説明

事故発生場所周辺の映像収集システム

【課題】事故発生場所周辺の映像収集システムにおいて、交通事故ごとの発生時における映像をより多く収集して、事故原因の分析精度を高める。
【解決手段】情報センター90に設けられた情報処理装置91および通信装置92と、車両10,…に設けられた通信機11,…、カーナビゲーションシステム12,…、事故の発生を検知する衝撃検知部13,…、自車両10,…の周辺を撮影するカメラ16,…、撮影された映像Mをカーナビゲーションシステム12,…により検知された時刻Tと対応づけて記憶する記憶部17,…、およびこれらを制御する車載CPU14,…と、を備え、事故が検知されたとき、事故車両10から情報センター90に事故に関する情報Kが送信され、情報センター90は事故の発生場所P周辺の他の車両20,…に対して、事故の発生を通知し、他の車両20,…のカメラ26,…で撮影された映像を取得する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、事故発生場所周辺の映像収集システムに関し、詳細には、他の車両が得た映像を収集するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両に取り付けられる、その車両の前方等を撮影するカメラと撮影して得られた映像を一定時間記憶する記憶装置とを備えたドライブレコーダが知られている。
【0003】
このドライブレコーダは、これを装着した車両が関係した交通事故が起きたとき、記憶装置に記憶された交通事故発生時の映像を再生することで、交通事故発生の原因究明に役立てようとするものである。
【0004】
また、ドライブレコーダは、車両の使用者が自身で、あるいは整備業者やカー用品販売店等で、車両に後付けするものが多いため、上述した機能は、ドライブレコーダの単体で完結した動作となっており、その機能が車両に備えられている種々の機能と連携して動作することはなかった。
【0005】
しかし、近年、車両の周囲を監視して運転支援を行う等の目的で、車両の生産段階でカメラを車両に取り付けることも増えている。
【0006】
そして、このようなシステム等の一部として構成されているカメラは、制御によってドライブレコーダのカメラとして機能させることも比較的容易である。
【0007】
そこで、車両や運転者の異常挙動を検出してカメラによる映像の撮影を開始し、その車両が衝突したとき映像の撮影を終了して、その撮影した映像を記憶装置に記憶させ、車両のプローブ情報(車両が備えている各種センサによって得られた情報(位置情報、車速、ハンドル操舵角、時刻情報等))とこの記憶された映像とを、情報センターに送信することで、事故に関する情報を収集する技術が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−293536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述した先行技術文献に開示された技術は、交通事故の当事者である事故車両からの情報を収集することで、事故車両についての事故時の状況をプローブ情報および映像に基づいて分析することができ、有用性が高いといえる。
【0010】
しかし、事故原因を厳密に究明するためには、当事者である事故車両からの情報だけでは限界がある。
【0011】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、交通事故ごとの発生時における映像をより多く収集して、事故原因の分析精度を高めることができる事故発生場所周辺の映像収集システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る事故発生場所周辺の映像収集システムは、車両が事故を起こしたとき、その事故の発生時刻、発生場所等を情報センターに送信し、情報センターは、他の車両に対して事故の発生を直ちに通知し、通知を受けた他の車両から、事故の発生時刻に事故の発生場所の周辺において当該他の車両が撮影した映像を取得することで、事故を起こした当事者である事故車両からの視点による映像だけでなく、事故車両以外の車両(他の車両)からの視点による映像に基づいて、事故の発生状況を分析することができ、事故原因の分析精度を高めるものである。
【0013】
すなわち、本発明に係る事故発生場所周辺の映像収集システムは、情報センターに設けられた情報処理装置および通信装置と、車両に設けられた、通信手段、時刻検知手段、位置検知手段、その車両が事故を起こしたことを検知する事故検知手段、前記車両の周辺を撮影する撮影手段、前記撮影手段により撮影された映像を前記時刻検知手段により検知された時刻と対応づけて所定時間記憶する記憶手段、およびこれらを制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、事故検知手段により事故が検知されたとき、前記時刻検知手段により検知された時刻を事故の発生時刻とし、前記位置検知手段により検知された位置を事故の発生場所とし、前記事故の発生時刻および前記事故の発生場所に、前記事故を発生した車両を特定する情報と前記事故の発生を報せる情報とを加えて得られた事故に関する情報を、前記通信手段を通じて前記情報センターに送信する制御、および前記情報センターから通知を受けたとき前記記憶手段に記憶された映像を前記通信手段を通じて前記情報センターに送信する制御を行うものであり、前記情報処理装置は、前記通信装置を通じて前記情報センターに送信された前記事故に関する情報を受けたとき、前記通信装置を通じて他の車両に前記事故に関する情報を通知し、前記事故に関する情報に含まれた事故の発生時刻および事故の発生場所に基づいて、前記事故の発生時刻に前記事故の発生場所の周辺に居た他の車両の前記記憶手段に記憶された、前記他の車両の周辺の映像を取得するものであることを特徴とする。
