説明

二次電池用電極の製造方法

【課題】 電極活物質を容易に微細化することができる二次電池用電極の製造方法を提供する。
【解決手段】 二次電池用電極の製造方法は、中空構造の繊維(20)を複数備える繊維束(30)の繊維の中空部(21)および繊維の外表面に電解質材料(40)が配置されたものを焼成することで、繊維を除去して多孔質の電解質(50)を製造する焼成工程と、焼成工程後の電解質が有する孔(51)の表面に導電性材料(60)を配置する導電化処理工程と、導電化処理工程後の電解質の孔に電極活物質(70)を配置する電極活物質配置工程と、を含むことを特徴とするものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池用電極の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通信機器等の急速な普及に伴い、電源として二次電池の開発が進められている。また、通信機器以外にも、低公害車としての電気自動車、ハイブリッド自動車等の電源として二次電池の開発が進められている。
【0003】
二次電池の電極は、電解質層の一面に配置された電極合材層と、電極合材層の電解質層とは反対側の面に配置された電極集電箔とを備えている。電極合材層は、電解質と電極活物質(正極活物質または負極活物質)とを含んでいる。従来、電極合材層は、スクリーン印刷等の塗工によって多孔質の電解質材料を作成し、この電解質材料に電極活物質材料の溶液を塗工することで製造されていた(例えば特許文献1)。この方法によれば、多孔質の電解質の孔に電極活物質が配置された電極合材層を製造することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−238576号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
二次電池の性能上、二次電池の電極の電極活物質は微細であることが好ましい。電極活物質を微細にするためには多孔質電解質材料の孔径を微細にすることが有効である。しかしながら従来の電極製造方法では、多孔質電解質材料の孔径を微細にすることは容易ではなかった。また、仮に多孔質電解質材料の孔径を微細にしたとしても、微細な孔に電極活物質の溶液を塗工によって充填することは容易ではなかった。このように従来の電極製造方法で電極活物質を微細化することは困難であった。
【0006】
本発明は、電極活物質を容易に微細化することができる二次電池用電極の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る二次電池用電極の製造方法は、中空構造の繊維を複数備える繊維束の繊維の中空部および繊維の外表面に電解質材料が配置されたものを焼成することで、繊維を除去して多孔質の電解質を製造する焼成工程と、焼成工程後の電解質が有する孔の表面に導電性材料を配置する導電化処理工程と、導電化処理工程後の電解質の孔に電極活物質を配置する電極活物質配置工程と、を含むことを特徴とするものである。
【0008】
本発明に係る製造方法によれば、焼成工程において除去された繊維の部分が電解質の孔となり、この孔に電極活物質を配置することができる。そのため、電解質の孔の外径は繊維の外径以下となり、電極活物質の外径も繊維の外径以下となる。したがって、微細な外径を有する繊維を用いることで電極活物質を微細化することができることから、電極活物質を容易に微細化することができる。
【0009】
上記方法において繊維の外径は10μm以下であってもよい。この方法によれば、10μm以下の径を有する電解質の孔に電極活物質が配置された電極を製造することができる。上記方法において繊維の外径は1μm以下であってもよい。この方法によれば、1μm以下の径を有する電解質の孔に電極活物質が配置された電極を製造することができる。
【0010】
上記方法において電極活物質配置工程は、孔に電極活物質を分散状態で配置させる工程を含んでいてもよい。この方法によれば、電極活物質と導電性材料との接触性を良好にすることができる。
【0011】
上記方法は焼成工程の前に、繊維束に電解質材料を含浸させることで繊維の中空部および繊維の外表面に電解質材料を配置する電解質材料配置工程をさらに含んでいてもよい。この方法によれば、繊維の中空部および外表面に電解質材料を容易に配置することができる。
【0012】
上記方法において繊維の材質は、セルロース、ポリイミドまたはポリアミドであってもよい。繊維の材質がこれらの材料の場合、1μm以下の径を有する繊維を容易に製造または入手できる。また、焼成工程において繊維束を容易に除去することができる。
