説明

交通情報処理装置及び交通情報処理方法

【課題】交通需要の予測を簡易な処理で決定することができ、円滑な交通流の実現に寄与が可能な交通情報処理装置及び交通情報処理方法を提供すること。
【解決手段】制御目標速度決定部41は、交通流速度Vdet(t)から制御目標速度Vcont(t+1)を算出する。原予測交通需要算出部42は、交通量Qdet(t)に、交通流速度Vdet(t)と制御目標速度Vcont(t+1)との比を乗じて、原予測交通需要Q1(t+1)を算出する。予測交通需要決定部43は、原予測交通需要Q1(t+1)と飽和交通流率Qsatとを比較して、予測交通需要Q2(t+1)を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交通情報の処理を行う交通情報処理装置及び交通情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ある地点の通過要求のある交通量を表す交通需要は、交通流の円滑化を目的として、信号制御装置や交通流シミュレータ等の入力情報として用いられる。
【0003】
車両感知器から得た交通量および占有率を基に、通過要求のある交通量を表す交通需要を推定する交通量推定装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。ここで、占有率とは、ある地点において真上から測定した状態で、全測定時間に対する車両が検出されている時間の割合を表す。この交通量推定装置は、感知器などで得た交通量および占有率から自由流および渋滞流を判別し、それぞれの流れの状態に応じた交通需要を算出する。また、自由流とは、流れが比較的スムーズな交通量の状態を表し、停滞流とは、流れが停滞している交通量の状態を表す。また、自由流と停滞流を判別する条件は、対象となる地点で収集された交通流データを基に、地点ごとに交通量−占有率分布、時間帯、旅行時間等を参考に決定される。
【0004】
また他に、交通量と占有率のうち、いずれか大きい方の値を交通需要(地点デマンド)とし、この値に基づいて信号機を制御する情報処理装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。具体的に、この情報処理装置は、感知器で得た交通量および占有率をそれぞれ基準交通量および基準占有率で割ることにより、正規化交通量および正規化占有率を得る。そして、得られた正規化交通量と正規化占有率のうち、大きい方の値を交通需要と決定する。ここで、各地点で収集した交通流データを基に、交通量−占有率曲線の飽和点を求め、この飽和点の交通量および占有率が基準交通量および基準占有率として用いられる。
【0005】
【特許文献1】特開2001−76283号公報
【特許文献2】特開2001−283377号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の装置にあっては、各地点における交通量と占有率の集計値を基にして、自由流と停滞流を判別する条件に用いる設定値や基準交通量および基準占有率といった設定値を決定する必要がある。このような設定値に用いられる車両感知器の交通量と占有率の統計値は、地点周辺の環境変化に左右され易いので、定期的に再設定を必要となってしまう。更に、この設定には、実際の交通流データの収集および統計的な分析が必須であり、かつ統計処理に必要なサンプル数を確保するために一定の期間を要する。したがって、対象となる地点が多数に及ぶ大都市全域などに適用する際、再設定にかかる時間および作業量が増大し、その実施が非常に困難であるといった事情があった。
【0007】
また、上記の装置で求められる交通需要は、各地点における交通量等が測定された時点での推定値である。一方、交通流の制御は数秒から数分程度先の交通需要に対して行われるものであるので、実際より小さな交通需要を基に制御した場合、交通流の速度を却って低下させるおそれがある。このため、交通流の制御に交通需要を用いる場合、交通需要の推定に加え、時間遅れを考慮して交通需要を予測する必要があった。
【0008】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、交通需要の予測を簡易な処理で決定することができ、円滑な交通流の実現に寄与が可能な交通情報処理装置及び交通情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、第1に、所定地点において測定された交通流情報から取得した、当該所定の地点における交通流の速度である交通流速度に基づいて、前記交通流の目標速度である制御目標速度を決定する制御目標速度決定手段と、前記交通流情報から取得した前記所定地点における交通量と、前記決定された制御目標速度とに基づいて、前記所定地点において予測される交通需要である予測交通需要を算出する予測交通需要算出手段とを備える交通情報処理装置が提供されるものである。
