説明

二液常温硬化型ウレタン塗膜防水材組成物

【課題】バルーンを従来品より多く含有してもレベリング性に優れる二液常温硬化型ウレタン塗膜防水材組成物の提供。
【解決手段】ウレタンプレポリマーを含有する主剤と、エチレンオキシドが付加されているポリプロピレンポリオールを含有する硬化剤とを有する二液常温硬化型ウレタン塗膜防水材組成物であって、前記主剤および/または前記硬化剤が、無機フィラーでコーティングされている、最大粒径280μm以下のバルーンを、前記主剤および前記硬化剤の合計量に対して、0.5質量%以上含有する、二液常温硬化型ウレタン塗膜防水材組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二液常温硬化型ウレタン塗膜防水材組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ポリウレタンよりなる塗膜(以下、「ウレタン塗膜」という。)は、接着性、柔軟性、耐候性等に優れているという特性から、建築、土木、自動車、電気通信等の広範な産業分野で需要用途が増大している。特に、建築・土木分野において、ウレタン塗膜は、防水材、塗床材、注型用材料、シーリング材等として幅広く使用されている。
このようなウレタン塗膜には、一液型(湿気硬化型)と二液型(硬化剤硬化型)とがある。上記の二液型としては、例えば、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含有する主剤と、ポリオール、アミン系化合物および硬化触媒を含有する硬化剤とからなる二液型ポリウレタン組成物等が挙げられる。
【0003】
そして、このような二液型ポリウレタン組成物について、更なる性能の向上を目指し様々な研究がなされている。例えば、特許文献1には、速硬化性ではあるが充分な可使時間を取ることができ、硬化後には充分な硬さを有し、また、表面粘着性の小さい硬化物を与える二液型ポリウレタン組成物の提供を目的とするポリウレタン組成物が記載されている。
上記の特許文献1に記載されているポリウレタン組成物は、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー、有機多価アミン化合物、ポリヒドロキシ化合物、有機酸およびビスマスカルボキシレート化合物を含有し、かつ、前記ウレタンプレポリマー100質量部に対して、前記有機酸を0.5×10−3〜2.0×10−3モル、前記ビスマスカルボキシレート化合物を0.1〜0.5質量部、含有し、常温でも硬化することを特徴とする熱成形型を用いない施工用ポリウレタン組成物である。
また、上記の特許文献1に記載されているポリウレタン組成物は、二液型であり、主剤として末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含有する主剤液と、硬化剤として有機多価アミン化合物およびポリヒドロキシ化合物を含有する硬化液剤とで構成されている。
そして、特許文献1には、当該ポリウレタン組成物が、充填剤として、炭酸カルシウム、カーボンブラック、クレー、タルク、酸化チタン、生石灰、カオリン、ゼオライト、硅ソウ土、塩化ビニルペーストレジン、ガラスバルーン、塩化ビニリデン樹脂バルーン等を含有することが可能であると記載されている。
【0004】
上記ポリウレタン組成物において充填剤として挙げられているガラスバルーン、塩化ビニリデン樹脂バルーン等のバルーンは、一般的に、ポリウレタン組成物の比重の低下等を目的として使用されている。このようなバルーンを含有するポリウレタン組成物が、例えば、ビルディングの屋上、ベランダ、廊下等(以下、「建物等」という。)のコンクリート等の面上に塗布された場合、得られるウレタン塗膜は軽量なので、建物等に対する荷重負担を軽減することができる。
【0005】
【特許文献1】特許第2997511号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、本発明者が検討したところ、ウレタン塗膜をより軽量化させるために、上記バルーンをポリウレタン組成物の硬化剤に対して1質量%以上配合すると、レベリング性(ウレタン塗膜の平坦化性)等の作業性が著しく損なわれてしまうことが分かった。つまり、上記バルーンをポリウレタン組成物の硬化剤に対して1質量%以上配合させたポリウレタン組成物を使用して、これを建物等の表面にコテ等で塗布すると、ポリウレタン組成物塗布層の表面にコテ等で塗った塗り跡が残ることが多く、または、ムラが生じやすい。このような塗り跡やムラ等は、時間が経過しても消えずにそのままの状態なので、ポリウレタン組成物の塗布層は表面に塗り跡やムラ等が付いたまま硬化してしまう。その結果、ウレタン塗膜の外観が悪くなるという問題があった。
従って、本発明の目的は、バルーンを従来品より多く含有してもレベリング性に優れる二液常温硬化型ウレタン塗膜防水材組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記の課題を解決するため、二液常温硬化型ウレタン塗膜防水材組成物について、鋭意検討した結果、硬化剤に特定のバルーンと特定のポリプロピレンポリオール化合物とを含有させることによって、バルーンを従来品より多く含有しても二液常温硬化型ウレタン塗膜防水材組成物のレベリング性を優れたものにすることが可能であることを見出した。