【0013】
上記方法において導電性材料はカーボンであってもよい。上記方法において二次電池はリチウムイオン二次電池であってもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、電極活物質を容易に微細化することができる二次電池用電極の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】二次電池の模式的断面図である。
【図2】図2(a)は繊維束の模式的斜視図である。図2(b)は厚み調整工程後の繊維束の模式的斜視図である。
【図3】図3(a)は電解質材料配置工程を説明するための模式的斜視図である。図3(b)は電解質材料配置工程後の繊維束を繊維の軸方向に垂直な方向から見た模式的断面図である。図3(c)は電解質材料配置工程後の繊維束を繊維の軸方向から見た模式的断面図である。
【図4】図4(a)は、焼成工程後の電解質を図3(c)と同じ方向から見た模式的断面図である。図4(b)は、導電化処理工程後の電解質を図4(a)と同じ方向から見た模式的断面図である。
【図5】電極活物質配置工程後の電解質を図4(b)と同じ方向から見た模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
【実施例1】
【0017】
実施例1に係る二次電池用の電極の製造方法について説明する。まず電極が用いられる二次電池5の全体構成について説明し、次いで電極の製造方法について説明する。図1は、二次電池5の模式的断面図である。本実施例においては、二次電池5の一例として、固体リチウム二次電池を用いる。
【0018】
二次電池5は、固体電解質層10、正極合材層11、正極集電箔12、負極合材層13および負極集電箔14を備えている。二次電池5は、正極集電箔12、正極合材層11、固体電解質層10、負極合材層13および負極集電箔14がこの順に積層された構造を有している。正極集電箔12および正極合材層11が正極としての機能を有し、負極合材層13および負極集電箔14が負極としての機能を有している。なお、以下の説明において、正極集電箔12および負極集電箔14を集電箔と総称し、正極合材層11および負極合材層13を合材層と総称する場合がある。
【0019】
正極集電箔12は、特に限定されないが、アルミニウム等の金属箔からなる。正極合材層11は、主として正極活物質、リチウムイオン伝導性固体電解質等を含んでいる。固体電解質層10は、主としてリチウムイオン伝導性固体電解質を含んでいる。負極合材層13は、主として負極活物質、リチウムイオン伝導性固体電解質等を含んでいる。負極集電箔14は、特に限定されないが、銅、ステンレス等の金属箔からなる。
【0020】
正極合材層11に用いる正極活物質は、正極活物質としての機能を有するものであれば特に限定されるものではない。正極活物質として、一般的な固体リチウム二次電池に用いられるものと同様のものを用いることができる。例えば、LiCoO、LiNiO、LiMn、LiMn2−xNi、LiMn2−xCo、LiMn2−x−yNiCo、LiFePO、LiMnPO、LiNiPO、LiM1−x−y等を用いることができる。ここで、一般式LiM1−x−y中の「M」は、Co,Ni,Mn等からなる群から選ばれる少なくとも1種である。「B」は、「M」もしくは「A」である。上記の中で、LiCoOおよびLiNiOが好ましく、LiCoOが特に好ましい。一般的に、LiCoOは正極用の活物質として良好な特性を有し、汎用されているからである。
【0021】
負極合材層13に用いる負極活物質は、負極活物質としての機能を有するものであれば特に限定されるものではない。負極活物質として、一般的な固体リチウム二次電池に用いられるものと同様のものを用いることができる。例えば、金属In、金属Li、Si−Li合金、Sn−Li合金、SnO−Li系材料、黒鉛等を用いることができる。
【0022】
固体電解質層10に用いる固体電解質は、固体電解質としての機能を有するものであれば特に限定されるものではない。固体電解質として、一般的な固体リチウム二次電池に用いられるものと同様のものを用いることができる。例えば、硫化物系固体電解質、チオリシコン、酸化物系固体電解質等を用いることができる。上記の中で、硫化物系固体電解質およびチオリシコンを用いることが好ましく、硫化物系固体電解質材料を用いることが好ましい。硫化物系固体電解質は、高いイオン伝導性を有するため、二次電池5を高出力化することができるからである。正極合材層11および負極合材層13にも、同様の固体電解質が含まれる。なお、集電箔の厚みは特に限定されないが、例えば15μm程度である。合材層の厚みは特に限定されないが、例えば50μm程度である。
