位置測定システムおよび位置測定方法
【課題】 人の足の位置を正確に測定することができるシステムであって、さらに体の向きを推測することにより、装置の消費電力を低く抑えることができる位置測定システムおよび位置測定方法を提供する。
【解決手段】 舞台面上1で、人111が右足にID発信靴右21を、左足にID発信靴左22を装着する。舞台面下2には電波送受信装置31および制御表示装置51が設置され、電波送受信装置31が舞台面上1に向けて電波を発信する。ID発信靴右21およびID発信靴左22が電波を受信し、それぞれのID情報を電波送受信装置31に送信する。電波送受信装置31はID情報と電波送受信装置の位置情報を制御表示装置51に送信する。制御表示装置5は舞台面が表示された画面上に人111の位置と向きを表示する。これを時系列的に繰り返すことにより、舞台上の人の位置と動きを画面上で確認することができる。
【解決手段】 舞台面上1で、人111が右足にID発信靴右21を、左足にID発信靴左22を装着する。舞台面下2には電波送受信装置31および制御表示装置51が設置され、電波送受信装置31が舞台面上1に向けて電波を発信する。ID発信靴右21およびID発信靴左22が電波を受信し、それぞれのID情報を電波送受信装置31に送信する。電波送受信装置31はID情報と電波送受信装置の位置情報を制御表示装置51に送信する。制御表示装置5は舞台面が表示された画面上に人111の位置と向きを表示する。これを時系列的に繰り返すことにより、舞台上の人の位置と動きを画面上で確認することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置認識装置と電波送受信装置とを用いて位置測定を行う位置測定システムおよび位置測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、個人の位置を認識するための装置が提案されている(例えば、特許文献1・2参照)。
【0003】
特許文献1には、靴に付けられた発信器とコイルと、床に設置されたアンテナと受信機とを備える個人位置認識装置が、次のように動作することが記載されている。すなわち、靴に付けられた発信器がROMからIDを読み出し、コイルで電磁誘導を起こし、床に設置されたアンテナへ磁束を送る。床に設置されたアンテナは磁束を受信し、IDが受信機に伝えられると、IDと位置コードを付加して出力することにより、人の位置を測定することができる。
【0004】
近年、情報通信技術の発達に伴い、メモリ付き集積回路を有する「ICタグ」(一般に、「非接触データキャリア」、「無線ICタグ」、「非接触IC」、「非接触ICラベル」、「非接触ICタグ」、「RFID」等と表現される場合もある。)を物品に実装し、「ICタグ」に各種の情報を記録して、商品情報表示や物流の合理化あるいは物品の管理が行われるようになってきている。なお、「ICタグ」が有するメモリには、一般に、個体識別符号などの情報が記憶される。また、個体識別符号などの情報は、ICタグリーダライタによって読み書きされる。特許文献2には、ICタグを用いて、動物または物品の移動軌跡を測定することができる移動観測装置について記載されている。
【0005】
【特許文献1】特開平7−131392号公報(段落0023−0026)
【特許文献2】特開2002−58648号公報(段落0011−0013)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載された方式では、例えば舞台上で劇や踊りを上演する場合に、事前の練習時の出演者の動きと本番での出演者の動きとの差を測定して修正したり、毎回の本番での動きをコンピュータに記憶して分析することが難しいという問題がある。また、靴に発信器や電池を取り付ける必要があるので、靴が重く大きくなり、人の動きに制約が出ることが考えられる。
【0007】
また、特許文献2に記載された方式では、観測対象を一点としてとらえていることから、観測対象の詳細な動きを把握することができない。また、リーダ・ライタが常に信号を送信し、かつICタグからの電波を受信可能な状態にしておくことが必要であり、無駄な電源を消費するという問題がある。
【0008】
そこで、本発明は、詳細な人の動きを測定できるとともに、消費電力を低減できる位置測定システムおよび位置測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による位置測定システムは、所定領域に存在する移動物の位置を測定することができる位置測定システムであって、所定領域の床の一部または全域に渡って複数設置され、移動物の移動部位に装着され移動物の位置を特定するための個体識別情報を記憶する個体識別情報発信手段(例えばICタグ211)から個体識別情報を受信する位置検出手段(例えばアンテナ311)と、いずれかの位置検出手段が個体識別情報を受信した場合に、受信された個体識別情報と、個体識別情報を受信した位置検出手段を示す情報とを含む個体位置情報を送出する個体位置情報出力手段(例えばリーダライタ411)と、個体識別情報発信手段を装着した移動部位を示す情報と個体識別情報とを対応付けた個体管理情報(例えばICタグ管理情報)をあらかじめ記憶するとともに、それぞれの位置検出手段を示す情報とその設置位置を示す情報とを含む位置検出手段管理情報(例えばアンテナ位置管理情報)をあらかじめ記憶し、個体位置情報記憶手段が送出した個体位置情報を受信し、受信した個体位置情報と位置検出手段管理情報および個体管理情報とに基づいて移動部位の位置と移動物の向きとを示す情報を生成する制御手段(例えば制御装置502)とを備えたことを特徴とする。上述した構成としたことで、移動部位の位置と移動物の向きを判断し、数値データとして収集することができる。
【0010】
制御手段は、例えば、個体位置情報と個体管理情報とに基づいてID情報を受信した位置検出手段を特定し、特定した位置検出手段と位置検出手段管理情報とに基づいて位置検出手段の設置位置を特定し、特定した位置検出手段の設置位置を移動部位の位置(例えばアンテナ位置)とするように構成されている。
【0011】
移動物は一対の移動部位を有し、制御手段は、移動物に対応する個体管理情報に基づいて右側および左側からなる一対の移動部位の位置を特定し、特定した一対の移動部位の中点を円座標上の原点とし、右側の移動部位の位置を0度とするとともに、左側の移動部位の位置を180度としたときの、90度方向を移動物の向きとするように構成されていてもよい。そのような構成によれば、移動部位の位置から移動物の向きを判断することができる。
【0012】
個体位置情報出力手段は位置検出手段の駆動制御を行い、制御手段が、移動物の進行方向を推測する推測手段と、推測手段によって移動物の進行方向にないと判断された位置検出手段の動作停止を指示するための動作停止指示信号を出力する停止指示信号出力手段と、推測手段によって移動物の進行方向にあると判断された位置検出手段の動作停止の解除を指示するための動作停止解除指示信号とを出力する停止解除指示信号出力手段とを含み、個体位置情報出力手段が、動作停止指示信号に応じて位置検出手段の駆動を停止し、動作停止解除指示信号に応じて位置検出手段の駆動の停止を解除するように構成されていてもよい。
【0013】
制御手段に接続される表示手段を備え、表示手段は、制御手段が出力した移動物の位置と向きとを示す情報を表示するように構成されていてもよい。
【0014】
移動物が存在する所定領域は、舞台であってもよい。
【0015】
個体識別情報発信手段が、移動部位が所定領域の床に着地したことを検出する着地検出手段と、着地検出手段が着地を検出したときに個体識別情報の発信を許可する発信許可手段とを含むように構成されていてもよい。
【0016】
本発明による位置測定方法は、所定領域に存在する移動物の位置を測定することができる位置測定方法であって、所定領域の床の一部または全域に渡って、移動物の移動部位に装着され移動物の位置を特定するための個体識別情報を記憶する個体識別情報発信手段から個体識別情報を受信する位置検出手段を複数設置し、それぞれの位置検出手段を示す情報とその設置位置を示す情報とを含む位置検出手段管理情報をあらかじめ記憶し、いずれかの位置検出手段が個体識別情報を受信した場合に、個体識別情報を受信した位置検出手段を特定し、特定した位置検出手段と位置検出手段管理情報とに基づいて移動部位の位置と移動物の向きとを示す情報を生成することを特徴とする。
【0017】
特定した位置検出手段と位置検出手段管理情報とに基づいて位置検出手段の設置位置を特定し、特定した位置検出手段の設置位置を移動部位の位置とするように構成されていてもよい。
【0018】
移動物に対応する個体管理情報に基づいて特定された右側および左側からなる一対の移動部位の位置の中点を円座標上の原点とし、右側の移動部位の位置を0度とするとともに、左側の移動部位の位置を180度としたときの、90度方向を移動物の向きとするように構成されていてもよい。
【0019】
移動物の進行方向を推測し、移動物の進行方向にないと判断された位置検出手段の動作を停止させ、推測手段によって移動物の進行方向にあると判断された位置検出手段の動作停止を解除するように構成されていてもよい。
【0020】
