説明

二材成形用射出成形機

【課題】金型の加熱を効率よく行いつつ、型を閉じるときに金型同士が干渉するのを防ぐとともに、キャビティ温度のオーバーシュートを有効に防ぐことのできる二材成形用射出成形機を提供することを目的とする。
【解決手段】異なった樹脂材をそれぞれ可塑化して射出充填する2組の第一射出ユニット、第二射出ユニットを有する二材成形用射出成形機において、二次側の第一射出ユニット側での射出成形を行うに先立ち、一次側の第二射出ユニット側での射出成形後、回転ダイプレートの180度回転が完了するまでの間に、金型の加熱を開始するようにした。また、加熱開始後、回転ダイプレートの180度回転が完了するまで、つまり型閉を行うまでは、金型温度を、加熱開始時の金型温度よりも高く、かつ射出時における金型温度よりも低く設定された温度領域内に維持するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異なる材質や異なる色を組み合わせた成形品を得るための二材成形用射出成形機に関する。
【背景技術】
【0002】
互いに異なる複数種の材質や、互いに異なる複数色の材料からなる成形品を得るため、一次側のキャビティと二次側のキャビティを有する射出成形機を用いる手法がある(例えば、特許文献1、2参照。)。この射出成形機は、固定ダイプレートと、固定ダイプレートに対して接近・離間可能な可動ダイプレートと、これら固定ダイプレートと可動ダイプレートの間に設けられた回転ダイプレートと、を有する。固定ダイプレート、可動ダイプレートには、それぞれ金型が取り付けられる。これら固定ダイプレートの金型、可動ダイプレートの金型に対向するよう、回転ダイプレートの両面にはそれぞれ金型が設けられている。回転ダイプレートは、回転可能に設けられており、回転ダイプレートを回転させることで、その両面に設けられた金型のそれぞれを、固定ダイプレートの金型と可動ダイプレートの金型に交互に対向させる。
そして、まず、回転ダイプレートの一方の金型を可動ダイプレートの金型に対向させた状態で、双方の間に形成される一次側のキャビティに第一の樹脂を射出して加圧成形する。次いで、得られた成形品を回転ダイプレートの金型に付けたまま回転ダイプレートを回転させ、固定ダイプレートの金型に対向させる。そして、固定ダイプレートの金型と回転ダイプレートの金型との間に形成される二次側のキャビティに第二の樹脂を射出して加圧成形する。
このようにして、互いに材質や色が異なる第一の樹脂と第二の樹脂とからなる成形品を得ることができる。
【0003】
【特許文献1】特公平3−51207号公報
【特許文献2】特開2006−168223号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで近年、樹脂を射出するときには金型を加熱して樹脂の流動性を高めてキャビティの隅々まで樹脂を行き渡らせた後、金型を冷却してキャビティ内の樹脂を冷却することで、パターン転写を高精度に行う手法が用いられつつある。
このように金型の温度制御を行う手法を、上記したような複数のキャビティを有する二材料用の射出成形機に適用しようとした場合、以下に示すような問題が存在する。
【0005】
金型の加熱は、二次側のキャビティにおいて、型閉、つまり回転ダイプレートの金型と固定ダイプレートの金型とを閉じた後に開始する必要がある。型が開いた状態で金型を加熱すると、膨張量の違い等により、回転ダイプレートの金型と固定ダイプレートの金型とを閉じようとしたときに双方の金型が干渉してしまう可能性があるからである。しかし、型を閉じてから加熱を開始したのでは、加熱に時間がかかり、生産性向上の妨げとなる。
【0006】
さらには、型を開いた状態で金型を加熱すると、金型はその熱の一部を周囲の雰囲気に放散する。このため、金型には、金型が周囲の雰囲気に放散する熱量をも含んだ過大な熱量を与える必要がある。この状態で型を閉じると、金型からの熱はキャビティに放散されるが、キャビティは閉鎖空間であるために、型を開いていた状態に比較すると放熱量が小さい。その結果、型を閉じると金型の温度が急上昇してしまい、これによってキャビティ温度が、予め定めた目標温度を超えてしまい、これが成形不良等に繋がる要因ともなる。このような、いわゆるオーバーシュート現象は、加熱を急速に行えば行うほど顕著なものとなる。
【0007】
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、金型の加熱を効率よく行いつつ、型を閉じるときに金型同士が干渉するのを防ぐとともに、キャビティ温度のオーバーシュートを有効に防ぐことのできる二材成形用射出成形機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的のもと、本発明の二材成形用射出成形機は、固定側金型が取付けられる固定ダイプレートと、可動側金型が取付けられ、固定ダイプレートに対向し、固定ダイプレートに接近・離間する方向に移動可能な可動ダイプレートと、可動ダイプレートと固定ダイプレートとの間に可動ダイプレートと同方向に移動可能に設置された反転台と、反転台上に180度回転可能に設けられ、両面に可動側金型と固定側金型とに交互に対向する回転金型がそれぞれ取付けられる回転ダイプレートと、可動ダイプレートを型開閉する可動ダイプレート型開閉手段と、回転ダイプレートを型開閉する回転ダイプレート型開閉手段と、固定ダイプレート、可動ダイプレート、回転ダイプレートを型締めする型締手段と、固定側金型と当該固定金型に対向した回転金型との間に形成される第一のキャビティに樹脂材を可塑化して射出充填する第一の射出ユニットと、可動側金型と当該可動金型に対向した回転金型との間に形成される第二のキャビティに樹脂材を可塑化して射出充填する第二の射出ユニットと、固定側金型、可動側金型、回転金型の少なくとも一つに形成された熱媒体通路に加熱媒体を供給して第一のキャビティおよび/または第二のキャビティを加熱する加熱媒体供給装置と、熱媒体通路に冷却媒体を供給して第一のキャビティおよび/または第二のキャビティを冷却する冷却媒体供給装置と、加熱媒体供給装置および冷却媒体供給装置における加熱媒体および冷却媒体の供給を制御する制御部と、を備え、制御部は、第一の射出ユニットまたは第二の射出ユニットでの射出成形完了後、第二の射出ユニットまたは第一の射出ユニットで射出充填するために反転台を180度回転させるに先立ち、熱媒体通路に加熱媒体を供給して第一のキャビティおよび/または第二のキャビティの加熱を開始し、反転台の回転完了までに予め定められた温度まで加熱することを特徴とする。
第一の射出ユニットまたは第二の射出ユニットでの射出成形完了後、第二の射出ユニットまたは第一の射出ユニットで射出充填するために反転台を180度回転させるに先立ち、熱媒体通路に加熱媒体を供給して第一のキャビティおよび/または第二のキャビティの加熱を開始することで、反転台を180度回転させた後に熱媒体通路に加熱媒体を供給して第一のキャビティおよび/または第二のキャビティを加熱するのに要する時間を短縮できる。そして、反転台の回転完了までの加熱を、予め定められた温度に留めることで、反転台を180度回転させた後に、固定側金型と当該固定金型に対向した回転金型、および可動側金型と当該可動金型に対向した回転金型を型閉するときに、固定側金型、可動側金型、回転金型が互いに干渉するのを防ぐ。
