説明

会議支援システムとそのサーバ装置及びプログラム

【課題】閲覧者が意見集約のプロセスを正確にかつ効率良く把握できるようにする。
【解決手段】撮像記録されたボード映像データを閲覧者のユーザ端末PC1〜PCnに表示する際に、上記ボード映像データから検出されたボード1上におけるカードの状態変化を表す情報をもとに会議において話題の中心になっているカードを推定し、この推定されたカードを含む注目範囲を示すフォーカス表示パターンM21を上記ボード映像データに重ね合わせて表示するようにし、さらにフォーカス表示パターンM21により示される注目範囲に含まれるカード画像をカード画像データベース13aから読み出してフォーカス表示エリアM3に拡大表示するようにすると共に、フォーカス表示パターンM21により示される注目範囲に相互に重なり合う複数のカードが含まれている場合に、この重なり合う複数のカードの画像を展開表示エリアM4に展開表示するようにしたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、会議内容の電子化および電子化された会議情報を閲覧するための会議情報管理システム、およびサーバ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
会議やワークショップの場において利用される意見集約法の1つとして、KJ法が知られている。KJ法は、ブレーンストーミング等で出されたアイディアや意見、又は各種調査の現場から収集された雑多な情報を1つずつ小さなカード(紙切れ)に書き込み、それらのカードの中から内容の近いもの同士を集めてグループ化してゆく作業の中で、テーマの解決に役立つヒントやひらめきを生み出していこうとするものである。
【0003】
KJ法の基本的な手順を以下に示す。はじめに、参加者は発想したアイディアや収集した情報などのデータを1つずつ1枚の小さなカードに書き込んでいく。次に、作成したカード群を机などに並べて、カードに書かれたデータが同類の内容であるカード同士を集めグループを作成する。また、作成した各グループには、その内容を要約した表札をつける。カードのグループ編成は、まず、小グループを作り、次に小グループを同士で中グループを、さらに中グループ同士で大グループを作成していく。このようにKJ法を使用すると、カードのグループ編成を繰り返しながら様々な意見を集約して、テーマ解決に役立つヒントを導き出すことが可能である(例えば、非特許文献1および非特許文献2参照。)。
【0004】
ところで、最近上記KJ法を使用した会議やワークショップにおいて、意見集約のプロセスを記録しておき、この記録された情報を必要に応じて再利用する試みがなされている。プロセスの記録手法としては、例えばビデオカメラを使用してカードのグループ化作業の過程を記録するものが使用される。このようにすると、例えば記録された意見集約のプロセスを時間的及び空間的に異なる場所(バーチャルな場)で閲覧可能にすることで、会議に参加できなかった人が会議の流れと内容を把握することができる。
【0005】
【非特許文献1】独立行政法人 雇用・能力開発機構 生涯職業能力開発促進センター、“KJ法”、[online]、「Ability Garden (生涯職業能力開発促進センター・ホームページ)」、[平成16年8月3日検索]、インターネット<URL:http://nokai.ab-garden.ehdo.go.jp/giho/43.html>
【0006】
【非特許文献2】川喜田二郎著、「KJ法−渾沌をして語らしめる」、中央公論社、1986年、p.121−169
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、従来のシステムでは、記録された意見集約のプロセスをバーチャルな場で会議に参加できなかった人が閲覧する場合、記録されたプロセスを単に閲覧者の表示装置に表示させるものとなっている。このため、閲覧者にとっては会議の流れやポイントを把握し難く、情報伝達効率が悪いという問題があった。
【0008】
この発明は上記事情に着目したもので、その目的とするところは、閲覧者が意見集約のプロセスを正確にかつ効率良く把握することを可能にした会議支援システムとそのサーバ装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するためにこの発明に係わる会議支援システムとそのサーバ装置及びプログラムは、撮像記録された会議画像を閲覧者の表示装置に表示する際に、上記会議画像から検出されたボード上におけるカードの状態変化を表す情報をもとに会議において話題の中心になっているカードを推定する。そして、この推定されたカードを含む注目範囲を示すフォーカス表示パターンを上記会議画像に重ね合わせて表示させるようにしたものである。これにより、自動的に話題の中心になっている部分を追跡して表示されるため、閲覧者は会議における話題の中心を正確にかつ効率良く把握することが可能になる。
【0010】
またこの発明は次のような各種構成を備えることも特徴とする。
第1の構成は、入力操作情報に応じて、フォーカス表示パターンの表示位置、形状及びサイズの少なくとも一つを可変に設定するようにする。このように構成すると、例えば閲覧者またはシステムオペレータは、話題の中心が他にもあると判断した場合にフォーカス表示パターンにより示される注目範囲を任意に変化させることができる。
【0011】
第2の構成は、フォーカス表示パターンにより示される注目範囲に含まれるカードの画像を、表示装置の第2の表示領域に拡大表示させるようにしたものである。これにより、全体画像の一覧性を確保しつつ、閲覧者は全体画像のうち注目範囲に含まれるカードの記載内容をより一層明瞭に視認することが可能となる。
【0012】
第3の構成は、フォーカス表示パターンにより示される注目範囲に相互に重なり合う複数のカードが含まれている場合に、この重なり合う複数のカードの画像を表示装置の第3の表示領域に展開表示させるようにしている。このようにすると、閲覧者は注目範囲内の重ね合わされた複数のカードの記載内容をそれぞれ視認することが可能となる。よって、意見集約プロセスにおいて作成されたグループがどのような内容のカードの組み合わせで構成されているかを明瞭に把握することができる。
