説明

伝送装置、伝送システムおよび更新データの排他制御方法

【課題】アクセスに待ち時間を発生させることなく、更新中のバッファを管理するための制御を簡略化し、低いコストで実現する伝送システムを提供する。
【解決手段】伝送装置1は、計算機5とのインタフェースを司るシステムバスインタフェース11と、LAN9とのインタフェースを司る通信インタフェース12とが接続される内部バス16と、共有メモリ14が接続されるメモリバス17との間にあって、少なくとも共有メモリ14に割り付けられた伝送装置毎のエリアと等容量のサイズを持ち、内部バス16のバスアクセス調停の結果、バスマスタになるシステムバスインタフェース11もしくは通信インタフェース12を介して行われるメモリアクセスと、メモリバス17を介して行われる共有メモリ14に対するデータ転送と、を非同期に行うデュアルポートメモリ150、を持つ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伝送装置にシステムバスを介して接続される計算機をネットワーク経由で相互に接続して成る、伝送装置、伝送システムおよび更新データの排他制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プラント制御等において、LAN(Local Area Network)を介して相互に接続された伝送装置間で、それぞれの伝送装置が持つ共有メモリの内容を周期的に送信し、データの同時性を保証するサイクリック通信方式が知られている。
前記したサイクリック通信を行う伝送システムは、各伝送装置にシステムバスを介して接続されるそれぞれの計算機をLAN経由で相互に接続することによって構築される。このとき、伝送システムを構成する各伝送装置には、等容量のエリアが割り当てられる共有メモリを内蔵しており、ある伝送装置が自局のエリアデータを更新するとき、他局の伝送装置に対してその更新データをサイクリックに伝送することで各伝送装置が持つ共有メモリのデータの同時性を保証している。
【0003】
前記したサイクリック通信方式では、伝送装置の送信周期と、上位に位置する計算機が共有メモリに書き込む周期は非同期である。このため、ある計算機が、自局のエリアデータを更新中に、他局の伝送装置へその更新データを送信する場合(図8)、あるいは、他局の伝送装置による他局のエリアデータ更新中に、自局の計算機がその更新データを要求する場合(図9)、送受信するエリアのデータの更新が不完全な異常データとなり、データの同時性は保証されない。
【0004】
前記したサイクリック通信方式を用いた伝送システムにおいて、データの同時性を保証するために、従来、計算機あるいは伝送装置による共有メモリへのアクセス状態を監視し、計算機あるいは伝送装置の一方が共有メモリの所定のエリアをアクセス中は、他方による同一エリアに対するアクセスを禁止させる基本的な排他制御の仕組みが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、データの同時性を保証するとともに、データの読み出し、書き込みに対して待ち時間が発生せず、データの読み出し開始時に最新のデータを提供することができるデータバッファリング装置および分散制御システムも知られている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平9−269934号公報(段落「0009」〜段落「0022」、図1)
【特許文献2】特開2001−282650号公報(段落「0018」〜段落「0026」、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記した特許文献1に開示された技術によれば、データの同時性が保証され、信頼性は向上するが、同一エリアへの計算機からのアクセスとネットワークからのアクセスに待ち時間が生じ、システムのパフォーマンスに悪影響を及ぼす。これに対し、特許文献2に開示された技術によれば、前記したアクセスに待ち時間は生じないが、複数のバッファを要し、かつ容量も大きくなるためコストアップになり、また、更新中のバッファを管理するための制御が複雑になるといった欠点を持つ。
【0006】
