説明

乾燥粒子ベースの電極、当該電極を備えた電気化学デバイス

【課題】従来の電極形成で使用される溶剤や可塑剤等望ましくない添加剤を排除して、高引張強度、低抵抗率、大きな比表面積を備えたコスト効率の良いコンデンサ電極を提供する。
【解決手段】乾式処理ベースの1つ以上の自立型電極膜を備え、前記膜は、圧縮された乾燥炭素粒子と乾燥結合剤粒子を含み、前記粒子は、前記乾燥膜内で勾配が徐々に低減しながら分配されるように乾式混合され、圧縮や圧延法によって集電体上に形成される。乾燥炭素粒子は導電性炭素粒子と活性炭粒子を含み、乾燥結合剤粒子はフィブリル化可能なフッ素重合体に対し乾式にて高い剪断力を加えて形成される。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の表示】
【0001】
本発明は、2003年7月9日に出願され、本願と同一の譲受人に譲渡された米国仮特許出願第60/486,002号に関連し、その優先権を主張し、同出願は、本明細書に参照により組み込まれ、
本発明は、2003年8月26日に出願され、本願と同一の譲受人に譲渡された米国仮特許出願第60/498,346号に関連し、その優先権を主張し、同出願は、本明細書に参照により組み込まれ、
本発明は、2003年7月10日に出願され、本願と同一の譲受人に譲渡された米国仮特許出願第60/486,530号に関連し、その優先権を主張し、同出願は、本明細書に参照により組み込まれ、
本発明は、2003年8月26日に出願され、本願と同一の譲受人に譲渡された米国仮特許出願第60/498,210号に関連し、その優先権を主張し、同出願は、本明細書に参照により組み込まれ、
本発明は、2003年10月14日に出願され、本願と同一の譲受人に譲渡された米国仮特許出願第60/511,273号に関連し、その優先権を主張し、同出願は、本明細書に参照により組み込まれ、
本発明は、2004年2月19日に出願され、本願と同一の譲受人に譲渡された米国仮特許出願第60/546,093号に関連し、その優先権を主張し、同出願は、本明細書に参照により組み込まれ、
本発明は、2004年4月2日に出願され、本願と同一の譲受人に譲渡された米国特許出願第10/817701号に関連し、その優先権を主張し、同出願は、本明細書に参照により組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、一般的に、電気化学デバイスの分野に関する。さらに詳しく言えば、本発明は、バッテリー、燃料電池、およびコンデンサなどの製品で使用するための乾燥粒子ベース膜を作製するための構造および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
エネルギー供給を目的として、現代社会の至るところで電気化学デバイスが使用されている。このような電気化学デバイスには、バッテリー、燃料電池、およびコンデンサがある。各タイプのデバイスの特徴には、プラス面とマイナス面がある。これらの特徴に基づいて、特定の用途でどのデバイスを使用するのがより適しているかが決定される。電気化学デバイスの総コストは、特定のタイプの電気化学デバイスを使用するかどうかに関する決定の可否をなし得る重要な特徴である。
【0004】
ウルトラキャパシタやスーパーキャパシタとも呼ばれる二重層コンデンサは、従来の技術で作られたコンデンサ、例えば、電解コンデンサより、単位重量および単位体積当たりより多くのエネルギーを貯蔵可能な電気化学デバイスである。
【0005】
二重層コンデンサは、分極性電極/電解液の界面層に静電エネルギーを貯蔵する。二重層コンデンサは、接触しないように多孔質セパレータによって分離された2つの電極を含む。セパレータにより、(イオンと反対の)電子電流が2つの電極を短絡しなくなる。電極と多孔質セパレータの両方が電解液に浸漬されことで、電極間およびセパレータを介してイオン電流が流れる。電極/電解液の界面で、溶媒双極子の第1の層および帯電種の第2の層が形成される(「二重層」コンデンサの名前の由来である)。
【0006】
二重層コンデンサは、4.0ボルトと同程度、場合によっては、それ以上の電圧で理論的に動作可能であるが、現在の二重層コンデンサの製造技術では、二重層コンデンサの公称動作電圧が約2.5〜2.7ボルトに制限される。動作電圧を高くすることはできるが、このような電圧では、望ましくない破壊が生じ始め、この原因として、製造中に電極に導入され、ひいては電極に付着してしまう不純物および残留物との相互作用することが挙げられる。例えば、二重層コンデンサの望ましくない破壊は、約2.7〜3.0ボルトの電圧で現れることがある。
【0007】
既知のコンデンサ電極作製技術により、処理添加剤ベースのコーティングおよび/または押し出しプロセスが利用される。両方のプロセスは、結合剤を利用し、この結合剤は、典型的に、コンデンサを作製するために使用される構造間に粘着を与える重合体または樹脂を含む。既知の二重層コンデンサでは、1つ以上の付加的な処理添加剤(本明細書において「添加剤」と呼ぶこともある)の使用を共通して有する電極膜および接着剤/結合剤層の配合が利用され、その変形例は、溶剤、潤滑剤、液体、可塑剤などとして当業者に既知である。コンデンサ製品の製造においてこのような添加剤が利用されると、典型的に、添加剤の残留物と、その後に使用されるコンデンサ電極との間に望ましくない化学相互作用が生じることがあるため、最終コンデンサ製品の動作寿命は、最大動作電圧と同様に、低減されることがある。
【0008】
コーティングプロセスにおいて、結果的に得られる湿式スラリー内で結合剤を溶解するために、添加剤(典型的に、有機溶剤、水性溶剤、または水性溶剤と有機溶剤の混合物)が使用される。湿式スラリーは、ドクターブレードまたはスロットダイを介して集電体にコーティングされる。その後、スラリーを乾燥して、溶剤を除去する。従来技術のコーティングベースのプロセスでは、例えば、接着剤/結合剤層の均一な5ミクロンの厚みのコーティングが望まれる場合、層の厚みが薄くなるにつれ、一様な均質層を達成することが非常に困難になる。また、コーティングプロセスにより、高コストで複雑なプロセスになる。さらに、コーティングプロセスには、所望の厚み、均一性、全体としての位置合わせなどを達成するために、多大な資本投資とともに、高品質制御を要する。
【0009】
従来技術において、接着剤/結合剤層の機能を備えた集電体を与えるために、集電体に第1の湿式スラリー層がコーティングされる。第1のコーティング層に、伝導性の電極層の機能を与える性能を備えた第2のスラリー層がコーティングされてもよい。別の例において、伝導性の電極層の機能を与えるために、第1のコーティングされた層に、押し出し成形層が適用され得る。
【0010】
押し出し成形された伝導性電極層を形成する従来技術のプロセスにおいて、1つ以上の添加剤とともに、結合剤と炭素粒子とが混合される。その結果得られる材料は、押し出し装置に材料を導入することができる生地のような特性を有する。押し出し装置は、結合剤をフィブリル化し、押し出し成形された膜を与え、この膜は引き続き乾燥されて、添加剤のほとんどを除去するが、以下に記載するように、典型的に、添加剤の全てを除去するわけではない。フィブリル化すると、結合剤は、母材として炭素粒子を支持するように作用する。押し出し成形された膜は、所望の厚みおよび密度の電極膜を生成するために、多数回圧延されてもよい。
【0011】
添加剤/溶剤ベースの押し出し成形された電極膜および/またはコーティングされたスラリーを集電体に付着するための既知の方法は、接着剤/結合剤のスラリーの前述したプレコーティングを含む。コンデンサの従来技術において、集電体との電気的および物理的接触を高めるために、接着剤/結合剤のプレコーティングされたスラリー層が使用され、集電体自体により、物理的電気的接触点が得られる。
【0012】
前述したコーティングおよび/または押し出しプロセスの間と、先行および後続するステップの間に、不純物が導入または付着することがあり得る。添加剤の場合と同様に、不純物の残留物は、コンデンサの動作寿命と最大動作電圧を低減してしまう可能性がある。最終的なコンデンサ製品の添加剤および不純物の量を低減するために、上述した様々な従来技術のコンデンサ構造の1つ以上が、乾燥器を介して処理される。従来技術において、十分なスループットを提供するためには、およそ数時間または数時間以内に乾燥時間を制限する必要がある。しかしながら、このような短い乾燥時間では、添加剤および不純物を十分に除去を成し遂げることが困難である。長い乾燥時間(およそ数日)の場合であっても、特に、添加剤または不純物が高熱の吸収を備えていれば、残留する添加剤および不純物の量をなお測定可能である。滞留時間が長いと、生産スループットが制限され、生産およびプロセス機器コストが高くなる。添加剤および不純物の残留物が、市販のコンデンサ製品に残留し、測定され、およそ何ppm(百万分率)で存在し得る。
【0013】
従来技術の添加剤ベースのフィブリル化ステップにおいて使用される結合剤粒子は、重合体および重合体様物質を含む。フィブリル化可能な重合体および同様の超高分子量物質を、一般的に、「フィブリル化可能な結合剤」または「フィブリル形成結合剤」と呼ぶ。フィブリル形成結合剤は、粉末状の材料とともに使用される。1つの従来技術のプロセスにおいて、フィブリル化結合剤および粉末材料は、溶剤、潤滑剤などと混合され、その結果得られた湿式混合物は、結合剤粒子をフィブリル化するための高剪断力にさらされる。結合剤粒子をフィブリル化すると、結果的に得られる物質の組成を支持するための母材または格子を最終的に形成する繊維が生成される。従来技術において、結合剤を含む湿式混合物を押し出し成形プロセスにさらすことで、高剪断力が得られる。
【0014】
従来技術において、結果的に得られる添加剤ベースの押し出し成形品は、引き続き、高圧圧縮機で処理され、添加剤除去のために乾燥され、必要とされる形態に形作られ、そうでなければ、必要とされる用途に応じた完成品を得るために処理され得る。取り扱い、処理、および耐久性の目的のために、完成品の所望の特性は、典型的に、完成品をなす物質の組成の一貫性および均一性に依存し、良好な一貫性および均一性は重要な要件である。このような所望の特性は、重合体のフィブリル化の程度に依存する。引張強度は、一般に、フィブリル化結合剤のフィブリル化の程度と、材料内の結合剤によって形成された繊維格子の一貫性の両方に依存する。電極膜として使用される場合、完成品の内部抵抗も重要である。内部抵抗は、電極膜を作製する材料のバルク抵抗率、すなわち大規模で体積抵抗率に依存することもある。材料のバルク抵抗率は、材料の均一性の関数であり、すなわち、材料内の導電性カーボン粒子または他の導電性充填剤の分散が良好なほど、材料の抵抗率は低くなる。二重層コンデンサなどのコンデンサに電極膜が使用されると、単位体積当たりの静電容量が、さらなる別の重要な特徴となる。二重層コンデンサにおいて、コンデンサ電極を作製するために使用される電極膜の比表面積とともに、静電容量が増大する。比表面積は、(1)電解液に電極材料が浸漬されるときに電解液に露出された電極膜の表面積と、(2)電極膜の体積との比率として定義される。電極膜の比表面積と、単位体積当たりの静電容量を高めると、一貫性および均一性が高まると考えられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
以上のことから、以下の特質の1つ以上、すなわち、ミクロおよびマクロスケールで結合剤および活性粒子の分布の高い一貫性および均一性、材料から生成された電極膜の高い引張強度、低抵抗率、大きな比表面積を備えた、低コストおよび高信頼性の電気化学デバイスの新規な製造方法が必要とされている。これらの特質を備えた材料から作製されたコスト効率の良いコンデンサ電極がさらに必要とされている。処理添加剤を使用することなく、電気化学デバイスにおいて構造体を提供することがさらに望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明により、電気化学デバイスにおいて使用するための、耐久性、高信頼性、および安価の乾燥膜およびそれに関連する構造体を作製するための高生産方法が提供される。本発明により、添加剤の使用が削減または実質的に低減され、不純物、および関連する乾燥ステップおよび装置が削減または実質的に低減される。本発明とともに使用するように考慮された電気化学デバイスは、バッテリー、コンデンサ、および燃料電池を含む。
【0017】
1つの実施形態において、電気化学デバイス製品において使用するための乾燥膜の製造プロセスが、乾燥炭素粒子を供給するステップと、乾燥結合剤を供給するステップと、乾燥炭素粒子および乾燥結合剤を乾燥混合するステップと、乾燥材料として乾燥炭素粒子を支持するための母材を作り出すために、乾燥結合剤を乾式フィブリル化するステップとを含む。乾式フィブリル化ステップは、十分に高い剪断の適用を含んでもよい。高剪断は、ジェットミルに適用されてもよい。十分に高い剪断の適用は、高圧力の適用によってもたらされてもよい。高圧力は、高圧力ガスとして適用されてもよい。ガスは、酸素を含んでもよい。圧力は、約60PSI以上であってもよい。ガスは、カ氏−約40度12ppmの露点で適用されてもよい。このプロセスは、乾燥材料を圧縮するステップをさらに含んでもよい。このプロセスにおいて、圧縮ステップは、圧縮装置を1回通過した後に実行されてもよい。圧縮装置は、ロールミルであってもよい。1つの実施形態において、乾燥材料は、圧縮装置を1回通過した後、自立型乾燥膜を含む。自立型乾燥膜の厚みは、約100〜250ミクロンであってもよい。自立型乾燥膜は、連続シートとして形成されてもよい。シートの長さは、1メートルであってもよい。乾燥材料は、任意の処理添加剤を実質的に使用することなく製造されてもよい。使用されない処理添加剤は、炭化水素類、高沸点溶剤、消泡剤、界面活性剤、分散補助剤、水、ピロリドンミネラルスピリット、ケトン類、ナフサ、アセテート類、アルコール類、グリコール類、トルエン、キシレン、およびIsoparstmであってもよい。このプロセスは、乾燥材料を基板に圧延するステップを含んでもよい。基板は、集電体を含んでもよい。集電体は、アルミニウム箔を含んでもよい。乾燥材料は、中間層を使用することなく、基板に直接圧延されてもよい。乾燥材料は、処理された基板に圧延されてもよい。乾燥結合剤は、フィブリル化フッ素重合体を含んでもよい。1つの実施形態において、乾燥材料は、乾燥炭素粒子および乾燥結合剤からなる。乾燥材料は、約50%〜99%の活性炭を含んでもよい。乾燥材料は、約0%〜25%の導電性カーボンを含んでもよい。乾燥材料は、約0.5%〜20%のフッ素重合体粒子を含んでもよい。乾燥材料は、約80%〜95%の活性炭および約0%〜15%の導電性カーボンを含んでもよく、乾燥結合剤は、約3%〜15%のフッ素重合体を含んでもよい。
【0018】
1つの実施形態において、電極膜の製造方法が、乾燥炭素粒子および乾燥結合剤粒子を混合するステップと、炭化水素類、高沸点溶剤、消泡剤、界面活性剤、分散補助剤、水、ピロリドンミネラルスピリット、ケトン類、ナフサ、アセテート類、アルコール類、グリコール類、トルエン、キシレン、およびIsoparstmなどの任意の処理添加剤を実質的に使用することなく、乾燥粒子から自立型膜を形成するステップとを含んでもよい。
【0019】
1つの実施形態において、電気化学デバイス製品が、乾燥炭素粒子および乾燥結合剤粒子の乾燥混合物からなる自立型膜を含んでもよい。乾燥混合物が、乾式フィブリル化混合物であってもよい。乾燥混合物は、炭化水素類、高沸点溶剤、消泡剤、界面活性剤、分散補助剤、水、ピロリドンミネラルスピリット、ケトン類、ナフサ、アセテート類、アルコール類、グリコール類、トルエン、キシレン、およびIsoparstmなどの処理添加剤を実質的に含んでなくてもよい。乾燥混合物は、高圧の適用によってフィブリル化されてもよい。高圧は、高圧ガスによって適用されてもよい。高圧は、カ氏−約20度12ppmの露点の空気によって適用されてもよい。
