説明

位相差板用組成物および該組成物からなる位相差板

【課題】波長分散係数αが1.00未満であり、ポリカーボネートとは異なる、新しい熱可塑性樹脂からなる位相差板に用いられる樹脂組成物を提供する。
【解決手段】N−ビニルカルバゾール、ビニルナフタレンなどの式(I)で表されるモノマー、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミドなどの式(II)で表されるモノマー、及び、1−アクリロイル−4−メトキシナフタレンなどの式(III)で表されるモノマーからなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマーを重合してなる重合体(1)、並びに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂などの式(2)で表される構造単位を有するエポキシ化合物を含む位相差板用組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位相差板用の組成物および該組成物からなる位相差板に関する。
【背景技術】
【0002】
位相差板を透過する光の波長450nmのレターデーション[Re(450)]と波長550nmのレターデーション[Re(550)]との比([Re(450)]/[Re(550)])は波長分散係数αと定義され、位相差板が広い波長域において一様の偏光変換を行うためには、位相差板の波長分散係数αが1.00未満である波長分散特性を有することが好ましい。
ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ノルボルネン系樹脂などの熱可塑性樹脂を一軸延伸又は二軸延伸したものを位相差板として用いた場合には、熱可塑性樹脂によって異なる値を示すものの、通常、1.00以上の値を示す。
好ましい波長分散特性を得るため、例えば、波長分散特性の異なる2枚の位相差板を積層することが提案されている(特許文献1)。また、λ/2板とλ/4板を積層することも提案されている(特許文献2)。しかしながら、2枚以上の位相差板を貼り合わせる場合にはコスト高となり、厚みが大きくならざるを得ず、また光学特性の角度依存性が大きいなどの問題点があった。
特許文献3には、正の屈折率異方性を有するモノマーと負の屈折率異方性を有するモノマーを含む熱可塑性樹脂を延伸して得られた位相差板が、1.00 未満の波長分散係数αを有することが開示されている。しかし、かかる熱可塑性樹脂としては、具体的には、ホスゲンとビスフェノールとからなるポリカーボネートしか開示されておらず、ポリカーボネートとはホスゲンを用いることから、工業的な生産は必ずしも容易ではない。さらに、該ポリカーボネートに用いられる負の屈折率異方性を有するモノマーとしては、9−フルオレンとフェノールとの脱水縮合物である下記[F]および[G]が開示されているに過ぎない。
【0003】

【0004】
【特許文献1】特開平2−120804号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】特開平5−100114号公報(特許請求の範囲)
【特許文献3】PCT/JP99/06057(特許請求の範囲、[0119]、[0131][表4]、[0137][表5]、[0148][表8])
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、波長分散係数αが1.00未満であり、ポリカーボネートとは異なる、新しい熱可塑性樹脂からなる位相差板、該位相差板用膜、および該位相差板用膜に用いられる樹脂組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、鋭意検討した結果、特定の炭素−炭素二重結合を有する重合体(1)と、ビスフェノールに由来するエポキシ化合物(2)とを含む位相差板用組成物が、波長分散係数αが1.00未満である位相差板を与えることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、式(I)で表されるモノマー、式(II)で表されるモノマー及び式(III)で表されるモノマーからなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマーを重合してなる重合体(1)並びに式(2)で表される構造単位を有するエポキシ化合物を含む位相差板用組成物、該組成物を成膜してなる位相差板用膜、および該位相差板用膜をさらに延伸してなる位相差板である。
【0007】

(式(I)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは5〜20員環の芳香族性を有する環状炭化水素基を表す。該環状炭化水素基は、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数5〜12のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基、グリシドキシ基、炭素数2〜4のアシル基、カルボキシル基、ハロゲン原子が結合していてもよく、該環状炭化水素基の炭素原子は、窒素原子又は硫黄原子に置換されていてもよい。)
【0008】

(式(II)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基またはRおよびRが連結したアルキレン基を表す。該アルキル基及び該アルキレン基の水素原子は水酸基に置換されていてもよく、該アルキル基及び該アルキレン基に含まれる炭素原子は、ヘテロ原子で置換されていてもよい。)
【0009】

(式(III)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは、水素原子、メチル基、5〜20員環の環状炭化水素基を表す。該環状炭化水素基には、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数5〜12のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基、グリシドキシ基、炭素数2〜4のアシル基、カルボキシル基、ハロゲン原子が結合していてもよく、該環状炭化水素基を構成する炭素原子はヘテロ原子で置換されていてもよい。該アルキル基、該アルコキシ基、該アリール基及び該アラルキル基の水素原子は、水酸基又はハロゲン原子に置換されていてもよい。)
【0010】

