説明

仕切材

【課題】水平方向を所定数の空間に区画できるとともに、垂直方向にも多段に区画可能な汎用性のある仕切材を提供する。
【解決手段】外周部を囲繞する周壁2と、周壁2の底を閉塞する底壁3と、を備えた外箱1の内部を複数の収容空間に区画する仕切材10であって、貫通孔12を有する第1水平仕切部11と、第1水平仕切部11に連設した連続部13A,13Bと、連続部13A,13Bに連設した第2水平仕切部15A,15Bと、第2水平仕切部15A,15Bに一部が連続して他部が分断されるように設けられ、第1水平仕切部11から突出する第1凸部21、および、第2水平仕切部15から突出する第2凸部22を有する垂直仕切部17A,17Bと、を備え、第1凸部21または第2凸部22が外箱1の底壁3に当接するように配置することにより、外箱1内を水平方向と垂直方向に区画する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外箱内を複数の空間に区画して複数の商品を収容させる仕切材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の仕切材は、短冊状をなす複数の仕切板を平面視で格子状をなすように噛み合わせ、外箱の内部に配置することにより、該外箱内を複数の収容空間に区画するものである。また、外箱の内部を垂直方向に更に区画する場合には、前記仕切材の上に板状をなす隔板を更に配設し、この隔板上に同様の仕切材を配設する。
【0003】
しかし、このように複数の仕切板および隔板を用いる仕切構造は、組付作業性が非常に悪いうえ、保管する際の管理が非常に面倒である。そのため、一枚のブランクによって幅や奥行きなどの水平方向を区画し、更に垂直方向にも区画可能な仕切材が望まれる。
【0004】
本発明の仕切材に関連する先行技術文献情報としては次のものがある。
【0005】
【特許文献1】実開昭51−60979号公報
【0006】
この特許文献には、一対の電子管を収容するために、下部に緩衝空間を形成し、その上方を水平方向に区画して一対の収容空間を形成できるようにした仕切材が記載されている。具体的には、この仕切材は、外箱の底に載置される中央の底板部と、該底板部の両側から屈曲して垂直に延びる側板部と、これら側板部の上端から屈曲して中央に向けて水平に延びる頂板部と、これら頂板部から屈曲して垂直方向に延びる仕切板部とを備えている。
【0007】
この仕切材は、連続した一枚のブランクからなるため、保管する際の管理が容易である。また、電子管を区画して収容する目的から、下部は緩衝空間としているが、この緩衝空間は、所定の商品を収容させるための収容空間としても使用できる。
【0008】
しかしながら、この仕切材は、垂直方向を2段にしか区画できないうえ、1段目は水平方向に区画できず、連続した広い空間しか設けることができない。そのため、複数の商品を水平方向に区画し、かつ、垂直方向に多段に区画して、大きさが異なる種々の商品を適宜区画して収容するような汎用性を具備させることはできない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、従来の問題に鑑みてなされたもので、水平方向を所定数の空間に区画できるとともに、垂直方向にも多段に区画可能な汎用性のある仕切材を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するため、本発明の仕切材は、外周部を囲繞する周壁と、該周壁の底を閉塞する底壁と、を備えた外箱の内部を複数の収容空間に区画する仕切材であって、
所定位置に貫通孔を有し、組付状態で前記外箱の底壁に対して略平行に延びる第1水平仕切部と、前記第1水平仕切部の少なくとも一側に連設し、組付状態で前記外箱の周壁に沿って略垂直方向に延びる連続部と、前記連続部の一側に連設し、組付状態で前記第1水平仕切部に対して所定間隔をもって略平行に延びる第2水平仕切部と、前記第2水平仕切部に一部が連続して他部が分断されるように設けられ、前記第1水平仕切部の貫通孔を貫通して該第1水平仕切部から突出する第1凸部、および、該第1凸部と反対側に位置するように前記第2水平仕切部から突出する第2凸部を有する垂直仕切部と、を備え、前記第1凸部または第2凸部が前記外箱の底壁に当接するように配置することにより、該外箱内を水平方向と垂直方向に区画可能な構成としている。
【0011】
