説明

低イソシアネートモノマー含量の、イソシアネート及びアルジミン基含有化合物

本発明は式(I)のイソシアネート及びアルジミン基含有化合物VB、それらの組成物、及びそれらの使用に関する。この湿気架橋性ポリウレタン組成物は、驚くほど低いイソシアネートモノマーの含量によって特徴づけられ、それによってホットメルト接着剤として特に安定である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルジミンの分野及び湿気架橋性ポリウレタンの分野、及びそれらの使用、特にジイソシアネートモノマーが低含有量である反応性ホットメルト接着剤としての使用に関する。
【背景技術】
【0002】
アルジミンはアミンとアルデヒドとの縮合生成物であり、かねてから公知の物質群を構成している。水と接触すると、アルジミンはそれに対応するアミンとアルデヒドに加水分解されることができるが、それらは水の不存在下では安定である。この性質によって、それらはアミノの結合又は保護された形態として用いることができる。たとえば、アルジミンはポリウレタン化学で用いられ、それらは、イソシアネート含有ポリウレタンポリマーのための湿気活性化可能な架橋剤、いわゆる「潜在性アミン」又は「潜在性硬化剤」として働く。湿気硬化性イソシアネート含有システム中での潜在性硬化剤としてのアルジミンの使用は、以下の2つの利点がある。第一に、硬化したポリマー中での望ましくない気泡の形成が避けられ、なぜなら、硬化は潜在性アミンを介して(イソシアネートと湿気との直接反応とは対照的に)二酸化炭素(CO)の放出なしに進むからである。第二に、より速い硬化速度が達成できるからである。しかし、それらの使用には困難もある。例えば、イソシアネートが一緒にあるときの特定のアルジミンの貯蔵安定性は不十分でありえる。さらには、このシステムは硬化に相対的に多い量の水を必要とし、硬化時に放出されたアルデヒドが望ましくない臭気を引き起こすおそれがある。
【0003】
米国特許第4,469,831号明細書、同4,853,454号明細書、同5,087,661号明細書、及び国際公開第2004/13200号パンフレットは、ポリアルジミンを含む湿気硬化性ポリウレタン組成物を開示しており、これは良好な貯蔵安定性をもっており、国際公開第2004/13200号パンフレットによるシステムはさらに、臭気なしに硬化する。
【0004】
加えて、ポリアルジミン及びポリイソシアネートに代えて、イソシアネート基とアルジミノ基の両方をもつ化合物を用いる試みがある。そのような化合物は水分と接触して自己硬化し、ポリアルジミンを用いたポリイソシアネートの硬化の場合よりも著しく少ない水しか硬化のために必要としない。例えば、米国特許第6,136,942号明細書は、イソシアネート基とアルジミノ基の両方をもつポリウレタンポリマーを記載しており、これはイソシアネート基を有するポリマーと、二級アミノ基の形態の活性水素を追加して有するモノアルジミンとの反応から得られる。しかし、この目的に使用可能なモノアルジミンは入手することが困難であり、このことが配合の自由度を大きく制限している。さらに、これらの化合物は硬化した形態での耐光性に問題がある。
【0005】
イソシアネート基を有するポリウレタンポリマーを用いる場合のさらなる困難性は、ジイソシアネートモノマーの問題である。ジイソシアネートオリゴマーを与える、もしくはその調製における、ポリオールとジイソシアネートとの反応においては、可能な反応生成物のランダムな分布により、ある残存量の未転化ジイソシアネートモノマーが、形成されたポリマー中に残る。これらのジイソシアネートモノマー(短縮して「イソシアネートモノマー」ともいう)は揮発性化合物であり、その刺激作用、アレルギー作用、及び/又は毒性作用によって有害であるおそれがある。したがってそれらは多くの用途で望ましくない。このことは特にスプレー用途及び熱い間に加工される組成物、例えばホットメルト接着剤について事実である。
【0006】
イソシアネート基を有するポリウレタンポリマー中のジイソシアネートモノマーの割合を低下させる様々な方法が記載されている。例えば、ジイソシアネートモノマーは、例えば抽出又は蒸留によって、イソシアネート基を有するポリウレタンポリマーから部分的に又は完全に後で除去することができるが、これは不便であり、従ってコストがかかる。イソシアネート基含有ポリウレタンポリマーの調製における低いNCO/OH比は、低いイソシアネートモノマー含量を直接もたらすが、このような方法で調製したポリマーは、オリゴマー化反応(「鎖延長」)によって、増大した粘度をもち、したがって、通常は加工することがさらに困難であり、より低い貯蔵安定性をもつ。異なる反応性の2つのイソシアネート基をもつ非対称ジイソシアネートの使用は、同様に、例えば、国際公開第03/006521号パンフレットに記載されているように、ジイソシアネートモノマーの低含有量へと直接導く。しかし、このようにして得られるイソシアネート基含有ポリウレタンポリマーは、通常は、遅い架橋性をもち、なぜなら、原理的には2つのイソシアネート基のうちの低い反応性のものしか架橋反応に利用できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第4,469,831号明細書
【特許文献2】米国特許第4,853,454号明細書
【特許文献3】米国特許第5,087,661号明細書
【特許文献4】国際公開第2004/13200号パンフレット
【特許文献5】国際公開第2004/13200号パンフレット
【特許文献6】米国特許第6,136,942号明細書
【特許文献7】国際公開第03/006521号パンフレット
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Houben-Weyl, “Methoden der organischen Chemie”, vol. VIII, 第516-528頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
[本発明のまとめ]
したがって、本発明の目的は、従来技術の欠点を克服するイソシアネートシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、驚くべきことに、請求項1に記載したイソシアネート基及びアルジミノ基を有する化合物によって達成できる。
【0011】
本発明の第一の側面に関連するこの化合物は容易に調製でき、水の不存在下で貯蔵安定性である。選択された態様(式(I)でu≧v)は湿気の影響下で自己硬化性である。
【0012】
本発明のさらなる側面は、請求項11に記載したとおり、上記化合物を調製する方法と、請求項14に記載した組成物に関し、これは上記化合物と並んで少なくとも1種のポリマーPを含む。
【0013】
本発明のさらなる側面は、請求項20に記載した硬化した組成物、請求項21に記載した接着剤としての組成物の使用、請求項22に記載した接着結合方法、及び請求項25に記載した、それによって形成された物品に関する。
【0014】
これらの組成物は貯蔵でき、低い含有量のジイソシアネートモノマーしか含まず、水分によって且つ気泡の形成なしに急速に架橋する。アルジミノ基を有する化合物は、非対称ジアルジミン及び水との、ポリイソシアネートの部分反応から得られる。好ましい態様では、上記組成物には、ジイソシアネートモノマーの低い含有量を有する反応性湿気架橋性ホットメルト接着剤が含まれる。
【0015】
さらなる側面では、本発明は、請求項27に記載した、ジイソシアネートモノマーの含有量を低減する方法に関する。この方法は、洗練されたやり方で、ポリウレタン化学における非常に大きな問題、特に、望ましくないジイソシアネートモノマー部分の存在を、安価に且つ有効に解決することを可能にし、そのモノマーが単に激減されるのではなくむしろ有用なやり方で組み込まれるという利点を伴う。
【0016】
本発明の特に好ましい態様は、従属請求項の主題である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[本発明の実施の方法]
本発明の第一の側面では、本発明は、イソシアネート基及びアルジミノ基を有する式(I)の化合物VBを提供する。
【0018】
【化1】

【0019】
この式中、Qは(u+v)個の末端イソシアネート基を有するポリイソシアネートから全てのイソシアネート基を取り除いた後の基である。さらに、uは1又は2であり、vは1又は2である。
【0020】
Yは下記式(Ia)又は(Ib)の基である。
【0021】
【化2】