(Aは炭素数1〜6の炭化水素基を表し、Bはそれぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基またはハロゲン原子を表す。mは0又は1の整数を表し、nは0〜4の整数を表す。)
【発明の効果】
【0011】
本発明の位相差板用組成物は、ポリカーボネートとは異なる位相差板用膜を与える。また、ホスゲンを用いることがなくとも、熱硬化などの簡便な方法で位相差板用膜を調製することができる。
また、得られた位相差板の波長分散係数αは1.00未満であり、かつ、300〜700nm可視領域全般で右上がりの分散を示すことから、本発明の位相差板は、広い波長域で一様の偏光変換を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の組成物は、式(I)で表されるモノマー(以下、モノマー(I)という場合がある)、式(II)で表されるモノマー(以下、モノマー(II)という場合がある)及び式(III)で表されるモノマー(以下、モノマー(III)という場合がある)からなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマーを重合してなる重合体(1)並びに式(2)で表される構造単位を有するエポキシ化合物(以下、エポキシ化合物(2)という場合がある)を含む位相差板用組成物である。
【0013】
モノマー(I)におけるRは、水素原子又はメチル基を表し、好ましくは水素原子である。
モノマー(I)におけるRは5〜20員環の芳香族性を有する環状炭化水素基を表す。該環状炭化水素基は、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数5〜12のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基、グリシドキシ基、炭素数2〜4のアシル基、カルボキシル基、ハロゲン原子が結合していてもよく、該環状炭化水素基の炭素原子は、窒素原子又は硫黄原子に置換されていてもよい。
該芳香族性を有する環状炭化水素基の具体例としては、フェニル基、ベンジル基、ナフチル基、アントラセニル基などの芳香族性炭化水素基、ピロール基、フラニル基、ピラジニル基、ピラゾール基、ピリジニル基、チアゾール基などの芳香族性複素環基などが例示される。
【0014】
芳香族性を有する環状炭化水素基には、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t-ブチル基、オクチル基などの炭素数1〜12のアルキル基、例えば、メトキシ基、エトキシ基などの炭素数1〜12のアルコキシ基、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子、例えば、アセチル基などのような炭素数2〜4のアシル基、水酸基、グリシドキシ基、カルボキシル基が結合していてもよい。
【0015】
芳香族性を有する環状炭化水素基は、複数の芳香族性を有する環状炭化水素基が連結基を介して結合されてなる1価の基であってもよい。連結基としては、例えば、メチレン基、エチリデン基、プロピリデン基、イソプロピリデン基、シクロヘキシリデン基、エチレン基、プロピレン基などの炭素数1〜6程度の炭化水素基、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、-CO-などが挙げられる。また、複数の芳香族性を有する環状炭化水素基が、単結合で結合していてもよい。
具体的には、複数の芳香族性を有する環状炭化水素基が単結合で結合した例としてはビフェニル基が挙げられ、複数の芳香族性を有する環状炭化水素基がイソプロピリデン基で結合した下記式で表される基などが例示される。

