説明

二重硬化性組成物

新規な液体の放射線及び熱硬化性(二重硬化)組成物は、(a)少なくとも1種の部分的にアクリレート化されたトリまたは多価アルコール及びアクリル系であって、少なくとも2つのヒドロキシル基、少なくとも1つのアクリル性又はメタクリル性二重結合、50〜500mgK OH/gのヒドロキシル価及び1〜10mmol/gの二重結合濃度を有するもの、(b)ヒドロキシ官能性化合物に対する少なくとも1種の架橋剤であり、この架橋剤が任意選択的に少なくとも1つのオレフィン性二重結合を有するもの、及び(c)少なくとも1種の光開始剤、遊離基捕捉剤、光安定剤、湿潤剤及び/又はレベリング剤を含む添加剤パッケージ、及び任意選択的に(d)少なくとも1種のモノマー又はオリゴマー反応性希釈剤を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な、放射線および熱硬化性(dual cure:二重硬化性、デュアルキュア)組成物に関し、この組成物は、有利なこととして、例えば自動車のクリアコートまたはトップコートの製造に利用できる。
【背景技術】
【0002】
本明細書において、用語“二重硬化性組成物”は、例えばUV(紫外線)照射によるフリーラジカル重合、および熱で誘導されるヒドロキシル基が関与する重付加または重縮合によって硬化できる組成物を意味する。
【0003】
二重硬化性組成物は、例えば以下から公知である。
− 米国特許第4,212,901号(特許文献1)は、(i)(メタ)アクリル酸でエステル化されたポリエステル樹脂、(ii)ビニル化合物、例えばポリエチレングリコールジアクリレートまたはアジピン酸ジアリル(diallyl adipate)、(iii)ポリイソシアネート、および(iv)光開始剤を含む組成物を開示する。
【0004】
− 米国特許出願公開第2003/181,590号(特許文献2)は、熱的に硬化可能な、または熱的におよび化学線(actinic radiation)で硬化可能な非水性材料を開示しており、この材料は、(i)ヒドロキシル含有ポリエステル、(ii)前記ポリエステル(i)の存在下で調製されたヒドロキシル含有(メタ)アクリレートコポリマー、(iii)架橋性(crosslinking)ポリイソシアネート、および(iv)線状疎水性ポリエステルを含む。
【0005】
− WO03/087246号(特許文献3)は、他の、結合剤(binder:バインダ)、反応性希釈剤、溶媒および架橋剤との良好な相溶性(compatibility)によって特徴付けられ、(i)オレフィン性二重結合を有するポリエステルウレタン、(ii)前記ウレタン(i)以外の結合剤および/または反応性希釈剤、および(iii)ヒドロキシ官能性化合物に対する架橋剤を含む、二重硬化性コーティング(coating:被膜、塗膜)組成物を開示する。
【0006】
【特許文献1】米国特許第4,212,901号
【特許文献2】米国特許出願公開第2003/181,590号
【特許文献3】WO03/087246号
【特許文献4】WO93/17060号
【特許文献5】WO93/18079号
【特許文献6】WO96/07688号
【特許文献7】WO96/12754号
【特許文献8】WO99/00439号
【特許文献9】WO99/00440号
【特許文献10】WO00/56802号
【特許文献11】WO02/40572号
【発明の開示】
【0007】
複雑な形状の三次元基材(substrate:基板、基質)、例えば自動車の車体の全ての表面領域について、硬度、溶媒耐性、酸耐性、スクラッチ(引っ掻き)および傷耐性を組み合わせた受け入れ可能な特性を得ることは、従来技術の二重硬化性組成物では、これまで満足にはできなかった。従来技術の二重硬化性組成物の特性は、熱およびUV硬化の組み合わせによっており、UV放射(UV radiation)が直接到達できる表面領域では優れているが、熱的に硬化されるのみである陰になっている領域の特性は不十分であり、特に硬度はこれらの領域では不十分である。
【0008】
前記公知の欠点を示さず、熱的にのみ硬化された場合でも十分な特性を示し、熱的およびUV照射の両方で硬化された場合に優れた特性を示す二重硬化性組成物を見出す必要性がある。
【0009】
発明の概要
本発明は、全く予想外に前記要求を満たす(に合致した)二重硬化性組成物を提供する。本発明の二重硬化性組成物は、(a)部分的にアクリレート化されたトリまたは多価アルコールの少なくとも1種、即ち少なくとも1種のトリまたは多価アルコールとアクリル酸および/またはメタクリル酸との間のエステルの少なくとも1種であって、このエステルは少なくとも2つのヒドロキシル基と少なくとも1つのアクリル性(acrylic)またはメタクリル性(methacrylic)二重結合、好ましくは少なくとも2つのアクリル性および/またはメタクリル性二重結合を有し、前記成分(a)は、例えば44〜99重量%、例えば50〜80重量%の量で存在するもの、(b)ヒドロキシル化合物に対する架橋剤の少なくとも1種であって、この架橋剤は、任意選択的に(オプションとして)少なくとも1つのオレフィン性二重結合を有し、前記成分(b)は、例えば1〜60重量%、例えば5〜30重量%の量で存在するもの、(c)少なくとも1種の光開始剤、遊離基捕捉剤(radical scavenger:ラジカルスカベンジャー、ラジカル捕捉剤、ラジカル掃去剤、ラジカル脱除剤)、光安定剤、湿潤剤および/またはレベリング(levelling:平滑化)剤を含む添加剤パッケージ(additive package)、および、任意選択的に(オプションとして)(d)例えば0〜30重量%の量で存在する、少なくとも1種のモノマーまたはオリゴマー反応性希釈剤を含む。本明細書では、以後、トリおよび多価アルコールは、線状または分枝の脂肪族、脂環式または芳香族トリおよび多価アルコール、その二量体(ダイマー)、三量体(トリマー)およびポリマー(重合体)、並びに、これらのアルコキシル化された種、即ち、トリおよび多価アルコールは1以上のアルキレンオキシドからの(from:に由来する、から誘導される)単位(ユニット)を含むものとして理解されるべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
