説明

仕分システム

【課題】商品棚に、その商品棚に関連付けられた正しい商品が搬送されたことを容易に確認できる仕分システムを提供する。
【解決手段】仕分システムでは、搬送対象となる商品に付随させて電子札3が利用される。また、同一の商品に係る商品棚5と電子札3とは、ホストコンピュータにおいてテーブルデータによって予めデータ的に対応付けられる。商品が商品棚5に搬送されると、商品棚5の棚コードと、商品に付随する電子札3の装置コードとがハンディターミナル4に取得される。取得された棚コードと装置コードとはホストコンピュータに送信され、ホストコンピュータにおいて棚コードと装置コードとの対応関係がテーブルデータが示す対応関係と一致するか否かが判定される。これにより、商品棚5に、その商品棚5に関連付けられた正しい商品が搬送されたという搬送の正当性を容易に確認できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、それぞれ一の種類の商品に関連付けられた複数の仕分区画を有する仕分システムに関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の小売店舗向けの物流センター(配送センターや出荷センター等)においては、店舗から受注した個数に応じた各種商品を取り揃える仕分作業を、仕分システムを用いて行うことが一般的となっている。このような仕分システムとして代表的にはピッキングシステムが知られている。
【0003】
ピッキングシステムでは、それぞれが一の種類の商品に関連付けられた仕分区画としての複数の商品棚が設けられており、これら複数の商品棚のそれぞれには仕分個数を表示する個数表示器が配置される。作業者は、商品の配送先となる店舗に対応するコンテナを台車などで搬送し、個数表示器に表示された個数分の商品を当該商品棚から取り出してコンテナに投入する。この作業を、各商品棚に関して繰り返すことにより、店舗から受注した個数分の各種類の商品がコンテナ内に正しく取り揃えられるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】特開2003−300606号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のようなピッキングシステムでは、仕分作業前の準備作業において、各商品棚にその当日の仕分作業に必要な数の商品が準備されるようになっている。このような準備作業は人為的な作業であるため、商品が誤った商品棚に搬送されるなどの作業ミスが発生しやすい。しかしながら、従来、この準備作業において、正しい商品が正しい商品棚に搬送されたか否かを確認することはできなかった。
【0006】
準備作業において商品が誤った商品棚に搬送されてしまい、そのまま仕分作業がなされた場合においては、受注した商品とは異なる商品が店舗に配送される事態が生じる可能性がある。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、仕分区画に、その仕分区画に関連付けられた正しい商品が搬送されたという搬送の正当性を容易に確認できる仕分システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、それぞれ一の種類の商品に関連付けられ、当該商品が搬送されて載置される複数の仕分区画を有する仕分システムであって、前記商品に付随して利用可能な複数の可搬性装置と、同一の商品に係る前記仕分区画と前記可搬性装置とを対応付ける対応情報を記憶する記憶手段と、前記仕分区画が有する記録媒体から前記仕分区画を識別する第1識別コードを取得し、かつ、当該仕分区画に搬送済の商品に付随する前記可搬性装置が有する記録媒体から前記可搬性装置を識別する第2識別コードを取得する取得手段と、前記取得手段に取得された前記第1及び第2識別コードの対応関係が、前記対応情報が示す対応関係と一致するかを判定する判定手段と、を備えている。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の仕分システムにおいて、前記取得手段と、前記取得手段に取得された前記第1及び第2識別コードを、無線通信によって前記判定手段に送信する送信手段と、を有する可搬性の通信端末装置、を備えている。
【0010】
また、請求項3の発明は、請求項1に記載の仕分システムにおいて、前記取得手段と、前記取得手段に取得された前記第1及び第2識別コードを、前記判定手段に送信する送信手段と、を有する通信端末装置を、前記複数の仕分区画のそれぞれに配置して備えている。
【0011】
また、請求項4の発明は、請求項3に記載の仕分システムにおいて、前記取得手段は、自装置としての前記通信端末装置が備えるメモリから前記第1識別コードを取得し、自装置としての前記通信端末装置の近傍に存在する前記可搬性装置が有する記録媒体から前記第2識別コードを非接触で取得する。
【0012】
また、請求項5の発明は、請求項3に記載の仕分システムにおいて、前記通信端末装置は、前記可搬性装置と物理的に一体化可能であり、前記取得手段は、自装置としての前記通信端末装置が備えるメモリから前記第1識別コードを取得し、自装置としての前記通信端末装置に一体化された前記可搬性装置が有する記録媒体から前記第2識別コードを取得する。
【0013】
また、請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の仕分システムにおいて、前記複数の可搬性装置はそれぞれ、自身の付随先となる商品に係る仕分区画の前記第1識別コードを表示可能な表示手段、を備えている。
【0014】
また、請求項7の発明は、請求項6に記載の仕分システムにおいて、前記複数の仕分区画ごとに、当該仕分区画に搬送すべき商品の量を導出する導出手段と、導出された商品の量と、当該商品の識別情報と、当該商品に係る仕分区画の前記第1識別コードとを前記複数の可搬性装置のうちの一に送信し、前記表示手段に表示させる手段と、をさらに備えている。
【0015】
また、請求項8の発明は、請求項7に記載の仕分システムにおいて、前記複数の仕分区画ごとに、当該仕分区画の前記第1識別コードと、当該仕分区画に関して前記導出された商品の量の送信対象となる可搬性装置の前記第2識別コードとを対応付けて前記対応情報を生成する生成手段、をさらに備えている。
【0016】
また、請求項9の発明は、請求項1ないし8のいずれかに記載の仕分システムにおいて、前記判定手段の判定結果を、前記取得手段に取得された前記第2識別コードの前記可搬性装置に送信して、当該可搬性装置が有する表示手段に表示させる手段、をさらに備えている。
【発明の効果】
【0017】
請求項1ないし9の発明によれば、取得手段に取得された第1及び第2識別コードの対応関係が対応情報が示す対応関係と一致するかが判定されるため、仕分区画に、その仕分区画に関連付けられた正しい商品が搬送されたという搬送の正当性を容易に確認できる。
【0018】
また、特に請求項2の発明によれば、低コストに搬送の正当性を確認できる。
【0019】
また、特に請求項3の発明によれば、繁雑な作業を必要とせずに搬送の正当性を確認できる。
【0020】
また、特に請求項4の発明によれば、作業者が意識せずとも、搬送の正当性を確認できる。
【0021】
また、特に請求項5の発明によれば、低コストに搬送の正当性を確認できる。
【0022】
また、特に請求項6の発明によれば、商品に付随する可搬性装置に当該商品の搬送先となる仕分区画の第1識別コードが表示されるため、商品の搬送中にその搬送先を明確にできる。
【0023】
また、特に請求項7の発明によれば、搬送すべき商品の量と、商品の識別情報と、商品の搬送先となる仕分区画の第1識別コードとが可搬性装置に表示されるため、商品の搬送を作業者に指示する作業指示書として可搬性装置を利用できる。
【0024】
また、特に請求項8の発明によれば、正確な対応情報を生成できる。
【0025】
また、特に請求項9の発明によれば、搬送の正当性の判定結果を作業者に報知できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
<1.第1の実施の形態>
以下、図面を参照しつつ本発明の第1の実施の形態について説明する。まず、第1の実施の形態に係る仕分システムの具体的な構成や動作を説明する前に、この仕分システムが採用される物流センターについて簡単に説明する。
【0027】
<1−1.物流センター>
図1は、第1の実施の形態の仕分システムが採用される物流センター100の概要を示す図である。この物流センター100は、小売店舗から受注した個数に応じた各種商品を取り揃える仕分作業を行うための施設である。
