説明

事象管理装置、方法およびプログラム

【課題】広域に亘って存在する事象を示す情報を収集するシステムの操作者がそれらの事象間の関連性を容易に把握できるようにする。
【解決手段】情報収集端末111、112と、情報を蓄積する情報蓄積装置121と、蓄積された情報を表示する情報表示装置131を備え、情報収集端末111、112は、相互にコミュニケーションを行う機能と、位置を計測する機能と、コミュニケーションの内容を含む収集情報を作成する機能とを有し、コミュニケーションの履歴と、位置情報の履歴と、収集情報を情報蓄積装置121に記録する。情報蓄積装置121では、コミュニケーション履歴と位置情報の履歴から、地域間の関連性を求める。情報表示装置131は、地域を指定して情報蓄積装置121の収集情報を検索する際、地域間の関連性を利用して、指定した地域と関連性が強い地域を特定し、収集情報を抽出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯用の端末から収集した情報を、一定の意味を持たせるように集約して所定の表示態様で表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
大規模災害発生時など、組織的な対応が求められる場合には広域から情報を収集し、収集された情報に基づき対応することが必要となる。そのような対応を行う災害現場の監督者などが用いる情報処理用のシステムにおいて広域から情報を収集し、収集した情報を表示する手法には様々なものがある。例えば、災害現場で救助活動などをする作業者は携帯可能な端末を所持しており、他の作業者との通話などにより表現される現場の状況を示す情報をその端末に入力し、システムはその情報を端末から収集する。そして、システムでは、収集された個々の情報が持つキーワード(要素情報)により情報を絞り込んだり分類したりし、または並び替えて一覧形式にして表示する、といった手法がある。このような手法は、端末から収集された個々の情報を集約し、システムの操作者(災害現場の監督者)が情報の集合としての意味を理解する有用な手法となる。また、要素情報として日時を使用することにより個々の情報を時系列に整理し、直感的に理解可能な形式で表現することは、システムの操作者が対応すべき事案の状況を的確に理解し、対応することに役立つ。
【0003】
一方、従来では、情報を収集する端末として携帯可能であり、無線通信機能と、位置測位機能と情報入力機能とを有した端末(PHS端末機)を利用し、データ管理装置(情報収集・処理端末)へ収集情報を蓄積するシステムが提案されている(特許文献1など参照)。このシステムでは、端末が有する位置測位機能により測位した位置情報と端末が有する情報入力機能を使用して端末の操作者が入力した入力情報を、無線通信機能を介してデータ管理装置へ蓄積することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−40484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的に、情報の一覧表示の手法では、情報の収集範囲が広域である場合、並行して進行する複数の事象に関する情報が収集される。このため、収集された情報を分類して整理するための要素情報が必要となる。収集される情報が持つ要素情報の作成に際しては、端末の操作者(災害現場の作業者)による表現の差異を生じさせないよう選択方式による入力が推奨される。しかしこの選択方式は、表現の差異を無くすことを端末の操作者に強いるという意味で入力が煩雑となる点、選択可能な要素情報が限定され、現場の状況を的確に表現する要素情報が存在しない場合がある点などにおいて問題が残る。
【0006】
特許文献1により提案されるシステムは、端末から収集された個々の地点における情報をシステム全体で共有することが可能となり、各地域における現在の状況が容易に把握可能となるが、情報の前後関係が表現できない。大規模な災害時には、ある地点で発生している事象の影響が広範囲に及ぶことがある。その際に、各地点で収集された情報を個別に表現する特許文献1のようなシステムでは、ある地点で発生した事象と、それに関連して発生している別の地点での事象との因果関係を把握することが困難である。つまり、事象間の原因と結果の関係性を見出すことができない可能性がある。
【0007】
また、原因と結果を容易に判別可能な形式で表示することは、近未来における状況の予測を容易にし、災害現場の監督者などが組織的な対応により被害の拡大を最小限に留める最適な指揮をふるうことを強力に支援する。この点を踏まえると、前記手法により作成される要素情報は、場所、時刻、現象といった客観的な情報としてしか表現されず、情報を収集した端末の操作者間の状況、つまり災害現場の各作業者が対応する事象間の関連性を反映したものとはいえず、前記支援としては不十分である。
【0008】
本発明は、これらの問題に鑑みて、広域に亘って存在する事象を示す情報を収集するシステムの操作者がそれらの事象間の関連性を容易に把握できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために本発明は、現場の作業者が用いる情報収集端末と、情報を蓄積する情報蓄積装置と、蓄積された情報を表示する情報表示装置を備える。情報蓄積装置および情報表示装置は現場の監督者が用いる。
情報収集端末は、相互にコミュニケーションを行う機能と、位置を計測する機能と、コミュニケーションの内容を含む収集情報を作成する機能とを有し、コミュニケーションの履歴と、位置情報の履歴と、収集情報を情報蓄積装置に記録する。
情報蓄積装置では、コミュニケーション履歴と位置情報の履歴から、地域間の関連性を求める。情報表示装置は、地域を指定して情報蓄積装置の収集情報を検索する際、地域間の関連性を利用して、指定した地域と関連性が強い地域を特定し、収集情報を抽出する。
詳細は、後記する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、広域に亘って存在する事象を示す情報を収集するシステムの操作者がそれらの事象間の関連性を容易に把握できるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態の時系列情報表示システムの構成を示す図である。
【図2】情報収集端末111、112のハードウェア構成を示す図である。
【図3】情報収集端末リスト4112のデータ構成例を示す図である。
【図4】情報蓄積装置121のハードウェア構成を示す図である。
【図5】地域定義DB(4121)のデータ構成例を示す図である。
【図6】境界情報を地図上に表現したときの表示例である。
【図7】収集情報DB(4122)のデータ構成例を示す図である。
【図8】位置情報DB(4123)のデータ構成例を示す図である。
【図9】情報表示装置131のハードウェア構成を示す図である。
【図10】位置情報登録フローを示す図である。
【図11】位置情報データ61141のデータ例を示す図である。
【図12A】マトリクス更新フローを示す図である。
【図12B】マトリクス更新フローを示す図である。
【図13】コミュニケーション情報データ61121のデータ例を示す図である。
【図14】関連性マトリクス更新データ61221のデータ例を示す図である。
【図15】履歴マトリクス5121の構造を示す図である。
【図16】関連性マトリクス5122の構造を示す図である。
【図17】収集情報登録フローを示す図である。
【図18】収集情報データ61111のデータ例を示す図である。
【図19】収集情報蓄積データ61211のデータ例を示す図である。
【図20】検索条件入力画面71311の画面例である。
【図21】検索結果画面の画面例である。
【図22】検索結果画面の別の画面例である。
【図23】検索結果画面のさらに別の画面例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」と称する)について、図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
≪構成≫
図1は、本実施形態の時系列情報表示システムの構成を示す図である。図1において111、112は情報収集端末、121は情報蓄積装置、131は情報表示装置、141は各装置間を接続する通信回線である。本実施形態では、情報収集端末2台および情報表示装置1台しか示されていないが、実際にはこれ以上の情報収集端末、情報表示装置が情報蓄積装置121と通信回線141によって接続されることは云うまでもない。
【0014】