【0020】
1つの実施形態において、電気化学デバイス製品が、乾燥結合剤および乾燥炭素粒子の乾式フィブリル化混合物からなる1つ以上の自立型乾燥膜を含む。自立型乾燥膜は、圧縮されてもよい。乾燥膜の厚みは、100〜250ミクロンであってもよい。自立型乾燥膜の長さは、少なくとも1メートルであってもよい。自立型乾燥膜は、基板に対して置かれてもよい。混合物は、約50%〜99%の活性炭を含んでもよい。混合物は、約0%〜25%の導電性カーボンを含んでもよい。混合物は、約0.5%〜20%のフッ素重合体粒子を含んでもよい。混合物は、約80%〜95%の活性炭および約0%〜15%の導電性カーボンを含んでもよく、乾燥結合剤は、約3%〜15%のフッ素重合体を含んでもよい。自立型膜は、処理添加剤を含まないものであってもよい。使用されない処理添加剤は、炭化水素類、高沸点溶剤、消泡剤、界面活性剤、分散補助剤、水、ピロリドンミネラルスピリット、ケトン類、ナフサ、アセテート類、アルコール類、グリコール類、トルエン、キシレン、およびIsoparstmであってもよい。基板は、集電体を含んでもよい。集電体は、アルミニウムを含んでもよい。この製品は、集電体を含んでもよく、乾燥膜は、集電体の表面に対して直接置かれる。乾燥混合物は、高圧ガスによって乾式フィブリル化されてもよい。集電体は、2つの側部を含んでもよく、第1の自立型乾燥膜は、集電体の第1の側部に対して直接圧延され、第2の自立型乾燥膜は、集電体の第2の側部に対して直接圧延される。集電体は、処理されてもよい。集電体は、ロールを含むように形成されてもよい。ロールは、密封されたアルミニウムハウジング内に設けられてもよい。ハウジング内に電解液が設けられてもよく、この製品は、二重層コンデンサを含む。
【0021】
1つの実施形態において、電気化学製品が、任意の処理添加剤を使用することなく、連続した自立型電極膜に形成された乾燥結合剤および乾燥炭素粒子の乾式フィブリル化混合物からなるものであってもよい。使用されない処理添加剤は、高沸点溶剤、消泡剤、界面活性剤、分散補助剤、水、ピロリドンミネラルスピリット、ケトン類、ナフサ、アセテート類、アルコール類、グリコール類、トルエン、キシレン、およびIsoparstmを含んでもよい。
【0022】
1つの実施形態において、コンデンサが、乾燥結合剤および乾燥炭素粒子の乾式フィブリル化混合物を含む膜を含んでもよく、膜は集電体に結合され、集電体はロールに形作られ、ロールは、電解液に含浸され、密封されたアルミニウムハウジング内に設けられる。膜は、実質的に処理添加剤を含まないものであってもよい。膜は、乾燥炭素粒子および乾燥結合剤のみからなるものであってもよい。膜は、圧縮された長い自立型乾燥膜を含んでもよい。膜の密度は、約.50〜.70gm/cmであってもよい。
【0023】
1つの実施形態において、電気化学デバイスが、電気化学デバイスにおいて伝導性電極の機能性を与えるための乾式処理ベースの電極手段を含む。
【0024】
1つの実施形態において、電気化学デバイスの電極を製造するための無溶剤方法が、乾燥炭素粒子を与えるステップと、乾燥結合剤粒子を与えるステップと、任意の溶剤を使用することなく、乾燥炭素粒子および乾燥結合剤粒子を電気化学デバイスの電極に形成するステップとを含む。
【0025】
1つの実施形態において、電気化学デバイスの電極を製造するための無溶剤方法が、乾燥炭素粒子を与えるステップと、乾燥結合剤粒子を与えるステップと、任意の溶剤を使用することなく、電気化学デバイスの電極を形成するために、乾燥炭素粒子および乾燥結合剤粒子を混合するステップとを含む。
【0026】
1つの実施形態において、電気化学デバイスの電極を製造するための無溶剤方法が、乾燥炭素粒子を与えるステップと、乾燥結合剤粒子を与えるステップと、炭化水素類、高沸点溶剤、消泡剤、界面活性剤、分散補助剤、水、ピロリドンミネラルスピリット、ケトン類、ナフサ、アセテート類、アルコール類、グリコール類、トルエン、キシレン、および/またはIsoparstmの任意のものを実質的に使用することなく、乾燥炭素粒子および乾燥結合剤粒子をエネルギー貯蔵デバイスの電極に形成するステップとを含む。
【0027】
1つの実施形態において、電気化学デバイスの電極が、炭化水素類、高沸点溶剤、消泡剤、界面活性剤、分散補助剤、水、ピロリドンミネラルスピリット、ケトン類、ナフサ、アセテート類、アルコール類、グリコール類、トルエン、キシレン、および/またはIsoparstmを実質的に含まない。
【0028】
1つの実施形態において、乾式フィブリル化された乾燥炭素粒子および乾燥結合剤粒子の母材の圧縮密度は、約.45gm/cmより大きい。
【0029】
1つの実施形態において、エネルギー貯蔵デバイスが、再利用された炭素結合剤粒子からなる1つ以上の連続した自立型混合膜構造体を含み、膜構造体は、約ゼロppm(百万分率)の処理添加剤からなる。
【0030】
1つの実施形態において、エネルギー貯蔵製品が、リサイクル可能な乾燥結合剤および乾燥炭素粒子の乾燥混合物を含み、これらの粒子は、任意の処理添加剤を実質的に使用することなく、連続した自立型電極膜に形成される。
【0031】
1つの実施形態において、コンデンサが、複数のリサイクルされた導電性粒子を含む。
【0032】
以下の図面、記載、および特許請求の範囲をさらに読むことで、他の実施形態、利益、および利点が明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、添付の図面に例示された本発明のいくつかの実施形態について詳細に記載する。可能である限り、同一または同様の参照番号は、本明細書に使用された同一または同様のステップおよび/または要素を指すように使用される。
【0034】
本発明の実施形態によれば、安価で高信頼性の乾燥粒子ベースの電気化学デバイス、デバイス電極、およびそれらの構造体とともに、それらの製造方法が記載される。本発明により、従来技術の添加剤ベースのコーティング/押出機デバイスのものと比較した場合、明確な利益が得られる。本発明とともに使用するように考えられるエネルギーデバイスは、バッテリー、コンデンサ、および燃料電池を含む。
【0035】
本発明に関連する電気化学デバイスおよび方法は、追加される溶剤、液体、潤滑剤、可塑剤などを含む、コーティングおよび押し出しベースのプロセスに関連する1つ以上の従来技術の処理助剤または添加剤(以下、本明細書において「処理添加剤」および「添加剤」と呼ぶ)を使用しない。同様に、1つ以上の関連する添加剤除去ステップ、硬化や架橋などのポストコーティング処理、乾燥ステップ、およびそれに関連する装置などもなくなる。製造中、添加剤が使用されないため、最終的な電極製品は、このような添加剤の前述した従来技術の残留物と、その後に使用される電解液との間に生じる可能性のある化学的な相互作用を受けることがない。本発明では、添加剤によって溶解可能な結合剤を使用する必要がないため、従来技術より広範囲のクラスまたは種類の結合剤が使用されてもよい。このような結合剤は、典型的に使用される電解液において完全または実質的に不溶性および膨潤性であるように選択可能であり、このような電解液が反応し得る添加剤ベースの不純物または残留物がないことと組み合わせて、さらに高信頼性かつ耐久性のある電気化学デバイスが得られる利点がある。このようにして、高耐久性かつ高信頼性の電気化学デバイスを作製するための高スループット方法が提供される。
【0036】
以下、図6aを参照すると、処理添加剤を用いて製造された従来技術のエネルギー貯蔵デバイス5と、本明細書にさらに記載する原理の1つ以上による、処理添加剤を使用せずに製造された構造体を含むエネルギー貯蔵デバイス6の1つの実施形態との両方に対する、静電容量とフル充電/放電の充電サイクル数テストが示されている。
【0037】
デバイス5は、EXCELLERATORtmという商標名の電極で、W.L.Gore&Associates,Inc.、401 Airport Rd.,Elkton,MD 21922,410−392−444から市販されている従来技術の処理添加剤ベースの電極をデザインに組み込んでいる。EXCELLERATORtmという商標名の電極を、二重層コンデンサを含むように、アルミニウムハウジング内にジェリーロール状に構成した。また、デバイス6を、同様の形状因子ハウジングにおける同様のファラド二重層コンデンサとして構成したが、代わりに、乾燥電極膜33(以下に記載する図2gを参照)を使用した。
【0038】
Electrodag EB−012という商標名で、Acheson Colloids Company、1600 Washington Ave.,Port Huron,MI 48060、電話番号1−810−984−5581により販売されている接着コーティングによって、乾燥電極膜33を集電体に付着した。本明細書にさらに記載した方法で、処理添加剤を利用せずに乾燥膜33を製造した。
【0039】
当業者であれば、市販されている高静電容量(例えば、1000ファラド以上)のコンデンサ製品が、最初のおよそ5000コンデンサ充放電サイクル中に起こることがある静電容量の初期降下(およそ10%)を反映するように出力が下げられ、言い換えれば、市販されている定格2600ファラドコンデンサが、最初に、2900ファラド以上の定格コンデンサであってもよいことを特定するであろう。最初のおよそ5000サイクル後、当業者であれば、通常見込まれる用途で、(常温、平均サイクル放電負荷サイクルなど)、コンデンサ定格静電容量が、予測可能な減少速度で低減してもよく、この速度は、コンデンサの耐用年数を予測するために使用されてもよいことを特定するであろう。定格コンデンサ値を達成するのに必要な初期コンデンサ値が高いほど、より多くのコンデンサ材料が必要であり、ひいては、コンデンサのコストが高くなる。
【0040】
図6aおよび図6bの実施形態において、予備調整することなく、デバイス5および6の両方をテストした。デバイス5および6の初期開始静電容量は、約2800ファラドであった。テスト条件は、室温で、デバイス5および6を、100アンペアで2.5ボルトまでフルサイクル充電した後、1.25ボルトまで放電した。両方のデバイスは、連続してこのように充放電した。従来技術のデバイス5のほぼ70,000サイクルと、デバイス6のほぼ120,000サイクルに対して、テストを実行した。当業者であれば、このようなテスト条件は、コンデンサ製品が典型的に受けることが予測されていない高ストレス条件であるように考えられるが、デバイス6の耐久性を示すために実施されたものであることを特定するであろう。これらの結果に示されるように、従来技術のデバイス5では、70,000フル充電サイクルが起こる時間までに静電容量が約30%の降下するのに対して、デバイス6では、70,000および120,000サイクルでそれぞれ、約15%および16%しか降下しない。デバイス6では、モデル化され得る予測可能な静電容量の低減が生じ、最大約50万、100万、および150万サイクルのコンデンサのサイクルが、特定の条件下において、それぞれ21%、23%、および24%の静電容量の降下で達成され得ることを示す。70,000サイクルで、本明細書に開示された実施形態の1つ以上により作製されたデバイス6は、処理添加剤ベースの従来技術のデバイス5より約50%静電容量の降下が少ないことが示されている(それぞれ、約15%と30%)。約120,000サイクルで、本発明に開示された1つ以上の実施形態により作製されたデバイス6は、静電容量が約17%しか降下しない。100万サイクルで、デバイス6では、初期静電容量の降下は25%未満になるであろう。
【0041】
以下、図6bを参照すると、処理添加剤を使用して製造された従来技術のエネルギー貯蔵デバイス5およびエネルギー貯蔵デバイス6の1つの実施形態の両方に対する、抵抗とフル充電/放電の充電サイクル数テストが示されている。これらの結果によって示されているように、従来技術のデバイス5では、デバイス6より抵抗が増大する。図示しているように、デバイス6では、デバイス5と比較した場合(75,000サイクル超で100%の増大)、抵抗の増大が最小量である(100,000サイクル超で10%未満)。
【0042】
以下、図6cを参照すると、セ氏85度の温度で、アセトニトリル電解液の1.5Mテトラメチルアンモニウムまたはテトラフルオロホウ酸塩に1週間および1ヶ月浸漬した後に見られるデバイス5,6、7から得られた電極の物理標本が示されている。デバイス5からの電極サンプルは、上述した処理添加剤ベースのEXCELLERATORtmという商標名の電極膜を含み、デバイス7の電極サンプルは、5ファラドNESCAP二重層コンデンサ製品、Wonchun−Dong 29−9,Paldal−Ku,Suwon,Kyonggi,442−380,Korea、電話番号:+82 31 219 0682から得られる処理添加剤ベースの電極膜を含む。図示されているように、デバイス5および7からの電極は、アセトニトリル電解液に1週間浸漬した後のダメージと1ヶ月浸漬した後の実質的ダメージを示す。対照的に、本明細書にさらに記載する実施形態の1つ以上から作製されたデバイス6からの電極では、アセトニトリル電解液に1年(物理標本は図示せず)浸漬した後でも、視覚的ダメージが見られない。
【0043】
したがって、1つの実施形態において、100アンペアで、2.5ボルトまでの充電と1.25ボルトまでの放電とを120,000サイクルを超えて行うと、デバイス6では、静電容量の降下が30パーセント未満となる。1つの実施形態において、100アンペアで、2.5ボルトまでの充電と1.25ボルトまでの放電とを70,000サイクルを超えて行うと、デバイス6では、静電容量の降下が30パーセント未満となる。1つの実施形態において、100アンペアで、2.5ボルトまでの充電と1.25ボルトまでの放電とを70,000サイクルを超えて行うと、デバイス6では、静電容量の降下が5パーセント未満となる。1つの実施形態において、デバイス6は、100アンペアで、2.5ボルトまでの充電と1.25ボルトまでの放電とを1,000,000サイクルを超えて行うと、静電容量の降下を30%未満とすることが可能である。1つの実施形態において、デバイス6は、100アンペアで、2.5ボルトまでの充電と1.25ボルトまでの放電とを1,500,000サイクルを超えて行うと、静電容量の降下を30%未満とすることが可能である。1つの実施形態において、100アンペアで、2.5ボルトまでの充電と1.25ボルトまでの放電とを70,000サイクルを超えて行うと、デバイス6では、抵抗の増大が100パーセント未満となる。1つの実施形態において、デバイス6の使用方法が、(a)100アンペアで1.25ボルトから2.5ボルトまでデバイスを充電するステップと、(b)1.25ボルトまでデバイスを放電するステップと、(c)ステップ(a)とステップ(b)とを70,000回繰り返した後、デバイスの初期静電容量の30%未満の降下を測定するステップとを含む。1つの実施形態において、デバイス6の使用方法が、(a)100アンペアで1.25ボルトから2.5ボルトまでデバイスを充電するステップと、(b)1.25ボルトまでデバイスを放電するステップと、(c)ステップ(a)およびステップ(b)を70,000回繰り返した後、デバイスの初期静電容量の5%未満の降下を測定するステップとを含む。
【0044】