【0010】
この構成により、交通流の目標速度である制御目標速度を決定し、交通流のデータとして交通量および交通流速度を用いることで、交通需要を容易に予測でき、円滑な交通流の実現に寄与できる。また、交通流のデータの取得が容易である。しかも、地点の周辺環境を反映した設定値を用いることができる。したがって、大規模な道路網でも適用可能である。
【0011】
本発明は、第2に、上記第1に記載の交通情報処理装置であって、前記算出された予測交通需要と、前記所定地点における前記交通流の最大交通量である飽和交通流率とを比較し、大きい方を前記予測交通需要として決定する予測交通需要決定手段を更に備える。
【0012】
この構成により、その地点における適切な予測交通需要を決定することができる。
【0013】
本発明は、第3に、上記第1又は2に記載の交通情報処理装置であって、前記予測交通需要算出手段は、前記交通量及び前記交通流速度から交通流密度を算出し、前記算出された交通流密度に前記制御目標速度を乗じて、前記予測交通需要を算出する。
【0014】
この構成により、交通流密度及び制御目標速度に対応した予測交通需要を得ることができる。
【0015】
本発明は、第4に、上記第1ないし第3のいずれかに記載の交通情報処理装置であって、前記予測交通需要算出手段は、前記交通量に、前記交通流速度と前記制御目標速度との比を乗じて、前記予測交通需要を算出する。
【0016】
この構成により、交通流密度および制御目標速度に対応した予測交通需要が得ることができる。
【0017】
本発明は、第5に、上記第1ないし第4のいずれか一項に記載の交通情報処理装置であって、前記制御目標速度決定手段は、前記交通流速度に応じて予め定められた速度偏差を加えて前記制御目標速度を決定する。
【0018】
この構成により、予測交通需要を算出するための制御目標速度を、道路の車線数や幅員、規制速度等の道路の周辺環境を反映させて決定することができる。
【0019】
本発明は、第6に、所定地点において測定された交通流情報から取得した、当該所定の地点における交通流の速度である交通流速度に基づいて、前記交通流の目標速度である制御目標速度を決定するステップと、前記交通流情報から取得した前記所定地点における交通量と、前記決定された制御目標速度とに基づいて、前記所定地点において予測される交通需要である予測交通需要を算出するステップとを有する交通情報処理方法が提供されるものである。
【0020】
この方法により、交通流の目標速度である制御目標速度を決定し、交通流のデータとして交通量および交通流速度を用いることで、交通需要を容易に予測でき、円滑な交通流の実現に寄与できる。また、交通流のデータの取得が容易である。しかも、地点の周辺環境を反映した設定値を用いることができる。したがって、大規模な道路網でも適用可能である。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、交通需要の予測を簡易な処理で決定することができ、円滑な交通流の実現に寄与が可能な交通情報処理装置及び交通情報処理方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の実施形態に係る交通情報処理装置及び交通情報処理方法について、図面を参照しながら説明する。
【0023】
図1は、本発明の実施形態に係る交通制御システムの概略的構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態に係る交通制御システムは、交通情報処理装置の一例としての交通需要を予測する交通需要予測装置1、およびこの予測された交通需要(予測交通需要)Q2を基に複数の信号制御盤8に設定値のデータを出力する信号制御装置3を主に有して構成される。
【0024】
交通需要予測装置1には、対象となる各地点(a地点、b地点、・・・)に設置された速度感知器5および車両感知器6が接続されており、それぞれ交通需要予測装置1に交通流速度Vおよび交通量Q等の交通流情報を出力する。信号制御装置3には、複数の信号制御盤8が接続されており、各信号制御盤8は、信号制御装置3からの設定値に従って、それぞれに接続された信号機9を駆動する。
【0025】
また、対象となる地点に設置される車両感知器としては、ドップラー効果を用いて車両を感知する超音波式のもの、光の遮りによって車両を感知する光学式のものが挙げられる。また、速度感知器としては、2つの車両感知器による感知の時差を利用したものが挙げられる。
