説明

伝送装置および伝送方法

【課題】映像の応答性が要求されるようなコンテンツの場合にも、視聴者が快適に視聴することが可能で、かつ、所定のコンテンツの場合に伝送データのデータ量を小さくすることが可能な伝送装置を提供する。
【解決手段】この伝送装置(無線伝送装置4)は、コンテンツデータを所定の圧縮率で圧縮するデータ圧縮部4cと、データ圧縮部4cにより圧縮されたコンテンツデータを表示装置に伝送する無線送受信部4dと、コンテンツの種類を判別するとともに、判別したコンテンツの種類に基づいて、コンテンツデータの圧縮率を切り替えるようにデータ圧縮部4cを制御する制御部4eとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、伝送装置および伝送方法に関し、特に、コンテンツデータを表示装置に伝送する伝送装置および伝送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンテンツデータを表示装置に伝送する伝送装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、映像データ(コンテンツデータ)をワイヤレス(無線)で表示装置に伝送する無線通信装置(伝送装置)が開示されている。この特許文献1では、表示装置の表示解像度がHD(High Definition:高解像度)またはSD(Standard Definition:標準解像度)であるかを判断し、表示装置の表示解像度がSDの場合に、HDの映像データを送信する場合には、映像データをHDからSDに変換した後に無線通信により表示装置に伝送している。これにより、SDしか表示できない表示装置にデータ量の大きいHDの映像データを伝送することに起因して、そのHDの映像データによって無線帯域が占有されてしまうことを抑制している。また、上記特許文献1では、無線通信により伝送する際に、映像データを圧縮してから伝送している。
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の無線通信装置(伝送装置)のように、映像データをHD(高解像度)からSD(標準解像度)に変換するだけでは、十分に映像データのデータ量が小さくならず、場合によっては映像データによって無線帯域が占有されてしまう場合があるという不都合がある。ここで、上記特許文献1では、伝送する前に映像データを圧縮している。映像データを圧縮することによって伝送データのデータ量がさらに小さくなるので、伝送データによって無線帯域が占有されてしまうことを抑制することが可能であると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−286517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、圧縮された映像データ(コンテンツデータ)を表示装置において表示するためには、伝送された映像データを受信側(表示装置側)において展開する必要がある。ここで、圧縮率が高いデータを展開するためには長い時間が必要となってしまうので、伝送データのデータ量を小さくするために圧縮率を高めた場合には、展開に要する時間が増加する分、表示装置の映像に遅延が生じ、その結果、表示装置における映像の応答性が低下してしまう。このように映像の応答性が低下した場合においては、たとえば、映像の応答性が要求されるようなコンテンツの場合には、視聴者が快適に視聴することができなくなってしまうという問題点がある。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、映像の応答性が要求されるようなコンテンツの場合にも、視聴者が快適に視聴することが可能で、かつ、所定のコンテンツの場合に伝送データのデータ量を小さくすることが可能な伝送装置および伝送方法を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0008】
この発明の第1の局面による伝送装置は、コンテンツデータを所定の圧縮率で圧縮するデータ圧縮部と、データ圧縮部により圧縮されたコンテンツデータを表示装置に伝送する伝送手段と、コンテンツの種類を判別するとともに、判別したコンテンツの種類に基づいて、コンテンツデータの圧縮率を切り替えるようにデータ圧縮部を制御する制御部とを備える。
【0009】
上記第1の局面による伝送装置では、上記のように、コンテンツの種類を判別するとともに、判別したコンテンツの種類に基づいて、コンテンツデータの圧縮率を切り替えるようにデータ圧縮部を制御する制御部を設けることによって、コンテンツデータの種類に応じてコンテンツデータの圧縮率を切り替えることができる。これにより、たとえば、応答性が要求される種類のコンテンツを伝送する場合には圧縮率を低くして映像の応答性が低下するのを抑制することができるとともに、応答性が要求されるコンテンツ以外の所定のコンテンツについては高い圧縮率で圧縮を行うことにより伝送手段によって表示装置に伝送する伝送データのデータ量を小さくすることができる。その結果、応答性が要求されるようなコンテンツの場合にも、視聴者が快適に視聴することができるとともに、応答性が要求されないような所定のコンテンツの場合に、伝送データのデータ量を小さくすることができる。
【0010】
