説明

乾燥排ガスの熱を利用するヒートポンプユニットを具えた乾燥システム

【課題】 ヒートポンプと、熱風乾燥装置とが具えられ、ヒートポンプユニットの熱源として乾燥排ガスの熱を利用する乾燥システムにおいて、特に乾燥排ガスの温度が充分に上昇していない起動運転時であっても、ヒートポンプユニットを好条件で稼働して、ヒートポンプユニットによって所望の温度の乾燥気体を、所望の風量で得ることのできる、新規な乾燥排ガスの熱を利用するヒートポンプユニットを具えた乾燥システムの開発を技術課題とした。
【解決手段】 ヒートポンプユニット2における蒸発器23には、熱源媒体としての作用水Mが循環供給されるものであり、且つ乾燥機1から排気される乾燥排ガスD3の熱を、前記作用水Mに移動させるための熱交換器4が具えられ、更に前記作用水Mを、乾燥システムS外のエネルギーによって昇温するための昇温機構5が具えられていることを特徴として成る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はヒートポンプと、流動層乾燥機や回転ドラム式乾燥機等の熱風乾燥装置とが具えられた乾燥システムに関するものであり、特に定常運転時にヒートポンプユニットの熱源として乾燥排ガスの熱を利用する乾燥システムにおいて、乾燥排ガスの温度が充分に上昇していない起動運転時に、ヒートポンプユニットを好条件で稼働することのできる、乾燥排ガスの熱を利用するヒートポンプユニットを具えた乾燥システムに係るものである。
【背景技術】
【0002】
近時、環境保全の取り組みが盛んになってきており、更に省エネルギー(いわゆる省エネ)の観点から、乾燥装置において熱源としてヒートポンプユニットを適用することが試みられている。
具体的には、いわゆるバンド乾燥機に対して、フロン系の冷媒を使用したヒートポンプユニットが適用された装置が開発されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
ところで前記バンド乾燥機は、被処理物が乾燥室内に配されたネットコンベヤ等の軌道上を移動する際に、乾燥気体と接触して乾燥が行われるものであり、ネットコンベヤを多段に具えることにより、長時間での処理が可能とされたものである。
一方、比較的短時間で処理が行われる流動層乾燥機や回転ドラム式乾燥機等の熱風乾燥装置においては、その熱源にヒートポンプユニットを適用することは現実的ではなかった。
【0004】
具体的には流動層乾燥機等にあっては、被処理物の乾燥機内での滞留時間(処理時間)が短く、更に乾燥初期の段階で高温の乾燥気体が必要とされるため、フロン系の冷媒を使用したヒートポンプでは得られる熱風の温度が50℃程度であり、短時間で乾燥するのに必要な温度が得られないことから、乾燥機を大型化する等して対応する必要があり、効率的な運転をすることができず、かえってコスト上昇を招いてしまうこととなるのである。
【0005】
そこで本出願人は、熱風乾燥装置に対して高温の乾燥気体を供給するための機器としてヒートポンプユニットを適用することを可能にするとともに、乾燥システム全体としてのエネルギー効率が高く、更に高エネルギー効率で安定した運転を行うことのできる、新規なヒートポンプユニットと昇温装置とを具えた乾燥システムを開発し、既に特許出願に及んでいる(特許文献2参照)。
そして本出願人は、その後もこの種のヒートポンプユニットを具えた乾燥システムの研究・開発を継続しており、特に乾燥システムの起動時における、ヒートポンプユニットの挙動について着目した。
【0006】
すなわち図3に示すように、ヒートポンプユニット2′における蒸発器23′の熱源として作用水Mを用い、この作用水Mに対し、乾燥排ガスD3の熱を移動させて利用する乾燥システムS′においては、起動運転時には乾燥排ガスD3の温度が充分に上昇していないため、作用水Mの温度も十分に上昇せず、ヒートポンプユニット2′の効率が著しく低下してしまう。
このため、乾燥機1′に供給される乾燥気体D1、D2の温度を所望の値とするためには、外気D0の風量を抑える必要があり、乾燥効率が著しく低下してしまうこととなる。
【0007】
そして引用文献2に開示された装置はこのような事態を回避すべく、乾燥システムS′の周辺設備からの排温水や蒸気を熱源とする昇温装置7′(図3中、仮想線で示す)を用いて、ヒートポンプユニット2′によって昇温された外気D0を更に昇温し、所望の温度の乾燥気体D1が得られるように構成されたものである。
