説明

位置算出システム、移動局、位置算出方法、プログラム、及び記録媒体

【課題】基準局側において正確な時刻を低コストで同期することができ、移動局側において基準局との間で時刻同期を行うことなく簡易な装置で高精度な位置算出を可能とする位置算出システム等を提供する。
【解決手段】位置算出システムは、移動局、基準局、時刻基準局から構成される。時刻基準局は時刻同期情報を基準局へ供給し、基準局は時刻同期手段に基づいて時刻基準局の時刻との同期を行う。基準局は、各基準局が共通の単一周波数を用いて異なるタイミングで、基準局の位置情報及び送信時刻情報を位置算出情報として移動局へ供給し、移動局は、位置算出情報から基準局と自局との距離関係及び基準局同士の距離関係を表した関係式を求め、これら関係式から自局の絶対位置を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置算出システム、移動局、位置算出方法、プログラム、及び記録媒体に関し、特に、移動局側における正確な時計合わせを必要とせずに移動局の位置情報(3次元座標)を高い精度で得ることが可能な技術で、高精度な位置情報取得に関してGPSに代替して好適に適用される技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、位置情報を得るための技術として、複数の人工衛星から受信する衛星電波から測位対象の現在位置座標を計算するGPS(Global Positioning System)が知られ、近年では、車両のカーナビゲーションシステムや、携帯情報端末を利用した案内サービス等にGPSが用いられている。
【0003】
このように、GPSは場所案内サービス等に積極的に活用されているが、他方で、GPSによる位置情報取得は、例えば衛星を打ち上げるといった大規模な設備が必要となり、設備投資のコストがかかる。また、設備投資の高コスト化から、電波受信状態が悪いエリアを少なくするために衛星を多数設置するといった方策を実施することが困難である。さらに、衛星は宇宙空間上に配置されるため、正確な時刻を維持するために相対論的効果による時間の進み方の違いを考慮した時計を用意する必要がある。
【0004】
また、一般に測位システムでは、基準局と移動局の両者で精度の高い時刻を同期させて保持し、電波の送信・受信時間等から移動局の位置を算出する方法をとれば、精度の高い位置測定を行うことは可能であるが、この場合、移動局が基準局の時計と同期していることが前提となるため、固定の設備ではない移動局を常にメンテナンスされた状態としておく必要があり、困難を伴う。
【0005】
ところで、例えば特許文献1では、複数の人工衛星を使用した簡単なアルゴリズム処理による位置検出を行う観測位置検出方法が開示されている。当該観測位置検出方法では、観測者に3つの人工衛星の相対位置関係の情報を与え、地上の時刻基準局から時刻基準信号を与えて3つの人工衛星の動機をとることで観測者に時刻の情報を与え、これらの情報と人口衛生の軌道情報を使用することにより、観測者は特別な時刻装置を持たずに自分の位置を決定できる。
【0006】
また、例えば特許文献2では、あらかじめ正確な位置がわかっている基準局と端末局との距離について電波を利用して測定し、その距離から端末局の位置を求めることが可能な電波測位システムが開示されている。当該電波測位システムでは、端末局が位置算出器を有し、位置算出器により、電波に記された送信時刻と受信時刻との差に光速を乗ずることで基準局までの距離を算出し、基準局ごとに求めた基準局までの距離と該基準局の位置情報とから端末局の位置を算出している。
【特許文献1】特開昭63−122976号公報
【特許文献2】特許第3704867号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1で開示された発明は、人工衛星を利用した位置検出方法で、上述したような、電波受信状態の不良エリアを解消するための設備コストや、移動局に正確な時刻を保持させるうえでの難点が解決されていない。また、特許文献2で開示された発明は、人工衛星ではなく飛行船を基準局として活用するもので、確かに、設備コストが人工衛星に比べてかからず、また端末局(移動局)と基準局との間の時刻同期が不要な点で上記問題点が解消されている。しかしながら、例えば4つの飛行船を基準局として時刻同期を行わずに端末局の位置を測定するには、電波の送受信を4つ同時に行うことが必要で、1つの周波数を用いるときには混信するおそれがあり、3つの周波数の異なる電波を使うときには端末局側の受信制御が複雑なものとなってしまう。
【0008】
