説明

二次電池

【課題】電極体全体において正極又は負極の層同士の間で電位差が生じてしまう部位を極力減らして、電極体全体として電極反応を均一化させることができる二次電池を提供する。
【解決手段】電極体11の巻回軸方向両端において、両折り曲げ部21,22を形成する正極12の未塗工部12bに接合される金属部材40aの各接触部42を、各折り曲げ部21,22を形成する正極12の層を少なくとも二つ以上跨ぐように接触させることにより、各折り曲げ部21,22を形成する正極12の層同士が各接触部42を介して電気的に接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、正極と負極との間を絶縁してこれらを巻回、又は積層してなる電極体を備えた二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、帯状の正極と帯状の負極との間に帯状のセパレータを介在させて、これらを渦巻き状に巻回して構成される電極体を備えた二次電池が知られている。正極及び負極には、活物質が塗布されている塗工部と、活物質が塗られていない未塗工部とが形成されている。正極及び負極は、セパレータを介して幅方向にずらして積層されるとともに、正極及び負極の未塗工部を、セパレータの両端縁からそれぞれ外側へ突出させた状態で渦巻き状に巻回される。そして、正極、負極及びセパレータが渦巻き状に巻回された後、正極、負極及びセパレータを径方向両側から圧縮することにより扁平状の電極体が形成される。電極体は、長径方向両端に位置する弧状に湾曲するように折り曲げられた両折り曲げ部と、長径方向に延びて両折り曲げ部同士を繋ぐ連結部とから形成されている。連結部を形成する正極及び負極の未塗工部の一部には集電端子が接合されている。そして、各集電端子が接合された電極体を、内部に電解液が注入されたケースに収容することで二次電池が構成されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−261441号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような二次電池の電極体において、連結部の一部には集電端子が接合されているため、連結部を形成する正極又は負極の層同士の間では電位差が生じ難くなっており、連結部での電極反応は均一に行われるようになっている。しかしながら、各折り曲げ部を形成する正極又は負極の層同士の間は離れているため、折り曲げ部を形成する正極又は負極の層同士の間で電位差が生じてしまうため、折り曲げ部での電極反応が不均一になってしまい、電極体全体として発生される電力の出力密度が低下してしまう。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、電極体全体において正極又は負極の層同士の間で電位差が生じてしまう部位を極力減らして、電極体全体として電極反応を均一化させることができる二次電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、正極と負極との間を絶縁してこれらを巻回、又は積層してなる電極体を備え、前記正極及び前記負極それぞれに集電端子が設けられた二次電池であって、前記電極体には、前記電極体を形成する前記正極及び前記負極が折り曲げられる折り曲げ部が少なくとも一つ形成されており、前記折り曲げ部には、前記正極又は前記負極の層を少なくとも二つ以上跨ぐように接触する接触部を少なくとも一つ有する金属部材が設けられていることを要旨とする。
【0007】
この発明によれば、金属部材の接触部が、折り曲げ部を形成する正極又は負極の層を少なくとも二つ以上跨ぐように接触しているため、折り曲げ部を形成する正極又は負極の層同士を接触部を介して電気的に接続することができる。よって、折り曲げ部に金属部材を設けない場合に比べると、折り曲げ部を形成する正極又は負極の層同士の間で電位差が生じてしまうことを抑制することができ、折り曲げ部での電極反応を均一にすることができる。その結果として、電極体全体において正極又は負極の層同士の間で電位差が生じてしまう部位を極力減らすことができ、電極体全体として電極反応を均一化させることができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記接触部は複数設けられていることを要旨とする。