【0016】
モノマー(I)としては、例えば、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、o−エチルスチレン、p−エチルスチレンのようなアルキルスチレン、例えば、ヒドロキシスチレン、t−ブトキシスチレン、ビニル安息香酸、ビニルベンジルアセテート、o−クロロスチレン、p−クロロスチレンなどの、ベンゼン環に水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、アシルオキシ基、ハロゲンなどが結合した置換スチレン、例えば、4−ビニルビフェニル、4−ヒドロキシ−4′−ビニルビフェニルなどのビニルビフェニル系化合物、ビニルナフタレン、ビニルアントラセンなどの縮合環及びビニル基を有する化合物、N−ビニルフタルイミドなどの芳香族性炭化水素基、複素環基およびビニル基を有する化合物等が挙げられる。
芳香族性を有する環状炭化水素基として芳香族性芳香環基を有するモノマー(I)としては、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドールなどが挙げられる。
【0017】
式(I)で表されるモノマーとしては、R中に芳香族性炭化水素基、複素環基などを2〜3個有する化合物が好ましく、中でも、ビニルナフタレン、N−ビニルカルバゾール又はビニルアントラセンであることが好ましい。
【0018】
本発明の位相差板用組成物を構成する全ての構造単位100モル%に対し、モノマー(I)に由来する構造単位の含有量としては、後述するモノマー(II)又はモノマー(III)に由来する構造単位が含まれていれば、含有されなくてもよいが、通常、1〜20モル%、好ましくは2〜15モル%、更に好ましくは3〜10モル%である。式(I)で表されるモノマーの含有量が1〜20モル%であると、位相差板の波長分散係数が小さくなる傾向があることから好ましい。
【0019】
モノマー(II)におけるRは、水素原子又はメチル基を表し、好ましくは水素原子である。
モノマー(II)におけるRおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−ブチル基などの炭素数1〜6のアルキル基またはRおよびRがブチレン基、ヘキシレン基などで連結したアルキレン基を表す。該アルキル基及び該アルキレン基の水素原子は水酸基に置換されていてもよい。また、該アルキル基及び該アルキレン基に含まれるメチレン基は、酸素原子、硫黄原子、スルホン基、アミノ基などのヘテロ原子で置換されていてもよい。
【0020】
モノマー(II)の具体例としては、例えば、アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド等のN−置換(メタ)アクリルアミド、例えば、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジプロピル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン等のN,N−置換(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
モノマー(II)としては、中でも、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、及びアクリロイルモルホリンが好ましい。
モノマー(II)は、市販されているものをそのまま使用すればよい。
【0021】
本発明の位相差板用組成物を構成する全ての構造単位100モル%に対し、モノマー(II)に由来する構造単位の含有量としては、前述するモノマー(I)又は後述するモノマー(III)に由来する構造単位が含まれていれば、含有されなくてもよいが、通常、5〜95モル%、好ましくは10〜70モル%、更に好ましくは15〜60モル%である。モノマー(II)の含有量が5〜80モル%であると、位相差板の波長分散係数が小さくなる傾向があることから好ましい。
【0022】
モノマー(III)におけるRは、水素原子又はメチル基を表し、好ましくは水素原子である。
モノマー(III)におけるRは水素原子、メチル基、5〜20員環の環状炭化水素基を表す。環状炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基などの芳香環基、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、イソボルニル基、トリシクロデカニル基、アダマンチル基、などのシクロアルキル基などが挙げられる。
環状炭化水素基には、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t-ブチル基、オクチル基などの炭素数1〜12のアルキル基、例えば、メトキシ基、エトキシ基などの炭素数1〜12のアルコキシ基、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子、例えば、アセチル基などのような炭素数2〜4のアシル基、炭素数5〜12のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基、水酸基、グリシドキシ基、カルボキシル基が結合していてもよい。
環状炭化水素基に含まれる炭素原子は、酸素原子、硫黄原子、スルホン基、アミノ基などのヘテロ原子で置換されていてもよい。
【0023】
モノマー(III)の具体例としては、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、アントラセニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−テトラヒドロピラニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、1−アクリロイル−4−メトキシナフタレン等が例示され、中でも、メチル(メタ)アクリレート、1−アクリロイル−4−メトキシナフタレン、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−テトラヒドロピラニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、又はナフチル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0024】
本発明の位相差板用組成物を構成する全ての構造単位100モル%に対し、モノマー(III)に由来する構造単位の含有量としては、前述するモノマー(I)又はモノマー(II)に由来する構造単位が含まれていれば、含有されなくてもよいが、通常、1〜95モル%、好ましくは5〜90モル%、更に好ましくは10〜80モル%である。式(III)で表されるモノマーの含有量が1〜95モル%であると、位相差板の波長分散係数が小さくなる傾向があることから好ましい。
【0025】
本発明の位相差板用組成物に用いられる重合体(1)としての(I)-(III)の好ましい組合せは、2種以上モノマーが好ましい。中でも、モノマー(I)とモノマー(III)の組合せ、モノマー(I)とモノマー(II)の組合せ、モノマー(II)とモノマー(III)の組合せ、モノマー(I)とモノマー(II)とモノマー(III)の組合せが好ましい。
【0026】
本発明の位相差板用組成物に用いられる重合体(1)は、モノマー(I)〜(III)の異なる複数のモノマーを併用してもよい。
本発明の位相差板用組成物には、モノマー(I)〜(III)以外にも、モノマー(I)〜(III)と共重合可能なモノマー(以下、共重合可能なモノマー(IV)という場合がある)に由来する繰り返し単位が含有されていてもよい。共重合可能なモノマー(IV)としては、例えば、下記式(IV-a)で表されるモノマー(以下、モノマー(IV-a)という場合がある)、酢酸ビニル、(無水)マレイン酸、マレイミド、グリシジル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、炭素数2〜12のアルキルエステルを有する(メタ)アクリレート、エチレン、炭素数3〜20のα−オレフィン化合物、炭素数5〜20の環状オレフィン、炭素数5〜20の脂環式構造を有するビニル化合物などが挙げられる。
【0027】