この時系列情報表示システムは、情報収集端末111、112、情報蓄積装置121および情報表示装置131を備え、情報収集端末111、112によって送信される情報を、情報蓄積装置121に集約し、集約された情報を情報表示装置131で時系列に表示する。このように時系列に表示される情報を「時系列情報」と称する場合がある。
【0015】
情報収集端末111、112(移動端末)は、情報蓄積装置121に蓄積する収集情報を作成して送信したり、自身の情報収集端末の位置情報と、他の情報収集端末とのコミュニケーション(通信)に関する情報を送信したりする。例えば、災害などが発生し、組織的な対応が求められる場合には、災害現場で救助活動などをする作業者に対し、情報収集端末111、112が手渡される。各作業者は、現場で活動を行う際、情報収集端末111、112を用いて他の作業者と活動に関するコミュニケーションを行う。なお、収集情報の詳細については、後記する。
【0016】
情報蓄積装置121(事象管理装置の一部)は、情報収集端末111、112から受信した収集情報、位置情報を蓄積し、情報表示装置131からの要求に基づいて蓄積した収集情報を提供する。
情報表示装置131(事象管理装置の一部)は、情報蓄積装置121に蓄積された収集情報を所定の表示態様で表示する。例えば、災害などが発生し、組織的な対応が求められる場合には、災害現場の監督者は、情報蓄積装置121および情報表示装置131を用いて収集情報を時系列にまとめた時系列情報を表示し、災害の状況を把握する。
【0017】
図2は、情報収集端末111、112のハードウェア構成を示す図である。情報収集端末111、112は、記憶部2111、表示部2112、入力部2113、制御部2114、ネットワークインターフェース部2115、音声入力部2116、音声出力部2117を有し、災害現場の作業者(情報収集端末111、112の操作者)が携帯可能な物理的特徴を備える。
【0018】
記憶部2111は、情報収集端末111、112で実現される機能プログラム(単に、「プログラム」と称する場合もある)を記録(記憶)する。
表示部2112は、記憶部2111に記録された機能プログラムの操作画面、および操作結果画面の表示を行う。
入力部2113は、記憶部2111に記録された機能プログラムを操作するための情報入力を行う。
制御部2114は、情報収集端末111、112の各部を制御する。
ネットワークインターフェース部2115は、通信回線141を介して、情報蓄積装置121、情報表示装置131と情報の送受信を行う。
音声入力部2116は、情報収集端末111、112間での音声を用いたコミュニケーションを実現するための音声入力を行う。
音声出力部2117は、情報収集端末111、112間での音声を用いたコミュニケーションを実現するための音声出力を行う。
【0019】
記憶部2111には、情報入力機能3111、コミュニケーション管理機能3112、コミュニケーション機能3113、位置測位機能3114、時刻取得機能3115、オーナー情報4111および情報収集端末リスト4112が実装される。
【0020】
情報入力機能3111は、情報収集端末111、112の操作者が情報を入力するための画面を提供し、ネットワークインターフェース部2115を介して情報蓄積装置121に情報を送信する機能である。
【0021】
コミュニケーション管理機能3112は、コミュニケーション機能3113を管理する機能である。情報収集端末111をコミュニケーションの発信元、情報収集端末112をコミュニケーションの受信先とした場合、情報収集端末111の操作者は、コミュニケーション管理機能3112を介してコミュニケーション機能3113を使用可能とし、情報収集端末112のコミュニケーション機能3113と通信を行う。この際、情報収集端末111のコミュニケーション管理機能3112では、コミュニケーション機能3113の開始と終了を管理し、コミュニケーションを行ったコミュニケーション元(発信元)と、コミュニケーション先(受信先)と、コミュニケーションを行った時刻(開始時刻、終了時刻)とを、ネットワークインターフェース部2115を介して情報蓄積装置121に送信する。
【0022】
コミュニケーション機能3113は、情報収集端末111、112の操作者間でコミュニケーションを行う機能である。コミュニケーション機能3113によって実現されるコミュニケーション手法は、音声、文字、静止画、動画などを媒体としたコミュニケーション全般を対象とし、ネットワークインターフェース部2115を介してコミュニケーションを実現する。音声によるコミュニケーション時には、音声入力部2116、音声出力部2117を通じてコミュニケーションを実現する。本実施形態は、1対1のコミュニケーションについて説明するが、1対多のコミュニケーションについても本発明を適用することができる。
【0023】
位置測位機能3114は、GPS(Global Positioning System)を用いて計測した情報収集端末111、112の位置座標(位置情報)と、計測したときの時刻を情報蓄積装置121に送信する機能である。
【0024】
時刻取得機能3115は、情報収集端末111、112が持つ内部時計の時刻情報を取得する機能である。位置測位機能3114が情報蓄積装置121に送信する時刻は、前記時刻情報から作成される。
【0025】
オーナー情報4111は、情報収集端末111、112が持つ自端末の情報である。オーナー情報4111は少なくとも、自端末を識別する自端末識別情報41111を持ち、予め情報収集端末111、112にそれぞれ記録されている。自端末識別情報41111は、情報収集端末111、112を識別するための情報であり、情報収集端末111、112ごとに一意に付けられる情報である。
【0026】
図3は、情報収集端末リスト4112のデータ構成例を示す図である。情報収集端末リスト4112は、時系列情報表示システムが備える全ての情報収集端末に関する情報である。情報収集端末リスト4112は、少なくとも端末識別情報41121およびコミュニケーションアドレス41122を持つことを特徴とし、予め情報収集端末111、112に記録されている。
【0027】
端末識別情報41121は、時系列情報表示システムが備える全ての情報収集端末がそれぞれ記憶する自端末識別情報41111である。
コミュニケーションアドレス41122は、端末識別情報41121とコミュニケーション機能3113を利用してコミュニケーションを行うための識別情報である(例:電話番号、IP(Internet Protocol)アドレス、メールアドレス)。
【0028】
図4は、情報蓄積装置121のハードウェア構成を示す図である。情報蓄積装置121は、主に、記憶部2121、制御部2122、ネットワークインターフェース部2123を備え、災害現場の監督者(情報蓄積装置121の操作者)が用いる。
【0029】
記憶部2121は、情報蓄積装置121で実現される機能プログラム(事象管理プログラムを含む)と、機能プログラムに使用されるデータを記録する。前記情報には、マトリクス化した情報が含まれる。
制御部2122は、情報蓄積装置121の各部を制御する。
ネットワークインターフェース部2123は、通信回線141を介して、情報収集端末111、112、情報表示装置131とデータの送受信を行う。
【0030】
記憶部2121には情報蓄積装置121で実現される機能プログラムとして、収集情報処理機能3121、関連性マトリクス処理機能3122、収集情報抽出機能3123と、機能プログラムに使用される地域定義DB(Data Base)(4121)(図5参照)、収集情報DB(4122)(図7参照)、位置情報DB(4123)(図8参照)と、履歴マトリクス5121(図15参照)、関連性マトリクス5122(図16参照)が記録される。
【0031】
収集情報処理機能3121は、情報収集端末111、112の情報入力機能3111により送信されるデータを受信し、地域定義DB(4121)、位置情報DB(4123)、関連性マトリクス5122を参照し、受信したデータを編集した後に収集情報DB(4122)に記録する機能である。
【0032】
関連性マトリクス処理機能3122は、情報収集端末111、112のコミュニケーション管理機能3112により送信されるデータを受信し、受信したデータを用いて履歴マトリクス5121、関連性マトリクス5122を更新する機能である。
【0033】
収集情報抽出機能3123は、情報表示装置131の検索条件入力機能3132(図9参照)により送信される収集情報要求を受信し、受信した収集情報要求に含まれる検索条件に応じた収集情報DB(4122)の検索結果を情報表示装置131に送信する機能である。