【0028】
仕分対象となる商品は、食品工場などからトラックC1で搬入される。搬入時点では、商品は所定数ごとにダンボールなどのケースに収容された状態となっている。仕分作業では、これらのケースから個々の商品が受注個数ずつ取り出され、店舗向けのコンテナに移し替えられる。仕分された後の商品は、コンテナに収容された状態で、トラックC2で各店舗へ向けてトラックC2で搬出されることになる。
【0029】
図に示すように、物流センター100には、管理エリアA0と、搬入エリアA1と、保管エリアA2と、仕分エリアA3と、搬出エリアA4とが設けられている。管理エリアA0は、物流センター100の管理事務所などが配置される領域である。搬入エリアA1は、仕分対象となる商品が搬入される領域であり、トラックC1からの商品の積み卸し作業などがなされる。保管エリアA2は、搬入された商品を一時的に保管しておく領域である。仕分エリアA3は、実際の仕分作業がなされる領域であり、この領域で各店舗用に各種商品が取り揃えられる。また、搬出エリアA4は、仕分が完了した商品が搬出される領域であり、トラックC2への積み込み作業などがなされる。
【0030】
図中に示す矢印は、物流センター100における商品の搬送ルートを示している。すなわち、搬入エリアA1に搬入された商品は、まず保管エリアA2に移動され(ステップSc1)、一旦保管される。その後、仕分を行うために、商品は保管エリアA2から仕分エリアA3に移動される(ステップSc2)。仕分エリアA3で仕分が完了した商品は、搬出エリアA4にさらに移動され(ステップSc3)、店舗に向けて搬出されることになる。
【0031】
仕分作業を実施するためには、仕分エリアA3にその当日の仕分作業に必要な数の商品が予め用意されている必要がある。このため、仕分作業に際して仕分エリアA3に存在する商品数がこの必要数に対して不足する場合は、仕分作業前の作業である準備作業において、保管エリアA2から少なくともその不足数の商品が仕分エリアA3に搬送される。ただし、保管エリアA2の在庫数がその不足数に満たない場合は、搬入エリアA1においてトラックC1から積み卸された搬入直後の商品が、保管エリアA2を介さずに直接に仕分エリアA3に搬入されるようになっている(ステップSc0)。
【0032】
本実施の形態の仕分システムは、仕分作業に係る機能のみならず、このように保管エリアA2や搬入エリアA1から仕分エリアA3に商品を搬送する準備作業をサポートする機能も有している。以下、この仕分システムについて詳細に説明する。
【0033】
<1−2.商品棚及び個数表示器>
図2は、本実施の形態に係る仕分システム10aの構成のうち、仕分エリアA3に配置される構成を示す図である。この仕分システム10aは、作業者Pが店舗に対応するコンテナを台車7などで搬送しつつ、固定配置される商品棚5から商品を取り出してコンテナに投入することで商品の仕分けを行うように構成されたピッキングシステムである。
【0034】
図2に示すように、仕分エリアA3には複数のラックLが、固定的に配置されている。隣接する2つのラックLは対向配置されており、この対向する2つのラックLで一つのゾーンZを形成している。仕分エリアA3には、同様のゾーンZが複数形成されている。各ゾーンZには、ラックLに隣接して一つの操作端末201が設けられている。この操作端末201は、ディスプレイDs、バーコードリーダBr及び機能スイッチFs等を有しており、各種の情報の表示や入力が可能となっている。
【0035】
ラックLはそれぞれ、多数の商品棚5及び多数の個数表示器2を備えている。図3は、このラックLの一部を示す正面図である。図3に示すように、ラックLは多数のフレームを格子状に組み立てて構成されている。これにより、ラックLの内部には、多数の商品棚5が縦横二次元に配列して形成される。商品棚5のそれぞれは、一の種類の商品に予め関連づけされており、仕分作業における商品の取出元としての一つの単位である仕分区画として機能する。各商品棚5には、当該商品棚5に関連付けられた商品61が、ケース6に収容された状態で多数載置される。各商品棚5は奥行が比較的深く形成されており、一の商品棚5に複数のケース6を載置することも可能である。
【0036】
商品棚5のそれぞれには、その上部を構成するフレームに数値を電気的に表示可能な個数表示器2が固設されている。個数表示器2は、配置された商品棚5に関して仕分けを行うべき商品の個数である仕分個数(すなわち、当該商品棚5に対応する商品についての店舗からの受注個数)を表示する。
【0037】
図4は、個数表示器2の構成を示す図である。個数表示器2は、そのハウジング20の前面に、仕分個数としての数値を表示するセグメント方式のディスプレイ21と、商品の取り出しが完了した旨を作業者Pから受け付ける完了ボタン22とを備えている。なお、個数表示器2の別構成として、ディスプレイ21自体が完了スイッチとしての機能を有してもよい。
【0038】
また、個数表示器2は、ハウジング20の内部に、CPUやメモリ等を備えたチップで構成される制御部24を備えている。この制御部24により、個数表示器2の表示動作などが制御される。
【0039】
また、制御部24のメモリには、当該個数表示器2が配置された商品棚5に係る棚コードが記憶されている。棚コードは、各商品棚5を識別するための識別コードである。商品棚5と個数表示器2とは一対一の関係で対応しているため、この棚コードは当該個数表示器2を識別するための識別コードとしても利用される。
【0040】
棚コードには「LL−XXYY」という形式が採用されている。最初の2桁である「LL」は、当該商品棚5の配置位置が、いずれのラックLであるかを示している。また、次の2桁である「XX」は、当該ラックLにおける当該商品棚5の横方向の配置位置、さらに次の2桁である「YY」は、当該ラックLにおける当該商品棚5の縦方向の配置位置を示している。例えば、「01−0102」であれば、当該商品棚5の配置位置が、「1」番目のラックLの左から「1」番目かつ上から「2」番目であることが示される。このような棚コードの形式により、作業者は棚コードのみから、その棚コードが示す商品棚5の配置位置を容易に特定可能となっている。
【0041】
個数表示器2のハウジング20の前面には、バーコードを記録した記録媒体たるラベル25が貼付されている。このラベル25のバーコードは、当該個数表示器2が配置された商品棚5を識別する棚コード(制御部24のメモリに記憶されたものと同一の棚コード)をエンコードしたものである。
【0042】
<1−3.電子札>
また、図3に示すように、仕分システム10aは、文字などを電子的に表示する機能を有する可搬性装置である複数の電子札3を備えている。物流センター100では、商品を収容するケース6にこの電子札3を取り付け、商品に付随させて利用するようになっている。
【0043】
図5は、電子札3の前面側の構成を示す図である。電子札3は、そのハウジング30の前面に、情報を表示するためのディスプレイ31と、制御信号としての赤外線を受信する赤外線通信部32とを備えている。ディスプレイ31は、ドットマトリクス方式の液晶ディスプレイで構成され、文字や図形などの各種情報を表示することが可能である。
【0044】
また、電子札3は、ハウジング30の内部に、装置全体を制御する制御部33と、装置全体に電力を供給するバッテリ34とを備えている。制御部33は、CPUやメモリ等を備えたチップで構成されている。赤外線通信部32で受信した制御信号に基づく情報は、制御部33の制御によりディスプレイ31に表示される。この制御部33のメモリには、自装置に係る装置コードが記憶されている。この装置コードは、各電子札3を識別するための識別コードである。
【0045】
また、個数表示器2と同様に、電子札3の前面にもバーコードを記録した記録媒体たるラベル35が貼付されている。このラベル35のバーコードは、自装置に係る装置コード(制御部33のメモリに記憶されたものと同一の装置コード)をエンコードしたものである。
【0046】
図6は、電子札3の背面側の構成を示す図である。図に示すように、電子札3のハウジング30の背面には、板状のクリップ部37が設けられている。図7に示すように、このクリップ部37とハウジング30とでケース6の一部を挟み込むことで、電子札3はケース6に取り付けられる。これにより、電子札3は、ケース6に収容された商品に付随し、その商品とともに移動されることになる。
【0047】
図7に示すように、電子札3をケース6に取り付けた状態においても、ハウジング30の前面側はケース6の外部に露出する。したがって、この状態でも、電子札3のディスプレイ31は外部から視認可能に配置され、また、赤外線通信部32は外部からの赤外線を受信可能に配置される。