そこで、本発明は、上述した事情に鑑み、基準局側において正確な時刻を低コストで同期することができ、移動局側において基準局との間で時刻同期を行うことなく簡易な装置で高精度な位置算出を可能とする位置算出システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる目的を達成するために、本発明の第1の位置算出システムは、自局の高精度な位置情報を保持する第1保持手段、時刻を高精度に計測する時計手段、基準局の時刻を同期するための時刻同期情報を供給する第1供給手段を有する時刻基準局と、自局の高精度な位置情報を保持する第2保持手段、第1供給手段からの時刻同期情報を取得する第1取得手段、自局の時刻を時刻基準局の時刻に同期させる時刻同期手段、移動局の位置を算出するための位置算出情報を供給する第2供給手段を有する基準局と、第2供給手段からの位置算出情報を取得する第2取得手段、自局の絶対位置を算出する位置算出手段を有する移動局と、から構成される。そして、時刻基準局が、第1供給手段により自局の位置情報及び供給時点の時刻を表す送信時刻情報を時刻同期情報として基準局へ供給し、基準局が、第1取得手段により取得した時刻基準局の位置情報及び送信時刻情報から、時刻同期手段により情報取得までかかった時間を求め送信時刻情報に加算して時刻基準局の時刻との同期を行い、また、基準局が、第2供給手段により自局の位置情報及び供給時点の時刻を表す送信時刻情報を位置算出情報として移動局へ供給し、移動局が、第2取得手段により取得した基準局の位置情報及び送信時刻情報から、位置算出手段により、基準局と自局との距離関係を表した式及び基準局同士の距離関係を表した式を求めてこれらの式から自局の絶対位置を算出し、また、基準局が、第2供給手段により位置情報及び送信時刻情報を移動局へ供給するに際し、それぞれの基準局が共通の単一周波数を用いて異なるタイミングで行う。
【0010】
また、本発明の第1の移動局は、自局の高精度な位置情報を保持し、時刻を高精度に計測する機能を有する時刻基準局と、自局の高精度な位置情報を保持し、時刻基準局からの時刻同期情報に基づいて自局の時刻を時刻基準局の時刻に同期させる機能を有する基準局とともに位置算出システムを構成し、基準局から供給される位置算出情報を取得する取得手段と、取得手段により取得された位置算出情報に基づいて自局の絶対位置を算出する位置算出手段とを有する。そして、取得手段が、それぞれの基準局から共通の単一周波数を用いて異なるタイミングで供給された基準局の位置情報及び供給時点の時刻を表す送信時刻情報を取得し、位置算出手段が、取得手段により取得された位置情報及び送信時刻情報から、基準局と自局との距離関係を表した式及び基準局同士の距離関係を表した式を求め、該求めた式から自局の絶対位置を算出する。
【0011】
また、本発明の第1の位置算出方法は、自局の高精度な位置情報を保持し、時刻を高精度に計測する機能を有する時刻基準局と、自局の高精度な位置情報を保持し、時刻基準局からの時刻同期情報に基づいて自局の時刻を時刻基準局の時刻に同期させる機能を有する基準局と、基準局からの位置算出情報に基づいて自局の絶対位置を算出する機能を有する移動局と、から構成される位置算出システムにおける位置算出方法であって、時刻基準局において、自局の位置情報及び供給時点の時刻を表す送信時刻情報を時刻同期情報として基準局へ供給する第1供給ステップと、基準局において、時刻基準局から供給された位置情報及び送信時刻情報から、情報取得までかかった時間を求めて送信時刻情報に加算し、時刻基準局の時刻との同期を行う時刻同期ステップと、基準局において、自局の位置情報及び供給時点の時刻を表す送信時刻情報を、それぞれの基準局が共通の単一周波数を用いて異なるタイミングで、位置算出情報として移動局へ供給する第2供給ステップと、移動局において、基準局から供給された位置情報及び送信時刻情報から、基準局と自局との距離関係を表した式及び基準局同士の距離関係を表した式を求め、これらの式から自局の絶対位置を算出する位置算出ステップと、を有する。
【0012】
また、本発明の第1のプログラムは、自局の高精度な位置情報を保持し、時刻を高精度に計測する時刻基準局と、自局の高精度な位置情報を保持し、時刻基準局からの時刻同期情報に基づいて自局の時刻を時刻基準局の時刻に同期させる基準局と、基準局からの位置算出情報に基づいて自局の絶対位置を算出する移動局と、から構成される位置算出システムにおけるプログラムであって、自局の位置情報及び供給時点の時刻を表す送信時刻情報を時刻同期情報として基準局へ供給する第1供給機能を時刻基準局に実現させ、時刻基準局から供給された位置情報及び送信時刻情報から、情報取得までかかった時間を求めて送信時刻情報に加算し、時刻基準局の時刻との同期を行う時刻同期機能を基準局に実現させ、自局の位置情報及び供給時点の時刻を表す送信時刻情報を、それぞれの基準局が共通の単一周波数を用いて異なるタイミングで、位置算出情報として移動局へ供給する第2供給機能を基準局に実現させ、基準局から供給された位置情報及び送信時刻情報から、基準局と自局との距離関係を表した式及び基準局同士の距離関係を表した式を求め、これらの式から自局の絶対位置を算出する位置算出機能を移動局に実現させる。
【0013】
また、本発明の第1の記録媒体は、上記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、基準局側において正確な時刻を低コストで同期することができ、移動局側において基準局との間で時刻同期を行うことなく簡易な装置で高精度な位置算出を可能とする位置算出システム等が提供される