この発明によれば、接触部が単数の場合に比べると、折り曲げ部を形成する正極又は負極の層を跨ぐように接触する部位を増やすことができる。よって、折り曲げ部を形成する正極又は負極の層同士を、各接触部を介して電気的に接続することができ、折り曲げ部を形成する正極又は負極の層の間で電位差が生じてしまうことをさらに防止し易くすることができる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記接触部は放射状に配置されていることを要旨とする。
この発明によれば、各接触部が放射状に配置されているため、折り曲げ部を形成する正極又は負極の各層と各接触部とを交差させ易くすることができ、折り曲げ部を形成する正極又は負極の各層と各接触部とを接触させ易くすることができる。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載の発明において、前記金属部材には、その厚み方向を貫通する空隙が形成されるとともに、各接触部は、前記空隙を挟んだ両側に複数配置されていることを要旨とする。
【0011】
例えば、金属部材と折り曲げ部を形成する正極又は負極の層とをインダイレクト溶接することで接合することが考えられる。この場合、インダイレクト溶接をする際に用いられる一方の溶接継手部を、空隙を挟んだ一方側に位置する一方の接触部と重合する金属部材の部位に当接させるとともに、他方の溶接継手部を、空隙を挟んだ他方側に位置する他方の接触部と重合する金属部材の部位に当接させ、各溶接継手部間に電流を流す。このとき、金属部材に空隙が形成されているため、一方の溶接継手部から流れた電流が金属部材を介して他方の溶接継手部に向けて流れ難くすることができ、一方の溶接継手部から流れた電流を、金属部材、一方の接触部、正極又は負極、他方の接触部、金属部材及び他方の溶接継手部の順に流すことができる。その結果、インダイレクト溶接により金属部材と折り曲げ部を形成する正極又は負極の層とを接合することが可能となる。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、電極体全体において正極又は負極の層同士の間で電位差が生じてしまう部位を極力減らして、電極体全体として電極反応を均一化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態における二次電池の縦断面図。
【図2】電極体の一部を展開して示す斜視図。
【図3】金属部材の平面図。
【図4】図3におけるA−A線断面図。
【図5】金属部材を電極体に取り付けた状態を模式的に示す斜視図。
【図6】接触部と電極体との関係を模式的に示す図。
【図7】集電端子及び電極体の一部を示す斜視図。
【図8】別の実施形態における金属部材を示す平面図。
【図9】図8におけるB−B線断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図7にしたがって説明する。
図1に示すように、二次電池10は、電極体11と、電極体11を収容するケースCと、ケースCの蓋Fとから構成されている。ケースCは一面が開口する有底矩形箱状をなすとともに、内部に電解液が注入されている。蓋Fには、正極端子F1及び負極端子F2が取り付けられている。
【0015】
図2に示すように、電極体11は、帯状の正極12と帯状の負極13との間に帯状のセパレータ14を介在させて、これらを巻回軸L周りに渦巻き状に巻回して構成されている。正極12はアルミニウムから形成されるとともに、負極13は銅から形成されている。正極12及び負極13には、活物質が塗布されている塗工部12a,13aと、活物質が塗布されていない未塗工部12b,13bとが形成されている。
【0016】
正極12及び負極13は、セパレータ14を介して幅方向にずらして積層されるとともに、正極12及び負極13の未塗工部12b,13bを、セパレータ14の両端縁14a,14bからそれぞれ外側へ突出させた状態で巻回軸L周りに渦巻き状に巻回される。そして、正極12、負極13及びセパレータ14が渦巻き状に巻回された後、正極12、負極13及びセパレータ14を径方向両側から圧縮することにより扁平状の電極体11が形成される。電極体11は、長径方向(図2に示す矢印Y1の方向)両端に位置する弧状に湾曲するように折り曲げられる両折り曲げ部21,22と、長径方向に延びて両折り曲げ部21,22同士を繋ぐ連結部23とから形成されている。ここで、折り曲げ部21,22は、電極体11において、他の部分よりも曲率が大きくなっている部分をいう。
【0017】