しかしながらこのような構成は、周辺設備からの排温水や蒸気が安定的に供給されることを前提としたものであり、これらが不足してしまう状況下での運転操作において改善の余地があった。
すなわち前記周辺設備からの排温水や蒸気が不足してしまうときには昇温装置7′の作用が低下するため、所望の温度の乾燥気体D1が得られず、定常運転になるまでに非常に長時間を要することになってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第3957652号公報
【特許文献2】特願2009−40699
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明はこのような背景を認識してなされたものであって、ヒートポンプと、熱風乾燥装置とが具えられ、ヒートポンプユニットの熱源として乾燥排ガスの熱を利用する乾燥システムにおいて、特に乾燥排ガスの温度が充分に上昇していない起動運転時であっても、ヒートポンプユニットを好条件で稼働して、ヒートポンプユニットによって所望の温度の乾燥気体を、所望の風量で得ることのできる、新規な乾燥排ガスの熱を利用するヒートポンプユニットを具えた乾燥システムの開発を技術課題としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち請求項1記載の乾燥排ガスの熱を利用するヒートポンプユニットを具えた乾燥システムは、熱風乾燥機を適用した乾燥機と、この乾燥機に乾燥気体を供給するためのヒートポンプユニットを具えた給気機構とを具えた乾燥システムにおいて、前記ヒートポンプユニットにおける蒸発器には、熱源媒体としての作用水が循環供給されるものであり、且つ前記乾燥機から排気される乾燥排ガスの熱を、前記作用水に移動させるための熱交換器が具えられ、更に前記作用水を、この乾燥システム外のエネルギーによって昇温するための昇温機構が具えられていることを特徴として成るものである。
【0011】
また請求項2記載の乾燥排ガスの熱を利用するヒートポンプユニットを具えた乾燥システムは、前記要件に加え、前記昇温機構は、電気をエネルギー源とするものであることを特徴として成るものである。
【0012】
更にまた請求項3記載の乾燥排ガスの熱を利用するヒートポンプユニットを具えた乾燥システムは、前記請求項1記載の要件に加え、前記昇温機構は、乾燥システム外から供給される蒸気および/または排温水をエネルギー源とするものであることを特徴として成るものである。
そしてこれら各請求項記載の発明の構成を手段として前記課題の解決が図られる。
【発明の効果】
【0013】
まず請求項1記載の発明によれば、乾燥排ガスの温度が充分に上昇していない起動運転時であっても、ヒートポンプユニットにおける蒸発器に供給される作用水の温度を好適な状態とし、ヒートポンプユニットを好条件で稼働して、ヒートポンプユニットによって所望の温度の乾燥気体を所望の風量で得ることができる。
また、起動時以外で、被処理物の性状の変化により、乾燥機の運転状態が変動した場合、乾燥排ガスから回収される熱量に変動を生じて、所望の作用水温度にならないこともあるが、乾燥システム外からエネルギーを作用水に供給することにより、常に作用水の温度を安定させ、ヒートポンプユニットの安定した運転と効率的な運転を行うことができる。
【0014】
また請求項2記載の発明によれば、蒸発器に供給される作用水の温度を、安定的に好適な状態とすることができる。
また、作用水の系をクローズドサイクルで形成することができるため、作用水の清浄度の管理や給排水等の管理が極めて容易となる。
【0015】
更にまた請求項3記載の発明によれば、蒸発器に供給される作用水を好適な温度とするために、乾燥システム外のエネルギーを利用することになるので、乾燥システム外の工場設備のエネルギー効率を高め、延いては工場全体のエネルギーコストの向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の乾燥システムを示すブロック図である。
【図2】昇温機構を異ならせた本発明の乾燥システムを示すブロック図である。
【図3】発明の背景で述べた乾燥システムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の乾燥排ガスの熱を利用するヒートポンプユニットを具えた乾燥システムを実施するための形態は以下の実施例に示すとおりであるが、この実施例に対して本発明の技術的思想の範囲内において適宜変更を加えることも可能である。
【実施例】