以下の実施形態において、本発明によるエネルギー貯蔵デバイスの製造における添加剤の無使用および不使用についての言及は、最終的な電極電解液浸漬/含浸ステップ中に電解液が使用されてもよいことを考慮に入れていることを理解されたい。電極電解液浸漬/含浸ステップは、典型的に、密封ハウジングに最後の完成したコンデンサ電極を設ける前に利用される。さらに、本明細書に開示される実施形態の製造において、溶剤、液体などの添加剤が使用されなくても、製造中、ある量の不純物、例えば、水蒸気が、周囲の環境から吸収されたり付着したりすることもある。当業者であれば、本明細書に開示された実施形態およびプロセスとともに使用する乾燥粒子が、乾燥粒子として粒子製造業者らによって提供される前に、添加剤で予め処理されてもよく、したがって、1つ以上の予備プロセス残留物を含んでもよいことが理解されよう。これらの理由から、添加剤の不使用にかかわらず、本明細書に開示された実施形態およびプロセスの1つ以上には、このような前述した予備プロセス残留物および不純物を除去/低減するように、最後の電解液含浸ステップの前に、乾燥ステップ(しかしながら、本発明の実施形態とともに実行されれば、従来技術の乾燥ステップよりかなり短いものであり得る)が必要なこともある。1つ以上の乾燥ステップの後であっても、従来技術において、および本明細書に記載する実施形態においても、前述した予備プロセス残留物および不純物が微量存在することもある。
【0045】
一般的に、従来技術および本発明の実施形態の両方が、同様の製造業者らからベース粒子および材料を獲得し、これらの両方とも、同様の予備プロセス環境にさらされるため、測定可能な量の従来技術のよりプロセス残留物および不純物が、本発明の実施形態のものの大きさと同様のものになることもあるが、予備プロセス、環境的影響などが原因で変動が生じることもある。従来技術において、このような予備プロセスの残留物および不純物の大きさは、処理添加剤が使用された後に残留し測定可能である残留物および不純物のものより小さい。このような測定可能な量の処理添加剤ベースの残留物および不純物は、従来技術のエネルギー貯蔵デバイス製品において処理添加剤が使用されたかを示す指標として使用できる。このような測定可能な量の処理添加剤がないことも同様に、本発明の実施形態における処理添加剤の不使用を区別するために使用できる。
【0046】
表1は、従来技術の電極膜と、本明細書にさらに開示される原理により作製された乾燥電極膜の1つの実施形態との化学分析結果を示す。Chemir Analytical Services,2672 Metro Blvd.,Maryland Heights,MO 63043、電話番号314−291−6620が、化学分析を行った。2つのサンプルを分析し、そのうちの第1のサンプル(Chemir 533572)は、EXCELLERATORtmという商標名の電極膜で、W.L Gore&Associates,Inc.、401 Airport Rd.,Elkton,MD 21922、410−392−444から市販されており、1つの実施形態において、品番102304として参照される従来技術の添加剤ベースの電極膜から得られる微砕粉末からなる。第2のサンプル(Chemir 533571)は、乾燥膜33(以下、図2gに記載)から得られる1/8〜1インチの不規則形状片の面をもった薄い黒色シート材料からなる。第2のサンプル(Chemir 533571)は、重量%として、約80%〜90%の活性炭、約0%〜15%の導電性カーボン、および約3%〜15%PTFE結合剤の粒子混合物からなる。適切な炭素粉末は、Kuraray Chemical Co.,LTD、Shin−hankyu Bldg.9F Blvd.C−237,1−12−39 Umeda,Kiata−ku,Osaka 530−8611,Japanから販売されているYP−17活性炭粒子、およびCabot Corp.157 Concord Road、P.O.Box 7001,Bellerica,MA 01821−7001、電話番号:978 663−3455から販売されているBP 2000導電性粒子を含む様々な供給元から入手できる。従来技術のサンプルChemir53372の風袋部分を、石英熱分解管に移した。その内容物を有する管を熱分解プローブの内部に配置した。次いで、ガスクロマトグラフのバルブ付き入口に差し込んだ。カラムの流出物は、検出器として働く質量分析計に直接配管された。この構成により、プローブのサンプルを所定の温度まで加熱することができ、揮発性被分析物が、ヘリウムガスの流れによって、ガスクロマトグラフ内のガスに分析カラムを介して押し流され、質量分析計によって検出される。周囲温度から5℃/ミリ秒の速度で250℃まで熱分解プローブを急速加熱し、30秒間一定に保った。ガスクロマトグラフに、30メートルのAgilent DB−5分析カラムを装備した。ガスクロマトグラフのオーブン温度は、5分間、初期温度を45℃に保った後、20℃から300℃まで上昇させ、12.5分間一定に保った。乾燥膜33のサンプル53371に、同様の手順を実行した。両サンプルにおいて長鎖分岐型炭化水素オレフィンが検出され、従来技術のサンプルに2086PPM(parts per million:百万分率)が検出され、乾燥膜33に493PPMが検出された。被分析物ジメチルアミンおよび置換プロピオン酸アルキルが、337PPMでサンプルChemir53372に検出し、サンプルChemir53371で検出されなかった。他の従来技術の添加剤ベースの電極膜をこの先分析しても、従来技術のような処理添加剤の使用、または同等に、本明細書に記載する実施形態の添加剤の不使用を識別および区別できる同様の結果が得られることが考えられる。
【0047】
従来技術に存在し、または利用され、および従来技術に比べて本発明の実施形態の方が存在する量が少ないものであってもよい1つ以上の従来技術の添加剤、不純物、および残留物は、炭化水素類、高沸点溶剤、消泡剤、界面活性剤、分散補助剤、水、ピロリドンミネラルスピリット、ケトン類、ナフサ、アセテート類、アルコール類、グリコール類、トルエン、キシレン、Isoparstm、可塑剤などを含む。
【表1】

【0048】
以下、図1aを参照すると、乾燥粒子ベースの電気化学デバイスの作製プロセスのブロック図が示されている。本明細書に使用する場合、「乾燥」という用語は、最終的な含浸電解液ステップの間ではなく、本明細書に記載する処理ステップの間での添加剤の不使用を意味する。図1aに示すプロセスは、乾燥炭素粒子と乾燥結合剤とを共にブレンドすることから始まる。前述したように、本明細書において使用するために炭素粒子製造業者らによって供給されるような、このような乾燥粒子の1つ以上は、予備処理されたものであってもよい。当業者であれば、粒子サイズに応じて、粒子を粉末などとして記述でき、粒子についての言及が、本明細書に記載される実施形態に限定されることを意味するものではなく、特許請求の範囲およびそれと同等のものによってのみ限定されるべきものであることを理解されたい。例えば、「粒子」という用語の範囲内において、本発明は、他の寸粉末、球、小板、薄片、繊維、ナノチューブ、および他の寸法および他のアスペクト比を有する他の粒子を意図している。1つの実施形態において、本明細書において参照される乾燥炭素粒子は、活性炭粒子12および/または導電性粒子14について言及し、本明細書において参照される結合剤粒子16は、不活性乾燥結合剤について言及する。1つの実施形態において、導電性粒子14は、導電性カーボン粒子を含む。1つの実施形態において、導電性粒子14は、導電性グラファイト粒子を含む。1つの実施形態において、導電性粒子14が、金属粉末などを含むことが考えられる。1つの実施形態において、乾燥結合剤16は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子などのフィブリル化フッ素重合体を含む。他の可能なフィブリル化結合剤は、超高分子量ポリプロピレン、ポリエチレン、共重合体、重合体ブレンドなどを含む。本発明は、開示または提示された粒子および結合剤によって限定されるものではなく、特許請求の範囲によって限定されるものであることを理解されたい。1つの実施形態において、粒子12、14および結合剤16の特定の混合物は、重量%として、約50%〜99%の活性炭、約0%〜25%の導電性カーボン、および/または約0.5%〜50%の結合剤を含む。さらなる特定の実施形態において、粒子混合物は、重量%として、約80%〜90%の活性炭、約0%〜15%の導電性カーボン、および約3%〜15%の結合剤を含む。1つの実施形態において、活性炭粒子12の平均直径は、約10ミクロンである。1つの実施形態において、導電性カーボン粒子14の直径は、20ミクロン未満である。1つの実施形態において、結合剤粒子16の平均直径は、約450ミクロンである。適切な炭素粉末は、Kuraray Chemical Co.,LTD.、Shin−hankyu Bldg.9F Blvd.C−237,1−12−39 Umeda,Kita−ku,Osaka 530−8611,Japanが販売するYP−17活性炭粒子、およびCabot Corp.157 Concord Road,P.O.Box 7001,Billerica,MA 01821−7001、電話番号:978 663−3455によって販売されているBP 2000導電性粒子を含む様々な供給元から入手できる。
【0049】
ステップ18において、ステップ12、14、および16のそれぞれの間に与えられた活性炭、導電性カーボン、および結合剤の粒子がドライブレンドされて、乾燥混合物を形成する。1つの実施形態において、乾燥粒子12、14、および16が、均一な乾燥混合物が形成されるまで、高強度の混合棒が装備されたVブレンダにおいて、1〜10分間ブレンドされる。当業者であれば、ブレンド時間がバッチサイズ、材料、粒子サイズ、密度とともに他の特性に基づいて変動し得るものであり、本発明の範囲内のものであることを特定するであろう。ブレンドステップ18を参照すると、1つの実施形態において、粒子サイズ減少と分類が、ブレンドステップ18の一部として、またはブレンドステップ18の前に実行可能である。サイズ減少と分類により、結果的に得られるブレンドされた混合物、および結果的に、ドライブレンドされた混合物から作製された電極膜および電極の品質の一貫性および反復性を高めることもある。
【0050】
ドライブレンドステップ18の後、乾燥粒子内の乾燥結合剤16が、乾式フィブリル化ステップ20においてフィブリル化される。乾式フィブリル化ステップ20は、乾燥無溶剤および無液体高剪断技術を用いて実行される。乾式フィブリル化ステップ20中、物理的伸張を目的として、乾燥結合剤16に高剪断力が適用される。伸張された結合剤は、乾燥粒子12および14を網にかけ、取り込み、結合し、および/または支持するように作用する薄いウェブ様の繊維網を形成する。1つの実施形態において、フィブリル化ステップ20は、ジェットミルを用いて実行されてもよい。
【0051】
以下、図1b、1c、および1dを参照すると、乾式フィブリル化ステップ20を実行するために使用されるジェットミルアセンブリ100の正面図、側面図、および平面図をそれぞれ示す。便宜上、ジェットミルアセンブリ100は、可動補助機器テーブル105上に据え付けられ、動作中に上昇する様々な温度およびガス圧力を表示するためのインジケータ110を含む。ガス入力コネクタ115が、外部供給源から圧縮空気を受け、内部配管(図示せず)を介して供給空気ホース120および研削空気ホース125に圧縮空気を送り、これらのホースの両方はジェットミル130につながり、接続される。ジェットミル130は、(1)供給空気ホース120から圧縮供給空気を受け入れ、フィーダ140からステップ18のブレンドされたカーボン−結合剤混合物を受け入れる漏斗様の材料貯蔵デバイス135と、(2)カーボン−結合剤混合物材料が処理された内部研削チャンバと、(3)処理された材料を除去するための出力接続145とを含む。例示した実施形態において、ジェットミル130は、Sturtevant,Inc.、348 Circuit Street,Hanover,MA 02339、電話番号(781)829−6501から入手可能な4インチMicronizer(登録商標)モデルである。フィーダ140は、Schenck AccuRate(登録商標),746 E.Milwaukee Street,P.O.Box 208,Whitewater,WI53190、電話番号(888)742−1249から入手可能なディジタルダイアルインジケータモデル302Mを有するAccuRate(登録商標)フィーダである。フィーダは、以下のコンポーネント、すなわち、0.33立方フィートの内部ホッパーと、外部パドル攪拌フロー補助器具と、1.0インチフルピッチのオープンフライトフィードスクリューと、1馬力、90VDC、1,800rpm、TENV電気モータドライブと、可変速度、50:1ターンダウン比を有する内部搭載コントローラと、電源コードを有する110ボルト、単相、60Hz電源とを含む。フィーダ140は、所定のレートでステップ18によって与えられるカーボン・結合剤混合物を分配する。レートは、フィーダ動作を線形制御する、0〜999の設定が可能なディジタルダイアルを用いて設定される。フィーダダイアルの最高設定値は、1時間当たり約12kgのフィーダ出力に対応する。
【0052】
フィーダ140は、図1bおよび図1dに表示しているが、ジェットミル130の他の構成部品の図の障害にならないようにするために、図1cから省略している。ジェットミルアセンブリ100で使用される圧縮空気は、図1eおよび図1fに示す、圧縮機205および圧縮空気貯蔵タンク210の組み合わせ200によって与えられ、図1eは、この組み合わせ200の正面図であり、図1fは、この平面図である。この実施形態において使用される圧縮機205は、Atlas Copco Compressors,Inc.、161 Lower Westfield Road,Holyoke,MA 01049、電話番号(413)536−0600から入手可能なGA 30−55Cである。圧縮機205は、以下の特徴およびコンポーネント、すなわち、125PSIGで180標準立法フィート毎分(「SCFM」)の空気供給能力と、40馬力、3位相、60HZ、460VACの非常に高い効率のモータと、WYE−Δ低減電圧スタータと、ゴム隔離パッド、冷却空気ドライヤと、空気フィルタおよび凝縮物セパレータと、出口206を有する空気クーラーと、空気制御監視パネル207とを含む。圧縮機205の180SCFM能力は、55SCFMで定格された4インチMicronizer(登録商標)ジェットミル130に供給するのに十分なものより高い。圧縮空気貯蔵タンク210は、安全弁、自動排水弁、および圧力ゲージを有する400ガロンのレシーバタンクである。圧縮機205は、圧縮空気出口弁206と、ホース215と、タンク入口弁211とを介して、タンク205に圧縮空気を与える。
【0053】
圧縮機205によって高圧下で与えられる圧縮空気は、可能な限り乾燥していることが好ましいと見なされている。したがって、1つの実施形態において、適切に配置されたインラインフィルタおよび/またはドライヤが追加されてもよい。1つの実施形態において、空気の許容可能な露点のレンジは、カ氏約−約20〜−40度であり、含水量は、約20ppm未満である。高圧空気によって達成されるように記載してきたが、本発明の実施形態において利用される結合剤粒子をフィブリル化するために使用されるものとして、例えば、酸素、窒素、ヘリウムなどの他の十分に乾燥したガスが考えられることを理解されたい。
【0054】