【0034】
図5は、地域定義DB(4121)のデータ構成例を示す図である。地域定義DB(4121)は、地域名称41211および境界情報41212を持つことを特徴としている(地図情報)。
【0035】
地域名称41211は、時系列情報表示システムが対象とする地域の名称である。
境界情報41212は、地域名称41211に対応する地図上のエリアを特定するための地図座標の集合である。例えば、地域名称41211が「地域1」である境界情報41212を例にしたときは、図6に示すように地図上で表現される。このとき、境界情報41212に格納される値に該当する箇所は黒色で塗りつぶされた領域である。また、境界情報41212に囲まれた位置座標、例えば、(2,2)、(2,3)は、「地域1」の地域であると判断される(白色)。地域定義DB(4121)に記録されるデータは、予め作成し、記録しておくべきデータであり、一般的に入手可能な市町村境界などの他、任意に作成したデータでもよい。
【0036】
図7は、収集情報DB(4122)のデータ構成例を示す図である。収集情報DB(4122)に記録されるデータは、情報収集端末111、112の情報入力機能3111によって情報蓄積装置121に送信されたデータを、収集情報処理機能3121で処理し、記録されるデータである。収集情報DB(4122)は、端末識別情報41221、発信元位置情報41222、発信元地域情報41223、収集情報41224、時刻41225、関連地域1(41226)および関連地域2(41227)を持つことを特徴とする。
【0037】
端末識別情報41221は、収集情報DB(4122)に記録するデータの送信元となる情報収集端末111、112を識別する情報である。
発信元位置情報41222は、データを送信した際の端末識別情報41231(図8参照)で識別される情報収集端末111、112の位置座標である。
発信元地域情報41223は、発信元位置情報41222が示す位置座標が含まれる境界情報41212(図5参照)に区切られた地域名称41211(図5参照)である。
【0038】
収集情報41224は、端末識別情報41231(図8参照)で識別される情報収集端末111、112から入力された情報である。
時刻41225は、収集情報41224で入力された情報が作成された時刻である。
【0039】
関連地域1(41226)、関連地域2(41227)はそれぞれ、時刻41225が示す時点で発信元地域情報41223と関連が強い地域名称41211の地域を、地域間の関連性の強さの順序(大きい順)で(図中で左から)記録したものである。本実施形態においては、収集情報DB(4122)のデータ構成例として、扱う関連地域を2つ(関連地域1(41226)、関連地域2(41227))としたが、その個数は任意に変更してもよい。
【0040】
なお、地域間の関連性の強さについては、後記する(図16参照)。
また、説明の便宜上、収集情報DB(4122)のレコードを「収集情報」と称する場合がある。
【0041】
図8は、位置情報DB(4123)のデータ構成例を示す図である。位置情報DB(4123)に記録されるデータは、情報収集端末111、112から情報蓄積装置121が受信したデータである。位置情報DB(4123)は、端末識別情報41231、時刻41232および位置情報41233を持つことを特徴とする。
【0042】
端末識別情報41231は、データの送信元となる情報収集端末111、112を識別する情報である。
時刻41232は、情報収集端末111、112からのデータ送信時の時刻である。
位置情報41233は、時刻41232が示す時点の端末識別情報41231で識別される情報収集端末111、112の位置座標である。
【0043】
図9は、情報表示装置131のハードウェア構成を示す図である。情報表示装置131は、記憶部2131、表示部2132、入力部2133、制御部2134、ネットワークインターフェース部2135を備え、災害現場の監督者(情報表示装置131の操作者)が用いる。
【0044】
記憶部2131は、情報表示装置131で実現される機能プログラム(事象管理プログラムを含む)を記録する。
表示部2132は、記憶部2131に記録された機能プログラムの操作画面、および操作結果画面(検索結果画面)の表示を行う。
入力部2133は、記憶部2131に記録された機能プログラムを操作するための情報入力を行う。
制御部2134は、情報収集装置131の各部を制御する。
ネットワークインターフェース部2135は、通信回線141を介して、情報蓄積装置121と情報の送受信を行う。
【0045】
記憶部2131には情報表示装置131で実現される機能プログラムとして、収集情報表示機能3131、検索条件入力機能3132が記録される。
収集情報表示機能3131は、情報蓄積装置121の収集情報抽出機能3123により送信されたデータを受信し、情報表示装置131の操作者に表示画面を提供する機能である。
検索条件入力機能3132は、情報蓄積装置121の収集情報抽出機能3123に収集情報を要求するための操作画面を提供し、収集情報抽出機能3123による収集情報の検索を実行するための検索条件を含む収集情報要求を情報蓄積装置121へ送信する機能である。
【0046】
≪処理≫
次に、本発明を適用した時系列情報表示システムでなされる処理について説明する。前記処理がなされるときには、情報収集端末111、112、情報蓄積装置121および情報表示装置131それぞれにおいて各制御部(2114,2122,2134)が各記憶部(2111,2121,2131)に記憶されているプログラムを読み出すことにより、ソフトウェアとハードウェアとの協働が実現される。
時系列情報管理システムでなされる処理においては、4つのフローが存在する。
【0047】
フローの1つ目は、情報収集端末111、112の位置測位機能3114により送信されたデータを情報蓄積装置121の位置情報DB(4123)(図8参照)に記録する位置情報登録フローである。この位置情報登録フローは、情報収集端末111、112の位置測位機能3114の起動を契機として開始される。位置測位機能3114の起動は、操作者の操作によるものではなく自動的に行われることとする。例えば、定期的なタイミングで起動してもよいし、他の機能が起動したタイミングに合わせて起動してもよい。
【0048】
図10は、位置情報登録フローを示す図である。図10では、情報収集端末111における処理を例とする。よって、この処理の主体は、主に情報収集端末111の制御部2114である。
【0049】
まず、位置測位機能3114が起動して本処理が開始すると、GPS(Global Positioning System)を利用して情報収集端末111の位置座標を取得する(S31141)。
次に、時刻取得機能3115にて情報収集端末111の内部時計から時刻情報を取得する(S31142)。
次に、オーナー情報4111から自端末識別情報41111(図2参照)を取得する(S31143)。
次に、取得した位置座標、時刻情報および自端末識別情報41111から、位置情報データ61141(図11参照)を作成する(S31144)。
次に、位置情報データ61141を情報蓄積装置121に送信する(S31145)。
【0050】
ここで、位置情報データ61141について詳細に説明する。
図11は、位置情報データ61141のデータ例を示す図である。位置情報データ61141は、端末識別情報611411、時刻611412および位置情報611413を持つことを特徴としている。
端末識別情報611411は、S31143で取得した自端末識別情報41111である。
時刻611412は、S31142で取得した時刻情報である。
位置情報611413は、S31141で取得した位置座標である。
【0051】
図10に戻り、説明を続ける。S31145の後、情報蓄積装置121の制御部2122は、情報収集端末111から受信した位置情報データ61141を位置情報DB(4123)(図8参照)に記録する(S31146)。このとき、位置情報DB(4123)の端末識別情報41231には端末識別情報611411が記録され、時刻41232には時刻611412が記録され、位置情報41233には位置情報611413が記録される。
以上で、位置情報登録フローの説明を終える。
【0052】
フローの2つ目は、情報収集端末111、112間でコミュニケーションを行った際に、情報蓄積装置121の履歴マトリクス5121(図15参照)、関連性マトリクス5122(図16参照)を更新するマトリクス更新フローである。このマトリクス更新フローは、情報収集端末111、112のコミュニケーション管理機能3112の起動を契機として開始される。
