説明

乗り物構造体において大表面コンポーネントを接着接合するための方法及び装置

航空機構造体等の乗り物構造体において、少なくとも二つの大型接合部材を接着結合によって接合するための方法であって、自動的に前記接合部材の幾何データを検出する工程と、前記幾何データから前記接合部材の接合ギャップ寸法を検出する工程と、前記接合ギャップ寸法に応じて接合されるべき前記二つの接合部材の一つ又は両方の接合面に接着剤を塗布する工程と、前記接合部材を接合位置で接合する工程と、前記接合部材を最終接合位置にもってくるために、接合圧力を前記接合面に前記接合ギャップに沿って連続的に加える工程とを備えることを特徴とする方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に係る、乗り物構造体、特に大型航空機のための航空機胴体の構造体において大型コンポーネントを接着結合によって接合するための方法と、請求項10の前文に係る対応する装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、現代の軽量構造体は、船、航空機、車又は鉄道車両にかかわらず乗り物の構造体に、かなりの変化をもたらした。そのため、適切な材料を使用することによって、コストを削減しながら同時に重量、安全性、及び快適性を改善させることができる。適切な材料を使用することに加えて、現代の接着技術をうまく使用することによって、この進歩が成し遂げられている。この接着技術には、リベット留め、ねじ留め、スポット溶接のような従来の接合技術を組み合わせることが可能となっている。
【0003】
一方、接着技術はまたその方法を航空機構造体に利用されている。そして、大型航空機の胴体は、シェル構造において実質的に手作業で接合される。対応する大型装置において、部分的に機械化され且つ一部手作業の組立工程には、外装部材で閉じられる前に、航空機の胴体に、梁、形成体、乗客及び貨物用床、ドア、貨物ドアの枠組、およびウィンドウフレームが備えられる。この場合、CFRP、軽合金、及び/又はGlare(登録商標)から成る胴体は、円筒形部又は部分的なシェルで構成される。
【0004】
構造連結体は、リベット留めによって、又はリベット接合と呼ばれる、リベット留めと接着結合との組み合わせてよって接合される。パネル、胴体部分、及び挿入されたコンポーネントは、リベット留め、リキッドシム材によって相互に接続される。リキッドシム材は、接合前に行われるリベット留め中に接合部間に残る、わずかに不規則なギャップを満たす。前記シム材は、一般的に2液形エポキシ樹脂である。この2液形エポキシ樹脂は、室温では、約2、3分でギャップを満し、8時間で硬化する。
【0005】
より大型のギャップは、繊維複合材料からなるソリッドシムを用いて、手作業の時間のかかる方法で埋められる。また、リキッド及びソリッドシム材の組み合わせが使用されることもある。全体的に、前記シム材の処理は実質的に手作業で行われ、非常に時間のかかるものとなっている。その理由は、特に前記接合部材をギャップ寸法を測定するために一時的に接合し、それから再び互いに離れるように動かすことにある。
【0006】
シェル構造の大型航空機構造体例は、DE 10 2007 061 429 A1から得ることができる。航空機の胴体構造はこのDE 10 2007 061 429 A1によって公知となっている。この場合、胴体構造は、外装部材と、この外装部材に接続される梁及び形成体のような構造コンポーネントと、内側ライニングとを有する。構造コンポーネントが、外装部材に接着結合され、リベットで留められ、及び/又は溶接され、内側ライニングと外装部材と構造コンポーネントとが搬送連結体を形成する。この場合、内側ライニングは、接着接合によって構造コンポーネント及び/又は外装部材に接続することができる。
【0007】