【0048】
これらの電子札3には、仕分エリアA3に商品を搬送する準備作業における具体的な作業内容が表示される。より具体的には、搬送すべき商品名や、そのケース数、及び、搬送先となる商品棚5の棚コードなどが表示される(詳細は後述。)。準備作業を行う作業者は、このような電子札3の表示を見て作業内容を把握し、搬送対象となる商品のケース6に当該電子札3を取り付けて、その商品を仕分エリアA3の商品棚5まで搬送する。つまり、電子札3は、準備作業の具体的な作業内容を示す作業指示書として利用されることになる。
【0049】
前述のように、準備作業では、搬入エリアA1と保管エリアA2とのいずれかから仕分エリアA3に商品が搬送される。このため、図1に示すように、搬入エリアA1と保管エリアA2とのそれぞれには、作業指示書として機能する電子札3を収容可能な電子札ボックスB1,B2が設けられている。これらの電子札ボックスB1,B2には、商品に付随前の電子札3が多数収容されており、そのうち作業内容が表示された電子札3が作業指示書として機能する。
【0050】
また、仕分システム10aが備える多数の電子札3は第1及び第2グループの2つのグループに組み分けされており、各電子札3はこれらのグループのいずれかに属している。第1グループに属する電子札3は、保管エリアA2から仕分エリアA3への搬送に係る作業指示書として利用される。一方、第2グループに属する電子札3は、搬入エリアA1から仕分エリアA3への直接搬送に係る作業指示書として利用される。
【0051】
第1グループに属する電子札3と、第2グループに属する電子札3とは装置構成としては同一であるが、制御上では装置コードによって区別される。本実施の形態では、装置コードとして5桁のコードが採用され、第1グループに属する電子札3の装置コードは最上位桁が「1」の「1xxxx」、第2グループに属する電子札3の装置コードは最上位桁が「2」の「2xxxx」という形式となっている。これにより、装置コードの最上位桁により、当該装置コードの電子札3がいずれのグループに属するかを判断できるようになっている。
【0052】
また、第1グループの電子札3と第2グループに属する電子札3とではハウジング30の色が異なっており、作業者にとっても電子札3がいずれのグループに属するかを容易に判断できるようになっている。これにより、保管エリアA2の電子札ボックスB2には第1グループの電子札3のみが、搬入エリアA1の電子札ボックスB1には第2グループの電子札3のみがそれぞれ収容される。
【0053】
<1−4.ハンディターミナル>
また、図2に示すように、仕分システム10aは、可搬性の通信端末装置であるハンディターミナル4を備えている。物流センター100では、各作業者Pがこのハンディターミナル4を携帯して作業中に利用するようになっている。
【0054】
図8は、ハンディターミナル4の外観構成を示す図である。ハンディターミナル4は、作業者Pが容易に持ち運びできる小型の通信端末装置であり、各種情報を表示する表示部41と、バーコードを読み取るバーコードリーダ42と、作業者Pから各種入力を受け付ける入力ボタン43と、無線によるデータ通信を行うための通信部44とを備えて構成されている。
【0055】
さらに、ハンディターミナル4は、その内部にCPUやメモリ等を備えたチップで構成される制御部45を備えており、この制御部45によりハンディターミナル4の各部の動作が制御されるようになっている。
【0056】
<1−5.ホストコンピュータ>
また、仕分システム10aは、上述した個数表示器2、電子札3及びハンディターミナル4のそれぞれを統括的に制御するホストコンピュータを備えている。このホストコンピュータは、図1に示した管理エリアA0に配置される。図9は、ホストコンピュータ1を含む仕分システム10aの全体構成を示すブロック図である。
【0057】
図に示すように仕分システム10aでは、ホストコンピュータ1が、個数表示器2、電子札3及びハンディターミナル4の3種類の通信端末装置のそれぞれと通信できるように、3つの通信系統(第1ないし第3通信系統)200,300,400が設けられている。
【0058】
第1通信系統200は、ホストコンピュータ1と複数の個数表示器2との間の通信を担うものである。第1通信系統200は、上述した操作端末201とともに、その下流側に個数表示器2の表示を制御する表示コントローラ202を備えている。
【0059】
各個数表示器2の制御部24は通信手段としても機能する。通信端末装置としての一の個数表示器2に仕分個数を表示させる場合においては、当該個数表示器2に係る棚コードと仕分個数とを含む制御信号がホストコンピュータ1から発信される。この制御信号は、操作端末201を介して表示コントローラ202に入力される。表示コントローラ202は、この制御信号を受信すると、当該制御信号に含まれる棚コードに係る個数表示器2を特定し、当該個数表示器2の制御部24に制御信号を送信してその仕分個数を表示させる。
【0060】
また逆に、個数表示器2において完了ボタン22が押下されると、これに応答して、その制御部24がメモリに記憶された棚コードとともにその旨の信号を表示コントローラ202に送信する。この信号は、操作端末201を介してホストコンピュータ1に入力される。これにより、ホストコンピュータ1は、いずれの個数表示器2で仕分が完了したかを認識できることになる。また、操作端末201において操作された情報もホストコンピュータ1に入力されるようになっている。
【0061】
第2通信系統300は、ホストコンピュータ1と複数の電子札3との間の通信を担うものである。第2通信系統300は、ベースステーション301と、複数のトランシーバ302とを備えている。トランシーバ302は、電子札3に対して赤外線信号を送信するものである。また、ベースステーション301は、ホストコンピュータ1とトランシーバ302との間の信号の中継器として機能する。
【0062】
ある電子札3に情報を表示させる場合は、当該電子札3の装置コードと表示すべき情報とを含む制御信号がホストコンピュータ1から発信される。この制御信号は、ベースステーション301を介して各トランシーバ302に入力される。各トランシーバ302は、制御信号を受信すると当該制御信号を赤外線信号に変換し、その赤外線信号を発信する。発信された赤外線信号は、当該赤外線信号に含まれる装置コードに係る電子札3に受信される。これにより、赤外線信号に含まれる情報が、当該電子札3のディスプレイ31に表示されることになる。
【0063】
トランシーバ302は、図1に示した搬入エリアA1、保管エリアA2、仕分エリアA3及び搬出エリアA4の全ての天井に略一定間隔で配置されるため、電子札3は、これらのいずれのエリアに存在する場合であっても、このような赤外線信号を受信可能である。
【0064】
また、第3通信系統400は、ホストコンピュータ1と複数のハンディターミナル4との間の通信を担うものである。第3通信系統400は、ハンディターミナル4の通信部44と無線通信を行う無線通信装置401を備えている。この無線通信装置401により、ホストコンピュータ1とハンディターミナル4とは、双方向のデータ通信が可能となっている。無線通信装置401の無線通信の方式としては無線LANなどが採用される。
【0065】
ホストコンピュータ1のハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同様である。図10は、ホストコンピュータ1の基本構成を示す図である。図に示すように、ホストコンピュータ1は、各種演算処理を行うCPU11と、基本プログラムを記憶するROM12と、演算処理の作業領域となるRAM13と、計時機能を有するタイマ14と、プログラムや各種のデータファイルなどを記憶するハードディスク15と、各種表示を行うディスプレイ16と、キーボード及びマウスなどで構成される入力部17とを備えており、これらは同一のバスライン19に電気的に接続されている。
【0066】
また、ホストコンピュータ1はさらに、第1ないし第3通信系統200,300,400に対応するように3つの通信部18a〜18cを備えている。具体的には、第1通信部18aは、操作端末201と接続され、第1通信系統200に係るデータ通信を行う。第2通信部18bは、ベースステーション301と接続され、第2通信系統300に係るデータ通信を行う。また、第3通信部18cは、無線通信装置401と接続され、第3通信系統400に係るデータ通信を行うことになる。
【0067】