式(IV-a)中、Rは前記Rと同じ意味を表し、sは1〜20の整数を表し、Rは前記Rと同じ意味を表す。
【0028】
モノマー(IV-a)としては、下記式(IV−1)〜(IV−2)で表されるモノマーが好ましい。

(式(IV−1)中、R及びsは前記と同じ意味を表し、Rは、それぞれ独立に、水酸基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、グリシドキシ基を表す。tは0〜4の数を表し、uは0〜5の数を表す。)
【0029】

(式中、R、R、s及びtは前記と同じ意味を表す。)
【0030】
モノマー(IV-a)の具体例としては、次のようなモノマーが例示される。

【0031】
モノマー(IV-a)の製造方法としては、例えば、Rの構造を与える化合物としてフェノール化合物を用い、該化合物にエチレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドを反応させて、R−(CH−CH−O)−Hを得て、さらにアクリル酸またはメタクリル酸などをエステル化する方法などが挙げられる。
【0032】
式(IV−1−1)および式(IV−2−1)で表される化合物は新中村化学工業(株)からNKエステルL−4[式(IV-1-1)で表されるモノマー]およびNKエステルA−CMP−1E[式(IV-2-1)で表されるモノマー]の商品名で市販されている。
【0033】
共重合可能なモノマー(IV)として用いられる炭素数3〜20のα−オレフィン化合物としては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンのような炭素原子数3〜20の直鎖状α−オレフィンや、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテンのような炭素原子数4〜20の分岐状α−オレフィンなどが挙げられる。
エチレン及び炭素数3〜20のα−オレフィン化合物の中でも、エチレン、炭素原子数が3又は4の直鎖状α−オレフィンであるプロピレン及び1−ブテンが、得られる共重合体をフィルム状に成形した際の柔軟性に優れることから好ましく、特にエチレンが好ましい。
【0034】
共重合可能なモノマー(IV)として用いられる環状オレフィンとは、炭素環内に重合性炭素−炭素二重結合を有する化合物である。従って、環状オレフィンをモノマー(I)〜モノマー(III)と共重合して得られる重合体(1)の主鎖中に、例えば、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、それらが2つ以上結合した環のような脂環式の環を導入し得る単量体である。具体的には、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エンや、6−アルキルビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン、5,6−ジアルキルビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン、1−アルキルビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン、7−アルキルビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エンのような、メチル基、エチル基、ブチル基などの炭素数1〜4のアルキル基が導入されたノルボンネン誘導体、ジメタノオクタヒドロナフタレンとも呼ばれているテトラシクロ[4,4,0,12,5,17,10]−3−ドデセン、8−アルキルテトラシクロ[4,4,0,12,5,17,10]−3−ドデセン、8,9−ジアルキルテトラシクロ[4,4,0,12,5,17,10]−3−ドデセンなどのジメタノオクタヒドロナフタレンの8位及び/又は9位に炭素数3以上のアルキル基が導入されたジメタノオクタヒドロナフタレン誘導体、分子内に1個又は複数個のハロゲンが導入されたノルボルネンの誘導体、8位及び/又は9位にハロゲンが導入されたジメタノオクタヒドロナフタレンの誘導体などが挙げられる。
【0035】
共重合可能なモノマー(IV)として用いられる脂環式構造を有するビニル化合物とは、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデカニル基、ノルボルネニル基、アダマンチル基などの炭素数3〜12程度の脂環式炭化水素基およびビニル基からなる化合物である。脂環式構造を有するビニル化合物をモノマー(I)〜モノマー(III)と共重合して得られる重合体(1)の主鎖に脂環式炭化水素基が結合している。
【0036】
共重合可能なモノマー(IV)は、2種類以上の共重合可能なモノマーを併用してもよい。
本発明の重合体(1)における共重合可能なモノマー(IV)に由来する繰り返し単位の含有量としては、通常、50モル%以下、好ましくは40モル%以下、さらに好ましくは30モル%以下である。共重合可能なモノマー(IV)が50モル%以下であると、位相差板の波長分散係数が小さくなる傾向があることから好ましい。
【0037】
重合体(1)が複数のモノマー種からなる場合、その共重合形式としては、ランダム形式、ブロック形式などが挙げられるが、共重合体を構成する構造単位がそれぞれドメインを形成しない程度にブロック形式が少量であると、得られる位相差板の透明性が向上することから好ましい。
【0038】
重合体(1)の調製方法としては、通常、これらモノマーを10重量%以上、好ましくは20〜40重量%の濃度になるように有機溶媒に調製し、窒素雰囲気下にて、20〜100℃程度、好ましくは40〜90℃程度、とりわけ好ましくは60〜80℃程度に加熱しながら、1〜24時間程度攪拌して、重合体(1)を含有する溶液を得る方法などが挙げられる。また、反応を制御するために、用いるモノマーや重合開始剤を重合中に直接、添加したり、有機溶媒に溶解したのち添加してもよい。
また、重合体(1)にエチレンやプロピレンなどの気体の共重合可能なモノマーを用いる場合には、窒素に代えて、かかる共重合可能なモノマー雰囲気下、好ましくは、加圧下で製造すればよい。
【0039】
有機溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエステル類;n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の脂肪族アルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類などが挙げられる。
【0040】
重合体(1)の調製に用いられる重合開始剤としては、例えば、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル−2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2'−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)などのアゾ系化合物;ラウリルパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシピバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシドなどの有機過酸化物;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素など無機過酸化物等が挙げられる。また、熱重合開始剤と還元剤を併用したレドックス系開始剤なども重合開始剤として使用し得る。
【0041】
本発明の位相差板用組成物は、かくして得られた重合体(1)及び式(2)で表される構造単位を有するエポキシ化合物(以下、エポキシ化合物(2)という場合がある)を必須成分として含有する。

