二次電池とその製造方法
【課題】外部からの耐衝撃性を向上させること。
【解決手段】負極膜14および正極膜10と、前記負極膜14および正極膜10の少なくとも一方の電極膜内に設けられ、前記少なくとも一方の電極膜より硬い複数の硬質体20と、を具備する二次電池。さらに、導電体板16上に、負極材料および正極材料の少なくとも一方の材料を含み複数の硬質体20を含むペーストを、塗布し、前記ペーストをスキージすることにより、前記導電体板上に前記少なくとも一方の材料から対応する負極膜14および正極膜10の少なくとも一方の電極膜を形成し、前記複数の硬質体は前記少なくとも一方の電極膜より硬い二次電池の製造方法。
【解決手段】負極膜14および正極膜10と、前記負極膜14および正極膜10の少なくとも一方の電極膜内に設けられ、前記少なくとも一方の電極膜より硬い複数の硬質体20と、を具備する二次電池。さらに、導電体板16上に、負極材料および正極材料の少なくとも一方の材料を含み複数の硬質体20を含むペーストを、塗布し、前記ペーストをスキージすることにより、前記導電体板上に前記少なくとも一方の材料から対応する負極膜14および正極膜10の少なくとも一方の電極膜を形成し、前記複数の硬質体は前記少なくとも一方の電極膜より硬い二次電池の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池とその製造方法に関し、例えば、正極膜または負極膜に硬質体を含む二次電池とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池は、電気エネンルギーを蓄電し、供給可能である。このため、二次電池はハイブリット車や電気自動車などに応用されている。二次電池として、リチウム二次電池が注目されている。二次電池は、正極、電解質および負極が積層され形成されている。エネルギー密度の向上の観点から、各膜の薄膜化が進められている。また、全てが固体の薄膜二次電池を形成するため固体電解質を用いた二次電池が開発されている。固体電解質に酸化ジルコニウム粒子を組み込んだリチウム二次電池が知られている。電極の表面に絶縁性フィラーとしてジルコニアを多孔質耐熱層に含有させることが知られている。補強材を含む電解質が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−280072号公報
【特許文献2】特開2007−42580号公報
【特許文献3】国際公開第2007/13567号
【特許文献4】国際公開第2007/63943号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
正極、電解質および負極が薄膜化すると、外部からの衝撃等により、電池が破壊する恐れがある。例えば、二次電池全体を硬質な材料でパッケージすることも考えられる。しかしながら、柔軟性が犠牲となる。本二次電池とその製造方法は、外部からの耐衝撃性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
例えば、負極膜および正極膜と、前記負極膜および正極膜の少なくとも一方の電極膜内に設けられ、前記少なくとも一方の電極膜より硬い複数の硬質体と、を具備することを特徴とする二次電池を用いる。
【0006】
例えば、導電体板上に、負極材料および正極材料の少なくとも一方の材料を含み複数の硬質体を含むペーストを、塗布し、前記ペーストをスキージすることにより、前記導電体板上に前記少なくとも一方の材料から対応する負極膜および正極膜の少なくとも一方の電極膜を形成し、前記複数の硬質体は前記少なくとも一方の電極膜より硬いことを特徴とする二次電池の製造方法を用いる。
【発明の効果】
【0007】
本二次電池とその製造方法によれば、外部からの耐衝撃性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1(a)は、実施例1に係る二次電池の断面図、図1(b)は、正極膜と硬質体とを示す平面図である。
【図2】図2(a)および図2(b)は、二次電池に物体が落下した場合を示す断面図である。
【図3】図3は、実施例2に係る二次電池の硬質体と正極膜の平面図である。
【図4】図4(a)から図4(d)は、実施例3に係る二次電池の製造工程を示す断面図である。
【図5】図5(a)から図5(d)は、硬質体の製造方法を示す図である。
【図6】図6(a)から図6(c)は、正極膜を形成する方法を示す図である。
【図7】図7(a)は、実施例4に係る二次電池の断面図、図7(b)は、固体電解質膜と硬質体とを示す平面図である。
【図8】図8は、実施例5に係る二次電池の硬質体と固体電解質膜の平面図である。
【図9】図9(a)から図9(c)は、実施例6に係る二次電池の製造工程を示す断面図である。
【図10】図10(a)から図10(e)は、硬質体20の製造方法を示す図である。
【図11】図11(a)から図11(d)は、正極膜および固体電解質膜を形成する方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照に実施例について説明する。
【実施例1】
【0010】
実施例1は、リチウム二次電池の例である。図1(a)は、実施例1に係る二次電池の断面図、図1(b)は、正極膜と硬質体とを示す平面図である。図1(a)のように導電体板16上に硬質体20(第1硬質体)を含む正極膜10が設けられている。硬質体20は正極膜10より硬い。硬質体20は、例えば、酸化ジルコニウムまたは酸化アルミニウム等の絶縁体である。硬質体20は金属でもよい。正極膜10は、例えば、コバルト酸リチウム等の正極活物質を含む。正極膜10上には、例えば硫化物固体電解質を用いた固体電解質膜12が設けられている。固体電解質膜12上には負極膜14が設けられている。負極膜14は、例えば、リチウム金属または炭化リチウム等の負極活物質を含む。このように、固体電解質膜12を挟み負極膜14と正極膜10とが設けられている。負極膜14上に導電体板18が設けられている。導電体板16および18は、例えばNi−Cu合金等の金属から形成され、集電体として機能する。図1(b)のように、硬質体20は正極膜10内に周期的またはランダムに設けられている。
【0011】
図2(a)および図2(b)は、二次電池に物体が落下した場合を示す断面図である。図2(a)は、比較例に係る二次電池を示し、正極膜10内に硬質体20が含まれていない。図2(b)は、実施例1に係る二次電池の断面を示している。図2(a)のように、二次電池に、物体50が落下すると、その衝撃により、導電体板18、負極膜14、固体電解質膜12および正極膜10に窪み52が形成される。これにより、二次電池が破壊される。例えば、正極膜10と負極膜14とが電気的に短絡してしまう。
【0012】
図2(b)のように、実施例1においては、正極膜10より硬い複数の硬質体20が正極膜10内に含まれている。このため、物体50が落下しても、窪み52が小さく、二次電池の破壊が抑制できる。このように、外部からの衝撃に強い二次電池を提供できる。さらに、複数の硬質体20が独立に設けられ、繋がっていないため、二次電池の柔軟性も維持できる。
【実施例2】
【0013】
