説明

中継装置、当該装置で実行される中継方法、及び当該装置からなる中継システム

【課題】より簡単な構成で、データ通信を正常にできなくなることを防ぐことのできる中継装置を提供する。
【解決手段】第1の通信線、及び第2の通信線を介して送信される情報を第2の中継装置で受信し、第1の通信線、及び第2の通信線の両方を介して同一の情報を受信できないときに、第1の中継装置に異常が生じていると判断して、第1の端末から送信される通信情報の内予め定められた特定情報を第2の中継装置で中継して第2の端末で受信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中継装置に関し、より特定的には、一方の端末から他方の端末へデータを中継する中継装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車などの移動体は、エンジンECU(Electric Control Unit)、ボデーECU、及びスマートエントリーシステムECUなど、1つの通信線を介して互いにデータを送受信する複数のECUで構成されるネットワークを複数備えている。そして、移動体の中でネットワークを構成するECUの中には、一方のネットワークから他方のネットワークへデータを中継する中継装置も含まれる。このように構成されるネットワークでは、通信線の断線などによる伝送経路の遮断や中継装置の故障などの異常が生じると、当該ネットワークを流れるデータの内、予め定められた重要データをECUで受信できなくなり、データ通信を正常にできなくなる場合がある。そして、伝送経路の遮断や中継装置の故障などの異常が生じることによって、データ通信を正常にできなくなることを防ぐための技術の一例として、特許文献1に記載の車両用通信システム(以下、従来技術と称する)が挙げられる。
【0003】
従来技術は、全てのネットワークに接続され、それぞれのネットワークを流れるデータの中継、及び監視をする中継装置としてマネージャECUを備えている。また、従来技術は、全てのネットワーク、又は2つのネットワークを中継する中継装置も備えている。従来技術における全ての中継装置は、ネットワークに接続されたECUがそれぞれのネットワークに送信するデータの伝送経路を示すゲートウェイデータリストを記憶している。従来技術における中継装置は、受信したデータの中継先のネットワークを、それぞれ記憶しているゲートウェイデータリストに基づいて判断して、受信したデータを中継する。
【0004】
従来技術におけるマネージャECUは、それぞれのネットワークに接続されたECUが送信するデータの内、予め定められた重要データの伝送経路を示すルーティングテーブルを記憶している。従来技術では、マネージャECUで、それぞれのネットワークに流れるデータを監視した結果に基づき、重要データを伝送する伝送経路の遮断などの異常や、重要データを中継する中継装置の故障などの異常を検出する。マネージャECUは伝送経路の遮断を検出すると、検出した遮断箇所を特定し、特定した遮断箇所を通過するようにルーティングテーブルで設定されている重要データの迂回経路を演算する。マネージャECUは、演算した迂回経路を重要データが通過するように、ルーティングテーブル、及びそれぞれの中継装置のゲートウェイデータリストを更新する。
【特許文献1】特開2004−64626号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術では、マネージャECUのような全てのネットワークの伝送経路を監視する中継装置がなければ、上述で説明したように、迂回経路を演算して、ルーティングテーブル、及びゲートウェイデータリストを更新することによって、重要データを迂回させることができない。つまり、上記従来技術では、伝送経路の遮断や、中継装置の故障などの異常が生じたときに、データ通信を正常にできなくなることを防ぐためには、全てのネットワークに接続されたマネージャECUが必須であり、構成が複雑になる。
【0006】
それ故に、本発明は、より簡単な構成で、データ通信を正常にできなくなることを防ぐことのできる中継装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は、以下に述べる特徴を有する。
第1の発明は、第1の通信線に流れる通信情報を第2の通信線に中継する中継システムであって、通信情報、及び当該通信情報の1つとして予め定められた特定情報をそれぞれ第1の通信線を介して送信する端末と、通信情報、及び特定情報を第1の通信線から第2の通信線に中継する第1の中継装置と、予め定められた互いに同じ同一情報を第1の通信線、及び第2の通信線を介してそれぞれ受信できないとき、特定情報を第1の通信線から第2の通信線に中継する第2の中継装置とを備える。
【0008】
第2の発明は、上記第1の発明に従属する発明であって、端末は、中継を指示するか否かを示す中継情報を含む通信情報を特定情報として第1の通信線を介して送信し、第2の中継装置は、端末から送信された通信情報の内、中継の指示を示す中継情報を含む通信情報を特定情報として中継する。
【0009】
第3の発明は、上記第1の発明に従属する発明であって、端末は、中継する通信情報を示す中継情報を第1の通信線を介して送信し、第2の中継装置は、端末から送信された通信情報の内、当該端末によって送信された中継情報によって示される通信情報を特定情報として中継する。
【0010】
第4の発明は、上記第2の発明に従属する発明であって、第2の中継装置は、同一情報を第1の通信線、及び第2の通信線を介してそれぞれ受信する受信手段と、受信手段によって第1の通信線、及び第2の通信線の両方を介して同一情報をそれぞれ受信できないとき、第1の中継装置に異常が生じていると判断する異常判断手段と、異常判断手段によって第1の中継装置に異常が生じていると判断されたとき、端末によって送信された通信情報の内、中継情報を含む通信情報を特定情報として中継する中継手段とを含む。
【0011】
第5の発明は、上記第4の発明に従属する発明であって、異常判断手段は、受信手段によって第1の通信線、及び第2の通信線の両方を介して同一情報として同一の通信情報をそれぞれ受信できないとき、第1の中継装置に異常が生じていると判断する。
【0012】
第6の発明は、上記第5の発明に従属する発明であって、異常判断手段は、受信手段によって、第1の通信線を介して端末から送信された通信情報が受信され、且つ当該通信情報を受信した後、予め定められた許容期間以内に、第2の中継線を介して第1の中継装置から中継された当該通信情報を受信できないとき、当該第1の中継装置に異常が生じていると判断する。
【0013】
第7の発明は、上記第4の発明に従属する発明であって、第1の中継装置は、当該第1の中継装置が動作していることを示す動作情報を第1の通信線、及び第2の通信線をそれぞれ介して送信し、異常判断手段は、受信手段によって第1の通信線、及び第2の通信線の両方を介して同一情報として動作情報がそれぞれ受信されないとき、第1の中継装置に異常が生じていると判断する。
【0014】
第8の発明は、上記第7の発明に従属する発明であって、第1の中継装置は、予め定められた報告期間が経過する度に動作情報を第1の通信線、及び第2の通信線をそれぞれ介して送信し、異常判断手段は、第1の中継装置によって第1の通信線、及び第2の通信線をそれぞれ介して動作情報が受信されてから、報告期間以内に、第1の通信線、及び第2の通信線をそれぞれ介して当該動作情報が再び受信されないとき、当該第1の中継装置に異常が生じていると判断する。
【0015】
第9の発明は、上記第3の発明に従属する発明であって、第2の中継装置は、端末によって送信された中継情報を記憶する記憶手段と、同一情報を第1の通信線、及び第2の通信線を介してそれぞれ受信する受信手段と、受信手段によって第1の通信線、及び第2の通信線の両方を介して同一情報をそれぞれ受信できないとき、第1の中継装置に異常が生じていると判断する異常判断手段と、異常判断手段によって第1の中継装置に異常が生じていると判断されたとき、端末によって送信された通信情報の内、記憶手段に記憶されている中継情報によって示される通信情報を特定情報として中継する中継手段とを含む。
【0016】
第10の発明は、上記第9の発明に従属する発明であって、異常判断手段は、受信手段によって第1の通信線、及び第2の通信線の両方を介して通信情報を同一情報としてそれぞれ受信できないとき、第1の中継装置に異常が生じていると判断する。
【0017】
第11の発明は、上記第10の発明に従属する発明であって、異常判断手段は、受信手段によって、第1の通信線を介して端末から送信された通信情報が受信され、且つ当該通信情報を受信した後、予め定められた許容期間以内に、第2の通信線を介して第1の中継装置から中継された当該通信情報を受信できないとき、当該第1の中継装置に異常が生じていると判断する。
【0018】
第12の発明は、上記第9の発明に従属する発明であって、第1の中継装置は、当該第1の中継装置が動作していることを示す動作情報を第1の通信線、及び第2の通信線をそれぞれ介して送信し、異常判断手段は、受信手段によって第1の通信線、及び第2の通信線の両方を介して同一情報として動作情報がそれぞれ受信されないとき、第1の中継装置に異常が生じていると判断する。
【0019】
第13の発明は、上記第12の発明に従属する発明であって、第1の中継装置は、予め定められた報告期間が経過する度に第1の通信線、及び第2の通信線をそれぞれ介して動作情報を送信し、異常判断手段は、第1の中継装置によって、第1の通信線、及び第2の通信線をそれぞれ介して動作情報が受信されてから、報告期間以内に、第1の通信線、及び第2の通信線の両方を介して当該動作情報が再び受信されないとき、当該第1の中継装置に異常が生じていると判断する。
【0020】
第14の発明は、上記第1の発明に従属する発明であって、第2の中継装置は、特定情報として中継する通信情報を示す中継情報を予め記憶する記憶手段と、同一情報を第1の通信線、及び第2の通信線を介してそれぞれ受信する受信手段と、受信手段によって第1の通信線、及び第2の通信線の両方を介して同一情報をそれぞれ受信できないとき、第1の中継装置に異常が生じていると判断する異常判断手段と、異常判断手段によって第1の中継装置に異常が生じていると判断されたとき、端末によって送信された通信情報の内、記憶手段に記憶されている中継情報によって示される通信情報を特定情報として中継する中継手段とを含む。
【0021】
第15の発明は、上記第14の発明に従属する発明であって、異常判断手段は、受信手段によって第1の通信線、及び第2の通信線の両方を介して同一の通信情報を同一情報としてそれぞれ受信できないとき、第1の中継装置に異常が生じていると判断する。
【0022】
第16の発明は、上記第15の発明に従属する発明であって、異常判断手段は、受信手段によって、第1の通信線を介して端末から送信された通信情報が受信され、且つ当該通信情報を受信した後、予め定められた許容期間以内に、第2の通信線を介して第1の中継装置から中継された当該通信情報を受信できないとき、当該第1の中継装置に異常が生じていると判断する。
【0023】
第17の発明は、上記第1乃至第16の発明のいずれか1つの発明を車両に搭載する。
【発明の効果】
【0024】