【0026】
図2は本発明の実施形態に係る交通需要予測装置の主要な構成を示すブロック図である。図2に示すように、交通需要予測装置1は、制御部21に通信部22、メモリ部23、操作部24、データベース25、表示部26および出力部27が接続された構成を有する。
【0027】
制御部21は、周知のCPU、ROM、RAM等(図示せず)を有し、制御部21内のCPUがメモリ部23に格納された制御プログラムを実行することによって、後述するような、交通需要を予測する制御処理部30(図3参照)の機能を実現する。
【0028】
メモリ部23には、上記制御プログラムの他、各種のデータが記憶される。通信部22は、通信回線を介して速度感知器5および車両感知器6からのデータを受信する。操作部24および表示部26はオペレータに対するユーザインタフェースである。データベース25には、後述する速度偏差設定関数f(v)、飽和交通流Qsat等のデータが格納されている。出力部27は、予測交通需要を信号制御装置3に送出する。
【0029】
図3は本発明の実施形態における制御処理部の主要な機能構成を示すブロック図である。図3に示すように、制御処理部30は、制御目標速度決定手段の一例である制御目標速度決定部41と、予測交通需要算出手段の一例である原予測交通需要算出部42と、予測交通需要決定手段の一例である予測交通需要決定部43とを有する。これらの各部は、前述したように、制御部21内のCPUが制御プログラムを実行することによって実現されるが、ハードウェア回路だけで実現してもよい。
【0030】
ここで、制御処理部30が動作する時刻をtとし、この時刻tより5分前の時刻をt−1、5分後の時刻をt+1と定めることにする。本実施形態では、交通需要の予測は、5分間隔で繰り返し実行されるが、その他の時間間隔で実行されるようにしてもよい。1回の予測では、制御処理部30は、時刻t−1から時刻tまでの交通情報(交通流データ)を基に、時刻t+1の交通需要を求める。
【0031】
また、本実施形態で用いられる物理量として、速度感知器5からの交通流速度Vdet(t)は、測定期間内に同地点を通過した車両の平均秒速を表す。その単位は[m/s]である。一方、車両感知器6からの交通量Qdet(t)は、測定期間内に同地点を通過した車両台数を表す。その単位は[台/5分]である。交通流速度Vdet(t)および交通量Qdet(t)は、所定の周期毎にそれぞれ速度感知器5および車両感知器6から読み込まれ、メモリ部23に書き込まれて更新される。
【0032】
また、飽和交通流率Qsat[台/5分]は、任意の地点における通過可能な最大交通量を表し、各地点の道路の設定値を含む周辺環境を反映した値に設定される。この飽和交通流率Qsatは、前述したように、データベース25に格納されている。また、予測交通需要Q2(t+1)[台/5分]は、前述したように、信号制御装置3の入力に用いられる。なお、信号制御装置の他に、交通流シミュレータ等の入力としても利用可能である。
【0033】
上記交通流速度Vdet(t)、交通量Qdet(t)、制御目標速度Vcont(t)、原予測交通需要Q1(t+1)および予測交通需要Q2(t+1)のデータは、データ処理の際、随時メモリ部23に書き込まれ、メモリ部23から読み出される。
【0034】
制御目標速度決定部41は、交通流速度Vdet(t)を基に、制御目標速度Vcont(t)を決定する。また、原予測交通需要算出部42は、交通流速度Vdet(t)、交通量Qdet(t)および制御目標速度Vcont(t)を基に、原予測交通需要Q1(t+1)を算出する。さらに、予測交通需要決定部43は、飽和交通流率Qsatと原予測交通需要Q1(t+1)とを比較し、予測交通需要Q2(t+1)を決定する。
【0035】
上記構成を有する交通需要予測装置1のデータ処理を示す。図4は本発明の実施形態における制御目標速度決定部の処理手順を示すフローチャートである。この処理プログラムは、メモリ部23に格納されており、制御部21内のCPU(図示せず)によって実行される。この処理では、交通流の円滑化を図るため、現在より1時点先の制御目標速度Vcont(t+1)を決定する。
【0036】
まず、現在の交通流速度Vdet(t)をメモリ部23から読み込む(ステップS1)。データベース25に登録された速度偏差設定関数(図5参照)を用い、交通流速度Vdet(t)に対応する速度偏差Voffset(t)を求める(ステップS2)。さらに、速度偏差設定関数f(v)および速度偏差Voffset(t)を用い、下記の数式(1)に従って、制御目標速度Vcont(t+1)を算出する(ステップS3)。
【0037】
Vcont(t+1) = Vdet(t)+Voffset(t) ・・・(1)