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施形態である位置算出システムのシステム構成を示した図である。当該位置算出システムは、移動局10、基準局20、及び時刻基準局30から構成される。移動局10は、本システムでの位置算出対象となるもので、位置算出手段11及び第2取得手段12を有する。基準局20は、移動局10に対して位置算出のための情報を含む電波を送信するもので、第2供給手段21、時刻同期手段22、第2保持手段23、及び第1取得手段24を有する。時刻基準局30は、基準局20に対して時刻同期のための情報を含む電波を送信するもので、時計手段31、第1供給手段32、及び第1保持手段33を有する。
【0017】
時計基準局30では、時計手段31が正確な時刻を保持し、第1保持手段33が自局の高精度な位置情報を保持し、第1供給手段32が自局の位置情報と時刻情報(電波送信時刻の情報)を電波にのせて基準局20へ送信する。
【0018】
基準局20では、第1取得手段24が時刻基準局30からの電波を受信して時刻基準局30の位置情報と電波送信時刻を取得する。また、基準局20では、第2保持手段23が自局の高精度な位置情報を保持し、時刻同期手段22が時刻基準局30の位置情報、電波送信時刻、自局の位置情報を用いて時刻基準局30の時刻に同期させる。また、基準局20では、第2供給手段21が自局の位置情報及び時刻情報(電波送信時刻の情報)を電波にのせて移動局10へ送信する。
【0019】
時刻同期手段22による時刻同期は、具体的には以下のとおりである。第1取得手段24で取得した位置情報は3次元座標(緯度、経度、高度)で、時刻同期手段22は、取得した時刻基準局30の3次元座標と第2保持手段23の保持する自局の3次元座標から両局の距離を算出し、該距離と電波の速度から電波送信から電波受信までにかかった時間を求める。そして、時刻基準局30から取得した電波送信時刻に上記求めた時間を加算し、自局(基準局20)における時刻を算出する。これにより、時刻基準局30の高精度な時刻に基準局20の時刻を同期させることができる。
【0020】
移動局10では、第2取得手段12が基準局20からの電波を受信して基準局20の位置情報と電波送信時刻を取得し、位置算出手段11が基準局20の位置情報、電波送信時刻、及び移動局10の電波受信時刻の情報から自局の絶対位置の算出を行う。
【0021】
位置算出手段11による位置算出は、具体的には以下のとおりである。基準局20は4つ以上設置された局で、一定時間間隔ごとにそれぞれ自局の3次元座標及び電波送信時刻を含む電波を送信し、位置算出手段11は、取得した基準局20の3次元座標、電波送信時刻、自局(移動局10)の電波受信時刻から、基準局20と自局の距離関係を表した式と基準局20同士の距離関係を表した式を求める。そして、求めたこれらの関係式からなる連立方程式を解き、自局の3次元座標を算出する。これにより、移動局10の絶対位置として3次元座標を高精度に算出することができる。
【0022】
続いて、本実施形態の位置算出システムの具体的な適用例として、カーナビゲーションシステムについて説明する。
【0023】
図2は、本実施形態におけるカーナビゲーションシステムのシステム構成を示した図である。当該カーナビゲーションシステムは、カーナビゲーション装置100、基準局200、及び時刻基準局300から構成される。カーナビゲーション装置100は、車両に搭載され、本システムでナビゲーションを行うために必要な自車両の位置算出対象となるもので、制御部110、位置情報取得手段120、時計130、及びユーザインタフェース部140を有する。基準局200は、カーナビゲーション装置100に対して位置算出のための情報を含む電波を送信するもので、位置情報供給装置210、制御部220、位置情報保存装置230、時刻同期情報取得手段240、及び時計250を有する。時刻基準局300は、基準局200に対して時刻同期のための情報を含む電波を送信するもので、時計310、時刻同期情報供給手段320、位置情報保存装置330、及び制御部340を有する。
【0024】
カーナビゲーション装置100は図1の移動局10に対応し、制御部110は位置算出手段11に、位置情報取得手段120は第2取得手段にそれぞれ対応する。制御部110は、カーナビゲーション装置100全体の動作制御を行うとともに、基準局200からの電波受信で取得した情報に基づいて自機の位置算出を行う。位置情報取得手段120は、基準局200から送信される電波を受信して、電波に含まれる基準局200の3次元座標情報や電波送信時刻情報を位置算出のための情報として取得する。時計130は、基準局200から電波受信タイミングを相対的な電波受信時刻として計測する。ユーザインタフェース部140は、地図情報を表示装置に画面表示したり入力装置からユーザの入力を受け付けたりする。なお、実際にはユーザインタフェース部140は、地図表示画面や入力装置等として実現され、位置情報取得手段120は電波受信装置として実現される。
【0025】
