説明

二軸延伸中空容器

【課題】ガスバリア性に優れ、かつ透明性を改善したポリエステル系樹脂組成物からなる二軸延伸中空容器を提供する。
【解決手段】スルホン酸金属塩基を有し、主として芳香族ジカルボン酸単位と脂肪族ジオール単位からなる共重合ポリエステル樹脂(A)と、メタキシリレンジアミン単位を70モル%以上含むジアミン単位と、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸単位を70モル%以上含むジカルボン酸単位からなるポリアミド樹脂(B)からなるポリエステル樹脂組成物(C)を成形した二軸延伸中空容器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリエステル樹脂とポリアミド樹脂からなる樹脂組成物からなる二軸延伸中空容器に関する。詳しくは、ポリエステルのみでは不十分であったガスバリア性を改善しつつ、従来問題であった透明性を改善することが可能なポリエステル樹脂組成物から成る二軸延伸中空容器に関する。
【背景技術】
【0002】
芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジオール化合物をモノマーとして使用して得られるポリマー、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)等に代表されるポリエステル樹脂は、透明性、機械的性能、溶融安定性、保香性、リサイクル性等に優れるという特徴を有している。そのため、芳香族ポリエステル樹脂は、フィルム、シート、中空容器等の各種包装材料に広く利用されている。しかしながら、ポリエステル樹脂は酸素、炭酸ガス等に対するガスバリア性が必ずしも十分ではないため、ポリエステル樹脂からなる包装容器の利用範囲には制限があった。ポリエステル樹脂のガスバリア性を改善する手法としては、酸化アルミニウムや酸化珪素をポリエステル樹脂からなる成形体や包装容器に蒸着したり、あるいはポリエステル樹脂よりも高いガスバリア性能を有する樹脂をポリエステル樹脂からなる成形体や包装容器に塗布あるいは積層する等の手段が挙げられるが、複雑な製造工程を必要としたり、リサイクル性や機械的性能が損なわれる等の問題点があるため、その利用範囲は限定されたものであった。
【0003】
上記のような問題を解決しつつ、ポリエステル樹脂のガスバリア性を改善する手段として、高いガスバリア性を有する熱可塑性樹脂をポリエステル樹脂に溶融混合する方法が挙げられる。高いガスバリア性を有する樹脂の一つとしてエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂が挙げられるが、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂は、その分子構造の特徴からポリエステル樹脂との相溶性に乏しく、両樹脂を混合して成る樹脂組成物は白濁し、ポリエステル樹脂の特徴である透明性を損なう欠点があった。またポリエステル樹脂における最適な加工温度では、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂は急激に熱劣化する傾向にあるため、ポリエステル樹脂の加工安定性を損なう等の問題点があった。
【0004】
エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂以外のガスバリア性樹脂としては、ナイロン6、ナイロン6,6等に代表されるポリアミド樹脂が挙げられるが、とりわけメタキシリレンジアミンを主成分とするジアミン成分とアジピン酸を主成分とするカルボン酸成分とを重合して得られるポリメタキシリレンアジパミドはガスバリア性に優れるポリアミド樹脂であり好適である。ポリメタキシレンアジパミドは他のポリアミド樹脂と比較して高いガスバリア性を有する上に、ポリエステル樹脂の中でも広く利用されているポリエチレンテレフタレート樹脂とガラス転移温度、融点、結晶性が近似していることから、ポリエステル樹脂のガスバリア性を改善するための材料として、ポリメタキシレンアジパミドは非常に適した樹脂であるといえる。
【0005】
これまでに、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートであるポリエステル樹脂にポリアミド樹脂を含有させたガスバリア性の優れた中空成形体が提案されているが、当該発明は単にポリアミド樹脂によりガスバリア性の改善を提案したものであり、色調や透明性の改善に関する記載は一切されていない(特許文献1参照)。また透明性を改善する方法として、ポリエステル樹脂の共重合成分としてスルホン酸金属を用いる方法(特許文献2)や低分子量のポリアミド樹脂を用いる方法(特許文献3)が開示されているが、二軸延伸中空容器においては未延伸部分では透明性は良好であるものの、胴部延伸部分において曇り度の改善効果は不十分であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭58−160344号公報