ジェットミル130において、カーボン−結合剤混合物は、ベンチュリによって促され、圧縮供給空気によって研削チャンバに運ばれ、その場所で混合物のフィブリル化が起こる。1つの実施形態において、研削チャンバは、ジェットミルの内壁の剥離が最小限に抑えられ、結果的に得られるジェットミルのカーボン・結合剤混合物の純度を維持するように、セラミックでライニングされる。一般的に円筒状の研削チャンバは、環状に配置された1つ以上のノズルを含む。ノズルは、研削空気ホース125によって供給される圧縮研削空気を放出する。ノズルによって射出された圧縮空気ジェットは、カーボン・結合剤粒子を加速し、粒子と壁の衝突も起こることがあるが、優勢な粒子と粒子の衝突を生じる。衝突は、圧縮空気のエネルギーを比較的急速に消失し、混合物内の乾燥結合剤16をフィブリル化し、カーボン粒子12および14の集合体および凝集体をフィブリル化結合剤によって形成された格子に埋め込む。また、衝突により、カーボン集合体および凝集体のサイズが低減することもある。衝突粒子12、14、および16は、研削チャンバの中心へ螺旋状に動き、出力接続145を介してチャンバを出る。
【0055】
以下、図1gおよび図1hを参照すると、ジェットミルアセンブリ100、ダストコレクタ160、および収集容器170(容器20として図2aにおいてさらに参照される)のそれぞれの正面図および平面図が示されている。1つの実施形態において、出力接続145を介して出るフィブリル化カーボン・結合剤粒子は、ジェットミル130からダストコレクタ160へ放出ホース175によって誘導される。例示した実施形態において、ダストコレクタ160は、Ultra Industries,Inc.、1908 DeKoven Avenue,Racine,Wisconsin 53403、電話番号(262)633−5070から入手可能なモデルCL−7−36−11である。ダストコレクタ160内において、ジェットミル130の出力は、(1)空気、および(2)乾式フィブリル化されたカーボン・結合剤粒子混合物20に分離される。カーボン・結合剤混合物は、容器170に収集されるのに対して、空気は、1つ以上のフィルタによってフィルタリングされた後、放出される。ダストコレクタ160の内部または外部であってもよいフィルタは、周期的に洗浄され、ダストは破棄される。ダストコレクタの動作は、制御パネル180に方向付けられる。
【0056】
乾式フィブリル化ステップ20によって与えられる乾燥複合材料が、限定された時間期間、均一粒子のような特性を保持するとされる。1つの実施形態において、例えば、乾燥粒子12、14、および16にかかる重力の力により、複合材料は、ステップ20後に乾燥粒子12、14、16間に存在する空間および空乏の量が次第に低減されるように安定し始める。1つの実施形態において、比較的短い時間期間後、例えば、10分程度後、乾燥粒子12、14、16は一体に圧縮し、クランプまたはチャンクを形成し始めることで、複合材料の均一特性が低減し、および/またはフリーフローの複合材料を必要とするダウンストリームプロセスを達成するのがより困難または不可能になる。したがって、1つの実施形態において、ステップ20によって与えられる乾燥複合材料は、その均一な特性がもはや十分に存在しない前に用いるべき、および/または、クランピングを避けるために複合材料が十分に通気された状態を保つための手段がとられると見られる。
【0057】
上述した特定の処理コンポーネントが、本明細書に記載する実施形態の意図が達成される限り変動することもあることに留意されたい。例えば、乾式フィブリル化ステップ20を実行するために潜在的使用により高剪断力が得られると見られる技術および機械加工には、ジェットミル、ピンミル、衝撃粉砕、およびハンマーミル、および他の技術および装置がある。さらに、例示的に、別の実施形態において、単なるフリーハンギングタイプのソックスからカートリッジフィルタやパルス洗浄式バッグを有する複雑なハウジングデザインまで、豊富な種類のダストコレクタの選択を使用することができる。同様に、従来の容積フィーダ、減量容積フィーダ、および振動フィーダを含む他のフィーダをアセンブリ100において容易に置き換えることもできる。また、ジェットミル130および圧縮空気供給装置(圧縮機205および圧縮空気貯蔵タンク210)のサイズ、型、および他のパラメータは変動してもよく、本発明の利益および利点を維持する。
【0058】
本願発明者らは、乾式フィブリル化ステップ20によって与えられる乾燥複合材料の品質、およびその材料から作製された圧縮された/圧延された電極膜に及ぼす、ジェットミルアセンブリ100の動作の3つの要素の影響を調べるために、複数の実験を行った。3つの要素とは、(1)供給空気圧力、(2)研削空気圧力、および(3)供給レートである。観察された品質は、幅方向の引張強度(すなわち、圧縮プロセス中の高圧カレンダにおいて乾燥電極膜の移動方向に交差する方向)、長さ方向の引張強度(すなわち、乾燥膜の移動方向)、乾式フィブリル化ステップ20によって与えられるジェットミル処理された混合物の抵抗率、二重層コンデンサ応用における乾燥電極膜から作られる電極の内部抵抗、および二重層コンデンサ応用において達成される固有の静電容量を含むものであった。充電(アップ)および放電(ダウン)コンデンササイクルの両方に対して、抵抗および固有静電容量値を獲得した。
【0059】
実験計画法(「DOE」)は、160℃の真空条件下で3時間乾燥した乾燥電極膜を用いて行った3要因、8種類の実験を含むものであった。各実験において、5つまたは6つのサンプルを生成し、各実験のサンプルで測定した値は、より信頼性のある結果を得るために平均化した。3要因実験法は、3つの要因の以下の点を含む。
1.使用するフィーダダイアルで250および800ユニットの表示に供給レートを設定した。フィーダレートは、ダイアル設定値に線形依存性を有し、999のフルスケール設定値は、1時間当たり約12kgの生産レートに対応する(したがって、実質的に同様の材料消費レート)ことを想起されたい。このように、250ユニットの設定値は、1時間当たり約3kgの供給レートに対応するのに対して、800ユニットの設定値は、1時間当たり約9.6kgの供給レートに対応する。添付の表およびグラフにおいて、計画実験法の理論で使用される標準的な表現によれば、前者の設定値は、「0」ポイントとして設定され、後者の設定値は、「1」ポイントとし設定される。
2.研削空気圧力は、添付の表およびグラフにおいて「0」および「1」ポイントにそれぞれ対応する85psiおよび110psiのいずれかに設定された。
3.供給空気圧力(射出空気圧力としても知られる)は、「0」および「1」ポイントにそれぞれ対応する60および70psiに設定された。
【0060】
まず、引張強度測定値を参照すると、標準的な幅のストリップを各サンプルから準備し、各サンプルの引張強度測定値を、1ミルの厚みに正規化した。以下、表2および表3に、長さ方向および幅方向の引張強度測定値の結果を示す。
【表2】

【表3】

【0061】
以下の表4は、乾式フィブリル化ステップ20によって与えられる粒子のジェットミルドライブレンドの抵抗率測定値を表す。混合物を乾燥電極膜に処理する前に抵抗率測定値を行ったことに留意されたい。
【表4】

【0062】
以下、図1i、図1j、および図1kを参照すると、長さ方向の引張強度、幅方向の引張強度、および乾燥抵抗率に及ぼす3要因の影響が示されている。グラフ上の特定の要因線(すなわち、供給レート線、研削圧力線、または射出圧力線)の各終点は、場合によっては、特定の主要な要因を「0」または「1」のいずれかで保持された状態で全ての実験の平均をとった品質パラメータ(すなわち、引張強度または抵抗率)の測定値に対応する。したがって、供給レート線の「0」終点(最左点)は、実験番号1〜4の平均をとった引張強度を表すのに対して、同じ線の「1」終点は、実験番号4〜8の平均をとった引張強度を表す。図1i〜図1jから分かるように、射出圧力の増大は、電極膜の引張強度に及ぼす中程度から大きな好ましい影響を有する。同時に、射出圧力の増大は、粉末混合物の乾燥抵抗に及ぼす最大の影響を有し、供給レートおよび研削圧力の影響を圧倒する。乾燥抵抗は、射出圧力が増大すると低下する。したがって、3つの品質の全ては、射出圧力の増大から利益を受ける。
【0063】
以下の表5に、8種類の実験の各々ごとに、各実験のサンプルサイズの平均をとって、本明細書に記載するような乾式フィブリル化粒子から作製された乾燥電極膜を利用して、二重層コンデンサで測定された最終静電容量のデータを示す。Cupは、二重層コンデンサの充電時に測定された静電容量を指すのに対して、Cdown値は、コンデンサの放電時に測定したものであることに留意されたい。引張強度データの場合のように、静電容量を電極膜の厚みに正規化した。しかしながら、この場合、膜を集電体に接合するプロセスの間、乾燥膜が高圧ニップに圧力を受けるため、厚みが変化した。表5の特定の結果を得る際、乾燥電極膜を、中間接着層によって集電体に接合したことに留意されたい。0.150ミリメートルの標準厚みへ正規化を実行した。
【表5】

【0064】
表6に、各実験のサンプルサイズの平均をとった、8種類の実験の各々において測定した抵抗のデータを示す。前の表と同様に、Rupは、二重層コンデンサの充電時に測定される抵抗値を示すのに対して、Rdownは、コンデンサの放電時に測定される抵抗値を指す。
【表6】

【0065】
上記データを視覚化し、データの傾向を特定しやすいように、結果的に得られるRdownおよび正規化Cupに3つの要因の相対的な重要性を示すグラフである図1mおよび図1nを示す。図1mにおいて、供給レート線および研削圧力線は実質的に一致することに留意されたい。
【0066】
再度言うが、射出圧力の増大は、電極抵抗Rdown(低下)と正規化Cup(増大)の両方の利益となる。さらに、射出圧力の影響は、他の2つの要因の影響より大きい。実際、正規化された静電容量に及ぼす射出圧力の影響は、少なくとも調べた要因レンジに対して、供給レートおよび研削圧力の要因の影響を圧倒する。
【0067】
upおよびRdownを射出圧力のさらなる増大に関係させ、さらなるデータを獲得した。この場合、供給レートおよび研削圧力を、250ユニットおよび110psiのそれぞれで一定に保つのに対して、生産中の射出圧力を、70psi、85psi、および100psiに設定した。図1pの棒グラフは、これらのデータを示す。これらのグラフから分かるように、正規化された静電容量Cupは、射出圧力がある一定の点を越えて増大してもほとんど変化しないが、電極抵抗は、射出圧力が85psiから100psiまで増大すると、数パーセントポイント下がっている。本願発明者らは、100psiを越える射出圧力を増大すると、特に、内部電極抵抗を低減することによって、電極性能がさらに高められると考える。
【0068】
複数の装置を利用する2つの別々のステップとして、本明細書にドライブレンド18および乾式フィブリル化ステップ20を記載したが、ステップ18および20は、粒子を混合し、その後、粒子をフィブリル化するために、1つの装置が別々のストリームとして乾燥粒子12、14、および/または16を受ける1つのステップにおいて実行され得ることを想起されたい。したがって、本明細書の実施形態は、ステップ18および20によって限定されるべきではなく、特許請求の範囲によって限定される。さらに、先の段落は、乾燥膜を作製するためにカーボンと結合剤との混合物を乾式フィブリル化するためのかなり詳細な本発明の方法において記載しているが、概して本発明の特定の実施形態も、個々の特徴の実施形態も、本明細書に記載する一般的な原理を限定するものではなく、特許請求の範囲によってのみ限定されるべきである。
【0069】
本明細書にさらに記載するように、コンデンサに使用するために十分な物理的および電気的特性を備えた自立型乾燥膜を形成するために、十分に高い剪断力が必要となると見なされている。添加剤ベースの従来技術のフィブリル化ステップとは対照的に、本発明により、処理助剤または添加剤を使用することなく、このような剪断力を提供する。さらに、本発明では、剪断力の適用前、適用中、または適用後、添加剤は使用されていない。従来技術の添加剤を使用しないことから、処理ステップおよび処理装置の減少、スループットおよびパフォーマンスの増大、添加剤および添加剤ベースの処理ステップの使用から生じ得る残留物および不純物の削減または実質的な低減、および記載している他の実施形態または以下の実施形態の記載から当業者らによって理解され得る他の効果を含む、数多くの利益が生じる。
【0070】
再度、図1aを参照すると、例示したプロセスはまた、ステップ21および23を含み、乾燥導電性粒子21および乾燥結合剤23がドライブレンドステップ19においてブレンドされる。ステップ19、および可能性のあるステップ26でも、ステップ前、ステップ中、またはステップ後に添加剤を使用しない。1つの実施形態において、乾燥導電性粒子21は、導電性カーボン粒子を含む。1つの実施形態において、乾燥導電性粒子21は、導電性グラファイト粒子を含む。1つの実施形態において、導電性粒子が金属粉末などを含んでもよいとされる。1つの実施形態において、乾燥結合剤23は、乾燥熱可塑性材料を含む。1つの実施形態において、乾燥結合剤は、非フィブリル化フッ素重合体を含む。1つの実施形態において、乾燥結合剤23は、ポリエチレン粒子を含む。1つの実施形態において、乾燥結合剤23は、ポリプロピレンまたはポリプロピレンオキシド粒子を含む。1つの実施形態において、熱可塑性材料は、当業者に公知の熱可塑性材料のポリオレフィンクラスから選択される。可能性のある使用に合わせて考えられる興味深い他の熱可塑剤は、ホモ重合体および共重合体、オレフィンオキシド、ゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、ポリイソブチレン、ポリ(ビニルエステル)、ポリ(ビニルアセテート)、ポリアクリレート、フルオロカーボンポリマーを含み、その後に使用される電解液の存在下での融点、金属接着性、および電気化学的および溶剤の安定性融点に応じて熱可塑剤を選択する。他の実施形態において、熱硬化性および/または放射硬化タイプの結合剤が有益であると考えられる。したがって、本発明は、開示および提示された結合剤によって制限されるべきではなく、特許請求の範囲によってのみ制限されるべきである。
【0071】
上述したように、添加剤ベースの従来技術の欠陥は、添加剤、不純物などの残留物が、1つ以上の長い乾燥ステップの後でも残留するということである。このような残留物の存在は、電気化学的デバイス電極を作動させるために、後続する電解液含浸ステップが実行されるとき、長期的な信頼性には望ましくない。例えば、アセトニトリルベースの電解液が使用される場合、アセトニトリルと残留物および不純物との間の化学的および/または電気化学的相互作用により、電気化学的デバイス電極に望ましくない破壊的な化学プロセス、および/またはその電極の膨張が生じることもある。興味深い他の電解液は、カーボネートベースの電解液(エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート)、アルカリ性(KOH、NaOH)、または酸性(H2SO4)水溶液を含む。本明細書に開示した実施形態の1つ以上の場合のように、電気化学デバイスの構造体の製造から処理添加剤が実質的に低減または削除される場合、電解液の残留物および不純物の相互作用によって生じる従来技術の望ましくない化学的および/または電気化学的プロセスおよび膨張は、実質的に低減または削除される。
【0072】
