説明

二重床パネルの支持脚ユニットとこの支持脚ユニットを用いた二重床パネルの施工方法

【課題】 特に置敷きタイプに適用して有用な、具体的には、支持脚の配置態様を、従来の施工態様に比べて大幅に省力化できるようにした二重床パネル用の支持脚ユニットと、当該ユニットを用いた二重床パネルの施工方法を提供すること。
【解決手段】 1枚の矩形の床パネルPの四隅を夫々に下から支える支持脚体1,2,3,4を、結合体を介して連結一体化することにより支持脚ユニットULに形成すると共に、前記の各支持脚体1,2,3,4が、隣接される床パネルの支持脚体11,21,31,41と対向する外側面において結合できるように形成したこと。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は置敷き式と称される二重床パネルの支持脚ユニットとその支持脚ユニットを用いた当該床パネルの施工方法に関する、具体的には、床パネルの四隅を支持する4つの支持脚を連結して1個の部品として扱えるようにユニット化した支持脚ユニットと、この支持脚ユニットを用いた二重床パネルの施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近のオフィス等のOA化の進展に伴い、そのための自由な床下配線を可能にする二重床パネルが、多種多様の構造,形態の床パネルとして提案され、かつ、各方面においても活用されているが、近時、建物の床に多少の不陸や凹凸があっても、高さ調節機能を備えない支持脚を用いて施工の容易性を優先した、いわゆる置敷きタイプと称される二重床が、特許文献1〜3にもあるように多く用いられるようになった。
【0003】
この置敷きタイプの二重床には、集合した4枚の床パネル(以下、単にパネルということもある)の集合した隅部を支持する1個のブロック状をなす支持脚を用い、使用する支持脚の個数を少なくするように工夫したものがある。
【0004】
しかし、4枚の集合したパネルの集合隅部を1個の支持脚で支持するタイプの床パネルの施工は、当該支持脚を予め床の上にパネルの大きさに合せて規則的に並べ、その脚の上にパネルを設置していく施工形態であるため、特に支持脚の規則的配置に多大な手間と時間を要するという難点があった。
【特許文献1】特開2005−290874号公報
【特許文献2】特開平9−60264号公報
【特許文献3】特許第3236794号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで本発明では、特に置敷きタイプに適用して有用な、具体的には、支持脚の配置態様を、従来の施工態様に比べて大幅に省力化できるようにした二重床パネル用の支持脚ユニットと、当該ユニットを用いた二重床パネルの施工方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決することを目的としてなされた本発明支持脚ユニットの構成は、1枚の矩形の床パネルの四隅を夫々に下から支える支持脚体を、結合体を介して連結一体化することにより支持脚ユニットに形成すると共に、前記の各支持脚体が、隣接される床パネルの支持脚体と対向する外側面において結合できるように形成したことを特徴とするものである。
【0007】
上記構成において、床パネル四隅の各支持脚体は、そのパネルの対角線上において、一例として帯状結合体により連結一体化されたものである。各支持脚体は、合成樹脂や金属などの単一素材で形成することが望ましいが、これらに限られるものではない。また、支持脚ユニットは、各脚ユニットが備えた支持脚体の外側面において、雌雄の嵌合乃至係合関係により、支持脚ユニット同士を連結可能にした構成を具備している。ここで、各支持脚体の結合体による連結一体化の結合パターンは、パネルの対角線状、つまり、X状のほか、口字状或は口字状とX状を併用した形態など、4つの支持脚体を一体に連結できる帯状結合体であればよい。さらに、結合体としては、前記支持脚体と同材質の、又は、異なる材質の帯状材,棒状材,平板状材などにより形成したものがある。
【0008】
また、本発明の支持脚ユニットは、相互に連結されて一個の部品とされた4つの支持脚体が1枚の床パネルの四隅を支持すると共に、当該4つの支持脚体の左右外側面に、左右の隣に敷設される2枚の床パネルにおける、夫々に隣接する一側辺の上,下の隅部を支える支持脚体を連結状態で並設した構成を具備したものもある。
