説明

二酸化炭素回収システム

【課題】本発明の目的は、固体の二酸化炭素捕捉材を用いた場合に、捕捉材及び捕捉材を内包する容器の温度上昇による二酸化炭素の捕捉量の低下を抑制して二酸化炭素回収システムの効率を向上する二酸化炭素回収システムを提供することにある。
【解決手段】本発明の二酸化炭素回収システムは、二酸化炭素を含有する二酸化炭素含有ガスから固体の二酸化炭素捕捉材を用いて二酸化炭素を捕捉分離する二酸化炭素回収システムにおいて、固体の捕捉材を収容する容器と、前記容器を形成する壁部材の内部に前記補足材を冷却する冷却媒体を流下する第1の冷却手段となる冷却配管を配設し、前記冷却配管に冷却媒体を流通させて前記容器に収容された前記捕捉材の温度の上昇を抑制するように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二酸化炭素回収システムに関する。
【背景技術】
【0002】
温室効果ガスの排出による地球温暖化の問題が広く認識されてきている。温室効果ガスとしては、二酸化炭素(CO)、メタン(CH)、フロン類(CFCs)等が挙げられるが、排出量が多く、実質的に影響が大きいものは二酸化炭素であり、その排出量の削減が緊急の課題となっている。
【0003】
特開2007−284272号公報には、二酸化炭素を含有する排ガスと二酸化炭素吸収液とを接触させて二酸化炭素を除去する吸収塔と、二酸化炭素を吸収したリッチ溶液を再生する再生塔と、前記再生塔で二酸化炭素が除去されたリーン溶液を吸収塔で再利用する二酸化炭素回収装置であって、前記吸収塔が、二酸化炭素吸収液で排ガス中の二酸化炭素を吸収する二酸化炭素回収部と、前記二酸化炭素回収部の上部側に設けられ、二酸化炭素を除去したガスを冷却すると共に、同伴する二酸化炭素吸収液を回収する水洗部と、前記水洗部で凝縮された二酸化炭素吸収液を含む凝縮水を、前記水洗部の頂部から直接循環する循環ラインと、前記再生塔から前記吸収塔へ前記リーン溶液を供給するリーン溶液供給管に、前記二酸化炭素吸収液を含む凝縮水の余剰分を供給する余剰凝縮水供給ラインとを具備する二酸化炭素回収装置が開示されている。
【0004】
現在、前記特開2007−284272号公報に記載された二酸化炭素吸収液による二酸化炭素の回収技術が利用され始めているが、二酸化炭素吸収液は吸収液再生時の液の揮発損失等の問題によりランニングコストが高い。
【0005】
そこで、吸収液の揮発損失がないためランニングコストが比較的低い、固体の二酸化炭素捕捉材の開発(特開平5−131116号公報、特開2004−261670号公報、特開2001−70726号公報、特開平8−40715号公報)も進められている。
【0006】
前記特開平5−131116号公報は、二酸化炭素または二酸化炭素含有ガスを約20〜100℃において遷移金属担持ゼオライトと接触させる二酸化炭素の捕捉方法が開示されている。
【0007】
また、前記特開2004−261670号公報は、二酸化炭素と水分を含有する排ガスを、シランカップリング剤を化学結合させた支持体と接触せしめ、二酸化炭素と選択的に捕捉させ、脱着する排ガスの処理方法が開示されているが、開示された固体状二酸化炭素捕捉材は二酸化炭素と化学反応して二酸化炭素の構造を大きく変えて化合物を生成するため、反応速度が遅く反応に時間を要する。
【0008】
前記特開2001−70726号公報は、二酸化炭素または二酸化炭素含有ガスを約300〜500℃において酸化マグネシウムを主成分とした捕捉材と接触させる二酸化炭素捕捉方法が開示されている。
【0009】
前記特開平8−40715号公報は、水和物を含む炭酸カリウムを乾燥させて得る多孔質物質を捕捉材として、二酸化炭素を接触捕捉する捕捉材が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2007−284272号公報
【特許文献2】特開平5−131116号公報
【特許文献3】特開2004−261670号公報
【特許文献4】特開2001−70726号公報
【特許文献5】特開平8−40715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上記特開2007−284272号公報、特開平5−131116号公報、特開2004−261670号公報、特開2001−70726号公報、特開平8−40715号公報に記載された技術は、いずれも固体の二酸化炭素補足材を利用する時の二酸化炭素補足反応の反応熱による温度上昇、及びこの温度上昇によって二酸化炭素補足材による二酸化炭素の補足量低下について全く考慮されていない。
【0012】
