説明

二次電池

【課題】安全性を向上させることが可能な二次電池を提供する
【解決手段】第1電極と第2電極を含む電極組立体と、第1電極端子と、第1電極端子と第1電極の第1電極無地部とを電気的に連結する第1集電部材と、を含み、第1集電部材は、第1端子接合部と、第1端子接合部から下側に第1電極無地部に向かって延長する側板と、側板から延長して第1電極無地部と接触するように形成された第1集電片と、側板と第1集電片との間に形成されたヒューズと、を含む、二次電池が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は二次電池に関し、より詳細には、集電部材の構造を改善した二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池(rechargeable battery)は、充電が実用的ではない一次電池とは異なり、充電および放電が可能な電池である。
【0003】
最近、高エネルギー密度の非水電解液を利用した高出力の二次電池が開発されている。大容量電池モジュールは、複数の二次電池を直列に連結して構成される。このような二次電池は、円筒型や角型などで構成される。このような大容量電池モジュールは、大電力を必要とする機器、例えば電気自動車などのモータ駆動に用いることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
金属などの材質で形成されるケースを有する二次電池内部に過電流が流れれば、二次電池の温度が上昇して発火する危険がある。さらに、過電流によって二次電池内部で電解液の分解が起こるなどの原因によって二次電池の内部圧力が上昇すれば、二次電池が爆発する危険がある。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、安全性を向上させることが可能な、新規かつ改良された二次電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明のある観点によれば、第1電極と第2電極を含む電極組立体と、第1電極端子と、上記第1電極端子と上記第1電極の第1電極無地部とを電気的に連結する第1集電部材と、を含み、上記第1集電部材は、第1端子接合部と、上記第1端子接合部から下側に上記第1電極無地部に向かって延長する側板と、上記側板から延長して上記第1電極無地部と接触するように形成された第1集電片と、上記側板と上記第1集電片との間に形成されたヒューズと、を含む、二次電池が提供される。
【0007】
また、上記第1端子接合部、上記側板、上記第1集電片、および上記ヒューズは、同じ材質で形成されてもよい。
【0008】
また、上記ヒューズは、上記側板と上記第1集電片の隣接した部分よりもさらに小さい断面積を有するように形成されてもよい。
【0009】
また、上記第1端子接合部、上記側板、上記第1集電片、および上記ヒューズは互いに一体に形成されてもよい。
【0010】
また、少なくとも2つの上記第1集電片が上記側板から側方に延長してもよい。
【0011】
また、複数の電極組立体と、複数の電極組立体に対応する複数の第1集電片と、をさらに含み、上記ヒューズは、上記複数の第1集電片のうちの2つの第1集電片と上記側板との間に、第1ヒューズ部と第2ヒューズ部とをそれぞれ含んでいてもよい。
【0012】
また、上記第1ヒューズ部と上記第2ヒューズ部とは、上記2つの第1集電片と上記側板の間で側方に延長してもよい。
【0013】
また、上記側板から垂直に延長する第3ヒューズ部をさらに含み、上記第3ヒューズ部は、上記側板と上記2つの第1集電片以外の第1集電片との間に形成されてもよい。
【0014】
また、上記第3ヒューズ部は、上記2つの第1集電片以外の第1集電片の間で側方に延長した連結部と接触してもよい。
【0015】
また、上記2つの第1集電片を隣接した第1集電片それぞれに連結する連結部をさらに含んでいてもよい。
【0016】
また、上記側板から垂直に延長した連結部と、上記連結部から側方に延長し、上記連結部と第3の第1集電片との間に形成された第3ヒューズ部と、をさらに含んでいてもよい。
【0017】
また、上記連結部から側方に延長し、上記第3ヒューズ部の反対側に位置し、上記連結部と第4の第1集電片との間に形成された第4ヒューズ部をさらに含んでいてもよい。
【0018】
また、上記複数の第1集電片は2つの集電片であってもよい。
【0019】
また、上記ヒューズは、それぞれの集電片と上記側板との間に形成された電気的経路上に位置するヒューズ部を含んでいてもよい。
【0020】
また、上記第1電極端子に連結される短絡部材をさらに含んでいてもよい。
【0021】
また、上記第1集電片は、上記第1電極無地部に溶接されてもよい。
【0022】
また、電気的絶縁性物質で形成され、少なくとも部分的に上記ヒューズを囲む遮断部材をさらに含んでいてもよい。
【0023】