前記成分(a)は、その好ましい実施形態では、50〜500、例えば80〜350mg/KOH/gのヒドロキシル価、1〜10、例えば2〜8mmol/gの二重結合濃度、および/または100〜15000、例えば200〜6000の数平均分子量を有する。成分(a)は、本発明の組成物の実施形態では、好ましくは、2−アルキル−2−ヒドロキシアルキル−1,3−プロパンジオールのモノアクリレートおよび/またはメタクリレート、2,2−ジヒドロキシアルキル−1,3−プロパンジオールのモノまたはジアクリレートおよび/またはメタクリレート、2−アルキル−2−ヒドロキシアルキル−1,3−プロパンジオールの二量体(ダイマー)のモノまたはジアクリレートおよび/またはメタクリレート、2,2−ジヒドロキシアルキル−1,2−プロパンジオールの二量体のモノ、ジ、トリまたはテトラアクリレートおよび/またはメタクリレート、2−アルキル−2−ヒドロキシアルキル−1,3−プロパンジオールの三量体(トリマー)のモノ、ジ、トリまたはテトラアクリレートおよび/またはメタクリレート、または、2,2−ジヒドロキシアルキル−1,3−プロパンジオールの三量体のモノ、ジ、トリ、テトラ、ペンタまたはヘキサアクリレートおよび/またはメタクリレートよりなる群から選択される。成分(a)の実施形態の典型例としては、適切には、トリメチロールプロパンモノアクリレートまたはメタクリレート、ペンタエリスリトール(pentaerythritol:ペンタエリトリトール)ジアクリレートおよび/またはメタクリレート、ジトリメチロールプロパンジアクリレートおよび/またはメタクリレート(methacarylate)、ジペンタエリスリトールジアクリレートおよび/またはメタクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレートおよび/またはメタクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレートおよび/またはメタクリレート、トリペンタエリスリトールテトラアクリレートおよび/またはメタクリレート、または、トリペンタエリスリトールヘキサアクリレートおよび/またはヘキサメタクリレートを挙げることができる。
【0011】
成分(a)のさらに好ましい実施形態には、ポリアルコキシル化2−アルキル−2−ヒドロキシアルキル−1,3−プロパンジオールのモノアクリレートおよび/またはメタクリレート、ポリアルコキシル化2,2−ジヒドロキシアルキル−1,3−プロパンジオールのモノおよびジアクリレートおよび/またはメタクリレート、2−アルキル−2−ヒドロキシアルキル−1,3−プロパンジオールのポリアルコキシル化された二量体のモノおよびジアクリレートおよび/またはメタクリレート、2,2−ジヒドロキシアルキル−1,2−プロパンジオールのポリアルコキシル化された二量体のモノ、ジ、トリおよびテトラアクリレートおよび/またはメタクリレート、2−アルキル−2−ヒドロキシアルキル−1,3−プロパンジオールのポリアルコキシル化された三量体のモノ、ジ、トリおよびテトラアクリレートおよび/またはメタクリレート、および、2,2−ジヒドロキシアルキル−1,3−プロパンジオールのポリアルコキシル化された三量体のモノ、ジ、トリ、テトラ、ペンタおよびヘキサアクリレートおよび/またはメタクリレートが含まれる。前記実施形態の典型例としては、ポリアルコキシル化トリメチロールプロパンのモノアクリレートおよびメタクリレート、ポリアルコキシル化ペンタエリスリトールのジアクリレートおよび/またはメタクリレート、ポリアルコキシル化ジトリメチロールプロパンのジアクリレートおよび/またはメタクリレート、ポリアルコキシル化ジペンタエリスリトールのジアクリレートおよび/またはメタクリレート、ポリアルコキシル化ジペンタエリスリトールのトリアクリレートおよび/またはメタクリレート、ポリアルコキシル化トリペンタエリスリトールのテトラアクリレートおよび/またはメタクリレート、および、ポリアルコキシル化トリペンタエリスリトールのヘキサアクリレートおよび/またはメタクリレートを挙げることができる。本明細書では、ポリアルコキシル化は、最も好ましくは、ポリエトキシル化および/またはポリプロポキシル化である。
【0012】
前記成分(a)の実施形態には、さらに、例えばトリメチロールプロパンポリカーボネートのモノアクリレートおよびメタクリレート、ペンタエリスリトールポリカーボネートのジアクリレートおよび/またはメタクリレート、ジトリメチロールプロパンポリカーボネートのジアクリレートおよび/またはメタクリレート、および、ジペンタエリスリトールポリカーボネートのジ、トリおよびテトラアクリレートおよび/またはメタクリレート、および/または、アクリル化および/またはメタクリル化樹枝状ポリアルコールが含まれる。樹枝状ポリアルコールは、樹木(ツリー)状の構造を有する三次元分子であり、典型的には、1以上の反応性基、例えばヒドロキシル基および/またはエポキシド基を有する核または開始剤分子から構築され、前記基に鎖伸長剤、例えば飽和または不飽和ヒドロキシ官能性カルボン酸またはオキセタンの1以上の世代が付加されているものである。良好な特性が得られるような高分子量を有するが、通常の溶媒を必要としないような低粘度のアクリレートおよび/またはメタクリレートが樹枝状ポリアルコールから調製(prepare)できる。適切な樹枝状ポリアルコールは、例えば、WO93/17060(特許文献4)、WO93/18079(特許文献5)、WO96/07688(特許文献6)、WO96/12754(特許文献7)、WO99/00439(特許文献8)、WO99/00440(特許文献9)、WO00/56802(特許文献10)およびWO02/40572(特許文献11)に開示されている。
【0013】
