説明

乗物用シート

【課題】シートクッションを着座位置から収納位置に向けて移動させるための動作を行うシートクッション駆動機構への異物の付着を抑制する。
【解決手段】本発明の乗物用シートは、着座位置と収納位置との間を移動するシートクッションと、シートクッションを着座位置から収納位置に向けて移動させるための動作を行うシートクッション駆動機構と、シートクッション駆動機構を覆うカバー部材と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着座位置と収納位置との間を移動するシートクッションを備える乗物用シートに係り、特に、シートクッションを着座位置から収納位置に向けて移動させるための動作を行うシートクッション駆動機構を更に有する乗物用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
着座位置と収納位置との間を移動するシートクッションと、シートクッションを着座位置から収納位置に向けて移動させるための動作(以下、シートクッション移動動作とも言う)を行うシートクッション駆動機構とを有する乗物用シートは既に知られている。かかる乗物用シートの構成要素たるクッション駆動機構には、シートクッション移動動作時に可動する可動部材が備えられている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示された乗物用シートでは、一端にシートクッションが固定された状態で回動可能に支持された支持アームが上記可動部材として設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−11665号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記の可動部材は、シートクッションが着座位置に位置する際にはシートクッションの下方位置に位置してシートクッションに覆われるようになる。しかしながら、シートクッションに覆われた状態においても可動部材の一部が外部に露出していると、当該露出部位にゴミや埃等の異物が付着する虞がある。さらに、シートクッションが収納位置に移動すると、可動部材の状態が、シートクッションに覆われた状態から外部に露出した状態へと切り替わり、かかる露出状態においては、より一層異物の付着が顕著に生じるようになる。
【0005】
そこで、本発明の目的は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、シートクッションを着座位置から収納位置に向けて移動させるための動作を行うシートクッション駆動機構への異物の付着を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題は、本発明の乗物用シートによれば、着座位置と収納位置との間を移動するシートクッションと、該シートクッションを前記着座位置から前記収納位置に向けて移動させるための動作を行うシートクッション駆動機構と、該シートクッション駆動機構を覆うカバー部材と、を有することにより解決される。
かかる構成によれば、シートクッション駆動機構をカバー部材で覆うことにより、シートクッション駆動機構への異物の付着を抑制することが可能になる。
【0007】
また、上記の乗物用シートにおいて、前記収納位置は、前記着座位置よりも前方に位置し、前記シートクッション駆動機構は、前記シートクッションを固定支持しながら回動する長尺回動体と、該長尺回動体を付勢する付勢部材と、を有し、前記シートクッションを前記着座位置から前記収納位置に向けて移動させるための動作として、前記シートクッションを固定支持した前記長尺回動体を、前記付勢部材の付勢力によって前方に回動させる動作を行い、前記カバー部材は、前記付勢部材を覆う付勢部材カバー部を有すると好適である。かかる構成であれば、シートクッション駆動機構を構成する部材のうち、特に、付勢部材を付勢部材カバー部で覆うことにより、付勢部材への異物の付着を抑制することが可能になる。
【0008】
また、上記の乗物用シートにおいて、前記付勢部材カバー部は、前記長尺回動体の前方への回動動作に連動して、前方に回動可能に取り付けられていると好適である。かかる構成であれば、長尺回動体の前方への回動動作に付勢部材カバー部が追従するので、付勢部材カバー部が長尺回動体の前方への回動動作を妨げない。
【0009】
さらに、上記の乗物用シートにおいて、前記付勢部材カバー部を付勢する付勢バネを、更に有し、前記長尺回動体は、前方への前記回動動作中に前記付勢部材カバー部に当接し、前記付勢部材カバー部の回動方向において、前方に向かう向きを第1向きとし、後方に向かう向きを第2向きとしたときに、前記付勢バネは、前記第2向きに前記付勢部材カバー部を付勢し、前記長尺回動体は、前記付勢部材カバー部に当接した状態で更に前方に回動すると、前記第1向きに前記付勢部材カバー部を押圧し、前記付勢バネの付勢力に抗して前記付勢部材カバー部を前方に回動させると好適である。かかる構成であれば、長尺回動体の前方への回動動作に対する付勢部材カバー部の追従性が良くなる。また、付勢部材カバー部は、長尺回動体の前方への回動動作により自動で倒れ、長尺回動体による押圧から解放されると自動で元の位置に復帰するので、付勢部材カバー部の操作性が良好になる。
【0010】
