説明

乗用車のカウル構造

【課題】本発明は、フード後端とカウルルーバ間の見栄えを向上させるとともに、フードに加わった衝撃荷重をルーバ縦壁の部分で安定的に吸収できるようにする。
【解決手段】本発明に係るカウルルーバ30には、その前側部分に車幅方向に延びる溝部34が形成され、その溝部34の後側に車幅方向に延びる突条部31が形成されて、溝部34の底34bから突条部31の頂31tまでの間がルーバ縦壁32となっており、フード40の後端縁43は、カウルルーバ30の前端位置から突条部31の頂31tまでを覆う構成であり、ルーバ縦壁32には、折れ曲げのきっかけとなる折り曲げ線321,323がルーバ縦壁32の左端近傍から右端近傍まで車幅方向に形成され、ルーバ縦壁32には、折り曲げ線321,323と重なる位置に、そのルーバ縦壁32を貫通する多数の開口32xがルーバ縦壁32の左端近傍から右端近傍まで形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗用車のフードとフロントガラスとの間に、カウルルーバが前記フロントガラスの下端縁に沿って車幅方向に延びるように装着されており、前記カウルルーバがボディのカウルパネルによって下方から支えられている構成の乗用車のカウル構造に関する。
【背景技術】
【0002】
上記した乗用車のカウル構造に関する技術が特許文献1に記載されている。
特許文献1のカウル構造では、図4(A)に示すように、乗用車のエンジンフード110とフロントガラス109との間にカウルルーバ100が装着されており、前記カウルルーバ100がボディのカウルパネル115によって下方から支えられている。
カウルルーバ100の前端にはシール材101が取付けられる取付け部102が設けられており、その取付け部102の後方に車幅方向に延びる溝部104が形成されている。さらに、溝部104の後側には、山形の突条部105が車幅方向に延びるように形成されており、その溝部104の底から突条部105の頂までの間がルーバ縦壁105wとなっている。そして、突条部105の後側に位置する水平部105fの後端縁107がフロントガラス109の下端縁を覆っている。
カウルルーバ100は、シール材101の取付け部102からルーバ縦壁105wの略前半までがエンジンフード110の後端縁112に覆われている。このため、前記エンジンフード110とカウルルーバ100の突条部105との間には車両前後方向において隙間Sが形成されている。
これにより、エンジンフード110の後端縁112が上方からの衝撃荷重で下方に移動する際、そのエンジンフード110の後端がカウルルーバ100の突条部105の頂に当接することはない。したがって、前記衝撃荷重は、カウルルーバ100の溝部104の前壁板104fが前方に倒れ込むように変形することで吸収される。
【0003】
【特許文献1】特開2005−306070号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記した乗用車のカウル構造では、エンジンフード110とカウルルーバ100の突条部105との間には車両前後方向において隙間Sが形成されているため、前記隙間Sからカウルルーバ100の溝部104やルーバ縦壁105wが見える。これにより、エンジンフード110の後端縁112からカウルルーバ100、フロントガラス109の下端縁にかけての見栄えが低下する。
前記見栄えを向上させるため、図4(B)に示すように、エンジンフード110の後端縁112をカウルルーバ100の突条部105の頂まで後方に伸ばして前記隙間Sを無くすことが考えられる。しかし、前記隙間Sを無くすと、上方からの衝撃荷重を受けてエンジンフード110が下方に移動する際、前記エンジンフード110の後端がカウルルーバ100の突条部105の頂に当接する。前述のように、突条部105の後側には水平部105fが形成されており、その水平部105fの後端縁107がフロントガラス109に接続されている。このため、エンジンフード110の後端がカウルルーバ100の突条部105の頂を押圧すると、ルーバ縦壁105は後方に倒れずに、折れ曲がることで前記衝撃荷重を吸収する。しかし、カウルルーバ100のルーバ縦壁105wは、図4に示すように、一枚の平板状に形成されて、折れ曲がるきっかけとなる部分がないため、折れ曲がる態様が一定ではない。即ち、ルーバ縦壁105wの変形が不安定になるため、前記衝撃荷重の吸収がばらつき、前記衝撃荷重を安定的に吸収できないという問題がある。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、フード後端とカウルルーバ間の見栄えを向上させるとともに、フードに上方から加わった衝撃荷重をカウルルーバのルーバ縦壁の部分で安定的に吸収できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題は、各請求項の発明によって解決される。