なお、第一の射出ユニット、第二の射出ユニットにおける射出順序は問うものではない。第一のキャビティと第二のキャビティにおいては、異なる色、異なる材料、異なる成形方法を組み合わせることができる。また、加熱は、第一のキャビティ、第二のキャビティのいずれか一方でも良いし双方でも良い。同様に、熱媒体通路も、固定側金型、可動側金型、回転金型の少なくとも一つに形成すればよい。
【0009】
また、制御部は、第一の射出ユニットまたは第二の射出ユニットでの射出成形完了後、第二の射出ユニットまたは第一の射出ユニットでの射出充填に先立って反転台を180度回転させる間、第一のキャビティおよび/または第二のキャビティを、予め定められた温度領域内に維持するのが好ましい。第一のキャビティおよび/または第二のキャビティを、予め定められた温度領域内に維持することで、固定側金型、可動側金型、回転金型の温度が過度に高くなるのを確実に回避しつつ、反転台を180度回転させた後における加熱を効率よく行える。
【0010】
ところで、上記特許文献1に示した従来の成形装置について説明すると、2組の射出ユニットから可動盤の金型と固定盤の金型と両盤の間に設置された回転盤の両側面の金型とで形成する2つのキャビティのうちの一次側に一方の樹脂材を射出成形し、回転盤を180度回転して二次側のキャビティに他方の樹脂材を射出して二材を一体成形する。このような二材成形用射出成形機において、回転盤の移動は固有の油圧シリンダで、可動盤の開閉は可動盤、回転盤、固定盤を貫通して設けられたタイバーの端部のラムと固定盤に固設されたシリンダとからなる油圧シリンダで行い、回転盤の回転は特定しない回転駆動手段で行う。また、可動盤、回転盤、固定盤を型閉後の型締めは、固定盤に内蔵する大径の油圧シリンダとこのシリンダ内を摺動可能なラムとで構成される型締シリンダで行うが、この大径のラムはタイバーと脱着可能な機能を有するものである。
【0011】
この射出成形機による成形作用は、回転盤を固有の油圧シリンダで固定盤側に引き寄せ、可動盤をタイバーの端部と固定盤間に設けられた油圧シリンダにより固定盤側に移動させて型閉する。上記の型締シリンダで可動盤、回転盤を共締めして作動油を昇圧して型締めし、1つの射出ユニットから一次側のキャビティに一方の樹脂材を射出成形する。その後、回転盤を180度反転させて再度可動盤、回転盤を共締めし、別の射出ユニットから二次側のキャビティに他方の樹脂材を射出し二材を一体成形をする。
【0012】
ところで、特許文献1の従来例は、可動盤、回転盤の型開閉を油圧シリンダで行うようにしているが、型盤は重量が大きい。このため、稼動中の作動油の温度変化に対応する精度の高い速度や位置の制御が困難であり、型開閉を高速で行うと、金型が破損する虞がある。また、油圧ポンプを共有する油圧系統で可動盤の型開閉と回転盤の型開閉を平行して動作させると、動作に伴う油圧変動が互いに影響を与える。このため、各型開閉用油圧シリンダに供給される作動油の流量が安定せず、動作がばらつく虞があり、油圧シリンダによる型開閉動作の高速化は容易でない。回転盤の回転駆動手段については言及していないが、回転盤も重量が大きく、回転モーメントも大きいので、油圧シリンダ、又は油圧モータを使用すると上記と同じ問題がある。
【0013】
そこで、本発明は、上記の課題に対し、標準的な金型で取替え可能な回転型盤と、可動盤、回転盤の型開閉を高速作動時でも精度高く安定した稼動運転が可能な型盤駆動手段を提供することを目的とすることもできる。
【0014】
そこでなされた本発明の二材成形用射出成形機は、型締手段が油圧シリンダによって駆動され、可動ダイプレート開閉手段および回転ダイプレート開閉手段が、それぞれ電動モータによって駆動されたものとすることができる。
【0015】
また、可動ダイプレート開閉手段は、電動モータに駆動されるボールねじ軸と、可動ダイプレートに取付けられてボールねじ軸に螺合するボールねじナットと、を備え、回転ダイプレート開閉手段は、電動モータに駆動されるボールねじ軸と、反転台に取付けられてボールねじ軸に螺合するボールねじナットと、を備えることもできる。
【0016】
可動ダイプレート開閉手段は、固定ダイプレートまたは二材成形用射出成形機の基台に固定された電動モータに駆動されるボールねじ軸と、可動ダイプレートに取付けられてボールねじ軸と螺合するボールねじナットと、を備えることもできる。
【0017】
可動ダイプレート開閉手段は、反転台に固定された電動モータに駆動され、反転台に固設された支え台にボールベアリングを介して回転自在に支持されたボールねじ軸と、可動ダイプレートに固設されてボールねじ軸と螺合するボールねじナットと、を備えることもできる。
【0018】
可動ダイプレート開閉手段および回転ダイプレート開閉手段の電動モータの動作をそれぞれフィードバック制御する制御装置をさらに備えることもできる。
その場合、各電動モータの少なくとも一つはサーボモータとするのが好ましい。
フィードバック制御での速度制御の際に、加速時又は減速時の速度制御は、一定の加速度で一次直線に従い加速、又は減速を行うのが好ましい。また、加速制御から一定速度制御への切換時、または一定速度制御から減速制御への切換時の速度制御は、加速と一定速度、または一定速度と減速の各一次直線速度が、それぞれ接線となる二次曲線に従って速度制御を行うのが好ましい。
【0019】
また、回転ダイプレート内に、金型内の成形品突き出し動作、可動入れ子動作、ゲートバルブ動作等、金型内可動部材動作の駆動装置を備えることもできる。
さらに、成形品突き出し装置の動作制御の際、制御信号を無線により送受信が可能な通信装置を備えることもできる。
【0020】
本発明は、上記のような二材成形用射出成形機を用い、可動ダイプレートと回転ダイプレートを積載した反転台の型閉、型締め、溶融樹脂の射出充填、冷却、可動ダイプレートと回転ダイプレートの型開移動、回転ダイプレートの180度回転、可動ダイプレートと回転ダイプレートの再型閉、型締めの成形工程において、可動ダイプレートと回転ダイプレートの型開閉移動時間が、最短となるように電動モータにより加速、速度維持、減速を制御することを特徴とする二材成形用射出成形機の制御方法とすることもできる。
また、上記のような二材成形用射出成形機を用い、反転台上の回転ダイプレートを180度回転するとき、最短の回転時間となるように電動モータにより回転加速、回転速度維持、回転減速を制御することを特徴とする二材成形用射出成形機の制御方法とすることもできる。
【0021】
さらに、移動中の可動ダイプレート、又は、回転ダイプレートが停止するのに必要な距離を衝突防止距離とし、可動ダイプレート及び金型と回転ダイプレート及び金型のそれぞれの移動先端位置を監視し両ダイプレート又はそれぞれの金型の移動先端の相対位置が衝突防止距離に入ったら自動的に移動中の接近する方のダイプレートを減速、あるいは停止させるようにして可動ダイプレートと回転ダイプレートの開閉移動時の衝突を防止するのが好ましい。
【0022】