上記第1の局面による伝送装置において、好ましくは、制御部は、コンテンツが、ユーザの操作に対して表示装置に反映される映像の表示の応答性が高いことが要求されない第1コンテンツであると判別した場合に、第1コンテンツのコンテンツデータを第1圧縮率で圧縮するようにデータ圧縮部を制御し、コンテンツが、ユーザの操作に対して表示装置に反映される映像の表示の応答性が高いことが要求される第2コンテンツであると判別した場合に、第2コンテンツのコンテンツデータを第1圧縮率よりも低い第2圧縮率で圧縮するようにデータ圧縮部を制御する。このように構成すれば、表示装置の映像に遅延が生じた場合に視聴者の快適性が低下するような、映像の応答性が要求されるコンテンツと、表示装置の映像に遅延が生じた場合でも視聴者の快適性が低下しないような、映像の応答性が要求されないコンテンツとを判別し、映像の応答性が要求されるコンテンツについては第2圧縮率によって圧縮率を低くしてコンテンツデータの伝送を行い、映像の応答性が要求されないコンテンツについては第1圧縮率によって圧縮率を高くしてコンテンツデータの伝送を行うことができる。これにより、コンテンツのうち映像の応答性が要求されないコンテンツについては高い圧縮率で圧縮を行うことにより伝送手段によって表示装置に伝送する伝送データのデータ量を小さくし、コンテンツのうち映像の応答性が要求されるコンテンツを伝送する場合には圧縮率を低くして映像の応答性を確保することができる。
【0011】
この場合、好ましくは、第2コンテンツは、ゲームを含む。このように構成すれば、ゲームのようにユーザの操作に対して表示装置に反映される映像の表示の応答性が高いことが要求されるコンテンツを伝送する場合には、圧縮率を低くして表示装置への伝送を行うことができる。これにより、ゲームを行う場合には、ユーザの操作に対する映像の応答性が確保されるので、ユーザは快適にゲーム映像を視聴することができる。また、ゲーム以外のコンテンツについては、圧縮率を高くすることにより伝送データのデータ量を小さくすることができる。
【0012】
上記第1コンテンツと第2コンテンツとを判別する構成において、好ましくは、第2コンテンツのコンテンツデータに含まれるコンテンツの種類を判別するためのデータを予め記憶する記憶部をさらに備え、制御部は、記憶部に予め記憶されたコンテンツの種類を判別するためのデータと、コンテンツデータとを比較することにより、コンテンツが、第2コンテンツであるか否かを判別するように構成されている。このように構成すれば、記憶部に予め記憶させておいたコンテンツの種類を判別するためのデータを用いて、伝送対象のコンテンツが第2コンテンツであるか否かを容易に制御部が判別することができる。
【0013】
上記第1コンテンツと第2コンテンツとを判別する構成において、好ましくは、ユーザが操作することによりコンテンツの種類を入力する入力手段をさらに備え、制御部は、入力手段の操作結果に基づいて、コンテンツが、第2コンテンツであるか否かを判別するように構成されている。このように構成すれば、コンテンツの内容を知っているユーザが伝送対象のコンテンツが第2コンテンツであるか否かを入力手段を用いて装置に入力することにより、制御部は、その入力結果に基づいて圧縮率を切り替えることができる。
【0014】
上記第1の局面による伝送装置において、好ましくは、伝送手段は、無線伝送により、データ圧縮部により圧縮されたコンテンツデータを表示装置に伝送するように構成されている。このように、使用できる帯域が限られている伝送路を用いる無線伝送によりコンテンツデータの伝送を行う伝送装置に、上記第1の局面による構成を適用することによって、応答性が要求されるようなコンテンツの場合には、低い圧縮率で伝送データのデータ量を小さくすることによって、そのコンテンツを視聴者が快適に視聴することができ、応答性が要求されないようなコンテンツの場合には、高い圧縮率で伝送データのデータ量をより小さくすることができる。これにより、無線伝送の伝送状態が良好でない場合にも、容易にコンテンツデータを伝送することができる。
【0015】
上記第1の局面による伝送装置において、好ましくは、コンテンツデータの解像度を変換する解像度変換部をさらに備え、制御部は、データ圧縮部によるコンテンツデータの圧縮率を切り替えるとともに、解像度変換部によってコンテンツデータの解像度を変換し、切り替えられた圧縮率で圧縮され、かつ、解像度が変換されたコンテンツデータを伝送手段により表示装置に伝送するように、データ圧縮部、解像度変換部および伝送手段を制御するように構成されている。このように構成すれば、伝送するコンテンツデータのデータ量をデータ圧縮部によって小さくするのみならず、所定の場合に解像度変換部によってコンテンツデータの解像度を下げることにより、伝送するデータ量をさらに小さくすることができる。
【0016】
この場合、好ましくは、表示装置は、高い解像度によって映像を表示する高解像度状態と、低い解像度によって映像を表示する低解像度状態とのいずれかの状態によってコンテンツを表示可能に構成されており、表示装置の高解像度状態または低解像度状態のいずれかの表示状態情報を取得する取得手段をさらに備え、制御部は、取得手段により取得した表示装置の表示状態情報に基づいて、表示装置が高解像度状態であるか低解像度状態であるかを判断するとともに、判断結果に基づいてコンテンツデータの解像度を変換するように解像度変換部を制御する。このように構成すれば、コンテンツデータが高解像度である場合に、表示装置が低解像度状態である場合には解像度変換部によってコンテンツデータの解像度を下げることができる。これにより、表示装置の表示状態に合わせて伝送するデータ量を小さくすることができる。
【0017】
上記第1の局面による伝送装置において、好ましくは、データ圧縮部、伝送手段および制御部を備える伝送装置は、コンテンツデータを提供するコンテンツ提供機器に組み込まれている。このように構成すれば、コンテンツ提供機器と、コンテンツ提供機器とは別個の伝送装置とをケーブルなどで接続する場合と異なり、コンテンツ提供機器の構成要素と伝送装置の構成要素(データ圧縮部および伝送手段など)とをコンテンツ提供機器の1つの制御部によって制御することができる。
【0018】
