説明

伝送装置

【課題】スペクトルアナライザを用いることなく光合波器の入力段と光増幅器の入力段との間の障害を監視し、適切に利得一定制御および出力一定制御を切り替え、適正な光パワーの信号光を出力する。
【解決手段】光合波手段1dは、複数の信号光を波長多重する。光増幅手段1eは、光合波手段1dの後段に接続され、波長多重された信号光の利得を一定に制御する利得一定制御および出力を一定に制御する出力一定制御を行う。制御判定手段1fは、光合波手段1dに入力される複数の信号光の光パワーの合計値と、光増幅手段1eに入力される波長多重された信号光の光パワーとに基づいて、光増幅手段1eの利得一定制御および出力一定制御の実行を判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は伝送装置に関し、特に信号光を多重化し送信する伝送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光通信システムの大容量化を実現する方式の1つとして、波長分割多重通信方式(WDM:Wavelength Division Multiplexing)がある。WDMは、運用波長数(システムに入力される信号光の数)の変動や光パスの切り替えといった動的なネットワーク構築への対応が求められており、運用時におけるシステムの柔軟性および回線品質の信頼性が期待される。
【0003】
WDMに使用される光増幅器には、利得一定制御(AGC:Automatic Gain Control)と出力一定制御(ALC:Automatic Level Control)との動作モードを備えたものがある。AGCは、任意の入力波長の信号光に対して一定の利得が補償されるように制御を行う。これに対し、ALCは、運用波長数に応じて光増幅器の出力パワーが一定となるように制御を行う。光増幅器は、通常ALCを行い、運用波長数に変化が生じたとき、AGCを行うことによって、波長数の変化があっても安定した光通信を可能とする(例えば、特許文献1,2参照)。
【0004】
図8は、従来の光通信システムのブロック図である。光通信システムは、例えば、図に示すように送信局110、中継機120、および受信局130で構成される。送信局110は、光送信機(図中ではOS:Optical Sender)101〜103から出力される信号光を波長多重して増幅し、中継機120へ出力する。中継機120は、伝送路で減衰した送信局110からの信号光を増幅し、受信局130へ出力する。受信局130は、伝送路で減衰した中継機120からの信号光を増幅して波長分割し、光受信機(図中ではOR:Optical Receiver)141〜143へ出力する。
【0005】
送信局110は、光合波器111、カプラ112,116、スペクトルアナライザ113、光増幅器114、および監視制御部115を有している。光送信機101〜103から出力される信号光は、光合波器111に入力される。光合波器111は、入力される信号光を波長多重し、カプラ112を介してスペクトルアナライザ113および光増幅器114に出力する。
【0006】
スペクトルアナライザ113は、光合波器111から出力される波長多重された信号光を波長ごとに分割し、波長ごとの光パワーを算出する。そして、スペクトルアナライザ113は、分割した波長およびそのパワーに基づいて、運用波長数(送信局110に入力されている信号光の数)を算出する。スペクトルアナライザ113は、算出した運用波長数を光増幅器114および監視制御部115に出力する。
【0007】
光増幅器114は、スペクトルアナライザ113から出力される運用波長数に応じて、信号光のAGCおよびALCを行う。光増幅器114は、通常、運用波長数に応じた一定の光パワーの信号光を出力するようにALCを行い、光送信機101〜103の追加や削除により運用波長数に変化があるとAGCを行う。また、光増幅器114は、光合波器111の障害によって、光合波器111から出力される多重化された信号光の運用波長数に変化があるとAGCを行う。
【0008】
監視制御部115は、スペクトルアナライザ113からの運用波長数を監視制御信号OSCに含めて中継機120および受信局130に送信する。中継機120および受信局130は、スペクトルアナライザを具備していないため、運用波長数を通知する必要があるからである。また、監視制御部115は、光増幅器114と情報のやり取りをし、光増幅器114の動作を監視、制御する。
【0009】
中継機120は、カプラ121,124、光増幅器122、および監視制御部123を有している。送信局110から出力される信号光は、カプラ121を介して光増幅器122に入力される。また、送信局110から出力される監視制御信号OSCは、カプラ121を介して監視制御部123に入力される。監視制御部123は、監視制御信号OSCから運用波長数を抽出し、光増幅器122およびカプラ124に出力する。光増幅器122は、監視制御部123から出力される運用波長数に応じて、信号光のAGCおよびALCを行う。なお、光増幅器122のAGCおよびALCの切り替えは、光増幅器114と同様であり、その詳細な説明は省略する。
【0010】
受信局130は、カプラ131、光増幅器132、監視制御部133、および光分波器134を有している。中継機120から出力された信号光は、カプラ131を介して光増幅器132に入力される。また、中継機120から出力された監視制御信号OSCは、カプラ131を介して監視制御部133に入力される。監視制御部133は、監視制御信号OSCから運用波長数を抽出し、光増幅器132に出力する。光増幅器132は、監視制御部133から出力される運用波長数に応じて、信号光のAGCおよびALCを行う。なお、光増幅器132のAGCおよびALCの切り替えは、光増幅器114と同様であり、その詳細な説明は省略する。光分波器134は、光増幅器132から出力される信号光を波長ごとに分離し、光受信機141〜143に出力する。
【0011】
ところで、メトロ向けの光通信システム等では、コストが非常に重要である。そこで、コストの高いスペクトルアナライザ113を用いずに光通信を行う光通信システムがある。