本発明者は、これらの知見に基づき、本発明を完成させた。
【0008】
即ち、本発明は、以下の(1)および(2)を提供する。
(1)ウレタンプレポリマーを含有する主剤と、エチレンオキシドが付加されているポリプロピレンポリオールを含有する硬化剤とを有する二液常温硬化型ウレタン塗膜防水材組成物であって、
前記主剤および/または前記硬化剤が、無機フィラーでコーティングされている、最大粒径280μm以下のバルーンを、前記主剤および前記硬化剤の合計量に対して、0.5質量%以上含有する、二液常温硬化型ウレタン塗膜防水材組成物。
【0009】
(2)前記無機フィラーが、脂肪酸、樹脂酸および脂肪酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種によって表面処理されている上記(1)に記載の二液常温硬化型ウレタン塗膜防水材組成物。
【発明の効果】
【0010】
本発明の二液常温硬化型ウレタン塗膜防水材組成物は、バルーンを多く含有しても優れたレベリング性を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の二液常温硬化型ウレタン塗膜防水材組成物について説明する。
本発明の二液常温硬化型ウレタン塗膜防水材組成物は、
ウレタンプレポリマーを含有する主剤と、エチレンオキシドが付加されているポリプロピレンポリオールを含有する硬化剤とを有する二液常温硬化型ウレタン塗膜防水材組成物であって、
前記主剤および/または前記硬化剤が、無機フィラーでコーティングされている、最大粒径280μm以下のバルーンを、前記主剤および前記硬化剤の合計量に対して、0.5質量%以上含有する二液常温硬化型ウレタン塗膜防水材組成物である。
【0012】
本発明の二液常温硬化型ウレタン塗膜防水材組成物は、バルーンを従来品より多く含有してもレベリング性に優れる。
【0013】
まず、本発明の二液常温硬化型ウレタン塗膜防水材組成物に使用される主剤について説明する。
本発明の二液常温硬化型ウレタン塗膜防水材組成物に使用される主剤は、ウレタンプレポリマーを含有する。
【0014】
ウレタンプレポリマーは、一般的な二液型ポリウレタン組成物に用いられるものであればいかなるものでもよい。ウレタンプレポリマーのイソシアネート基の含有量は、ウレタンプレポリマー中、0.5〜5質量%であるのが好ましい。
【0015】
上記のウレタンプレポリマーは、一般的にポリイシアネートとポリオールとを反応させることによって製造することができる。
【0016】
以下に、ウレタンプレポリマーの原料であるポリオールについて説明する。
ポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリマーポリオール、その他のポリオール、および、これらの混合ポリオールが挙げられる。
【0017】
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、テトラヒドロフランのアルキレンオキサイドの1種または2種以上を、2個以上の活性水素を有する化合物に付加重合させた生成物が挙げられる。
【0018】
2個以上の活性水素を有する化合物としては、例えば、多価アルコール類、アミン類、アルカノールアミン類、多価フェノール類が挙げられる。
多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、グリセリン、ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
アミン類としては、例えば、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンが挙げられる。アルカノールアミン類としては、例えば、エタノールアミン、プロパノールアミンが挙げられる。多価フェノール類としては、例えば、レゾルシン、ビスフェノールが挙げられる。
【0019】
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレントリオール、ポリグリセリン、ポリテトラメチレングリコール、ポリトリメチロールプロパン、ポリヘキサントリオール、ポリブタンジオール、ポリジヒドロキシフェニルメタン、ポリジヒドロキシフェニルプロパン、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシブチレングリコールが挙げられる。
【0020】
ポリエステルポリオールとしては、例えば、多価アルコール類と多塩基性カルボン酸との縮合物、ヒドロキシカルボン酸と多価アルコール類との縮合物、ラクトンの重合物が挙げられる。
【0021】
多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、グリセリン、ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
【0022】