【0053】
図12(図12Aおよび図12Bの総称)は、マトリクス更新フローを示す図である。図12では、相互にコミュニケーションを行うためのコミュニケーション機能3113を持つ情報収集端末111、112において、コミュニケーション要求の発信元(端末)を情報収集端末111、受信先(端末)を情報収集端末112とした場合における処理を例とする。よって、この処理の主体は、情報収集端末111、112の制御部2114および情報蓄積装置121の制御部2122である。
【0054】
まず、情報収集端末111の操作者は、情報収集端末112とコミュニケーションを行うために、コミュニケーション管理機能3112を起動する(S31120)。コミュニケーション管理機能3112の起動方法は、情報収集端末111の表示部2112に表示される操作画面上に割り当てられたボタンを操作することで起動させてもよいし、コミュニケーション管理機能3112の起動を割り当てた入力部2113を直接操作する方法でもよい。
【0055】
次に、情報収集端末情報リスト4112(図3参照)から端末識別情報41121を検索し、結果を情報収集端末111の表示部2112に一覧表示する(S31121)。この際、端末識別情報41121の値とオーナー情報4111の自端末識別情報41111の値を比較し、一致していれば一覧表示の対象から除くこととする。
【0056】
次に、表示された端末識別情報41121の一覧から、例えば入力部2113を操作してコミュニケーション先となる情報収集端末112の端末識別情報41121を選択する(S31122)。
次に、選択した端末識別情報41121の値をキーにして端末情報端末リスト4112を検索し、コミュニケーションアドレス41122を取得する(S31123)。
【0057】
次に、コミュニケーションアドレス41122の値を引数にして、コミュニケーション機能3113を起動する(S31124)。コミュニケーション機能3113は、本実施形態とは全く別に実装される機能であり、音声によるコミュニケーション(例えば、携帯電話における通話機能)でも構わないし、文字情報によるコミュニケーション(例えば、携帯電話におけるメール機能)でもよい。しかし、コミュニケーション管理機能3112によりコミュニケーション機能3113を起動することができ、コミュニケーション機能3113の終了を検知できる必要がある。情報収集端末111のコミュニケーション機能3113により、情報収集端末112のコミュニケーション機能3113が起動し、それ以降、コミュニケーション機能3113により情報収集端末111、112間のコミュニケーションが実現される。
【0058】
次に、コミュニケーション管理機能3112は、コミュニケーション機能3113で行われるコミュニケーションの終了を検知する(S31125)。なお、S31124およびS31125におけるコミュニケーション機能3113の起動および終了の処理は、情報収集端末111、112の双方で実行される。
【0059】
次に、発信元である情報収集端末111では、コミュニケーション終了時の時刻情報を時刻取得機能3115から取得する(S31126)。
次に、少なくとも発信元端末識別情報611211と、受信先端末識別情報611212、時刻611213を持つことを特徴とするコミュニケーション情報データ61121(図13参照)を作成する(S31127)。
【0060】
ここで、コミュニケーション情報データ61121について詳細に説明する。
図13は、コミュニケーション情報データ61121のデータ例を示す図である。コミュニケーション情報データ61121は、発信元端末識別情報611211、受信先端末識別情報611212および時刻611213を持つことを特徴としている。
【0061】
発信元端末識別情報611211には、オーナー情報4111の自端末識別情報41111の値を設定する。
受信先端末識別情報611212には、S31122で選択した端末識別情報41121の値を設定する。
時刻611213には、S31126で取得した時刻情報の値を設定する。
【0062】
図12に戻り、説明を続ける。S31127の後、コミュニケーション情報データ61121を情報蓄積装置121に送信し(S31128)、情報収集端末111における処理を終了する。
【0063】
一方、情報蓄積装置121の制御部2122は、コミュニケーション情報データ61121を受信し、関連性マトリクス処理機能3122を起動する。発信元端末識別情報611211の値と、時刻611213の値をキーにして位置情報DB(4123)(図8参照)の端末識別情報41231と、時刻41232とを検索し、発信元端末、つまり情報収集端末111の位置情報41233を取得する(S31221)。このとき、時刻611213をキーにした時刻41232の検索は近似値検索とする。
【0064】
次に、取得した位置情報41233の値をキーにして、地域定義DB4121(図5参照)の境界情報41212を検索し、発信元端末の地域情報としての地域名称41211を取得する(S31222)。地域定義DB4121の境界情報41212は空間データ型で格納されており、データベースにより提供される関数を用いた検索により位置情報41233の値がどの境界情報41212に含まれるかは容易に判断ができる。
【0065】
次に、S31221と同様に、受信先端末識別情報611212の値と、時刻611213の値をキーにして位置情報DB(4123)の端末識別情報41231と、時刻41232とを検索し、受信先端末、つまり情報収集端末112の位置情報41233を取得する(S31223)。
【0066】
次に、S31222と同様に、取得した位置情報41233の値をキーにして、地域定義DB4121の境界情報41212を検索し、受信先端末の地域情報としての地域名称41211を取得する(S31224)。
【0067】
次に、少なくとも発信元端末識別情報612211と、発信元位置情報612212と、発信元地域情報612213と、受信先端末識別情報612214と、受信先位置情報612215と、受信先地域情報612216と、時刻612217を持つことを特徴とする関連性マトリクス更新データ61221(図14参照)を作成する(S31225)。
【0068】
ここで、関連性マトリクス更新データ61221について詳細に説明する。
図14は、関連性マトリクス更新データ61221のデータ例を示す図である。関連性マトリクス更新データ61221は、発信元端末識別情報612211、発信元位置情報612212、発信元地域情報612213、受信先端末識別情報612214、受信先位置情報612215、受信先地域情報612216および時刻612217を持つことを特徴としている。
【0069】
発信元端末識別情報612211には、発信元端末識別情報611211(図13参照)の値を設定する。
発信元位置情報612212には、S31221で取得した位置情報41233(図8参照)の値を設定する。
発信元地域情報612213には、S31222で取得した地域名称41211(図5参照)の値を設定する。
受信先端末識別情報612214には、受信先端末識別情報611212の値に設定する。
受信先位置情報612215には、S31223で取得した位置情報41233の値を設定する。
受信先地域情報612216には、S31224で取得した地域名称41211の値を設定する。
時刻612217には、時刻611213の値を設定する。
【0070】
また、後記するS31226を説明するにあたり、履歴マトリクス5121について詳細に説明する。
図15は、履歴マトリクス5121の構造を示す図である。履歴マトリクス5121は、地域情報51211を行、コミュニケーション履歴51212を列として持つマトリクスである。
地域情報51211は、地域定義DB(4121)(図5参照)内に含まれる全ての地域名称41211の値から構成される行を持つ。
コミュニケーション履歴51212は、任意の履歴数Nを持ち、1からNまでのN個分の列を持つ。換言すれば、(図中左から順に)1番目からN番目までのコミュニケーション(通信)の順番を定めている。
【0071】
履歴マトリクス5121の行iと列jによって指定される値をT121(地域i,j)で表現した場合、図15の例においてT121(地域2,1)は「地域1」を指し、「地域2」に存在した情報収集端末(図12のフローによれば、受信先端末となる情報収集端末112)が、最後にコミュニケーションを行った情報収集端末(図12のフローによれば、発信元端末となる情報収集端末111)は、「地域1」に存在していたことを示す。