【0022】
これらの式中、Y及びYは、
それぞれ独立に1〜12の炭素原子を有する一価炭化水素基であるか、又は
一緒になって、5〜8、好ましくは6の炭素原子を有し任意選択で置換されていてもよい炭素環の一部分であり且つ4〜20の炭素原子を有する二価の炭化水素基であるか、
のいずれかであり、
は、任意選択で少なくとも1つのヘテロ原子、特にエーテル、カルボニル、又はエステル基の形態の酸素を有していてもよい一価炭化水素基である。
は、5〜8、好ましくは6原子の環サイズを有する置換もしくは非置換のアリールもしくはヘテロアリール基であるか、又は
【化3】

(式中、Rは水素原子又はアルコキシ基である)
であるか、又は
少なくとも6の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルケニルもしくはアリールアルケニル基である。
【0023】
最後に、Xは、2つの一級アミノ基をもつジアミンDAからその2つのアミノ基を取り除いた後の基である。
しかし、ここで、ジアミンDAの2つの一級アミノ基のうちの少なくとも1つが脂肪族アミノ基であり、且つジアミンDAのその2つの一級アミノ基が、
・その特定のアミノ基のα位の炭素原子(Cα)上の水素原子の数が少なくとも1つ互いに異なるか、又は、
・その特定のアミノ基のβ位の炭素原子(Cβ)上の水素原子の数が少なくとも2つ互いに異なる、
という条件が適用される。
【0024】
本明細書中、「ポリ」で始まる物質名、例えば、ポリイソシアネート、ポリアミン、ポリオール、又はポリアルジミンは、式上の意味で、1分子当たり、それらの名称中にある官能基を2つ以上含む物質を意味する。
【0025】
本明細書中、「一級アミノ基」の用語は、有機基に結合したNH基を意味し、一方、「二級アミノ基」の用語は、2つの有機基(これは一緒になって、環の一部となっていてもよい)に結合したNH基を意味する。
【0026】
本明細書中、「脂肪族アミノ基」とは、脂肪族、脂環式、又は芳香脂肪族(arylaliphatic)基に結合したアミノ基を意味する。したがって、それは、「芳香族アミノ基」とは異なり、芳香族アミノ基は、例えば、アニリン又は2-アミノピリジンにおけるように、芳香族又はヘテロ芳香族基に直接結合している。
【0027】
本明細書中、用語「ポリマー」は第一に、化学的には均一であるが、重合度、分子量、及び鎖長に関して異なり、多反応(重合、重付加、重縮合)によって調製される高分子の集合体を包含する。この用語は、第二に、多反応による高分子のそのような集合体の誘導体、すなわち、任意の高分子上での官能基の反応(例えば付加又は置換)によって得られ、且つ化学的に均一又は化学的に不均一であってよい化合物を包含する。この用語は、プレポリマーとして知られるもの、すなわち、反応性のオリゴマー性予備付加体であって、その官能基が高分子の形成に関与するものもさらに含む。
【0028】
用語「ポリウレタンポリマー」は、ジイソシアネート重付加法として公知のものによって調製された全てのポリマーを包含する。これは、ウレタン基が実質的に又は全く存在しないポリマーも含む。ポリウレタンポリマーの例は、ポリエーテルポリウレタン、ポリエステルポリウレタン、ポリエーテルポリウレア、ポリウレア、ポリエステルポリウレア、ポリイソシアヌレート、及びポリカルボジイミドである。
【0029】
本明細書中の式中の点線は、それぞれ、置換基と、対応する分子残基との間の結合を表す。
【0030】
「室温」は25℃の温度を意味する。
【0031】
Yは、式(Ia)の基であることが好ましい。
【0032】
及びYはそれぞれメチル基であることが好ましい。
【0033】
は、一価炭化水素基であり、これは、任意選択で少なくとも1つのヘテロ原子、特に、エーテル、カルボニル、又はエステル基の形態の酸素を有していてもよい。
【0034】
第一に、Yは、分岐状又は非分岐状のアルキル、シクロアルキル、アルキレン、又はシクロアルキレン基であることができ、これらは任意選択で少なくとも1つのヘテロ原子、特にエーテル酸素を有していてもよい。
【0035】
第二に、Yは、特に、置換又は非置換のアリール又はアリールアルキル基であることができる。
【0036】
加えて、Yは、特に、式O-R又は、
【化4】

(式中、Rは、アリール、アリールアルキル、又はアルキル基であり、各場合に置換又は非置換である)
の基であってよい。
【0037】
は下記式(II)又は(III)であることが好ましい。
【0038】
【化5】

【0039】
式中、Rは、水素原子、又はアルキルもしくはアリールアルキル基、特に1〜12の炭素原子を有するものであり、好ましくは水素原子であり;
は、1〜30、特に11〜30の炭素原子を有し、且つ任意選択でヘテロ原子を含んでいてもよい炭化水素基であり;
は、水素原子であるか、又は
1〜30、特に11〜30の炭素原子を有し、任意選択で環状部分をもっていてもよく、且つ任意選択で少なくとも1つのヘテロ原子をもっていてもよい、直鎖状又は分岐状のアルキル基であるか、又は
5〜30の炭素原子を有する、一又は多不飽和の、直鎖状又は分岐状の炭化水素基であるか、又は
任意選択で置換されていてもよい、芳香族又はヘテロ芳香族の5又は6員環、
である。
【0040】
は、より好ましくは式(III)の基である。
【0041】
u+vの合計は、2又は3の値であることが好ましい。
【0042】
イソシアネート基及びアルジミノ基を有する式(I)の化合物VBは、式(IVa)又は式(IVb)の少なくとも1種のジアルジミンAを、式(V)の少なくとも1種のポリイソシアネートと、化学量論量未満の水の存在下で反応させる方法によって得ることができる。
【0043】
【化6】

【0044】
式(IVa)、(IVb)、及び(V)中、X、Y、Y、Y、Y、u、v、及びQは、それぞれ既に定義したとおりである。
【0045】
式(IVa)又は(IVb)のジアルジミンAは、式(VI)のジアミンDAと式(VIIa)又は(VIIb)のアルデヒドALDとの間の、水の脱離を伴う縮合反応によって得られる。式(VIIa)又は(VIIb)のアルデヒドALDは、ジアミンDAのアミノ基に対して化学量論量又は化学量論的過剰量で用いられる。
【0046】
【化7】

【0047】
式(VI)、(VIIa)、及び(VIIb)中、X、Y、Y、Y、及びYは、それぞれ既に定義したとおりである。
【0048】
本発明にとっては、ジアミンDAの2つの一級アミノ基が、その所定のアミノ基に対してα位(=1位)にある炭素原子(Cα)上の水素原子の数が少なくとも1つ互いに異なるか、あるいはその所定のアミノ基に対してβ位(=2位)にある炭素原子(Cβ)上の水素原子の数が少なくとも2つ互いに異なることが必須である。
【0049】
【化8】