【特許文献2】特開平2−135259号公報
【特許文献3】特表2003−527457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の課題を解消し、ガスバリア性に優れ、かつ透明性を改善したポリエステル系樹脂組成物からなる二軸延伸中空容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは上記課題の解決方法について鋭意検討した結果、ポリエステル樹脂とメタキシリレン基含有ポリアミド樹脂を混合して得られたポリエステル樹脂組成物を用いて二軸延伸中空容器を得るにあたり、特定のポリエステル樹脂と特定の分子量であるメタキシリレン基含有ポリアミド樹脂を用いることにより、上記課題を解決しうることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち本発明は、共重合ポリエステル樹脂(A)80〜99重量%と、メタキシリレンジアミン単位を70モル%以上含むジアミン単位と、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸単位を70モル%以上含むジカルボン酸単位からなるポリアミド樹脂(B)1〜20重量(%)(重量%の合計は100重量%である)からなるポリエステル樹脂組成物(C)を成形した二軸延伸中空容器であって、共重合ポリエステル樹脂(A)が、ジカルボン酸構成単位の70モル%以上が芳香族ジカルボン酸からなり、ジオール構成単位の70モル%以上が脂肪族ジオールからなり、かつジカルボン酸構成単位の0.01〜5モル%がスルホン酸金属塩基を有し、ポリアミド樹脂(B)の数平均分子量が6000〜15000であることを特徴とする二軸延伸中空容器に関する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ガスバリア性に優れ、かつ透明性を改善したポリエステル組成物からなるパリソン、二軸延伸中空容器が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明について詳しく説明する。本発明で用いられるパリソンあるいは二軸延伸中空容器を構成するポリエステル樹脂組成物(C)は、共重合ポリエステル樹脂(A)とポリアミド樹脂(B)からなる。
【0012】
本発明の二軸延伸中空容器を構成する共重合ポリエステル樹脂(A)は、ジカルボン酸構成単位の70モル%以上、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上が芳香族ジカルボン酸単位からなり、ジオール構成単位の70モル%以上、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上が脂肪族ジオール単位からなるポリエステル樹脂である。芳香族ジカルボン酸単位や脂肪族ジオール単位の割合を多くすることにより、共重合ポリエステル樹脂(A)の結晶性が高くなり、使用前の乾燥が容易になる。また、共重合ポリエステル樹脂(A)は、ジカルボン酸構成単位の0.01〜5モル%がスルホン酸金属塩基を有する。後述するように、スルホン酸金属塩基を有するポリエステル樹脂(A)を得るには2種以上のジカルボン酸成分を共重合する必要がある。スルホン酸金属塩基はポリアミド樹脂(B)との相溶性を改有するために肝要であり、ポリアミド樹脂(B)を微細に分散させ、該ポリエステル樹脂組成物(C)から得られる二軸延伸中空容器の透明性を著しく向上させるものである。ポリエステル樹脂(A)におけるスルホン酸金属塩基の比率は、ジカルボン酸構成単位の0.01〜5モル%であることが好ましく、さらに好ましくは0.03〜2モル%、更に好ましくは0.06〜1.0モル%である。この範囲とすることでポリエステル樹脂(A)の特性を損なうことなく相溶性を高めることができる。ポリエステル樹脂(A)は、2種以上を併用しても良い。
【0013】