上記第1の発明によれば、第1の通信線、及び第2の通信線を介してそれぞれ送信される予め定められた同一情報をそれぞれ第2の中継装置で受信できないとき、第1の通信線を介して端末からそれぞれ送信される通信情報、及び特定情報を中継する第1の中継装置に異常が生じたと判断して、端末から送信される通信情報の中で予め定められた特定情報を第2の中継装置で第1の中継装置の代わりに第2の通信線に中継することができる。つまり、上記第1の発明では、2本の通信線を介して同一情報を受信できないときに、第1の中継装置の代わりに異常が生じていると判断でき、当該中継装置の代わりに第2の中継装置で特定情報を第2の通信線に代替中継するので、より簡単な構成で、データ通信を正常にできなくなることを防げる。
【0025】
上記第2の発明によれば、第2の中継装置で代替中継を指示するか否かを示す中継情報を通信情報に含めて端末から第1の通信線を介して送信する。そして、第2の中継装置は、第1の中継装置に異常が生じていると判断したときに、端末から送信された通信情報の内、中継を指示する中継情報を含む通信情報を特定情報として代替中継する。したがって、上記第2の発明によれば、第2の中継装置に中継情報を予め記憶させなくても、第2の中継装置で第1の中継装置に異常が生じていると判断したときに、端末から送信される中継情報を含む通信情報を、第1の中継装置の代わりに特定情報を代替中継することができる。
【0026】
上記第3の発明によれば、端末から送信される通信情報の内、中継する通信情報を示す中継上を第1の通信線を介して第2の中継装置で受信する。したがって、上記第3の発明によれば、第2の中継装置に中継情報を予め記憶させなくても、第2の中継装置で第1の中継装置に異常が生じていると判断したときに、端末から第1の通信線を介して送信される通信情報の内、中継情報によって示される通信情報を特定情報として第1の中継装置に代わりに代替中継することができる。
【0027】
上記第4の発明によれば、第2の中継装置で第1の通信線、及び第2の通信線から予め定められた同一情報を受信できないときに、第1の通信線と第2の通信線を中継する第1の中継装置に異常が生じていると判断して、中継の指示を示す中継情報を含む通信情報を特定情報として中継することができる。
【0028】
上記第5の発明によれば、端末から第1の通信線を介して送信された通信情報と、第1の中継装置によって第2の通信線に中継された当該通信情報との同一の情報をそれぞれ第1の通信線、及び第2の通信線を介して第2の中継装置で受信できないとき、第1の通信線から第2の通信線に通信情報を中継する第1の中継装置に異常が生じていると判断することができる。このため、上記第5の発明によれば、第1の中継装置から当該第1の中継装置が動作していることを示す情報を生成するための構成を新たに第1の中継装置に追加することなく、第2の中継装置で第1の中継装置に異常が生じていることを判断できる。
【0029】
上記第6の発明によれば、第1の通信線を介して端末から通信情報を受信した後、予め定められた許容期間以内に、第2の通信線を介して第1の中継装置によって中継される当該通信情報と同一の情報を受信できないとき、第1の中継装置に異常が生じていると判断することができる。このため、上記第6の発明によれば、第1の中継装置が正常に動作しているのにも拘わらず発生する通信の遅延時間の増加を考慮して第2の中継装置で当該第1の中継装置に異常が生じているか否かを判断することができる。
【0030】
上記第7の発明によれば、第1の中継装置が動作していることを示す動作情報を第1の通信線、及び第2の通信線を介してそれぞれ送信し、第2の中継装置で第1の通信線、及び第2の通信線を介して同一の動作情報が受信できないときに、第1の中継装置に異常が生じていると判断することができる。
【0031】
上記第8の発明によれば、第1の中継装置から予め定められた報告期間が経過する度に第1の通信線、及び第2の通信線を介してそれぞれ送信される同一の動作情報を第2の中継装置で1度受信してから当該報告期間が経過するまでに、第1の通信線、及び第2の通信線の少なくともいずれか一方を介して同一の動作情報を再び第2の中継装置で受信できないとき、第1の中継装置に異常が生じていると判断することができ、異常が生じていると判断するまでの時間が増大することを防げる。
【0032】
上記第9の発明によれば、第2の中継装置で第1の通信線、及び第2の通信線から予め定められた同一情報が受信できないときに、第1の通信線と第2の通信線を中継する第1の中継装置に異常が生じていると判断して、中継情報によって示される通信情報を特定情報として中継することができる。
【0033】
上記第10の発明によれば、端末から第1の通信線を介して送信された通信情報と、第1の中継装置によって第2の通信線に中継された当該通信情報との同一の情報をそれぞれ第1の通信線、及び第2の通信線を介して第2の中継装置で受信できないとき、第1の通信線から第2の通信線に通信情報を中継する第1の中継装置に異常が生じていると判断することができる。このため、上記第10の発明によれば、第1の中継装置から当該第1の中継装置が動作していることを示す情報を生成するための構成を新たに第1の中継装置に追加することなく、第2の中継装置で第1の中継装置に異常が生じていることを判断できる。
【0034】
上記第11の発明によれば、第1の通信線を介して端末から通信情報を受信した後、予め定められた許容期間以内に、第2の通信線を介して第1の中継装置によって中継される当該通信情報と同一の情報を受信できないとき、第1の中継装置に異常が生じていると判断することができる。このため、上記第11の発明によれば、第1の中継装置が正常に動作しているのにも拘わらず発生する通信の遅延時間の増加を考慮して第2の中継装置で当該第1の中継装置に異常が生じているか否かを判断することができる。
【0035】
上記第12の発明によれば、第1の中継装置が動作していることを示す動作情報を第1の通信線、及び第2の通信線を介してそれぞれ送信し、第2の中継装置で第1の通信線、及び第2の通信線を介して同一の動作情報が受信できないときに、第1の中継装置に異常が生じていると判断することができる。
【0036】
上記第13の発明によれば、第1の中継装置から予め定められた報告期間が経過する度に第1の通信線、及び第2の通信線を介してそれぞれ送信される同一の動作情報を第2の中継装置で1度受信してから当該報告期間が経過するまでに、第1の通信線、及び第2の通信線の少なくともいずれか一方を介して同一の動作情報を再び第2の中継装置で受信できないとき、第1の中継装置に異常が生じていると判断することができる。
【0037】
上記第14の発明によれば、端末から第1の通信線を介して送信される通信情報の内、第2の中継装置で第1の中継装置の代わりに代替中継する特定情報を示す中継情報を予め記憶しておくことによって、端末に中継情報を送信させるための構成を追加する必要がなくなる。また、第2の中継装置で第1の通信線、及び第2の通信線から予め定められた同一情報をそれぞれ受信できないときに、第1の通信線と第2の通信線を中継する第1の中継装置に異常が生じていると判断して、中継の指示を示す中継情報を含む通信情報を特定情報として中継することができる。
【0038】
上記第15の発明によれば、端末から第1の通信線を介して送信された通信情報と、第1の中継装置によって第2の通信線に中継された当該通信情報との同一の情報をそれぞれ第1の通信線、及び第2の通信線を介して第2の中継装置で受信できないとき、第1の通信線から第2の通信線に通信情報を中継する第1の中継装置に異常が生じていると判断することができる。このため、上記第15の発明によれば、第1の中継装置から当該第1の中継装置が動作していることを示す情報を生成するための構成を新たに第1の中継装置に追加することなく、第2の中継装置で第1の中継装置に異常が生じていることを判断できる。
【0039】
上記第16の発明によれば、第1の通信線を介して端末から通信情報を受信した後、予め定められた許容期間以内に、第2の通信線を介して第1の中継装置によって中継される当該通信情報と同一の情報を受信できないとき、第1の中継装置に異常が生じていると判断することができる。このため、上記第16の発明によれば、第1の中継装置が正常に動作しているのにも拘わらず発生する通信の遅延時間の増加を考慮して第2の中継装置で当該第1の中継装置に異常が生じているか否かを判断することができる。
【0040】
上記第17の発明によれば、車両に搭載される端末から送信される情報をより簡単な構成で正常に通信できなくなることを防げる。
【0041】
また、本発明の中継装置、及び中継方法によれば、上述した本発明に係る中継システムと同様の効果を得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る中継システム1の概略構成を示すブロック図である。本実施形態に係る中継システム1は、第1の端末10と、第1の中継装置20と、第2の中継装置30と、第2の端末40とを備える。
【0043】
第1の端末10は、第1の通信線Aに接続されており、中継システム1で中継する通信情報Tjのフレームf1を第1の通信線Aを介して接続されている第1の中継装置20、及び第2の中継装置30にそれぞれ送信する。このとき、第1の端末10から送信されるフレームf1の送信先は第2の端末40であるものとする。また、第1の端末10は、中継システム1で中継する通信情報Tjの内、予め定められた種類の通信情報Tjのフレームf1を特定情報Ttのフレームf1として第1の通信線Aを介して接続されている第1の中継装置20、及び第2の中継装置30にそれぞれ送信する。本実施形態では特定情報Ttの送信先も通信情報Tjと同じ第2の端末40であるものとする。尚、第1の端末10が第1の通信線Aを介して通信情報Tj、又は特定情報Ttのフレームf1を送信する対象は、第1の中継装置20、及び第2の中継装置30に限られなくてもよい。
【0044】
尚、図1には、中継システム1の構成の一例として、第1の通信線Aに第1の端末10を1つだけ接続している構成を示しているが、他の一実施形態では、第1の通信線Aに接続される端末が複数であってもよい。また、第1の通信線Aに複数の端末が接続されている中継システム1の他の一実施形態において、それぞれの端末に互いに異なる通信情報Tjを特定情報Ttとして予め定めておいてもよい。これは、後述する他の実施形態、及び変形例についても同様である。
【0045】
図2Aは、本実施形態に係る第1の端末10によって第1の通信線Aを介して送信される通信情報Tjのフレームf1の一例を示す図である。また、図2Bは、本実施形態に係る第1の端末10によって第1の通信線Aを介して送信される特定情報Ttのフレームf1の一例を示す図である。図2A、及び図2Bに示すように本実施形態に係る第1の端末10は、一例として、複数のパケットからなるフレームを通信情報Tj、或いは特定情報Ttとして送信する。
【0046】
図2A、及び図2Bにそれぞれ示すように、本実施形態における通信情報Tj、及び特定情報Ttのフレームf1は、少なくとも、当該フレームf1の送信先を示す送信先パケットP1と、中継情報パケットP2と、送信先に送信する情報を示すデータパケットP3とを含むフレームとして第1の端末10から第1の通信線Aを介して送信される。
【0047】
図2Aから明らかなように、本実施形態における通信情報Tjのフレームf1は、後述するように、第1の中継装置20に異常が生じているときに第2の中継装置30に対して当該通信情報Tjの中継を指示しない中継情報(指示無)を示す中継情報パケットP2を含む。一方、図2Bに示すように本実施形態における特定情報Tjは、後述するように、第1の中継装置20に異常が生じているときに第2の中継装置30に対して当該特定情報Ttの中継を指示する中継情報(指示有)を示す中継情報パケットP2を含む。
【0048】