【0012】
図9は、スペクトルアナライザを用いない従来の光通信システムのブロック図である。図9に示す送信局150は、図8の送信局110に対し、カプラ112およびスペクトルアナライザ113が省略され、カプラ151〜153およびパワーモニタ部154が設けられている。図9において図8と同じものには同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0013】
図9の光通信システムでは、光合波器111の入力段の各信号光が、カプラ151〜153を介しPD(Photo Diode)等で構成されるパワーモニタ部154に入力される。パワーモニタ部154は、一定値以上の光パワーを持つ信号光の数を検出し、運用波長数を検出する。光増幅器114は、パワーモニタ部154によって検出された運用波長数によって、AGCおよびALCの切り替えを行う。これによって、スペクトルアナライザ113が不要になり、構成が簡易となって、コストの低減を図ることができる。
【特許文献1】特開2000−236301号公報
【特許文献2】特開平8−195733号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかし、光合波器の入力段で運用波長数を取得する構成では、光合波器の入力段から光増幅器の入力段の間で発生する障害に対しては非監視である。そのため、障害に対して動作モードの切り替えが適切に行われないという問題点があった。
【0015】
例えば、図9において、光送信機101〜103から信号光が出力され、パワーモニタ部154によって検出される運用波長数が3であるとする。ところが、光合波器111の光送信機101に対する信号線に断線が発生し、光合波器111から、波長数2の多重化された信号光が出力されたとする。この場合、波長数が3から2に変化したので、光増幅器114はAGCを行わなければならない。
【0016】
スペクトルアナライザ113では、光増幅器114の入力段の信号光を波長ごとに分割して運用波長数を取得するので、光合波器111の障害による波長数の変化を認識できる。しかし、パワーモニタ部154では、光合波器111の障害による波長数の変化を認識できず、光増幅器114は、動作モードの切り替えを行うことができない。
【0017】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、スペクトルアナライザを用いることなく光合波器の入力段と光増幅器の入力段との間の障害を監視し、適切に利得一定制御および出力一定制御を切り替えることができる伝送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の1実施形態によれば、上記問題を解決するために、図1に示すような信号光を多重化し送信する伝送装置1において、複数の信号光を波長多重する光合波手段1dと、光合波手段1dの後段に接続され、波長多重された信号光の利得を一定に制御する利得一定制御および出力を一定に制御する出力一定制御を行う光増幅手段1eと、光合波手段1dに入力される複数の信号光の光パワーの合計値と、波長多重された信号光の光パワーとに基づいて、光増幅手段1eの利得一定制御および出力一定制御の実行を判定する制御判定手段1fと、を有することを特徴とする伝送装置1が提供される。
【0019】
このような伝送装置1によれば、光合波手段1dに入力される複数の信号光の光パワーの合計値と、多重化された信号光の光パワーとに基づいて、光増幅手段1eの利得一定制御および出力一定制御の実行を判定する。これにより、スペクトルアナライザを用いることなく光合波手段1dの入力段と光増幅手段1eの入力段との間の障害を監視できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の伝送装置では、光合波手段に入力される複数の信号光の光パワーの合計値と、多重化された信号光の光パワーとに基づいて、光増幅手段の利得一定制御および出力一定制御の実行を判定するようにした。これによって、スペクトルアナライザを用いることなく光合波手段の入力段と光増幅手段の入力段との間の障害を監視でき、適切に利得一定制御および出力一定制御を切り替えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の原理を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、伝送装置の概要を示した図である。図に示すように伝送装置1は、カプラ1a〜1c、光合波手段1d、光増幅手段1e、および制御判定手段1fを有している。伝送装置1には、光送信機2a〜2cが接続され、信号光が入力される。伝送装置1の後段には、図示していないが、信号光を中継する中継機、信号光を受信して波長分割する受信局が接続され、光送信機2a〜2cの信号光は、受信局に接続される光受信機に伝送される。
【0022】
光合波手段1dは、光送信機2a〜2cから出力される複数の信号光を波長多重する。
光増幅手段1eは、光合波手段1dの後段に接続され、波長多重された信号光の利得を一定に制御する利得一定制御を行う。また、波長多重された信号光の出力を一定に制御する出力一定制御を行う。
【0023】
制御判定手段1fは、カプラ1a〜1cを介して、光合波手段1dに入力される複数の信号光を受信し、その信号光の光パワーの合計値を算出する。光増幅手段1eは、入力段に、波長多重された信号光の光パワーを取得するモニタを有しており、制御判定手段1fは、このモニタから波長多重された信号光の光パワーを取得する。なお、光増幅手段1eが入力段にモニタを有していない場合、光増幅手段1eの前段に波長多重された信号光の光パワーを取得するモニタを設けてもよい。
【0024】