図1に示すように、電極体11の巻回軸L方向両端において、両折り曲げ部21,22を形成する正極12の未塗工部12bには金属部材40aが接合されている。また、両折り曲げ部21,22を形成する負極13の未塗工部13bには金属部材40bが接合されている。正極12の未塗工部12bに接合される金属部材40aはアルミニウムから形成されるとともに、負極13の未塗工部13bに接合される金属部材40bは銅から形成されている。
【0018】
以下、正極12の未塗工部12bに接合される金属部材40aについて詳しく説明する。なお、負極13の未塗工部13bに接合される金属部材40bは、正極12の未塗工部12bに接合される金属部材40aと同じ構成であるため、その詳細な説明を省略する。
【0019】
図3に示すように、各金属部材40aは、円板状をなす金属板41と、金属板41における正極12の未塗工部12b側の裏面41aに各金属板41の中心から放射状に配置された複数(本実施形態では12個)の接触部42とから構成されている。図4に示すように、各接触部42は、金属板41の裏面41aから離れるほど先細りするとともにその先端42aが尖っている。
【0020】
図3に示すように、金属板41にはその厚み方向を貫通する空隙としてのスリット43が二つ形成されている。各スリット43は、金属板41の中心を通過する直線L1上に並んで径方向に沿って延びるように形成されている。そして、各接触部42は、各スリット43を挟んだ両側に複数個ずつ(本実施形態では6個ずつ)配置されている。
【0021】
図5に示すように、金属部材40aは、各折り曲げ部21,22を形成する正極12の未塗工部12bの端縁121bと、接触部42の先端42aとが接触する部位をインダイレクト溶接することで接合されている。具体的には、例えば、各接触部42のうち、スリット43を挟んだ両側の接触部421,422と重合する金属板41の部位に、溶接継手部T1,T2を当接させるとともに、溶接継手部T1,T2間において電流を流す。
【0022】
このとき、金属板41にはスリット43が形成されているため、溶接継手部T1から流れた電流が金属板41を介して溶接継手部T2に向けて流れ難くなっている。よって、溶接継手部T1から流れた電流は、金属板41、接触部421、正極12の未塗工部12b、接触部422、金属板41及び溶接継手部T2の順に流れる。すると、未塗工部12bの端縁121bと接触部42の先端42aとが接触する部位に抵抗熱が発生する。そして、この抵抗熱によって、未塗工部12bの端縁121bにおける接触部42の先端42aとの接触部位と、接触部42の先端42aにおける未塗工部12bの端縁121bとの接触部位とが加熱されて溶融する。さらに、未塗工部12bの端縁121bの溶融した部位、及び接触部42の先端42aの溶融した部位がそれぞれ冷却されることで、未塗工部12bの端縁121bと接触部42の先端42aとが互いに接合されるようになっている。
【0023】
図6に示すように、正極12の層のうち、最も内側の層よりも内側の領域に重合するように配置されている二つの接触部42を除く全ての接触部42の先端42aは、各折り曲げ部21,22を形成する正極12の層を少なくとも二つ以上跨ぐように接触している。そして、各折り曲げ部21,22を形成する正極12の層は、各接触部42の少なくとも一つに接触している。なお、図6では、説明の便宜上、各接触部42は、その先端42aのみを破線で図示している。
【0024】
図1に示すように、電極体11の巻回軸L方向両端において、連結部23を形成する正極12の未塗工部12bには集電端子31が接合されている。図7に示すように、集電端子31は金属板を屈曲することで形成されている。集電端子31は、その一端に形成されるとともに正極12の未塗工部12bに接続される接続部32と、他端に形成されるとともに正極端子F1に接続される端子接続部33と、接続部32と端子接続部33とを繋ぐ連繋部34とから構成されている。
【0025】
接続部32及び連繋部34は、電極体11の長径方向に沿って延びるとともに、接続部32と連繋部34との間には電極体11の巻回軸L方向に沿って延びる段差部35が形成されている。接続部32の両側縁には一対の接続代32aが電極体11の巻回軸L方向に沿って立設されている。端子接続部33は、連繋部34に連なるとともに電極体11の巻回軸L方向に沿って延びている。
【0026】
接続部32は、連結部23を形成する正極12の層の最も内側の層よりも内側に埋没されるとともに、接続代32aの外面と正極12の未塗工部12bの内周面とが対向するように配置される。そして、電極体11を、圧縮方向の両側から加圧し、接続代32aの外面と正極12の未塗工部12bの内周面とを密着させた状態で、超音波溶接により接合する。これにより、連結部23を形成する正極12の各層に亘って集電端子31が接続される。
