説明

位置検出装置、プログラム

【課題】周辺の建物の有無やレイアウトの変更等にかかわらず、簡便に詳細な位置情報を取得する。
【解決手段】位置検出装置が、所定の視野角に表示画像を表示する表示装置によって表示される表示画像と、予め設置された表示装置によって表示画像が表示される視野角方向の位置を示す位置情報とを対応付けて記憶し、表示装置によって表示された表示画像が撮像された撮像画像の入力を受け付け、入力された撮像画像に含まれる表示画像に対応付けられた位置情報を読み出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置情報を取得する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器等の位置情報を取得する手段として、GPS(Global Positioning System)が知られている。あるいは、特許文献1には、例えば無線LAN(Local Area Network)等の通信を行う複数の無線端末を配置して、それらのビーコン信号の無線強度から位置情報を算出することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−131301号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、GPSでは、屋内や地下、周辺に建物が存在する場所等においてはGPS衛星からの無線信号が正確に受信できず、位置精度が低くなるという問題がある。特許文献1による位置情報の算出では、無線強度が周辺の物の位置(レイアウト)等の変化に応じて変化するため、このような変化に応じて異なる位置が算出されるという問題がある。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、位置情報を取得する位置検出装置、プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明は、所定の視野角に表示画像を表示する表示装置によって表示される表示画像と、予め設置された表示装置によって表示画像が表示される視野角方向の位置を示す位置情報とが対応付けられて記憶されている位置情報記憶部と、表示装置によって表示された表示画像が撮像された撮像画像の入力を受け付ける入力部と、入力部に入力された撮像画像に含まれる表示画像に対応付けられた位置情報を、位置情報記憶部から読み出す位置情報検出部と、を備えることを特徴とする位置検出装置である。
【0007】
また、本発明は、所定の視野角に表示画像を表示する表示装置によって表示される表示画像と、予め設置された表示装置によって表示画像が表示される視野角方向の位置を示す位置情報とが対応付けられて記憶されている位置情報記憶部と、表示装置によって表示された表示画像が撮像された撮像画像の入力を受け付ける入力部と、入力部に入力された撮像画像に含まれる表示画像に対応付けられた位置情報を、位置情報記憶部から読み出す位置情報検出部と、を備える位置検出装置に接続された撮像装置のコンピュータに、表示装置によって表示された表示画像を撮像するステップと、撮像した撮像画像を位置検出装置に送信するステップと、を実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように、本発明によれば、位置情報を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態による位置検出システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態による表示装置の第1の表示画面例を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態による表示装置の第2の表示画面例を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態による表示装置と携帯端末との位置関係を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態によるレンチキュラーディスプレイを模式的に示す図である。
【図6】本発明の一実施形態による複数の表示画像を異なる視野角方向に向けて表示する表示装置と携帯端末との位置関係を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態による位置情報記憶部に記憶されている位置情報のデータ例を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態による携帯端末の動作例を説明するフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態による位置検出装置の動作例を説明するフローチャートである。
