部ユニット300Aと内部ユニット300Bとから成る。以降、両ユニットを指す場合、中継端末300と呼ぶ。
【0038】
中継端末300の構成について、図7を参照しながら説明する。
なお、中継装置200と同じ構成については同じ符号を付し、ここでは詳述しない。
図7を参照すると、アンテナ101、無線部102、イーサ信号処理部103、電話信号処理部104、インターフェース107、記憶部202、及びスピーカ203の構成は中継端末200の構成と同様である。
【0039】
制御部301は、各構成要素101〜107、及び後述する記憶部202とスピーカ202を制御するものであり、通信品質判定部106b、及びACアダプタ接続検知部301aを含む。
通信品質判定部106bは、無線部102が信号を受信中に、その信号のRSSI(Received Signal Strength Indicator)値を測定するものである。
【0040】
ACアダプタ接続検知部301aは、ACアダプタポート107d、107eにACアダプタ400が接続されている場合、これを検知するものである。
なお、中継端末300は、ACアダプタ400を接続しなくても、外部のバッテリ500を使って駆動することが可能である。
(2.動作)
次に、中継端末300の動作について、図8を参照しながら説明する。
【0041】
図8に示すように、まず、中継端末300の電源が投入されると(ステップS300)、制御部301の通信装置接続検知部301aが、インターフェース107を介してACアダプタ400が接続されているか否かを判断し(ステップS301)、接続されていることが検知されると(ステップS301:YES)、検査モードに設定する(ステップS302)。
【0042】
検査モードに設定されると、制御部301の通信品質測定部106bは、無線部102で処理する信号のRSSI値を測定する(ステップS303)。
制御部301は測定結果に応じた合成音声データを記憶部202から取得してスピーカ203に送出することで、スピーカ203が報知を行う(ステップS304)。
その後、電源がOFFにされず(ステップS305:NO)、ACアダプタ400が接続されない限り(ステップS301:NO)、検査モードを継続するが、ACアダプタ400が接続されると(ステップS301:YES)、制御部301は検査モードを終了する(ステップS306)。
【0043】
以上のように動作することで、中継端末300は、ACアダプタを接続せずにバッテリで駆動した場合に、通信品質(RSSI値)を測定して報知する。
これにより、中携帯端末300を設置する際、ユーザ、例えば、設置を担当する業者は、いちいち中継端末300にコンピュータを接続することなく、中継端末300をバッテリで駆動させて中継端末300を持ち運んで最適な設置場所を探すことができる。
【0044】
また、設置が終了すれば、ユーザは単にACアダプタを接続すればよく、設置後の電話機やPCとの通信に影響を及ぼすことがない。
さらに、報知を行うスピーカ203を、中継端末300の筐体外部に放音孔のあるスピーカではなく、筐体内部に収容する内蔵スピーカとすれば、屋外に設置する際の風雨などの自然的障害に強くすることができる。
<補足>
以上、実施形態1〜3に基づいて、本発明に係る中継端末について説明してきたが、本発明の構成には種々の変更が可能である。
(1)実施形態1〜3では、中継端末100〜300が通信品質の報知を行うためのメッセージを合成音声データとして記憶部に記憶する例を挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、合成音声を発生させるシンセサイザを備えてこれを使って逐次音声を生成して報知するようにしてもよい。
(2)実施形態1では、特定の電話機に対して音声メッセージを送信するようにして報知する例を挙げたが、これに限定されるものではなく、実施形態2〜3で示した中継端末200〜300のように、スピーカを設けて報知するようにしてもよい。
(3)実施形態1〜3では、中継端末100がADSL回線に接続されている例を挙げて説明したが、これに限定されるものではない。
【0045】
すなわち、PHS(Personal Handy-phone System)やWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)をバックボーンに持つ回線に接続するようにしてもよい。この場合、イーサ信号処理部103がPHS信号やWiMAX信号とイーサネット(登録商標)方式の信号との間で信号変換を行えばよい。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、基地局と他の通信装置との通信を中継する中継装置に広く適用可能であり、設置時に基地局との間の通信品質を簡単に確認できる点で有用な技術である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の中継端末が属する通信システムを示す概要図である。
【図2】本発明の中継端末の外観を示す斜視図である。
【図3】実施形態1に係る中継端末100の構成を示すブロック図である。
【図4】中継端末100の動作を示すフローチャートである。
【図5】実施形態2に係る中継端末200の構成を示すブロック図である。