【0050】
ジアミンDAは、したがって、その所定のアミノ基に対するα位炭素原子上及びβ炭素原子上で、様々な置換パターンを有する。そのような様々な置換パターンをもつジアミン、又はそれらから誘導されたジアルジミンは、本明細書中で「非対称」ともいう。この様々な置換は、その2つの一級アミノ基の異なる反応性、特にイソシアネート基に対する異なる反応性、をもたらす。
【0051】
一つの態様では、したがって、ジアミンDAは、その一級アミノ基に対するα位にある炭素原子上の置換パターンが異なる。
【0052】
そのようなジアミンDAは、例えば、1,2-プロパンジアミン、2-メチル-1,2-プロパンジアミン、1,3-ブタンジアミン、1,3-ジアミノペンタン(DAMP)、4-アミノエチルアニリン、4-アミノメチルアニリン、4-[(4-アミノシクロヘキシル)メチル]アニリン、2-アミノエチルアニリン、2-アミノメチルアニリン、2-[(4-アミノシクロヘキシル)メチル]アニリン、及び4-[(2-アミノシクロヘキシル)メチル]アニリンである。
【0053】
別な態様では、ジアミンDAは、したがって、その一級アミノ基に対するβ位にある炭素原子上の置換パターンが異なる。
【0054】
そのようなジアミンDAは、例えば、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン(TMD)、1,5-ジアミノ-2-ブチル-2-エチルペンタン、1-アミノ-3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン(=イソホロンジアミン=IPDA)、及び1,4-ジアミノ-2,2,6-トリメチルシクロヘキサン(TMCDA)である。
【0055】
上記ジアミンDAは2つの一級アミノ基を有し、そのうちの少なくとも1つが脂肪族である。第二のアミノ基は、脂肪族又は芳香族アミノ基であってよい。
【0056】
式(VI)のジアミンDAであると考えられないものは、アミノ基(複数)がその特定のアミノ基のβ位の炭素原子(Cβ)上で単に1つの水素原子しか互いに違わないジアミン類である。ジアミンDAではないそのようなジアミンの一例は、2-メチルペンタメチレンジアミン(= 1,5-ジアミノ-2-メチルペンタン = MPMD)である。同様に、式(VI)のジアミンDAであると考えられないものは、そのアミノ基が、その特定アミノ基のγ及びδ位の炭素原子(Cγ及びCδ)上の水素原子の数だけが違いに異なるジアミンである。全てのこれら場合には、ジアミン上の異なる置換パターンは、特にイソシアネート基に対するアミノ基の反応性に対して、たとえあったとしてもわずかな違いしかもたらさない。
【0057】
式(VI)のジアミンDAは、1,3-ジアミノペンタン(DAMP)、1,5-ジアミノ-2-ブチル-2-エチルペンタン、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン(TMD)、及び1-アミノ-3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン(= イソホロンジアミン = IPDA)からなる群から選択されることが好ましい。
【0058】
式(VI)のジアミンDAは2つの一級アミノ基を有する。これら2つのアミノ基とは別に、ジアミンDAはイソシアネート基と反応性の基をもたない。より特に、それらは、ヒドロキシル基、二級アミノ基、及びメルカプト基をもたない。
【0059】
式(IVa)又は(IVb)のジアルジミンAを調製するために、式(VIIa)又は(VIIb)のアルデヒドALDを用いる。アルデヒドALDはそのY、Y、Y、及びY基が、イソシアネート基と反応であるいかなる基ももたない。より特に、Y、Y、Y、及びYは、ヒドロキシル基、一級又は二級アミノ基、及びメルカプト基を全くもたないという性質を有する。
【0060】
式(IVa)のジアルジミンAを調製するためには、式(VIIa)の適切なアルデヒドALDは、Y、Y、及びYがそれぞれ既に定義されたアルデヒドである。
【0061】
【化9】

【0062】
式(VIIa)のアルデヒドALDは、三級脂肪族又は三級脂環式アルデヒドである。式(VIIa)の好適なアルデヒドALDは、例えば、ピバルアルデヒド(= 2,2-ジメチルプロパナール)、2,2-ジメチルブタナール、2,2-ジエチルブタナール、1-メチルシクロペンタンカルボキサルデヒド、1-メチルシクロヘキサンカルボキサルデヒド;2-ヒドロキシ-2-メチルプロパナールとアルコール類、例えば、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、及び2-エチルヘキサノールとから形成されたエーテル類;2-ホルミル-2-メチルプロピオン酸又は3-ホルミル-3-メチル酪酸とアルコール類、例えば、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、及び2-エチルヘキサノールとから形成されたエステル類;2-ヒドロキシ-2-メチルプロパナールとカルボン酸類、例えば、酪酸、イソ酪酸、及び2-エチルヘキサン酸とから形成されたエステル類;並びに、以下で特に好適として記載した、2,2-ジ置換の3-ヒドロキシプロパナール類、3-ヒドロキシブタナール類、又はそれらと類似の高級アルデヒド、特に、2,2-ジメチル-3-ヒドロキシプロパナールの、エーテル類及びエステル類、である。
【0063】
式(VIIa)の特に好適なアルデヒドALDは、第一に、式(VIII)のアルデヒドALD1、すなわち、式(II)のY基をもつ式(VIIa)のアルデヒドALDである。
【0064】
【化10】

【0065】
式(VIII)中、Y、Y、R、及びRはそれぞれ既に定義したとおりである。
【0066】
式(VIII)中、Y及びYはそれぞれメチル基であることが好ましく、Rは水素原子であることが好ましい。
【0067】
式(VIII)のアルデヒドALD1は、脂肪族、脂環式、又は芳香脂肪族(arylaliphatic)の2,2-ジ置換3-ヒドロキシアルデヒド類と、式R-OHのアルコール類又はフェノール類、例えば、脂肪アルコール類又はフェノールとのエーテル類である。次に、好適な2,2-ジ置換3-ヒドロキシアルデヒド類は、一級又は二級脂肪族アルデヒド、特にホルムアルデヒドと、二級脂肪族、二級脂環式、又は二級芳香脂肪族アルデヒド、例えば、イソブチルアルデヒド、2-メチルブチルアルデヒド、2-エチルブチルアルデヒド、2-メチルバレルアルデヒド、2-エチルカプロンアルデヒド、シクロペンタンカルボキサルデヒド、シクロヘキサンカルボキサルデヒド、1,2,3,6-テトラヒドロベンズアルデヒド、2-メチル-3-フェニルプロピオンアルデヒド、2-フェニルプロピオンアルデヒド(ヒドラトロープアルデヒド)、又はジフェニルアセトアルデヒド、との間のアルドール反応、特に、交差アルドール反応によって得ることができる。
【0068】
式(VIII)のそのようなアルデヒドALD1の例は、2,2-ジメチル-3-フェノキシプロパナール、3-シクロヘキシルオキシ-2,2-ジメチルプロパナール、2,2-ジメチル-3-(2-エチルヘキシルオキシ)プロパナール、2,2-ジメチル-3-ラウロキシプロパナール、及び2,2-ジメチル-3-ステアロキシプロパナールである。
【0069】
式(VIIa)の特に好適なアルデヒドALDは、式(IX)の二級アルデヒドALD2、すなわち、式(III)のY基をもつ式(VIIa)のアルデヒドALDである。
【0070】
【化11】