基準局200は図1の基準局20に対応し、位置情報供給手段210は第2供給手段21に、制御部220は時刻同期手段22に、位置情報保存装置230は第2保持手段23に、時刻同期情報取得手段240は第1取得手段24にそれぞれ対応する。位置情報供給手段210は、カーナビゲーション装置100に対して、自局の3次元座標(緯度、経度、高度)及び電波送信時刻を含む電波を送信する。制御部220は、基準局200(ここでは各基準局)全体の動作制御を行うとともに、時刻基準局100からの電波受信で取得した情報に基づいて時刻基準局100と時刻同期を行う。また、制御部220は、あらかじめ行われたスケジューリングに従ったタイミングで電波を発信させる制御情報を位置情報供給手段210へ送出する。位置情報保存装置230は、自局の高精度な3次元座標を保持する。時刻同期情報取得手段240は、時刻基準局300から送信される電波を受信して、電波に含まれる時刻基準局300の3次元座標情報や電波送信時刻情報を時刻同期のための情報として取得する。時計250は、制御部220による時刻基準局300との時刻同期に基づいて電波を送信する時刻を計測する。なお、実際には位置情報供給手段210と時刻同期情報取得手段240は、それぞれ電波放送装置と電波受信装置として実現される。
【0026】
時刻基準局300は図1の時刻基準局30に対応し、時計310は時計手段31に、時刻同期情報供給手段320は第1供給手段32に、位置情報保存装置330は第1保持手段33にそれぞれ対応する。時計310は、自局の正確な時刻を保持し、電波を送信する時刻を計測する。時刻同期情報供給手段320は、基準局200に対して、自局の3次元座標(緯度、経度、高度)及び電波送信時刻を含む電波を送信する。位置情報保存装置330は、自局の高精度な3次元座標を保持する。制御部340は、時刻基準局300全体の動作制御を行う。なお、実際には時刻同期情報供給手段320は、電波送信装置として実現される。
【0027】
ところで、基準局200は、専用の装置を道路内若しくは道路の近くに配置してもよいし、信号機等の道路上若しくは道路外の設備に組み込んで配置してもよく、いずれにせよ地上に配置することが望ましい。また、時刻基準局300は、基準局200としての機能も持ち合わせているため、基準局200の役割を兼ねさせ、基準局200の1つとして構成してもよい。
【0028】
本実施形態におけるカーナビゲーションシステムで行われる時刻同期及び位置算出についてさらに詳細に説明する。
【0029】
図3は、該カーナビゲーションシステムでの時刻同期及び位置算出を説明するための図である。本システムでは、先に述べたように、基準局で時刻基準局との時刻同期が行われた後、カーナビゲーションシステムにおいて各基準局からの電波放送を受けて位置算出がなされる。例えば、基準局間で行われたスケジューリングにより、カーナビゲーション装置100への電波送信タイミングが、基準局a201、基準局b202、基準局c203、基準局d204の順であるとする。このとき、まず時刻同期を行うために、時刻基準局300は、基準局a201から基準局d204に自局の位置情報(3次元座標)と電波送信時刻情報とを電波にのせて送信する(矢印(1)〜(4))。この際の電波送信は同時でも順次でもよいが、所定間隔ごとに順次行う方が単一の周波数で送信でき、また送信側の時刻基準局300で簡易な送信制御を行うことができる。
【0030】
そして、基準局が時刻基準局との間で時刻同期を行い、各基準局間で同期がとられた同一の時刻を保持するようになった後に、基準局からのカーナビゲーション装置に対する電波送信が行われる。このとき、各基準局で単一の周波数を用いて電波を送信するために、それぞれの基準局が別々のタイミングで電波の送信を行う。すなわち、スケジューリングで定められた順序により電波送信が行われる。ここでは一定間隔ごとに電波を送信する例について述べるが、一定間隔でなく任意の異なる間隔で送信してもよく、いずれにせよ同時でなく電波送信タイミングが異なればよい。
【0031】
1番目に電波を放送する基準局として決められた基準局a201は、時刻(t1)で自局の3次元座標及び電波送信時刻を含む電波をカーナビゲーション装置100に送信する(矢印(5))。なお、t1は基準局a201で計測した時刻で、電波送信時刻となる。次いで、2番目の電波放送局として定められた基準局b202は、時刻t1から所定時間iの経過後、すなわち時刻(t1+i)に自局の3次元座標及び電波送信時刻を含む電波をカーナビゲーション装置100に送信する(矢印(6))。同様に、3番目の電波放送局である基準局c203が時刻(t1+i×2)に、4番目の電波放送局の基準局d204が時刻(t1+i×3)に自局の3次元座標及び電波送信時刻を含む電波を送信する(矢印(7)、矢印(8))。なお、上記の4つの基準局による電波送信は繰り返し(基準局a201〜基準局d204→基準局a201〜基準局d204→・・・)行われるものとする。
【0032】
図4は、基準局の電波送信時点とナビゲーション装置の電波受信時点の関係を説明するための図で、(a)では基準局の電波送信時点を基準に時間軸を表し、(b)ではナビゲーション装置の電波受信時点を基準に時間軸を表している。図4(a)を参照すると、基準局による電波放送は一定間隔iごとに行われており、基準局a201の送信時を時刻0としたとき、基準局b202は時刻(i)、基準局c203は時刻(i×2)、基準局d204は時刻(i×3)、基準局a201(2回目)は時刻(i×4)、・・・というように、それぞれ電波をしたことになる。なお、時刻(i)、時刻(i×2)等は相対時刻(基準局a201の送信時を時刻0とした場合の時刻)である。そして、カーナビゲーション装置100は各基準局からの電波を受信するが、それぞれの基準局との距離の違いから電波送信から電波受信までの時間が異なっている。