これらの樹枝状種(species)を含め、成分(a)は、例えばアクリル酸および/またはメタクリル酸を、例えば共沸溶媒、阻害剤および触媒の存在下でトリまたは多価アルコールと反応させることによって当業者に公知の通常の手順により調製することができる。
【0014】
本発明の組成物の成分(b)は、実施形態では、ジ、トリまたはポリイソシアネート、例えばノナントリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,6−ヘキサンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート、1,12−ドデカンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ビス(シクロヘキシルメタン)ジイソシアネート(bis(cyclohexylmethane)diisocyanate)、トリス(6−イソシアナトヘキシル)ビウレット、イソホロンジイソシアネートイソシアヌレートおよび/またはヘキサンジイソシアネートイソシアヌレートであり、このジ、トリまたはポリイソシアネートは任意選択的に(optionally:オプションとして、任意に)ブロック(blocked:ブロックト、ブロックされた)NCO−基を有する。ジ、トリおよびポリイソシアネートに対する適切なブロッキング剤(blocking agents)は、例えば、CH−酸性、NH−、SH−およびOH−官能性ブロッキング剤である。成分(b)は、これらの実施形態では、最も好ましくは、先に開示したような遊離の、ジ、トリまたはポリイソシアネートであり、これにより二重硬化性組成物は、別々に貯蔵された成分を混合することによって、使用の短時間前に(使用前に短時間で)調製される。
【0015】
イソシアネートアクリレート化合物はウレタンプレポリマーであり、このプレポリマーは、脂肪族、脂環式および/またはアラリファティック(araliphatic:芳香−脂肪族)ポリイソシアネートと、イソシアネート基に付加できる少なくとも1つの基、例えばヒドロキシル基、一級または二級アミノ基、および少なくとも1つのオレフィン性二重結合、例えば(メタ)アクリロイル基を含む化合物とを、任意選択的に、イソシアネート基に付加できる少なくとも2つの基、例えばヒドロキシル基と一級または二級アミノ基を含む化合物と共に反応させることにより、当業者に公知の通常の方法で製造することができる。この場合に、反応は、イソシアネート基に付加できる基が完全に消費されるように行われる。
【0016】
前記成分(b)の別の実施形態には、例えば尿素−および/またはメラミン−ホルムアルデヒド樹脂のようなアミノ樹脂、例えばC〜Cアルカノールのようなアルカノール、エステル化された尿素−および/またはメラミン−ホルムアルデヒド樹脂、および、例えばトリス(アルコキシカルボニルアミノ)トリアジンのようなエステル交換架橋剤(transesterification cross linking agent)が含まれる。
【0017】
本発明の放射線および熱硬化性組成物の添加剤パッケージは、好ましい実施形態では、ベンゾインまたはその誘導体、アセトフェノンまたはその誘導体、例えば2,2−ジアセトキシアセトフェノン、ベンゾフェノンまたはその誘導体、チオキサントンまたはその誘導体、アントラキノン、1−ベンゾイルシクロヘキサノール、および、有機リン化合物、例えばアシルホスフィンオキシドよりなる群から選択される光開始剤を、固体(固形)樹脂含有量に関して計算して、例えば0.1〜5重量%、例えば0.5〜3重量%の量で含む。
【0018】
前記光開始剤に加えて、添加剤パッケージは、例えばコーティングに通常使用される添加剤を含むことができ、これには、レベリング剤(levelling agents:平滑化剤)、例えば焼成シリカ(pyrogenic silica)のようなレオロジー剤(rheological agent)、尿素基を含み、アミンとポリイソシアネートから調製される反応生成物(いわゆる、「サグ制御剤(sag control agents:沈下制御剤、たるみ制御剤)、早期のフリーラジカル重合を抑制する阻害剤、熱的フリーラジカル開始剤、触媒、染料(dyes:色素)、光安定剤、UV−吸収剤、抗酸化剤、例えばミクロゲルのようなポリマー微粒子、例えばシリカのようなナノ粒子、および/または、ホルムアルデヒド放出物質が含まれる。
【0019】
前記任意選択的な成分(d)は、好ましい実施形態では、適切には、オレフィン性二重結合を有する反応性希釈剤を含み、これは成分(a)の合成における不活性希釈剤としても使用されうるものである。前記反応性希釈剤は、モノ、ジまたは多不飽和化(polyunsaturated:ポリ不飽和化)されていてもよく、典型的な例として、例えばアクリレートおよび/またはメタクリレートエステル、ビニルアクリレートおよび/またはメタクリレート、アリルアクリレートおよび/またはメタクリレート、メタリルアクリレート(methallylacrylate)および/またはメタクリレート、ポリエステルアクリレートおよび/またはメタクリレート、エポキシアクリレートおよび/またはメタクリレート、ウレタンアクリレートおよび/またはメタクリレート、および、メラミンアクリレートおよび/またはメタクリレートのような化合物を挙げることができる。前記反応性希釈剤は、適切には、2−アルキル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオール、2−アルキル−2−ヒドロキシアルキル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジヒドロキシアルキル−1,3−プロパンジオール、ポリアルコキシル化2−アルキル−1,3−プロパンジオール、ポリアルコキシル化2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオール、ポリアルコキシル化2−アルキル−2−ヒドロキシアルキル−1,3−プロパンジオールおよび/またはポリアルコキシル化2,2−ジヒドロキシアルキル−1,3−プロパンジオールのアクリレートおよび/またはメタクリレートエステルであって、アルキルがC〜Cの線状または分枝アルカニルであり、ポリアルコキシル化が1〜20のアルコキシ単位を有するポリエトキシル化、ポリプロポキシル化および/またはポリブトキシキル化であるものよりなる群から選択される。