【0071】
式(IX)中、Y、Y、R、及びRはそれぞれ既に定義したとおりである。
【0072】
式(IX)中、Y及びYはそれぞれメチル基であることが好ましく、Rは水素原子であることが好ましい。
【0073】
式(IX)のアルデヒドALD2は、既に説明した2,2-ジ置換3-ヒドロキシアルデヒド、例えば、2,2-ジメチル-3-ヒドロキシプロパナール、2-ヒドロキシメチル-2-メチルブタナール、2-ヒドロキシメチル-2-エチルブタナール、2-ヒドロキシメチル-2-メチルペンタナール、2-ヒドロキシメチル-2-エチルヘキサナール、1-ヒドロキシメチルシクロペンタンカルボキサルデヒド、1-ヒドロキシメチルシクロヘキサンカルボキサルデヒド、1-ヒドロキシメチルシクロヘキサ-3-エンカルボキサルデヒド、2-ヒドロキシメチル-2-メチル-3-フェニルプロパナール、3-ヒドロキシ-2-メチル-2-フェニルプロパナール、及び3-ヒドロキシ-2,2-ジフェニルプロパナールと、好適なカルボン酸とのエステルである。
【0074】
好適なカルボン酸の例は、第一に、脂肪族カルボン酸、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、2-エチルカプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキジン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エルカ酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、アラキドン酸、天然油脂(例えば、なたね油、ヒマワリ油、亜麻仁油、オリーブ油、ココナツ油、アブラヤシ核油、及びアブラヤシ油)の工業的鹸化による脂肪酸、及びまたそのような酸を含む脂肪酸の工業的混合物である。好適なカルボン酸は、第二に、芳香族カルボン酸であり、例えば、安息香酸、又はトルイル酸類の位置異性体類、エチル-又はイソプロピル-又はtert-ブチル-又はメトキシ-又はニトロ-安息香酸類の位置異性体類である。
【0075】
式(IX)の好ましいアルデヒドALD2は、3-ベンゾイルオキシ-2,2-ジメチルプロパナール、3-シクロヘキサノイルオキシ-2,2-ジメチルプロパナール、2,2-ジメチル-3-(2-エチルヘキシルオキシ)プロパナール、2,2-ジメチル-3-ラウロイルオキシプロパナール、2,2-ジメチル-3-ミリストイルオキシプロパナール、2,2-ジメチル-3-パルミトイルオキシプロパナール、2,2-ジメチル-3-ステアロイルオキシプロパナール、及びその他の2,2-ジ置換3-ヒドロキシアルデヒド類の類似のエステル類である。
【0076】
特に好ましい態様では、Rは、フェニル、シクロヘキシル、及びC11-、C13-、C15-、及びC17-アルキル基からなる群から選択される。
【0077】
式(IX)の特に好ましいアルデヒドALD2は、2,2-ジメチル-3-ラウロイルオキシプロパナールである。
【0078】
式(IX)のアルデヒドALD2の好ましい調製方法では、2,2-ジ置換3-ヒドロキシアルデヒド(例えばホルムアルデヒド(又はパラホルムアルデヒド)とイソブチルアルデヒドとから好適な場合にはその場で調製できる、例えば2,2-ジメチル-3-ヒドロキシプロパナール)を、カルボン酸と反応させて対応するエステルを得る。このエステル化は、例えば、Houben-Weyl, “Methoden der organischen Chemie”, vol. VIII, 第516-528頁に記載されている公知の方法によって溶媒を用いることなく行うことができる。
【0079】
特に好ましい態様では、式(VIIa)のアルデヒドALDは無臭である。無臭の物質とは、ほとんどの人に臭うことがない、すなわち、鼻で知覚できないほど低い臭気しかもたない物質を意味する。
【0080】
式(VIIa)の無臭のアルデヒドALDは、第一に、特に、R基が、11〜30の炭素原子を有し且つ任意選択によりヘテロ原子を含んでいてもよい炭化水素基である式(VIII)のアルデヒドALD1である。
【0081】
第二に、式(VIIa)の無臭のアルデヒドALDは、R基が、11〜30の炭素原子を有し、任意選択で環状部分を有していてもよく、且つ任意選択で少なくとも1つのヘテロ原子を有してもよい、特に少なくとも1つのエーテル酸素を有していてもよい、直鎖状又は分枝状のアルキル鎖であるか、あるいは、11〜30の炭素原子を有するモノ不飽和(一不飽和)又はポリ不飽和(多不飽和)の、直鎖状又は分枝状の炭化水素鎖である式(IX)のアルデヒドALD2である。
【0082】
式(IX)の無臭アルデヒドALD2の例は、既に述べた2,2-ジ置換3-ヒドロキシアルデヒド類と、カルボン酸〔例えば、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキジン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エルカ酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、アラキドン酸、天然油脂(例えば、なたね油、ヒマワリ油、亜麻仁油、オリーブ油、ココナツ油、アブラヤシ核油、及びアブラヤシ油)の工業的鹸化による脂肪酸、及びまたこれらの酸を含む脂肪酸の工業グレードの混合物〕とのエステル化生成物である。式(IX)の好ましいアルデヒドは、2,2-ジメチル-3-ラウロイルオキシプロパナール、2,2-ジメチル-3-ミリストイルオキシプロパナール、2,2-ジメチル-3-パルミトイルオキシプロパナール、及び2,2-ジメチル-3-ステアロイルオキシプロパナールである。2,2-ジメチル-3-ラウロイルオキシプロパナールが特に好ましい。
【0083】
式(IVb)のアルジミンAの調製のためには、式(VIIb)のアルデヒドALDが好適である。
【0084】
【化12】