すなわち、本実施形態における特定情報Ttとは、通常情報Tjとして送信されるフレームf1の内、第1の中継装置20に異常が生じているときに第2の中継装置30に中継を指示する中継情報(指示有)を示す中継情報パケットP2を含むフレームf1のことである。尚、本実施形態に係る第1の端末10は、予め定められた送信先毎に中継を指示する中継情報(指示有)を示す中継情報パケットP2をフレームf1に含ませて特定情報Ttのフレームf1を生成してもよいし、データパケットP3によって示される情報の種別に応じて、中継を指示する中継情報(指示有)を示す中継情報パケットP2をフレームf1に含ませて特定情報Ttのフレームf1を生成してもよい。
【0049】
第1の中継装置20は、第1の通信線A、及び第2の通信線Bにそれぞれ接続されており、第1の端末10から第1の通信線Aを介して通信情報Tj、又は特定情報Ttのフレームf1が送信されたとき、送信された通信情報Tj、又は特定情報Ttのフレームf1を受信する。フレームf1を受信すると第1の中継装置20は、当該フレームf1に含まれる送信先パケットP1によって示される送信先を参照して、当該フレームf1の送信先に第2の通信線Bを介して送信して中継する。
【0050】
第2の中継装置30は、第1の通信線A、及び第2の通信線Bにそれぞれ接続されており、第1の端末10から第1の通信線Aを介して通信情報Tj、又は特定情報Ttのフレームf1が送信されたとき、送信された通信情報Tj、又は特定情報Ttのフレームf1を受信する。第2の中継装置30は、後述するように、第1の中継装置20に異常が生じていると判断したとき、第1の通信線Aを介して第1の端末10から受信した通常情報Tj、及び特定情報Ttのフレームf1の内、特定情報Ttのフレームf1を当該フレームf1に含まれる送信先パケットP1によって示される送信先を参照して、当該フレームf1の送信先に第2の通信線Bを介して送信して中継する。
【0051】
第2の端末40は、第2の通信線Bに接続されており、第1の中継装置20によって当該第2の端末40を送信先とする通信情報Tj、又は特定情報Ttのフレームf1が第2の通信線Bを介して送信されたとき、送信された通信情報Tj、又は特定情報Ttのフレームf1を受信する。また、第2の端末40は、第2の中継装置30によって第1の中継装置20に異常が生じていると判断され、特定情報Ttのフレームf1が中継されたとき、第2の中継装置30によって中継された特定情報Ttのフレームf1も受信する。
【0052】
尚、図1には、中継システム1の構成の一例として、第2の通信線Bに第2の端末40を1つだけ接続している構成を示しているが、他の一実施形態では、第2の通信線Bに接続される端末が複数であってもよい。また、第2の通信線Bに複数の端末が接続されている中継システム1の他の一実施形態において、第1の通信線Aに接続される端末(本実施形態では、第1の端末10)は、第2の通信線Bに接続されている任意の端末を送信先として通信情報Tj、及び特定情報をTtのフレームf1をそれぞれ送信してもよい。これは、後述する他の実施形態、及び変形例についても同様である。
【0053】
以上が、本実施形態に係る中継システム1の概略構成の説明である。次に、本実施形態に係る第2の中継装置30のより詳細な構成について説明する。図3は、本実施形態に係る第2の中継装置30のより詳細な構成を示すブロック図である。第2の中継装置30は、受信部301と、異常判断部302と、中継部303とを含む。
【0054】
受信部301は、典型的には、通信線を介して送信される情報を受信するインターフェース回路であって、第1の通信線Aを介して第1の端末10から上述で説明したフレームf1が送信されたとき、送信されたフレームf1を受信する。また、受信部301は、第1の中継装置20によってフレームf1が中継されたとき、中継されたフレームf1を第2の通信線Bを介して受信する。受信部301は、第1の通信線A、又は第2の通信線Bを介してそれぞれフレームf1を受信したとき、受信したフレームf1を、いずれの通信線から受信したかを示す通信線情報Tsを付加して、異常判断部302へ転送する。
【0055】
異常判断部302は、典型的には、主にCPU(Central Processing Unit)などの集積回路などで構成される演算回路であって、受信部301からフレームf1が転送されたとき、転送されたフレームf1を取得する。異常判断部302は、取得したフレームf1に基づき、後述で説明する手法で、第1の中継装置20に異常が生じているか否かを判断する。異常判断部302は、第1の中継装置20に異常が生じていると判断した後に受信部301から転送されるフレームf1の内、第1の通信線Aを介して受信したことを示す前述の通信線情報Tsが付加された特定情報Ttのフレームf1を中継部303へ転送する。
【0056】
中継部303は、典型的には、転送された情報を通信線を介して送信するインターフェース回路であって、異常判断部302によって第1の中継装置20に異常が生じていると判断された後に特定情報Ttのフレームf1が転送されたとき、転送された特定情報Ttのフレームf1を取得する。転送された特定情報Ttのフレームf1を取得すると、中継部303は、取得したフレームf1に付加されている前述の通信線情報Tsを除去した後、第2の通信線Bを介して当該フレームf1に含まれる送信先パケットP1によって示される送信先へ当該フレームf1を送信して中継する。
【0057】
以上が、本実施形態に係る第2の中継装置30のより詳細な構成の説明である。次に、本実施形態に係る異常判断部302が第1の中継装置20に異常が生じているか否かを判断する手法について説明する。
【0058】
本実施形態に係る異常判断部302は、受信部301で第1の通信線Aを介して通信情報Tj、又は特定情報Ttのフレームf1を第1の端末10から受信したときに、第1の通信線Aを介して受信したフレームf1と同一のフレームf1を第2の通信線Bを介して受信したか否かを判断する。
【0059】
より具体的には、異常判断部302は、受信部301によって第1の通信線Aを介して受信したことを示す前述の通信線情報Tsが付加されたフレームf1を受信部301から転送されると共に、当該フレームf1と同一であって、受信部301によって第2の通信線Bを介して受信したことを示す前述の通信線情報Tsが付加されたフレームf1を受信部301から転送されたか否かを判断する。
【0060】
第1の通信線Aを介して第1の端末10から送信されたフレームf1は、第2の中継装置30の受信部301で受信されると共に、第1の中継装置20でも受信される。ここで、第1の中継装置20に故障などの異常が生じていない場合、第1の中継装置20は第1の通信線Aを介して受信したフレームf1を上述で説明したように第2の通信線Bを介して送信して中継できる。一方、第1の中継装置20に異常が生じている場合、第1の中継装置20は第1の通信線Aを介して第1の端末10から送信されたフレームf1を正常に受信できない、或いは受信できたとしても第2の通信線Bを介して送信できない。
【0061】
このとき、第2の中継装置30は、受信部301で第1の通信線Aを介して第1の端末10からフレームf1を受信できたとしても、第1の中継装置20によって第2の通信線Bを介して送信されるはずの当該フレームf1と同一のフレームf1を受信部301で受信することができない。
【0062】
したがって、本実施形態に係る異常判断部302は、受信部301で第1の通信線Aを介して第1の端末10からフレームf1を受信すると共に、当該フレームf1と同一のフレームf1を受信部301で第2の通信線Bを介して受信できないときに、第1の中継装置20に異常が生じていると判断できる。
【0063】
より具体的には、異常判断部302は、第1の通信線Aを介して受信したことを示す通信線情報Tsが付加された通信情報Tj、又は特定情報Ttのフレームf1を受信部301から取得すると共に、当該通信情報Tj、又は当該特定情報Ttのフレームf1と同一であって、第2の通信線Bを介して受信したことを示す通信線情報Tsが付加された通信情報Tj、又は特定情報Ttのフレームf1を受信部301から取得できないときに、第1の中継装置20に異常が生じていると判断できる。
【0064】
以上が、本実施形態に係る異常判断部302が第1の中継装置20に異常が生じているか否かを判断する手法の説明である。
【0065】
尚、本実施形態に係る異常判断部302は、第1の通信線Aを介して受信したことを示す通信線情報Tsが付加された通信情報Tj、又は特定情報Ttのフレームf1が受信部301から転送されるのと略同時に、当該通信情報Tj、又は当該特定情報Ttのフレームf1と同一であって、第2の通信線Bを介して受信したことを示す通信線情報Tsが付加された通信情報Tj、又は特定情報Ttのフレームf1が受信部301から転送されないときに、第1の中継装置20に異常が生じていると判断してもよい。
【0066】
また、他の一実施形態に係る異常判断部302は、第1の通信線Aを介して受信したことを示す通信線情報Tsが付加された通信情報Tj、又は特定情報Ttのフレームf1を受信部301から転送されてから、予め定められた許容期間以内に、当該通信情報Tj、又は当該特定情報Ttのフレームf1と同一であって、第2の通信線Bを介して受信したことを示す通信線情報Tsが付加された通信情報Tj、又は特定情報Ttのフレームf1を受信部301から転送されないときに、第1の中継装置20に異常が生じていると判断してもよい。
【0067】
本実施形態に係る中継システム1によれば、異常判断部302が第1の通信線A、及び第2の通信線Bの両方を介して同一の通信情報Tj、又は特定情報Ttをフレームf1として受信できないとき、第1の中継装置20に異常が生じたと判断して、第1の端末10から送信される通信情報Tjのフレームf1の内、第2の中継装置30に中継を指示する中継情報(指示有り)を示す中継情報パケットP2を第2の中継装置30で第1の中継装置20の代わりに代替中継することができる。つまり、本実施形態に係る中継システム1によれば、2本の通信線を介して同一の情報を受信できないときに、第1の中継装置20の代わりに第2の中継装置30で代替中継するため、より簡単な構成で、データ通信を正常にできなくなることを防げるという効果を得られる。
【0068】
また、本実施形態に係る中継システム1によれば、第2の中継装置30で代替中継を指示するか否かを示す中継情報パケットP2をフレームf1に含めて第1の端末10から第1の通信線Aを介して送信する。そして、第2の中継装置30は、第1の中継装置20に異常が生じていると判断したときに、第1の端末10から送信されたフレームf1の内、中継を指示する中継情報パケットP2を含むフレームf1を特定情報Ttのフレームf1として代替中継する。したがって、本実施形態に係る中継システム1によれば、第2の中継装置30に中継するべき通信情報Tjのフレームf1を予め記憶させなくても、第1の中継装置20に異常が生じたときに、予め定められた特定情報Ttのフレームf1を第2の中継装置30で代替中継できるという効果を得られる。
【0069】
また、本実施形態に係る中継システム1によれば、第1の中継装置20から当該第1の中継装置20が動作していることを示す情報を生成するための構成を新たに第1の中継装置20に追加することなく、第2の中継装置30で第1の中継装置20に異常が生じていることを判断できるという効果を得られる。
【0070】