多塩基性カルボン酸としては、例えば、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸のような飽和ジカルボン酸;フマル酸、マレイン酸のような不飽和ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリト酸のような芳香族ジカルボン酸;ダイマー酸が挙げられる。
【0023】
ヒドロキシカルボン酸と多価アルコール類との縮合物としては、例えば、ヒマシ油とエチレングリコールとの反応生成物、ヒマシ油とプロピレングリコールとの反応生成物が挙げられる。
【0024】
ラクトンの重合物としては、例えば、ε−カプロラクタム、α−メチル−ε−カプロラクタム、ε−メチル−ε−カプロラクタムを適当な重合開始剤で開環重合させたものが挙げられる。
【0025】
ポリマーポリオールとしては、例えば、上記のポリエーテルポリオールまたはポリエステルポリオールに、エチレン性不飽和化合物(具体的には、例えば、アクリルニトリル、スチレン、メチルアクリレート、メタクリレート)をグラフト重合させたもの;1,2−ポリブタジエンポリオール、1,4−ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレングリコールおよびこれらの水素添加物が挙げられる。
【0026】
その他のポリオールとしては、例えば、ポリカーボネートポリオール;アクリルポリオール;1,2−ポリブタジエンポリオール、1,4−ポリブタジエンポリオール、および、これらの水素添加物;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオールのような低分子ポリオールが挙げられる。
【0027】
ポリオールは、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
ポリオールの数平均分子量は、通常、100〜10,000であり、500〜6,000であるのが好ましい。
【0028】
ウレタンプレポリマーのもう一つの原料であるポリイシアネートについて、以下に説明する。
ポリイシアネートの具体例は、例えば、芳香族ジイソシアネートとして、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、フェニレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート(XDI)、ジフェニルメタン−4,4−ジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)およびこれらの水素添加物;
【0029】
脂肪族ジイソシアネートとして、エチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI);
脂環族ジイソシアネートとして、1−メチル−2,4−ジイソシアネートシクロヘキサン、1−メチル−2,6−ジイソシアネートシクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート;
トリイソシアネートとして、トリフェニルメタントリイソシアネートが挙げられる。これらのポリイシアネートは、それぞれ単独で、または、2種以上を併用して用いることができる。
【0030】
そして、ウレタンプレポリマーの製造については、特に制限されない。通常のウレタンプレポリマーの製造条件に従って製造することができる。具体的な条件としては、例えば、触媒の存在下または触媒を使用せず、反応温度10〜120℃程度、常圧下で、ポリオールとポリイソシアネートを反応させることより、ウレタンプレポリマーを製造する方法が挙げられる。
【0031】
また、ウレタンプレポリマーを製造する際のポリオールとポリイシアネートとの量比としては、例えば、ポリイシアネート中のイソシアネート基とポリオール中のヒドロキシ基の当量比(NCO基/OH基)が、1.5〜2.5であることが好ましい。
【0032】
次に、本発明の二液常温硬化型ウレタン塗膜防水材組成物に使用される硬化剤について説明する。
本発明の二液常温硬化型ウレタン塗膜防水材組成物の硬化剤は、エチレンオキシドが付加されているポリプロピレンポリオールを含有する硬化剤である。
【0033】
以下に、エチレンオキシドが付加されているポリプロピレンポリオールについて説明する。
エチレンオキシドが付加されているポリプロピレンポリオールとしては、例えば、エチレンオキシドが付加されているポリプロピレングリコール、エチレンオキシドが付加されているポリプロピレントリオール、エチレンオキシドが付加されているポリプロピレンテトラオールが挙げられる。
【0034】
また、エチレンオキシドが付加されているポリプロピレンポリオールとしては、例えば、少なくとも1つの末端にヒドロキシエチル基を有するポリプロピレンポリオールが挙げられる(下記式(1)参照)。また、エチレンオキシドは、ポリプロピレンポリオールの主鎖中にランダムに結合することができる。
【0035】
ポリプロピレンポリオールの少なくとも1つの末端にヒドロキシエチル基を含む部分は、例えば、式(1)のように表される。