請求項1の発明は、乗用車のフードとフロントガラスとの間に、カウルルーバが前記フロントガラスの下端縁に沿って車幅方向に延びるように装着されており、前記カウルルーバがボディのカウルパネルによって下方から支えられている構成の乗用車のカウル構造であって、前記カウルルーバには、そのカウルルーバの前側部分に車幅方向に延びる溝部が形成され、その溝部の後側に同じく車幅方向に延びる断面山形の突条部が形成されて、前記溝部の底から前記突条部の頂までの間が前記カウルルーバのルーバ縦壁となっており、前記フードの後端縁は、前記カウルルーバの前端位置から前記突条部の頂までを上方から覆う構成であり、前記カウルルーバのルーバ縦壁には、そのルーバ縦壁が折れ曲がる際のきっかけとなる折り曲げ線が前記ルーバ縦壁の左端近傍から右端近傍まで車幅方向に延びるように形成されており、さらに、前記ルーバ縦壁には、前記折り曲げ線と重なる位置に、そのルーバ縦壁を貫通する多数の開口が前記ルーバ縦壁の左端近傍から右端近傍まで形成されていることを特徴とする。
【0007】
本発明によると、フードの後端縁は、カウルルーバの前端位置から突条部の頂までを上方から覆う構成である。このため、カウルルーバの溝部やルーバ縦壁が外から見えなくなり、フードの後端縁からカウルルーバ、フロントガラスの下端縁までの見栄えが向上する。
また、カウルルーバのルーバ縦壁には、そのルーバ縦壁が折れ曲がる際のきっかけとなる折り曲げ線が前記ルーバ縦壁の左端近傍から右端近傍まで車幅方向に延びるように形成されている。さらに、ルーバ縦壁には、前記折り曲げ線と重なる位置に、そのルーバ縦壁を貫通する多数の開口が前記ルーバ縦壁の左端近傍から右端近傍まで形成されている。
このため、前記折り曲げ線の位置でルーバ縦壁の強度が低下して、前記ルーバ縦壁は折り曲げ線の位置で折り曲がり易くなる。したがって、フードの後端縁に上方から衝撃荷重が加わって、前記フードがカウルルーバの突条部の頂を下方に押圧すると、ルーバ縦壁は折り曲げ線の位置で安定して折れ曲がるようになる。即ち、フードに上方から加わった衝撃荷重はカウルルーバのルーバ縦壁の部分で安定的に吸収される。
【0008】
請求項2の発明によると、カウルルーバのルーバ縦壁には、折り曲げ線と開口とが高さ方向に複数段設けられていることを特徴とする。
このため、カウルルーバのルーバ縦壁が高さ方向において潰れ易くなる。
請求項3の発明によると、折り曲げ線は、ルーバ縦壁に形成された棚状の段差部と、そのルーバ縦壁の縦壁部との境界位置に形成されていることを特徴とする。
このため、ルーバ縦壁は折り曲げ線の位置で常に同方向に折れ曲がるようになる。
請求項4の発明によると、折り曲げ線に起因するルーバ縦壁の折り曲がり部位がそのルーバ縦壁の裏側方向に突出するように、前記折り曲げ線が形成されていることを特徴とする。
このため、ルーバ縦壁の折り曲げ部がフードと干渉することがない。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、フード後端とカウルルーバ間の見栄えが向上するとともに、フードに上方から加わった衝撃荷重をカウルルーバのルーバ縦壁の部分で安定的に吸収できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
[実施形態1]
以下、図1から図3に基づいて本発明の実施形態1に係る乗用車のカウル構造について説明する。ここで、図1は本実施形態に係る乗用車のカウル構造を表す縦断面図、図2はカウル構造に使用されるカウルルーバの模式斜視図等である。また、図3は本実施形態に係るカウル構造を備える乗用車の正面図である。
なお、図中の前後左右及び上下は、乗用車の前後左右及び上下に対応している。
【0011】
<乗用車のカウル構造の概要について>