移動部位が所定領域の床に着地したことを検出し、移動部位の着地を検出したときに個体識別情報発信手段による個体識別情報の発信を許可するように構成されていてもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、複数個の個体識別情報発信手段を実装した観測対象の詳細な動きを測定できるとともに、装置の消費電力を低減できる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態による位置測定システムの概略を示す概念図である。図1に示す位置測定システムは、ID発信靴21(ID発信靴右)およびID発信靴22(ID発信靴左)と通信を行う電波送受信装置31と、制御表示装置51とを備えている。なお、図1には、1つの電波送受信装置31が示されているが、電波送受信装置31と同じ構成の他の電波送受信装置が多数設けられている。
【0023】
舞台面10は、例えば劇場の舞台等である。舞台面上1は、舞台面10より上の空間を示し、人111は舞台面上1を移動する。人111の右足にID発信靴21を、左足にID発信靴22を装着する。舞台面下2は、舞台面10より下の空間を示す。舞台面下2は、舞台面上1の裏側にあたり、例えば劇場の舞台等の床下である。舞台面下2に、電波送受信装置31および制御表示装置51が設けられている。
【0024】
図2は、本発明の実施の形態による位置測定システムの構成例を示すブロック図である。図2に示す位置測定システムでは、制御表示装置51が、集線装置501、制御装置502および表示装置503とを備えている。電波送受信装置31は、アンテナ311(アンテナa)、アンテナ312(アンテナb)、アンテナ313(アンテナc)およびアンテナ314(アンテナd)と、リーダライタ411とを有する。電波送受信装置32は、アンテナ321(アンテナw)、アンテナ322(アンテナx)、アンテナ323(アンテナy)およびアンテナ324(アンテナz)と、リーダライタ421とを有する。なお、図2には、2つの電波送受信装置31,32が示されているが、電波送受信装置31,32と同じ構成の他の電波送受信装置が多数設けられている。また、電波送受信装置31,32が4つのアンテナを有している場合が示されているが、それぞれの電波送受信装置は、さらに多くのアンテナを有している。また、図2には、二人の人111,121が例示されているが、舞台面上1を移動する人は、一人または三人以上であってもよい。
【0025】
図1および図2に示す例では、ID発信靴21にICタグ211が実装され、ID発信靴22にICタグ212が実装される。なお、本発明の実施の形態では、ID発信靴21およびID発信靴22として靴などの履物を例示しているが、履物ではなく足に装着するベルトなどでもよい。また、本発明の実施の形態では、ICタグ211およびICタグ212がID発信靴に実装される例を示しているが、足に直接貼り付けてもよい。
【0026】
ICタグ211、ICタグ212、ICタグ221およびICタグ222は、それぞれ、記憶部(図示せず。)を内蔵し、ID情報を記憶する。ID情報とは、各ICタグを一意に識別するための個体識別符号を含む情報である。この実施の形態では、ID情報は、ICタグが付された靴を装着した移動物としての人、より具体的には移動物の移動部位(この例では、左足及び右足)を特定するために使用される。
【0027】
ICタグ211とICタグ212とは、アンテナ機能(図示せず。)を内蔵し、電波送受信装置31との間で電波の送受信を行うための処理を実行する機能を有するとともに、電波送受信装置31が送信した電波から、自己のICタグを動作させるための電力を生成する機能を有する。同様に、ICタグ221とICタグ222とは、アンテナ機能を内蔵し、電波送受信装置32との間で電波の送受信を行うための処理を実行する機能を有するとともに、電波送受信装置32が送信した電波から、自己のICタグを動作させるための電力を生成する機能を有する。従って、個体識別情報発信手段は、ICタグ211,212,221,222によって実現される。
【0028】
アンテナ311、アンテナ312、アンテナ313、アンテナ314、アンテナ321、アンテナ322、アンテナ323およびアンテナ324は、ICタグ211、ICタグ212、ICタグ221およびICタグ222に電波を発信するとともに、ICタグ211、ICタグ212、ICタグ221およびICタグ222からID情報を含む電波を受信する。従って、移動物の移動部位に装着され移動物の位置を特定するための個体識別情報(ID情報)を受信する位置検出手段は、アンテナ311、アンテナ312、アンテナ313、アンテナ314、アンテナ321、アンテナ322、アンテナ323およびアンテナ324によって実現される。
【0029】
リーダライタ411は、アンテナ311、アンテナ312、アンテナ313およびアンテナ314を介してID発信靴に実装されているICタグからID情報を読み取る。すなわち、リーダライタ411は、アンテナ311、アンテナ312、アンテナ313およびアンテナ314を介してICタグとの間で信号の送受信を行うための処理を実行する機能を有するとともに、各アンテナを介してICタグから受信した信号の復調処理を実行する機能を有する。
【0030】
同様に、リーダライタ412は、アンテナ321、アンテナ322、アンテナ323およびアンテナ324を介してID発信靴に実装されているICタグからID情報を読み取る。リーダライタ421は、アンテナ321、アンテナ322、アンテナ323およびアンテナ324を介してICタグとの間で信号の送受信を行うための処理を実行する機能を有するとともに、各アンテナを介してICタグから受信した信号の復調処理を実行する機能を有する。
【0031】
制御表示装置51は、集線装置501、制御装置502および表示装置503とを含む。制御装置502は、集線装置501および表示装置503と通信可能に接続される。また、集線装置501はハブ機能を持ち、複数のリーダライタと相互に通信可能に接続される。
【0032】
制御装置502は、表示装置503と接続され、以下に説明する処理を実行するためのプログラムとデータベースを記憶装置(図示せず。)に記憶し、制御装置502に内蔵されているCPUが、そのプログラムに従って動作することによって、以下に説明する処理が実行される。従って、制御手段は、制御装置502によって実現される。
【0033】
図3は、アンテナの設置例を示す説明図である。図3に示す例では、舞台面10を上から見た場合を示し、アンテナ311が舞台面10のアンテナ位置811(アンテナ位置a)の範囲に存在し、かつアンテナ位置811の範囲にあるICタグと電波の送受信が可能であることを示す。同様に、アンテナ312はアンテナ位置812(アンテナ位置b)の範囲に存在し、かつアンテナ位置812の範囲にあるICタグと、アンテナ313はアンテナ位置813(アンテナ位置c)の範囲に存在し、かつアンテナ位置813の範囲にあるICタグと、それぞれ電波の送受信が可能であることを示す。なお、例えば、アンテナ位置811〜818(アンテナ位置a,b,c,d,e,f,g,h)に設置されているアンテナは電波送受信装置31に含まれ、アンテナ位置821〜828(アンテナ位置w,x,v,z,o,p,q,r)に設置されているアンテナは電波送受信装置32に含まれている。
【0034】
制御装置502には、アンテナとアンテナ位置との対応関係を示すアンテナ位置管理情報があらかじめ格納されている。アンテナ位置管理情報は、「アンテナ特定情報」および「アンテナ位置情報」の各情報を含み、アンテナが実際の舞台上のどの位置に設置されているかを示す情報である。図3に示す例では、アンテナ特定情報として「アンテナ311」、アンテナ位置情報として「アンテナ位置811」が登録される。なお、アンテナ設置位置は、実際の舞台上の位置を示す情報であればよく、例えば、舞台上に定めた座標系における座標や、緯度経度などでもよい。
【0035】
また、リーダライタ411およびリーダライタ421は、制御装置502からの制御信号に基づいて、各種の処理を実行する。制御装置502から伝達される制御信号には、例えば、「動作停止指示信号」や「動作停止解除指示信号」などがある。リーダライタ411,421は、「動作停止指示信号」を受信すると、各アンテナの駆動を停止し、「動作停止解除指示信号」を受信すると、アンテナの駆動を再開する。
【0036】
次に、図1、図2、図3および図4を参照して本実施の形態の動作について説明する。
【0037】
電波送受信装置31において、リーダライタ412は、アンテナ311、アンテナ312、アンテナ313およびアンテナ314を順に駆動する。従って、一時には、一つのアンテナのみから電波が発信される。従って、電波送受信装置31の消費電力が低減される。なお、駆動対象のアンテナを切り替える時間を短くすれば、すなわち、切り替え速度を速くすれば(例えば0.1秒)、実質的に、全てのアンテナ311,312,313,314から同時に電波が発信されていると見なすことができる。同様に、電波送受信装置32において、リーダライタ412は、アンテナ321、アンテナ322、アンテナ323およびアンテナ324を順に駆動する。
【0038】
図2に示す例では、舞台面上1に人111が立った場合に、ID発信靴21に実装されたICタグ211はアンテナ311の電波を受信したときに、ICタグ211に記憶されているID情報をアンテナ311に送信する。また、ID発信靴22に実装されたICタグ212はアンテナ313の電波を受信したときに、ICタグ212に記憶されているID情報をアンテナ313に送信する。なお、アンテナが送信する電波はアンテナの性能に依存する距離まで到達するため、人111が歩行中などで足が舞台面101に接触していない場合でも、アンテナとICタグが通信を行うことが可能である。
【0039】
同様に、舞台面上1に人121が立った場合に、ICタグ221はアンテナ322の電波を受信したときに、ICタグ221に記憶されているID情報をアンテナ322に送信する。また、ICタグ222はアンテナ324の電波を受信したときに、ICタグ222に記憶されているID情報をアンテナ324に送信する。
