説明

位相シフトフォトマスクブランクス及び位相シフトフォトマスク並びに半導体装置の製造方法

【課題】 短波長の露光波長に対しても十分な透過率が得られ、使用可能であると共に、欠陥検査波長に対しても適切な透過率を有し、満足すべき検査が可能となる位相シフトフォトマスク及び該マスクを製作するための位相シフトフォトマスクブランクス並びにこのマスクを用いた半導体装置の製造方法の提供。
【解決手段】 2層からなる減衰型位相シフト膜において、上層の膜の屈折率及び消衰係数を下層の膜の屈折率及び消衰係数よりも小さくして、露光波長における透過率を高くし、また、3層からなる減衰型位相シフト膜において、中間層の膜の屈折率及び消衰係数を上層及び下層の膜の屈折率よりも小さくして、欠陥検査波長における透過率を低くし、さらにまた、3層以上からなる減衰型位相シフト膜において、最上層の膜の屈折率及び消衰係数をその直下層の膜の屈折率よりも小さくして、露光波長における透過率を高くする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多層膜の位相シフト膜からなる位相シフトフォトマスクブランクス及び位相シフトフォトマスク、並びにこのマスクを用いた半導体装置の製造方法に関し、特に減衰型(ハーフトーン)位相シフトフォトマスク及びこのマスクを製作するための位相シフトフォトマスクブランクス、並びにこのマスクを用いた半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、減衰型の位相シフトフォトマスクとして、単層膜からなるもの(特許文献1)及び2層膜からなるもの(特許文献2)が提案されている。単層膜からなるものについてはその膜構成を図1に、2層膜からなるものについてはその膜構成を図2に示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−140635号公報
【特許文献2】特開平8−74031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年の半導体集積回路技術の発展に伴ってパターンの微細化が進むにつれ、露光波長が短波長化し、露光波長の光を減衰させる減衰型の位相シフトフォトマスクに対しては、次のような性能が要求されている。
(1)位相差(PS)は、PS=175〜180°であること。
(2)露光波長(λexp)における透過率(Texp)は、Texp=2〜30%であること。
(3)検査波長(λinsp)における透過率(Tinsp)は、Tinsp<約40〜50%(例えば、λexp=193nmのとき、λinsp=365nm)であること。
(4)露光波長における反射率(Rexp)は、好ましくは、Rexp<約20%であること。
(5)膜厚dは薄い方が好ましいこと。
【0005】
上記従来技術の位相シフト膜の場合、露光波長(λexp)を短波長化(例えば、ArFエキシマレーザー露光の場合、λexp=193nm)すると、露光波長における透過率(Texp)が上記要求透過率よりも低くなってしまう。そのため、露光波長における要求透過率を確保しようとして、この透過率(Texp)を高くすると、欠陥検査波長における透過率も高くなり過ぎるという問題が生じる。例えば、図2に示す2層膜においては、上記従来技術の場合、空気(屈折率:n)その他の気体のような周囲環境に接する上層の膜の屈折率(n−ik)が下層の膜の屈折率(n−ik)よりも大きいため、露光波長における透過率が小さくなり、例えばArFエキシマレーザーの波長に対して満足すべき透過率が得られないという問題がある。これに対して、露光波長における透過率を上げると、通常用いられる位相シフトフォトマスクの欠陥検査波長(例えば、λinsp=365nm)における透過率が大きくなり過ぎるため、欠陥検査が不可能となる。このように、上記従来技術では、近年の半導体集積回路技術の発展に対応しきれなくなっている。
【0006】
なお、欠陥検査装置メーカーの努力により、検査波長が短波長化する傾向にある。従って、検査波長(365nm)における透過率の多少の増大は問題とならなくなる可能性があるが、大幅な透過率増大は大分先にならないと解決されないと思われる。