この仕切材は、第1水平仕切部および第2水平仕切部によって、外箱内を垂直方向に3段に区画することができる。また、これら垂直方向に空間を、垂直仕切部によって水平方向に区画することができる。そのため、一枚のブランクを折り曲げることにより、外箱内を水平方向および垂直方向に区画できる。しかも、連続部の高さや垂直仕切部の位置を変更することにより、収容する商品の大きさに応じた収容空間を形成することができる。また、連続部と第2水平仕切部との間に、略倒U字形状をなすように、更に水平仕切部と連続部とを介設することにより、垂直方向を更に複数段に区画できる。そのため、種々の商品を収容可能とするための汎用性を具備させることができる。
【0012】
この仕切材では、前記連続部を、前記第1水平仕切部の両側に連設するとともに、前記垂直仕切部を、一対の前記連続部の一側にそれぞれ連設し、組付状態で一対の前記垂直仕切部を1つの前記貫通孔に貫通させることにより、これら垂直仕切部間に垂直方向に延びる空間を更に区画することが好ましい。
【0013】
この場合、前記垂直仕切部に通気孔を更に設けることが好ましい。このようにすれば、垂直方向に延びる収容空間に、保冷剤、蓄熱剤、または、植物の生理活性を抑える鮮度保持剤などの機能性剤を収容させることにより、この機能性剤が発する機能性ガス(冷気、暖気、生理活性抑制ガス)を通気孔を通して、収容した商品に供給することができる。また、機能性剤はガスを放出するものに限られず、湿気を吸着する除湿剤や、原紙から発せられる硫化水素などを吸着するガス吸着剤などを使用することも可能ある。そして、この機能性剤は、外箱の中間部分に収容させる構成になるため、両側に位置する収容空間に均等に供給、または、収容空間から均等に吸収される。その結果、収容した商品を希望に応じた保管状態に維持できる。
【0014】
また、前記外箱の底壁の側に位置する前記第1または第2水平仕切部の両端に、前記底壁上に載置する枠部を更に連設することが好ましい。このようにすれば、垂直方向において、最も下側に位置する収容空間を仕切るための耐圧強度を向上できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の仕切材では、一枚のブランクを折り曲げることにより、外箱内を水平方向および垂直方向に区画できる。しかも、連続部の高さや垂直仕切部の位置を変更したり、第1および第2水平仕切部の間に更に水平仕切部を介設したりすることにより、収容空間の大きさや数を容易に変更できる。そのため、大きさが異なる種々の商品を区画して収容可能とする仕切材として、汎用性を具備させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【0017】
図1から図3は、本発明の第1実施形態に係る仕切材10を適用した包装箱を示す。この包装箱は、直方体形状をなす外箱1と、該外箱1の内部に配置して各商品間を仕切る仕切材10とからなり、この仕切材10で外箱1内を水平方向および垂直方向に沿って複数の空間に区画し、その区画された収容空間に所定の商品を収容させるものである。これら外箱1および仕切材10は、一対の表紙と裏紙との間に波状の中しんを配設した段ボール紙を、周知の紙器打抜装置によって打ち抜いて成形される。
【0018】
まず、外箱1は、外周部を囲繞する周壁2と、この周壁2の底を閉塞する底壁3とを備えている。周壁2は、図中左右横方向に連続した4面の側壁2A〜2Dからなり、その一端の側壁2Aには、他端の側壁2Dに貼着するための糊代部(図示せず)が連設されている。底壁3は、各側壁2A〜2Dの下端縁に連設した下フラップ3A〜3Dからなる。なお、本実施形態の外箱1には、側壁2A〜2Dの各上端縁に天壁4を構成する上フラップ4A〜4Dが連設されている。また、本実施形態では、外箱1の内部を垂直方向に3段に区画し、それぞれの段に商品を収容する目的から、側壁2A〜2Dの全高を収容する商品の全高の3倍の寸法より若干大きく形成されている。
【0019】
前記仕切材10は、連続した一枚のブランクからなり、所定部位を折り曲げた状態で外箱1内に組み付けることにより、外箱1内を水平方向に2区画で垂直方向に3段に区画するとともに、中央に垂直方向に延びる収容空間を更に区画するものである。
【0020】
