説明

付加硬化型シリコーン組成物及びそれを用いたコンデンサ

【課題】アルミニウムとフェノール樹脂との接着性に優れた付加硬化型シリコーン組成物と、これを外装ケースと封口部材の封止に使用したコンデンサを提供する。
【解決手段】(A)オルガノポリシロキサン、(B)末端にアルケニル基を有するアルコキシシラン、(C)オルガノポリシロキサン、(D)白金族金属系触媒から付加硬化型シリコーン組成物を構成する。この付加硬化型シリコーン組成物をコンデンサの外装ケース1と封口部材2との接合部分に充填、硬化させる。外装ケース1と封口部材2とは、外装ケース1の一対の凸部11,12により、封口部材2の周縁部の凸部21を挟持する。封口部材2の周縁の凹部22に、付加硬化型シリコーン組成物3を充填、硬化させる。外装ケース1と封口部材2との機械的強度は加締めにより確保し、気密性とガス透過性は付加硬化型シリコーン組成物3が確保する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は硬化性シリコーン組成物に関し、詳しくは、金属および樹脂に対する接着性が優れたシリコーン硬化物を形成する付加硬化型シリコーン組成物及びそれを用いたコンデンサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンデンサは巻回して形成したコンデンサ素子を有底筒状の金属または樹脂で形成された外装ケースに該コンデンサ素子とともに封口部材を挿入して、その開口部を封口して製造していた。封口部材にはコンデンサ素子から引き出されたリード端子を貫通させ、かつ、保持するための貫通孔が形成される。若しくは、封口部材にコンデンサ素子から引き出された端子と接続する外部端子を埋め込んだ状態のものが形成される。封口加工においては、回転式の成形体を押し付けて成形圧力を加えることによって、外装ケースを封口部材に加締める方法が用いられている。密封性を高める為、封口部材を金属または樹脂で形成された外装ケースに挿入した後、若しくは、挿入後前記加締め加工をした後、樹脂を塗布する製造方法がある。
【0003】
樹脂の一つとして、利用されている「付加硬化型シリコーン組成物」は、電気的特性、耐熱性、耐候性、応力緩和性が優れたゲル状、ゴム状もしくはレジン状のシリコーン硬化物を形成するために、電気・電子部品の封止剤、緩衝剤、防振剤、充填剤として利用されている。しかし、これらの硬化性シリコーン組成物を硬化して得られるシリコーン硬化物は金属または樹脂に対する接着性が乏しいという問題があった。このため、これらのシリコーン組成物により金属または樹脂で形成された電気・電子部品を封止もしくは接着させるには適さないことがあった。
【0004】
付加硬化型シリコーンの接着性を向上させるためには、従来から硬化性シリコーン樹脂に接着付与成分を添加し、接着性を発現させる検討が行われていた。例えば、アルコキシシリル基含有ハイドロジェンシロキサンを含有する付加硬化型シリコーンゴム組成物(特許文献1参照)や、エポキシ基含有ハイドロジェンシロキサンを含有する付加硬化型シリコーンゴム組成物(特許文献2参照)等が提案されてきた。しかしながら、一部の金属や樹脂に対しては自己接着させることが難しく、プライマー成分を使用しないと接着性を発現しない場合がある。
【0005】
これに対し、難接着性基材に自己接着する付加硬化型シリコーン接着剤として、窒素化合物を添加する技術(特許文献3参照)や、接着付与材として添加されるアルコキシシランの加水分解触媒として有機錫化合物、有機チタン化合物、有機アルミニウム化合物、ジルコニウム化合物を添加する技術が開発され、公知となっている。
【0006】
しかしながら、これらの技術は、付加硬化型シリコーン接着剤の硬化性に影響を及ぼすことがある。付加硬化型シリコーン接着剤に窒素化合物を添加した場合、付加反応触媒である白金原子の触媒能力が著しく阻害され、硬化性が非常に不安定となる。また、有機錫化合物、有機チタン化合物、有機アルミニウム化合物、ジルコニウム化合物等を同様に添加した場合、付加硬化型シリコーン接着剤中のオルガノハイドロジェンシロキサンを失活させる。
【0007】
また、アクリロキシ官能性アルコキシシランまたはメタクリロキシ官能性アルコキシシランのような末端にアルケニル基を有するアルコキシシランを添加する技術(特許文献4参照)が公知となっている。しかし、末端にアルケニル基を有するアルコキシシランを使用した場合には、白金触媒の存在下ハイドロジェンシロキサンと反応して消費し、硬化性が非常に不安定になる。末端にアルケニル基を有するアルコキシシランを添加する場合には、その使用量に対して適切なハイドロジェンシロキサンの添加量を規定する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特公昭53−21026号公報
【特許文献2】特公昭53−13508号公報
【特許文献3】特公昭52−147963号公報