【0014】
ここで、情報センターは、例えばテレマティクスサービス(自動車向けの次世代情報提供サービス)を提供する情報センターなどであるが、このような自動車専用のものではない情報提供サービスの情報センターであってもよいし、携帯電話通信会社などであってもよい。
【0015】
車両に設けられた通信手段は、少なくとも情報センターの通信装置との間で情報の送受信をできるものであれば如何なるものであってもよく、通常の無線通信機や、携帯電話等であってもよい。
【0016】
時刻検知手段は、時刻を表示したり、各種情報の授受のタイミングを得るための既存のものを適用してもよい。
【0017】
位置検知手段は、例えばGPS(Global Positioning System:全地球測位システム)を適用することができ、カーナビゲーションシステム(現在位置や目的地への経路案内を行なうシステム)を備えた車両にあっては、このカーナビゲーションシステムを適用してもよい。
【0018】
事故検知手段は、例えば、加速度センサ(Gセンサ)などの、衝突を検知することによって事故を起こしたことを検知するものなどを適用することができる。もちろん、この加速度センサのような衝突検知手段ではないものを適用してもよい。
【0019】
撮影手段は、いわゆるビデオカメラであるが、この撮影手段は、運転支援(後退しながらの駐車操作等の支援)等の目的で車両に設けられているCCDやCMOS等の撮像素子を用いた撮影手段を適用することができる。また、ドライブレコーダを構成しているカメラを適用することもできる。
【0020】
記憶手段としては、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ装置等、撮影手段で得られた映像を記憶させるものとして知られている種々のものを適用することができる。そして、この記憶手段も、既存の運転支援システムやカーナビゲーションシステム、ドライブレコーダをする一部として備えられたものであってもよい。
【0021】
また、記憶手段が記憶する長さとしての所定時間としては、15秒間程度であればよいが、もちろん、これよりも長い時間(例えば30秒間、60秒間等)であってもよい。
【0022】
情報センターの情報処理装置は、事故車両から事故に関する情報を受けたとき、通信装置を通じて他の車両に対して、事故車両による事故に関する情報を通知するが、この通知する範囲としては、以下の(1)または(2)のどちらであってもよい。
(1)事故に関する情報に含まれている事故の発生場所の周辺に居る「他の車両」に限定して通知する
(2)事故に関する情報に含まれている事故の発生場所の如何に拘わらず全ての「他の車両」に通知する
そして、(1)の範囲に限定して通知するものにあっては、その通知された範囲の「他の車両」が、事故の発生時刻において撮影された映像を情報センターに送信し、その送信された映像を情報処理装置が取得することで、情報処理装置は、事故の発生時刻における事故の発生場所の周辺の映像を収集することができる。
【0023】
一方、(2)のように範囲を限定しないで通知するものにあっては、その通知された全ての車両は、事故の発生時刻において撮影された映像に撮影時の位置を対応づけて情報センターに送信し、情報処理装置が、その送信された映像のうち事故の発生場所の周辺に対応する位置の映像を選択することで、情報処理装置は、事故の発生時刻における事故の発生場所の周辺の映像を収集することができる。
【0024】
また、(2)のように範囲を限定しないで通知するものにあっては、上記の他に、その通知された全ての車両のうち事故の発生場所の周辺に居る車両のみが、事故の発生時刻において撮影された映像を情報センターに送信し、その送信された映像を情報処理装置が取得することによっても、情報処理装置は、事故の発生時刻における事故の発生場所の周辺の映像を収集することができる。
【0025】
なお、情報処理装置が、事故の発生時刻に事故の発生場所の周辺に居た車両の記憶手段に記憶された映像を取得する方法、手段としては、上述した3つの方法に限定されるものではない。
【0026】
以上のように構成された本発明に係る事故発生場所周辺の映像収集システムによれば、車両に設けられた事故検知手段がその車両の事故を検知すると、制御手段が、時刻検知手段により検知された時刻を事故の発生時刻とし、位置検知手段により検知された位置を事故の発生場所とし、事故の発生時刻および事故の発生場所に、事故を発生した車両を特定する情報(車両ID情報等)と事故の発生を報せる情報とを加えて得られた「事故に関する情報」を、通信手段を通じて情報センターに送信する制御を行う。
【0027】
事故車両から送信された事故に関する情報は、情報センターの通信装置により受信されて情報処理装置に入力される。
【0028】
この情報処理装置は、事故に関する情報を受けたとき、通信装置を通じて他の車両(事故車両以外の車両)に、事故車両から送信されてきた「事故に関する情報」を通知する。
【0029】
この通知は、他の車両の通信手段を通じて制御手段に入力され、制御手段は、記憶手段に記憶された映像を読み出し、その映像を、通信手段を通じて情報センターに送信する制御を行う。
【0030】