【0072】
いま、関連性マトリクス更新データ61221(図14参照)の発信元地域情報612213に「地域1」が設定され、受信先地域情報612216に「地域2」が設定されていた場合を例とし、図12の処理の説明を続ける。
S31225の後、発信元地域情報612213を示す行(発信元行)において履歴マトリクス5121を更新する(S31226)。具体的には、履歴マトリクス5121の「地域1」行において、T121(地域1,1)からT121(地域1,N-1)までをそれぞれT121(地域1,2)からT121(地域1,N)へシフトした後、T121(地域1,1)に受信先の地域を示す「地域2」をFIFO(First In First Out)形式で格納する。
【0073】
次に、受信先地域情報612216を示す行(受信先行)において履歴マトリクス5121を更新する(S31227)。具体的には、履歴マトリクス5121の「地域2」行において、T121(地域2,1)からT121(地域2,N-1)までをT121(地域2,2)からT121(地域2,N)へシフトした後、T121(地域2,1)に発信元の地域を示す「地域1」をFIFO形式で格納する。
【0074】
また、後記するS31228を説明するにあたり、関連性マトリクス5122について詳細に説明する。
図16は、関連性マトリクス5122の構造を示す図である。関連性マトリクス5122は、地域情報51221を行、地域情報51222を列としてもつマトリクスである。
地域情報51221、51222は共に、地域定義DB(4121)(図5参照)内に含まれる全ての地域名称41211の値から構成される行と列である。
【0075】
関連性マトリクス5122の行iと列jによって指定される値をT122(i,j)で表現した場合、図16の例においてT122(地域2,地域3)は「70」を指し、「地域2」における「地域3」の(地域間の)関連性の強さを表現している。T122(i,j)は、例えば下記式1によって求められる。

T122(i,j) = ΣA(i,j,l)×W(l) ・・・式1

式1において、Σは、lが1からNまでの値をとるときの総和である。
A(i,j,l)は、「0」と「1」の2値を取る関数であり、T121(i,l)の値が地域jと一致した場合にはA(i,j,l) = 1をとり、一致しない場合にA(i,j,l) = 0をとる。
Nは、コミュニケーション履歴51212(図15参照)の履歴数Nである。
W(l)は、予め定義すべき関数であり、lの値が大きいほど、W(l)の値が減少していくことを特徴とする(単調減少関数)。例えば初項「100」、公比「0.9」のような等比数列を用いた関数でもよい。式1によって計算されたT122(i,j)の値が大きいほど、地域iにおいて地域jとの関連性が強いことを意味する。また、W(l)を単調減少関数とすることにより、行われたコミュニケーションが古くなるほど(コミュニケーション履歴51212に定めたコミュニケーションの順番が下がるほど)、式1により算出される地域間の関連性における影響度が小さくなるという意味を持たせることができる。
【0076】
図12に戻り、説明を続ける。S31227の後、関連性マトリクス5122を更新する(S31228)。例えば、関連性マトリクス更新データ61221の発信元地域情報612213に「地域1」、受信先地域情報612216に「地域2」が設定されていた場合、T122(地域1,地域2)およびT122(地域2,地域1)の値を式1から算出し、それらの値を用いて関連性マトリクス5122を更新する。
【0077】
S31228の処理が実行されると、関連性マトリクス処理機能3122による処理が終了する。関連性マトリクス処理機能3122の起動と終了は、情報蓄積装置121がコミュニケーション情報データ61121を受信したタイミングの他、定期的なタイミングとしてもよいし、コミュニケーション情報データ61121(図13参照)を受信したタイミングと、定期的なタイミングを組み合わせたものでもよい。
【0078】
定期的なタイミングとした場合、履歴マトリクス5121(図15参照)の更新は全ての行を対象とし、コミュニケーション情報データ61121の受信による更新が行われなかった行に対しては、無効なデータ(例えば、オールスペース)を履歴マトリクス5121のT121(地域i,1)(i = 1,2,・・・)に格納した上で、関連性マトリクス5122(図16参照)を更新してもよい。
以上で、マトリクス更新フローの説明を終える。
【0079】
フローの3つ目は、情報収集端末111、112の情報入力機能3111により送信されたデータを情報蓄積装置121の収集情報DB(4122)(図7参照)に記録する収集情報登録フローである。この収集情報登録フローは、情報収集端末111、112の情報入力機能3111の起動を契機として開始される。
【0080】
図17は、収集情報登録フローを示す図である。図17では、情報収集端末111の操作者が情報入力機能3111を用いて収集情報DB(4122)に情報を記録する処理を例とする。よって、この処理の主体は、情報収集端末111の制御部2114および情報蓄積装置121の制御部2122である。情報収集端末111の操作者が、情報入力機能3111を起動することで本処理が開始する。情報入力機能3111の起動方法は、情報収集端末111の表示部2112に表示される操作画面上に割り当てられたボタン(入力部2113の具体例)を操作することである。
【0081】
まず、操作者は、情報入力機能3111が提供する情報入力画面に必要な情報を入力する(S31111)。入力する情報には、情報表示装置131の操作者と共有したいテキスト情報の他、入力した情報が発生した時刻の情報もある。このとき、画像や動画などのファイルを添付することとしてもよい。時刻は情報を入力した時刻と必ずしも一致しないため、基本的には、時刻取得機能3115を用いて設定してはならない。ただし、初期値として入力し、編集可能な形態とすればその限りではない。一般的に、時刻取得機能3115は、情報処理のイベントが発生したときの時刻を取得する機能であり、そのイベントとは、例えば情報収集端末111、112の位置座標の取得、テキスト情報の入力、コミュニケーションの開始または終了などであってもよい。
【0082】
次に、オーナー情報4111から自端末識別情報41111を取得する(S31112)。
次に、自端末識別情報4111と、S31111で入力した情報から収集情報データ61111を作成する(S31113)。
次に、収集情報データ61111を情報蓄積装置121に送信する(S31114)。S31114の処理を実行すると、情報収集端末111の情報入力機能3111が終了する。
【0083】
ここで、収集情報データ61111について詳細に説明する。
図18は、収集情報データ61111のデータ例を示す図である。収集情報データ61111は、端末識別情報611111、収集情報611112および時刻611113を持つことを特徴としている。
端末識別情報611111は、S31112で取得した自端末識別情報41111である。
収集情報611112は、S31111で入力したテキスト情報である。
時刻611113は、S31111で入力したテキスト情報が発生した時刻を示す時刻情報である。
【0084】
図17に戻り、説明を続ける。S31114の後、情報蓄積装置121は、収集情報データ61111を受信し、収集情報処理機能3121を起動することで本処理が開始する。
【0085】
まず、端末識別情報611111の値と、時刻611113の値をキーにして位置情報DB(4123)(図8参照)の端末識別情報41231と、時刻41232を検索し、発信元端末、ここでは情報収集端末111の位置情報41233を取得する(S31211)。このとき、時刻611113をキーにした時刻41232の検索は近似値検索とする。
【0086】
次に、取得した位置情報41233の値をキーにして、地域定義DB4121(図5参照)の境界情報41212を検索し、発信元端末の地域情報としての地域名称41211を取得する(S31212)。地域定義DB4121の境界情報41212は空間データ型で格納されており、データベースにより提供される関数を用いた検索により位置情報41233の値がどの境界情報41212に含まれるかは容易に判断できる。
【0087】