図3に示すように、乗用車Cのエンジンフード40とフロントガラス3との間には、カウルルーバ30がフロントガラス3の下端縁に沿って車幅方向に延びるように装着されている。カウルルーバ30の後端縁には、図1に示すように、車幅方向に延びる断面略コ字形の連結溝部39が設けられており、その連結溝部39にフロントガラス3の下端縁3eが嵌め込まれている。即ち、フロントガラス3の下端縁3eは、カウルルーバ30の連結溝部39の上側壁39uによって車幅方向全体に亘って覆われている。
前記カウルルーバ30は、図1に示すように、乗用車Cのボディを構成するカウルパネル26によって下方から支持されており、そのカウルルーバ30の前端位置から中央部までがエンジンフード40の後端縁43によって上方から覆われている。
【0012】
<カウルルーバ30について>
カウルルーバ30は、図1、図2に示すように、そのカウルルーバ30の前側部分に車幅方向に延びる溝部34が形成されており、その溝部34の後側に同じく車幅方向に延びる断面山形の突条部31が形成されている。そして、溝部34の底34bから突条部31の頂31tまでの間が、図1に示すように、前上方を指向するように傾斜したルーバ縦壁32となっている。
ルーバ縦壁32は、上縦壁部32aと中縦壁部32mと下縦壁部32dとから構成されており、前記上縦壁部32aと中縦壁部32m間、及び前記中縦壁部32mと下縦壁部32d間に車幅方向に延びる棚状の段差部320がルーバ縦壁32の左端近傍から右端近傍まで形成されている。
また、上側の段差部320と上縦壁部32aとの境界位置には、第1折り曲げ線321が段差部320の左端から右端まで形成されている。第1折り曲げ線321は、ルーバ縦壁32が折り曲がる際のきっかけとなる線であり、その第1折り曲げ線321に起因するルーバ縦壁32の折り曲がり部位はルーバ縦壁32の裏側方向に突出するようになる。
また、ルーバ縦壁32の上縦壁部32aの下部には、図1、図2に示すように、その上縦壁部32aを貫通する多数の角形開口32xが車幅方向に並んで前記段差部320の左端から右端まで形成されている。
【0013】
角形開口32xは、ルーバ縦壁32の第1折り曲げ線321及びその近傍の強度を低下させるためのものであり、それらの角形開口32xの下部が第1折り曲げ線321と重なるように位置決めされている。角形開口32xは、ゴミ等の入り込みを抑制するため可能な限り小さい寸法(例えば、縦10mm×横5mm)で形成されている。
下側の段差部320と中縦壁部32mとの境界位置には、第2折り曲げ線323が段差部320の左端から右端まで形成されている。第2折り曲げ線323は、第1折り曲げ線321と同様に、ルーバ縦壁32が折り曲がる際のきっかけとなる線であり、その第2折り曲げ線323に起因するルーバ縦壁32の折り曲がり部位はルーバ縦壁32の裏側方向に突出するようになる。
また、ルーバ縦壁32の中縦壁部32mの下部には、図1、図2に示すように、その中縦壁部32mを貫通する多数の角形開口32xが車幅方向に並んで段差部320の左端から右端まで形成されている。角形開口32xは、上記したように、その下部が第2折り曲げ線323と重なるように位置決めされている。
また、下縦壁部32dの下部には、その下縦壁部32dを貫通する多数の角形開口32xが車幅方向に並んでルーバ縦壁32の左端から右端近傍まで形成されている。
【0014】
図1に示すように、カウルルーバ30の溝部34を構成する前側の側壁34kは、ルーバ縦壁32よりも緩やかな傾斜で前傾状態に形成されている。溝部34の側壁34kは、上端縁が前方に棚状に折り曲げられており、その棚状の部分が車幅方向に延びるシール取付け部35となっている。そして、前記シール取付け部35の上面に、ゴム製のシール部材36(ウエザーストリップ36)がそのシール取付け部35に沿って取付けられている。なお、図2ではシール部材36は省略されている。
シール部材36は、エンジンフード40の後端縁43とカウルルーバ30の前端縁との間をシールする部材であり、外部からエンジンルーム内に水や異物等が入り込むのを防止している。
さらに、カウルルーバ30は、溝部34の底34bの部分が、図1に示すように、前記カウルパネル26の上端に設けられた棚部26fによって下方から支えられている。
【0015】
<エンジンフード40について>