【0023】
続いて、本実施例に係る電極の製造方法について図2〜図5を用いながら説明する。まず、中空構造を有する繊維20が束状に集合した繊維束30を準備する。図2(a)は繊維束30の模式的斜視図である。本実施例においては、一例として、繊維束30の繊維20は円筒形状を有している。円筒形状の中心には、円柱形状の中空部21が形成されている。
【0024】
繊維束30の製造方法は、特に限定されるものではない。例えば繊維束30は、複数の繊維20を熱融着等の接着方法によって一体化させることで、製造することができる。
【0025】
また、各繊維20の製造方法も、特に限定されるものではない。例えば繊維20は、電解紡糸法によって製造することができる。具体的には、繊維20は、相溶性のない2種類の液体を用いた電解紡糸法によって製造することができる。この方法によれば、外径(d)が1μm以下(以下、サブミクロンと称する場合がある)の繊維20を容易に製造することができる。あるいは繊維20は、芯材と芯材の外表面を覆う外皮材とを有する2層構造繊維の芯材を有機溶剤等によって選択的に溶解除去することによっても製造することができる。この方法によっても、外径がサブミクロンの繊維20を製造することができる。
【0026】
繊維20の材質は、特に限定されるものではない。繊維20の材質として、例えばセルロース、ポリイミド、ポリアミド等を用いることができる。繊維20の材質がこれらの場合、サブミクロンの繊維20を容易に製造または入手できる。また、後述する焼成工程において繊維束30を容易に除去することができる。
【0027】
続いて、繊維束30の厚みを所定の厚みに調整する厚み調整工程を行う。図2(b)は厚み調整工程後の繊維束30の模式的斜視図である。例えば、図2(a)の繊維束30を繊維20の軸方向に垂直な方向でスライスすることで、繊維束30の厚みを図2(b)のように所定の厚み(h)にする。本実施例においては、繊維束30の厚み(h)を、合材層の厚みである50μm程度にする。
【0028】
続いて、繊維20の中空部21および外表面に、電解質の材料(以下、電解質材料と称する)を配置する電解質材料配置工程を行う。図3(a)は電解質材料配置工程を説明するための模式的斜視図である。電解質材料配置工程は、電解質材料を繊維20の中空部21および外表面に配置できる工程であれば、特に限定されるものではない。本実施例においては、電解質材料配置工程の一例として、繊維束30に電解質材料を含浸させることで繊維20の中空部21および外表面に電解質材料を配置する工程を行う。この場合、例えば塗工によって電解質材料を中空部21および外表面に配置する場合に比較して、容易に繊維20の中空部21および外表面に電解質材料を配置することができる。
【0029】
具体的には電解質材料配置工程において、電解質材料(例えばリチウムイオン伝導性固体電解質等の酸化物系電解質等)がサブミクロンに破砕されたものを含んだ溶液を、圧力を加えながら繊維束30に含浸させる圧力含浸を行う。その結果、繊維20の中空部21および外表面に電解質材料が配置される。
【0030】
図3(b)は電解質材料配置工程後の繊維束30を繊維20の軸方向に垂直な方向から見た模式的断面図である。圧力含浸が行われたことで、電解質材料40が繊維20のかつて中空部21であった部分に配置されている。図3(c)は電解質材料配置工程後の繊維束30を繊維20の軸方向から見た模式的断面図である。圧力含浸が行われたことで、電解質材料40は繊維20の外表面にも配置されている。なお本実施例では、電解質材料40によって隣接する繊維20間の隙間全体が埋められており、電解質材料40の充填密度は濃いものとなっている。このように圧力含浸を行うことで、電解質材料40の充填密度を容易に濃くすることができる。
【0031】
続いて、電解質材料配置工程後の繊維束30を焼成することで、繊維20を除去して多孔質の電解質を製造する焼成工程を行う。図4(a)は、焼成工程後の電解質を図3(c)と同じ方向から見た模式的断面図である。電解質材料配置工程後の繊維20を焼成することで、繊維20は燃焼して消失する。それにより、繊維20は除去される。繊維20が除去されることによって、かつて繊維20であった部分が孔51として残る。また、電解質材料40は焼成されて緻密化して電解質50になる。その結果、複数の孔51を有する電解質50が製造される。なお、電解質50の孔51の内径は繊維20の外径以下となる。より具体的には、電解質50の孔51の内径は繊維20の肉厚(外径と内径との差)に等しい。
【0032】