【0036】
−CH−CH(CH)−O−CH2−CH2−OH (1)
【0037】
式(1)において、−CH2−CH(CH3)−O−は、ポリプロピレンポリオールの構造の中のいずれか1つの末端を示す。
【0038】
ここで、式(1)のヒドロキシエチル基のヒドロキシ基は、第一級アルコールなので、この周囲の立体障害の影響をほとんど受けない。
これに対して、原料ポリプロピレンポリオールのヒドロキシ基は、第二級アルコールであり、α位のメチル基による立体障害の影響を受ける。
【0039】
従って、式(1)のヒドロキシエチル基のヒドロキシ基は、原料ポリプロピレンポリオールのヒドロキシ基に比べて、立体障害の影響が少なく、親水性が高い。これにより、エチレンオキシドが付加されているポリプロピレンポリオールは、バルーンや、バルーン以外の充填剤として使用される炭酸カルシウム等に対する濡れが良くなるのであると考えられる。従って、エチレンオキシドが付加されているポリプロピレンポリオールと、バルーンやバルーン以外の充填剤との間の親和性が高くなり、本発明の二液常温硬化型ウレタン塗膜防水材組成物は優れたレベリング性を有するようになると推定される。
【0040】
エチレンオキシドが付加されているポリプロピレンポリオールの数平均分子量は、500〜8000であることが好ましい。
このようなエチレンオキシドが付加されているポリプロピレンポリオールは、それぞれ単独で、または、2種以上を併用して使用することができる。
【0041】
そして、エチレンオキシドが付加されているポリプロピレンポリオールは、その原料であるポリプロピレンポリオールとの混合物として使用されることが好適な態様の一つである。
エチレンオキシドが付加されているポリプロピレンポリオールの含有量は、エチレンオキシドが付加されているポリプロピレンポリオールおよび原料ポリプロピレンポリオールの合計量中、5〜70質量%であるのが好ましく、5〜60質量%であるのがより好ましく、5〜50質量%であるのがさらに好ましい。エチレンオキシドが付加されているポリプロピレンポリオールおよび原料ポリプロピレンポリオールの合計量中のエチレンオキシドが付加されているポリプロピレンポリオールの含有量が低い場合、エチレンオキシドが付加されているポリプロピレンポリオールとしては、例えば、ポリプロピレンポリオールの末端にエチレンオキシドを1〜2個程度付加しているものが挙げられる。
【0042】
エチレンオキシドが付加されているポリプロピレンポリオールと、その原料であるポリプロピレンポリオールとの混合物としては、例えば、エチレンオキシドが付加されているポリプロピレンポリオールとポリプロピレンポリオールとを混合して得られる混合物、原料ポリプロピレンポリオールとエチレンオキシドとの付加反応によって得られるエチレンオキシドが付加されているポリプロピレンポリオールと、原料ポリプロピレンポリオールとの混合物が挙げられる。
【0043】
エチレンオキシドが付加されているポリプロピレンポリオールは、その製造について、特に制限されない。例えば、従来公知の方法に従って行うことができる。
【0044】
そして、本発明の二液常温硬化型ウレタン塗膜防水材組成物において使用される硬化剤は、上記のエチレンオキシドが付加されているポリプロピレンポリオールの他に、有機多価アミン化合物を含有することが好ましい態様の一つである。このような有機多価アミン化合物を含有することによって、硬化性、物性が良好となる。
【0045】
有機多価アミン化合物としては、例えば、脂肪族ジアミン、芳香族ジアミン、分子内にアミノ基を3つ以上有するアミン化合物が挙げられる。
【0046】
脂肪族ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、1,14−テトラデカンジアミン、1,16−ヘキサデカンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、イミノビスプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン、イソホロンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1−シクロヘキシルアミノ−3−アミノプロパン、3−アミノメチル−3,3,5−トリメチル−シクロヘキシルアミン、ノルボルナン骨格のジメチレンアミン、メタキシリレンジアミン(MXDA)、ヘキサメチレンジアミンカルバメートが挙げられる。
【0047】
芳香族ジアミンとしては、例えば、3,3′−ジクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタン(MOCA)、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、2,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−ジアミノジフェニルメタン、3,4′−ジアミノジフェニルメタン、2,2′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジアミノビフェニル、2,4−ジアミノフェノール、2,5−ジアミノフェノール、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,3−トリレンジアミン、2,4−トリレンジアミン、2,5−トリレンジアミン、2,6−トリレンジアミン、3,4−トリレンジアミン、メチルチオトルエンジアミン、ジエチルトルエンジアミンが挙げられる。