【0009】
さらに、上記支持脚ユニットにおいて、2つの支持脚体が並設された各支持脚体は、1枚の床パネルの隅部側縁が挿入されると共に、隣接して敷設される他の床パネルの隅部側縁が挿入される支持溝部が形成された構成を備えている。
【0010】
上記の構成を備えた本発明支持脚ユニットを用いた本発明による二重床パネルの敷設工法の構成は、2つの支持脚体が並設されて帯状結合体により対角線上で連結された支持脚ユニットの複数個を、各支持脚ユニットにおける帯状結合体がなす各対角線を一直線をなすように並べて配置する工程と、その配置の際に、各支持脚ユニット同士において対向する支持脚体同士を雌雄関係により連結する工程と、該工程により規則的に配置された4つを一組とする各支持脚体ごとに床パネルを載架支持させる工程とによって、床面に床パネルを敷詰めることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、置敷きタイプの二重床用のパネルの四隅の下に配置される支持脚を、1枚の矩形の床パネルの四隅を夫々に下から支える4つの支持脚体を、帯状などの結合体を介して連結一体化することにより支持脚ユニットに形成すると共に、前記の各支持脚体が、隣接される床パネルの支持脚体と対向する外側面において結合できるように形成したので、一枚のパネルについて四隅(4箇所)に配置すべき支持脚を一度の作業で配設でき、従って、敷設工事を大巾に省力化できる。また、支持脚ユニットの構成部材を合成樹脂製、或は、軽金属製の単一素材で形成すると、当該ユニットの重量を大幅に軽減できるので、配設作業や運搬,保管などにおいても、従来品に比べ省力化に大きく寄与する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に本発明の実施の可能例について、図を参照して説明する。
図1は本発明支持脚ユニットの一例の平面図、図2は図1の脚ユニットの正面図、図3は図1の脚のユニットの右側面図、図4は一対(ペア)に形成された本発明支持脚ユニットにおける支持脚体の拡大平面図、図5は図4の正面図、図6は図4の縦断正面図、図7は図4〜図6の支持脚体にパネルを1枚セットした状態の正断面図、図8は図7の支持脚体に2枚のパネルをセットして保持舌片が変形した状態の正断面図、図9は対面した支持脚体同士を結合するための構造を例示した拡大平面図、図10は図9の支持脚体同士が結合した例の拡大平面図、図11は床パネルをセットした図1の支持脚ユニットの敷設パターンの一例を示す平面図、図12は床パネルをセットしない支持脚ユニットの配置パターンの例を示す平面図、図13は図1の支持脚ユニットに1枚の床パネルを載置セットした状態の平面図、図14は図13の正面図、図15は図13の右側面図、図16はエンドチャンネルとその使用例を示す斜視図、図17は図16におけるA−A矢視拡大断面図である。
【0013】
図1〜図5において、1〜4は、1枚の床パネルP(図10参照)の下面側の四隅に配置されて、当該パネルPをその四隅において下面から支持する4つの支持脚体で、ここでは平面から見て大略四角形を呈するように、一例として合成樹脂材料で成形した4つの中空ブロック状本体を、一枚の床パネルPの下面四隅に位置付けて配置した状態において、各ブロック状本体を対角線上で結ぶ態様で結合する平面X状をなす平帯状の結合体5(以下、単に結合体5ともいう)によって結合一体化している。本発明において上記の支持脚体1〜4は、合成樹脂材以外の材料、例えば金属で形成したものでもよく、また、形態も平面視大略四角形状に限られるものではない。三角形や1/4円形、或は、その他の平面形状であってもよい。要は、外面に隣のパネルを支える支持脚体との連結部(後述する)が形成できる形状であれば足りる。さらに、結合体5も、平帯状に限られず、パイプを含む棒状材や四隅部以外の各辺を内部側に凹陥させた形態の平板材などを用いることができる。結合体5は、撓み性を具備したものであると、支持脚体が結合されていても床の不陸や凹凸に柔軟に追従できる。
【0014】
本発明では、上記の4つの支持脚体1〜4と結合体5によって連結し一体化された支持脚体1〜4の連結体を、支持脚ユニットULという。