また、上記の乗物用シートにおいて、前記付勢部材カバー部の回動軸が、前記長尺回動体の回動軸と同一であり、前記付勢部材カバー部は、前記長尺回動体と一体的に回動すると好適である。かかる構成によれば、長尺回動体と付勢部材カバー部とが一体化するので、付勢部材カバー部をコンパクト化することが可能になる。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の乗物用シートによれば、シートクッション駆動機構への異物の付着を抑制することが可能になる。
請求項2に記載の乗物用シートによれば、シートクッション駆動機構を構成する付勢部材を付勢部材カバー部で覆うことにより、付勢部材への異物の付着を抑制することが可能になる。
請求項3に記載の乗物用シートによれば、長尺回動体の前方への回動動作に付勢部材カバー部が追従するので、付勢部材カバー部が長尺回動体の前方への回動動作を妨げない。
請求項4に記載の乗物用シートによれば、長尺回動体の前方への回動動作に対する付勢部材カバー部の追従性が良くなり、さらに付勢部材カバー部の操作性が良好になる。
請求項5に記載の乗物用シートによれば、付勢部材カバー部をコンパクト化することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】車両用シートS1を搭載した車両後部の側面模式図である。
【図2】車両用シートS1の斜視図である。
【図3】クッションフレーム11の斜視図である。
【図4】シートクッション跳ね上げ機構60を示す模式斜視図である。
【図5】カバー200を取り外した状態のシートクッション跳ね上げ機構60を示す斜視図(第1図)である。
【図6】カバー200を取り外した状態のシートクッション跳ね上げ機構60を示す斜視図(第2図)である。
【図7】カバー200を取り外した状態のシートクッション跳ね上げ機構60を上方から見たときの図である。
【図8】渦巻きバネカバー部材220の斜視図である。
【図9】カバー200及びシートクッション跳ね上げ機構60の断面図である。
【図10】リンク側カバー部材230の斜視図である。
【図11】カバー200の変形例を示す模式斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る実施形態(以下、本実施形態)について、図1乃至図11を参照して説明する。
図1乃至図11は、本実施形態に係る車両用シート(以下、車両用シートS1)を説明するものである。図1は、車両用シートS1を搭載した車両後部の側面模式図である。図2は、車両用シートS1の斜視図である。図3は、クッションフレーム11の斜視図である。図4は、シートクッション跳ね上げ機構60の模式斜視図である。図5及び図6は、カバー200を取り外した状態のシートクッション跳ね上げ機構60を示す斜視図の第1図及び第2図である。図7は、カバー200を取り外した状態のシートクッション跳ね上げ機構60を上方から見たときの図である。図8は、渦巻きバネカバー部材220の斜視図である。図9は、カバー200及びシートクッション跳ね上げ機構60の断面図である。図10は、リンク側カバー部材230の斜視図である。図11は、カバー200の変形例を示す模式斜視図である。
【0014】
なお、図中の記号FRは車両前方を、記号RRは車両後方を、記号UPは車両上方をそれぞれ示している。また、以下の説明において、左右方向とは、車両前方を向いた状態での左右方向を意味し、後述するシートバックフレーム21の幅方向と一致する方向である。
【0015】
車両用シートS1は、乗物用シートの一例であり、図1に示すように、自動車の車体後部に荷室スペースを有する車両1に後部座席として搭載されるものであって、特に、本実施形態ではワゴン型の自動車に搭載されるものである。
【0016】
車両用シートS1の構成について説明すると、本実施形態では、右側(運転席側)の車両用シートS11と、左側(助手席側)の車両用シートS12とに分かれており、各車両用シートS11,S12は、シートクッション10とシートバック20とヘッドレスト30とを備えている。なお、各車両用シートS11,S12のシートバック20間にはアームレスト40が配置されており、左側の車両用シートS12においては、図2にてアームレスト40の下方に位置した台座部20aとシートバック20とが一体化されており、図2にて台座部20aの下方位置に配置された張出部10aとシートクッション10とが一体化されている。
以上の点において右側の車両用シートS11と左側の車両用シートS12とは相違するものの、基本構成に関して言えば、両車両用シートS11,S12は共通する。そのため、以下の説明では、右側の車両用シートS11の構成についてのみ説明する。
【0017】
車両用シートS1は、その姿勢を、乗員が着座可能な通常の姿勢(図1にて破線で示す姿勢であり、以下、着座姿勢)から、不使用時に荷室部3が形成されるように収納された姿勢(図1にて実線で示す姿勢であり、以下、収納姿勢)へ切り替えることが可能である。具体的に説明すると、車両用シートS1の姿勢を収納姿勢に切り替えるにあたって、シートクッション10が車両前方に向けて跳ね上げられる。また、シートクッション10の跳ね上げに連動して、シートバック20が前方に回動し、車体フロア2上の、跳ね上がる前のシートクッション10が配置されていた位置に倒伏するようになっている。さらに、ヘッドレスト30が、シートバック20の上方で略鉛直に配設された状態から約90度前方に回動し、シートバック20が車体フロア2上に倒れ込んだ際には、前方に跳ね上がったシートクッション10と倒伏したシートバック20との間に格納されるようになる。