制御判定手段1fは、光合波手段1dに入力される信号光の光パワーの合計値と、波長多重された信号光の光パワーとに基づいて、光増幅手段1eの行う利得一定制御および出力一定制御を判定する。例えば、光合波手段1dに障害が発生した場合、光合波手段1dに入力される信号光の光パワーの合計値と、光増幅手段1eに入力される波長多重された信号光の光パワーとに所定の差が生じる。これによって、制御判定手段1fは利得一定制御を判定できる。
【0025】
このように、光合波手段1dに入力される複数の信号光の光パワーの合計値と、光増幅手段1eに入力される多重化された信号光の光パワーとに基づいて、光増幅手段1eの利得一定制御および出力一定制御の実行を判定するようにした。これによって、スペクトルアナライザを用いることなく光合波手段1dの入力段と光増幅手段1eの入力段との間の障害を監視でき、適切に利得一定制御および出力一定制御を切り替えることができる。
【0026】
次に、第1の実施の形態を、図面を参照して、詳細に説明する。
図2は、第1の実施の形態に係る光通信システムの構成例を示す図である。光通信システムは、例えば、図に示すように送信局20、中継機30、および受信局40で構成される。送信局20は、光送信機11〜13から出力される信号光を波長多重して増幅し、中継機30へ出力する。中継機30は、伝送路で減衰した送信局20からの信号光を増幅し、受信局40へ出力する。受信局40は、伝送路で減衰した中継機30からの信号光を増幅して波長分割し、光受信機51〜53へ出力する。なお、中継機30は、送信局20と受信局40との間に複数存在していてもよい。
【0027】
送信局20は、光合波器21、光増幅器22、監視制御部23、およびカプラ24を有している。光送信機11〜13から出力される信号光は、光合波器21に入力される。光合波器21は、入力される信号光を波長多重し、光増幅器22に出力する。
【0028】
光増幅器22は、監視制御部23から出力される制御判定結果に基づいて、信号光のAGCおよびALCを行う。ここで、光増幅器22の詳細について説明する。
図3は、光増幅器のブロック構成図である。図に示すように光増幅器22は、カプラ22a,22c,22f,22i、パワー監視部22b,22g,22j、励起レーザ22d、EDF(Erbium Doped Fiber)22e、およびVOA(Variable Optical Attenuator)22hを有している。
【0029】
パワー監視部22bは、カプラ22aを介して、光合波器21から出力される信号光の光パワーを監視する。励起レーザ22dは、カプラ22cを介して、EDF22eに励起光を出力する。
【0030】
EDF22eは、励起レーザ22dからの励起光によって信号光を増幅する。EDF22eは、信号光の帯域に共鳴を持つ物質(Er3+)が添加された光ファイバである。EDF22eは、信号光とは波長が異なる励起光が注入されることにより、反転分布を生成し、誘導放射により多重化された信号光を一括で増幅する。
【0031】
パワー監視部22gは、カプラ22fを介して、VOA22hに入力される信号光の光パワーを監視する。VOA22hは、EDF22eから出力される信号光を減衰する。パワー監視部22jは、カプラ22iを介して、VOA22hから出力される信号光の光パワーを監視する。
【0032】
WDMでは、受端の光受信機51〜53におけるSN比が一定以上であることおよび光パワーが所定の範囲内であることが信号品質確保のため重要である。また、伝送路への光パワーが大きくなりすぎると、様々な非線形効果により信号劣化が起こるため、1chあたりの伝送路への光パワーを所定値内に抑える必要がある。このため、光増幅器22は、信号光の光パワーが一定となるように、通常時は、ALCを行い、運用波長数の増減など、光パワーが過渡的に変動するような場合、AGCを行う。
【0033】
光増幅器22は、励起レーザ22dの励起光およびVOA22hを制御してAGCおよびALCを行う。光増幅器22は、パワー監視部22b,22gによって信号光の利得を監視し、さらに、パワー監視部22jによって、出力する信号光の光パワーを監視する。また、光増幅器22は、パワー監視部22g,22jによって、VOA22hの減衰量を監視し、VOA22hを制御する。
【0034】
図2の説明に戻る。監視制御部23は、光増幅器22のモード切り替え(ALCおよびAGCの切り替え)を制御する。図2の光通信システムでは、運用波長数が予め決まっている。監視制御部23は、予め決まっている運用波長数を基に、光合波器21に入力される信号光の光パワーの合計値を算出する。そして、光増幅器22に入力される多重化された信号光の光パワーと比較し、ALCを行うべきかAGCを行うべきか判定する。
【0035】
光増幅器22がAGCを行う条件は、次の式(1)によって示される。
|10Log(pexp)+10Log(k)−10Log(Pin)|≧M
…(1)
また、光増幅器22のALCを行う条件は、次の式(2)によって示される。
【0036】
|10Log(pexp)+10Log(k)−10Log(Pin)|<M−α
…(2)
ここで、pexpは、光合波器21に入力される1chあたりの光パワーの期待値を示す。kは、光通信システムに設定された運用波長数である。Pinは、光増幅器22に入力される多重化された信号光の光パワーを示す。Mは、運用波長数の変化を検出するためのシステムマージンを示す。αは、ヒステリシスを示す。なお、pexp,k,M,およびαは、記憶装置に予め記憶されている。また、Pinは、光増幅器22のパワー監視部22bより取得することができる。
【0037】
波長数kにおいて期待される光合波器21に入力される信号光の光パワーの合計値は、式(1),(2)の左辺第1項、第2項に示すように、10Log(pexp)+10Log(k)[W]で示される。これと、式(1),(2)の左辺第3項に示す光増幅器22に入力される多重化された信号光の光パワー10Log(Pin)とを比較することにより、光合波器21の入力段と光増幅器22の入力段との間の波長数の変化を監視できる。
【0038】