【図6】中継端末200の動作を示すフローチャートである。
【図7】実施形態3に係る中継端末300の構成を示すブロック図である。
【図8】中継端末300の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0048】
100、200、300 中継端末
101 アンテナ
102 無線部
103 イーサ信号処理部
104 電話信号処理部
105、202 記憶部
106、201、301 制御部
107 インターフェース
203 スピーカ
400 ACアダプタ
500 バッテリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局と無線接続し、当該基地局と他の通信装置との通信を中継する中継端末であって、
特定の電話機を識別する識別情報を記憶している記憶手段と、
前記基地局との間の通信品質を測定する通信品質測定手段と、
前記記憶手段に記憶されている識別情報で識別される電話機からの着信があった場合、自端末と前記基地局との間の通信品質を検査するための検査モードに設定する設定手段と、
前記検査モードに設定されている間、前記通信品質測定手段で測定された測定結果に応じた報知を行う報知手段とを備える
ことを特徴とする中継端末。
【請求項2】
前記設定手段は、前記憶手段に記憶されている識別情報で識別される電話機からの着信があった場合、当該着信を受けて前記電話機と通信状態を確立して検査モードに設定するとともに、当該検査モードに設定中に前記電話機との通信状態が終了すると当該検査モードを終了する
ことを特徴とする請求項1記載の中継端末。
【請求項3】
前記報知手段は、前記着信を受けて前記電話機と通信状態を確立し、前記通信品質測定手段で測定された測定結果に応じた音声を送信することで報知を行う
ことを特徴とする請求項1記載の中継端末。
【請求項4】
基地局と無線接続し、当該基地局と他の通信装置との通信を中継する中継端末であって、
外部の機器と接続するための接続手段と、
前記基地局との間の通信品質を測定する通信品質測定手段と、
前記接続手段を介して前記外部の機器が接続されていない場合、自端末と前記基地局との間の通信品質を検査するための検査モードに設定する設定手段と、
前記検査モードに設定されている間、前記通信品質測定手段で測定された測定結果に応じた報知を行う報知手段とを備える
ことを特徴とする中継端末。
【請求項5】
前記設定手段は、前記接続手段を介して前記外部の機器が接続されていない場合、自端末と前記基地局との間の通信品質を検査するための検査モードに設定するとともに、当該検査モードに設定中に前記接続手段を介して前記外部の機器が接続されると当該検査モードを終了する
ことを特徴とする請求項4記載の中継端末。
【請求項6】
前記接続手段は、前記他の通信装置と接続する手段であり、
前記設定手段は、前記接続手段を介して前記他の通信装置が接続されていない場合、自端末と前記基地局との間の通信品質を検査するための検査モードに設定する
ことを特徴とする請求項4記載の中継端末。
【請求項7】
前記接続手段は、自端末に外部の電力を供給するためのACアダプタと接続する手段であり、
前記設定手段は、前記接続手段を介して前記ACアダプタが接続されていない場合、自端末と前記基地局との間の通信品質を検査するための検査モードに設定する
ことを特徴とする請求項4記載の中継端末。
【請求項8】
基地局と無線接続し、当該基地局と他の通信装置との通信を中継する中継端末における、前記基地局との間の通信品質を報知する報知方法であって、
特定の電話機を識別する識別情報を記憶する記憶ステップと、
前記記憶ステップで記憶した識別情報で識別される電話機からの着信があった場合、自端末と前記基地局との間の通信品質を検査するための検査モードに設定する設定ステップと、
前記基地局との間の通信品質を測定する通信品質測定ステップと、
前記検査モードに設定されている間、前記通信品質測定ステップで測定された測定結果に応じた報知を行う報知ステップとを含む
ことを特徴とする報知方法。
【請求項9】
基地局と無線接続し、当該基地局と他の通信装置との通信を中継する中継端末における、前記基地局との間の通信品質を報知する報知方法であって、
外部の機器と接続しているか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップで前記外部の機器が接続されていないと判定された場合、自端末と前記基地局との間の通信品質を検査するための検査モードに設定する設定ステップと、
前記基地局との間の通信品質を測定する通信品質測定ステップと、
前記検査モードに設定されている間、前記通信品質測定ステップで測定された測定結果に応じた報知を行う報知ステップとを備える
ことを特徴とする報知方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−325227(P2007−325227A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−156592(P2006−156592)
【出願日】平成18年6月5日(2006.6.5)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】