前記芳香族ジカルボン酸として、テレフタル酸、イソフタル酸等のベンゼンジカルボン酸;2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸等のナフタレンジカルボン酸;4,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,4’−ビフェニルジカルボン酸等のビフェニルジカルボン酸等、およびこれらのエステル形成性誘導体が例示できる。これらの中でもテレフタル酸を使用することが好ましい。また、テレフタル酸と他の芳香族ジカルボン酸を併用する場合にはイソフタル酸が好ましく用いられる。イソフタル酸を併用する場合、その割合はジカルボン酸成分の1〜10モル%、好ましくは1〜8モル%、更に好ましくは1〜6モル%である。この範囲でイソフタル酸を共重合したポリエステル樹脂は結晶化速度が遅くなり、成形性を向上させることが可能となる。更に、本発明の目的を損なわない範囲でアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸や安息香酸、プロピオン酸、酪酸等のモノカルボン酸を用いることができる。
【0014】
前記脂肪族ジオールとして、エチレングリコール、1,3―プロピレンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,6−ヘキサンジオール等およびこれらのエステル形成性誘導体が例示できる。これらの中でもエチレングリコールを使用することが好ましい。更に、本発明の目的を損なわない範囲でブチルアルコール、ヘキシルアルコール、オクチルアルコール等のものアルコール類や、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール類を用いることもできる。
【0015】
スルホン酸金属塩基を有するポリエステル樹脂(A)を得るには、該スルホン酸金属塩の金属イオンとしてリチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属イオン;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属イオン;亜鉛等の遷移金属イオン、スルホン酸としてスルホフタル酸、スルホテレフタル酸、スルホイソフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸及びそれらの誘導体を組み合わせたジカルボン酸化合物をジカルボン酸成分として共重合することが好ましい。該ジカルボン酸化合物としては、5−スルホイソフタル酸ナトリウム、5−スルホイソフタル酸リチウム及び5−スルホイソフタル酸亜鉛が好ましい。
【0016】
ポリエステル樹脂(A)の製造には、公知の方法である直接エステル化法やエステル交換法を適用することができる。ポリエステル樹脂(A)の製造時に使用する重縮合触媒としては、公知の三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等のアンチモン化合物、酸化ゲルマニウム等のゲルマニウム化合物、酢酸チタン等のチタン化合物、塩化アルミニウム等のアルミニウム化合物等が例示できるが、これらに限定されない。また必要に応じて分子量を高めるために従来公知の方法によって固相重合しても良い。
【0017】
本発明に用いるポリエステル樹脂(A)は、使用する前のポリマー中の水分率が200ppm以下、好ましくは100ppm以下、更に好ましくは50ppm以下であることが好ましい。この場合、ポリエステル樹脂を乾燥し上記水分率としてもよい。水分率が上記範囲内であると、溶融混合工程においてポリエステルが加水分解して分子量が極端に低下することがない。
【0018】
本発明で用いるポリエステル樹脂(A)の固有粘度(フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン=60/40重量比混合溶媒中、25℃で測定した値)は0.5〜2.0dl/g、好ましくは0.6〜1.5dl/gであることが望ましい。固有粘度が上記範囲内であると、これを使用して得られるポリエステル樹脂組成物(C)においてポリアミド樹脂(B)が微細に分散することにより透明性が向上し、かつ二軸延伸中空容器が構造物として必要な機械的性質を発現することができる。
【0019】
次に、ポリアミド樹脂(B)について説明する。
本発明におけるポリアミド樹脂(B)は、ポリエステル樹脂(A)のガスバリア性を改善する効果を付与するものである。ポリアミド樹脂(B)におけるジアミン単位としては、メタキシリレンジアミン単位を70モル%以上(100モル%含む)、好ましくは80モル%以上、更に好ましくは90モル%以上含む。メタキシリレンジアミン単位をジアミン単位の主成分とすることで得られるポリアミド樹脂(B)のガスバリア性を効率よく高めることができる。メタキシリレンジアミン以外に使用できるジアミンとしては、パラキシリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ノナンメチレンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン等が例示できるが、これらに限定されるものではない。