【特許文献4】特許公表2008−528788号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、末端にアルケニル基を有するアルコキシシランを含有しながらも硬化安定性を保ち、かつ難接着性基材に対しても良好な接着性を発現するコンデンサ封止用として適した付加硬化型シリコーンゴム接着剤組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、金属または樹脂で形成された外装ケースを使用するコンデンサの封止において、密封性が向上する封口構造及びそれを用いたコンデンサを提供することを目的とする。
【0010】
本明細書において、「封止」とは、コンデンサの封口部分における密封性確保の目的に限るものではなく、コンデンサを構成する各部材の接着及びシールなど部材間の隙間を埋める用途全般を意味する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、下記成分(A)〜(D)を含有してなる付加硬化型シリコーン組成物を使用することにより、難接着性基材に対しても良好に接着性を発現し、かつ硬化の安定性に優れることを見出し、本発明をなすに至ったものである。
【0012】
本発明の硬化性シリコーン組成物は、
(A)25℃における粘度が50〜100,000mPa・sであり、一分子に平均2個以上のケイ素原子結合アルケニル基を含有し、重合度が4〜10である環状ジオルガノシロキサンの含有量が0.1重量%以下であるオルガノポリシロキサンを100重量部、
(B)分子中に末端アルケニル基を有するアルコキシシランを0.01〜10重量部、
(C)1分子中に平均2個以上のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサンを、(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基および(B)成分のアルケニル基1モルに対して、本成分中のケイ素原子結合水素原子が0.8〜1.5モルとなる量、
(D)白金族金属系触媒を、(A)成分、(B)成分および(C)成分の合計量に対して、本成分中の白金族金属が重量単位で0.01〜1000ppmとなる量、
からなることを特徴とする。
【0013】
以下、本発明の硬化性シリコーン組成物を詳細に説明する。
(A)成分のオルガノポリシロキサンは本組成物の主剤である。(A)成分の25℃における粘度は50〜100,000センチポイズの範囲内であり、特に100〜50,000センチポイズの範囲内であることが好ましい。これは、25℃における粘度が50センチポイズ未満であると、得られるシリコーン硬化物の物理特性が著しく低下するためであり、また、これが100,000センチポイズをこえると、得られる組成物の取扱作業性が著しく低下するためである。このような(A)成分は一分子に平均2個以上のケイ素原子結合アルケニル基を含有する。
【0014】
このケイ素原子結合アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基が挙げられ、特にビニル基であることが好ましい。(A)成分中のアルケニル基以外のケイ素原子結合有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基、3,3,3−トリフロロプロピル基、3−クロロプロピル基等のハロ置換アルキル基が挙げられ、特にメチル基、フェニル基であることが好ましい。
【0015】
(A)成分の分子構造は限定されず、例えば、直鎖状、分岐状、一部分岐を有する直鎖状、網状、樹脂状が挙げられる。(A)成分はこれらの分子構造を有する単一重合体ないしは共重合体またはこれらの混合物であるが、少なくとも直鎖状の分子構造を有することが好ましい。
【0016】
(B)成分の末端にアルケニル基を有するアルコキシシランは本成分の接着付与材として作用する。(B)成分は、(A)〜(D)成分の総重量の0.1〜10重量%の濃度で使用される。これは、0.1重量%未満とすると得られる組成物が十分な接着性を示さなくなり、10重量%を超えて添加すると得られる硬化物の物理的性質が低下するからである。この(B)成分としては、例えば、ビニル官能性アルコキシシラン、アリル官能性アルコキシシラン、ヘキセニル官能性アルコキシシラン、アクリロキシ官能性アルコキシシランまたはメタクリロキシ官能性アルコキシシランである。
【0017】
適切なアルコキシシランのいくつかの代表例は、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、ヘキセニルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシメチルジメチルエトキシシラン、3−メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリスイソプロポキシシラン、及び3−メタクリロキシプロピルトリスメトキシエトキシシランである。
【0018】