【0048】
分子内にアミノ基を3つ以上有するアミン化合物としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンが挙げられる。
【0049】
これらの中でも、MOCA、メチルチオトルエンジアミンが好ましい。
有機多価アミン化合物は、それぞれ単独で、または、2種以上を組み合わせて使用することができる。
有機多価アミン化合物の量は、硬化剤中、1〜10質量%であることが好ましい。
【0050】
上記のウレタンプレポリマーを含有する主剤と、エチレンオキシドが付加されているポリプロピレンポリオールを含有する硬化剤とは、例えば、主剤中のイソシアネート基と硬化剤中のヒドロキシ基(硬化剤が有機多価アミンも含有している場合は、ヒドロキシ基およびアミノ基の合計)との当量比〔NCO基/(OH基+NH基)〕が、0.8〜1.5となるように混合することが好ましい。
【0051】
次に、バルーンについて説明する。
使用されるバルーンは、無機フィラーでコーティングされ、その最大粒径が280μm以下のバルーンである。
【0052】
使用されるバルーンとしては、例えば、中空体と、中空体をコーティングしている無機フィラーとで構成されているものが挙げられる。
上記の中空体としては、従来公知のものを用いることができる。中空体の具体例は、例えば、無機系中空体として、ガラスバルーン、シリカバルーン、シラスバルーン、カーボンバルーン、アルミナバルーン、ジルコニアバルーン;樹脂系中空体として、フェノール樹脂、尿素樹脂、ポリスチレン、サラン、熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの中でも、熱可塑性樹脂中空体が好適な態様の一つである。
【0053】
上記の熱可塑性樹脂中空体の具体例としては、例えば、熱可塑性樹脂中空体の内部に液体を内包させてこれを加熱し、外殻となる熱可塑性樹脂中空体を膨張させ、かつ、内部の液体を気化させて得られる熱膨張性の熱可塑性樹脂中空体が挙げられる。
【0054】
前記の熱可塑性樹脂中空体の外殻成分を構成する熱可塑性樹脂としては、従来公知のものを用いることができる。熱可塑性樹脂の具体例は、例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデン;アクリロニトリル;アクリレートとして、ベンジルアクリレート、ノルボルナンアクリレート;メタクリレートとして、メチルメタクリレート、ノルボルナンメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート;スチレン系モノマー;酢酸ビニル;ブタジエン;ビニルピリジン;クロロプレンのホモポリマー、または、これらのなかの2種以上のコポリマーが挙げられる。
【0055】
前記の熱可塑性樹脂中空体に内包される液体としては、従来公知のものを用いることができる。液体の具体例は、例えば、炭化水素類として、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、ブタン、イソブタン、ヘキサン、石油エーテル;塩素化炭化水素として、塩化メチル、塩化メチレン、ジクロロエチレン、トリクロロエタン、トリクロルエチレンが挙げられる。
【0056】
中空体の製造は、特に制限されない。例えば、(1)高分子 36巻 9月号 (1987) p669、(2)高分子 40巻 4月号 (1991) p248−p251、(3)日本接着協会誌 Vol.19 No.11 (1983) p512−p517に記載されている方法で製造することができる。
【0057】
無機フィラーについて、以下に説明する。
使用される無機フィラーは、特に限定されない。例えば、従来公知のものを用いることができる。具体的には、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化ケイ素、タルク、クレー、カーボンブラックが挙げられる。中でも、炭酸カルシウムが好ましい。このような無機フィラーは、それぞれ単独で、または、2種以上を併用して使用することができる。
【0058】
また、無機フィラーは、表面処理されていないものおよび/または表面処理されたものを使用することができる。
表面処理されていない無機フィラーとしては、例えば、上記の無機フィラーを表面処理していないものが挙げられる。
【0059】