本発明の目的は、固体の二酸化炭素捕捉材を用いた場合に、捕捉材及び捕捉材を内包する容器の温度上昇による二酸化炭素の捕捉量の低下を抑制して二酸化炭素回収システムの効率を向上する二酸化炭素回収システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の二酸化炭素回収システムは、二酸化炭素を含有する二酸化炭素含有ガスから固体の二酸化炭素捕捉材を用いて二酸化炭素を捕捉分離する二酸化炭素回収システムにおいて、固体の捕捉材を収容する容器と、前記容器を形成する壁部材の内部に前記補足材を冷却する冷却媒体を流下する第1の冷却手段となる冷却配管を配設し、前記冷却配管に冷却媒体を流通させて前記容器に収容された前記捕捉材の温度の上昇を抑制するように構成したことを特徴とする。
【0014】
また本発明の二酸化炭素回収システムは、二酸化炭素を含有する二酸化炭素含有ガスから固体の二酸化炭素捕捉材を用いて二酸化炭素を捕捉分離する二酸化炭素回収システムにおいて、
固体の捕捉材を収容する容器と、前記容器を形成する壁部材の内部に前記補足材を冷却する冷却媒体を流下する第1の冷却手段となる冷却配管を配設し、前記容器の壁部材の内部に配設された第1の冷却手段に冷却媒体を供給する流路の上流側に該冷却媒体を冷却する第2の冷却手段を配設し、前記容器に収容された前記捕捉材の温度の上昇を抑制するように構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、固体の二酸化炭素捕捉材を用いた場合に、捕捉材及び捕捉材を内包する容器の温度上昇による二酸化炭素の捕捉量の低下を抑制して二酸化炭素回収システムの効率を向上する二酸化炭素回収システムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施例である二酸化炭素含有ガスから二酸化炭素を分離回収する二酸化炭素回収システムを示す概略構成図。
【図2】二酸化炭素捕捉材の温度分布の経時変化を表わした特性図。
【図3】図1に示した第1実施例の二酸化炭素回収システムにおける二酸化炭素捕捉材を内包する容器を二酸化炭素含有ガス流通方向に対して平行に切った状況を示す部分断面図。
【図4】図1に示した第1実施例の二酸化炭素回収システムにおける二酸化炭素捕捉材を内包する容器を二酸化炭素含有ガス流通方向に対して平行に切った状況を示す部分断面図。
【図5】本発明の第2実施例である二酸化炭素含有ガスから二酸化炭素を分離回収する二酸化炭素回収システムにおける二酸化炭素捕捉材を内包する容器を二酸化炭素含有ガス流通方向に対して平行に切った状況を示した部分断面図であり、容器内部の二酸化炭素補足材を冷却する冷却配管を流れる冷却媒体の流量を制御する制御装置の概略構成を併せて示した図。
【図6】本発明の第3実施例である二酸化炭素含有ガスから二酸化炭素を分離回収する二酸化炭素回収システムにおける二酸化炭素捕捉材を内包する容器を複数個設置しており、これらの容器を二酸化炭素含有ガス流通方向に対して平行に切った状況を示した部分断面図であり、容器内部の二酸化炭素補足材を冷却する冷却配管を流れる冷却媒体の流量を制御する制御装置の概略構成を併せて示した図。
【図7】本発明の第4実施例である二酸化炭素含有ガスから二酸化炭素を分離回収する二酸化炭素回収システムを示す概略構成図。
【図8】二酸化炭素捕捉時の捕捉材の温度分布を計算する際に用いた諸条件を示す図。
【図9】それぞれの二酸化炭素捕捉反応熱における二酸化炭素捕捉材の最高温度を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明が対象としている固体の二酸化炭素捕捉材を利用した二酸化炭素回収システムは、二酸化炭素吸収液を利用した二酸化炭素回収システムで生じる吸収液の劣化という課題を解決できる方法であるため、固体の二酸化炭素捕捉材の開発が進められてきている。
【0018】
一方、発明者らが鋭意検討を行った結果、固体の二酸化炭素捕捉材を利用した場合、二酸化炭素捕捉時の捕捉反応熱によって、捕捉材及び捕捉材を内包する容器の温度が過度に上昇し、捕捉量を減少させる可能性があることが分かった。
【0019】
従って、二酸化炭素を捕捉する前の二酸化炭素含有ガスを予め冷却するか、二酸化炭素捕捉反応時に二酸化炭素捕捉材を内包する容器を適宜冷却することで、二酸化炭素捕捉反応熱による二酸化炭素捕捉量の減少を抑制することができる。
【0020】
この二酸化炭素捕捉材を内包する容器を冷却する方法としては、容器の壁部材を直接冷却する方法や、容器の壁部材内に冷却配管を配設してこの冷却配管に冷却媒体を流通させて冷却する方法などがある。
【0021】