(C)成分のオルガノポリシロキサンは本組成物の架橋剤として作用する。このような(C)成分は一分子中に平均2個以上のケイ素原子結合水素原子を含有する。(C)成分中のケイ素原子結合有機基は限定されず、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基、3,3,3−トリフロロプロピル基、3−クロロプロピル基等のハロ置換アルキル基が挙げられ、特にメチル基、フェニル基であることが好ましい。(C)成分の分子構造は限定されず、例えば、直鎖状、分岐状、一部分岐を有する直鎖状、環状、網状、樹脂状が挙げられる。(C)成分はこれらの分子構造を有する単一重合体もしくは共重合体またはこれらの混合物である。
【0019】
(C)成分の配合量は(A)成分のケイ素原子結合アルケニル基および(B)成分のアルケニル基に対するこのケイ素原子結合水素原子のモル比が0.8〜1.5となる量である。これは、(A)成分のケイ素原子結合アルケニル基および(B)成分のアルケニル基に対する(C)成分のケイ素原子結合水素原子のモル比が0.8未満である組成物は十分に硬化しないためであり、また、これが1.5より多いと硬化時に発泡したり、物性の経時変化の原因となる。
【0020】
(D)成分の白金族金属系触媒は本組成物の硬化を促進するための触媒であり、例えば、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、白金とオレフィンとの錯体、白金とジビニルテトラメチルジシロキサンとの錯体、パラジウム化合物、ロジウム化合物が挙げられる。
【0021】
(D)成分の配合量は(A)成分と(B)成分、(C)成分の合計に対して本成分の白金金属が重量単位で0.01〜1000ppmの範囲内となる量であり、特に、これが0.1〜500ppmの範囲内となる量であることが好ましい。これは、(A)成分と(B)成分、(C)成分の合計に対する(D)成分の白金金属が重量単位で0.01ppm未満となる量である組成物は十分に硬化しないためであり、また、これが1000ppmをこえる量では不経済であるからである。
【0022】
本発明の付加硬化型シリコーン組成物は、上記(A)成分〜(D)成分を均一に混合することにより調製できる。本発明の付加硬化型シリコーン組成物には、本発明の目的を損なわない限り、その他任意の成分として、例えば、ヒュームドシリカ、有機ケイ素化合物により疎水化処理したヒュームドシリカ、タルク、マイカ等の充填剤、アセチレン系化合物、ヒドラジン系化合物、フォスフィン系化合物、メルカプタン系化合物等の付加反応抑制剤、顔料、染料、蛍光染料、耐熱添加剤、難燃性付与剤、可塑剤、末端にアルケニル基を有するアルコキシシラン以外の接着付与剤等が挙げられる。
【0023】
このような本発明の付加硬化型シリコーン組成物を硬化させて得られるシリコーン硬化物の硬化性状は限定されず、例えば、シリコーンゲル、シリコーンゴム、シリコーンレジンが挙げられ、特にシリコーンレジンであっても、その接着性が良好である。
【0024】
本発明の付加硬化型シリコーン組成物を硬化させる方法は限定されず、例えば、上記の硬化性シリコーン組成物を室温で放置する方法、50〜200℃に加熱する方法が挙げられる。このようにして得られたシリコーン硬化物を単体で取り扱うことができるが、これを基材上に密着した状態で取り扱うことが一般的であり、例えば、コンデンサ類を封止もしくはシールした状態で取り扱うことが好ましい。また、このシリコーン硬化物は無色透明もしくは半透明であるが、顔料や染料を配合することにより任意に調色することができる。
【0025】
本発明のコンデンサは、前記の付加硬化型シリコーン組成物を封止部に採用したことを特徴とする。具体的には、金属または樹脂で形成した筒状の外装ケースにコンデンサ素子を収納し、外装ケースの開口部を封口部材にて封止するコンデンサにおいて、前記封口部材と外装ケースを前記付加硬化型シリコーン組成物により封止することを特徴とする。
【0026】
また、次のような構成も、本発明の一態様である。
(1) 前記外装ケースと封口部材との封口構造が、封口部材を外装ケースの開口部の変形により固定されている。
(2) 前記外装ケースと封口部材との封口構造が、外装ケースの内側面に形成された一対の凸部によって、封口部材の周縁部が挟持されている。
(3) 前記外装ケースと封口部材との封口構造が、封口部材の端面に形成された凹部内に、外装ケースの内側面に形成された凸部を圧入されている。
(4) 前記封口部材の外周部表面に凹部が形成され、この凹部内に前記付加硬化型シリコーン組成物が充填、硬化されている。
(5) 前記封口部材に、外装ケースの内外を貫通するガス透過孔が設けられ、このガス透過孔が前記硬化性シリコーン組成物によって封止されている。
(6) 前記外装ケースが、長円形、楕円形、多角形の筒状部材からなり、前記封口部材がその筒状部材の開口部を塞ぐ形状の板状部材から構成されている。更には、有底筒状のものを用いてもよく、また、パイプ状のものを用いてもよい。
(7) リード端子を貫通させ、かつ、保持するための貫通孔が形成された弾性封口部材を用いる場合、若しくは、外部端子を埋め込んだ硬質封口部材を用いる場合に、リード端子や外部端子と封口部材との接触面、または/及び、リード端子や外部端子と貫通孔の隙間に前記付加硬化型シリコーン組成物が充填、硬化されている。
(8) 前記外装ケースと封口部材との封口構造が、前記外装ケースと前記封口部材とを一部溶接により固定されている。