【0018】
本発明の「乾燥排ガスの熱を利用するヒートポンプユニットを具えた乾燥システム」(以下、乾燥システムSと称す)は、乾燥機1と、この乾燥機1に乾燥気体Dを供給するための給気機構とを具えて成るものである。具体的には一例として図1に示すように、乾燥システムSには、乾燥機1と、給気機構を構成するヒートポンプユニット2とが主要要素として具えられる。
また乾燥システムSには、前記ヒートポンプユニット2に対して熱源として供給される作用水Mを貯留するための作用水タンク3が具えられ、更に作用水Mを昇温するための熱交換器4及び昇温機構5が具えられる。
以下、これら乾燥システムSの構成要素について詳しく説明し、続いて乾燥システムSの作動態様を説明する。
【0019】
まず前記乾燥機1について説明すると、この実施例では熱風乾燥機の一例である流動層乾燥機が適用される。このものは、筐体10内を乾燥のための処理空間とするものであり、処理空間を上下に分割するように設けられた通気板11の下方から乾燥気体D(D1、D2)が供給され、通気板11上に位置する被処理物Hに流動層を形成させながら乾燥を行うものである。
このため筐体10の下部には給気口12が形成され、また前方(図1中、左側)上部には投入口13が形成され、更に後方(図1中、右側)上部には排気口14が形成され、更に後方且つ通気板11よりも上方の個所に接続されるダクト10aに対して排出口15が形成される。
また乾燥機1の周辺機器として、吹込ファン16A、吹込ファン16B、サイクロン17及び排気ファン18が具えられるものであり、これらの接続状態については後程、詳しく説明する。
【0020】
なおこの実施例では、前記通気板11の中程に堰板11aが設けられ、ある程度乾燥の進んだ被処理物Hがこの堰板11aを乗り越えて次の乾燥段階に移行するような構成が採られるものであり、このため通気板11の下方空間も堰板11aの下方で分割され、それぞれの空間に給気口12A、12Bが形成されるようにした。なお図示は省略するが、前記堰板11aを上方に持ち上げることができる構成とし、適宜の時間間隔で解放することにより、被処理物Hの移動を行うようにしてもよい。
またこの実施例では、乾燥機1として流動層乾燥機が採用されたが、流動層造粒乾燥機、バンド乾燥機あるいは気流乾燥機等、他の熱風乾燥機を採用することもできる。
【0021】
次に前記ヒートポンプユニット2について説明すると、このものは、凝縮器21と、膨張弁22と、蒸発器23と、圧縮機24とを具えてヒートポンプサイクルを形成するものであり、一例として二酸化炭素を冷媒とするものが採用される。なお前記冷媒として二酸化炭素を採用することにより、ヒートポンプユニット2で昇温される乾燥気体D1の温度を高くすることができるものである。因みに現状では、二酸化炭素を冷媒としたヒートポンプユニット2が、乾燥気体D1の温度を100℃付近まで昇温することができるものとして実用化されているが、今後、他の冷媒を用いた同等の性能を有するヒートポンプユニット2が実用化された場合には、これを採用することもできる。
【0022】
そして図1に示すように、前記乾燥機1、ヒートポンプユニット2及び作用水タンク3を組み合わせて乾燥システムSが構成される。
なおこの実施例では、乾燥機1に対して温度の異なる乾燥気体D1、D2が給気口12A、12Bに対してそれぞれ供給される構成が採られるものである。このためヒートポンプユニット2における凝縮器21の入力側に吹込ファン16Aが管路によって接続され、更に凝縮器21の出力側に接続されれる管路が分岐して、それぞれ給気口12A、12Bに接続される。更に給気口12Bに接続される管路には、吹込ファン16Bを具えた管路が接続されることにより、乾燥気体D1に外気D0を混入して、温度の低下した乾燥気体D2とすることができるように構成されている。
【0023】
また前記ヒートポンプユニット2における蒸発器23の入力側は、管路によって作用水タンク3に接続されるものであり、この管路の途中にポンプ31が具えられている。
一方、蒸発器23の出力側は、管路によって熱交換器4(伝熱管41の入力側)に接続されている。この熱交換器4は、前記乾燥機1から排気される乾燥排ガスD3の熱を、前記作用水Mに移動させるためのものであり、筐体40内に伝熱管41を具えて成るものである。そして伝熱管41の出力側と、作用水タンク3とが管路によって接続されている。
更にまた前記蒸発器23の出力側と伝熱管41との間の管路には三方弁Vの弁体が接続され、更に残りの弁体は作用水タンク3と伝熱管41との間の管路に接続される。