【0027】
図1に示すように、連繋部34は、正極12の端部よりも巻回軸L方向外側に位置するとともに、金属部材40aよりも巻回軸L方向外側を通過しながら折り曲げ部21よりも長径方向外側まで延びている。端子接続部33は正極端子F1に接続される。なお、負極13側の説明は、前述の説明中の正極12側の説明と同じであるため、その詳細な説明を省略する。このため、負極13側の説明は、前述の説明中における「正極12」を「負極13」に、「未塗工部12b」を「未塗工部13b」に、「端縁121b」を「端縁131b」に、「金属部材40a」を「金属部材40b」に、「正極端子F1」を「負極端子F2」に夫々読み替えることで説明される。
【0028】
そして、各集電端子31を介して正極12又は負極13と正極端子F1又は負極端子F2とが接続された電極体11をケースCに収容し、蓋FによりケースCの開口を塞いで密閉することで二次電池10が構成される。
【0029】
次に、本実施形態の作用について説明する。
金属部材40aの各接触部42は、各折り曲げ部21,22を形成する正極12の層を少なくとも二つ以上跨ぐように接触しているため、各折り曲げ部21,22を形成する正極12の層同士が各接触部42を介して電気的に接続されている。よって、折り曲げ部21,22を形成する正極12の各層を流れる電流が、各接触部42を介して各折り曲げ部21,22を形成する正極12の各層の間を均一に流れるようになっている。さらに、連結部23を形成する正極12の各層に亘って集電端子31が接続されている。よって、連結部23を形成する正極12の各層を流れる電流が、集電端子31を介して連結部23を形成する正極12の各層の間を均一に流れるようになっている。よって、電極体11全体として、正極12の層同士の間で電位差が生じてしまう部位が極力無くなっている。なお、負極13側についても上記作用と同様な作用を得ることができるため、その詳細な説明を省略する。
【0030】
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)金属部材40a,40bの各接触部42を、各折り曲げ部21,22を形成する正極12又は負極13の層を少なくとも二つ以上跨ぐように接触させた。よって、各折り曲げ部21,22を形成する正極12又は負極13の層同士の間で電位差が生じてしまうことを防止することができ、各折り曲げ部での電極反応を均一にすることができる。その結果として、金属部材40a,40bを各折り曲げ部21,22に設けない場合に比べると、電極体11全体において正極12又は負極13の層同士の間で電位差が生じてしまう部位を極力減らすことができ、電極体11全体として電極反応を均一化させることができる。
【0031】
(2)接触部42を複数設けた。よって、接触部42が単数の場合に比べると、各折り曲げ部21,22を形成する正極12又は負極13の層を跨ぐように接触する部位を増やすことができ、各折り曲げ部21,22を形成する正極12又は負極13の層同士の間で電位差が生じてしまうことをさらに防止し易くすることができる。
【0032】
(3)各接触部42を放射状に配置した。よって、各折り曲げ部21,22を形成する正極12又は負極13の各層と各接触部42とを交差させ易くすることができ、各折り曲げ部21,22を形成する正極12又は負極13の各層と各接触部42とを接触させ易くすることができる。
【0033】
(4)金属部材40a,40bの金属板41に、その厚み方向を貫通するスリット43を形成し、各接触部42を、スリット43を挟んだ両側に複数配置した。よって、インダイレクト溶接をする際に、溶接継手部T1から流れた電流が金属板41を介して溶接継手部T2に向けて流れ難くすることができる。したがって、溶接継手部T1から流れた電流を、金属板41、接触部421、正極12又は負極13の未塗工部12b,13b、接触部422、金属板41及び溶接継手部T2の順に流すことができる。その結果として、インダイレクト溶接により金属部材40a,40bと折り曲げ部21,22を形成する正極12又は負極13の層とを接合することが可能となる。