【0020】
成分(d)の反応性希釈剤は、本発明の特に好ましい実施形態では、1,3−ブタンジオールジアクリレートおよび/またはメタクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレートおよび/またはメタクリレート、ヘキサンジオールジアクリレートおよび/またはメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートおよび/またはメタクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジアクリレートおよび/またはメタクリレート、グリセロールトリアクリレートおよび/またはメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートおよび/またはメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートおよび/またはメタクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレートおよび/またはメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートおよび/またはメタクリレート、ポリアルコキシル化ネオペンチルグリコールのジアクリレートおよび/またはメタクリレート、ポリアルコキシル化2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールのジアクリレートおよび/またはメタクリレート、ポリアルコキシル化グリセロールのトリアクリレートおよび/またはメタクリレート、ポリアルコキシル化トリメチロールプロパンのトリアクリレートおよび/またはメタクリレート、ポリアルコキシル化ペンタエリスリトールのテトラアクリレートおよび/またはメタクリレート、および、ポリアルコキシル化ジペンタエリスリトールのヘキサアクリレートおよび/またはメタクリレートである。この場合に、ポリアルコキシル化は、好ましくは、ポリエトキシル化および/またはポリプロポキシル化である。成分(d)のさらに適切な実施形態には、ビニル、アリルおよび/またはメタリルエーテル、スチレン、ビニルトルエン、および/または、ジビニルベンゼンが含まれる。
【0021】
意図した用途に依存して(応じて)、本発明の組成物は、顔料(pigments:色素)を必要としないか、または、完全に、透明にまたは不透明に着色することができる。従って、前記組成物は、追加的におよび任意選択的に、少なくとも1種の顔料、フィラー(filler:充填剤)、および/または増量剤(extender:エキステンダー)を、例えば0.1:1乃至3:1の固体樹脂対前記顔料、フィラーおよび/または増量剤の重量比で含むことができる。無機または有機着色顔料(color imparting pigments:色を付与する顔料)の例には、二酸化チタン、微粉化二酸化チタン、酸化鉄顔料、カーボンブラック、アゾ顔料、フタロシアンニン顔料、キナクリドンおよびピロロピロール顔料が含まれる。見栄えを付与する顔料(effect imparting pigment)の例には、例えばアルミニウムのような金属顔料および他の金属顔料、および/または干渉顔料(interference pigments)、例えば金属酸化物でコーティングされた金属顔料、例えば二酸化チタンまたは混合酸化物でコーティングされたアルミニウム、コーティングされたマイカ(雲母)、例えば二酸化チタンでコーティングされたマイカが含まれる。適切な増量剤の典型例としては、二酸化ケイ素、アルミニウムシリケート(珪酸アルミニウム)、硫酸バリウム、炭酸カルシウムおよびタルク(talcum)を挙げることができる。
【0022】
本発明の二重硬化性組成物は、適切には、固体樹脂、非揮発性添加剤および任意選択的な顔料、フィラーおよび/または増量剤として計算して、例えば60〜100重量%の固体含有量を有するように調製されうる。揮発性成分は、任意選択的な揮発性添加剤と共に、有機溶媒および/または水を含む。
【0023】
水溶液の形態への変換は、中和可能な基の中和によって、および/または非イオン性乳化剤の添加によって、当業者に公知の通常の方法で行うことができる。有機溶媒は、水を添加する前または後に、例えば蒸留によって除去してもよい。
【0024】
本発明の二重硬化性組成物の希釈に適した有機溶媒には、例えばエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールおよび/またはジメチルエーテルのようなグリコールエーテル、例えばエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートおよび/またはメトキシプロピルアセテートのようなグリコールエーテルエステル、例えば酢酸ブチル、酢酸イソブチルおよび/または酢酸アミルのようなエステル、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンおよび/またはイソホロンのようなケトン、例えばメタノール、エタノール、プロパノール類(propanols)およびブタノール類(butanols)のようなアルカノール、および/または、脂肪族、脂環式および芳香族炭化水素が含まれる。
【0025】