この発明の第2の局面による伝送方法は、コンテンツの種類を判別するステップと、コンテンツの種類の判別結果に基づいて、コンテンツデータの圧縮率を切り替えてコンテンツデータを圧縮するステップと、切り替えられた圧縮率で圧縮されたコンテンツデータを表示装置に伝送するステップとを備える。
【0019】
この第2の局面による伝送方法では、上記のように、コンテンツの種類を判別するとともに、判別したコンテンツの種類に基づいて、コンテンツデータの圧縮率を切り替えてコンテンツデータを圧縮することによって、コンテンツデータの種類に応じてコンテンツデータの圧縮率を切り替えることができる。これにより、たとえば、応答性が要求される種類のコンテンツを伝送する場合には圧縮率を低くして映像の応答性が低下するのを抑制することができるとともに、応答性が要求されるコンテンツ以外の所定のコンテンツについては高い圧縮率で圧縮を行うことにより表示装置に伝送する伝送データのデータ量を小さくすることができる。その結果、応答性が要求されるようなコンテンツの場合にも、視聴者が快適に視聴することができるとともに、応答性が要求されないような所定のコンテンツの場合に、伝送データのデータ量を小さくすることができる。
【0020】
上記第2の局面による伝送方法において、好ましくは、切り替えられた圧縮率で圧縮されたコンテンツデータを表示装置に伝送するステップは、無線伝送により、切り替えられた圧縮率で圧縮されたコンテンツデータを表示装置に伝送するステップを含む。このように、使用できる帯域が限られている伝送路を用いる無線伝送によりコンテンツデータの伝送を行う伝送方法に、上記第2の局面による構成を適用することによって、応答性が要求されるようなコンテンツの場合には、低い圧縮率で伝送データのデータ量を小さくすることによって、そのコンテンツを視聴者が快適に視聴することができ、応答性が要求されないようなコンテンツの場合には、高い圧縮率で伝送データのデータ量をより小さくすることができる。これにより、無線伝送の伝送状態が良好でない場合にも、容易にコンテンツデータを伝送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1実施形態による無線伝送装置を用いた無線伝送システムの全体構成を示した概念図である。
【図2】本発明の第1実施形態による無線伝送装置を用いた無線伝送システムの全体構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1実施形態による無線伝送装置の表示装置の表示状態を説明するための図である。
【図4】本発明の第1実施形態による無線伝送装置の制御を説明するためのフローチャートである。
【図5】本発明の第2実施形態による無線伝送装置(コンテンツ提供機器)を用いた無線伝送システムの全体構成を示した概念図である。
【図6】本発明の第2実施形態による無線伝送装置(コンテンツ提供機器)を用いた無線伝送システムの全体構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第3実施形態による無線伝送装置を用いた無線伝送システムの全体構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
(第1実施形態)
まず、図1〜図3を参照して、本発明の第1実施形態による無線伝送装置4を用いた無線伝送システム1の構成について説明する。
【0024】
図1に示すように、無線伝送システム1は、表示装置2と、コンテンツ提供機器3と、コンテンツ提供機器3により提供されるコンテンツデータを表示装置2に対して無線により伝送する無線伝送装置4とを備えている。コンテンツ提供機器3と無線伝送装置4とはHDMIケーブル5によって接続されている。
【0025】
表示装置2は、映像を表示する表示機能および無線受信機能を有する機器であり、第1実施形態では、テレビジョン21、22、携帯型音楽プレーヤ23および携帯電話機24が含まれる。これらの表示装置2の間では、表示することのできる映像の解像度が異なる。すなわち、同じテレビジョンでも、HD(高解像度)対応のテレビジョン21とSD(標準解像度)対応のテレビジョン22とがある。また、第1実施形態では、HD対応のテレビジョン21として、HD(高解像度)表示とSD(標準解像度)表示とを切り替えることが可能なテレビジョンを用いた例について説明する。具体的には、図3に示すように、テレビジョン21は、1画面表示状態と2画面表示状態とを切り替えることが可能であり、1画面表示状態の場合にはHD表示を行い、2画面表示状態の場合にはSD表示を行うように構成されている。
【0026】
また、コンテンツ提供機器3は、映像、音声などを含むコンテンツのデータを無線伝送装置4に提供することが可能である。このコンテンツ提供機器3としては、第1実施形態では、ゲーム機31およびDVDプレーヤ32が含まれる。
【0027】
また、無線伝送装置4は、コンテンツ提供機器3から供給されたコンテンツデータを表示装置2に無線通信によって伝送する機能を有する。第1実施形態では、無線伝送装置4は、所定の場合にコンテンツデータの解像度を変換し、そのデータを圧縮した状態で無線伝送を行うように構成されている。
【0028】
次に、図2を参照して、表示装置2、コンテンツ提供機器3および無線伝送装置4の詳細構造について説明する。なお、図2では、表示装置2については、図1に示した表示装置2を構成するテレビジョン21、22、携帯型音楽プレーヤ23および携帯電話機24に共通する構成を示している。
【0029】
図2に示すように、コンテンツ提供機器3は、コンテンツデータを提供するデータ提供部3aと、そのコンテンツデータをHDMIケーブル5を介して無線伝送装置4に伝送するHDMI送信部3bと、データ提供部3aおよびHDMI送信部3bを制御する制御部3cとを含んでいる。なお、データ提供部3aは、ゲーム機31においてはゲーム再生部31aであり、DVDプレーヤ32においてはDVD再生部32aである。
