説明

位置情報に基づくポイント配信システム

【課題】 登録ユーザにポイントが配信される場所を知らず、携帯端末装置を保持するユーザの行動範囲が、偶然管理サーバの指定地域内に進入したときにポイントを付与する意外性の楽しみあるポイント配信システムを提供する。
【解決手段】 管理サーバ1に個人ホルダ6とポイント配信位置情報とを設定する。管理サーバ1からイベント情報や広告情報のメールを携帯端末装置2へ配信する。ユーザの位置をGPS衛星4で検出する。管理サーバ1と携帯端末装置2とをインターネット3を介して接続する。ユーザの移動情報を管理サーバ1が記録する。ユーザ移動位置情報にポイント配信位置が含まれていた場合に、個人ホルダ6にポイントを配信する。ポイントの配信をメールや携帯端末装置2から個人ホルダ6へのアクセスによって報知する。ポイント配信に伴って携帯端末装置2に広告情報を配信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理サーバに登録されたユーザの移動位置情報をGPS衛星からインタネットを介して管理サーバが受信し、この移動位置情報が管理サーバの指定する指定地域に該当したときに、登録ユーザにポイントを配信するようにした位置情報に基づくポイント配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
グローバル・ポジショニング・システム衛星(以下、GPS衛星という)からの電波を受信して、自己の位置情報を算出する無線通信機能を搭載する携帯端末装置を利用して、ユーザの携帯端末装置に指定地域の広告情報を配信して提携商店のクーポンなどを加算するシステムなどが知られている(例えば、特許文献1,2)。また、イベント会場において、携帯端末装置に案内情報を提供するシステムなどが知られている(例えば、特許文献3)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−251572号公報(第1頁)
【特許文献2】特開2005−215849号公報(第1頁)
【特許文献3】特開2007−35054号公報(第1頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1は、配信サイトが携帯端末の自己位置情報に基づき、その位置近辺及び携帯端末装置の保持者に適した広告を音声又は画像で配信案内するもので、携帯端末装置保持者の広告閲覧、広告提供商店での買い物などによりポイントを付与するものであるが、広告を閲覧すること、その地域の商店や提携商店において買い物をすることによりポイントを追加するもので、その都度、携帯端末から広告を閲覧する必要がある。
【0005】
また、特許文献2は、携帯端末保持者の位置情報に基づいてクーポン配信先からクーポンを配信するもので、クーポン配信地域内における携帯端末装置の保持者の行動範囲によってクーポンを配信し、クーポンの利用状況を把握することを目的としたものである。これではクーポンを供給する店舗に出向き、買物することにより加算されるもので、店舗で買い物をしなければポイントが加算されなかった。また、携帯電話を利用するポイント加算システムなどの知られている。しかしこれらシステムは商品の購入を目的とするもので、携帯端末保持者は商品を購入,入手したときにポイントが追加されるもので、偶然性がない。
【0006】
さらに、特許文献3には、登録対象者の携帯端末に複合商業施設やイベント会場情報を配信し、該登録対象者がイベント会場に来場した位置情報を受信したときに登録対象者の記録をすることが開示されている。この登録対象者の経路履歴の情報分析について利用する発明が開示されているに過ぎない。
【0007】
このように、従来のクーポン配信システムの多くは、携帯端末を所持する携帯端末保持者の位置情報に基づいてサイト側から該当する広告などを配信し、その広告の対象となる店舗を訪問して商品を購入する際に初めてクーポンの使用が可能となるもので、クーポンを受信してもその店舗に行って商品を購入しなければクーポンを活用することはできなかった。
【0008】
本発明は、携帯端末装置を保持したユーザの経路履歴情報を分析をするのではなく、ユーザがポイントの配信地域を知らされることなく管理サーバの指定地域を偶然通過することにより、管理サーバの個人ホルダにポイントが配信される。