【0040】
リーダライタ411は、それぞれのアンテナ311,313を介してID情報を受信する。また、リーダライタ421は、それぞれのアンテナ322,324を介してID情報を受信する。
【0041】
また、リーダライタ411は、アンテナ311を駆動しているときにID情報を受信した場合には、受信したID情報と受信アンテナ情報からなる個体位置情報を通信ネットワークおよび集線装置501を介して、制御装置502に送信する。なお、受信アンテナ情報とは、ID情報の受信アンテナを示す情報である。例えば、アンテナ311を駆動しているときにID情報を受信した場合には、受信アンテナ情報は、アンテナ311を示す情報である。すなわち、リーダライタ411は、受信された個体識別情報(ID情報)と、個体識別情報を受信した位置検出手段(アンテナ)を示す情報とを含む個体位置情報を送出する個体位置情報出力手段を実現する。
【0042】
また、リーダライタ411は、アンテナ313を駆動しているときにID情報を受信した場合には、受信したID情報と、アンテナ313を示す受信アンテナ情報からなる個体位置情報を通信ネットワークおよび集線装置501を介して、制御装置502に送信する。リーダライタ421も、同様に、受信したID情報と受信アンテナ情報からなる個体位置情報を通信ネットワークおよび集線装置501を介して、制御装置502に送信する。
【0043】
制御装置502は、アンテナ位置管理情報に基づいて、表示装置503に、舞台とアンテナの位置とを示す画面を表示する。表示装置503に表示する画面は、舞台面を縮小して描いた図や、実際の舞台面を撮影した映像でもよい。
【0044】
制御装置502は、記憶部(図示せず。)を有し、各リーダライタから受信した個体位置情報(ID情報と受信アンテナ情報)を記憶する。制御装置502は、各リーダライタから受信した個体位置情報とアンテナ位置管理情報とに基づいて、どのID情報がどのアンテナによって受信されたか、つまりID発信靴がどのアンテナ位置に存在するかを示す画面を、表示装置503に表示する。表示装置503は、舞台に設置した全てのアンテナの位置を示すことができる画面を表示するとともに、ID情報を受信したアンテナのアンテナ位置を表示する。
【0045】
制御装置502には、個体管理情報としてのICタグ管理情報があらかじめ格納されている。ICタグ管理情報は、「ID情報」に対応付けられた「装着者を示す情報」、「移動部位(右足もしくは左足)を示す情報」の各情報を含み、一覧表として保持される。制御装置502は、ICタグ管理情報と、各リーダライタから受信した個体位置情報(ID情報と受信アンテナ情報)とに基づいて、装着者および移動部位に対応する受信アンテナ情報を把握する。すなわち、ID情報を受信したアンテナを特定する。さらに、受信アンテナ情報と、位置検出手段管理情報ととしてのアンテナ位置管理情報とに基づいて、移動物とその移動部位が存在する舞台上の位置を判断する。なお、ここでは、ICタグ管理情報に装着者を示す情報と移動部位を示す情報と含まれているが、装着者を示す情報または移動部位を示す情報を、ICタグ管理情報に含めなくてもよい。
【0046】
図2に示す例では、人111の右足であることを示すID情報は、アンテナ311によって受信される。従って、制御装置502は、人111の右足がアンテナ位置811にあると判断する。同様に、人111の左足であることを示すID情報は、アンテナ313によって受信されている。従って、制御装置502は、人111の左足がアンテナ位置813(アンテナ位置c)にあると判断する。
【0047】
制御装置502は、表示装置503に、人111が存在する位置を示す画像として、アンテナ位置811およびアンテナ位置813を含む楕円820に対応する画像を表示する。図4は、表示装置503に表示される表示画面の例を示す説明図である。図4に示す例では、人111が存在する位置を示す画像として、楕円820に対応する画像である楕円620が表示されている。
【0048】
また、制御装置502は、人111の右足の位置であるアンテナ位置811と左足の位置であるアンテナ位置813との中点であるアンテナ位置812を円座標上の原点として、右足の位置を0度、左足の位置を180度としたときの90度方向を人111の向きとして特定する。
【0049】
図3に示す例では、アンテナ位置811が人111の右足に対応することおよびアンテナ位置813が人111の左足に対応することから、人111が矢印819の方向に向いていると判断する。制御装置502は、表示装置503に、人111の向きを示す画像として、矢印819に対応する画像を表示する。図4に示す例では、人111の向きを示す画像として、矢印819に対応する画像である矢印619が表示されている。
【0050】
同様に、制御装置502は、人121の右足がアンテナ位置822(アンテナ位置x)に、左足がアンテナ位置824(アンテナ位置z)にあると判断し、表示装置503に、人121が存在する位置を示す画像として、アンテナ位置822およびアンテナ位置824を含む楕円830に対応する画像を表示する。図4に示す例では、人121が存在する位置を示す画像として、楕円830に対応する画像である楕円630が表示されている。
【0051】
また、制御装置502は、アンテナ位置822が人121の右足に対応することおよびアンテナ位置824が人121の左足に対応することから、図3に示す例では、人121が矢印829の方向に向いていると判断する。制御装置502は、表示装置503に、人121の向きを示す画像として、矢印829に対応する画像を表示する。図4に示す例では、人121の向きを示す画像として、矢印829に対応する画像である矢印629が表示されている。
【0052】
上記一連の動作を連続して時系列的に行うことにより、画面を見ている人は、舞台面上1の複数の人の動きを映像として画面上で確認することができる。
【0053】
なお、制御装置502は表示装置503に、人111が存在する位置(本例では楕円620)および人111の向き(本例では矢印629)とともに、ICタグ管理情報とID情報とに基づいて、装着者(人111)および移動部位(右足)を示す画面を表示してもよい。
【0054】
制御装置502は、各人の位置と向きを判断すると、各人の現在および進行方向に存在するアンテナを含む電波送受信装置が電波を出力するよう制御を行う。すなわち、制御装置502は、移動物の進行方向を推測し、移動物の進行方向にないと判断されたアンテナの動作停止を指示するための動作停止指示信号をリーダライタに出力し、移動物の進行方向にあると判断されたアンテナの動作停止の解除を指示するための動作停止解除指示信号をリーダライタに出力する制御を行う。
【0055】
例えば、図2および図3に示す例では、人111は、アンテナ位置811とアンテナ位置813を含む位置に存在するため、現在の位置に存在するアンテナはアンテナ311およびアンテナ313である。従って、アンテナ311およびアンテナ313を含む電波送受信装置31に対して、制御装置502は動作停止解除指示信号を送信する。アンテナ311およびアンテナ313の駆動制御を行う電波送受信装置31(具体的にはリーダライタ411)は、動作停止解除指示信号に基づいて、各アンテナを電波を出力させる状態にする。すなわち、アンテナの駆動の停止を解除する。
【0056】
また、人111の向きは矢印819の向きであることから、人111の進行方向と推測される方向に位置するアンテナ位置815(アンテナ位置e)およびアンテナ位置817(アンテナ位置g)を含む電波送受信装置(図示せず。)に対して、制御装置502は動作停止解除指示信号を送信する。電波送受信装置は、動作停止解除指示信号に基づいて、各アンテナを電波を出力させる状態にする。すなわち、アンテナの駆動の停止を解除する。
【0057】
同様に、人121は、アンテナ位置822とアンテナ位置824を含む位置に存在するため、現在の位置に存在するアンテナはアンテナ322およびアンテナ324である。従って、アンテナ322およびアンテナ324を含む電波送受信装置32に対して、制御装置502は動作停止解除指示信号を送信する。電波送受信装置32は、動作停止解除指示信号に基づいて、各アンテナから電波を出力させる状態にする。
【0058】
また、人121の向きは矢印829の向きであることから、人121の進行方向と推測されるアンテナ位置826(アンテナ位置p)およびアンテナ828(アンテナ位置r)を含む電波送受信装置(図示せず。)に対して、制御装置502は動作停止解除指示信号を送信する。電波送受信装置は、動作停止解除指示信号に基づいて、各アンテナから電波を出力させる状態にする。
【0059】
以上に説明したように、第1の実施の形態によれば、人の足の位置と体の向きを同時に複数人分測定することができる。例えば舞台上で行われるコンサート、演劇、ミュージカルなどのリハーサルと本番との人々の動きの違いを、データとして収集し分析することができる。分析した結果を用いることにより、例えば演劇のリハーサルと本番とで動きが異なる場合に、足の動きの修正が可能になる。また、代役が出演する場合に、足の細かい動きまで視覚的に指導することができる。また展示会場でのナレータの位置決めなどのシミュレーションにも活用できる。
【0060】
また、建物内の廊下などに設置することにより、病院内での患者の動き、老人ホームでの入館者の動きをリアルタイムで把握しサービスに活用することができる。
【0061】
さらに、人の向きに基づいて、各人の現在および進行方向に位置する電波送受信装置のみに電波を出力させることができるため、電力資源を効率的に使用できる。
【0062】
実施の形態2.