実施例2は、硬質体が貫通孔を備える例である。図3は、実施例2に係る二次電池の硬質体と正極膜の平面図である。図3のように、硬質体20には、正極膜10の膜厚方向に貫通する孔22(第1孔)が形成されている。孔22には正極膜10が充填されている。これにより、孔22内に正極膜10が形成される。よって、硬質体20により、正極膜10の面積が小さくなることを抑制できる。正極膜10の面積を確保するためには、硬質体20の孔22は大きいことが好ましい。例えば、孔22の大きさは、硬質体の大きさの1/2以上が好ましく、3/4以上がより好ましい。一方、孔22が大きすぎると、硬質体20の強度が低下する。よって、孔22の大きさは硬質体20の強度により設定できる。硬質体20の形状は実施例1および2のように四角形状以外にも、例えば円形、楕円形状または多角形状を用いることもできる。また、1つの硬質体20に複数の孔22が設けられていてもよい。
【実施例3】
【0014】
実施例3は、二次電池の製造方法の例である。図4(a)から図4(d)は、実施例3に係る二次電池の製造工程を示す断面図である。図4(a)のように、例えば膜厚が約100μmのNi−Cu合金の導電体板16をプレスする。これにより、導電体の片面に突起24(第1突起)が形成される。突起24は、径が例えば100μm、高さが例えば35μm、間隔が、例えば1250μmとすることができる。
【0015】
図4(b)のように、導電体板16の片面に例えば膜厚が50μmの正極膜10を形成する。正極膜10内には、複数の硬質体20が設けられている。正極膜10は、例えば正極活物質としてコバルト酸リチウムを含む。図4(b)において、左2個の硬質体20は、孔22を含む断面を示している。硬質体20は、上面からみて例えば500μm×500μmであり、膜厚が例えば50μmである。孔22の大きさは例えば400μm×400μmである。
【0016】
図4(c)のように、正極膜10上に例えば膜厚が50μmの固体電解質膜12を例えば印刷法を用い形成する。固体電解質膜12は、例えば硫化物固体電解質等の固体電解質を97重量%およびポリフッ化ビニリデン等の樹脂を3重量%含む。なお、正極膜10と固体電解質膜12との間に、例えば膜厚が10μmの中間層を形成してもよい。中間層は、例えば正極材料を80重量%および固体電解質材料を20重量%含む材料を用いることができる。図4(d)のように、固体電解質膜12上に、例えば膜厚が50μmの負極膜14を形成する。負極膜14上に、導電体板18を形成する。
【0017】
図5(a)から図5(d)は、硬質体の製造方法を示す図である。図5(a)から図5(c)は平面図、図5(d)は斜視図である。図5(a)のように、例えば酸化ジルコニウム等の絶縁物を85重量%およびポリビニールアルコール等の樹脂を15重量%含むグリーンシート30を作製する。図5(b)のように、グリーンシート30にパンチング等で孔22を開ける。その後、グリーンシート30を焼成する。図5(c)のように、焼成したグリーンシートを、例えばダイシング法を用い切断線32において切断する。これにより、硬質体20が個片化される。図5(d)のように、硬質体20は、膜厚方向に貫通する孔22を備える。
【0018】
図6(a)から図6(c)は、正極膜を形成する方法を示す図であり、図4(b)の工程に対応する。図6(b)は、図6(c)のA−A断面図、図6(c)は上面図である。正極材料には、正極活物質であるコバルト酸リチウムが90重量%、結合材が5重量%および導電材が5重量%含まれている。正極材料に有機溶剤を加え粘性を備えるペースト26(第1ペースト)とする。結合材としては、例えばポリフッ化ビニリデン、導電材としては、例えばアセチレンブラックまたはカーボンブラック、有機溶剤としては、例えばn−メチルピロリドンを用いることができる。ペースト26に硬質体20を含ませる。図6(a)のように、導電体板16上に硬質体20を含むペースト26を塗布する。例えば、印刷法を用いペースト26を塗布する。
【0019】
図6(b)のように、ペースト26をスキージ板28を用いスキージする。硬質体20は上面から見た縦横の大きさに対し膜厚が小さいため、図6(b)のように、硬質体20は、膜厚方向が導電体板16の上面の法線方向となるように導電体板16上に配置される。これにより、硬質体20とほぼ同じ厚さの正極膜10が形成される。硬質体20はほぼ均一に正極膜10内に配置される。突起24による硬質体20の移動の規制は、図6(b)の一番左の硬質体20のように、突起24が孔22内に引っかかる場合と、図6(b)の中央の硬質体20のように、突起24が硬質体20の外側に引っかかる場合がある。
【0020】
実施例3によれば、導電体板16の片面に正極膜10の膜厚より低い(例えば硬質体20の膜厚より低い)突起24を備える。これにより、突起24が正極膜10を突き抜けることを抑制できる。また、図6(b)のように、ペースト26をスキージする際に、突起24により硬質体20の移動が規制される。これにより、硬質体20をほぼ均一に正極膜10内に配置することができる。突起24による硬質体20の移動の規制は、孔22内に突起24が引っかかる場合と、硬質体20の外側に突起24が引っかかる場合がある。硬質体20を均一に配置するためには、硬質体20の移動をより規制するため、硬質体20に孔22が設けられ、導電体板16に突起24が設けられることが好ましい。
【0021】
硬質体20をより均一に配置するためには、突起24の間隔は、硬質体20の大きさ(例えば、硬質体20が長方形の場合長辺、楕円の場合長軸)より大きいことが好ましい。硬質体20の大きさより突起24の間隔が狭い場合、隣接する突起24にそれぞれ硬質体20が引っかかり、スキージの際に硬質体20が重なる可能性があるためである。さらに、突起24の間隔が大きすぎると、硬質体20が均一に配置されない可能性がある。硬質体20の均一化のためには、突起24の間隔内に硬質体20が2、3個入りことが好ましい。よって、突起24の間隔は、硬質体20の大きさの1.5倍〜4倍が好ましく、2倍〜3倍がより好ましい。
【0022】
また、図6(b)のように、硬質体20の正極膜10膜厚方向の両面は平坦である。これにより、正極膜10の膜厚をより均一にすることができる。さらに、複数の硬質体20の厚さは互いに同じである。これにより、正極膜10の膜厚をより均一にすることができる。
【0023】
実施例1から実施例3において、固体電解質膜12の代わりに、例えば、ポリエチレン多孔質セパレータ等のセパレータに有機電解液等の電解液を含ませた電解質を用いてもよい。全てが固体の薄膜二次電池を形成するためには、電解質は固体電解質膜であることが好ましい。
【実施例4】
【0024】
実施例4は、固体電解質膜が硬質体を含む例である。図7(a)は、実施例4に係る二次電池の断面図、図7(b)は、固体電解質膜と硬質体とを示す平面図である。図7(a)のように、正極膜10上に硬質体40(第2硬質体)を含む固体電解質膜12が設けられている。硬質体40は固体電解質膜12より硬い。硬質体40は、例えば、酸化ジルコニウムまたは酸化アルミニウム等の絶縁体である。硬質体40は、正極膜10と負極膜14と電気的短絡を抑制するため絶縁体であることが好ましい。固体電解質膜12は、例えば、例えば硫化物固体電解質である。図7(b)において、硬質体20は点線、硬質体40は実線で示している。図7(b)のように、硬質体40は固体電解質膜12内に周期的またはランダムに設けられている。その他の構成は、実施例1の図1(a)および図1(b)と同じであり説明を省略する。
【0025】
実施例4においては、正極膜10に加え固体電解質膜12も複数の硬質体40を含む。このため、図2(b)のように、二次電池に物体が落下しても、窪みが小さく、二次電池の破壊をより抑制できる。このように、外部からの衝撃に強い二次電池を提供できる。さらに、複数の硬質体40が独立に設けられ、繋がっていないため、二次電池の柔軟性も維持できる。