【0030】
無線伝送装置4は、コンテンツ提供機器3から伝送されたコンテンツデータを受信するHDMI受信部4aと、コンテンツデータの解像度を変換する解像度変換部4bと、コンテンツデータの圧縮を行うデータ圧縮部4cと、データ圧縮部4cにおいて圧縮されたコンテンツデータを無線通信によって表示装置2に伝送する無線送受信部4dと、HDMI受信部4a、解像度変換部4b、データ圧縮部4cおよび無線送受信部4dを制御する制御部4eとを含んでいる。なお、無線送受信部4dおよび制御部4eは、それぞれ、本発明の「伝送手段」および「制御部」の一例である。
【0031】
解像度変換部4bでは、HDのコンテンツデータをSDに変換することが可能である。また、HDのコンテンツデータをSDに変換せずにそのまま出力することも可能である。解像度変換部4bの制御に関しては、制御部4eは、表示装置2がHD表示に対応しているかSD表示に対応しているかを判断し、かつ、表示装置2の表示状態がHD表示状態かSD表示状態かを判断する。そして、表示装置2がSD表示に対応している場合、および表示装置2がHD表示に対応しており、かつ、表示装置2の表示状態がSD表示状態である場合には、HDのコンテンツデータをSDに変換するように解像度変換部4bを制御する。また、表示装置2がHD表示に対応している場合、および表示装置2がHD表示に対応しており、かつ、表示装置2の表示状態がHD表示状態である場合には、HDのコンテンツデータを解像度を変換せずにそのまま出力するように解像度変換部4bを制御する。
【0032】
データ圧縮部4cは、コンテンツデータを所定の圧縮形式によって圧縮する機能を有する。ここで、第1実施形態では、データ圧縮部4cは、状況に応じて低圧縮率または高圧縮率のいずれかの圧縮率に切り替えてコンテンツデータを圧縮することが可能である。データ圧縮部4cの制御に関しては、制御部4eは、コンテンツ提供機器3から提供されたコンテンツがユーザの操作に対して表示装置2に反映される映像の表示の応答性が高いことが要求されるコンテンツ(第1実施形態では、ゲームコンテンツ)である場合には、低圧縮率でゲームのコンテンツデータを圧縮するようにデータ圧縮部4cを制御する。また、制御部4eは、コンテンツ提供機器3から提供されたコンテンツがユーザの操作に対して表示装置2に反映される映像の表示の応答性が高いことが要求されない映画コンテンツやテレビジョン放送コンテンツなどの非ゲームコンテンツである場合には、高圧縮率でコンテンツデータを圧縮するようにデータ圧縮部4cを制御する。なお、ゲームコンテンツおよび非ゲームコンテンツは、それぞれ、本発明の「第2コンテンツ」および「第1コンテンツ」の一例である。
【0033】
なお、映画やテレビジョン放送などでは、表示装置2における映像の遅延が生じたとしても、表示装置2の映像が全体的に一様に遅延するだけであるので、ユーザの視聴の快適性に影響はない。
【0034】
また、無線伝送装置4の制御部4eは、コンテンツ提供機器3から提供されたコンテンツがゲームコンテンツであるか非ゲームコンテンツであるかを判断し、その判断結果に基づいて、上述のようにデータ圧縮部4cを制御する。具体的な判断方法としては、メモリ4fにコンテンツの種類を判別するためのデータを予め記憶させておき、そのデータと、コンテンツ提供機器3から提供されたコンテンツデータとを比較することにより、コンテンツの種類を判別する。なお、メモリ4fは、本発明の「記憶部」の一例である。
【0035】
コンテンツの種類を判別するためのデータは、たとえば、ゲームコンテンツのタイトル情報など、判別する必要のあるゲームコンテンツのコンテンツデータに固有の情報である。たとえば、アクションゲーム、カーレースゲームなどのタイトル情報をメモリ4fに記憶させておくことにより、それらのゲームコンテンツの種類を判別することが可能である。
【0036】
表示装置2は、無線伝送装置4から無線伝送されたコンテンツデータを受信する無線送受信部2aと、所定の形式でデータ圧縮部4cにおいて圧縮されているコンテンツデータを展開する展開部2bと、展開したコンテンツデータをHDMIケーブル6を介して表示部2e側に伝送するHDMI送信部2cと、伝送されたコンテンツデータを受信するとともに、表示部2eに出力するHDMI受信部2dと、無線送受信部2a、展開部2b、HDMI送信部2c、HDMI受信部2dおよび表示部2eを制御する制御部2fとを含んでいる。
【0037】
表示装置2の制御部2fは、表示装置2が対応している解像度に関するデータを無線送受信部2aを介して無線伝送装置4に送信することが可能である。また、制御部2fは、表示装置2の表示状態(HD表示状態またはSD表示状態)を表す表示状態情報も無線送受信部2aを介して無線伝送装置4に送信することが可能である。無線伝送装置4の制御部4eは、表示装置2から取得した表示装置2の解像度に関するデータおよび表示状態情報に基づいて、解像度変換部4bを制御するように構成されている。なお、無線伝送装置4の無線送受信部4dは、本発明の「取得手段」の一例である。
【0038】
次に、図4を参照して、本発明の第1実施形態による無線伝送装置4のコンテンツデータ伝送制御について説明する。
【0039】
まず、ステップS1において、無線伝送装置4の制御部4eは、コンテンツ提供機器3から提供されるコンテンツの解像度がHDであるかSDであるかを判断する。コンテンツ提供機器3から提供されるコンテンツの解像度がHDである場合には、ステップS2に進み、コンテンツ提供機器3から提供されるコンテンツの解像度がSDである場合には、ステップS5に進む。