本発明の二重硬化性組成物は、例えば、任意の所望の基材、例えば金属、プラスチック、例えば金属とプラスチックから作製される複合基材(composite substrates:複合基質、複合基板)をコーティングするための多層コーティングの形成(製造)、特に屋外(アウトドア)の着色されたトップコート、透明なクリアコートまたは透明なシーリング(密封)コート、および多層コーティングの形成(製造)に使用することができる。屋外コーティング層は、例えば基材上にあらかじめ塗布されたコーティング上に、ウエット−オン−ウエット(wet-on-wet)法(process:プロセス)で塗布し、その後、2つの層を一緒に硬化すればよい。非水性二重硬化性コーティングは、好ましくは、水を担体とする(water borne:ウォーターボーン)または溶媒を担体とする(solvent borne:ソルベントボーン)コーティング、および/または色(colour)および見栄えを付与するベースコートの層上に透明なクリアコートとして適用(塗布)されうる。本発明の二重硬化性組成物は、例えば繊維強化プラスチックのような基材上に適用するためのプライマーの製造にも適している。二重硬化性組成物は、自動車車体および車体部品(パーツ)の最初の(オリジナルの)および修理(リペア)コーティング用の、上記多層コーティングの形成(製造)に特に適している。
【0026】
本発明の二重硬化性組成物から得られるコーティングは、熱的に、並びにUV照射で硬化された場合に、優れた溶媒耐性、酸耐性、傷耐性、および硬度を示し、非常に良好な光学特性を有する。十分な溶媒耐性、酸耐性および硬度と組み合わせた非常に良好な光学特性および傷耐性は、この組成物が熱的にのみ硬化された場合でも得られる。従って、本発明の二重硬化性組成物は、例えばUV放射での照射に対する到達可能性(accessibility)が異なるか、または非到達性でさえある表面領域を持つ複雑な形状を有する三次元基材、例えば自動車車体および車体部品のコーティングに特に適している。
【0027】
これらのおよび他の目的、および付随する利点は、添付の実施例と共に、以下の詳細な説明からより完全に理解されるであろう。ここで、例1および2は部分的にアクリレート化された多価アルコールの調製、即ち前記成分(a)の実施形態に関し、例3および4、および表1は、本発明の二重硬化性組成物の実施形態に基づくクリアーコーティングの調製および評価に関する。
【実施例1】
【0028】
(例1)
100gのジトリメチロールプロパン、137gのアクリル酸、0.37gのメトキシフェノール、2.3gのメタンスルホン酸、および200gのトルエンを、攪拌機、温度計、酸素入口(inlet)および共沸蒸留塔(column:カラム)を備えた反応容器(reaction vessel)に充填した。この混合物を環流するまで(約110℃)加熱し、10mlの水が収集されるまで撹拌した。次に、反応混合物を室温に冷却し、過剰のアクリル酸を10%NaOH水溶液で中和した。有機層を分離し、水で二回洗浄した。最後に、トルエンを真空下(30mmHg)で除去した。
【0029】
得られた生成物は、以下の特性を有していた。
ヒドロキシル価、mgKOH/g 331
二重結合等価値(double bond equivalents)、mmol/g 5.3
色(colour)、APHA 50
23℃での粘度、Pas 2.3
【0030】
(例2)
250gのヒドロキシ官能性樹枝状ポリエステル(ボルトン(Bolton)(登録商標)H20、ペルストルプ スペシャルティ ケミカルズ アーべー)、200gのアクリル酸、0.5gのメトキシフェノール、3.5gのメタンスルホン酸、および400gのトルエンを、攪拌機、温度計、酸素入口(inlet)および共沸蒸留塔を備えた反応容器に充填した。この混合物を環流するまで(約110℃)加熱し、30mlの水が収集されるまで撹拌した。次に、反応混合物を室温に冷却し、過剰のアクリル酸を10%NaOH水溶液で中和した。有機層を分離し、水で二回洗浄した。最後に、トルエンを真空下(30mmHg)で除去した。
【0031】
得られた生成物は、以下の特性を有していた。
ヒドロキシル価、mgKOH/g 99
二重結合等価値、mmol/g 4.4
色(colour)、APHA 210
23℃での粘度、Pas 120
【0032】
(例3)
本発明の実施形態(配合物番号1および2)に基づいて、クリアーコーティングを調製し、これには、例1および2で得た生成物(成分(a))が含まれる。2パックのイソシアネート硬化性コーティングおよび二重硬化性コーティングを参考例として調製した。コーティングを40℃で調製し、乾燥フィルムとして約40μmのフィルム厚でガラスパネル上に被覆した。このコーティングをオーブン中で熱的に硬化するか、熱およびUV硬化を行った。重量部での配合量および得られた特性を以下の表1に与えた。
【0033】
(例4)
例3のコーティング配合物を、乾燥フィルムとして約40μmのフィルム厚で、自動車のトップコーティングとして被覆し、熱的硬化(80℃で30分)およびUV硬化(H電球(H bulb)を用い、空気中で200mJ/cm)した。このコーティングを、60℃での4時間のUV−A、次いで50℃での4時間の凝結のサイクルで、加速耐候性試験(accelerated weathering:加速耐候性、加速風化)(QUVA)にかけた。1000時間の後、全てのコーティングは、95%を越える光沢の保持、および1未満のデルタE(デルタEは、異なる色座標(colour coordinate)LAB(但し、Lは明度(lightness)、Aは緑から赤の指標(indicator)であり、Bは青から黄色の指標である。)の計算の結果である。)を示した。
【0034】
【表1】

*1:アクリル性ポリオール − ライオンデル(Lyondell)、USA
*2:ヘキサメチレンジイソシアネートをベースとするポリイソシアネート樹脂
− バイエル アーゲー、ドイツ
*3:光開始剤 − チバ・スペシャルティ・ケミカルズ、スイス
*4:UV安定剤 − チバ・スペシャルティ・ケミカルズ、スイス
*5:表面添加剤(surface additive) − BYKセミー(KBY Chemie)、ドイツ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体放射線および熱硬化性組成物であって、