【0018】
以上の一連の動作により、車両用シートS1は、コンパクトな姿勢で収納することが可能である。そして、上記構成の車両用シートS1をリアシートとして採用する車両1では、当該車両用シートS1の後方に、車体フロア2の一部を構成する荷室部3が形成され、この荷室部3は、車両用シートS1の収納動作によって利用可能なサイズになるまで拡張されるようになる。
【0019】
以上までに説明してきた通り、車両用シートS1は、その姿勢を着座姿勢及び収納姿勢に切り替え可能に構成されている。さらに、本実施形態では、着座姿勢からヘッドレスト30のみを前方に倒した姿勢への切り替えや、収納姿勢からシートバック20のみを起こした姿勢への切り替えも可能である。こうした多彩なシートアレンジは、車両用シートS1に具備された種々の駆動機構(具体的には、後述するヘッドレスト回動機構50、シートクッション跳ね上げ機構60、シートバック倒伏機構70等)によって実現されるものである。以下、車両用シートS1のシートアレンジを実現するための構成について説明する。
【0020】
なお、以下の説明中、シートクッション10、シートバック20、及びヘッドレスト30の着座位置とは、車両用シートS1の姿勢が着座姿勢にある際のシートクッション10、シートバック20、及びヘッドレスト30の位置である。また、シートクッション10の跳ね上げ位置とは、車両用シートS1の姿勢が収納姿勢にある際のシートクッション10の位置であり、シートクッション10の着座位置よりも前方に位置し、収納位置に相当する。また、シートバック20及びヘッドレスト30の倒れ位置とは、それぞれ、車両用シートS1の姿勢が収納姿勢にある際のシートバック20及びヘッドレスト30の位置である。
【0021】
<<車両用シートS1の基本構成>>
車両用シートS1のシートアレンジを実現するための構成を説明するにあたり、車両用シートS1の基本構成について説明する。車両用シートS1は、前述したように、シートクッション10と、シートバック20と、ヘッドレスト30とを備えている。
【0022】
シートクッション10は、図3に示すクッションフレーム11に表皮材を取り付けることにより構成される。表皮材の取り付けは、表皮材の端末に縫製された不図示のトリムコードをクッションフレーム11の外縁に掛止することによって行われる。
【0023】
また、シートクッション10の下部には、図4に示すシートクッション跳ね上げ機構60が配設されている。シートクッション跳ね上げ機構60は、車体フロア2上に固定されており、シートクッション10を支持すると共に、車両用シートS1を収納するにあたり、シートクッション10を着座位置から跳ね上げ位置に向けて跳ね上げるものである。
【0024】
つまり、シートクッション10は、シートクッション跳ね上げ機構60を介して車体フロア2上の着座位置に固定され、シートクッション跳ね上げ機構60が作動すると、着座位置から跳ね上げ位置に向かって跳ね上がるように構成されている。換言すると、シートクッション10は、着座位置と跳ね上げ位置との間を往復移動することが可能である。
【0025】
なお、シートクッション跳ね上げ機構60は、ストライカロック機構100を備えている。ストライカロック機構100は、車両用シートS1の姿勢が着座姿勢にあるときにシートクッション10を着座位置に固定させるものである。シートクッション跳ね上げ機構60及びストライカロック機構100については後に詳述する。
【0026】
シートバック20は、不図示のシートバック支持機構により、車体フロア2に対して回動可能に固定支持されており、特に、本実施形態では、シートクッション10の跳ね上げ動作に連動してシートバック20が前方に倒伏するようになっている。
【0027】
ヘッドレスト30は、シートバック20(換言すると、シートバック20の内部にある不図示のフレーム)の上方に回動自在に支持されており、特に、本実施形態では、シートクッション10の跳ね上げ動作に連動してヘッドレスト30が前方に倒れるように回動することとなっている。
【0028】
<<シートクッション跳ね上げ機構>>
次に、上述したシートクッション跳ね上げ機構60の構成について説明する。
シートクッション跳ね上げ機構60は、乗員による車両用シートS1の収納操作が受け付けられると、車両用シートS1を収納するための開始動作としてシートクッション10を跳ね上げ位置に向けて跳ね上げる動作(以下、跳ね上げ動作と言う)を行うものである。換言すると、シートクッション跳ね上げ機構60は、シートクッション10を着座位置から跳ね上げ位置に向けて移動させるための動作として、上記跳ね上げ動作を行う。
【0029】
シートクッション跳ね上げ機構60は、後述のカバー200で覆われており、シートクッション10が着座位置に位置する際にはシートクッション10の下方位置に位置するように車体フロア2上に設置されている。また、シートクッション跳ね上げ機構60は、図5〜図7に示すように、2つのサブユニットから構成されており、一方のサブユニットは、車体フロア2に取り付けられる取付ユニット110であり、他方のサブユニットは、取付ユニット110上に配置され、取付ユニット110(換言すると、車体フロア2)に対してスイング動作(回動動作)をする可動ユニット120である。