二酸化炭素捕捉材を内包する容器に前記冷却配管を配設する配置方法は、二酸化炭素含有ガスの流通方向に沿って冷却配管を配置しても良いし、二酸化炭素含有ガスの流通方向の上流部から下流部にかけて幾つかの段階に分けて、各段階に冷却配管を配置しても良い。
【0022】
また、二酸化炭素含有ガスから二酸化炭素を吸着・分離する固体の二酸化炭素捕捉材としては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、セリア、及びゼオライトなどの無機酸化物を用いても良いし、MOFs(Metal−Organic Frameworks)やZIFs(Zeolitic Imidazolate Frameworks)のような有機金属化合物や、炭酸アルカリ金属、炭酸水素アルカリ金属、炭酸アルカリ土類金属、又は炭酸水素アルカリ土類金属を用いても良く、又、これらを熱処理したものを用いても良い。
【実施例1】
【0023】
本発明の第1実施例である固体の二酸化炭素捕捉材を利用した二酸化炭素回収システムについて、図1乃至図4を用いて説明する。
【0024】
図1に示した本発明の第1実施例である固体の二酸化炭素捕捉材を利用した二酸化炭素回収システムにおいては、開閉バルブ4aを備えた二酸化炭素含有ガス流路1を通じて供給される二酸化炭素を含有するガスから二酸化炭素を捕捉分離する固体の二酸化炭素捕捉材8を内包した容器5は、並列に4基設置されている。
【0025】
前記固体の二酸化炭素捕捉材8としては、前記した様に、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、セリア、及びゼオライトなどの無機酸化物を用いても良いし、MOFs(Metal−Organic Frameworks)やZIFs(Zeolitic Imidazolate Frameworks)のような有機金属化合物や、炭酸アルカリ金属、炭酸水素アルカリ金属、炭酸アルカリ土類金属、又は炭酸水素アルカリ土類金属を用いても良く、又、これらを熱処理したものを用いても良い。
【0026】
前記4基設置された固体の二酸化炭素捕捉材8をそれぞれ内包した容器5には、開閉バルブ4bを備えた高純度二酸化炭素ガス流路2を通じて二酸化炭素ガスがそれぞれ供給され、同様に4基設置された前記容器5に開閉バルブ4cを備えた水蒸気ガス流路3を通じて水蒸気ガスがそれぞれ供給されている。
【0027】
4基設置された固体の二酸化炭素捕捉材を内包する前記容器5はいずれも同じ機能を具備しており、二酸化炭素回収システムにおける二酸化炭素捕捉過程、二酸化炭素パージ過程、二酸化炭素脱離過程及び冷却過程の4つの過程が順に繰り返して実行される。
【0028】
1つ目の二酸化炭素捕捉過程では、二酸化炭素含有ガス流路1を通じて供給する二酸化炭素含有ガスを、開閉バルブ4aを操作して固体の二酸化炭素捕捉材8を内包する4基ある容器5のうち、1つの容器5のみに流通させ、二酸化炭素含有ガスに含まれた二酸化炭素を二酸化炭素捕捉材8によって捕捉する。そして二酸化炭素が除去された後のガスは開閉バルブ35を操作して前記容器5の出口側に配設した二酸化炭素除去ガス流路6を通じて大気中に排出する。
【0029】
2つ目の二酸化炭素パージ過程では、4基ある容器5のうち、二酸化炭素捕捉量が飽和した二酸化炭素捕捉材8を内包する容器5へ、開閉バルブ4aを操作して二酸化炭素含有ガス流路1を通じて供給していた二酸化炭素含有ガスの流通を停止する。
【0030】
次に、開閉バルブ4bを操作して、前記容器5内へ高純度二酸化炭素ガス流路2を通じて供給する二酸化炭素を流通させて二酸化炭素以外のガスを前記容器5からパージする。この時、前記容器5から排出されるガスは、開閉バルブ35を操作して二酸化炭素除去ガス流路6を通じて大気中に排出する。
【0031】
最後に、開閉バルブ4b及び開閉バルブ35をそれぞれ操作して、前記容器5内への二酸化炭素ガスの流通と前記容器5からの二酸化炭素除去ガスの排出をそれぞれ停止する。
【0032】
3つ目の二酸化炭素脱離過程では、開閉バルブ4cを操作して、水蒸気ガス流路3を通じて前記容器5に水蒸気ガスを供給して該容器5を昇温する。
【0033】
水蒸気ガス流路3を通じて水蒸気を前記容器5に流通させることによって、前記容器5に収容されている固体の二酸化炭素捕捉材8に捕捉している二酸化炭素を脱離させ、開閉バルブ36を操作して前記容器5の出口に配設した二酸化炭素回収流路7を通じて二酸化炭素捕捉材8から脱離させ二酸化炭素を回収する。
【0034】
4つ目の冷却過程では、固体の二酸化炭素補足材8及び前記二酸化炭素捕捉材8を内包する容器5を、冷却配管11を通じて供給する冷却媒体によって冷却する。以上の4つの過程を、固体の二酸化炭素補足材8を内包する4基の容器5でそれぞれ繰り返すことで、二酸化炭素含有ガスに含まれた二酸化炭素を連続的に脱離させて回収するシステムとなり得る。