他の車両から送信された映像は、情報センターの通信装置により受信されて情報処理装置に入力され、これにより、情報処理装置は、事故の発生時刻および事故の発生場所の周辺における映像を、他の車両から取得することができる。
【0031】
したがって、本発明に係る事故発生場所周辺の映像収集システムによれば、事故車両以外の他の車両から、事故の発生時刻に事故の発生場所の周辺において当該他の車両が撮影した映像を取得することで、事故車両からの視点による映像だけでなく、事故車両以外の車両(他の車両)からの視点による映像に基づいて、事故の発生状況を分析することができ、事故原因の分析精度を高めることができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明に係る事故発生場所周辺の映像収集システムによれば、交通事故ごとの発生時における映像をより多く収集して、事故原因の分析精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施形態に係る事故発生場所周辺の映像収集システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した事故発生場所周辺の映像収集システムの作用を示すフローチャートである。
【図3】図1に示した事故発生場所周辺の映像収集システムの変型例1による作用を示すフローチャートである。
【図4】図1に示した事故発生場所周辺の映像収集システムの変型例2による作用を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明に係る事故発生場所周辺の映像収集システムの実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0035】
図1は、本発明の一実施形態である事故発生場所周辺の映像収集システム100の構成を示すブロック図である。
【0036】
図示の映像収集システム100は、情報センター90に設けられた情報処理装置91および通信装置92と、各車両10,20,30,…にそれぞれ設けられた、通信機11,21,31,…(通信手段)、少なくとも時刻Tおよび位置P等を検知する機能を具備したカーナビゲーションシステム12,22,32,…(時刻検知手段、位置検知手段)、自車両10,20,30,…が事故を起こしたことをその事故の衝突を検出することで検知する衝撃検知部13,23,33,…(事故検知手段)、前記車両の周辺を撮影するカメラ16,26,36,…(撮影手段)、各カメラ16,26,36,…により撮影された映像Mをカーナビゲーションシステム12,22,32,…により検知された時刻Tと対応づけて所定時間記憶する記憶部17,27,37,…(記憶手段)、およびこれらを制御する車載CPU14,24,34,…(制御手段)と、を備えている。
【0037】
ここで、各カメラ16,26,36,…と、各カメラ16,26,36,…に対応した記憶部17,27,37,…とは、いわゆるドライブレコーダとして形成されたものであってもよいし、車両の周囲を撮影して運転操作を支援する運転支援システムの一部として備えられたものであってもよい。
【0038】
そして、各カメラ16,26,36,…は、そのカメラ16,26,36,…が設置された各自車両10,20,30,…の周辺を常時撮影していて、それらの撮影して得られた映像Mは記憶部17,27,37,…にそれぞれ記憶されるが、記憶部17,27,37,…の記憶容量は有限であるため、時系列的に古い時期に記憶された映像Mの記憶領域に、最新の映像Mを順次上書きしていくことで、記憶部17,27,37,…には一定期間分の映像Mが常時記憶された状態となっている。
【0039】
また、カーナビゲーションシステム12,22,32,…に代えて、時刻Tを検知する機能を有する他の時刻検知手段と、現在位置Pを検知する機能を有する他の位置検知手段とを備えた構成であってもよい。
【0040】
上述した車載CPU14(車載CPU24,34,…も車載CPU14と同じ動作を行う。)はさらに、衝撃検知部13(衝撃検知部23,33,…も衝撃検知部13と同じ動作を行う。)により自車両10の事故が検知されたとき、カーナビゲーションシステム12(カーナビゲーションシステム22,32,…もカーナビゲーションシステム12と同じ動作を行う。)により検知された時刻Tを事故の発生時刻Tとし、カーナビゲーションシステム12により検知された位置Pを事故の発生場所Pとし、この事故の発生時刻Tおよび事故の発生場所Pに、事故を発生した自車両10を特定する情報(車両のID番号等(車種を特定する情報を含むものであってもよい))と事故の発生を報せる情報とを加えて得られた事故に関する情報Kを、通信機11(通信機21,31,…も通信機11と同じ動作を行う。)を通じて情報センター90に送信する制御、および情報センター90から通知を受けたときは記憶部27,37,…(記憶部17も記憶部27,37,…と同じ動作を行う。)に記憶された映像Mを通信機21,31,…を通じて情報センター90に送信する制御を行うものである。
【0041】
また、情報処理装置91は、車両10の通信機11から通信装置92を通じて情報センター90に送信された事故に関する情報Kを受けたとき、通信装置92を通じて他の車両20,30,…に事故に関する情報Kを通知し、事故に関する情報Kに含まれた事故の発生時刻Tおよび事故の発生場所Pに基づいて、事故の発生時刻Tに前記事故の発生場所Pの周辺に居た他の車両20,30,…の記憶部27,37,…に記憶された、他の車両20,30,…の周辺の映像Mを取得するものである。