【0040】
また、ステップS2において、制御部4eは、表示装置2から無線送受信部2aにより送信されて無線送受信部4dにより取得される表示装置2が対応している解像度に関するデータに基づいて、表示装置2がHD表示に対応しているかSD表示に対応しているかを判断する。表示装置2がHD表示に対応している場合には、ステップS3に進み、表示装置2がSD表示に対応している場合には、ステップS5に進む。
【0041】
また、ステップS3において、制御部4eは、表示装置2から無線送受信部2aにより送信されて無線送受信部4dにより取得される表示状態情報に基づいて、表示装置2の表示部2eの表示状態がHD表示状態であるかSD表示状態であるかを判断する。表示装置2の表示状態がHD表示状態である場合には、ステップS4に進み、表示装置2の表示状態がSD表示状態である場合には、ステップS5に進む。
【0042】
以上のステップS1〜S3においては、制御部4eは、コンテンツデータの解像度をHDで伝送するか、SDで伝送するかを判断している。ステップS4に進んだ場合は、コンテンツ提供機器3から提供されるコンテンツデータの解像度がHDであり、HDのまま表示装置2に無線通信によって伝送する場合である。また、ステップS5に進んだ場合は、コンテンツ提供機器3から提供されるコンテンツデータの解像度がHDであるが表示装置2がSDにしか対応していないので、SDに変換する必要がある場合、または、表示装置2がSDにしか対応していないが、コンテンツ提供機器3から提供されるコンテンツデータの解像度が元々SDであるので、解像度の変換の必要がない場合である。
【0043】
また、HDで無線伝送する場合には、ステップS4において、制御部4eは、コンテンツ提供機器3から提供されたコンテンツがゲームコンテンツであるか否かを判断する。コンテンツ提供機器3から提供されたコンテンツがゲームコンテンツである場合には、ステップS6において、制御部4eは、解像度をHDのまま、低圧縮率でコンテンツデータを圧縮した後、そのコンテンツデータを無線送受信部4dを介して表示装置2に伝送する。また、コンテンツ提供機器3から提供されたコンテンツがゲームコンテンツでない場合(非ゲームコンテンツである場合)には、ステップS7において、制御部4eは、解像度をHDのまま、高圧縮率でコンテンツデータを圧縮した後、そのコンテンツデータを無線送受信部4dを介して表示装置2に伝送する。
【0044】
また、SDで無線伝送する場合には、ステップS5において、制御部4eは、コンテンツ提供機器3から提供されたコンテンツがゲームコンテンツであるか否かを判断する。コンテンツ提供機器3から提供されたコンテンツがゲームコンテンツである場合には、ステップS8において、制御部4eは、解像度をHD(高解像度)からSD(標準解像度)に変換し、かつ、低圧縮率でコンテンツデータを圧縮した後、そのコンテンツデータを無線送受信部4dを介して表示装置2に伝送する。また、コンテンツ提供機器3から提供されたコンテンツがゲームコンテンツでない場合(非ゲームコンテンツである場合)には、ステップS9において、制御部4eは、解像度をHDからSDに変換し、かつ、高圧縮率でコンテンツデータを圧縮した後、そのコンテンツデータを無線送受信部4dを介して表示装置2に伝送する。なお、ステップS8およびS9においては、コンテンツデータが元々SDである場合には、解像度の変換は行われない。
【0045】
第1実施形態では、上記のように、コンテンツの種類を判別するとともに、判別したコンテンツの種類に基づいて、コンテンツデータの圧縮率を切り替えるようにデータ圧縮部4cを制御する制御部4eを設けることによって、コンテンツデータの種類に応じてコンテンツデータの圧縮率を切り替えることができる。これにより、たとえば、応答性が要求される種類のコンテンツを伝送する場合には圧縮率を低くして映像の応答性が低下するのを抑制することができるとともに、応答性が要求されるコンテンツ以外の所定のコンテンツについては高い圧縮率で圧縮を行うことにより無線送受信部4dによって表示装置2に伝送する伝送データのデータ量を小さくすることができる。その結果、応答性が要求されるようなコンテンツの場合にも、視聴者が快適に視聴することができるとともに、応答性が要求されないような所定のコンテンツの場合に、伝送データのデータ量を小さくすることができる。
【0046】
また、第1実施形態では、上記のように、コンテンツが非ゲームコンテンツであると判別した場合に、非ゲームコンテンツのコンテンツデータを高圧縮率で圧縮するようにデータ圧縮部4cを制御し、コンテンツがゲームコンテンツであると判別した場合に、ゲームコンテンツのコンテンツデータを低圧縮率で圧縮するようにデータ圧縮部4cを制御する。このように構成することによって、表示装置2の映像に遅延が生じた場合に視聴者の快適性が低下するような、映像の応答性が要求されるゲームコンテンツと、表示装置2の映像に遅延が生じた場合でも視聴者の快適性が低下しないような、映像の応答性が要求されない非ゲームコンテンツとを判別し、ゲームコンテンツについては圧縮率を低くしてコンテンツデータの伝送を行い、非ゲームコンテンツについては圧縮率を高くしてコンテンツデータの伝送を行うことができる。これにより、コンテンツのうち非ゲームコンテンツについては高い圧縮率で圧縮を行うことによって、表示装置2に無線伝送する伝送データのデータ量を小さくし、コンテンツのうちゲームコンテンツを伝送する場合には、圧縮率を低くして映像の応答性を確保することができる。
【0047】