【実施例5】
【0026】
実施例5は、硬質体が貫通孔を備える例である。図8は、実施例5に係る二次電池の硬質体と固体電解質膜の平面図である。図8において、硬質体20は点線、硬質体40は実線で示している。図8のように、硬質体40には、固体電解質膜12の膜厚方向に貫通する孔42(第2孔)が形成されている。孔42には固体電解質膜12が充填されている。これにより、孔42内に固体電解質膜12が形成される。よって、硬質体40により、固体電解質膜12の面積が小さくなることを抑制できる。固体電解質膜12の面積を確保するためには、硬質体40の孔42は大きいことが好ましい。例えば、孔42の大きさは、硬質体40の大きさの1/2以上が好ましく、3/4以上がより好ましい。一方、孔42が大きすぎると、硬質体40の強度が低下する。よって、孔42の大きさは硬質体40の強度により設定できる。硬質体40の形状は実施例4および5のように四角形状以外にも、例えば円形、楕円形状または多角形状を用いることもできる。また、1つの硬質体40に複数の孔42が設けられていてもよい。
【実施例6】
【0027】
実施例6は、二次電池の製造方法の例である。図9(a)から図9(c)は、実施例6に係る二次電池の製造工程を示す断面図である。図9(a)のように、実施例3の図3(a)と同様に、突起24を備える導電体板16を形成する。導電体板16の片面に例えば膜厚が50μmの正極膜10を形成する。正極膜10内には、複数の硬質体20が設けられている。複数の硬質体20は、正極膜10の膜厚方向または孔22の貫通方向に突起44を備えている。突起44は硬質体20の両面に形成されている。突起44の少なくとも一部は正極膜10から上面に突出している。
【0028】
図9(b)のように、正極膜10上に例えば膜厚が50μmの固体電解質膜12を例えば印刷法を用い形成する。固体電解質膜12は、複数の硬質体40を含んでいる。硬質体40には、硬質体20のような突起44は形成されていなくともよい。なお、正極膜10と固体電解質膜12との間に、実施例3において説明した中間層が設けられていてもよい。この場合、突起44は少なくとも中間層の上面から突出している。図4(c)のように、固体電解質膜12上に、負極膜14を形成する。負極膜14上に、導電体板18を形成する。
【0029】
図10(a)から図10(e)は、硬質体20の製造方法を示す図である。図10(a)、図10(b)および図10(d)は平面図、図10(c)は図10(b)のA−A断面図、図10(e)は斜視図である。図10(a)のように、実施例3の図5(b)と同様に、複数の孔22を備えるグリーンシート30を作製する。図10(b)のように、グリーンシート30の孔22の配列方向に例えばダイシングブレードを用い溝を形成する。領域62には、溝が形成され、表面が削れる。領域60には、溝は形成されず、突起が形成される。図10(c)のように、グリーンシート30の両面に突起を形成する。その後、グリーンシート30を焼成する。図10(d)のように、焼成したグリーンシートを、例えばダイシング法を用い切断線32において切断する。これにより、硬質体20が個片化される。図10(e)のように、硬質体20は、膜厚方向に貫通する孔22を備える。さらに、表裏両面の4角に突起44が形成される。硬質体40の形成は、実施例3と図5(a)から図5(d)と同様に行なう。これにより、硬質体40には、突起は形成されない。
【0030】
図11(a)から図11(d)は、正極膜および固体電解質膜を形成する方法を示す図であり、図10(a)および図10(b)の工程に対応する。図11(a)を参照し、正極材料に有機溶剤を加え粘性を備えるペースト26(第1ペースト)とする。ペースト26に硬質体20を含ませる。導電体板16上に硬質体20を含むペースト26を塗布する。例えば、印刷法を用いペースト26を塗布する。図11(b)のように、ペースト26をスキージ板28を用いスキージする。硬質体20は上面から見た縦横の大きさに対し膜厚が小さいため、図11(b)のように、硬質体20は、膜厚方向が導電体板16の上面の法線方向となるように導電体板16上に配置される。これにより、硬質体20とほぼ同じ厚さの正極膜10が形成される。突起24により硬質体20の移動が規制されるため、硬質体20はほぼ均一に正極膜10内に配置される。突起24による硬質体20の移動の規制は、突起24が孔22内に引っかかる場合と、突起24が硬質体20の外側に引っかかる場合がある。
【0031】
図11(c)を参照し、固体電解質に有機溶剤を加え粘性を備えるペースト46(第2ペースト)とする。固体電解質は、例えば硫化物固体電解質等の固体電解質を97重量%およびポリフッ化ビニリデン等の樹脂を3重量%含む。有機溶剤としては、例えばn−メチルピロリドンを用いることができる。ペースト46に硬質体40を含ませる。正極膜10上に硬質体20を含むペースト26を塗布する。ペースト26が乾燥することにより、正極膜10の体積が小さくなる。これにより、正極膜10の上面から突起44の少なくとも一部が突出する。例えば、印刷法を用いペースト46を塗布する。図11(e)のように、ペースト46をスキージ板28を用いスキージする。硬質体40は上面から見た縦横の大きさに対し膜厚が小さいため、図11(d)のように、硬質体40は、膜厚方向が正極膜10の上面の法線方向となるように正極膜10上に配置される。これにより、硬質体40とほぼ同じ厚さの固体電解質膜12が形成される。突起44により硬質体40の移動が規制されるため、硬質体40はほぼ均一に固体電解質膜12内に配置される。突起44による硬質体40の移動の規制は、突起44が孔42内に引っかかる場合と、突起44が硬質体40の外側に引っかかる場合がある。
【0032】
実施例6によれば、正極膜10に含まれる硬質体20は、固体電解質膜12の膜厚より低い(例えば硬質体40の膜厚より低い)突起44を備える。これにより、突起44が固体電解質膜12を突き抜けることを抑制できる。また、突起24は突起44より高い。これにより、図11(b)において、硬質体20は突起24に規制されやすくなる。さらに、図11(d)のように、ペースト46をスキージする際に、突起44により硬質体40の移動が規制される。これにより、硬質体40をほぼ均一に固体電解質膜12内に配置することができる。突起44による硬質体40の移動の規制は、突起44に孔42の内側が引っかかる場合と、突起44に硬質体40の外側が引っかかる場合とがある。硬質体40を均一に配置し、硬質体40の移動をより規制するためには、硬質体40に孔42が設けられ、硬質体20に突起44が設けられることが好ましい。また、突起44は硬質体20の上面と下面とのうち上面のみに形成されていてもよい。さらに、図10(e)では、突起44が硬質体20の片面に4個形成されているが、1または複数個形成されていればよい。
【0033】
硬質体40をより均一に配置するためには、突起44の間隔は、硬質体40の大きさ(例えば、硬質体40が長方形の場合長辺、楕円の場合長軸)より大きいことが好ましい。硬質体40の大きさより突起44の間隔が狭い場合、隣接する突起44にそれぞれ硬質体20が引っかかり、スキージの際に硬質体40が重なる可能性があるためである。さらに、突起44の間隔が大きすぎると、硬質体40が均一に配置されない可能性がある。硬質体40の均一化のためには、突起44の間隔内に硬質体40が2、3個入ることが好ましい。