【発明の効果】
【0027】
本発明の付加硬化型シリコーン組成物は、アルミニウムとフェノール樹脂やポリフェニレンサルファイド樹脂との接着のように、異種材料などの難接着基材への接着性に優れ、硬化安定性が優れたシリコーン硬化物を形成するという特徴がある。その結果、本発明の付加硬化型シリコーン組成物で封止することにより封口部分の密封性が高いコンデンサを提供することができる。
【0028】
本発明のコンデンサは、前記の付加硬化型シリコーン組成物を使用し、しかも、外装ケースと封口部材との機械的強度は加締め又は溶接により確保し、気密性とガス透過性は付加硬化型シリコーン組成物が確保する。このように封口部材の固定と密封を個別機能として備えさせることで、全体としての密封性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施例4のコンデンサの構成を示す縦断面図。
【図2】本発明の実施例5のコンデンサの構成を示す縦断面図。
【図3】本発明のコンデンサの第1の変形例を示す縦断面図。
【図4】本発明の実施例6のコンデンサにおけるガス透過孔部分の一例を示す水平断面図。
【図5】本発明の実施例6のコンデンサにおけるガス透過孔部分の他の例を示す水平断面図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の付加反応型シリコーン組成物を、実施例により詳細に説明する。なお、実施例中の粘度は25℃において測定した値である。また、シリコーン硬化物の硬度および接着性は次のようにして測定した。
【0031】
(a) シリコーン硬化物の硬度
直径45mm、高さ12mmのアルミカップに付加硬化型シリコーン組成物8gを注入した後、これを80℃で30分加熱してシリコーン硬化物を形成した。このシリコーン硬化物を25℃まで冷却してJIS A硬度計を用いて測定した。
【0032】
(b) シリコーン硬化物の接着性
付加硬化型シリコーン組成物をアルミニウムテストピース(A1050P)およびフェノール樹脂上で1g硬化させ、硬化物縁部にカッターで切り込みを入れて硬化物を上方へ引っ張り、その破断面を観察した。評価方法としては、硬化物が破壊したものは接着力が強いとして○、硬化物が完全に被着体から取れたものは接着力が弱いとして×、一部ゴム破壊するものを△とした。結果を表1に示す。
【実施例1】
【0033】
実施例1では、次の材料を均一に混合して付加硬化型シリコーン組成物を調製した。
(1) 粘度が600mPa・sである分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(ビニル基の含有量=0.38重量%)100重量部。
(2) ヘキサメチルジシラザンにより表面を疎水化処理された比表面積が200m2/gであるヒュームドシリカ11.4重量部。
(3) アクリロキシプロピルトリメトキシシラン5.71重量部。
(4) 粘度が1.9mPa・sである両末端トリメチルシロキシ封鎖メチルハイドロジェンシロキサン(ケイ素原子結合水素原子の含有量=0.72重量%)2.59重量部。
但し、上記オルガノポリシロキサンおよびアクリロキシプロピルトリメトキシシランのアルケニル基に対するケイ素原子結合水素原子のモル比は1.00である。
(5) 白金濃度が0.5重量%である白金とジビニルテトラメチルジシロキサンとの錯体2.29重量部。
【0034】
この付加硬化型シリコーン組成物の粘度は5,600センチポイズであり、取扱作業性は良好であった。この付加硬化型シリコーン組成物を80℃で30分間加熱してシリコーン硬化物を形成した。このシリコーン硬化物の硬度および接着性を観察した。これらの結果を表1に示した。
【実施例2】
【0035】
実施例2では、次の材料を均一に混合して付加硬化型シリコーン組成物を調製した。
(1) 粘度が600mPa・sである分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(ビニル基の含有量=0.38重量%)100重量部。
(2) ヘキサメチルジシラザンにより表面を疎水化処理された比表面積が200m2/gであるヒュームドシリカ11.4重量部。
(3) アクリロキシプロピルトリメトキシシラン5.71重量部。
(4) 粘度が1.9mPa・sである両末端トリメチルシロキシ封鎖メチルハイドロジェンシロキサン(ケイ素原子結合水素原子の含有量=0.72重量%)3.11重量部。
但し、上記オルガノポリシロキサンおよびアクリロキシプロピルトリメトキシシランのアルケニル基に対するケイ素原子結合水素原子のモル比は1.20である。
(5) 白金濃度が0.5重量%である白金とジビニルテトラメチルジシロキサンとの錯体2.29重量部。
【0036】
この付加硬化型シリコーン組成物の粘度は5,400センチポイズであり、取扱作業性は良好であった。この付加硬化型シリコーン組成物を80℃で30分間加熱してシリコーン硬化物を形成した。このシリコーン硬化物の硬度および接着性を観察した。これらの結果を表1に示した。
【実施例3】
【0037】
実施例3では、次の材料を均一に混合して付加硬化型シリコーン組成物を調製した。