【図10】本発明の一実施形態による位置検出システムの構成例を示すブロック図である。
【図11】本発明の一実施形態による位置情報記憶部に、時間に応じた位置情報が対応付けられて記憶されるデータ例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態による位置検出システム1の構成を示すブロック図である。位置検出システム1は、表示装置10−1、表示装置10−2、・・・と、携帯端末20と、位置検出装置30とのコンピュータ装置を備えており、これらのコンピュータ装置がネットワーク5を介して接続されている。表示装置10−1、表示装置10−2、・・・は同様の構成であるので、特に区別しない場合には表示装置10として説明する。ただし、ここでは複数の表示装置10を示して説明するが、表示装置10は1台でもよい。ここでは1台の携帯端末20と1台の位置検出装置30を示して説明するが、複数の携帯端末20と複数の位置検出装置30とを備えていてもよい。
【0011】
ネットワーク5は、複数の表示装置10と、携帯端末20と、位置検出装置30とを接続する有線または無線のネットワークである。例えば、ネットワーク5は、携帯端末20と位置検出装置30とを接続する無線ネットワークや、表示装置10と位置検出装置30とを接続するインターネット等のネットワークなどによって構成される。
【0012】
表示装置10は、定められた表示画像を表示するディスプレイである。例えば、表示装置10には、広告画像や広告動画等の広告情報を表示するデジタルサイネージ(電子看板)と呼ばれるようなコンピュータ装置が適用できる。本実施形態では、表示装置10は通信手段を備え、ネットワーク5を介して表示画像を受信して自身の記憶領域に記憶し、記憶した表示画像を表示する。例えば、表示装置10は、ネットワーク5を介して接続された位置検出装置30から、複数の表示画像と、その表示画像を表示する表示時間とが対応付けられた情報を予め受信して自身の記憶領域に記憶させておく。表示装置10は、自身が備える計時機能から取得した現在時刻と、表示画像に対応付けられた表示時間とを比較し、現在時刻が表示時間を越えると判定すると、表示画像を読み出して表示する。ただし、表示装置10は、位置検出装置30から表示画像を受信すると、即時にその表示画像を表示するようにしてもよい。
【0013】
図2は、表示装置10が表示画像を表示した画面の例を示す図である。表示画像には、広告等の情報(ここでは、「1」の文字)が表示されるとともに、画面の一部に、その表示画像を識別する識別画像が表示される。この例では、画面の左下の箇所(符号a参照)に、識別画像としての二次元バーコードが表示されている。二次元バーコードには、表示画像を識別する画像ID(Identifier)が含まれる。このような二次元バーコードから画像IDを検出することにより、表示装置10に表示されている表示画像を識別できる。あるいは、表示画像の全体や表示画像の一部の特徴量を予め算出しておき、このような特徴量に基づいて表示画像を識別するようにしてもよい。例えば、図3に示すように、画面の左下の箇所(符号a参照)に表示されている識別画像である木の画像の特徴量を予め算出しておき、このような特徴量により表示画像を識別することもできる。特徴量としては、例えばSIFT(Scale Invariant Feature Transform)やSURF(Speeded Up Robust Features)等が適用できる。ここでは、このように表示画像に識別画像を重畳させて表示させる例を示しているが、例えば広告情報の表示画像の一部の特徴量によって表示画像を識別することもできる。
【0014】
表示装置10は、このような表示画像を、指向性を持って所定の視野角に表示する。視野角とは、ユーザが表示装置10を見た場合に、画像表示部10から発せられた光をユーザが視認できる空間内の範囲、あるいは携帯端末20の撮像機能によって撮像できる空間内の範囲をいう。本実施形態では、所定の視野角とは、例えば10度〜15度程度が想定される。例えば、図4は、表示装置10−1と表示装置10−2とにより表示される表示画像の視野角と、ユーザが所有する携帯端末20との関係を示す図である。ここでは、複数の携帯端末20(携帯端末20−1、携帯端末20−2、携帯端末20−3)が存在するものとして説明する。以下、このように複数の携帯端末20が存在しそれぞれを異なるものとして説明する場合には、携帯端末20−1、携帯端末20−2、・・・のように識別して説明する。