【0035】
1基の容器5内に要求される固体の二酸化炭素捕捉材8の量は、1つ目の二酸化炭素捕捉過程における二酸化炭素含有ガスの流通時間と二酸化炭素含有ガスの流通量、及び二酸化炭素含有ガスの二酸化炭素濃度によって決定すれば良い。
【0036】
二酸化炭素を含有するガスから二酸化炭素を捕捉分離する固体の二酸化炭素捕捉材を用いて二酸化炭素を回収する本実施例の二酸化炭素回収システムは、二酸化炭素捕捉過程、二酸化炭素パージ過程、二酸化炭素脱離過程、及び冷却過程の4過程を1サイクルとして構成される。
【0037】
1サイクルを120分、つまり1過程を30分で運転すると仮定し、二酸化炭素捕捉時の捕捉材の温度分布を、図8に示す諸条件の下で、一次元熱流体として扱い計算した。なお、図8に記載した諸条件は1000MW級の火力発電所の排ガスをモデルとしている。ただし、二酸化炭素捕捉材8を内包する容器5は断熱であると仮定した。
【0038】
様々な二酸化炭素捕捉反応熱における二酸化炭素捕捉材の最高温度を図9に示した。また、二酸化炭素捕捉反応熱が10kcal/molである二酸化炭素捕捉材を用いた場合の、二酸化炭素補足材温度分布の計算結果を図2に示した。
【0039】
図9に示す通り、二酸化炭素回収システムの二酸化炭素捕捉材温度は、捕捉反応熱としては非常に低い10kcal/molの二酸化炭素捕捉材を用いた場合であっても、捕捉材温度は147℃まで上昇することが判明した。
【0040】
二酸化炭素捕捉温度を50℃とする二酸化炭素捕捉材は、通常120〜150℃前後で二酸化炭素を脱離するように想定しているため、147℃までの温度上昇により、二酸化炭素捕捉材の二酸化炭素捕捉量は大きく低減することが予測出来る。
【0041】
従って、二酸化炭素捕捉材による二酸化炭素捕捉量の低減に対処するためには本実施例である二酸化炭素回収システムに記載した様に、二酸化炭素回収システムに冷却手段を設置し、又は後述する本発明の第4実施例である二酸化炭素回収システムに記載した様に、二酸化炭素回収システムに冷却手段を設置すると共に、この二酸化炭素回収システムの前段にも別の冷却手段を更に設置することが必須となる。
【0042】
図2に示した二酸化炭素捕捉材の温度分布の経時変化を表わしたグラフから理解できるように、二酸化炭素捕捉材中に温度の高い部分と低い部分が生じることが分かる。例えば、二酸化炭素含有ガスを二酸化炭素捕捉材に20分流通した後において、二酸化炭素捕捉材の位置であるガス流れの上流部では二酸化炭素の捕捉飽和に至ると捕捉反応熱が発生しないが、50℃の二酸化炭素含有ガスは流通し続けているため前記二酸化炭素捕捉材は冷却される。
【0043】
二酸化炭素捕捉材の位置であるガス流れの最下流部では、二酸化炭素捕捉反応が生じないため、反応熱が発生せず、二酸化炭素捕捉材の温度は低いままである。一方、二酸化炭素捕捉材の位置であるガス流れの上流部と下流部との間では、二酸化炭素捕捉材は二酸化炭素を捕捉して反応熱によって温度が上昇し、上流部より流通する二酸化炭素含有ガスの冷却効果も小さい。従って、前記二酸化炭素捕捉材中には温度分布が生じるので、適切な冷却手段を設置することによって前記二酸化炭素捕捉材を効率よく冷却することが可能となる。
次に本発明の第1実施例である固体の二酸化炭素捕捉材を利用した二酸化炭素回収システムについて、更に詳細に説明する。
【0044】
図1に示した本実施例の二酸化炭素回収システムでは、並列に4基設置された前記容器5の内部には、固体の二酸化炭素捕捉材8がそれぞれ収容されており、容器5に供給された二酸化炭素含有ガスを、この固体の二酸化炭素捕捉材8によって補足するようになっている。
【0045】
前記固体の二酸化炭素捕捉材8を収容した容器5は、図3の部分断面図に詳細に示されたように、前記容器5の壁部材9内部の内壁側で二酸化炭素捕捉材8の外周側に位置する領域には、冷却媒体を流通させる冷却配管11が該容器5の周方向にスパイラル状に配設されており、前記容器5の壁部材9内部の前記冷却配管11の外周側に位置する領域には、冷却媒体を流通させる別の冷却配管12が該容器5の長手方向に沿って垂直状に複数本配設されている。
【0046】
前記容器5には図1に示したように、二酸化炭素含有ガスを容器5に供給する開閉バルブ4aを備えた二酸化炭素含有ガス流路1と、二酸化炭素以外のガスをパージするために高純度の二酸化炭素ガスを容器5に供給する開閉バルブ4bを備えた高純度二酸化炭素ガス流路2と、二酸化炭素捕捉材8に捕捉した二酸化炭素を脱離させるために容器5を昇温させる水蒸気を供給する開閉バルブ4cを備えた水蒸気ガス流路3とがそれぞれ配設されている。