また、第1実施形態では、上記のように、コンテンツがゲームでないと判別した場合に、コンテンツのコンテンツデータを高圧縮率で圧縮するようにデータ圧縮部4cを制御し、コンテンツがゲームであると判別した場合に、コンテンツのコンテンツデータを低圧縮率で圧縮するようにデータ圧縮部4cを制御する。このように構成することによって、ゲームのようにユーザの操作に対して表示装置2に反映される映像の表示の応答性が高いことが要求されるコンテンツを伝送する場合には、圧縮率を低くして表示装置2への伝送を行うことができる。これにより、ゲームを行う場合には、ユーザの操作に対する映像の応答性が確保されるので、ユーザは快適にゲーム映像を視聴することができる。また、ゲーム以外のコンテンツについては、圧縮率を高くすることにより伝送データのデータ量を小さくすることができる。
【0048】
また、第1実施形態では、上記のように、メモリ4fに予め記憶されたコンテンツの種類を判別するためのデータと、コンテンツデータとを比較することにより、コンテンツが、ゲームコンテンツ(ゲーム)であるか否かを判別している。このように構成することによって、メモリ4fに予め記憶させておいたコンテンツの種類を判別するためのデータを用いて、伝送対象のコンテンツがゲームコンテンツ(ゲーム)であるか否かを容易に制御部4eが判別することができる。
【0049】
また、第1実施形態では、上記のように、データ圧縮部4cによりコンテンツデータの圧縮率を切り替えるとともに、解像度変換部4bによってコンテンツデータの解像度を変換している。このように構成することによって、伝送するコンテンツデータのデータ量をデータ圧縮部4cによって小さくするのみならず、所定の場合に解像度変換部4bによってコンテンツデータの解像度を下げることにより、伝送するデータ量をさらに小さくすることができる。
【0050】
また、第1実施形態では、上記のように、表示装置2の高解像度状態または低解像度状態のいずれかの表示状態情報に基づいて、表示装置2が高解像度状態であるか低解像度状態であるかを判断するとともに、判断結果に基づいてコンテンツデータの解像度を変換するように解像度変換部4bを制御している。このように構成することによって、コンテンツデータが高解像度である場合に、表示装置2が低解像度状態である場合には解像度変換部4bによってコンテンツデータの解像度を下げることができる。これにより、表示装置2の表示状態に合わせて伝送するデータ量を小さくすることができる。
【0051】
(第2実施形態)
次に、図5および図6を参照して、本発明の第2実施形態による無線伝送装置を用いた無線伝送システム100について説明する。この第2実施形態では、上記第1実施形態と異なり、無線伝送装置(無線伝送部101c)がコンテンツ提供機器101に組み込まれている例について説明する。
【0052】
図5および図6に示すように、無線伝送システム100は、表示装置2と、無線通信機能を有するコンテンツ提供機器101とを備えている。コンテンツ提供機器101は、コンテンツデータを提供するデータ提供部101aと、そのコンテンツデータをHDMIケーブル5を介して無線伝送部101cに伝送するHDMI送信部101bと、データ提供部101a、HDMI送信部101bおよび無線伝送部101cを制御する制御部101dとを含んでいる。すなわち、コンテンツ提供機器101は、データ提供部101aおよびHDMI送信部101bに加えて、無線伝送部101cを備えており、コンテンツ提供機器101の制御部101dは、データ提供部101aおよびHDMI送信部101bと、無線伝送部101cとの両方を制御するように構成されている。また、コンテンツ提供機器101は、コンテンツの種類を判別するためのデータを記憶するメモリ101eを含んでいる。コンテンツ提供機器101は、上記第1実施形態と同様に、ゲーム機111およびDVDプレーヤ112である。
【0053】
無線伝送部101cは、上記第1実施形態と同様に、データ提供部101aから伝送されたコンテンツデータを受信するHDMI受信部4aと、コンテンツデータの解像度を所定の場合に変換する解像度変換部4bと、コンテンツデータの圧縮を行うデータ圧縮部4cと、データ圧縮部4cにおいて圧縮されたコンテンツデータを無線通信によって表示装置2に伝送する無線送受信部4dとを含んでいる。
【0054】
また、無線伝送システム100の上記以外の構成は、上記第1実施形態の無線伝送システム1と同様である。また、第2実施形態による制御部101dの制御は、上記第1実施形態の制御部4eの制御(図4参照)と同様であるので、説明を省略する。
【0055】
第2実施形態では、上記のように、解像度変換部4b、データ圧縮部4c、無線送受信部4dを含む無線伝送装置(無線伝送部101c)をコンテンツ提供機器101に組み込んでいる。このように構成することによって、コンテンツ提供機器101と、コンテンツ提供機器101とは別個の無線伝送装置とをケーブルなどで接続する場合と異なり、コンテンツ提供機器101の構成要素(データ提供部101aおよびHDMI送信部101bなど)と無線伝送部101cの構成要素(HDMI受信部4a、解像度変換部4b、データ圧縮部4cおよび無線送受信部4dなど)とをコンテンツ提供機器101の1つの制御部101dによって制御することができる。
【0056】
第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0057】
(第3実施形態)
次に、図7を参照して、本発明の第3実施形態による無線伝送装置を用いた無線伝送システム200について説明する。この第3実施形態では、コンテンツデータとメモリ4fに記憶されたデータとの比較によってコンテンツの種類を判別する第1実施形態と異なり、ユーザの操作を受け付けることによって、操作結果に基づいてコンテンツの種類を判別する例について説明する。
【0058】