【0013】
第4の構成は、表示装置に表示されている会議画像の会議期間全体における時間位置を検出し、検出された時間位置を表す会議経過表示情報を生成して表示させるように構成する。これにより、閲覧者は現在再生中の画像が会議全体の中でどの時間位置にあるものかを確認することができる。
【発明の効果】
【0014】
要するにこの発明では、撮像記録された会議画像を閲覧者の表示装置に表示する際に、上記会議画像から検出されたボード上におけるカードの状態変化を表す情報をもとに会議において話題の中心になっているカードを推定し、この推定されたカードを含む注目範囲を示すフォーカス表示パターンを上記会議画像に重ね合わせて表示させるようにしている。
【0015】
したがってこの発明によれば、閲覧者が意見集約のプロセスを正確にかつ効率良く把握することを可能にした会議支援システムとそのサーバ装置及びプログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は、この発明に係わる会議支援システムの一実施形態を示す概略構成図である。このシステムは、サーバ装置SV、ボード撮像装置VI、カード撮像装置CA、通信ネットワークNW、及びユーザ端末PC1〜PCnを備える。サーバ装置SVは、会議情報管理装置としての機能を備えたもので、上記ボード撮像装置VIにより撮像された映像データをケーブルを介して取り込む機能と、上記カード撮像装置CAにより撮像された画像データをケーブルを介して取り込む機能とを備える。
【0017】
ユーザ端末PC1〜PCnはパーソナル・コンピュータにより構成され、表示装置とキーボードやマウスなどの入力装置を備えている。これらのユーザ端末PC1〜PCnは、会議の閲覧者たるユーザがバーチャルな場で会議の模様を閲覧するための使用する。
【0018】
通信ネットワークNWは、システムが例えば事業所内又はオフィス内に構築される場合であればLAN(Local Area Network)により構成される。一方、システムが複数の事業所やオフィスに跨って構成される場合には、インターネットに代表されるコンピュータ・ネットワークと、このコンピュータ・ネットワークとユーザ端末PC1〜PCnとの間を接続するための加入者網とから構成される。
【0019】
図2は、図1に示すシステムにおける会議情報の記録の様子を示す図である。同図において、ボード1は、机上または壁などに備えられ、このボード1上においてKJ法等による意見集約のプロセスが実行される。このプロセスは、例えば意見を記入したカード21〜2iをボード1上に配置し、これらのカード21〜2iを参加者がボード1上で移動させて、記入された意見の近いもの同士でグループを作成することにより行われる。ボード1は、市販のホワイトボードや模造紙等でも良いし、会場の壁や机をそのまま利用しても構わない。
【0020】
カード21〜2iは、図3に示すように意見記入エリア21Aと、カード識別エリアとを備える。意見記入エリア21Aは、会議参加者がペンなどを用いて意見を記載する領域である。カード識別エリアには2次元バーコード21Bが表示される。2次元バーコード21Bは、カードごとに固有の個別識別情報(以下、カードIDと呼称する)を含み、カードに予め記載される。なお、2次元バーコード21Bに代えて、図4に示すカード21′〜2i′ように1次元バーコード21B′を使用することも可能である。また、カード21〜2iは、ペンなどの筆記具を用いて意見が記入できるものであれば形状及び材質には制限はなく、例えば市販されている粘着剤付きの付箋紙などが利用できる。
【0021】
ボード撮像装置VIは例えば動画の撮像が可能なビデオカメラからなり、意見集約が行われるボード1全体を時間経過にしたがって撮像する。そして、この撮像により得られるボード映像データとディジタル音声データを、例えばDVケーブルなどのケーブルを介して接続されるサーバ装置SVへ入力する。
【0022】
カード撮像装置CAは例えばディジタルスチルカメラにより構成され、カード21〜2iの意見記入エリア21A及びカード識別エリアを一枚ずつ撮像する。そして、この撮像により得られたカード画像データを、例えばUSBケーブルなどのケーブルを介して接続されるサーバ装置SVへ入力する。
【0023】
なお、上記ボード撮像装置VI及びカード撮像装置CAが撮像されたボード映像データ及びカード画像データを記録媒体に記録する機能を備えている場合には、上記撮像により得られたボード映像データとディジタル音声データ、及びカード画像データを一旦上記記録媒体に記録し、この記録媒体をサーバ装置SVのドライブにセットすることで、上記各データをサーバ装置SVに取り込むようにしてもよい。
【0024】
ところで、サーバ装置SVは次のように構成される。図5は、その機能構成を示すブロック図である。
サーバ装置SVは、マイクロプロセッサなどの中央処理ユニット(CPU:Central Processing Unit)11を備える。このCPU11には、バス12を介してデータメモリ13およびプログラムメモリ14が接続され、さらにビデオ入力インタフェース(ビデオ入力I/F)15、カメラ入力インタフェース(カメラ入力I/F)16、及び通信インタフェース(通信I/F)17が接続されている。
【0025】
ビデオ入力I/F15は、CPU11制御の下、ボード撮像装置VIからケーブルを介して送信されるボード映像データの受信処理を行う。カメラ入力I/F16は、CPU11制御の下、カメラ撮像装置CAからケーブルを介して送信されるカード画像データの受信処理を行う。通信I/F17は、CPU11の制御の下、通信ネットワークNWを介してユーザ端末PC1〜PCnとの間で通信を行う。
【0026】
データメモリ13は、記憶媒体として例えばRAM又はハードディスクを使用したもので、データメモリ13には、カード画像データベース13a、カード位置データベース13b、映像・音声データベース13c、及び閲覧者データベース13dが設けられる。
【0027】
カード画像データベース13aには、上記カメラ入力I/F16を介してカード撮像装置CAから読み込まれたカード画像データが、予めカードに記載された2次元バーコード21Bにより表されるカードIDに対応付けて記憶される。図6はその記憶結果の一例を示すもので、この例では各カード21〜2iのカード画像201〜20iを、カードID(C1〜Cn)に対応付けて記憶した場合を示している。
