説明

伝熱抑制結合構造とこれを備える可変ノズル付きタービン

【課題】温度差がある第1および第2の部材をボルトで結合する場合に、両部材間の伝熱を、一層、抑制できる伝熱抑制結合構造を提供する。
【解決手段】第1の部材11は、貫通孔27が形成されている貫通孔形成部11aを有する。伝熱抑制結合構造30は、貫通孔27に通され、第2の部材9に一端側が結合しているボルト19と、ボルト19の他端側に螺合しているナット21とを備える。ナット21と第2の部材9とで貫通孔形成部11aを挟み込むことにより、貫通孔形成部11aを第2の部材9に結合している。伝熱抑制結合構造30は、貫通孔形成部11aと第2の部材9との間で両者に接触する接触面23a、23bを有し両者間の熱伝導を抑制する第1の伝熱抑制部材23と、ナット21と貫通孔形成部11aとの間で両者に接触する接触面25a、25bを有し両者間の熱伝導を抑制する第2の伝熱抑制部材25とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度差がある第1および第2の部材を結合し両者間の熱伝導を抑制する伝熱抑制結合構造に関する。また、本発明は、この伝熱抑制結合構造を備える可変ノズル付きタービンに関する。
【背景技術】
【0002】
第1および第2の部材をボルトで結合させる場合に、両者の伝熱を抑制するために、両者の間に遮熱板を配置することが考えられる。
このような構成は、例えば、可変ノズル付のタービンにおいて用いられる。可変ノズル付きタービンは、タービン翼への駆動ガスの流路を有する高温のタービンハウジング(第1の部材)と、前記流路に設けられタービン翼への駆動ガスの流速を調整するノズルと、ノズルを動作させるアクチュエータと、アクチュエータが結合された取り付け部材(第2の部材)とを備える。取り付け部材は、タービンハウジングにボルトで取り付けられる。高温側のタービンハウジングから低温側の取り付け部材への伝熱を抑制するために、両者の間に遮熱板を設ける。
【0003】
なお、熱伝導を抑制する先行技術文献として、下記の特許文献1がある。特許文献1では、タービンハウジングとシリンダヘッドとの間の熱伝導を防止するため、両者の間にスペーサを配置している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−344667号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来において、第1の部材(例えば、上述のタービンハウジング)と第2の部材(例えば、上述の取り付け部材)とをボルトにより結合する場合には、ボルトを介して、第1の部材と第2の部材との間で熱伝導が生じる。
【0006】
そこで、本発明の目的は、温度差がある第1および第2の部材をボルトで結合する場合に、両部材間の伝熱を、一層、抑制できる伝熱抑制結合構造を提供することにある。
また、本発明の目的は、このような伝熱抑制結合構造を備えた可変ノズル付きタービンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した目的を達成するため、本発明によると、温度差がある第1および第2の部材を結合し両者間の熱伝導を抑制する伝熱抑制結合構造であって、
第1の部材は、貫通孔が形成されている貫通孔形成部を有し、
前記貫通孔に通され、第2の部材に一端側が結合しているボルトと、
前記ボルトの他端側に螺合しているナットと、を備え、
前記ナットと第2の部材とで貫通孔形成部を挟み込むことにより、貫通孔形成部を第2の部材に結合しており、
前記貫通孔形成部と第2の部材との間で両者に接触する接触面を有し、両者間の熱伝導を抑制する第1の伝熱抑制部材と、
前記ナットと貫通孔形成部との間で両者に接触する接触面を有し、両者間の熱伝導を抑制する第2の伝熱抑制部材と、を備える、ことを特徴とする伝熱抑制結合構造が提供される。
【0008】
本発明の好ましい実施形態によると、第1の伝熱抑制部材若しくは第2の伝熱抑制部材の前記接触面は、または、当該接触面に接触する接触面は、多数の凹凸を有する。
【0009】
好ましくは、第1または第2の伝熱抑制部材は、第1および第2の部材の材料よりも熱伝導率が低い材料で形成されている。
【0010】
本発明の好ましい実施形態によると、前記ボルトは、前記貫通孔の内周壁に接触することなく前記貫通孔を貫通している。
【0011】
上述した目的を達成するため、本発明によると、駆動用ガスにより回転駆動されるタービン翼と、タービン翼を内部に収容するとともにタービン翼へ駆動用ガスを供給する流路が内部に形成されたタービンハウジングと、前記流路に設けられた可動翼と、該可動翼を駆動することにより駆動用ガスの流速を調節するアクチュエータと、前記アクチュエータに結合された取り付け部材と、を備え、該取り付け部材は、前記タービンハウジングに取り付けられている可変ノズル付きタービンであって、