【0042】
ここで、情報処理装置91は、車両10から送信された事故に関する情報Kに含まれた事故の発生場所Pに基づいて、事故の発生場所Pの周辺の範囲を設定し、その設定された範囲に居る車両20,30,…に対してのみ事故に関する情報Kを通信装置92を通じて通知するものであり、通知を受けた車両20,30,…の車載CPU24,34,…は、その車両20,30,…の記憶部27,37,…に記憶されている映像Mのうち事故の発生時刻Tに対応づけられた映像Mを、その車両20,30,…の通信機21,31,…を通じて情報センター90に送信する制御を行うものであり、さらに情報処理装置91は、各車両20,30,…から送信された映像Mを以て、事故の発生時刻Tに事故の発生場所Pの周辺に居た他の車両20,30,…の記憶部27,37,…に記憶された、他の車両20,30,…の周辺の映像Mを取得するものである。
【0043】
次に、本実施形態の事故発生場所周辺の映像収集システム100の動作について説明する。
【0044】
まず、各車両10,…は、起動している状態(エンジンが駆動している状態またはモータへの即時の通電が可能な状態)で、そのカメラ16,…が自車両10,…の周囲を常時撮影し、その撮影された映像Mを時刻Tに対応づけてそれぞれの記憶部17,…に順次記憶していく。
【0045】
ここで、図2に示すように、いずれかの車両(以下、例えば車両10とする。)が交通事故を起こすと、衝撃検知部13が事故の衝突を検出することで事故の発生を検知する(ステップ1(S1))。
【0046】
衝撃検知部13による事故の発生の検知は、車載CPU14に伝達され、車載CPU14は、カーナビゲーションシステム12により検知された時刻Tを事故の発生時刻Tとし、カーナビゲーションシステム12により検知された位置Pを事故の発生場所Pとし、この事故の発生時刻Tおよび事故の発生場所Pに、事故を発生した自車両10を特定する情報(車両のID番号等)と事故の発生を報せる情報とを加えて、事故に関する情報Kを生成する(S2)。
【0047】
そして、生成された事故に関する情報Kは、車載CPU14が通信機11を制御することにより、通信機11によって無線で送出される(S3)。
【0048】
車両10から送出された事故に関する情報Kは、情報センター90の通信装置92により受信され(S4)、この受信された事故に関する情報Kは情報処理装置91に入力される。
【0049】
情報処理装置91は、事故に関する情報Kの入力を受けると、この事故に関する情報Kに含まれた事故の発生場所Pに基づいて、事故の発生場所Pの周辺の範囲を通知する範囲(通知範囲)として設定し(S5)、その設定された通知範囲に居る車両20,30,…に向けて、事故に関する情報Kを通信装置92を通じて通知(送信)する(S6)。
【0050】
この通知範囲を指定しての通知の仕方としては、通知範囲またはその近辺に設置されている無線中継局にだけ、事故に関する情報Kを送出するように、情報処理装置91が通信装置92を制御するなどの方法を適用すればよい。
【0051】
また、後述するように、通信機11,21,31,…として携帯電話等の移動通信端末を適用したシステムの場合も、設定された特定の範囲の中継局にのみ、事故に関する情報Kを送出するように、情報処理装置91が通信装置92を制御すればよい。
【0052】
そして、事故の発生場所Pの周辺に居る車両20,30,…は、その搭載されている通信機21,31,…が、情報センター90の通信装置92から送出された事故に関する情報Kの通知を受ける(S7)。なお、事故の発生場所Pの周辺以外に居る車両は、この通知を受けない。
【0053】
通信機21,31,…を介して事故に関する情報Kが入力された車載CPU24,34,…は、その事故に関する情報Kに含まれる事故の発生時刻Tに基づいて、その事故の発生時刻T乃至その前後の時間帯(例えば前後30秒間ずつの期間など)に対応づけられて記憶部27,37,…に記憶されている映像Mを検索する(S8)。
【0054】
そして、車載CPU24,34,…は検索の結果、事故の発生時刻T乃至その前後の時間帯に対応づけられた映像Mを検索したときは、その映像Mに車両20,30,…を特定する情報(車両のID番号等)を付加して、通信機21,31,…により送出する(S9)。
【0055】
そして、事故の発生場所Pの周辺に居た車両20,30,…から送出された、事故の発生時刻T乃至その前後の時間帯に撮影された映像Mは、情報センター90の通信装置92により受信される(S10)。
【0056】
通信装置92により受信された各車両20,30,…から送出された映像Mは、車両10から発信された事故に関する情報Kに対応付けられて、情報処理装置91が有する記憶部(情報処理装置91の外部に別途設けられたものであってもよい)に記憶される(S11)。
【0057】
ここで、事故の発生場所Pの周辺にいた車両20,30,…が、事故の発生時刻T乃至、その前後の時間帯に撮影した映像Mには、事故を起こした車両10の事故発生時乃至その前後の状態が映っている可能性があり、その結果、情報センター90の情報処理装置91には、一つの交通事故(車両10が時刻Tに場所Pで起こした事故)に対して、他の車両が写した映像Mが収集されるため、事故車両である車両10からの視点による映像(車両10のカメラ16によって撮影され記憶部17に記憶されている映像)だけでなく、事故車両10以外の車両20,30,…(他の車両)からの視点による映像Mに基づいて、事故の発生状況を分析することができ、事故原因の分析精度を高めることができる。