表面処理された無機フィラーは、特に限定されない。例えば、上記の無機フィラーを、脂肪酸、樹脂酸および脂肪酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種によって表面処理したものであるのが好ましい態様の1つとして挙げられる。中でも、脂肪酸で表面処理されているものが好ましい。無機フィラーは、脂肪酸、樹脂酸および脂肪酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種で表面処理されていることにより、エチレンオキシドが付加されているポリプロピレンポリオールとの濡れがよくなり、二液常温硬化型ウレタン塗膜防水材組成物のレベリング性を優れたものにすることができる。
【0060】
脂肪酸の具体例は、例えば、直鎖飽和脂肪酸として、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸;不飽和脂肪酸として、セトレイン酸、ソルビン酸;芳香族カルボン酸として、安息香酸、フェニル酢酸が挙げられる。中でも、パルミチン酸、ステアリン酸が好ましい。
【0061】
樹脂酸としては、例えば、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、パルストリン酸、ピマル酸、レボピマル酸、イソピマル酸が挙げられる。中でも、アビエチン酸が好ましい。
【0062】
脂肪酸エステルとしては、例えば、炭素数8以上の高級脂肪酸のエステルであるのが好ましい。炭素数8以上の高級脂肪酸のエステルとしては、例えば、パルチミン酸ラウリル、パルチミン酸ステアリル、ステアリン酸ラウリル、ステアリン酸ステアリル、トリパルミチン、トリステアリンが挙げられる。中でも、トリステアリンが好ましい。
【0063】
上記の脂肪酸、樹脂酸または脂肪酸エステルの表面処理量は、表面処理後の無機フィラー中、1.0〜10質量%であるのが好ましい。
【0064】
そして、無機フィラーを上記のような脂肪酸、樹脂酸および脂肪酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種で表面処理する方法としては、例えば、脂肪酸、樹脂酸および脂肪酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種を無機フィラーに添加、混練、噴霧、浸せきすることにより無機フィラーの表面に脂肪酸、樹脂酸および脂肪酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種を吸着させる方法が挙げられる。
【0065】
また、表面処理されていない無機フィラーでコーティングされているバルーンに、上記の脂肪酸、樹脂酸および脂肪酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種を、添加、混練、噴霧、浸せきすることにより表面処理することによって、無機フィラーを表面処理してもよい。この場合、中空体が無機フィラーと共に表面処理されても、または、バルーン全体が表面処理されても構わない。
【0066】
また、バルーンにおいて、上記の表面処理された無機フィラーは、例えば、中空体の表面全体をコーティングしている状態;中空体の表面の一部をコーティングしている状態のいずれでもよい。
表面処理された無機フィラーの含有量は、バルーン全量中、30〜90質量%程度であることが好ましい。このような範囲である場合、バルーンは適度な重さを有するようになるので取扱いが容易となる。
【0067】
バルーンの最大粒径(中空体の表面に無機フィラーをコーティングした状態での最大粒径)は、280μm以下であり、30〜270μmが好ましく、30〜250μmがより好ましい。このような範囲である場合、二液常温硬化型ウレタン塗膜防水材組成物のレベリング性を優れたものにすることができる。
バルーンは、それぞれ単独で、または、2種以上を併用して使用することができる。
【0068】
バルーンは、その製造について、特に限定されない。例えば、従来公知の方法に従って製造することができる。
【0069】
バルーンは、前記主剤および/または硬化剤に含有される。中でも、バルーンは硬化剤に含有されることが好ましい。バルーンは、例えば、前記硬化剤にのみ含有される、または、前記主剤および硬化剤に別々に添加されるのが好適な態様として挙げられる。
【0070】
また、バルーンは、主剤および硬化剤の合計量に対して、0.5質量%以上含有される。上記のバルーンの含有量は、0.5〜10質量%であるのが好ましく、0.5〜8質量%であるのがより好ましい。本発明の二液常温硬化型ウレタン塗膜防水材組成物は、主剤および硬化剤の合計量に対してバルーンを0.5質量%以上含有しても、優れたレベリング性を有する。そして、ウレタン塗膜を軽量化することができる。
【0071】
本発明の二液常温硬化型ウレタン塗膜防水材組成物は、これらの化合物の他に、本発明の目的を損なわない範囲で、その他の添加剤、例えば、硬化触媒、可塑剤、上記バルーン以外の充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、顔料を配合することができる。
【0072】
硬化触媒としては、例えば、有機金属系触媒が挙げられる。
有機金属系触媒としては、例えば、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズラウレート、オクチル酸亜鉛、オクテン酸鉛、有機ビスマス化合物、オクチル酸鉛が挙げられる。