また、上記遮断部材は、上記第1電極無地部の反対側に位置する上記ヒューズの一側に位置するベース部と、上記第1端子接合部と上記第1集電片との間に位置する突起と、を含んでいてもよい。
【0024】
また、第2電極端子と、上記第2電極端子と上記第2電極の第2電極無地部とを電気的に連結する第2集電部材と、上記電極組立体の側面に位置し、上記第2電極に電気的に連結する安全部材と、をさらに含んでいてもよい。
【0025】
また、上記それぞれの安全部材は、導電板と、上記導電板と上記電極組立体とを分離する絶縁部と、上記導電板と上記第2電極とを電気的に連結し、上記第2電極に溶接された電極連結部と、を含んでいてもよい。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、安全性を向上させることができる。
【0027】
より具体的には、本発明の一実施形態によれば、過電流が流れるとき、電極アセンブリ(電極組立体)が電気的に遮断されるため、二次電池の安全性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1実施形態に係る二次電池を示す斜視図である。
【図2】図1でII−II線に沿って切断した断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る二次電池の部分分解斜視図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る二次電池を示す断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る二次電池の集電部材を示す斜視図である。
【図6】本発明の第3実施形態に係る二次電池の集電部材を示す斜視図である。
【図7】本発明の第4実施形態に係る二次電池の集電部材を示す斜視図である。
【図8】本発明の第5実施形態に係る二次電池を示す断面図である。
【図9】本発明の第6実施形態に係る二次電池の一部を示す分解斜視図である。
【図10】本発明の第6実施形態に係る二次電池を示す概略的な構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0030】
図1は、本発明の第1実施形態に係る二次電池を示す斜視図である。また、図2は、図1でII−II線に沿って切断した断面図である。
【0031】
図1および図2を参照しながら説明すると、本発明の第1実施形態に係る二次電池101は、正極11と負極12との間にセパレータ13を介在して巻き取られた電極アセンブリ10と、電極アセンブリ10が内蔵されるケース30と、ケース30の開口に結合したキャップアセンブリ20とを含む。
【0032】
以下では、本発明の第1実施形態に係る二次電池101として、角型のリチウムイオン二次電池を例示して説明する。ただし、本発明の実施形態は、これに制限されることはなく、本発明は、例えば、リチウムポリマー電池や円筒型電池など、多様な形態の電池に適用されてもよい。
【0033】
正極11および負極12は、例えば、薄板の金属箔で形成された集電体に活物質が塗布された領域のコーティング部と、活物質がコーティングされていない領域の無地部11a、12aとを含む。
【0034】
正極無地部11aは、正極11の長さ方向に沿って正極11の一側端に形成され、負極無地部12aは、負極12の長さ方向に沿って負極12の他側端に形成される。また、正極11および負極12は、絶縁体のセパレータ13を間に介在した後に巻き取られる。
【0035】
なお、本発明の実施形態は、これに制限されることはなく、電極アセンブリ10は、例えば、複数のシート(sheet)からなる正極と負極とがセパレータを間において積層された構造であってもよい。
【0036】
ケース30は、例えば、大略直六面体で形成され、一面には開放した開口が形成される。キャップアセンブリ20は、ケース30の開口を覆うキャッププレート25、キャッププレート25の外側に突出して正極11と電気的に連結した正極端子21、キャッププレート25の外側に突出して負極12と電気的に連結された負極端子22、および設定された内部圧力によって破断するようにノッチが形成されたベント部材27を含む。
【0037】
キャッププレート25は、例えば、薄い板で形成され、一側に電解液の注入のための電解液注入口が形成され、電解液注入口を密封する密封キャップ23がキャッププレート25に固定設置される。
【0038】
正極端子21は、キャッププレート25を貫通して設置される。また、キャッププレート25と正極端子21との間には、上部に位置する第1ガスケット24と下部に位置する第2ガスケット26とが設けられ、キャッププレート25と正極端子21とを絶縁させる。
【0039】
正極端子21は、例えば、円柱形状で形成される。また、正極端子21には、正極端子21を上部で支持するナット29が設置され、正極端子21の外周にはナット29が締結するようにねじ山が形成される。
【0040】
一方、正極端子21は、集電部材51を媒介として正極無地部11aと電気的に連結し、正極端子21の下端には、正極端子21および集電部材51を支持する端子フランジが形成される。