【0028】
カード位置データベース13bには、ボード1上のカード21〜2iの状態変化、すなわち貼付、移動及び剥除などが行われた際のカードの位置情報が記憶される。この位置情報は、撮影時刻ごとに発行された時刻ID(T1〜Tj)と、その時刻、動作対象のカードID、カード位置、及びカードの重なりの有無を表す重なりフラグにより構成される。図7にその記憶結果の一例を示す。
【0029】
映像・音声データベース13cには、ボード撮像装置VIからビデオ入力I/F15を介して取り込まれたボード映像10xが記憶される。
閲覧者データベース13dには、閲覧者がユーザ端末PC1〜PCnを用いて入力した閲覧者情報が格納される。閲覧者情報は、閲覧者登録の際に発行される閲覧者IDとパスワード、閲覧日時および閲覧の進捗状況とから構成される。図8にその記憶結果の一例を示す。
【0030】
プログラムメモリ14には、この発明に係わる制御プログラムとして、会議情報保存用プログラム群と、会議情報閲覧用プログラム群が格納される。会議情報保存用プログラム群は、カードID認識プログラム141a、カード画像登録プログラム141b、カード位置検出プログラム141c及びカード位置登録プログラム141dにより構成される。また、会議情報閲覧用プログラム群は、フォーカス表示プログラム142a、重なり展開プログラム142b、再生制御プログラム142c、142d閲覧者登録プログラム、及び閲覧者管理プログラム142eにより構成される。
【0031】
カードID認識プログラム141aは、撮像されたカード画像201〜20i及びボード映像10xの各フレームから、カードに記載された2次元バーコード情報21Bを解読し、カードIDを認識する。
カード画像登録プログラム141bは、カード撮像装置CAからカメラ入力I/F16を介して取り込んだカード画像201〜20iを、上記カードID認識プログラム141aにより認識されたカードIDに対応付けてカード画像データベース13aに記憶させる。
【0032】
カード位置検出プログラム141cは、ボード撮像装置VIからビデオ入力I/F15を介して取り込んだボード映像10xのフレームごとに、当該フレームに含まれるカード画像201〜20iのバーコードを認識する。そして、この認識されたバーコードの位置をもとにボード映像10x上におけるカード画像201〜20iの位置を検出する。
【0033】
カード位置登録プログラム141dは、ボード映像10xのフレームごとに、上記カード位置検出プログラム141cにより検出されたカード画像201〜20iの位置を、1つ前のフレームにおいて検出されたカード画像201〜20iの位置と比較する。そして、位置変化が検出されたカード画像201〜20iについてその変化履歴情報を生成してカード位置データベース13bに記憶する。変化履歴情報は、当該カード画像のフレーム撮影時刻(タイムスタンプ)ごとに発行された時刻IDと、上記カードIDと、検出された位置情報と、重なりフラグとから構成される。
【0034】
フォーカス表示プログラム142aは、カード位置データベース13bに記憶された各カードの変化履歴情報をもとに、会議において話題の中心になっているカードを推定する。そして、推定されたカードを含む注目範囲を示すフォーカス表示パターンを生成し、この生成されたフォーカス表示パターンを、ボード映像に重ね合わせてボード画像表示エリアに表示させる。
【0035】
またフォーカス表示プログラム142aは、ユーザ端末PC1〜PCnにおいて閲覧者によりフォーカス表示パターンの表示位置を変更するための操作が行われた場合に、この操作に応じて上記フォーカス表示パターンの表示位置、形状及びサイズの少なくとも1つを変更する。
【0036】
さらにフォーカス表示プログラム142aは、上記フォーカス表示パターンにより示される注目範囲で囲まれた部分に含まれるカードの画像をカード画像データベース13aから読み出す。そして、読み出したカードの画像をカード位置データベース13bに記憶された位置情報に基づいて上記ボード表示エリアとは別のフォーカス表示エリアに拡大表示する。また、このフォーカス表示エリアには拡大/縮小ボタンを表示し、閲覧者がこの拡大/縮小ボタンを操作した場合に、上記部分画像の表示サイズを変更する機能も有する。
【0037】
重なり展開プログラム142bは、上記フォーカス表示パターンにより示される注目範囲内において、相互に重なり合う複数のカードが含まれているか否かを判定する。そして、相互に重なり合う複数のカードが含まれている場合に、この重なり合う複数のカードの画像を上記カード画像データベース13aから選択的に読み出して、展開表示エリアにそれぞれ表示する。
【0038】
再生制御プログラム142cは、ユーザ端末PC1〜PCnから通信ネットワークNWを介して送信される再生制御コマンドに応じて閲覧画面を作成して配信する。再生制御コマンドには、再生、停止、送り及び戻しを指定するコマンドも含まれる。また、会議時間をある時間単位で複数のチャプタに分割し、これらのチャプタごとに再生制御を行うチャプタ再生機能も備える。
【0039】
閲覧者登録プログラム142dは、サーバ装置SVに記憶されている会議情報の閲覧者を管理するための閲覧者登録制御機能を有する。サーバ装置SVは、ユーザ端末PC1〜PCnから送信された閲覧者登録要求を通信NWを介して受信すると、閲覧者ID及びパスワードを発行して、要求元のユーザ端末PC1〜PCnに送信する。また、発行された閲覧者ID及びパスワードをデータメモリ13に設けられた閲覧者データベース13dに格納する。
【0040】
閲覧者管理プログラム142eは、閲覧者の認証、及び会議情報の閲覧の進捗管理などを行う。閲覧者の認証は、ユーザ端末PC1〜PCnから上記閲覧者登録プログラム142dにより発行された閲覧者ID及びパスワードを送信して行う。サーバ装置SVは、受信した閲覧者ID及びパスワードを閲覧者データベース13dに格納された閲覧者ID及びパスワードと照合し、両者が合致すれば会議情報の閲覧を開始する。また、閲覧の進捗管理は、閲覧者ごとに閲覧日時と閲覧進捗を閲覧者データベース13dに記憶して行われる。閲覧者がユーザ端末PC1〜PCnから会議情報を閲覧すると、閲覧日時および進捗が自動的に記憶される。閲覧されていない場合は、閲覧日時および進捗にそれぞれ“NULL”が格納される。