ホストコンピュータ1のハードディスク15には、専用のプログラムが予め記憶されており、このプログラムに従ってCPU11が演算処理を行うことにより、ホストコンピュータ1としての各種機能が実現される。このホストコンピュータ1のハードディスク15には、さらに、仕分システム10aの動作に必要な各種のテーブルデータも記憶されている。
【0068】
<1−6.テーブルデータ>
ホストコンピュータ1のハードディスク15には主として、仕分テーブルTaと、在庫テーブルTbと、第1搬送テーブルTc1と、第2搬送テーブルTc2との4つのテーブルデータが記憶されている。以下、これらについて説明する。
【0069】
まず、仕分テーブルTaについて説明する。仕分テーブルTaは、商品棚5から店舗ごとにいくつ商品を取り出すべきかの仕分情報を主に示すものであり、仕分作業はこの仕分テーブルTaの登録内容に基づいて行われる。仕分テーブルTaは、その当日分の仕分作業に関して仕分作業前に各店舗からの受注に基づいて作成される。
【0070】
図11は、仕分テーブルTaの一例を示す図である。図に示すように、仕分テーブルTaは、複数のレコードRaから構成されるテーブル形式のデータである。一のレコードRaは一の商品棚5に対応し、当該商品棚5に関連付けられた商品について各店舗から受注した個数を示すようになっている。すなわち、一のレコードRaは、一の商品棚5に関して仕分作業が必要となる商品の総個数を示すことになる。
【0071】
各レコードRaは、当該商品棚5そのものに係る棚データDaと、当該商品棚5の商品を配送すべき店舗に係る店舗データDbとから構成される。棚データDaには、「棚コード」、「商品コード」及び「商品名」が含まれている。「棚コード」は当該商品棚5の棚コードであり、「商品コード」は当該商品棚5に関連付けられた商品の種類を識別する識別コードであり、「商品名」はその商品の名称である。つまり、商品棚5と商品の種類とは、仕分テーブルTaによりデータ的に対応付けられる。
【0072】
また、店舗データDbにおいては、一の店舗に係る情報が一のサブレコードRsとして登録されている。サブレコードRsのそれぞれには、「店舗コード」、「店舗名」及び「仕分個数」が含まれている。「店舗コード」は当該店舗を識別するための識別コードであり、「店舗名」は当該店舗の名称であり、「仕分個数」は当該店舗から受注した個数である。
【0073】
次に、在庫テーブルTbについて説明する。在庫テーブルTbは、各商品の在庫数を示すものである。在庫となる商品は、保管エリアA2と仕分エリアA3とのいずれかに存在している。このため、在庫テーブルTbでは、それぞれにエリアにおける在庫数が示される。
【0074】
図12は、在庫テーブルTbの一例を示す図である。図に示すように、在庫テーブルTbは、複数のレコードRbから構成されるテーブル形式のデータである。各レコードRbは一の種類の商品に対応し、当該商品に関する在庫数を示している。より具体的には、各レコードRbでは、「商品コード」及び「商品名」に対して、「収容数」「棚在庫数」及び「保管在庫数」が対応付けられている。
【0075】
「収容数」は、当該商品が1ケースあたりに収容される個数を示している。例えば、図中に例示する「○×チョコレート」に関しては「収容数」は「36」となっている。これは、「○×チョコレート」が、食品工場などから物流センター100に搬入された状態の1つのケース6内に36個ずつ収容されることを示している。
【0076】
また、「棚在庫数」は、当該商品が仕分エリアA3の商品棚5に在庫として存在している数を示している。一方、「保管在庫数」は、当該商品が保管エリアA2内に在庫として保管されている数を示している。「棚在庫数」の単位は「個数」であり、「保管在庫数」の単位は「ケース数」である。したがって例えば、図中に例示する「○×チョコレート」の「保管在庫数」が「2」となっているが、これは、「収容数(36)」×「保管在庫数(2)」=「72」個の「○×チョコレート」が保管エリアA2内に在庫として存在していることを示している。このような在庫テーブルTbの内容は、仕分作業や準備作業がなされるごとに更新され、常に最新の在庫状況を示すように管理されている。
【0077】
次に、搬送テーブルTc1,Tc2について説明する。搬送テーブルTc1,Tc2は、商品の搬送を行う準備作業に関するデータを登録したものである。第1搬送テーブルTc1には第1グループに属する電子札3に関してのデータが登録され、第2搬送テーブルTc2には第2グループに属する電子札3に関してのデータが登録される。第1搬送テーブルTc1と第2搬送テーブルTc2とではデータの構成は同一であるため、以下では第1搬送テーブルTc1について説明し、第2搬送テーブルTc2の説明は省略する。
【0078】
図13は、第1搬送テーブルTc1の一例を示す図である。図に示すように、第1搬送テーブルTc1は、複数のレコードRcから構成されるテーブル形式のデータである。各レコードRcは、作業指示書として利用される一の電子札3に対応し、当該電子札3に係る搬送についての各種情報を示している。
【0079】
各レコードRbでは、電子札3の「装置コード」に対して、準備作業の作業指示書として機能すべく当該電子札3に送信される作業内容を示す作業データDcと、その作業内容に係る搬送の完了確認に関する確認データDdとが対応付けられている。
【0080】
作業データDcには、「商品コード」「商品名」「指示ケース数」「棚コード」及び「指示時刻」が含まれている。「商品コード」及び「商品名」は、搬送すべき対象となる商品の識別情報となる。「指示ケース数」は、当該商品を搬送すべき量をケースの数で示すものである。「棚コード」は、当該商品に関連付けられた商品棚5(すなわち、当該商品の搬送先となる商品棚5)の棚コードを示すことになる。また、「指示時刻」は、これらの内容が電子札3に送信された時刻を示している。
【0081】
各レコードRcのこのような作業データDcの内容は、その内容が電子札3に送信される時点で登録される。これにより、電子札3が、搬送対象となる一の商品と関連付けられる。したがって、作業データDcが空欄のレコードRcに係る電子札3は、未だに作業内容が送信されておらず、いずれの商品にも関連付けられていないことになる。
【0082】
また、確認データDdには、「完了確認」及び「確認時刻」が含まれている。仕分システム10aでは、商品が商品棚5まで搬送されると、商品が正しい商品棚5に搬送されたか否かを確認する完了確認処理がなされるようになっている(詳細は後述)。「完了確認」は、同一レコードRcの作業データDcに関する完了確認処理が正当に終了したか否かを示すものである。完了確認処理が正当に終了した場合は「完了確認」に「済」が登録され、未了の場合は「完了確認」に「未」が登録される。また、「確認時刻」は、完了確認処理が正当に終了した時刻を示している。したがって、「完了確認」が「未」の場合は「確認時刻」は空欄となる。なお、作業データDcが空欄となるレコードRcでは、確認データDdも空欄となる。
【0083】
<1−7.仕分作業>
次に、仕分システムを用いた仕分作業について簡単に説明する。図14は、一の店舗に関する仕分作業に関する処理の流れを示す図である。実際の仕分作業においては、図14の処理が、店舗毎に行われることになる。
【0084】
まず、作業者は、一の店舗に配送すべき空のコンテナを台車7で搬送し、その店舗に係る店舗コードを操作端末201に入力する(ステップS1)。入力された店舗コードは、ホストコンピュータ1に送信される。
【0085】
これに応答して、ホストコンピュータ1のCPU11により、仕分テーブルTaが参照され、サブレコードRsに当該店舗コードが含まれるレコードRaが抽出される。そして、抽出されたレコードRaのそれぞれに関して、当該レコードRaが示す棚コードに係る商品棚5の個数表示器2に、その店舗コードに対応する仕分個数が送信される。これにより、複数の商品棚5の個数表示器2に仕分個数が一斉に表示される(ステップS2)。
【0086】
作業者は、商品棚5の個数表示器2に表示された仕分個数に従って、その個数分の商品を当該商品棚5に載置されたケース6から取り出し、台車7で搬送しているコンテナに投入する。そして、取り出しが完了すると当該商品棚5の個数表示器2の完了ボタン22を押下する。この完了ボタンの押下が受け付けられると(ステップS3)、当該商品棚5に係る取り出しが完了した旨がホストコンピュータ1に認識される。
【0087】
これに応答して、ホストコンピュータ1のCPU11の制御により、当該商品棚5の個数表示器2の表示が消灯される。これとともに、在庫テーブルTbにおいて、当該商品棚5に係る商品についてのレコードRbの「棚在庫数」について仕分個数分の減算がなされ、在庫テーブルTbが最新の状態に更新される(ステップS4)。
【0088】