図7に示すように、無線伝送システム200は、表示装置2と、コンテンツ提供機器3と、コンテンツ提供機器3により提供されるコンテンツデータを表示装置2に対して無線により伝送する無線伝送装置201とを備えている。コンテンツ提供機器3と無線伝送装置201とはHDMIケーブル5によって接続されている。
【0059】
無線伝送装置201は、HDMI受信部4a、解像度変換部4b、データ圧縮部4cおよび無線送受信部4dを制御する制御部201aを含んでいる。無線伝送装置201の制御部201aは、コンテンツ提供機器3から提供されたコンテンツがゲームコンテンツであるか非ゲームコンテンツであるかを判断し、その判断結果に基づいて、上述のようにデータ圧縮部4cの圧縮率を切り替えるように制御する。具体的な判断方法としては、制御部201aは、ユーザのコンテンツの種類の指示に基づいて、コンテンツの種類を判別している。すなわち、無線伝送装置201には、ユーザがコンテンツの種類を指示するためのユーザの操作を受け付けるための入力手段201bが設けられている。入力手段201bには、たとえば、スイッチや、ユーザによるリモコンなどの操作情報を有する信号を受信可能な受信部などが含まれる。コンテンツ提供機器3から提供されるコンテンツがゲームコンテンツであるとユーザが入力手段201bを用いて指示した場合に、制御部201aは、コンテンツ提供機器3から提供されるコンテンツがゲームコンテンツであると判断する。
【0060】
上記以外の構成は、上記第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。また、第3実施形態による制御部201aの制御は、上記したコンテンツの種類の判別方法以外については上記第1実施形態の制御部4eの制御(図4参照)と同様であるので、説明を省略する。
【0061】
第3実施形態では、上記のように、ユーザが操作することによりコンテンツの種類を入力する入力手段201bを無線伝送装置201に設け、入力手段201bの操作結果に基づいて、コンテンツがゲームコンテンツであるか否かを判別するように構成している。このように構成することによって、コンテンツの内容を知っているユーザが伝送対象のコンテンツがゲームコンテンツであるか否かを入力手段201bを用いて無線伝送装置201に入力することにより、制御部201aは、その入力結果に基づいて圧縮率を切り替えることができる。
【0062】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0063】
たとえば、上記第1〜第3実施形態では、データ圧縮部4cによって伝送データ(コンテンツデータ)を圧縮し、かつ、所定の場合に解像度変換部4bによってコンテンツデータの解像度を変換する例について説明したが、本発明はこれに限らず、コンテンツデータの圧縮のみ行い、コンテンツデータの解像度の変換は行わなくてもよい。
【0064】
また、上記第1〜第3実施形態では、無線通信によりコンテンツデータを伝送する例について説明したが、本発明はこれに限らず、有線通信によりコンテンツデータを伝送してもよい。この場合、表示装置に無線受信機能は必要ない。
【0065】
また、上記第1〜第3実施形態では、圧縮率を低圧縮率と高圧縮率との2段階で切り替える例について説明したが、本発明はこれに限らず、コンテンツの種類を3種類以上に分けて圧縮率を3段階以上で切り替えてもよい。
【0066】
また、上記第1〜第3実施形態では、映像の応答性が要求されるコンテンツの一例としてゲームを挙げたが、ゲーム以外のコンテンツでもよい。
【0067】
また、上記第1〜第3実施形態では、ゲームコンテンツと非ゲームコンテンツとを判別し、ゲームコンテンツについては圧縮率を低くする例について説明したが、本発明はこれに限らず、ゲームの内容に基づいて応答性が要求されるか否かを判別し、応答性が要求されるゲームのみについて低圧縮率で圧縮するようにしてもよい。たとえば、ゲームコンテンツのうち、アクションゲーム、カーレースゲームなどのように、ゲーム映像における動作速度が速く、ゲーム機におけるユーザの操作が即座に表示装置2の映像として反映される必要のあるゲーム内容を有するゲームコンテンツを応答性が要求されるコンテンツとしてもよい。
【0068】
また、上記第1および第2実施形態では、コンテンツの種類を判別するためのデータを予め記憶させておくことによってコンテンツの種類を判別し、上記第3実施形態では、ユーザの操作に基づいてコンテンツの種類を判別する例について説明したが、本発明はこれに限られない。たとえば、無線伝送装置に接続されるコンテンツ提供機器の種類に基づいてコンテンツの種類を判別してもよい。具体的には、無線伝送装置にゲーム機が接続されている場合にはコンテンツがゲームコンテンツであると判断し、ゲーム機以外の機器が接続されている場合には非ゲームコンテンツであると判断してもよい。
【0069】
また、上記第1〜第3実施形態では、表示装置2に無線送受信機能を有する無線送受信部2aを設け、受信したコンテンツデータをHDMIケーブル6を介して表示部2e側に送信する例について説明したが、本発明はこれに限らず、無線送受信機能を有する装置を表示機能を有する表示部(表示装置)とは別体で設け、それらの装置同士をHDMIケーブルで接続してもよい。
【0070】
また、上記第1〜第3実施形態では、表示装置2の例としてテレビジョン21、22、携帯型音楽プレーヤ23および携帯電話機24を挙げたが、本発明はこれに限らず、映像を表示する表示機能および無線受信機能を有する他の機器でもよい。たとえば、PDA(図示せず)、パーソナルコンピュータ(図示せず)などでもよい。
【0071】