【0041】
負極端子22は、キャッププレート25を貫通して設置される。また、キャッププレート25と負極端子22との間には、上部に位置する第1ガスケット24と下部に位置する第2ガスケット26とが設けられ、キャッププレート25と負極端子22とを絶縁させる。
【0042】
負極端子22は、例えば、円柱形状で形成される。また、負極端子22には負極端子22を上部で支持するナット29が設置され、負極端子22の外周にはナット29が締結するようにねじ山が形成される。
【0043】
一方、負極端子22は、集電部材52を媒介として負極無地部12aと電気的に連結し、負極端子22の下端には、負極端子22および集電部材52を支持する端子フランジが形成される。
【0044】
図3は、本発明の第1実施形態に係る二次電池の一部を示す分解斜視図である。
【0045】
集電部材51は、正極端子21に固定する端子接合部512、端子接合部512から折り曲げられて形成された側板514、正極無地部11aに固定された集電片515、および側板514と集電片515との間に形成され、周辺よりもさらに小さい断面積を有するヒューズ部517を含む。
【0046】
ここで、端子接合部512、側板514、集電片515、およびヒューズ部517は、例えば、同じ材質で形成される。また、端子接合部512、側板514、集電片515、およびヒューズ部517は、例えば、一体に形成されてもよい。なお、端子接合部512、側板514、集電片515、およびヒューズ部517の構成は、上記に限られない。例えば、本発明の実施形態では、端子接合部512、側板514、集電片515、およびヒューズ部517のうちの1または2以上が、異なる材質で形成されていてもよく、また、一体に形成されていなくてもよい。
【0047】
負極端子22に設置された集電部材52は、ヒューズ部517、518を除いては集電部材51と同じ構造であるため、これについての重複する説明は省略する。
【0048】
端子接合部512は、例えば、四角板形状で形成され、中央に正極端子21が挿入するホール512aが形成される。また、端子接合部512は、正極端子21の下部に溶接によって接合される。側板514は、端子接合部512からケース30の底に向かって直角に折り曲げられて形成され、ケース30の側面と平行に配置される。
【0049】
側板514の両側端には2つの集電片513が連結設置される。また、集電片513は、例えば、細長い四角板形状で形成され、正極無地部に溶接によって接合される。
【0050】
集電片513と側板514との間には、他の部分よりもさらに小さい断面積を有するヒューズ部517が形成される。本実施形態に係るヒューズ部517は、周辺よりも小さい幅を有するように形成される。これによって集電部材51を介して過電流が流れるときにヒューズ部517が溶融し、集電片513と側板514との電気的な連結を遮断することができる。なお、本発明の実施形態は、これに制限されることはなく、例えば、周辺よりもさらに小さい断面積を有するようにヒューズを実現する方式が適用されてもよく、ヒューズ部517は周辺よりも小さい厚さを有するように形成されてもよい。
【0051】
側板514の下部には連結部516が設置され、連結部516と側板514との間には他の部分よりもさらに小さい断面積を有するヒューズ部518が形成される。連結部516の両側端には、正極無地部11aに溶接によって接合される集電片515が形成される。
【0052】
ヒューズ部518が周辺よりも小さい幅を有するように形成され、これによって集電部材51を介して過電流が流れるときにヒューズ部518が溶融し、側板514と連結部516の電気的な連結を遮断することができる。
【0053】
このように、本実施形態によれば、側板514に複数のヒューズ部517が連結形成され、過電流が流れるときに各集電片513との電気的な連結を遮断することができる。また、側板514と連結部516の間にヒューズ部518が形成されるため、側板514と連結部516の間の電気的な連結を遮断することができる。
【0054】
ケース30内に複数の電極アセンブリ10が挿入設置され、これらが並列に連結されている場合、それぞれの電極アセンブリ10が遮断されなければ、高容量の電流が電極アセンブリ10の間で流れ続けて危険な状態が放置される。これにより、電流の流れによってケース30内部の圧力が増加し続け、爆発したり発火したりする危険がある。
【0055】
しかし、本実施形態のように、側板514に連結した集電片513、515がそれぞれ遮断されれば、電極アセンブリ10に貯蔵された電流の容量が分散するため、安全性が向上する。
【0056】
図4は、本発明の第2実施形態に係る二次電池を示す断面図である。図5は、本発明の第2実施形態に係る二次電池の集電部材を示す斜視図である。
【0057】
本発明の第2実施形態に係る二次電池102は、集電部材61の構造を除いては第1実施形態に係る二次電池と同じ構造であるため、同一する構造についての重複する説明は省略する。