前記組成物が、
(a)少なくとも1種のトリまたは多価アルコールと、アクリル酸および/またはメタクリル酸との間のエステルの少なくとも1種であって、このエステルが少なくとも2つのヒドロキシル基、少なくとも1つのアクリル性またはメタクリル性二重結合、50〜500mgKOH/gのヒドロキシル価および1〜10mmol/gの二重結合濃度を有するもの、
(b)少なくとも1種の、ヒドロキシ官能性化合物に対する架橋剤であって、この架橋剤が任意選択的に少なくとも1つのオレフィン性二重結合を有するもの、および
(c)少なくとも1種の光開始剤、遊離基捕捉剤、光安定剤、湿潤剤および/またはレベリング剤を含む添加剤パッケージ、および任意選択的に
(d)少なくとも1種のモノマーまたはオリゴマー反応性希釈剤
を含むことを特徴とする、液体放射線および熱硬化性組成物。
【請求項2】
前記成分(a)は、少なくとも2つのアクリル性および/またはメタクリル性二重結合を有するものであることを特徴とする請求項1に記載の液体放射線および熱硬化性組成物。
【請求項3】
前記成分(a)は、40〜99重量%の量で前記組成物中に存在するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の液体放射線および熱硬化性組成物。
【請求項4】
前記成分(a)は、30〜70重量%の量で前記組成物中に存在するものであることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の液体放射線および熱硬化性組成物。
【請求項5】
前記成分(b)は、1〜60重量%の量で前記組成物中に存在するものであることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の液体放射線および熱硬化性組成物。
【請求項6】
前記成分(b)は、5〜30重量%の量で前記組成物中に存在するものであることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の液体放射線および熱硬化性組成物。
【請求項7】
前記成分(d)は、0〜30重量%の量で前記組成物中に存在するものであることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれかに記載の液体放射線および熱硬化性組成物。
【請求項8】
前記成分(a)は、80〜350mgKOH/gのヒドロキシル価を有するものであることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれかに記載の液体放射線および熱硬化性組成物。
【請求項9】
前記成分(a)は、1〜10mmol/gの二重結合濃度を有するものであることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれかに記載の液体放射線および熱硬化性組成物。
【請求項10】
前記成分(a)は、2−アルキル−2−ヒドロキシアルキル−1,3−プロパンジオールのモノアクリレートまたはメタクリレート、2,2−ジヒドロキシアルキル−1,3−プロパンジオールのモノまたはジアクリレートおよび/またはメタクリレート、2−アルキル−2−ヒドロキシアルキル−1,3−プロパンジオールの二量体のモノまたはジアクリレートおよび/またはメタクリレート、2,2−ジヒドロキシアルキル−1,2−プロパンジオールの二量体のモノ、ジ、トリまたはテトラアクリレートおよび/またはメタクリレート、2−アルキル−2−ヒドロキシアルキル−1,3−プロパンジオールの三量体のモノ、ジ、トリまたはテトラアクリレートおよび/またはメタクリレート、または、2,2−ジヒドロキシアルキル−1,3−プロパンジオールの三量体のモノ、ジ、トリ、テトラ、ペンタまたはヘキサアクリレートおよび/またはメタクリレートであることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれかに記載の液体放射線および熱硬化性組成物。
【請求項11】
前記成分(a)は、トリメチロールプロパンモノアクリレートまたはメタクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレートおよび/またはメタクリレート、ジトリメチロールプロパンジアクリレートおよび/またはメタクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレートおよび/またはメタクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレートおよび/またはメタクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレートおよび/またはメタクリレート、トリペンタエリスリトールテトラアクリレートおよび/またはメタクリレート、または、トリペンタエリスリトールヘキサアクリレートおよび/またはヘキサメタクリレートであることを特徴とする、請求項10に記載の液体放射線および熱硬化性組成物。
【請求項12】
前記成分(a)は、ポリアルコキシル化2−アルキル−2−ヒドロキシアルキル−1,3−プロパンジオールのモノアクリレートまたはメタクリレート、ポリアルコキシル化2,2−ジヒドロキシアルキル−1,3−プロパンジオールのモノまたはジアクリレートおよび/またはメタクリレート、2−アルキル−2−ヒドロキシアルキル−1,3−プロパンジオールのポリアルコキシル化された二量体のモノまたはジアクリレートおよび/またはメタクリレート、2,2−ジヒドロキシアルキル−1,2−プロパンジオールのポリアルコキシル化された二量体のモノ、ジ、トリまたはテトラアクリレートおよび/またはメタクリレート、2−アルキル−2−ヒドロキシアルキル−1,3−プロパンジオールのポリアルコキシル化された三量体のモノ、ジ、トリまたはテトラアクリレートおよび/またはメタクリレート、または、2,2−ジヒドロキシアルキル−1,3−プロパンジオールのポリアルコキシル化された三量体のモノ、ジ、トリ、テトラ、ペンタまたはヘキサアクリレートおよび/またはメタクリレートであることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれかに記載の液体放射線および熱硬化性組成物。