次に、取得した地域名称41211の値をキーにして、関連性マトリクス5122(図16参照)を参照して、地域名称41211の値が示す地域と関連性の高い(強い)地域の地域情報を取得する(S31213)。具体的には、関連性マトリクス5122の値T122(地域名称41211の値,j)を比較し、T122(地域名称41211の値,j)の値が大きなjの値を取得する。このとき取得するjの値の数は任意とするが、本実施形態では2つとし、T122(地域名称41211の値,j)の値が大きい順に、関連地域1、関連地域2とする。
【0088】
次に、取得した関連地域1、関連地域2を用いて収集情報蓄積データ61211(図19参照)を作成する(S31214)。
次に、作成した収集情報蓄積データ61211を収集情報DB(4122)(図7参照)に記録する(S31215)。S31215の処理を実行すると、情報蓄積装置121の収集情報処理機能3121を終了する。
【0089】
ここで、収集情報蓄積データ61211について詳細に説明する。
図19は、収集情報蓄積データ61211のデータ例を示す図である。収集情報蓄積データ61211は、端末識別情報612111、端末位置情報612112、端末地域情報612113、収集情報612114、時刻612115、関連地域1(612116)および関連地域2(612117)を持つことを特徴としている。
【0090】
端末識別情報612111には、端末識別情報611111(図18参照)の値を設定する。
端末位置情報612112には、S31211で取得した位置情報41233の値を設定する。
端末地域情報612113には、S31212で取得した地域名称41211の値を設定する。
収集情報612114には、収集情報611112(図18参照)の値を設定する。
時刻612115には、時刻611113(図18参照)の値を設定する。
関連地域1(612116)には、S31213で取得した関連地域1の値を設定する。
関連地域2(612117)には、S31213で取得した関連地域2の値を設定する。
以上で、収集情報登録フローの説明を終える。
【0091】
フローの4つ目は、情報表示装置131が情報蓄積装置121の収集情報DB(4122)(図7参照)を検索して、表示部2132(図9参照)に情報を表示する収集情報表示フローである。収集情報表示フローは、情報表示装置131の検索条件入力機能3132の起動を契機として開始される。情報表示装置131の操作者は、検索条件入力機能3132を起動し、検索条件の指定に使用する検索条件入力画面71311(図20参照)を表示する。
なお、収集情報表示フローそのものの詳細な説明は省略するが、このフローは、情報蓄積装置121の収集情報抽出機能3123により、指定した検索条件を満たす収集情報が抽出され、抽出された収集情報を検索結果として情報表示装置131の表示部2132に表示することで終了する。
【0092】
図20は、検索条件入力画面71311の画面例である。
検索条件入力画面71311は、少なくとも入力欄61114および入力欄61115を有することを特徴とする。
入力欄61114は、プルダウンメニュー形式で収集情報DB(4122)が持つ発信元地域情報(41223)に対する検索条件を指定することができる。よって、入力欄61114には、「地域1」、「地域2」、・・・などの項目が一覧として登録されている。
入力欄61115は、ラジオボタン形式で関連地域を検索対象に含めるかどうかを指定することができる。含める場合には「あり」を選択し、含めない場合には「なし」を選択する。
【0093】
また、検索条件入力画面71311は、チェックボックス形式の入力欄61116を持つ。入力欄61116は、関連地域を検索対象に含める場合に、現時点の地域間の関連性に注目して抽出する「現在関連性検索」方式か、収集情報DB(4122)の各レコードに注目して検索する「個別関連性検索」方式かのいずれかを指定することができる。入力欄61115で「あり」を選択すれば関連地域を検索対象に含めることになり、入力欄61116のチェックボックスがアクティブ化する。チェックボックスをオンにすると、「現在関連性検索」方式を指定することになり、チェックボックスをオフにすると、「個別関連性検索」方式を指定することになる。一方、入力欄61115で「なし」を選択すれば関連地域を検索対象に含めないことになり、入力欄61116のチェックボックスが非アクティブ化する。
【0094】
検索条件入力画面71311にて入力欄61116のチェックボックスをオンにし、「現在関連性検索」方式を指定して「検索」ボタンを押した場合、情報蓄積装置121では、収集情報抽出機能3123にて関連性マトリクス5122(図16参照)を参照し、検索時点における、発信元地域情報(41223)と地域間の関連性の強い関連地域(「第1の関連地域」)を抽出する。収集情報抽出機能3123では、検索条件入力機能3132で指定した条件で収集情報DB(4122)(図7参照)からレコードを抽出した後、入力欄61114の地域情報が示す地域を関連地域に変更した条件で再度、収集情報DB(4122)を検索し、レコードを抽出する。入力欄61114の地域情報を関連地域に変更した抽出(抽出された関連地域は「第2の関連地域」となる)は、関連性マトリクス5122から抽出した関連地域の地域情報の数だけ繰り返す。
【0095】
なお、関連地域を抽出するか否かを判定するための判定基準としては、例えば、情報表示装置131の記憶部2131に記憶されている、または入力部2133から入力された所定の閾値を用いるとよい。この閾値は地域間の関連性の強さの程度を示す値であり、閾値以上の値を示す関連地域について「関連性が強い」とする。検索条件入力画面71311にこの閾値の入力欄を設定してもよい。なお、第1の関連地域に関する閾値と、第2の関連地域に関する閾値とは同じ値でも異なる値でもよい。
【0096】
一方、入力欄61116のチェックボックスをオフにし、「個別関連性検索」方式を指定して「検索」ボタンを押した場合は、関連性マトリクス5122から関連地域の地域情報を抽出せず、収集情報DB(4122)のうち、関連地域1(41226)、関連地域2(41227)に格納されている関連地域の地域情報を使用する。つまり、収集情報が収集された時点における、発信元地域情報(41223)と地域間の関連性の強い関連地域を抽出する。これにより、現在関連性検索の場合と比べて基本的には同様の結果を得ることができる。
【0097】
また、検索条件入力画面71311は、テキストボックス形式の入力欄61113を持つ。入力欄61113は、年月日時分を入力できる開始時刻および終了時刻を入力することで、それらの時刻からなる期間を検索条件として指定することができる。その期間を指定して「検索」ボタンを押した場合は、情報蓄積装置121では、収集情報抽出機能3123にて収集情報DB(4122)(図7)を参照し、時刻(41225) の値が指定した期間に含まれるレコードが抽出される。
【0098】
次に、検索条件入力画面71311にて「検索」ボタンを押すことで、情報表示装置131の表示部2132に表示される検索結果について説明する。
図21は、検索結果画面の画面例である。検索結果画面は、情報表示装置131の表示部2132に検索結果を表示する画面である。図21の検索結果画面は、検索条件入力画面71311(図20参照)において、入力欄61114のプルダウンメニューにて「地域1」を選択し、入力欄61116のチェックボックスがオンの状態で「検索」ボタンを押した後に表示される検索結果を示す画面である(現在関連性検索)。なお、入力欄61113のテキストボックスには、開始時刻として、例えば2010/04/10の10:00を指定入力し、終了時刻として、例えば2010/04/10の12:00を指定入力している。
【0099】
図21の検索結果画面では、3列の表が表示されている。その表の左欄には、入力欄61114により指定した地域1に関する収集情報が、時間の経過に従い下方に進むような時系列情報として一覧表示されている。この時系列情報は、地域1にいた現場の作業者が情報収集端末111、112を用いて行ったコミュニケーションの内容が記載されている。
【0100】
前記3列の表の中央欄には、地域1と最も関連性の強い関連地域1(図21では「関連1」と表記)となる地域2に関する収集情報が、時間の経過に従い下方に進むような時系列情報として一覧表示されている。この時系列情報は、地域1にいた作業者とコミュニケーションをとり、地域2にいた現場の作業者が情報収集端末111、112を用いて行ったコミュニケーションの内容が記載されている。
【0101】