(1) 粘度が600mPa・sである分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(ビニル基の含有量=0.38重量%)100重量部。
(2) ヘキサメチルジシラザンにより表面を疎水化処理された比表面積が200m2/gであるヒュームドシリカ11.4重量部。
(3) アクリロキシプロピルトリメトキシシラン5.71重量部。
(4) 粘度が1.9mPa・sである両末端トリメチルシロキシ封鎖メチルハイドロジェンシロキサン(ケイ素原子結合水素原子の含有量=0.72重量%)3.89重量部。
但し、上記オルガノポリシロキサンおよびアクリロキシプロピルトリメトキシシランのアルケニル基に対するケイ素原子結合水素原子のモル比は1.50である。
(5) 白金濃度が0.5重量%である白金とジビニルテトラメチルジシロキサンとの錯体2.29重量部。
【0038】
この付加硬化型シリコーン組成物の粘度は5,400センチポイズであり、取扱作業性は良好であった。この付加硬化型シリコーン組成物を80℃で30分間加熱してシリコーン硬化物を形成した。このシリコーン硬化物の硬度および接着性を観察した。これらの結果を表1に示した。
【実施例4】
【0039】
実施例4では、次の材料を均一に混合して付加硬化型シリコーン組成物を調製した。
(1) 粘度が600mPa・sである分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(ビニル基の含有量=0.38重量%)100重量部。
(2) ヘキサメチルジシラザンにより表面を疎水化処理された比表面積が200m2/gであるヒュームドシリカ11.4重量部。
(3) アクリロキシプロピルトリメトキシシラン5.71重量部。
(4) 粘度が1.9mPa・sである両末端トリメチルシロキシ封鎖メチルハイドロジェンシロキサン(ケイ素原子結合水素原子の含有量=0.72重量%)2.07重量部。
但し、上記オルガノポリシロキサンおよびアクリロキシプロピルトリメトキシシランのアルケニル基に対するケイ素原子結合水素原子のモル比は0.80である。
(5) 白金濃度が0.5重量%である白金とジビニルテトラメチルジシロキサンとの錯体2.29重量部。
【0040】
この付加硬化型シリコーン組成物の粘度は5,800センチポイズであり、取扱作業性は良好であった。この付加硬化型シリコーン組成物を80℃で30分間加熱してシリコーン硬化物を形成した。このシリコーン硬化物の硬度および接着性を観察した。これらの結果を表1に示した。
【実施例5】
【0041】
実施例5では、次の材料を均一に混合して付加硬化型シリコーン組成物を調製した。
(1) 粘度が600mPa・sである分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(ビニル基の含有量=0.38重量%)100重量部。
(2) ヘキサメチルジシラザンにより表面を疎水化処理された比表面積が200m2/gであるヒュームドシリカ11.4重量部。
(3) アクリロキシプロピルトリメトキシシラン5.71重量部。
(4) 粘度が1.9mPa・sである両末端トリメチルシロキシ封鎖メチルハイドロジェンシロキサン(ケイ素原子結合水素原子の含有量=0.72重量%)3.89重量部。
但し、上記オルガノポリシロキサンおよびアクリロキシプロピルトリメトキシシランのアルケニル基に対するケイ素原子結合水素原子のモル比は0.80である。
(5) 白金濃度が0.5重量%である白金とジビニルテトラメチルジシロキサンとの錯体2.29重量部。
(6)ヤマグチマイカ社製湿式粉砕マイカYM−21S(マスコバイト、平均粒子径23μm、アスペクト比70)61.65重量部。
【0042】
この付加硬化型シリコーン組成物の粘度は19,500センチポイズであり、取扱作業性は良好であった。この付加硬化型シリコーン組成物を80℃で30分間加熱してシリコーン硬化物を形成した。このシリコーン硬化物の硬度および接着性を観察した。これらの結果を表1に示した。
【0043】
[比較例1]
比較例1として、次の材料を均一に混合して付加硬化型シリコーン組成物を調製した。
(1) 粘度が600mPa・sである分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(ビニル基の含有量=0.38重量%)100重量部。
(2) ヘキサメチルジシラザンにより表面を疎水化処理された比表面積が200m2/gであるヒュームドシリカ11.4重量部
(3) アクリロキシプロピルトリメトキシシラン5.71重量部。
(4) 粘度が1.9mPa・sである両末端トリメチルシロキシ封鎖メチルハイドロジェンシロキサン(ケイ素原子結合水素原子の含有量=0.72重量%)1.81重量部。
但し、上記オルガノポリシロキサンおよびアクリロキシプロピルトリメトキシシランのアルケニル基に対するケイ素原子結合水素原子のモル比は0.70である。
(5) 白金濃度が0.5重量%である白金とジビニルテトラメチルジシロキサンとの錯体2.29重量部。
【0044】