【0033】
他方、図4(b)を参照すると、基準局の電波送信時点を基準とした時間軸に加えて、カーナビゲーション装置の電波受信時点を基準とした時間軸が表されている。この電波受信時刻を基準とした時間軸では、カーナビゲーション装置100の最初の電波(基準局a201からの電波)の受信時点を時刻(t2)、続いて、基準局b202からの電波受信時点を時刻(t3)、基準局c203からの電波受信時点を時刻(t4)、基準局d204からの電波受信時点を時刻(t5)、基準局a201(2回目)からの電波受信時点を時刻(t6)、・・・というように、電波の受信時刻が時系列で表されている。なお、時刻(t2)、時刻(t3)等はカーナビゲーション装置100の時計130(図1)で計測した時刻である。
【0034】
そして、図4(b)に記載されているように、電波送信時刻(時刻(i)〜時刻(i×7))が一定間隔であるのに対して、電波受信時刻(時刻(t2)〜時刻(t9))の間隔は一定となっていない。時刻(t3)を例にとって説明すると、時刻(t3)は時刻(t2)に間隔iを加えたものより若干大きくなっており(t3>t2+i)、これは、カーナビゲーション装置100と基準局a201の距離と、カーナビゲーション装置100と基準局b202の距離が同一でなく、双方の距離の差が規則正しい受信間隔iからのぶれとして現れるからである。
【0035】
図5は、本カーナビゲーションシステムにおける位置算出に用いる関係式を説明するための図である。カーナビゲーション装置100の3次元座標、各基準局の3次元座標、カーナビゲーション装置100の電波受信時刻、電波の速度、各基準局の電波送信間隔、カーナビゲーション装置100と各基準局との距離を変数として用いて関係式を求める。これらの変数のうち、カーナビゲーション装置100の3次元座標、カーナビゲーション装置100と各基準局との距離が未知変数である。関係式としては、カーナビゲーション装置100と各基準局との距離をカーナビゲーション装置の座標と各基準局の座標で表した式(カーナビゲーション装置100と基準局との距離関係を表した式)と、カーナビゲーション装置100とそれぞれの基準局との距離の差を電波受信時刻、電波送信間隔、及び電波の速度で表した式(基準局同士の距離関係を表した式)の2種類の式を用いる。図5に示すように、関係式1から関係式4が前段の式であり、関係式5から関係式7が後段の式である。なお、関係式5から関係式7は、図4(b)の電波受信時刻を基準とした時間軸から導き出される。
【0036】
このように、カーナビゲーション装置100と基準局との距離関係を表した式と、基準局同士の距離関係を表した式とからなる連立方程式を解くことで、カーナビゲーション装置100で時刻同期を行うことなく位置情報(3次元座標)を求めることができる。
【0037】
次に、本実施形態におけるカーナビゲーションシステムで行われる時刻同期動作及び位置算出動作について説明する。
【0038】
図6は、本実施形態におけるカーナビゲーションシステムで行われる時刻同期動作の流れを示したフローチャートである。時刻同期動作は、上述したように、時刻基準局300と基準局200との間で行われる。
【0039】
まず、時刻基準局300において、任意のタイミングで時刻同期情報を基準局200に送るための電波放送を開始する(ステップS11)。なお、ここでは、電波放送の開始は、実際の電波送信ではなく電波にのせる情報の取得準備を意味する。次に、時刻基準局300は、位置情報保存装置330から自局の位置情報(緯度、経度、高度)を取得する(ステップS12)。続いて、時刻基準局300は、時計310を利用して時刻を取得する(ステップS12)。そして、時刻基準局300は、時刻同期情報供給手段320を利用して、位置情報保存装置330から取得した位置情報、時計310から取得した時刻、そして時刻基準局300からの電波であることを示す識別情報を電波で送信する(ステップS14)。
【0040】
次に、基準局200は、時刻同期情報取得手段240を利用して時刻基準局300からの電波を受信し、電波に含まれる時刻基準局300の位置情報(緯度、経度、高度)、電波送信時刻、及び識別情報を取得する(ステップS15)。続いて、基準局200は、取得した情報(時刻基準局300の位置情報、電波送信時刻)と、位置情報保存装置230に保存した自局の位置情報(緯度、経度、高度)とから、時刻基準局300と自局の距離を求め、その距離を電波が進むのに必要な時間を計算し、電波送信時刻に加算することにより電波受信時刻を得る(ステップS16)。そして、基準局200は、計算した受信時刻を、電波受信時点での自局の現在時刻として採用することにより、時刻基準局300との間で時刻を同期する(ステップS17)。
【0041】