また、上記第1〜第3実施形態では、コンテンツ提供機器3の例としてゲーム機31およびDVDプレーヤ32を挙げたが、本発明はこれに限らず、コンテンツを提供する他の機器でもよい。たとえば、BDプレーヤ、パーソナルコンピュータ、STB(Set−Top Box)などでもよい。これらをコンテンツ提供機器3とした場合、データ提供部3aは、BDプレーヤにおいてはBD再生部であり、パーソナルコンピュータにおいては、ハードディスク、DVD再生部、データのダウンロードのための外部ネットワーク接続部などである。STBにおいてはチューナ部である。
【符号の説明】
【0072】
1 無線伝送システム
2 表示装置
3 コンテンツ提供機器
4 無線伝送装置(伝送装置)
4b 解像度変換部
4c データ圧縮部
4d 無線送受信部(伝送手段、取得手段)
4e 制御部
4f メモリ(記憶部)
100 無線伝送システム
101 コンテンツ提供機器(伝送装置)
101d 制御部
101e メモリ(記憶手段)
200 無線伝送システム
201 無線伝送装置(伝送装置)
201a 制御部
201b 入力手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツデータを所定の圧縮率で圧縮するデータ圧縮部と、
前記データ圧縮部により圧縮されたコンテンツデータを表示装置に伝送する伝送手段と、
前記コンテンツの種類を判別するとともに、判別した前記コンテンツの種類に基づいて、前記コンテンツデータの圧縮率を切り替えるように前記データ圧縮部を制御する制御部とを備える、伝送装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記コンテンツが、ユーザの操作に対して前記表示装置に反映される映像の表示の応答性が高いことが要求されない第1コンテンツであると判別した場合に、前記第1コンテンツのコンテンツデータを第1圧縮率で圧縮するように前記データ圧縮部を制御し、前記コンテンツが、ユーザの操作に対して前記表示装置に反映される映像の表示の応答性が高いことが要求される第2コンテンツであると判別した場合に、前記第2コンテンツのコンテンツデータを前記第1圧縮率よりも低い第2圧縮率で圧縮するように前記データ圧縮部を制御する、請求項1に記載の伝送装置。
【請求項3】
前記第2コンテンツは、ゲームを含む、請求項2に記載の伝送装置。
【請求項4】
前記第2コンテンツのコンテンツデータに含まれる前記コンテンツの種類を判別するためのデータを予め記憶する記憶部をさらに備え、
前記制御部は、前記記憶部に予め記憶された前記コンテンツの種類を判別するためのデータと、前記コンテンツデータとを比較することにより、コンテンツが、前記第2コンテンツであるか否かを判別するように構成されている、請求項2または3に記載の伝送装置。
【請求項5】
ユーザが操作することによりコンテンツの種類を入力する入力手段をさらに備え、
前記制御部は、前記入力手段の操作結果に基づいて、コンテンツが、前記第2コンテンツであるか否かを判別するように構成されている、請求項2または3に記載の伝送装置。
【請求項6】
前記伝送手段は、無線伝送により、前記データ圧縮部により圧縮されたコンテンツデータを前記表示装置に伝送するように構成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の伝送装置。
【請求項7】
前記コンテンツデータの解像度を変換する解像度変換部をさらに備え、
前記制御部は、前記データ圧縮部による前記コンテンツデータの圧縮率を切り替えるとともに、前記解像度変換部によって前記コンテンツデータの解像度を変換し、切り替えられた圧縮率で圧縮され、かつ、解像度が変換されたコンテンツデータを前記伝送手段により前記表示装置に伝送するように、前記データ圧縮部、前記解像度変換部および前記伝送手段を制御するように構成されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の伝送装置。
【請求項8】
前記表示装置は、高い解像度によって映像を表示する高解像度状態と、低い解像度によって映像を表示する低解像度状態とのいずれかの状態によって前記コンテンツを表示可能に構成されており、
前記表示装置の前記高解像度状態または前記低解像度状態のいずれかの表示状態情報を取得する取得手段をさらに備え、
前記制御部は、前記取得手段により取得した前記表示装置の表示状態情報に基づいて、前記表示装置が前記高解像度状態であるか前記低解像度状態であるかを判断するとともに、前記判断結果に基づいて前記コンテンツデータの解像度を変換するように前記解像度変換部を制御する、請求項7に記載の伝送装置。
【請求項9】
前記データ圧縮部、前記伝送手段および前記制御部を備える前記伝送装置は、前記コンテンツデータを提供するコンテンツ提供機器に組み込まれている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の伝送装置。
【請求項10】
コンテンツの種類を判別するステップと、
前記コンテンツの種類の判別結果に基づいて、前記コンテンツデータの圧縮率を切り替えて前記コンテンツデータを圧縮するステップと、
切り替えられた圧縮率で圧縮された前記コンテンツデータを表示装置に伝送するステップとを備える、伝送方法。
【請求項11】
前記切り替えられた圧縮率で圧縮された前記コンテンツデータを表示装置に伝送するステップは、無線伝送により、前記切り替えられた圧縮率で圧縮された前記コンテンツデータを表示装置に伝送するステップを含む、請求項10に記載の伝送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−109490(P2011−109490A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−263523(P2009−263523)
【出願日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】