具体的には、仕切材10のブランクは、図4に示すように、底壁3と略同一の矩形状をなす第1水平仕切部11を中央に備えている。この第1水平仕切部11は、図中左右方向の幅が外箱1の短尺な側壁2A,2Cにかけて延び、底壁3と所定間隔をもって平行に延びるように配置される。この第1水平仕切部11の中央には、図中上下方向である両端近傍にかけて延びる矩形状の貫通孔12が設けられている。
【0021】
前記第1水平仕切部11には、図中左右方向である両側に、組付状態で側壁2A,2Cに沿って垂直方向に延びる一対の連続部13A,13Bが連設されている。これら連続部13A,13Bの左右方向の幅は、収容する商品の全高より僅かに高くなる寸法で形成されている。そして、第1水平仕切部11と連続部13A,13Bとの各境界部分には折曲線14が設けられている。この折曲線14は、第1水平仕切部11に対して連続部13A,13Bを屈曲させた際に、段ボール紙自身が有する腰による反発力を低減するために、肉厚を圧縮するように罫を入れて形成した罫線に沿って、ミシン目状をなすように所定間隔をもって切断線を設けたリード罫により構成している。
【0022】
前記連続部13A,13Bには、第1水平仕切部11との連続側と反対の一側に一対の第2水平仕切部15A,15Bが連設されている。これら第2水平仕切部15A,15Bは、組付状態で連続部13A,13Bに対して内向きに屈曲されることにより、第1水平仕切部11と平行に延び、互いの先端縁が中央で突き合う寸法で形成されている。そして、これら連続部13A,13Bと第2水平仕切部15A,15Bとの各境界部分には、前記と同様のリード罫からなる折曲線16が設けられている。
【0023】
前記第2水平仕切部15A,15Bには、連続部13A,13Bとの連続側と反対の一側に、組付状態で貫通孔12を貫通して垂直方向に延びる一対の垂直仕切部17A,17Bが設けられている。これら垂直仕切部17A,17Bは、第2水平仕切部15に一部が連続し、他部が分断された回動可能なものである。具体的には、垂直仕切部17A,17Bは、リード罫からなる一対の折曲線18,18と、これら折曲線18,18の内端間にかけて設けた第1切断線19と、前記折曲線18,18の外端から第2水平仕切部15A,15Bの先端にかけて設けた第2切断線20,20とで、第2水平仕切部15A,15Bと区画されている。折曲線18,18は、第2水平仕切部15A,15Bとの連続部分となるもので、折曲線16に対して平行に位置し、第2水平仕切部15A,15Bの先端縁から、第1水平仕切部11の貫通孔12における図中左右方向の幅の約半分の間隔をあけた位置に設けられている。第1切断線19は、第2水平仕切部15A,15Bとの分断部分となるもので、略倒U形状をなすように折曲線16の側に向けて迂回するように設けられている。第2切断線20,20は、第2水平仕切部15A,15Bとの分断部分となるもので、互いの間隔が貫通孔12の図中上下方向の寸法より僅かに小さくなるように設けられている。そして、垂直仕切部17A,17Bは、第2切断線20に沿って、第2水平仕切部15A,15Bの先端縁から更に突出するように設けられている。具体的には、垂直仕切部17A,17Bは、折曲線18から先端までの寸法が、連続部13A,13Bの横方向の寸法、言い換えれば、組付状態での垂直方向の寸法の約2倍になる構成とされている。
【0024】
前記構成の垂直仕切部17A,17Bは、組付状態で貫通孔12を貫通する略先端側半分の領域が、第1水平仕切部11から突出する第1凸部21を構成する。また、第1切断線19により囲繞された内部が、組立状態で第1凸部21と反対側に位置し、第2水平仕切板部15A,15Bから突出する第2凸部22を構成する。さらに、本実施形態の垂直仕切部17A,17Bには、図中横方向に延び、組付状態では垂直方向に延びる長孔からなる一対の通気孔23が設けられている。
【0025】
また、本実施形態では、前記第1水平仕切部11の図中上下方向に位置する両端には、組付状態で外箱1の側壁2B,2Dに沿って延びる第1枠部24,24がそれぞれ連設されている。そして、第1水平仕切部11と第1枠部24,24の各境界部分には、肉厚を圧縮するように罫を入れて形成した罫線からなる折曲線25が設けられている。さらに、第2水平仕切部15A,15Bの両端には、組付状態で外箱1の側壁2B,2Dに沿って延びる第2枠部26A,26A,26B,26Bがそれぞれ連設されている。そして、これらの各境界部分には、前記と同様の罫線からなる折曲線27が設けられている。なお、これら枠部26A,26Bは、図中上下方向の幅が、組付状態で水平仕切部11,15A,15Bによって区画する垂直方向の高さと略同一寸法となるように形成されている。