【0030】
取付ユニット110は、上面視でL字状の外観をなした取付板111を主たる構成要素として有する。取付板111のうち、車両1の前後方向に沿って延びた第1板部112は、車体フロア2に締結されたボルトBo及びワッシャWsによって車体フロア2に固定されている(図11参照)。ここで、第1板部112の後端部には長穴状の取付穴114が形成されており、予め車体フロア2にセットされたボルトBo及びワッシャWsが取付穴114に嵌め込まれることにより、取付ユニット110が車体フロア2上に配置される。
【0031】
なお、取付穴114の長手方向の中央部114bは、前端部114aや後端部114cに比して幾分幅広となっている。かかる構成を利用し、ボルトBo及びワッシャWsを取付穴114に嵌め込む際には、先ず取付穴114の長手方向の中央部114bにボルトBo及びワッシャWsを通し、その後に、ボルトBoが取付穴114の長手方向の前端部114aに嵌合するように取付ユニット110の位置をずらして取付ユニット110の位置決めを行う。
【0032】
また、第1板部112の長手方向の略中央部には、ストライカロック機構100のロック部101が取り付けられている。このロック部101は、鉤状のロック片102と、ロック片102を揺動可能な状態で収容するハウジング103とを有している。ロック片102が後述のストライカ105と係合している状態では、シートクッション10が着座位置にて車体フロア2上に固定されていることになる。一方で、ロック片102が揺動すると、ストライカ105は、ロック片102との係合状態を脱するようになり、シートクッション10は、車体フロア2上に固定された状態から解放されて可動状態となる。
【0033】
さらに、第1板部112は、その一側部に立ち壁部112aを有し、立ち壁部112aのうち、ロック部101が取り付けられた位置よりも幾分前方位置に、前述した収納操作用帯状部材ST2を通すためのスリット112bが形成されている。このスリット112bに通された収納操作用帯状部材ST2は、第1板部112と交差するように第1板部112上に配置される。また、収納操作用帯状部材ST2の端部(第1板部112から見て車両1の内側の端部)にはケーブルCの一端部が接続されており、当該ケーブルCを配策する際に配索経路を規定するための経路規定部112cが第1板部112の側部(立ち壁部112aが位置する側とは反対側の側部)に適宜な間隔で設けられている。
【0034】
そして、上記のケーブルCの他端部は、前述のロック片102と連結している連結片104に接続されている。これにより、収納操作用帯状部材ST2が引っ張られると、ケーブルCが連結片104を介してロック片102を引っ張るようになる結果、ロック片102が揺動し、ロック片102とストライカ105との係合が解除されることになる。
【0035】
一方、取付板111のうち、車両1の左右方向(車両用シートS1の幅方向)に沿って延びた第2板部113は、可動ユニット120の土台をなす部分であり、その長手方向中央部には、シートクッション10に着座した乗客が車両1の衝突事故時に腰ベルトの下に潜り込むサブマリン現象を防止するためのサブマリンブラケット115が設けられている。本実施形態において、サブマリンブラケット115は、図5、図6に示すように、頂部が平坦となるように山状に屈曲されており、サブマリンブラケット115の適宜な部位には、カバー200の位置決めを行うための位置決め孔115aが形成されている。
【0036】
可動ユニット120は、略門型の構造を有し、取付板111の第2板部113にボルト止めされる。可動ユニット120は、一対のリンク121と、一対のパイプロッド122と、リンク121間を連結する連結バー123と、シートクッション10を取り付けるための取付ブラケット124と、リンク121及びパイプロッド122を回動自在に支持する一対の支持機構125とを有する。これらの構成要素はユニットとして一体化するように組み合わされており、取付板111の第2板部113に取り付ける際にはユニットとして一体的に取り付けることになる。
【0037】
一対のリンク121の各々は、板金部材にビード加工等の処理を施して構成される長尺回動体であり、可動ユニット120の両側部に位置し、その下端部に形成された通し穴(不図示)に回動軸126Aが嵌合されることにより回動自在に支持されている。また、各リンク121の上端部には、リンク121間を連結する連結バー123が取り付けられている。さらに、各リンク121の上端部には、その外側表面に取付ブラケット124が取り付けられている。すなわち、各リンク121は、シートクッション10を固定支持しながら回動するものである。なお、連結バー123及び取付ブラケット124は、リンク121の上端部に共締形式でボルト止めされることによって取り付けられている。
【0038】
一対のパイプロッド122の各々は、リンク121と並べて配置され、その下端部に形成された通し穴(不図示)に回動軸126Bが嵌合されることにより、リンク121の回動方向と同じ方向に回動可能に支持されている。また、各パイプロッド122の上端部には取付ブラケット124がピン止めされている。つまり、本実施形態では、シートクッション10が取付ブラケット124を介して一対のリンク121及び一対のパイプロッド122に支持されることになる。そして、各パイプロッド122は、リンク121の回動に従動して、リンク121の回動方向と同一方向に回動することになる。