また、本実施形態に係る中継システム1において、上述で説明したように、許容期間以内に、第1の通信線Aを介して受信した通信情報Tj、又は特定情報Ttのフレームf1と同一のフレームf1が受信部301から転送されないときに第1の中継装置20に異常が生じていると判断するようにすれば、第1の中継装置20によって中継されたフレームf1が第2の中継装置30によって受信されるまでの遅延時間が、通信量の一時的な増大などの原因で増加することを考慮して異常判断部302で第1の中継装置20に異常が生じているか否かを判断できるという効果をさらに得られる。
【0071】
(第1の実施形態の変形例)
図4は、本発明の第1の実施形態の変形例に係る中継システム2の概略構成を示すブロック図である。図4に示す中継システム2は、第1の実施形態に係る中継システム1と比較して、第1の中継装置20、及び第2の中継装置30に代えて、それぞれ第1の中継装置50、及び第2の中継装置60を備える点が相違する。したがって、図4に示す第1の実施形態の変形例に係る中継システム2の構成の内、第1の実施形態に係る中継システム1と同一の構成については、同一の参照符号を付し、説明を省略する。
【0072】
図5は、第1の中継装置50のより詳細な構成を示すブロック図である。本変形例に係る第1の中継装置50は、中継部501と、動作報告部502とを含む。中継部501は、典型的には、第1の通信線Aを介して受信した情報を第2の通信線Bを介して当該情報の送信先へ送信するインターフェース回路であり、第1の通信線A、及び第2の通信線Bにそれぞれ接続され、第1の端末10から第1の通信線Aを介して通信情報Tj、又は特定情報Ttのフレームf1が送信されたとき、送信されたフレームf1を受信する。フレームf1を受信すると中継部501は、当該フレームf1に含まれる送信先パケットP1によって示される送信先を参照して、当該フレームf1の送信先に第2の通信線Bを介して当該フレームf1を送信して中継する。
【0073】
動作報告部502は、第1の通信線A、及び第2の通信線Bにそれぞれ接続されており、第1の中継装置50が動作している期間を通じて、当該第1の中継装置50が動作をしていることを示す動作情報Djのフレームf2を第1の通信線A、及び第2の通信線Bを介して第2の中継装置60にそれぞれ送信する。
【0074】
尚、動作報告部502から送信される動作情報Djのフレームf2の送信先は、第2の中継装置60に限られなくてもよい。また、動作報告部502は、動作情報Djのフレームf2を予め定められた任意のタイミングで第1の通信線A、及び第2の通信線Bを介してそれぞれ送信するものとする。
【0075】
図6は、本変形例に係る動作情報Djのフレームf2の一例を示す図である。図6に示すように本変形例に係る動作情報Djのフレームf2は、少なくとも、第1の中継装置50が動作していることを示す情報を含む動作情報パケットP4を含むフレームf2として、動作報告部502から第1の通信線A、及び第2の通信線Bをそれぞれ介して第2の中継装置60に送信される。
【0076】
尚、図6には動作情報パケットP4のみを含む動作情報Djのフレームf2を示しているが、他の一実施形態における動作情報Djのフレームf2は、任意の端末、或いは中継装置に動作情報Djを送信するために第1の実施形態で説明した送信先パケットP1をさらに含んでいてもよい。また、他の一実施形態における動作情報Djのフレームf2は、動作情報パケットP4を含んでいれば、他のどのような情報をパケットとしてさらに含んでいてもよい。
【0077】
図7は、本変形例に係る第2の中継装置60のより詳細な構成を示すブロック図である。本変形例に係る第2の中継装置60は、受信部601と、異常判定部602と、中継部603とを含む。
【0078】
受信部601は、典型的には、通信線を介して送信される情報を受信するインターフェース回路であって、第1の実施形態に係る受信部301と同様に、第1の通信線Aを介して第1の端末10から上述で説明したフレームf1が送信されたとき、送信されたフレームf1を受信する。また、受信部601は、第1の中継装置20によってフレームf1が中継されたとき、中継されたフレームf1を第2の通信線Bを介して受信する。さらに、本変形例に係る受信部601は、第1の中継装置50の動作報告部502から第1の通信線A、及び第2の通信線Bを介してそれぞれ前述の動作報告Djのフレームf2が送信されたとき、送信された動作報告Djのフレームf2を受信する。
【0079】
受信部601は、第1の通信線A、及び第2の通信線Bを介してそれぞれフレームf1、又はフレームf2を受信したとき、受信したフレームf1、又はフレームf2に第1の実施形態で説明した通信線情報Tsを付加して、異常判断部602へ転送する。
【0080】
異常判断部602は、典型的には、主にCPUなどの集積回路などで構成される演算回路であって、受信部601からフレームf1、又はフレームf2が転送されたとき、転送されたフレームf1、又はフレームf2を取得する。本変形例に係る異常判断部602は、取得したフレームf2に基づき、後述で説明する手法で、第1の中継装置50に異常が生じているか否かを判断する。異常判断部602は、第1の中継装置50に異常が生じていると判断した後に受信部601から転送されるフレームf1の内、第1の通信線Aを介して受信したことを示す通信線情報Tsが付加されたフレームf1に含まれる中継情報パケットP2を参照して、中継を指示する中継情報(指示有)を示す中継情報パケットP2を含む特定情報Ttのフレームf1を中継部603へ転送する。
【0081】
中継部603は、異常判断部602によって第1の中継装置50に異常が生じていると判断された後に特定情報Ttのフレームf1が転送されたとき、転送された特定情報Ttのフレームf1を取得する。転送された特定情報Ttのフレームf1を取得すると、中継部603は、取得したフレームf1に付加されている通信線情報Tsを除去した後、第2の通信線Bを介して当該フレームf1に含まれる送信先パケットP1によって示される送信先へ当該フレームf1を送信して中継する。
【0082】
以上が、本変形例に係る第2の中継装置60のより詳細な構成の説明である。次に、本変形例に係る異常判断部602が第1の中継装置50に異常が生じているか否かを判断する手法について説明する。
【0083】
本変形例に係る異常判断部602は、第1の中継装置50に異常が生じているか否かを判断するとき、第1の通信線A、及び第2の通信線Bの両方を介して動作報告部502から動作情報Djのフレームf2を受信できるか否かを判断する。
【0084】
より具体的には、異常判断部602は、第1の通信線Aを介して受信したことを示す通信線情報Tsが付加された動作情報Djのフレームf2を受信部601から取得すると共に、当該動作情報Djのフレームf1と同一であって、受信部601によって第2の通信線Bを介して受信したことを示す通信線情報Tsが付加された動作情報Djのフレームf2を受信部601から取得したか否かを判断する。
【0085】
上述で説明したように、動作報告部502は、第1の中継装置50が動作している期間を通じて、第1の通信線A、及び第2の通信線Bを介してそれぞれ動作情報Djのフレームf2を送信する。したがって、受信部601で第1の通信線A、及び第2の通信線Bの両方を介して動作情報Djのフレームf2を受信できないときは、第1の中継装置50に故障が生じて動作を停止したとき、或いは、第1の中継装置50と第2の端末40との間の第2の通信線Bに断線が生じたときなど、第1の中継装置50から第2の通信線Bにフレームを送信できないときである。
【0086】
したがって、本変形例に係る異常判断部602は、第1の通信線A、及び第2の通信線Bの両方を介して動作報告部502から送信される動作情報Djのフレームf2を受信部601で受信できないときに、第1の中継装置50に異常が生じていると判断できる。
【0087】
より具体的には、異常判断部602は、第1の通信線Aを介して受信したことを示す通信線情報Tsが付加された動作情報Djのフレームf2を受信部601から取得すると共に、当該動作情報Djのフレームf2と同一であって、受信部601によって第2の通信線Bを介して受信したことを示す通信線情報Tsが付加された動作情報Djのフレームf2を受信部601から取得できないときに、第1の中継装置50に異常が生じていると判断できる。
【0088】
以上が、本変形例に係る異常判断部602が第1の中継装置50に異常が生じていることを判断する手法の説明である。
【0089】
尚、本変形例に係る異常判断部602は、第1の通信線Aを介して受信したことを示す通信線情報Tsが付加された動作情報Djのフレームf2と、当該動作情報Djのフレームf2と同一であって、第2の通信線Bを介して受信したことを示す通信線情報Tsが付加された動作情報Djのフレームf2との両方を受信部601から略同時に取得できないときに、第1の中継装置50に異常が生じていると判断してもよい。
【0090】
また、他の一変形例に係る動作報告部502は、予め定められた報告期間が経過する度に、動作情報Djのフレームf2を第1の通信線A、及び第2の通信線Bをそれぞれ介して第2の中継装置60に送信してもよい。この場合、異常判断部602は、第1の通信線Aを介して受信したことを示す通信線情報Tsが付加された動作情報Djのフレームf2と、当該動作情報Djのフレームf2と同一であって、第2の通信線Bを介して受信したことを示す通信線情報Tsが付加された動作情報Djのフレームf2との両方を受信部601から取得した後、前述の報告期間が経過するまでに、第1の通信線Aを介して受信したことを示す通信線情報Tsが付加された動作情報Djのフレームf2と、当該動作情報Djのフレームf2と同一であって、第2の通信線Bを介して受信したことを示す通信線情報Tsが付加された動作情報Djのフレームf2との少なくともいずれか一方を受信部601から取得できないときに、第1の中継装置50に異常が生じていると判断してもよい。
【0091】
本変形例に係る中継システム2によれば、第1の実施形態に係る中継システム1と同様に、2本の通信線を介して同一の情報を受信できないときに、第1の中継装置50の代わりに第2の中継装置60で代替中継するため、より簡単な構成で、データ通信を正常にできなくなることを防げるという効果を得られる。
【0092】
また、本変形例に係る中継システム2によれば、第1の実施形態に係る中継システム1と同様に、第2の中継装置60に中継するべき通信情報Tjのフレームf1を予め記憶させなくても、第1の中継装置50に異常が生じたときに、予め定められた特定情報Ttのフレームf1を第2の中継装置60で代替中継できるという効果を得られる。
【0093】
また、本変形例に係る中継システム2によれば、第1の中継装置50が動作していることを示す動作情報Djのフレームf2を第1の通信線A、及び第2の通信線Bを介してそれぞれ送信し、第2の中継装置60で第1の通信線A、及び第2の通信線Bの両方を介して同一の動作情報Djのフレームf2を受信できないときに、第1の中継装置50に異常が生じていると判断することができるという効果を得られる。
【0094】
また、本変形例に係る中継システム2において、上述で説明したように、動作報告部502から予め定められた報告期間が経過する度に動作情報Djのフレームf2を送信させれば、第2の中継装置30では第1の通信線A、及び第2の通信線Bの両方を介して同一の動作情報Djのフレームf2を1度受信してから、当該報告期間が経過するときまでに第1の中継装置50に異常が生じているか否かを判断することができ、異常が生じていると判断するまでの時間が増大することを防げるという効果をさらに得られる。
【0095】
(第2の実施形態)