次に、本発明の第2の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、本発明の第2の実施の形態における位置測定システムの構成は、第1の実施の形態における位置測定システムの構成(図1および図2)と同様なため説明を省略する。
【0063】
図5は、ID発信靴21の例を示す説明図である。図5に示す例では、図1および図2に示す例と同様に、ID発信靴21にICタグ211が実装される。
【0064】
図6は、ICタグ211の構成例を示すブロック図である。ICタグ211は、圧力センサ911(圧力センサR)とアンテナ機能部912(アンテナ機能部R)とを備える。圧力センサ911とアンテナ機能部912とが内蔵されたICタグ211は、ID発信靴21の中敷きに実装される。なお、図5および図6に示す例では、ID発信靴21の場合を例示しているが、ID発信靴22の場合も同様の構成である。
【0065】
ICタグ211は、電波送受信装置31が送信した電波から、自己のICタグを動作させるための電力を生成する機能を有する。なお、アンテナ機能部912は、電波送受信装置31との間で電波の送受信を行うための処理を実行する機能を有する。
【0066】
また、アンテナ機能部912は、圧力センサ911からの制御信号に基づいて、電波の送信を制御する機能を制御する。例えば、圧力センサ911は、規定値以上の圧力を検知した場合に、アンテナ機能部912に「圧力検知信号」を出力する。アンテナ機能部912は、圧力センサ911から「圧力検知信号」を受信すると、電波の送信機能をオン状態にする。
【0067】
なお、送信機能がオフ状態の場合は、電波送受信装置31からの電波を受信しても、アンテナ機能部912は電波送受信装置31に向けて電波を送信しない。送信機能がオン状態の場合に、電波送受信装置31からの電波を受信すると、アンテナ機能部912は電波送受信装置31に電波を送信する。
【0068】
また、本実施の形態では、圧力センサ911が検知する圧力の規定値は、人が立っている状態や、歩く場合に足を踏み込んだ状態において、足裏にかかる圧力を目安として設定されているものとする。すなわち、圧力センサ911は、移動部位が舞台面10(所定領域の床)に着地したことを検出し、移動部位の着地を検出したときに、アンテナ機能部912に対して個体識別情報の発信を許可する。
【0069】
次に、図1、図2、図3、図5、図6および図7を参照して本実施の形態の動作について説明する。図2に示すように、舞台面上1に人111が立った状態、もしくは歩く場合に右足を踏み込んだ状態で、ID発信靴21に実装されたICタグ211はアンテナ311にID情報を送信する。
【0070】
圧力センサ911およびアンテナ機能部912が実装されることによって、移動物及び移動部位の動き(軌跡)をよりわかりやすく画面表示することができる。第1の実施の形態では、人111の足が舞台面101に接触していない場合でも、アンテナとICタグが通信を行うことが可能であって電波送受信装置はICタグからのID情報を受信可能である。換言すれば、舞台面101に足が着地した時点の他に、着地前及び着地後に、短い時間ではあるが所定期間に亘って電波送受信装置はICタグからのID情報を受信する。よって、画面上に冗長な情報が表示される可能性がある。しかし、この実施の形態では、舞台面101に足が着地したときにのみ電波送受信装置がICタグからのID情報を受信するように構成することができる。
【0071】
以下、人111が舞台面上1で、右足で片足立ちをしている場合を例に、第2の実施の形態の利用例を説明する。
【0072】
圧力センサ911は、規定値以上の圧力を検知して、アンテナ機能部912に「圧力検知信号」を出力する。アンテナ機能部912は、電波送受信装置から電波を受信しているときに、圧力センサ911から「圧力検知信号」を受信すると、アンテナ311にICタグ211に記憶されているID情報を送信する。
【0073】
リーダライタ411は、記憶部に記憶されている個体位置情報を読み出して、通信ネットワークおよび集線装置501を介して、制御装置502に送信する。
【0074】
制御装置502は、当該ID情報がアンテナ311によって受信されたことを示す画面を、表示装置503に表示する。図2に示す例では、人111の右足であることを示すID情報は、アンテナ311によって受信されている。従って、制御装置502は、人111の右足がアンテナ位置811で着地していると判断し、人111の右足が着地している位置を示す画像として、アンテナ位置811に対応する位置を示す画像を表示装置503に表示する。
【0075】
図7は、表示装置503に表示される表示画面の例を示す説明図である。図7に示す例では、人111の右足が着地している位置を示す画像として、アンテナ位置811に対応する位置を示すアンテナ位置1011(アンテナ位置A)に右足を示す画像が表示されている。左足の表示がないことから、人111が右足で片足立ちをしているか、もしくは歩いている場合で左足が宙に浮いている状態であることがわかる。
【0076】
なお、本実施の形態では、人111を例示したが、人121でもよく、また人111と人121の両方でもよい。
【0077】
以上に説明したように、上記の第2の実施の形態によれば、人の足が着地している位置を同時に複数人分測定することができる。
【0078】
なお、上記の第1の実施の形態および第2の実施の形態では、人の移動面として舞台面を例示しているが、建物内の廊下などでもよい。建物の廊下に設置することにより、例えば、病院内での患者の動き、老人ホームでの入館者の動きをリアルタイムで把握しサービスに活用することができる。
【0079】
また、上記の第1の実施の形態および第2の実施の形態では、一つのICタグが一つのアンテナとの間で電波を送受信する例を示しているが、一つのICタグが複数のアンテナとの間で電波を送受信する場合、リーダライタは受信電波が最も強いアンテナを検知するものとする。なお、リーダライタは、受信電界強度測定機能を有する。
【0080】
また、上記の第1の実施の形態および第2の実施の形態では、移動物または移動部位の動きをリアルタイムで画面表示する場合を例にしたが、表示装置503に代えて、または表示装置503に加えて記憶装置を設け、移動物または移動部位の動きを示すデータを記憶装置に記憶し、後で画面表示させるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、人の足の位置と体の向きに関する情報を収集できる位置測定システムであって、劇場の舞台、病院の廊下などで人の動きを把握したい場合に効果的に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明による位置測定システムの概略を示す概念図である。
【図2】本発明による位置測定システムの構成例を示すブロック図である。
【図3】アンテナの設置例を示す説明図である。
【図4】第1の実施の形態における表示画面の例を示す説明図である。
【図5】第2の実施の形態におけるID発信靴の例を示す説明図である。
【図6】第2の実施の形態におけるICタグ211の構成例を示すブロック図である。
【図7】第2の実施の形態における表示画面の例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0083】
1 舞台面上
2 舞台面下
10 舞台面
21 ID発信靴
22 ID発信靴
31 電波送受信装置
32 電波送受信装置
51 制御表示装置
111 人
121 人
211〜212 ICタグ
221〜222 ICタグ
311〜314 アンテナ
321〜324 アンテナ
411 リーダライタ
421 リーダライタ
501 集線装置
502 制御装置
503 表示装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置認識装置と電波送受信装置とを用いて位置測定を行う位置測定システムおよび位置測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、個人の位置を認識するための装置が提案されている(例えば、特許文献1・2参照)。
【0003】
特許文献1には、靴に付けられた発信器とコイルと、床に設置されたアンテナと受信機とを備える個人位置認識装置が、次のように動作することが記載されている。すなわち、靴に付けられた発信器がROMからIDを読み出し、コイルで電磁誘導を起こし、床に設置されたアンテナへ磁束を送る。床に設置されたアンテナは磁束を受信し、IDが受信機に伝えられると、IDと位置コードを付加して出力することにより、人の位置を測定することができる。
【0004】
近年、情報通信技術の発達に伴い、メモリ付き集積回路を有する「ICタグ」(一般に、「非接触データキャリア」、「無線ICタグ」、「非接触IC」、「非接触ICラベル」、「非接触ICタグ」、「RFID」等と表現される場合もある。)を物品に実装し、「ICタグ」に各種の情報を記録して、商品情報表示や物流の合理化あるいは物品の管理が行われるようになってきている。なお、「ICタグ」が有するメモリには、一般に、個体識別符号などの情報が記憶される。また、個体識別符号などの情報は、ICタグリーダライタによって読み書きされる。特許文献2には、ICタグを用いて、動物または物品の移動軌跡を測定することができる移動観測装置について記載されている。
【0005】
【特許文献1】特開平7−131392号公報(段落0023−0026)
【特許文献2】特開2002−58648号公報(段落0011−0013)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載された方式では、例えば舞台上で劇や踊りを上演する場合に、事前の練習時の出演者の動きと本番での出演者の動きとの差を測定して修正したり、毎回の本番での動きをコンピュータに記憶して分析することが難しいという問題がある。また、靴に発信器や電池を取り付ける必要があるので、靴が重く大きくなり、人の動きに制約が出ることが考えられる。
【0007】
また、特許文献2に記載された方式では、観測対象を一点としてとらえていることから、観測対象の詳細な動きを把握することができない。また、リーダ・ライタが常に信号を送信し、かつICタグからの電波を受信可能な状態にしておくことが必要であり、無駄な電源を消費するという問題がある。
【0008】
そこで、本発明は、詳細な人の動きを測定できるとともに、消費電力を低減できる位置測定システムおよび位置測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による位置測定システムは、所定領域に存在する移動物の位置を測定することができる位置測定システムであって、所定領域の床の一部または全域に渡って複数設置され、移動物の移動部位に装着され移動物の位置を特定するための個体識別情報を記憶する個体識別情報発信手段(例えばICタグ211)から個体識別情報を受信する位置検出手段(例えばアンテナ311)と、いずれかの位置検出手段が個体識別情報を受信した場合に、受信された個体識別情報と、個体識別情報を受信した位置検出手段を示す情報とを含む個体位置情報を送出する個体位置情報出力手段(例えばリーダライタ411)と、個体識別情報発信手段を装着した移動部位を示す情報と個体識別情報とを対応付けた個体管理情報(例えばICタグ管理情報)をあらかじめ記憶するとともに、それぞれの位置検出手段を示す情報とその設置位置を示す情報とを含む位置検出手段管理情報(例えばアンテナ位置管理情報)をあらかじめ記憶し、個体位置情報記憶手段が送出した個体位置情報を受信し、受信した個体位置情報と位置検出手段管理情報および個体管理情報とに基づいて移動部位の位置と移動物の向きとを示す情報を生成する制御手段(例えば制御装置502)とを備えたことを特徴とする。上述した構成としたことで、移動部位の位置と移動物の向きを判断し、数値データとして収集することができる。