このステップS3及びS4の処理は、商品棚5のそれぞれに関して行われる。これにより、各商品に関して、仕分テーブルTaにて定められた仕分個数分が取り揃えられることになる。全ての商品棚5の個数表示器2が消灯すると(ステップS5にてYes)、当該一の店舗に係る仕分作業が完了する。
【0089】
<1−8.準備作業>
次に、この仕分作業の前に行われる準備作業について説明する。図15は、準備作業における作業及び処理の流れの概要を示す図である。
【0090】
まず、保管エリアA2及び搬入エリアA1の電子札ボックスB2,B1に収容された電子札3に対して搬送に係る作業内容が送信される搬送指示処理がなされる。これにより、各電子札3が作業指示書として機能することになる(ステップS11)。
【0091】
作業者は保管エリアA2及び搬入エリアA1のそれぞれに配置されており、保管エリアA2の作業者は保管エリアA2から仕分エリアA3への搬送を担当し、搬入エリアA1の作業者は搬入エリアA1から仕分エリアA3への搬送を担当する。作業者は、自身が担当するエリアA2,A1の電子札ボックスB2,B1内から作業指示書となる一の電子札3を取り出して作業内容を把握する。そして、その作業内容に従って、自身が担当するエリアA2,A1から仕分エリアA3の商品棚5へ商品を搬送する(ステップS12)。つまり、一の電子札3が一回の搬送の作業に対応する。商品の搬送の際には、電子札3は図7に示す如く商品のケース6に取り付けられ、商品に付随される。
【0092】
仕分エリアA3の商品棚5へ商品が搬送されると、当該商品が正しい商品棚5に搬送されたか否かを確認する完了確認処理が行われる(ステップS13)。この搬送確認処理は、一の作業指示書としての一の電子札3に係る一回の搬送が完了するごとに行われる。
【0093】
以下では、搬送指示処理(ステップS11)及び完了確認処理(ステップS13)のそれぞれについて詳細に説明する。
【0094】
<1−9.搬送指示処理>
まず、搬送指示処理(ステップS11)について説明する。図16は、搬送指示処理の流れを示す図であり、主としてホストコンピュータ1による処理を示している。なお、図16に示す処理は一の商品棚5に関する処理であり、実際には図16の処理が全ての商品棚5に関して(全ての「棚コード」ごとに)行われることになる。この説明では、図16に示す処理に係る一の商品棚5を「注目棚」という。
【0095】
最初に、ホストコンピュータ1のCPU11により、注目棚の「棚コード」に基づき、仕分テーブルTaの注目棚に係るレコードRaが参照される。そして、当該レコードRaに含まれるサブレコードRsの「仕分個数」が全て加算される。この加算結果は、注目棚に係る商品について、当日の仕分作業が予定されている個数、すなわち、仕分作業に必要な個数(以下、「仕分必要数」という。)となる(ステップS21)。
【0096】
「仕分必要数」が導出されると、次に、在庫テーブルTbの注目棚に係る商品のレコードRbが参照され、その「棚在庫数」と「仕分必要数」とが比較される(ステップS22)。「棚在庫数」が「仕分必要数」以上あれば、商品を搬送する必要はない。このためこの場合は(ステップS23にてNo)、そのまま搬送指示処理が終了する。なお、この場合はもちろん、その後の商品の搬送や完了確認処理(図15のステップS12,S13)もなされない。
【0097】
一方、「棚在庫数」が「仕分必要数」未満であれば、「仕分必要数」に不足する個数の商品を仕分エリアA3へ搬送してくる必要がある(ステップS23にてYes)。このため、次に、「仕分必要数」から「棚在庫数」が減算され、商品を搬送すべき個数(以下、「搬送必要数」という。)が導出される(ステップS24)。
【0098】
仕分エリアA3へはケース6単位で商品が搬送される。このため、「搬送必要数」が導出されると、次に、商品の数が「搬送必要数」以上となるために最低必要なケース数が、搬送すべきケース数(以下、「搬送ケース数」という。)として導出される。「搬送ケース数」は、在庫テーブルTbの注目棚に係る商品の「収容数」で「搬送必要数」を除算し、小数点以下を切り上げることで導出される。例えば、「搬送必要数」が「100」であり、「収容数」が「36」である場合は、「100/36」=「2.777…」となるため、「搬送ケース数」は「3」となる(ステップS25)。
【0099】
次に、「搬送ケース数」が導出されると、次に、在庫テーブルTbの注目棚に係る商品の「保管在庫数」と「搬送ケース数」とが比較される(ステップS26)。「保管在庫数」が「搬送ケース数」以上あれば、保管エリアA2にある商品のみで「搬送ケース数」に足りることになり、搬入エリアA1から商品を直接搬送してくる必要がない。このため、この場合は(ステップS27にてNo)、「搬送ケース数」をそのまま、搬送を指示するケース数である「指示ケース数」とする作業内容が、第1グループに属する電子札3の一つに送信される。
【0100】
より具体的には、まず、第1搬送テーブルTc1が参照され、作業データDcが空欄の一のレコードRcが選択される。これにより、そのレコードRcの装置コードに係る電子札3が、作業内容の送信対象となる電子札3として選択されることになる。そして、当該電子札3に対して、「商品コード」、「商品名」、「指示ケース数」、「棚コード」及び「指示時刻」が作業内容として、第2通信系統300を介して送信される。
【0101】
ここで送信される「商品コード」及び「商品名」は、仕分テーブルTaにおいて注目棚の「棚コード」に対応付けられたものである。また、「指示ケース数」はステップS25で導出された「搬送ケース数」であり、「棚コード」は注目棚の「棚コード」である。さらに、「指示時刻」は、タイマ14で得られるその時点の時刻が利用される(ステップS28)。
【0102】
これにより、図17に示すように、送信対象となった電子札3のディスプレイ31において、これらの「商品コード」3a、「商品名」3b、「指示ケース数」3c、「棚コード」3d及び「指示時刻」3eが作業内容として表示され、当該電子札3が作業指示書として機能する。つまり、「商品コード」3a及び「商品名」3bが搬送すべき商品(当該電子札3の付随先となる商品)の識別情報を示し、「指示ケース数」3cが搬送すべきケース数(搬送すべき商品の量)を示し、「棚コード」3dが搬送先となる商品棚5(当該電子札3の付随先となる商品に係る商品棚5)を示すことになる。作業者は、これらの内容を確認することで、どの商品を、どれだけの量、どこの商品棚5に搬送すべきかを容易に把握できる。また、この電子札3は、当該商品のケース6に取り付けられて商品に付随して利用されるため、商品の搬送中においてもその搬送先を明確にできることになる。
【0103】
また、電子札3のディスプレイ31には、完了確認処理の結果を示す確認マーク3mも表示される。この時点では、完了確認処理はなされていないため、確認マーク3mは「未」と示される。
【0104】
図16に戻り、作業内容が送信されると、次に、ホストコンピュータ1のCPU11により、第1搬送テーブルTc1の更新がなされる。すなわち、第1搬送テーブルTc1において、送信対象となった電子札3に係るレコードRcの「商品コード」、「商品名」、「指示ケース数」、「棚コード」及び「指示時刻」に対して、送信された作業内容がそのまま登録される。これにより、注目棚の「棚コード」と、作業内容の送信対象となった電子札3の「装置コード」とが対応付けられることになる(ステップS29)。
【0105】
ここで、注目棚に対応する商品と、作業内容の送信対象となった電子札3の付随先となる商品とは同一である。つまり、第1搬送テーブルTc1は、同一の商品に係る商品棚5と電子札3とを対応付ける対応情報としても機能する。このため、ステップS29の処理は、商品棚5の「棚コード」と、当該商品棚5に関する作業内容の送信対象となる電子札3の「装置コード」とを対応付けて対応情報を生成する処理であるともいえる。
【0106】
また一方、ステップS26において、「保管在庫数」が「搬送ケース数」未満であれば、搬入エリアA1から商品を直接搬送してくる必要がある。このため、この場合は(ステップS27にてYes)、「搬送ケース数」から「保管在庫数」が減算され、搬入エリアA1から直接搬送すべきケース数(以下、「直送ケース数」という。)が導出される(ステップS30)。
【0107】
次に、「保管在庫数」の全てを「指示ケース数」とする作業内容が、第1グループに属する電子札3の一つに送信される。この場合も、ステップS28と同様に、「商品コード」、「商品名」、「指示ケース数」、「棚コード」及び「指示時刻」が作業内容として電子札3に送信される(ステップS31)。これにより、送信対象となった電子札3のディスプレイ31に作業内容が表示され、当該電子札3が作業指示書として機能する。そして、ステップS29と同様に、第1搬送テーブルTc1の内容が更新されることになる(ステップS32)。