【0041】
次に、以上のように構成された会議支援システムにおけるサーバ装置SVの動作を説明する。
(1)会議情報の保存
(1A)カード画像登録処理
会議の管理者は、例えば会議の開始に先立ち、カード撮像装置CAを使用して意見が記載されたカード21〜2iをそれぞれ撮像する。この撮像により得られたカード画像データ201〜20iはケーブルを介してサーバ装置SVに送られる。
【0042】
サーバ装置SVは、上記カード画像データ201〜20iが送られると、次のようにカード画像登録処理を実行する。図6はその処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
すなわち、先ずステップS9aにおいて、カード画像201〜20iをカメラ入力I/F16を介して取り込み、データメモリ13内の受信バッファに保存する。次にステップS9bによりカードID認識プログラム14aを実行し、上記カード画像201〜20iに含まれる2次元バーコードを解読することによりカードIDを認識する。そして、ステップS9cにより、上記認識されたカードIDに対応付けて、上記カード画像201〜20iをカード画像データベース13aに格納する。この結果、カード画像データベース13aには、例えば図6に示すようにカードID(C1〜Cn)に対応付けて各カード21〜2iのカード画像データ201〜20iがもれなく記憶される。
【0043】
(1B)映像・音声データ記憶処理
さて、会議が開始されると、その模様が会議の開始から終了まで、ボード撮像装置VIにより連続的に撮像される。このときの撮像範囲は、ボード1を中心にその周辺に存在する会議参加者が含まれるように設定される。上記撮像により得られたボード映像10x及び音声データは、ケーブルを介してサーバ装置SVに送られる。そして、このボード映像10x及び音声データは、サーバ装置SVにおいてビデオ入力I/F15により受信されたのち、データメモリ13に転送されてその映像・音声データベース13cに蓄積される。
【0044】
(1C)カード位置データベース作成処理
サーバ装置SVは、上記ボード映像10xの蓄積期間中、或いは蓄積終了後に、次のようにカード位置データベース作成処理を実行する。図10はその処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
すなわち、ステップS10aにおいて映像・音声データベース13cからボード映像10xをフレーム単位で読み出し、この読み出されたフレームごとにステップS10bからステップS10lまでの処理を繰り返し行う。
【0045】
まずステップS10cにより、ボード映像10xのあるフレームに対しカードID認識プログラム14aを実行することにより、当該フレームに含まれるすべてのカードの2次元バーコードを解読してカードIDを認識する。そして、ステップS10dにより、上記認識されたすべての2次元バーコードに対してカード位置検出プログラム141bを実行し、上記フレームに含まれるカード画像の位置をすべて検出する。
【0046】
位置の検出は、例えば図11に示すように行われる。すなわち、ボード映像10xにおけるボード1に基点を設定し、基点から2次元バーコードまでのX方向のピクセル数およびY方向のピクセル数を算出する。算出したX方向のピクセル数およびY方向のピクセル数をカード201の位置情報として採用する。ここでは、2次元座標を利用して位置情報の算出を行ったが、2次元に限らず3次元座標系を利用することも可能であり、カード位置が検出できる手法であれば如何なる手法を採用しても構わない。
【0047】
次にサーバ装置SVは、ステップS10eからステップS10kにおいて、当該フレームおよび1つ前のフレームに含まれるカード画像201〜20iについて位置の比較を行う。はじめにステップS10fにおいてカード位置の変化の判定を行う。ここで、カードの位置変化とは、新規カードの追加、移動及び消滅とする。カード21〜2iの追加、移動が検出された場合、続いてステップS10hに移行し、1つ前のフレームにおいて同じ場所に既にカードが存在していたか否かを判定する。つまり、複数のカードの重なりが発生したか否かを判定する。なお、この判定では、バーコードが読み取れない程に完全に重なりあった場合と、既存カードの一部に新たなカードが重なった場合の両方が検出される。
【0048】
上記判定の結果、複数のカードの重なりが検出された場合には、ステップS10iにより重なりフラグをONに設定する。そして、ステップS10jにおいて、例えば図7の時刻ID(T3)のように、当該フレームの撮影時刻(タイムスタンプ)、そのカードIDとカード位置、および重なりフラグをONにしてカード位置データベース13bに記憶する。
【0049】
これに対し、ステップS10hの判定において重なりが検出されない場合には、ステップS10jに移行する。そして、ステップS10jにおいて、例えば図7の時刻ID(T1,T2)のように、当該フレームの撮影時刻、そのカードIDとカード位置、および重なりフラグを“NULL”にしてカード位置データベース13bに記憶する。
【0050】
一方、ステップS10fの判定においてカード21〜2iの消滅が検出された場合には、ステップS10gに移行し、ある一定時間が経過しても当該カードが検出されないかどうかを判定する。この判定は、例えば会議の参加者やカードを移動する手が2次元バーコードを一時的に隠してしまった場合を、カードの消滅として誤判定しないようにするために行われる。上記ステップS10gにおいて、当該カードが検出されない状態がある一定時間続くと、ステップS10jに移行して、例えば図7の時刻ID(T4)のように、当該フレームの撮影時刻、そのカードID、およびカード位置を“NULL”に設定してカード位置データベース13bに記憶する。
【0051】
以後、ボード映像10xのすべてのフレームについて以上述べた処理が繰り返し実行され、この結果会議の開始時点から終了時点までのカード状態の変化履歴を表す情報が記憶される。図7にその記憶結果の一例を示す。
(2)会議情報の配信