【0010】
制御手段は、例えば、個体位置情報と個体管理情報とに基づいてID情報を受信した位置検出手段を特定し、特定した位置検出手段と位置検出手段管理情報とに基づいて位置検出手段の設置位置を特定し、特定した位置検出手段の設置位置を移動部位の位置(例えばアンテナ位置)とするように構成されている。
【0011】
移動物は一対の移動部位を有し、制御手段は、移動物に対応する個体管理情報に基づいて右側および左側からなる一対の移動部位の位置を特定し、特定した一対の移動部位の中点を円座標上の原点とし、右側の移動部位の位置を0度とするとともに、左側の移動部位の位置を180度としたときの、90度方向を移動物の向きとするように構成されていてもよい。そのような構成によれば、移動部位の位置から移動物の向きを判断することができる。
【0012】
個体位置情報出力手段は位置検出手段の駆動制御を行い、制御手段が、移動物の進行方向を推測する推測手段と、推測手段によって移動物の進行方向にないと判断された位置検出手段の動作停止を指示するための動作停止指示信号を出力する停止指示信号出力手段と、推測手段によって移動物の進行方向にあると判断された位置検出手段の動作停止の解除を指示するための動作停止解除指示信号とを出力する停止解除指示信号出力手段とを含み、個体位置情報出力手段が、動作停止指示信号に応じて位置検出手段の駆動を停止し、動作停止解除指示信号に応じて位置検出手段の駆動の停止を解除するように構成されていてもよい。
【0013】
制御手段に接続される表示手段を備え、表示手段は、制御手段が出力した移動物の位置と向きとを示す情報を表示するように構成されていてもよい。
【0014】
移動物が存在する所定領域は、舞台であってもよい。
【0015】
個体識別情報発信手段が、移動部位が所定領域の床に着地したことを検出する着地検出手段と、着地検出手段が着地を検出したときに個体識別情報の発信を許可する発信許可手段とを含むように構成されていてもよい。
【0016】
本発明による位置測定方法は、所定領域に存在する移動物の位置を測定することができる位置測定方法であって、所定領域の床の一部または全域に渡って、移動物の移動部位に装着され移動物の位置を特定するための個体識別情報を記憶する個体識別情報発信手段から個体識別情報を受信する位置検出手段を複数設置し、それぞれの位置検出手段を示す情報とその設置位置を示す情報とを含む位置検出手段管理情報をあらかじめ記憶し、いずれかの位置検出手段が個体識別情報を受信した場合に、個体識別情報を受信した位置検出手段を特定し、特定した位置検出手段と位置検出手段管理情報とに基づいて移動部位の位置と移動物の向きとを示す情報を生成することを特徴とする。
【0017】
特定した位置検出手段と位置検出手段管理情報とに基づいて位置検出手段の設置位置を特定し、特定した位置検出手段の設置位置を移動部位の位置とするように構成されていてもよい。
【0018】
移動物に対応する個体管理情報に基づいて特定された右側および左側からなる一対の移動部位の位置の中点を円座標上の原点とし、右側の移動部位の位置を0度とするとともに、左側の移動部位の位置を180度としたときの、90度方向を移動物の向きとするように構成されていてもよい。
【0019】
移動物の進行方向を推測し、移動物の進行方向にないと判断された位置検出手段の動作を停止させ、推測手段によって移動物の進行方向にあると判断された位置検出手段の動作停止を解除するように構成されていてもよい。
【0020】
移動部位が所定領域の床に着地したことを検出し、移動部位の着地を検出したときに個体識別情報発信手段による個体識別情報の発信を許可するように構成されていてもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、複数個の個体識別情報発信手段を実装した観測対象の詳細な動きを測定できるとともに、装置の消費電力を低減できる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態による位置測定システムの概略を示す概念図である。図1に示す位置測定システムは、ID発信靴21(ID発信靴右)およびID発信靴22(ID発信靴左)と通信を行う電波送受信装置31と、制御表示装置51とを備えている。なお、図1には、1つの電波送受信装置31が示されているが、電波送受信装置31と同じ構成の他の電波送受信装置が多数設けられている。
【0023】
舞台面10は、例えば劇場の舞台等である。舞台面上1は、舞台面10より上の空間を示し、人111は舞台面上1を移動する。人111の右足にID発信靴21を、左足にID発信靴22を装着する。舞台面下2は、舞台面10より下の空間を示す。舞台面下2は、舞台面上1の裏側にあたり、例えば劇場の舞台等の床下である。舞台面下2に、電波送受信装置31および制御表示装置51が設けられている。
【0024】
図2は、本発明の実施の形態による位置測定システムの構成例を示すブロック図である。図2に示す位置測定システムでは、制御表示装置51が、集線装置501、制御装置502および表示装置503とを備えている。電波送受信装置31は、アンテナ311(アンテナa)、アンテナ312(アンテナb)、アンテナ313(アンテナc)およびアンテナ314(アンテナd)と、リーダライタ411とを有する。電波送受信装置32は、アンテナ321(アンテナw)、アンテナ322(アンテナx)、アンテナ323(アンテナy)およびアンテナ324(アンテナz)と、リーダライタ421とを有する。なお、図2には、2つの電波送受信装置31,32が示されているが、電波送受信装置31,32と同じ構成の他の電波送受信装置が多数設けられている。また、電波送受信装置31,32が4つのアンテナを有している場合が示されているが、それぞれの電波送受信装置は、さらに多くのアンテナを有している。また、図2には、二人の人111,121が例示されているが、舞台面上1を移動する人は、一人または三人以上であってもよい。
【0025】
図1および図2に示す例では、ID発信靴21にICタグ211が実装され、ID発信靴22にICタグ212が実装される。なお、本発明の実施の形態では、ID発信靴21およびID発信靴22として靴などの履物を例示しているが、履物ではなく足に装着するベルトなどでもよい。また、本発明の実施の形態では、ICタグ211およびICタグ212がID発信靴に実装される例を示しているが、足に直接貼り付けてもよい。
【0026】
ICタグ211、ICタグ212、ICタグ221およびICタグ222は、それぞれ、記憶部(図示せず。)を内蔵し、ID情報を記憶する。ID情報とは、各ICタグを一意に識別するための個体識別符号を含む情報である。この実施の形態では、ID情報は、ICタグが付された靴を装着した移動物としての人、より具体的には移動物の移動部位(この例では、左足及び右足)を特定するために使用される。
【0027】
ICタグ211とICタグ212とは、アンテナ機能(図示せず。)を内蔵し、電波送受信装置31との間で電波の送受信を行うための処理を実行する機能を有するとともに、電波送受信装置31が送信した電波から、自己のICタグを動作させるための電力を生成する機能を有する。同様に、ICタグ221とICタグ222とは、アンテナ機能を内蔵し、電波送受信装置32との間で電波の送受信を行うための処理を実行する機能を有するとともに、電波送受信装置32が送信した電波から、自己のICタグを動作させるための電力を生成する機能を有する。従って、個体識別情報発信手段は、ICタグ211,212,221,222によって実現される。
【0028】
アンテナ311、アンテナ312、アンテナ313、アンテナ314、アンテナ321、アンテナ322、アンテナ323およびアンテナ324は、ICタグ211、ICタグ212、ICタグ221およびICタグ222に電波を発信するとともに、ICタグ211、ICタグ212、ICタグ221およびICタグ222からID情報を含む電波を受信する。従って、移動物の移動部位に装着され移動物の位置を特定するための個体識別情報(ID情報)を受信する位置検出手段は、アンテナ311、アンテナ312、アンテナ313、アンテナ314、アンテナ321、アンテナ322、アンテナ323およびアンテナ324によって実現される。
【0029】
リーダライタ411は、アンテナ311、アンテナ312、アンテナ313およびアンテナ314を介してID発信靴に実装されているICタグからID情報を読み取る。すなわち、リーダライタ411は、アンテナ311、アンテナ312、アンテナ313およびアンテナ314を介してICタグとの間で信号の送受信を行うための処理を実行する機能を有するとともに、各アンテナを介してICタグから受信した信号の復調処理を実行する機能を有する。
【0030】
同様に、リーダライタ412は、アンテナ321、アンテナ322、アンテナ323およびアンテナ324を介してID発信靴に実装されているICタグからID情報を読み取る。リーダライタ421は、アンテナ321、アンテナ322、アンテナ323およびアンテナ324を介してICタグとの間で信号の送受信を行うための処理を実行する機能を有するとともに、各アンテナを介してICタグから受信した信号の復調処理を実行する機能を有する。
【0031】
制御表示装置51は、集線装置501、制御装置502および表示装置503とを含む。制御装置502は、集線装置501および表示装置503と通信可能に接続される。また、集線装置501はハブ機能を持ち、複数のリーダライタと相互に通信可能に接続される。
【0032】
制御装置502は、表示装置503と接続され、以下に説明する処理を実行するためのプログラムとデータベースを記憶装置(図示せず。)に記憶し、制御装置502に内蔵されているCPUが、そのプログラムに従って動作することによって、以下に説明する処理が実行される。従って、制御手段は、制御装置502によって実現される。
【0033】
図3は、アンテナの設置例を示す説明図である。図3に示す例では、舞台面10を上から見た場合を示し、アンテナ311が舞台面10のアンテナ位置811(アンテナ位置a)の範囲に存在し、かつアンテナ位置811の範囲にあるICタグと電波の送受信が可能であることを示す。同様に、アンテナ312はアンテナ位置812(アンテナ位置b)の範囲に存在し、かつアンテナ位置812の範囲にあるICタグと、アンテナ313はアンテナ位置813(アンテナ位置c)の範囲に存在し、かつアンテナ位置813の範囲にあるICタグと、それぞれ電波の送受信が可能であることを示す。なお、例えば、アンテナ位置811〜818(アンテナ位置a,b,c,d,e,f,g,h)に設置されているアンテナは電波送受信装置31に含まれ、アンテナ位置821〜828(アンテナ位置w,x,v,z,o,p,q,r)に設置されているアンテナは電波送受信装置32に含まれている。
【0034】
制御装置502には、アンテナとアンテナ位置との対応関係を示すアンテナ位置管理情報があらかじめ格納されている。アンテナ位置管理情報は、「アンテナ特定情報」および「アンテナ位置情報」の各情報を含み、アンテナが実際の舞台上のどの位置に設置されているかを示す情報である。図3に示す例では、アンテナ特定情報として「アンテナ311」、アンテナ位置情報として「アンテナ位置811」が登録される。なお、アンテナ設置位置は、実際の舞台上の位置を示す情報であればよく、例えば、舞台上に定めた座標系における座標や、緯度経度などでもよい。
【0035】