【0020】
ポリアミド樹脂(B)におけるジカルボン酸単位としては、α、ω−脂肪族ジカルボン酸単位を70モル%以上(100モル%含む)、好ましくは75モル%以上、更に好ましくは80モル%以上含む。α、ω−脂肪族ジカルボン酸単位の含有量を70モル%以上とすることで、ガスバリア性の低下や結晶性の過度の低下を避けることができる。α、ω−脂肪族ジカルボン酸としてはスベリン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等が挙げられるが、アジピン酸が好ましく用いられる。α、ω−脂肪族ジカルボン酸以外のジカルボン酸単位としては、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、キシリレンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸等が例示できるが、これらに限定されるものではない。また前記のジアミン単位、ジカルボン酸単位以外にも、ポリアミド樹脂(B)を構成する単位として、本発明の効果を損なわない範囲でε−カプロラクタムやラウロラクタム等のラクタム類、アミノカプロン酸、アミノウンデカン酸等の脂肪族アミノカルボン酸類、パラ−アミノメチル安息香酸のような芳香族アミノカルボン酸等も共重合単位として使用できる。
【0021】
ポリアミド樹脂(B)は溶融重縮合(溶融重合)法により製造される。溶融重合法としては、例えばジアミンとジカルボン酸からなるナイロン塩を水の存在下に、加圧下で昇温し、加えた水および縮合水を除きながら溶融状態で重合させる方法がある。また、ジアミンを溶融状態のジカルボン酸へ直接加えて、重縮合する方法によっても製造される。この場合、反応温度が生成するオリゴアミド及びポリアミドの融点よりも下回らないように反応系を昇温しつつ、重縮合が進められる。溶融重合で得られたポリアミド樹脂(B)は一旦取り出され、ペレット化された後、乾燥して使用される。
【0022】
ポリアミド樹脂(B)の重縮合系内にはアミド化反応を促進する効果や、重縮合時の着色を防止する効果を得るために、リン原子含有化合物を添加しても良い。リン原子含有化合物としては、ジメチルホスフィン酸、フェニルメチルホスフィン酸、次亜リン酸、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸リチウム、次亜リン酸エチル、フェニル亜ホスホン酸、フェニル亜ホスホン酸ナトリウム、フェニルホスホン酸カリウム、フェニルホスホン酸リチウム、フェニル亜ホスホン酸エチル、フェニルホスホン酸、エチルホスホン酸、フェニルホスホン酸ナトリウム、フェニルホスホン酸カリウム、フェニルホスホン酸リチウム、フェニルホスホン酸ジエチル、エチルホスホン酸ナトリウム、エチルホスホン酸カリウム、亜リン酸、亜リン酸水素ナトリウム、亜リン酸ナトリウム、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリフェニル、ピロ亜リン酸等が挙げられ、これらの中でも特に次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸リチウム等の次亜リン酸金属塩がアミド化反応を促進する効果が高く、かつ着色防止効果にも優れるため好ましく用いられ、特に次亜リン酸ナトリウムが好ましい。本発明で使用できるリン原子含有化合物はこれらの化合物に限定されない。
【0023】
ポリアミド樹脂(B)の重縮合系内に添加するリン原子含有化合物の添加量は、ポリアミド樹脂(B)中のリン原子濃度換算で1〜200ppm以下が好ましく、5〜190ppmがより好ましく、10〜160ppmがさらに好ましい。上述の範囲内にリン原子含有化合物の添加量を設定することで重縮合中のポリアミド樹脂の着色を防止するとともに、アンチモン系触媒を利用して製造されたポリエステル樹脂と溶融混合する際にポリエステル樹脂中にわずかに残存するアンチモン系触媒の還元に起因する黒ずみが防止される。
【0024】
ポリアミド樹脂(B)の重縮合系内には、リン原子含有化合物と併用してアルカリ金属化合物を添加することが好ましい。重縮合中のポリアミドの着色を防止するためにはリン原子含有化合物を十分な量存在させる必要があるが、場合によってはポリアミドのゲル化を促進する恐れがあるため、アミド化反応速度を調整するためにもアルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物を共存させることが好ましい。例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ金属/アルカリ土類金属水酸化物や、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸ルビジウム、酢酸セシウム、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム、酢酸バリウム等のアルカリ金属/アルカリ土類金属酢酸塩等が挙げられるが、これらの化合物に限定されることなく用いることができる。