図8は、本発明の第2の実施形態に係る中継システム3の概略構成を示すブロック図である。図8に示す中継システム3は、第1の実施形態に係る中継システム1と比較して、第1の端末10、及び第1の中継装置20に代えて、第1の端末70、及び第2の中継装置80をそれぞれ備える点が相違する。したがって、図8に示す第2の実施形態に係る中継システム3の構成の内、第1の実施形態に係る中継システム1と同一の構成については、同一の参照符号を付し、説明を省略する。
【0096】
第1の端末70は、第1の通信線Aに接続されており、中継システム3で中継する通信情報Tjのフレームf3を第1の通信線Aを介して接続されている第1の中継装置20、及び第2の中継装置80にそれぞれ送信する。このとき、第1の端末70から送信されるフレームf3の送信先は第2の端末40であるものとする。尚、第1の端末70が第1の通信線Aを介して通信情報Tjのフレームf3を送信する対象は、第1の中継装置20、及び第2の中継装置80に限られなくてもよい。
【0097】
また、第1の端末70は、中継システム3で中継する通信情報Tjのフレームf3に含まれるパケットデータP3の内、予め定められた種類の情報を示すパケットデータP3を含む通信情報Tjのフレームf3を特定情報Ttのフレームf3として示す中継情報Cjのフレームf4も、第1の通信線Aを介して接続される第1の中継装置20、及び第2の中継装置80にそれぞれ送信する。尚、第1の端末70が、第1の通信線Aを介して中継情報Cjのフレームf4を送信する対象は、第1の中継装置20、及び第2の中継装置80に限られなくてもよい。
【0098】
上述から明らかなように、本実施形態では、第1の端末70から送信される通信情報Tjの内、中継情報Cjによって示される通信情報Tjが第1の端末70から送信される特定情報Ttとなる。
【0099】
図9Aは、本実施形態に係る第1の端末70によって第1の通信線Aを介して送信される通信情報Tjのフレームf3の一例を示す図である。また、図9Bは、本実施形態に係る第1の端末70によって第1の通信線Aを介して送信される中継情報Cjのフレームf4の一例を示す図である。図9A、及び図9Bに示すように本実施形態に係る第1の端末70は、一例として、複数のパケットからなるフレームを通信情報Tj、或いは中継情報Cjとして送信する。
【0100】
図9Aから明らかなように、本実施形態における通信情報Tjのフレームf3は、第1の実施形態で説明した通信情報Tjのフレームf1と比較して、中継情報パケットP2を含まない点で相違する。図9Aに示す送信先パケットP1、及びデータパケットP3は、第1の実施形態で説明したパケットと同一のパケットであるため、説明を省略する。
【0101】
一方、図9Bに示すように本実施形態における中継情報Cjのフレームf4は、少なくとも、第1の端末70から送信される通信情報Tjのフレームf3に含まれるデータパケットP3の内、予め定められた種類の情報を示すデータパケットP3を含む通信情報Tjのフレームf3を特定情報Ttのフレームf3として示す中継情報パケットP5を含む。
【0102】
尚、図9Bには中継情報パケットP5のみを含む中継情報Cjのフレームf4を示しているが、他の一実施形態における中継情報Cjのフレームf4は、任意の端末、或いは中継装置に中継情報Cjを送信するために第1の実施形態で説明した送信先パケットP1を含んでいてもよい。また、他の一実施形態における中継情報Cjのフレームf4は、中継情報パケットP5を含んでいれば、他にどのような情報をパケットとして含んでいてもよい。
【0103】
第1の中継装置20は、第1の実施形態と同様に、フレームf3を中継する。
【0104】
図10は、本実施形態に係る第2の中継装置80のより詳細な構成を示すブロック図である。本実施形態に係る第2の中継装置80は、受信部801、異常判断部802、中継部803、及び記憶部804を含む。
【0105】
受信部801は、典型的には、通信線を介して送信される情報を受信するインターフェース回路であって、第1の実施形態に係る受信部301と同様に、第1の通信線Aを介して第1の端末70から上述で説明したフレームf3が送信されたとき、送信されたフレームf3を受信する。また、受信部801は、第1の中継装置20によってフレームf3が中継されたとき、中継されたフレームf3を第2の通信線Bを介して受信する。さらに、本実施形態に係る受信部801は、第1の端末70から第1の通信線Aを介して前述の中継情報Cjのフレームf4が送信されたとき、送信された中継情報Cjのフレームf4を受信する。
【0106】
受信部801は、第1の通信線A、及び第2の通信線Bを介してそれぞれフレームf3を受信したとき、受信したフレームf3に第1の実施形態で説明した通信線情報Tsを付加して、異常判断部802へ転送する。さらに、本実施形態に係る受信部801は、第1の通信線Aを介してフレームf4を受信したとき、受信したフレームf4に含まれる中継情報パケットP5によって示されるデータパケットP3によって示される情報の種類を記憶部804に転送して、予め記憶させる。
【0107】
異常判断部802は、典型的には、主にCPUなどの集積回路などで構成される演算回路であって、受信部801からフレームf3が転送されたとき、転送されたフレームf3を取得する。本実施形態に係る異常判断部802は、取得したフレームf3に基づき、第1の実施形態に係る異常判断部302と同様の手法で第1の中継装置20に異常が生じているか否かを判断する。
【0108】
すなわち、本実施形態に係る異常判断部802は、受信部801で第1の通信線Aを介してフレームf3を第1の端末70から受信したときに、第1の通信線Aを介して受信したフレームf3と同一のフレームf3を第2の通信線Bを介して受信したか否かを判断する。そして、本実施形態に係る異常判断部802は、受信部801で第1の通信線Aを介して第1の端末70からフレームf3を受信すると共に、当該フレームf3と同一のフレームf3を受信部801で第2の通信線Bを介して受信できないときに、第1の中継装置20に異常が生じていると判断できる。
【0109】
異常判断部802は、第1の中継装置20に異常が生じていると判断した後、受信部801からフレームf3を転送されたとき、図示しない記憶部804に予め記憶されている情報の種類を参照する。異常判断部802は、受信部801から転送されたフレームf1に含まれるデータパケットP3によって示される情報の種類と一致する情報の種類が記憶部804に記憶されているとき、当該フレームf3を特定情報Ttのフレームf3として中継部803へ転送する。
【0110】
中継部803は、典型的には、転送された情報を通信線を介して送信するインターフェース回路であって、異常判断部802によって第1の中継装置20に異常が生じていると判断された後に特定情報Ttのフレームf3が転送されたとき、転送された特定情報Ttのフレームf3を取得する。転送された特定情報Ttのフレームf3を取得すると、中継部803は、取得したフレームf3に付加されている通信線情報Tsを除去した後、第2の通信線Bを介して当該フレームf3に含まれる送信先パケットP1によって示される送信先へ当該フレームf3を送信して中継する。
【0111】
記憶部804は、典型的には、RAM(Random Access Memory)などの記憶素子であって、受信部801によって第1の通信線Aを介して中継情報Cjのフレームf4が受信されたときに、当該フレームf4に含まれる中継情報パケットP5によって示されるデータパケットP3の情報の種類を受信部801から転送され、転送された情報の種類を予め記憶する。
【0112】
以上が、本実施形態に係る第2の中継装置30のより詳細な構成の説明である。次に、第1の端末70が中継情報Cjのフレームf4を送信するタイミングについて説明する。
【0113】
本実施形態に係る第1の端末70が中継情報Cjのフレームf4を送信するタイミングは、異常判断部802が第1の中継装置20に異常が生じていると判断した後に受信部801から転送されるフレームf3の内、当該フレームf3に含まれるデータパケットP3によって示される情報の種類と一致する情報の種類が記憶部804に記憶されているか否かを判断できるように、中継情報Cjのフレームf4を受信部801で受信して、受信したフレームf4に含まれる中継情報パケットP5によって示される情報の種類を予め記憶部804に転送して記憶させられるのであれば、どのようなタイミングであってもよい。
【0114】
例えば、本実施形態に係る第1の端末70は、データパケットP3によって示される情報の種類を1つだけ示す中継情報Cjのフレームf4を送信するときは、中継情報パケットP5によって示される種類の情報を示すデータパケットP3を含む通信情報Tjのフレームf3(特定情報Ttのフレームf3)を送信する直前に送信してもよい。
【0115】
また、他の一実施形態において、第1の端末70が、データパケットP3によって示される情報の種類を複数示す中継情報パケットP5を含む中継情報Cjのフレームf4を送信するときは、予め定められた送信期間が経過する度に中継情報Cjのフレームf4を繰り返し送信するようにしてもよい。
【0116】
また、受信部801が、中継情報Cjのフレームf4を受信して当該フレームf4に含まれる中継情報によって示される情報の種類を記憶部804に転送して記憶させた後、再び、中継情報Cjのフレームf4を受信したとき、受信部801は、再び受信した中継情報Cjのフレームf4に含まれる中継情報によって示される情報の種類を記憶部804に転送して、既に記憶部804に記憶されている情報の種類を上書きして更新してもよいし、上書きせずにさらに記憶させて追加してもよい。
【0117】
本実施形態に係る中継システム3によれば、第1の実施形態に係る中継システム1と同様に、2本の通信線を介して同一の情報を受信できないときに、第1の中継装置20の代わりに第2の中継装置80で代替中継するため、より簡単な構成で、データ通信を正常にできなくなることを防げるという効果を得られる。
【0118】
また、本実施形態に係る中継システム3によれば、第1の実施形態に係る中継システム1と同様に、第2の中継装置80に中継するべき通信情報Tjのフレームf3を予め記憶させなくても、第1の中継装置20に異常が生じたときに、予め定められた特定情報Ttのフレームf1を第2の中継装置30で代替中継できるという効果を得られる。
【0119】
また、本実施形態に係る中継システム3によれば、第1の実施形態に係る中継システム1と同様に、第1の中継装置20から当該第1の中継装置20が動作していることを示す情報を生成するための構成を新たに第1の中継装置20に追加することなく、第2の中継装置80で第1の中継装置20に異常が生じていることを判断できるという効果を得られる。
【0120】
また、本実施形態に係る中継システム3によれば、第1の実施形態に係る中継システム1と同様に、第1の中継装置20から当該第1の中継装置20が動作していることを示す情報を生成するための構成を新たに第1の中継装置20に追加することなく、第2の中継装置80で第1の中継装置20に異常が生じていることを判断できるという効果を得られる。
【0121】
また、本実施形態に係る中継システム3において、第1の実施形態で説明したように、許容期間以内に、第1の通信線Aを介して受信した通信情報Tj、又は特定情報Ttのフレームf3と同一のフレームf3が受信部801から転送されないときに第1の中継装置20に異常が生じていると判断するようにすれば、第1の中継装置20によって中継されたフレームf3が第2の中継装置30によって受信されるまでの遅延時間が、通信量の一時的な増大などの原因で増加することを考慮して異常判断部802で第1の中継装置20に異常が生じているか否かを判断することができるという効果をさらに得ることができる。