【0026】
次に、前記仕切材10の使用方法について説明する。
【0027】
まず、仕切材10を配置していない外箱1の底壁3に対して、両側の側壁2A,2Cに分散するように商品を配置する。ついで、図2に示すように、第1水平仕切部11に対して第1枠部24,24を屈曲させる。また、第1水平仕切部11に対して連続部13A,13Bを第1枠部24,24とは逆向きに屈曲させる。さらに、第2水平仕切部15A,15Bに対して第2枠部26A,26A,26B,26Bを内側に突出するように屈曲させる。この状態で、第1枠部24,24の側から外箱1の内部に仕切材10を挿入する。
【0028】
これにより、第1枠部24,24が外箱1の底壁3に当接し、該底壁3に対して第1水平仕切部11が所定間隔をもって平行に位置した状態を確実に維持できる。
【0029】
ついで、外箱1内において、底壁3と平行に延びるように位置する第1水平仕切部11に対して、前記と同様に両側の側壁2A,2Cに分散するように商品を配置する。その後、第2水平仕切部15A,15Bに対して垂直仕切部17A,17Bを内向きに屈曲させる。ついで、連続部13A,13Bに対して第2水平仕切部15A,15Bを内向きに屈曲させる。その際、先に屈曲させている垂直仕切部17A,17Bの先端部分である第1凸部21を、第1水平仕切部11の貫通孔12に貫通させる。
【0030】
これにより、図3に示すように、垂直仕切部17A,17Bが外箱1の底壁3に対して直交するように挿入され、これら垂直仕切部17A,17Bが外箱1の底壁3に当接する。また、第2枠部26A,26A,26B,26Bが第1水平仕切部11に当接する。その結果、第2水平仕切部15A,15Bの荷重を、底壁3および第1水平仕切壁に分散し、これらに対して所定間隔をもって平行に位置した状態を確実に維持できる。
【0031】
最後に、外箱1内において、第2水平仕切部15A,15Bに対して、前記と同様に両側の側壁2A,2Cに分散するように、更に具体的には、第2水平仕切部15A,15Bから上向きに突出する第2凸部22,22と側壁2A,2Cとの間に位置するように、商品を配置する。
【0032】
このようにして、外箱1内を仕切材10によって水平方向および垂直方向に区画しながら商品を収容させると、垂直仕切部17A,17Bの間には上方から底壁3まで連通した収容空間が更に区画される。
【0033】
そして、この収容空間には、例えば保冷剤、蓄熱剤、または、植物の生理活性を抑える鮮度保持剤などの機能性剤を収容させる。または、湿気を吸着する除湿剤や、原紙から発せられる硫化水素などを吸着するガス吸着剤などの機能性剤を収容させる。これにより、この機能性剤が発する機能性ガス(冷気、暖気、生理活性抑制ガス)を通気孔23を通して収容した商品に供給したり、外箱1内の湿気やガスを吸着したりできる。この際、本実施形態では、垂直仕切部17A,17Bによる収容空間は、外箱1の中間部分に位置するため、機能性ガスを両側に位置する収容空間に均等に供給したり、収容空間から均等に吸収したりすることができる。その結果、収容した商品を希望に応じた保管状態に維持できる。勿論、この垂直方向に連通する空間には、全高が高い商品を収容させてもよい。
【0034】
そして、全ての商品を収容させると、外箱1の上フラップ4A,4Cを内向きに折り曲げた後、隣接する上フラップ4B,4Dを内向きに折り曲げ、外箱1の上端開口を閉塞する。
【0035】
このように、本発明の仕切材10は、第1水平仕切部11および第2水平仕切部15A,15Bによって、外箱1内を垂直方向に3段に区画することができる。また、これら垂直方向に空間を、垂直仕切部17A,17Bによって水平方向に区画することができる。そのため、一枚のブランクを折り曲げることにより、外箱1内を水平方向および垂直方向に区画できる。
【0036】
しかも、連続部13A,13Bの高さや垂直仕切部17A,17Bの位置を変更することにより、収容する商品の大きさに応じた収容空間を形成することができる。そのため、種々の商品を収容可能とするための汎用性を具備させることができる。
【0037】
また、本実施形態では、各水平仕切部11,15A,15Bには、底壁3または第1水平仕切壁に当接する枠部24,26A,26Bを連設しているため、各水平仕切部11,15A,15Bの垂直方向の耐圧強度を向上できる。