続いて、電解質50の孔51の表面に導電性材料を配置する導電化処理工程を行う。図4(b)は、導電化処理工程後の電解質を図4(a)と同じ方向から見た模式的断面図である。導電性材料60は、電解質50と後述する電極活物質との導通を確保するために配置されるものであり、導電性を有するものであれば特に限定されるものではない。本実施例においては、導電性材料60の一例としてカーボンを用いる。この場合、導電化処理工程において、アスコルビン酸等のカーボンを成分に含む水溶性材料(すなわち、水溶性炭素源)を電解質50にコーティングして、炭化処理を行う。それにより、電解質50の孔51の表面にカーボンをコーティングすることができる。
【0033】
続いて、電解質50の孔51に電極活物質を配置する電極活物質配置工程を行う。図5は、電極活物質配置工程後の電解質を図4(b)と同じ方向から見た模式的断面図である。本実施例に係る電極活物質配置工程は、一例として電極活物質70を電解質50の孔51に分散状態で配置する。電極活物質70を分散状態で配置するために、本実施例に係る電極活物質配置工程は、一例として電極活物質70を化学反応によって孔51に析出させている。
【0034】
具体的には、電極活物質70が負極活物質の場合、負極活物質として動作可能なSi、Sn等の有機金属材料を超臨界ガス(例えばCO等)中で化学反応させる。それにより、電解質50の孔51の内部に負極活物質としての微粒子が析出する。この際、析出した微粒子は緻密化されず、適度に分散した状態で析出する。このようにして、負極活物質を孔51に分散状態で配置することができる。
【0035】
このように電極活物質70が孔51に分散状態で配置されることで、電極活物質70と導電性材料60と電解質50との接触性を良好にすることができる。
【0036】
なお、孔51の内径が繊維20の外径以下であることから、本工程で析出した微粒子の外径も繊維20の外径以下となっている。以上の工程によって、多孔質の電解質50が有する孔51に電極活物質70が分散状態で配置された電極(合材層)を製造することができる。
【0037】
続いて本実施例に係る中空構造の繊維20を用いた電極の製造方法の効果を、繊維20を用いない電極の製造方法(以下、比較例に係る電極の製造方法と称する)と比較しつつ説明する。比較例に係る電極の製造方法は、スクリーン印刷等の塗工によって多孔質の電解質を製造する工程と、多孔質の電解質に電極活物質を塗工によって配置する工程と、を含んでいる。このように塗工によって多孔質の電解質を製造する場合、電解質の孔径を微細にすることは容易ではない。また、電解質の孔径を微細にしたとしても、この微細な孔に塗工によって電極活物質を配置することは容易ではない。例えば、電解質の孔径がサブミクロンの場合、電極活物質を塗工によって電解質の孔に配置することは極めて困難である。したがって比較例に係る電極の製造方法で電極活物質を微細化することは困難である。また、比較例に係る製造方法では、製造された電極の使用時において電極活物質が膨張収縮するためのスペースを確保することも困難である。
【0038】
これに対して本実施例に係る電極の製造方法によれば、焼成工程において繊維20が除去されることによって、かつて繊維20であった部分が電解質50の複数の孔51となり、この孔51に電極活物質70を配置することができる。そのため、孔51の外径は繊維20の外径以下となり、電極活物質70の外径も繊維20の外径以下となる。したがって、本実施例に係る電極の製造方法によれば、微細な外径を有する繊維20を用いることで電極活物質70を微細化することができることから、電極活物質70を容易に微細化することができる。なお、電極活物質70を容易に微細化できることで、二次電池5の容量も容易に向上させることができる。また、孔51内に電極活物質70が分散状態で配置されていることから、二次電池5の使用時において電極活物質70が膨張収縮するためのスペースも確保されている。
【0039】
なお、繊維20の外径は特に限定されるものではないが、小さい方が電極活物質70の径を小さくできる点で好ましい。例えば繊維20の外径は、10μm以下であることが好ましく、サブミクロンであることがより好ましい。繊維20の外径が10μm以下の場合、10μm以下の径を有する電解質50の孔51に電極活物質70が配置された電極を製造することができる。繊維20の外径がサブミクロンの場合、サブミクロンの径を有する電解質50の孔51に電極活物質70が配置された電極を製造することができる。
【0040】