【0058】
しかも、他の車両20,30,…の記憶部27,37,…に記憶された事故の発生時刻Tにおける映像Mは、時間の経過とともに上書きされて消去される可能性が高くなるが、本実施形態の事故発生場所周辺の映像収集システム100は、事故の発生直後に映像Mの収集を行うため、映像Mの消去の可能性を低下させることができ、事故発生時の映像Mを高い確率で収集することができる。
【0059】
また、本実施形態の事故発生場所周辺の映像収集システム100は、事故に関する情報Kとして、事故の発生時刻T、事故の発生場所P、事故の発生を報せる情報および事故車両10を特定する情報を含むものであるが、この事故の関する情報Kには、事故車両10の損傷状況(損傷部位、損傷の程度等)を特定する情報をさらに含んでもよい。
【0060】
損傷状況を特定する情報は、例えば車両10に設けられている各種のセンサから得られたプローブ情報(エンジンや車輪等に設置されたセンサや、ヘッドライト、テールライト等への通電状態の情報等)やカメラ16によって撮影された車両10の外縁部(フロントバンパーやリヤバンパー等)の輪郭変化(正常な輪郭から衝突によって凹んだ状態の輪郭への変化等)に基づいて、車載CPU14が生成して、事故に関する情報Kに含ませればよい。
【0061】
なお、これら車両10,…に設けられている各種のセンサやカメラ16,…は、車載CPU14,…とともに、車両の損傷状況を検知する損傷状況検知手段として機能するものである。
【0062】
このように、事故に関する情報に、車両の損傷状況(特に損傷部位)を特定する情報を含むシステムにおいては、例えば車両10の前部に損傷が有る場合、その損傷部位が前部であることが他の車両20,…に通知されることで、その車両10と対向する反対車線を走行している他の車両20,…によって、車両10の損傷部位に向いて撮影された映像Mにより、損傷部位の状況をいち早く分析するのに役立てることができ、車両10の後部に損傷が有る場合、その損傷部位が後部であることが他の車両20,…に通知されることで、その車両10と同じ向きの車線を走行している他の車両20,…によって、車両10の損傷部位に向いて撮影された映像Mにより、損傷部位の状況をいち早く分析するのに役立てることができる。
【0063】
また、情報センター90が他の車両20,30,…に通知する事故に関する情報Kには、事故車両10から送信されてきた事故に関する情報Kに、事故の発生場所Pに基づいて、事故の発生場所Pの周辺の施設(病院、故障救援(いわゆるロードサービス)のサービス拠点等)に関する情報などを含ませてもよい。
【0064】
このように、事故に関する情報Kに、事故の発生場所Pの周辺の施設の情報も含ませることにより、事故の発生場所Pの周辺を走行している他の車両20,…が事故車両10の運転者等を救護する場合に、その施設に連絡、搬送するなどの際に役立てることができる。
【0065】
本実施形態の事故発生場所周辺の映像収集システム100は、事故の発生を衝撃検知部13が検知したとき、車載CPU14が、通信機11を制御して、事故の発生(事故に関する情報K)を自動的に送出するため、運転者等事故車両10に乗車していた乗員が怪我等によって、事故の発生を手動で発信できない状況にあっても、情報センター90にいち早く事故の発生を送出することで、迅速な救護を行うこともできる。
【0066】
また、上述した実施形態の映像収集システム100において、情報センター90を携帯電話通信会社とし、通信装置92との間で情報の通信が行われる各車両10,…の通信機11,…を、携帯電話のメーリングリスト(コミュニティ等のメンバーを含む)に予め登録された携帯電話としたものであってもよい。
【0067】
このように通信機11,…を携帯電話、情報センターを携帯電話通信会社とした構成により、車両10,…自体が通信機能を有する装置を備えていなくても、運転者等乗員が車両10,…に乗車したとき、その乗員が有する携帯電話を通信機10,…として用いることで、本発明に係る事故発生場所周辺の映像収集システムの構築することができる。
(変型例1)
上述した実施形態の事故発生場所周辺の映像収集システム100は、情報処理装置91が、事故の発生場所Pの周辺の範囲を通知する範囲(通知範囲)として設定し(図2のステップ5(S5))、その設定された通知範囲に居る車両20,30,…にのみ、事故に関する情報Kを通知する(図2のステップ6(S6))ものであるが、本発明に係る事故発生場所周辺の映像収集システムはこの形態に限定されるものではなく、通知範囲を限定することなく全ての他の車両20,…に通知し、映像Mを受信した後に、情報処理装置91が記憶すべき映像を選別するようにしてもよい。
【0068】
すなわち、情報処理装置91は、事故の発生場所Pに拘わらず全ての車両20,…に対して事故に関する情報Kを通信装置92を通じて通知するものであり、通知を受けた他の全ての車両20,…の車載CPU24,…は、記憶部27,…に記憶されている映像Mのうち事故の発生時刻Tに対応づけられた映像Mと、カーナビゲーションシステム22,…で検知された位置Pとを対応づけて、通信機21,…を通じて情報センター90に送信する制御を行うものであり、情報処理装置91は、車両20,…の車載CPU24,…の制御によって通信機21,…から送信された映像Mのうち事故の発生場所Pに対応する位置Pに対応づけられた映像Mを選択することにより、事故の発生時刻Tに事故の発生場所Pの周辺に居た他の車両20,…の記憶部27,…に記憶された、他の車両20,…の周辺の映像Mとして取得するものである。