【0034】
また、図11(d)のように、硬質体40の固体電解質膜12の膜厚方向の両面は平坦である。これにより、固体電解質膜12の膜厚をより均一にすることができる。さらに、複数の硬質体40の厚さは互いに同じである。これにより、固体電解質膜12の膜厚をより均一にすることができる。
【0035】
実施例1から実施例6において、硬質体20を含む膜として正極膜10を例に説明したが、負極膜14内に硬質体20が含まれてもよい。また、負極膜14および正極膜10の両方の電極膜内に硬質体20が設けられていてもよい。このように、負極膜14および正極膜10の少なくとも一方の電極膜内に複数の硬質体20が設けられていればよい。また、リチウム二次電池の例を説明したが、他の二次電池でもよい。
【0036】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0037】
実施例1〜6を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
付記1:
負極膜および正極膜と、前記負極膜および正極膜の少なくとも一方の電極膜内に設けられ、前記少なくとも一方の電極膜より硬い複数の第1硬質体と、を具備することを特徴とする二次電池。
付記2:
前記複数の第1硬質体は、それぞれ前記少なくとも一方の電極膜の膜厚方向に貫通し前記少なくとも一方の電極膜が充填された第1孔を具備することを特徴とする付記1記載の二次電池。
付記3:
片面に前記少なくとも一方の電極膜が形成され、前記片面に、前記少なくとも一方の電極膜の膜厚より低い第1突起を備える導電体板を具備することを特徴とする付記2記載の二次電池。
付記4:
前記複数の第1硬質体のそれぞれの前記少なくとも一方の電極膜の膜厚方向の両面は平坦であることを特徴とする付記1から3のいずれか一項記載の二次電池。
付記5:
前記負極膜および正極膜の間に設けられた固体電解質膜と、前記固体電解質膜内に設けられ、前記固体電解質より硬い複数の第2硬質体と、を具備する付記1記載の二次電池。
付記6:
前記負極膜および正極膜の間に設けられた固体電解質膜と、前記固体電解質膜内に設けられ、前記固体電解質膜より硬い複数の第2硬質体と、を具備し、前記第1硬質体は、前記第1孔の貫通方向に第2突起を備え、前記第2硬質体は、前記固体電解質膜の膜厚方向に貫通し、前記固体電解質膜が充填された第2孔を備えることを特徴とする付記3記載の二次電池。
付記7:
前記第1突起は前記第2突起より高いことを特徴とする付記6記載の二次電池。
付記8:
前記複数の第1硬質体のそれぞれの厚さは互いに同じであることを特徴とする付記4記載の二次電池。
付記9:
前記負極膜と前記正極膜とに挟まれた固体電解質膜を具備することを特徴とする付記1から4のいずれか一項記載の二次電池。
付記10:
前記複数の第2硬質体のそれぞれの前記少なくとも一方の電極膜の膜厚方向の両面は平坦であることを特徴とする付記5または6記載の二次電池。
付記11:
前記複数の第2硬質体のそれぞれの厚さは互いに同じであることを特徴とする付記5または6記載の二次電池。
付記12:
前記少なくとも一方の電極膜は、前記正極膜であることを特徴とする付記1から11のいずれか一項記載の二次電池。
付記13:
前記二次電池は、リチウム二次電池であることを特徴とする付記1から12のいずれか一項記載の二次電池。
付記14:
導電体板上に、負極材料および正極材料の少なくとも一方の材料を含み複数の第1硬質体を含む第1ペーストを、塗布し、前記第1ペーストをスキージすることにより、前記導電体板上に前記少なくとも一方の材料から対応する負極膜および正極膜の少なくとも一方の電極膜を形成し、前記複数の第1硬質体は前記少なくとも一方の電極膜より硬いことを特徴とする二次電池の製造方法。
付記15:
前記導電体板の片面には前記第1硬質体の膜厚より低い第1突起が形成され、前記第1ペーストを塗布する際、前記片面に前記第1ペーストを塗布し、前記少なくとも一方の電極膜を形成する際、前記複数の第1硬質体の移動が前記第1突起により規制されるように前記第1ペーストをスキージすることを特徴とする付記14記載の二次電池の製造方法。
付記16:
前記少なくとも一方の電極膜上に、固体電解質の材料を含み複数の第2硬質体を含む第2ペーストを、塗布し、前記第2ペーストをスキージすることにより、前記少なくとも一方の電極膜上に前記固体電解質膜を形成し、前記複数の第2硬質体は前記固体電解質膜より硬いことを特徴とする付記14記載の二次電池の製造方法。
付記17:
前記第1硬質体には、前記第2硬質体の膜厚より低い第2突起が形成され、前記固体電解質膜を形成する際、前記複数の第2硬質体の移動が前記第2突起により規制されるように前記第2ペーストをスキージすることを特徴とする付記16記載の二次電池の製造方法。
【符号の説明】
【0038】
10 正極膜
12 固体電解質膜
14 負極膜
16 導電体板
20、40 硬質体
22、42 孔
24、44 突起
26、46 ペースト
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池とその製造方法に関し、例えば、正極膜または負極膜に硬質体を含む二次電池とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池は、電気エネンルギーを蓄電し、供給可能である。このため、二次電池はハイブリット車や電気自動車などに応用されている。二次電池として、リチウム二次電池が注目されている。二次電池は、正極、電解質および負極が積層され形成されている。エネルギー密度の向上の観点から、各膜の薄膜化が進められている。また、全てが固体の薄膜二次電池を形成するため固体電解質を用いた二次電池が開発されている。固体電解質に酸化ジルコニウム粒子を組み込んだリチウム二次電池が知られている。電極の表面に絶縁性フィラーとしてジルコニアを多孔質耐熱層に含有させることが知られている。補強材を含む電解質が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−280072号公報
【特許文献2】特開2007−42580号公報
【特許文献3】国際公開第2007/13567号
【特許文献4】国際公開第2007/63943号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
正極、電解質および負極が薄膜化すると、外部からの衝撃等により、電池が破壊する恐れがある。例えば、二次電池全体を硬質な材料でパッケージすることも考えられる。しかしながら、柔軟性が犠牲となる。本二次電池とその製造方法は、外部からの耐衝撃性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
例えば、負極膜および正極膜と、前記負極膜および正極膜の少なくとも一方の電極膜内に設けられ、前記少なくとも一方の電極膜より硬い複数の硬質体と、を具備することを特徴とする二次電池を用いる。
【0006】
例えば、導電体板上に、負極材料および正極材料の少なくとも一方の材料を含み複数の硬質体を含むペーストを、塗布し、前記ペーストをスキージすることにより、前記導電体板上に前記少なくとも一方の材料から対応する負極膜および正極膜の少なくとも一方の電極膜を形成し、前記複数の硬質体は前記少なくとも一方の電極膜より硬いことを特徴とする二次電池の製造方法を用いる。
【発明の効果】
【0007】