図7は、本実施形態におけるカーナビゲーションシステムで行われる位置算出動作の流れを示したフローチャートである。位置算出動作は、上述したように、各基準局とカーナビゲーション装置100との間で行われる。なお、以下述べる基準局200は各基準局(図3の基準局a201から基準局d204)を指しており、それぞれの基準局において同様のフローに従った動作が行われる。
【0042】
まず、基準局200は、前回行われた電波放送(位置算出情報をカーナビゲーション装置100に送るための電波放送)から一定間隔が経過した後に位置情報送出のための電波放送を開始する(ステップS21)。なお、ここでは、電波放送の開始は、実際の電波送信ではなく電波にのせる情報の取得準備を意味する。次に、基準局200は、位置情報保存装置230から自局の位置情報(緯度、経度、高度)を取得する(ステップS22)。続いて、基準局200は、時計250を利用して時刻を取得する(ステップS23)。そして、基準局200は、位置情報供給手段210を利用して、位置情報保存装置230から取得した位置情報、時計250から取得した時刻、そして基準局200を一意に特定する識別情報を電波で送信する(ステップS24)。
【0043】
次に、カーナビゲーション装置100は、位置情報取得手段120を利用して基準局200からの電波を受信し、電波に含まれる基準局200の位置情報(緯度、経度、高度)、電波放送時刻、及び識別情報を取得する(ステップS25)。そして、カーナビゲーション装置100は、4つ以上の識別情報の異なる基準局200から電波を受信するまで、位置情報や電波放送時刻を取得するステップ(ステップS25)を繰り返す(ステップS26)。次に、カーナビゲーション装置100は、取得した情報(基準局200の位置情報、電波送信時刻)と、自機が電波を受信した時刻(相対時刻)とに基づいて、図5に示す関係式(連立方程式)を解くことにより、自機の位置情報(緯度、経度、高度)を計算する(ステップS27)。そして、カーナビゲーション装置100は、計算で得られた自機の位置情報(経度、経度、高度)を数値や地図表示等の形式でユーザインタフェース部にて表示する(ステップS28)。
【0044】
なお、位置情報供給手段210と位置情報取得手段120との間で電波にのせて送受信される情報は、基準局200の位置情報、電波送信時刻、識別情報だけに限られない。例えば、放送間隔を情報として含めることにより、放送間隔を可変とすることができる。また、利用用途に応じた付加情報、例えば交通情報や店舗案内情報等を含め、ユーザインタフェース部140で表示するように構成してもよい。
【0045】
なお、上述する実施形態は、本発明の好適な実施形態であり、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
【0046】
すなわち、上記した実施形態におけるカーナビゲーション装置や基準局等は、プログラムの命令によりコンピュータで実行される処理、手段、機能によって動作する。当該プログラムは、コンピュータの各構成要素に指令を送り、先に述べたような所定の処理や機能、例えば、基準局200の制御部220により、位置情報保存装置230で保持された自局の位置情報及び時計250で取得された電波送信時刻を位置情報供給手段210に電波で送信させるとともに、あらかじめスケジューリングされた順序、タイミングに従った電波送信を位置情報供給手段210に行わせる制御情報を送出させる処理を行う。また、例えば、カーナビゲーション装置100の制御部110により、位置情報取得手段120で取得した基準局200の位置情報、電波送信時刻、時計130で取得した電波受信時刻に基づいて、関係式(連立方程式)を求めてそれらの式を解いて自機の位置情報を算出する処理を行う。このように、上記実施形態における各処理や手段は、プログラムとコンピュータとが協働した具体的手段によって実現されるものである。
【0047】
そして、上記実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、すなわち記憶メディアを介して、例えばカーナビゲーション装置のコンピュータ(CPU)が記憶メディアに格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、本発明の目的は達成される。また、プログラムは、記録メディアを介さず、通信回線を通じて直接にコンピュータにロードし実行することもでき、これによっても同様に本発明の目的は達成される。
【0048】
この場合、記憶メディアから読み出された又は通信回線を通じてロードし実行されたプログラムコード自体が前述の実施形態の機能を実現することになる。そして、そのプログラムコードを記憶した記憶メディアは本発明を構成する。
【0049】
また、プログラムコードを供給するための記憶メディアとしては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、不揮発性のメモリカード、ROM、磁気テープ等を用いることができる。
【0050】
上述した実施形態における第1の効果は、基準局の時刻を高精度かつ比較的低コストで同期できることである。その理由は、基準局と、基準局の時刻の同期元となる時刻基準局とがどちらも地上に設置され、両局間で行われる電波の送信時刻及び受信時刻に基づいて時刻を同期するため、また、宇宙空間上に配置されたGPSで配慮が必要な相対論的効果を考慮した補正が不要なためである。