次に、上記作成されたカード画像データベース13a、カード位置データベース13bを利用して、会議情報閲覧画面を作成し、この作成した会議情報を通信ネットワークNWを介してユーザ端末PC1〜PCnに配信し表示させる動作について説明する。
【0052】
(2A)会議情報閲覧画面の構成
図12は、ユーザ端末PC1〜PCnに表示される会議閲覧画面の一例を示す図である。この会議閲覧画面は、全体表示エリアM1、ボード表示エリアM2、フォーカス表示エリアM3、展開表示エリアM4、再生制御ボタンM5、時間経過表示部M6、チャプタ再生制御ボタンM7、及びチャプタ進捗表示部M8を備える。
【0053】
全体表示エリアM1には、ボード撮像装置VIで撮像された会議場全体の映像データが表示される。ボード表示エリアM2には、上記会議場全体の映像データのうちのボード1上を撮像したボード映像データが表示される。また、このボード映像データには、注目範囲を示すフォーカス表示パターンM21が重ねられて表示される。このフォーカス表示パターンM21は、マウスでポインタM22を操作することにより任意に移動可能である。フォーカス表示エリアM3には、フォーカス表示パターンM21に囲まれた注目範囲内の部分に含まれるカード画像201〜20iがカード位置データベース13bに記憶された位置情報に基づいて表示される。またこのフォーカス表示エリアM3には、当該フォーカス表示エリアM3に表示される画像の表示サイズを拡大/縮小するためのボタン31,32が表示される。
【0054】
展開表示エリアM4には、例えばカード画像201〜203のように重なっているカードの内容を示すカード画像が展開されて表示される。再生制御ボタンM5は、再生、停止、送り、戻しを行うボタンを備え、会議情報の時間的な再生制御を行い、再生の進捗は時間経過表示部M6に表示される。また、チャプタ再生制御ボタンM7は、会議時間中の再生において希望するチャプタを指定するために使用される。再生中のチャプタは、チャプタ進捗表示部M8に表示される。
【0055】
(2B)会議閲覧情報画面の作成
以上のように構成された会議閲覧情報画面の作成手順について説明する。図13はその処理手順と処理内容を示したフローチャートである。
ユーザ端末PC1〜PCnが通信ネットワークNWを介してサーバ装置SVに接続された状態で、ユーザ端末PC1から会議情報の再生要求コマンドが送信されたとする。そうするとサーバ装置SVのCPU11は、ステップS13aからステップS13fまでの処理をある単位時間で時刻が変化するごとに繰り返し行う。
【0056】
まず、ステップS13bにおいて時刻変化を検知すると、ステップS13cにおいてサーバ装置SVのCPU11は、データメモリ13の映像・音声データベース13cから全体映像データを読み出し、全体表示エリアM1の表示内容をこの読み出された全体映像データに更新する。またそれと共に、映像・音声データベース13cからボード映像データを読み出し、ボード表示エリアM2の表示内容をこの読み出されたボード映像データに更新する。そして、会議記録全体における検知した時刻の時間位置および該当するチャプタを検出し、検出された時間位置およびチャプタに基づいて、時間経過表示部M6およびチャプタ進捗表示部M8をそれぞれ更新する。
【0057】
次にサーバ装置SVのCPU11は、ステップS13dに移行し、カード位置データベース13bにアクセスし、該時刻のカード位置情報が記憶されているかを検索する。該時刻がカード位置データベース13bに存在しない場合はステップS13bに移行し、次の時刻変化を待つ。一方、該時刻が存在する場合はステップS13eに移行し、ここで以下のようにフォーカス表示パターンM21の表示位置の更新処理と、それに伴うフォーカス表示エリアM3における注目する部分に含まれるカード画像の更新処理を実行し、さらに展開表示エリアM4におけるカード画像の更新処理を実行する。図14は、その更新処理手順および処理内容を示すフローチャートである。
【0058】
すなわち、まずステップS14aにおいてカード位置データベース13bにアクセスし、該時刻におけるカードの位置情報を読み出す。そして、ステップ14bにおいて、上記読み出されたカード位置情報をもとに、フォーカス表示パターンM21の表示位置を移動する必要があるか否かを判定する。そして、移動する必要があると判定された場合には、ステップ14cにより上記フォーカス表示パターンM21の表示位置を新たな位置に移動させる。
【0059】
例えば、位置が一定時間内に一定回数以上変化したカードが見つかった場合には、当該カードを会議の話題の中心にあるカードと見なし、このカードを中心とする所定範囲にフォーカス表示パターンM21の表示位置を設定する。また、注目カードの位置が変化した場合には、当該カードの移動先を中心とする位置にフォーカス表示パターンM21を移動させる。さらに、注目カードの位置が一定時間以上移動しないか、或いは消滅した場合には、注目カードを過去の一定時間内に移動した履歴のある他のカードに変更し、このカードを中心とする所定範囲にフォーカス表示パターンM21の表示位置を移動させる。
【0060】
続いてサーバ装置SVのCPU11は、ステップ14dにおいて、上記フォーカス表示パターンM21により囲まれた注目範囲内に含まれる各カードの画像データをカード画像データベース13aから選択的に読み出し、フォーカス表示エリアM3に表示させる。このとき、各カード画像の表示位置は、カード位置データベース13bに記憶された該当するカード位置情報に従う。かくして、フォーカス表示エリアM3には、上記フォーカス表示パターンM21の移動に追従した上で、当該フォーカス表示パターンM21により囲まれた注目範囲に含まれる各カードの画像データが明瞭に拡大表示される。
【0061】
次にサーバ装置SVのCPU11は、ステップS14eにおいて、上記フォーカス表示パターンM21により囲まれた注目範囲に含まれる各カード画像の中に、互いに重なり合うものがあるか否かを判定する。この判定は、カード位置データベース13bに記憶されている重なりフラグにより行われる。すなわち、該当するカードの重なりフラグが“ON”であれば重なり有りと判定し、“NULL”であれば重なり無しと判定する。
【0062】