本発明は前記した事情に基づいてなされたものであり、アクセスに待ち時間を発生させることなく、更新中のバッファを管理するための制御を簡略化した、伝送装置、伝送システムおよび更新データの排他制御方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記した課題を解決するために本発明は、伝送装置に、計算機とのインタフェースを司るシステムバスインタフェースおよびネットワークとのインタフェースを司る通信インタフェースが接続される内部バスと、共有メモリが接続されるメモリバスとの間にデュアルポートメモリを備え、このデュアルポートメモリは、少なくとも共有メモリに割り付けられた伝送装置毎のエリアと等容量もしくはそれ以上のサイズを持ち、内部バスのバスアクセス調停の結果、バスマスタになるシステムバスインタフェースもしくは通信インタフェースを介して行われるメモリアクセスと、メモリバスを介して行われる共有メモリに対するデータ転送と、を非同期に実行する構成とした。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、同一エリアへの計算機からのアクセスとネットワークからのアクセスを待たせる必要がなくなるため、システムのパフォーマンスの向上がはかれる。また、デュアルポートメモリは、共有メモリに割り当てられた伝送装置の一個のエリアで済むため、同サイズのバッファを複数要する従来の交換バッファ方式より低いコストで実現でき、更に、更新中のバッファを管理するための制御が単純化される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1は、本発明の一実施形態にかかわる伝送システムの基本構成を示す図である。図1に示されるように、本発明の一実施形態にかかわる伝送システムは、複数の伝送装置1〜4がネットワークとしてのLAN9を経由して相互に接続されて成る。各伝送装置1〜4には、システムバスを介してデータの交換を行う計算機5〜8がそれぞれ接続されている。
【0010】
図2は、図1の伝送システムにおいて使用される、共有メモリを用いたサイクリック通信方式の模式図である。
図1に示す伝送装置1〜4のそれぞれは、所定容量の一例として、本実施形態では等容量のメモリエリアが割り当てられる共有メモリを備えており、ある周期期間内において全ての伝送装置1〜4が同一データを持つ。
共有メモリは、等容量のエリア毎に管理され、一個のエリアは、一個の伝送装置のみによってのみ更新され、そのエリアデータは、更新元の伝送装置から周期的(サイクリック)に他の伝送装置に送信されることで、各伝送装置1〜4が持つ共有メモリのデータの同時性を保証している。ここでは、例えば、エリアCの更新は伝送装置3のみ可能であり、エリアCを伝送装置3の送信エリアと呼ぶ。
【0011】
図3は、本発明の一実施形態にかかわる伝送装置の内部構成を示すブロック図である。本発明の一実施形態にかかわる伝送装置は、システムバスインタフェース11(以下、システムバスI/F11という)と、通信インタフェース12(以下、通信I/F12という)と、バスアービタ13と、共有メモリ14と、バスアクセス制御回路(バスアクセス制御部)15とで構成される。
計算機5とのインタフェースを司るシステムバスI/F11は、システムバス10を介して計算機5に接続され、他の伝送装置とのインタフェースを司る通信I/F12は、LAN9経由で他の伝送装置に接続される。また、バスアービタ13は、システムバスI/F11、通信I/F12によるバスアクセスを調停するバスアクセス調停回路である。前記したシステムバスI/F11、通信I/F12は、内部バス16を介してバスアクセス制御回路15に接続される。
【0012】
共有メモリ14は、伝送装置1〜4のそれぞれによって等容量のメモリエリアが割り当てられ、自局の伝送装置1によってのみ更新される。そのエリアデータは、他の伝送装置にサイクリックに送信され、他局の伝送装置2〜4のそれぞれが持つ共有メモリのデータの同時性を保証している。
バスアクセス制御回路15は、バスアービタ13によるバスアクセス調停の結果、バスマスタになるシステムバスI/F11、または通信I/F12からのアクセス要求に基づき、自局の伝送装置1による自局のエリアデータ更新中に他局の伝送装置2〜4へそのエリアデータを送信する場合は、内蔵するデュアルポートメモリ150にその更新データが書き込まれたことを認識してから前記デュアルポートメモリより前記更新データを取得して送信し、他局の伝送装置2〜4による他局のエリアデータの更新中に自局の計算機5がそのエリアデータを要求する場合は、共有メモリ14からそのエリアのデータを取得して送信する。
【0013】
バスアクセス制御回路15は、FPGA(Field Programmable Gate Array)で構築され、その中身は、前記したデュアルポートメモリ150と、バスマスタ検知部151と、更新エリア認識部152とで構成される。
デュアルポートメモリ150は、前記した内部バス16と、共有メモリ14が接続されるメモリバス17との間にあって、少なくとも各伝送装置1〜4に割り当てられるエリアと等容量もしくはそれ以上のサイズを持ち、内部バス16のバスアクセス調停の結果、バスマスタになるシステムバスI/F11もしくは通信I/F12によるメモリアクセスと、メモリバス17を介して行われる共有メモリ14に対するデータ転送とを非同期に実行する。
【0014】