1つの実施形態において、乾燥カーボン粒子21および乾燥結合剤粒子23が、重量%として、約40%〜60%結合剤と約40%〜60%の導電性カーボンの比率で使用される。ステップ19において、乾燥カーボン粒子21および乾燥結合剤材料23は、Vブレンダにおいて約5分間ドライブレンドされる。1つの実施形態において、導電性カーボン粒子21の平均直径は、約10ミクロンである。1つの実施形態において、結合剤粒子23の平均直径は、約10ミクロン以下である。他の粒子サイズも本発明の範囲内のものであり、特許請求の範囲によってのみ限定されるべきである。1つの実施形態において(図2にさらに開示されているように)、ステップ19において与えられる乾燥粒子のブレンドは、乾燥供給ステップ22において使用されてもよい。1つの実施形態において(図2にさらに開示されているように)、ステップ19において与えられる乾燥粒子のブレンドは、乾燥供給ステップ22の代わりに、乾燥供給ステップ29において使用されてもよい。容器19によって与えられる粒子の懸濁および特徴を高めるために、少量のフィブリル化可能な結合剤(例えば、結合剤16)が、乾燥カーボン粒子21および乾燥結合剤粒子23の混合物に導入されてもよく、乾燥供給ステップ22または29のそれぞれの前に、追加の乾式フィブリル化ステップ26において乾式フィブリル化されてもよい。
【0073】
以下、図2a、および必要であれば、それよりも前の図面を参照すると、1つ以上のエネルギーデバイス構造体を形成するために使用される1つ以上の装置が見られる。1つの実施形態において、ステップ22において、ステップ19および20において形成された乾燥粒子のそれぞれ別々の混合物は、容器19および20のそれぞれに与えられる。1つの実施形態において、容器19からの乾燥粒子は、容器20によって与えられた乾燥粒子の1000グラム毎に、約1グラム〜約100グラムの比率に与えられる。容器は、材料をシートに圧縮および/または圧延するために、当業者によって使用されている種類のデバイス41の上方に置かれる。デバイス41によって与えられる圧縮および/または圧延機能は、ロールミル、圧延、ベルトプレス、フラットプレートプレスなどとともに、当業者に公知の他のものによって達成され得る。したがって、特定の構成で示されているが、当業者であれば、デバイス41の変形例および他の実施形態が、本明細書に記載する利益および利点の1つ以上を達成するために与えられ、特許請求の範囲によってのみ限定されるべきであることを理解するであろう。
【0074】
以下、図2b、および必要であれば、それよりも前の図面を参照すると、1つ以上の電極構造体を形成するために使用される装置が見られる。図2bに示すように、容器19および20にある乾燥粒子は、フリーフローの乾燥粒子として、ロールミル32の高圧ニップに供給される。これらの粒子がニップの方へ供給されると、乾燥粒子の別々のストリームは、混合された状態になり、運動の自由を解き放し始める。本明細書に開示された実施形態の1つ以上において比較的小さな粒子を使用することにより、良好な粒子混合および高い実装密度を達成でき、これに伴って、結果的に、抵抗率が低くなることもあると見なされている。混合度は、ある程度、プロセス要求によって決定され、それに応じて、調節がなされ得る。例えば、乾燥粒子のストリーム間で所望の混合度を変化するために、垂直および/または水平方向の両方に、分離ブレード35を調節することができる。各ロールの回転速度は、プロセス要求によって決定されるものとして、異なるものであっても、同一のものであってもよい。結果的に得られる混合され圧縮された圧縮乾燥膜34は、ロールミル32から出て、ロールミル32を1回のみ通過した後、自立型になる。1回で自立型膜を与えることができることで、従来技術の実施形態において、膜を強化し、後続の取り扱いおよび処理に必要な引張強度を与えるために使用される多数の折り畳みステップおよび複数の圧縮/圧延ステップがなくなる。混合された乾燥膜34は、ロールミル32を1回通過した後に十分に自立型になり得るため、1つの長い一体形の連続シートに容易かつ迅速に形成でき、商業規模の製造プロセスにおいて後で使用するためにこのシートを巻くことができる。乾燥膜34は、巻き戻し機器の能力によってのみ長さが制限される自立型シートとして形成され得る。1つの実施形態において、乾燥膜は、.1〜5000メートルの長さである。非自立型および/または小さな有限面積膜として記載されるいくつかの従来技術の添加剤ベース膜と比較すると、本明細書に記載する乾燥自立型膜は、大規模な商業製造により経済的に適したものである。
【0075】
以下、図2c、および必要であれば、それよりも前の図面を参照すると、容器19および20から粒子の間で生じる混合の度合を表す図が示されている。図2cにおいて、ロールミル32の高圧ニップへの適用点での混合された乾燥粒子の断面が表されており、「T」は高圧ニップからの出た点での混合された乾燥膜34の全厚みである。図2cの曲線は、図2bの乾燥膜34の右側から測定した場合の、乾燥膜34の所与の厚みで特定の乾燥粒子の相対濃度/量を表す(y軸の厚みは膜の厚みであり、x軸は特定の乾燥粒子の相対濃度/量である)。例えば、乾燥膜34の右側から測定された所与の厚みで、容器19からの乾燥粒子のタイプの量(一般的に特定の厚みで存在する混合された全乾燥粒子のパーセンテージとして)は、X軸の値「I」で表すことができる。図示したように、乾燥膜34の厚みゼロで(Y軸に沿った高さゼロで表す)、容器19からの乾燥結合剤粒子「I」のパーセンテージは最大であり、「T」に近付く厚みで、容器19からの乾燥粒子のパーセンテージはゼロに近付いていく。
【0076】
以下、図2d、および必要であれば、それよりも前の図面を参照すると、乾燥結合剤およびカーボン粒子のサイズの分布を示す図が示されている。1つの実施形態において、容器19によって与えられる乾燥結合剤およびカーボン粒子のサイズ分布は、中央が頂点の曲線によって表されてもよく、曲線の頂点は、特定の粒子サイズを有するあるピーク量の乾燥粒子を表し、ピークの両側の量は、より小さい、およびより大きい粒子サイズのより少量の乾燥粒子を表す。乾燥圧縮/圧延ステップ24において、ステップ22によって与えられる混合乾燥粒子は、乾燥膜34を混合乾燥膜に形成するために、ロールミル32によって圧縮される。1つの実施形態において、容器19からの乾燥粒子は、結果的に得られる乾燥膜34の特定の厚み内で混合されることで、厚み内の任意の所与の距離で、乾燥粒子19のサイズ分布は、ロールミル32へ乾燥粒子を適用する前に存在するものと同一または類似する(図2dに示すように)。また、容器20からの乾燥粒子の同様のタイプの混合が、乾燥膜34内で起こる(図示せず)。
【0077】
1つの実施形態において、図2a〜dに記載するプロセスは、ある動作温度で実行され、この温度は、ステップ16および23において使用するために選択された乾燥結合剤のタイプに応じて変動し得るが、この温度は、乾燥結合剤23の融点より低く、および/または乾燥結合剤16を軟化させるのに十分なものである。1つの実施形態において、ステップ23において、融点が150度の乾燥結合剤粒子23が使用される場合、ロールミル32での動作温度は、約100℃であるとされる。他の実施形態において、ステップ23での乾燥結合剤は、約50℃および約350℃の範囲内で変動する融点を含むように選択されてもよく、ニップでの動作温度に適切な変化が加えられる。
【0078】
結果的に得られる乾燥膜34は、ドクターブレード、またはプラスチックまたは金属や紙を含む他の分離材料の薄いストリップの縁部を用いて、ロールミル32から分離され得る。乾燥膜34の前縁部がニップから除去されると、自立型乾燥膜の重量および膜の引張は、ロールミル32から出てくる残りの乾燥膜34を分離するように作用し得る。自立型乾燥膜34は、引張制御システム36を介してカレンダ38に送られ得る。カレンダ38は、乾燥膜34をさらに圧縮し高密度化してもよい。乾燥膜の厚みをさらに薄くし、引張強度を高めるために、さらなる圧延ステップを使用できる。1つの実施形態において、乾燥膜34の圧延密度は、約.50〜.70gm/cmである。
【0079】
以下、図2e〜fを参照すると、従来技術の溶解結合剤によって封入されたカーボン粒子と、本発明の乾燥結合剤に付着した乾燥カーボン粒子とが見られる。従来技術において、溶剤が存在することで生じる毛細管タイプの力が、湿式スラリーベースの接着剤/結合剤層にある溶解結合剤粒子を付着して添加剤ベースの電極膜層に拡散する。従来技術において、電極層内のカーボン粒子は、拡散した溶解結合剤によって完全に封入された状態になり、拡散した溶解結合剤は、乾燥すると、接着剤/結合剤と電極膜層を結合する。その後、溶剤を乾燥すると、2つの層の間に界面が生じ、その界面で、電極層内のカーボン粒子は、封入結合剤によって、導電状態が妨げられることで、高い界面抵抗が生じてしまい望ましくない。従来技術において、接着剤/結合剤層からの結合剤粒子が電極膜層内に存在する程度は、例えば、湿式接着剤/結合剤層を含む比較的大きな粒子が、付着した添加剤ベースの電極膜層の緊密に圧縮された粒子内への拡散を阻止される場合のように、各層を含む粒子のサイズによって制限される。
【0080】
従来技術とは対照的に、容器19および20からの粒子は、各々が、特定の濃度勾配を有する乾燥膜の厚み「T」内に存在するとみなされ得るように、乾燥膜34内で混合された状態になる。容器19からの粒子に関連する第1の濃度勾配は、混合された乾燥膜34の右側で最大であり、混合された乾燥膜34の左側へ向けて測定時に低減し、容器20からの粒子に関連する第2の濃度勾配は、混合された乾燥膜34の左側で最大であり、混合された乾燥膜34の右側へ向けて測定時に低減する。容器19および20によって与えられる粒子の相反する勾配は、従来技術の別々の層によって与えられた機能が、本発明の1つの乾燥膜34によって与えられてもよいように重なり合う。1つの実施形態において、容器20からの粒子に関連する勾配は、別の従来技術の添加剤ベースの電極膜層のものに類似した機能を与え、容器19からの粒子に関連する勾配は、別の従来技術の添加剤ベースの接着剤/結合剤層のものに類似した機能を与える。本発明により、混合された乾燥膜34内において、全ての粒子サイズの等しい分布が滑らかに混合され得る(すなわち、滑らかな勾配を形成する)。ブレード35への適切な調節とともに、乾燥膜34内の乾燥粒子19の勾配は、乾燥膜の全厚みに浸透するか、または乾燥膜のある厚み内にのみ浸透するようにされ得ることを理解されたい。1つの実施形態において、乾燥粒子19の勾配の浸透は、約5〜15ミクロンである。部分的に、前述した混合によって乾燥膜34内に作り出され得る乾燥粒子19の勾配により、特定の接着特性を乾燥膜の表面に与えるために、乾燥粒子19および乾燥粒子20を乾燥膜中に予め混合された場合よりも、利用される必要のある乾燥膜の量が少なくなる。
【0081】
従来技術において、添加剤ベースの二層接着剤/結合剤と電極膜との組み合わせに電解液を引き続き適用すると、層内の結合剤、添加剤、残留物、および不純物が溶解してしまい、ひいては、最終的に二層が劣化および/または剥離してしまうこともある。対照的に、本発明の結合剤粒子は、これらの勾配に応じて乾燥膜内に均等に分布され、および/または添加剤がまったく使用されないため、および/または結合剤粒子が、幅広い種類の添加剤および/または電解液に対して実質的に不浸透性、不溶性、および/または不活性であるように選択されてもよいため、このような破壊的な剥離および劣化は、実質的に低減または削除され得る。
【0082】
本発明により、容器19および20によって与えられる混合された粒子の重なり合った勾配が滑らかに移行することで、界面抵抗が最小限に抑えられるような1つの混合された乾燥膜34が得られる。乾燥結合剤粒子23は、混合の影響を受けず、および/または混合中に溶解しないため、粒子12、14、および21を完全に封入しない。むしろ、図2fに示すように、圧縮、および/または圧延、および/または加熱ステップの後、乾燥結合剤粒子23は、粒子12、14、および21に付着するように十分に軟化された状態になる。乾燥結合剤粒子23が、従来技術で生じるように完全に溶解されないため、粒子23は、露出された粒子12、14、および21のある一定量の表面積を残すように付着された状態になり、したがって、乾燥導電性粒子の露出された表面積は、他の導電性粒子の表面積に直接接触し得る。導電性粒子と粒子の直接的な接触は、乾燥結合剤粒子23を使用することによって実質的に妨げられないため、従来技術の結合剤封入導電性粒子のものより、良好な界面抵抗を達成できる。
【0083】
また、混合された乾燥膜34は、対向する表面で異なると共に非対称の表面特性を示し、これは、同様の表面特性が別の接着剤/結合剤および電極層の各々の対向側部に存在する従来技術とは対照的である。乾燥膜34の非対称表面は、その後に使用される集電体(以下の図3)に対する結合性および電気的接触を高めやすくするために使用されてもよい。例えば、集電体に接合されると、本発明の1つの乾燥膜34は、集電体と乾燥膜34との間の1つのみの別個の界面を導入し、これは、集電体と添加剤ベースの接着剤/結合剤層の界面との間に別個の第1の界面抵抗の境界が存在し、添加剤ベースの接着剤/結合剤層と添加剤ベースの電極層との界面の間に、第2の別個の界面抵抗の境界が存在する従来技術とは対照的である。
【0084】
以下、図2g、および必要であれば、それよりも前の図面を参照すると、本明細書に記載する1つ以上の構造体を製造するために使用される1つ以上の装置が見られる。図2gは、図2aのものに類似した装置を示すが、容器20の下流側に容器19が置かれている点が異なる。1つの実施形態において、ステップ29において、容器19によって与えられる乾燥粒子は、高圧ニップ38の方へと供給される。カレンダ装置の2つの異なる点で、ステップ19および20からの乾燥粒子を与えることによって、プロセスの各ステップでの温度が、ステップ19および20によって与えられてもよい乾燥粒子の異なる軟化/溶融点を考慮するように制御されてもよいとされる。
【0085】
図2gにおいて、乾燥粒子19を乾燥膜33に与えるために、容器19が設けられる。図2gにおいて、容器20は、上述した原理に応じて乾式フィブリル化される乾燥粒子12、14、および16を含む。1つの実施形態において、乾式フィブリル化粒子12、14、および16の圧縮密度は、.45gm/cm以上である。圧縮密度は、既知の表面積を有する既知の重みを乾式フィブリル化粉末のサンプルに配置した後、乾燥粒子によって取り囲まれた量の変化から圧縮密度を計算することによって測定されてもよい。圧縮密度が約.485gm/cmの場合、容器20から結果的に得られる乾燥フリーフロー混合物は、乾燥膜33が、圧縮装置、例えば、ロールミル32を1回通過した後、自立型になるように圧縮されてもよい。自立型の導電性乾燥膜33は、エネルギーデバイス電極膜として後で使用するための格納および巻いておくことができ、または容器19によって与えられた乾燥粒子と組み合わせて使用されてもよい。例えば、図2gのように、容器19からの乾燥導電性カーボン21および乾燥結合剤23のフリーフロー混合物を含む乾燥接着剤/結合剤粒子は、乾燥膜33の方へ供給されてもよい。1つの実施形態において、乾燥粒子を乾燥膜33に拡散するために、織物および不織布産業において使用されるものに類似した分散コーティング機器が考えられる。1つの実施形態において、乾燥膜33は、容器20によって与えられるような乾燥粒子12、14、16から形成される。容器19からの乾燥粒子は、次の乾燥膜34を形成するために、乾燥膜33に対しておよび乾燥膜33内に圧縮され、および/または圧延されてもよく、乾燥粒子は、乾燥膜34内に埋め込まれ、混合される。容器19および20の場所、分離ブレード35、粉末供給レート、ロール速度比率、および/またはロールの表面を選択することで、乾燥粒子ベースの電極膜を形成するように与えられた乾燥粒子間の界面が、適切に変更されてもよいとされる。埋め込まれた/混合された乾燥膜34は、引き続き、集電体に付着され、またはその後使用するための貯蔵ロール48に巻き付けられてもよい。