そしてこのような構成が採られることにより、乾燥排ガスD3から作用水Mへの熱回収を行う必要がない場合には、作用水Mが熱交換器4を経由せずに、作用水タンク3と蒸発器23との間を流れるようにすることが可能となる。
また前記作用水タンク3には、内部に収容される作用水Mの温度を測定するための温度センサT1が具えられる。
【0024】
そして前記作用水Mを、乾燥システムS外のエネルギーによって昇温するための昇温機構5が具えられるものであり、この実施例では一例としてニクロム線ヒータ、カーボンヒータ、シーズヒータ、セラミックヒータ等の発熱素子や、ペルティエ素子等、電気をエネルギー源とする電気昇温機器51が適用される。
【0025】
またヒートポンプユニット2と、給気口12Aとの間の管路には、乾燥気体D1の温度を計測するための温度センサT2が具えられ、この温度センサT2の検出値に基づいて、適宜の制御装置により圧縮機24の動作状態が調整され、温度センサT2によって検出される乾燥気体D1の温度が所定の値(一例として100℃)となるように自動制御される。
【0026】
また前記給気口12Bと吹込ファン16Bとの間の管路には、温度センサT3が具えられ、この温度センサT3の検出値に基づいて、適宜の制御装置により吹込ファン16Bの動作状態が調整され、温度センサT3によって検出される乾燥気体D2の温度が所定の値(一例として90℃)となるように自動制御される。
【0027】
更に乾燥機1における排気口14と熱交換器4との間を接続する管路に対して、サイクロン17及び排気ファン18が具えられる。
また熱交換器4の後段には、脱臭装置6及び排気ファン19が具えられる。
【0028】
また上述した乾燥システムSは、ヒートポンプユニット2を一基具えて構成されたものであったが、二基のヒートポンプユニット2を具えることにより、各々の給気口12A、12Bに個別に乾燥気体D1、D2を供給するようにしてもよい。
【0029】
本発明の乾燥システムSは、一例として上述したように構成されるものであり、以下、その作動態様について説明する。
(1)乾燥気体の流れと被処理物の乾燥
初めに乾燥気体Dの流れについて説明する。まず外気D0は吹込ファン16Aによりヒートポンプユニット2に送られ、ここで凝縮器21において昇温されて乾燥気体D1となる(一例として100℃)。この乾燥気体D1の一部は直接、乾燥機1における給気口12Aに送られ、残りの乾燥気体D1には外気D0が混入されて乾燥気体D2(一例として90℃)となり、給気口12Bに送られる。
そして乾燥機1に対して供給された食品原料等の被処理物Hは、まず給気口12Aから吹き込まれる乾燥気体D1(100℃)によって流動層が形成されるとともに、水分等の揮発分が除去される。
やがて被処理物Hは、乾燥の進行とともに自重が軽くなり、堰板11aを乗り越えて給気口12Bから吹き込まれる乾燥気体D2(90℃)の作用域に入り込み、更に乾燥が進行し、所望の乾燥状態となって排出口15から外部に排出される。
そして筐体10内において被処理物Hに作用した乾燥気体D1、D2は、被処理物Hから水分等の揮発分を蒸発させて温度が低下した乾燥排ガスD3(一例として66℃)となり、排気ファン18の作用によって排気口14から乾燥機1の外部に排気される。
次いで乾燥排ガスD3はサイクロン17によって被処理物Hの乾燥粉等が除去された後、熱交換器4に送られ、ここで作用水Mとの間で熱交換が行われる。次いで乾燥排ガスD3は温度の下がった状態で脱臭装置6に送られ、脱臭処理が施された後、外部に排気される。
【0030】
(2)ヒートポンプユニットの動作と作用水の流れ
次にヒートポンプユニット2の動作と作用水Mの流れについて説明する。
前記ヒートポンプユニット2においては、蒸発器23において外部の熱が冷媒(二酸化炭素等)に取り込まれ、次いで冷媒が圧縮機24において昇温された後、凝縮器21において冷媒の熱が外気D0に移動することにより、外気D0の昇温が行われる。そしてこのような蒸発器23における外部熱源としては、作用水タンク3から供給される作用水Mが供されるものであって、蒸発器23に供給された作用水Mは、冷媒(二酸化炭素等)の気化にエネルギーを奪われて温度が低下した状態で蒸発器23から排出される。
このようにして温度が低下した作用水Mを、再度ヒートポンプユニット2における熱源として供するためには、30℃前後に昇温する必要がある。