バスマスタ検知部151は、バスアービタ13が出力する許可信号(GNT:Grant)を判定してバスマスタを認識する。具体的には、システムバスI/F11、通信I/F12が内部バス16を使用するとき、バスアービタ13に対してバスアクセス要求信号(REQ:Request)を出力し、バスアービタ13は、優先度等によるアクセス調停の結果、アクセスの許可信号(GNT)により応答する。バスアービタ13からアクセス許可を与えられたシステムバスI/F11、あるいは通信I/F12がバスマスタになることで、バスアクセス制御回路15が内蔵するデュアルポートメモリ150へのアクセスが可能になる。
また、更新エリア認識部152は、バスアクセス制御回路15が、メモリバス17を介して共有メモリ14に対してデータ転送するときに、内部バス16が出力する転送先の共有メモリ14のアドレス(ADR)とサイズ(SIZE)とを保持してデータ更新中のエリアを認識する。更新中のエリアに対するアクセスの検出は、更新中のエリアと、内部バス16が出力するアドレスとを比較することにより行われる。
【0015】
[自局エリアの更新データのキャッシュ]
図4は、本発明の一実施形態にかかわる伝送装置の自局エリアのデータ更新と提供の動作を示すシーケンス図である。また、図5は、図4に示したバスアクセス制御回路の動作をフローチャートで示した図である。
以下、図4、図5を参照しながら本発明の一実施形態にかかわる伝送装置の動作およびデータ更新の排他制御方法について詳細に説明する。
【0016】
((1)自局エリアの更新データのキャッシュ)
バスアクセス制御回路15は、バスマスタ検知部151が、システムバスI/F11がバスマスタであることを検出し(S51“システムバスI/F”)、このことにより、バスアクセス制御回路15は、計算機5が共有メモリ14のデータを更新するためのアクセスとみなし、一旦、デュアルポートメモリ150に自局エリアの更新データをキャッシュする(S52)。
【0017】
((2)自局エリアのデータ更新)
更新エリア認識部152は、更新エリアの先頭アドレスを保持しておき、更新エリアのサイズ(α)と内部バス16のアドレス(β)とを比較することで(S53)、デュアルポートメモリ150内に、更新エリアのデータの全て格納されたことを検出する(S53“α≧β”)。このことにより、バスアクセス制御回路15は、更新エリアの全てのデータが揃ったことを認識してデュアルポートメモリ150からその更新データをリードして、メモリバス17を介して共有メモリ14に計算機5から取得した自局エリアのデータをライトする(S54)。
【0018】
((3)(4)自局エリアのデータ提供)
バスマスタ検知部151は、通信I/F12がバスマスタであることを検知し(S51“通信I/F”)、このことにより、バスアクセス制御回路15は、通信I/F12が自局エリアのデータを他局の計算機へ送信するためのアクセスであるとみなす。
このとき、更新エリア認識部152は、共有メモリ14の自局エリアが更新中か否かをチェックし(S55)、バスアクセス制御回路15は、自局エリアのデータが更新中であれば(S55“Yes”)、デュアルポートメモリ150のデータを通信I/F12に提供し(S56)、更新中でなければ(S55“No”)共有メモリ14の自局エリアのデータを通信I/F12へ提供する(S57)。
【0019】
[他局エリアのデータ更新と提供]
図6は、本発明の一実施形態にかかわる伝送装置の他局エリアのデータ更新と提供の動作を示すシーケンス図である。また、図7は、図6に示したバスアクセス制御回路の動作をフローチャートで示した図である。
以下、図6、図7を参照しながら本発明の一実施形態にかかわる伝送装置の動作およびデータ更新の排他制御方法について詳細に説明する。
【0020】
((1)他局エリアの更新データのキャッシュ)
バスマスタ検知部151は、通信I/F12がバスマスタであることを検知し(S71“通信I/F”)、このことにより、バスアクセス制御回路15は、通信I/F12が共有メモリ14の他局エリアを更新するためのアクセスであるとみなし、一旦、デュアルポートメモリ150に他局エリアの更新データをキャッシュする(S72)。
【0021】
((2)他局エリアのデータ更新)
更新エリア認識部152は、更新エリアの先頭アドレスを保持して、更新エリアのサイズ(α)と内部バス16のアドレス(β)とを比較することで(S73)、デュアルポートメモリ150内に、更新エリアのデータの全てが格納されたことを検出する(S73“α≧β”)。このことにより、バスアクセス制御回路15は、更新エリアの全てのデータが揃ったことを認識し、デュアルポートメモリ150から更新データをリードして、メモリバス17を介して共有メモリ14に他の計算機から取得した他局エリアのデータをライトする(S74)。
【0022】
((3)(4)他局エリアのデータ提供)