【0015】
表示装置10−1と表示装置10−2とは、異なる画像IDを示す二次元バーコードが含まれる表示画像を表示する。例えば、表示装置10−1から表示される表示画像の視野角の範囲がAであり、表示装置10−2から表示される表示画像の視野角の範囲がBである場合、携帯端末20−1の位置においては、表示装置10−1によって表示される表示画像と、表示装置10−2によって表示される表示画像とが撮像できる。すなわち、携帯端末20−1が、表示装置10−1によって表示される表示画像と、表示装置10−2によって表示される表示画像とを撮像できる場合、携帯端末20−1は、視野角の範囲Aと視野角の範囲Bとが交わる位置に存在すると判定できる。同様にして、表示装置10−1によって表示される表示画像を撮像できるが、表示装置10−2によって表示される表示画像を撮像できない携帯端末20−2は、視野角の範囲A内であるが視野角の範囲B外である位置に存在すると判定できる。表示装置10−1によって表示される表示画像を撮像できず、表示装置10−2によって表示される表示画像も撮像できない携帯端末20−3は、視野角の範囲Aと視野角の範囲Bとの外に存在すると判定できる。このように、表示装置10が、定められた視野角の方向に表示画像を表示することにより、その表示画像を撮像した携帯端末20の位置を特定することができる。
【0016】
ここで、表示装置10には、複数の表示画像を異なる視野角方向に向けて表示することが可能なディスプレイを適用することができる。例えば、表示装置10には、レンチキュラーレンズを適用したレンチキュラーディスプレイを適用することができる。図5は、レンチキュラーディスプレイを模式的に示す図である。例えば、表示装置10は液晶ディスプレイであるLCD(Liquid Crystal Display)11を備えている。LCD11は、a1〜d1、a2〜d2、a3〜d3、a4〜d4、・・・等の発光素子を備えている。LCD11の前面にはレンチキュラーレンズ12が設置される。レンチキュラーレンズ12は、LCD11から射出された光を、凸型のレンズの角度に応じた視野角方向に屈折させる。これにより、例えば視野角方向A1の範囲においてはa1、a2、a3、a4の発行素子によって表示される画像のみが視認でき、視野角方向A2の範囲においてはc1、c2、c3、c4によって表示される画像のみが視認できる。これにより、例えば視野角方向A1の範囲において携帯端末20−1が表示装置10の方向に向いて画像を撮像する撮像画像と、視野角方向A2の範囲において携帯端末20−2が表示装置10の方向に向いて画像を撮像する撮像画像とを異ならせることができる。これにより、携帯端末20が表示画像を撮像した詳細な位置を判定することができる。
【0017】
例えば、図6は、複数の表示画像を異なる視野角方向に向けて表示する複数の表示装置10と、ユーザが所有する携帯端末20−1、携帯端末20−2、携帯端末20−3、携帯端末20−4との関係を示す図である。ここで、表示装置10−1と表示装置10−2とは、表示装置10毎、かつ視野角方向毎に異なる識別画像が含まれる表示画像を表示する。例えば、表示装置10−1によっては、視野角方向A1、視野角方向A2、視野角方向A3、視野角方向A4の範囲にそれぞれ異なる表示画像が表示される。表示装置10−2によっては、視野角方向B1、視野角方向B2、視野角方向B3、視野角方向B4の範囲にそれぞれ異なる表示画像が表示される。このとき、携帯端末20−1の位置においては、表示装置10−1によって視野角方向A2の範囲に表示される表示画像と、表示装置10−2によって視野角方向B3の範囲に表示される表示画像とが撮像できる。すなわち、携帯端末20−1が、表示装置10−1によって視野角方向A2の範囲に表示される表示画像と、表示装置10−2によって視野角方向B3の範囲に表示される表示画像とを撮像できる場合、携帯端末20−1は、図に示す位置に存在すると判定できる。同様にして、携帯端末20−2が、表示装置10−1によって視野角方向A3の範囲に表示される表示画像と、表示装置10−2によって視野角方向B4の範囲に表示される表示画像とを撮像できる場合、携帯端末20−2は、図に示す位置に存在すると判定できる。表示装置10−1によって視野角方向A3の範囲に表示される表示画像を撮像できるが、表示装置10−2によって表示される表示画像を撮像できない携帯端末20−3は、例えば図に示すような位置に存在すると判定できる。表示装置10−1によって表示される表示画像を撮像できず、表示装置10−2によって表示される表示画像も撮像できない携帯端末20−4は、例えば図に示すような位置に存在すると判定できる。