そして、上記の支持脚ユニットULは、上記構成に加え、図1〜図3に例示したように、図1における各支持脚体1〜4の左右の外側面に、この支持脚ユニットULに支持される床パネルPに図1の左右側でそれぞれに隣り合う2枚のパネルP(図示せず)において、一方のパネルPの右側辺側と、他方のパネルPの左側辺側との、それぞれの隅部側縁を支持する支持脚体11,21、同31,41を、間に適宜幅の隙間gを支持溝部として介し下端の底部bで連結した態様で具備している。なお、各支持脚体11〜41は、上記の支持脚体1〜4と同じ中空ブロック状で、内部に補強リブ(図6〜図8に符号3b,31bで示す)を備えている。また、隙間gの幅は、一例として2枚のパネルPの2つの側縁を一緒に密に挿入できる程度の幅である。さらに、両脚体を連結した底部bは、切り込み線(図示せず)などを入れて、後から互に切り離しできるようにしてもよい。
【0015】
即ち、図1の支持脚ユニットULにおける支持脚体1の左側には、当該脚体1と対称な形態で支持脚体11が、同じ要領で支持脚体2の左側には支持脚体21が、それぞれ間に隙間gを介し下端部が結合して設けられている一方、支持脚体3の右側には当該脚体3と対称な形態で支持脚体31が、同じ要領で支持脚体4の右側には支持脚体41が、それぞれ隙間gを介し下端部において結合して設けられている。なお、各支持脚体1〜4と、各脚体1〜4に一体に並設された各支持脚体11〜41の上面略中心には、円形の浅いドーム状の膨出部1a〜4a、同11a〜41aが形成されている。これらの膨出部1a〜4a、同11a〜41aは、載置されるパネルPに加わる衝撃を緩和するための緩衝部である。
【0016】
本発明では、上記支持脚ユニットULにおいて、各支持脚体1〜4が、その左右の外側面に、隣接して敷設される他のパネルを支える支持脚体11〜41を、隙間gを介して底部bで結合してそれぞれに備えた支持脚ユニットも、本発明支持脚ユニットULの一形態である。
【0017】
次に、上記支持脚ユニットULにおいて、結合並設されている各支持脚体1と11,同2と21,同3と31,同4と41の対(ペア)となる各支持脚体の隙間gを介した結合態様について、図1〜図3、並びに、図4,図5を参照して説明する。
隙間gを介してそれぞれに結合された2つの支持脚体1,11、同2,21、同3,31、同4,41の各隙間gは、上述したように、2枚のパネルPの四隅における立壁状側縁の2枚分が密に挿入できる左右幅に形成されている。
【0018】
然るに、一個の支持脚ユニットUL単体では、4つの支持脚体1〜4の夫々の左右外側に隙間gを介して隣接パネル用の支持脚体11,21,31,41が結合された形態を備えている、つまり、隙間gが2枚のパネルの側縁を同時に挿入できる幅に形成されてはいるが、この隙間gは、敷設前においては、1枚のパネルPしかセットできない。
【0019】
即ち、本発明における床パネルの敷設工事の際、パネル2枚分の側縁を挿入できる幅の隙間gを有する一つの支持脚ユニットULの前記隙間gに1枚のパネルPを支持させてセットしても、当該パネルをセットした脚ユニットULを床上に配置しようとすると、パネルPから支持脚ユニットULが落下してしまう。換言すれば、1枚のパネルPの四隅の側縁と一個の支持脚ユニットULにおける各支持脚体1〜4の隙間gは、単に2枚のパネルPの2つの側縁に見合う幅を有する隙間gが設けられているだけの構成では、その隙間gに1枚のパネルPの四隅の側縁を挿入したセットした状態で当該パネルPを空中に持上げると、当該パネルPと支持脚ユニットULの結合関係(保持関係)は維持できない。
【0020】
そこで、本発明では、上記支持脚ユニットULの各隙間gにおける上方部位に、1枚のパネルPにおける1つの立壁状の側縁に弾力的に当接することにより、当該側縁に支持脚ユニットULを保持させるための保持舌片6を、2枚目のパネルの側縁が当該隙間gに挿入されることによって、切り離されるか、又は、変形するように設けた(図4〜図6参照)。
【0021】