前記3列の表の右欄には、地域1と2番目に関連性の強い関連地域2(図21では「関連2」と表記)となる地域3に関する収集情報が、時間の経過に従い下方に進むような時系列情報として一覧表示されている。この時系列情報は、地域1にいた作業者とコミュニケーションをとり、地域3にいた現場の作業者が情報収集端末111、112を用いて行ったコミュニケーションの内容が記載されている。
【0102】
図21の例では、地域1に対して、関連地域が2つ存在している場合が示されているが、他にも地域間の関連性が強い関連地域が存在していれば、相応の時系列情報が任意個数分だけ前記右欄の右隣に追加表示される。
【0103】
図22は、検索結果画面の別の画面例である。図22の検索結果画面は、検索条件入力画面71311(図20参照)において、入力欄61114のプルダウンメニューにて「地域1」を選択し、入力欄61116のチェックボックスがオフの状態で「検索」ボタンを押した後に表示される検索結果を示す画面である(個別関連性検索)。なお、入力欄61113による時間範囲の指定は図21と同様である。
【0104】
図22の検索結果画面は、地域間の関連性の強さをツリー形式で表示する。つまり、入力欄61114により指定した地域1に関する収集情報は、時間の経過に従い下方に進むような時系列情報として一覧表示されている。このとき、地域1に関する収集情報のそれぞれには、ツリーの開閉を示す「+」(開状態)および「−」(閉状態)が付されており、情報表示装置131の入力部2133で「+」「−」を操作することでツリーの開状態および閉状態を調節できる。
【0105】
地域1に関するある収集情報について関連地域が存在していれば、開状態にすることで、収集情報DB(4122)(図7参照)の関連地域1(41226)および関連地域2(41227)に定められる2つの関連地域(図21では「関連1」「関連2」と表記)が展開表示される。このとき、地域間の関連性の強さに応じて展開表示される「関連1」「関連2」にはインデントが定められる。つまり、より強い関連地域1は、関連地域2よりも左側に表示される。このように階層的に表示することで、地域間の関連性の強弱が一目でわかる。
【0106】
図22は、個別関連性検索に関する画面例であるため、収集情報DB(4122)(図7参照)の形式に従い、関連地域は2つしか表示されないが、現在関連性検索を行えばより多くの関連地域が多層的に表示される場合がある。
【0107】
図23は、検索結果画面のさらに別の画面例である。図23の検索結果画面は、検索条件入力画面71311(図20参照)において、入力欄61114のプルダウンメニューにて「地域1」を選択し、入力欄61116のチェックボックスがオフの状態で「検索」ボタンを押した後に表示される検索結果を示す画面である(個別関連性検索)。なお、入力欄61113による時間範囲の指定は図21と同様である。
【0108】
図23の検索結果画面は、本実施形態の時系列情報表示システムが対象となる地域を地図表示し、地域間の関連性の強さを地図上に表示する。つまり、当該画面の上部にその地図を表示し、その下部には、図21に示した表と同等の表が表示されている。なお、図21の表は、現在関連性検索の検索結果を示す表であるため、個別関連性検索を行う本例とは異なる部分もあるが、どちらも関連地域が2つとなるため、双方の表において表現上の差異は無い。なお、図23の上部の地図は、例えば、地域定義DB4121(図5)を用いて作成することができる。
【0109】
図23の上部の地図には、地域1、関連地域1、関連地域2を含む地域を含む地図が表示されている。対象となる地域1に対し、地域間の関連性が強い関連地域1、関連地域2は、強調表示される。地域間の関連性が強いほど、強調表示の程度を大きくしてもよい。
【0110】
図23の下部の表に記載されている時系列情報の一つ(例えば、図23の下部の表中の網掛け表示)を、情報表示装置131の入力部2133で指定すると、指定した時系列情報、つまり収集情報に関する関連地域が変更され、図23の下部の表が更新される。その更新に伴い図23の上部の地図およびその地図に施される強調表示も更新される。このように地域間の関連性を、地図により視覚的に表示することができるので、情報表示装置131を用いる現場の監督者は災害の状況を的確に把握することができる。
【0111】
≪まとめ≫
本実施形態によれば、広域に亘って存在する事象を示す情報を収集するシステムの操作者がそれらの事象間の関連性を容易に把握できるようにすることができる。
具体的には、情報収集端末111、112によって広域から収集された情報を分類、整理し表示することにより組織的な対応が求められる場面において、情報収集端末間111、112のコミュニケーションの履歴に基づいて、関連性マトリクス5122を作成し、前後の時系列状況を含めた時系列情報を表示することができる。この表示により、システムの操作者は、発生している事象の前後関係や、地域間の関連性を容易に把握することができる。
【0112】
≪その他≫
なお、前記実施形態は、本発明を実施するために好適のものであるが、その実施形式はこれらに限定されるものでなく、本発明の要旨を変更しない範囲内において種々変形することが可能である。
【0113】
例えば、本実施形態では、時系列情報表示システムのうち、災害現場の監督者が用いる装置として、情報蓄積装置121および情報表示装置131の2つを採り上げ、これらは、事象管理装置の一部を担っている。つまり、事象管理装置は2つの装置から構成されている。しかし、事象管理装置は、1つの装置から構成してもよい。この場合、事象管理装置は、情報蓄積装置121および情報表示装置131が備えるハードウェアおよびソフトウェア(機能)を双方とも備える。そこで、情報蓄積装置121の記憶部2121および情報表示装置131の記憶部2131を1つの記憶部とみなす。また、情報蓄積装置121の制御部2122および情報表示装置131の制御部2134を1つの制御部とみなす。また、情報表示装置131の表示部2132、入力部2133を1つの表示部、入力部とみなす。
また、事象管理装置は、3つ以上の装置から構成してもよい。この場合、各装置は、情報蓄積装置121および情報表示装置131が備えるハードウェアおよびソフトウェア(機能)の一部または全部を備える。
【0114】
また、本実施形態では、マトリクス更新フロー(2つ目のフロー)において、コミュニケーションの発信元となる情報収集端末111がコミュニケーション情報データ61121を情報蓄積装置121に送信するようにした(図12BのS31128参照)。しかし、コミュニケーションの受信先となる情報収集端末112が前記送信を行うようにしてもよい。例えば、発信元となる情報収集端末111において通信上の障害が発生して前記送信を行うことができないときに行うとよい。情報蓄積装置121は、通信上の障害の発生を検知すると、受信先となる情報収集端末112にコミュニケーション情報データ61121を要求して、対応するコミュニケーション情報データ61121を情報収集端末112から取得する。
【0115】
また、本実施形態では、履歴マトリクス5121(図15参照)において、基本的には、レコードとなる「地域i」に対応するN個分のコミュニケーション履歴51212の値は、地域i以外の地域が格納される。地域iであるときにはわざわざ情報収集端末111、112間でコミュニケーションをとる必要はないと考えられるからである。しかし、そのようなコミュニケーションが行われる場合には、例えば、対応するコミュニケーション履歴51212の値は、ブランクにすればよい。
【0116】
また、本実施形態では、収集情報登録フロー(3つ目のフロー)において収集情報を取得する情報収集端末は、マトリクス更新フロー(2つ目のフロー)において互いにコミュニケーションを行う情報収集端末とは異なるものとして説明をした。しかし、収集情報登録フローの情報収集端末とマトリクス更新フローの情報収集端末とが同一であってもよい。つまり、コミュニケーションを行った現場の操作者がテキストなどの収集情報を入力する場合があってもよい。
【0117】
また、本実施形態では、情報収集端末の位置情報を取得するためにGPSといった測位システムを用いた。しかし、測位システムとしては、GPSの他にもGLONASS、Galileo、準天頂衛星等といった衛星測位システムを用いてもよい。また、前記したのは屋外の位置検知システムであるが、携帯電話の基地局情報やビーコンシステム等といった屋内の位置検知システムを用いてもよいし、屋外や屋内を問わずに、これらのハイブリッドシステムを用いるようにしてもよい。
【0118】