【0039】
さらに、一対のリンク121及びパイプロッド122のうち、車両1の外に面する側のリンク121及びパイプロッド122に取り付けられた取付ブラケット124の下面には、前述したストライカロック機構100のストライカ105が取り付けられている。そして、リンク121及びパイプロッド122が回動軸126A,126Bから見て後方に倒れるように回動すると、上記のストライカ105が、取付板111(より具体的には第1板部112)に設けられたロック部101のロック片102に係合可能な位置に到達することになる。
【0040】
一対の支持機構125の各々は、リンク121及びパイプロッド122を回動可能に支持するものであり、図4、図10、図11に示すように、前述の回動軸126A,126Bの他、ベースブラケット127と、ダンパーゴム129とを有する。
【0041】
ベースブラケット127は、上面視で略Z字状の板金部材であり、可動ユニット120の土台をなし、取付板111の第2板部113にボルト止めされている。また、ベースブラケット127のうち、車両1の前後方向に沿って延びている部分は立ち壁部127aになっており、この立ち壁部127aに回動軸126A,126Bが固定されている。
【0042】
ダンパーゴム129は、リンク121が渦巻きバネ128の付勢力により前方に回動して前方限界位置に至った際にリンク121の前端と当接して、リンク121に生じる衝撃を吸収するものである。ダンパーゴム129は、リンク121の、回動支点となる部位よりも幾分前方に位置するように、前述のベースブラケット127に固定されている。
【0043】
なお、本実施形態では、ダンパーゴム129へのリンク121の当接(衝突)によるダンパーゴム129の切損を防止するため、リンク121の長手方向において、ダンパーゴム129に当接する位置にある部分(以下、当接部位121a)を折り曲げて、当接部位121aの前端に丸みを帯びさせている。
【0044】
一対の支持機構125のうち、車両1の外側に位置する支持機構125には、渦巻きバネ128が備えてられている。渦巻きバネ128は、リンク121を前方に倒すように付勢する付勢部材である。渦巻きバネ128の一端部は、回動軸126Aに係止されており、他端部は、リンク121が後側に倒れている状態(換言すると、シートクッション10が跳ね上がる前の状態)では、リンク121の側表面から突出した突出部121cに係止される(図9参照)。なお、本実施形態において、渦巻きバネ128と回動軸126Aとの係止は、回動軸126Aの先端を割りピン状に成形し、その間に渦巻きバネ128の一端部を挟み込んでから回動軸126Aの先端を押し潰すことによって行っている。
【0045】
上記の構成により、シートクッション10は、ストライカ105とロック片102とが係合した状態にある際には、リンク121を介して渦巻きバネ128の付勢力を受けながらも(換言すると、渦巻きバネ128の付勢力に抗して)着座位置に保持されるようになる。一方で、ストライカ105とロック片102との係合が解除されると、渦巻きバネ128の付勢力により、リンク121が前方に回動する結果、シートクッション10が跳ね上げ位置に向けて跳ね上がるようになる。つまり、シートクッション跳ね上げ機構60による跳ね上げ動作とは、シートクッション10を固定支持したリンク121を、渦巻きバネ部材128の付勢力によって前方に回動させる動作であると言える。
【0046】
なお、図4、図10、図11に示すケースでは、一対のリンク121のうち、一方のみに対して渦巻きバネ128を設けることとしたが、これに限定されるものではなく、両方のリンク121に対して、それぞれ、渦巻きバネ128を設ける構成であってもよい。
【0047】
さらに、本実施形態では、一方のリンク121(車両1の外側に位置する方のリンク121)の長手方向中途位置には、差込孔121bが形成されており、当該差込孔121bにケーブルCの一端部が差し込まれている。このケーブルCの他端部は、後述のアレンジユニット80(より具体的には、第1回動部材83)に接続されている。したがって、シートクッション10を跳ね上げるにあたって、上記のリンク121が回動をすることにより、リンク121に連結されたケーブルCが牽引される。そして、当該ケーブルCの牽引動作がシートバック20やヘッドレスト30にまで伝達される。この結果、上述したように、シートクッション10の跳ね上げ動作に連動して、シートバック20及びヘッドレスト30が、それぞれ前方に倒伏するようになっている。
【0048】
次に、シートクッション跳ね上げ機構60のカバー200について説明する。カバー200は、シートクッション跳ね上げ機構60を覆い、本実施形態では特に、取付ユニット110や可動ユニット120の支持機構125を覆うカバー部材である。このカバー200は、カバー200の大部分をなすカバー本体210と、車両1の左右方向において車両1の外側に位置する側の端部(渦巻きバネ128が配置されている側の端部)に設置された渦巻きバネカバー部材220と、車両1の外側に位置するリンク121の脇に取り付けられたリンク側カバー部材230とを有する。