この付加硬化型シリコーン組成物の粘度は5,400センチポイズであり、取扱作業性は良好であった。この付加硬化型シリコーン組成物を80℃で30分間加熱してシリコーン硬化物を形成した。このシリコーン硬化物の硬度および接着性を観察した。これらの結果を表1に示した。
【0045】
[比較例2]
比較例2として、次の材料を均一に混合して付加硬化型シリコーン組成物を調製した。
(1) 粘度が600mPa・sである分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(ビニル基の含有量=0.38重量%)100重量部。
(2) ヘキサメチルジシラザンにより表面を疎水化処理された比表面積が200m2/gであるヒュームドシリカ11.4重量部。
(3) アクリロキシプロピルトリメトキシシラン0重量部(添加しないもの)。
(4) 粘度が1.9mPa・sである両末端トリメチルシロキシ封鎖メチルハイドロジェンシロキサン(ケイ素原子結合水素原子の含有量=0.72重量%)1.81重量部。
但し、上記オルガノポリシロキサンおよびアクリロキシプロピルトリメトキシシランのアルケニル基に対するケイ素原子結合水素原子のモル比は1.00である。
(5) 白金濃度が0.5重量%である白金とジビニルテトラメチルジシロキサンとの錯体2.29重量部。
【0046】
この付加硬化型シリコーン組成物の粘度は5,400センチポイズであり、取扱作業性は良好であった。この付加硬化型シリコーン組成物を80℃で30分間加熱してシリコーン硬化物を形成した。このシリコーン硬化物の硬度および接着性を観察した。これらの結果を表1に示した。
【0047】
【表1】

【0048】
【表2】

【0049】
この表1及び各実施例及び比較例の組成を示す表2から分かるように、B成分を含まない比較例2においては、コンデンサの外装ケースとして使用されるアルミニウム及びコンデンサの封口部材として使用されるフェノール樹脂に対する十分な接着性を得ることができない。また、C成分である両端末トリメチルシロキシ封鎖メチルハイドロジェンシロキサン中のケイ素原子結合水素原子のモル比が本発明の0.8に満たない比較例1では、組成物が硬化しないので、接着剤として機能しない。また、実施例5においては、マイカを入れることによって硬度が高まる。
【0050】
一方、C成分である両端末トリメチルシロキシ封鎖メチルハイドロジェンシロキサン中のケイ素原子結合水素原子のモル比を1.0〜1.5の範囲とした実施例1〜3においては、組成物の十分な硬化と、アルミニウム及びフェノール樹脂に対する接着性が確認された。この実施例は、本発明のC成分に関する「ケイ素原子結合水素原子のモル比が0.8未満である組成物は十分に硬化しないためであり、また、これが1.5より多いと硬化時に発泡したり、物性の経時変化の原因となる。」という知見を裏付けるものである。
【実施例6】
【0051】
次に、前記のような付加硬化型シリコーン組成物を使用したコンデンサの構成例を図面に従って説明する。なお、実施例6以下に示すコンデンサにおいて使用する付加硬化型シリコーン組成物としては、実施例1〜3のものに限定されず、本発明の請求項において規定された組成物を適宜使用できる。また、各実施例は、コンデンサの外装ケースと封口部材の密封構造を示したが、使用される外装ケースとしては、円(真円)筒状、楕円形や長円形の筒状、角筒状の部材を使用することができる。更に、外装ケースと封口部材以外の密封性を要求される箇所、例えば、封口部材とそれに設けた外部端子との隙間など、コンデンサにおいてアルミニウムや銅などの金属部材とフェノール樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂等の硬質部材やゴム等の弾性部材などの接合用として広く使用することができる。
【0052】
例えば、コンデンサ素子から引き出されたリード端子を貫通させ、かつ、保持するための貫通孔が形成されたゴム等の封口部材を用いる場合、前記リード端子と前記封口部材との接触面や、貫通孔とリード端子との隙間に前記付加硬化型シリコーン組成物を充填、硬化することで接着性を高め、密封性を高めることができる。特に前記リード端子として、丸棒部の先端部に金属線を接続した形状を有するものについては、前記封口部材の貫通孔と前記金属線の間に隙間が生じることがあり、前記隙間に前記付加硬化型シリコーン組成物を充填、硬化することで接着性を高め、密封性を更に高めることができる。
【0053】
また、コンデンサ素子から引き出された端子と接続する外部端子を埋め込んだ硬質封口部材を用いる場合においても、前記リード端子と前記硬質封口部材との接触面や隙間に前記付加硬化型シリコーン組成物を充填、硬化することで接着性を高め、密封性を高めることができる。
【0054】
図1は、内部にコンデンサ素子(図示せず)を挿入したコンデンサの外装ケース1の開口部を封口部材2によって密封するにあたり、両者の隙間を前記付加硬化型シリコーン組成物3によって接合したものである。すなわち、外装ケース1はアルミニウム製の有底筒状の部材から構成され、その開口縁には、外装ケース1の内側に向かってしかも外装ケース1の内側面全域にわたって無端状に突出した一対の凸部11,12が形成されている。この一対の凸部11,12は、封口部材2の周縁部の厚さに合わせた間隔で離れて設けられ、外装ケース1の開口部を加締め処理することにより封口部材2の周縁部をその間に挟持している。