【0018】
図1に戻り、携帯端末20は、撮像部21と、送信部22とを備えた撮像装置である。本実施形態では、携帯端末20は、例えば携帯電話端末を適用するものとして説明するが、同様の機能を備えるものであれば、例えば通信機能を備えるデジタルカメラや、タブレットPC(Personal Computer)、ノートPC(Personal Computer)等を適用することもできる。
撮像部21は、撮像素子を備え、定められた方向の撮像を行うカメラである。例えば、撮像部21は、ユーザから携帯端末20に入力される操作入力に応じて、表示装置10によって表示された表示画像を撮像する。
送信部22は、ネットワーク5を介して他のコンピュータ装置と通信する。例えば、送信部22は、撮像部21によって撮像された撮像画像を、位置検出装置30に送信する。
【0019】
位置検出装置30は、ネットワーク5を介して携帯端末20に接続されたコンピュータ装置である。位置検出装置30は、位置情報記憶部31と、受信部32と、入力部33と、位置情報検出部34とを備えている。
位置情報記憶部31には、所定の視野角に表示画像を表示する表示装置10によって表示される表示画像と、予め設置された表示装置10によって表示画像が表示される視野角方向の位置を示す位置情報とが対応付けられて記憶されている。
【0020】
図7は、位置情報記憶部31に記憶されている位置情報のデータ例を示す図である。ここでは、表示画像に埋め込まれた二次元バーコードによって示される画像ID毎に、その表示画像の視野角方向の範囲を示す位置情報が対応付けられて記憶されている。位置情報は、例えば図4に示した例のように、表示装置10によって表示画像が表示される視野角方向の二次元方向の矩形範囲における4つの頂点の位置(a1、b1、c1、d1)を示す。4つの頂点の位置は、例えば緯度、経度を示す数値情報によって示される。このような位置情報は、表示画像が表示される表示装置10からの視野角方向の範囲が予め計測され、対応付けられて記憶されるものとする。ここでは、位置情報が画像IDに対応付けられて記憶されているものとするが、表示画像の特徴量によって表示画像を識別する場合には、特徴量に位置情報を対応付けて記憶させることができる。
【0021】
受信部32は、携帯端末20から送信される撮像画像を受信し、入力部33に入力する。
入力部33は、表示装置10によって表示された表示画像が撮像された撮像画像の入力を受け付ける。例えば、表示装置10によって表示された表示画像が携帯端末20によって撮像され、携帯端末20から送信される撮像画像が受信部32によって受信され、入力部33に入力される。このように、本実施形態では携帯端末20から撮像画像が送信される例を説明するが、メモリーカードやUSB(Universal Serial Bus)メモリ等に記憶された撮像画像を読み出して入力してもよいし、ユーザからの操作に応じて選択された画像ファイルを入力するようにしてもよい。入力部33に入力される撮像画像には、表示装置10によって表示された少なくとも1つの表示画像が含まれる。ただし、複数の表示画像が含まれる1つの撮像画像が入力されてもよいし、1つの表示画像が含まれる複数の撮像画像が入力されてもよい。すなわち、入力部33には、複数の表示装置10によって表示された複数の表示画像が撮像された撮像画像が入力される。また、入力部33には、複数の表示装置10によって表示された複数の表示画像が撮像された複数の撮像画像が入力される。
【0022】
位置情報検出部34は、入力部33に入力された撮像画像に含まれる表示画像に対応付けられた位置情報を、位置情報記憶部31から読み出す。例えば、位置情報検出部34は、入力部33に入力された撮像画像に含まれる表示画像に含まれる二次元バーコードから、画像IDを検出し、検出した画像IDに対応付けられた位置情報を、位置情報記憶部31から読み出す。ここで、入力部33に、異なる表示画像が撮像された複数の撮像画像が入力された場合、または複数の表示画像が撮像された1つの撮像画像が入力された場合、位置情報検出部34は、その複数の表示画像に対応する画像IDに対応する複数の位置情報を読み出し、読み出した複数の位置情報が示す位置の範囲が重なる部分を検出する。例えば入力された撮像画像から、図6の例において表示装置10−1から視野角方向A2の範囲に表示された表示画像の画像IDと、表示装置10−2から視野角方向B3の範囲に表示された表示画像の画像IDとを検出すれば、位置情報検出部34は、視野角方向A2を示す点a2、b2、c2、d2によって特定される空間の範囲と、視野角方向B3を示す点a7、b7、c7、d7によって特定される空間の範囲とが重なる部分を算出する。ここで、位置情報が表示画像の特徴量に対応付けられている場合、位置情報検出部34は、入力部33に入力された撮像画像に含まれる表示画像の特徴量を算出し、算出した特徴量に対応付けられた位置情報を、位置情報記憶部31から読み出す。