本発明は、上記従来技術のもつ問題点を解決するものであり、短波長の露光波長に対しても十分な透過率が得られ、使用可能であると共に、欠陥検査波長に対しても適切な透過率を有し、満足すべき検査が可能となる位相シフトフォトマスク及びこのマスクを製作するための位相シフトフォトマスクブランクス、並びにこのマスクを用いた半導体装置の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記従来技術の問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、膜の屈折率に着目し、多層膜からなる位相シフト膜の構成を最適化することによって、これらの問題の解決を図り、本発明を完成するに至った。
【0008】
本発明の位相シフトフォトマスクブランクスは、ハーフトーン位相シフト膜が2層からなり、上層の膜の屈折率及び消衰係数が下層の膜の屈折率及び消衰係数よりも小さいことを特徴とし、これにより、露光波長における透過率が高くかつ反射率が低いものが得られる。
【0009】
また、本発明の位相シフトフォトマスクブランクスは、ハーフトーン位相シフト膜が3層からなり、中間層の膜の屈折率及び消衰係数が上層及び下層の膜の屈折率及び消衰係数よりも小さいことを特徴とし、これにより、欠陥検査波長における透過率が低くなり、検査が可能となる。3層膜からなる位相シフト膜の場合、基準となる膜構成として、例えば、空気その他の気体/n、k、d/n、k、d/n、k、d/透明基板(ただし、n、n、nはそれぞれ上層、中間層、下層の膜の屈折率であり、k、k、kはそれぞれ、上層、中間層、下層の膜の消衰係数であり、d、d、dはそれぞれ上層、中間層、下層の膜厚である。)のような構成を考えることができる。
【0010】
さらに、本発明のハーフトーン位相シフト膜が3層からなる場合、上層の膜の屈折率及び消衰係数を中間層の膜の屈折率及び消衰係数よりも小さいものとしてもよく、これにより、露光波長における透過率が高くかつ反射率が低いものが得られる。
【0011】
さらにまた、本発明のハーフトーン位相シフト膜が4層以上からなり、最上層の膜の屈折率及び消衰係数がその直下層の膜の屈折率及び消衰係数よりも小さいことを特徴とし、これにより、露光波長における透過率が高いものが得られる。
【0012】
前記ハーフトーン位相シフト膜はMoSiON系の膜である。その他にMoSiN系の膜、MoSiO系の膜等であってもよい。
【0013】
本発明の位相シフトフォトマスクは、上記位相シフトフォトマスクブランクスにウエハー基板に転写すべきパターンが形成されたものであり、この位相シフトフォトマスクを用いて露光を行い、微細なパターンを有する半導体装置を製造することができる。
【0014】
なお、露光波長として、上記したArFエキシマレーザー露光の場合(λexp=193nm)の他に、Fレーザー露光の場合、λexp=157nm、KrFエキシマレーザー露光の場合、λexp=248nm等が用いられ得る。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、減衰型(ハーフトーン)の位相シフト膜を2層構成とし、上層の膜の屈折率及び消衰係数を下層の膜の屈折率及び消衰係数よりも小さくしたので、露光波長における透過率が高くかつ反射率が低いものが得られる。
また、本発明によれば、減衰型の位相シフト膜を3層構成とし、中間層の膜の屈折率及び消衰係数を上層及び下層の膜の屈折率及び消衰係数よりも小さくしたので、欠陥検査波長における透過率が低くなり、欠陥検査が可能になる。
さらに、本発明によれば、減衰型の位相シフト膜を3層以上の構成とし、最上層の膜の屈折率及び消衰係数をその直ぐ下の層の膜の屈折率及び消衰係数よりも小さくしたので、露光波長における透過率が高くかつ反射率が低いものが得られる。
さらにまた、本発明の位相シフトフォトマスクブランクスは、ArFエキシマレーザー露光用位相シフトフォトマスクを得るのに大変有効であり、このフォトマスクを用いて微細なパターンを有する半導体装置の製造が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】単層からなる位相シフト膜を有する従来の減衰型の位相シフトフォトマスクの断面図。
【図2】2層からなる位相シフト膜を有する減衰型の位相シフトフォトマスクの断面図。
【図3】3層からなる位相シフト膜有する減衰型の位相シフトフォトマスクの断面図。
【図4】2層からなる位相シフト膜の各層の膜厚(d、d)の間の関係を示すグラフ。
【図5】3層からなる位相シフト膜の各層の膜厚(d、d、d)の間の関係を示すグラフ。