【0058】
図4および図5を参照して説明すると、本実施形態に係る二次電池102は、電極アセンブリ10、正極端子21、負極端子22、正極端子21と電極アセンブリ10を電気的に連結する集電部材61、および負極端子22と電極アセンブリ10を電気的に連結する集電部材62を含む。
【0059】
集電部材61は、正極端子21に固定する端子接合部612、端子接合部612から折り曲げられて形成された側板614、側板614の下部に連結した2つの連結部616、および連結部616の両側端に連結形成され、正極無地部11aに付着した集電片615を含む。側板614と連結部616の間には、周辺よりもさらに小さい断面積を有するヒューズ部617が形成される。
【0060】
負極端子22に設置された集電部材62は、ヒューズ部617を除いては集電部材61と同じ構造であるため、これについての重複する説明は省略する。
【0061】
端子接合部612は、例えば、四角板形状で形成され、中央に正極端子21が挿入するホール612aが形成される。また、端子接合部612は、正極端子21の下部に溶接によって接合される。側板614は、例えば、端子接合部612からケース30の底に向かって直角に折り曲げられて形成され、ケース30の側面と平行に配置される。
【0062】
側板614の下端には、2つの連結部616が離隔して連結設置される。また、連結部616と側板614との間には、他の部分よりもさらに小さい断面積を有するヒューズ部617が形成される。連結部616の両側端には、正極無地部11aに溶接によって接合される集電片615が形成される。
【0063】
本実施形態に係るヒューズ部617は、周辺よりも小さい幅を有するように形成される。これによって集電部材61を介して過電流が流れるときにヒューズ部617が溶融し、連結部616と側板614の電気的な連結を遮断することができる。なお、本発明の実施形態は、これに制限されることはなく、例えば、ヒューズ部617は、周辺よりも小さい厚さを有するように形成されてもよい。
【0064】
ケース30内に複数の電極アセンブリ10が挿入設置され、これが並列に連結されている場合、それぞれの電極アセンブリ10が遮断されなければ、高容量の電流が電極アセンブリ10の間で流れて続けて危険な状態が放置される。これにより、電流の流れによってケース30内部の圧力が増加し続け、爆発したり発火したりする危険がある。
【0065】
しかしながら、本実施形態のように、側板614に連結した連結部616がそれぞれ遮断されれば、電極アセンブリ10に貯蔵された電流の容量が分散するため、安全性が向上する。
【0066】
一方、ヒューズ部617には遮断部材67が挿入設置される。遮断部材67は、例えば、電気的な絶縁性を有するポリマーなどの素材で形成される。遮断部材67は、ベース部671、およびベース部671の両側端から突出した突起672を含み、突起672の先端には内側に突出した係止部673が形成される。突起はヒューズ部617に形成された溝に挿入し、係止部673はヒューズ部617と接触して遮断部材67を支持する。
【0067】
ベース部671はケース30と集電部材61との間に位置し、集電部材61とケース30とを絶縁する。突起672は、ヒューズ部617が溶融したとき、溶融した部分が離隔するように支持する。これにより、ヒューズ部617が溶融した後、離隔した部分が再び接触することを防ぐことができる。
【0068】
ヒューズ部617が溶融した後、離隔した部分が接近するようになれば、離隔した部分でスパークなどが発生し、二次電池102が発火する危険がある。しかし、本発明の実施形態によれば、遮断部材67が設置されるため、ヒューズ部617の離隔した部分が安定的に間隔を維持することができる。
【0069】
図6は、本発明の第3実施形態に係る二次電池の集電部材を示す斜視図である。
【0070】
図6を参照しながら説明すると、本発明の第3実施形態に係る二次電池は、集電部材の構造を除いては第1実施形態に係る二次電池と同じ構造であるため、同じ構造についての重複する説明は省略する。
【0071】
本発明の第3実施形態に係る二次電池の集電部材64は、正極端子21に固定する端子接合部642、端子接合部642から折り曲げられて形成された側板644、側板644の両側端に連結形成された2つの連結部646、および連結部646の下部に形成され、正極無地部11aに付着した集電片643を含む。側板644と連結部646の間には、周辺よりもさらに小さい断面積を有するヒューズ部647が形成される。
【0072】
端子接合部642は、例えば、四角板形状で形成され、中央に正極端子21が挿入するホール642aが形成される。また、端子接合部642は、正極端子21の下部に溶接によって接合される。側板644は、端子接合部642からケース30の底に向かって直角に折り曲げられて形成され、ケース30の側面と平行に配置される。
【0073】