この2値の差の絶対値がM以上であれば(式(1)を満たせば)、設定されている運用波長数と光増幅器22に入力される信号光の波長数とが異なっていると判断できる。または、想定以上または想定以下の光パワーを持つ信号光が存在すると判断できる。これにより、光増幅器22は、AGCを行うことになる。これに対し、2値の差の絶対値がM−αより小さければ(式(2)を満たせば)、光増幅器22は、ALCを行うことになる。
【0039】
このように、式(1),(2)に従ってALCおよびAGCを切り替えることにより、適切なSN比を維持した通信が可能となる。なお、式(2)のαは、光パワーの差がMより小さくなっても、直ちに、ALCの制御に遷移するのを防止し、AGCとALCの制御の遷移を頻繁に行わないようにするために設けられる。
【0040】
また、監視制御部23は、ALCおよびAGCの制御判定結果を監視制御信号OSCに含めて、中継機30および受信局40に送信する。
中継機30は、カプラ31,34、光増幅器32、および監視制御部33を有している。送信局20から出力される信号光は、カプラ31を介して光増幅器32に入力される。また、送信局20から出力される監視制御信号OSCは、カプラ31を介して監視制御部33に入力される。監視制御部33は、監視制御信号OSCから制御判定結果を抽出し、光増幅器32およびカプラ34に出力する。光増幅器32は、監視制御部33から出力される制御判定結果に基づいて、信号光のAGCおよびALCを行う。
【0041】
受信局40は、カプラ41、光増幅器42、監視制御部43、および光分波器44を有している。中継機30から出力された信号光は、カプラ41を介して光増幅器42に入力される。また、中継機30から出力された監視制御信号OSCは、カプラ41を介して監視制御部43に入力される。監視制御部43は、監視制御信号OSCから制御判定結果を抽出し、光増幅器42に出力する。光増幅器42は、監視制御部43から出力される制御判定結果に基づいて、信号光のAGCおよびALCを行う。光分波器44は、光増幅器42から出力される信号光を波長分割し、光受信機51〜53に出力する。このように、監視制御信号OSCを中継機30および受信局40に送信することにより、中継機30および受信局40においてもAGCおよびALCの切り替えを行うことができる。
【0042】
以上説明したように、予め決まっている運用波長数と、光合波器21に入力される信号光の光パワーの期待値とによって、光合波器21に入力される信号光の光パワーの合計値を算出する。そして、この光パワーの合計値と、光増幅器22に入力される光合波器21によって多重化された信号光の光パワーとを比較するようにした。これによって、スペクトルアナライザを用いることなく光合波器21の入力段と光増幅器22の入力段との間の障害を監視でき、適切にAGCおよびALCを切り替えることができる。
【0043】
次に、第2の実施の形態を、図面を参照して、詳細に説明する。第1の実施の形態では、運用波長数が固定であり、固定の運用波長数を用いてAGCを行うべきかALCを行うべきか判定するようにしていた。これに対し、第2の実施の形態では、光合波器に入力される信号光の波長数を取得するようにして、任意の波長数に基づいてAGCを行うべきかALCを行うべきかの判定をできるようにする。
【0044】
図4は、第2の実施の形態に係る光通信システムの構成例を示す図である。図4の光通信システムは、図2の光通信システムに対し、カプラ61〜63およびパワーモニタ部64を有しているところが異なる。また、監視制御部65の機能が図2の監視制御部23と一部異なる。なお、図4において、図2と同じものには同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0045】
パワーモニタ部64には、カプラ61〜63を介して、光送信機11〜13から出力される信号光が入力される。パワーモニタ部64は、光送信機11〜13から出力される信号光に基づいて、光合波器21に入力される運用波長数を検出する。具体的には、パワーモニタ部64は、一定値以上の光パワーを持つ信号光の数を検出し、運用波長数を検出する。
【0046】
監視制御部65は、パワーモニタ部64で検出された運用波長数を基に、光合波器21に入力される信号光の光パワーの合計値を算出する。監視制御部65は、光合波器21に入力される各信号光の光パワーの期待値に、パワーモニタ部64によって検出された運用波長数を乗算することによって、光合波器21に入力される信号光の光パワーの合計値を算出する。そして、光増幅器22に入力される多重化された信号光の光パワーと比較し、ALCを行うべきかAGCを行うべきか判定する。
【0047】
光増幅器22のAGCを行う条件は、次の式(3)によって示される。
|10Log(pexp)+10Log(k)−10Log(Pin)|≧L+M
…(3)
また、光増幅器22のALCを行う条件は、次の式(4)によって示される。
【0048】
|10Log(pexp)+10Log(k)−10Log(Pin)|<L+M−α
…(4)
ここで、pexpは、光合波器21に入力される1chあたりの光パワーの期待値を示す。kは、パワーモニタ部64によって検出された運用波長数を示す。Pinは、光増幅器22に入力される多重化された信号光の光パワーを示す。Lは、パワーモニタ部64によって信号光の光パワーがモニタされるポイントと、光増幅器22の入力段との間の経路損失を示す。Mは、運用波長数の変化を検出するためのシステムマージンを示す。αは、ヒステリシスを示す。なお、pexp,L,Mおよびαは、記憶装置に予め記憶されている。また、Pinは、光増幅器22のパワー監視部22bより取得することができる。
【0049】
波長数kにおいて期待される光合波器21に入力される信号光の光パワーの合計値は、式(3),(4)の左辺第1項、第2項に示すように、10Log(pexp)+10Log(k)で示される。これと、式(3),(4)の左辺第3項に示す光増幅器22に入力される多重化された信号光の光パワー10Log(Pin)とを比較することにより、光合波器21の入力段と光増幅器22の入力段との間の波長数の変化を監視できる。
【0050】