硬化触媒は、それぞれ単独で、または、2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0073】
硬化触媒の量は、硬化剤中、0.3〜3質量%であることが好ましい。なお、硬化触媒は、エチレンオキシドが付加されているポリプロピレンポリオールと共に硬化剤中に配合してもよいし、主剤と硬化剤の混合時に直接添加してもよい。
【0074】
可塑剤としては、例えば、アジピン酸ジイソノニル(DINA)、フタル酸ジイソノニル(DINP)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジラウリルフタレート(DLP)、ジブチルベンジルフタレート(BBP)、ジオクチルアジペート(DOA)、ジイソデシルアジペート(DIDA)、トリオクチルフォスフェート(TOP)、トリス(クロロエチル)フォスフェート(TCEP)、トリス(ジクロロプロピル)フォスフェート(TDCPP)、アジピン酸プロピレングリコールポリエステル、アジピン酸ブチレングリコールポリエステルが挙げられる。これらの可塑剤は、それぞれ単独で、または、2種以上を併用して使用することができる。
【0075】
可塑剤の配合量としては、ウレタンプレポリマー100質量部に対し、10質量部以下であるのが好ましい。
【0076】
上記のバルーン以外の充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、カーボンブラック、クレー、タルク、酸化チタン、生石灰、カオリン、ゼオライト、けいそう土、微粉末シリカ等が挙げられる。中でも、炭酸カルシウムが好ましい。また、これらの充填剤は、それぞれ単独で、または、2種以上を併用して使用することができる。
充填剤の配合量としては、硬化剤の全量中、60質量%以上であることが好ましい。
【0077】
酸化防止剤としては、例えば、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシトルエンアニソール(BHA)、ジフェニルアミン、フェニレンジアミン、亜リン酸トリフェニルを挙げることができる。
【0078】
顔料は、無機顔料と有機顔料とに大別される。無機顔料の具体例は、例えば、金属酸化物として、二酸化チタン、酸化亜鉛、群青、ベンガラ;リトポン、鉛、カドミウム、鉄、コバルト、アルミニウムの硫化物、これらの塩酸塩またはこれらの硫酸塩が挙げられる。有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料が挙げられる。
【0079】
本発明の二液常温硬化型ウレタン塗膜防水材組成物は、二液型なので、施工現場にて主剤と硬化剤の混合を行い、得られた組成物を、例えば、金ごて、ローラーを用いて塗装することができる。
【0080】
本発明の二液常温硬化型ウレタン塗膜防水材組成物は、ウレタン塗膜をさらに軽量化するためにバルーンを多く含有しても優れたレベリング性を有する。従って、本発明の二液常温硬化型ウレタン塗膜防水材組成物を硬化してなるウレタン塗膜は、表面が平坦で、塗り跡やムラ等のない美しい外観となることができ、非常に軽量である。
本発明の二液常温硬化型ウレタン塗膜防水材組成物よりなるウレタン塗膜の厚さは、1〜2mmで十分である。このような厚さでも、十分に防水性、耐熱性、機械的強度に優れる。
【実施例】
【0081】
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は下記の実施例に限定されない。
【0082】
1.ウレタンプレポリマーの調製
数平均分子量4000のポリプロピレントリオール100g(T4000、旭硝子社製)と、数平均分子量2000のポリプロピレンジオール150g(D2000、旭硝子社製)とを反応容器に入れて、粘度調節のために可塑剤としてフタル酸ジイソノニル15g(DINP、ジェイ・プラス社製)を加え、110℃に加熱し、6時間脱水処理した。次いで、ここにトリレンジイソシアネート(コスモネートT80、三井武田ケミカル社製)をNCO基/OH基の当量比が1.98となるように加え、これを80℃に加熱し、窒素雰囲気下で12時間混合、かくはんし、ウレタンプレポリマーを調製した。得られたウレタンプレポリマーのNCO基の含有量は、ウレタンプレポリマー全量中、3.0質量%であった。
【0083】
2.硬化剤の調製
下記第1表に示す組成および配合比(質量部)で各硬化剤(硬化剤1〜13)を調製した。
【0084】
【表1】

【0085】
第1表に示されている各成分は、以下のとおりである。
・ポリプロピレントリオール:数平均分子量5000のポリプロピレントリオール(T5000、旭硝子社製)
・エチレンオキシド付加ポリプロピレントリオール:上記のT5000に対してエチレンオキシドを付加させて得られる、エチレンオキシド付加ポリプロピレントリオールを14〜15質量%含有するポリプロピレントリオール混合物(サンニックスFA703、三洋化成工業社製)
・炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社製)