【0069】
このように構成された変型例1の映像収集システム100によれば、図3に示すように、いずれかの車両(以下、例えば車両10とする。)が交通事故を起こすと、衝撃検知部13が事故の衝突を検出することで事故の発生を検知する(S1)。
【0070】
衝撃検知部13による事故の発生の検知は、車載CPU14に伝達され、車載CPU14は、カーナビゲーションシステム12により検知された時刻Tを事故の発生時刻Tとし、カーナビゲーションシステム12により検知された位置Pを事故の発生場所Pとし、この事故の発生時刻Tおよび事故の発生場所Pに、事故を発生した自車両10を特定する情報(車両のID番号等)と事故の発生を報せる情報とを加えて、事故に関する情報Kを生成する(S2)。
【0071】
そして、生成された事故に関する情報Kは、車載CPU14が通信機11を制御することにより、通信機11によって無線で送出される(S3)。
【0072】
車両10から送出された事故に関する情報Kは、情報センター90の通信装置92により受信され(S4)、この受信された事故に関する情報Kは情報処理装置91に入力される。
【0073】
情報処理装置91は、事故に関する情報Kの入力を受けると、この事故に関する情報Kに含まれた事故の発生場所Pに拘わらず全ての車両20,…に対して事故に関する情報Kを通信装置92を通じて通知する(S16)。
【0074】
そして、事故の発生場所Pの周辺か否かに拘わらず、他の車両20,30,…は、その搭載されている通信機21,31,…が、情報センター90の通信装置92から送出された事故に関する情報Kの通知を受ける(S17)。
【0075】
通信機21,31,…を介して事故に関する情報Kが入力された車載CPU24,34,…は、その事故に関する情報Kに含まれる事故の発生時刻Tに基づいて、その事故の発生時刻T乃至その前後の時間帯(例えば前後30秒間ずつの期間など)に対応づけられて記憶部27,37,…に記憶されている映像Mを検索する(S18)。
【0076】
そして、車載CPU24,34,…は検索の結果、事故の発生時刻T乃至その前後の時間帯に対応づけられた映像Mを検索したときは、その映像Mに車両20,30,…を特定する情報(車両のID番号等)とカーナビゲーションシステム22,…で検知された位置Pとを付加して、通信機21,31,…により送出する(S19)。
【0077】
そして、他の車両20,30,…から送出された、事故の発生時刻T乃至その前後の時間帯に撮影された映像Mは、情報センター90の通信装置92により受信される(S20)。
【0078】
通信装置92により受信された各車両20,30,…から送出された映像Mは、情報処理装置91に入力され、情報処理装置91は入力された映像Mのうち事故の発生場所Pに対応する位置Pに対応づけられた映像Mを選択する(S21)ことにより、事故の発生時刻Tに事故の発生場所Pの周辺に居た他の車両20,…の記憶部27,…に記憶された、他の車両20,…の周辺の映像Mは、車両10から発信された事故に関する情報Kに対応付けられて、情報処理装置91が有する記憶部(情報処理装置91の外部に別途設けられたものであってもよい)に記憶される(S22)。
【0079】
この結果、この変型例1の映像収集システム100によれば、上述した実施形態の映像収集システム100と同様に、事故車両である車両10からの視点による映像(車両10のカメラ16によって撮影され記憶部17に記憶されている映像)だけでなく、事故車両10以外の車両20,30,…(他の車両)からの視点による映像Mに基づいて、事故の発生状況を分析することができ、事故原因の分析精度を高めることができる。
【0080】
しかも、他の車両20,30,…の記憶部27,37,…に記憶された事故の発生時刻Tにおける映像Mは、時間の経過とともに上書きされて消去される可能性が高くなるが、本実施形態の事故発生場所周辺の映像収集システム100は、事故の発生直後に映像Mの収集を行うため、映像Mの消去の可能性を低下させることができ、事故発生時の映像Mを高い確率で収集することができる。
(変型例2)
上述した実施形態の事故発生場所周辺の映像収集システム100は、情報処理装置91が、事故の発生場所Pの周辺の映像Mを選別する(図3のステップ21(S21))ものであるが、本発明に係る事故発生場所周辺の映像収集システムはこの形態に限定されるものではなく、事故に関する情報Kを受けた他の車両20,30,…の側で、事故の発生場所Pに居るか否かの判定を行い、事故の発生場所Pに居たと判定した場合にのみ、その車両20,30,…が映像Mの送信を行うものとしてもよい。
【0081】
すなわち、情報処理装置91は、事故の発生場所Pに拘わらず全ての車両20,…に対して事故に関する情報Kを通信装置92を通じて通知するものであり、通知を受けた他の全ての車両20,…の車載CPU24,…は、カーナビゲーションシステム22,32,…により検知された位置が事故に関する情報に含まれた事故の発生場所Pの周辺か否かを判定し、カーナビゲーションシステム22,32,…により検知された位置が事故の発生場所Pの周辺であると判定したときは、記憶部27,37,…に記憶されている映像Mのうち事故の発生時刻Tに対応づけられた映像Mを、通信機21,31,…を通じて情報センター90に送信する制御を行うものである。
【0082】