【0034】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 実施形態において、金属部材40a,40bの構成を変更してもよい。例えば、図8に示すように、金属部材60は、平板状の金属板61と、金属板61における正極12又は負極13の未塗工部12b,13b側の裏面61aに直線状に延びるように形成された複数(本実施形態では8個)の接触部62とから構成されている。各接触部62はそれぞれ平行に延びている。図9に示すように、各接触部62は、金属板61の裏面61aから離れるほど先細りするとともにその先端62aが尖っている。図8に示すように、金属板61にはその厚み方向を貫通する空隙としてのスリット63が二つ形成されている。そして、各接触部62は、各スリット63を挟んだ両側に複数個ずつ(本実施形態では4個ずつ)配置されている。
【0035】
○ 実施形態では、金属板41に空隙としてスリット43を形成したが、これに限らず、例えば、金属板41の厚み方向を貫通するとともに金属板41の中心を通過する直線L1上に並んで配置される複数の孔を空隙として形成してもよい。
【0036】
○ 実施形態において、例えば、金属板41にスリット43を形成せずに、金属板41の中心を通過する直線L1上に延びるように絶縁部材を埋設してもよい。この場合においても、インダイレクト溶接をする際に、絶縁部材によって、溶接継手部T1から流れた電流が金属板41を介して溶接継手部T2に向けて流れ難くすることができる。
【0037】
○ 実施形態において、例えば、未塗工部12b,13bの端縁121b,131bと接触部42の先端42aとを半田により接合してもよいし、導電性接着剤により接合してもよい。
【0038】
○ 実施形態において、接触部42の数は特に限定されるものではない。
○ 実施形態において、金属部材40a,40bを、例えば、一方の折り曲げ部21のみに設けてもよい。
【0039】
○ 実施形態では、帯状の正極12及び負極13の間に帯状のセパレータ14を介在させて、これらを巻回軸L周りに渦巻き状に巻回して構成された電極体11を用いたが、これに限らず、例えば、帯状の正極及び負極の間に帯状のセパレータを介在させて、これらを積層して構成された電極体を用いてもよい。そして、この積層して構成された電極体を折り曲げて折り曲げ部を形成し、この折り曲げ部に金属部材を配置してもよい。
【0040】
○ 実施形態では、電極体11を、長径方向を有する扁平状(楕円形状)に形成したが、これに限らず、例えば、円形状に形成してもよい。この場合、電極体の円周部分の曲率はほぼ一定となるため、折り曲げ部をいずれの部分としてもよい。好ましくは、円形状の電極体の中心を結ぶ円の中心線を挟んだ両側に、二つの折り曲げ部が対向配置されるようにするとよい。
【0041】
○ 実施形態において、電極体11を長方形状や正方形状に形成してもよい。この場合、長方形状や正方形状の一辺側に一方の折り曲げ部を形成するとともに、一辺と対向する辺側に他方の折り曲げ部を形成するとよい。
【符号の説明】
【0042】
10…二次電池、11…電極体、12…正極、13…負極、21,22…折り曲げ部、31…集電端子、40a,40b,60…金属部材、42,421,422,62…接触部、43,63…空隙としてのスリット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極と負極との間を絶縁してこれらを巻回、又は積層してなる電極体を備え、前記正極及び前記負極それぞれに集電端子が設けられた二次電池であって、
前記電極体には、前記電極体を形成する前記正極及び前記負極が折り曲げられる折り曲げ部が少なくとも一つ形成されており、
前記折り曲げ部には、前記正極又は前記負極の層を少なくとも二つ以上跨ぐように接触する接触部を少なくとも一つ有する金属部材が設けられていることを特徴とする二次電池。
【請求項2】
前記接触部は複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
前記接触部は放射状に配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の二次電池。
【請求項4】
前記金属部材には、その厚み方向を貫通する空隙が形成されるとともに、各接触部は、前記空隙を挟んだ両側に複数配置されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の二次電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−73755(P2013−73755A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−211190(P2011−211190)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【Fターム(参考)】