【請求項13】
前記成分(a)は、ポリアルコキシル化トリメチロールプロパンのモノアクリレートまたはメタクリレート、ポリアルコキシル化ペンタエリスリトールのジアクリレートおよび/またはメタクリレート、ポリアルコキシル化ジトリメチロールプロパンのジアクリレートおよび/またはメタクリレート、ポリアルコキシル化ジペンタエリスリトールのジアクリレートおよび/またはメタクリレート、ポリアルコキシル化ジペンタエリスリトールのトリアクリレートおよび/またはメタクリレート、ポリアルコキシル化トリペンタエリスリトールのテトラアクリレートおよび/またはメタクリレート、または、ポリアルコキシル化トリペンタエリスリトールのヘキサアクリレートおよび/またはメタクリレートであることを特徴とする、請求項12に記載の液体放射線および熱硬化性組成物。
【請求項14】
前記ポリアルコキシル化が、ポリエトキシル化および/またはポリプロポキシル化であることを特徴とする、請求項12または13に記載の液体放射線および熱硬化性組成物。
【請求項15】
前記成分(a)は、トリメチロールプロパンポリカーボネートのモノアクリレートまたはメタクリレート、ペンタエリスリトールポリカーボネートのジアクリレートおよび/またはメタクリレート、ジトリメチロールプロパンポリカーボネートのジアクリレートおよび/またはメタクリレート、および/または、ジペンタエリスリトールポリカーボネートのジ、トリまたはテトラアクリレートおよび/またはメタクリレートであることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれかに記載の液体放射線および熱硬化性組成物。
【請求項16】
前記成分(a)は、少なくとも1種の樹枝状ポリアルコールとアクリル酸および/またはメタクリル酸との間のエステルであることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれかに記載の液体放射線および熱硬化性組成物。
【請求項17】
前記成分(b)は、ジ、トリまたはポリイソシアネートであり、このジ、トリまたはポリイソシアネートは、任意選択的にブロックNCO−基を有するものであることを特徴とする、請求項1乃至16のいずれかに記載の液体放射線および熱硬化性組成物。
【請求項18】
前記ジ、トリまたはポリイソシアネートは、ノナントリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,6−ヘキサンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート、1,12−ドデカンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ビスシクロヘキシルメタンジイソシアネート(biscyclohexylmethane diisocyanate)、トリス(6−イソシアナトヘキシル)ビウレット、イソホロンジイソシアネートイソシアヌレートおよび/またはヘキサンジイソシアネートイソシアヌレートであることを特徴とする、請求項17に記載の液体放射線および熱硬化性組成物。
【請求項19】
前記成分(b)は、アミノ樹脂であることを特徴とする、請求項1乃至16のいずれかに記載の液体放射線および熱硬化性組成物。
【請求項20】
前記アミノ樹脂は、尿素−および/またはメラミン−ホルムアルデヒド樹脂であることを特徴とする、請求項19に記載の液体放射線および熱硬化性組成物。
【請求項21】
前記アミノ樹脂は、C〜Cアルカノールでエステル化された尿素−および/またはメラミン−ホルムアルデヒド樹脂であることを特徴とする、請求項19に記載の液体放射線および熱硬化性組成物。
【請求項22】
前記成分(b)は、エステル交換架橋剤であることを特徴とする、請求項1乃至16のいずれかに記載の液体放射線および熱硬化性組成物。
【請求項23】
前記エステル交換架橋剤は、トリス(アルコキシカルボニルアミノ)トリアジンであることを特徴とする、請求項22に記載の液体放射線および熱硬化性組成物。
【請求項24】
前記添加剤パッケージは、ベンゾインまたはその誘導体、アセトフェノンまたはその誘導体、ベンゾフェノンまたはその誘導体、チオキサントンまたはその誘導体、アントラキノン、1−ベンゾイルシクロヘキサノール、および、有機リン化合物よりなる群から選択される少なくとも1種の光開始剤を含むものであることを特徴とする、請求項1乃至23のいずれかに記載の液体放射線および熱硬化性組成物。
【請求項25】
前記添加剤パッケージは、少なくとも1種のレベリング剤、レオロジー剤、サグ制御剤、阻害剤、熱的フリーラジカル開始剤、触媒、染料、光安定剤、UV−吸収剤、抗酸化剤、ミクロゲル、ホルムアルデヒド放出物質、および/または、ナノ粒子を含むものであることを特徴とする、請求項1乃至24のいずれかに記載の液体放射線および熱硬化性組成物。
【請求項26】
前記任意選択的成分(d)は、アクリレートおよび/またはメタクリレートエステル、ビニルアクリレートおよび/またはメタクリレート、アリルアクリレートおよび/またはメタクリレート、ポリエステルアクリレートおよび/またはメタクリレート、エポキシアクリレートおよび/またはメタクリレート、ウレタンアクリレートおよび/またはメタクリレート、および/または、メラミンアクリレートおよび/またはメタクリレートであることを特徴とする、請求項1乃至25のいずれかに記載の液体放射線および熱硬化性組成物。
【請求項27】