【0009】
本発明の課題は、管理サーバに登録してあるユーザの行動の偶然性を特徴とするポイント配信システムである。
本発明の他の課題は、イベント会場情報をユーザに連絡し、ユーザがイベント会場に積極的に来場し、あるいは通過したときに、ユーザにポイントが配信される集客型のポイント配信システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するため、本発明は、地図情報と、ユーザから提供されたユーザ個人情報とを記憶する管理サーバと、該管理サーバから前記ユーザ個人情報に基づいて配信されるイベント情報や広告情報のメールを受信する携帯端末装置と、該携帯端末装置を保持したユーザの位置を検出するGPS衛星とをインターネットを介して接続した配信システムであって、前記管理サーバに、ユーザ毎の個人ホルダと、ポイントの配信対象となる特定のポイント配信位置情報とを設定し、前記個人ホルダに、当該個人ホルダのユーザが前記携帯端末装置から識別情報を用いてアクセス可能となし、前記ユーザの移動情報を前記携帯端末装置から前記管理サーバに送信してユーザ移動位置情報として記録し、このユーザ移動位置情報に前記ポイント配信位置を通過したことが含まれていた場合に、前記管理サーバがポイント配信条件を満たしたとして前記個人ホルダにポイントを配信し、このポイントの配信を、前記管理サーバから前記携帯端末装置に配信されるメールと前記携帯端末装置から前記個人ホルダへのアクセスのいずれかによって報知するとともに、このポイント配信を前記携帯端末装置へ報知するのに伴って、該携帯端末装置に前記広告情報を配信する構成を特徴としている。
【0011】
また、本発明は、ユーザから提供されたユーザ個人情報や、クライアントから依頼されたイベント情報を記憶する管理サーバと、該管理サーバから前記ユーザ個人情報に基づいて配信されるイベント情報や広告情報のメールを受信する携帯端末装置と、該携帯端末装置を保持したユーザの位置を検出するGPS衛星とをインターネットを介在して接続してなる配信システムであって、前記管理サーバにユーザ毎の個人ホルダを設定し、該個人ホルダに当該個人ホルダのユーザが前記携帯端末装置から識別情報を用いてアクセス可能となすとともに、前記イベント情報の提供に適合するユーザを前記ユーザ個人情報から選択して、該当ユーザの前記携帯端末装置に前記イベント情報をメールにて配信し、該携帯端末装置を保持するユーザが、前記イベント情報に基づくイベント開催区域に進入または通過したことをユーザ位置情報として前記管理サーバが検出した際に、該管理サーバがポイント配信条件を満たしたとして前記個人ホルダにポイントを配信するとともに、このポイントの配信を、前記管理サーバから前記携帯端末装置に配信されるメールと前記携帯端末装置から前記個人ホルダへのアクセスのいずれかによって報知する構成とすることもできる。
【0012】
前記ポイントは、前記ユーザがポイント配信条件を満たしたと管理サーバが確認する毎に加算したり、あるいは前記イベント開催区域にユーザが滞在する時間に応じて加算するようにしてもよい。前記管理ザーバは、前記インターネットを介して他の管理サーバと接続され、前記ポイントは、他の管理サーバが扱う異なる種類のポイントや商品と交換可能である。
【0013】
本発明の管理サーバは、ユーザから獲得ポイント数による商品やクーポンの交換要求があったときに、商品やクーポンの一覧表をユーザへ配信し、または管理サーバとは異なる提携業者の交換可能商品等の一覧表を配信し、ユーザが指定する商品等を提供することができる。
【0014】
本発明のポイント配信システムに使用する携帯端末装置は、インターネットを介してデータの送受信が可能な端末装置で、GPS衛星との無線通信機能を有する。入力インターフェース部、近距離無線通信部、プログラムやデータなどを記憶する記憶領域部、スピーカ、マイクロホンなどが内蔵されており、一般的には携帯電話であるが、その他ノートパソコンやPDA(Personal Digital Assistants)なども使用できる。
【0015】