【0038】
算出した制御目標速度Vcont(t+1)をメモリ部23に書き込む(ステップS4)。この後、本処理を終了する。
【0039】
図5は本発明の実施形態における速度偏差設定関数を示すグラフである。このグラフの横軸は交通流速度Vdet(t)を表し、縦軸は速度偏差Voffset(t)を表す。この速度偏差設定関数f(v)は、交通流速度Vdet(t)が小さい場合、速度偏差Voffset(t)を大きくし、逆に交通流速度Vdet(t)が大きい場合、速度偏差Voffset(t)を小さくするように設定される。また、交通流速度Vdet(t)が規制速度Vmax以上である場合、速度偏差Voffset(t)を負とし、制御目標速度Vcont(t+1)が常に規制速度Vmax以下となるように、速度偏差設定関数f(v)は設定される。
【0040】
また、速度偏差Voffset(t)は、交通流速度Vdet(t)=0のとき、最低速度Vminとなる。この最低速度Vminは、道路の車線数と幅員、中央分離帯や分離歩道の有無、規制速度などの道路の設計値を含む各地点の周辺環境を反映した値に決定される。
【0041】
このような制御目標速度決定部41における上記処理を実行した後、原予測交通需要算出部42の処理を実行する。
【0042】
図6は本発明の実施形態における原予測交通需要算出部の処理手順を示すフローチャートである。この処理プログラムは、メモリ部23に格納されており、制御部21内のCPU(図示せず)によって実行される。
【0043】
まず、交通流速度Vdet(t)、交通量Qdet(t)および制御目標速度Vcont(t+1)をメモリ部23から読み込む(ステップS11)。下記の数式(2)に従って、現在の交通流密度K(t)を推定し、推定された交通流密度K(t)および交通流速度Vdet(t)を用い、下記の数式(3)に従って、原予測交通需要Q1(t+1)を算出する(ステップS12)。
【0044】
K(t)=Qdet(t)/Vdet(t) ・・・(2)
Q1(t+1)=K(t)・Vcont(t+1) ・・・(3)
【0045】
算出した原予測交通需要Q1(t+1)をメモリ部23に書き込む(ステップS13)。この後、本処理を終了する。
【0046】
なお、数式(3)に従って、原予測交通需要Q1(t+1)を算出する代わりに、下記の数式(4)に従って、原予測交通需要Q1(t+1)を求めてもよい。この数式(4)は、数式(3)のK(t)に数式(2)のK(t)を代入することにより得られる。
【0047】
Q1(t+1)=Qdet(t)・{Vcont(t+1)/Vdet(t)}
・・・(4)
【0048】
このような原予測交通需要算出部42における上記処理を実行した後、予測交通需要決定部43の処理を実行する。
【0049】
図7は本発明の実施形態における予測交通需要決定部の処理手順を示すフローチャートである。この処理プログラムは、メモリ部23に格納されており、制御部21内のCPU(図示せず)によって実行される。
【0050】
まず、原予測交通需要Q1(t+1)および飽和交通流率Qsatを読み込む(ステップS21)。この飽和交通流率Qsatは、前述したように、任意の地点における通過可能な最大交通量を表しており、道路の設計値を含む各地点の周辺環境を反映した値に予め設定されている。原予測交通需要Q1(t+1)を飽和交通流率Qsat以内に制限し、予測交通需要Q2(t+1)を決定する(ステップS22)。即ち、Q1(t+1)≦Qsatのとき、予測交通需要Q2(t+1)を、Q2(t+1)=Q1(t+1)として決定し、一方、Q1(t+1)>Qsatのとき、Q2(t+1)=Qsatとして決定する。ここで、原予測交通需要Q1(t+1)が飽和交通流率Qsatを超える場合とは、交通流速度Vdet(t)が値0に近くなり、数式(2)に示す交通流密度K(t)が無限大に発散する場合である。
【0051】
そして、決定した予測交通需要Q2(t+1)をメモリ部23に書き込む(ステップS23)。この後、本処理を終了する。こうして算出された予測交通需要Q2(t+1)は、前述したように、信号制御装置3に送出され、信号機の制御に供される。
【0052】
なお、上記の説明では、交通流情報として、速度感知器5及び車両感知器6から交通流速度及び交通量を得る場合について説明したが、例えば、超音波式等の車両感知器6のみが単独で設置されている場合には、車両感知器6から得られる交通量Qdet(t)及び測定期間中に車両が存在した時間である占有時間Odet(t)[sec]から、速度V(t)[m/s]を推定し、これを交通流速度Vdet(t)として用いてもよい。この推定速度V(t)[m/s]は、車両1台当たりの平均車長L[m]を定義すると、下記の数式(5)に従って算出される。