【0085】
式(VIIb)の好適なアルデヒドALDは、芳香族アルデヒド、例えば、ベンズアルデヒド、2-及び3-及び4-トルアルデヒド、4-エチル-及び4-プロピル-及び4-イソプロピル-及び4-ブチルベンズアルデヒド、2,4-ジメチルベンズアルデヒド、2,4,5-トリメチルベンズアルデヒド、4-アセトキシベンズアルデヒド、4-アニスアルデヒド、4-エトキシベンズアルデヒド、ジ-及びトリアルコキシベンズアルデヒドの異性体類、2-, 3-, 及び4-ニトロベンズアルデヒド、2-及び3-及び4-ホルミルピリジン、2-フルフルアルデヒド、2-チオフェンカルバルデヒド、1-及び2-ナフチルアルデヒド、3-及び4-フェニルオキシベンズアルデヒド;キノリン-2-カルバルデヒド及びその3,4,5,6,7及び8位異性体、並びにアントラセン-9-カルバルデヒドである。
【0086】
式(VIIb)の好適なアルデヒドALDは、加えて、グリオキサール、グリオキサル酸エステル、例えば、メチルグリオキサレート、桂皮アルデヒド及び置換桂皮アルデヒド類である。
【0087】
脂肪族アルジミノ基をもつ式(IVa)のジアルジミンA、及び芳香族アルジミノ基をもつ式(IVb)のアルジミンAは、それらのアルジミノ基はエナミノ基に互変異性できないという性質を有し、なぜなら、それらはそのアルジミノ基の炭素原子のα位に水素を持たないからである。
【0088】
上述した特に好ましい態様の無臭アルデヒドから進めて調製されたジアルジミンAは無臭である。そのような無臭のジアルジミンAは、ポリイソシアネートとの反応に特に好ましく、なぜなら、無臭の化合物VBはこのようにして得られるからである。
【0089】
好ましいジアルジミンAは式(IVa)を有するものである。
【0090】
好ましい態様では、少なくとも1種のジアルジミンAとの反応に適している式(V)のポリイソシアネートは、イソシアネート基を有するポリウレタンポリマーPUPである。
【0091】
イソシアネート基を有する好適なポリウレタンポリマーPUPは、少なくとも1種のポリオールと少なくとも1種のポリイソシアネートとの反応によって得られる。
【0092】
ポリウレタンポリマーPUPの調製のために用いるポリオールは、例えば、下記の市販されているポリオール又はそれらの混合物であることができる:
【0093】
- ポリエーテルポリオール、これはポリオキシアルキレンポリオール又はオリゴエーテロールとしても知られ、これらは、2つ以上の活性水素原子を有する開始剤分子(例えば、水、アンモニア、又は複数のOH又はNH基を有する化合物、例えば、1,2-エタンジオール、1,2-及び1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコールの異性体類及びトリプロピレングリコールの異性体類、ブタンジオールの異性体類、ペンタンジオールの異性体類、ヘキサンジオールの異性体類、ヘプタンジオールの異性体類、オクタンジオールの異性体類、ノナンジオールの異性体類、デカンジオールの異性体類、ウンデカンジオールの異性体類、1,3-及び1,4-シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA、1,1,1-トリメチロールエタン、1,1,1-トリメチロールプロパン、グリセロール、アニリン、及びこれらの化合物の混合物)を場合により用いた、エチレンオキシド、1,2-プロピレンオキシド、1,2-又は2,3-ブチレンオキシド、オキセタン、テトラヒドロフラン、又はこれらの混合物の重合生成物である。例えば、ダブル金属シアン化物錯体触媒(DMC触媒)を用いて調製した低不飽和度(ASTM D−2849−69に準拠して測定し、ポリオール1g当たりの不飽和度のミリ当量(meq/g)で表される)を有するポリオキシアルキレンポリオールばかりでなく、例えばアニオン触媒、例えば、NaOH、KOH、CsOH、又はアルカリ金属アルコキシドを用いて調製した、より高い不飽和度を有するポリオキシアルキレンポリオールを用いることもできる。
【0094】
特に好適なポリエーテルポリオールは、ポリオキシアルキレンジオール及びトリオール、特に、ポリオキシアルキレンジオールである。特に好適なポリオキシアルキレンジオール及びトリオールは、ポリオキシエチレンジオール及びトリオール、並びに、ポリオキシプロピレンジオール及びトリオールである。
【0095】
特に好適なポリオキシプロピレンジオール及びトリオールは、0.02meq/g未満の不飽和度、及び1000〜30000g/モルの範囲の分子量を有するもの、及びまた、400〜8000g/モルの分子量を有するポリオキシプロピレンジオール及びトリオールである。本明細書において、「分子量」又は「モル質量」は、常に平均分子量Mを意味することが理解される。特に好適なものは、0.02meq/g未満の不飽和度と、1000〜12000、特に1000〜8000g/モルの範囲の分子量を有するポリオキシプロピレンジオールである。そのようなポリエーテルポリオールは、例えば、商品名Acclaim(登録商標)としてBayer社から販売されている。
【0096】
同様に、特に好適なものは、いわゆる「EO末端キャップ」(エチレンオキシド末端キャップ)したポリオキシプロピレンジオール及びトリオールである。これは、例えば、純粋なポリオキシプロピレンポリオールを、ポリプロポキシル化の終了時にエチレンオキシドを用いてアルコキシル化することによって得られ、且つ結果として一級ヒドロキシル基を有する。
【0097】
- スチレン-アクリロニトリル-グラフト化又はアクリロニトリル-メチルメタクリレート-グラフト化ポリエーテルポリオール。
【0098】
- ポリエステルポリオール。これはオリゴエステロールとしても知られ、公知の方法、特に、ヒドロキシカルボン酸の重縮合、又は脂肪族及び/又は芳香族ポリカルボン酸と2価又は多価アルコールとの重縮合によって調製される。
【0099】
特に好適なポリエスエルポリオールは、2価又は3価、特に3価アルコール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,10-デカンジオール、1,12-ドデカンジオール、1,12-ヒドロキシステアリルアルコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ダイマー脂肪酸ジオール(ダイマージオール)、ヒドロキシピバル酸ネオペンチルグリコールエステル、グリセロール、1,1,1-トリメチロールプロパン、又はこれらのアルコール類の混合物)と、有機ジカルボン酸又はトリカルボン酸、特に、ジカルボン酸、又はそれらの無水物もしくはエステル類(例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、トリメチルアジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、ダイマー脂肪酸、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テレフタル酸ジメチル、ヘキサヒドロフタル酸、トリメリット酸、及びトリメリット酸無水物、又はこれらの酸の混合物)とから調製されるポリエステルポリオール、並びにまた、ラクトン類(例えばε-カプロラクトン)と、開始剤(例えば、上述した2価又は3価アルコール類)とから形成されるポリエステルポリオール類である。
【0100】
特に好適なポリエステルポリオールは、ポリエステルジオールである。特に好適なポリエステルジオールは、ジカルボン酸として、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、ダイマー脂肪酸、フタル酸、イソフタル酸、及びテレフタル酸と、2価アルコールとして、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ダイマー脂肪酸ジオール、及び1,4-シクロヘキサンジメタノールとから調製されるものである。さらにまた特に好適なものは、ε-カプロラクトンと、開始剤としての上述した2価アルコール類の1種とから調製されるポリエステルジオールである。