エンジンフード40には、図1に示すように、その下面(裏面)側にフードインナー44が固定されている。フードインナー44は、その後端縁が断面略山形に形成されており、その下端面(山の頂部分)が平坦なシール面44sとなっている。そして、エンジンフード40の後端縁43がカウルルーバ30の前端位置から突条部31の頂31tまで被せられた状態で、エンジンフード40のシール面44sがカウルルーバ30のシール部材36を押圧するようになる。これによって、カウルルーバ30とエンジンフード40との間がシール部材36によってシールされる。
また、エンジンフード40は、カウルルーバ30に被せられた状態で、シール部材36を介してカウルルーバ30の先端部分に支えられるように構成されている。このため、エンジンフード40とカウルルーバ30とは互いに接触せず、エンジンフード40の後端40eとカウルルーバ30の突条部31(頂31t)との間には後向きに開放する隙間Sbが形成される。しかし、前記隙間Sbは前方及び上方からは見えないため、エンジンフード40とカウルルーバ30との境界部分が目立たずに、ボディの見栄えが向上する。
即ち、エンジンフード40が本発明のフードに相当する。
【0016】
<本実施形態に係る乗用車のカウル構造の働きについて>
次に、図1に基づいて、エンジンフード40の後端縁43に対してほぼ直角上方から衝撃荷重Wが加わった場合におけるカウルルーバ30等の動作について説明する。
エンジンフード40の後端縁43に対して上方から衝撃荷重Wが加わると、エンジンフード40の後端縁43は、潰れながら矢印方向に移動し、シール面44sの部分がシール部材36及びカウルルーバ30のシール取付け部35を下方に押圧する。さらに、エンジンフード40の後端40eがカウルルーバ30の突条部31の頂31tを下方に押圧する。
前述のように、ルーバ縦壁32には第1、第2折り曲げ線321,323、及び角形開口32xが形成されているため、それらの折り曲げ線321,323近傍の強度が低下している。このため、エンジンフード40の後端40eがカウルルーバ30の頂31tを下方に押圧すると、ルーバ縦壁32が第1、第2折り曲げ線321,323の位置で折れ曲がり、図1の二点鎖線に示すように潰れるようになる。即ち、エンジンフード40の後端縁43に衝撃荷重Wが加わったときに、前記ルーバ縦壁32が常に同じ位置で折れ曲がるため、前記衝撃荷重Wがルーバ縦壁32の部分で安定的に吸収される。
【0017】
<前記カウル構造の長所について>
本実施形態に係る乗用車のカウル構造によると、エンジンフード40の後端縁43は、カウルルーバ30の前端位置から突条部31の頂31tまでを上方から覆う構成である。このため、カウルルーバ30の溝部34やルーバ縦壁32が外から見えなくなり、エンジンフード40の後端縁43からカウルルーバ30、フロントガラス3の下端縁3eまでの見栄えが向上する。
また、カウルルーバ30のルーバ縦壁32には、上記したように車幅方向に延びる第1、第2折り曲げ線321,323がそのルーバ縦壁32の左右端部近傍まで形成されており、それらの折り曲げ線321,323と重なる位置に多数の角形開口32xが車幅方向に並んでそのルーバ縦壁32の左右端部近傍まで形成されている。このため、第1、第2折り曲げ線321,323の位置でルーバ縦壁32の強度が低下し、ルーバ縦壁32はそれらの折り曲げ線321,323の位置で折り曲がり易くなる。したがって、エンジンフード40の後端縁43に上方から衝撃荷重Wが加わって、エンジンフード40がカウルルーバ30の突条部31の頂31tを下方に押圧すると、ルーバ縦壁32は折り曲げ線321,323の位置で折れ曲がりながら潰れるようになる。即ち、エンジンフード40に上方から加わった衝撃荷重Wはカウルルーバ30のルーバ縦壁32の部分で安定的に吸収される。
また、カウルルーバ30のルーバ縦壁32には、第1、第2折り曲げ線321,323と角形開口32xとが高さ方向に二段設けられているため、カウルルーバ30のルーバ縦壁32が高さ方向において潰れ易くなる。
また、第1、第2折り曲げ線321,323は、ルーバ縦壁32に形成された棚状の段差部320と、そのルーバ縦壁32の縦壁部32a,32mとの境界位置に形成されているため、ルーバ縦壁32は第1、第2折り曲げ線321,323の位置で常に同方向に折れ曲がるようになる。