上述の伝熱抑制結合構造を備え、
前記取り付け部材と前記アクチュエータのうち、一方は前記第1の部材であり、他方は前記第2の部材である、ことを特徴とする可変ノズル付きタービンが提供される。
【発明の効果】
【0012】
上述した本発明によると、貫通孔形成部(第1の部材)と第2の部材との間に伝熱抑制部材を設けることにより、第1および第2の部材との間の直接的な熱伝導を防止できるだけでなく、ボルトに螺合したナットと貫通孔形成部(第1の部材)との間にも伝熱抑制部材を設けることにより、ボルトを介した、第1および第2の部材間の熱伝導も防止できる。よって、第1および第2の部材間の伝熱を、一層、抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態による可変ノズル付きタービンを備えた過給機を示す。
【図2】図1のII−II矢視図である。
【図3】図1の部分拡大図であり、本発明の実施形態による伝熱抑制結合構造を示す。
【図4】図1のIV−IV線断面図であり、タービンハウジング近傍を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の好ましい実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0015】
図1は、本発明の実施形態による可変ノズル付きタービン10を備えた過給機20を示す。図2は、図1のII−II矢視図である。
【0016】
可変ノズル付きタービン10は、駆動用ガスにより回転駆動されるタービン翼3と、タービン翼3を内部に収容するとともにタービン翼3へ駆動用ガスを供給する流路5aが内部に形成されたタービンハウジング5と、タービン10の周方向に間隔をおいて流路5aに設けられ可変ノズルを構成する複数の可動翼7と、該可動翼7を駆動することにより駆動用ガスの流速を調節するアクチュエータ9と、タービンハウジング5に取り付けられた取り付け部材11と、を備える。取り付け部材11に、アクチュエータ9を結合している。
【0017】
可変ノズル付きタービン10は、図1の例では、過給機20に設けられている。すなわち、複数のタービン翼3により構成されるタービン羽根車13は、回転シャフト15を介しコンプレッサ羽根車17に連結され、コンプレッサ羽根車17と一体的に回転するようになっている。従って、図示しないエンジンからの駆動用ガス(排ガス)によりタービン羽根車13が回転駆動されることにより、コンプレッサ羽根車17は、回転駆動されて吸入空気を圧縮してエンジンへ送出する。
【0018】
アクチュエータ9は、複数のボルト19により取り付け部材11に結合されている。取り付け部材11は、タービンハウジング5から受ける熱でアクチュエータ9よりも高温になる。
【0019】
図3は、図1の部分拡大図であり、可変ノズル付きタービン10に設けた伝熱抑制結合構造30を示す。伝熱抑制結合構造30は、温度差がある取り付け部材(第1の部材)11とアクチュエータ(第2の部材)9とを結合しつつ両者間の熱伝導を抑制する。
【0020】
伝熱抑制結合構造30は、取り付け部材11と、アクチュエータ9と、ボルト19と、ナット21と、第1および第2の伝熱抑制部材23、25とを備える。
【0021】
取り付け部材11は、貫通孔27が形成されている貫通孔形成部11aを有する。取り付け部材11は、タービン10の軸方向に関してタービンハウジング5の一方側(この例では、タービン10の排気口12a側)に位置する。排気口12aは、タービン翼3を駆動した駆動用ガスを排出する。排気口12aは、図1の例では、タービンハウジング5に取り付けられた排気口形成部材12により形成されている。
図1の例では、取り付け部材11は、タービン10の軸方向に薄い板状であり、その前後面が該軸方向を向いている。
【0022】
ボルト19は、貫通孔27に通され、アクチュエータ9に一端側が結合している。図3の例では、ボルト19は、一端側がアクチュエータ9のボルト孔に螺合することによりアクチュエータ9に結合している。
【0023】
ナット21は、ボルト19の他端側に螺合している。ナット21とアクチュエータ9とで貫通孔形成部11aを挟み込むことにより、貫通孔形成部11a(取り付け部材11)とアクチュエータ9とを結合している。
【0024】