この2値の差の絶対値がL+M以上であれば(式(3)を満たせば)、運用波長数と光増幅器22に入力される信号光の波長数とが異なると判断できる。または、想定以上または想定以下の光パワーを持つ信号光が存在すると判断できる。これにより、光増幅器22は、AGCを行うことになる。これに対し、2値の差の絶対値がL+M−αより小さければ(式(4)を満たせば)、光増幅器22は、ALCを行うことになる。なお、予め経路損失を考慮してpexpを決めている場合には、式(3),(4)の右辺のLは不要となる。
【0051】
このように、式(3),(4)に従ってALCおよびAGCを切り替えることにより、適切なSN比を維持した通信が可能となる。なお、式(4)のαは、光パワーの差がL+Mより小さくなっても、直ちにALCの制御に遷移するのを防止し、AGCとALCの制御の遷移を、頻繁に行わないようにするために設けられる。
【0052】
以上説明したように、パワーモニタ部64により光合波器21の入力段で取得した運用波長数と、光合波器21の入力段における1chあたりの信号光の光パワーの期待値とから、光合波器21の入力段における信号光の光パワーの合計値を算出する。そして、この光パワーの合計値と、光増幅器22に入力される光合波器21によって多重化された信号光の光パワーとを比較するようにした。これによって、スペクトルアナライザを用いることなく光合波器21の入力段と光増幅器22の入力段との間の障害を監視でき、適切にAGCおよびALCを切り替えることができる。
【0053】
次に、第3の実施の形態を、図面を参照して、詳細に説明する。第2の実施の形態では、光合波器に入力される信号光の所定値を超える光パワーの数によって波長数を取得し、光合波器に入力される各信号光の光パワーの期待値から、光合波器に入力される信号光の光パワーの合計値を算出して、AGCを行うべきかALCを行うべきか判定した。これに対し、第3の実施の形態では、波長数を求めることなくパワーモニタ部によって光合波器に入力される信号光の光パワーの合計値を取得し、この光パワーの合計値と、光増幅器の入力段における多重化された信号光の光パワーとを比較して、AGCを行うべきかALCを行うべきかの判定を行う。
【0054】
図5は、第3の実施の形態に係る光通信システムの構成例を示す図である。図5の光通信システムは、図4の光通信システムに対し、送信局70のパワーモニタ部71の機能が図4のパワーモニタ部64と一部異なる。また、監視制御部72の機能が監視制御部65と一部異なる。なお、図5において、図4と同じものには同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0055】
パワーモニタ部71には、カプラ61〜63を介して、光送信機11〜13から出力される信号光が入力される。パワーモニタ部71は、光送信機11〜13から出力される各信号光の光パワーを取得し、その合計値を算出する。
【0056】
監視制御部72は、パワーモニタ部71で算出された、光送信機11〜13の光パワーの合計値と、光増幅器22に入力される多重化された信号光の光パワーと比較し、ALCを行うべきかAGCを行うべきか判定する。
【0057】
光増幅器22のAGCを行う条件は、次の式(5)によって示される。
|10Log(Σpi)−10LogPin|≧L+M …(5)
また、光増幅器22のALCを行う条件は、次の式(6)によって示される。
【0058】
|10Log(Σpi)−10LogPin|<L+M−α …(6)
ここで、pi(i=1〜3)は、光合波器21に入力される各光送信機11〜13の光パワーを示す。よって、Σpiは、光合波器21の入力段における信号光の光パワーの合計値を示す。Pinは、光増幅器22に入力される信号光の光パワーを示す。Lは、パワーモニタ部71によって信号光の光パワーがモニタされるポイントと、光増幅器22の入力段との間の経路損失を示す。Mは、運用波長数の変化を検出するためのシステムマージンを示す。αは、ヒステリシスを示す。なお、L,M,およびαは、記憶装置に予め記憶されている。また、Pinは、光増幅器22のパワー監視部22bより取得することができる。
【0059】
光合波器21の入力段における信号光の光パワーの合計値は、式(5),(6)の左辺第1項に示すように、10Log(Σpi)で示される。これと、光増幅器22に入力される多重化された信号光の光パワー10Log(Pin)とを比較することにより、光合波器21の入力段と光増幅器22の入力段との間の波長数の変化を監視できる。
【0060】
この2値の差の絶対値がL+M以上であれば(式(5)を満たせば)、運用波長数と光増幅器22に入力される信号光の波長数とが異なると判断できる。または、想定以上または想定以下の光パワーを持つ信号光が存在すると判断できる。これにより、光増幅器22は、AGCを行うことになる。これに対し、2値の差の絶対値がL+M−αより小さければ(式(6)を満たせば)、光増幅器22は、ALCを行うことになる。
【0061】
このように、式(5),(6)に従ってALCおよびAGCを切り替えることにより、適切なSN比を維持した通信が可能となる。なお、式(6)のαは、光パワーの差がL+Mより小さくなっても、直ちにALCの制御に遷移するのを防止し、AGCとALCの制御の遷移を頻繁に行わないようにするために設けられる。
【0062】
以上説明したように、パワーモニタ部71によって光合波器21に入力される信号光の光パワーの合計値を取得し、この光パワーの合計値の値と、光増幅器22の入力段における多重化された信号光の光パワーとを比較して、AGCを行うべきかALCを行うべきかの判定を行うようにした。これによって、スペクトルアナライザを用いることなく光合波器21の入力段と光増幅器22の入力段との間の障害を監視でき、適切にAGCおよびALCを切り替えることができる。
【0063】
次に、第4の実施の形態を、図面を参照して、詳細に説明する。第4の実施の形態では、光合波器に入力される信号光の光パワーを一定となるように制御する。そして、一定に制御する信号光の光パワーの値を期待値として、AGCおよびALCの判定に用いる。
【0064】