また、可動ダイプレートと回転ダイプレートの開閉移動、回転ダイプレート回転を並行して行う際、回転ダイプレート回転中の回転ダイプレート又はその金型と固定ダイプレート又はその金型、回転ダイプレート又はその金型と可動ダイプレート又はその金型間の相対距離を、可動ダイプレート位置及び回転ダイプレートの位置と回転角度とそれぞれの金型の形状寸法値より算出し、衝突防止距離に入ったら自動的に接近する方のダイプレートの移動又は回転ダイプレートの回転を減速、あるいは停止させるようにするのが好ましい。
【0023】
上記のように型開閉を電動化し、滑らかに加速、減速を行うことにより可動ダイプレート、回転ダイプレートの速度精度、位置精度が向上し、高速に運転しても衝突が避けられ、衝撃による金型の破損を防止できる。
反転の高速化と反転のための型開閉時間の短縮は、成形品が大気に曝される時間を短縮でき、成形品の温度低下に伴う不都合を抑制することができる。成形品が大気に曝されると成形品の表面温度が低下し、二材の一体化成形の為の二材の密着性が低下するので、成形品が大気に曝される時間は、実用上40秒乃至50秒程度、好ましくは30秒以下とすることが良い。更に好ましくは20秒以下にすることが良い。また、回転停止位置の高精度制御は、位置決めピンとの嵌合を容易確実にする効果がある。さらに、大部分のダイプレートの動作を電動駆動にすることにより成形装置のクリーン性が良くなる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、金型の加熱を効率よく行いつつ、型を閉じるときに金型同士が干渉するのを防ぐとともに、キャビティ温度のオーバーシュートを防ぐことが可能となる。
【0025】
また、本発明によれば、型開閉を電動化し、滑らかに加速、減速を行うことにより可動ダイプレート、回転ダイプレートの速度精度、位置精度が向上し、高速に運転しても衝突が避けられ、衝撃による金型の破損を防止できる。
【0026】
また、可動ダイプレートと回転ダイプレートの開閉用にそれぞれ専用の移動手段(ボールねじ軸、ボールねじナット、サーボモータ等)を設けているので、可動ダイプレートと回転ダイプレートの同時移動が可能である。そして、可動ダイプレートと回転ダイプレートの相対位置を考慮し、成形品取出し装置とリンクさせながらそれぞれを高精度に型開閉を制御することができるので、成形サイクルの短縮化に有効であり、金型の位置の再現性が良いので、成形品取出し時のチャックミスを避けることができる。
【0027】
また、回転ダイプレートの反転を電動駆動し、滑らかに回転の加速・減速を行うことにより、反転駆動の回転開始時、回転停止時の振動を抑える制御と高速回転の制御が容易となる。したがって、可動ダイプレートと回転ダイプレートの開閉動作と回転ダイプレートの回転動作を並行に行っても接触や衝突を回避する位置制御をすることができ、成形のハイサイクル化ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0029】
(第1の実施の形態)
以下、第1の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1に示すように、二材成形用射出成形機10の基台1の一端には、固定側金型4を取付けた固定ダイプレート2が固定状態で設けられている。基台1の上には、固定ダイプレート2に対向して、回転金型A(6A)、回転金型B(6B)を取付けた回転ダイプレート9と、可動側金型5を取付けた可動ダイプレート3とが、移動可能に載置されている。
【0030】
可動ダイプレート3と、回転ダイプレート9とが載っている反転台7とは、基台1に固設されたガイドレール19にガイドされて基台1上を移動可能とされている。
なお、可動ダイプレート3と反転台7とは、ガイドレール19によってガイドされ移動するのが好ましいが、本発明においては、例えば摺動板等であっても何ら実用上の支障は無い。
【0031】
次に、可動ダイプレート3、回転ダイプレート9との開閉手段と、回転ダイプレート9の回転手段を説明する。なお、以下の説明において、二材成形用射出成形機10において、その中心軸線を基準として左右対称に設けられている部材については、図中において符号を一方の側に付すことがある。
図2に示すように、二材成形用射出成形機10の両側に対称に一対設置される可動ダイプレート開閉手段14は、基台1又は固定ダイプレート2に固設されたサーボモータA(電動モータ)(21)と、ボールねじ軸A(22)と、基台1又は固定ダイプレート2に固設され且つボールねじ軸A(22)を回転自在に軸方向を拘束して支える支え台26と、ボールねじ軸A(22)のボールねじ22aと螺合するボールねじナットA(24)と、ボールねじナットA(24)を取付け且つ可動ダイプレート3に固設されたナット支持台25と、サーボモータA(21)の回転力をボールねじ軸A(22)に伝える動力伝達機構23(例えば歯車プーリーと歯付きベルト、歯車減速機等)とにより構成され、一対のサーボモータA(21)は同調運転され、可動ダイプレート3は固定ダイプレート2に平行に開閉移動することができる。
【0032】
二材成形用射出成形機10の両側に対称に一対設置される回転ダイプレート開閉手段15は、基台1又は固定ダイプレート2に固設されたサーボモータB(電動モータ)(31)と、ボールねじ軸B(32)と、基台1又は固定ダイプレート2に固設され且つボールねじ軸B(32)を回転自在に支える支え台34と、ボールねじ軸B(32)のボールねじ32aと螺合するボールねじナットB(33)と、ボールねじナットB(33)を取付け且つ反転台7に固設されたナット支持台35と、サーボモータB(31)の回転力をボールねじ軸B(32)に伝える動力伝達機構36(例えば歯車プーリーと歯付きベルト、歯車減速機等)とにより構成されている。一対のサーボモータB(31)は同調運転され、反転台7は固定ダイプレート2に平行に開閉移動することができる。
【0033】
回転ダイプレート9は反転台7上に載せられ、図3に示すように、基台1の表面に直交する軸線周りに回転可能とされている。回転ダイプレート回転手段16は、回転ダイプレート9を正逆方向に半回転させる回転駆動手段であり、回転ダイプレート9の両面に設けられた回転金型A(6A)と回転金型B(6B)とを、固定側金型4、可動側金型5に交互に正対させることができる。
図4に示すように、回転ダイプレート回転手段16は、反転台7に取付けられたサーボモータC(電動モータ)(41)と、サーボモータC(41)に取付けられたピニオン42と、ピニオン42と噛み合い、回転ダイプレート9に一体に設けられた大歯車43と、回転ダイプレート9が固定ダイプレート2(または、可動ダイプレート3)とした位置と、その位置から180度回転した位置とで位置決めする位置決めピン44とで構成される。なお、回転ダイプレート9と一体の下軸8は、軸受を介して反転台7に対して回転可能となっている。
これにより、高い精度での位置決めを実現することができる。
【0034】
この位置決めの際、反転台7上で回転する回転ダイプレート9が対向するダイプレートに正対する位置で、油圧シリンダ48により、大歯車43に形成された図示しない位置決めピン挿入穴に位置決めピン44aを挿入可能とするようにしてもよい。ここで、回転ダイプレート9の回転中に、位置決めピン44aの回転中心と位置決めピン挿入穴の中心とが合致する手前の所定位置から、油圧シリンダ48による位置決めピン44aの挿入動作を開始させる制御を行うようにしてもよい。
これにより、成形のハイサイクル化を実現することができる。