側板644の両側端には連結部646が連結設置されるが、連結部646の下部には正極無地部11aに付着した集電片643が形成される。また、連結部646の側端には分枝部(branch part)648が突出形成され、分枝部648には集電片645が連結形成される。
【0074】
連結部646と側板644との間には、他の部分よりもさらに小さい断面積を有するヒューズ部647が形成される。本実施形態に係るヒューズ部647は、周辺よりも小さい幅を有するように形成される。これによって集電部材64を介して過電流が流れるときにヒューズ部647が溶融し、連結部646と側板644の電気的な連結を遮断することができる。なお、本発明の実施形態は、これに制限されることはなく、例えば、ヒューズ部647は周辺よりも小さい厚さを有するように形成されてもよい。
【0075】
ケース30内に複数の電極アセンブリ10が挿入設置され、これが並列に連結されている場合、それぞれの電極アセンブリ10が遮断されなければ、高容量の電流が電極アセンブリ10の間で流れ続けて危険な状態が放置される。これにより、電流の流れによってケース30内部の圧力が増加し続け、爆発したり発火したりする危険がある。
【0076】
しかしながら、本実施形態のように、側板644に連結した連結部646がそれぞれ遮断されれば、電極アセンブリ10に貯蔵された電流の容量が分散するため、安全性が向上する。
【0077】
図7は、本発明の第4実施形態に係る二次電池の集電部材を示す斜視図である。
【0078】
図7を参照しながら説明すると、本実施形態に係る二次電池は、集電部材の構造と電極アセンブリの個数を除いては第1実施形態に係る二次電池と同じ構造であるため、同じ構造についての重複する説明は省略する。
【0079】
本発明の第4実施形態に係る二次電池の集電部材65は、正極端子21に固定する端子接合部652、端子接合部652から折り曲げられて形成された側板654、側板654の両側端に連結形成された集電片655、および側板654と集電片655の間に形成されたヒューズ部657を含む。
【0080】
端子接合部652は、例えば、四角板形状で形成され、中央に正極端子21が挿入するホール652aが形成される。また、端子接合部652は、正極端子21の下部に溶接によって接合される。側板654は、例えば、端子接合部652からケース30の底に向かって直角に折り曲げられて形成され、ケース30の側面と平行に配置される。
【0081】
側板654の両側端には、周辺よりもさらに小さい断面積を有するヒューズ部657が形成される。本実施形態に係るヒューズ部657は、周辺よりも小さい幅を有するように形成される。これによって集電部材65を介して過電流が流れるときにヒューズ部657が溶融し、集電片655と側板654の電気的な連結を遮断することができる。なお、本発明の実施形態は、これに制限されることはなく、ヒューズ部657は周辺よりも小さい厚さを有するように形成されてもよい。
【0082】
ヒューズ部657の一側端部には、例えば、四角片形状で形成され、正極無地部11aに溶接によって固定された集電片が形成される。
【0083】
ケース30内に2つの電極アセンブリ10が挿入設置され、これが並列に連結されている場合、それぞれの電極アセンブリ10が遮断されなければ、高容量の電流が電極アセンブリ10の間で流れ続けて危険な状態が放置される。これにより、電流の流れによってケース30内部の圧力が増加し続け、爆発したり発火したりする危険がある。
【0084】
しかしながら、本実施形態のように、側板654に連結した集電片655がそれぞれ遮断されれば、電極アセンブリ10に貯蔵された電流の容量が分散するため、安全性が向上する。
【0085】
図8は、本発明の第5実施形態に係る二次電池を示す断面図である。
【0086】
図8を参照しながら説明すると、本実施形態に係る二次電池103は、正極11と負極12との間にセパレータ13を介在して巻き取られた電極アセンブリ10、電極アセンブリ10が内蔵されるケース30、ケース30の開口に結合したキャップアセンブリ120を含む。
【0087】
電極アセンブリ10は、第1実施形態に係る電極アセンブリと同じ構造である。
【0088】
ケース30は、例えば、大略直六面体で形成され、一面には開放した開口が形成される。キャップアセンブリ120は、ケース30の開口を覆うキャッププレート125、キャッププレート125の外側に突出して正極11と電気的に連結した正極端子121、キャッププレート125の外側に突出して負極12と電気的に連結した負極端子122を含む。
【0089】
正極端子121は、集電部材51を媒介として正極無地部11aと電気的に連結する。集電部材51は、第1実施形態に係る集電部材と同じ構造からなる。
【0090】
正極端子121とキャッププレート125との間には、密封のためのガスケット143が、正極端子121が貫通するホールに挿入設置され、キャッププレート125の下には正極端子121および集電部材51の一部を挿入し、キャッププレート125で絶縁する下部絶縁部材147が設置される。
【0091】