そして、重なり有りと判定した場合にはステップS14fに移行し、カード画像データベース13aから重なり合っている各カードの画像データを読み出し、この読み出されたカード画像データを、ステップS14gにより図12に示すように展開表示エリアM4に並べて表示する。したがって、フォーカス表示エリアM3に表示された各カード画像の中に互いに重なり合うものが存在する場合でも、これらのカード画像に記載された意見の内容をもれなく閲覧者に提示することができる。なお、重なりフラグが“NULL”の場合には、展開表示エリアM4へのカード画像データの表示は行われない。
【0063】
(2C)閲覧操作
最後にユーザ端末PC1〜PCnにおいて、通信ネットワークNWを介して上記作成された会議情報を閲覧する動作について説明する。閲覧者は、予め閲覧者登録を行っているものとする。
まず、ユーザ端末PC1〜PCnは、通信ネットワークNWを介してサーバ装置SVに対して閲覧者ID及びパスワードと共に閲覧要求コマンドを送信する。サーバ装置SVは通信I/F17により、上記送信された閲覧要求を受信し、閲覧者管理プログラム142eを実行する。この閲覧者管理プログラム142eに従いサーバ装置SVのCPU11は、先ず閲覧者データベース13dにアクセスし、要求元の閲覧者ID及びパスワードにより閲覧者認証を行う。この認証が完了すると、サーバ装置SVから要求元のユーザ端末PC1〜PCnに対し、上記のように作成された会議閲覧情報画面の表示データが通信ネットワークNWを介して配信され、ユーザ端末PC1〜PCnの表示装置に表示される。図12は、ユーザ端末PC1〜PCnの表示部に表示された会議閲覧情報画面の一例である。
【0064】
また、ユーザ端末PC1〜PCnにおいて、閲覧者がフォーカス表示パターンM21を移動させるためにキーボードやマウスなどの入力装置を操作したとする。そうすると、上記入力操作情報がユーザ端末PC1〜PCnからサーバ装置SVに送られ、この入力操作情報に応じてサーバ装置SVは会議閲覧情報画面におけるフォーカス表示パターンM21の位置を変化させる。このようにすると、サーバ装置SVにより自動的に設定された注目範囲が、本来注目すべき範囲と異なっていても、注目範囲を閲覧者が任意に変更することができる。
【0065】
また、ユーザ端末PC1〜PCnにおいて、閲覧者がチャプタ再生制御ボタンM7を操作して再生を希望するチャプタを指定した場合や、再生制御ボタンM5を操作して再生、停止、送り、戻しを指定すると、その旨の操作情報がユーザ端末PC1〜PCnからサーバ装置SVへ送られる。サーバ装置SVは、上記操作情報に応じて再生対象のチャプタを選択し、かつその会議映像データ及びボード映像データを再生、停止、送り、戻し制御する。したがって、閲覧者は会議期間中の必要な時間帯のみ、その映像データを選択的に再生して視聴することができる。
【0066】
またこのときサーバ装置SVは、上記閲覧者によるチャプタの選択履歴や、映像データの再生、停止、送り、戻し制御の履歴を、閲覧者IDに対応付けて閲覧者データベース13dに記憶する。このため、サーバ装置SVでは、閲覧者ごとに会議内容の閲覧の進捗状況を管理することができ、上記管理されている履歴情報をもとにシステム運用者は各閲覧者の会議内容に対する理解度を把握することが可能となる。
【0067】
以上述べたようにこの実施形態では、撮像記録されたボード映像データを閲覧者のユーザ端末PC1〜PCnに表示する際に、上記ボード映像データから検出されたボード1上におけるカードの状態変化を表す情報をもとに会議において話題の中心になっているカードを推定し、この推定されたカードを含む注目範囲を示すフォーカス表示パターンM21を上記ボード映像データに重ね合わせて表示するようにしている。したがって、閲覧者は会議のポイントを正確にかつ効率良く把握することが可能になる。
【0068】
また、フォーカス表示パターンM21により示される注目範囲に含まれるカード画像を、カード画像データベース13aから読み出してフォーカス表示エリアM3に拡大表示するようにしている。このため、閲覧者はボード映像データ中の注目範囲に含まれるカードに記載された意見の内容を明瞭に視認することが可能となる。これにより、全体画像の一覧性を確保しつつ、かつ注目範囲のカード画像に対しては高い視認性を保持することができる。
【0069】
さらに、フォーカス表示パターンM21により示される注目範囲に相互に重なり合う複数のカードが含まれている場合に、この重なり合う複数のカードの画像を展開表示エリアM4に展開表示するようにしている。このため、閲覧者は注目範囲内において重なった複数のカードの記載内容をもれなく確認することが可能となる。
【0070】
さらに、ユーザ端末PC1〜PCnにおいて、閲覧者がキーボードやマウスの操作や、チャプタ再生制御ボタンM7の操作、再生制御ボタンM5の操作を行うことにより、フォーカス表示パターンM21の表示位置を可変設定したり、チャプタの選択再生、映像データの再生、停止、送り、戻しを遠隔制御するようにしている。このようにすることで、閲覧者は自身が要求する最適な形態で会議情報の閲覧を行うことができる。
【0071】
さらに、その際、閲覧者によるチャプタの選択履歴や、映像データの再生、停止、送り、戻し制御の履歴を、閲覧者IDに対応付けて閲覧者データベース13dに記憶するようにしている。このため、サーバ装置SVでは、先に述べたように閲覧者ごとに会議内容の閲覧の進捗状況を管理することができ、上記管理されている履歴情報をもとにシステム運用者は各閲覧者の会議内容に対する理解度を把握することが可能となる。
【0072】
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、サーバ装置SVを会議情報の保存用のサーバ装置と配信用のサーバ装置とに分離して構成することも可能である。この場合、データメモリ13には、保存用のサーバ装置と配信用のサーバ装置のどちらもアクセス可能に構成する。
【0073】
また、前記実施形態では、サーバ装置SVにおいて、ボード撮影装置VIからの入力によりリアルタイムにカード位置データベース13bの作成を行うようにしているが、データメモリ13に保存された映像・音声データ13dを読み出してカード位置データベース13bを作成するようにしても良い。また、カード21〜2iの撮像は会議終了後でも構わない。このようにすると、会議中にカード21〜2iの撮像が行われないため、参加者は会議での議論に集中することが可能である。