【0035】
また、反転台7の回転動作を駆動しているサーボモータC(41)の制御において、位置決めピン44aを挿入する際に、サーボモータC(41)の位置制御の一部の制御を止めて、反転台7の位置決めをサーボモータで行うのでなく、位置決めピン44aによる機械的な倣いによって行えば、ピニオン42と大歯車43とのバックラッシュに起因した反転台7の回転位置不感領域を無視でき、微低速回転制御時のハンチングを防止できる。この場合、位置決めピン44aの挿入穴はピン側が大となる若干のテーパ形状とすることが好ましい。
【0036】
油圧型締手段は、3組のダイプレート2、9、3を同時に型締めするものであり、固定ダイプレート2に内蔵する4個の油圧シリンダ2aと、同シリンダ2aのラム18bに結合され、可動ダイプレート3を突き通すように設けられた4個のタイバー18と、可動ダイプレート3の外側に備えられ、タイバー18の先端部に形成されたリング溝18aと係合できる4組の割ナット17とで構成されている。
【0037】
回転ダイプレート9の両面に取り付けられる回転金型A(6A)、回転金型B(6B)は同一形状であり、それぞれが可動側金型5と固定側金型4とに嵌合して回転ダイプレート9の両側に2つのキャビティを形成する。型締手段により固定ダイプレート2、回転ダイプレート9、可動ダイプレート3を同時に型締めしたときに形成されるこれら2つのキャビティに、第一射出ユニット(第一の射出ユニット)11、第二射出ユニット(第二の射出ユニット)12から、それぞれ異なった樹脂材が可塑化されて射出充填される。
【0038】
第一射出ユニット11は固定ダイプレート2側に設置され、固定側金型4と、回転金型A(6A)または回転金型B(6B)とで形成するキャビティ(第一のキャビティ)への樹脂射出に用いられる。
第二射出ユニット12は、可動ダイプレート3側に設置され、可動側金型5と回転金型B(6B)または回転金型A(6A)とで形成するキャビティ(第二のキャビティ)への樹脂射出に使用され、その稼動時には可動ダイプレート3の開閉移動に伴って移動する。
図1に示したように、第二射出ユニット12は、可動ダイプレート3とともに大ストローク移動可能であるが、第二射出ユニット12は連結固定部材63を介して、可動ダイプレート3に連結固定された摺動式基台64の上に載置されている。摺動式基台64がガイドレール19にガイドされて移動することにより、第二射出ユニット12は可動ダイプレート3の動作に遅れることなく、追従、移動できるようになっている。
【0039】
また、第一射出ユニット11、第二射出ユニット12には、ノズルタッチシリンダ61、62が設けられている。ノズルタッチシリンダ61、62は、第一射出ユニット11、第二射出ユニット12と、固定ダイプレート2、可動ダイプレート3とを連結するように設けられている。そして、ノズルタッチシリンダ61、62を短縮させることにより、第一射出ユニット11、第二射出ユニット12を、固定ダイプレート2、可動ダイプレート3側に引き寄せることで、第一射出ユニット11、第二射出ユニット12の先端ノズルを、固定ダイプレート2、可動ダイプレート3に取り付けられている固定側金型4、可動側金型5に押し当てる。なお、ノズルタッチシリンダ62は、第二射出ユニット12の摺動式基台64上で摺動可能に設けられている。
【0040】
図5に示すように、第二射出ユニット12は、ノズル12aが可動側金型5に接しており、型開閉時において常にノズルタッチした状態とされる。これにより、型閉、昇圧の完了と同時に、ノズル12aから樹脂を射出することができ、ハイサイクル化が可能となる。また、型開時において、ノズル12aが可動側金型5から離れないので、ノズル12aの先端からの樹脂の垂れを防止することができる。
【0041】
さらに、第二射出ユニット12を可動ダイプレート3と一体で動作することができるので、動作開始時や動作停止時におけるショックの低減及びショックによる第二射出ユニット12と金型の衝突の防止を実現することができることとなる。
【0042】
図6に示すように、固定側金型4、回転金型A(6A)、回転金型B(6B)、可動側金型5には、金型表面を加熱、冷却するための熱媒水通路100、101A、101B、102が形成されている。熱を早く伝達して金型キャビティ面を急速に加熱冷却するため、熱媒水通路100、101A、101B、102は金型キャビティにできるだけ近い位置に形成されている。
【0043】
熱媒水通路100、101A、101B、102には、加熱媒体を供給する加熱媒体供給装置(図示無し)と、冷却媒体を供給する冷却媒体供給装置(図示無し)とが接続されている。本実施の形態においては、加熱媒体、冷却媒体には、スチームや水が用いられ、加熱媒体供給装置(図示無し)、冷却媒体供給装置(図示無し)は、予め定められた温度に調整された加熱媒体、冷却媒体を供給する。
なお、ここでは、加熱媒体、冷却媒体として、スチームと水を示したが、これ以外にも、加熱媒体には、加圧熱水、油等を、冷却媒体にはフロン、液体窒素等を用いることも可能である。
【0044】
なおここで、熱媒水通路100、101A、101B、102に加熱媒体や冷却媒体を送り込むとともに排出するため、熱媒水通路100、101A、101B、102には、それぞれ熱媒水供給管103i、103oが接続されている。
熱媒水供給管103i、103oの一端は、図6に示すように、固定側金型4、回転金型A(6A)、回転金型B(6B)、可動側金型5に直接接続することもできる。その場合、回転金型A(6A)、回転金型B(6B)の熱媒水通路101A、101Bに接続される熱媒水供給管103i、103oは、反転台7に固定状態に保持されている。
【0045】
また、図7に示すように、熱媒水供給管103i、103oを回転ダイプレート9に一体に形成することもできる。その場合、回転ダイプレート9内に形成された熱媒水供給管103i、103oの端部を、回転金型A(6A)、回転金型B(6B)の熱媒水通路101A、101Bに直接接続する。
なお、図7においては、熱媒水供給管103i、103oの端部を、回転金型A(6A)、回転金型B(6B)の熱媒水通路101A、101Bに直接接続した例を示したが、可撓性のあるフレキシブル管等を介して、熱媒水供給管103i、103oの端部を回転金型A(6A)、回転金型B(6B)の熱媒水通路101A、101Bに連結させても良い。
【0046】
図6、図7のいずれの構成においても、回転ダイプレート9の回転を許容するため、熱媒水供給管103i、103oは、回転ダイプレート9の下方において、可撓性のあるフレキシブル管等に接続される。
ただし、図6、図7においては、熱媒水供給管103i、103oは、回転ダイプレート9の下方に示したが、熱媒水供給管103i、103oは、回転ダイプレート9の上方において、可撓性のあるフレキシブル管等に接続しても良い。
【0047】