【0055】
前記封口部材2は、外装ケース1の内側にはめ込まれて、その開口部を塞ぐ部材であって、その周縁部には、外装ケース1の一対の凸部11,12に挟持される凸部21が設けられている。この場合、凸部21は封口部材2の中央部分の厚さと同じ厚さでも良いし、図示のように、中央部分よりも薄くなっていて、封口部材2の周縁部に凹部22を形成するものでも良い。外装ケース1と封口部材2とは、外装ケース1の加締め処理によって一体に固定されているが、この加締め処理のみによってコンデンサに必要な気密性を確保するものではない。なお、この封口部材2には、外装ケース1内部に収納した図示しないコンデンサ素子と接続された外部電極23が設けられている。
【0056】
前記外装ケース1と封口部材2との接合部分の隙間は、前記付加硬化型シリコーン組成物3によって密封されている。この付加硬化型シリコーン組成物3は、実施例1では、封口部材2の周縁部に形成された凹部22内に充填される。この場合、本実施例では、凹部22の深さが外装ケース1の凸部11の肉厚よりも大きくなっているので、付加硬化型シリコーン組成物3はこの凸部11もその内部に埋め込んでいる。本発明において、凸部11は付加硬化型シリコーン組成物3によって埋め込まれており、凸部11は外部に露出していないが、付加硬化型シリコーン組成物3はそのガス透過性と所望の透過量に応じて、充填量を定めればよく、凸部11を埋め込むことなく、一部が露出していても良い。
【0057】
このような構成を有する本実施例のコンデンサにおいては、付加硬化型シリコーン組成物3より、外装ケース1と封口部材2の接合部分を封止することにより、封口部分の気密性を確保することができる。この場合、加締め部分については、突起により封口部材を挟んで固定する構造とし、気密性は樹脂により達成されるため、気密性は向上する。
【0058】
特に、長辺部と湾曲部とを備えた長円形の外装ケースを使用する偏平型コンデンサにおいては、長辺部と湾曲部とでは曲率半径が異なるので、回転式の成形体を押し付けて成形圧力を加えても、成形力を均等に加えることが難しく、加締め処理だけでは必要な気密性を得ることができない場合がある。しかし、本実施例では、外装ケースの開口縁部の加締め処理のみで気密性を確保する構造ではなく、付加硬化型シリコーン組成物にて気密性を確保しているため、封口部材に硬質部材を用いた場合においても別途ゴムリング等の軟質部材を設ける必要がない。そのため、ゴムリングを製造する金型やゴム部材が不要となり、コストの低減が可能となる。また、高温での長期使用で生じる劣化による封口強度の低下という問題も生じない。
【0059】
また、封口部材を上下の突起部により固定することができるため、樹脂へ強度を求める必要がなくなり、接着性について選択の範囲が広くなり、例えば、本発明の付加硬化型シリコーン組成物のようなガス透過性を有する樹脂を選択することが可能である。その結果、安全弁の動作タイミングを遅らせてコンデンサ寿命の延命化を図ることも可能となる。
【実施例7】
【0060】
図2は、本発明のコンデンサの他の実施例を示すものである。本実施例では、外装ケース1の開口部に1つの凸部13を形成し、この凸部13を封口部材2の周縁部端面に形成した凹部24内に、外装ケース1の加締め処理により嵌合したものである。本実施例でも、封口部材2の周縁部上面には凹部22が形成され、この凹部22内に前記付加硬化型シリコーン組成物3を充填し、硬化させることで、外装ケース1と封口部材2との気密性が確保されている。
【0061】
この外装ケース1と封口部材2との加締め構造は、図1や図2に示すものに限定されない。図3は、図1の実施例の変形例であって、外装ケース1本体よりも大径の封口部材2を使用し、封口部材2の周縁部全体を外装ケース1の本体よりも外側に膨らんだ凹部14により挟持したものである。
【0062】
本実施例においても、前記実施例6と同様に、外装ケース1と封口部材2との機械的な結合強度は、両者の加締め処理によって確保され、気密性は凹部22内に充填、硬化させた付加硬化型シリコーン組成物3によって確保される。よって、前記実施例6に示したような効果が発揮される。
【実施例8】
【0063】
本実施例は、付加硬化型シリコーン組成物3のガス透過性を積極的に利用するために、外装ケース1と封口部材2との間にガス透過孔4を形成し、このガス透過孔4の部分を付加硬化型シリコーン組成物3によって塞いだものである。図4は、封口部材2の外周部と外装ケース1の内面との間にガス透過孔4が形成されるように、封口部材2外周部端面に封口部材2を貫通する断面半円形のガス透過孔4を設けた事例である。図5は、封口部材2の一部(付加硬化型シリコーン組成物3を充填する部分)に、封口部材2を貫通するガス透過孔4を設けた事例である。
【0064】