図6は、第4の実施の形態に係る光通信システムの構成例を示す図である。図6において、図5と同じものには同じ符号を付し、その説明を省略する。
図6に示すように送信局80の入力段には、VOA81〜83が設けられている。VOA81〜83は、パワーモニタ部84の制御に応じて、光送信機11〜13から出力される信号光を減衰し、カプラ61〜63を介して光合波器21に出力する。
【0065】
パワーモニタ部84には、カプラ61〜63を介して、VOA81〜83から出力される信号光が入力される。パワーモニタ部84は、VOA81〜83から出力される信号光の光パワーを監視し、VOA81〜83から出力される信号光の光パワーが一定となるようにVOA81〜83を制御する。また、パワーモニタ部84は、入力される信号光より、運用波長数を取得する。具体的には、一定値以上の光パワーを持つ信号光の数を検出し、運用波長数を検出する。
【0066】
監視制御部85は、パワーモニタ部84で検出された運用波長数を基に、光合波器21に入力される信号光の光パワーの合計値を算出する。監視制御部85は、光合波器21に入力される各信号光の光パワーの期待値に、パワーモニタ部84によって検出された運用波長数を乗算することによって、光合波器21に入力される信号光の光パワーの合計値を算出する。そして、光増幅器22に入力される多重化された信号光の光パワーと比較し、ALCを行うべきかAGCを行うべきか判定する。なお、期待値は、VOA81〜83によって一定に制御される光パワーの値と同じ値である。
【0067】
光増幅器22のAGCを行う条件は、次の式(7)によって示される。
|10Log(pi)+10Log(k)−10Log(Pin)|≧L+M
…(7)
また、光増幅器22のALCを行う条件は、次の式(8)によって示される。
【0068】
|10Log(pi)+10Log(k)−10Log(Pin)|<L+M−α
…(8)
ここで、piは、光合波器21に入力される信号光の光パワーの期待値を示す。kは、パワーモニタ部84によって検出された運用波長数を示す。Pinは、光増幅器22に入力される信号光の光パワーを示す。Lは、パワーモニタ部84によって信号光の光パワーがモニタされるポイントと、光増幅器22の入力段との間の経路損失を示す。Mは、運用波長数の変化を検出するためのシステムマージンを示す。αは、ヒステリシスを示す。
【0069】
なお、pi,L,Mおよびαは、記憶装置に予め記憶される。Pinは、光増幅器22のパワー監視部22bより取得することができる。また、piは、光合波器21の入力段から光増幅器22の入力段までの経路損失を考慮して決めることもできる。経路損失は、設計時に予め知ることができるからである。piを、経路損失を考慮して決めた場合、式(7),(8)の右辺のLは、不要となる。
【0070】
波長数kにおいて期待される光合波器21に入力される信号光の光パワーの合計値は、式(7),(8)の左辺第1項、第2項に示すように、10Log(pi)+10Log(k)で示される。これと、式(7),(8)の左辺第3項に示す光増幅器22に入力される多重化された信号光の光パワー10Log(Pin)とを比較することにより、光合波器21の入力段と光増幅器22の入力段との間の波長数の変化を監視できる。
【0071】
この2値の差の絶対値がL+M以上であれば(式(7)を満たせば)、運用波長数と光増幅器22に入力される信号光の波長数とが異なると判断できる。または、想定以上または想定以下の光パワーを持つ信号光が存在すると判断できる。これにより、光増幅器22は、AGCを行うことになる。これに対し、2値の差の絶対値がL+M−αより小さければ(式(8)を満たせば)、光増幅器22は、ALCを行うことになる。
【0072】
このように、式(7),(8)に従ってALCおよびAGCを切り替えることにより、適切なSN比を維持した制御が可能となる。なお、式(8)のαは、光パワーの差がL+Mより小さくなっても、直ちにALCの制御に遷移することを防止し、AGCとALCの制御の遷移を頻繁に行わないようにするために設けられる。
【0073】
以上説明したように、光合波器21に入力される信号光の光パワーをVOA81〜83によって期待値となるように一定制御する。そして、期待値と運用波長数とを乗算して、光合波器21の入力段における各光パワーの合計値を算出し、この合計値と、光増幅器22の入力段の光パワーとに基づいて、AGCおよびALCの判定を行うようにした。これによって、スペクトルアナライザを用いることなく光合波器21の入力段と光増幅器22の入力段との間の障害を監視でき、適切にAGCおよびALCを切り替えることができる。
【0074】
次に、第5の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。第5の実施の形態では、第4の実施の形態に示す送信局がカスケード接続される。
図7は、第5の実施の形態に係る光通信システムの構成例を示す図である。図7において、図6と同じものには同じ符号を付し、その説明を省略する。なお、図7では、図6の中継機30および受信局40を省略している。
【0075】
図7では、図6に対し、光合波器91が設けられている。光合波器91には、光合波器21から出力される多重化された信号光と、他の送信局90aの多重化された信号光とが入力される。光合波器91は、自己の送信局90で多重化した信号光と、他の送信局90aで多重化された信号光とをさらに多重化して、光増幅器22に出力する。なお、図7では、他の送信局を1つしか示してないが、複数存在していてもよい。この場合、光合波器91には、複数の他の送信局から多重化された信号光が入力される。
【0076】
光送信機11a〜13aは、信号光を送信局90aに出力する。送信局90aは送信局90のVOA81〜83、カプラ61〜63、光合波器21、パワーモニタ部84と同様のVOA81a〜83a、カプラ61a〜63a、光合波器21a、およびパワーモニタ部84aを有している。送信局90aのパワーモニタ部84aはパワーモニタ部84と同様に、光合波器21aに入力される信号光の光パワーを監視し、一定となるようにVOA81a〜83aを制御する。また、パワーモニタ部84aは、入力される信号光から、運用波長数を取得する。具体的には、一定値以上の光パワーを持つ信号光の数を検出し、運用波長数を検出する。パワーモニタ部84aは、取得した運用波長数を送信局90の監視制御部92へ出力する。