本二次電池とその製造方法によれば、外部からの耐衝撃性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1(a)は、実施例1に係る二次電池の断面図、図1(b)は、正極膜と硬質体とを示す平面図である。
【図2】図2(a)および図2(b)は、二次電池に物体が落下した場合を示す断面図である。
【図3】図3は、実施例2に係る二次電池の硬質体と正極膜の平面図である。
【図4】図4(a)から図4(d)は、実施例3に係る二次電池の製造工程を示す断面図である。
【図5】図5(a)から図5(d)は、硬質体の製造方法を示す図である。
【図6】図6(a)から図6(c)は、正極膜を形成する方法を示す図である。
【図7】図7(a)は、実施例4に係る二次電池の断面図、図7(b)は、固体電解質膜と硬質体とを示す平面図である。
【図8】図8は、実施例5に係る二次電池の硬質体と固体電解質膜の平面図である。
【図9】図9(a)から図9(c)は、実施例6に係る二次電池の製造工程を示す断面図である。
【図10】図10(a)から図10(e)は、硬質体20の製造方法を示す図である。
【図11】図11(a)から図11(d)は、正極膜および固体電解質膜を形成する方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照に実施例について説明する。
【実施例1】
【0010】
実施例1は、リチウム二次電池の例である。図1(a)は、実施例1に係る二次電池の断面図、図1(b)は、正極膜と硬質体とを示す平面図である。図1(a)のように導電体板16上に硬質体20(第1硬質体)を含む正極膜10が設けられている。硬質体20は正極膜10より硬い。硬質体20は、例えば、酸化ジルコニウムまたは酸化アルミニウム等の絶縁体である。硬質体20は金属でもよい。正極膜10は、例えば、コバルト酸リチウム等の正極活物質を含む。正極膜10上には、例えば硫化物固体電解質を用いた固体電解質膜12が設けられている。固体電解質膜12上には負極膜14が設けられている。負極膜14は、例えば、リチウム金属または炭化リチウム等の負極活物質を含む。このように、固体電解質膜12を挟み負極膜14と正極膜10とが設けられている。負極膜14上に導電体板18が設けられている。導電体板16および18は、例えばNi−Cu合金等の金属から形成され、集電体として機能する。図1(b)のように、硬質体20は正極膜10内に周期的またはランダムに設けられている。
【0011】
図2(a)および図2(b)は、二次電池に物体が落下した場合を示す断面図である。図2(a)は、比較例に係る二次電池を示し、正極膜10内に硬質体20が含まれていない。図2(b)は、実施例1に係る二次電池の断面を示している。図2(a)のように、二次電池に、物体50が落下すると、その衝撃により、導電体板18、負極膜14、固体電解質膜12および正極膜10に窪み52が形成される。これにより、二次電池が破壊される。例えば、正極膜10と負極膜14とが電気的に短絡してしまう。
【0012】
図2(b)のように、実施例1においては、正極膜10より硬い複数の硬質体20が正極膜10内に含まれている。このため、物体50が落下しても、窪み52が小さく、二次電池の破壊が抑制できる。このように、外部からの衝撃に強い二次電池を提供できる。さらに、複数の硬質体20が独立に設けられ、繋がっていないため、二次電池の柔軟性も維持できる。
【実施例2】
【0013】
実施例2は、硬質体が貫通孔を備える例である。図3は、実施例2に係る二次電池の硬質体と正極膜の平面図である。図3のように、硬質体20には、正極膜10の膜厚方向に貫通する孔22(第1孔)が形成されている。孔22には正極膜10が充填されている。これにより、孔22内に正極膜10が形成される。よって、硬質体20により、正極膜10の面積が小さくなることを抑制できる。正極膜10の面積を確保するためには、硬質体20の孔22は大きいことが好ましい。例えば、孔22の大きさは、硬質体の大きさの1/2以上が好ましく、3/4以上がより好ましい。一方、孔22が大きすぎると、硬質体20の強度が低下する。よって、孔22の大きさは硬質体20の強度により設定できる。硬質体20の形状は実施例1および2のように四角形状以外にも、例えば円形、楕円形状または多角形状を用いることもできる。また、1つの硬質体20に複数の孔22が設けられていてもよい。
【実施例3】
【0014】
実施例3は、二次電池の製造方法の例である。図4(a)から図4(d)は、実施例3に係る二次電池の製造工程を示す断面図である。図4(a)のように、例えば膜厚が約100μmのNi−Cu合金の導電体板16をプレスする。これにより、導電体の片面に突起24(第1突起)が形成される。突起24は、径が例えば100μm、高さが例えば35μm、間隔が、例えば1250μmとすることができる。
【0015】
図4(b)のように、導電体板16の片面に例えば膜厚が50μmの正極膜10を形成する。正極膜10内には、複数の硬質体20が設けられている。正極膜10は、例えば正極活物質としてコバルト酸リチウムを含む。図4(b)において、左2個の硬質体20は、孔22を含む断面を示している。硬質体20は、上面からみて例えば500μm×500μmであり、膜厚が例えば50μmである。孔22の大きさは例えば400μm×400μmである。
【0016】
図4(c)のように、正極膜10上に例えば膜厚が50μmの固体電解質膜12を例えば印刷法を用い形成する。固体電解質膜12は、例えば硫化物固体電解質等の固体電解質を97重量%およびポリフッ化ビニリデン等の樹脂を3重量%含む。なお、正極膜10と固体電解質膜12との間に、例えば膜厚が10μmの中間層を形成してもよい。中間層は、例えば正極材料を80重量%および固体電解質材料を20重量%含む材料を用いることができる。図4(d)のように、固体電解質膜12上に、例えば膜厚が50μmの負極膜14を形成する。負極膜14上に、導電体板18を形成する。
【0017】
図5(a)から図5(d)は、硬質体の製造方法を示す図である。図5(a)から図5(c)は平面図、図5(d)は斜視図である。図5(a)のように、例えば酸化ジルコニウム等の絶縁物を85重量%およびポリビニールアルコール等の樹脂を15重量%含むグリーンシート30を作製する。図5(b)のように、グリーンシート30にパンチング等で孔22を開ける。その後、グリーンシート30を焼成する。図5(c)のように、焼成したグリーンシートを、例えばダイシング法を用い切断線32において切断する。これにより、硬質体20が個片化される。図5(d)のように、硬質体20は、膜厚方向に貫通する孔22を備える。
【0018】
図6(a)から図6(c)は、正極膜を形成する方法を示す図であり、図4(b)の工程に対応する。図6(b)は、図6(c)のA−A断面図、図6(c)は上面図である。正極材料には、正極活物質であるコバルト酸リチウムが90重量%、結合材が5重量%および導電材が5重量%含まれている。正極材料に有機溶剤を加え粘性を備えるペースト26(第1ペースト)とする。結合材としては、例えばポリフッ化ビニリデン、導電材としては、例えばアセチレンブラックまたはカーボンブラック、有機溶剤としては、例えばn−メチルピロリドンを用いることができる。ペースト26に硬質体20を含ませる。図6(a)のように、導電体板16上に硬質体20を含むペースト26を塗布する。例えば、印刷法を用いペースト26を塗布する。
【0019】