【図6】反応性スパッタリング工程で用いる反応ガス流量比(NO/Ar+NO、vol%)と光学定数(屈折率n及び消衰係数k)との関係を示すグラフ。
【実施例】
【0017】
以下、本発明の実施例及び比較例を図面を参照して説明する。雰囲気ガスは空気とした(n=1)。
(実施例1)
本実施例では、図1〜5に基づき、本発明の2層膜及び3層膜の膜構成の最適化について従来技術と比較して説明する。
図1に示すような単層膜の場合、位相シフト膜fを透過する光Fと位相シフト膜の開口部qを透過する光Qとの位相差(PS)は次式で与えられる。
PS = 2π(n−n)d /λ (1)
PS=180°(π)になる膜厚dは次式で与えられる。
= λexp/2(n−n) (2)
上式中、nは位相シフト膜の屈折率であり、nは空気の屈折率(n=1)であり、dは位相シフト膜の膜厚であり、λexpは露光波長である。
図2に示すような2層膜の場合、位相シフト膜を透過する光Fと位相シフト膜の開口部を透過する光Qとの位相差(PS)は次式で与えられる。
PS = PS+PS (3)
ここに、PS及びPSは次式で与えられる。
PS = 2π(n−n)d /λexp (4)
PS = 2π(n−n)d /λexp (5)
上式(3)、(4)、(5)からPS=πとなる条件は、次式である。
/d+d/d= 1 (6)
ここに、d及びdは次式で与えられる。
= λexp /2(n−n) (7)
= λexp /2(n−n) (8)
上式中、PS及びPSはそれぞれ上層及び下層の膜の位相差であり、n及びnはそれぞれ上層及び下層の膜の屈折率であり、d及びdはそれぞれ上層及び下層の膜の膜厚であり、d及びdはそれぞれ上層及び下層の膜の位相差が180°になる膜厚であり、λexpは露光波長である。
図3に示すような3層膜の場合、位相シフト膜を透過する光Fと位相シフト膜の開口部を透過する光Qとの位相差(PS)は次式で与えられる。
PS = PS+PS+PS (9)
ここに、PS、PS及びPSは次式で与えられる。
PS = 2π(n−n)d /λexp (10)
PS = 2π(n−n)d /λexp (11)
PS = 2π(n−n)d /λexp (12)
上式(9)〜(12)からPS=πとなる条件は、次式である。
/d+d/d+d/d= 1 (13)
ここに、d、d及びd は次式で与えられる。
= λexp /2(n−n) (14)
= λexp /2(n−n) (15)
= λexp /2(n−n) (16)
上式中、PS、PS及びPSはそれぞれ上層、中間層及び下層の膜の位相差であり、n、n及びnはそれぞれ上層、中間層及び下層の膜の屈折率であり、nは空気の屈折率(n=1)であり、d、d及びdはそれぞれ上層、中間層及び下層の膜の膜厚であり、d、d及びdはそれぞれ上層、中間層及び下層の膜の位相差が180°になる膜厚であり、λexpは露光波長である。
【0018】
図1、2及び3中のnは基板の屈折率であり、図1中のkは位相シフト膜の上層の膜の消衰係数であり、図2中のk及びkはそれぞれ上層及び下層の膜の消衰係数であり、また、図3中のk、k及びkはそれぞれ上層、中間層及び下層の膜の消衰係数である。
【0019】
以下に示す表1、表2において、RRはアルミニウム真空蒸着膜に対する反射率(相対反射率)、PS0は膜の吸収を無視したときの位相差、PSは膜の吸収を考慮したときの位相差を表す。
上記したように、単層膜、2層膜、3層膜の場合について、位相差πを与える条件について説明したが、以下、2層膜及び3層膜の最適化について説明する。
【0020】
先ず、2層膜の最適化について説明する。上式(6)から、位相差πを与える位相シフト膜の各層の膜厚(オングストローム)dとdとの間には、図4に示すような直線関係がある。この直線に沿った各点F11、F12、F21〜F27について、光学特性を計算した結果を表1に示した。その際、位相シフト膜の光学定数は、表4に示すMoSiONスパッター膜(350℃、3時間焼鈍品)のQ:11、Q:13についての値を用いた。表1において、fは上層の膜の屈折率が下層の膜の屈折率より高い構成のもの(従来膜)、fはその逆の構成のもの(本発明膜)を表す。表1より、露光波長193nmにおける透過率T193については、fの方がfよりも高くなることがわかる。また、露光波長193nmにおける反射率RR193については、fの方がfよりも低くなって、好ましい方向へ行くことがわかる。
【0021】