【0086】
本明細書に開示されたものの別の手段、方法、ステップ、およびセットアップが、本発明の範囲内のものであり、添付の特許請求の範囲およびそれと同等のものによってのみ限定されるべきである。例えば、1つの実施形態において、本明細書に記載する自立型の連続乾燥膜33の代わりに、市販されている従来技術の添加剤ベースの電極膜が、図2gの容器19によって与えられる乾燥粒子とともに、次の圧延に与えられてもよい。このようにして結果的に得られる二層膜は、少なくとも部分的に添加剤ベースのものであり、引き続き使用される電解液と望ましくなく相互作用してしまうが、それでもなおこのような二層膜は、従来技術のスラリーベースの添加剤/結合剤層を利用する必要もなく、またはその層に関連する制限を受ける必要もない。1つの実施形態において、図2gの連続した乾燥膜33の代わりに、加熱された集電体(図示せず)が与えられてもよく、これに、容器19からの乾燥粒子が圧延される。集電体と、容器19からの接着した乾燥粒子とのこのような組み合わせが、別々に与えられた電極層に後で付着するために貯蔵され与えられてもよく、これは、適切な装置を用いて、容器19によって与えられた乾燥粒子混合物の乾燥結合剤23を付着するために加熱圧延されてもよい。
【0087】
図3、および必要であれば、それよりも前の図を参照すると、乾式処理ベースの膜を集電体に接合するために使用される装置が見られる。ステップ28において、乾燥膜34が、集電体50に接合される。1つの実施形態において、集電体は、エッチングまたは粗くされたアルミニウムシート、箔、メッシュ、スクリーン、多孔質基材などを含む。1つの実施形態において、集電体は、金属、例えば、銅、アルミニウム、銀、金などを含む。1つの実施形態において、集電体の厚みは、約30ミクロンである。当業者であれば、電気化学ポテンシャルが許容すれば、集電体50として他の金属も使用できることを認識されたい。
【0088】
1つの実施形態において、集電体50および2つの乾燥膜34が、2つの自立型乾燥膜34の間に集電体50が置かれるように、貯蔵ロール48から加熱されたロールミル52に供給される。1つの実施形態において、集電体50は、ヒータ79によって予備加熱されてもよい。加熱されたロールミル52の温度は、乾燥膜が集電体50に良好に接着されるように、2つの混合された乾燥膜34内の乾燥結合剤23を加熱し軟化するために使用されてもよい。1つの実施形態において、ロールのニップでのロールミル52の温度は、100℃〜300℃である。1つの実施形態において、ニップ圧力は、50ポンド/リニアインチ(PLI)〜1000PLIの間で選択される。各混合乾燥膜34は、集電体50の側部に圧延および接合された状態になる。2つの混合乾燥膜34は、集電体50に対して直接容器19からの乾燥粒子によって形成された勾配の頂点が位置するように(すなわち、図2bに示す乾燥膜34の右側)、貯蔵ロール48からホットロールニップ52に供給される。ホットロールニップ52を出た後、結果的に得られた圧延された乾燥膜および集電体製品が、電気化学デバイスにおいて使用するための乾燥電極54として、例えば、二重層コンデンサ電極として与えられ得るとされる。1つの実施形態において、乾燥電極54は、乾燥膜34を集電体50に固定するために、チルロール56上にS字状に巻き付けられ得る。次いで、結果的に得られた乾燥電極54は、別の貯蔵ロール58に収集され得る。また、図3に示すシステムによって、引張制御システム51が採用され得る。
【0089】
集電体50に膜を接合するための他の手段、方法、およびセットアップを使用して、電気化学デバイス電極を形成することができ、これは、特許請求の範囲によってのみ限定されるべきものである。例えば、1つの実施形態(図示せず)において、従来技術の添加剤ベースの電極層と、容器19からの埋め込まれた乾燥粒子との組み合わせからなる膜が、集電体50に接合されてもよい。
【0090】
以下、図4aおよび図4b、および必要であれば、それよりも前の図を参照すると、電気化学デバイスの構造体が見られる。図4aにおいて、本明細書に前述した1つ以上の実施形態による集電体50のそれぞれに結合された4つの混合乾燥膜34の断面が示されている。乾燥膜34の各々の第1の表面が、上部乾燥電極54および下部乾燥電極54として示されている構成において、導電体50のそれぞれに結合される。本明細書に前述した実施形態の1つ以上によれば、上部および下部乾燥電極54は、任意の添加剤を使用することなく、乾燥粒子のブレンドから形成される。1つの実施形態において、上部および下部乾燥電極54は、セパレータ70によって分離される。1つの実施形態において、セパレータ70は、厚みが約30ミクロンの多孔質紙シートを含む。電気的接触をもたらし得る点を与えるために、それぞれの集電体50の延長端部を使用する。1つの実施形態において、2つの乾燥電極54およびセパレータ70は、引き続き、上部電極54のそれぞれの集電体50の露出端部が第1の方向に延長し、下部電極54の集電体50の露出端部が第2の方向に延長できるようにオフセットして共に巻かれる。その結果得られる形状は、ジェリーロールとして当業者に知られており、図4bに平面図が示されている。
【0091】
以下、図4b、および必要であれば、それよりも前の図を参照すると、第1および第2の乾燥電極54、およびセパレータ70が、ロール状の電気化学デバイス電極200を形成するように、中心軸の周りに巻かれる。1つの実施形態において、電極200は、2つの乾燥膜34を含み、各乾燥膜は、ある幅と長さとを含む。1つの実施形態において、乾燥膜34の150ミクロンの厚みの1平方メートルの重量は、約.1キログラムである。1つの実施形態において、乾燥膜34の厚みは、約80〜260ミクロンである。1つの実施形態において、乾燥膜の幅は、約10〜300mmの範囲のものである。1つの実施形態において、ある長さは、.1〜5000メートルであり、幅は、30〜150mmである。他の特定の寸法は、要求された最終電気化学デバイスの貯蔵パラメータによって決定されてもよい。1つの実施形態において、貯蔵パラメータの値は、1〜500ファラドを含む。適切な変更および調節とともに、他の乾燥膜34の寸法および他の静電容量は、本発明の範囲内のものである。当業者であれば、オフセットされた露出導電体50(図4aに示す)が、ロールから延長することで、一方の導電体が、一方向にロールの一端から延在し、別の導電体が、別の方向にロールの端部から延在する、ことが理解されるであろう。1つの実施形態において、導電体50は、密封ハウジングの内部対向端部と電気的に接触するように使用されてもよく、この密封ハウジングは、電気的接触を完了するために各対向端部に対応する外部端子を含み得る。
【0092】
以下、図5、および必要であれば、それよりも前の図を参照すると、本明細書に開示された実施形態の1つ以上により作製されたロール状の電極1200が、ハウジング2000の開放端に挿入される。開放端でハウジング2000の上部周囲に沿って絶縁体(図示せず)が配置され、絶縁体上に、カバー2002が配置される。製造中、ハウジング2000、絶縁体、およびカバー2002は、ハウジングの密封端部の周囲の周りに嵌合部を形成するように機械的にカールされてもよく、この嵌合部は、カールプロセス後、絶縁体によってカバーから電気的に絶縁される。ハウジング2000に設けられると、電極1200のそれぞれの露出された集電体延長部1202が、ハウジング2000の下端部およびカバー2002と内部接触する。1つの実施形態において、ハウジング2000またはカバー2002の外面は、ハウジング2000内のロール状電極1200と電気的に接続するように、標準化された接続/コネクタ/端子を含んでも、それに結合されてもよい。それぞれの集電体延長部1202と、ハウジング2000およびカバー2002の内面との間の接触は、溶接、はんだ付け、ろう付け、導電性接着などによって強化されてもよい。1つの実施形態において、外部に適用されたレーザ溶接プロセスによって、ハウジングおよびカバーに溶接プロセスが適用されてもよい。1つの実施形態において、ハウジング2000、カバー2002、および集電体延長部1202は、実質的に同じ金属、例えば、アルミニウムを含む。充填/密封ポート(図示せず)を介して密封ハウジング1200に電解液を追加することもできる。1つの実施形態において、電解液は、アセトニトリル溶剤中の1.5Mテトラメチルアンモニウムまたはテトラフルオロホウ酸塩である。このようにして、含浸および密封後、完成した製品の市販およびその後の使用の準備が整う。
【0093】
図7、および必要であれば、それより前の図を参照すると、乾燥粒子および乾燥粒子から作製した構造体を再利用/リサイクルするための方法を示すブロック図が示されている。本明細書に記載する処理ステップの1つ以上の間に、例えば、様々なプロセスパラメータが、処理ステップ中に所望の仕様から外れて変動すれば、問題が生じることもあるとされる。本明細書にさらに記載する実施形態によれば、乾燥粒子12、14、16、21、23、乾燥膜33および34、およびそれから形成される1つ以上の構造は、所望されたり必要とされたりすれば、このような問題が生じるにも関わらず、再利用/リサイクルされてもよいとされる。添加剤を使用するため、従来技術のプロセスでは、このような再利用/リサイクル処理ステップを与えられない。一般的に、本明細書に記載する実施形態の1つ以上では、処理添加剤を利用しないため、乾燥粒子12、14、16、21、および/または23の特性は、不利に変更されずに、処理ステップを確実にする。溶剤、潤滑剤、または他の液体が使用されていなければ、それに伴う不純物および残留物も、乾燥粒子12、14、16、21、および/または23の品質を劣化せず、粒子を1回以上再利用できる。乾燥時間が最小限しか、またはまったく必要ないため、乾燥粒子12、14、16、21、および/または23は、乾燥処理のスループットに悪影響を及ぼすことなく、迅速に再利用されてもよい。従来技術とは対比的に、乾燥粒子および/または乾燥粒子から形成した乾燥構造体は、全体的な品質に影響を与えることなく、全体的なプロセス歩留まりおよびコストを低減できるように、再利用/リサイクルされてもよい。
【0094】
乾燥粒子12、14、16、21、および/または23が、特定の乾式処理ステップ19、20、22、24、26、28、および/または29によって処理された後、再利用/リサイクルされてもよいとされる。例えば、1つの実施形態において、乾式処理ステップ18または20の後、乾燥粒子12、14、16、および/またはそれらの乾燥粒子から形成された構造体の欠陥が存在すると決定されれば、結果的に得られる材料は、再利用またはリサイクルするために乾式処理ステップ25において収集されてもよい。1つの実施形態において、乾燥粒子12、14、および16は、任意の他の乾燥粒子を追加することなく、戻され再処理されてもよく、または新しい追加の粒子12、14、および/または16を新しくするために戻され追加されてもよい。ステップ25によってリサイクルするために与えられた乾燥粒子は、ドライブレンドステップ18によって再ブレンドされてもよく、本明細書に記載する1つ以上の実施形態によりさらに処理されてもよい。1つの実施形態において、図2gに上述したような乾燥粒子12、14、および16からなり、ステップ24によって自立型膜33として与えられる乾燥膜33が、ステップ25においてリサイクルされてもよい。1つの実施形態において、乾式処理ステップ19、26、または29の後、乾燥粒子21、23、またはこれらの乾燥粒子から形成された構造体の欠陥が存在すると決定されれば、結果的に得られた材料は、乾式処理ステップ25において収集されてもよく、リサイクルするために戻されてもよい。1つの実施形態において、乾燥粒子21および23は、任意の他の乾燥粒子を追加することなく、戻され再処理されてもよく、または追加の粒子21または23を新しくするために戻され追加されてもよい。ステップ25によってリサイクルするために与えられた乾燥粒子が、ドライブレンドステップ19によって再ブレンドされてもよく、本明細書に記載した1つ以上の実施形態によりさらに処理されてもよい。1つの実施形態において、ステップ24によって自立型膜34として与えられたような乾燥粒子12、14、16、21、および23が、ステップ25においてリサイクルされてもよい。再利用前に、乾燥膜33または34は、スライス、チョップまたは他の方法でサイズを低減して、単独で、または追加の新しい乾燥粒子12、14、16、21、および/または23と組み合わせてより容易にブレンドすることができる。
【0095】
乾燥膜34を集電体に接合した後、結果的に得られた電極に欠陥が見つかれば、乾燥膜および接合した集電体の組み合わせをスライス、チョップ、または他の方法でサイズ低減して、容易にブレンドすることもできることが考えられる。集電体は、導電体を含むことがあるため、リサイクルされた電極の導電体部分が、乾燥導電性粒子によって与えられるものに類似した機能を与えることが考えられる。リサイクル/再利用された乾燥膜34および集電体の混合物が、追加の新しい乾燥粒子12、14、16、21、および/または23と組み合わせて使用できることが考えられる。
【0096】
1つの実施形態において、ステップ25によって与えられる一定のパーセントの乾燥再利用/リサイクルされた乾燥材料が、一定のパーセントの新しい乾燥粒子12、14、16、21、および/または23と混合されてもよいことが考えられる。1つの実施形態において、新しい粒子12、14、16、21、および/または23と、ステップ25から結果的に得られた乾燥再利用/リサイクル材料との混合比は、50/50混合比を含む。新しいおよび古い乾燥構造体の他の混合物も、本発明の範囲内である。1つの実施形態において、全体的な粒子重量パーセントが、本明細書に記載したリサイクル/再利用ステップ後、本明細書に前述したパーセント、または必要であれば、他のパーセントを含んでもよい。上述した混合膜34の実施形態とは対照的に、当業者であれば、1つ以上のリサイクル構造体を含む乾燥膜34が、(リサイクル/再利用ステップが実行された特定の点に応じて)、粒子分布勾配が小さい、またはまったくない乾燥膜(すなわち、均等に混合された乾燥膜)を含んでもよいことを特定するであろう。
【0097】
本明細書に示し詳細に記載した特定のシステムおよび方法により、本発明の上述した目的を獲得することが可能であるが、本明細書に提示した記載および図面は、広義に考慮される実施形態の一部であって、全てを表すものではないことを理解されたい。したがって、開示される構造体および方法は、開示されたもの以外の構成、変形例、および寸法を含んでもよい。例えば、コンデンサ、バッテリー、および燃料電池は、電極を使用する広範囲な種類の電気化学デバイスの範囲内のものであり、本発明の範囲内であると考えられる。バッテリーおよび燃料電池の実施形態において、開示したもの以外の構成および組成の変化が、必要とされてもよいが、当業者の技術内のものであることを理解されたい。例えば、バッテリーまたは燃料電池の陽極および陰極電極の1つまたは両方が、本明細書に開示された乾式処理ステップの1つ以上を利用してもよい。また、本明細書に記載する乾燥原理により作製された電気化学デバイスが、組成および/または寸法が異なる2つの異なる電極膜(すなわち、非対称の電極)を含んでもよいことを考慮されたい。また、異なるハウジングが、当業者に公知であるように、コイン電池タイプ、クラムシェルタイプ、プリズム、円筒タイプの外形とともに、他のものを含んでもよい。特定のタイプのハウジングに対して、電極外形の適切な変化が要求されることもあるが、このような変化が、当業者の範囲内であってもよいことを理解されたい。さらに、本明細書に開示された原理は、カーボンクロスタイプの電極と組み合わせて利用されてもよいと考えられる。したがって、本発明の範囲は、当業者に明らかなものになるであろう他の実施形態を完全に含み、したがって、本発明の範囲は、特許請求の範囲およびそれと同等のもの以外によって制限されるものではない。