一方、正極端子121には、短絡タップ131が電気的に連結設置され、短絡タップ131はキャッププレート125上に設置される。短絡タップ131とキャッププレート125との間には、短絡タップ131とキャッププレート125とを電気的に絶縁する上部絶縁部材137が設置される。短絡タップ131は、ナット129を媒介として正極端子121と電気的に連結する。上部絶縁部材137は、短絡タップ131の側端を囲むように設置され、キャッププレート125に形成された短絡ホール135と対応する部分にホールが形成されている。
【0092】
負極端子122は、キャッププレート125を貫通して設置され、キャッププレート125と負極端子122との間には、負極端子122とキャッププレート125とを電気的に連結する連結板141が設置される。これにより、キャッププレート125およびケース30は負極に帯電される。一方、負極端子122とキャッププレート125との間には、密封のためのガスケット142が、負極端子122が貫通するホールに挿入設置される。
【0093】
キャップアセンブリ120は、正極11と負極12とを短絡させる短絡部材134を含む。キャッププレート125には短絡ホール135が形成され、短絡部材134は短絡ホール135で上部絶縁部材137とキャッププレート125の間に配置される。短絡部材134は、例えば、周縁に形成されてキャッププレート125に固定された枠部134aと、枠部134aの内側に形成されて膨らむように弧形に湾曲した曲面部134bとを備えた反転プレートで形成されてもよい。
【0094】
このように、短絡部材134は、負極12と電気的に連結したキャッププレート125に連結設置され、二次電池103の内部圧力が上昇するときに変形し、正極11と電気的に連結した短絡タップ131と連結する。
【0095】
短絡部材134と短絡タップ131とが電気的に連結すれば、集電部材51を介して瞬間的に大きい電流が流れる。このとき、ヒューズ部517、518が溶融し、正極端子121と電極アセンブリ10の電気的な連結が遮断されるだけでなく、電極アセンブリ10間の電気的な連結が遮断される。
【0096】
本実施形態のように、短絡部材134と複数のヒューズ部517、518が形成された集電部材51を共に適用すれば、二次電池103の内部圧力が上昇するときに電流を容易に遮断し、安全性がさらに向上する。
【0097】
図9は、本発明の第6実施形態に係る二次電池の一部を示す分解斜視図である。図10は、本発明の第6実施形態に係る二次電池を示す概略的な構成図である。
【0098】
図9および図10を参照しながら説明すると、本実施形態に係る二次電池104は、安全部材70および集電部材66の構成を除いては、第1実施形態に係る二次電池と同じ構造であるため、同じ構造についての重複する説明は省略する。
【0099】
正極無地部11aには集電部材66が溶接によって接合され、負極無地部12aには集電部材68が溶接によって接合される。
【0100】
集電部材66は正極11と正極端子21とを電気的に連結し、集電部材68は負極12と負極端子22とを電気的に連結する。
【0101】
集電部材66は、正極端子21に固定する端子接合部662、端子接合部662から折り曲げられて形成された側板664、正極無地部11aに固定された集電片663、および側板664と集電片663の間に形成され、周辺よりもさらに小さい断面積を有するヒューズ部667を含む。
【0102】
負極端子22に設置された集電部材68は、ヒューズ部667、668を除いては集電部材66と同じ構造であるため、これについての重複する説明は省略する。
【0103】
端子接合部662は、例えば、四角板形状で形成され、中央に正極端子21が挿入されるホール662aが形成される。また、端子接合部662は、例えば、正極端子21の下部に溶接によって接合される。側板664は、例えば、端子接合部662からケース30の底に向かって直角に折り曲げられて形成され、ケース30の側面と平行に配置される。
【0104】
側板664の両側端には2つの集電片663が連結設置され、集電片663と側板664との間には、他の部分よりもさらに小さい断面積を有するヒューズ部667が形成される。
【0105】
本実施形態に係るヒューズ部667は、周辺よりも小さい幅を有するように形成される。これによって集電部材66を介して過電流が流れるときにヒューズ部667が溶融し、集電片663と側板664の電気的な連結を遮断することができる。なお、本発明の実施形態は、これに制限されることはなく、ヒューズ部667は周辺よりも小さい厚さを有するように形成されてもよい。
【0106】
側板664の下部には連結部666が形成され、連結部666の両側端には正極無地部11aに溶接によって接合される集電片665が連結形成される。連結部666と集電片665との間には、他の部分よりもさらに小さい断面積を有するヒューズ部668が形成される。
【0107】