【0101】
特に好適な物質は、室温で液状、非晶質(アモルファス)、部分的結晶性、及び結晶性のポリエステルジオール及びトリオール、特にポリエステルジオールである。好適な室温液状ポリエステルポリオールは、室温からそう低くない、例えば、0℃〜25℃で固体であり、且つ少なくとも1種の非晶質、部分的結晶性、又は結晶性のポリエステルポリオールと組み合わせて用いることが好ましい。
【0102】
- ポリカーボネートポリオール。例えば、上述したアルコール(ポリエステルポリオール類を形成するために用いられるもの)と、ジアルキルカーボネート、例えば、ジメチルカーボネート、ジアリールカーボネート、例えば、ジフェニルカーボネート、又はホスゲンとを反応させることによって得られる。
【0103】
特に好適な物質は、ポリカーボネートジオール、特に非晶質のポリカーボネートジオールである。
【0104】
- ポリオールとして同様に好適なものは、少なくとも2つのヒドロキシル基を有し、且つ上述したタイプのポリエーテル、ポリエステル、及び/又はポリカーボネート構造をもつ少なくとも2種の異なるブロックを有するブロックコポリマーである。
【0105】
- ポリアクリレート-及びポリメタクリレートポリオール。
【0106】
- ポリヒドロキシ官能性の脂肪及び油、例えば、天然油脂、特にひまし油;又は天然油脂の化学変性(例えば、不飽和油のエポキシ化によって得られるエポキシポリエステル又はエポキシポリエーテルと、続いてのカルボン酸又はアルコールによる開環)によって得られる、油脂化学ポリオールとして公知のポリオール類、又は、不飽和油のヒドロホルミル化と水素化によって得られるポリオール類;あるいは、分解法、例えばアルコール分解(アルコリシス)又はオゾン分解とそれに続く化学結合によって(例えば、そのようにして得られた分解生成物又はそれらの誘導体のエステル交換もしくは二量化によって)、天然油脂から得られるポリオール類。天然油脂の好適な分解生成物は、特に脂肪酸及び脂肪アルコール、並びにまた脂肪酸エステル、特にそのメチルエステル(FAME)であり、これらは例えばヒドロホルミル化及び水素化によってヒドロキシ脂肪酸エステルへと誘導されうる。
【0107】
- ポリ炭化水素ポリオール(オリゴハイドロカーボノールとしても知られる)。例えば、ポリヒドロキシ官能性のエチレン-プロピレン、エチレン-ブチレン、又はエチレン-プロピレン-ジエンコポリマー類(例えば、Kraton Polymers社によって生産されている)、あるいは、ジエン(例えば、1,3-ブタジエン又はジエン混合物)とビニルモノマー類(例えば、スチレン、アクリロニトリル、又はイソブチレン)とのポリヒドロキシ官能性コポリマー類、あるいは、ポリヒドロキシ官能性ポリブタジエンポリオール類(例えば、1,3-ブタジエンとアリルアルコールの共重合によって調製され、さらに水素化されていてもよいもの)。
【0108】
- ポリヒドロキシ官能性アクリロニトリル/ブタジエンコポリマー類。例えば、エポキシド類又はアミノアルコール類とカルボキシル末端アクリロニトリル/ブタジエンコポリマー類(Hanse Chemie社からHycar(登録商標)CTBN名で市販されている)とから調製できる。
【0109】
言及したこれらのポリオールは、250〜30000g/モル、特に400〜20000の平均分子量を有することが好ましく、且つ1.6〜3の範囲の平均OH官能数を有することが好ましい。
【0110】
言及したこれらのポリオールに加えて、少量の低分子量の2価又は多価アルコール類(例えば、1,2-エタンジオール、1,2-及び1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール及びトリプロピレングリコールの異性体類、ブタンジオールの異性体類、ペンタンジオールの異性体類、ヘキサンジオールの異性体類、ヘプタンジオールの異性体類、オクタンジオールの異性体類、ノナンジオールの異性体類、デカンジオールの異性体類、ウンデカンジオールの異性体類、1,3-及び1,4-シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールA、ダイマー脂肪アルコール類、1,1,1-トリメチロールエタン、1,1,1-トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、前記の2価及び多価アルコール類の低分子量アルコキシル化生成物、並びに前記のアルコール類の混合物)を、ポリウレタンポリマーPUPの調製に、追加して用いることができる。
【0111】
ポリウレタンポリマーPUPの調製に用いられるポリイソシアネートは、市販の脂肪族、脂環式、又は芳香族ポリイソシアネート、特にジイソシアネートであってよく、例えば以下のものであってよい:
1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2-メチルペンタメチレン1,5-ジイソシアネート、2,2,4-及び2,4,4-トリメチル-1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、1,10-デカメチレンジイソシアネート、1,12-ドデカメチレンジイソシアネート、リシンジイソシアネート、及びリシンエステルジイソシアネート、シクロヘキサン1,3-及び1,4-ジイソシアネート及びこれらの異性体の任意の所望する混合物、1-メチル-2,4-及び-2,6-ジイソシアナトシクロヘキサン及びこれらの異性体の任意の所望の混合物(HTDI又はHTDI)、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン(= イソホロンジイソシアネート又はIPDI)、パーヒドロ-2,4’-及び-4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(HMDI又はH12MDI)、1,4-ジイソシアナト-2,2,6-トリメチルシクロヘキサン(TMCDI)、1,3-及び1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、m-及びp-キシリレンジイソシアネート(m-及びp-XDI)、m-及びp-テトラメチル-1,3-及び-1,4-キシリレンジイソシアネート(m-及びp-TMXDI)、ビス(1-イソシアナト-1-メチルエチル)ナフタレン、2,4-及び2,6-トリレンジイソシアネート及びこれらの異性体の任意の所望の混合物(TDI)、4,4’-, 2,4’-及び2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート及びこれらの異性体の任意の所望の混合物(MDI)、1,3-及び1,4-フェニレンジイソシアネート、2,3,5,6-テトラメチル-1,4-ジイソシアナトベンゼン、ナフタレン1,5-ジイソシアネート(NDI)、3,3’-ジメチル-4,4’-ジイソシアナトジフェニル(TODI)、ジアニシジンジイソシアネート(DADI)、前述したイソシアネート類のオリゴマー及びポリマー、並びに前述したイソシアネート類の任意の所望の混合物。ジイソシアネートモノマー、特に、MDI、TDI、HDI、及びIPDIが好ましい。
【0112】
ポリウレタンポリマーPUPは、ポリイソシアネートとポリオールとから直接に、又は鎖延長反応としても知られている種類の段階的付加法により、公知の方法で調製される。
【0113】
好ましい態様では、ポリウレタンポリマーPUPは、少なくとも1種のポリイソシアネートと少なくとも1種のポリオールとの反応によって得られ、そのイソシアネート基はそのヒドロキシル基に対して化学量論的に過剰に存在する。イソシアネート基とヒドロキシル基との間の比は、1.3〜5、より特に1.5〜3が有利である。
【0114】
ポリウレタンポリマーPUPは、好ましくは500g/モルの分子量より大きな分子量、特に1000〜50000g/モル、好ましくは2000〜30000g/モルの分子量を有する。