【0077】
送信局90の監視制御部92には、パワーモニタ部84,84aから運用波長数が入力される。また、監視制御部92には、光増幅器22に入力される多重化された信号光の光パワーが入力される。光増幅器22に入力される多重化された信号光の光パワーは、図3で示したパワー監視部22bによって取得することができる。
【0078】
監視制御部92は、パワーモニタ部84,84aで検出された運用波長数を基に、光合波器21,21aに入力される信号光の光パワーの合計値を算出する。監視制御部92は、光合波器21,21aに入力される各信号光の光パワーの期待値に、パワーモニタ部84,84aによって検出された運用波長数を乗算することによって、光合波器21,21aに入力される信号光の光パワーの合計値を算出する。そして、光増幅器22に入力される多重化された信号光の光パワーと比較し、ALCを行うべきかAGCを行うべきか判定する。なお、期待値は、VOA81〜83,81a〜83aによって一定に制御される光パワーの値と同じ値である。
【0079】
光増幅器22のAGCを行う条件は、次の式(9)によって示される。
|10Log(pi)+10Log(k)−10Log(Pin)|≧L+M
…(9)
また、光増幅器22のALCを行う条件は、次の式(10)によって示される。
【0080】
|10Log(pi)+10Log(k)−10Log(Pin)|<L+M−α
…(10)
ここで、piは、光合波器21,21aに入力される信号光の光パワーの期待値を示す。kは、パワーモニタ部84,84aによって検出された運用波長数を示す。Pinは、光増幅器22に入力される信号光の光パワーを示す。Lは、パワーモニタ部84,84aによって信号光の光パワーがモニタされるポイントと、光増幅器22の入力段との間の経路損失を示す。Mは、運用波長数の変化を検出するためのシステムマージンを示す。αは、ヒステリシスを示す。
【0081】
なお、pi,L,Mおよびαは、記憶装置に予め記憶される。Pinは、光増幅器22のパワー監視部22bより取得することができる。また、piは、光合波器21の入力段から光増幅器22の入力段までの経路損失を考慮して決めることもできる。経路損失は、設計時に予め知ることができるからである。piを、経路損失を考慮して決めた場合、式(9),(10)の右辺のLは、不要となる。
【0082】
波長数kにおいて期待される光合波器21,21aに入力される信号光の光パワーの合計値は、式(9),(10)の左辺第1項,第2項に示すように、10Log(pi)+10Log(k)で示される。これと、式(9),(10)の左辺第3項に示す光増幅器22に入力される多重化された信号光の光パワー10Log(Pin)とを比較することにより、光合波器21,21aの入力段と光増幅器22の入力段との間の波長数の変化を監視できる。
【0083】
この2値の差の絶対値がL+M以上であれば(式(9)を満たせば)、運用波長数と光増幅器22に入力される信号光の波長数とが異なると判断できる。または、想定以上または想定以下の光パワーを持つ信号光が存在すると判断できる。これにより、光増幅器22は、AGCを行うことになる。これに対し、2値の差の絶対値がL+M−αより小さければ(式(10)を満たせば)、光増幅器22は、ALCを行うことになる。
【0084】
このように、式(9),(10)に従ってALCおよびAGCを切り替えることにより、適切なSN比を維持した通信が可能となる。なお、式(8)のαは、光パワーの差がL+Mより小さくなっても、直ちに、ALCの制御に遷移するのを防止し、AGCとALCの制御の遷移を頻繁に行わないようにするために設けられる。
【0085】
以上説明したように、光合波器21,21aに入力される信号光の光パワーをVOA81〜83,81a〜83aによって期待値となるように一定制御する。そして、期待値と運用波長数とを乗算して、光合波器21,21aの入力段における各光パワーの合計値を算出し、この合計値と光増幅器22の入力段の光パワーとに基づいて、AGCおよびALCの判定を行うようにした。これによって、スペクトルアナライザを用いることなく光合波器21,21aの入力段と光増幅器22の入力段との間の障害を監視でき、適切にAGCおよびALCを切り替えることができる。
【0086】
(付記1) 信号光を多重化し送信する伝送装置において、
複数の前記信号光を波長多重する光合波手段と、
前記光合波手段の後段に接続され、前記波長多重された前記信号光の利得を一定に制御する利得一定制御および出力を一定に制御する出力一定制御を行う光増幅手段と、
前記光合波手段に入力される複数の前記信号光の光パワーの合計値と、前記波長多重された前記信号光の光パワーとに基づいて、前記光増幅手段の前記利得一定制御および前記出力一定制御の実行を判定する制御判定手段と、
を有することを特徴とする伝送装置。
【0087】
(付記2) 前記制御判定手段は、予め記憶装置に記憶されている前記光合波手段に入力される前記信号光の数と、前記光合波手段に入力される前記信号光の1チャンネルあたりの光パワーの期待値とを乗算して、前記合計値を算出することを特徴とする付記1記載の伝送装置。
【0088】
(付記3) 前記光合波手段に入力される前記信号光の光パワーの大きさから、前記光合波手段に入力される前記信号光の数を取得する信号光取得手段と、をさらに有し、
前記制御判定手段は、前記信号光の数と、前記光合波手段に入力される前記信号光の1チャンネルあたりの光パワーの期待値とを乗算して、前記合計値を算出することを特徴とする付記1記載の伝送装置。
【0089】
(付記4) 前記制御判定手段は、前記光合波手段に入力される前記信号光の各光パワーを取得して前記合計値を算出することを特徴とする付記1記載の伝送装置。