【0023】
次に、図面を参照して本実施形態による位置検出システム1の動作例を説明する。図8は、本実施形態による携帯端末20の動作例を説明するフローチャートである。
ユーザが、携帯端末20を携帯し、表示装置10が設置された位置に行くと、携帯端末20は、ユーザからの操作入力に応じて、表示装置10によって表示されている表示画像を撮像する(ステップS1)。携帯端末20の送信部22は、撮像した撮像画像を位置検出装置30に送信する(ステップS2)。
【0024】
図9は、本実施形態による位置検出装置30の動作例を説明するフローチャートである。位置検出装置30の受信部32は、携帯端末20から送信された撮像画像を受信すると(ステップS11)、入力部33に入力する。入力部33が撮像画像の入力を受け付けると、位置情報検出部34は、入力された撮像画像に含まれる表示画像の二次元バーコードから画像IDを検出する(ステップS12)。位置情報検出部34は、検出した画像IDに対応する位置情報を、位置情報記憶部31から読み出す(ステップS13)。これにより、撮像画像を位置検出装置30に送信した携帯端末20は、ステップS13において読み出された位置情報が示す位置に存在すると判定することができる。
【0025】
このような位置検出システム1によれば、周辺の建物の有無やレイアウトの変更等にかかわらず、簡便に携帯端末20の詳細な位置情報を取得することができる。このように取得した位置情報は、携帯端末20を持ったユーザが、その位置にいたことを示すことにもなる。そこで、このように取得した位置情報に基づいて、例えばアンケートやクーポン等に応募することを許可するような処理を行うことができる。また、このように判定した位置情報に応じて、表示装置10に表示する表示画像を変更することもできる。例えば、検出した携帯端末20の位置に応じて、位置検出装置30側からその携帯端末20に情報を送信し、双方向のインタラクティブな情報通信を行うこともできる。例えば、ユーザが特定の位置にいるときに、そのユーザを、他の表示装置10の位置に誘導するような処理を行うことができる。この場合、図10に示すように、位置検出装置30は、表示画像配信部35を備える。表示画像配信部35は、自身の記憶領域に表示画像を備え、位置情報検出部34が検出した位置に応じて、自身の記憶領域から対応する表示画像を読み出し、特定の表示装置10に表示画像を送信する。
【0026】
例えば、なんらかのゲームシステムにおいて、ユーザが携帯端末20を持って特定の表示装置10が設置してある位置に行くと、携帯端末20は、ユーザからの操作入力に応じて、その表示装置10に表示されている表示画像を撮像し、撮像画像を位置検出装置30に送信する。受信部32が撮像画像を受信すると、位置情報検出部34は、撮像画像に含まれる画像IDを検出し、画像IDに対応する位置情報を位置情報記憶部31から読み出す。次に、位置検出装置30は、撮像画像を送信した携帯端末20に対して、例えば「10メートル前に進み、右に曲がって20メートル進んでください」等の文字情報を送信する。これに応じてユーザが移動し、移動先の位置に設置してある表示装置10が表示している表示画像を、携帯端末20が撮像して位置検出装置30に送信すると、ユーザに対して定められた得点が付与される、といったような制御を行うことができる。
【0027】
また、例えば、携帯端末20が備えるGPS機能によって取得する位置情報と、本実施形態によって取得する位置情報とを連携させることもできる。例えば、携帯端末20がGPS機能によって取得する位置情報が、表示装置10が設置された位置の近くであることを検知した場合、その表示装置10によって表示される表示画像を撮像して位置検出装置30に送信することでなんらかの特典を受けることができること等の情報を、携帯端末20に通知することができる。
また、携帯端末20を使用するユーザの趣味嗜好や住所等の属性情報が含まれるユーザ情報を、ユーザを識別するユーザIDに対応付けて予め位置検出装置30に登録、記憶させておき、携帯端末20が位置検出装置30に撮像画像を送信する際にユーザIDを送信して、ユーザ情報に応じた情報を提供するようにしてもよい。