また、比較例に係る電極の製造方法の場合、製造された電極の性能が使用時間の経過とともに低下するという現象(以下、経時劣化と称する)が生じるおそれがある。この経時劣化のメカニズムは以下のとおりである。まず、二次電池の電極は、二次電池の充放電に伴って、膨張・収縮を繰り返す。電極が膨張・収縮を繰り返した場合、電極活物質が破壊されるおそれがある。電極活物質が破壊された場合、電極活物質はより微細化される。比較例に係る電極の製造方法では、電極活物質の電解質によるホールド性が十分でないため、二次電池の充放電によって電極活物質の微細化が進行した場合、電極活物質が電解質の孔から外れるおそれがある。この場合、電子伝導とLiイオン伝導のパス切れが発生してしまい、電極の性能が低下してしまう。
【0041】
これに対して本実施例に係る電極の製造方法によれば、電極活物質70は、その周囲が導電性材料60を表面に有する電解質50によって囲まれている(図5)。それにより、電極活物質70は電極に強固にホールドされている。したがって、電極活物質70は、仮に充放電時の電極の膨張・収縮によって微細化が進行したとしても、電解質50の孔51から外れ難くなっている。また、仮に電極活物質70の微細化が進行して孔51の内部で移動したとしても、導電性材料60によって電解質50と電極活物質70との導電性は確保されている。このように本実施例に係る製造方法による電極によれば、充放電による電極活物質70の微細化が進行したとしても、電極としての機能を長期に亘って維持することができる。すなわち、本実施例に係る電極の製造方法によれば、電極の経時劣化を抑制することができる。
【0042】
なお、本実施例に係る電極の製造方法が適用される二次電池5は、固体リチウム二次電池に限られない。本実施例に係る電極の製造方法は、固体電解質層10に代えてセパレータを備える液系のリチウム二次電池、キャパシタ等の電極にも適用することができる。
【符号の説明】
【0043】
5 二次電池
10 固体電解質層
11 正極合材層
12 正極集電箔
13 負極合材層
14 負極集電箔
20 繊維
21 中空部
30 繊維束
40 電解質材料
50 電解質
51 孔
60 導電性材料
70 電極活物質

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空構造の繊維を複数備える繊維束の前記繊維の中空部および前記繊維の外表面に電解質材料が配置されたものを焼成することで、前記繊維を除去して多孔質の電解質を製造する焼成工程と、
前記焼成工程後の前記電解質が有する孔の表面に導電性材料を配置する導電化処理工程と、
前記導電化処理工程後の前記電解質の前記孔に電極活物質を配置する電極活物質配置工程と、を含むことを特徴とする二次電池用電極の製造方法。
【請求項2】
前記繊維の外径は10μm以下であることを特徴とする請求項1記載の二次電池用電極の製造方法。
【請求項3】
前記繊維の外径は1μm以下であることを特徴とする請求項2記載の二次電池用電極の製造方法。
【請求項4】
前記電極活物質配置工程は、前記孔に前記電極活物質を分散状態で配置させる工程を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の二次電池用電極の製造方法。
【請求項5】
前記焼成工程の前に、前記繊維束に前記電解質材料を含浸させることで前記繊維の中空部および前記繊維の外表面に前記電解質材料を配置する電解質材料配置工程をさらに含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の二次電池用電極の製造方法。
【請求項6】
前記繊維の材質は、セルロース、ポリイミドまたはポリアミドであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の二次電池用電極の製造方法。
【請求項7】
前記導電性材料はカーボンであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の二次電池用電極の製造方法。
【請求項8】
前記二次電池はリチウムイオン二次電池であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の二次電池用電極の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−114046(P2012−114046A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−264228(P2010−264228)
【出願日】平成22年11月26日(2010.11.26)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】