【0122】
(第2の実施形態の変形例)
図11は、本発明の第2の実施形態の変形例に係る中継システム4の概略構成を示すブロック図である。図11に示す中継システム4は、第2の実施形態に係る中継システム3と比較して、第1の中継装置20、及び第2の中継装置80に代えて、それぞれ第1の中継装置90、及び第2の中継装置100を備える点が相違する。したがって、図11に示す第2の実施形態の変形例に係る中継システム4の構成の内、第2の実施形態に係る中継システム3と同一の構成については、同一の参照符号を付し、説明を省略する。
【0123】
図12は、第1の中継装置90のより詳細な構成を示すブロック図である。本変形例に係る第1の中継装置90は、中継部901と、動作報告部502とを含む。中継部901は、第1の通信線A、及び第2の通信線Bにそれぞれ接続されており、第1の端末70から第1の通信線Aを介して通信情報Tjのフレームf3が送信されたとき、送信された通信情報Tjのフレームf3を受信する。フレームf3を受信すると中継部901は、当該フレームf3に含まれる送信先パケットP1によって示される送信先を参照して、当該フレームf3の送信先に第2の通信線Bを介して当該フレームf3を送信して中継する。動作報告部502については、第1の実施形態の変形例において説明したため、説明を省略する。
【0124】
図13は、本変形例に係る第2の中継装置100のより詳細な構成を示すブロック図である。本変形例に係る第2の中継装置100は、受信部1001と、異常判定部1002と、中継部1003と、記憶部1004とを含む。
【0125】
受信部1001は、典型的には、通信線を介して送信される情報を受信するインターフェース回路であって、第2の実施形態に係る受信部801と同様に、第1の通信線Aを介して第1の端末70から上述で説明したフレームf3が送信されたとき、送信されたフレームf3を受信する。また、受信部1001は、第1の中継装置90によってフレームf3が中継されたとき、中継されたフレームf3を第2の通信線Bを介して受信する。また、本変形例に係る受信部1001は第1の通信線Aを介して第1の端末70から中継情報Cjのフレームf4を受信したとき、受信したフレームf4に含まれる中継情報パケットP5によって示されるデータパケットP3によって示される情報の種類を記憶部1004に転送する。また、受信部1001は、第1の中継装置90の動作報告部502から第1の通信線A、及び第2の通信線Bを介してそれぞれ動作情報Djのフレームf2が送信されたとき、送信された動作報告Djのフレームf2を受信する。
【0126】
受信部601は、第1の通信線A、又は第2の通信線Bを介してフレームf2、又はフレームf3を受信したとき、受信したフレームf2、又はフレームf3に第1の実施形態で説明した通信線情報Tsを付加して、異常判断部1002へ転送する。
【0127】
異常判断部1002は、典型的には、主にCPUなどの集積回路などで構成される演算回路であって、受信部1001からフレームf2、又はフレームf3が転送されたとき、転送されたフレームf2、又はフレームf3を取得する。本変形例に係る異常判断部1002は、取得したフレームf2に基づき、第1の実施形態の変形例に係る異常判断部602と同様の異常判断の手法で第1の中継装置90に異常が生じているか否かを判断する。異常判断部1002は、第1の中継装置90に異常が生じていると判断した後、受信部1001からフレームf3を転送されたとき、図示しない記憶部1004に予め記憶されている情報の種類を参照する。異常判断部1002は、受信部1001から転送されたフレームf3に含まれるデータパケットP3によって示される情報の種類と一致する情報の種類が記憶部1004に記憶されているとき、当該フレームf3を特定情報Ttのフレームf3として中継部1003へ転送する。
【0128】
中継部1003は、典型的には、転送された情報を通信線を介して送信するインターフェース回路であって、異常判断部1002によって第1の中継装置90に異常が生じていると判断された後に特定情報Ttのフレームf3が転送されたとき、転送された特定情報Ttのフレームf3を取得する。転送された特定情報Ttのフレームf3を取得すると、中継部1003は、取得したフレームf3に付加されている通信線情報Tsを除去した後、第2の通信線Bを介して当該フレームf3に含まれる送信先パケットP1によって示される送信先へ当該フレームf3を送信して中継する。
【0129】
記憶部1004は、典型的には、RAM(Random Access Memory)などの記憶素子であって、受信部1001によって第1の通信線Aを介して中継情報Cjのフレームf4が受信されたときに、当該フレームf4に含まれる中継情報パケットP5によって示されるデータパケットP3の情報の種類を受信部1001から転送され、転送された情報の種類を予め記憶する。
【0130】
以上が、本変形例に係る第2の中継装置100のより詳細な構成の説明である。尚、本変形例に係る第1の端末70が中継情報Cjのフレームf4を送信するタイミングは、第2の実施形態で説明したタイミングと同様であってよい。
【0131】
本変形例に係る中継システム4によれば、第2の実施形態に係る中継システム3と同様に、2本の通信線を介して同一の情報を受信できないときに、第1の中継装置90の代わりに第2の中継装置100で代替中継するため、より簡単な構成で、データ通信を正常にできなくなることを防げるという効果を得られる。
【0132】
また、本変形例に係る中継システム4によれば、第2の実施形態に係る中継システム3と同様に、第2の中継装置100に中継するべき通信情報Tjのフレームf1を予め記憶させなくても、第1の中継装置90に異常が生じたときに、予め定められた特定情報Ttのフレームf1を第2の中継装置100で代替中継できるという効果を得られる。
【0133】
また、本変形例に係る中継システム4によれば、第1の実施形態の変形例に係る中継システム2と同様に、第1の中継装置90が動作していることを示す動作情報Djのフレームf2を第1の通信線A、及び第2の通信線Bを介してそれぞれ送信し、第2の中継装置100で第1の通信線A、及び第2の通信線Bの両方を介して同一の動作情報Djのフレームf2を受信できないときに、第1の中継装置90に異常が生じていると判断することができるという効果を得られる。
【0134】
また、本変形例に係る中継システム4において、第1の実施形態の変形例で説明したように、動作報告部502から予め定められた報告期間が経過する度に動作情報Djのフレームf2を送信させるようにすれば、第2の中継装置100は第1の通信線A、及び第2の通信線Bの両方を介して同一の動作情報Djのフレームf2を1度受信してから、当該報告期間が経過するときまでに第1の中継装置90に異常が生じているか否かを判断することができ、異常が生じていると判断するまでの時間が増大することを防げるという効果をさらに得ることができる。
【0135】
(第3の実施形態)
図14は、本発明の第3の実施形態に係る中継システム5の概略構成を示すブロック図である。本実施形態に係る中継システム5は、第1の端末110と、第1の中継装置120と、第2の中継装置130と、第2の端末40とを備える。
【0136】
第1の端末110は、第1の通信線Aに接続されており、中継システム5で中継する通信情報Tjのフレームf3を第1の通信線Aを介して接続されている第1の中継装置120、及び第2の中継装置130にそれぞれ送信する。このとき、第1の端末110から送信されるフレームf3の送信先は第2の端末40であるものとする。尚、本実施形態に係る第1の端末110によって送信される通信情報Tjのフレームf3は、第2の実施形態で説明した通信情報Tjのフレームf3と同一のフレームである。尚、第1の端末110が第1の通信線Aを介して通信情報Tjのフレームf1を送信する対象は、第1の中継装置120、及び第2の中継装置130に限られなくてもよい。
【0137】
第1の中継装置120は、第1の通信線A、及び第2の通信線Bにそれぞれ接続されており、第1の端末110から第1の通信線Aを介して通信情報Tjのフレームf3が送信されたとき、送信された通信情報Tjのフレームf3を受信する。フレームf3を受信すると第1の中継装置120は、当該フレームf3に含まれる送信先パケットP1によって示される送信先を参照して、当該フレームf3の送信先に第2の通信線Bを介して送信して中継する。
【0138】
第2の中継装置130は、第1の通信線A、及び第2の通信線Bにそれぞれ接続されており、第1の端末110から第1の通信線Aを介して通信情報Tjのフレームf3が送信されたとき、送信された通信情報Tjのフレームf3を受信する。第2の中継装置130は、後述するように、第1の中継装置120に異常が生じていると判断したとき、第1の通信線Aを介して第1の端末110から受信した通常情報Tjのフレームf3の内、後述する特定情報Ttのフレームf3を当該フレームf3に含まれる送信先パケットP1によって示される送信先を参照して、当該フレームf3の送信先に第2の通信線Bを介して送信して中継する。
【0139】
第2の端末40は、第1の実施形態と同様に、第2の通信線Bに接続されており、第1の中継装置120によって当該第2の端末40を送信先とする通信情報Tjのフレームf3が第2の通信線Bを介して送信されたとき、送信された通信情報のフレームf3を受信する。また、第2の端末40は、第2の中継装置130によって第1の中継装置120に異常が生じていると判断されたときに中継された特定情報Ttのフレームf3も受信する。
【0140】
図15は、本実施形態に係る第2の中継装置130のより詳細な構成を示すブロック図である。本実施形態に係る第2の中継装置130は、受信部1301、異常判断部1302、中継部1303、及び記憶部1304を含む。
【0141】
受信部1301は、典型的には、通信線を介して送信される情報を受信するインターフェース回路であって、第1の通信線Aを介して第1の端末110から上述で説明したフレームf3が送信されたとき、送信されたフレームf3を受信する。また、受信部1301は、第1の中継装置120によってフレームf3が中継されたとき、中継されたフレームf3を第2の通信線Bを介して受信する。受信部1301は、第1の通信線A、及び第2の通信線Bを介してそれぞれフレームf3を受信したとき、受信したフレームf3に第1の実施形態で説明した通信線情報Tsを付加して、異常判断部1302へ転送する。
【0142】
異常判断部1302は、典型的には、主にCPUなどの集積回路などで構成される演算回路であって、受信部1301からフレームf3が転送されたとき、転送されたフレームf3を取得する。本実施形態に係る異常判断部1302は、取得したフレームf3に基づき、第1の実施形態に係る異常判断部302と同様の手法で第1の中継装置120に異常が生じているか否かを判断する。
【0143】
すなわち、本実施形態に係る異常判断部1302は、受信部1301で第1の通信線Aを介してフレームf3を第1の端末110から受信したときに、第1の通信線Aを介して受信したフレームf3と同一のフレームf3を第2の通信線Bを介して受信したか否かを判断する。そして、本実施形態に係る異常判断部1302は、受信部1301で第1の通信線Aを介して第1の端末110からフレームf3を受信すると共に、当該フレームf3と同一のフレームf3を受信部1301で第2の通信線Bを介して受信できないときに、第1の中継装置120に異常が生じていると判断できる。