【0025】
ポリアミド樹脂(B)の重縮合系内にアルカリ金属化合物を添加する場合、該化合物のモル数をリン原子含有化合物(A)のモル数で除した値が0.5〜2.0となるようにすることが好ましく、より好ましくは0.6〜1.8であり、更に好ましくは0.7〜1.5である。上述の範囲とすることでリン原子含有化合物によるアミド化反応促進効果を得つつゲルの生成を抑制することが可能となる。なおポリアミド樹脂(B)には上述のリン原子含有化合物やアルカリ金属化合物の他に本発明の効果を損なわない範囲で滑剤、艶消剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、核剤、可塑剤、難燃剤、耐電防止剤、着色防止剤、ゲル化防止剤、その他の添加剤を加えることもできる。
【0026】
ポリアミド樹脂(B)の水分率は0.15重量%以下が好ましく、より好ましくは0.1重量%以下、更に好ましくは0.08重量%以下である。この場合、ポリアミド樹脂を乾燥し上記水分率としてもよい。ポリアミド樹脂(B)の水分率を上述の範囲とすることで、ポリエステル樹脂(A)との溶融混合時にポリアミド樹脂(B)から発生する水分によって生じるポリエステル樹脂(A)の加水分解を抑制することができる。ポリアミド樹脂(B)を乾燥する場合は、公知の方法により行うことができる。例えば、ポリアミド樹脂(B)を真空ポンプ付きの加熱可能なタンブラー(回転式真空槽)中や減圧乾燥機中に仕込み、減圧下でポリマーの融点以下、好ましくは160℃以下の温度で乾燥する方法が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0027】
ポリアミド樹脂(B)の数平均分子量は6000〜15000であることが好ましく、より好ましくは7000〜14000、更に好ましくは8000〜13000である。ポリアミド樹脂(B)の数平均分子量を上述の範囲とすることで、ポリエステル樹脂組成物(C)からなる二軸延伸中空容器においてポリエステル樹脂(A)の海にポリアミド樹脂(B)が微細に分散することにより該容器の透明度は優れたものとなる。
【0028】
ポリエステル樹脂組成物(C)におけるポリエステル樹脂(A)とポリアミド樹脂(B)の配合割合は、ポリエステル樹脂(A)80〜99重量%、ポリアミド樹脂(B)1〜20重量%(重量%の合計は100重量%)が好ましく、より好ましくはポリエステル樹脂(A)85〜99重量%、ポリアミド樹脂(B)1〜15重量%、更に好ましくはポリエステル樹脂(A)90〜98重量%、ポリアミド樹脂(B)2〜10重量%である。上述の範囲内にポリアミド樹脂の含有量を設定することで、二軸延伸中空容器の透明性を損なうことなくガスバリア性を改善することができる。
【0029】
また、本発明で用いるポリエステル樹脂組成物(C)には、本発明の効果を損なわない範囲で、他の樹脂、具体的にはポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂、ナイロン6、ナイロン−6IT、ナイロン66等のポリアミド樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン等が配合されていてもよい。またはそれらの溶融混合物等のリサイクル樹脂が配合されていてもよい。また顔料、染料、滑剤、艶消剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、核剤、可塑剤、難燃剤、耐電防止剤、ポリアミド樹脂のゲル化防止を目的としたアルカリ化合物等の添加剤を加えることもできる。
【0030】
ポリエステル樹脂組成物(C)を製造する方法としては、従来公知の方法により混合される。例えば、ポリエステル樹脂(A)とポリアミド樹脂(B)とをタンブラー、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー等でドライブレンドしたもの、さらにドライブレンドした混合物を一軸押出機、二軸押出機、ニーダー等で1回以上溶融混合したもの、さらには必要に応じて溶融混合物を高真空下または不活性ガス雰囲気下で加熱することにより乾燥及び結晶化する方法が挙げられる。
【0031】
本発明の二軸延伸中空容器は、上記ポリエステル樹脂組成物(C)を射出シリンダーから金型ホットランナーを通して、射出成形機の金型キャビティ内に射出してパリソンを得、該パリソンを更に二軸延伸ブロー成形することにより得られる。