従って、f(従来膜)のように、上層の膜の屈折率が下層の膜の屈折率よりも高い位相シフト膜よりも、上層の膜の屈折率が下層の膜の屈折率よりも低い位相シフト膜の方が好ましい。
【0022】
次に、3層膜の最適化について説明する。上式(13)から、位相差πを与える位相シフト膜の各層の膜厚(オングストローム)d、d及びdは、図5に示すように、平面F11−F12−F13を3辺とする平面上の点で与えられる。この平面上の点F31、F32、F33、F34についての光学特性の計算結果を表2に示した。表2には、単層膜F11、F12、F13、及び2層膜F21、F22、F23についての計算結果を比較のために示した。表2における膜の基本構成F3j(j=1〜4)及び膜f〜fの詳細は表3に示す通りである。また、位相シフト膜の光学定数は、表4に示すMoSiONスパッター膜のQ:11、Q:25、Q:13についての値を用いた。
【0023】
表2から、次のことがわかる。膜f〜fのうち、露光波長193nmにおける透過率T193はf、f、fの膜が高く、欠陥検査波長365nmにおける透過率T365はf、fの膜が低い。また、露光波長193nmにおける反射率RR193はf、f膜よりもf、f、f、f膜の方が低い。
【0024】
従って、193nm露光用位相シフト膜としては、露光波長における透過率を高くするには、f、f、fの膜、すなわち上層の膜が中間層の膜よりも低い屈折率をもつことが好ましく、また、欠陥検査波長における透過率を低くするには、f、fの膜、すなわち中間層の膜の屈折率が上層及び下層の膜の両方よりも低いことが好ましい。
【0025】
以上の実施例においては、2層膜及び3層膜の最適化について説明したが、4層以上のハーフトーン位相シフト膜の場合についても、最上層の膜の屈折率がその直下層の膜の屈折率よりも小さいものからなる位相シフト膜であれば、最適化され、上記で説明したのと同じように露光波長における透過率が高いものが得られる。
【0026】
【表1】

【0027】
【表2】

【0028】
【表3】

【0029】
【表4】

【0030】
実施例2(位相シフトフォトマスクブランクスの製作)
平板型直流マグネトロン装置を用いて、特開平6−220627号公報、特開平8−127870号公報、及びN.Motegi, Y.Kashimoto, K.Nagatani et al., J. Vacuum Sci. Technol., Vol. B13(4),1995,pp.1906-1909 等に記載され、示されたいわゆるLTS(ロングスロースパッタリング)法に従って透明基板上にモリブデンシリサイド酸化窒化膜を形成した。すなわち、この装置内にMoSiターゲットを設置し、圧力0.0533〜0.107Pa(4〜8×10−4Torr)の下、ArガスとNOガスとを表4に示す流量及び流量比で用いる反応性スパッタリングによって、6インチ(152.4mm)角の厚さ0.25インチ(6.35mm)の6025石英基板の上にMoSiON膜を形成した。成膜後、350℃で3時間の熱処理を施して2層膜及び3層膜のMoSiON膜を位相シフト膜とする位相シフトフォトマスクブランクスを製作した。この膜構成は表1及び表2に記載された本発明の膜構成とした。製作されたMoSiON系スパッター膜に関し、反応ガス流量比(NO/Ar+NO、vol%)と光学定数との間の関係は図6及び表4に示す通りであった。図6及び表4から明らかなように、反応ガス流量比が大きい程、屈折率nと消衰係数kは小さくなることがわかる。すなわち、MoSiON膜の酸窒化度が高い程、屈折率n及び消衰係数kは小さくなる。
【0031】
また、位相シフト膜としてMoSiON系スパッター膜の代わりに、MoSiN系スパッター膜、MoSiO系スパッター膜を用いた場合も同じような傾向が見られる。
【0032】
実施例3(位相シフトフォトマスクの製作)
実施例2で得た位相シフトフォトマスクブランクス上に電子ビーム用レジスト(例えば、日本ゼオン株式会社製のZEP−810S等)を塗布し、約5000オングストローム厚さのレジスト膜を形成した。次いで、パターン露光、現像、ドライエッチング、洗浄等の一連の周知のパターン形成処理を施して、位相シフト膜の一部をエッチング除去し、開口部と位相シフト膜とで、ホール或いはドット等のパターンの形成された位相シフトフォトマスクを製作した。この際のドライエッチングは、平行平板型のRFイオンエッチング装置を用い、電極間距離60mm、作動圧力40Pa(0.3Torr)で、CF+O混合ガスを用いて、それぞれの流量比を約95容量%及び5容量%で実施した。このようにして微細なパターンを有するフォトマスクの製作が可能であった。