【0042】
式(2)中のAは、メチレン基、エチリデン基、プロピリデン基、イソプロピリデン基、シクロヘキシリデン基などの炭素数1〜6の炭化水素基を表す。
Bはそれぞれ独立に、メチル基などの炭素数1〜6のアルキル基、またはフッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子を表す。
mは0又は1の整数を表す。m=0とはベンゼン環同士が単結合していることを意味する。nは0〜4の整数を表し、好ましくは、0〜2であり、とりわけ好ましくはn=0である。
フェノール性水酸基に由来する式(2)中の酸素原子は、通常、−(A)m−のオルト位またはパラ位の炭素原子に結合し、好ましくは、ベンゼン環のいずれも−(A)m−のパラ位の炭素原子に結合していることが好ましい。
【0043】
式(2)で表される構造単位としては、式(2−1)で表される原子団(以下、ビスフェノールA骨格という場合がある)、式(2−2)で表される原子団(ビスフェノールF骨格という場合がある)、式(2−3)で表される原子団(ビフェノール骨格という場合がある)であることが好ましい。

尚、式(2−1)〜(2−3)において、Bはそれぞれ独立に、メチル基などの炭素数1〜6のアルキル基、またはフッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子を表す。nは0〜4の整数を表し、好ましくは、0〜2であり、とりわけ好ましくはn=0である。
【0044】
エポキシ化合物(2)は、通常、4,4’−イソプロピリデンジフェノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、ビフェノールなどのビスフェノール骨格を有するビスフェノールの水酸基にグリシジルエーテル化させて得られたものであり、ビスフェノールの2つの水酸基にグリジルエーテル基が付加したものや、これに、さらにビスフェノールが付加して、下記式で表される化合物もエポキシ化合物(2)である。