【0032】
本発明の二軸延伸中空容器の前駆体であるパリソンを得るための射出成形条件は、下記(a)〜(e)の条件を満たすことが好ましい。
(a)樹脂温度:260〜290℃
(b)スクリュー背圧:2.5〜5.0MPa
(c)スクリュー回転数:80〜250rpm
(d)射出速度:80〜180cc/sec
(e)金型温度:10〜25℃
【0033】
前記射出条件は、射出成形装置の計器に示す値である。射出成形装置に計器が設置されていない場合は、射出成形機の仕様と射出成形時の各設定値から算出することも出来る。
【0034】
ポリエステル樹脂組成物(C)中のポリアミド樹脂(B)の分散粒子径は主に計量時および射出時の条件がそれぞれ影響する。すなわち、計量時にスクリューの背圧を高く、スクリュー回転数を速くすることで溶融樹脂の混練が進み分散粒子径が小さくなる。また、射出速度を速くすることで溶融樹脂に剪断がかかり分散粒子径が小さくなる。そのため、上述の範囲でパリソンを成形することにより、ポリエステル樹脂組成物(C)中のポリアミド樹脂(B)の分散粒径が小さく、かつ分散粒径のばらつきが少なくなることにより、二軸延伸中空容器の透明性が良好となる。射出条件(a)〜(e)は、成形する樹脂の溶融粘度等に合わせて適宜選択することができる。
【0035】
樹脂温度が260〜290℃であると、パリソンに未溶融物が析出したり透明性が低下したりすることを防ぐことができる。また、パリソンの黄色化を抑制し、二軸延伸中空容器の外観の悪化を防ぐことができる。金型温度が10〜25℃であると、パリソンの結晶化に起因する外観の悪化を防ぐことができる。また二軸延伸中空容器の透明性がよくなる。
【0036】
得られたパリソンを二軸延伸中空容器に成形する方法は、一般的なブロー成形機を用いればよい。例えば、二軸延伸ブロー成形機を用いて、遠赤外線ヒーターで15秒〜4分程度加熱してパリソンの表面温度を90〜120℃にし、ストレッチロッド及び0.5〜3.5MPaの圧力でブロー成形することにより得られる。
【0037】
本発明の二軸延伸中空容器は、ガスバリア性に優れ、かつ透明性に優れたものであり、例えば、水、ジュース、果汁、お茶、紅茶、コーヒー、健康飲料、ゼリー飲料等の各種飲料、日本酒、焼酎、ワイン、ビール、リキュール等のアルコール飲料、調味液、ソース、醤油、ドレッシング、液体だし、みりん、酢、マヨネーズ、ケチャップ、たれ等の各種調味料、液体及びペースト状の医薬品、化粧水、化粧クリーム、化粧乳液、整髪料、染毛剤、シャンプー、石鹸、洗剤等、種々の物品を収納することができる。
【実施例】
【0038】
以下に実施例および比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。以下に実施例等に使用した材料、分析・測定方法及び二軸延伸中空容器の製造方法について記す。
【0039】
1.材料
実施例及び比較例では以下の材料を使用した。
(1)ポリエステル1
インビスタ社製イソフタル酸共重合PET樹脂(商品名:Polyshield 2400、固有粘度=0.8dl/g、融点=242℃、イソフタル酸3.3モル%共重合、ジカルボン酸成分における5−スルホン酸ナトリウム量=0.09モル%)を使用した。使用に際しては除湿乾燥機にて150℃6時間乾燥したものを用いた。
(2)ポリエステル2
インビスタ社製イソフタル酸共重合PET樹脂(商品名:Polyclear 1101E、固有粘度=0.8dl/g、融点=244℃、イソフタル酸2.8モル%共重合、スルホン酸金属塩基を有さない)を使用した。使用に際しては除湿乾燥機にて150℃6時間乾燥したものを用いた。
(3)ポリアミド1
攪拌機、分縮器、冷却器、温度計、滴下槽および窒素ガス導入管を備えたジャケット付きの50L反応缶に、アジピン酸15kg、次亜リン酸ナトリウム一水和物13gを仕込み、十分窒素置換し、さらに少量の窒素気流下にて180℃に昇温し、アジピン酸を均一に溶融させた後、系内を撹拌しつつ、これにメタキシリレンジアミン13.7kgを、170分を要して滴下した。この間、内温は連続的に245℃まで上昇させた。なお重縮合により生成する水は、分縮器および冷却器を通して系外に除いた。メタキシリレンジアミンの滴下終了後、内温をさらに260℃まで昇温し、1時間反応を継続した後、ポリマーを反応缶下部のノズルからストランドとして取り出し、水冷後ペレット化してポリマーを得た。次に、上記操作にて得たポリマーを100℃で48時間真空乾燥することにより乾燥及び結晶化したペレットを得た。得られたポリアミド1は、融点=238℃、末端カルボキシル基濃度=155.7μeq/g、末端アミノ基濃度=25.3μeq/g、数平均分子量=11050であった。