【0033】
実施例4(半導体装置の製造)
実施例3で得られた位相シフトフォトマスクを用いて、露光光としてArFエキシマレーザー光を使用した露光を行い、感光材の塗布されたウェハー基板上にフォトマスクの所定のパターンを転写し、次いで現像してこの所定のパターンをウェハー上に形成した。以下、公知の製造工程に従って半導体装置を製造した。かくして得られた半導体装置は微細なパターンを有していた。
【符号の説明】
【0034】
f 位相シフト膜
F 位相シフト膜を通過する光
q 位相シフト膜の開口部
Q 位相シフト膜の開口部を透過する光
空気の屈折率
、d、d 位相シフト膜の各層の膜厚
−ik、n−ik、n−ik位相シフト膜の各層の膜の複素屈折率
基板の屈折率
、k、k位相シフト膜の各層の膜の消衰係数

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハーフトーン位相シフト膜が2層からなり、波長193nmに対する上層の膜の屈折率及び消衰係数が下層の膜の屈折率及び消衰係数よりも小さく、波長365nmに対する透過率を34.36%〜72.12%とし、波長193nmに対する透過率を3.91〜8.66%とし、波長193nmに対する位相差175.0〜178.5°とすることを特徴とする位相シフトフォトマスクブランクス。
【請求項2】
上層及び下層の合計膜厚を834〜1321Åとすることを特徴とする請求項1に記載の位相シフトフォトマスクブランクス。
【請求項3】
ハーフトーン位相シフト膜が3層からなり、波長193nmに対する中間層の膜の屈折率及び消衰係数が上層及び下層の膜の屈折率及び消衰係数よりも小さいことを特徴とする位相シフトフォトマスクブランクス。
【請求項4】
ハーフトーン位相シフト膜が3層からなり、波長193nmに対する上層の膜の屈折率及び消衰係数が中間層の膜の屈折率及び消衰係数よりも小さいことを特徴とする位相シフトフォトマスクブランクス。
【請求項5】
各層の合計膜厚を1095〜1258Åとすることを特徴とする請求項3又は4に記載の位相シフトフォトマスクブランクス。
【請求項6】
ハーフトーン位相シフト膜が4層以上からなり、波長193nmに対する最上層の膜の屈折率及び消衰係数がその直下層の膜の屈折率及び消衰係数よりも小さいことを特徴とする位相シフトフォトマスクブランクス。
【請求項7】
前記ハーフトーン位相シフト膜がMoSiON系の膜であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の位相シフトフォトマスクブランクス。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の位相シフトフォトマスクブランクスにウエハー基板に転写すべきパターンが形成されてなることを特徴とする位相シフトフォトマスク。
【請求項9】
請求項8記載の位相シフトフォトマスクを用いて露光を行い、微細なパターンを有する半導体装置を製造することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項10】
露光光としてArFエキシマレーザー光を使用することを特徴とする請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
波長193nmに対する上層の膜の屈折率及び消衰係数が下層の膜の屈折率及び消衰係数よりも小さいハーフトーン位相シフト膜であって、ウェハー基板に転写すべきパターンが形成された位相シフトフォトマスクに、ArFエキシマレーザーによる露光を行い、微細なパターンを有する半導体装置を製造することを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−95787(P2011−95787A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−33684(P2011−33684)
【出願日】平成23年2月18日(2011.2.18)
【分割の表示】特願2000−243103(P2000−243103)の分割
【原出願日】平成12年8月10日(2000.8.10)
【出願人】(000101710)アルバック成膜株式会社 (39)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】