【0049】
カバー本体210は、プラスチック等の熱硬化性樹脂からなり、取付ユニット110や可動ユニット120の支持機構125を覆う、上面視で略L字状の部材である。このカバー本体210のうち、リンク121やパイプロッド122の可動範囲に対応する部分にはスリットが形成されており、リンク121やパイプロッド122の回動に干渉しないように構成されている。
【0050】
なお、カバー本体210の裏面には位置決め突起(不図示)が形成されており、当該位置決め突起は、上述したサブマリンブラケット115の位置決め孔115aに嵌合可能に構成されている。換言すると、カバー本体210の裏面のうち、サブマリンブラケット115の位置決め孔115aに対応する部位には、位置決め突起が立設されている。そして、位置決め突起が位置決め孔115aに嵌合することにより、カバー本体210が正規の設置位置に位置決めされるようになる。
【0051】
渦巻きバネカバー部材220は、付勢部材カバー部の一例であり、カバー本体210においてリンク121やパイプロッド122の回動を妨げないように形成されたスリット内において渦巻きバネ128の前方に位置して渦巻きバネ128を覆うものである。この渦巻きバネカバー部材220は、図8に示すように、車体フロア2に対して支持される基部221と、渦巻きバネ128を覆う本体部222とを有する。基部221は、渦巻きバネカバー部材220の下部に相当し、車体フロア2に固定されたカバー取付ブラケット223に支持されている。特に本実施形態では、基部221の側部から突出した軸221aがカバー取付ブラケット223に形成された軸穴(不図示)に嵌合されている。これにより、渦巻きバネカバー部材220は、前後方向に回動可能となっている。
【0052】
なお、基部221の裏側には、付勢バネの一例であるスプリングバネ224が設けられており、当該スプリングバネ224の一端部は基部221に、他端部はカバー取付ブラケット223に、それぞれ掛止されている。上記のスプリングバネ224は、渦巻きバネカバー部材220の姿勢を起立姿勢(渦巻きバネカバー部材220が図9に示す状態にあるときの姿勢)に保持し続けるように、渦巻きバネカバー部材220を後方に付勢する。
【0053】
本体部222は、渦巻きバネカバー部材220の上部に相当し、基部221よりも幾分幅広であり、側面視で略円弧状に屈曲している。この本体部222は、渦巻きバネカバー部材220の姿勢が起立姿勢にある際に、渦巻きバネ128の前方位置で渦巻きバネ128を覆う。また、本体部222の上端部において幅方向の略中央に位置する部分は、図9に示すように、前方に幾分隆起した隆起部222aを形成している。この隆起部222aは、その前面が傾斜面となるように形成されている。
【0054】
そして、跳ね上げ動作においてリンク121が前方に回動する際、渦巻きバネカバー部材220は、上記の隆起部222aにてリンク121(より具体的には、車両1の外側に位置するリンク121)と当接するようになり、当接後にはリンク121によって前方に押圧されるようになる。この結果、渦巻きバネカバー部材220は、リンク121の前方への回動に連動して、前方に倒れるように回動する。
【0055】
すなわち、本実施形態において、リンク121は、前方への回動動作中に渦巻きバネカバー部材220に当接する。ここで、渦巻きバネカバー部材220の回動方向(つまり、前後方向)において、前方に向かう向きを第1向きとし、後方に向かう向きを第2向きとしたときに、スプリングバネ224は、第2向きに渦巻きバネカバー部材220を付勢する。一方で、リンク121は、渦巻きバネカバー部材220に当接した状態で更に前方に回動すると、第1向きに渦巻きバネカバー部材220を押圧し、スプリングバネ224の付勢力に抗して渦巻きバネカバー部材220を前方に回動させる。
【0056】
以上のように、本実施形態に係る渦巻きバネカバー部材220は、シートクッション10が跳ね上がる前(換言すると、着座位置にある間)には、その本体部222にて渦巻きバネ128をカバーする一方で、跳ね上げ動作の実行時にはリンク121の前方への回動に連動して前方に倒れる。このように本実施形態では、リンク121の前方への回動動作に連動(追従)して渦巻きバネカバー部材220が前方に倒れるように回動するので、渦巻きバネカバー部材220がリンク121の前方への回動動作を妨げないようになる。
【0057】
さらに、本実施形態では、リンク121が前方への回動動作中に渦巻きバネカバー部材220に当接し、リンク121が渦巻きバネカバー部材220に当接した状態で更に前方に回動すると、渦巻きバネカバー部材220を前方に押圧して、スプリングバネ224の付勢力に抗して渦巻きバネカバー部材220を前方に回動させる。この結果、リンク121の前方への回動動作に対する渦巻きバネカバー部材220の追従性が良くなる。また、渦巻きバネカバー部材220は、リンク121の前方への回動動作により自動で倒れ、リンク121による押圧から解放されると自動で元の位置に復帰するので、渦巻きバネカバー部材220の操作性が良好になる。
【0058】