また、リーダライタ411およびリーダライタ421は、制御装置502からの制御信号に基づいて、各種の処理を実行する。制御装置502から伝達される制御信号には、例えば、「動作停止指示信号」や「動作停止解除指示信号」などがある。リーダライタ411,421は、「動作停止指示信号」を受信すると、各アンテナの駆動を停止し、「動作停止解除指示信号」を受信すると、アンテナの駆動を再開する。
【0036】
次に、図1、図2、図3および図4を参照して本実施の形態の動作について説明する。
【0037】
電波送受信装置31において、リーダライタ412は、アンテナ311、アンテナ312、アンテナ313およびアンテナ314を順に駆動する。従って、一時には、一つのアンテナのみから電波が発信される。従って、電波送受信装置31の消費電力が低減される。なお、駆動対象のアンテナを切り替える時間を短くすれば、すなわち、切り替え速度を速くすれば(例えば0.1秒)、実質的に、全てのアンテナ311,312,313,314から同時に電波が発信されていると見なすことができる。同様に、電波送受信装置32において、リーダライタ412は、アンテナ321、アンテナ322、アンテナ323およびアンテナ324を順に駆動する。
【0038】
図2に示す例では、舞台面上1に人111が立った場合に、ID発信靴21に実装されたICタグ211はアンテナ311の電波を受信したときに、ICタグ211に記憶されているID情報をアンテナ311に送信する。また、ID発信靴22に実装されたICタグ212はアンテナ313の電波を受信したときに、ICタグ212に記憶されているID情報をアンテナ313に送信する。なお、アンテナが送信する電波はアンテナの性能に依存する距離まで到達するため、人111が歩行中などで足が舞台面101に接触していない場合でも、アンテナとICタグが通信を行うことが可能である。
【0039】
同様に、舞台面上1に人121が立った場合に、ICタグ221はアンテナ322の電波を受信したときに、ICタグ221に記憶されているID情報をアンテナ322に送信する。また、ICタグ222はアンテナ324の電波を受信したときに、ICタグ222に記憶されているID情報をアンテナ324に送信する。
【0040】
リーダライタ411は、それぞれのアンテナ311,313を介してID情報を受信する。また、リーダライタ421は、それぞれのアンテナ322,324を介してID情報を受信する。
【0041】
また、リーダライタ411は、アンテナ311を駆動しているときにID情報を受信した場合には、受信したID情報と受信アンテナ情報からなる個体位置情報を通信ネットワークおよび集線装置501を介して、制御装置502に送信する。なお、受信アンテナ情報とは、ID情報の受信アンテナを示す情報である。例えば、アンテナ311を駆動しているときにID情報を受信した場合には、受信アンテナ情報は、アンテナ311を示す情報である。すなわち、リーダライタ411は、受信された個体識別情報(ID情報)と、個体識別情報を受信した位置検出手段(アンテナ)を示す情報とを含む個体位置情報を送出する個体位置情報出力手段を実現する。
【0042】
また、リーダライタ411は、アンテナ313を駆動しているときにID情報を受信した場合には、受信したID情報と、アンテナ313を示す受信アンテナ情報からなる個体位置情報を通信ネットワークおよび集線装置501を介して、制御装置502に送信する。リーダライタ421も、同様に、受信したID情報と受信アンテナ情報からなる個体位置情報を通信ネットワークおよび集線装置501を介して、制御装置502に送信する。
【0043】
制御装置502は、アンテナ位置管理情報に基づいて、表示装置503に、舞台とアンテナの位置とを示す画面を表示する。表示装置503に表示する画面は、舞台面を縮小して描いた図や、実際の舞台面を撮影した映像でもよい。
【0044】
制御装置502は、記憶部(図示せず。)を有し、各リーダライタから受信した個体位置情報(ID情報と受信アンテナ情報)を記憶する。制御装置502は、各リーダライタから受信した個体位置情報とアンテナ位置管理情報とに基づいて、どのID情報がどのアンテナによって受信されたか、つまりID発信靴がどのアンテナ位置に存在するかを示す画面を、表示装置503に表示する。表示装置503は、舞台に設置した全てのアンテナの位置を示すことができる画面を表示するとともに、ID情報を受信したアンテナのアンテナ位置を表示する。
【0045】
制御装置502には、個体管理情報としてのICタグ管理情報があらかじめ格納されている。ICタグ管理情報は、「ID情報」に対応付けられた「装着者を示す情報」、「移動部位(右足もしくは左足)を示す情報」の各情報を含み、一覧表として保持される。制御装置502は、ICタグ管理情報と、各リーダライタから受信した個体位置情報(ID情報と受信アンテナ情報)とに基づいて、装着者および移動部位に対応する受信アンテナ情報を把握する。すなわち、ID情報を受信したアンテナを特定する。さらに、受信アンテナ情報と、位置検出手段管理情報ととしてのアンテナ位置管理情報とに基づいて、移動物とその移動部位が存在する舞台上の位置を判断する。なお、ここでは、ICタグ管理情報に装着者を示す情報と移動部位を示す情報と含まれているが、装着者を示す情報または移動部位を示す情報を、ICタグ管理情報に含めなくてもよい。
【0046】
図2に示す例では、人111の右足であることを示すID情報は、アンテナ311によって受信される。従って、制御装置502は、人111の右足がアンテナ位置811にあると判断する。同様に、人111の左足であることを示すID情報は、アンテナ313によって受信されている。従って、制御装置502は、人111の左足がアンテナ位置813(アンテナ位置c)にあると判断する。
【0047】
制御装置502は、表示装置503に、人111が存在する位置を示す画像として、アンテナ位置811およびアンテナ位置813を含む楕円820に対応する画像を表示する。図4は、表示装置503に表示される表示画面の例を示す説明図である。図4に示す例では、人111が存在する位置を示す画像として、楕円820に対応する画像である楕円620が表示されている。
【0048】
また、制御装置502は、人111の右足の位置であるアンテナ位置811と左足の位置であるアンテナ位置813との中点であるアンテナ位置812を円座標上の原点として、右足の位置を0度、左足の位置を180度としたときの90度方向を人111の向きとして特定する。
【0049】
図3に示す例では、アンテナ位置811が人111の右足に対応することおよびアンテナ位置813が人111の左足に対応することから、人111が矢印819の方向に向いていると判断する。制御装置502は、表示装置503に、人111の向きを示す画像として、矢印819に対応する画像を表示する。図4に示す例では、人111の向きを示す画像として、矢印819に対応する画像である矢印619が表示されている。
【0050】
同様に、制御装置502は、人121の右足がアンテナ位置822(アンテナ位置x)に、左足がアンテナ位置824(アンテナ位置z)にあると判断し、表示装置503に、人121が存在する位置を示す画像として、アンテナ位置822およびアンテナ位置824を含む楕円830に対応する画像を表示する。図4に示す例では、人121が存在する位置を示す画像として、楕円830に対応する画像である楕円630が表示されている。
【0051】
また、制御装置502は、アンテナ位置822が人121の右足に対応することおよびアンテナ位置824が人121の左足に対応することから、図3に示す例では、人121が矢印829の方向に向いていると判断する。制御装置502は、表示装置503に、人121の向きを示す画像として、矢印829に対応する画像を表示する。図4に示す例では、人121の向きを示す画像として、矢印829に対応する画像である矢印629が表示されている。
【0052】
上記一連の動作を連続して時系列的に行うことにより、画面を見ている人は、舞台面上1の複数の人の動きを映像として画面上で確認することができる。
【0053】
なお、制御装置502は表示装置503に、人111が存在する位置(本例では楕円620)および人111の向き(本例では矢印629)とともに、ICタグ管理情報とID情報とに基づいて、装着者(人111)および移動部位(右足)を示す画面を表示してもよい。
【0054】
制御装置502は、各人の位置と向きを判断すると、各人の現在および進行方向に存在するアンテナを含む電波送受信装置が電波を出力するよう制御を行う。すなわち、制御装置502は、移動物の進行方向を推測し、移動物の進行方向にないと判断されたアンテナの動作停止を指示するための動作停止指示信号をリーダライタに出力し、移動物の進行方向にあると判断されたアンテナの動作停止の解除を指示するための動作停止解除指示信号をリーダライタに出力する制御を行う。
【0055】
例えば、図2および図3に示す例では、人111は、アンテナ位置811とアンテナ位置813を含む位置に存在するため、現在の位置に存在するアンテナはアンテナ311およびアンテナ313である。従って、アンテナ311およびアンテナ313を含む電波送受信装置31に対して、制御装置502は動作停止解除指示信号を送信する。アンテナ311およびアンテナ313の駆動制御を行う電波送受信装置31(具体的にはリーダライタ411)は、動作停止解除指示信号に基づいて、各アンテナを電波を出力させる状態にする。すなわち、アンテナの駆動の停止を解除する。
【0056】
また、人111の向きは矢印819の向きであることから、人111の進行方向と推測される方向に位置するアンテナ位置815(アンテナ位置e)およびアンテナ位置817(アンテナ位置g)を含む電波送受信装置(図示せず。)に対して、制御装置502は動作停止解除指示信号を送信する。電波送受信装置は、動作停止解除指示信号に基づいて、各アンテナを電波を出力させる状態にする。すなわち、アンテナの駆動の停止を解除する。
【0057】
同様に、人121は、アンテナ位置822とアンテナ位置824を含む位置に存在するため、現在の位置に存在するアンテナはアンテナ322およびアンテナ324である。従って、アンテナ322およびアンテナ324を含む電波送受信装置32に対して、制御装置502は動作停止解除指示信号を送信する。電波送受信装置32は、動作停止解除指示信号に基づいて、各アンテナから電波を出力させる状態にする。
【0058】
また、人121の向きは矢印829の向きであることから、人121の進行方向と推測されるアンテナ位置826(アンテナ位置p)およびアンテナ828(アンテナ位置r)を含む電波送受信装置(図示せず。)に対して、制御装置502は動作停止解除指示信号を送信する。電波送受信装置は、動作停止解除指示信号に基づいて、各アンテナから電波を出力させる状態にする。
【0059】
以上に説明したように、第1の実施の形態によれば、人の足の位置と体の向きを同時に複数人分測定することができる。例えば舞台上で行われるコンサート、演劇、ミュージカルなどのリハーサルと本番との人々の動きの違いを、データとして収集し分析することができる。分析した結果を用いることにより、例えば演劇のリハーサルと本番とで動きが異なる場合に、足の動きの修正が可能になる。また、代役が出演する場合に、足の細かい動きまで視覚的に指導することができる。また展示会場でのナレータの位置決めなどのシミュレーションにも活用できる。
【0060】
また、建物内の廊下などに設置することにより、病院内での患者の動き、老人ホームでの入館者の動きをリアルタイムで把握しサービスに活用することができる。
【0061】
さらに、人の向きに基づいて、各人の現在および進行方向に位置する電波送受信装置のみに電波を出力させることができるため、電力資源を効率的に使用できる。
【0062】
実施の形態2.