今までのところ航空分野で使用されてきた接着システムと接着技術では、胴体と取り付けられるコンポーネントとを接着して迅速で自動的に接合することができない。その上、非常に高い接合力が、前記接合部材の接合面を加圧し且つ確実に完全にぬらすために必要となることから、接合面が大きい場合には接着結合されるべきコンポーネントに自動的に圧力を加えるように制御することは難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】DE 10 2007 061 429 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、乗り物構造体、特に航空機構造体において大型コンポーネントを接着結合によって自動的に接合するための方法と対応する装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的は、請求項1の特徴を有する方法、及び/又は請求項10の特徴を有する装置によって達成される。本発明の好ましい実施形態は、従属項の主題である。
【0011】
航空機構造体等の乗り物構造体において、少なくとも二つの大型接合部材を接着結合によって接合するための発明に係る方法は、
前記接合部材の幾何データを自動的に検出する工程と、
前記接合部材の接合ギャップ寸法を前記幾何データから検出する工程と、
前記接合ギャップ寸法に応じて、接合されるべき前記二つの接合部材の一つ又は両方の接合面に接着剤を塗布する工程と、
前記接合部材をその接合位置で接合する工程と、
前記接合部材を最終接合位置にもってくるために、接合圧力を前記接合面に前記接合ギャップに沿って連続的に加える工程とを備える。
【0012】
好ましくは、前記接合圧力の連続的な付加は、対応する前記接合部材の接合ギャップに沿って移動される所定領域において実行され、前記接合部材は前記所定領域における前記接合圧力によって最終接合位置に位置される。
【0013】
より好ましくは、圧力が連続的に加えられる、前記所定領域の位置は、前記接合ギャップに沿って連続的に移動される。
【0014】
本発明のさらに好ましい実施形態において、圧力が連続的に加えられる、所定領域の位置は、前記接合ギャップに沿って区分ごとに移動される。言い換えれば、連続した圧力は、あらかじめ設定された周期ごとに不連続に加えられる。
【0015】
航空機構造体において、胴体部材及び胴体部分のような前記接合部材と、取り付けられるべきコンポーネントとは、公差を有する。接合部材の形状寸法は現代の測定方法によって検出することができ、接着接合のための前記ギャップ寸法は検出されたデジタルデータから十分正確に測定することができる。前記接合部材を接合した後、又は接合している間に、接合ギャップに接着剤を塗布することによって、前記接合部材を自動的に接合することができる。さらに、前記ギャップ寸法を測定するために前記接合部材を一時的に接合することが省かれるので、生産率を高めることができる。
【0016】
好ましくは、塗布されるべき接着剤の量は、ギャップ寸法に基づいて決定される。こうして、接着接合が望ましい十分に安定した状態となり、その接着剤が経済的に使用されることになる。
【0017】
前記接着剤は、連続的な圧力によって接合される前記接合ギャップの前記所定領域のすぐ前に位置する前記接合ギャップの領域に塗布することができる。しかしながら、前記接着剤は前記接合部材が接合される前の時点で塗布することもできる。
【0018】
前記接着剤のこの目的に必要な流れは、その構成、重力、遠心力、磁場及び/若しくは電場、接合における低圧、前記接合部材の温度制御、並びに/又は前記接着剤若しくは言及されたパラメータの組み合わせによって達成され得る。
【0019】
より好ましくは、前記接合ギャップは、当該接合ギャップに塗布される前記接着剤が逃げるのを防ぐために、横の又は表面の端の規制部材を有する。その結果、接着剤が前記接合ギャップから制御できずに漏出することがなくなる。これらの規制部材は、硬化後に接合部に残すことができ、又は前記接合部がいったん十分な機械的安定性を得さえすれば取り除くことができる。前記部材が残る場合、それらを2番目の接着剤で構成することができる。この2番目の接着剤は、前記接合部材が前記最終接合位置にもってこられる前の時点、間の時点、又は後の時点で、接着面の一つ又は両方に塗布され得る。この2番目の接着剤は、前記接合ギャップ又はそこから別々に塗布された接着剤とともに硬化され得る。前記規制部材が取り除かれる場合には、それらは、例えば使用される材料又はラミネート・フィルムによって得ることができる非接着面を有する。
【0020】
好ましくは、前記接合部材が接合される前に、前記接合ギャップ又は接合部の前記接合面が、接着に関して品質を最適化するために、自動前処理され、接着に関する品質が測定される。最適な接着結果は、このようにして得られる。