【0051】
また、上述した実施形態における第2の効果は、移動局側の設備を簡易にすることができることである。その理由は、各基準局が同期された時計の時刻をもとに一定間隔ごとに電波送信を行うので、1つの周波数しか利用しなくても混信する恐れがなく、移動局側で受信する必要のある電波の周波数が1つだけで済むためである。
【0052】
また、上述した実施形態における第3の効果は、移動局の位置情報(3次元座標)を算出するのに、移動局側において基準局との間で時刻を同期させる必要がないことである。その理由は、図5に示す関係式からわかるように、移動局は、基準局が電波を送信する間隔、各基準局からの放送をいつ受信したかの相対時刻(移動局が電波を受信した時刻)、そして各基準局から送信された3次元座標及び電波送信時刻のみわかっていれば、移動局の3次元座標を算出するのに十分で、放送を受信した絶対時刻を知る必要がないためである。
【0053】
また、上述した実施形態における第4の効果は、電波受信状態が悪い場所を少なくするために、基準局を多数設置するといったことが比較的容易にできることである。その理由は、衛星のような打ち上げ、維持にコストのかかり寿命が短い装置を基準局とするのではなく、地上に設置する比較的コストの低い装置を基準局とするためである。また、複数の基準局からの電波の送信を、同じタイミングとならないように各基準局からの電波の送信をスケジューリングするためである。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施形態に係る位置算出システムのシステム構成を示した図である。
【図2】本発明の実施形態に係る位置算出システムのシステム構成を示した図である。
【図3】本発明の実施形態に係る位置算出システムでの時刻同期及び位置算出を説明するための図である。
【図4】本発明の実施形態における基準局の電波送信時点と移動局(カーナビゲーション装置)の電波受信時点の関係を説明するための図である。
【図5】本発明の実施形態における位置算出に用いる関係式を説明するための図である。
【図6】本発明の実施形態における時刻同期動作の流れを示したフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態における位置算出動作の流れを示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0055】
10 移動局
11 位置算出手段
12 第2取得手段
20,200 基準局
21 第2供給手段
22 時刻同期手段
23 第2保持手段
24 第1取得手段
30,300 時刻基準局
31 時計手段
32 第1供給手段
33 第1保持手段
100 カーナビゲーション装置
110,220,340 制御部
120 位置情報取得手段
130,250,310 時計
140 ユーザインタフェース部
210 位置情報供給手段
230,330 位置情報保存装置
240 時刻同期情報取得手段
320 時刻同期情報供給手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自局の高精度な位置情報を保持する第1保持手段、時刻を高精度に計測する時計手段、基準局の時刻を同期するための時刻同期情報を供給する第1供給手段を有する時刻基準局と、
自局の高精度な位置情報を保持する第2保持手段、前記第1供給手段からの前記時刻同期情報を取得する第1取得手段、自局の時刻を前記時刻基準局の時刻に同期させる時刻同期手段、移動局の位置を算出するための位置算出情報を供給する第2供給手段を有する前記基準局と、
前記第2供給手段からの前記位置算出情報を取得する第2取得手段、自局の絶対位置を算出する位置算出手段を有する前記移動局と、から構成される位置算出システムであって、
前記時刻基準局は、前記第1供給手段により自局の位置情報及び供給時点の時刻を表す送信時刻情報を前記時刻同期情報として前記基準局へ供給し、前記基準局は、前記第1取得手段により取得した前記時刻基準局の前記位置情報及び前記送信時刻情報から、前記時刻同期手段により情報取得までかかった時間を求め前記送信時刻情報に加算して前記時刻基準局の時刻との同期を行い、
前記基準局は、前記第2供給手段により自局の位置情報及び供給時点の時刻を表す送信時刻情報を前記位置算出情報として前記移動局へ供給し、前記移動局は、前記第2取得手段により取得した前記基準局の前記位置情報及び前記送信時刻情報から、前記位置算出手段により、前記基準局と自局との距離関係を表した式及び前記基準局同士の距離関係を表した式を求めてこれらの式から自局の絶対位置を算出し、
前記基準局は、前記第2供給手段により前記位置情報及び前記送信時刻情報を前記移動局へ供給するに際し、それぞれの基準局が共通の単一周波数を用いて異なるタイミングで行うことを特徴とする位置算出システム。
【請求項2】
前記基準局は、あらかじめ基準局間で行われたスケジューリングに従って、それぞれの基準局が一定間隔ごとに決められたタイミングで前記第2供給手段による前記移動局へ供給を行うことを特徴とする請求項1に記載の位置算出システム。