【0047】
前記容器5には、容器5内に設置された二酸化炭素捕捉材8によって捕捉され、二酸化炭素が除去された後のガスを該容器5から大気中に排出する、開閉バルブ35を備えた二酸化炭素除去ガス流路6が配設されている。
【0048】
また、前記二酸化炭素除去ガス流路6は、高純度二酸化炭素ガス流路2から供給された二酸化炭素を流通させて二酸化炭素以外のガスをパージする際に、前記容器5から二酸化炭素以外のガスを大気中に排出する流路としても使用される。
【0049】
前記容器5には、水蒸気ガス流路3から供給された水蒸気による昇温によって、二酸化炭素捕捉材8で捕捉していた二酸化炭素を脱離させ、この離脱した二酸化炭素を回収する、開閉バルブ36を備えた二酸化炭素回収流路7が配設されている。
【0050】
図4は本実施例の二酸化炭素回収システムにおける二酸化炭素捕捉材8を内包する容器5を、二酸化炭素含有ガスの流通方向に対して平行に切った部分断面図であり、複数の冷却配管11が容器5及び容器壁部材9を貫通して配置して、これらの冷却配管11を流れる冷却媒体を調節することによって容器5及び前記容器5に収容した二酸化炭素捕捉材8を効果的に冷却するものある。
【0051】
二酸化炭素含有ガスから二酸化炭素を捕捉する二酸化炭素捕捉材8の温度が上昇した際に、二酸化炭素捕捉材8を内包する容器5及び容器5の壁部材9を貫通するように配置した前記冷却配管11が、二酸化炭素含有ガス流れ方向の上流部から下流部にかけてパラレル状に複数に分かれて配設されており、パラレル状に配設されたこれら複数の冷却配管11を流れる冷却媒体により、二酸化炭素含有ガスの流れ方向の上流部から下流部にかけて徐々に温度が上昇していく二酸化炭素捕捉材8の熱を抑制することが可能となる。
【0052】
即ち、二酸化炭素含有ガスから二酸化炭素を捕捉する時、二酸化炭素捕捉材8の温度は二酸化炭素含有ガスの流れの上流部より二酸化炭素含有ガス流れの下流部にかけて、温度が上昇して下流部では所望値を超える温度分布となる可能性がある。
【0053】
そこで、冷却配管を二酸化炭素含有ガス流れに沿って垂直状に設置した場合、二酸化炭素捕捉材8の下流部が低温の状態であるにも拘わらず、垂直状に設置した冷却配管を流れる冷却媒体は二酸化炭素捕捉材8の高温部から得た熱を下流側の二酸化炭素捕捉材8の低温部に伝熱して所望値を超える温度に加熱してしまう恐れがある。
【0054】
そこで、本実施例の二酸化炭素回収システムでは、二酸化炭素捕捉材8を内包する容器5及び容器5の壁部材9を貫通するように配置した前記冷却配管11が、二酸化炭素含有ガスの流れ方向の上流部から下流部にかけてパラレル状に複数に分かれて配設させ、これらの冷却配管11に冷却媒体を流下することにより、二酸化炭素含有ガスの流れの下流側に位置する二酸化炭素捕捉材8の温度上昇を抑制することが可能となる。
【0055】
本実施例によれば、固体の二酸化炭素捕捉材を用いた場合に、捕捉材及び捕捉材を内包する容器の温度上昇による二酸化炭素の捕捉量の低下を抑制して二酸化炭素回収システムの効率を向上する二酸化炭素回収システムを実現することができる。
【実施例2】
【0056】
次に本発明の第2実施例である二酸化炭素回収システムについて図5を用いて説明する。
【0057】
図5に示した本実施例の二酸化炭素回収システムは、図1乃至図4に示した第1実施例の二酸化炭素回収システムと基本的な構成は共通しているので、両者に共通した説明は省略し、相違する部分について以下に説明する。
【0058】
図5に示した本実施例の二酸化炭素回収システムにおいて、固体の二酸化炭素捕捉材8を内包する容器5及び前記容器5の壁部材9を貫通するように配置した前記冷却配管11が、二酸化炭素含有ガス流れ方向の上流部から下流部にかけてパラレル状に複数に分かれて配設されており、パラレル状に配設されたこれら複数の冷却配管11には該冷却配管11を流れる冷却媒体の温度を検出する複数の温度検出器17及び冷却配管11を流れる冷却媒体の流量を調節する複数の流量調節器18がそれぞれ設置されている。
【0059】
更に前記温度検出器17で検出された冷却配管11を流れる冷却媒体の検出温度に基づいて二酸化炭素含有ガスの流れ方向の上流部から下流部にかけての任意位置における二酸化炭素捕捉材8の温度を所望の温度にそれぞれ調節するために、前記流量調節器18に冷却配管11を流れる冷却媒体の流量を調節する指令信号を演算して出力する制御装置19が設置されている。
【0060】