【0021】
特に、航空機構造体において、接合部材は、胴体構造を形成するための、胴体部分と、形成体や梁などのような構造コンポーネントとによって形成される。
【0022】
上述の方法を実行するための発明に係る装置は、
第1接合部材を受け取るためのコンポーネント台を有するコンポーネントキャリアと、
少なくとも一つの統合ツールを受け取るための中央キャリアと、
前記第1接合部材に導入されるべき更なる接合部材を受け取り且つ導くための統合ツールと、
前記接合部材の幾何データを検出するとともに、前記接合ギャップを算定するための測定システムと、
前記接着剤を塗布するための少なくとも一つのモジュラツールと、
前記接合圧力を接着結合するべき前記接合ギャップに沿って加えるための少なくとも一つの加圧ツールと、
前記装置を制御するための制御システムとを備える。
【0023】
好ましくは、前記加圧ツールは、前記接合圧力を一側又はそれぞれの側で前記接合ギャップに連続的に加えることができる。
【0024】
より好ましくは、前記装置は、表面処理のための、表面モニタリングのための、及び/又は前記接着剤を硬化するためのツールをさらに備える。この場合、個々のツールは取り付けられるべきコンポーネントを処理するために使用することができる。同時に、前記コンポーネント上に配置された前記第1接合部材を処理及び/又は測定可能とするために、ツールは更に中央キャリア上で受け取られるように設計される。これらのツールは、要件に応じて対応する空間自由度を持つロボットとして設計することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】中央キャリアを介して案内される形成体を取り付けるためのツールを備える発明に係る装置の第1の斜視図。
【図2】さらなるツールを備える前記装置の第2の斜視図。
【図3】図1に係る前記装置の詳細を示す図。
【図4】接合圧力の連続的な付加についての概略図。
【図5】接合圧力の区分ごとの連続的な付加についての概略図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の好ましい実施形態を図面を参照しながら説明する。
【0027】
図1は、中央キャリア原理に基づく胴体部分の構造体を完成させるための発明に係る装置の概略図である。前記装置は、取り付けられた胴体部分において形成体、乗客及び貨物用の床、ドア、貨物ドアフレーム、及びウィンドウフレームを主に並列して取り付けるための便利な技術及びシステムを有する。胴体部分1は、可動コンポーネントキャリア2上に載置されている。コンポーネントキャリア2は、形と位置(図示せず)を修正するための、自動化されたコンポーネント台及びシステムを有する。中央キャリア3は、堅く且つ低くすることができる支柱4、5によって、それぞれの側で支持されている。中央キャリア3は、胴体部分1が取り付けられている状態において、当該胴体部分1の内側に延びる。
【0028】
取付作業に応じて、異なる統合ツール6が中央キャリア3上で案内される。中央キャリア3は堅く且つ低くすることができる支柱4、5によって支持される。中央キャリア3の長さは、例えば約22mの場合もある。中央キャリア3は、図1に示される円筒形の胴体部分1を装置内にもってくるために伸縮自在に引っ込めることができる。胴体部分1は、可動コンポーネントキャリア2上にある前記装置内にもってこられる。前記コンポーネントキャリア2は、前記胴体部分1の位置を修正する機能を有すると共に、前記胴体部分1の形状を固定し且つ任意的に修正し得る引張装置を有している。胴体部分1がいったん導入されさえすれば、中央キャリア3は後側の支柱5に向かって引っ込めることができる。そして、必要な統合ツール6のそれぞれが取り付けられる。各統合ツール6は、前記システムの外側で前もって取り付けられ、この例では取り付けられるべき形成体7に備えられる。
【0029】
組立ステップを高いレベルで並列化するために、工程ステップごとに及びツールごとにできるだけ多くの前記コンポーネントが同時に取り付けられる。
【0030】
導入されるべき前記コンポーネントを備える統合ツール6は、案内手段としての中央キャリア3を介して胴体部分1内に動かされ、前のフランジ面8が後でゼロ基準点を表すように、スペースにおいて自体の位置を光学的に定める。
【0031】