【0108】
続いて、「直送ケース数」を「指示ケース数」とする作業内容が、第2グループに属する電子札3の一つに送信される。この場合も、ステップS28と同様に、「商品コード」、「商品名」、「指示ケース数」、「棚コード」及び「指示時刻」が作業内容として電子札3に送信される(ステップS33)。これにより、送信対象となった電子札3のディスプレイ31に作業内容が表示され、当該電子札3が作業指示書として機能する。そして、ステップS29と同様に、第2搬送テーブルTc2の内容が更新される(ステップS34)。つまり、第2搬送テーブルTc2も、同一の商品に係る商品棚5と電子札3とを対応付ける対応情報となる。
【0109】
このような処理により、注目棚に係る商品の搬送の作業量が2つに分割され、搬入エリアA1と、保管エリアA2とのそれぞれから商品が搬送されてくることになる。
【0110】
<1−10.完了確認処理>
次に、商品が商品棚5に搬送された後になされる完了確認処理(図15:ステップS13)について説明する。図18は、完了確認処理の流れを示す図であり、図19は商品が商品棚5に搬送された様子を示す図である。完了確認処理では、商品を搬送した作業者が、携帯しているハンディターミナル4を利用する。図18中において左側の流れはハンディターミナル4の動作を示し、右側の流れはホストコンピュータ1の動作を示している。この説明では、商品が搬送された商品棚5を「対象棚」といい、その対象棚に搬送済の商品を「対象商品」という。
【0111】
まず、図19に示すように、対象商品に付随する電子札3の前面に貼付されたラベル35が注目される。そして、そのラベル35のバーコードが、ハンディターミナル4のバーコードリーダ42により読み取られる。これにより、電子札3の装置コードがハンディターミナル4に取得される(ステップS41)。
【0112】
次に、対象棚に固設された個数表示器2の前面に貼付されたラベル25が注目される。そして、そのラベル25のバーコードがハンディターミナル4のバーコードリーダ42により読み取られる。これにより、対象棚の棚コードがハンディターミナル4に取得される(ステップS42)。
【0113】
これらの処理により、対象商品に付随する電子札3の装置コードと、対象棚の棚コードとの双方がハンディターミナル4に取得される。なお、ステップS41とS42との順番は、入れ替わってもよい。
【0114】
次に、取得された装置コードと棚コードとが、ハンディターミナル4の通信部44からホストコンピュータ1に、第3通信系統400を利用して無縁通信により送信される(ステップS43)。
【0115】
送信された装置コードと棚コードとは、無線通信装置401を経由してホストコンピュータ1に受信される(ステップS51)。この受信に応答して、ホストコンピュータ1のCPU11により、受信した装置コードと棚コードとの対応関係が、搬送テーブルTc1,Tc2が示す対応関係と照合される。より具体的には、搬送テーブルTc1,Tc2のうち受信した装置コードに係るものが参照され、受信した装置コードと同一の装置コードに係るレコードが取得される。そして、受信した装置コード及び棚コードの対応関係が、当該レコードに含まれる「装置コード」及び「棚コード」の対応関係と一致するか否かが判定される(ステップS52)。
【0116】
これらの対応関係が一致するということは、作業指示書の作業内容に従って商品が正しい商品棚5に搬送されたということである。したがってこの場合は(ステップS53にてYes)、搬送の正当性が確認できたため、その旨を作業者に報知するための完了信号が受信した装置コードの電子札3に対して送信される。これにより、図20に示すように、当該電子札3のディスプレイ31に「済」と示す確認マーク3mが表示される。作業者は、この表示を確認することで、商品を正しい商品棚5に搬送したことを容易に把握できる(ステップS54)。
【0117】
次に、搬送テーブルが更新される。すなわち、受信した装置コードと同一の装置コードに係るレコードの「完了確認」に「済」が登録され、「確認時刻」にタイマ14で得られるその時点の時刻が登録される(ステップS55)。
【0118】
次に、在庫テーブルTbが最新の状態に更新される。すなわち、受信した「棚コード」に係る商品についてのレコードRbが参照され、その「保管在庫数」から当該搬送の作業内容となった「指示ケース数」が減算されるとともに、「棚在庫数」に「指示ケース数」×「収容数」が加算される(ステップS56)。
【0119】
一方、ステップS52において、対応関係が一致しなかった場合は、商品が誤った商品棚5に搬送されたことになる。この場合は、その旨を作業者に報知するためのエラー信号が、受信した装置コードの電子札3に対して送信される。これにより、図21に示すように、当該電子札3のディスプレイ31に「エラー」と示す確認マーク3mが表示される。作業者は、この表示を確認することで商品を誤った商品棚5に搬送したことを把握でき、改めて正しい商品棚5に搬送できることになる(ステップS57)。なお、この場合は、搬送テーブルの更新はなされず、「完了確認」は「未」のまま維持されることになる。
【0120】
<1−11.まとめ>
以上のように、本実施の形態の仕分システム10aでは、搬送対象となる商品に付随して電子札3が利用される。同一の商品に係る商品棚5と電子札3とは、搬送指示処理において、搬送テーブルTc1,Tc2によりデータ的に予め対応付けられる。そして、商品が商品棚5に搬送されると、商品棚5の棚コードと、商品に付随する電子札3の装置コードとが取得され、これらの対応関係が搬送テーブルTc1,Tc2が示す対応関係と一致するか否かが判定される。これにより、商品棚5に、その商品棚5に関連付けられた正しい商品が搬送されたという搬送の正当性を容易に確認できることになる。
【0121】
また、搬送の正当性に係る判定結果は、装置コードが取得された電子札3において確認マーク3mとして表示される。このため、作業者が、自己が行った搬送が正しいか否かを容易に認識できる。
【0122】
また、電子札3は、搬送対象となる商品の識別情報と、搬送すべき商品の量と、商品の搬送先となる商品棚5の棚コードとを表示するため、商品の搬送を作業者に指示する作業指示書として利用することができる。
【0123】
<2.第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態においては、完了確認処理にハンディターミナル4が利用されていたが、本実施の形態では各商品棚5の個数表示器2が電子札3の装置コードを取得する機能を有するため、完了確認処理にハンディターミナル4は不要となっている。以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0124】
図22は、本実施の形態の仕分システム10bの全体構成を示すブロック図である。図9と比較してわかるように、本実施の形態ではハンディターミナル4は不要であるため第3通信系統400は設けられておらず、第1及び第2通信系統200,300のみが設けられている。
【0125】
図23は、本実施の形態の一つの商品棚5の様子を示す図である。本実施の形態においても、商品を収容するケース6に電子札3を取り付け、商品に付随させて利用するようになっている。この電子札3は、第1の実施の形態と同様の構成の装置に、電磁的な記録素子であるICタグ(RFIDタグ)36をさらに備えたものである。そして、このICタグ36に、自装置に係る装置コードが記憶されている。
【0126】
また、本実施の形態の個数表示器2は、第1の実施の形態と同様の構成の装置に、ICタグの内容を読み取るタグリーダ26をさらに備えたものである。タグリーダ26は、自装置たる個数表示器2の近傍空間に存在するICタグから非接触で情報を読み取ることが可能である。このため、商品棚5に商品を載置した状態で、タグリーダ26は、その商品のケース6に取り付けられた電子札3のICタグ36から情報を読み取ることが可能である。つまり、電子札3の装置コードは、このタグリーダ26の機能により個数表示器2に取得される。なお、本実施の形態の個数表示器2と電子札3とには、識別コードとしてのバーコードを記録したラベル25,35は貼付しなくてよい。
【0127】