【0074】
さらに、閲覧者データベース13dを利用して、会議情報の閲覧を中断した場合に、途中から再生することが可能である。また、閲覧が完了していない閲覧者にメールなどを送信して閲覧を促すことが可能である。
さらに、データメモリ13に記憶されるカード画像データベース13a、カード位置データベース13b、閲覧者データベース13dの構成や記憶する項目、プログラムメモリ14に格納される各プログラムの処理手順、処理内容についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【0075】
要するにこの発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】この発明に関わる会議情報管理システムの一実施形態を実現するシステムの概略構成図。
【図2】図1に示すシステムにおける会議情報の記録の様子を示す図。
【図3】図2に示すカードの構成を示す図。
【図4】図2に示すカードの第2の構成例を示す図。
【図5】図1に示すシステムにおける会議情報管理装置としてのサーバ装置の機能構成を示すブロック図。
【図6】図5に示すサーバ装置に設けられるカード画像データベースの構成を示す図。
【図7】図5に示すサーバ装置に設けられるカード位置データベースの構成を示す図。
【図8】図5に示すサーバ装置に設けられるカード閲覧者データベースの構成を示す図。
【図9】図5に示すサーバ装置によるカード画像登録の処理手順とその内容を示すフローチャート。
【図10】図5に示すサーバ装置によるカード位置登録の処理手順とその内容を示すフローチャート。
【図11】図5のカード位置検出プログラムおけるカード位置検出方法の一例を示す図。
【図12】図1に示すシステムで使用されるユーザ端末に表示される会議閲覧情報画面の一例を示す図。
【図13】図5に示すサーバ装置による会議閲覧情報画面データの作成手順とその処理内容を示すフローチャート。
【図14】図5に示すサーバ装置による会議閲覧情報画面データ作成におけるフォーカス表示部および重なり展開部の更新手順とその処理内容を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0077】
SV…サーバ装置、VI…ボード撮像装置、CA…カード撮像装置、通信ネットワーク…NW、PC1〜PCn…ユーザ端末、1…ボード、21〜2i、21′〜2i′…カード、21A,21A′…意見記入エリア、21B,21B′…バーコード、11…CPU、12…バス、13…データメモリ、13a…カード画像データベース、13b…カード位置データベース、13c…映像・音声データベース、13d…閲覧者データベース、14…プログラムメモリ、141a…カードID認識プログラム、141b…カード画像登録プログラム、141c…カード位置検出プログラム、141d…カード位置登録プログラム、142a…フォーカス表示プログラム、142b…重なり展開プログラム、142c…再生制御プログラム、142d…閲覧者登録プログラム、142e…閲覧者管理プログラム、15…ビデオ入力I/F、16…カメラ入力I/F、17…通信I/F、10x…ボード映像、201〜20i…カード画像、M1…全体表示エリア、M2…ボード表示エリア、M21…フォーカス表示パターン、M22…ポインタ、M3…フォーカス表示エリア、M4…展開表示エリア、M5…再生制御ボタン、M6…時間経過表示部、M7…チャプタ再生制御ボタン、M8…チャプタ進捗表示部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ意見が記載された複数のカードをボード上で移動させて意見の内容が類似するもの同士でグループ化する作業を繰り返すことで意見集約を行う手法を採用した会議を支援する会議支援システムであって、
会議期間中に、前記ボード上における複数のカードの移動を時系列的に撮像する第1の撮像装置と、
画像を表示可能な表示装置と、
前記第1の撮像装置及び表示装置のうち少なくとも表示装置に対し通信回線を介して接続可能なサーバ装置と
を具備し、
前記サーバ装置は、
前記第1の撮像装置により撮像された会議画像を取り込んで第1の記憶手段に蓄積する手段と、
前記第1の記憶手段に蓄積された会議画像をもとに前記ボード上におけるカードの状態変化を検出し、この検出された状態変化を表す変化履歴情報を第2の記憶手段に記憶する手段と、
前記第1の記憶手段に蓄積された会議画像を読み出して、前記表示装置の第1の表示領域に表示させる手段と、
前記第2の記憶手段に記憶された変化履歴情報をもとに、会議において話題の中心になっているカードを推定する手段と、
前記推定されたカードを含む注目範囲を示すフォーカス表示パターンを生成し、この生成されたフォーカス表示パターンを前記会議画像に重ね合わせて前記第1の表示領域に表示させる手段と
を備えることを特徴とする会議支援システム。
【請求項2】
前記サーバ装置は、
会議閲覧者による入力操作を受け付け、この入力操作に応じて前記フォーカス表示パターンの表示位置、形状及びサイズの少なくとも一つを変化させる手段を、さらに備えることを特徴とする請求項1記載の会議支援システム。
【請求項3】
前記サーバ装置は、
前記会議画像のうち、前記フォーカス表示パターンにより示される注目範囲に含まれるカードの画像を、前記表示装置の第2の表示領域に拡大表示させる手段を、さらに備えることを特徴とする請求項1記載の会議支援システム。
【請求項4】
前記複数のカードの意見が記載された面をそれぞれ撮像する第2の撮像装置を、さらに具備し、
かつ前記サーバ装置は、
前記第2の撮像装置により撮像された複数のカードの画像を取り込んで第3の記憶手段に記憶する手段と、
前記フォーカス表示パターンにより示される注目範囲に、相互に重なり合う複数のカードが含まれているか否かを判定する手段と、
前記相互に重なり合う複数のカードが含まれていると判定された場合に、この重なり合う複数のカードの画像を前記第3の記憶手段から選択的に読み出して前記表示装置の第3の表示領域に展開表示させる手段と
を、さらに備えることを特徴とする請求項1記載の会議支援システム。
【請求項5】
前記表示装置に表示されている会議画像の会議期間全体における時間位置を検出する手段と、