【0028】
なお、表示装置10によって表示される表示画像は、時間によって異なる識別画像が含まれる表示画像を表示させることができる。すなわち、表示装置10毎、かつ視野角方向毎、かつ時間毎に異なる識別画像が含まれる表示画像を表示させることができる。例えば、図11は、位置情報記憶部31に、時間に応じた位置情報が対応付けられて記憶されるデータ例を示す図である。ここでは、位置情報記憶部31には、定められた時間毎に表示される表示画像毎に、位置情報が対応付けられて記憶されている。表示装置10は、このように定められた時間に応じて、表示画像を表示する。このようにすれば、携帯端末20から送信される撮像画像に複数の表示画像が含まれる場合、その撮像画像が撮像された時間の範囲を特定することができる。例えば、携帯端末20から送信される撮像画像に、画像IDが「1」である表示画像と画像IDが「2」である表示画像が含まれる場合、その撮像画像は、画像IDが「1」である表示画像が表示される時間の範囲と、画像IDが「2」である表示画像が表示される時間の範囲とが重なる時間の範囲において撮像されたものと判定できる。ここでは、画像IDが「1」である表示画像が表示される時間の範囲が「9:00〜17:00」であり、画像IDが「2」である表示画像が表示される時間の範囲が「3:00〜12:00」であるから、9:00〜12:00の範囲において撮像されたものと判定できる。このようにすれば、ユーザが携帯端末20を持ってその位置にいたことを判定できるのみならず、ユーザが携帯端末20を持ってその位置にいた時間を特定することが可能となる。
【0029】
また、位置情報検出部34は、入力部33に入力された複数の撮像画像が撮像された撮像時刻の差が、所定の閾値を超える場合、位置情報を検出しないようにすることができる。すなわち、上述したように、異なる表示画像が撮像された複数の撮像画像が入力部33に入力されると、位置情報検出部34は、その複数の表示画像に対応する複数の画像IDを検出し、画像IDに対応する位置情報が示す範囲が重なる部分を検出する。しかし、例えば複数の撮像画像が数分〜数十分を超えるような間隔で撮像されていれば、その撮像画像がその位置で撮像されたものでない可能性があると考えられる。そこで、位置情報検出部34は、入力部33に入力された複数の撮像画像の属性情報から、その撮像画像の撮像時刻を読み出し、読み出した撮像時刻を比較して、撮像時刻の差が所定の閾値(例えば、数分〜数十分)を超える場合、エラーとして処理を終了し、位置情報を検出しないようにすることができる。これにより、本実施形態により算出される位置情報に応じた位置において、携帯端末20が表示画像を撮像したことをより確実に判定することができる。
【0030】
また、本実施形態では、位置情報として表示装置10によって表示される表示画像を視認、撮像可能な矩形の範囲の4つの頂点の位置を示したが、表示装置10によって表示される表示画像を視認、撮像可能な範囲を特定できるものであれば、矩形の頂点の位置でなくてもよい。あるいは、位置情報は、表示装置10によって表示される表示画像を視認、撮像可能な三次元方向の範囲を示すものであってもよい。
また、本実施形態では、表示画像に含まれる識別画像である二次元バーコードが、その表示画像を識別する画像IDを示す例を示したが、位置情報自体を二次元バーコード化し、表示画像に含ませるようにしてもよい。
【0031】
また、本実施形態では、表示装置10が、ネットワーク5を介して表示画像を受信する例を示したが、予め表示画像をCD(Compact Disc)等の記憶媒体に記憶させ、表示装置10はこのような記憶媒体から表示画像を読み出して表示するようにしてもよい。
また、表示装置10には、識別画像が含まれる表示画像が予め記憶されていてもよいが、表示装置10は、識別画像と、識別画像が含まれない表示画像とを予め記憶しておき、表示画像を表示させる処理とは別に、識別画像を表示画像に重畳させて表示させるようにしてもよい。これによれば、例えば表示装置10が表示させる表示画像の内容に関わらず、時間毎に識別画像を変更させることができる。
【0032】
なお、本発明における処理部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより位置検出を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0033】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0034】