第1の伝熱抑制部材23は、貫通孔形成部11aとアクチュエータ9との間に配置され、両者間の熱伝導を抑制する。第1の伝熱抑制部材23は、貫通孔形成部11aに接触する接触面23aと、アクチュエータ9のフランジ部9aに接触する接触面23bとを有する。
【0025】
第2の伝熱抑制部材25は、ナット21と貫通孔形成部11aとの間に配置され、両者間の熱伝導を抑制する。第2の伝熱抑制部材25は、ナット21に接触する接触面25aと、貫通孔形成部11aに接触する接触面25bとを有する。
【0026】
第1および第2の伝熱抑制部材23、25の接触面23a、23b、25a、25bは、好ましくは多数の凹凸を有する。これにより、第1および第2の伝熱抑制部材23、25の接触面23a、23b、25a、25bと、相手側部材(すなわち、アクチュエータ9、貫通孔形成部11aまたはナット21)との接触面積を少なくすることができる。例えば、接触面23a、23b、25a、25bは、相手側部材と、多数の局所部分(点部分)でのみ接触するようにしてよい。
【0027】
この構成により、第1または第2の伝熱抑制部材23、25と相手側部材との熱伝導を低減できる。2つの部材間における単位時間当たりの伝熱量qは、一般的に以下の式(1)で表される。

q=λ×A×(T1−T2) ・・・(1)

ここで、λは熱伝導率であり,Aは伝熱面積であり、T1−T2は2つの部材間の温度差である。2つの部材間の接触面が多数の凹凸を有した場合、上式(1)のAが小さくなる。また、熱伝導率が小さい材料を使用した場合、上式(1)のλが小さくなる。従って、第1および第2の伝熱抑制部材23、25の接触面23a、23b、25a、25bが多数の凹凸を有することにより、上式(1)のqを小さくすることが可能となる。
なお、多数の凹凸を有する接触面23a、23b、25a、25bの面粗さは、一例では、25Ra程度である
【0028】
第1および第2の伝熱抑制部材23、25は、本実施形態において、タービンハウジング5の材料(例えば、鋳鉄)および取り付け部材11の材料(例えば、鋳鉄)よりも熱伝導率が低い材料(例えば、ステンレス鋼(SUS))で形成されている。
【0029】
第1および第2の伝熱抑制部材23、25は、各ボルト19毎に設けられ、該伝熱抑制部材23、25は、該ボルト19が貫通するようになっている。そのために、伝熱抑制部材23、25は、ボルト19の軸方向から見た場合に、中心部にボルト19が貫通する環状であってよい。
【0030】
ボルト19は、貫通孔27の内周壁に接触することなく貫通孔27を貫通している。この構成で、貫通孔形成部11aとボルト19との間の熱伝導を抑制できる。
【0031】
上述した伝熱抑制結合構造30により、アクチュエータ9の温度を約2%下げることができる。
【0032】
可変ノズル付きタービン10は、好ましくは、以下の構成1〜4の少なくともいずれかを有する。すなわち、可変ノズル付きタービン10は、構成1〜4のいずれかを、または、構成1〜4を任意に組み合わせたものを有する。
【0033】
(構成1)
タービンハウジング5と取り付け部材11との間には、図1のように、スペーサ部材29が設けられる。図1の例では、スペーサ部材29は、取り付け部材11をタービンハウジング5に結合させるボルト31の位置に設けられる。すなわち、各ボルト31毎に、スペーサ部材29が設けられ、該スペーサ部材29には、該ボルト31が貫通するようになっている。そのために、スペーサ部材29は、ボルト31の軸方向から見た場合に、中心部にボルト31が貫通する環状であってよい。
このようなスペーサ部材29により、タービンハウジング5と取り付け部材11が直接接触しないようにすることができる。この構成1により、アクチュエータ9の温度を約4%下げることができる。
なお、図1、図2では、ボルト31の一端側部分がタービンハウジング5のボルト孔と螺合し、ボルト31の他端側部分にナット33を螺合させ、ナット33を締め付ける。これにより、取り付け部材11をタービンハウジング5に取り付けている。
【0034】
(構成2)
取り付け部材11におけるタービンハウジング5側のタービン軸方向を向く受熱面11bに、インシュレータ(断熱材)35を設ける。図2において、インシュレータ35は、破線による斜線部分である。図1、図2の例では、取り付け部材11がボルト31でタービンハウジング5に結合されている部位の近傍にわたってインシュレータ35が存在している。また、インシュレータ35は、受熱面11bを覆うように受熱面11bに沿って延びている。インシュレータ35は、タービンハウジング5の材料および取り付け部材11の材料よりも熱伝導率が低い材料(例えば、ステンレス鋼(SUS))で形成されている。