【0038】
図5および図6は、本発明の第2実施形態の仕切材10を示す。この第2実施形態は、第1実施形態では第1および第2水平仕切部11,15A,15Bによって外箱1内を垂直方向に3段に区画したのに対し、第1水平仕切部11と第2水平仕切部15A,15Bとの間に、それぞれ第3および第4水平仕切部28A,31A,28B,31Bを更に介設することにより、外箱1内を垂直方向に5段に区画できるようにした点で、第1実施形態と相違している。
【0039】
具体的には、第2実施形態の仕切材10のブランクは、図6に示すように、まず、第1実施形態と同様に、第1枠部24を備えた第1水平仕切部11の両側に、折曲線14を介して第1の連続部13A,13Bが連設されている。
【0040】
そして、前記第1の連続部13A,13Bには、第1水平仕切部11と反対の一側に第3水平仕切部28A,28Bが折曲線16を介して連設されている。これら第3水平仕切部28A,28Bは、組付状態で中央に向けて屈曲されるもので、この中央部分でその先端が互いに突き合う寸法で形成されている。
【0041】
前記第3水平仕切部28A,28Bには、第1の連続部13A,13Bと反対の一側に第2連続部29A,29Bが連設され、その境界部分にリード罫からなる折曲線30が設けられている。これら第2連続部29A,29Bの図中左右方向の幅は、第1の連続部13A,13Bの幅と同一寸法で形成されている。
【0042】
前記第2連続部29A,29Bには、第3水平仕切部28A,28Bと反対の一側に第4水平仕切部31A,31Bが連設され、その境界部分にリード罫からなる折曲線32が設けられている。これら第4水平仕切部31A,31Bは、組付状態で外側に向けて屈曲されるもので、その図中左右方向の幅が第1水平仕切部11の約半分の寸法で形成されている。
【0043】
前記第4水平仕切部31A,31Bには、第2連続部29A,29Bと反対の一側に第3連続部33A,33Bが連設され、その境界部分にリード罫からなる折曲線34が設けられている。これら第3連続部33A,33Bの図中左右方向の幅は、第1の連続部13A,13Bの幅と同一寸法で形成されている。
【0044】
そして、前記第3連続部33A,33Bには、第4水平仕切部31A,31Bと反対の一側に第1実施形態と同様の第2水平仕切部15A,15Bが連設され、その境界部分に折曲線35が設けられている。
【0045】
前記第2水平仕切部15A,15Bには、第3連続部33A,33Bと反対の一側に第1実施形態と同様に垂直仕切部17A,17Bが、折曲線18、および、切断線19,20により区画された状態で連設されている。そして、これら第2水平仕切部15A,15Bは、第1実施形態では左右方向の幅を2段分の高さと略同一寸法で形成したのに対し、第2実施形態では図中左右方向の幅を4段分の高さと略同一寸法で形成している。
【0046】
なお、第3水平仕切部28A,28Bには、その上下端に第2水平仕切部15A,15Bと同様に、第3枠部36A,36Bが連設され、その境界部分に折曲線37が設けられている。同様に、第4水平仕切部31A,31Bには第4枠部38A,38Bが連設され、その境界部分に折曲線39が設けられている。
【0047】
さらに、第2連続部29A,29Bには、図中上下方向である両端近傍にかけて延びる矩形状の第2の貫通孔40A,40Bが設けられている。これら第2の貫通孔40A,40Bは、組付状態で第1水平仕切部11の貫通孔12に上下に対応するもので、その図中左右方向の幅は、両側の第3および第4水平仕切部28A,31A,28B,31B内にかけて延びるように設けられている。そして、第1水平仕切部11の側に位置する縁と折曲線30との間隔、および、第2水平仕切部15A,15Bの側に位置する縁と折曲線32との間隔は、貫通孔12の左右方向の幅の約半分の寸法に設定されている。
【0048】
このように構成した第2実施形態の仕切材10は、第1水平仕切部11に対して第1の連続部13A,13Bを屈曲させ、これら第1の連続部13A,13Bに対して第3水平仕切部28A,28Bを内向きに屈曲させる。ついで、これら第3水平仕切部28A,28Bに対して第2連続部29A,29Bを屈曲させ、これら第2連続部29A,29Bに対して第4水平仕切部31A,31Bを外向きに屈曲させる。その後、これら第4水平仕切部31A,31Bに対して第3連続部33A,33Bを屈曲させ、これら第3連続部33A,33Bに対して第2水平仕切部15A,15Bを内向きに屈曲させるとともに、これら第2水平仕切部15A,15Bに対して垂直仕切部17A,17Bを更に内向きに屈曲させる。