そして、情報センター90の情報処理装置91は、車載CPU24,34,…から送信された映像M(事故の発生時刻Tにおける事故の発生場所Pの周辺での映像M)を、事故の発生時刻Tに事故の発生場所Pの周辺に居た他の車両20,…の記憶部27,…に記憶された、他の車両20,…の周辺の映像Mとして取得するものである。
【0083】
このように構成された変型例2の映像収集システム100によれば、図4に示すように、いずれかの車両(以下、例えば車両10とする。)が交通事故を起こすと、衝撃検知部13が事故の衝突を検出することで事故の発生を検知する(S1)。
【0084】
衝撃検知部13による事故の発生の検知は、車載CPU14に伝達され、車載CPU14は、カーナビゲーションシステム12により検知された時刻Tを事故の発生時刻Tとし、カーナビゲーションシステム12により検知された位置Pを事故の発生場所Pとし、この事故の発生時刻Tおよび事故の発生場所Pに、事故を発生した自車両10を特定する情報(車両のID番号等)と事故の発生を報せる情報とを加えて、事故に関する情報Kを生成する(S2)。
【0085】
そして、生成された事故に関する情報Kは、車載CPU14が通信機11を制御することにより、通信機11によって無線で送出される(S3)。
【0086】
車両10から送出された事故に関する情報Kは、情報センター90の通信装置92により受信され(S4)、この受信された事故に関する情報Kは情報処理装置91に入力される。
【0087】
情報処理装置91は、事故に関する情報Kの入力を受けると、この事故に関する情報Kに含まれた事故の発生場所Pに拘わらず全ての車両20,…に対して事故に関する情報Kを通信装置92を通じて通知する(S16)。
【0088】
そして、事故の発生場所Pの周辺か否かに拘わらず、他の車両20,30,…は、その搭載されている通信機21,31,…が、情報センター90の通信装置92から送出された事故に関する情報Kの通知を受ける(S17)。
【0089】
通信機21,31,…を介して事故に関する情報Kが入力された車載CPU24,34,…は、カーナビゲーションシステム22,32,…により検知された現在位置が、その事故に関する情報Kに含まれる事故の発生場所P乃至その周辺か否かを判定し(S28)、事故の発生場所P乃至その周辺でないと判定したときは、その後は何も実行せずに処理を終了する。
【0090】
一方、カーナビゲーションシステム22,32,…により検知された現在位置が、その事故に関する情報Kに含まれる事故の発生場所P乃至その周辺であると判定したときは、車載CPU24,34,…は、その事故に関する情報Kに含まれる事故の発生時刻Tに基づいて、その事故の発生時刻T乃至その前後の時間帯(例えば前後30秒間ずつの期間など)に対応づけられて記憶部27,37,…に記憶されている映像Mを検索する(S29)。
【0091】
そして、車載CPU24,34,…は検索の結果、事故の発生時刻T乃至その前後の時間帯に対応づけられた映像Mを検索したときは、その映像Mに車両20,30,…を特定する情報(車両のID番号等)を付加して、通信機21,31,…により送出する(S30)。
【0092】
そして、他の車両20,30,…から送出された、事故の発生時刻T乃至その前後の時間帯に撮影された映像Mは、情報センター90の通信装置92により受信される(S31)。
【0093】
通信装置92により受信された各車両20,30,…から送出された映像Mは、事故の発生時刻T乃至その前後の時間帯に事故の発生場所Pの周辺に居た車両20,30,…によって撮影され記憶部27,37,…に記憶されていた映像Mであり、この映像Mは情報処理装置91に入力され、情報処理装置91は入力された映像Mを、車両10から発信された事故に関する情報Kに対応付けて、情報処理装置91が有する記憶部(情報処理装置91の外部に別途設けられたものであってもよい)に記憶する(S32)。
【0094】
この結果、この変型例2の映像収集システム100によれば、上述した実施形態の映像収集システム100と同様に、事故車両である車両10からの視点による映像(車両10のカメラ16によって撮影され記憶部17に記憶されている映像)だけでなく、事故車両10以外の車両20,30,…(他の車両)からの視点による映像Mに基づいて、事故の発生状況を分析することができ、事故原因の分析精度を高めることができる。
【0095】
しかも、他の車両20,30,…の記憶部27,37,…に記憶された事故の発生時刻Tにおける映像Mは、時間の経過とともに上書きされて消去される可能性が高くなるが、本実施形態の事故発生場所周辺の映像収集システム100は、事故の発生直後に映像Mの収集を行うため、映像Mの消去の可能性を低下させることができ、事故発生時の映像Mを高い確率で収集することができる。
【符号の説明】
【0096】
10,20,30 車両
11,21,31 通信機(通信手段)
12,22,32 カーナビゲーションシステム(時刻検知手段、位置検知手段)
13,23,33 衝撃検知部(事故検知手段)
14,24,34 車載CPU(制御手段)
16,26,36 撮影手段(カメラ)
17,27,37 記憶部(記憶手段)
90 情報センター
91 情報処理装置
92 通信装置
100 事故発生場所周辺の映像収集システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報センターに設けられた情報処理装置および通信装置と、