前記検出された時間位置を表す会議経過表示情報を生成し、この生成された会議経過表示情報を前記表示装置に表示させる手段と
を、さらに備えることを特徴とする請求項1記載の会議支援システム。
【請求項6】
それぞれ意見が記載された複数のカードをボード上で移動させて意見の内容が類似するもの同士でグループ化する作業を繰り返すことで意見集約を行う手法を採用した会議を支援するシステムで使用されるサーバ装置であって、
会議期間中に前記ボード上における複数のカードの移動を時系列的に撮像して得られた会議画像を取り込んで第1の記憶手段に蓄積する手段と、
前記第1の記憶手段に蓄積された会議画像をもとに前記ボード上におけるカードの状態変化を検出し、この検出された状態変化を表す変化履歴情報を第2の記憶手段に記憶する手段と、
前記第1の記憶手段に蓄積された会議画像を読み出し、この読み出された会議画像を表示装置の第1の表示領域に表示させるべく前記表示装置へ出力する手段と、
前記第2の記憶手段に記憶された変化履歴情報をもとに、会議において話題の中心になっているカードを推定する手段と、
前記推定されたカードを含む注目範囲を示すフォーカス表示パターンを生成し、この生成されたフォーカス表示パターンを、前記会議画像に重ね合わせて前記第1の表示領域に表示させるべく前記表示装置へ出力する手段と
を具備することを特徴とするサーバ装置。
【請求項7】
会議閲覧者による入力操作を受け付け、この入力操作に応じて前記フォーカス表示パターンの表示位置、形状及びサイズの少なくとも一つを変化させる手段を、さらに具備することを特徴とする請求項6記載のサーバ装置。
【請求項8】
前記会議画像のうち、前記フォーカス表示パターンにより示される注目範囲に含まれるカードの画像を、前記表示装置の第2の表示領域に拡大表示させるべく前記表示装置へ出力する手段を、さらに具備することを特徴とする請求項6記載のサーバ装置。
【請求項9】
前記複数のカードの意見が記載された面をそれぞれ撮像して得られたカード画像を取り込んで第3の記憶手段に記憶する手段と、
前記フォーカス表示パターンにより示される注目範囲に、相互に重なり合う複数のカードが含まれているか否かを判定する手段と、
前記相互に重なり合う複数のカードが含まれていると判定された場合に、この重なり合う複数のカードの画像を前記第3の記憶手段から選択的に読み出し、この読み出されたカード画像を前記表示装置の第3の表示領域に展開表示させるべく前記表示装置へ出力する手段と
を、さらに具備することを特徴とする請求項6記載のサーバ装置。
【請求項10】
前記表示装置に表示されている会議画像の会議期間全体における時間位置を検出する手段と、
前記検出された時間位置を表す会議経過表示情報を生成し、この生成された会議経過表示情報を表示させるべく前記表示装置へ出力する手段と
を、さらに具備することを特徴とする請求項6記載のサーバ装置。
【請求項11】
それぞれ意見が記載された複数のカードをボード上で移動させて意見の内容が類似するもの同士でグループ化する作業を繰り返すことで意見集約を行う手法を採用した会議を支援するシステムのサーバコンピュータで使用されるプログラムであって、
会議期間中に前記ボード上における複数のカードの移動を時系列的に撮像して得られた会議画像を取り込んで第1の記憶手段に蓄積する処理と、
前記第1の記憶手段に蓄積された会議画像をもとに前記ボード上におけるカードの状態変化を検出し、この検出された状態変化を表す変化履歴情報を第2の記憶手段に記憶する処理と、
前記第1の記憶手段に蓄積された会議画像を読み出し、この読み出された会議画像を、表示装置の第1の表示領域に表示させるべく前記表示装置へ出力する処理と、
前記第2の記憶手段に記憶された変化履歴情報をもとに、会議において話題の中心になっているカードを推定する処理と、
前記推定されたカードを含む注目範囲を示すフォーカス表示パターンを生成し、この生成されたフォーカス表示パターンを、前記会議画像に重ね合わせて前記第1の表示領域に表示させるべく前記表示装置へ出力する処理と
を、前記サーバコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項12】
会議閲覧者による入力操作を受け付ける処理と、
前記入力操作に応じて、前記フォーカス表示パターンの表示位置、形状及びサイズの少なくとも一つを変化させる処理と
を、さらに前記サーバコンピュータに実行させる請求項11記載のプログラム。
【請求項13】
前記会議画像のうち、前記フォーカス表示パターンにより示される注目範囲に含まれるカードの画像を、前記表示装置の第2の表示領域に拡大表示させるべく前記表示装置へ出力する処理を、さらに前記サーバコンピュータに実行させる請求項11記載のプログラム。
【請求項14】
前記複数のカードの意見が記載された面をそれぞれ撮像して得られたカード画像を取り込んで第3の記憶手段に記憶する処理と、
前記フォーカス表示パターンにより示される注目範囲に、相互に重なり合う複数のカードが含まれているか否かを判定する処理と、
前記相互に重なり合う複数のカードが含まれていると判定された場合に、この重なり合う複数のカードの画像を前記第3の記憶手段から選択的に読み出し、この読み出されたカード画像を前記表示装置の第3の表示領域に展開表示させるべく前記表示装置へ出力する処理と
を、さらに前記サーバコンピュータに実行させる請求項11記載のプログラム。
【請求項15】
前記表示装置に表示されている会議画像の会議期間全体における時間位置を検出する処理と、
この検出された時間位置を表す会議経過表示情報を生成し、この生成された会議経過表示情報を表示させるべく前記表示装置へ出力する処理と
を、さらに前記サーバコンピュータに実行させる請求項11記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−65498(P2006−65498A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−245501(P2004−245501)
【出願日】平成16年8月25日(2004.8.25)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】