次に、本発明の第2の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、本発明の第2の実施の形態における位置測定システムの構成は、第1の実施の形態における位置測定システムの構成(図1および図2)と同様なため説明を省略する。
【0063】
図5は、ID発信靴21の例を示す説明図である。図5に示す例では、図1および図2に示す例と同様に、ID発信靴21にICタグ211が実装される。
【0064】
図6は、ICタグ211の構成例を示すブロック図である。ICタグ211は、圧力センサ911(圧力センサR)とアンテナ機能部912(アンテナ機能部R)とを備える。圧力センサ911とアンテナ機能部912とが内蔵されたICタグ211は、ID発信靴21の中敷きに実装される。なお、図5および図6に示す例では、ID発信靴21の場合を例示しているが、ID発信靴22の場合も同様の構成である。
【0065】
ICタグ211は、電波送受信装置31が送信した電波から、自己のICタグを動作させるための電力を生成する機能を有する。なお、アンテナ機能部912は、電波送受信装置31との間で電波の送受信を行うための処理を実行する機能を有する。
【0066】
また、アンテナ機能部912は、圧力センサ911からの制御信号に基づいて、電波の送信を制御する機能を制御する。例えば、圧力センサ911は、規定値以上の圧力を検知した場合に、アンテナ機能部912に「圧力検知信号」を出力する。アンテナ機能部912は、圧力センサ911から「圧力検知信号」を受信すると、電波の送信機能をオン状態にする。
【0067】
なお、送信機能がオフ状態の場合は、電波送受信装置31からの電波を受信しても、アンテナ機能部912は電波送受信装置31に向けて電波を送信しない。送信機能がオン状態の場合に、電波送受信装置31からの電波を受信すると、アンテナ機能部912は電波送受信装置31に電波を送信する。
【0068】
また、本実施の形態では、圧力センサ911が検知する圧力の規定値は、人が立っている状態や、歩く場合に足を踏み込んだ状態において、足裏にかかる圧力を目安として設定されているものとする。すなわち、圧力センサ911は、移動部位が舞台面10(所定領域の床)に着地したことを検出し、移動部位の着地を検出したときに、アンテナ機能部912に対して個体識別情報の発信を許可する。
【0069】
次に、図1、図2、図3、図5、図6および図7を参照して本実施の形態の動作について説明する。図2に示すように、舞台面上1に人111が立った状態、もしくは歩く場合に右足を踏み込んだ状態で、ID発信靴21に実装されたICタグ211はアンテナ311にID情報を送信する。
【0070】
圧力センサ911およびアンテナ機能部912が実装されることによって、移動物及び移動部位の動き(軌跡)をよりわかりやすく画面表示することができる。第1の実施の形態では、人111の足が舞台面101に接触していない場合でも、アンテナとICタグが通信を行うことが可能であって電波送受信装置はICタグからのID情報を受信可能である。換言すれば、舞台面101に足が着地した時点の他に、着地前及び着地後に、短い時間ではあるが所定期間に亘って電波送受信装置はICタグからのID情報を受信する。よって、画面上に冗長な情報が表示される可能性がある。しかし、この実施の形態では、舞台面101に足が着地したときにのみ電波送受信装置がICタグからのID情報を受信するように構成することができる。
【0071】
以下、人111が舞台面上1で、右足で片足立ちをしている場合を例に、第2の実施の形態の利用例を説明する。
【0072】
圧力センサ911は、規定値以上の圧力を検知して、アンテナ機能部912に「圧力検知信号」を出力する。アンテナ機能部912は、電波送受信装置から電波を受信しているときに、圧力センサ911から「圧力検知信号」を受信すると、アンテナ311にICタグ211に記憶されているID情報を送信する。
【0073】
リーダライタ411は、記憶部に記憶されている個体位置情報を読み出して、通信ネットワークおよび集線装置501を介して、制御装置502に送信する。
【0074】
制御装置502は、当該ID情報がアンテナ311によって受信されたことを示す画面を、表示装置503に表示する。図2に示す例では、人111の右足であることを示すID情報は、アンテナ311によって受信されている。従って、制御装置502は、人111の右足がアンテナ位置811で着地していると判断し、人111の右足が着地している位置を示す画像として、アンテナ位置811に対応する位置を示す画像を表示装置503に表示する。
【0075】
図7は、表示装置503に表示される表示画面の例を示す説明図である。図7に示す例では、人111の右足が着地している位置を示す画像として、アンテナ位置811に対応する位置を示すアンテナ位置1011(アンテナ位置A)に右足を示す画像が表示されている。左足の表示がないことから、人111が右足で片足立ちをしているか、もしくは歩いている場合で左足が宙に浮いている状態であることがわかる。
【0076】
なお、本実施の形態では、人111を例示したが、人121でもよく、また人111と人121の両方でもよい。
【0077】
以上に説明したように、上記の第2の実施の形態によれば、人の足が着地している位置を同時に複数人分測定することができる。
【0078】
なお、上記の第1の実施の形態および第2の実施の形態では、人の移動面として舞台面を例示しているが、建物内の廊下などでもよい。建物の廊下に設置することにより、例えば、病院内での患者の動き、老人ホームでの入館者の動きをリアルタイムで把握しサービスに活用することができる。
【0079】
また、上記の第1の実施の形態および第2の実施の形態では、一つのICタグが一つのアンテナとの間で電波を送受信する例を示しているが、一つのICタグが複数のアンテナとの間で電波を送受信する場合、リーダライタは受信電波が最も強いアンテナを検知するものとする。なお、リーダライタは、受信電界強度測定機能を有する。
【0080】
また、上記の第1の実施の形態および第2の実施の形態では、移動物または移動部位の動きをリアルタイムで画面表示する場合を例にしたが、表示装置503に代えて、または表示装置503に加えて記憶装置を設け、移動物または移動部位の動きを示すデータを記憶装置に記憶し、後で画面表示させるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、人の足の位置と体の向きに関する情報を収集できる位置測定システムであって、劇場の舞台、病院の廊下などで人の動きを把握したい場合に効果的に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明による位置測定システムの概略を示す概念図である。
【図2】本発明による位置測定システムの構成例を示すブロック図である。
【図3】アンテナの設置例を示す説明図である。
【図4】第1の実施の形態における表示画面の例を示す説明図である。
【図5】第2の実施の形態におけるID発信靴の例を示す説明図である。
【図6】第2の実施の形態におけるICタグ211の構成例を示すブロック図である。
【図7】第2の実施の形態における表示画面の例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0083】
1 舞台面上
2 舞台面下
10 舞台面
21 ID発信靴
22 ID発信靴
31 電波送受信装置
32 電波送受信装置
51 制御表示装置
111 人
121 人
211〜212 ICタグ
221〜222 ICタグ
311〜314 アンテナ
321〜324 アンテナ
411 リーダライタ
421 リーダライタ
501 集線装置
502 制御装置
503 表示装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定領域に存在する移動物の位置を測定することができる位置測定システムであって、
所定領域の床の一部または全域に渡って複数設置され、移動物の移動部位に装着され移動物の位置を特定するための個体識別情報を記憶する個体識別情報発信手段から個体識別情報を受信する位置検出手段と、
いずれかの前記位置検出手段が個体識別情報を受信した場合に、受信された個体識別情報と、個体識別情報を受信した位置検出手段を示す情報とを含む個体位置情報を送出する個体位置情報出力手段と、
個体識別情報発信手段を装着した移動部位を示す情報と個体識別情報とを対応付けた個体管理情報をあらかじめ記憶するとともに、それぞれの位置検出手段を示す情報とその設置位置を示す情報とを含む位置検出手段管理情報をあらかじめ記憶し、前記個体位置情報記憶手段が送出した個体位置情報を受信し、受信した個体位置情報と前記個体管理情報および前記位置検出手段管理情報とに基づいて移動部位の位置と移動物の向きとを示す情報を生成する制御手段と
を備えたことを特徴とする位置測定システム。
【請求項2】
制御手段は、個体位置情報と個体管理情報とに基づいて個体識別情報を受信した位置検出手段を特定し、特定した位置検出手段と位置検出手段管理情報とに基づいて位置検出手段の設置位置を特定し、特定した位置検出手段の設置位置を移動部位の位置とする
請求項1に記載の位置測定システム。
【請求項3】
移動物は一対の移動部位を有し、