【0144】
異常判断部1302は、第1の中継装置120に異常が生じていると判断した後、受信部1301からフレームf3を転送されたとき、後述で説明するように図示しない記憶部1304に予め記憶されている情報の種類を参照する。異常判断部1302は、受信部1301から転送されたフレームf3に含まれるデータパケットP3によって示される情報の種類と一致する情報の種類が記憶部1304に記憶されているとき、当該フレームf3を特定情報Ttのフレームf3として中継部1303へ転送する。
【0145】
中継部1303は、典型的には、転送された情報を通信線を介して送信するインターフェース回路であって、異常判断部1302によって第1の中継装置120に異常が生じていると判断された後に特定情報Ttのフレームf3が転送されたとき、転送された特定情報Ttのフレームf3を取得する。転送された特定情報Ttのフレームf3を取得すると、中継部1303は、取得したフレームf3に付加されている通信線情報Tsを除去した後、第2の通信線Bを介して当該フレームf3に含まれる送信先パケットP1によって示される送信先へ当該フレームf3を送信して中継する。
【0146】
記憶部1304は、典型的には、RAM(Random Access Memory)、或いはROM(Read Only Memory)などの記憶素子であって、第1の端末110によって送信される通信情報Tjのフレームf3の内、第2の中継装置130で特定情報Ttとして送信するフレームf3に含まれるデータパケットP3によって示される情報の種類を予め記憶している。
【0147】
つまり、本実施形態に係る中継システム5では、第1の端末110から送信される通信情報Tjのフレームf3の内、記憶部1304に予め記憶されている種類の情報を示すデータパケットP3を含むフレームf3が、特定情報Ttのフレームf3となる。
【0148】
以上が、本実施形態に係る中継システム5の説明である。
【0149】
尚、本実施形態に係る異常判断部1302は、第1の通信線Aを介して受信したことを示す通信線情報Tsが付加された通信情報Tj、又は特定情報Ttのフレームf3が受信部1301から転送されるのと略同時に、当該通信情報Tj、又は当該特定情報Ttのフレームf3と同一であって、第2の通信線Bを介して受信したことを示す通信線情報Tsが付加された通信情報Tj、又は特定情報Ttのフレームf3が受信部1301から転送されないときに、第1の中継装置120に異常が生じていると判断してもよい。
【0150】
また、他の一実施形態に係る異常判断部1302は、第1の通信線Aを介して受信したことを示す通信線情報Tsが付加された通信情報Tj、又は特定情報Ttのフレームf3を受信部1301から転送されてから、予め定められた許容期間以内に、当該通信情報Tj、又は当該特定情報Ttのフレームf3と同一であって、第2の通信線Bを介して受信したことを示す通信線情報Tsが付加された通信情報Tj、又は特定情報Ttのフレームf3を受信部1301から転送されないときに、第1の中継装置120に異常が生じていると判断してもよい。
【0151】
本実施形態に係る中継システム5によれば、第1の実施形態に係る中継システム1と同様に、2本の通信線を介して同一の情報を受信できないときに、第1の中継装置120の代わりに第2の中継装置130で代替中継するため、より簡単な構成で、データ通信を正常にできなくなることを防げるという効果を得られる。
【0152】
また、本実施形態に係る中継システム5によれば、第1の実施形態に係る中継システム1と同様に、第1の中継装置120から当該第1の中継装置120が動作していることを示す情報を生成するための構成を新たに第1の中継装置120に追加することなく、第2の中継装置130で第1の中継装置120に異常が生じていることを判断できるという効果を得られる。
【0153】
また、本実施形態に係る中継システム5によれば、第2の中継装置130で特定情報Ttとして送信するフレームf3に含まれるデータパケットP3によって示される情報の種類を記憶部1304に予め記憶させるため、第1の端末110から中継情報を含むフレームを送信させることなく、第1の中継装置120に異常が生じていると判断したときに、特定情報Ttのフレームf3を中継できるという効果を得られる。
【0154】
また、本実施形態に係る中継システム5において、第1の実施形態で説明したように、許容期間以内に、第1の通信線Aを介して受信した通信情報Tj、又は特定情報Ttのフレームf3と同一のフレームf3が受信部1301から転送されないときに第1の中継装置120に異常が生じていると判断するようにすれば、第1の中継装置120によって中継されたフレームf3が第2の中継装置130によって受信されるまでの遅延時間が、通信量の一時的な増大などの原因で増加することを考慮して異常判断部1302で第1の中継装置120に異常が生じているか否かを判断することができるという効果をさらに得ることができる。
【0155】
以上が、第1の実施形態乃至第3の実施形態、すなわち、本発明に係る中継システムの説明である。
【0156】
次に、本発明における特定情報Ttについて説明する。本発明に係る中継システムは、一例として、自車両に搭載されてもよい。そして、本発明に係る中継システムを自車両に搭載する場合には、上述で説明した第1の端末(10、70、110)、及び第2の端末40のそれぞれを自車両に搭載されるスマートエントリーシステム、衝突予防システム(プリクラッシュセーフティシステム)、車線維持システム、車間距離維持システム、及びVSC(Vehicle Stability Control)システムなどをそれぞれ構成するECU(Electronic Control Unit)などに適用できる。そして、車両に搭載されるこれらのシステムを構成するそれぞれのECUは、互いのシステムが機能するために、例えば、自車両に搭載されているレーダーで測定した対象物(例えば、他車両、歩行者、及び路上障害物など)との相対距離、及び相対速度や、エンジンの回転数、及び車両のヨーレート(車両の重心を鉛直方向に通る軸廻りの回転角速度)などの情報を互いに送受信している。
【0157】
これらの情報の中で、例えば、自車両のヨーレートなどは、車両の挙動が不安定になりスピンしたりするのを防ぐための上述したVSCシステムなどで、自車両の車輪の回転トルクなどを制御するために利用される。また、例えば、レーダーで測定した対象物との相対距離、及び相対速度などは、自車両と対象物とが衝突する可能性を予測する上述した衝突予防システムなどで、対象物の進行方向を示すベクトルを予測したり、対象物と衝突するまでの予測時間を算出したりするためなどに利用される。
【0158】
ここで、例えば、上述したVSCシステムで車両のヨーレートの情報を得られなくなると、車両の挙動が不安定になりスピンすることを予防できなくなる。また、上述した衝突予防システムなどで、レーダーで測定した対象物との相対距離、及び相対速度などの情報を得られなくなると、対長物と衝突するまでの予測時間の算出などができなくなり、対象物と車両との衝突を予防できなくなる。
【0159】
つまり、車両に搭載されるECUが互いに送受信する情報には、VSCシステムに用いられるヨーレート、衝突予防システムなどで用いられる対象物との相対距離、及び相対速度など、車両(自車両、及び他車両)の搭乗者、及び歩行者などの安全を確保するために重要な情報が含まれる。したがって、本発明に係る中継システムにおいて上述で説明した特定情報Ttとして、このような重要な情報を予め定めておくことにより、ある中継装置(本発明における第1の中継装置)が故障したとしても、代わりの中継装置(本発明における第2の中継装置)で代替中継できるため、重要な情報の通信が遮断されることなく、上述した車両の搭乗者や歩行者などの安全性を維持することができる。
【0160】
より具体的には、第1の実施形態に係る中継システム1において、第1の端末10は、上述したヨーレート、対象物との相対距離、及び相対速度などの重要な情報を示すデータパケットP3を含むフレームf1に、中継を指示する中継情報(指示有)を示す中継情報パケットP2を含ませて、特定情報Ttのフレームf1として送信するとよい。第1の実施形態の変形例に係る第1の端末10についても同様である。また、第2の実施形態に係る中継システム3では、第1の端末70は、情報の種類として、上述したヨーレート、対象物との相対距離、及び相対速度などを示すパケットデータP3を含む通信情報Tjのフレームf3を特定情報Ttのフレームf3として示す中継情報Cjのフレームf4を送信するとよい。第2の実施形態の変形例に係る第1の端末70についても同様である。また、第3の実施形態に係る中継システム5では、第2の中継装置130の記憶部1304に、情報の種類として、上述したヨーレート、対象物との相対距離、及び相対速度などを予め記憶させておくとよい。
【0161】
また、本発明に係る中継システムで中継する情報の通信プロトコルの一例として、CAN(Controller Area Network)プロトコルが挙げられる。本発明に係る中継システムでCANプロトコルに従って送受信される情報を中継する場合には、本発明で説明したフレームの送信先、或いは情報の種別などが、CANプロトコルにおける通信ノードの識別子として知られるCAN−IDに相当する。
【0162】
また、本発明に係る中継システムを自車両に搭載する場合は、自車両のイグニッションスイッチがオンにされたとき、或いは自車両の車載ネットワークにおいて予め定められた開始タイミングが到来したときなどに、本発明に係る中継システムが動作を開始するものとする。そして、本発明に係る中継システムは、動作を開始すると、異常判断部(302、602、802、1002、1302)は、上述したそれぞれの手法で第1の中継装置(20,50,90,120)に異常が生じているか否かを逐次判断し、異常が生じていると判断したときに上述したそれぞれの手法で特定情報Ttの代替中継を開始するものとする。
【0163】
また、本発明に係る中継システムにおける異常判断部(302、602、802、1002、1302)は、記憶装置(ROM、RAM、ハードディスクなど)に格納された上述した処理を実施可能な所定のプログラムデータが、LSI、CPU或いはマイクロコンピュータなどによって解釈実行されることで実現されてもよい。CPUとは、自動車などの移動体に搭載されるECU(Electric Control Unit)を構成するCPUなどであってもよい。また、この場合、プログラムデータは、記憶媒体を介して記憶装置内に導入されてもよいし、記憶媒体上から直接実行されてもよい。尚、記憶媒体とは、ROMやRAMやフラッシュメモリなどの半導体メモリ、フレキシブルディスクやハードディスクなどの磁気ディスクメモリ、CD−ROMやDVDやBDなどの光ディスクメモリ、及びメモリカードなどであってもよい。
【0164】
また、上述した全ての実施形態は、それぞれをどのように組み合わせてもよいことは言うまでもない。
【0165】
以上、本発明を詳細に説明してきたが、上述の説明はあらゆる点において本発明の一例にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0166】
本発明に係る中継システムは、より簡単な構成で、データ通信を正常にできなくなることを防ぐことができ、例えば、車両に搭載される中継システムなどに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0167】