加熱媒体供給装置(図示無し)は、加熱媒体をポンプ(図示無し)によって熱媒水通路100、101A、101B、102に送り込んで固定側金型4、回転金型A(6A)、回転金型B(6B)、可動側金型5を加熱し、熱媒水通路100、101A、101B、102を経た加熱媒体を循環させる。冷却媒体供給装置(図示無し)は、冷却媒体をポンプ(図示無し)によって熱媒水通路100、101A、101B、102に送り込んで固定側金型4、回転金型A(6A)、回転金型B(6B)、可動側金型5を冷却し、熱媒水通路100、101A、101B、102を経た冷却媒体を循環させる。これら加熱媒体供給装置(図示無し)、冷却媒体供給装置(図示無し)は、図示しない開閉弁を開閉することで、加熱媒体、冷却媒体の供給を制御する。開閉弁(図示無し)は、二材成形用射出成形機10の制御装置により、予め定められたプログラムに基づいてその開閉が制御される。
【0048】
固定側金型4、回転金型A(6A)、回転金型B(6B)、可動側金型5のキャビティ面に近接して、金型温度センサ(図示無し)が配置されている。金型温度センサ(図示無し)で検出した温度の信号は二材成形用射出成形機10の制御装置に送られる。二材成形用射出成形機10の制御装置では、予め定められたコンピュータプログラムに基づいて制御を行い、金型温度センサ(図示無し)で検出された温度に応じて開閉弁(図示無し)を開閉させ、熱媒水通路100、101A、101B、102への加熱媒体、冷却媒体の供給を制御する。
【0049】
次に、図8を参照して、二材成形用射出成形機10の二材射出成形の工程を説明する。二材射出成形においては、第二射出ユニット12側のキャビティで射出成形を行う一次射出成形工程と、第一射出ユニット11側のキャビティで射出成形を行う二次射出成形工程と、を順次行う。
【0050】
(一次射出成形工程)
図8に示すように、タイミングT1において、回転ダイプレート9と可動ダイプレート3とを固定ダイプレート2に接近させて型を閉じる最初の型閉後、油圧シリンダ2aによる型締めを行う。型締め完了後のタイミングT2において、回転金型A(6A)または回転金型B(6B)と可動側金型5とで形成するキャビティに第二射出ユニット12から溶融した樹脂Aを射出充填する。射出充填の完了後、その状態を一定時間保持して冷却する。
【0051】
(型回転工程)
樹脂Aが固化する時間の経過後のタイミングT3において、可動ダイプレート3と、回転ダイプレート9を積載する反転台7とを型開移動し、各ダイプレート2、9、3の間隔を充分に開く。そして、タイミングT4において、回転ダイプレート9を180度回転した後、タイミングT5において、可動ダイプレート3と回転ダイプレート9とを再型閉する。
【0052】
(二次射出成形工程)
この再型閉後の二次射出成形工程は、油圧シリンダ2aによる型締め後のタイミングT6(=T2)において、回転金型A(6A)または回転金型B(6B)に貼り付いている成形品と固定側金型4とで形成するキャビティに、第一射出ユニット11から溶融した樹脂Bを射出充填する。これにより、二材が重なった二材成形品が成形される。
また、同時に、第二射出ユニット12側においては、次の一次射出成形工程として、上記と同様にして、回転金型B(6B)または回転金型A(6A)と可動側金型5とで形成するキャビティに第二射出ユニット12から溶融した樹脂Aを射出充填する。
第一射出ユニット11、第二射出ユニット12からの射出充填の完了後、その状態を一定時間保持して冷却する。樹脂AとB両方ともが固化する時間の経過後のタイミングT7において、可動ダイプレート3と反転台7を型開移動して各ダイプレート2、9、3の間隔を充分に開く。そして、タイミングT8において、図示しないエジェクタにより、第一射出ユニット11側の回転金型A(6A)または回転金型B(6B)に貼り付いている二材成形品を機外に取り出す。
【0053】
これ以降は、回転ダイプレート9の180度回転、可動ダイプレート3と回転ダイプレート9と固定ダイプレート2の型閉、第一射出ユニット11側および第二射出ユニット12側における射出充填、冷却、型開、第一射出ユニット11側からの二材成形品の取り出し、を順次繰り返すことで、二材成形品を連続生産できる。
【0054】
なお、図8に示したように、本実施の形態においては、第一射出ユニット11の射出充填動作と第二射出ユニット12の射出充填動作とは、遅延タイマーにより時間差を有して行われている。これは、後述する二次側の第一射出ユニット11側で射出成形を行うにあたって金型加熱を行うためであり、十分な加熱時間の確保を行えるのであれば、もちろん、第一射出ユニット11の射出充填動作と第二射出ユニット12の射出充填動作とを同時に行うことも可能である
【0055】
上記一連の二材射出成形サイクル中、二材成形用射出成形機10の制御装置は、予め導入されたコンピュータプログラムに基づいて定められた処理を実行することで、以下に示すような金型温度のコントロールを行う。
図8に、一連の射出成形サイクル中における温度変化を示した。なおここで、二材成形用射出成形機10の制御装置においては、固定側金型4、回転金型A(6A)、回転金型B(6B)、可動側金型5の温度(金型温度)をコントロールするため、図8においては金型温度の変化を示したが、キャビティ温度も実質的に等価である。
【0056】
本実施の形態においては、一次射出成形工程後、タイミングT4の型開を開始した後、タイミングT5で型閉、型締めを行う前に、加熱媒体供給装置(図示無し)で加熱された加熱媒体を熱媒水通路100、101A、101B、102に送り込み、固定側金型4、回転金型A(6A)、回転金型B(6B)、可動側金型5の加熱を開始する。なお、加熱は、固定側金型4、回転金型A(6A)、回転金型B(6B)、可動側金型5のうち少なくとも一つで行うものとする。固定側金型4、回転金型A(6A)、回転金型B(6B)、可動側金型5のいずれで加熱・冷却を行うかは、成形条件などに応じ事前に決定すればよい。このように、固定側金型4、回転金型A(6A)、回転金型B(6B)、可動側金型5は、成形条件などに応じ、単独またはこれらの組み合わせで加熱・冷却を行うことが可能であり、このため、それぞれ独立して加熱・冷却制御が可能とされている。
【0057】
そして、タイミングT4以降、型開、第一射出ユニット11側からの二材成形品の取り出し、回転ダイプレート9の180度回転の一連の工程を行っている間、加熱媒体供給装置により、固定側金型4、回転金型A(6A)、回転金型B(6B)、可動側金型5の温度が目標温度THOPに到達したら、加熱開始時の金型温度よりも高く、かつ射出時における金型温度よりも低く設定された温度領域内に維持する(加熱待機制御)。このときは、金型温度が予め定められた温度領域内に維持されるよう、固定側金型4、回転金型A(6A)、回転金型B(6B)、可動側金型5の温度が、目標温度THOPに到達した後は、金型温度センサ(図示無し)で検出された温度に基づき、加熱媒体供給装置(図示無し)で加熱媒体の送り込みをON−OFFすることで、加熱のON−OFFを切り替える。
なお、固定側金型4、回転側金型A(6A)、回転側金型B(6B)、可動側金型5のうち、互いに対向して嵌合する金型間で加熱により温度差が生じる場合は、目標温度THOPは、当該温度差による熱膨張量の差が嵌合クリアランスより小さくなるような温度とする。
【0058】
そして、回転ダイプレート9の180度回転が完了し、タイミングT5で型閉および型締めのための昇圧を開始したら、加熱媒体供給装置(図示無し)で加熱媒体を熱媒水通路100、101A、101B、102に送り込み、固定側金型4、回転金型A(6A)、回転金型B(6B)、可動側金型5の加熱を再開する。