バスマスタ検出部151は、システムバスI/F11がバスマスタであることを検出し(S71“システムバスI/F”)、このことにより、バスアクセス制御回路15は、計算機5が他局エリアのデータを取得するためのアクセスであるとみなす。
このとき、更新エリア認識部152は、共有メモリ14の当該の他局エリアが更新中であるか否かをチェックし(S75)、バスアクセス制御回路15は、当該の他局エリアが更新中であれば(S75“Yes”)、デュアルポートメモリ150のデータをリードしてシステムバスI/F11へ提供し(S76)、更新中でなければ(S75“No”)、共有メモリ14のデータを、システムバスI/F11へ供給する(S77)。
【0023】
以上説明のように本発明は、伝送装置1にシステムバス10を介して接続される計算機5をネットワーク(LAN9)経由で相互に接続し、伝送装置1〜4毎に、等容量のエリアが割り当てられる共有メモリ14を備え、ある伝送装置1が自局のエリアデータを更新するとき、他局の伝送装置2〜4に対してその更新データを周期的に伝送することにより、各伝送装置1〜4が持つ共有メモリ14のデータの同時性を保証する伝送システムにおいて、伝送装置1に、計算機5とのインタフェースを司るシステムバスI/F11と、LAN9とのインタフェースを司る通信I/F12とが接続される内部バス16と、共有メモリ14が接続されるメモリバス17との間にあって、少なくとも共有メモリ14に割り付けられた伝送装置毎のエリアと等容量のサイズを持ち、内部バス16のバスアクセス調停の結果、バスマスタになるシステムバスI/F11もしくは通信I/F12を介して行われるメモリアクセスと、メモリバス17を介して行われる共有メモリ14に対するデータ転送と、を非同期に行うデュアルポートメモリ150を備えた構成としたものである。
【0024】
上記構成による排他制御方法により、共有メモリ14への同一エリアへの計算機1からのアクセスとLAN9からのアクセスを待たせる必要がなくなるため、システムのパフォーマンスの向上がはかれる。また、デュアルポートメモリ150は、共有メモリ14に割り当てられた伝送装置1の一個のエリアで済むため、同サイズのバッファを複数要する従来の交換バッファ方式より低いコストで実現でき、更に、更新中のバッファを管理するための制御が単純化される。また、エリアのサイズが同じであれば、ハードウェアの改造は不要であるため、共有メモリ14の大容量化が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態にかかわる伝送システムの基本構成を示す図である。
【図2】図1の伝送システムにおいて使用される、共有メモリを用いたサイクリック通信の模式図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかわる伝送装置の内部構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態にかかわる伝送装置の自局エリアのデータ更新と提供の動作を示すシーケンス図である。
【図5】図4に示すバスアクセス制御回路の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態にかかわる伝送装置の他局エリアのデータ更新と提供の動作を示すシーケンス図である。
【図7】図6に示すバスアクセス制御回路の動作を示すフローチャートである。
【図8】従来例における伝送システムの概略構成と、伝送装置の動作を示す図である。
【図9】従来例における伝送システムの概略構成と、伝送装置の動作を示す図である。
【符号の説明】
【0026】
1〜4 伝送装置
5〜8 計算機
9 LAN(ネットワーク)
11 システムバスインタフェース(システムバスI/F)
12 通信インタフェース(通信I/F)
13 バスアービタ
14 共有メモリ
15 バスアクセス制御回路(FPGA)(バスアクセス制御部)
16 内部バス
17 メモリバス
150 デュアルポートメモリ
151 バスマスタ検知部
152 更新エリア認識部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
伝送装置にシステムバスを介して接続される計算機をネットワーク経由で相互に接続し、前記伝送装置毎、所定容量の1以上のエリアが割り当てられる共有メモリを備え、ある伝送装置が自局のエリアデータを更新するとき、他局の伝送装置に対してその更新データを伝送する伝送システムにおける前記伝送装置であって、
前記計算機とのインタフェースを司るシステムバスインタフェースおよび前記ネットワークとのインタフェースを司る通信インタフェースが接続される内部バスと、前記共有メモリが接続されるメモリバスとの間にデュアルポートメモリを備え、
前記デュアルポートメモリは、