なお、本実施形態において、渦巻きバネカバー部材220は、その本体部222に隆起部222aを備えており、当該隆起部222aにてリンク121と当接する。これにより、渦巻きバネカバー部材220を適切に前倒させることが可能になる。具体的には、渦巻きバネカバー部材220の、リンク121との当接部位(すなわち、隆起部222a)が他の部位よりも幾分前方にずれているので、リンク121と渦巻きバネカバー部材220とが意図せずに当接して渦巻きバネカバー部材220を不用意に前倒させることが回避される。また、隆起部222aが形成されることにより、渦巻きバネカバー部材220の剛性が向上することにもなる。
【0059】
リンク側カバー部材230は、付勢部材カバー部の他例であり、カバー本体210においてリンク121やパイプロッド122の回動を妨げないように形成されたスリット内において、リンク121(車両1の外側に位置するリンク121)の脇位置にて渦巻きバネ128を覆うものである。このリンク側カバー部材230は、図10に示すように半楕円状の外形形状を有しており、リンク121の回動軸126Aに回動自在に支持されている。すなわち、本実施形態では、リンク側カバー部材230の回動軸が、リンク121の回動軸126Aと同一である。そして、リンク121が前方に回動する際、リンク側カバー部材230は、リンク121と一体的に回動するようになる。
【0060】
より詳しく説明すると、リンク側カバー部材230は、隙間を開けて並ぶ一対の側部230a、230bを有し、一方の側部230aがリンク121と渦巻きバネ128の間に位置し、他方の側部230bが渦巻きバネ128の脇位置(リンク121が位置する側とは反対側)に位置するように配置される。換言すると、リンク側カバー230は、一対の側部230a、230bの間の隙間内に渦巻きバネ128が位置するようにセットされる。
【0061】
また、リンク121と渦巻きバネ128の間に位置する側部230aには、図10に示すように、半円状の切欠き231が形成されており、当該切欠き231がリンク121の回動軸126Aに嵌合されることにより、リンク側カバー部材230が同回動軸126Aに支持されることとなる。さらに、図10に示すように、リンク側カバー部材230の一端部には凹み233が形成されており、リンク121の側表面から突出した突出部121cが凹み233内に嵌り込んでいる(図9参照)。
【0062】
以上に説明した構成により、リンク側カバー部材230は、回動軸126Aを介してリンク121と一体化するようになり、回動軸126Aが回動すると、これに伴ってリンク121と一体的に回動するようになる。
【0063】
そして、リンク側カバー部材230は、シートクッション10が跳ね上がる前(着座位置に位置している段階)には渦巻きバネ128の下側を包囲する一方で(図9参照)、跳ね上げ動作の実行によりリンク121が前方に回動すると、リンク121と一体的に回動して、渦巻きバネ128の上側を包囲する位置に移動する。この際、上記の渦巻きバネカバー部材220は、リンク121に押圧されて前倒している。つまり、リンク側カバー部材230は、シートクッション10の跳ね上げ動作に伴って渦巻きバネカバー部材220が前倒した際に、渦巻きバネカバー部材220に代わって渦巻きバネ128をカバーするようになる。さらに、本実施形態では、渦巻きバネカバー部材220に代わって渦巻きバネ128をカバーする部材をリンク121と一体化することにより、よりコンパクトなカバー部材(付勢部材カバー部)が実現されることになる。
【0064】
なお、リンク側カバー部材230に備えられている一対の側部230a、230bのうち、渦巻きバネ128の脇位置であって、リンク121が位置する側に位置する側部230bには、前述の切欠き231と対向する箇所にのぞき孔232が形成されている。こののぞき孔232は、側部230a、230bの間に配置された渦巻きバネ128を確認するための孔であり、当該のぞき孔232が形成されていることにより、渦巻きバネ128の取付具合が確認し易くなる。
【0065】
以上のように、本実施形態では、カバー200によりシートクッション跳ね上げ機構60が覆われ、回動動作をするリンク121の回動支点周辺では、特に、渦巻きバネ128が渦巻きバネカバー部材220やリンク側カバー部材230によりカバーされる。これにより、リンク121の回動支点周りにおけるゴミや埃等の付着、堆積が防止されることになる。特に本実施形態では、前述したように、シートクッション10が跳ね上がる前には、渦巻きバネカバー部材220が渦巻きバネ128をカバーし、シートクッション10が跳ね上げ位置に跳ね上がると、リンク側カバー部材230が渦巻きバネ128をカバーする。つまり、本実施形態では、シートクッション10の位置が着座位置及び跳ね上げ位置のいずれであっても、渦巻きバネ128が適切にカバーされるようになっている。
【0066】
<<その他の実施形態>>
上記の実施形態では、本発明の乗物用シートとして車両用シートS1を一例に挙げて説明した。しかし、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。また、上述した材質や形状等は本発明の効果を発揮させるための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。
【0067】