(付記5) 前記光合波手段に入力される複数の前記信号光の各光パワーを一定にする光パワー一定手段と、
前記光パワー一定手段によって、一定にされる光パワーの値を記憶した光パワー記憶手段と、
前記光合波手段に入力される複数の前記信号光の数を検出する信号光取得手段と、
をさらに有し、
前記制御判定手段は、前記光パワー記憶手段に記憶された前記値と前記信号光取得手段によって検出された前記信号光の数とを乗算して、前記合計値を算出することを特徴とする付記1記載の伝送装置。
【0090】
(付記6) 前記光合波手段による前記波長多重された前記信号光と、他の伝送装置の前記光合波手段による前記波長多重された前記信号光とを波長多重する多重光合波手段をさらに有することを特徴とする付記1記載の伝送装置。
【0091】
(付記7) 前記制御判定手段は、前記合計値と前記波長多重された前記信号光の光パワーとの差が所定値より大きい場合、前記光増幅手段の前記利得一定制御の実行を判定することを特徴とする付記1記載の伝送装置。
【0092】
(付記8) 前記制御判定手段は、前記合計値と前記波長多重された前記信号光の光パワーとの差が所定値より小さい場合、前記光増幅手段の前記出力一定制御の実行を判定することを特徴とする付記1記載の伝送装置。
【0093】
(付記9) 前記制御判定手段の判定結果を中継機および受信局に送信する判定結果送信手段をさらに有することを特徴とする付記1記載の伝送装置。
(付記10) 信号光を多重化し送受信する光通信システムにおいて、
複数の前記信号光を波長多重する光合波手段と、前記光合波手段の後段に接続され、前記波長多重された前記信号光の利得を一定に制御する利得一定制御および出力を一定に制御する出力一定制御を行う光増幅手段と、前記光合波手段に入力される複数の前記信号光の光パワーの合計値と、前記波長多重された前記信号光の光パワーとに基づいて、前記光増幅手段の前記利得一定制御および前記出力一定制御の実行を判定する制御判定手段と、前記制御判定手段の判定結果を送信する判定結果送信手段と、を有する送信局と、
前記送信局からの前記判定結果を送受信する判定結果送受信手段と、前記判定結果に基づいて、前記利得一定制御および前記出力一定制御を行う中継光増幅手段と、を有する中継機と、
前記中継機からの前記判定結果を受信する判定結果受信手段と、前記判定結果に基づいて、前記利得一定制御および前記出力一定制御を行う受信光増幅手段と、前記波長多重された前記信号光を分離する光分波手段と、を有する受信局と、
を有することを特徴とする光通信システム。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】伝送装置の概要を示した図である。
【図2】第1の実施の形態に係る光通信システムの構成例を示す図である。
【図3】光増幅器のブロック構成図である。
【図4】第2の実施の形態に係る光通信システムの構成例を示す図である。
【図5】第3の実施の形態に係る光通信システムの構成例を示す図である。
【図6】第4の実施の形態に係る光通信システムの構成例を示す図である。
【図7】第5の実施の形態に係る光通信システムの構成例を示す図である。
【図8】従来の光通信システムのブロック図である。
【図9】スペクトルアナライザを用いない従来の光通信システムのブロック図である。
【符号の説明】
【0095】
1 伝送装置
1a〜1c カプラ
1d 光合波手段
1e 光増幅手段
1f 制御判定手段
2a〜2c 光送信機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号光を多重化し送信する伝送装置において、
複数の前記信号光を波長多重する光合波手段と、
前記光合波手段の後段に接続され、前記波長多重された前記信号光の利得を一定に制御する利得一定制御および出力を一定に制御する出力一定制御を行う光増幅手段と、
前記光合波手段に入力される複数の前記信号光の光パワーの合計値と、前記波長多重された前記信号光の光パワーとに基づいて、前記光増幅手段の前記利得一定制御および前記出力一定制御の実行を判定する制御判定手段と、
を有することを特徴とする伝送装置。
【請求項2】
前記制御判定手段は、予め記憶装置に記憶されている前記光合波手段に入力される前記信号光の数と、前記光合波手段に入力される前記信号光の1チャンネルあたりの光パワーの期待値とを乗算して、前記合計値を算出することを特徴とする請求項1記載の伝送装置。
【請求項3】
前記光合波手段に入力される前記信号光の光パワーの大きさから、前記光合波手段に入力される前記信号光の数を取得する信号光取得手段と、をさらに有し、
前記制御判定手段は、前記信号光の数と、前記光合波手段に入力される前記信号光の1チャンネルあたりの光パワーの期待値とを乗算して、前記合計値を算出することを特徴とする請求項1記載の伝送装置。
【請求項4】
前記制御判定手段は、前記光合波手段に入力される前記信号光の各光パワーを取得して前記合計値を算出することを特徴とする請求項1記載の伝送装置。
【請求項5】
前記光合波手段に入力される複数の前記信号光の各光パワーを一定にする光パワー一定手段と、
前記光パワー一定手段によって、一定にされる光パワーの値を記憶した光パワー記憶手段と、
前記光合波手段に入力される複数の前記信号光の数を検出する信号光取得手段と、
をさらに有し、
前記制御判定手段は、前記光パワー記憶手段に記憶された前記値と前記信号光取得手段によって検出された前記信号光の数とを乗算して、前記合計値を算出することを特徴とする請求項1記載の伝送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−150636(P2007−150636A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−341314(P2005−341314)
【出願日】平成17年11月28日(2005.11.28)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】