(4)ポリアミド2
攪拌機、分縮器、冷却器、温度計、滴下槽および窒素ガス導入管を備えたジャケット付きの50L反応缶に、アジピン酸15kg、次亜リン酸ナトリウム一水和物15gを仕込み、十分窒素置換し、さらに少量の窒素気流下にて180℃に昇温し、アジピン酸を均一に溶融させた後、系内を撹拌しつつ、これにメタキシリレンジアミン13.6kgを、170分を要して滴下した。この間、内温は連続的に245℃まで上昇させた。なお重縮合により生成する水は、分縮器および冷却器を通して系外に除いた。メタキシリレンジアミンの滴下終了後、内温をさらに260℃まで昇温し、1時間反応を継続した後、ポリマーを反応缶下部のノズルからストランドとして取り出し、水冷後ペレット化してポリマーを得た。次に、上記操作にて得たポリマーを100℃で48時間真空乾燥することにより乾燥及び結晶化したペレットを得た。得られたポリアミド2は、融点=238℃、末端カルボキシル基濃度=167.5μeq/g、末端アミノ基濃度=27.3μeq/g、数平均分子量=10250であった。
(5)ポリアミド3
攪拌機、分縮器、冷却器、温度計、滴下槽および窒素ガス導入管を備えたジャケット付きの50L反応缶に、アジピン酸15kg、次亜リン酸ナトリウム一水和物15gを仕込み、十分窒素置換し、さらに少量の窒素気流下にて180℃に昇温し、アジピン酸を均一に溶融させた後、系内を撹拌しつつ、これにメタキシリレンジアミン13.6kgを、170分を要して滴下した。この間、内温は連続的に245℃まで上昇させた。なお重縮合により生成する水は、分縮器および冷却器を通して系外に除いた。メタキシリレンジアミンの滴下終了後、内温をさらに260℃まで昇温し、1時間反応を継続した後、ポリマーを反応缶下部のノズルからストランドとして取り出し、水冷後ペレット化してポリマーを得た。次に、上記操作にて得たポリマーを100℃で48時間真空乾燥することにより乾燥及び結晶化したペレットを得た。得られたポリアミド3は、融点=238℃、末端カルボキシル基濃度=189.4μeq/g、末端アミノ基濃度=27.0μeq/g、数平均分子量=9200であった。
(6)ポリアミド4
攪拌機、分縮器、冷却器、温度計、滴下槽および窒素ガス導入管を備えたジャケット付きの50L反応缶に、アジピン酸15kg、次亜リン酸ナトリウム一水和物15gを仕込み、十分窒素置換し、さらに少量の窒素気流下にて180℃に昇温し、アジピン酸を均一に溶融させた後、系内を撹拌しつつ、これにメタキシリレンジアミン13.8kgを、170分を要して滴下した。この間、内温は連続的に245℃まで上昇させた。なお重縮合により生成する水は、分縮器および冷却器を通して系外に除いた。メタキシリレンジアミンの滴下終了後、内温をさらに260℃まで昇温し、1時間反応を継続した後、ポリマーを反応缶下部のノズルからストランドとして取り出し、水冷後ペレット化してポリマーを得た。次に、上記操作にて得たポリマーを100℃で48時間真空乾燥することにより乾燥及び結晶化したペレットを得た。得られたポリアミド1は、融点=238℃、末端カルボキシル基濃度=83.3μeq/g、末端アミノ基濃度=34.0μeq/g、数平均分子量=17050であった。
(7)ポリアミド5
攪拌機、分縮器、冷却器、温度計、滴下槽および窒素ガス導入管を備えたジャケット付きの50L反応缶に、アジピン酸15kg、次亜リン酸ナトリウム一水和物15gを仕込み、十分窒素置換し、さらに少量の窒素気流下にて180℃に昇温し、アジピン酸を均一に溶融させた後、系内を撹拌しつつ、これにメタキシリレンジアミン13.8kgを、170分を要して滴下した。この間、内温は連続的に245℃まで上昇させた。なお重縮合により生成する水は、分縮器および冷却器を通して系外に除いた。メタキシリレンジアミンの滴下終了後、内温をさらに260℃まで昇温し、1時間反応を継続した後、ポリマーを反応缶下部のノズルからストランドとして取り出し、水冷後ペレット化してポリマーを得た。
次に、上記の操作にて得たポリマーを加熱ジャケット、窒素ガス導入管、真空ラインを備えた50L回転式タンブラーに入れ、回転させつつ系内を減圧にした後、純度99容量%以上の窒素で常圧にする操作を3回行った。その後、窒素流通下にて系内を140℃まで昇温させた。次に系内を減圧にし、さらに190℃まで連続的に昇温し、190℃で30分保持した後、窒素を導入して系内を常圧に戻した後、冷却してポリアミド5を得た。得られたポリアミド5は、融点=238℃、末端カルボキシル基濃度=66.5μeq/g、末端アミノ基濃度=17.6μeq/g、数平均分子量=23800であった。
【0040】
2.分析方法及び測定方法
実施例及び比較例で使用したポリエステルやポリアミドの性状、および成形して得たポリエステル系容器の性状は以下の方法によって分析及び測定を行った。