前記アクリレートおよび/またはメタクリレートエステルは、2−アルキル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオール、2−アルキル−2−ヒドロキシアルキル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジヒドロキシアルキル−1,3−プロパンジオール、ポリアルコキシル化2−アルキル−1,3−プロパンジオール、ポリアルコキシル化2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオール、ポリアルコキシル化2−アルキル−2−ヒドロキシアルキル−1,3−プロパンジオールおよび/またはポリアルコキシル化2,2−ジヒドロキシアルキル−1,3−プロパンジオールのアクリレートおよび/またはメタクリレートエステルであって、アルキルがC〜Cの線状または分枝アルカニルであり、ポリアルコキシル化が1〜20のアルコキシ単位を有するポリエトキシル化、ポリプロポキシル化および/またはポリブトキシキル化であるものであることを特徴とする、請求項26に記載の液体放射線および熱硬化性組成物。
【請求項28】
前記アクリレートおよび/またはメタクリレートエステルは、1,3−ブタンジオールジアクリレートおよび/またはメタクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレートおよび/またはメタクリレート、ヘキサンジオールジアクリレートおよび/またはメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートおよび/またはメタクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジアクリレートおよび/またはメタクリレート、グリセロールトリアクリレートおよび/またはメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートおよび/またはメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートおよび/またはメタクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレートおよび/またはメタクリレート、および/または、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートおよび/またはメタクリレートであることを特徴とする、請求項26に記載の液体放射線および熱硬化性組成物。
【請求項29】
前記アクリレートおよび/またはメタクリレートエステルは、ポリアルコキシル化ネオペンチルグリコールのジアクリレートおよび/またはメタクリレート、ポリアルコキシル化2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールのジアクリレートおよび/またはメタクリレート、ポリアルコキシル化グリセロールのトリアクリレートおよび/またはメタクリレート、ポリアルコキシル化トリメチロールプロパンのトリアクリレートおよび/またはメタクリレート、ポリアルコキシル化ペンタエリスリトールのテトラアクリレートおよび/またはメタクリレート、ポリアルコキシル化ジペンタエリスリトールのテトラアクリレートおよび/またはメタクリレート、および/または、ポリアルコキシル化ジペンタエリスリトールのヘキサアクリレートおよび/またはメタクリレートであることを特徴とする、請求項26に記載の液体放射線および熱硬化性組成物。
【請求項30】
前記ポリアルコキシル化は、ポリエトキシル化および/またはポリプロポキシル化であることを特徴とする、請求項29に記載の液体放射線および熱硬化性組成物。
【請求項31】
前記任意選択的成分(d)は、ビニル、アリルエーテルおよび/またはメタリルエーテルであることを特徴とする、請求項1乃至25のいずれかに記載の液体放射線および熱硬化性組成物。
【請求項32】
前記任意選択的成分(d)は、スチレン、ビニルトルエンおよび/またはジビニルベンゼンであることを特徴とする、請求項1乃至25のいずれかに記載の液体放射線および熱硬化性組成物。
【請求項33】
前記組成物は、前記成分に加えて少なくとも1種の溶媒および/または水を含むものであることを特徴とする、請求項1乃至32のいずれかに記載の液体放射線および熱硬化性組成物。
【請求項34】
前記有機溶媒は、グリコールエーテル、グリコールエーテルエステル、カルボン酸エステル、ケトン、アルカノール、および/または、脂肪族、脂環式および/または芳香族炭化水素であることを特徴とする、請求項33に記載の液体放射線および熱硬化性組成物。
【請求項35】
前記有機溶媒は、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、メトキシプロピルアセテート、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、メタノール、エタノール、プロパノール類およびブタノール類、キシレン、および/または、ホワイトスピリットであることを特徴とする、請求項33または34に記載の液体放射線および熱硬化性組成物。
【請求項36】
前記組成物は、前記成分に加えて少なくとも1種の顔料、フィラーおよび/または増量剤を含むものであることを特徴とする、請求項1乃至35のいずれかに記載の液体放射線および熱硬化性組成物。

【公表番号】特表2009−511733(P2009−511733A)
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−536540(P2008−536540)
【出願日】平成18年10月2日(2006.10.2)
【国際出願番号】PCT/SE2006/001104
【国際公開番号】WO2007/046741
【国際公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(502456286)ペルストルプ スペシヤルテイ ケミカルズ アーベー (12)
【氏名又は名称原語表記】Perstorp Specialty Chemicals AB
【住所又は居所原語表記】S−284 80 Perstorp, Sweden
【Fターム(参考)】