本発明の管理サーバは、コンテンツプロバイダやサービスプロバイダなどで商品の販売を主業務とするが、ユーザへの広告情報やイベント情報等の配信サービスを行う。蓄積データの情報処理や分析をすることができ、提携するクライアント(企業や商店等)の広告情報,イベント情報の蓄積、ユーザのIDやユーザ個人情報を記録保管して、必要に応じてユーザ個人情報に基づくデータ処理し、これら加工処理したユーザ情報などをクライアントに提供する。
さらに管理サーバは、ユーザの個人ホルダを備え、ユーザの獲得したポイントの保存・管理・交換業務を行うと共に、クライアントからのユーザに提供する商品一覧表などをユーザの携帯端末装置に配信する。
【0016】
本発明のクライアントは、広告情報やイベント開催情報を携帯端末装置へ配信することについて管理サーバの管理者(接続業者)に依頼する企業や商店等である。クライアントは、管理サーバの管理者に広告やイベントの配信、ユーザへの商品の管理,搬送等を依頼してこれらの料金を支払うが、広告やイベントの企画から開催までの全てを管理サーバの管理者に依頼してもよい。
【0017】
この結果、管理サーバと契約したクライアントはサーバ管理者のインターネット網を通して多くのユーザを獲得でき、あるいは集客料金を徴収することにより、なお一層のサービスを提供できる。一方ユーザは、獲得したポイントを商品に交換するだけでなく、提携する他社のポイントサービスやクーポンへの変換あるいは他の商品と交換等の他社の幅広いサービスを受けることができる。
さらに、本発明のポイント配信システムによれば、指定ポイント、広告ポイントは全て携帯端末装置と繋がったGPS情報による「地図ナビゲーションシステム」と連動させてイベント会場に案内することもできる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の位置情報に基づくポイント配信システムは、登録したユーザがポイント配信の対象である特定の指定区域を予め知らされるのではなく、その指定地域を偶然通過したことにより管理サーバの個人ホルダにポイントが配信され、この配信を携帯端末装置へ報知するのに伴ってクライアントの広告情報を配信するもので、ユーザにとってポイントの獲得は意図しない意外性のある喜びとなり、このポイント獲得の通知に併せて配信されるクライアントの広告はユーザに受け入れ易いものとなる。
また、本発明の他の位置情報に基づくポイント配信システムは、登録したユーザにポイント配信対象である特定のイベント情報を配信しておき、このイベントにユーザが積極的に参加することによってポイントを配信するもので、ユーザにとってはイベントへの参加とポイントの獲得との双方の利益があり、またイベントを開催したクライアントにとっては多くの集客が見込め、商品の宣伝や販売の強化につながるというメリットがある。
【0019】
さらに、ユーザがポイント配信条件を満たしたと管理サーバが確認する毎にポイントを加算したり、あるいはイベント開催区域にユーザが滞在する時間に応じてポイントを加算するようにしておくことにより、ユーザとクライアントとの結び付けを一層深めることができ、双方にメリットが生じる。
また、獲得したポイントを他の管理サーバが扱う異なる種類のポイントや商品と交換可能できるようにすることにより、ユーザへの利便性の向上が図れるとともに、管理サーバの管理者と広告やイベント開催の依頼者であるクライアントにとってはユーザを固定客化できるメリットがある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下,本発明にかかるポイント配信システムの偶然型と集客型の2つの形態例について説明する。
図中、図1は双方の形態例に共通のポイント配信システムの全体構成を説明する概略図、図2は偶然型の形態例でポイント配信の流れを説明するためのシーケンス図、図3は集客型の形態例でポイント配信の流れを説明するためのシーケンス図である。
【0021】
偶然型と集客型とに共通の構成を示す図1において、管理サーバ1と、該管理サーバ1に加入登録したユーザが保持する携帯端末装置2とは、インターネット3を介在して接続されており、相互に送受信が可能である。携帯端末装置2は、GPS衛星4からの電波を受信するGPS無線通信機能を内蔵しており、このGPS無線通信機能によってユーザの位置情報を算出し、該位置情報を随時インターネット3を介して管理サーバ1が受信できるようにしている。
【0022】