また、上記の実施形態では、カバー200のうち、渦巻きバネ128をカバーする部分(付勢部材カバー部)が、リンク121の前方への回動動作に連動して動く可動部材(具体的には、上述した渦巻きバネカバー部材220及びリンク側カバー部材230)であることとした。ただし、渦巻きバネ128をカバーする部分については可動なものに限定されるものではなく、リンク121の回動動作を妨げないものである限り、非可動のものであってもよい。例えば、図11に示すように、カバー本体210においてリンク121やパイプロッド122の回動を妨げないように形成されたスリット内において、渦巻きバネ128の上方位置に、弾性ゴムからなる略矩形状のカバーゴム部240が取り付けられているカバー200であってもよい。
【0068】
より具体的に説明すると、上記のカバーゴム部240は、渦巻きバネ128の上方及び前方を覆う一方で、リンク121の可動範囲に差し掛かっている。したがって、リンク121が前方へ回動すると、リンク121がカバーゴム部240と接触することになる。そして、カバーゴム部240との接触後、リンク121が前方へ更に回動すると、カバーゴム部240が捲れるように弾性変形する結果、リンク121は、カバーゴム部240に干渉されることなく回動することが可能になる。
【0069】
なお、上記のカバーゴム部240を備えるカバー200は、カバーゴム部240に相当する部分を予め成形し、当該部分を、カバー本体210を成形するために樹脂を射出する射出成形機(不図示)にセットした上で、樹脂を射出して、カバーゴム部240とカバー本体210とを一体成形することにより形成される。
【符号の説明】
【0070】
1 車両、2 車体フロア、3 荷室部、
10 シートクッション、10a 張り出し部、
11 クッションフレーム、
20 シートバック、30 ヘッドレスト、40 アームレスト、
60 シートクッション跳ね上げ機構、
100 ストライカロック機構、
101 ロック部、102 ロック片、103 ハウジング、
104 連結片、105 ストライカ、
110 取付ユニット、111 取付板、
112 第1板部、112a 立ち壁部、
112b スリット、112c 経路規定部、
113 第2板部、114 取付穴、
114a 前端部、114b 中央部、114c 後端部、
115 サブマリンブラケット、115a 位置決め孔、
120 可動ユニット、121 リンク、
121a 当接部位、121b 差込孔、121c 突出部、
122 パイプロッド、123 連結バー、
124 取付ブラケット、125 支持機構、
126A,126B 回動軸、127 ベースブラケット、
127a 立ち壁部、
128 渦巻きバネ、129 ダンパーゴム、
200 カバー、210 カバー本体、
220 渦巻きバネカバー部材、221 基部、221a 軸、
222 本体部、222a 隆起部、
223 カバー取付ブラケット、224 スプリングバネ、
230 リンク側カバー部材、230a、230b 側部、
231 切欠き、232 のぞき孔、233 凹み、
240 カバーゴム部、
Bo ボルト、C ケーブル、
S1,S11,S12 車両用シート、
ST2 収納操作用帯状部材、Ws ワッシャ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着座位置と収納位置との間を移動するシートクッションと、
該シートクッションを前記着座位置から前記収納位置に向けて移動させるための動作を行うシートクッション駆動機構と、
該シートクッション駆動機構を覆うカバー部材と、を有することを特徴とする乗物用シート。
【請求項2】
前記収納位置は、前記着座位置よりも前方に位置し、
前記シートクッション駆動機構は、
前記シートクッションを固定支持しながら回動する長尺回動体と、
該長尺回動体を付勢する付勢部材と、を有し、前記シートクッションを前記着座位置から前記収納位置に向けて移動させるための動作として、前記シートクッションを固定支持した前記長尺回動体を、前記付勢部材の付勢力によって前方に回動させる動作を行い、
前記カバー部材は、前記付勢部材を覆う付勢部材カバー部を有することを特徴とする請求項1に記載の乗物用シート。
【請求項3】
前記付勢部材カバー部は、前記長尺回動体の前方への回動動作に連動して、前方に回動可能に取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載の乗物用シート。
【請求項4】
前記付勢部材カバー部を付勢する付勢バネを、更に有し、
前記長尺回動体は、前方への前記回動動作中に前記付勢部材カバー部に当接し、
前記付勢部材カバー部の回動方向において、前方に向かう向きを第1向きとし、後方に向かう向きを第2向きとしたときに、
前記付勢バネは、前記第2向きに前記付勢部材カバー部を付勢し、
前記長尺回動体は、前記付勢部材カバー部に当接した状態で更に前方に回動すると、前記第1向きに前記付勢部材カバー部を押圧し、前記付勢バネの付勢力に抗して前記付勢部材カバー部を前方に回動させることを特徴とする請求項3に記載の乗物用シート。
【請求項5】
前記付勢部材カバー部の回動軸が、前記長尺回動体の回動軸と同一であり、
前記付勢部材カバー部は、前記長尺回動体と一体的に回動することを特徴とする請求項3に記載の乗物用シート。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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