また、本実施形態では、情報表示装置131の表示部2132に表示する検索結果画面において、各地域を示した地図を表示し、関連地域については強調表示するようにした(図23参照)。しかし、例えば、前記地図において、各情報収集端末111、112の辿った経路を表示するようにしてもよい。具体的には、収集情報DB(4122)(図7参照)の端末識別情報41221、発信元位置情報41222および時刻41225の値を参照して前記経路を描画したり、位置情報DB(4123)(図8参照)の端末識別情報41231、時刻41232および位置情報41233の値を参照して前記経路を描画したりするとよい。このような表示は、強調表示された地域間の関連性と現場の作業者の行動との対応が一目でわかり、現場の監督者が最適な指揮をふるうことを強力に支援する。
【0119】
また、本実施形態においてハードウェアで構成した手段は、ソフトウェアで構成することもでき、ソフトウェアで構成した手段は、ハードウェアで構成することもできる。
また、本実施形態で説明した種々の技術を適宜組み合わせた技術を実現することもできる。
【0120】
その他、ハードウェア、ソフトウェア、各フローチャートなどの具体的な構成について、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
【符号の説明】
【0121】
111,112 情報収集端末(移動端末)
121 情報蓄積装置(事象管理装置の一部)
131 情報表示装置(事象管理装置の一部)
4121 地域定義DB(地図情報)
4122 収集情報DB
4123 位置情報DB
5121 履歴マトリクス
5122 関連性マトリクス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の移動端末と通信可能に接続し、測位システムを用いて測位される前記移動端末の位置を含む地域に発生した事象を管理する事象管理装置において、
前記事象管理装置の記憶部は、前記地域を特定する地図情報を記憶しており、
前記事象管理装置の制御部は、
各移動端末から当該移動端末の位置およびその位置にいたときの時刻を取得し、前記記憶部に記憶する制御と、
互いに通信をした移動端末から、当該通信の発信元となる移動端末の識別情報、当該通信の受信先となる移動端末の識別情報、および当該通信があった時刻を取得し、前記記憶部に記憶する制御と、
前記記憶部を参照して、前記通信があった時刻における、前記発信元となる移動端末の位置を含む地域、および前記受信先となる移動端末の位置を含む地域を特定する制御と、
前記地域ごとに、当該地域にいた移動端末と通信をした移動端末がいた地域および当該通信の順番を定める履歴マトリクスを生成する制御と、
前記履歴マトリクスおよび前記地域を変数とする算出式により、前記地域ごとに、前記通信に起因する各地域との関連性の強さを算出した関連性マトリクスを生成する制御と、
前記事象の内容を入力した移動端末から、当該移動端末の識別情報、当該入力された事象の内容、および当該入力が発生した時刻を取得し、前記記憶部に記憶する制御と、
前記記憶部を参照して、前記入力が発生した時刻における、当該入力をした移動端末の位置を含む地域、および当該地域について、所定の閾値以上の強さを持つ前記関連性を示す地域を関連地域として特定する制御と、
前記事象管理装置の入力部から地域の指定があると、前記事象管理装置の表示部に、前記指定された地域に発生した事象の内容を時系列で表示させるとともに、当該地域の関連地域に発生した事象の内容を時系列で表示させる制御と、を実行する
ことを特徴とする事象管理装置。
【請求項2】
前記算出式は、前記履歴マトリクスが定める通信の順番が下がるほど、前記関連性マトリクスの関連性の強さに及ぼす影響度が小さくなる性質を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の事象管理装置。
【請求項3】
前記事象管理装置の制御部は、
前記事象管理装置の入力部から地域の指定があると、前記関連性マトリクスを参照して、当該指定された地域の関連地域を第1の関連地域とし、当該第1の関連地域について、所定の閾値以上の強さを持つ前記関連性を示す地域を第2の関連地域として特定する制御と、
前記事象管理装置の表示部に、当該第2の関連地域に発生した事象の内容を時系列で表示させる制御と、を実行する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の事象管理装置。
【請求項4】
1以上の移動端末と通信可能に接続し、測位システムを用いて測位される前記移動端末の位置を含む地域に発生した事象を管理する事象管理装置における事象管理方法において、
前記事象管理装置の記憶部は、前記地域を特定する地図情報を記憶しており、
前記事象管理装置の制御部は、
各移動端末から当該移動端末の位置およびその位置にいたときの時刻を取得し、前記記憶部に記憶するステップと、
互いに通信をした移動端末から、当該通信の発信元となる移動端末の識別情報、当該通信の受信先となる移動端末の識別情報、および当該通信があった時刻を取得し、前記記憶部に記憶するステップと、
前記記憶部を参照して、前記通信があった時刻における、前記発信元となる移動端末の位置を含む地域、および前記受信先となる移動端末の位置を含む地域を特定するステップと、
前記地域ごとに、当該地域にいた移動端末と通信をした移動端末がいた地域および当該通信の順番を定める履歴マトリクスを生成するステップと、
前記履歴マトリクスおよび前記地域を変数とする算出式により、前記地域ごとに、前記通信に起因する各地域との関連性の強さを算出した関連性マトリクスを生成するステップと、
前記事象の内容を入力した移動端末から、当該移動端末の識別情報、当該入力された事象の内容、および当該入力が発生した時刻を取得し、前記記憶部に記憶するステップと、
前記記憶部を参照して、前記入力が発生した時刻における、当該入力をした移動端末の位置を含む地域、および当該地域について、所定の閾値以上の強さを持つ前記関連性を示す地域を関連地域として特定するステップと、
前記事象管理装置の入力部から地域の指定があると、前記事象管理装置の表示部に、前記指定された地域に発生した事象の内容を時系列で表示させるとともに、当該地域の関連地域に発生した事象の内容を時系列で表示させるステップと、を実行する
ことを特徴とする事象管理方法。
【請求項5】
1以上の移動端末と通信可能に接続し、測位システムを用いて測位される前記移動端末の位置を含む地域に発生した事象を管理する事象管理装置をコンピュータとして機能させる事象管理プログラムにおいて、
前記事象管理装置の記憶部は、前記地域を特定する地図情報を記憶しており、
前記事象管理装置の制御部に、
各移動端末から当該移動端末の位置およびその位置にいたときの時刻を取得し、前記記憶部に記憶する処理と、
互いに通信をした移動端末から、当該通信の発信元となる移動端末の識別情報、当該通信の受信先となる移動端末の識別情報、および当該通信があった時刻を取得し、前記記憶部に記憶する処理と、
前記記憶部を参照して、前記通信があった時刻における、前記発信元となる移動端末の位置を含む地域、および前記受信先となる移動端末の位置を含む地域を特定する処理と、
前記地域ごとに、当該地域にいた移動端末と通信をした移動端末がいた地域および当該通信の順番を定める履歴マトリクスを生成する処理と、
前記履歴マトリクスおよび前記地域を変数とする算出式により、前記地域ごとに、前記通信に起因する各地域との関連性の強さを算出した関連性マトリクスを生成する処理と、
前記事象の内容を入力した移動端末から、当該移動端末の識別情報、当該入力された事象の内容、および当該入力が発生した時刻を取得し、前記記憶部に記憶する処理と、
前記記憶部を参照して、前記入力が発生した時刻における、当該入力をした移動端末の位置を含む地域、および当該地域について、所定の閾値以上の強さを持つ前記関連性を示す地域を関連地域として特定する処理と、
前記事象管理装置の入力部から地域の指定があると、前記事象管理装置の表示部に、前記指定された地域に発生した事象の内容を時系列で表示させるとともに、当該地域の関連地域に発生した事象の内容を時系列で表示させる処理と、を実行させる
ことを特徴とする事象管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2012−146098(P2012−146098A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−3443(P2011−3443)
【出願日】平成23年1月11日(2011.1.11)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】