10…表示装置、20…携帯端末、30…位置検出装置、31…位置情報記憶部、33…入力部、34…位置情報検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の視野角に表示画像を表示する表示装置によって表示される前記表示画像と、予め設置された前記表示装置によって前記表示画像が表示される視野角方向の位置を示す位置情報とが対応付けられて記憶されている位置情報記憶部と、
前記表示装置によって表示された前記表示画像が撮像された撮像画像の入力を受け付ける入力部と、
前記入力部に入力された前記撮像画像に含まれる前記表示画像に対応付けられた前記位置情報を、前記位置情報記憶部から読み出す位置情報検出部と、
を備えることを特徴とする位置検出装置。
【請求項2】
前記位置情報記憶部には、複数の前記表示装置毎に異なる表示画像に、前記位置情報が対応付けられて記憶され、
前記入力部には、複数の前記表示装置によって表示された複数の前記表示画像が撮像された撮像画像が入力され、
前記位置情報検出部は、前記入力部に入力された前記撮像画像に含まれる複数の前記表示画像に対応付けられた前記位置情報を、前記位置情報記憶部から読み出し、読み出した複数の位置情報が示す位置の範囲が重なる部分を検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の位置検出装置。
【請求項3】
前記入力部には、複数の前記表示装置によって表示された複数の前記表示画像が撮像された複数の撮像画像が入力される
ことを特徴とする請求項2に記載の位置検出装置。
【請求項4】
前記位置情報検出部は、前記入力部に入力された前記複数の撮像画像が撮像された撮像時刻の差が、所定の閾値を超える場合、前記位置情報を検出しない
ことを特徴とする請求項3に記載の位置検出装置。
【請求項5】
前記表示装置は、複数の表示画像を異なる視野角方向に向けて表示し、前記位置情報記憶部には、複数の前記表示画像毎に、前記位置情報が対応付けられて記憶されている
ことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の位置検出装置。
【請求項6】
前記表示装置には時間毎に異なる表示画像が表示され、前記位置情報記憶部には、前記時間毎に表示される前記表示画像毎に、前記位置情報が対応付けられて記憶されている
ことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の位置検出装置。
【請求項7】
前記位置情報記憶部には、前記表示画像に含まれる、当該表示画像を識別する識別情報に対応付けられて前記位置情報が記憶され、
前記位置情報検出部は、前記入力部に入力された前記撮像画像に含まれる前記表示画像に含まれる前記識別情報に対応付けられた前記位置情報を、前記位置情報記憶部から読み出す
ことを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の位置検出装置。
【請求項8】
前記位置情報記憶部には、前記表示画像の特徴量に対応付けられて前記位置情報が記憶され、
前記位置情報検出部は、前記入力部に入力された前記撮像画像に含まれる前記表示画像の特徴量を算出し、算出した当該特徴量に対応付けられた前記位置情報を、前記位置情報記憶部から読み出す
ことを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の位置検出装置。
【請求項9】
所定の視野角に表示画像を表示する表示装置によって表示される前記表示画像と、予め設置された前記表示装置によって前記表示画像が表示される視野角方向の位置を示す位置情報とが対応付けられて記憶されている位置情報記憶部と、前記表示装置によって表示された前記表示画像が撮像された撮像画像の入力を受け付ける入力部と、前記入力部に入力された前記撮像画像に含まれる前記表示画像に対応付けられた前記位置情報を、前記位置情報記憶部から読み出す位置情報検出部と、を備える位置検出装置に接続された撮像装置のコンピュータに、
前記表示装置によって表示された前記表示画像を撮像するステップと、
撮像した撮像画像を前記位置検出装置に送信するステップと、
を実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−54010(P2013−54010A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−194306(P2011−194306)
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】