(1)ポリアミドの末端基濃度
(a)末端アミノ基濃度([NH]μeq/g)
ポリアミド0.2〜0.5gを精秤し、フェノール/エタノール=4/1容量溶液30mlにポリアミドを撹拌下に溶解した。ポリアミドが完全に溶解した後、N/100塩酸で中和滴定して求めた。
(b)末端カルボキシル基濃度([COOH]μeq/g)
ポリアミド0.2〜0.5gを精秤し、ベンジルアルコール30mlに窒素気流下160〜180℃でポリアミドを撹拌下に溶解した。ポリアミドが完全に溶解した後、窒素気流下80℃まで冷却し、撹拌しながらメタノール10mlを加え、N/100水酸化ナトリウム水溶液で中和滴定して求めた。
(2)ポリアミドの数平均分子量
ポリアミドのアミノ基濃度([NH]μeq/g)とカルボキシル基濃度([COOH]μeq/g)から、次式(イ)により数平均分子量(Mn)を算出した。
Mn=2×10/([NH]+[COOH]) (イ)
(3)ポリエステル及びポリアミドの融点
島津製作所(株)製、DSC−60を用い、窒素気流下にて昇温速度10℃/minにて測定を行い、融解ピーク温度を融点とした。
(4)二軸延伸中空容器の酸素透過率測定
MOCON社製OX−TRAN2/61を使用し、容器内部湿度が100%RH、外湿度が50%RH、温度が23℃の条件にて酸素透過率(ml/(day・0.21atm))の測定を行った。
(5)二軸延伸中空容器のヘーズ測定
JIS K−7105に準じた。測定装置は、日本電色工業製の測定装置(COH−300)を使用した。
【0041】
3.二軸延伸中空容器の製造
ポリエステル樹脂(A)とポリアミド樹脂(B)を所定量計量後、タンブラーに入れ、10分間混合した。次いで、この混合物を射出成形装置((株)名機製作所製 M200PDM−MJ)により射出して長さ96mm、肉厚4.0mm、外形直径22.5mm、重量27gのパリソンを得た。射出条件は、背圧4.0MPa、スクリュー回転数150rpm、射出速度155cc/sec、樹脂温度275℃、金型温度15℃である。
このパリソンを、ブロー成形装置((株)フロンティア製EFB1000ET)により二軸延伸ブロー成形して、高さ223mm、胴径65mm、容量500ml、平均厚さ約300μmの二軸延伸中空容器を成形した。
【0042】
実施例1〜3、比較例1〜6
表1に示したポリエステル樹脂(A)とポリアミド樹脂(B)の組み合わせからなる二軸延伸中空容器を成形し、容器の酸素透過率測定、及び胴部のヘーズ測定を行った。容器材料組成及び各種評価結果を表1に示す。
【0043】
表1から明らかなように、本発明の構成要件を満足する実施例の二軸延伸中空容器は胴部ヘーズが5%未満と透明性が良好であり、酸素透過率も比較例1と比較して低いものであった。一方、比較例2〜6では容器胴部のヘーズが高く、透明性に劣るものであった。また比較例1はポリエステル単体であることから透明性は良好も、酸素透過率に劣るものであった。
【0044】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
共重合ポリエステル樹脂(A)80〜99重量%と、メタキシリレンジアミン単位を70モル%以上含むジアミン単位と、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸単位を70モル%以上含むジカルボン酸単位からなるポリアミド樹脂(B)1〜20重量(%)(重量%の合計は100重量%である)からなるポリエステル樹脂組成物(C)を成形した二軸延伸中空容器であって、共重合ポリエステル樹脂(A)が、ジカルボン酸構成単位の70モル%以上が芳香族ジカルボン酸単位からなり、ジオール構成単位の70モル%以上が脂肪族ジオール単位からなり、かつジカルボン酸構成単位の0.01〜5モル%がスルホン酸金属塩基を有し、ポリアミド樹脂(B)の数平均分子量が6000〜15000であることを特徴とする二軸延伸中空容器。
【請求項2】
前記芳香族ジカルボン酸がテレフタル酸であり、前記脂肪族ジオールがエチレングリコールである請求項1記載の二軸延伸中空容器。
【請求項3】
前記芳香族ジカルボン酸が、テレフタル酸90〜99モル%及びイソフタル酸1〜10モル%からなる請求項1記載の二軸延伸中空容器。

【公開番号】特開2011−132394(P2011−132394A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−294050(P2009−294050)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(000004466)三菱瓦斯化学株式会社 (1,281)
【Fターム(参考)】