・3,3′−ジクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタン(イハラケミカル工業社製)
【0086】
・酸化チタン(石原産業社製)
・カーボン(三菱カーボンブラックMA220、三菱化学社製)
・疎水性シリカ(AEROSIL R972、日本アエロジル社製)
・可塑剤(アジピン酸ジイソノニル:DINA、ジェイ・プラス社製)
・硬化触媒(鉛触媒、ミニコP−30、活材ケミカル社製)
・溶剤(ミネラルスピリット、新日本石油社製)
【0087】
・バルーン1(塩化ビニリデン中空体を脂肪酸によって表面処理された炭酸カルシウムでコーティングしてなる最大粒径100μmのバルーン);
・バルーン2(塩化ビニリデン中空体を表面処理されていない炭酸カルシウムでコーティングしてなる最大粒径100μmのバルーン);
【0088】
・バルーン3(塩化ビニリデン中空体を脂肪酸によって表面処理された炭酸カルシウムでコーティングしてなる最大粒径150μmのバルーン);
・バルーン4(塩化ビニリデン中空体を表面処理されていない炭酸カルシウムでコーティングしてなる最大粒径150μmのバルーン);
【0089】
・バルーン5(塩化ビニリデン中空体を脂肪酸によって表面処理された炭酸カルシウムでコーティングしてなる最大粒径250μmのバルーン);
・バルーン6(塩化ビニリデン中空体を表面処理されていない炭酸カルシウムでコーティングしてなる最大粒径250μmのバルーン);
【0090】
・バルーン7(塩化ビニリデン中空体を脂肪酸によって表面処理された炭酸カルシウムでコーティングしてな最大粒径300μmのバルーン);
・バルーン8(塩化ビニリデン中空体を表面処理されていない炭酸カルシウムでコーティングしてなる最大粒径300μmのバルーン);
【0091】
3.実施例
(実施例1〜5、比較例1〜8)
上記のようにして得られたウレタンプレポリマー(100質量部)と、上記の各硬化剤1〜13(100質量部)とを混合してウレタン組成物を得た。ウレタンプレポリマーのNCO基と、硬化剤中のNH基およびヒドロキシ基との当量比〔NCO基/(NH基+OH基)〕およびウレタン組成物の比重を第2表に示す。
【0092】
4.レベリング性の評価
得られた各ウレタン組成物について、レベリング性を評価した。レベリング性の評価方法・評価基準を下記に示す。また、各実施例と比較例の評価結果を第2表に示す。
(1)評価方法:上記の各ウレタン組成物90gを、クシ目ゴテで縦30cm、横30cmの広さのコンクリート表面に塗布し、20℃で1時間放置して硬化させた。コンクリート上のウレタン塗膜の状態を、塗布直後および塗布から1時間後に、目視で確認し、評価した。
【0093】
(2)評価基準
レベリング性について下記の評価基準に従って評価した。
・5:ウレタン塗膜は塗布直後から平坦で、コテの跡やムラがない。
・4:コテの跡やムラはないが、やや平坦性に欠ける。
・3:コテの跡やムラはないが、平坦性に欠ける。
・2:コテの跡やムラが生じる。
・1:平坦性に欠け、かつ、コテの跡やムラが生じる。
・0:塗布直後からクシ目がたち、1時間後も変化がない。
【0094】
【表2】

【0095】
第2表から明らかなように、実施例1〜5は、レベリング性がいずれも高く、作業性に優れている。
実施例1と比較例4とを比較すると、エチレンオキシドで付加させていないポリプロピレントリオールを含有する比較例4のレベリング性は、実施例1に比べて劣っている。
また、実施例1〜5と比較例8とを比較すると、炭酸カルシウムでコーティングされた最大粒径が300μmのバルーンを使用している比較例8のレベリング性は、実施例1〜5に比べて劣っている。
また、実施例3と比較例1〜3とを比較すると、実施例3は、バルーンの含有量が多いにもかかわらず、レベリング性が非常に高いことを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウレタンプレポリマーを含有する主剤と、エチレンオキシドが付加されているポリプロピレンポリオールを含有する硬化剤とを有する二液常温硬化型ウレタン塗膜防水材組成物であって、
前記主剤および/または前記硬化剤が、無機フィラーでコーティングされている、最大粒径280μm以下のバルーンを、前記主剤および前記硬化剤の合計量に対して、0.5質量%以上含有する、二液常温硬化型ウレタン塗膜防水材組成物。
【請求項2】
前記無機フィラーが、脂肪酸、樹脂酸および脂肪酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種によって表面処理されている請求項1に記載の二液常温硬化型ウレタン塗膜防水材組成物。

【公開番号】特開2006−232971(P2006−232971A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−48748(P2005−48748)
【出願日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(000006714)横浜ゴム株式会社 (4,905)
【Fターム(参考)】