本明細書には以下の概念が開示されている。
[概念1]
電気化学デバイス製品において使用するための電極の製造プロセスであって、前記プロセスは、
乾燥炭素粒子を供給するステップと、
乾燥結合剤を供給するステップと、
乾燥炭素粒子および乾燥結合剤を乾燥混合するステップと、
乾燥材料として乾燥炭素粒子を支持するための母材をその中で生成するために、前記乾燥結合剤を乾式フィブリル化するステップとを含む、プロセス。
[概念2]
前記乾式フィブリル化ステップが、十分に高い剪断の適用を含む、概念1に記載のプロセス。
[概念3]
前記高剪断が、ジェットミルに適用される、概念2に記載のプロセス。
[概念4]
十分に高い剪断の適用が、高圧力の適用によってもたらされる、概念2に記載のプロセス。
[概念5]
前記高圧力が、高圧力ガスとして適用される、概念4に記載のプロセス。
[概念6]
前記ガスが、酸素を含む、概念5に記載のプロセス。
[概念7]
前記圧力が、約60PSI以上である、概念5に記載のプロセス。
[概念8]
前記ガスが、20ppm未満の含水量で適用される、概念6に記載のプロセス。
[概念9]
前記乾燥材料を圧縮するステップをさらに含む、概念1に記載のプロセス。
[概念10]
前記圧縮ステップが、圧縮装置を1回通過した後に実行される、概念9に記載のプロセス。
[概念11]
前記圧縮装置が、ロールミルである、概念10に記載のプロセス。
[概念12]
前記乾燥材料が、前記圧縮装置を1回通過した後、自立型乾燥膜を含む、概念10に記載のプロセス。
[概念13]
前記自立型乾燥膜の厚みが、250ミクロン未満である、概念12に記載のプロセス。
[概念14]
前記自立型乾燥膜が、連続シートとして形成される、概念12に記載のプロセス。
[概念15]
前記シートの長さが、少なくとも1メートルである、概念14に記載のプロセス。
[概念16]
前記乾燥材料が、任意の処理添加剤を実質的に使用することなく製造される、概念1に記載のプロセス。
[概念17]
前記処理添加剤が、炭化水素類、高沸点溶剤、消泡剤、界面活性剤、分散補助剤、水、ピロリドンミネラルスピリット、ケトン類、ナフサ、アセテート類、アルコール類、グリコール類、トルエン、キシレン、およびIsoparstmを含む、概念16に記載のプロセス。
[概念18]
前記乾燥材料を基板に圧延するステップをさらに含む、概念1に記載のプロセス。
[概念19]
前記基板が、集電体を含む、概念18に記載のプロセス。
[概念20]
前記集電体が、アルミニウム箔を含む、概念19に記載のプロセス。
[概念21]
前記乾燥材料が、中間層を使用することなく、前記基板に直接圧延される、概念18に記載のプロセス。
[概念22]
前記乾燥材料が、処理された基板に圧延される、概念18に記載のプロセス。
[概念23]
前記乾燥結合剤が、フィブリル化可能なフッ素重合体を含む、概念1に記載のプロセス。
[概念24]
前記乾燥材料が、乾燥炭素粒子および乾燥結合剤からなる、概念1に記載のプロセス。
[概念25]
前記乾燥材料が、約50%〜99%の活性炭を含む、概念1に記載のプロセス。
[概念26]
前記乾燥材料が、約0%〜25%の導電性カーボンを含む、概念1に記載のプロセス。
[概念27]
前記乾燥材料が、約0.5%〜20%のフッ素重合体粒子を含む、概念1に記載のプロセス。
[概念28]
前記乾燥材料が、約80%〜95%の活性炭および約0%〜15%の導電性カーボンを含み、前記乾燥結合剤が、約3%〜15%のフッ素重合体を含む、概念1に記載のプロセス。
[概念29]
前記母材の圧縮密度が、約.45gm/cmより大きい、概念1に記載のプロセス。
[概念30]
前記圧縮ステップ後、前記乾燥材料の密度が、約.5gm/cmである、概念9に記載のプロセス。
[概念31]
電極の製造方法であって、
乾燥炭素粒子および乾燥結合剤粒子を混合するステップと、
任意の処理添加剤を実質的に使用することなく、前記混合した乾燥粒子から自立型膜を形成するステップと、を含む、方法。
[概念32]
前記処理添加剤が、炭化水素類、高沸点溶剤、消泡剤、界面活性剤、分散補助剤、水、ピロリドンミネラルスピリット、ケトン類、ナフサ、アセテート類、アルコール類、グリコール類、トルエン、キシレン、およびIsoparstmを含む、概念31に記載の方法。
[概念33]
前記混合ステップ後、前記乾燥粒子の圧縮密度が、約.45gm/cmより大きい、概念31に記載の方法。
[概念34]
電気化学デバイス製品であって、
乾燥炭素粒子および乾燥結合剤粒子の乾燥混合物からなる自立型膜を含む、製品。
[概念35]
前記乾燥混合物の圧縮密度が、約.485gm/cmである、概念34に記載の製品。
[概念36]
前記膜の密度が、約.5〜.7gm/cmである、概念34に記載の製品。
[概念37]
前記乾燥混合物が、乾式フィブリル化混合物である、概念34に記載の製品。
[概念38]
前記乾燥混合物が、処理添加剤を実質的に含まない、概念37に記載の製品。
[概念39]
前記処理添加剤が、炭化水素類、高沸点溶剤、消泡剤、界面活性剤、分散補助剤、水、ピロリドンミネラルスピリット、ケトン類、ナフサ、アセテート類、アルコール類、グリコール類、トルエン、キシレン、およびIsoparstmからなる群から選択される、概念37に記載の製品。
[概念40]
前記乾燥混合物が、高圧の適用によって乾式フィブリル化される、概念37に記載の製品。
[概念41]
前記高圧が、乾燥高圧ガスによって適用される、概念40に記載の製品。
[概念42]
前記高圧が、カ氏−20〜−40度の露点の空気によって適用される、概念40に記載の製品。
[概念43]
電気化学デバイス製品であって、
乾燥結合剤および乾燥炭素粒子の乾式フィブリル化混合物からなる1つ以上の自立型乾燥膜を含む、製品。
[概念44]
前記自立型乾燥膜が、圧縮された膜である。概念43に記載の製品。
[概念45]
前記自立型乾燥膜の厚みが、250ミクロン未満である、概念43に記載の製品。
[概念46]
前記自立型乾燥膜の長さが、少なくとも1メートルである、概念44に記載の製品。
[概念47]
前記自立型乾燥膜が、基板に結合される、概念43に記載の製品。
[概念48]
前記混合物が、約50%〜99%の活性炭を含む、概念43に記載の製品。
[概念49]
前記混合物が、約0%〜25%の導電性カーボンを含む、概念43に記載の製品。
[概念50]
前記混合物が、約0.5%〜20%のフッ素重合体粒子を含む、概念43に記載の製品。
[概念51]
前記混合物が、約80%〜95%の活性炭および約0%〜15%の導電性カーボンを含み、前記乾燥結合剤が、約3%〜15%のフッ素重合体を含む、概念43に記載の製品。
[概念52]
前記自立型膜が、処理添加剤を含まない、概念43に記載の製品。
[概念53]
前記処理添加剤が、炭化水素類、高沸点溶剤、消泡剤、界面活性剤、分散補助剤、水、ピロリドンミネラルスピリット、ケトン類、ナフサ、アセテート類、アルコール類、グリコール類、トルエン、キシレン、およびIsoparstmからなる群から選択される、概念52に記載の製品。
[概念54]
前記基板が、集電体を含む、概念47に記載の製品。
[概念55]
前記集電体が、アルミニウムを含む、概念54に記載の製品。
[概念56]
前記製品が、集電体を含み、前記乾燥膜が、前記集電体の表面に対して直接置かれる、概念43に記載の製品。
[概念57]
前記乾燥混合物が、高圧ガスによって乾式フィブリル化される、概念43に記載の製品。
[概念58]
前記集電体が、2つの側部を含み、第1の自立型乾燥膜が、前記集電体の第1の側部に対して直接圧延され、第2の自立型乾燥膜が、前記集電体の第2の側部に対して直接圧延される、概念56に記載の製品。
[概念59]
前記結合剤が、熱可塑性物質を含む、概念43に記載の製品。
[概念60]
前記集電体が、ロールを含むように形成される、概念58に記載の製品。
[概念61]
前記ロールが、密封されたアルミニウムハウジング内に設けられる、概念60に記載の製品。
[概念62]
前記ハウジング内に電解液が設けられ、前記製品が、二重層コンデンサを含む、概念61に記載の製品。
[概念63]
電気化学製品であって、
任意の処理添加剤を実質的に使用することなく、連続した自立型電極膜に形成された乾燥結合剤および乾燥導電性粒子の乾式フィブリル化混合物からなる、製品。
[概念64]
前記処理添加剤が、炭化水素類、高沸点溶剤、消泡剤、界面活性剤、分散補助剤、水、ピロリドンミネラルスピリット、ケトン類、ナフサ、アセテート類、アルコール類、グリコール類、トルエン、キシレン、およびIsoparstmを含む、概念63に記載の製品。
[概念65]
前記製品が、コンデンサである、概念63に記載の製品。
[概念66]
前記製品が、バッテリーである、概念63に記載の製品。
[概念67]
前記製品が、燃料電池である、概念63に記載の製品。
[概念68]
前記導電性粒子が、金属を含む、概念63に記載の製品。
[概念69]
電気化学デバイスであって、
乾燥結合剤および乾燥炭素粒子の乾式フィブリル化混合物を含む膜を含み、前記膜が集電体に結合され、前記集電体がロールに形作られ、前記ロールが、電解液に含浸され、密封されたアルミニウムハウジング内に設けられる、デバイス。
[概念70]
前記膜が、実質的に処理添加剤を含まない、概念69に記載のデバイス。
[概念71]
前記膜が、乾燥炭素粒子および乾燥結合剤からなる、概念69に記載のデバイス。
[概念72]
前記膜が、圧縮された長い自立型乾燥膜である、概念70に記載のデバイス。
[概念73]
前記膜の密度が、約.50〜.70gm/cmである、概念72に記載のデバイス。
[概念74]
乾式フィブリル化混合物として、前記乾燥粒子の圧縮密度が、約.45gm/cmより大きい、概念69に記載のデバイス。
[概念75]
電気化学デバイスであって、
電気化学デバイスにおいて導電性電極の機能性を与えるための乾式処理ベースの電極手段を含む、デバイス。
[概念76]
電気化学デバイスの電極を製造するための無溶剤方法であって、
乾燥炭素粒子を提供するステップと、
乾燥結合剤粒子を提供するステップと、
任意の溶剤を使用することなく、前記乾燥炭素および乾燥結合剤粒子を電気化学デバイスの電極に形成するステップと、を含む、無溶剤方法。
[概念77]
前記形成ステップが、任意の溶剤を使用することなく、電気化学デバイスの電極を形成するために、前記乾燥炭素および乾燥結合剤粒子を混合することを含む、概念71に記載の無溶剤方法。
[概念78]
リサイクル可能な粒子の混合物を含む、エネルギー貯蔵デバイス製品。
[概念79]
前記混合物の少なくとも一部が、乾式フィブリル化される、概念78に記載の製品。
[概念80]
前記混合物が、処理添加剤を含まない、概念78に記載の製品。
[概念81]
エネルギー貯蔵デバイス製品であって、
粒子の混合物を含む膜を含み、前記粒子の少なくとも一部が、リサイクルされた粒子である、製品。
[概念82]
前記粒子が、フィブリル化される、概念81に記載の製品。
[概念83]
前記リサイクルされた粒子が、フィブリル化される、概念82に記載の製品。
[概念84]
前記膜が、自立型膜である、概念81に記載の製品。
[概念85]
前記膜の厚みが、250ミクロン未満である、概念84に記載の製品。
[概念86]
前記膜の長さが、少なくとも1メートルである、概念81に記載の製品。
[概念87]
前記膜が、基板に対して直接結合される、概念81に記載の製品。
[概念88]
前記膜が、処理添加剤を実質的に含まない、概念87に記載の製品。
[概念89]
前記基板が、集電体を含む、概念87に記載の製品。
[概念90]
前記製品が、集電体を含み、前記膜が、前記集電体の表面に対して直接結合された、概念81に記載の製品。
[概念91]
前記集電体が、2つの側部を含み、第1の膜が、前記集電体の第1の側部に対して直接圧延され、第2の膜が、前記集電体の第2の側部に対して直接圧延される、概念90に記載の製品。
[概念92]
前記集電体が、処理される、概念91に記載の製品。
[概念93]
前記集電体が、ロールを含むように形成される、概念91に記載の製品。
[概念94]
前記ロールが、密封されたアルミニウムハウジング内に設けられる、概念93に記載の製品。
[概念95]
前記粒子の少なくとも一部が、フィブリル化フッ素重合体および炭素粒子を含む、概念81に記載の製品。
[概念96]
前記炭素粒子が、活性炭粒子および導電性粒子を含む、概念18に記載の製品。
[概念97]
前記粒子の少なくとも一部が、熱可塑性粒子を含む、概念90に記載の製品。
[概念98]
エネルギー貯蔵製品であって、リサイクル可能な乾燥結合剤および乾燥炭素粒子の乾燥混合粒子物を含み、前記粒子が、任意の処理添加剤を実質的に使用することなく、連続した自立型電極膜に形成される、製品。
[概念99]
前記処理添加剤が、炭化水素類、高沸点溶剤、消泡剤、界面活性剤、分散補助剤、水、ピロリドン、ミネラルスピリット、ケトン類、ナフサ、アセテート類、アルコール類、グリコール類、トルエン、キシレン、および/またはIsoparstmを含む、概念98に記載の製品。
[概念100]
前記乾燥結合剤の少なくとも一部が、乾式フィブリル化結合剤を含む、概念98に記載の製品。
[概念101]
前記結合剤が、高圧ガスによってフィブリル化される、概念100に記載の製品。
[概念102]
前記高圧の圧力が、60PSIより高い、概念101に記載の製品。
[概念103]
前記ガスの含水量が、約20PPM未満である、概念102に記載の製品。
[概念104]
エネルギー貯蔵デバイスの電極の製造方法であって、前記方法は、
複数の粒子から第1の電極膜を形成するステップと、
第2の膜を形成するために、前記複数の粒子の1つ以上を再利用するステップとを含む、方法。
[概念105]
前記複数の粒子が、乾式フィブリル化される、概念104に記載の方法。
[概念106]
前記第2の膜の第1の側部を集電体に結合するステップをさらに含む、概念104に記載の方法。
[概念107]
前記再利用ステップが、前記第1の電極膜を作るために前記粒子を使用した後に前記粒子をフィブリル化するステップを含む、概念105に記載の方法。
[概念108]
前記結合剤が、フッ素重合体を含む、概念107に記載の方法。
[概念109]
前記炭素粒子が、導電性カーボン粒子を含む、概念108に記載の方法。
[概念110]
前記第1の膜が、自立型である、概念107に記載の方法。
[概念111]
前記粒子が、導電性カーボン粒子および活性炭粒子を含む、概念110に記載の方法。
[概念112]
前記膜が、加熱された乾燥膜である、概念106に記載の方法。
[概念113]
前記第2の膜の密度が、約.50〜.70gm/cmである、概念104に記載の方法。
[概念114]
前記第1の膜が、約80%〜95%の活性炭、約0%〜15%の導電性カーボン、および約3%〜15%のフィブリル化フッ素重合体を含む、概念107に記載の方法。
[概念115]
前記第1の膜が、熱可塑性物質をさらに含む、概念113に記載の方法。
[概念116]
複数の乾式処理された粒子を含み、前記乾式処理された粒子が、リサイクルされた粒子を含む、コンデンサ。
[概念117]
前記乾式処理された粒子の少なくとも一部が、自立型乾燥電極膜として形成される、概念116に記載のコンデンサ。
[概念118]
集電体をさらに含み、前記乾式処理された粒子が、前記集電体に接合され、前記集電体が、アルミニウムを含む、概念116に記載のコンデンサ。
[概念119]