固定側金型4と、回転金型A(6A)または回転金型B(6B)の温度が予め定められた目標温度THSに到達したら、加熱媒体供給装置(図示無し)による加熱媒体の送り込みを停止しして加熱をOFFとし、保温する。ただし、熱エネルギの伝搬遅延により、金型温度は、加熱媒体の送り込み停止後、温度THまで上昇する。したがって、目標温度THSは、温度THを考慮した上で適宜設定される。
固定側金型4と、回転金型A(6A)または回転金型B(6B)の温度が予め定められた目標温度THに到達してから予め定めた一定時間の経過後、第二射出ユニット12側での射出動作を開始する。
【0059】
第二射出ユニット12側での射出完了後は、冷却媒体供給装置(図示無し)で冷却媒体を熱媒水通路100、101A、101B、102に送り込み、固定側金型4、回転金型A(6A)、回転金型B(6B)、可動側金型5の冷却を開始する。そして、固定側金型4、回転金型A(6A)、回転金型B(6B)、可動側金型5の温度が冷却目標温度TAPに到達したら、冷却媒体供給装置(図示無し)からの冷却媒体の送り込みを停止する。ただし、熱エネルギの伝搬遅延により、金型温度は、冷却媒体の送り込み停止後、温度TLまで低下する。したがって、冷却目標温度TAPは、温度TLを考慮した上で適宜設定される。
【0060】
このように、第二射出ユニット12側での射出成形を行うに先立ち、第一射出ユニット11側での射出成形後、回転ダイプレート9の180度回転が完了するまでの間に、金型の加熱を開始するようにした。これにより、型閉後は、いわば中間温度から加熱を行えばよいので、事前に加熱を行わず型閉後にはじめて金型加熱を開始する場合に比較し、金型加熱に要する時間を大幅に短縮することができる。
また、型閉後における加熱は、中間温度からの加熱となるので、その加熱を短時間で行うために過度に急激に行う必要もなく、オーバーシュートを抑え、確実な温度制御を行える。したがって、特に、透明樹脂の成形を行う場合に有効であり、オーバーシュートによる熱劣化で透明樹脂が変色するのを抑えることが可能となる。
また、加熱開始後、回転ダイプレート9の180度回転が完了するまで、つまり型閉を行うまでは、金型温度を、加熱開始時の金型温度よりも高く、かつ射出時における金型温度よりも低く設定された温度領域内に維持するようにした。これにより、金型温度を均一にすることができるので、型閉時に金型温度が過度に高くなり、昇温度合いのバラつきに起因した膨張量の違い等により、固定側金型4と、回転金型A(6A)または回転金型B(6B)とが干渉してしまうのを防ぐことができる。
このようにして、金型の加熱を効率よく行いつつ、型を閉じるときに金型同士が干渉するのを防ぐとともに、キャビティ温度のオーバーシュートを防ぐことが可能となるのである。
【0061】
さて、上記一連の動作を行うにあたり、金型を取付けたダイプレートは大重量であり、移動速度や加速度の選択は慎重でなければならない。
例えば成形品(寸法1550mm×1200mmの二材成形品)を成形する金型として、回転金型の重量は18トン(9トン/1台×2台)ともなり、この金型を回転させるための回転ダイプレート9の重量は20トンともなるので、速い移動速度を選択すると必要加速動力が大きくなり、或いは加速に時間がかかり、駆動手段に大きな負担がかかる。また、急激な加速、減速は、振動の要因となる。
大きい駆動力に対しては油圧駆動手段が適しているが、この手段は重量物を移動するとき、位置を正確に制御するのが難しく時間がかかる。最近は精密な駆動手段であるボールねじの大容量化が進み、相当重量物の移動手段にもこのボールねじ装置が用いられるようになった。サーボモータで駆動するボールねじ装置はサーボモータの回転数をプログラム制御することにより、被駆動物の移動速度と停止位置の制御が容易となる。
【0062】
二材成形用射出成形機10の可動ダイプレート3及び回転ダイプレート9の移動手段に、サーボモータとボールねじ駆動手段を使用し、図示しない制御装置において、加速(減速)は滑らかに作動する加速プロフィル(例えばSin曲線)にプログラムし、可動ダイプレート3と回転ダイプレート9を積載した反転台7の型開閉移動時間が、最短となるような速度で移動するよう調整可能に設定入力ができるように速度と位置制御のプログラムを作り、サーボモータを制御するようにしてもよい。サーボモータを用いることで高い精度での動作を実現することができる。
【0063】
さらに、各電動モータ動作制御を、それぞれのダイプレートの開閉手段または回転ダイプレート9の回転手段の重量を考慮した慣性項を含んだ制御式により、制御量を算出し、大重量物の慣性に対して十分な制御量を与えることで、制御精度が向上し、短時間で安定制御が可能なフィードバック制御を実行する制御装置を設けて、フィードバック制御するようにしてもよい。
これにより二材成形におけるサイクルの高速化が可能となり、また高い精度の動作が実現することができる。
【0064】
そして、フィードバック制御での速度制御において、加速時又は減速時の速度制御において、一定の加速度で一次直線に従い加速、又は減速を行い、加速制御から一定速度制御への切換時、または一定速度制御から減速制御への切換時の速度制御は、加速と一定速度、または一定速度と減速の各一次直線速度が、それぞれ接線となる二次曲線に従って速度制御を行うようにすることで、なめらかな制御を実現することができる。
これにより、速度切り換え時における衝撃の緩和となり、電動モータの過電流防止を行うことができ、衝撃による動作部材の損傷を防止、及び部材寿命の延命化が可能となる。
【0065】
回転ダイプレート9の回転速度制御方法は、反転台7上の回転ダイプレート9を180度回転するとき、最短の回転時間となるように、図示しない制御装置において、回転加速度、回転速度を調整可能に設定入力ができるように回転速度制御のプログラムを作り、サーボモータを制御する。
【0066】
また、前記回転ダイプレート9の補強リブ9aの厚さが、図9、図10に示すように、回転ダイプレートの中央から外側に向けて徐々に減少するようにしてその重量を軽減するようにしてもよい。
これにより、回転中心から遠方側の重量の低減に伴う回転慣性の低減を図ることができ、この結果、省エネ、高応答性、高精度での制御を実現することができる。
【0067】
また、回転ダイプレート9内に、金型内の成形品突き出し動作、可動入れ子動作、ゲートバルブ動作等、金型内可動部材動作の駆動装置を備えるようにして、成形品の離型を行ってもよい。
これにより、金型側に、成形品の突き出し用の成形品突出し装置を不要とすることができ、金型の構造を簡素化することができる。この結果、前記金型内可動部材動作の駆動装置を異なる金型で共用できるため、成形品毎に異なり、成形品毎に必要である金型の製造のコストの低減を図ることができる。
【0068】
この際、成形品の突き出し装置の動作制御において、制御信号を無線により送受信が可能な通信装置を備え、配線の簡略化及び配線部材の削減による重量の軽減を図るようにしてよい。
これにより、通信配線を有線の場合のための摺動仕様とする必要がなくなり、配線を簡素化することができる。この結果、回転ダイプレートを軽量化することができる。
【0069】