ヒューズ部668は周辺よりも小さい幅を有するように形成される。これによって集電部材66を介して過電流が流れるときにヒューズ部668が溶融し、連結部666と集電片665の電気的な連結を遮断することができる。
【0108】
このように、本実施形態によれば、側板664に複数のヒューズ部667が連結形成され、過電流が流れるときに各集電片663との電気的な連結を遮断することができる。また、連結部516に複数のヒューズ部668が連結形成され、過電流が流れるときに各集電片665との電気的な連結を遮断することができる。
【0109】
また、電極アセンブリ10のうちで両側端に配置された電極アセンブリ10には、負極12に電気的に連結した安全部材70が設置される。
【0110】
安全部材70は、電極アセンブリ10のうちで両側端に配置された電極アセンブリ10の負極無地部12aに溶接によって接合される。安全部材70は、金属板71および金属板71に付着した絶縁フィルム73を含む。
【0111】
金属板71は、一側端には負極無地部12aと電気的に連結した電極接合部72が形成される。金属板71は、例えば、電極接合部72で負極無地部12aと溶接によって接合され、負極無地部12aに容易に溶接するように負極無地部12aと同じ素材で形成される。本実施形態に係る金属板71は、例えば、銅や銅合金で形成される。
【0112】
金属板71には、電極アセンブリ10の平らな前面と対向する部分に絶縁フィルム73が設置される。絶縁フィルム73は、電極アセンブリ10と金属板71が電気的に連結することを防ぐ。絶縁フィルム73は、例えば、電解液と反応しないポリマー材質で形成される。
【0113】
電極接合部72は、例えば、負極無地部12aと並んで配置された状態で負極無地部12aに溶接によって固定される。これにより、電極接合部72は、負極無地部12aが外部の衝撃や振動によって揺れることを防ぐ。
【0114】
負極無地部12aには、集電部材68が例えば溶接によって接合されるが、負極無地部12aが外部の衝撃や振動によって揺れるようになれば、負極無地部12aと集電部材68との間の接触が不良になるという問題が発生する。しかしながら、本実施形態のように電極接合部72が負極無地部12aを支持すれば、外部の衝撃や振動などによって負極無地部12aと集電部材68の間の接触が不良になることを防ぐことができる。
【0115】
図10に示すように、衝撃や事故などによって二次電池104の外部から釘やキリなどの導電性異物80が侵入したとき、正極11と負極12が導電性異物80を媒介として短絡すれば、内部で過度な熱が発生し、二次電池が爆発したり発火したりする危険がある。しかし、本実施形態のように安全部材70を設置すれば、安全部材70と正極11が短絡し、充電された電流を放電することができる。負極12と電気的に連結した金属板71が正極11と短絡した場合には、正極11と負極12が短絡した場合に比べて極めて小さい熱が発生する。
【0116】
このように、本実施形態によれば、外部から異物が侵入して短絡の危険があるとき、電流を放電して発火の危険を除去することにより、二次電池104の安全性が向上する。
【0117】
また、短絡が発生して過電流が流れる場合、集電部材66に形成されたヒューズ部667、668が溶融し、正極端子21と電極アセンブリ10の電気的な連結および電極アセンブリ10の間の電気的な連結を遮断することができる。これにより、二次電池104の安全性はさらに向上する。
【0118】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0119】
101、102、103、104 二次電池
10 電極アセンブリ
11 正極
11a 正極無地部
12 負極
12a 負極無地部
13 セパレータ
21、121 正極端子
20、120 キャップアセンブリ
21、121 正極端子
22、122 負極端子
23 密封キャップ
24 第1ガスケット
25、125 キャッププレート
26 第2ガスケット
27 ベント部材
29、129 ナット
30 ケース
51、52、62、64、65、66、68 集電部材
512、612、642、652、662 端子接合部
512a、612a、642a、652a、662a ホール
513、515、615、643、645、655、663、665 集電片
514、614、644、654、664 側板
516、616、646、666 連結部
517、518、617、647、657、667、668 ヒューズ部
648 分枝部
67 遮断部材
671 ベース部
672 突起
673 係止部
70 安全部材
71 金属板
72 電極接合部
73 絶縁フィルム
131 短絡タップ
134 短絡部材
134a 枠部
134b 曲面部
135 短絡ホール
137 上部絶縁部材
141 連結板
142、143 ガスケット
147 下部絶縁部材


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極と第2電極を含む電極組立体と、
第1電極端子と、
前記第1電極端子と前記第1電極の第1電極無地部とを電気的に連結する第1集電部材と、