図6(b)のように、ペースト26をスキージ板28を用いスキージする。硬質体20は上面から見た縦横の大きさに対し膜厚が小さいため、図6(b)のように、硬質体20は、膜厚方向が導電体板16の上面の法線方向となるように導電体板16上に配置される。これにより、硬質体20とほぼ同じ厚さの正極膜10が形成される。硬質体20はほぼ均一に正極膜10内に配置される。突起24による硬質体20の移動の規制は、図6(b)の一番左の硬質体20のように、突起24が孔22内に引っかかる場合と、図6(b)の中央の硬質体20のように、突起24が硬質体20の外側に引っかかる場合がある。
【0020】
実施例3によれば、導電体板16の片面に正極膜10の膜厚より低い(例えば硬質体20の膜厚より低い)突起24を備える。これにより、突起24が正極膜10を突き抜けることを抑制できる。また、図6(b)のように、ペースト26をスキージする際に、突起24により硬質体20の移動が規制される。これにより、硬質体20をほぼ均一に正極膜10内に配置することができる。突起24による硬質体20の移動の規制は、孔22内に突起24が引っかかる場合と、硬質体20の外側に突起24が引っかかる場合がある。硬質体20を均一に配置するためには、硬質体20の移動をより規制するため、硬質体20に孔22が設けられ、導電体板16に突起24が設けられることが好ましい。
【0021】
硬質体20をより均一に配置するためには、突起24の間隔は、硬質体20の大きさ(例えば、硬質体20が長方形の場合長辺、楕円の場合長軸)より大きいことが好ましい。硬質体20の大きさより突起24の間隔が狭い場合、隣接する突起24にそれぞれ硬質体20が引っかかり、スキージの際に硬質体20が重なる可能性があるためである。さらに、突起24の間隔が大きすぎると、硬質体20が均一に配置されない可能性がある。硬質体20の均一化のためには、突起24の間隔内に硬質体20が2、3個入りことが好ましい。よって、突起24の間隔は、硬質体20の大きさの1.5倍〜4倍が好ましく、2倍〜3倍がより好ましい。
【0022】
また、図6(b)のように、硬質体20の正極膜10膜厚方向の両面は平坦である。これにより、正極膜10の膜厚をより均一にすることができる。さらに、複数の硬質体20の厚さは互いに同じである。これにより、正極膜10の膜厚をより均一にすることができる。
【0023】
実施例1から実施例3において、固体電解質膜12の代わりに、例えば、ポリエチレン多孔質セパレータ等のセパレータに有機電解液等の電解液を含ませた電解質を用いてもよい。全てが固体の薄膜二次電池を形成するためには、電解質は固体電解質膜であることが好ましい。
【実施例4】
【0024】
実施例4は、固体電解質膜が硬質体を含む例である。図7(a)は、実施例4に係る二次電池の断面図、図7(b)は、固体電解質膜と硬質体とを示す平面図である。図7(a)のように、正極膜10上に硬質体40(第2硬質体)を含む固体電解質膜12が設けられている。硬質体40は固体電解質膜12より硬い。硬質体40は、例えば、酸化ジルコニウムまたは酸化アルミニウム等の絶縁体である。硬質体40は、正極膜10と負極膜14と電気的短絡を抑制するため絶縁体であることが好ましい。固体電解質膜12は、例えば、例えば硫化物固体電解質である。図7(b)において、硬質体20は点線、硬質体40は実線で示している。図7(b)のように、硬質体40は固体電解質膜12内に周期的またはランダムに設けられている。その他の構成は、実施例1の図1(a)および図1(b)と同じであり説明を省略する。
【0025】
実施例4においては、正極膜10に加え固体電解質膜12も複数の硬質体40を含む。このため、図2(b)のように、二次電池に物体が落下しても、窪みが小さく、二次電池の破壊をより抑制できる。このように、外部からの衝撃に強い二次電池を提供できる。さらに、複数の硬質体40が独立に設けられ、繋がっていないため、二次電池の柔軟性も維持できる。
【実施例5】
【0026】
実施例5は、硬質体が貫通孔を備える例である。図8は、実施例5に係る二次電池の硬質体と固体電解質膜の平面図である。図8において、硬質体20は点線、硬質体40は実線で示している。図8のように、硬質体40には、固体電解質膜12の膜厚方向に貫通する孔42(第2孔)が形成されている。孔42には固体電解質膜12が充填されている。これにより、孔42内に固体電解質膜12が形成される。よって、硬質体40により、固体電解質膜12の面積が小さくなることを抑制できる。固体電解質膜12の面積を確保するためには、硬質体40の孔42は大きいことが好ましい。例えば、孔42の大きさは、硬質体40の大きさの1/2以上が好ましく、3/4以上がより好ましい。一方、孔42が大きすぎると、硬質体40の強度が低下する。よって、孔42の大きさは硬質体40の強度により設定できる。硬質体40の形状は実施例4および5のように四角形状以外にも、例えば円形、楕円形状または多角形状を用いることもできる。また、1つの硬質体40に複数の孔42が設けられていてもよい。
【実施例6】
【0027】
実施例6は、二次電池の製造方法の例である。図9(a)から図9(c)は、実施例6に係る二次電池の製造工程を示す断面図である。図9(a)のように、実施例3の図3(a)と同様に、突起24を備える導電体板16を形成する。導電体板16の片面に例えば膜厚が50μmの正極膜10を形成する。正極膜10内には、複数の硬質体20が設けられている。複数の硬質体20は、正極膜10の膜厚方向または孔22の貫通方向に突起44を備えている。突起44は硬質体20の両面に形成されている。突起44の少なくとも一部は正極膜10から上面に突出している。
【0028】
図9(b)のように、正極膜10上に例えば膜厚が50μmの固体電解質膜12を例えば印刷法を用い形成する。固体電解質膜12は、複数の硬質体40を含んでいる。硬質体40には、硬質体20のような突起44は形成されていなくともよい。なお、正極膜10と固体電解質膜12との間に、実施例3において説明した中間層が設けられていてもよい。この場合、突起44は少なくとも中間層の上面から突出している。図4(c)のように、固体電解質膜12上に、負極膜14を形成する。負極膜14上に、導電体板18を形成する。
【0029】
図10(a)から図10(e)は、硬質体20の製造方法を示す図である。図10(a)、図10(b)および図10(d)は平面図、図10(c)は図10(b)のA−A断面図、図10(e)は斜視図である。図10(a)のように、実施例3の図5(b)と同様に、複数の孔22を備えるグリーンシート30を作製する。図10(b)のように、グリーンシート30の孔22の配列方向に例えばダイシングブレードを用い溝を形成する。領域62には、溝が形成され、表面が削れる。領域60には、溝は形成されず、突起が形成される。図10(c)のように、グリーンシート30の両面に突起を形成する。その後、グリーンシート30を焼成する。図10(d)のように、焼成したグリーンシートを、例えばダイシング法を用い切断線32において切断する。これにより、硬質体20が個片化される。図10(e)のように、硬質体20は、膜厚方向に貫通する孔22を備える。さらに、表裏両面の4角に突起44が形成される。硬質体40の形成は、実施例3と図5(a)から図5(d)と同様に行なう。これにより、硬質体40には、突起は形成されない。
【0030】