セパレータをさらに含み、前記乾式処理された粒子が、前記セパレータに接合される、概念116に記載のコンデンサ。
[概念120]
前記セパレータが紙を含む、概念119に記載のコンデンサ。
[概念121]
前記コンデンサの定格電圧が、3.0ボルト以下の最大電圧で動作するようにされる、概念116に記載のコンデンサ。
[概念122]
前記乾燥電極膜の密度が、約.50〜.70gm/cmである、概念117に記載のコンデンサ。
[概念123]
前記乾式処理された粒子が、シングルパス圧縮デバイスによって、乾燥自立型電極膜に圧縮される、概念116に記載のコンデンサ。
[概念124]
密封されたアルミニウムハウジングをさらに含み、前記乾式処理された粒子が、前記ハウジング内に設けられる、概念116に記載のコンデンサ。
[概念125]
密封されたアルミニウムハウジングをさらに含み、前記集電体が、レーザ溶接によって前記ハウジングに結合される、概念118に記載のコンデンサ。
[概念126]
前記コンデンサが、ジェリーロール型の電極を含む、概念125に記載のコンデンサ。
[概念127]
コンデンサであって、
複数の再利用可能な粒子と、
2つの側部を有する集電体と、
前記再利用可能な粒子からなる2つの電極膜層とを含み、第1の電極膜層が、前記集電体の第1の表面に直接接合され、第2の電極膜層が、前記集電体の第2の表面に直接接合される、コンデンサ。
[概念128]
前記2つの電極膜層が、処理添加剤を含まない、概念127に記載のコンデンサ。
[概念129]
前記2つの電極層が、乾式フィブリル化粒子を含む、概念128に記載のコンデンサ。
[概念130]
前記膜層の残留物が、電解液による含浸前に前記層の化学分析によって決定される場合、実質的にゼロである、概念127に記載のコンデンサ。
[概念131]
エネルギー貯蔵デバイスであって、
再利用された炭素結合剤粒子からなる1つ以上の連続した自立型混合膜構造体を含み、前記膜構造体が、約ゼロppm(百万分率)の処理添加剤からなる、エネルギー貯蔵デバイス。
[概念132]
前記添加剤が、炭化水素類、高沸点溶剤、消泡剤、界面活性剤、分散補助剤、水、ピロリドン、ミネラルスピリット、ケトン類、ナフサ、アセテート類、アルコール類、グリコール類、トルエン、キシレン、およびIsoparstmからなる群から選択される、概念131に記載のエネルギー貯蔵デバイス。
[概念133]
前記混合膜構造体が、電極膜である、概念131に記載のエネルギー貯蔵デバイス。
[概念134]
前記膜構造体が、エネルギー貯蔵デバイスの電極膜である、概念132に記載のエネルギー貯蔵デバイス。
[概念135]
前記電極膜が、コンデンサの電極膜を含む、概念134に記載のエネルギー貯蔵デバイス。
[概念136]
エネルギー貯蔵デバイスであって、
ハウジングと、
露出表面を有する集電体と、
前記ハウジング内に設けられた電解液と、
リサイクルされた粒子からなる電極膜と、を含み、
前記電極膜が、前記電解液で含浸され、
前記電極膜が、前記露出表面に直接結合される、デバイス。
[概念137]
前記電極膜が、前記電解液に実質的に溶解しない、概念136に記載のデバイス。
[概念138]
前記電極が、結合剤を含み、前記結合剤が、前記電解液に実質的に溶解しない、概念137に記載のデバイス。
[概念139]
前記結合剤が、熱可塑性物質を含み、前記熱可塑性物質が、前記電極膜を前記集電体に結合する、概念138に記載のデバイス。
[概念140]
前記電解液が、アセトニトリルタイプの電解液である、概念137に記載のデバイス。
[概念141]
エネルギー貯蔵デバイス構造体であって、1つ以上のリサイクル可能な電極膜を含み、前記1つ以上のリサイクル可能な電極膜が、伝導性および接着性の両方を備え、前記1つ以上のリサイクル可能な電極膜が、集電体に直接結合される、構造体。
[概念142]
エネルギー貯蔵デバイス構造体であって、
1つ以上の自立型のリサイクル可能な乾式処理ベースの電極膜を含む、構造体。
[概念143]
前記膜が、伝導性および接着性の粒子を含む、概念142に記載の構造体。
[概念144]
前記接着性粒子が、熱可塑性物質を含む、概念143に記載の構造体。
[概念145]
前記電極が、コンデンサ電極である、概念144に記載の構造体。
[概念146]
電極であって、
集電体と、
乾式処理ベースの電極膜と、を含み、前記電極膜が、前記集電体に結合され、前記電極膜が、リサイクルされた導電性粒子および結合剤粒子を含む、電極。
[概念147]
前記集電体と前記電極膜との間に、明確な界面が1つだけある、概念146に記載の電極。
[概念148]
前記結合剤粒子が、熱可塑性物質を含む、概念146に記載の電極構造体。
[概念149]
前記導電性粒子が、導電性カーボンを含む、概念146に記載の電極。
[概念150]
前記電極膜が、活性炭をさらに含む、概念148に記載の電極。
[概念151]
前記導電性粒子が、金属を含む、概念146に記載の電極。
[概念152]
エネルギー貯蔵デバイス構造体であって、
電極として形成された複数のリサイクル可能な乾式処理された炭素および結合剤粒子を含み、処理添加剤で処理された複数の実質的に同様の炭素および結合剤粒子から形成された電極と比較すると、前記混合された乾式処理された炭素および結合剤粒子の方が残留物が少ない、構造体。
[概念153]
コンデンサであって、
乾燥結合剤および乾燥炭素粒子の乾燥混合物からなる連続した圧縮された自立型リサイクル可能な乾燥電極膜を含み、前記膜が集電体に結合され、前記集電体が、密封されたアルミニウムハウジング内に設けられたロールに形作られる、コンデンサ。
[概念154]
前記リサイクル可能な乾燥電極膜が、処理添加剤を実質的に含まない、概念153に記載のコンデンサ。
[概念155]
エネルギー貯蔵デバイスであって、
エネルギー貯蔵デバイスにおいて電極の機能性を与えるための乾式処理リサイクル可能な電極手段を含む、エネルギー貯蔵デバイス。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1a】電気化学デバイス電極の作製方法を示すブロック図である。
【図1b】乾燥炭素粒子の混合物内で結合剤をフィブリル化するために使用されるジェットミルアセンブリのハイレベル正面図である。
【図1c】図1bに示すジェットミルアセンブリのハイレベル側面図である。
【図1d】図1bおよび図1cに示すジェットミルアセンブリのハイレベル平面図である。
【図1e】圧縮空気をジェットミルアセンブリに供給するために使用される圧縮機および圧縮空気貯蔵タンクのハイレベル正面図である。
【図1f】本発明による、図1eに示す圧縮機および圧縮空気貯蔵タンクのハイレベル平面図である。
【図1g】集塵機および収集容器と組み合わせた、図1b〜図1dのジェットミルアセンブリのハイレベル正面図である。
【図1h】図1fおよび図1gを組み合わせたハイレベル平面図である。
【図1i】電極材料の長さの引張強度に関する供給速度、粉砕圧力、および供給圧力の変動の影響を示す。
【図1j】電極材料の幅の引張強度に関する供給速度、粉砕圧力、および供給圧力の変動の影響を示す。
【図1k】電極材料の乾燥抵抗率に関する供給速度、粉砕圧力、および供給圧力の変動の影響を示す。
【図1m】内部抵抗に関する供給速度、粉砕圧力、および供給圧力の変動の影響を示す。
【図1n】静電容量に関する供給速度、粉砕圧力、および供給圧力の変動の影響を示す。
【図1p】電極の内部抵抗と、このような電極を用いた二重層コンデンサの静電容量とに関する供給圧力の変動の影響を示す。
【図2a】電極の構造体を形成するための装置を示す。
【図2b】乾燥粒子の混合度を示す。
【図2c】乾燥膜内の粒子勾配を示す。
【図2d】乾燥結合剤および導電性カーボン粒子のサイズの分布を示す。
【図2e】従来技術の溶解結合剤によって封入された炭素粒子を示す。
【図2f】本発明の乾燥結合剤に付着した乾燥炭素粒子を示す。
【図2g】電気化学デバイスにおいて使用するための構造体を形成するシステムを示す。
【図3】電気化学デバイスにおいて使用するための集電体に電極膜を接合するためのシステムの1つの実施形態の側面図である。
【図4a】電気化学デバイス電極の構造体の1つの実施形態の側面図である。
【図4b】電極の1つの実施形態の平面図である。
【図5】ハウジングに内部結合されたロール状の電極の側面図である。
【図6a】静電容量とフル充電/放電の充電サイクル数との関係を示す。
【図6b】抵抗とフル充電/放電の充電サイクル数との関係を示す。
【図6c】電極の標本に関する電解液の影響を示す。
【図7】乾燥粒子および乾燥粒子から作られた構造体をリサイクル/再利用するための方法を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮された乾燥炭素粒子と乾燥結合剤粒子を含む自立型乾燥膜を備えた電極であって、前記粒子は、前記乾燥膜内で勾配が徐々に低減しながら分配されるように乾式混合されている、電極。
【請求項2】
前記電極は、集電体を備えており、前記乾燥膜の第1の側は前記集電体に連結されている、請求項1に記載の電極。
【請求項3】
前記電極は、セパレータを備えており、前記乾燥膜の第2の側は前記セパレータに連結されている、請求項1、2いずれかに記載の電極。
【請求項4】
前記乾燥結合剤粒子は、加熱された熱可塑性物質を含んでいる、請求項1〜3いずれか1項に記載の電極。
【請求項5】
前記乾燥炭素粒子は、導電性炭素粒子を含んでいる、請求項1〜4いずれか1項に記載の電極。
【請求項6】
前記乾燥炭素粒子は、活性炭粒子を含んでいる、請求項1〜5いずれか1項に記載の電極。
【請求項7】
前記乾燥結合剤粒子は、非フィブリル化フッ素重合体を含んでいる、請求項1〜6いずれか1項に記載の電極。
【請求項8】
前記乾燥膜が、加熱された乾燥膜である、請求項1〜7いずれか1項に記載の電極。
【請求項9】
前記乾燥膜の密度が、約0.50〜0.70gm/cmである、請求項8に記載の電極。
【請求項10】
前記乾式混合された粒子は2つの混合物を含み、第1の混合物は、重量%で、約80%〜95%の活性炭、約0%〜15%の導電性カーボン、約3%〜15%のフッ素重合体を含んでいる、請求項1〜9いずれか1項に記載の電極。
【請求項11】
エネルギー貯蔵デバイスの電極であって、前記電極は乾燥膜を備え、
前記乾燥膜は、混合された乾燥炭素粒子と乾燥結合剤粒子を含み、
乾燥炭素粒子と乾燥結合剤粒子の一部は前記乾燥膜内で第1の勾配を備えるように混合されており、
乾燥炭素粒子と乾燥結合剤粒子の一部は前記乾燥膜内で反対の第2の勾配を備えるように混合されており、
前記第1の勾配は、電極機能を提供し、前記第2の勾配は接着機能を提供する、電極。
【請求項12】
エネルギー貯蔵デバイスの構造であって、
前記構造は、乾式処理ベースの1つ以上の自立型電極膜を備え、
前記膜は、圧縮された乾燥炭素粒子と乾燥結合剤粒子を含み、前記粒子は、前記乾燥膜内で勾配が徐々に低減しながら分配されるように乾式混合されている、構造。
【請求項13】
前記膜は導電性粒子と接着性粒子を含んでいる、請求項12に記載の構造。
【請求項14】
前記接着性粒子は、熱可塑性物質を含んでいる、請求項13に記載の構造。
【請求項15】
前記電極はコンデンサ電極である、請求項12に記載の構造。
【請求項16】
集電体と、
乾式処理され、前記集電体に連結された複数の粒子と、を備えるコンデンサの構造であって、
前記粒子は、長い一体の乾燥電極膜を規定しており、
前記膜は、2つ以上の乾燥粒子の混合を含み、
前記乾燥粒子の第1の粒子は、活性炭素、導電性カーボン、フィブリル化可能な結合剤を含み、
前記乾燥粒子の第2の粒子は、導電性カーボン、接着結合剤を含み、
前記第1の粒子は、重量%で、約80%〜95%の活性炭、約0%〜15%の導電性カーボン、約3%〜15%のフィブリル化可能なフッ素重合体を含み、
前記第2の粒子は、重量%で、約40%〜60%の結合剤と約40%〜60%の導電性カーボンを含んでいる、構造。
【請求項17】
前記膜は、乾燥導電カーボンと乾燥接着材料を含んでいる、請求項16に記載の構造。
【請求項18】
前記接着材料は、熱可塑性材料、熱硬化性材料、放射硬化型材料から選択される、請求項17に記載の構造。
【請求項19】
前記膜は、前記第1の粒子の1000部毎に、約1部〜約100部の前記第2の粒子を含む、請求項16に記載の構造。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図1d】
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【図1e】
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【図1f】
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【図1g】
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【図1h】
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【図1i】
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【図1j】
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【図1k】
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【図1m】
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【図1n】
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【図2a】
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【図2c】
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【図2d】
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【図2e】
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【図2f】
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【図2g】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【図7】
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【図1p】
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【図2b】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6c】
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【公開番号】特開2011−109115(P2011−109115A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−277532(P2010−277532)
【出願日】平成22年12月13日(2010.12.13)
【分割の表示】特願2006−518951(P2006−518951)の分割
【原出願日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願人】(505305673)マックスウェル テクノロジーズ, インク (17)
【Fターム(参考)】