このようなインシュレータ35により、タービンハウジング5から取り付け部材11への輻射熱を遮断することができる。この構成2により、アクチュエータ9の温度を約5%下げることができる。
【0035】
(構成3)
図1、図2のように、取り付け部材11には、その厚み方向(タービン10の軸方向)に貫通する空気穴11cが形成されている。この空気穴11cは、タービン10の半径方向に関してアクチュエータ9とタービンハウジング5との間に存在する空間37に、タービン10の軸方向に連通している。これにより、取り付け部材11を設けても、空間37は、タービン10の軸方向両側に開放されるので、当該軸方向に関して、空間37を通した空気の流れを促進することができる。従って、空間37の温度を低下させることができる。
【0036】
(構成4)
上述の構成3を採用する場合に、図1、図2のように、第1の遮熱板39が、タービン10の半径方向に関してタービンハウジング5と空間37との間に配置される。第1の遮熱板39は、タービン10の半径方向に関してタービンハウジング5と空間37とを遮断する。第1の遮熱板39は、タービンハウジング5の材料および取り付け部材11の材料よりも熱伝導率が低い材料(例えば、ステンレス鋼(SUS))で形成されている。従って、タービン10の半径方向に関して、空間37からアクチュエータ9へ伝わる熱量を減らすことができる。
好ましくは、第2の遮熱板41が、タービン10の半径方向に関してアクチュエータ9と空間37との間に配置される。第2の遮熱板41は、タービン10の半径方向に関してアクチュエータ9と空間37とを遮断する。第2の遮熱板41は、タービンハウジング5の材料および取り付け部材11の材料よりも熱伝導率が低い材料(例えば、ステンレス鋼(SUS))で形成されている。従って、タービン10の半径方向に関して空間37からアクチュエータ9へ伝わる熱量を減らすことができ、その結果、タービン10の半径方向に関して、タービンハウジング5から空間37を介してアクチュエータ9に伝わる熱量を減らすことができる。
なお、第1または第2の遮熱板39、41を取り付け部材11に結合するために、例えば、タービン10の軸方向に薄い板状部分42(図2を参照)を遮熱板39、41に固定し、この板状部分42をボルトなどで取り付け部材11に結合してよい。
【0037】
可動翼7を動作させる構成について説明する。図4は、図1のIV−IV線断面図であり、タービンハウジング5近傍を示す。
【0038】
上述の実施形態において、アクチュエータ9はサーボモータであり、サーボモータ9の回転駆動力を、伝動機構43により複数の可動翼7に伝達して、複数の可動翼7を揺動させる。
伝動機構43は、図1、図2、図4の例では、第1〜3連結部材45、47、49、連結シャフト51、第1の揺動部材53、回動リング55、第2の揺動部材57、および回動ピン59を有する。
【0039】
第1の連結部材45の一端部が、図2のように、タービン10の軸方向と平行に配置されたサーボモータ9の出力シャフト9bに固定される。第1の連結部材45は、サーボモータ9により、出力シャフト9bの中心軸Caを中心に出力シャフト9bと一体的に回転駆動される。
第1の連結部材45の他端部は、第2の連結部材47に対して中心軸C1回りに回転可能に、第2の連結部材47の一端部に連結される。
第2の連結部材47の他端部は、第3の連結部材49に対して中心軸C2回りに回転可能に第3の連結部材49の一端部に連結される。
第3の連結部材49の他端部は、図1、図4のように、タービン10の軸方向と平行に配置された連結シャフト51の一端部に固定されている。連結シャフト51は、自身の軸回りに回転自在に取り付け部材11に支持されている。
連結シャフト51の他端部は、第1の揺動部材53の一端部に固定されている。
第1の揺動部材53の他端部は、回動リング55に係合している。
回動リング55は、タービンハウジング5に対しタービン10の中心軸Ct回りに回転可能に、タービンハウジング5に取り付けられている。
回動リング55には、タービン10の軸方向に延びる複数のピン55aが一体的に結合されており、各ピン55aには、第2の揺動部材57の一端部が係合している。
第2の揺動部材57の他端部には、回動ピン59の一端部が固定されている。回動ピン59は、自身の軸周りに回転可能に、タービンハウジング5に支持されている。
回動ピン59の他端部には可動翼7が固定されている。
【0040】