そして、取り付けられるべき前記コンポーネント、この場合には形成体7は、統合ツール6の折曲げ、打込み、又は半径方向における拡張処理によって、それらの正確な接合位置に同時にもってこられる。可能な組み合わせとしては、例えば形成体7と床(図示せず)を同時に導入することがある。
【0032】
前記装置は、さらにエンドエフェクタとして知られるモジュラツール9、10、11を有する。モジュラツール9、10、11は、レールシステム12上に移動可能に配置される。モジュラツール9、10、11は、表面処理、表面モニタリング、接着剤の塗布のために使用されるとともに、接着剤を硬化するために使用される。また、モジュラツール9、10、11は、これらのタスクのために、対応するツールを備え得る。対応する装備は自動的に行われる。
【0033】
図2は、モジュラツール13が中央キャリア3上に配置されている状態の図1の前記装置を示す。このツールは、最適な接着効果を得るために、胴体部分1において接合面を自動的に処理するために使用される。また、モジュラツール13は、接着に関し前処理された接合面の品質について当該接合面を評価するために使用される。モジュラツール13は、胴体部分1内に動かされて、前記接合面を前処理するとともに評価する。
【0034】
前述のように、接合に関するアプローチは接着結合技術の使用に基づくものであり、このアプローチでは追加のリベット締めが固定のために使用されることはない。選択位置でリベットが必要とされるなら、これらのリベットは後で別のシステムにおいて導入される。そして、組立中の接着結合の機能には、速やかに前記導入されたコンポーネントを固定することと、前記胴体の内側表面における公差を補正することがある。この公差は、生産技術に応じて、異なる強度についての公差になる可能性もある。
【0035】
補正及び密封を行うこと加えて、航空用途のためにCFRP構造接着剤に置かれた基本要件は、良好な処理能力を含む。この処理能力は、硬化した接合部に一連の作業工程において緩みが生じないように、特に長いオープンタイム及び組立互換性のあるレオロジー、速硬化及び高圧抵抗によって定義される。
【0036】
したがって、前記胴体の接合表面と典型的な形成体のような前記コンポーネント上の接合表面は、まず(この場合にはツール13によって)自動的に前処理され、次に接着に関し当該接合表面の品質について自動モニタリング方法によって検査される。結果として、必要な前処理時間は、手作業での実行に比べて、十分に改善された再現性でかなり短縮される。
【0037】
図3は、モジュラツール9、10によって形成体7の予備表面処理の工程を示す。この場合、形成体7は図式的に示されたレシーバ14上に配置される。予備表面処理の後に、前記取り付けられた形成体とともに統合ツール6が胴体部分1内にもってこられる。形成体7は、統合ツール6のレシーバ14によって接合位置に自動的にもってこられる。そして、接着剤が、前記胴体構造体に配置された塗布開口部15を介して、それぞれの接合ギャップに導入される。
【0038】
図4は、圧力を連続的に与えながら接合を続ける工程の概略断面図である。第1の外側接合部材20と第2の内側接合部材21が示される。外側接合部材20は、例えば胴体部分であり得る。この胴体部分において、形成体は内側接合部材21として導入されるようになっている。前記二つの接合部材は、前記装置の対応するツール、即ち前の図で述べたコンポーネントキャリア1と、統合ツール6、即ちそのレシーバ14とによって、仮の接合位置(図示せず)にもってこられる。前記接合面の予備処理と検査の後に、必要な接着剤22が塗布される。図4において、接着剤22は、内側接合部材21にだけ塗布されるが、これは必須ではない。接着剤22は、前記塗布に関し、二つの接合部材20、21に、又は一つだけに塗布可能である。内側加圧ツール24と外側加圧ツール25が示される。これらのツール24、25は、接合領域26で外側接合部材20と内側接合部材21とにあらかじめ設定された圧力Pを加える。その結果、接合領域26では、接合ギャップ23があらかじめ設定された厚さとなる。外側及び内側加圧ツール20、21は、接合部材20、21が連続的に接合されるように、接合ギャップ23に沿ってあらかじめ設定された速さVで動かされる。接着剤22は現在の接合領域26のすぐ前にある領域27に導入可能とされ、又は、接着剤22は前記仮の接合位置において前記接合部材の接合前に導入可能とされる。言い換えれば、図1から図3の例に基づいて、接着剤22は、前記取り付けられた形成体7を備えた統合ツール6が胴体部分1内に動かされる前に、形成体7の前記接合面に塗布可能とされる。この場合、前記内側加圧ツールが統合ツール6のレシーバ14のコンポーネントとなり得る一方、外側加圧ツール25がロボットとして設計されたモジュラツール9、10の交換可能なツールとなり得る。前記圧力が連続的にそして局所的に加えられる結果、必要な高圧を局所的に供給することができ、必要な高圧を全接合ギャップに同時に供給する必要がない。必要な高圧は、大型コンポーネントの場合には技術的にほとんどうまく供給できない。
【0039】
図5は、圧力を区分ごとに与えて、即ち不連続に与えて、接合を行う工程の概略断面図である。外側接合部材20と内側接合部材は、接合ギャップ23があらかじめ設定された厚さに形成されるように、接着剤22によって接合される。この場合、接合部材を接合するために、圧力は内側及び外側加圧ツール28、29を使用しながら周期的に連続的に与えられる。言い換えれば、時間tのとき、圧力Pが現在の接合領域30において前記接合部材に加えられる。そして、接合部材20、21は最終接合位置にもってこられる。点線は、前の時間t−1のときの加圧ツールを示す。ここで、それらは前回の接合領域32において接合部材20、21を接合した。次の時間t+1のときに、前記加圧ツールは次の接合領域31に接合ギャップ23に沿ってもってこられて、そこで接合部材20、21を接合する。言い換えれば、前記加圧ツールはそれぞれの側で現在の過圧領域30から取り除かれ、次の接合領域31にもってこられる。次の接合領域31では、次の接合作業が圧力を与えられることよって実行される。
【0040】
現在の時間tのとき、次の接合領域31を接着剤22が導入される領域として使用することができる。しかしながら、これは必須ではないが、図4の説明のように、前記接着剤22はまた形成体7の胴体部分1への導入前の時点で塗布されることもある。
【0041】
圧力を連続的に与えることについて述べられた典型的な方法において、圧力を一側だけから加えることは可能である。例えば、外側接合部材20に十分な強度があるなら、圧力は連続的に又は区分ごとに内側加圧ツールによってのみ与えられる。
【符号の説明】
【0042】
1 胴体部分
2 コンポーネントキャリア
3 中央キャリア
4 前側の支柱
5 後側の支柱
6 統合ツール
7 形成体
8 形成体のフランジ面
9 モジュールツール
10 モジュールツール
11 モジュールツール
12 レールシステム
13 モジュールツール
14 レシーバ
15 塗布開口部
20 第1接合部材
21 第2接合部材
22 接着剤
23 接合ギャップ
24 内側加圧ツール
25 外側加圧ツール
26 接合領域
27 前記接合領域の前にある領域
28 内側加圧ツール
29 外側加圧ツール
30 接合領域
31 次の接合領域
32 前の接合領域
P 圧力
V 前記接合領域に沿った速度
t 時間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機構造体等の乗り物構造体において、少なくとも二つの大型接合部材(1、7、20、21)を接着結合によって接合するための方法であって、
前記接合部材(1、7、20、21)の幾何データを自動的に検出する工程と、
前記接合部材(1、7、20、21)の接合ギャップ寸法を前記幾何データから検出する工程と、
前記接合ギャップ寸法に応じて、接合されるべき前記二つの接合部材(1、7、20、21)の一つ又は両方の接合面に接着剤を塗布する工程と、
前記接合部材(1、7、20、21)を接合位置で接合する工程と、
前記接合部材(1、7、20、21)を最終接合位置にもってくるために、接合圧力(P)を前記接合面に前記接合ギャップ(23)に沿って連続的に加える工程とを備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記接合圧力(P)の連続的な付加は、対応する前記接合部材(20、21)の接合ギャップ(23)に沿って移動される所定領域(26、30)において実行され、前記接合部材(1、7、20、21)は前記所定領域(26、30)における前記接合圧力(P)によって最終接合位置に位置されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記圧力(P)が連続的に加えられる、前記所定領域(26)の位置は、前記接合ギャップ(23)に沿って連続的に移動されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記圧力(P)が加えられる、前記所定領域(30)の位置は、前記接合ギャップ(23)に沿って区分ごとに移動されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
塗布されるべき前記接着剤(22)の量は、前記接合ギャップ寸法に基づいて決定されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記接着剤(22)は、連続的な圧力によって接合される前記接合ギャップ(23)の前記所定領域(26、30)のすぐ前に位置する前記接合ギャップ(23)の領域(27、31)に塗布されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記接合ギャップ(23)は、当該接合ギャップ(23)に塗布される前記接着剤(22)が逃げるのを防ぐために、横の又は表面の端の規制部材を有することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記接合部材(1、7、20、21)が接合される前に、前記接合ギャップ(23)の接合面が、接着に関して品質を最適化するために、自動前処理され、接着に関する品質が測定されることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記接合部材(1、7、20、21)は、胴体構造体を形成するための、胴体部分(1)と構造コンポーネント(7)とによって形成されることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか一項に係る方法を実行するための装置であって、
第1接合部材を受け取るためのコンポーネント台を有するコンポーネントキャリア(2)と、
少なくとも一つの統合ツール(6)を受け取るための中央キャリア(3)と、
前記第1接合部材に導入されるべき更なる接合部材を受け取り且つ導くための統合ツール(6)と、
前記接合部材の幾何データを検出するとともに、前記接合ギャップを算定するための測定システムと、
前記接着剤を塗布するための少なくとも一つのモジュラツール(9、10)と、
前記接合圧力(P)を接着結合するべき前記接合ギャップ(23)に沿って加えるための少なくとも一つの加圧ツール(24、25、28、29)と、
当該装置を制御するための制御システムとを備える装置。
【請求項11】
前記加圧ツール(24、25、28、29)は、前記接合圧力(P)を一側又はそれぞれの側で前記接合ギャップ(23)に連続的に加えることを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
表面処理のための、表面モニタリングのための、及び/又は前記接着剤を硬化するためのツール(13)をさらに備えることを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2012−520208(P2012−520208A)
【公表日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−500252(P2012−500252)
【出願日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際出願番号】PCT/EP2010/053523
【国際公開番号】WO2010/106129
【国際公開日】平成22年9月23日(2010.9.23)
【出願人】(500341779)フラウンホーファー−ゲゼルシャフト・ツール・フェルデルング・デル・アンゲヴァンテン・フォルシュング・アインゲトラーゲネル・フェライン (75)
【出願人】(311014956)エアバス オペレーションズ ゲーエムベーハー (54)
【氏名又は名称原語表記】Airbus Operations GmbH
【住所又は居所原語表記】Kreetslag 10,21129 Hamburg,Germany
【Fターム(参考)】