(式中、A、B、n、mは、前記式(2)と同じ意味を表し、kは0〜400の整数を表す。)
【0045】
エポキシ化合物(2)としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(4,4’−イソプロピリデンジフェノールのグリシジルエーテル化体)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタンのグリシジルエーテル化体)、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂(4,4’−イソプロピリデンジフェノールのグリシジルエーテル化体)、ビスフェノールC型エポキシ樹脂(4,4'−(1−メチルエチリデン)ビス(2−メチルフェノール)のグリシジルエーテル化体)、ビスフェノールAおよびビスフェノールFのグリシジルエーテル化体等を挙げることができる。
【0046】
エポキシ化合物(2)の製造方法としては、例えば、ビスフェノールに、大過剰のエピハロヒドリンを反応させる方法が挙げられる。具体的には、上述したビスフェノール1モルに対してエピハロヒドリン6〜15モルを混合し、水酸化ナトリウムなどの塩基性物質とともに、30〜90℃の温度条件で縮合反応させることによりエポキシ化合物(2)を得ることができる。
エポキシ化合物(2)は、市販されており、その市販品をそのまま使用すればよい。
【0047】
本発明の組成物におけるエポキシ化合物(2)の含有量としては、通常、重合体(1)とエポキシ化合物(2)との合計100重量%に対して、5〜90重量%、好ましくは10〜85重量%、更に好ましくは15〜80重量%である。エポキシ化合物(2)の含有量が5〜90モル%であると、位相差板の波長分散係数が小さくなる傾向があることから好ましい。
【0048】
本発明の位相差板用膜は、位相差板用組成物を成膜してなるものであり、位相差板用膜の成膜方法としては、例えば、位相差板用組成物を含む溶液を平滑な面にキャストして、乾燥等により溶媒を留去する溶剤キャスト法、位相差板用組成物を含む溶液から有機溶剤を除去し、得られた固形物を溶融押出機などでフィルム状に押出成形する溶融押出法などが挙げられる。中でも溶剤キャスト法は位相差板用組成物を含む溶液をそのまま成膜化できることから好ましい。
【0049】
本発明の位相差板は、通常、かくして得られた位相差板用膜をさらに延伸することによって製造される。延伸方法としては、例えば、テンター法による延伸法、ロール間延伸による延伸法などが挙げられる。
延伸は、一軸延伸でも二軸延伸のいずれでもよく、縦延伸でも横延伸のいずれでもよい。中でも、生産性の観点から、一軸延伸が好ましく、更に一軸の縦延伸が好ましい。
【0050】
かくして得られた位相差板は、波長分散係数αが1.00未満であり、位相差板を透過する光の波長νnmにおける位相差値Re(ν)は、通常、Re(450)<Re(550)<Re(650)の関係を充足するなど、300〜700nm可視領域全般で右上がりの分散を示すことから、広い波長域で一様の偏光変換を行うことができる。
【実施例】
【0051】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。例中の「%」及び「部」は、特記ない限り、重量%及び重量部である。
【0052】
(実施例1)
攪拌機、温度計及び還流冷却器を備えた反応槽に、共重合可能なモノマーとしてメチルメタクリレート400部、モノマー(I)としてN−ビニルカルバゾール193部、有機溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1103部を混合し溶解させ、その後、70℃に昇温させた。その後、重合開始剤(3)としてアゾビスイソブチロニトリル 2.46部を添加し、70℃で7時間攪拌し、本発明の共重合体を含有する溶液を得た。得られた溶液100.0g、エポキシ化合物(2)としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(EPICLON HM−091、大日本インキ化学工業(株)製)50.0g、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート 50.0gを混合溶解したのち、ポリエチレンテレフタレート製の離型フィルムに、300μmのギャップのアプリケーターで塗布、100℃で30分乾燥しフィルムを作成した。該フィルムを、温度調節オートグラフ延伸機を使用して1.8倍延伸し位相差板を得た。得られた位相差板を、450nmから750nmの波長範囲において、自動複屈折計(KOBRA−WR、王子計測機器社製)を用いて波長分散特性を測定した。その位相差板は、フィルム厚:60μm、正の複屈折性で、Re(550)=160nm、Re(450)/Re(550)=0.88、Re(500)/Re(550)=0.94、Re(600)/Re(550)=1.05、Re(650)/Re(550)=1.10、Re(750)/Re(550)=1.17であった。
【0053】
(実施例2)
エポキシ化合物(2)としてビスフェノールA/F共縮エポキシ(EPICLON−7070−50M、大日本インキ化学工業(株)製)を用いる以外は実施例1と同様にして、フィルム厚:65μm、正の複屈折性で、Re(550)=120nm、Re(450)/Re(550)=0.93、Re(500)/Re(550)=0.98、Re(600)/Re(550)=1.04、Re(650)/Re(550)=1.06、Re(750)/Re(550)=1.12の位相差板を得た。
【0054】
(実施例3)
エポキシ化合物(2)としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(EPICLON HM−091、大日本インキ化学工業(株)製)を75.0g、それを溶解する有機溶媒としてプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート 75.0gを用いる以外は実施例1と同様にした結果、フィルム厚:72μm、正の複屈折性で、Re(550)=180nm、Re(450)/Re(550)=0.94、Re(500)/Re(550)=0.97、Re(600)/Re(550)=1.03、Re(650)/Re(550)=1.05、Re(750)/Re(550)=1.09の位相差板を得た。
【0055】
(実施例4)
メチルメタクリレート400部を200部、N−ビニルカルバゾール193部をN,N−ジエチルアクリルアミド382部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1103部を1080部に変更する以外には実施例1と同様にして、フィルム厚:70μm、正の複屈折性で、Re(550)=125nm、Re(450)/Re(550)=0.91、Re(500)/Re(550)=0.96、Re(600)/Re(550)=1.02、Re(650)/Re(550)=1.04、Re(750)/Re(550)=1.07の位相差板を得た。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明の位相差板は、広い波長域において一様の偏光変換が可能であるため、λ/4板であれば、それを直線偏光板と組み合わせて広波長域の円偏光板とすることができ、またλ/2板であれば、それを直線偏光板と組み合わせて広波長域の偏光回転素子とすることができる。したがって、各種液晶表示装置、陰極線管(CRT)、タッチパネル、エレクトロルミネセンス(EL)ランプ等における反射防止フィルター、さらには液晶プロジェクターなどに使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で表されるモノマー、式(II)で表されるモノマー及び式(III)で表されるモノマーからなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマーを重合してなる重合体(1)並びに式(2)で表される構造単位を有するエポキシ化合物を含む位相差板用組成物。