ダイプレート同士の衝突防止方法は、可動ダイプレート3、又は、回転ダイプレート9が載った反転台7が停止するのに必要な距離を衝突防止距離e(図には記入していない)とし、固定ダイプレート2と可動ダイプレート3と回転ダイプレート9のそれぞれの位置を監視し、お互いの相対位置が衝突防止距離eに入ったら自動的に近づく方を減速、あるいは停止させて可動ダイプレート3と回転ダイプレート9の開閉移動時の衝突防止をする。
【0070】
可動ダイプレート3、回転ダイプレート9の移動時と回転ダイプレート9の回転時の可動ダイプレート3および回転ダイプレート9の挙動と衝突防止制御の一例を説明すると、図11において、回転ダイプレート9の回転軸から回転軸と垂直方向で固定ダイプレート2側に最も離れた距離r2で回転軌道を描く回転ダイプレート9の角、又は回転金型A(6A)の角c2、回転軸から回転軸と垂直方向で可動ダイプレート3側に最も離れた距離r1で回転軌道を描く回転ダイプレート9の角、又は回転金型B(6B)の角c1とし、回転ダイプレート9の回転軸からc2までの距離をL2、回転ダイプレート9の回転軸からc1までの距離をL1とする。
図11は、回転金型A(6A)の角c2と、回転金型B(6B)の角c1の場合を示す。L1及びL2は、回転ダイプレート9の回転角度と、前記r1、r2の値から一義的に求まる変動数である。
ここで、回転金型A(6A)と回転金型B(6B)が同じ形状であれば、L1=L2である。
固定側金型4の厚さをa、固定ダイプレート2の金型取付け面から回転ダイプレート9の回転軸までの距離をb2、固定ダイプレート2の金型取付け面から可動側金型5の端面までの距離をb1とする。b1、b2は変動数である。
【0071】
本実施の形態の二材成形用射出成形機10においては、回転金型A(6A)が回転中に固定側金型4に向かって型閉移動するとき、b2−a−L2=eとなったとき、回転ダイプレート9を減速、又は停止させる制御を行う。
また、可動側金型5が回転中の回転金型B(6B)に向かって型閉移動するとき、b1−b2−L1=eとなったとき、可動ダイプレート3を減速、又は停止させる。
回転金型A(6A)が固定側金型4から離れる方向に移動するとき、及び、可動側金型5が回転金型B(6B)から離れる方向に型開移動するとき、まず、可動ダイプレート3が型開移動し、可動側金型5と回転金型B(6B)の間隔がeを越えた時点から、回転ダイプレート(9)を型開移動、または回転動作を開始させる。
【0072】
上記のダイプレート速度制御方法において、可動ダイプレート3と回転ダイプレート9の開閉移動と回転ダイプレート9の回転を並行して行うときは、回転ダイプレート9の回転時の回転ダイプレート9と固定ダイプレート2、回転ダイプレート9と可動ダイプレート3間の距離を可動ダイプレート位置及び回転ダイプレートの位置と回転角度より算出し、衝突防止距離eに入ったら自動的に近づく方を減速、あるいは停止させて可動ダイプレート3と回転ダイプレート9の開閉移動、回転ダイプレート9の回転時の衝突を防止するようにしても良い。
【0073】
実機において稼動運転をしながら各ダイプレートの相対間隔をチェックすることにより、間隔を詰めて各ダイプレートの移動時間をさらに短縮することができる。
【0074】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態が、第1の実施の形態と異なるところは、図12に示す二材成形用射出成形機30の平面模式図に示すように、可動ダイプレート3を駆動する可動ダイプレート開閉手段46のサーボモータA(21)とボールねじ軸47の支え台26を反転台7に設置した点であり、これ以外は第1の実施の形態と同じであるので、他の構成の説明は省く。
この第2の実施の形態の利点は、ボールねじ軸47を短くできるのでボールねじ軸47の危険速度が向上し、可動ダイプレート3の開閉速度を速くすることができる。また、回転ダイプレート9と可動ダイプレート3間を直接ボールねじで連結する為、型開閉時等の回転ダイプレート9と可動プレート3との相当距離を検知、制御する際に、回転ダイプレート9と可動ダイプレート3の相対位置の演算が不要であり、制御が容易にできる。
【0075】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。この第3の実施の形態が、第1の実施の形態と異なるところは、図13の回転ダイプレート9の概略側面図に示すように、回転ダイプレート回転手段50は、反転台7に取付けられたサーボモータC(41)と、サーボモータC(41)に取付けられた小歯車53と、小歯車53と噛み合う回転ダイプレート9に一体に設けられた大歯車52と、小歯車53と大歯車52に巻き掛けられたエンドレスの歯付きベルト54とで構成され、回転ダイプレート9を正逆方向に半回転させる回転駆動手段であることであり、これ以外は第1の実施の形態と同じであるので、他の構成の説明は省く。
本実施の形態によれば、直接、大歯車52と小歯車53とを当接させる必要が無く、大歯車52の回転軸と小歯車53の回転軸の距離を任意に設定できる為、大歯車52の直近に小歯車53を設置できない場合や、減速比を変更する必要が発生した場合に、軸間距離に制約されることが無く、歯車形状を選定できるという、利点がある。
【0076】
小歯車53と大歯車52とエンドレスの歯付きベルト54の代わりに、サーボモータC(41)の出力軸に小径のチェンスプロケット、回転ダイプレート9に一体に大径のチェンスプロケット、両チェンスプロケットにエンドレスチェンを巻き掛けた構成でも良い。
【0077】
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。この第4の実施の形態が、第1及び第2の実施の形態と異なるところは、図14の回転ダイプレート9の概略側面図に示すように、回転ダイプレート回転手段60は、動力伝達のために歯車やエンドレスベルト等を使用せず、反転台7に取付けられたサーボモータD(電動モータ)(56)が回転ダイプレート9と一体の台55の回転軸57に直結したダイレクトドライブ方式となっていることである。これ以外は第1の実施の形態と同じであるので、他の構成の説明は省く。
【0078】
このサーボモータD(56)によるダイレクトドライブ方式は歯車やベルトを介在させないので、回転ダイプレート9はプログラムの指示通りに回転し、動作にガタを生じない利点がある。
【0079】
ところで、上記各実施の形態において、金型の加熱・冷却を行うようにしたが、この金型の加熱・冷却は、第一射出ユニット11側と第二射出ユニット12側のいずれか一方のみ、あるいは第一射出ユニット11側と第二射出ユニット12側の双方で行うことが出来る。
【0080】
また、第一射出ユニット11側と第二射出ユニット12側の射出成形工程の少なくとも一方において、例えば射出圧縮成形や発泡成形、ガスアシスト成形、インサート成形等を行うこともできる。
特に、射出圧縮成形を行う場合、型を微小寸法だけ開いた状態(寸開)で射出充填を行った後、型を閉じて圧縮成形を行うが、上述の如く型開閉を電動化することにより、寸開寸法を高精度に制御できる。また、本願に示す二材成形用射出成形機10の場合、金型およびダイプレートが直列に配置されているため、ダイプレート間の距離のバラつき(誤差)が累積して増大しやすいが、型開閉の電動化により、型開閉精度を高精度化できる。このようにして、成形品の肉厚精度を向上させることができる。