制御手段は、移動物に対応する個体管理情報に基づいて右側および左側からなる一対の移動部位の位置を特定し、特定した一対の移動部位の中点を円座標上の原点とし、右側の移動部位の位置を0度とするとともに、左側の移動部位の位置を180度としたときの、90度方向を移動物の向きとする
請求項1または請求項2に記載の位置測定システム。
【請求項4】
個体位置情報出力手段は、位置検出手段の駆動制御を行い、
制御手段は、移動物の進行方向を推測する推測手段と、推測手段によって移動物の進行方向にないと判断された位置検出手段の動作停止を指示するための動作停止指示信号を出力する停止指示信号出力手段と、推測手段によって移動物の進行方向にあると判断された位置検出手段の動作停止の解除を指示するための動作停止解除指示信号とを出力する停止解除指示信号出力手段とを含み、
前記個体位置情報出力手段は、前記動作停止指示信号に応じて位置検出手段の駆動を停止し、前記動作停止解除指示信号に応じて位置検出手段の駆動の停止を解除する
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の位置測定システム。
【請求項5】
制御手段に接続される表示手段を備え、
前記表示手段は、制御手段が出力した移動物の位置と向きとを示す情報を表示する
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の位置測定システム。
【請求項6】
移動物が存在する所定領域は、舞台である
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の位置測定システム。
【請求項7】
個体識別情報発信手段は、移動部位が所定領域の床に着地したことを検出する着地検出手段と、着地検出手段が着地を検出したときに個体識別情報の発信を許可する発信許可手段とを含む
請求項1から請求項6のうちのいずれか1項に記載の位置測定システム。
【請求項8】
所定領域に存在する移動物の位置を測定することができる位置測定方法であって、
所定領域の床の一部または全域に渡って、移動物の移動部位に装着され移動物の位置を特定するための個体識別情報を記憶する個体識別情報発信手段から個体識別情報を受信する位置検出手段を複数設置し、
それぞれの位置検出手段を示す情報とその設置位置を示す情報とを含む位置検出手段管理情報をあらかじめ記憶し、
いずれかの前記位置検出手段が個体識別情報を受信した場合に、個体識別情報を受信した前記位置検出手段を特定し、
特定した前記位置検出手段と前記位置検出手段管理情報とに基づいて移動部位の位置と移動物の向きとを示す情報を生成する
ことを特徴とする位置測定方法。
【請求項9】
特定した位置検出手段と位置検出手段管理情報とに基づいて位置検出手段の設置位置を特定し、特定した位置検出手段の設置位置を移動部位の位置とする
請求項8に記載の位置測定方法。
【請求項10】
移動物に対応する個体管理情報に基づいて移動物における右側および左側からなる一対の移動部位の位置を特定し、
特定した右側および左側からなる一対の移動部位の位置の中点を円座標上の原点とし、右側の移動部位の位置を0度とするとともに、左側の移動部位の位置を180度としたときの、90度方向を移動物の向きとする
請求項8または請求項9に記載の位置測定方法。
【請求項11】
移動物の進行方向を推測し、
移動物の進行方向にないと判断された位置検出手段の動作を停止させ、
推測手段によって移動物の進行方向にあると判断された位置検出手段の動作停止を解除する
請求項8から請求項10のいずれか1項に記載の位置測定方法。
【請求項12】
移動部位が所定領域の床に着地したことを検出し、
移動部位の着地を検出したときに個体識別情報発信手段による個体識別情報の発信を許可する
請求項8から請求項11のいずれか1項に記載の位置測定方法。
【請求項1】
所定領域に存在する移動物の位置を測定することができる位置測定システムであって、
所定領域の床の一部または全域に渡って複数設置され、移動物の移動部位に装着され移動物の位置を特定するための個体識別情報を記憶する個体識別情報発信手段から個体識別情報を受信する位置検出手段と、
いずれかの前記位置検出手段が個体識別情報を受信した場合に、受信された個体識別情報と、個体識別情報を受信した位置検出手段を示す情報とを含む個体位置情報を送出する個体位置情報出力手段と、
個体識別情報発信手段を装着した移動部位を示す情報と個体識別情報とを対応付けた個体管理情報をあらかじめ記憶するとともに、それぞれの位置検出手段を示す情報とその設置位置を示す情報とを含む位置検出手段管理情報をあらかじめ記憶し、前記個体位置情報記憶手段が送出した個体位置情報を受信し、受信した個体位置情報と前記個体管理情報および前記位置検出手段管理情報とに基づいて移動部位の位置と移動物の向きとを示す情報を生成する制御手段と
を備えたことを特徴とする位置測定システム。
【請求項2】
制御手段は、個体位置情報と個体管理情報とに基づいて個体識別情報を受信した位置検出手段を特定し、特定した位置検出手段と位置検出手段管理情報とに基づいて位置検出手段の設置位置を特定し、特定した位置検出手段の設置位置を移動部位の位置とする
請求項1に記載の位置測定システム。
【請求項3】
移動物は一対の移動部位を有し、
制御手段は、移動物に対応する個体管理情報に基づいて右側および左側からなる一対の移動部位の位置を特定し、特定した一対の移動部位の中点を円座標上の原点とし、右側の移動部位の位置を0度とするとともに、左側の移動部位の位置を180度としたときの、90度方向を移動物の向きとする
請求項1または請求項2に記載の位置測定システム。
【請求項4】
個体位置情報出力手段は、位置検出手段の駆動制御を行い、
制御手段は、移動物の進行方向を推測する推測手段と、推測手段によって移動物の進行方向にないと判断された位置検出手段の動作停止を指示するための動作停止指示信号を出力する停止指示信号出力手段と、推測手段によって移動物の進行方向にあると判断された位置検出手段の動作停止の解除を指示するための動作停止解除指示信号とを出力する停止解除指示信号出力手段とを含み、
前記個体位置情報出力手段は、前記動作停止指示信号に応じて位置検出手段の駆動を停止し、前記動作停止解除指示信号に応じて位置検出手段の駆動の停止を解除する
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の位置測定システム。
【請求項5】
制御手段に接続される表示手段を備え、
前記表示手段は、制御手段が出力した移動物の位置と向きとを示す情報を表示する
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の位置測定システム。
【請求項6】
移動物が存在する所定領域は、舞台である
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の位置測定システム。
【請求項7】
個体識別情報発信手段は、移動部位が所定領域の床に着地したことを検出する着地検出手段と、着地検出手段が着地を検出したときに個体識別情報の発信を許可する発信許可手段とを含む
請求項1から請求項6のうちのいずれか1項に記載の位置測定システム。
【請求項8】
所定領域に存在する移動物の位置を測定することができる位置測定方法であって、
所定領域の床の一部または全域に渡って、移動物の移動部位に装着され移動物の位置を特定するための個体識別情報を記憶する個体識別情報発信手段から個体識別情報を受信する位置検出手段を複数設置し、
それぞれの位置検出手段を示す情報とその設置位置を示す情報とを含む位置検出手段管理情報をあらかじめ記憶し、
いずれかの前記位置検出手段が個体識別情報を受信した場合に、個体識別情報を受信した前記位置検出手段を特定し、
特定した前記位置検出手段と前記位置検出手段管理情報とに基づいて移動部位の位置と移動物の向きとを示す情報を生成する
ことを特徴とする位置測定方法。
【請求項9】
特定した位置検出手段と位置検出手段管理情報とに基づいて位置検出手段の設置位置を特定し、特定した位置検出手段の設置位置を移動部位の位置とする
請求項8に記載の位置測定方法。
【請求項10】
移動物に対応する個体管理情報に基づいて移動物における右側および左側からなる一対の移動部位の位置を特定し、
特定した右側および左側からなる一対の移動部位の位置の中点を円座標上の原点とし、右側の移動部位の位置を0度とするとともに、左側の移動部位の位置を180度としたときの、90度方向を移動物の向きとする
請求項8または請求項9に記載の位置測定方法。
【請求項11】
移動物の進行方向を推測し、
移動物の進行方向にないと判断された位置検出手段の動作を停止させ、
推測手段によって移動物の進行方向にあると判断された位置検出手段の動作停止を解除する
請求項8から請求項10のいずれか1項に記載の位置測定方法。
【請求項12】
移動部位が所定領域の床に着地したことを検出し、
移動部位の着地を検出したときに個体識別情報発信手段による個体識別情報の発信を許可する
請求項8から請求項11のいずれか1項に記載の位置測定方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【公開番号】特開2006−170817(P2006−170817A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−364013(P2004−364013)
【出願日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]