【0115】
さらに、ポリウレタンポリマーPUPは、1.8〜3の範囲の平均官能基数を有することが好ましい。
【0116】
好ましい態様では、ポリウレタンポリマーPUPは、室温で固体のポリウレタンポリマーPUP1である。室温で固体のポリウレタンポリマーPUP1は、有利には、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、及びポリカーボネートポリオールから始めて得ることができる。特に好適な材料は、室温で液状、非晶質、部分的に結晶性、及び結晶性のポリエステル及びポリカーボネートジオール及びトリオール、特にポリエステルジオール及びポリカーボネートジオールであるが、室温で液状のポリエステル及びポリカーボネートジ及びトリオールは、室温からそれほど低くない、例えば0℃〜25℃の間の温度で固体であり、且つ少なくとも1種の非晶質、部分的に結晶性、又は結晶性のポリオールと組み合わせて用いることが好ましい。
【0117】
上記ポリエステル-及びポリカーボネートジ-及び-トリオールは、500〜5000g/モルの分子量を有することが有利である。
【0118】
室温で固体のポリウレタンポリマーPUP1は、結晶性、部分的に結晶性、又は非晶質であってよい。部分的結晶性又は非晶質のポリウレタンポリマーPUP1は、室温で、流動するとしてもわずかに限定された自由流動性しか持たず、これはより特にそれが20℃で5000Pa・sより大きな粘度を有することを意味する。
【0119】
ポリウレタンポリマーPUP1は、1000〜10000g/モル、特に2000〜5000g/モルの平均分子量を有することが好ましい。
【0120】
さらなる態様では、少なくとも1種のジアルジミンAとの反応に適した式(V)のポリイソシアネートは、脂肪族、脂環式、又は芳香族ジイソシアネートから調製されるポリイソシアネートオリゴマー(オリゴマー性ポリイソシアネート)PIである。
【0121】
好適なポリイソシアネートPIは、ジイソシアネートの(特に、HDI、IPDI、TDI、及びMDIの)オリゴマー類又はオリゴマー混合物である。市販されているタイプは、特に、HDIビウレット〔例えば、Desmodur(登録商標)N 100及びN 3200(Bayer社)、Tolonate(登録商標)HDB及びHDB-LV(Rhodia社)、及びDuranate(登録商標)24A-100(Asahi Kasei社)〕;HDIイソシアヌレート〔例えば、Desmodur(登録商標)N 3300、 N 3600、及びN 3790 BA(全てBayer社から)、Tolonate(登録商標)HDT、HDT-LV、及びHDT-LV2(Rhodia社)、Duranate(登録商標)TPA-100及びTHA-100(Asahi Kasei社)、及びCoronate(登録商標)HX(Nippon Polyurethane社)〕;HDIウレトジオン〔例えば、Desmodur(登録商標)N 3400(Bayer社)〕;HDIイミノオキサジンジオン〔例えば、Desmodur(登録商標)XP 2410(Bayer社)〕;HDIアロファネート〔例えば、Desmodur(登録商標)VP LS 2102(Bayer社)〕;IPDIイソシアヌレート〔例えば、Desmodur(登録商標)Z 4470(Bayer社)として溶液で、あるいはVestanat(登録商標)T 1890/100(Degussa社)として固体形態として〕;TDIオリゴマー〔例えば、Desmodur(登録商標)IL(Bayer社)として〕;TDI/HDIに基づく混合イソシアヌレート〔例えば、Desmodur(登録商標)HL(Bayer社)として〕である。
【0122】
好ましいポリイソシアネートPIは、HDI及び/又はIPDIのオリゴマー類、特にそのイソシアヌレート類である。
【0123】
上述したポリイソシアネートPIは、典型的には、様々なオリゴマー化度及び/又は様々な化学構造をもつ物質の混合物である。それらは、好ましくは、2.1〜4.0の平均NCO官能性を有し、且つ特に、イソシアヌレート、イミノオキサジアジンジオン、ウレトジオン、ウレタン、ビウレット、アロファネート、カルボジイミド、ウレトンイミン、又はオキサジアジントリオン基を含む。
【0124】
同様に、少なくとも1種のジアルジミンAとの反応に適した式(V)のポリイソシアネートは、少なくとも1種のポリウレタンポリマーPUP及び少なくとも1種のポリイソシアネートPIからなる混合物であることができる。
【0125】
少なくとも1種のジアルジミンAとの反応に適した式(V)のポリイソシアネートは、イソシアネート基を有するポリウレタンポリマーPUPであることが好ましい。式(V)のポリイソシアネートは、室温で固体のポリウレタンポリマーPUP1であることがより好ましい。
【0126】
イソシアネート基及びアルジミノ基を有する式(I)の化合物VBを調製するための、化学量論未満の量の水の存在下における式(IVa)又は(IVb)の少なくとも1種のジアルジミンAと式(V)の少なくとも1種のポリイソシアネートとの反応においては、その化学量論未満の量の水は、アルジミノ基の1当量当たり、0.5モル以下、特に0.3モル以下であることが好ましい。この反応は、任意選択で、触媒の存在下、例えば、酸の、特にカルボン酸の存在下で行うことができる。
【0127】
ジアルジミンAは適切な条件下、特に湿気を排除した条件下で貯蔵安定性であるという特徴を有する。湿気の侵入により、それらのアルジミノ基は形式的意味において中間体を経由してアミノ基に加水分解され、そのアルジミンを調製するために用いた対応するアルデヒドを放出することができる。この加水分解反応は可逆的であり、化学平衡は明らかにアルジミン側に向かっているので、アミンに対して反応性の基の不存在下では、アルジミノ基のうちのいくらかだけしか加水分解されないことが推測できる。イソシアネート基の存在下では、その加水分解平衡はシフトし、なぜなら、加水分解されているアルジミノ基はイソシアネート基と可逆的に反応して尿素基を与えるからである。イソシアネート基と、加水分解されているアルジミノ基との反応は、フリーのアミノ基を介して進む必要は必ずしもない。加水分解反応の中間体との反応も可能である。例えば、加水分解されつつあるアルジミノ基が、ヘミアミナールの形態でイソシアネート基と直接反応することも考えられる。ジアルジミンAが、化学量論未満の量の水の存在下で式(V)のポリイソシアネートと接触した場合、これはアルジミノ基を含む化合物を形成する。式(IVa)又は(IVb)のジアルジミンAの2つのアルジミノ基は、反応性に顕著な差を有する。その結果、より高い反応性のアルジミノ基が加水分解してイソシアネート基と優先的に反応する一方、より低い反応性のアルジミノ基は実質的に温存される。このようにして、式(I)の上述した化合物VBが、いくらかの選択性をもって形成される。ジアルジミンAのアルジミノ基(複数)の間の反応性の差が大きければ大きいほど、より選択的に化合物VBが形成される。
【0128】
説明したように、式(IVa)又は(IVb)のジアルジミンAは、式(VI)の非対称ジアミンDA及び式(VIIa)又は(VIIb)のアルデヒドALDに基づいている。ジアミンDA中の2つのアミノ基の異なる反応性(これはその異なる置換による)は、このジアミンDAのジアルジミンに直接受け渡され、このジアルジミンでは同様に2つのアルジミノ基が異なる反応性を有する。ジアルジミンAの特別な場合は、アルジミノ基の反応性の差(これはアルジミノ基のもとのアルデヒドALDの立体的に厳格な構造によって生じる)が、アルジミノ基の近づきやすさをさらに制限している立体的に厳格なアルデヒド基のおかげでおそらく実際に強められ(特にアルジミノ基が、ヘミアミナール基として半加水分解形態で存在する場合)、それによって、より遅いアルジミノ基の反応性を、より速いアルジミノ基の反応性と比較した比例割合よりもさらに大きく低下させる。
【0129】
副生成物がこの反応においてもまた形成されることは不可能ではない。これらは例えば下記式(X)の化合物である。
【0130】
【化13】