図11(a)から図11(d)は、正極膜および固体電解質膜を形成する方法を示す図であり、図10(a)および図10(b)の工程に対応する。図11(a)を参照し、正極材料に有機溶剤を加え粘性を備えるペースト26(第1ペースト)とする。ペースト26に硬質体20を含ませる。導電体板16上に硬質体20を含むペースト26を塗布する。例えば、印刷法を用いペースト26を塗布する。図11(b)のように、ペースト26をスキージ板28を用いスキージする。硬質体20は上面から見た縦横の大きさに対し膜厚が小さいため、図11(b)のように、硬質体20は、膜厚方向が導電体板16の上面の法線方向となるように導電体板16上に配置される。これにより、硬質体20とほぼ同じ厚さの正極膜10が形成される。突起24により硬質体20の移動が規制されるため、硬質体20はほぼ均一に正極膜10内に配置される。突起24による硬質体20の移動の規制は、突起24が孔22内に引っかかる場合と、突起24が硬質体20の外側に引っかかる場合がある。
【0031】
図11(c)を参照し、固体電解質に有機溶剤を加え粘性を備えるペースト46(第2ペースト)とする。固体電解質は、例えば硫化物固体電解質等の固体電解質を97重量%およびポリフッ化ビニリデン等の樹脂を3重量%含む。有機溶剤としては、例えばn−メチルピロリドンを用いることができる。ペースト46に硬質体40を含ませる。正極膜10上に硬質体20を含むペースト26を塗布する。ペースト26が乾燥することにより、正極膜10の体積が小さくなる。これにより、正極膜10の上面から突起44の少なくとも一部が突出する。例えば、印刷法を用いペースト46を塗布する。図11(e)のように、ペースト46をスキージ板28を用いスキージする。硬質体40は上面から見た縦横の大きさに対し膜厚が小さいため、図11(d)のように、硬質体40は、膜厚方向が正極膜10の上面の法線方向となるように正極膜10上に配置される。これにより、硬質体40とほぼ同じ厚さの固体電解質膜12が形成される。突起44により硬質体40の移動が規制されるため、硬質体40はほぼ均一に固体電解質膜12内に配置される。突起44による硬質体40の移動の規制は、突起44が孔42内に引っかかる場合と、突起44が硬質体40の外側に引っかかる場合がある。
【0032】
実施例6によれば、正極膜10に含まれる硬質体20は、固体電解質膜12の膜厚より低い(例えば硬質体40の膜厚より低い)突起44を備える。これにより、突起44が固体電解質膜12を突き抜けることを抑制できる。また、突起24は突起44より高い。これにより、図11(b)において、硬質体20は突起24に規制されやすくなる。さらに、図11(d)のように、ペースト46をスキージする際に、突起44により硬質体40の移動が規制される。これにより、硬質体40をほぼ均一に固体電解質膜12内に配置することができる。突起44による硬質体40の移動の規制は、突起44に孔42の内側が引っかかる場合と、突起44に硬質体40の外側が引っかかる場合とがある。硬質体40を均一に配置し、硬質体40の移動をより規制するためには、硬質体40に孔42が設けられ、硬質体20に突起44が設けられることが好ましい。また、突起44は硬質体20の上面と下面とのうち上面のみに形成されていてもよい。さらに、図10(e)では、突起44が硬質体20の片面に4個形成されているが、1または複数個形成されていればよい。
【0033】
硬質体40をより均一に配置するためには、突起44の間隔は、硬質体40の大きさ(例えば、硬質体40が長方形の場合長辺、楕円の場合長軸)より大きいことが好ましい。硬質体40の大きさより突起44の間隔が狭い場合、隣接する突起44にそれぞれ硬質体20が引っかかり、スキージの際に硬質体40が重なる可能性があるためである。さらに、突起44の間隔が大きすぎると、硬質体40が均一に配置されない可能性がある。硬質体40の均一化のためには、突起44の間隔内に硬質体40が2、3個入ることが好ましい。
【0034】
また、図11(d)のように、硬質体40の固体電解質膜12の膜厚方向の両面は平坦である。これにより、固体電解質膜12の膜厚をより均一にすることができる。さらに、複数の硬質体40の厚さは互いに同じである。これにより、固体電解質膜12の膜厚をより均一にすることができる。
【0035】
実施例1から実施例6において、硬質体20を含む膜として正極膜10を例に説明したが、負極膜14内に硬質体20が含まれてもよい。また、負極膜14および正極膜10の両方の電極膜内に硬質体20が設けられていてもよい。このように、負極膜14および正極膜10の少なくとも一方の電極膜内に複数の硬質体20が設けられていればよい。また、リチウム二次電池の例を説明したが、他の二次電池でもよい。
【0036】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0037】
実施例1〜6を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
付記1:
負極膜および正極膜と、前記負極膜および正極膜の少なくとも一方の電極膜内に設けられ、前記少なくとも一方の電極膜より硬い複数の第1硬質体と、を具備することを特徴とする二次電池。
付記2:
前記複数の第1硬質体は、それぞれ前記少なくとも一方の電極膜の膜厚方向に貫通し前記少なくとも一方の電極膜が充填された第1孔を具備することを特徴とする付記1記載の二次電池。
付記3:
片面に前記少なくとも一方の電極膜が形成され、前記片面に、前記少なくとも一方の電極膜の膜厚より低い第1突起を備える導電体板を具備することを特徴とする付記2記載の二次電池。
付記4:
前記複数の第1硬質体のそれぞれの前記少なくとも一方の電極膜の膜厚方向の両面は平坦であることを特徴とする付記1から3のいずれか一項記載の二次電池。
付記5:
前記負極膜および正極膜の間に設けられた固体電解質膜と、前記固体電解質膜内に設けられ、前記固体電解質より硬い複数の第2硬質体と、を具備する付記1記載の二次電池。
付記6:
前記負極膜および正極膜の間に設けられた固体電解質膜と、前記固体電解質膜内に設けられ、前記固体電解質膜より硬い複数の第2硬質体と、を具備し、前記第1硬質体は、前記第1孔の貫通方向に第2突起を備え、前記第2硬質体は、前記固体電解質膜の膜厚方向に貫通し、前記固体電解質膜が充填された第2孔を備えることを特徴とする付記3記載の二次電池。
付記7:
前記第1突起は前記第2突起より高いことを特徴とする付記6記載の二次電池。
付記8:
前記複数の第1硬質体のそれぞれの厚さは互いに同じであることを特徴とする付記4記載の二次電池。
付記9:
前記負極膜と前記正極膜とに挟まれた固体電解質膜を具備することを特徴とする付記1から4のいずれか一項記載の二次電池。
付記10:
前記複数の第2硬質体のそれぞれの前記少なくとも一方の電極膜の膜厚方向の両面は平坦であることを特徴とする付記5または6記載の二次電池。
付記11:
前記複数の第2硬質体のそれぞれの厚さは互いに同じであることを特徴とする付記5または6記載の二次電池。
付記12:
前記少なくとも一方の電極膜は、前記正極膜であることを特徴とする付記1から11のいずれか一項記載の二次電池。
付記13:
前記二次電池は、リチウム二次電池であることを特徴とする付記1から12のいずれか一項記載の二次電池。
付記14:
導電体板上に、負極材料および正極材料の少なくとも一方の材料を含み複数の第1硬質体を含む第1ペーストを、塗布し、前記第1ペーストをスキージすることにより、前記導電体板上に前記少なくとも一方の材料から対応する負極膜および正極膜の少なくとも一方の電極膜を形成し、前記複数の第1硬質体は前記少なくとも一方の電極膜より硬いことを特徴とする二次電池の製造方法。