【図1】第1の実施形態に係る中継システムの概略構成を示すブロック図
【図2A】第1の実施形態における通信情報のフレームを示す図
【図2B】第1の実施形態における特定情報のフレームを示す図
【図3】第1の実施形態に係る第2の中継装置のより詳細な構成を示すブロック図
【図4】第1の実施形態の変形例に係る中継システムの概略構成を示すブロック図
【図5】第1の実施形態の変形例に係る第1の中継装置のより詳細な構成を示すブロック図
【図6】第1の実施形態の変形例における動作情報のフレームを示す図
【図7】第1の実施形態の変形例に係る第2の中継装置のより詳細な構成を示すブロック図
【図8】第2の実施形態に係る中継システムの概略構成を示すブロック図
【図9A】第2の実施形態における通信情報のフレームを示す図
【図9B】第2の実施形態における中継情報のフレームを示す図
【図10】第2の実施形態に係る第2の中継装置のより詳細な構成を示すブロック図
【図11】第2の実施形態の変形例に係る中継システムの概略構成を示すブロック図
【図12】第2の実施形態の変形例に係る第1の中継装置のより詳細な構成を示すブロック図
【図13】第2の実施形態の変形例に係る第2の中継装置のより詳細な構成を示すブロック図
【図14】第3の実施形態に係る中継システムの概略構成を示すブロック図
【図15】第3の実施形態に係る第2の中継装置のより詳細な構成を示すブロック図
【符号の説明】
【0168】
1,2,3,4,5 中継システム
10,70,110 第1の端末
20,50,90,120 第1の中継装置
30,60,80,100,130 第2の中継装置
40 第2の端末
301,601,801,1001,1301 受信部
302,602,802,1002,1302 異常判断部
303,501,603,803,901,1003,1303 中継部
804,1004,1304 記憶部
502 動作報告部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の通信線に流れる通信情報を第2の通信線に中継する中継システムであって、
前記通信情報、及び当該通信情報の1つとして予め定められた特定情報をそれぞれ前記第1の通信線を介して送信する端末と、
前記通信情報、及び前記特定情報を前記第1の通信線から前記第2の通信線に中継する第1の中継装置と、
予め定められた互いに同じ同一情報を前記第1の通信線、及び前記第2の通信線を介してそれぞれ受信できないとき、前記特定情報を前記第1の通信線から前記第2の通信線に中継する第2の中継装置とを備える、中継システム。
【請求項2】
前記端末は、中継を指示するか否かを示す中継情報を含む前記通信情報を前記第1の通信線を介して送信し、
前記第2の中継装置は、前記端末から送信された前記通信情報の内、中継の指示を示す前記中継情報を含む前記通信情報を前記特定情報として中継する、請求項1に記載の中継システム。
【請求項3】
前記端末は、中継する前記通信情報を示す中継情報を前記第1の通信線を介して送信し、
前記第2の中継装置は、前記端末から送信された前記通信情報の内、当該端末によって送信された前記中継情報によって示される前記通信情報を前記特定情報として中継する、請求項1に記載の中継装置。
【請求項4】
前記第2の中継装置は、
前記同一情報を前記第1の通信線、及び前記第2の通信線を介してそれぞれ受信する受信手段と、
前記受信手段によって前記第1の通信線、及び前記第2の通信線の両方を介して前記同一情報をそれぞれ受信できないとき、前記第1の中継装置に異常が生じていると判断する異常判断手段と、
前記異常判断手段によって前記第1の中継装置に異常が生じていると判断されたとき、前記端末によって送信された前記通信情報の内、前記中継情報を含む前記通信情報を前記特定情報として中継する中継手段とを含む、請求項2に記載の中継システム。
【請求項5】
前記異常判断手段は、前記受信手段によって前記第1の通信線、及び前記第2の通信線の両方を介して同一の前記通信情報を前記同一情報としてそれぞれ受信できないとき、前記第1の中継装置に異常が生じていると判断する、請求項4に記載の中継システム。
【請求項6】
前記異常判断手段は、前記受信手段によって、前記第1の通信線を介して前記端末から送信された前記通信情報が受信され、且つ当該通信情報を受信した後、予め定められた許容期間以内に、前記第2の通信線を介して前記第1の中継装置から中継された当該通信情報を受信できないとき、当該第1の中継装置に異常が生じていると判断する、請求項5に記載の中継システム。
【請求項7】
前記第1の中継装置は、当該第1の中継装置が動作していることを示す動作情報を前記第1の通信線、及び前記第2の通信線をそれぞれ介して送信し、
前記異常判断手段は、前記受信手段によって前記第1の通信線、及び前記第2の通信線の両方を介して前記同一情報として前記動作情報がそれぞれ受信されないとき、前記第1の中継装置に異常が生じていると判断する、請求項4に記載の中継システム。
【請求項8】
前記第1の中継装置は、予め定められた報告期間が経過する度に前記動作情報を前記第1の通信線、及び前記第2の通信線をそれぞれ介して送信し、
前記異常判断手段は、前記第1の中継装置によって前記第1の通信線、及び前記第2の通信線をそれぞれ介して前記動作情報が受信されてから、前記報告期間以内に、前記第1の通信線、及び前記第2の通信線をそれぞれ介して当該動作情報が再び受信されないとき、当該第1の中継装置に異常が生じていると判断する、請求項7に記載の中継装置。
【請求項9】
前記第2の中継装置は、
前記端末によって送信された前記中継情報を記憶する記憶手段と、
前記同一情報を前記第1の通信線、及び前記第2の通信線を介してそれぞれ受信する受信手段と、
前記受信手段によって前記第1の通信線、及び前記第2の通信線の両方を介して前記同一情報をそれぞれ受信できないとき、前記第1の中継装置に異常が生じていると判断する異常判断手段と、
前記異常判断手段によって前記第1の中継装置に異常が生じていると判断されたとき、前記端末によって送信された前記通信情報の内、前記記憶手段に記憶されている前記中継情報によって示される前記通信情報を前記特定情報として中継する中継手段とを含む、請求項3に記載の中継システム。
【請求項10】
前記異常判断手段は、前記受信手段によって前記第1の通信線、及び前記第2の通信線の両方を介して前記通信情報を前記同一情報としてそれぞれ受信できないとき、前記第1の中継装置に異常が生じていると判断する、請求項9に記載の中継システム。
【請求項11】
前記異常判断手段は、前記受信手段によって、前記第1の通信線を介して前記端末から送信された前記通信情報が受信され、且つ当該通信情報を受信した後、予め定められた許容期間以内に、前記第2の通信線を介して第1の中継装置から中継された当該通信情報を受信できないとき、当該第1の中継装置に異常が生じていると判断する、請求項10に記載の中継システム。
【請求項12】
前記第1の中継装置は、当該第1の中継装置が動作していることを示す動作情報を前記第1の通信線、及び前記第2の通信線をそれぞれ介して送信し、
前記異常判断手段は、前記受信手段によって前記第1の通信線、及び前記第2の通信線の両方を介して前記同一情報として前記動作情報がそれぞれ受信されないとき、前記第1の中継装置に異常が生じていると判断する、請求項9に記載の中継システム。
【請求項13】
前記第1の中継装置は、予め定められた報告期間が経過する度に前記第1の通信線、及び前記第2の通信線をそれぞれ介して前記動作情報を送信し、
前記異常判断手段は、前記第1の中継装置によって、前記第1の通信線、及び前記第2の通信線をそれぞれ介して前記動作情報が受信されてから、前記報告期間以内に、前記第1の通信線、及び前記第2の通信線の両方を介して当該動作情報が再び受信されないとき、当該第1の中継装置に異常が生じていると判断する、請求項12に記載の中継システム。
【請求項14】
前記第2の中継装置は、
前記特定情報として中継する前記通信情報を示す中継情報を予め記憶する記憶手段と、
前記同一情報を前記第1の通信線、及び前記第2の通信線を介してそれぞれ受信する受信手段と、
前記受信手段によって前記第1の通信線、及び前記第2の通信線の両方を介して前記同一情報をそれぞれ受信できないとき、前記第1の中継装置に異常が生じていると判断する異常判断手段と、
前記異常判断手段によって前記第1の中継装置に異常が生じていると判断されたとき、前記端末によって送信された前記通信情報の内、前記記憶手段に記憶されている前記中継情報によって示される前記通信情報を前記特定情報として中継する中継手段とを含む、請求項1に記載の中継システム。
【請求項15】
前記異常判断手段は、前記受信手段によって前記第1の通信線、及び前記第2の通信線の両方を介して同一の前記通信情報を前記同一情報としてそれぞれ受信できないとき、前記第1の中継装置に異常が生じていると判断する、請求項14に記載の中継システム。
【請求項16】
前記異常判断手段は、前記受信手段によって、前記第1の通信線を介して前記端末から送信された前記通信情報が受信され、且つ当該通信情報を受信した後、予め定められた許容期間以内に、前記第2の通信線を介して前記第1の中継装置から中継された当該通信情報を受信できないとき、当該第1の中継装置に異常が生じていると判断する、請求項15に記載の中継システム。
【請求項17】
車両に搭載される請求項1乃至16のいずれか1つに記載の中継システム。
【請求項18】
第1の端末から第1の通信線を介して送信される通信情報を第2の通信線に中継する中継装置であって、
予め定められた互いに同じ同一情報を前記第1の通信線、及び前記第2の通信線を介してそれぞれ受信する受信手段と、
前記通信情報、及び当該通信情報の1つとして予め定められた特定情報をそれぞれ前記第1の通信線を介して前記第1の端末から受信する第2の受信手段と、
前記第2の受信手段によって、前記第1の通信線、及び前記第2の通信線の両方から前記同一情報がそれぞれ受信されないと判断したとき、前記受信手段によって受信された前記特定情報を前記第1の通信線から前記第2の通信線に中継する中継手段とを備える、中継装置。
【請求項19】
第1の通信線に流れる通信情報を第2の通信線に中継する中継システムで実行される中継方法であって、
前記通信情報、及び当該通信情報の1つとして予め定められた特定情報をそれぞれ前記第1の通信線を介して端末から送信する送信ステップと、
前記通信情報、及び前記特定情報を前記第1の通信線から前記第2の通信線に第1の中継装置で中継する第1の中継ステップと、
予め定められた互いに同じ同一情報を前記第1の通信線、及び前記第2の通信線を介して第2の中継装置でそれぞれ受信できないとき、当該第2の中継装置で前記特定情報を前記第1の通信線から前記第2の通信線に中継する第2の中継ステップとを備える、中継方法。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9A】
image rotate

【図9B】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2010−147936(P2010−147936A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−324490(P2008−324490)
【出願日】平成20年12月19日(2008.12.19)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】