上記した本実施例の二酸化炭素回収システムでは、図5の右側に二酸化炭素捕捉材の位置と温度との関係を温度分布として示したように、二酸化炭素捕捉材8が二酸化炭素含有ガスから二酸化炭素を捕捉する際に二酸化炭素捕捉材8の一部の温度が上昇した場合に、二酸化炭素捕捉材8の温度は二酸化炭素含有ガスの流れの上流部と下流部との中間の位置で温度が上昇した高温部となる破線で示したような温度分布となる可能性が高い。
【0061】
そこで、制御装置19によって、固体の二酸化炭素捕捉材8を内包する容器5及び容器の壁部材9を貫通するよう配置したパラレル状に複数配設した冷却配管11に流れる冷却媒体の流量を制御して、前記容器5に収納した二酸化炭素捕捉材8を冷却し該二酸化炭素捕捉材8の温度分布を所望の温度分布となるように調節する。
【0062】
伝熱管となる前記冷却配管11は二酸化炭素含有ガスの流れ方向の上流部から下流部にかけてパラレル状に複数配設されている。前記容器5に二酸化炭素含有ガスが流入して二酸化炭素捕捉材8の温度が上昇すると、複数の冷却配管11にそれぞれ設置した温度検出器17によって当該冷却配管11が配設された近傍の位置の二酸化炭素捕捉材8の温度を検出して制御装置19に入力する。
【0063】
前記制御装置19では、この温度検出器17で検出した検出温度と、当該位置の二酸化炭素捕捉材8の所望の温度を設定した設定値と比較して、所望の温度にするために前記冷却配管11に供給すべき冷却媒体の流量を演算し、冷却配管11を流れる冷却媒体の流量を調節する指令信号を流量調節器18に出力して該流量調節器18を操作し、二酸化炭素捕捉材8の任意の位置の近辺の冷却配管11を流れる冷却媒体の流量を調節することで、前記二酸化炭素捕捉材8の温度分布を、図5の右側に二酸化炭素捕捉材の位置と温度との関係を実線で最終的な温度分布として示したように、二酸化炭素捕捉材8の温度は二酸化炭素含有ガス流れの上流部より二酸化炭素含有ガス流れの下流部にかけて、高温部の無い実線で示したようなほぼ一様の温度分布を持つように制御する。
【0064】
二酸化炭素捕捉材8の温度上昇の感知方法は、温度検出器17の設置以外にも、テスト運転による経験的予測手段や熱流体シミュレーションによる温度予測手段によっても良い。
【0065】
上記したような制御を行うことにより、二酸化炭素捕捉材8に生じる高温部の位置に対してその近傍に配設された冷却配管11を流下する冷却媒体の流量だけを増加させて、二酸化炭素捕捉材8の温度をぼぼ均一な温度分布に調節することが可能となり、結果として二酸化炭素捕捉材8の温度調節に必要な前記冷却配管11に供給する冷却媒体の総流量を減少させることが出来る。
【0066】
上記したように、本実施例の二酸化炭素回収システムでは、二酸化炭素含有ガス流れ方向の上流部から下流部にかけてパラレル状に配設されたこれら複数の冷却配管11を流れる冷却媒体の流量を調節することにより、二酸化炭素捕捉材8を効率的に冷却して前記二酸化炭素捕捉材8の温度をほぼ一様の温度分布にすることが可能にある。
【0067】
本実施例によれば、固体の二酸化炭素捕捉材を用いた場合に、捕捉材及び捕捉材を内包する容器の温度上昇による二酸化炭素の捕捉量の低下を抑制して二酸化炭素回収システムの効率を向上する二酸化炭素回収システムを実現することができる。
【実施例3】
【0068】
次に本発明の第3実施例である二酸化炭素回収システムについて図6を用いて説明する。
【0069】
本実施例の二酸化炭素回収システムは、図5に示した第2実施例の二酸化炭素回収システムと基本的な構成は共通しているので、両者に共通した説明は省略し、相違する部分について以下に説明する。
【0070】
図6に示した本実施例の二酸化炭素回収システムでは、二酸化炭素捕捉材を収容する容器として、二酸化炭素含有ガスが流れる容器5aと、水蒸気ガスが流れる容器5bとを備えている。
【0071】
即ち、二酸化炭素含有ガスが流れて二酸化炭素捕捉過程にある二酸化炭素捕捉材8aを内包する容器5aと、水蒸気ガスが流れて二酸化炭素昇温脱離過程にある二酸化炭素捕捉材8bを内包する容器5bとを備え、容器5a、5bの内部及びこれらの容器5a、5bの壁部材9a、9bを貫通し、これらの容器5a、5bに共通してパラレル状に複数個配設されて冷却媒体を流下させる冷却配管11によって繋いだ構造を備えており、二酸化炭素含有ガス及び水蒸気ガスの流通方向に対して容器5a、5bを平行に切った断面図を示している。
【0072】
図6に示した本実施例の二酸化炭素回収システムは、図5に示した第2実施例の二酸化炭素回収システムの場合と同様に、パラレル状に複数個配設された前記冷却配管11に温度検出器17及び流量調節器18がそれぞれ設置され、前記温度検出器17で検出した検出温度に基づいて前記流量調節器18を操作し前記冷却配管11を流下する冷却媒体の流量を調節する制御装置19が設置された構成となっている。