上記の保持舌片6の構成を備えた支持脚ユニットULでは、その各支持脚体1〜4に1枚のパネルPをセットすると各隙間gが当該1枚のパネルPにおける四隅の側縁に、前記舌片6の弾性力によって挟持された状態になる(図6,図7参照)。従って、図11に例示するように、1枚のパネルPをセットした支持脚ユニットULを一つの飛ばし形態で市松模様状乃至千鳥格子状に配置すると、セットしたパネルPがある部分とパネルPがない部分とが千鳥格子状をなして床面上に配置される。
【0022】
なお、パネルPを具備しない(セットしていない)本発明支持脚ユニットULのみであっても、図12に例示するパターンにパネルPをセットしない支持脚ユニットULのみを配置し、この後、各支持脚ユニットULの夫々の支持脚体にパネルPを載置支持させる敷設態様を採ることができる。
また、図9に例示したパネルPを備えない本発明支持脚ユニットULの配置パターンでは、各ユニットULのX状をなす帯状結合体5が斜目格子状をなす態様で配置されることとなる。
【0023】
上述のようにして床面上へ、パネルPを備えた本発明支持脚ユニットが一つ飛びに配列されて市松模様状乃至千鳥格子状に配置される各支持脚ユニットULにおける並設支持脚体1,11・・・・には、図9,図10に例示するように、左右方向で結合並設されている各支持脚体1,11、同2,21、同3,31、同4,41の図1における上,下の外面側に、雌雄関係で結合乃至係合する連結部が形成されている。
【0024】
即ち、上記の連結部は、図示した例では、上記脚ユニットULの左側の支持脚体1,11、同2,21と、右側の支持脚体3,31と同4,41とにおいて、平面視大略逆凸状の雄部材7aと、その雄部材7aを前方から抱持する壁付きの平面視略凹状をなす雌部材7bとが、各支持脚体における前後方向の外面に設けられている。ここで、1つペアの支持脚体1,11・・・・に、それぞれ雄と雌の部材7aと7bを設けているのは、対面する一対の支持脚部材4,41・・・・との間で、対称的な雌雄関係の結合をすることにより、より強固で確実な結合を実現するためである。
上記連結部の構成(雌雄部材7a,7b)によって、市松模様状乃至千鳥格子状に配置される各支持脚ユニットULは、図6,図7に示した例では、一方の脚ユニットULにおける支持脚体3,31の雄部材7aと雌部材7bとが、他方の脚ユニットULにおける支持脚体1,2の雌部材7bと雄部材7aとが、夫々に上から係合(又は嵌合)して、両脚ユニットUL同士の結合(又は連結)がなされることになる。
本発明では、上記雌雄部材7aと7bを、断面L状と上下対称な倒立L状の係止部や平面ファスナの雌雄部材などに代替することができる。
【0025】
本発明では、図13の平面図に示すように、床パネルPの下面四隅を支持脚体1〜4に載せ、各支持脚体1〜4とこれらと並設された支持脚体11〜41がなす隙間gに、パネルPの立壁状側縁を挿入して保持舌片6に支持させることにより1枚のパネルPをセットした本発明支持脚ユニットULの複数個を、図11に例示するように、パネルPが1つ飛びで市松模様状乃至千鳥格子状をなすように配置しつつ、1つ飛びで配置された各脚ユニットUL同士における対面した連結部の各雌,雄部材7a,7bを互に係合させて、この図11に例示するように二重床を形成したい建物の床上に配置する。
【0026】
床パネルPを備えた支持脚ユニットULを、図11のように、千鳥格子状に配置した状態では、各脚ユニットULが一体に結合して備えている外側の支持脚体11〜41には、未だ床パネルPが載置されていない。つまり、床パネルPは1つ飛びで並んだ状態にある。そこで、空いている各々の支持脚体11〜41に床パネルPを載置し、各パネルPの側縁を隙間gに支持させると、保持舌片6が、後から挿入されるパネルPの側縁によって切り離されるか又は変形させられることにより、各パネルPの2つの側縁を一つの隙間gに挟持させて、本発明による置敷きタイプの床パネルPの敷設を行う。
【0027】
上記例は、本発明支持脚ユニットULが、床パネルPをセットした状態で、その床パネルPが1つ飛びにあるように当該脚ユニットULを市松模様状乃至千鳥格子状に配置し、格子状に空いている空所(支持脚体11〜41がある部分)に、床パネルPを載置して行く施工例であるが、パネルPをセットした支持脚ユニットULの千鳥格子状(又は市松模様状)の敷設においては、図11の例では、その図の左右側のエンド側において未だパネルが敷設されていない空所(図11の符号eで示す箇所)は、支持脚体1〜4,及び、同11〜41のいずれもが、図11におけるパネルPの左サイド側(と右サイド側)に無いため、図11の例では、左右側エンドの4つの空所eにパネルPを載置できない。