【0049】
これにより、図5に示すように、垂直方向に延びる一対の垂直仕切部17A,17Bと、水平方向に延びる4面の水平仕切部11,15A,15B,28A,28B,31A,31Bとで、外箱1内を垂直方向に5段で、水平方向に3区画の収容空間に、区画することができる。言い換えれば、本発明の仕切材10は、水平方向に延びる仕切部を希望に応じて容易に増設することができるため、種々の商品を大きさに応じて変形して収容可能したり、区画数をも容易に変更したりできる。
【0050】
図7および図8は第3実施形態の仕切材10を示す。この仕切材10は、第1実施形態では垂直仕切部17A,17Bによって外箱1内を水平方向に3区画したのに対し、大きさが異なるように更に複数区画できるようにした点で、第1実施形態と相違している。
【0051】
具体的には、第3実施形態の仕切材10のブランクは、図8に示すように、上下に第1枠部24を有する図中左右方向の幅が広い第1水平仕切部11を備えている。そして、この第1水平仕切部11には、左側に位置するように前記と同様の貫通孔12が設けられ、その右側に所定間隔をもって図中左右方向に延びる矩形状の貫通孔41が更に上下に一対設けられている。
【0052】
前記第1水平仕切部11の両側には、折曲線14を介して連続部13A,13Bが連設されるとともに、これら連続部13A,13Bに折曲線16を介して第2枠部26A,26Bを有する第2水平仕切部15A,15Bが連設されている。そのうち、左側に位置する第2水平仕切部15Aは、第1実施形態と同様に形成され、組立状態で貫通孔41と上下に対応する右側の第2水平仕切部15Bは、第1水平仕切部11と同様に長尺に形成されている。
【0053】
そして、これら第2水平仕切部15A,15Bには、連続部13A,13Bと反対の一側に垂直仕切部17A,17Bが、折曲線18、および、切断線19,20により区画された状態で連設されている。
【0054】
また、第2水平仕切部15Bには、該第2水平仕切部15Bに一部が連続し、他部が分断された回動可能な切起構造の第2垂直仕切部42A,42Bが更に設けられている。これら第2垂直仕切部42A,42Bは、リード罫からなる一対の折曲線43,43と、これら折曲線43,43の内端間にかけて設けた第1切断線44と、前記折曲線43,43の外端から中央に向けて左右に延びる第2切断線45,45と、これら第2切断線45,45から中央に向けて上下に延びる第3切断線46,46と、これら第3切断線46,46から第1切断線44に向けて折り返すように左右に延びる第4切断線47,47と、これら第4切断線47,47の端部を接続するように設けた第5切断線48とで、第2水平仕切部15A,15Bと区画されている。そのうち、折曲線43は、第2水平仕切部15A,15Bとの連続部分となり、他の切断線44〜48は、第2水平仕切部15A,15Bとの分断部分となる。また、第2切断線45から第4切断線47で囲繞された内部は、貫通孔41を貫通して第1水平仕切部11から突出する第1凸部49を構成する。さらに、第1切断線44により囲繞された内部は、第2水平仕切部15Bから突出する第2凸部50を構成する。
【0055】
このように構成した第3実施形態の仕切材10は、第1水平仕切部11に対して連続部13A,13Bを屈曲させ、これら連続部13A,13Bに対して第2水平仕切部15A,15Bを屈曲させるとともに、第2水平仕切部15A,15Bに対して第1の垂直仕切部17A,17Bを屈曲させる。そして、更に第2水平仕切部15Bに対して第2垂直仕切部42A,42Bを屈曲させ、第1凸部49を貫通孔41に貫通させる。
【0056】
これにより、図7に示すように、垂直方向に延びる4枚の垂直仕切部17A,17B,42A,42Bと、水平方向に延びる2面の水平仕切部11,15A,15Bとで、外箱1内を垂直方向に3段で、水平方向に5区画の収容空間に、区画することができる。この実施形態からも解るように、本発明の仕切材10は、種々の商品を大きさに応じて変形して収容可能したり、区画数をも容易に変更したりできる。
【0057】
なお、本発明の仕切材10は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【0058】