【0073】
本実施例の二酸化炭素回収システムでは、二酸化炭素含有ガスが流れる二酸化炭素捕捉過程にある容器5aに収容された二酸化炭素捕捉材8aの一部の温度が上昇した際に、二酸化炭素捕捉材8aを内包する容器5a及び容器の壁部材9aを貫通するように配置したパラレル状に複数配設した共通の冷却配管11を流下する冷却媒体の流量を制御装置19によって調節して冷却し前記二酸化炭素捕捉材8aの温度分布を制御する。
【0074】
そして二酸化炭素捕捉材8aにおける捕捉反応熱によって、共通して配設された冷却配管11を流れる冷却媒体が得た熱を、水蒸気ガスが流れる二酸化炭素昇温脱離過程にある容器5bに収容された二酸化炭素捕捉材8bへパラレル状に複数配設した共通の冷却配管11を通じて流下する冷却媒体によって移動させることで、前記二酸化炭素捕捉材8bを加熱して昇温する。
【0075】
水蒸気ガスが流れる二酸化炭素昇温脱離過程にある容器5bに収容された二酸化炭素捕捉材8bは、この共通した冷却配管11を流下する熱を得た冷却媒体による加熱と、容器5bのガス流入口より流通させる水蒸気ガスによって、二酸化炭素捕捉材8bから二酸化炭素を速やかに脱離することができる。
【0076】
尚、二酸化炭素含有ガスが流れて二酸化炭素捕捉過程にある容器5aに収容された二酸化炭素捕捉材8aと、水蒸気ガスが流れて二酸化炭素昇温脱離過程にある容器5bに収容された二酸化炭素捕捉材8bのそれぞれの温度分布の制御については、図5に示した第2実施例の二酸化炭素回収システムの場合と同様であり、パラレル状に複数個配設された共通した冷却配管11に設置した前記温度検出器17で検出した検出温度に基づいて制御装置19により前記流量調節器18を操作して前記冷却配管11を流下する冷却媒体の流量を調節することで制御しているので、これらについての説明は省略する。
【0077】
以上のように、二酸化炭素昇温脱離過程にあり加熱が必要な容器5bに収容された二酸化炭素捕捉材8bを、二酸化炭素捕捉過程にある容器5aに収容された二酸化炭素捕捉材8aで発生した二酸化炭素捕捉反応熱を利用して冷却媒体を介して加熱することができるので、二酸化炭素捕捉反応熱を有効に回収することが出来る。
【0078】
本実施例によれば、固体の二酸化炭素捕捉材を用いた場合に、捕捉材及び捕捉材を内包する容器の温度上昇による二酸化炭素の捕捉量の低下を抑制して二酸化炭素回収システムの効率を向上する二酸化炭素回収システムを実現することができる。
【実施例4】
【0079】
次に本発明の第4実施例である二酸化炭素回収システムについて図7を用いて説明する。
【0080】
図7に示した本実施例の二酸化炭素回収システムは、図1乃至図4に示した第1実施例の二酸化炭素回収システムと基本的な構成は共通しているので、両者に共通した説明は省略し、相違する部分について以下に説明する。
【0081】
図7に示した本実施例の二酸化炭素回収システムにおいては、二酸化炭素回収システムの前段となる二酸化炭素含有ガス流路1の開閉バルブ4aの上流側の位置に、二酸化炭素含有ガス流路1を流れる二酸化炭素含有ガスを冷却する冷却手段26を備えたシステムである。
【0082】
本実施例の二酸化炭素回収システムでは、冷却手段26によって固体の二酸化炭素捕捉材8を内包する容器5に供給する二酸化炭素含有ガスを冷却することにより、二酸化炭素含有ガスの二酸化炭素含有率が高い場合に、二酸化炭素以外の冷却対象ガス量が小さくできるため特に効率的である。
【0083】
一般に、固体の二酸化炭素捕捉材8への二酸化炭素捕捉反応の活性化エネルギーが小さいものに関しては、低温である方が二酸化炭素をより多く捕捉する。従って、二酸化炭素回収システムの前段で二酸化炭素含有ガスを冷却しない場合と比べて、容器5に内包する固体の二酸化炭素捕捉材8の容量を低減することが可能となり、また、二酸化炭素捕捉材8の温度上昇も抑制することが可能となる。
【0084】
本実施例によれば、固体の二酸化炭素捕捉材を用いた場合に、捕捉材及び捕捉材を内包する容器の温度上昇による二酸化炭素の捕捉量の低下を抑制して二酸化炭素回収システムの効率を向上する二酸化炭素回収システムを実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明は二酸化炭素を含む排ガスから二酸化炭素を捕捉分離して回収する二酸化炭素回収システムに適用可能である。
【符号の説明】
【0086】