【0028】
そこで本発明では、上記左右側エンドの空所eにおいて、そこに設置されるパネルPの左側(と右側)の側縁を係止して支持できる断面略U状の係止部8bを側立壁8aに形成したエンドチャンネル8を、用いることとした(図16参照)。
すなわち、エンドチャンネル8は、図16に例示したように、パネルPをセットした本発明支持脚ユニットULの複数個を、市松模様状乃至千鳥格子状をなすように、互に連結して配置したとき、配設された支持脚ユニットULにおける左サイド側端(エンド)と右サイド側端(エンド)のパネル1枚おきに生じる支持脚体(1〜4又は同11〜41)が存在しない空所eに設置されるパネルPの側縁を支持するための係止部8bを具備していると共に、配置された脚ユニットULにおいて左右サイドの側端(エンド)の外側に位置して利用されない脚体11〜41(図11の左端側と右端側を参照)を覆うためのものである。
【0029】
図16に示したエンドチャンネル8は、長さ方向で4等分の長さ単位で切り離すことを可能にした3箇所の切断可能部8dを備えていると共に、断面からみて倒立した略凹状に形成されている。なお、2区分長さの単位で、一方側の側壁8aには、2個の係止部8bを、他方側の側壁には前記2個の係止部8bに対応した位置に小孔8cが設けられている。また、当該チャンネル8において、一方の2区分単位の長さ部分と、他方の該当部分とにおける係止部8bと小孔8cは、左右の側壁8aに関して対称的に設けられている。その理由は、図16の敷設した左右側エンドにおいて、パネルPが存在する部位には、小孔8cを備えた一方の側壁8aが位置し、パネルPがない空所eの部位には、係止部8bを備えた他方の側壁8aが位置付けられるようにするためである。
【0030】
本発明においては、上記エンドチャンネル8を用いないで、上記に説明した使用されないためエンドチャンネル8でカバーした支持脚体11〜41を、支持脚体1〜4から切り離し、前記空所eに無かった支持脚体として配置し、パネルPの支持脚体として利用するようにしてもよい。このような利用形態をとれば、エンドチャンネル8は不要になる。
【0031】
本発明における二重床パネルの置敷きにおいては、パネルPをセットしない支持脚ユニットULだけを、一例として図12に示すように、各ユニットULのX字状をなす帯状連結体5が斜目格子状に並ぶように、各ユニットULの連結部(雌雄部材7a,7b)を相互に結合させて配置し、それから各支持脚体1〜4、同11〜41に床パネルPを載置していく施工法を採ることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は以上の通りであって、置敷き式床パネルの四隅に配置される支持脚を、結合体を介して連結一体化することにより支持脚ユニットに形成すると共に、各支持脚体が、他の支持脚体と相互の外側面において結合できるように形成してユニット化したので、支持脚ユニットを1つ飛びで千鳥格子状をなすように連結しつつ配置するだけで、全ての床パネルの四隅を支持する支持脚を、少ない作業工程で配置することができる。また、支持脚ユニット同士は、一つ飛びで配置されるとき、対面する各支持脚体同士がそれらの連結部で連結されるから配置した支持脚体が動くことはなく、従って、配置した支持脚全体の位置精度を保持できることとなり、作業工数や設置精度において問題があった置敷きの床パネルの支持脚を、合理的かつ省力的に位置精度高く配置することができる。
【0033】
これにより、二重床を形成するための床パネルの敷設も、支持脚ユニットの複数個を、各支持脚ユニットにおける帯状結合体がなす各対角線を一直線をなすように並べて配置する工程と、この配置の際に各支持脚ユニット同士において対向当接する支持脚体同士を雌雄関係により連結する工程と、該工程により規則的に配置された4つを一組とする各支持脚体に1枚の床パネルを載架支持させる工程とによって施工できるので、床パネルの敷設工事における支持脚の配置と床パネルの設置を省力的かつ高い位置精度で施工できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明支持脚ユニットの一例の平面図。