付記15:
前記導電体板の片面には前記第1硬質体の膜厚より低い第1突起が形成され、前記第1ペーストを塗布する際、前記片面に前記第1ペーストを塗布し、前記少なくとも一方の電極膜を形成する際、前記複数の第1硬質体の移動が前記第1突起により規制されるように前記第1ペーストをスキージすることを特徴とする付記14記載の二次電池の製造方法。
付記16:
前記少なくとも一方の電極膜上に、固体電解質の材料を含み複数の第2硬質体を含む第2ペーストを、塗布し、前記第2ペーストをスキージすることにより、前記少なくとも一方の電極膜上に前記固体電解質膜を形成し、前記複数の第2硬質体は前記固体電解質膜より硬いことを特徴とする付記14記載の二次電池の製造方法。
付記17:
前記第1硬質体には、前記第2硬質体の膜厚より低い第2突起が形成され、前記固体電解質膜を形成する際、前記複数の第2硬質体の移動が前記第2突起により規制されるように前記第2ペーストをスキージすることを特徴とする付記16記載の二次電池の製造方法。
【符号の説明】
【0038】
10 正極膜
12 固体電解質膜
14 負極膜
16 導電体板
20、40 硬質体
22、42 孔
24、44 突起
26、46 ペースト
【特許請求の範囲】
【請求項1】
負極膜および正極膜と、
前記負極膜および正極膜の少なくとも一方の電極膜内に設けられ、前記少なくとも一方の電極膜より硬い複数の第1硬質体と、
を具備することを特徴とする二次電池。
【請求項2】
前記複数の第1硬質体は、それぞれ前記少なくとも一方の電極膜の膜厚方向に貫通し前記少なくとも一方の電極膜が充填された第1孔を具備することを特徴とする請求項1記載の二次電池。
【請求項3】
片面に前記少なくとも一方の電極膜が形成され、前記片面に、前記少なくとも一方の電極膜の膜厚より低い第1突起を備える導電体板を具備することを特徴とする請求項2記載の二次電池。
【請求項4】
前記負極膜および正極膜の間に設けられた固体電解質膜と、
前記固体電解質膜内に設けられ、前記固体電解質より硬い複数の第2硬質体と、
を具備する請求項1記載の二次電池。
【請求項5】
前記負極膜および正極膜の間に設けられた固体電解質膜と、
前記固体電解質膜内に設けられ、前記固体電解質膜より硬い複数の第2硬質体と、
を具備し、
前記第1硬質体は、前記第1孔の貫通方向に第2突起を備え、
前記第2硬質体は、前記固体電解質膜の膜厚方向に貫通し、前記固体電解質膜が充填された第2孔を備えることを特徴とする請求項3記載の二次電池。
【請求項6】
前記第1突起は前記第2突起より高いことを特徴とする請求項5記載の二次電池。
【請求項7】
導電体板上に、負極材料および正極材料の少なくとも一方の材料を含み複数の第1硬質体を含む第1ペーストを、塗布し、
前記第1ペーストをスキージすることにより、前記導電体板上に前記少なくとも一方の材料から対応する負極膜および正極膜の少なくとも一方の電極膜を形成し、
前記複数の第1硬質体は前記少なくとも一方の電極膜より硬いことを特徴とする二次電池の製造方法。
【請求項8】
前記導電体板の片面には前記第1硬質体の膜厚より低い第1突起が形成され、
前記第1ペーストを塗布する際、前記片面に前記第1ペーストを塗布し、
前記少なくとも一方の電極膜を形成する際、前記複数の第1硬質体の移動が前記第1突起により規制されるように前記第1ペーストをスキージすることを特徴とする請求項7記載の二次電池の製造方法。
【請求項9】
前記少なくとも一方の電極膜上に、固体電解質の材料を含み複数の第2硬質体を含む第2ペーストを、塗布し、
前記第2ペーストをスキージすることにより、前記少なくとも一方の電極膜上に前記固体電解質膜を形成し、
前記複数の第2硬質体は前記固体電解質膜より硬いことを特徴とする請求項7記載の二次電池の製造方法。
【請求項10】
前記第1硬質体には、前記第2硬質体の膜厚より低い第2突起が形成され、
前記固体電解質膜を形成する際、前記複数の第2硬質体の移動が前記第2突起により規制されるように前記第2ペーストをスキージすることを特徴とする請求項9記載の二次電池の製造方法。
【請求項1】
負極膜および正極膜と、
前記負極膜および正極膜の少なくとも一方の電極膜内に設けられ、前記少なくとも一方の電極膜より硬い複数の第1硬質体と、
を具備することを特徴とする二次電池。
【請求項2】
前記複数の第1硬質体は、それぞれ前記少なくとも一方の電極膜の膜厚方向に貫通し前記少なくとも一方の電極膜が充填された第1孔を具備することを特徴とする請求項1記載の二次電池。
【請求項3】
片面に前記少なくとも一方の電極膜が形成され、前記片面に、前記少なくとも一方の電極膜の膜厚より低い第1突起を備える導電体板を具備することを特徴とする請求項2記載の二次電池。
【請求項4】
前記負極膜および正極膜の間に設けられた固体電解質膜と、
前記固体電解質膜内に設けられ、前記固体電解質より硬い複数の第2硬質体と、
を具備する請求項1記載の二次電池。
【請求項5】
前記負極膜および正極膜の間に設けられた固体電解質膜と、
前記固体電解質膜内に設けられ、前記固体電解質膜より硬い複数の第2硬質体と、
を具備し、
前記第1硬質体は、前記第1孔の貫通方向に第2突起を備え、
前記第2硬質体は、前記固体電解質膜の膜厚方向に貫通し、前記固体電解質膜が充填された第2孔を備えることを特徴とする請求項3記載の二次電池。
【請求項6】
前記第1突起は前記第2突起より高いことを特徴とする請求項5記載の二次電池。
【請求項7】
導電体板上に、負極材料および正極材料の少なくとも一方の材料を含み複数の第1硬質体を含む第1ペーストを、塗布し、
前記第1ペーストをスキージすることにより、前記導電体板上に前記少なくとも一方の材料から対応する負極膜および正極膜の少なくとも一方の電極膜を形成し、
前記複数の第1硬質体は前記少なくとも一方の電極膜より硬いことを特徴とする二次電池の製造方法。
【請求項8】
前記導電体板の片面には前記第1硬質体の膜厚より低い第1突起が形成され、
前記第1ペーストを塗布する際、前記片面に前記第1ペーストを塗布し、
前記少なくとも一方の電極膜を形成する際、前記複数の第1硬質体の移動が前記第1突起により規制されるように前記第1ペーストをスキージすることを特徴とする請求項7記載の二次電池の製造方法。
【請求項9】
前記少なくとも一方の電極膜上に、固体電解質の材料を含み複数の第2硬質体を含む第2ペーストを、塗布し、
前記第2ペーストをスキージすることにより、前記少なくとも一方の電極膜上に前記固体電解質膜を形成し、
前記複数の第2硬質体は前記固体電解質膜より硬いことを特徴とする請求項7記載の二次電池の製造方法。
【請求項10】
前記第1硬質体には、前記第2硬質体の膜厚より低い第2突起が形成され、
前記固体電解質膜を形成する際、前記複数の第2硬質体の移動が前記第2突起により規制されるように前記第2ペーストをスキージすることを特徴とする請求項9記載の二次電池の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−186135(P2012−186135A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−176221(P2011−176221)
【出願日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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