少なくとも前記エリアと等容量もしくはそれ以上のサイズを持ち、前記システムバスインタフェースもしくは前記通信インタフェースを介して行われるメモリアクセスと、前記メモリバスを介して行われる前記共有メモリに対するデータ転送と、を非同期に行うことを特徴とする伝送装置。
【請求項2】
ある伝送装置が自局のエリアデータを更新するとき、他局の伝送装置に対し前記エリアデータを周期的に伝送することを特徴とする請求項1に記載の伝送装置。
【請求項3】
前記非同期に行われるメモリアクセスおよびデータ転送は、前記内部バスのバスアクセス調停の結果、バスマスタになる前記システムバスインタフェース、もしくは前記通信インタフェースを介して行われることを特徴とする請求項1に記載の伝送装置。
【請求項4】
伝送装置にシステムバスを介して接続される計算機をネットワーク経由で相互に接続し、前記伝送装置毎、所定容量の1以上のエリアが割り当てられる共有メモリを備え、ある伝送装置が自局のエリアデータを更新するとき、他局の伝送装置に対してその更新データを伝送する伝送システムにおける前記伝送装置であって、
前記計算機とのインタフェースを司るシステムバスインタフェースおよび前記ネットワークとのインタフェースを司る通信インタフェースが接続される内部バスと、前記共有メモリが接続されるメモリバスとの間に接続され、前記システムバスインタフェースもしくは通信インタフェースを介してアクセスされ、前記更新データが格納される、少なくとも前記エリアと等容量もしくはそれ以上のサイズを持つデュアルポートメモリと、
前記通信インタフェースからのアクセスに先立ち、前記共有メモリにおける自局のエリアデータが更新中か否かを判定する更新エリア認識部と、
前記共有メモリにおける自局のエリアデータが更新中であれば、前記デュアルポートメモリに格納されたデータを前記通信インタフェースに出力し、更新中でなければ、前記共有メモリにおける自局のエリアデータを前記通信インタフェースに出力するバスアクセス制御部と、
を備えたことを特徴とする伝送装置。
【請求項5】
ある伝送装置が自局のエリアデータを更新するとき、他局の伝送装置に対し前記エリアデータを周期的に伝送することを特徴とする請求項4に記載の伝送装置。
【請求項6】
伝送装置にシステムバスを介して接続される計算機をネットワーク経由で相互に接続し、前記伝送装置毎、所定容量の1以上のエリアが割り当てられる共有メモリを備え、ある伝送装置が自局のエリアデータを更新するとき、他局の伝送装置に対してその更新データを伝送する伝送システムにおける前記伝送装置であって、
前記計算機とのインタフェースを司るシステムバスインタフェースおよび前記ネットワークとのインタフェースを司る通信インタフェースが接続される内部バスと、前記共有メモリが接続されるメモリバスとの間に接続され、前記システムバスインタフェースもしくは通信インタフェースを介してアクセスされ、前記更新データが格納される、少なくとも前記エリアと等容量もしくはそれ以上のサイズを持つデュアルポートメモリと、
前記システムバスインタフェースからのアクセスに先立ち、前記共有メモリにおける他局のエリアデータが更新中か否かを判定する更新エリア認識部と、
前記共有メモリにおける他局のエリアデータが更新中であれば、前記デュアルポートメモリに格納されたデータを前記システムバスインタフェースに出力し、更新中でなければ、前記共有メモリにおける他局のエリアデータを前記システムバスインタフェースに出力するバスアクセス制御部と、
を備えたことを特徴とする伝送装置。
【請求項7】
ある伝送装置が自局のエリアデータを更新するとき、他局の伝送装置に対し前記エリアデータを周期的に伝送することを特徴とする請求項6に記載の伝送装置。
【請求項8】
伝送装置にシステムバスを介して接続される計算機をネットワーク経由で相互に接続し、前記伝送装置毎、所定容量の1以上のエリアが割り当てられる共有メモリを備え、ある伝送装置が自局のエリアデータを更新するとき、他局の伝送装置に対してその更新データを伝送する伝送システムであって、
各前記伝送装置は、
前記計算機とのインタフェースを司るシステムバスインタフェースおよび前記ネットワークとのインタフェースを司る通信インタフェースが接続される内部バスと、前記共有メモリが接続されるメモリバスとの間にデュアルポートメモリを備え、
前記デュアルポートメモリは、
少なくとも前記エリアと等容量もしくはそれ以上のサイズを持ち、前記システムバスインタフェースもしくは前記通信インタフェースを介して行われるメモリアクセスと、前記メモリバスを介して行われる前記共有メモリに対するデータ転送と、を非同期に行うことを特徴とする伝送システム。
【請求項9】
ある伝送装置が自局のエリアデータを更新するとき、他局の伝送装置に対し前記エリアデータを周期的に伝送することを特徴とする請求項8に記載の伝送システム。
【請求項10】