を含み、
前記第1集電部材は、
第1端子接合部と、
前記第1端子接合部から下側に前記第1電極無地部に向かって延長する側板と、
前記側板から延長して前記第1電極無地部と接触するように形成された第1集電片と、
前記側板と前記第1集電片との間に形成されたヒューズと、
を含む、二次電池。
【請求項2】
前記第1端子接合部、前記側板、前記第1集電片、および前記ヒューズは、同じ材質で形成される、請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
前記ヒューズは、前記側板と前記第1集電片の隣接した部分よりもさらに小さい断面積を有するように形成される、請求項2に記載の二次電池。
【請求項4】
前記第1端子接合部、前記側板、前記第1集電片、および前記ヒューズは互いに一体に形成される、請求項2、または3に記載の二次電池。
【請求項5】
少なくとも2つの前記第1集電片が前記側板から側方に延長する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項6】
複数の電極組立体と、
複数の電極組立体に対応する複数の第1集電片と、
をさらに含み、
前記ヒューズは、前記複数の第1集電片のうちの2つの第1集電片と前記側板との間に、第1ヒューズ部と第2ヒューズ部とをそれぞれ含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項7】
前記第1ヒューズ部と前記第2ヒューズ部とは、前記2つの第1集電片と前記側板の間で側方に延長する、請求項6に記載の二次電池。
【請求項8】
前記側板から垂直に延長する第3ヒューズ部をさらに含み、
前記第3ヒューズ部は、前記側板と前記2つの第1集電片以外の第1集電片との間に形成される、請求項7に記載の二次電池。
【請求項9】
前記第3ヒューズ部は、前記2つの第1集電片以外の第1集電片の間で側方に延長した連結部と接触する、請求項8に記載の二次電池。
【請求項10】
前記2つの第1集電片を隣接した第1集電片それぞれに連結する連結部をさらに含む、請求項7に記載の二次電池。
【請求項11】
前記側板から垂直に延長した連結部と、
前記連結部から側方に延長し、前記連結部と第3の第1集電片との間に形成された第3ヒューズ部と、
をさらに含む、請求項7に記載の二次電池。
【請求項12】
前記連結部から側方に延長し、前記第3ヒューズ部の反対側に位置し、前記連結部と第4の第1集電片との間に形成された第4ヒューズ部をさらに含む、請求項11に記載の二次電池。
【請求項13】
前記複数の第1集電片は2つの集電片である、請求項6に記載の二次電池。
【請求項14】
前記ヒューズは、それぞれの集電片と前記側板との間に形成された電気的経路上に位置するヒューズ部を含む、請求項5に記載の二次電池。
【請求項15】
前記第1電極端子に連結される短絡部材をさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項16】
前記第1集電片は、前記第1電極無地部に溶接される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項17】
電気的絶縁性物質で形成され、少なくとも部分的に前記ヒューズを囲む遮断部材をさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項18】
前記遮断部材は、
前記第1電極無地部の反対側に位置する前記ヒューズの一側に位置するベース部と、
前記第1端子接合部と前記第1集電片との間に位置する突起と、
を含む、請求項17に記載の二次電池。
【請求項19】
第2電極端子と、
前記第2電極端子と前記第2電極の第2電極無地部とを電気的に連結する第2集電部材と、
前記電極組立体の側面に位置し、前記第2電極に電気的に連結する安全部材と、
をさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の二次電池。
【請求項20】
前記それぞれの安全部材は、
導電板と、
前記導電板と前記電極組立体とを分離する絶縁部と、
前記導電板と前記第2電極とを電気的に連結し、前記第2電極に溶接された電極連結部と、
を含む、請求項19に記載の二次電池。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−77546(P2013−77546A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−179374(P2012−179374)
【出願日】平成24年8月13日(2012.8.13)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【出願人】(501125231)ローベルト ボッシュ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (329)
【Fターム(参考)】