1:二酸化炭素含有ガス流路、2:高純度二酸化炭素ガス流路、3:水蒸気ガス流路、4a、4b、4c、35、36:開閉バルブ、5、5a、5b:容器、6:二酸化炭素除去ガス流路、7:二酸化炭素回収流路、8、8a、8b:二酸化炭素捕捉材、9:容器の壁部材、10、11:冷却配管、17:温度検出器、18:流量調節器、19:制御装置、26:冷却手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二酸化炭素を含有する二酸化炭素含有ガスから固体の二酸化炭素捕捉材を用いて二酸化炭素を捕捉分離する二酸化炭素回収システムにおいて、
固体の捕捉材を収容する容器と、前記容器を形成する壁部材の内部に前記補足材を冷却する冷却媒体を流下する第1の冷却手段となる冷却配管を配設し、前記冷却配管に冷却媒体を流通させて前記容器に収容された前記捕捉材の温度の上昇を抑制するように構成したことを特徴とする二酸化炭素回収システム。
【請求項2】
二酸化炭素を含有する二酸化炭素含有ガスから固体の二酸化炭素捕捉材を用いて二酸化炭素を捕捉分離する二酸化炭素回収システムにおいて、
固体の捕捉材を収容する容器と、前記容器を形成する壁部材の内部に前記補足材を冷却する冷却媒体を流下する第1の冷却手段となる冷却配管を配設し、前記容器の壁部材の内部に配設された第1の冷却手段に冷却媒体を供給する流路の上流側に該冷却媒体を冷却する第2の冷却手段を配設し、前記容器に収容された前記捕捉材の温度の上昇を抑制するように構成したことを特徴とする二酸化炭素回収システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載した二酸化炭素回収システムにおいて、
固体の捕捉材を収容する前記容器の壁部材の内部にそれぞれ配設された第1の冷却手段を構成する冷却配管は、パラレル状に配設された複数の水平配管と、複数の垂直配管とから構成されていることを特徴とする二酸化炭素回収システム。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載した二酸化炭素回収システムにおいて、
固体の捕捉材を収容する容器は前記捕捉材に二酸化炭素含有ガスが流れる第1の容器と、前記捕捉材に水蒸気ガスが流れる第2の容器との複数個配設し、前記複数個配設された各容器の壁部材の内部に配設される第1の冷却手段を構成する冷却配管はパラレル状に配設された複数の水平配管を備えており、これらの複数の水平配管を備えた前記冷却配管が前記第1の容器と第2の容器に亘って共通した冷却配管として配設するように構成されていることを特徴とする二酸化炭素回収システム。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載した二酸化炭素回収システムにおいて、
固体の捕捉材を収容する前記容器の壁部材の内部に配設された前記第1の冷却手段を構成するパラレル状に配設された複数の水平配管にそれぞれ設置されており、該水平配管内を流通する冷却媒体の温度を検出する温度検出器と、前記水平配管内を流通する冷却媒体の流量を調節する流量調節器と、前記温度検出器で検出した冷却媒体の温度の検出値に基づいて前記容器内の温度分布を演算すると共に、この演算した温度分布が設定された所望の温度分布状況となるように前記流量調節器に対して冷却媒体の流量を調節する指令信号を出力する制御装置を設けていることを特徴とする二酸化炭素回収システム。
【請求項6】
請求項4に記載した二酸化炭素回収システムにおいて、
前記第1の容器に配設された第1の冷却手段を構成する共通した冷却配管を流れる冷却媒体が前記第1の容器に収容した前記二酸化炭素補足材を流れる二酸化炭素含有ガスから得た熱を、熱交換によって前記の共通した冷却配管を流れる冷却媒体を通じて前記第2の容器に収容した水蒸気ガスが流れる前記二酸化炭素補足材の加熱に用いるように構成されていることを特徴とする二酸化炭素回収システム。
【請求項7】
請求項1又は請求項2に記載した二酸化炭素回収システムにおいて、
前記容器に収容する固体の捕捉材に供給される前記二酸化炭素含有ガスは、0℃以上80℃以下の二酸化炭素含有ガスであることを特徴とする二酸化炭素回収システム。
【請求項8】
請求項1又は請求項2に記載した二酸化炭素回収システムにおいて、
前記容器に収容する固体の捕捉材に供給される前記二酸化炭素含有ガスは、製鉄所又は火力発電所から排出される排ガスであることを特徴とする二酸化炭素回収システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−144393(P2012−144393A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−3532(P2011−3532)
【出願日】平成23年1月12日(2011.1.12)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】