本実施例によれば、外装ケース1と封口部材2との加締め作業による両者の密封性に影響させることなく、外装ケース1と封口部材2との通気性を一定に保持することができる。そのため、付加硬化型シリコーン組成物3の有するガス透過性と、外装ケース1と封口部材2との気密性を考慮して、コンデンサ内のガス圧の制御をより正確に実施できる。
【0065】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0066】
例えば、図1から図3の実施例では、封口部材2の周縁に凹部22を設けているが、封口部材2の周縁に凹部22を設けることなく、外装ケース1の内面と封口部材2の周縁部表面との間に、付加硬化型シリコーン組成物3を盛り上げるように充填、硬化させてもよい。また、図2の実施例では、外装ケース1に形成する凸部13と、これが嵌合する封口部材2の端面の凹部24とを角型形状としているが、半円弧状の部材としたものであってもよい。
【0067】
また、実施例において凸部は、内側面全域にわたって無端状に突出しているが、封口部材を固定することができる程度に分断させた形状としてもよい。
【0068】
さらに、外装ケースの形状として、長円形、楕円形、多角形の筒状部材からなり、封口部材の開口部を塞ぐ形状の板状部材から構成されていてもよい。
【0069】
本実施例においては、外装ケースとして有底筒状のものを用いた電解コンデンサを例示したが、これに限らず、底を有さないパイプ状の外装ケースを用いて、2つの開口部から夫々リード端子や外部端子を引き出す構造としてもよい。
【0070】
本実施例においては、外装ケースと封口部材との機械的強度は加締め処理により確保しているが、外装ケースと封口部材とを全部または一部溶接することによって機械的強度を確保してもよい。
【0071】
本実施例においては、コンデンサとして電解コンデンサを例示したが、これに限らず、電気二重層コンデンサを用いることもできる。
【符号の説明】
【0072】
1…外装ケース
11,12,13…凸部
2…封口部材
21…凸部
22,24…凹部
23…外部電極
3…付加硬化型シリコーン組成物
4…ガス透過孔


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)25℃における粘度が50〜100,000mPa・sであり、一分子に平均2個以上のケイ素原子結合アルケニル基を含有し、重合度が4〜10である環状ジオルガノシロキサンの含有量が0.1重量%以下であるオルガノポリシロキサン100重量部、
(B)分子中に末端アルケニル基を有するアルコキシシラン0.01〜10重量部、
(C)1分子中に平均2個以上のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサンを、前記(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基および(B)成分のアルケニル基1モルに対して、本成分中のケイ素原子結合水素原子が0.8〜1.5モルとなる量、
(D)白金族金属系触媒を前記(A)成分、(B)成分および(C)成分の合計量に対して、本成分中の白金族金属が重量単位で0.01〜1000ppmとなる量からなる付加硬化型シリコーン組成物。
【請求項2】
請求項1記載の(B)成分が、末端アルケニル基を有するアルコキシシランを含むアルコキシシラン類の部分加水分解縮合物からなる請求項1記載の付加硬化型シリコーン組成物。
【請求項3】
請求項1記載の(B)成分が、アクリロキシプロピルトリメトキシシランからなる請求項1記載の付加硬化型シリコーン組成物。
【請求項4】
金属または樹脂で形成した筒状又はパイプ状の外装ケースにコンデンサ素子を収納し、外装ケースの開口部を前封口部材にて封口するコンデンサにおいて、
前記封口部材と外装ケースを請求項1から請求項3の何れかに記載の付加硬化型シリコーン組成物によって封止したことを特徴とするコンデンサ。
【請求項5】
金属または樹脂で形成した筒状の外装ケースにコンデンサ素子と封口部材を挿入し、前封口部材を外装ケースの開口部の変形又は溶接により固定するコンデンサにおいて、
前記封口部材と外装ケースを請求項1から請求項3の何れかに記載の付加硬化型シリコーン組成物によって封止したことを特徴とするコンデンサ。
【請求項6】
前記外装ケースと封口部材との加締め構造が、外装ケースの内側面に形成された一対の凸部によって、封口部材の周縁部が挟持されていることを特徴とする請求項4に記載のコンデンサ。
【請求項7】
前記外装ケースと封口部材との加締め構造が、封口部材の端面に形成された凹部内に、外装ケースの内側面に形成された凸部を圧入されていることを特徴とする請求項4に記載のコンデンサ。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−1673(P2012−1673A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−139889(P2010−139889)
【出願日】平成22年6月18日(2010.6.18)
【出願人】(000006714)横浜ゴム株式会社 (4,905)
【出願人】(000228578)日本ケミコン株式会社 (514)
【Fターム(参考)】