【請求項3】
前記基準局は、それぞれの基準局が行う供給の間隔に関する情報である供給間隔情報を前記移動局へ供給する情報に含め、前記供給間隔情報に基づく任意のタイミングで前記第2供給手段による前記移動局へ供給を行うことを特徴とする請求項1に記載の位置算出システム。
【請求項4】
前記時刻基地局及び前記基準局は、地上に設置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の位置算出システム。
【請求項5】
前記時刻基地局は、前記基準局の1つとして機能することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の位置算出システム。
【請求項6】
自局の高精度な位置情報を保持し、時刻を高精度に計測する機能を有する時刻基準局と、自局の高精度な位置情報を保持し、前記時刻基準局からの時刻同期情報に基づいて自局の時刻を前記時刻基準局の時刻に同期させる機能を有する基準局とともに位置算出システムを構成する移動局であって、
前記基準局から供給される位置算出情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された位置算出情報に基づいて自局の絶対位置を算出する位置算出手段とを有し、
前記取得手段は、それぞれの前記基準局から共通の単一周波数を用いて異なるタイミングで供給された前記基準局の位置情報及び供給時点の時刻を表す送信時刻情報を取得し、
前記位置算出手段は、前記取得手段により取得された前記位置情報及び前記送信時刻情報から、前記基準局と自局との距離関係を表した式及び前記基準局同士の距離関係を表した式を求め、該求めた式から自局の絶対位置を算出することを特徴とする移動局。
【請求項7】
自局の高精度な位置情報を保持し、時刻を高精度に計測する機能を有する時刻基準局と、自局の高精度な位置情報を保持し、前記時刻基準局からの時刻同期情報に基づいて自局の時刻を前記時刻基準局の時刻に同期させる機能を有する基準局と、前記基準局からの位置算出情報に基づいて自局の絶対位置を算出する機能を有する移動局と、から構成される位置算出システムにおける位置算出方法であって、
前記時刻基準局において、自局の位置情報及び供給時点の時刻を表す送信時刻情報を前記時刻同期情報として前記基準局へ供給する第1供給ステップと、
前記基準局において、前記時刻基準局から供給された前記位置情報及び前記送信時刻情報から、情報取得までかかった時間を求めて前記送信時刻情報に加算し、前記時刻基準局の時刻との同期を行う時刻同期ステップと、
前記基準局において、自局の位置情報及び供給時点の時刻を表す送信時刻情報を、それぞれの基準局が共通の単一周波数を用いて異なるタイミングで、前記位置算出情報として前記移動局へ供給する第2供給ステップと、
前記移動局において、前記基準局から供給された前記位置情報及び前記送信時刻情報から、前記基準局と自局との距離関係を表した式及び前記基準局同士の距離関係を表した式を求め、これらの式から自局の絶対位置を算出する位置算出ステップと、
を有することを特徴とする位置算出方法。
【請求項8】
自局の高精度な位置情報を保持し、時刻を高精度に計測する時刻基準局と、自局の高精度な位置情報を保持し、前記時刻基準局からの時刻同期情報に基づいて自局の時刻を前記時刻基準局の時刻に同期させる基準局と、前記基準局からの位置算出情報に基づいて自局の絶対位置を算出する移動局と、から構成される位置算出システムにおけるプログラムであって、
自局の位置情報及び供給時点の時刻を表す送信時刻情報を前記時刻同期情報として前記基準局へ供給する第1供給機能を前記時刻基準局に実現させ、
前記時刻基準局から供給された前記位置情報及び前記送信時刻情報から、情報取得までかかった時間を求めて前記送信時刻情報に加算し、前記時刻基準局の時刻との同期を行う時刻同期機能を前記基準局に実現させ、
自局の位置情報及び供給時点の時刻を表す送信時刻情報を、それぞれの基準局が共通の単一周波数を用いて異なるタイミングで、前記位置算出情報として前記移動局へ供給する第2供給機能を前記基準局に実現させ、
前記基準局から供給された前記位置情報及び前記送信時刻情報から、前記基準局と自局との距離関係を表した式及び前記基準局同士の距離関係を表した式を求め、これらの式から自局の絶対位置を算出する位置算出機能を前記移動局に実現させることを特徴とするプログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のプログラムを記録しコンピュータ読み取り可能なことを特徴とする記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−63539(P2009−63539A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−233871(P2007−233871)
【出願日】平成19年9月10日(2007.9.10)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】