前記非同期に行われるメモリアクセスおよびデータ転送は、前記内部バスのバスアクセス調停の結果、バスマスタになる前記システムバスインタフェース、もしくは前記通信インタフェースを介して行われることを特徴とする請求項8に記載の伝送システム。
【請求項11】
前記伝送装置は、更に、バスアクセス制御部を備え、
前記バスアクセス制御部は、
前記バスマスタからのアクセス要求に基づき、自局の計算機による自局のエリアデータの更新中に他局の計算機へそのエリアデータを送信する場合、前記デュアルポートメモリに前記更新データが全て書き込まれたことを認識してから、前記デュアルポートメモリより前記更新データを取得して送信し、
他局の伝送装置による他局のエリアデータの更新中に自局の計算機がそのエリアデータを要求する場合、前記共有メモリよりそのエリアデータを取得して送信することを特徴とする請求項10に記載の伝送システム。
【請求項12】
前記バスアクセス制御部は、
前記システムバスインタフェースおよび通信インタフェースによる内部バスへのアクセスを調停し、前記調停の結果、前記システムバスインタフェースがバスマスタになった場合、前記システムバスインタフェースが、前記内部バスを介して自局エリアの更新データを前記デュアルポートメモリに書き込み、前記更新データが前記デュアルポートメモリに全て書き込まれたことを認識してから前記更新データを前記デュアルポートメモリから前記メモリバスを介して前記共有メモリに転送し、
前記バスアクセス調停の結果、前記通信インタフェースがバスマスタになった場合、前記共有メモリの自局エリアデータが更新中か否かを判定し、更新中でないときは、前記共有メモリからそのエリアデータを取得し、更新中のときは、前記デュアルポートメモリからそのエリアデータを取得することを特徴とする請求項11に記載の伝送システム。
【請求項13】
前記バスアクセス制御部は、
前記システムバスインタフェースおよび通信インタフェースによる内部バスへのアクセスを調停し、前記調停の結果、前記通信インタフェースがバスマスタになった場合、前記通信インタフェースが、前記内部バスを介して他局エリアの更新データを前記デュアルポートメモリに書き込み、前記更新データが前記デュアルポートメモリに全て書き込まれたことを認識してから前記更新データを前記デュアルポートメモリから前記メモリバスを介して前記共有メモリに転送し、
前記バスアクセス調停の結果、前記システムバスインタフェースがバスマスタになった場合、前記共有メモリの他局エリアデータが更新中か否かを判定し、更新中でないときは、前記共有メモリからそのエリアデータを取得し、更新中のときは、前記デュアルポートメモリからそのエリアデータを取得することを特徴とする請求項11に記載の伝送システム。
【請求項14】
伝送装置にシステムバスを介して接続される計算機をネットワーク経由で相互に接続し、前記伝送装置毎、所定容量の1以上のエリアが割り当てられる共有メモリを備え、ある伝送装置が自局のエリアデータを更新するとき、他局の伝送装置に対してその更新データを伝送する伝送システムにおける更新データの排他制御方法であって、
前記計算機とのインタフェースを司るシステムバスインタフェースおよび前記ネットワークとのインタフェースを司る通信インタフェースが接続される内部バスへのバスアクセス調停を行うステップと、
前記バスアクセス調停の結果、バスマスタになる前記システムバスインタフェースもしくは通信インタフェースを介してアクセスされ、少なくとも前記エリアと等容量もしくはそれ以上のサイズを持つデュアルポートメモリに更新データを書き込むステップと、
前記バスマスタからのアクセス要求に基づき、自局の伝送装置による自局のエリアデータの更新中に他局の伝送装置へそのエリアデータを送信する場合、前記デュアルポートメモリからそのエリアデータを取得するステップと、
前記バスマスタからのアクセス要求に基づき、他局の伝送装置による他局のエリアデータの更新中に自局の計算機がその更新データを要求する場合、前記デュアルポートメモリからそのエリアのデータを取得するステップと、
を有することを特徴とする伝送システムにおける更新データの排他制御方法。
【請求項15】
ある伝送装置が自局のエリアデータを更新するとき、他局の伝送装置に対し前記エリアデータを周期的に伝送することを特徴とする請求項14に記載の更新データの排他制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−128385(P2007−128385A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−321800(P2005−321800)
【出願日】平成17年11月7日(2005.11.7)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】