携帯端末装置2は、液晶や有機ELなどの画面表示部,複数の操作キー等を備え、さらに一般的なプログラムやデータ管理を行う記憶部やスピーカ,マイクロホン,およびこれらの機能を連携して動作させるコンピュータ部を備えている。携帯端末装置2の自己現在位置情報の位置決定については、GPS衛星4からの電波の受信から算出する方法のほか,他の方法によっても位置決定を行うことができる。例えば、角速度センサおよび距離センサを搭載した自立航方法にて自己位置を算出するようにしてもよい。
【0023】
ポイント配信システムの主宰者である管理サーバ1の管理者と、依頼主である企業等のクライアント5は、ユーザの携帯端末装置2に配信する広告やイベント等について契約を交わす。管理サーバ1には、コンテンツや地図情報,広告やイベント情報,ユーザ個人情報等の各種情報が記録されるほか、ユーザ個々の個人ホルダ6が設定され、この個人ホルダ6にはユーザが獲得したポイント等が記録される。
上記ユーザ個人情報とは、ユーザから提供された氏名や住所,性別,年齢,職業等の情報のほか、暗証番号などのIDや趣味,嗜好,血液型,メールアドレス,興味のある分野,居住地域,日常の行動範囲などで、このユーザ個人情報は携帯端末装置2に入力され、インターネット3を介して管理サーバ1に登録される。この登録により、管理サーバ1にはユーザの個人ホルダ6がマイページとして開設され、この開設によって登録手続が完了したことが携帯端末装置2に通知される。
【0024】
携帯端末装置2を保持するユーザの移動情報は、GPS衛星4を通して管理サーバ1に随時検索され、該管理サーバ1にそのユーザの移動位置情報として記録される。そして、このユーザ移動位置情報に、管理サーバ1の指定した地域が含まれていることが確認され場合には、所定のポイント数がそのユーザの個人ホルダ6に記録される。
【0025】
クライアント5から管理サーバ1へは、前述の通り広告情報やイベント情報,地域情報等が提供され、この広告情報やイベント情報等は、管理サーバ1によって、ユーザごとに趣味や嗜好,行動条件等の合致した内容ものが選択され、所定時間ごとかあるいはユーザの行動に伴う移動位置情報に応じて携帯端末装置2へ送信される。
【0026】
個人ホルダ6内のポイント獲得状況等は、所定時間ごとかあるいはユーザが所定条件を満たしてポイントを獲得した際に、管理サーバ1からそのユーザの携帯端末装置2に通知されるほか、個人ホルダ6へのアクセス権を持つ個々のユーザのみが識別情報を用いてアクセスしたときに提供される。
一方、管理サーバ1からクライアント5へは、ユーザの行動や広告の閲覧頻度、イベント会場への集客情報を分析した管理情報が配信され、また個人ホルダ6内の情報も、個人情報保護法等の個人の人権を侵害しない範囲の一部の情報、例えば集計データ等が提供される。
【0027】
つぎに、図2のシーケンス図に基づいて、偶然型ポイント配信の形態例の流れを説明する。まず、図2のステップS1において、クライアント5から管理サーバ1の管理者に広告情報のインタネット配信が依頼される。クライアント5とサーバ管理者との間では広告配信に対する詳細な打ち合わせがなされ、さらに契約を交わして、その契約内容に応じた料金がクライアントから支払われる。クライアント5からの支払料金の一部は、ユーザへのポイント代やポイント交換の商品代並びにその関連の原資とし、その他はサーバ管理者の利益とする。
【0028】
ステップS2では、サーバ管理者が管理サーバ1に広告情報を登録し、ステップS3で、すでに地図情報が登録されている管理サーバ1に、ポイント配信位置Xを設定する(本発明でいうポイント配信位置情報の設定)とともに、管理サーバ1のユーザ情報の中から、この広告情報に適合した複数のユーザを選択する。
ポイント配信位置Xは、管理サーバ1の管理者が任意に、あるいはクライアントからの広告情報に基づいて選択される特定の場所や地域であって、具体的には観光地や繁華街等の交差点や橋,公園,浜辺,建物等が選択される。このようにして選択されたポイント配信位置情報は管理サーバ1に設定されるのみで、ポイント配信対象のユーザには知らされない。
【0029】
ステップS4では、GPS衛星4によってポイント配信対象のユーザが所有する携帯端末装置2の検出が開始され、携帯端末装置2の位置をインターネット3から管理サーバ1に送信し、ユーザが行動した移動位置情報として管理サーバ1に記録を蓄積していく。
ステップS5では、例えば一日のユーザ移動位置情報を管理サーバ1にて集計し、このユーザ移動位置情報にポイント配信位置Xを通過した記録が含まれていた場合に、管理サーバ1がポイント配信条件を満たしたとして、ステップS6で該当ユーザの個人ホルダ6に所定のポイントを配信する。
【0030】
ステップS7では、管理サーバ1からインターネット3を通して携帯端末装置2にメールが配信され、該当ユーザがポイント配信位置Xを偶然通過したことによって個人ホルダ6にポイントが配信されたことが通知される。またこのメールには、クライアントからの広告情報が添付され、該当ユーザは、ポイントがそのクライアントからの提供であることが知らされる。したがって、該当ユーザにとっては、ポイントの提供を受けた喜びがあるために、クライアントからの広告が好印象をもって受け入れられることとなり、広告の配信効果は大きいものとなる。
なお、ポイント配信位置Xは、該当ユーザに必ずしも知らせる必要はないが、ポイントを取得したことを知らせる場合には、そのポイント配信位置Xがどこであったかをあわせて知らせることが妥当である。
【0031】
上述のステップS3〜ステップS7は、クライアント5と管理サーバ1の管理者との間に交わされた契約期間の間繰り返して行われる。ポイント配信位置Xは、ポイントの取得を該当ユーザに通知した段階で知られてしまい、意外性がなくなるため、ステップS3に戻って毎日ポイント配信位置Xの再設定を行う。
【0032】
そのほか、管理サ−バ1は、ポイントを付与するための内容を日替わりで変更してもよい。変更内容は例えば以下の通りである。
(1)ポイント配信位置Xの通過時間、滞在時間の指定
(2)ポイント配信位置Xの通過回数、通過先着順位の指定
(3)獲得ポイント数の変更
(4)その他の付加条件の指定
【0033】
ステップS3〜ステップS7の繰り返しにより、集計されたユーザ移動位置情報にポイント配信位置Xを通過した記録が含まれていた場合には、ステップS7入り、該当ユーザの個人ホルダ6に所定のポイントが加算されていく。
【0034】
ステップS8では、個人ホルダ6へのアクセス権を持つ個々のユーザのみが、識別情報を用いて携帯端末装置2から管理サーバ1内の自己の個人ホルダ6へアクセスすることが可能であり、ステップS9では、この要求により個人ホルダ6に蓄積されたポイントがメールにて携帯端末装置2へ送信される。
そして、個人ホルダ6にある程度のポイントが蓄積された場合には、ステップS10での携帯端末装置2から管理サーバ1へ交換商品一覧の要求が出され、ステップS11では、管理サーバ1から携帯端末装置2へ交換商品一覧が提供される。
【0035】
ステップS11で提供された交換商品一覧の中に、ユーザの希望する商品があった場合には、ステップS12に入って、携帯端末装置2から管理サーバ1へ商品の交換要求が出され、ステップS13で管理サーバ1から該当ユーザへ宛てて商品が発想され、さらにステップS14で、当該ユーザの個人ホルダ6から商品額に相当するポイントが減額される。
ステップS15では、上記した一連のステップS2〜S14のうち、個人情報保護法等の個人の人権を侵害しない範囲の一部の情報が管理サーバ1からクライアント5に提供される。
【0036】
つぎに、図3のシーケンス図に基づいて、集客型ポイント配信の形態例の流れを説明する。なお、図2の偶然型の形態例ではポイント配信にあわせて広告を配信するのに対し、集客型の本形態例では、広告に代えてユーザに予めイベント情報を配信して参加を促すものである。
まず、図3のステップS1では、クライアント5から管理サーバ1の管理者にイベント情報が依頼される。クライアント5とサーバ管理者との間では、イベントの内容や会場等の詳細な打ち合わせをしたのち、契約を交わしてその契約内容に応じた料金がクライアントから支払われる。クライアント5からの支払料金の一部は、ユーザへのポイント代やポイント交換の商品代並びにその関連の原資とし、その他はサーバ管理者の利益とする。
【0037】
ステップS2では、クライアント5とサーバ管理者との間に交わされたイベント内容が管理サーバ1に登録され、ステップS3で、イベントに関する具体的な内容を管理サーバ1に設定するとともに、管理サーバ1のユーザ情報の中から、このイベント情報配信に適合した複数のユーザを選択する。なお、管理サーバ1には、すでにイベント開催地域を含む地図情報が登録されている。
ステップS3で設定される具体的な設定とは、例えば、イベント名やイベントのコンセプト,イベントのプログラム,開催地域,開催時間,ポイント数等であって、このうち、イベント名やイベントのコンセプト,開催地域,開催時間,ポイント数等は、ステップS4に入ってイベント情報Yとして携帯端末装置2へ送信され、ユーザに予め知らされる。
【0038】
ステップS5では、GPS衛星4によってポイント配信対象のユーザが所有する携帯端末装置2の検出が開始され、携帯端末装置2の位置をインターネット3から管理サーバ1に送信し、ユーザが行動した移動位置情報として管理サーバ1に記録を蓄積していく。
イベント情報Yの提供により、携帯端末装置2を携行するユーザがイベントに参加した場合には、ステップS6に入って、携帯端末装置2がイベント開催時間内にイベント会場エリアに進入したことを管理サーバ1が確認し、ステップS7で該当ユーザの個人ホルダ6に所定のポイントを配信する。
【0039】
ステップS8では、管理サーバ1からインターネット3を通して携帯端末装置2にメールが配信され、該当ユーザの個人ホルダ6にポイントが配信されたことが通知される。本形態例の集客型では、登録ユーザがイベントに参加すること自体が宣伝効果であるため、このメールには基本的にクライアントの広告情報を添付しない。
上述のステップS4〜ステップS8は、クライアント5と管理サーバ1の管理者との間に交わされた契約期間の間繰り返して行われる。
【0040】
そのほか、管理サ−バ1は、ユーザが以下の条件を満たす場合にポイントを加算するようにしてもよい。ポイント加算条件は例えば以下の通りである。
(1)イベント開催地域の参加位置による加算(イベントの開催中心場所で積極的に参加したか、など)
(2)イベント開催地域の通過回数、イベント開催地域での滞在時間
(3)先着順位
(4)その他の付加条件の指定
【0041】
上記ステップS4〜ステップS8の繰り返しにより、管理サーバ1で検出されたユーザ移動位置情報にポイント配信条件を満たすと認められた場合には、ステップS7入り、該当ユーザの個人ホルダ6に所定のポイントが加算されていく。
【0042】
ステップS9では、個人ホルダ6へのアクセス権を持つ個々のユーザのみが、識別情報を用いて携帯端末装置2から管理サーバ1内の自己の個人ホルダ6へアクセスすることが可能であり、ステップS10では、この要求により個人ホルダ6に蓄積されたポイントがメールにて携帯端末装置2へ送信される。
そして、個人ホルダ6にある程度のポイントが蓄積された場合には、ステップS11での携帯端末装置2から管理サーバ1へ交換商品一覧の要求が出され、ステップS12では、管理サーバ1から携帯端末装置2へ交換商品一覧が提供される。
【0043】
ステップS12でユーザに提供された交換商品一覧の中に、ユーザの希望する商品があった場合には、ステップS13に入って、携帯端末装置2から管理サーバ1へ商品の交換要求が出され、ステップS14で管理サーバ1から該当ユーザへ宛てて商品が発想され、さらにステップS15で、当該ユーザの個人ホルダ6から商品額に相当するポイントが減額される。
ステップS16では、上記した一連のステップS3〜S15のうち、個人情報保護法等の個人の人権を侵害しない範囲の一部の情報が管理サーバ1からクライアント5に提供される。
【0044】
なお、管理サーバ1以外の他の業者と提携して、これら他の業者が扱う異なるポイントやクーポン,商品等をユーザに提供できるようにすることにより、より多くのユーザ登録を見込むことができ、クライアントからの広告やイベントの依頼もより高まる。
【0045】
さらに本発明は、請求項1の偶然型と請求項2の集客型とを一体にプログラムして実施することもできる。この組み合わせにより、ユーザにあっては、ポイントのさらなる加算と2つの異なる楽しみを味わうことができ、またクライアントにあっては、ユーザが受信メールを見る頻度が増加するので、その分多くの広告情報を提供して商品の販売促進を図ることができ、さらにサーバの管理者では、偶然型と集客型とを一体化した付加価値の高い運営を効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】図2及び図3に示す双方の形態例に共通のポイント配信システムの全体構成を説明する概略図である。
【図2】偶然型の形態例のポイント配信の流れを説明するためのシーケンス図である。
【図3】集客型の形態例のポイント配信の流れを説明するためのシーケンス図である。
【符号の説明】
【0047】
1…管理サーバ
2…携帯端末装置
3…インターネット
4…GPS衛星
5…クライアント
6…個人ホルダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図情報と、ユーザから提供されたユーザ個人情報とを記憶する管理サーバと、
該管理サーバから前記ユーザ個人情報に基づいて配信されるイベント情報や広告情報のメールを受信する携帯端末装置と、
該携帯端末装置を保持したユーザの位置を検出するGPS衛星とをインターネットを介して接続した配信システムであって、
前記管理サーバに、ユーザ毎の個人ホルダと、ポイントの配信対象となる特定のポイント配信位置情報とを設定し、
前記個人ホルダに、当該個人ホルダのユーザが前記携帯端末装置から識別情報を用いてアクセス可能となし、
前記ユーザの移動情報を前記携帯端末装置から前記管理サーバに送信してユーザ移動位置情報として記録し、
このユーザ移動位置情報に前記ポイント配信位置を通過したことが含まれていた場合に、前記管理サーバがポイント配信条件を満たしたとして前記個人ホルダにポイントを配信し、
このポイントの配信を、前記管理サーバから前記携帯端末装置に配信されるメールと前記携帯端末装置から前記個人ホルダへのアクセスのいずれかによって報知するとともに、
このポイント配信を前記携帯端末装置へ報知するのに伴って、該携帯端末装置に前記広告情報を配信する
ことを特徴とする位置情報に基づくポイント配信システム。
【請求項2】
ユーザから提供されたユーザ個人情報や、クライアントから依頼されたイベント情報を記憶する管理サーバと、
該管理サーバから前記ユーザ個人情報に基づいて配信されるイベント情報や広告情報のメールを受信する携帯端末装置と、
該携帯端末装置を保持したユーザの位置を検出するGPS衛星とをインターネットを介在して接続してなる配信システムであって、
前記管理サーバにユーザ毎の個人ホルダを設定し、
該個人ホルダに当該個人ホルダのユーザが前記携帯端末装置から識別情報を用いてアクセス可能となすとともに、
前記イベント情報の提供に適合するユーザを前記ユーザ個人情報から選択して、該当ユーザの前記携帯端末装置に前記イベント情報をメールにて配信し、
該携帯端末装置を保持するユーザが、前記イベント情報に基づくイベント開催区域に進入または通過したことをユーザ位置情報として前記管理サーバが検出した際に、
該管理サーバがポイント配信条件を満たしたとして前記個人ホルダにポイントを配信するとともに、
このポイントの配信を、前記管理サーバから前記携帯端末装置に配信されるメールと前記携帯端末装置から前記個人ホルダへのアクセスのいずれかによって報知する
ことを特徴とする位置情報に基づくポイント配信システム。
【請求項3】
前記ポイントは、前記ユーザがポイント配信条件を満たしたと管理サーバが確認する毎に加算される
ことを特徴とする請求項1または2に記載の位置情報に基づくポイント配信システム。
【請求項4】
前記ポイントは、前記イベント開催区域にユーザが滞在する時間に応じて加算される
ことを特徴とする請求項2に記載の位置情報に基づくポイント配信システム。
【請求項5】
前記管理ザーバは、前記インターネットを介して他の管理サーバと接続され、前記ポイントは、他の管理サーバが扱う異なる種類のポイントや商品と交換可能である
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の位置情報に基づくポイント配信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−105629(P2009−105629A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−275192(P2007−275192)
【出願日】平成19年10月23日(2007.10.23)
【出願人】(399055384)株式会社実業之日本社 (1)
【Fターム(参考)】