本実施の形態の仕分システム10bの処理は完了確認処理のみが第1の実施の形態と相違しているが、その完了確認処理の流れは第1の実施の形態とほぼ同様である。このため、第1の実施の形態で説明した図18を利用して、本実施の形態の完了確認処理を説明する。この説明においても、商品が搬送された商品棚5を「対象棚」といい、その対象棚に搬送済の商品を「対象商品」という。本実施の形態では、図18中の左側の流れは対象棚に固設された個数表示器2の動作であり、右側の流れはホストコンピュータ1の動作である。
【0128】
対象商品が対象棚に搬送されると、まず、対象棚に固設された個数表示器2のタグリーダ26により、対象商品が収容されたケース6に取り付けられた電子札3のICタグ36から装置コードが取得される(ステップS41)。
【0129】
次に、個数表示器2において、制御部24のCPUの制御により、当該制御部24のメモリから、対象棚に係る棚コードが取得される。前述のように、制御部24のメモリには、自装置たる個数表示器2が配置された商品棚5(対象棚)に係る棚コードが記憶されており、この棚コードが読み出される。換言すれば、CPUは、自装置たる個数表示器2が備えるメモリから棚コードを取得することになる(ステップS42)。
【0130】
これらの処理により、対象商品に付随する電子札3の装置コードと対象棚の棚コードとの双方が個数表示器2に取得され、取得された装置コードと棚コードとは、制御部24からホストコンピュータ1に第1通信系統200を利用して送信される(ステップS43)。
【0131】
送信された装置コードと棚コードとは、表示コントローラ202及び操作端末201を経由してホストコンピュータ1に受信される(ステップS51)。以降は第1の実施の形態と同様にして、装置コード及び棚コードの対応関係が搬送テーブルTc1,Tc2が示す対応関係と一致するか否かが判定され(ステップS52)、その判定結果に応じた処理がなされることになる(ステップS53〜S57)。
【0132】
本実施の形態において、タグリーダ26が装置コードを取得するステップS41の動作は、タグリーダ26の近傍に読み取り可能なICタグ36が存在することをもって開始される。したがって、作業者によって商品が搬送されて商品棚5に載置されると、自動的に図18に示す完了確認処理がなされる。つまり、本実施の形態においては、作業者が繁雑な作業を行う必要もなく、また、何らの意識をすることもなく、搬送の正当性を確認できることになる。なお、コストの点においては、個数表示器2や電子札3の機能を単純化できるため、第1の実施の形態の方が好ましい。
【0133】
<3.第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では個数表示器2が電子札3の装置コードを非接触で取得するようになっていたが、本実施の形態においては電子札3を個数表示器2に取り付けることが可能であり、図24に示すように個数表示器2は取り付けられた電子札3から装置コードを取得するようになっている。以下、上記実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0134】
本実施の形態の仕分システムの全体構成は図22に示す第2の実施の形態と同一であるが、個数表示器2及び電子札3の構成が異なっている。図25は、本実施の形態の個数表示器2及び電子札3の構成を示す図である。
【0135】
個数表示器2は、第1の実施の形態と同様の構成の装置に、さらに電子札3と接続するための構成を備えたものである。具体的には、個数表示器2のハウジング20の下部には、電子札3を装着するためのスロット27が設けられている。このスロット27の内側の左右端部にはそれぞれ、スロット27の内部空間に向けて付勢された係合爪29が設けられている。また、スロット27の内側の上部には制御部24と電気的に接続されたコネクタ28が設けられている。係合爪29は、ハウジング20の左下部の取外ボタン29aを押下すると、ハウジング20内に埋没するようになっている。
【0136】
また、電子札3も、第1の実施の形態と同様の構成の装置に、さらに個数表示器2と接続するための構成を備えたものである。具体的には、電子札3のハウジング30の上部には、制御部33と電気的に接続されたコネクタ38が設けられ、ハウジング30の上部左右には凹んだ溝である係合溝39が設けられている。なお、本実施の形態の個数表示器2と電子札3とには、識別コードとしてのバーコードを記録したラベル25,35は貼付しなくてよい。
【0137】
電子札3を個数表示器2に取り付ける際には、電子札3のハウジング30の上部がスロット27の内側上部に接触するまで、下方から電子札3が押し込まれる。これにより、電子札3と個数表示器2とは、図24に示すように物理的に一体化された状態となる。この状態では、スロット27の左右の係合爪29が電子札3の係合溝39に進入し、係合爪29の付勢力により電子札3が個数表示器2から外れないように保持される。
【0138】
また、この状態では、電子札3のコネクタ38と個数表示器2のコネクタ28とが物理的に接触し、双方の装置の制御部33,24同士が電気的に接続される。これにより、電子札3と個数表示器2との装置相互間でデータ通信が可能な状態となる。
【0139】
電子札3を個数表示器2から取り外す際には、取外ボタン29aを押下する。これにより、スロット27の係合爪29が電子札3の係合溝39から外れて電子札3の保持状態が解除され、電子札3を個数表示器2から取り外すことが可能となる。
【0140】
次に、図18を利用して本実施の形態の完了確認処理を説明する。この説明においても、商品が搬送された商品棚5を「対象棚」といい、その対象棚に搬送済の商品を「対象商品」という。本実施の形態でも、図18中の左側の流れは対象棚に固設された個数表示器2の動作であり、右側の流れはホストコンピュータ1の動作である。
【0141】
本実施の形態では、作業者が対象商品を対象棚に搬送すると、まず、図24に示す如く、対象商品に付随する電子札3をケース6から外して対象棚の個数表示器2に装着する。これに応答して、個数表示器2の制御部24により、一体化された電子札3の制御部33のメモリからコネクタ38,28を介して装置コードが取得される(ステップS41)。
【0142】
次に、個数表示器2において、制御部24のCPUの制御により、当該制御部24のメモリから、対象棚に係る棚コードが取得される(ステップS42)。これらの処理により、対象商品に付随する電子札3の装置コードと対象棚の棚コードとの双方が個数表示器2に取得される。取得された装置コードと棚コードとは、制御部24からホストコンピュータ1に第1通信系統200を利用して送信される(ステップS43)。以降の処理は、第2の実施の形態と同様である。
【0143】
このように本実施の形態の仕分システムでは、各商品棚5の個数表示器2と電子札3とを物理的に一体化させることが可能であり、個数表示器2は一体化された電子札3から装置コードを取得する。したがって、装置コードの取得に非接触のリーダ装置等が必要とならず、比較的低コストに装置コードを取得できる。
【0144】
<4.他の実施の形態>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。以下では、このような他の実施の形態について説明する。
【0145】
上記実施の形態の仕分システムは、各商品棚5に仕分個数を表示する個数表示器2が配置されるタイプのピッキングシステムであったが、台車に設けられる表示器に仕分個数が表示され各商品棚5に個数表示器2が配置されないタイプのピッキングシステムであってもよい。この場合でも、商品棚5のフレームに棚コードを示すラベルを直接貼付すれば、第1の実施の形態と同様の完了確認処理を行うことができる。また、装置コードを取得するリーダと棚コードを記憶したメモリとを備えた通信端末装置を各商品棚5に設ければ、第2及び第3の実施の形態と同様の完了確認処理を行うことができる。
【0146】
また、第1の実施の形態においては、個数表示器2及び電子札3のそれぞれの識別コードはラベルによって示されていたが、当該識別コードをICメモリなどに記憶しておきその識別コード示すバーコード等をディスプレイに表示させるようにしてもよい。また、識別コードは、一次元のバーコードでなくQRコードなどの二次元コードにエンコードされて示されてもよい。
【0147】
また、第1の実施の形態においては、個数表示器2及び電子札3のそれぞれに識別コードを記録したICタグを設け、ハンディターミナル4がタグリーダを備えるようにして、それらのICタグから識別コードを取得するようにしてもよい。
【0148】
また、第2の実施の形態においては、電子札3の所定位置にバーコードを記録しておき、個数表示器2がバーコードリーダを備え、電子札3に記録されたバーコードを非接触で読み取るようにしてもよい。
【0149】