また、第1、第2折り曲げ線321,323に起因するルーバ縦壁32の折り曲がり部位がそのルーバ縦壁の裏側方向に突出するように、それらの折り曲げ線321,323が形成されているため、ルーバ縦壁32の折り曲げ部がエンジンフード40と干渉することがない。
【0018】
<乗用車のカウル構造の変更例>
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本実施形態では、ルーバ縦壁32の段差部320を高さ方向に二箇所設ける例を示したが、一箇所であっても良いし、三箇所以上設けることも可能である。
また、ルーバ縦壁32の開口32xを角形に形成した例を示したが、開口32xの形状は適宜変更可能である。さらに、開口32xのサイズを縦10mm×横5mmに設定する例を示したが、前記開口32xのサイズを上記値より小さくすることも可能である。また、ルーバ縦壁32の折り曲げ線321,323近傍の強度に応じて、車幅方向に並べられた開口32xの間隔を調整することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態1に係る乗用車のカウル構造を表す縦断面図である。
【図2】前記カウル構造に使用されるカウルルーバの模式斜視図(A図)、A図のB部拡大図(B図)である。
【図3】前記カウル構造を備える乗用車の正面図である。
【図4】従来の乗用車のカウル構造を表す縦断面図(A図)、(B図)である。
【符号の説明】
【0020】
C・・・・乗用車
3・・・・フロントガラス
26・・・カウルパネル
30・・・カウルルーバ
31・・・突条部
31t・・頂
32・・・ルーバ縦壁
32x・・角形開口(開口)
320・・段差部
321・・第1折り曲げ線
323・・第2折り曲げ線
34・・・溝部
34b・・底
40・・・エンジンフード(フード)
43・・・後端縁




【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗用車のフードとフロントガラスとの間に、カウルルーバが前記フロントガラスの下端縁に沿って車幅方向に延びるように装着されており、前記カウルルーバがボディのカウルパネルによって下方から支えられている構成の乗用車のカウル構造であって、
前記カウルルーバには、そのカウルルーバの前側部分に車幅方向に延びる溝部が形成され、その溝部の後側に同じく車幅方向に延びる断面山形の突条部が形成されて、前記溝部の底から前記突条部の頂までの間が前記カウルルーバのルーバ縦壁となっており、
前記フードの後端縁は、前記カウルルーバの前端位置から前記突条部の頂までを上方から覆う構成であり、
前記カウルルーバのルーバ縦壁には、そのルーバ縦壁が折れ曲がる際のきっかけとなる折り曲げ線が前記ルーバ縦壁の左端近傍から右端近傍まで車幅方向に延びるように形成されており、
さらに、前記ルーバ縦壁には、前記折り曲げ線と重なる位置に、そのルーバ縦壁を貫通する多数の開口が前記ルーバ縦壁の左端近傍から右端近傍まで形成されていることを特徴とする乗用車のカウル構造。
【請求項2】
請求項1に記載された乗用車のカウル構造であって、
前記カウルルーバのルーバ縦壁には、前記折り曲げ線と前記開口とが高さ方向に複数段設けられていることを特徴とする乗用車のカウル構造。
【請求項3】
請求項1又は請求項2のいずれかに記載された乗用車のカウル構造であって、
前記折り曲げ線は、前記ルーバ縦壁に形成された棚状の段差部と、そのルーバ縦壁の縦壁部との境界位置に形成されていることを特徴とする乗用車のカウル構造。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載された乗用車のカウル構造であって、
前記折り曲げ線に起因する前記ルーバ縦壁の折り曲がり部位がそのルーバ縦壁の裏側方向に突出するように、前記折り曲げ線が形成されていることを特徴とする乗用車のカウル構造。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−208663(P2009−208663A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−54583(P2008−54583)
【出願日】平成20年3月5日(2008.3.5)
【出願人】(000110321)トヨタ車体株式会社 (1,272)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】