例えば、前記各実施形態では、第1凸部21の側が外箱1の底壁3に位置するように該外箱1に組み付けたが、第2凸部22を垂直方向に区画した1段分の突出量で形成し、各枠部24,26A,26Bを前記各実施形態と逆向きに屈曲させることにより、外箱1の底壁3に対して第2凸部22が当接するように組み付けてもよい。
【0059】
また、各実施形態では、水平仕切部11,15A,15Bと連続部13A,13Bとを直接的に連設したが、各水平仕切部11,15A,15Bと連続部13A,13Bとの間に斜めに傾斜する面取部を設けた構成としてもよい。勿論、水平仕切部11,15A,15Bと枠部24,26A,26Bとの間にも同様の面取部を設けてもよい。
【0060】
因みに、本発明の仕切材10を収容する外箱1は、上フラップ4A〜4Dからなる天壁4を有する構成としたが、この天壁4を設けていないトレイ状のものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の仕切材を適用した包装箱の分解斜視図である。
【図2】外箱への組付工程を示す断面図である。
【図3】外箱への組付状態を示す断面図である。
【図4】第1実施形態の仕切材のブランクを示す平面図である。
【図5】第2実施形態の仕切材の斜視図である。
【図6】第2実施形態の仕切材のブランクを示す平面図である。
【図7】第3実施形態の仕切材の斜視図である。
【図8】第3実施形態の仕切材のブランクを示す平面図である。
【符号の説明】
【0062】
1…外箱
2…周壁
3…底壁
10…仕切材
11…第1水平仕切部
12…貫通孔
13A,13B…連続部
15A,15B…第2水平仕切部
17A,17B…垂直仕切部
21…第1凸部
22…第2凸部
23…通気孔
24…第1枠部
26A,26B…第2枠部
28A,28B…第3水平仕切部
29A,29B…第2連続部
31A,31B…第4水平仕切部
33A,33B…第3連続部
36A,36B…第3枠部
38A,38B…第4枠部
40A,40B…第2の貫通孔
41…貫通孔
42A,42B…第2垂直仕切部
49…第1凸部
50…第2凸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周部を囲繞する周壁と、該周壁の底を閉塞する底壁と、を備えた外箱の内部を複数の収容空間に区画する仕切材であって、
所定位置に貫通孔を有し、組付状態で前記外箱の底壁に対して略平行に延びる第1水平仕切部と、
前記第1水平仕切部の少なくとも一側に連設し、組付状態で前記外箱の周壁に沿って略垂直方向に延びる連続部と、
前記連続部の一側に連設し、組付状態で前記第1水平仕切部に対して所定間隔をもって略平行に延びる第2水平仕切部と、
前記第2水平仕切部に一部が連続して他部が分断されるように設けられ、前記第1水平仕切部の貫通孔を貫通して該第1水平仕切部から突出する第1凸部、および、該第1凸部と反対側に位置するように前記第2水平仕切部から突出する第2凸部を有する垂直仕切部と、
を備え、前記第1凸部または第2凸部が前記外箱の底壁に当接するように配置することにより、該外箱内を水平方向と垂直方向に区画可能としたことを特徴とする仕切材。
【請求項2】
前記連続部を、前記第1水平仕切部の両側に連設するとともに、前記垂直仕切部を、一対の前記連続部の一側にそれぞれ連設し、
組付状態で一対の前記垂直仕切部を1つの前記貫通孔に貫通させることにより、これら垂直仕切部間に垂直方向に延びる空間を更に区画したことを特徴とする請求項1に記載の仕切材。
【請求項3】
前記垂直仕切部に通気孔を更に設けたことを特徴とする請求項2に記載の仕切材。
【請求項4】
前記外箱の底壁の側に位置する前記第1または第2水平仕切部の両端に、前記底壁上に載置する枠部を更に連設したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の仕切材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−150055(P2008−150055A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−337126(P2006−337126)
【出願日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(000115980)レンゴー株式会社 (502)
【Fターム(参考)】