また、第2の実施の形態においては、商品に電子札3を付随させた状態のままタグリーダ26が電子札3の装置コードを読み取ると説明したが、タグリーダ26が読み取り可能な距離まで、作業者が電子札3を個数表示器2に近づけるようにしてもよい。
【0150】
また、上記第1及び第2の実施の形態では、商品棚5に搬送された商品に付随する電子札3はケース6にそのまま取り付けられた状態であったが、図26に示すように商品棚5を構成するフレームに取り付けて運用してもよい。このような運用により、商品棚5に載置された商品を説明する棚札として電子札3を利用可能である。
【0151】
また、仕分エリアA3において、商品棚5と商品の種類との対応関係を変更する場合(すなわち、商品の入れ替えの場合)において、商品を新たな対応先となる商品棚5に搬送する際に、上記実施の形態と同様に、電子札3を作業指示書として利用してもよい。
【0152】
また、上記実施の形態では、搬送すべき商品の量を商品が収容されるケースの数で示していたが、商品の個数で示してもよい。
【0153】
また、上記実施の形態のいずれにおいても、商品がケースに収容されて搬送されるとしていたが、例えばカゴ車やパレット台などに収容されて商品が搬送されてもよい。この場合も、カゴ車やパレット台に電子札3を取り付ければ、電子札3を商品に付随させることができる。また、電子札3を商品に直接取り付けてもよい。
【0154】
また、商品の搬送にカゴ車やパレット台などを用いる場合は、仕分エリアA3の床面にカゴ車等を配置する複数の領域を確保し、この複数の領域のそれぞれを一の種類の商品に関連付けられ、当該商品が搬送されて載置される仕分区画として機能させてもよい。
【0155】
また、上記実施の形態のいずれにおいても、電子札3のバッテリ34は、一次電池及び二次電池のいずれであってもよい。バッテリ34を一次電池で構成する場合は、電子札3を使用する前にバッテリ34を交換すればよい。また、第1及び第2の実施の形態において、バッテリ34を二次電池で構成する場合は、電子札3を使用する前にバッテリ34を専用の充電器で充電するようにすればよい。また、個数表示器2にバッテリ34を電磁誘導方式等によって非接触で充電する充電器を内蔵させ、商品棚5に商品が載置されている間に当該商品に付随する電子札3のバッテリ34が非接触で充電されるようになっていてもよい。また、第3の実施の形態において、バッテリ34を二次電池で構成する場合は、電子札3を使用する前にバッテリ34を専用の充電器で充電する他、個数表示器2に充電器を内蔵させ個数表示器2に電子札3が一体化された状態でバッテリ34が充電されるようになっていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0156】
【図1】仕分システムが採用される物流センターの概要を示す図である。
【図2】仕分エリアに配置される仕分システムの構成を示す図である。
【図3】ラックの一部を示す正面図である。
【図4】個数表示器の構成を示す図である。
【図5】電子札の前面側の構成を示す図である。
【図6】電子札の背面側の構成を示す図である。
【図7】電子札のケースへの取り付けを説明する図である。
【図8】ハンディターミナルの構成を示す図である。
【図9】第1の実施の形態の仕分システムの全体構成を示すブロック図である。
【図10】ホストコンピュータの基本構成を示す図である。
【図11】仕分テーブルの一例を示す図である。
【図12】在庫テーブルの一例を示す図である。
【図13】搬送テーブルの一例を示す図である。
【図14】仕分作業に関する処理の流れを示す図である。
【図15】準備作業における作業及び処理の流れを示す図である。
【図16】搬送指示処理の流れを示す図である。
【図17】電子札の表示の一例を示す図である。
【図18】完了確認処理の流れを示す図である。
【図19】商品が商品棚に搬送された時点の様子を示す図である。
【図20】電子札の表示の一例を示す図である。
【図21】電子札の表示の一例を示す図である。
【図22】第2の実施の形態の仕分システムの全体構成を示すブロック図である。
【図23】第2の実施の形態の一の商品棚の様子を示す図である。
【図24】第3の実施の形態の一の商品棚の様子を示す図である。
【図25】第3の実施の形態の個数表示器及び電子札の構成を示す図である。
【図26】電子札の運用の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0157】
1 ホストコンピュータ
2 個数表示器
3 電子札
4 ハンディターミナル
5 商品棚
6 ケース
25 ラベル
26 タグリーダ
35 ラベル
36 ICタグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ一の種類の商品に関連付けられ、当該商品が搬送されて載置される複数の仕分区画を有する仕分システムであって、
前記商品に付随して利用可能な複数の可搬性装置と、
同一の商品に係る前記仕分区画と前記可搬性装置とを対応付ける対応情報を記憶する記憶手段と、
前記仕分区画が有する記録媒体から前記仕分区画を識別する第1識別コードを取得し、かつ、当該仕分区画に搬送済の商品に付随する前記可搬性装置が有する記録媒体から前記可搬性装置を識別する第2識別コードを取得する取得手段と、
前記取得手段に取得された前記第1及び第2識別コードの対応関係が、前記対応情報が示す対応関係と一致するかを判定する判定手段と、
を備えることを特徴とする仕分システム。
【請求項2】
請求項1に記載の仕分システムにおいて、
前記取得手段と、
前記取得手段に取得された前記第1及び第2識別コードを、無線通信によって前記判定手段に送信する送信手段と、
を有する可搬性の通信端末装置、
を備えることを特徴とする仕分システム。
【請求項3】
請求項1に記載の仕分システムにおいて、
前記取得手段と、
前記取得手段に取得された前記第1及び第2識別コードを、前記判定手段に送信する送信手段と、
を有する通信端末装置を、
前記複数の仕分区画のそれぞれに配置して備えることを特徴とする仕分システム。
【請求項4】
請求項3に記載の仕分システムにおいて、
前記取得手段は、
自装置としての前記通信端末装置が備えるメモリから前記第1識別コードを取得し、
自装置としての前記通信端末装置の近傍に存在する前記可搬性装置が有する記録媒体から前記第2識別コードを非接触で取得することを特徴とする仕分システム。
【請求項5】
請求項3に記載の仕分システムにおいて、
前記通信端末装置は、前記可搬性装置と物理的に一体化可能であり、
前記取得手段は、
自装置としての前記通信端末装置が備えるメモリから前記第1識別コードを取得し、
自装置としての前記通信端末装置に一体化された前記可搬性装置が有する記録媒体から前記第2識別コードを取得することを特徴とする仕分システム。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の仕分システムにおいて、
前記複数の可搬性装置はそれぞれ、
自身の付随先となる商品に係る仕分区画の前記第1識別コードを表示可能な表示手段、
を備えることを特徴とする仕分システム。
【請求項7】
請求項6に記載の仕分システムにおいて、
前記複数の仕分区画ごとに、当該仕分区画に搬送すべき商品の量を導出する導出手段と、
導出された商品の量と、当該商品の識別情報と、当該商品に係る仕分区画の前記第1識別コードとを前記複数の可搬性装置のうちの一に送信し、前記表示手段に表示させる手段と、
をさらに備えることを特徴とする仕分システム。
【請求項8】
請求項7に記載の仕分システムにおいて、
前記複数の仕分区画ごとに、当該仕分区画の前記第1識別コードと、当該仕分区画に関して前記導出された商品の量の送信対象となる可搬性装置の前記第2識別コードとを対応付けて前記対応情報を生成する生成手段、
をさらに備えることを特徴とする仕分システム。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載の仕分システムにおいて、
前記判定手段の判定結果を、前記取得手段に取得された前記第2識別コードの前記可搬性装置に送信して、当該可搬性装置が有する表示手段に表示させる手段、
をさらに備えることを特徴とする仕分システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2007−182280(P2007−182280A)
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−686(P2006−686)
【出願日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】