このために、蒸発器23から排出される作用水M(一例として25℃)は、熱交換器4における伝熱管41に送られるものであり、ここで作用水Mには乾燥排ガスD3の熱が移動して昇温されることとなる(一例として30℃)。
このようにして、乾燥排ガスD3の熱によって昇温された作用水Mは、作用水タンク3に貯留されるものであり、このとき、温度センサT1の検出値が所定の温度(一例として25℃)より低かった場合には、昇温機構5が起動されるものであり、この実施例では電気昇温機器51から作用水Mへ熱が供給され、作用水Mを所望の温度(一例として30℃)にまで昇温させる。
このように本発明によれば、乾燥排ガスD3の温度が充分に上昇していない起動運転時であっても、ヒートポンプユニット2における蒸発器23に供給される作用水Mを好適な温度とし、ヒートポンプユニット2を好条件で稼働して、ヒートポンプユニット2によって所望の温度の乾燥気体D1を所望の風量で得ることができる。
【0031】
〔他の実施例〕
本発明は上述した実施例を基本となる実施例とするものであるが、本発明の技術的思想に基づいて、以下に示すような形態を採ることもできる。
具体的には前記昇温機構5として、乾燥システムSの周辺設備等、外部から供給される蒸気および/または排温水をエネルギー源とするものとして構成することもできる。具体的には図2に示すように、前記作用水タンク3に対して排温水を供給するための排温水管52を接続し、更にこの排温水管52に蒸気管53を接続することにより構成されるものである。
このような構成が採られることにより、排温水管52を通じて排温水を作用水タンク3に供給し、作用水Mの温度を上昇させることが可能となる。なおこの際、余剰となった作用水M及び排温水は適宜作用水タンク3から外部に排水される。
また同様に、前記蒸気管53を通じて蒸気を供給することにより、作用水タンク3内の作用水Mを蒸気の作用によって昇温するようにすることもできる。
なお前記周辺設備とは、乾燥システムSの周辺設備のみならず、例えば同じ工場内に設置された他の生産設備を構成する機器、更には他の工場内に設置された機器等をも含んだものとする。
【符号の説明】
【0032】
S 乾燥システム
1 乾燥機
10 筐体
10a ダクト
11 通気板
11a 堰板
12 給気口
12A 給気口
12B 給気口
13 投入口
14 排気口
15 排出口
16A 吹込ファン
16B 吹込ファン
17 サイクロン
18 排気ファン
19 排気ファン
2 ヒートポンプユニット
21 凝縮器
22 膨張弁
23 蒸発器
24 圧縮機
3 作用水タンク
31 ポンプ
4 熱交換器
40 筐体
41 伝熱管
5 昇温機構
51 電気昇温機器
52 排温水管
53 蒸気管
6 脱臭装置
7′ 昇温装置
D0 外気
D 乾燥気体
D1 乾燥気体
D2 乾燥気体
D3 乾燥排ガス
H 被処理物
M 作用水
T1 温度センサ
T2 温度センサ
T3 温度センサ
V 三方弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱風乾燥機を適用した乾燥機と、この乾燥機に乾燥気体を供給するためのヒートポンプユニットを具えた給気機構とを具えた乾燥システムにおいて、前記ヒートポンプユニットにおける蒸発器には、熱源媒体としての作用水が循環供給されるものであり、且つ前記乾燥機から排気される乾燥排ガスの熱を、前記作用水に移動させるための熱交換器が具えられ、更に前記作用水を、この乾燥システム外のエネルギーによって昇温するための昇温機構が具えられていることを特徴とする乾燥排ガスの熱を利用するヒートポンプユニットを具えた乾燥システム。
【請求項2】
前記昇温機構は、電気をエネルギー源とするものであることを特徴とする請求項1記載の乾燥排ガスの熱を利用するヒートポンプユニットを具えた乾燥システム。
システム。
【請求項3】
前記昇温機構は、乾燥システム外から供給される蒸気および/または排温水をエネルギー源とするものであることを特徴とする請求項1記載の乾燥排ガスの熱を利用するヒートポンプユニットを具えた乾燥システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2012−7855(P2012−7855A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−146012(P2010−146012)
【出願日】平成22年6月28日(2010.6.28)
【出願人】(000149310)株式会社大川原製作所 (64)
【Fターム(参考)】