車両に設けられた、通信手段、時刻検知手段、位置検知手段、その車両が事故を起こしたことを検知する事故検知手段、前記車両の周辺を撮影する撮影手段、前記撮影手段により撮影された映像を前記時刻検知手段により検知された時刻と対応づけて所定時間記憶する記憶手段、およびこれらを制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、事故検知手段により事故が検知されたとき、前記時刻検知手段により検知された時刻を事故の発生時刻とし、前記位置検知手段により検知された位置を事故の発生場所とし、前記事故の発生時刻および前記事故の発生場所に、前記事故を発生した車両を特定する情報と前記事故の発生を報せる情報とを加えて得られた事故に関する情報を、前記通信手段を通じて前記情報センターに送信する制御、および前記情報センターから通知を受けたとき前記記憶手段に記憶された映像を前記通信手段を通じて前記情報センターに送信する制御を行うものであり、
前記情報処理装置は、前記通信装置を通じて前記情報センターに送信された前記事故に関する情報を受けたとき、前記通信装置を通じて他の車両に前記事故に関する情報を通知し、前記事故に関する情報に含まれた事故の発生時刻および事故の発生場所に基づいて、前記事故の発生時刻に前記事故の発生場所の周辺に居た他の車両の前記記憶手段に記憶された、前記他の車両の周辺の映像を取得するものであることを特徴とする事故発生場所周辺の映像収集システム。
【請求項2】
前記情報処理装置は、前記事故に関する情報に含まれた事故の発生場所に基づいて、前記事故の発生場所の周辺の範囲を設定し、前記設定された範囲に居る車両に対してのみ前記事故に関する情報を前記通信装置を通じて通知するものであり、
前記通知を受けた車両の前記制御手段は、前記記憶手段に記憶されている映像のうち前記事故の発生時刻に対応づけられた映像を、前記通信手段を通じて前記情報センターに送信する制御を行うものであり、
前記情報処理装置は、前記制御手段から送信された映像を以て、前記事故の発生時刻に前記事故の発生場所の周辺に居た他の車両の前記記憶手段に記憶された、前記他の車両の周辺の映像を取得するものであることを特徴とする請求項1に記載の事故発生場所周辺の映像収集システム。
【請求項3】
前記情報処理装置は、前記事故の発生場所に拘わらず全ての車両に対して前記事故に関する情報を前記通信装置を通じて通知するものであり、
前記通知を受けた車両の前記制御手段は、前記記憶手段に記憶されている映像のうち前記事故の発生時刻に対応づけられた映像と、前記位置検出手段で検知された位置とを対応づけて、前記通信手段を通じて前記情報センターに送信する制御を行うものであり、
前記情報処理装置は、前記制御手段から送信された映像のうち前記事故の発生場所に対応する位置に対応づけられた映像を選択することにより、前記事故の発生時刻に前記事故の発生場所の周辺に居た他の車両の前記記憶手段に記憶された、前記他の車両の周辺の映像を取得するものであることを特徴とする請求項1に記載の事故発生場所周辺の映像収集システム。
【請求項4】
前記情報処理装置は、前記事故の発生場所に拘わらず全ての車両に対して前記事故に関する情報を前記通信装置を通じて通知するものであり、
前記通知を受けた車両の前記制御手段は、前記位置検出手段により検知された位置が前記事故に関する情報に含まれた事故の発生場所の周辺か否かを判定し、前記位置検出手段により検知された位置が前記事故の発生場所の周辺であると判定したときは、前記記憶手段に記憶されている映像のうち前記事故の発生時刻に対応づけられた映像を、前記通信手段を通じて前記情報センターに送信する制御を行うものであり、
前記情報処理装置は、前記制御手段から送信された映像を以て、前記事故の発生時刻に前記事故の発生場所の周辺に居た他の車両の前記記憶手段に記憶された、前記他の車両の周辺の映像を取得するものであることを特徴とする請求項1に記載の事故発生場所周辺の映像収集システム。
【請求項5】
前記事故検知手段は、前記車両の衝突を検知することによって事故を起こしたことを検知するものであることを特徴とする請求項1から4のうちいずれか1項に記載の事故発生場所周辺の映像収集システム。
【請求項6】
前記情報センターは携帯電話通信会社であり、前記通信装置との間で情報の通信が行われる前記通信手段は、コミュニティ等のメンバーを含むメーリングリストに予め登録された携帯電話であることを特徴とする請求項1から5のうちいずれか1項に記載の事故発生場所周辺の映像収集システム。
【請求項7】
前記位置検知手段、前記時刻検知手段は、カーナビゲーションシステムの一部として備えられたものであることを特徴とする請求項1から6のうちいずれか1項に記載の事故発生場所周辺の映像収集システム。
【請求項8】
前記撮影手段は、ドライブレコーダの一部として備えられたものであることを特徴とする請求項1から7のうちいずれか1項に記載の事故発生場所周辺の映像収集システム。
【請求項9】
前記撮影手段は、運転支援システムの一部として備えられたものであることを特徴とする請求項1から7のうちいずれか1項に記載の事故発生場所周辺の映像収集システム。
【請求項10】
前記事故による車両の損傷状況を検知する損傷状況検知手段をさらに備え、前記制御手段は、前記損傷状況検知手段により検知された車両の損傷状況を前記事故に関する情報に含めて、前記情報センターに送るように制御するものであることを特徴とする請求項1から9のうちいずれか1項に記載の事故発生場所周辺の映像収集システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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