上述の構成で、サーボモータ9の出力シャフト9bが回転すると、出力シャフト9bと一体的に回転する第1の連結部材45は、第2の連結部材47を介して第3の連結部材49を連結シャフト51の軸回りに回転させる。第2の連結部材49と一体的に、連結シャフト51および第1の揺動部材53も回転する。第1の揺動部材53が回転すると、第1の揺動部材53に係合している回動リング55が、図4の矢印A方向に回動する。この回動により、回動リング55のピン55aに係合している各第2の揺動部材57は、回動ピン59と一体的に、回動ピン59の軸を中心に回動する。その結果、回動ピン59に固定されている可動翼7は、回動ピン59の軸を中心に揺動させられる。このような動作により、複数の可動翼7により構成されている可変ノズルを動作させて、タービン翼3へ供給される駆動ガスの流速を調節する。
【0041】
本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、以下の変更例1〜3の1つまたは複数を採用してもよい。この場合、他の構成は、上述と同様である。
【0042】
(変更例1)
図3において、取り付け部材11の代わりに、アクチュエータ9のフランジ部9aが、貫通孔が形成されている貫通孔形成部を有していてもよい。この場合、ボルト19は、当該貫通孔に通され、取り付け部材11に一端側が結合し、ボルト19の他端側にナット21が螺合し、ナット21と取り付け部材11とでフランジ部9aの前記貫通孔形成部を挟み込むことにより、当該貫通孔形成部を取り付け部材11に結合させ、第1の伝熱抑制部材23は、当該貫通孔形成部と取り付け部材11との間で両者に接触する接触面を有し両者間の熱伝導を抑制し、第2の伝熱抑制部材25は、ナット21と貫通孔形成部との間で両者に接触する接触面を有し両者間の熱伝導を抑制する。
【0043】
(変更例2)
上述の実施形態では、第1の部材は、タービンハウジング5であり、第2の部材は、取り付け部材11であったが、第1および第2の部材は、互いに温度差があり、本発明の伝熱抑制結合構造30により両者の熱伝導が抑制される他のものであってもよい。
【0044】
(変更例3)
第1および第2の伝熱抑制部材23、25の接触面23a、23b、25a、25bが多数の凹凸を有する代わりに、上述の相手側部材が上述した多数の凹凸を有していてもよい。
【符号の説明】
【0045】
3 タービン翼、5 タービンハウジング、5a 流路、
7 可動翼、9 アクチュエータ(サーボモータ)、
10 可変ノズル付きタービン、11 取り付け部材、
11a 貫通孔形成部、19 ボルト、20 過給機、
21 ナット、23 第1の伝熱抑制部材、
23a、23b 接触面、25 第2の伝熱抑制部材、
25a、25b 接触面、27 貫通孔、30 伝熱抑制結合構造

【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度差がある第1および第2の部材を結合し両者間の熱伝導を抑制する伝熱抑制結合構造であって、
第1の部材は、貫通孔が形成されている貫通孔形成部を有し、
前記貫通孔に通され、第2の部材に一端側が結合しているボルトと、
前記ボルトの他端側に螺合しているナットと、を備え、
前記ナットと第2の部材とで貫通孔形成部を挟み込むことにより、貫通孔形成部を第2の部材に結合しており、
前記貫通孔形成部と第2の部材との間で両者に接触する接触面を有し、両者間の熱伝導を抑制する第1の伝熱抑制部材と、
前記ナットと貫通孔形成部との間で両者に接触する接触面を有し、両者間の熱伝導を抑制する第2の伝熱抑制部材と、を備える、ことを特徴とする伝熱抑制結合構造。
【請求項2】
第1の伝熱抑制部材若しくは第2の伝熱抑制部材の前記接触面は、または、当該接触面に接触する接触面は、多数の凹凸を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の伝熱抑制結合構造。
【請求項3】
第1または第2の伝熱抑制部材は、第1および第2の部材の材料よりも熱伝導率が低い材料で形成されている、ことを特徴とする請求項1または2に記載の伝熱抑制結合構造。
【請求項4】
駆動用ガスにより回転駆動されるタービン翼と、タービン翼を内部に収容するとともにタービン翼へ駆動用ガスを供給する流路が内部に形成されたタービンハウジングと、前記流路に設けられた可動翼と、該可動翼を駆動することにより駆動用ガスの流速を調節するアクチュエータと、前記アクチュエータに結合された取り付け部材と、を備え、該取り付け部材は、前記タービンハウジングに取り付けられている可変ノズル付きタービンであって、
請求項1、2または3に記載の伝熱抑制結合構造を備え、
前記取り付け部材と前記アクチュエータのうち、一方は前記第1の部材であり、他方は前記第2の部材である、ことを特徴とする可変ノズル付きタービン。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate