説明

位置情報の配信を制御する方法および装置

【課題】位置情報の配信を制御する方法および装置を提供する。
【解決手段】移動システムは、その位置情報をサーバーシステムに通信し、どの他の移動システムがその位置をアクセスすることを許可されるかを定義する許可基準を送信する。移動システムがその位置を供給しない場合、サーバーは他の位置情報を用いてその位置を決定する。サーバーシステムは、その位置に対する他の移動システムからの要求を受け、許可基準に従ってその位置を送信する。許可基準が送信されい場合、サーバーシステムは、許可基準について移動システムに問い合わせする。移動システムにより許可基準が送信されない場合、または、許可基準がその要求を否定するなら、応答できないかまたはエラーメッセージを伴って応答する。アクセスが許可されるまたは否定される期間に日付または時間のようなアクセス制限、およびアクセスが許可されるまたは否定される地理的領域を含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、一般に衛星位置決めシステムに関し、特に、衛星位置決めシステムの受信器の位置を見つけることに関する。
【背景技術】
【0002】
全地球測位システムのような衛星位置決めシステム(SPS)は、SPS受信器を備えた人のようなエンティティの地理的位置の決定を可能にする。GPSまたは他の衛星位置決めシステムで動作する受信器のようなSPS受信器は、通常、GPS、NAVSTA、または他の衛星のようなさまざまな衛星から同時に送信された信号の到着の相対時間を計算することにより、位置を決定する。
【0003】
衛星は一般に、衛星データメッセ−ジの一部として、時々「天文暦」データと呼ばれる、タイミングデータおよび衛星位置データを送信する。「天文暦」または「衛星天文暦」という用語は、一般に、ある期間または日時の間、衛生群(または1つの衛星)の位置を指定する式のような表現を意味する。さらに、衛星は、受信器が現地時間をあいまいなところがなく決定可能にする週時(TOW)情報のような基準時間を示すためのデータを送信することができる。
【0004】
一般に、SPS受信器は、1つ以上の「擬似範囲」測定を計算する。擬似範囲測定の各々は、受信器と衛星車両(SV)との間の範囲を表す。「擬似範囲」という用語は、例えば、一般に、SPS受信器のクロックにより示される時間と、衛星のより正確な原子クロックに関連する基準時間のような基準時間との間の誤差を含む1つ以上の因子による誤差を、範囲測定が含むかもしれないということを指摘するために使用される。従って、SPS受信器は一般に、衛星信号に供給されるタイミングおよび天文暦データと共に、擬似範囲を用いて、位置、時間、および/または範囲のような航法データのより正確なセットを決定する。
【0005】
あるいは、SPS受信器は、直接位置を決定できないが、擬似範囲のような位置に関する情報をサーバーコンピューターにアップロードする。サーバーコンピューターは、擬似範囲から受信器の地理的位置を計算する。SPS受信器は、その位置を決定し、サーバーシステムにそうさせるようにすることができるけれども、制御された環境下において、他のSPS受信器または他のタイプの受信器に知らせることが望ましい。
【発明の概要】
【0006】
上述した、欠点、不都合、および問題は、この発明により対処され、この発明は、以下の明細書を読み、学習することにより理解されるであろう。
【0007】
SPS受信器として動作する移動通信システムは、その位置についての情報をサーバーシステムに通信し、情況に応じて、どの他の移動システムその位置をアクセス可能かを定義する許可基準を送信する。サーバーは、与えられた位置情報から位置を導き出し(または、SPS受信器により計算される位置を受信する)、許可基準に従って他の移動システムに位置を送信する。この発明の1つの観点において、位置は、その位置に対する他の移動システムからの要求にのみ応答して送信する。他の観点において、位置は、自動的に送信される。移動システムによって、許可基準が送信されなかったなら、サーバーシステムは、その位置に対する要求に応答して、許可基準に関して移動システムに問合せを行なう。その問合せに応答して許可基準が送信されるなら、または送信された許可基準が要求を否定するなら、サーバーシステムは、その要求に応答しないか、またはエラーメッセージと一緒に応答することができる。許可基準は、アクセスが許可されるかまたは否定される日付または時間、およびアクセスが許可または否定される地理的領域のようなさらなる位置アクセス制限を含むことができる。また、同様の制限は、位置要求を送信する移動システムにより特定することができる。
【0008】
この発明により提供される位置サービスは、一人の人がもう一人の位置を見つけることができるが、そのほかの者の許可がある場合のみである。位置サービスはまた、配達用トラックまたは他の車両のような追跡アイテム(item)への片方向通信のみができる移動システムの使用を可能にする。
【0009】
この発明は、さまざまに変わる範囲のシステム、クライアント、サーバー、方法、およびコンピューター読み出し可能媒体を記載する。この課題を解決するための手段に記載したこの発明の観点および利点に加えて、この発明のさらなる観点と利点は、図面を参照することにより、および次に記載される詳細な説明を読むことにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1A】図1Aは、この発明を実施するのに適した衛星位置決めシステム環境の一実施形態のブロック図である。
【図1B】図1Bは、図1Aのシステムを構成する個々の構成要素のブロック図である。
【図1C】図1Cは、図1Aのシステムを構成する個々の構成要素のブロック図である。
【図1D】図1Dは、図1Aのシステムを構成する個々の構成要素のブロック図である。
【図2A】図2Aは、この発明の例示実施形態のシステムレベルの概要を図解する図である。
【図2B】図2Bは、この発明の例示実施形態のシステムレベルの概要を図解する図である。
【図3A】図3Aは、この発明の例示実施形態に従って、サーバーにより実行される方法のフローチャートである。
【図3B】図3Bは、この発明の例示実施形態に従って、サーバーにより実行される方法のフローチャートである。
【図4】図4は、この発明の例示実施形態に従って、クライアントにより実行される方法のフローチャートである。
【図5A】図5Aは、図2A乃至2Bに示すこの発明の例示実施形態に使用するのに適したメッセージデータ構造の図である。
【図5B】図5Bは、図2A乃至2Bに示すこの発明の例示実施形態に使用するのに適したメッセージデータ構造の図である。
【図5C】図5Cは、図2A乃至2Bに示すこの発明の例示実施形態に使用するのに適したメッセージデータ構造の図である。
【図5D】図5Dは、図2A乃至2Bに示すこの発明の例示実施形態に使用するのに適したメッセージデータ構造の図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
この発明の例示実施形態の以下の詳細な説明において、同一部に同符号を付した添付図面が参照される。これらの図面は、この発明を実施することができる特定の例示実施形態を説明するために示される。これらの実施形態は、当業者がこの発明を実施可能にするために十分詳細に記載され、他の実施形態を利用することができ、この発明の範囲を逸脱することなく、論理的、機械的、電気的および他の変更を行なうことが理解される。それゆえ、以下の詳細な説明は制限的意味に解釈されず、この発明の範囲は、添付されたクレームによってのみ定義される。
【0012】
詳細な説明は4つのセクションに分割される。第1のセクションにおいて、この発明が実施できる動作環境が記載される。第2のセクションにおいて、この発明のシステムレベルの概要が提示される。第3のセクションにおいて、この発明の例示実施形態の方法が提供される。最後に第4のセクションにおいて、詳細な記載の結論が提供される。
【0013】
動作環境
図1A、1B、1Cおよび1Dの以下の記載は、この発明の例示実施形態が実施可能な衛星位置決めシステム(SPS)環境の概要を提供することを意図しているが、適用可能な環境を限定することを意図するものではない。SPS移動受信器(「移動体」)は、携帯電話システムのような無線通信システムを利用する遠隔部、すなわち「セル」のリソースと通信することができる。セルは、移動体にSPS信号処理を補完するために使用することができる無線のセルをベースにした局(「セル基地局」)を含む。システムは、また、性能を強化するために、SPS移動体からのデータを受信するために、位置計算等を完了または絞り込むためにそのようなデータに更なる処理を実行するためにSPS移動体に補助データを供給するコンピュータを有するサーバーを用いて構成することができる。
【0014】
図1Aは、各々がそれぞれの無線基地局を有するSPS移動体1A−D、2A−D、3A−D、およびセル20a−cを有する分散型の衛星位置決めシステムの例示実施形態を図解する。セル基地局37aは、各々がセル20a内に無線通信システムを含むSPS移動体1a、1b、1cおよび1dとの間で無線通信を実行する。同様に、セル20b内のセル基地局37bは、各々が携帯電話のような無線通信システムを含むSPS移動体2a、2b、2c、および2dとの双方向の無線通信を提供する。セル20cは、セル基地局37cとの双方向無線通信を実行することができるSPS移動体3a、3b、3c、および3dを含む。この発明のある実施形態において、いくつかのSPS移動体は片方向の通信(基地局への送信)のみを行なうことができる。この場合、移動SPS装置は、(擬似範囲を決定し、衛星天文暦データを読むことにより)その位置を決定し、その位置をアプリケーションサーバーに送信する(あるいは、これらの移動SPS装置は、擬似範囲を位置決定サーバーに送信し、位置決定サーバーは移動体の位置を決定する)。各基地局は、基地局から通信インフラストラクチャ40へのそれぞれの接続(例えば、接続21a、21b、21c)を含む。セルのための一般的実施形態は図1Bにと共に以下に記載される。図1Cは、GPS衛星システムのために構成される移動SPS受信器の例示実施形態を図解する。
【0015】
図1Aのネットワークは以下の構成要素を含む。
【0016】
A.一般の加入電話網(PSTN)または他の通信インフラストラクチャ(例えば、専用回線、衛星等)を介して移動GPS装置と通信する位置決めサーバー(例えばサーバー32または33)は、次には、無線基地局(例えば、局37a)と通信する。図1Dは、図1Aのネットワーク内の動作に適した位置決めサーバーの例示実施形態のブロック図である。
【0017】
B.位置決めサーバーにより供給される位置情報の結果を表示することができ、実行される作業分配のような補助サービスを可能にする別個のアプリケーションサーバー(例えば、サーバー22または23)
C.位置に基づく情報(すなわち、クライアントの位置または他の位置、例えば、クライアントにとって関心のある位置に関する情報)を、移動GPS装置(例えば、装置1a)のような、ネットワークを介したWWWサーバーに接続されたクライアントに、またはインターネットサービスプロバイダー(ISP)(図示せず)を介して直接WWWサーバーに供給することができるWWWサーバー(例えば、WWWサーバー19aまたは19b)
D.一般の加入電話網および/またはパケット交換データネットワークのような専用ネットワークを含むことができる通信インフラストラクチャ40
E.広い地理的領域上のGPS衛生からの範囲情報を測定し、(例えば、位置決めサーバーおよび/または移動SPS装置により使用するために異なるGPS情報を提供するために)それらの航法メッセージデータ受信し、処理する別個のGPS基準受信器群(例えば、GPS基準局24aまたは24b)
一般に、図1Aに図解される実施形態に見られるように、これらのネットワークエレメントはすべて互いに通信する。代わりの実施の形態において、GPS基準受信器は、位置決めサーバーと通信し、位置決めサーバーは、主にアプリケーションサーバーおよびWWWサーバーと通信する。他の実施形態において、WWWサーバーは、アプリケーションサーバーのためのプロクシーサーバーとして動作することができる。そのような立場において、WWWサーバーは、アプリケーションサーバーにおよびアプリケーションサーバーから中継される情報のエントリーポイントとして動作する。すべてのサーバーはコンピュータベースであると見なされる。すなわち、各サーバーは、さらにネットワークに結合されるシステムバスを介してメモリに結合されるプロセッサ上のコンピュータソフトウエアを実行する。コンピュータベースサーバーの基礎は技術的に良く知られており、さらに図解したり、議論したりしない。
【0018】
図1Bに示すセルにおいて、移動装置12a、12b、12c、および12dは、GPS受信器および無線モデムの組合せを含む。GPS装置に取り付けられるのは、GPS衛星(簡単のために図示していない)からのGPS信号を受信するためのGPSアンテナ10a、10b、10c、および10d、および基地局アンテナ17を含む基地局9との間で通信するアンテナ11a、11b、11c、および11dである。ある実施形態では、この通信を一方向のみにすることができる。
【0019】
基地局9は、GPS装置が位置情報を得るのを助けるために、移動GPS装置を援助することができる信号処理装置15を含み、および/または信号処理装置15は、信号処理装置15が自分のGPSアンテナ18を用いて集めることができる補助データと共に、これらの移動GPS装置から信号処理装置15に送信されたデータに基づいてこれらのGPS装置の位置計算を完了または絞り込むことができる。信号処理装置15が位置計算を援助または完了し、移動GPS装置から信号処理装置15に送信されたデータに微分補正を供給するとき、信号処理装置15は、衛星天文暦データを受信するために独自のGPS受信器とGPSアンテナを含めることができる。また、基地局9は、接続16により信号処理装置15に結合され、オペレータが移動GPS装置の位置を可視的に追跡可能にし、上述の通信リンクを介してこれらの移動GPS装置に手動のおよび半自動のコマンドを供給することができるコンピュータ機器およびディスプレイ14を含むことができる。一部の例では、信号処理装置15と一緒になったディスプレイ14は、「ワークステーション」と呼ばれる。
【0020】
図1Bは、各移動GPS装置から基地局への無線リンクを示すけれども、このリンクは、実際には、セルサイトにおけるモデムのようなモデムへの無線リンクであり得、その後に、基地局への有線または他のリンクが続く。いくつかの実施において、基地局9は、実際には、以下にさらに記載するように、基準ネットワーク内の基地局の数を表すことができる。
【0021】
図1Cを参照すると、GPS受信器76と通信トランシーバー78を含む汎用の組み合わされた移動システム75が記載される。マイクロプロセッサ81によりメモリ82から実行された命令群は、移動システム75の機能を制御する。上述したように、通信トランシーバー78は、携帯電話またはモデムまたは他のタイプの通信装置であり得る。通信トランシーバー78は通信アンテナ79を有する。GPS受信器76は、接続80を介して通信トランシーバー78に結合される。一つの動作モードにおいて、通信トランシーバー78は、アンテナ79を介して、おおよそのドップラー情報を受信し、このおおよそのドップラー情報を接続80を介してGPS受信器76に供給する。GPS受信器76は、GPSアンテナ77を介してGPS衛星からGPS信号を受信することにより擬似範囲決定を実行する。次に、決定された擬似範囲は、通信トランシーバー78を介してGPS位置決めサーバーに送信される。一般に、通信トランシーバー78は、アンテナ79を介して信号をセル基地局に送信する。次に、基地局は、この情報をGPS位置決めサーバーに送り返す。図1Cの移動システム75並びに多くの代わりの技術的に知られている移動SPS通信システムは、図1Aに図解したコンピュータネットワークを用いて動作するここに開示した方法を用いて採用することができる。
【0022】
各移動体1、2、3は、1つの無線基地局と通信するように図1Aに示されているけれども、例えば、多くの携帯電話情況において、移動体は、実際は、さまざまなセル局と通信する。
【0023】
最後に、図1Dは、図1Aに示す位置決めサーバー32、33として使用可能なGPS位置決めサーバー50の一実施形態を示す。図1CのGPSサーバー50は、耐障害性のコンピュータシステムのようなデータ処理装置51を含む。また、GPSサーバー50は、いくつかのモデムまたは他の通信インターフェース52、53、54を含む。これらの通信インターフェースは、ネットワーク60、62、および64として示される3つの異なるネットワークの間で位置決めサーバー32、33への情報および位置決めサーバーからの情報の交換のための接続性を提供する。ネットワーク60は、移動体通信網向け交換機または移動体通信網向け交換機群および/または地上にある電話システム交換機またはセル局を含む。ネットワーク62は、微分GPS補正情報を供給し、および衛星天文暦データを含むGPSデータ信号をデータ処理装置51に供給するように設計されたGPS受信器群のネットワークである。サーバー50が非常に大きな地理的領域をサービスしているとき、またはサーバー50から非常に遠隔の他の位置決めサーバー群に冗長なバックアップを供給するとき、任意のGPS受信器56のような局所の任意のGPS受信器は、この領域の全体にわたって、他のGPS受信器から見える所にあるすべてのGPS衛星を観察できないかもしれない。従って、ネットワーク62は広域にわたって、(一般には、全体の未加工衛星航法メッセージの一部である)衛星天文暦データおよび微分GPS補正データを収集し、供給する。
【0024】
図1Dに示すように、大容量記憶装置55は、データ処理装置51に結合される。一般に、大容量記憶装置55は、図1Bの移動システム12a−dのようなGPS使用可能な移動システムから擬似範囲を受信した後、GPS位置計算を実行するためのソフトウエアのための記憶装置を含むであろう。これらの擬似範囲は通常、セル基地局9、移動体通信網向け交換機(図示せず)およびモデムまたはインターフェース53を介して受信される。あるいは、この記憶装置55は、移動システム12により供給される位置計算に微分補正を供給するために使用することができる。また、少なくとも1つの実施形態において、大容量記憶装置55は、モデムまたは他のインターフェース54を介してGPS基準ネットワークにより供給される(一般に、全体の未加工の衛星航法メッセージの一部として)衛星天文暦データを受信し使用するために使用されるソフトウエアを含む。
【0025】
この発明の一般的な実施形態において、図1DのGPS基準ネットワーク62が微分GPS情報並びにGPS基準ネットワーク内の種々の基準受信器群の視野内の衛星群からの未加工の衛星データメッセージを供給するとき、任意のGPS受信器56は必要ない。モデムまたは他のインターフェースを介してネットワークから得られた衛星天文暦データは、移動GPS受信器の位置情報を計算するために、移動GPS受信器から得た擬似範囲で、一般的な方法で使用することができることが理解されるであろう。インターフェース52、53、および54は、各々データ処理装置を、ネットワーク64の場合のように、他のコンピュータシステムに接続するし、およびネットワーク60の場合のように、セルラーベース通信システムに接続し、およびネットワーク62内のコンピュータシステムのように送信装置に接続するためのモデムまたは他の適当な通信インターフェースであり得る。一実施形態において、ネットワーク62は、地理的領域上に分散されたGPS基準受信器の分散された収集を含むことが理解されるであろう。いくつかの実施形態において、セルラーベース通信システムを介して移動GPS受信器を通信するセルサイトまたはセルラーサービスエリア付近の受信器56から得た微分補正GPS情報は、移動GPS受信器のおおよその位置に適当な微分補正GPS情報を提供するであろう。他の場合に、ネットワーク62からの微分補正は、結合して、移動GPS受信器の位置に適当な微分補正を計算することができる。
【0026】
図1Aに示すネットワークの実施形態において、32および33により例示される位置決めサーバーは、アプリケーションサーバー22および23と分離されている。但し、この発明は、位置決めサーバーが種々の他のタイプのサーバーと結合される実施形態において、実施することができる。位置決めサーバー自体は、無線ネットワークに取り付けられた他の処理システムに常駐するソフトウエア構成要素のみから構成できることが理解されるべきである。そのような処理システムは、音声およびデータメッセ−ジングおよびWWWサービスのような他の関数を実行することができる。図1Aにおいて、位置決めサーバー33は、セル20b内の移動装置と同じセルサイト内に物理的に設置されている。しかしながら、サーバー32は、図示したセルのいずれにも設置されていないが、セル20a、20b、および20cからのデータにサービスを提供することができる。サーバー32は、その地理的近接性によりこのタスクに対して好適であるかもしれないけれども、事実、サーバー33でさえもセル20aおよび20cからのデータを処理することができた。
【0027】
システムレベルの概要
あるシステムの動作のシステムレベルの概要は図2Aおよび2Bを参照することにより記載される。移動システムA 211、B 221、およびC 231は、図1Aに図解されるネットワークのようなネットワークを介して位置決めサーバー201に通信する。図2Aにおいて、移動体A 211およびB 221は、両方とも双方向通信を行なうことができる。図2Bにおいて、移動体B 221のみが双方向通信を行なうことができる。しかしながら、図2Cにおいて、移動体C 231の代わりに、移動体A 211を用いることが出来る。図1Cに図解される移動システム75は、移動体A、BまたはCのいずれかとして使用するのに適しているが、使用できる唯一のタイプの移動体ではない。位置決めサーバー201は、図1Dの位置決めサーバー50に対して記述されるように構成されると考えられているが、いくつかの位置決めサーバーは、そのように構成することができる。次に記載される位置決めサーバーの種々の機能は、ネットワーク内の他のタイプのサーバー間で配信することができることを当業者は、すぐに理解することができるであろう。
【0028】
図2Aに図解する実施形態から始めると、移動体A 211は、その位置情報、POS(A)を、ネットワークを介して位置決めサーバー201に送信する。位置情報は、上述したように、移動体A 211または擬似範囲情報により計算される実際の地理的位置であり得る。位置決めサーバー201は、位置情報から移動体A 211の位置を導き出す。実際の位置が位置情報内にあるなら、位置決めサーバー201は、単にその位置を抽出することができる。そうでなければ、位置決めサーバー201は、技術的に良く知られるように、位置情報を処理し、位置を決定する。
【0029】
移動体B 221は、移動体A 211の位置を要求するメッセージREQLOC(A)をネットワークを介して位置決めサーバー201に送信する。図2Aに示す実施形態において、位置決めサーバー201は、移動体A 211がいかなる許可基準も(以下に記載する)位置決めサーバー201に送信しなかったかあるいは移動体A 211が送信した許可基準が移動体B 221を含まないことを判断する。それゆえ、位置決めサーバー201は、移動体A 211が、移動体B 221に送信すべき位置を許可するかどうかを尋ねる問合せメッセージINQUIRY(B)をネットワークを介して移動体A 211に送信する。移動体A 211は、移動体B 221の許可基準PERMISSIONS(B)を送信することにより応答する。移動体B 221の許可基準が移動体B211に移動体Aの位置を受信可能にさせるなら、位置決めサーバー201は、位置LOC(A)を移動体Bに送信する。移動体B 211の許可基準が許可を否定するなら、または、移動体A 211が問合せメッセージに応答しないなら、位置決めサーバー201は、エラーメッセージDENY(REQ)または、Aの位置を含まない適当なメッセージを移動体B 221に送信する。
【0030】
図2Bに示す代わりの実施形態は、片方向通信のみができる移動体C 231が、この発明により提供されるサービスに参加可能にする。移動体C 231は、その位置情報POS(C)を移動体Cの位置を決定する位置サーバー201に送信する。また、移動体C231は、移動体C 231がその位置へのアクセスを許可または否定することを望むこれらの移動システムに対して、一連の許可基準PERMISSIONS(LIST)を送信する。許可基準は、位置決めサーバー201により記憶される202。記憶媒体は、図2Bにおいて、ハードディスクとして図解されているが、いかなるタイプの記憶装置であってもよい。
【0031】
移動体B 221の許可基準が、移動体B 211がその位置の要求をする必要がなくして、移動体Cの位置を移動体B 221に送信することができることを指定するなら、位置決めサーバー201はすぐに移動体Cの位置LOC(C)を移動体B 221に送信する。そうでなければ、移動体B 221の許可基準が、移動体Bが移動体Cの位置を受信可能にするなら、その位置の要求に応答して、移動体Cの位置は移動体B221にのみ送信される。
【0032】
一般に、位置を要求している移動システムは、ここでは、「要求者」と呼ばれる。位置を要求せずに位置を受信する移動システムも要求者と呼ばれる。位置情報および/または許可基準を送信している移動システムは、(移動システムがその位置/許可基準を所有するという点で)「所有者」と呼ばれる。移動システムは、所有者の役割と要求者の役割を切り替えることができるので、移動体B 221が図2Aおよび2Bにおいて所有者として機能している間、移動体B221はまた、その位置情報および任意に、許可基準を位置決めサーバー201に送信することにより、所有者としてこの発明のサービスに参加することができる。
【0033】
許可基準は、電話番号または他のタイプの固有の符号のような、要求者移動システムの識別子に入力される。許可基準内の要求者移動システムのためのエントリーは、所有者の位置へのアクセスを許可するまたは不許可にする単一フィールド、または、時間および/またはその位置への要求者のアクセス上の地理的制約を定義する複数のフィールドを含むことができる。同様に、位置要求は、単一の1回かぎりの要求または位置が変化したときの連続的更新の要求であり得る。許可基準および位置要求の代わりの実施形態は、次のセクションで提示される。依然として、他の代わりの実施形態は、当業者に容易に明白であろう。
【0034】
所有者の位置は、移動システムの能力に基づいて要求者移動システムに異なる様式で送信される。例えば、テキスト情報のみを受け取ることができる移動システムは、緯度、経度位置対として位置を受信するであろう。グラフ表示を行なうことができる移動システムは、地図または他の基準格子の表示として位置を受信することもできる。位置を表示するために、要求者移動システム上のグラフ情報システム(GIS)アプリケーションとインターフェースする代わりの実施形態もこの発明の観点として想定される。
【0035】
サービスの使用は、所有者移動システム、要求者移動システムまたはその両方に請求することができる。請求は定額であってもよいし、サービスの実際の使用に基づくものであってもよい。代わりの支払い手続きは同様に適用可能である。さらに、いずれの移動システムも、インターネットを介して位置決めサーバー201に接続するために図1Aに示すWWWサーバー19の1つを使用することができる。
【0036】
開示した位置サービスは、第2システムにより設定される制限内の第2移動システムの位置を第1の移動システムが知ることを可能にする。この発明は何らかの特定のネットワーク構成に限定されないけれども、明確さのために、サーバーと片方向通信および双方向通信の両方を行なう移動システムにサービスを提供する単一の位置決めサーバーを有する簡単化されたネットワークについて記載した。複数の冗長なサーバーを用いて、要求者移動体がいくつかの可能なサーバーのいずれか1つによりサービス可能であることが理解されるであろう。
【0037】
位置決めサーバーおよびクライアントにより実行される方法
前のセクションにおいて、例示実施形態の動作のシステムレベルの概要が記載された。このセクションでは、図2A−Bに図解されるこの発明の実施形態を実行する位置決めサーバー201および移動システム(クライアント)211、221、231により実行される特定の方法が一連のフローチャートを参照することにより記載される。クライアントにより実行される方法は、コンピューター実行可能な命令群から構成されたコンピュータプログラムにより実施可能である。フローチャートを参照することによりこの方法を記載することは、当業者が、(メモリ82または同程度のコンピュータ読み出し可能媒体からの命令群を移動システムのプロセッサ81が実行する図1Cに示すような)適当なクライアント上でこの方法を実行するために、そのような命令を含むそのようなプログラムを開発可能にする。また、同様に、サーバーにより実行される方法は、コンピュータ実行可能な命令群から構成されるコンピュータプログラムにより実施することができる。フローチャートを参照することによりこの方法を記載することは、当業者が、適当なコンピューター化されたサーバー(コンピューター読み出し可能媒体からの命令群を実行するコンピュータのプロセッサ)上でこの方法を実行するための命令群を含むプログラムを開発可能にする。この方法は、どういう行動を取るかまたはその行動によりどういう結果が得られるかについて以下に頻繁に記載する。当業者は、それは、プロセッサにその行動を取らせるまたはその結果を生じさせる方法のための命令群の実行であることをすぐに理解するであろう。サーバーの方法は、図3Aおよび3Bを参照して記載され、クライアントの方法は、図4を参照して記載される。さらに、許可基準の実施形態のためのデータ構造、位置要求メッセージ、許可問合せメッセージ、およびこの方法により使用される許可問合せに対する応答メッセージは、それぞれ図5A、5B、5C、および5Dに図解される。
【0038】
最初に図3Aを参照すると、所有者として機能する移動システムと通信するとき、サーバーの方法300を実行するコンピューターにより実行される行動が記載される。サーバーは、所有者の移動システムから位置情報(および任意に許可基準)を受信する(ブロック301)。サーバーは位置情報から所有者の位置を導き出し(ブロック303)、所有者の移動システムに関連する許可基準を評価する(ブロック305)。ブロック305における評価は、もしあれば、以前に記憶した許可基準データ構造を取得し、それをブロック301において受信した新しい許可基準で更新し、またはいずれかの新しい許可基準から新しい許可基準データ構造を作ることを含むことができる。許可基準データ構造があると仮定すると、各要求者エントリーを調べて、要求者に所有者の位置が自動的に送られる(すなわち、要求者が要求を提出する必要なしに)かどうか判断する。そうであれば、以下に記載するように、エントリーに存在するなんらかの位置アクセス制約が評価され、位置を送信することができるかどうか判断する。自動送信に関するすべての制約が満足されると仮定すると(ブロック307)、その位置を含むメッセージが対応する要求者にあてて出され、ネットワーク上に配置される(ブロック309)。一実施形態において、その位置は、ブロック305における評価が、その位置が最後に送信されてから変化したと判断した場合にのみ送信される。各エントリーが評価されると(ブロック311)、または許可基準データ構造が無いとき、方法300は、所有者移動システムから新しい位置情報を受信するのを待つ。図示しない代わりの実施形態において、サーバーは、CD−ROM、フロッピー(登録商標)ディスク、テープ、または他のコンピューター読み出し可能媒体のような他のソースから、または、許可基準を記憶するまたは供給する遠隔ソースからのネットワーク上の送信のような送信から許可基準を受信することができる。
【0039】
図3Bを参照すると、要求者として機能する移動システムと通信するときに実行されるサーバー方法が記載される。サーバーは、ブロック321において、要求者システムから位置要求を受信する。この要求は、位置が要求される所有者システムを指定し、以下にさらに記載するように、時間および領域のような要求制約を任意に含むことができる。サーバーはその所有者に関連する許可基準を検索し、要求者のためのエントリーを発見する(ブロック323)。エントリーが発見されず、(および所有者が許可基準の問合せを行なうことができ、同意するなら)、サーバーは、許可基準問合せメッセージを所有者に送信する(ブロック325)。所有者からの無応答(ブロック327)は、アクセス否定として取り扱われ、サーバーは適当なエラーメッセージを要求者に戻す(ブロック329)。
【0040】
サーバーが要求者のためのエントリーを発見するかまたは所有者から、要求者のための許可基準を受信したと仮定すると、サーバーは、許可基準(および何らかの任意の位置要求制約)を評価し、所有者の位置を要求者に送信するかどうか判断する(ブロック331)。肯定的な評価結果(ブロック333)はサーバーに位置を送信させ(ブロック335)、一方否定的な評価結果はサーバーに適当なエラーメッセージを送信させる(ブロック329)。サーバーはこれから、要求者移動システムからの新しい要求を待つ。代わりの実施形態において、エラーメッセージは任意である。
【0041】
受信した位置情報から所有者の位置を決定する方法300内の処理は、適切に構成された位置サーバーにより実行されなければならないけれども、方法300内の残りの機能および方法320内のすべての機能は、許可基準データ構造を記憶することができかつ評価することができるファイルシステムと、位置決めサーバーへの通信リンクを有するいかなるコンピュータにより実行することができる。従って、図1Aに示すアプリケーションサーバー22−23およびWWWサーバー19a−bのいずれもが、位置を計算することに向けられないサーバー方法を実施する適当なシステムである。
【0042】
次に、図4を参照して所有者移動システムにより実行されるクライアント方法が記載される。方法400は、位置の変化、ユーザー入力、またはサーバーからのメッセージのようなイベントを処理するために起動される。移動システムがその位置を所定量だけ変化させたなら(ブロック401)、この方法は、新しい位置情報を位置決めサーバーに送信する(ブロック403)。ユーザー入力が受信されるなら(ブロック405)、それは、新しい許可基準または位置要求である(ブロック407)。新しい許可基準は、ブロック409において適当なサーバー(すなわち、サーバー方法300)に送信され、位置要求はブロック411において適当なサーバー(すなわち、サーバー方法320)に送信される。移動システムがサーバーメッセージを受信したために方法400が起動されるなら、それは、許可基準のための問合せかまたは移動システムにより発行された位置要求に対する応答である(ブロック413)。ブロック415において、位置応答要求がユーザーに表示される。許可問合せが表示され(ブロック417)、いずれかのユーザーの応答が評価され、応答メッセージをサーバーに送信する必要があるかどうか判断する(ブロック419)。要求者がその位置へアクセスすることをユーザーが望まない場合には、応答は必要なく、ある期間の後、サーバーは、アクセスが否定されると判断するであろう。しかしながら、ユーザーが問合せに応答して、許可基準を入力するなら、その許可基準は、サーバーに送信される(ブロック421)。
【0043】
図4に図解する方法は、サーバーと双方向通信することができる移動システムに適用するが、サーバーからのメッセージに応答して実行される、ブロック413−421を削除することにより、片方向通信を有した移動システムに容易に適応可能であることが理解されるであろう。
【0044】
図5Aは、上述したクライアント方法およびサーバー方法に使用するのに適当な許可基準データ構造の一実施形態を図解する。許可基準データ構造500は、所有者識別子フィールド501を介して所有者と関係している。データ構造500内の各要求エントリー510は、要求者識別子502に基づいて入力される。要求者が、所有者の位置へのアクセスを常に否定されるなら、「否認された」フラッグ503が設定される。要求に応答して、所有者の位置へのアクセスを要求者が許された場合にのみ、「要求必須」フラッグ504が設定される。当業者は、反対の状態を表示するようにフラッグ503および504を設定する実施形態も同様に適用可能であることを容易に理解するであろう。所有者がある地理的領域にいるときに、所有者が、要求者に送信されるまたは送信されないその位置を望むなら、領域基準フィールド(505)は、ある領域を定義する座標を含む。同様にある時間の間、要求者が所有者の位置にアクセスすることまたはアクセスしないことを所有者が望むなら、時間基準フィールド506は、時間情報を含む。さらに、所有者、有効期間フィールド507により決定された限定された期間のみ要求者にアクセスが与えられるように指定することができる。領域基準505、時間基準506、および有効期間507は集合的に「位置アクセス制約」とよばれ、要求者のための許可基準エントリー内のいずれかの組み合わせ内に存在することができる。さらなる位置アクセス制約は、当業者にとって容易に明白であろう。
【0045】
また、図5Aに示す実施形態は、所有者が、許可基準に対する問合せを受信したくないなら、設定される、任意の「許可問合せ否認」フラッグ508を含む。これは、そのような問合せを受信するまたは応答する能力を持たない移動システムをこの発明のサービスに参加させることを可能にする。そのようなシステムは、図2Aの移動システムA 211により図解されるように、サーバーに送信することができるだけであるか、またはその問合せに応答することができる人間のまたは自動のシステムと相互作用できないかもしれない。従って、位置要求が、許可基準内にエントリーを有さない要求者からサーバーにより受信され、フラッグ508がセットされるなら、サーバーはその要求を否認されたものとして取り扱う。
【0046】
次に、図5B−Cを参照して、移動システムとサーバーとの間で交換されるメッセージの実施形態が記載される。図5Bは、要求者システムからサーバーに送信された位置要求メッセージのためのデータ構造を図解する。位置要求メッセージ500は、要求者の識別子521と、その位置が要求される所要者移動システムの識別子522を含む。メッセージ500は、要求者が位置を受信することを望む(または望まない)とき(期間523)、および/または所有者移動システムがいなければならない(またはいなくてもよい)場所(領域指定524)を指定する位置要求制約を任意に含むことができる。一実施形態において、期間523を指定することは、その期間、所有者の位置が変化するにつれ、サーバーが要求者を連続的に更新しなければならないことを示す(例えば、24時間観察を指定することができる)。
【0047】
図5Dは、許可基準問合せメッセージ540の一実施形態を定義するデータ構造である。メッセージは、要求者の識別子541および要求者により指定されるなんらかの任意の位置要求制約(期間542および領域指定543)を含む。その問合せに対する応答は、図5Dに示すデータ構造の様式を取り、要求者識別子561、要求者によるすべてのアクセスを禁止する否認フラッグ562、要求者に適用される許可基準のための所定のデフォルトを生じる「許可基準に不可」フラッグ563かまたは、要求者のための特定の許可基準564を含む。フィールド562、563、または564のいずれかの存在は、サーバーに、要求者のための適当な情報を有する許可基準データ構造500を更新または作成させ、図3Bに関連して上述した内容に従って、要求者に応答させる。
【0048】
結論
移動システムのユーザーにより指定される制約内の移動システムの位置へのアクセスを供給する位置決めサーバーについて記載した。これらの制約を決定する許可基準を指定する移動クライアントも記載される。ここでは、特定の実施形態について図解し、記載したけれども、同じ目的を達成するために得るために計算されるいかなる構成も図示した特定の実施形態の代わりになることができることが当業者により理解されるであろう。この開示は、開示した方法および装置のいかなる改作または変形をもカバーするように意図される。
【0049】
例えば、当業者は、双方向通信を行なうことができ、適当にプログラムされた自動システムの制御下にある移動システムは、人間の介入を必要とする事無く、この発明により提供されるサービスに完全に参加することができることを理解するであろう。さらに、当業者は、片方向通信のみを行なうことができる移動システムは、その位置を追跡するために、輸送できるアイテムに取り付けることができることを理解するであろう。従って、この発明は人間の相互作用を必要とするアプリケーションに限定されない。さらに、「コンピュータ」という用語は、情報を処理することができる広範囲の可能な装置を含むことを意味することが理解されるであろう。コンピュータは処理ロジック(例えば、ASIC[特定用途向け集積回路]またはPGA[プログラムされたゲートアレイ])および許可基準を記憶するための簡単なシステムであってもよいし、あるいは、UNIX(登録商標)またはマイクロソフトNTオペーレーティングシステムを実行する完全な汎用コンピューターであってもよい。
【0050】
通信ネットワークに対するこのアプリケーションで使用される用語は、移動システムのための位置を決定することができるすべての通信ネットワーク環境を含むことを意味する。それゆえ、この発明は、以下のクレームおよびその均等物によってのみ限定されなければならないことが明白に意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記を具備する移動システムの位置を通信する方法:
第1の移動システムの位置を得る;
前記第1の移動システムに関連する許可基準を得る;および
前記許可基準に従って、前記第1の移動システムの位置を第2の移動システムに送信する。
【請求項2】
前記位置は、前記第1の移動システムの位置に対する、前記第2移動システムからの要求に応答して送信される、請求項1の方法。
【請求項3】
前記許可基準は、前記第2の移動システムからの前記要求に応答して前記第1の移動システムから得られる、請求項1の方法。
【請求項4】
前記許可基準は、第1のユーザーに関連する許可基準の記憶されたリストから得られ、前記第1の移動システムは、衛星位置決めシステム受信器を具備する、請求項1の方法。
【請求項5】
前記許可基準は、前記第1の移動システムのユーザーにより選択的に設定され、前記ユーザーにより変更可能である、請求項1の方法。
【請求項6】
前記許可基準は、いつ前記第1の移動システムの位置が前記第2の移動システムに送信できるかを指定する、請求項1の方法。
【請求項7】
前記許可基準は、前記第1の移動システムの位置が前記第2の移動システムに送信できる範囲を指定する、請求項1の方法。
【請求項8】
前記第1の移動システムは、前記第1の移動システムのための位置情報を決定する位置標定システムを具備し、さらに、前記位置情報を送信する通信送信器を具備する、請求項1の方法。
【請求項9】
前記第1の移動システムは、前記第1の移動システムにより送信された前記位置情報から前記位置を導き出す、請求項8の方法。
【請求項10】
第3の移動システムから、前記第1の移動システムの位置の要求を受信する;
第3ユーザーに関係する許可基準を得ようと試みる;および
前記試みの結果として前記第3の移動システムからの前記要求を否定する;
ことをさらに具備する、請求項1の方法。
【請求項11】
前記第3ユーザーに関係する許可基準が無いとき、前記第3の移動システムからの前記要求は否定される、請求項10の方法。
【請求項12】
前記第3の移動システムからの前記要求は、前記得られた許可基準に従って、否定される、請求項10の方法。
【請求項13】
前記許可基準を得ようと試みることは、前記第1のユーザーに関連する許可基準の記憶されたリストを検索することを具備する、請求項10の方法。
【請求項14】
前記許可基準を得ようとする試みは、前記第1の移動システムから前記許可基準を要求することを具備する、請求項10の方法。
【請求項15】
下記を具備する、移動システムの位置を見つけるための通信システム:
ネットワークに接続し、第1の移動システムの位置および前記第1の移動システムに関連する許可基準を前記ネットワークに送信するように動作可能な第1の移動システム; 前記ネットワークに接続し、前記ネットワークからの前記第1の移動システムの位置情報および許可基準を受信し、前記位置情報から導き出された前記第1の移動システムの位置を前記許可基準に従って、前記ネットワークに送信するように動作可能なサーバーシステム;および
前記ネットワークに接続し、前記ネットワークから前記サーバーシステムにより送信された前記第1の移動システムの位置を受信するように動作可能な第2の移動システム。
【請求項16】
前記サーバーシステムは、永久媒体内の第1の移動システムに関連する許可基準を記憶するようにさらに動作可能である請求項15の通信システム。
【請求項17】
前記第2の移動システムは、前記第1の移動システムの位置の要求を前記ネットワークに送信するようにさらに動作可能である、請求項15の通信システム。
【請求項18】
前記サーバーシステムは、前記ネットワークから前記要求を受信し、前記第2の移動システムに関係する許可基準を評価するようにさらに動作可能な、請求項17の通信システム。
【請求項19】
前記許可基準が前記第1の移動システムの位置が前記第2の移動システムに送信されることを許可しないとき、エラーメッセージを前記ネットワークに送信するようにさらに動作可能であり、前記第2の移動システムは、前記ネットワークから前記エラーメッセージを受信するように動作可能である、請求項17の通信システム。
【請求項20】
下記を具備する、移動通信システム:
メモリに結合され、さらにネットワークに接続するように動作可能なプロセッサ;
前記プロセッサに前記移動通信システムの位置情報を前記ネットワークに送信させ、さらに、前記プロセッサに別の移動通信システムに関係する許可基準を前記ネットワークに送信させるために、前記メモリから前記プロセッサにより実行される通信プロセス。
【請求項21】
前記通信プロセスはさらに前記プロセッサに、前記ネットワークからの、別の移動通信システムに関係する前記許可基準の問合せを受信させる、請求項20の移動通信システム。
【請求項22】
前記通信プロセスは、さらに、プロセッサに別の移動通信システムの位置に対する問合せを前記ネットワークに送信させ、前記ネットワークからの前記問合せに対する応答を受信させる、請求項20の移動通信システム。
【請求項23】
前記通信プロセスは、さらに、前記プロセッサに、前記ネットワークからの別の移動通信システムの位置を受信させる、請求項20の移動通信システム。
【請求項24】
下記を具備する、サーバー:
システムバスに結合され、さらにネットワークに接続するように動作可能なプロセッサ;
前記システムバスを介して前記プロセッサに結合されたメモリ;および
前記システムバスを介して前記プロセッサに結合され、位置サービスを記憶したコンピューター読み出し可能な媒体;
前記プロセッサによる前記位置サービスの実行は、前記プロセッサに、移動システムの位置情報と、前記ネットワークからの前記移動システムに関連する許可基準を受信させ、前記位置情報から前記第1の移動システムの位置を導き出させ、前記移動システムの位置を前記ネットワークに送信させる。
【請求項25】
前記位置サービスはさらに、前記プロセッサに、前記移動体に関連する許可基準を、前記コンピュータ読み出し可能媒体上に記憶させる、請求項24のサーバーシステム。
【請求項26】
前記位置サービスはさらに、前記プロセッサに、前記ネットワークからの前記移動システムの位置の要求を受信させ、前記許可基準を評価させ、前記要求に応答して、前記移動システムの位置を送信するかどうかを決定させる、請求項24のサーバーシステム。
【請求項27】
前記位置サービスはさらに前記プロセッサに、前記許可基準の要求を前記ネットワークに送信させる、請求項24のサーバーシステム。
【請求項28】
下記を具備する方法をサーバーシステムと移動通信システムに実行させるコンピュータ実行可能な命令を記憶したコンピュータ読み出し可能な媒体:
前記移動通信システムによって、前記サーバーシステムに、前記移動通信システムの位置情報を送信する;
前記サーバーシステムにより、前記位置情報を受信する;
前記サーバーシステムにより、異なる移動通信システムに、前記異なる移動通信システムの許可基準に従って、前記位置情報から導き出した位置を送信する。
【請求項29】
前記移動通信システムによって、前記サーバーシステムに、前記移動通信システムに関連する前記許可基準を送信し;および
前記サーバーシステムによって、前記許可基準を受信することをさらに具備する、請求項28のコンピューター読み出し可能媒体。
【請求項30】
前記サーバーシステムによって前記異なる移動通信システムから前記位置の要求を受信することを更に具備する、請求項28のコンピュータ読み出し可能媒体。
【請求項31】
前記サーバーシステムによって、前記移動通信システムに、前記許可基準のための問合せを送信することをさらに具備する、請求項28のコンピューター読み出し可能媒体。
【請求項32】
下記を具備する、許可基準データ構造を記憶したコンピューター読み出し可能媒体: 前記許可基準データー構造を所有する第1の移動通信システムの識別子を表すデータを含む所有者識別フィールド;および
前記所有者識別フィールドにより識別される前記第1の移動通信システムにより、第2の移動通信システムに許可された許可を表すデータを含む要求エントリー。
【請求項33】
前記要求者エントリーは、前記第2の移動通信システムの識別子を表すデータを含む要求者識別フィールドを具備する、請求項32のコンピューター読み出し可能媒体。
【請求項34】
前記要求者エントリーは、さらに、前記第1の移動通信システムにより指定された地理的領域を表すデータを含む領域基準フィールドを具備する、請求項33のコンピューター読み出し可能媒体。
【請求項35】
前記要求者エントリーはさらに、前記第1の移動通信システムにより指定された期間を表すデータを含む時間基準フィールドを具備する、請求項33のコンピューター読み出し可能媒体。
【請求項36】
下記を具備する、位置サービスを移動通信システムに供給するための支払いを受ける方法:
第1の移動通信システムの識別子に基づいて、前記第1の移動通信システムから受信した位置の各要求を記録する;
第2の移動通信システムの識別子に基づいて、前記第2の移動通信システムから送信された各許可基準を記録する;および
受信された要求に対しては、第1の料金を、送信された基準に対しては第2の料金を前記第1および第2移動通信システムに請求する。
【請求項37】
前記第1および第2の移動通信システムは同じシステムである、請求項36の方法。
【請求項38】
前記第1および第2の料金は、前記第2の移動通信システムに請求される、請求項36の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【公開番号】特開2010−148137(P2010−148137A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−14110(P2010−14110)
【出願日】平成22年1月26日(2010.1.26)
【分割の表示】特願2003−535488(P2003−535488)の分割
【原出願日】平成14年10月10日(2002.10.10)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】