【図2】図1の脚ユニットの正面図。
【図3】図1の脚のユニットの右側面図。
【図4】一対(ペア)に形成された本発明支持脚ユニットにおける支持脚体の拡大平面図。
【図5】図4の正面図。
【図6】図4の縦断正面図。
【図7】図4〜図6の支持脚体にパネルを1枚セットした状態の正断面図。
【図8】図7の支持脚体に2枚のパネルをセットして保持舌片が変形した状態の正断面図。
【図9】対面した支持脚体同士を結合するための構造を例示した拡大平面図。
【図10】図9の支持脚体同士が結合した例の拡大平面図。
【図11】床パネルをセットした図1の支持脚ユニットの敷設パターンの一例を示す平面図。
【図12】床パネルをセットしない支持脚ユニットの配置パターンの例を示す平面図。
【図13】図1の支持脚ユニットに1枚の床パネルを載置セットした状態の平面図。
【図14】図13の正面図。
【図15】図13の右側面図。
【図16】エンドチャンネルとその使用例を示す斜視図。
【図17】図16におけるA−A矢視拡大断面図。
【符号の説明】
【0035】
UL 床パネルの支持ユニット
1,2,3,4 支持脚体
11,21,31,41 並設した支持脚体
1a〜4a,11a〜41a 緩衝部
5 帯状結合体
6 保持舌片
7a 雄部材
7b 雌部材
8 エンドチャンネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1枚の矩形の床パネルの四隅を夫々に下から支える支持脚体を、結合体を介して連結一体化することにより支持脚ユニットに形成すると共に、前記の各支持脚体が、隣接される床パネルの支持脚体と対向する外側面において結合できるように形成したことを特徴とする二重床パネルの支持脚ユニット。
【請求項2】
各支持脚体は、支持するパネルの対角線上において帯状結合体により連結一体化された請求項1の二重床パネルの支持脚ユニット。
【請求項3】
支持脚ユニットは、各脚ユニットが備えた支持脚体の外側面において、雌雄の嵌合乃至係合関係により支持脚ユニット同士を連結するための連結部を備えた請求項1又は2の二重床パネルの支持脚ユニット。
【請求項4】
相互に連結された4つの支持脚体が1枚の床パネルの四隅を支持すると共に、当該4つの支持脚体の左右の外側面に、前記パネルの左右に隣接して敷設される2枚の床パネルにおける、夫々に隣接する一側辺の上,下の隅部を支える支持脚体を連結状態で並設した請求項1〜3のいずれかの二重床パネルの支持脚ユニット。
【請求項5】
2つの支持脚体が並設された各支持脚体は、1枚の床パネルの隅部側縁が挿入されると共に、隣接して敷設される他の床パネルの隅部側縁が挿入される支持溝部が形成された請求項4の二重床パネルの支持脚ユニット。
【請求項6】
2つの支持脚体が並設されて帯状結合体により対角線上で連結された支持脚ユニットの複数個を、各支持脚ユニットにおける帯状結合体がなす各対角線を一直線をなすように床面に並べて配置する工程と、その配置の際に、各支持脚ユニット同士において対向する支持脚体同士を雌雄関係により連結する工程と、該工程により規則的に配置された4つを一組とする各支持脚体ごとに床パネルを載架支持させる工程とによって、床面に床パネルを敷詰めることを特徴とする二重床パネルの施工方法。
【請求項7】
各支持脚ユニットには、当該脚ユニットの4つの支持脚体に支持される床パネルをセットして床面に配置する請求項6の二重床パネルの施工方法。
【請求項8】
床面に連結されて配置された支持脚ユニットの左右側エンドにおいて、そこに配置される床パネルを支持するための支持脚体が無い部位に、当該支持脚体に代わり前記床パネルの側端を支持する係止部を備えたエンドチャンネルを配置する請求項6又は7の二重床パネルの施工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2008−121299(P2008−121299A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−306758(P2006−306758)
【出願日】平成18年11月13日(2006.11.13)
【出願人】(000139780)株式会社イトーキ (833)
【Fターム(参考)】