【0053】
V(t) = Qdet(t)・L/Odet(t) ・・・(5)
【0054】
このように、本発明の実施形態の交通需要予測装置によれば、交通需要を容易に予測でき、円滑な交通流の実現に寄与できる。また、交通流のデータの取得が容易である。しかも、地点の周辺環境を反映した設定値を用いることができる。したがって、大規模な道路網でも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明の交通情報処理装置及び交通情報処理方法は、交通需要の予測を簡易な処理で決定することができ、円滑な交通流の実現に寄与が可能な効果を有し、信号機等の制御を行う交通制御システムや、交通流シミュレータ等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の実施形態に係る交通制御システムの概略的構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施形態に係る交通需要予測装置の主要な構成を示すブロック図
【図3】本発明の実施形態における制御処理部の主要な機能構成を示すブロック図
【図4】本発明の実施形態における制御目標速度決定部の処理手順を示すフローチャート
【図5】本発明の実施形態における速度偏差設定関数を示すグラフ
【図6】本発明の実施形態における原予測交通需要算出部の処理手順を示すフローチャート
【図7】本発明の実施形態における予測交通需要決定部の処理手順を示すフローチャート
【符号の説明】
【0057】
1 交通需要予測装置
3 信号制御装置
5 速度感知器
6 車両感知器
8 信号制御盤
9 信号機
21 制御部
22 通信部
23 メモリ部
24 操作部
25 データベース
26 表示部
27 出力部
30 制御処理部
41 制御目標速度決定部
42 原予測交通需要算出部
43 予測交通需要決定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定地点において測定された交通流情報から取得した、当該所定の地点における交通流の速度である交通流速度に基づいて、前記交通流の目標速度である制御目標速度を決定する制御目標速度決定手段と、
前記交通流情報から取得した前記所定地点における交通量と、前記決定された制御目標速度とに基づいて、前記所定地点において予測される交通需要である予測交通需要を算出する予測交通需要算出手段と
を備える交通情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の交通情報処理装置であって、
前記算出された予測交通需要と、前記所定地点における前記交通流の最大交通量である飽和交通流率とを比較し、大きい方を前記予測交通需要として決定する予測交通需要決定手段を更に備える交通情報処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の交通情報処理装置であって、
前記予測交通需要算出手段は、前記交通量及び前記交通流速度から交通流密度を算出し、前記算出された交通流密度に前記制御目標速度を乗じて、前記予測交通需要を算出する交通情報処理装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか一項に記載の交通情報処理装置であって、
前記予測交通需要算出手段は、前記交通量に、前記交通流速度と前記制御目標速度との比を乗じて、前記予測交通需要を算出する交通情報処理装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか一項に記載の交通情報処理装置であって、
前記制御目標速度決定手段は、前記交通流速度に応じて予め定められた速度偏差を加えて前記制御目標速度を決定する交通情報処理装置。
【請求項6】
所定地点において測定された交通流情報から取得した、当該所定の地点における交通流の速度である交通流速度に基づいて、前記交通流の目標速度である制御目標速度を決定するステップと、
前記交通流情報から取得した前記所定地点における交通量と、前記決定された制御目標速度とに基づいて、前記所定地点において予測される交通需要である予測交通需要を算出するステップと
を有する交通情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−122359(P2007−122359A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−312966(P2005−312966)
【出願日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】