また、加熱冷却成形は、一ショットの中で加熱と冷却を交互に繰り返すが、加熱による金型の膨張量はバラつき易いことから、射出圧縮成形の際の寸開量もバラつきが発生する場合がある。実際の成形においては、射出圧縮成形の際の寸開量のバラつきが発生しても安定した肉厚の成形品が成形できるよう、寸開量の基準となる位置を見出す必要がある。しかし、このような基準位置は許容幅の狭いピンポイントな条件である場合が多い。これに対し、型開閉の電動化は、ピンポイントな条件でも再現性高く制御できるため、安定した肉厚の成形品が容易に成形できる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わる二材成形用射出成形機の側面図である。
【図2】図1の二材成形用射出成形機の平面模式図である。
【図3】図1の二材成形用射出成形機の回転ダイプレートの回転動作を示す図である。
【図4】図2の回転ダイプレートの概略構成を示すX−X矢視側面図である。
【図5】第二射出ユニットの説明図である。
【図6】金型を加熱・冷却するための構成を示す図である。
【図7】金型を加熱・冷却するための構成の他の例を示す図である。
【図8】本実施の形態にかかる射出成形動作および金型温度制御例を示す図である。
【図9】回転ダイプレートの斜視図である。
【図10】図9のA−A断面図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態に係わる二材成形用射出成形機のダイプレート開閉時の衝突防止方法を説明する図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係わる二材成形用射出成形機の平面模式図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態に係わる回転ダイプレートの概略構成を示す側面図である。
【図14】本発明の第4の実施の形態に係わる回転ダイプレートの概略構成を示す側面図である。
【符号の説明】
【0082】
2…固定ダイプレート、3…可動ダイプレート、4…固定側金型、5…可動側金型、6A…回転金型A、6B…回転金型B、7…反転台、9…回転ダイプレート、10、30…二材成形用射出成形機、11…第一射出ユニット(第一の射出ユニット)、12…第二射出ユニット(第二の射出ユニット)、14、46…可動ダイプレート開閉手段、15…回転ダイプレート開閉手段、16、50、60…回転ダイプレート回転手段、17…割りナット、18…タイバー、21…サーボモータA(電動モータ)、22a、32a、47a…ボールねじ、24、33…ボールねじナット、31…サーボモータB(電動モータ)、41…サーボモータC(電動モータ)、56…サーボモータD(電動モータ)、100、101A、101B、102…熱媒水通路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定側金型が取付けられる固定ダイプレートと、
可動側金型が取付けられ、前記固定ダイプレートに対向し、前記固定ダイプレートに接近・離間する方向に移動可能な可動ダイプレートと、
前記可動ダイプレートと前記固定ダイプレートとの間に前記可動ダイプレートと同方向に移動可能に設置された反転台と、
前記反転台上に180度回転可能に設けられ、両面に前記可動側金型と前記固定側金型とに交互に対向する回転金型がそれぞれ取付けられる回転ダイプレートと、
前記可動ダイプレートを型開閉する可動ダイプレート型開閉手段と、
前記回転ダイプレートを型開閉する回転ダイプレート型開閉手段と、
前記固定ダイプレート、前記可動ダイプレート、前記回転ダイプレートを型締めする型締手段と、
前記固定側金型と当該固定金型に対向した前記回転金型との間に形成される第一のキャビティに樹脂材を可塑化して射出充填する第一の射出ユニットと、
前記可動側金型と当該可動金型に対向した前記回転金型との間に形成される第二のキャビティに樹脂材を可塑化して射出充填する第二の射出ユニットと、
前記固定側金型、前記可動側金型、前記回転金型の少なくとも一つに形成された熱媒体通路に加熱媒体を供給して前記第一のキャビティおよび/または前記第二のキャビティを加熱する加熱媒体供給装置と、
前記熱媒体通路に冷却媒体を供給して前記第一のキャビティおよび/または前記第二のキャビティを冷却する冷却媒体供給装置と、
前記加熱媒体供給装置および前記冷却媒体供給装置における前記加熱媒体および前記冷却媒体の供給を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記第一の射出ユニットまたは前記第二の射出ユニットでの射出成形完了後、前記第二の射出ユニットまたは前記第一の射出ユニットで射出充填するために前記反転台を180度回転させるに先立ち、前記熱媒体通路に前記加熱媒体を供給して前記第一のキャビティおよび/または前記第二のキャビティの加熱を開始し、前記反転台の回転完了時までに予め定められた温度まで加熱することを特徴とする二材成形用射出成形機。
【請求項2】
前記制御部は、前記第一の射出ユニットまたは前記第二の射出ユニットでの射出成形完了後、前記第二の射出ユニットまたは前記第一の射出ユニットでの射出充填に先立って前記反転台を180度回転させる間、前記第一のキャビティおよび/または前記第二のキャビティを、予め定められた温度領域内に維持することを特徴とする請求項1に記載の二材成形用射出成形機。
【請求項3】
前記型締手段は油圧シリンダによって駆動され、
前記可動ダイプレート開閉手段および前記回転ダイプレート開閉手段は、それぞれ電動モータによって駆動されることを特徴とする請求項1または2に記載の二材成形用射出成形機。
【請求項4】
前記可動ダイプレート開閉手段は、前記電動モータに駆動されるボールねじ軸と、前記可動ダイプレートに取付けられて前記ボールねじ軸に螺合するボールねじナットと、を備え、
前記回転ダイプレート開閉手段は、前記電動モータに駆動されるボールねじ軸と、前記反転台に取付けられて前記ボールねじ軸に螺合するボールねじナットと、を備えることを特徴とする請求項3に記載の二材成形用射出成形機。
【請求項5】
前記可動ダイプレート開閉手段は、前記固定ダイプレートまたは前記二材成形用射出成形機の基台に固定された前記電動モータに駆動されるボールねじ軸と、前記可動ダイプレートに取付けられて前記ボールねじ軸と螺合するボールねじナットと、を備えることを特徴とする請求項3に記載の二材成形用射出成形機。
【請求項6】
前記可動ダイプレート開閉手段は、前記反転台に固定された前記電動モータに駆動され、前記反転台に固設された支え台にボールベアリングを介して回転自在に支持されたボールねじ軸と、前記可動ダイプレートに固設されて前記ボールねじ軸と螺合するボールねじナットと、を備えることを特徴とする請求項3に記載の二材成形用射出成形機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−5792(P2010−5792A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−164139(P2008−164139)
【出願日】平成20年6月24日(2008.6.24)
【出願人】(505139458)三菱重工プラスチックテクノロジー株式会社 (50)
【Fターム(参考)】