(式(I)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは5〜20員環の芳香族性を有する環状炭化水素基を表す。該環状炭化水素基は、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数5〜12のアリール基、炭素数5〜12のアラルキル基、炭素数7〜12のアラルキル基、グリシドキシ基、炭素数2〜4のアシル基、カルボキシル基、ハロゲン原子が結合していてもよく、該環状炭化水素基の炭素原子は、窒素原子又は硫黄原子に置換されていてもよい。)

(式(II)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基またはRおよびRが連結したアルキレン基を表す。該アルキル基及び該アルキレン基の水素原子は水酸基に置換されていてもよく、該アルキル基及び該アルキレン基に含まれる炭素原子は、ヘテロ原子で置換されていてもよい。)

(式(III)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは、水素原子、メチル基、5〜20員環の環状炭化水素基を表す。該環状炭化水素基には、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数5〜12のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基、グリシドキシ基、炭素数2〜4のアシル基、カルボキシル基、ハロゲン原子が結合していてもよく、該環状炭化水素基を構成する炭素原子はヘテロ原子で置換されていてもよい。該アルキル基、該アルコキシ基、該アリール基及び該アラルキル基の水素原子は、水酸基又はハロゲン原子に置換されていてもよい。)

(式(2)中、Aは炭素数1〜6の炭化水素基を表し、Bはそれぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基またはハロゲン原子を表す。mは0又は1の整数を表し、nは0〜4の整数を表す。)
【請求項2】
式(I)で表されるモノマーが、N−ビニルカルバゾール及び/又はビニルナフタレンである請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
式(II)で表されるモノマーが、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、及びアクリロイルモルフォリンからなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマーである請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
式(III)で表されるモノマーが、メチル(メタ)アクリレート、1−アクリロイル−4−メトキシナフタレン、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−テトラヒドロピラニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、及びナフチル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマーである請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
式(2)で表される構造単位を有するエポキシ化合物が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、及びビスフェノールC型エポキシ樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種のエポキシ化合物である請求項1〜4に記載の位相差板用組成物。
【請求項6】
請求項1〜5に記載の組成物を成膜してなる位相差板用膜。
【請求項7】
請求項6に記載の位相差板用膜をさらに延伸してなる位相差板。
【請求項8】
請求項7に記載の位相差板を透過光であって、該透過光の波長νnmにおける位相差値Re(ν)が、下記式を充足する位相差板。
Re(450)<Re(550)<Re(650)
【請求項9】
請求項1〜5のいずれかに記載の位相差板用組成物を成膜化し、得られたフィルムをさらに延伸する位相差板の製造方法。
【請求項10】
位相差板用組成物の成膜化が、該位相差板用組成物を含む溶液を平滑な面にキャストして溶媒を留去する請求項9に記載の製造方法。

【公開番号】特開2009−69745(P2009−69745A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−240618(P2007−240618)
【出願日】平成19年9月18日(2007.9.18)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】