【0131】
式(X)中、Q及びXはそれぞれ既に定義したとおりである。
【0132】
非対称ジアルジミンA及び非対称ジアミンDAの使用によって、式(X)のこれらの化合物はしかしながら少量でしか形成されない。
【0133】
イソシアネート基及びアルジミノ基を有する式(I)の化合物VBを調製するために説明した反応のためには、式(V)のポリイソシアネートを、式(IVa)又は(IVb)のジアルジミンAと最初に混合し、この混合物を次に水と混合するか、あるいは、ポリイソシアネートを、ジアルジミンAと水との予め調製した混合物と直接混合する。化合物VBの形成のために重要なことは、部分的加水分解をするジアルジミンAが、ポリイソシアネートの利用可能なイソシアネート基と反応し、所望する程度の反応が、用いる水の量によって制御されるという事実である。ポリイソシアネートは、ジアルジミンAが反応剤として存在しない限りは、水と接触することから絶対に避けるべきである。この反応は、イソシアネート基を用いた反応に慣用される条件下で、場合により少なくとも1種の適切な触媒の存在下で行ってもよい。20〜150℃の温度で反応を行うことが好ましい。式(V)のポリイソシアネートが、室温で固体のポリウレタンポリマーPUP1である場合には、この反応は、そのようなポリウレタンポリマーPUP1が液状である温度で行うことが好ましい。
【0134】
説明した上記の反応では、水とジアルジミンAのアルジミノ基との間の割合が、アルジミノ基1当量当たり、高々0.5、特に0.3〜0.5モルの水であることが有利である。
【0135】
説明した上記の反応では、ジアルジミンAのアルジミノ基の数に対する式(V)のポリイソシアネートのイソシアネート基の数の比が、少なくとも1、好ましくは1〜5であることが有利である。
【0136】
水との反応の後、組成物中に存在する全てのアルジミノ基の数と組成物中に存在する全てのイソシアネート基の数との比は、0.1〜1.1、好ましくは0.2〜1.0、より好ましくは0.2〜0.9である。
【0137】
ジアルジミンAを介して、説明した方法で化合物VBを調製することは、不必要な迂回に等しいと思われ、したがって自明なことではない。より自明かつ一見してより有利なのは、片側だけをアルジミンに変換したジアミンDA、すなわちアミノアルジミン(これは一級アミノ基をもつモノアルジミンである)の使用であり、なぜなら、そのようなモノアルジミンはポリイソシアネートに直接付加されうるからである。
【0138】
このおそらくより有利と思われる合成経路をより詳しく検討すると、大きな弱点が明らかになる。第一に、所望のモノアルジミンを純粋な形態で得ることは容易ではなく、なぜなら、それらは通常、ジアミンから低い選択性で形成され、ジアルジミンと未転化のジアミンを含む混合物として得られるか、あるいはそれらがさらなる反応、特に環化、例えばアミナールを形成する環化、又は付加反応、例えば、アミド形成を伴う付加反応をする傾向が、例えばモノアルジミンがエステル基を有する場合にはあるからである。第二に、モノアルジミンは、一級アミノ基とイソシアネート基との間の非常に速い反応のため、混合したときにポリイソシアネートと非常に激しく反応して、質の悪い不均一な付加体をもたらす。式(I)の化合物VBを得るための、ジアルジミンAを用いた本明細書で上述した反応経路は、洗練された方法でこれらの困難を避ける。ジアルジミンAは、ポリイソシアネートに均一に混合することができる。
【0139】
イソシアネート基とアルジミノ基とを有する式(I)の化合物VBは、それらのアルジミノ基がエナミノ基に互変異性することができないという特性を有しており、なぜならそれらはアルジミノ基の炭素原子のα位に置換基として水素を持たないからである。たとえ高反応性芳香族イソシアネート基、例えばTDI及びMDIに由来するイソシアネート基がそれらの混合物中に存在していたとしても、この性質によって、それらは、イソシアネート基と一緒に、特に貯蔵可能な、すなわち、実質的に粘度安定性の混合物を形成する。
【0140】
式(I)の化合物VBは、イソシアネート基が湿気の結果として加水分解したアルジミノ基と反応すること及びイソシアネート基どうしが反応することに基づいて、湿気(水分)の影響下で反応をする。式(I)の指数uが指数vよりも大きいか又は等しい場合は、化合物VBは湿気によって自己架橋する。このことは、湿気の作用が、化合物VB単独であっても架橋させて高分子量ポリウレタンポリマーを与えることができることを意味する。この場合には、以下に詳細に説明するようにポリイソシアネートPなしに湿気硬化性組成物を得ることを可能にする。
【0141】
化合物VBは貯蔵安定であり、すなわち、湿気を排除して、適切な包装又は装置、例えば、バット、ペール缶、バケット、バッグ、又はカートリッジ中で、数ヶ月から1年及びそれより長い期間にわたって、その性能特性又はその硬化後の特性がそれらの使用に関わるほどの程度にまで変化することなく、貯蔵することができる。典型的には、貯蔵安定性は粘度の測定によって判断される。
【0142】
本発明のさらなる側面は、
a)イソシアネート基及びアルジミノ基を有する式(I)の上記化合物VB(特に上述した方法によって調製されたもの)の少なくとも1種、及び
b)少なくとも1種のポリイソシアネートP
を含む組成物に関する。
【0143】
一つの態様では、ポリイソシアネートPは、式(I)の化合物VBについて又はその調製において既に上述した、イソシアネート基を有するポリウレタンポリマーPUPである。さらなる態様では、ポリイソシアネートPは、式(I)の化合物VBについて又はその調製において同様に既に上述したオリゴマー性ポリイソシアネートPIである。ポリイソシアネートPは、イソシアネート基を有するポリウレタンポリマーPUPであることが好ましい。組成物中に存在するポリイソシアネートPは、(u+v)個の末端イソシアネート基を有するポリイソシアネート(これから式(I)の化合物VB中のQが導かれる)と同じポリイソシアネートであることがさらに好ましい。
【0144】
そのような組成物は、少なくとも1種の式(V)のポリイソシアネートと少なくとも1種のジアルジミンと水とを、反応の後で、式(V)のポリイソシアネートの残りがポリイソシアネートPとして組成物中に残るような比率で用いることによって、好ましくは得ることができる。
【0145】
記載した組成物は、低含量のジイソシアネートモノマーしか有しない。
【0146】
全く驚くべきことに、化学量論量未満の水の存在下で、上述した方法による、特定の含有量のジイソシアネートモノマーを有する式(V)のポリイソシアネートとジアルジミンAとの反応は、驚くほど低い含有量のジイソシアネートモノマーしか有しない組成物をもたらすことを発見した。これは反応前の式(V)のポリイソシアネートのものよりも著しく低い。
【0147】
このジイソシアネートモノマーの驚くほど低い含有量は、式(I)の少なくとも1種の化合物VBを得るための、化学量論量未満の水の存在下での、式(V)の少なくとも1種のポリイソシアネート、特に少なくとも1種のポリウレタンポリマーPUPと、少なくとも1種のジアルジミンAとの上述した反応においては、ジアルジミンAにおいて加水分解するアルジミノ基が、ポリイソシアネート、特にポリウレタンポリマーPUP中に存在するジイソシアネートモノマーと優先的に反応するという事実によっておそらくは達成される。このようにして、最初に存在していたジイソシアネートモノマーの大部分が転化され、このことが、組成物中のジイソシアネートモノマーの含有量を大きく低下させる。
【0148】
このようにして得られた低イソシアネートモノマー含量をもつ組成物は、湿気、例えば空気からの湿気と接触して架橋して高分子量ポリマーを与える。この架橋操作における大きな利点は、式(V)のポリイソシアネートとジアルジミンAとの反応からの反応生成物は水との架橋反応に関して全てが少なくとも2官能であり、これはきれいな硬化という帰結をもたらす。式(V)のポリイソシアネートが、記載したやり方で一官能化合物、例えばさらなる反応性基を持たないモノアルコールと反応された場合には、モノマー含量の低下が同様に予想される。しかし、形成された反応生成物は湿気での架橋反応に関して全て一官能となり、硬化の終了時に不満足な特性しかもたない不十分に架橋したポリマーが予想される。別の大きな有利な事実は、説明した方法で転化されたジイソシアネートモノマーはまた、組成物の硬化時に、架橋したポリマー中に組み込まれることである。
【0149】
説明した組成物中のジイソシアネートモノマーの含有量は、組成物の湿気反応性成分の合計に基づいて、特に1.0質量%以下、好ましくは0.5質量%以下である。
【0150】
説明した組成物は、式(I)の化合物VB及びポリイソシアネートPの合計に基づいて、少なくとも20質量%の式(I)の化合物VBを含むことが好ましい。
【0151】
式(I)の化合物及びポリイソシアネートPの合計質量は、全組成物に基づいて、5〜100質量%、好ましくは10〜100質量%で存在することが有利である。
【0152】
説明した組成物中のポリイソシアネートPの割合は、組成物がアルジミノ基と少なくとも同じ数のイソシアネート基を有し、それによって湿気の作用が高分子量ポリウレタンポリマーを形成する少なくとも十分な大きさであることが好ましい。
【0153】
説明した組成物は、アルジミノ基を有する式(I)の少なくとも1種の化合物VB及び少なくとも1種のポリイソシアネートPに加えて、任意選択でさらなる助剤及び添加剤を含んでもよい。この目的のためには、例えば、以下の物質が好適である:
- 可塑剤。例えば、カルボン酸エステル類、例えばフタレート類、例えば、ジオクチルフタレート、ジイソノニルフタレート、又はジイソデシルフタレート、アジペート類、例えば、ジオクチルアジペート、アゼレート類及びセバケート類、有機リン酸及びスルホン酸のエステル類、又はポリブテン類;
【0154】
- 溶媒;
【0155】
- 無機及び有機フィラー、例えば、粉砕又は沈降性炭酸カルシウム(任意選択によりステアレートでコーティングされていてもよい)、カーボンブラック、特に工業生産されたカーボンブラック(以下で「カーボンブラック」という)、バライト(BaSO、重晶石としても知られる)、カオリン、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、シリカ、特に熱分解法による高分散性シリカ、PVC粉末、又は中空球体;
【0156】
- 繊維、例えば、ポリエチレン繊維;
【0157】
- 顔料、例えば、二酸化チタン又は酸化鉄;
【0158】
- アルジミンの加水分解を促進する触媒、例えば、有機カルボン酸、例えば、安息香酸、サリチル酸、又は2-ニトロ安息香酸、有機カルボン酸無水物、例えば、無水フタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、及び無水ヘキサヒドロメチルフタル酸、有機カルボン酸のシリルエステル、有機スルホン酸類、例えば、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、又は4-ドデシルベンゼンスルホン酸、スルホン酸エステル類、その他の有機又は無機酸、あるいは前記の酸及び酸エステルの混合物;
【0159】
- イソシアネート基の反応を促進する触媒、例えば、有機スズ化合物、例えば、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズジアセチルアセトナート、及びジオクチルスズジラウレート、ビスマス化合物、例えば、ビスマストリオクトエート及びビスマストリス(ネオデカノエート)、及び三級アミノ基を含む化合物、例えば、2,2-ジモルホリノジエチルエーテル及び1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン;
【0160】
- レオロジー調節剤、例えば、増粘剤、例えば、尿素化合物、ポリアミドワックス、ベントナイト、又はヒュームドシリカ;
【0161】
- 反応性希釈剤及び架橋剤、例えば、ポリイソシアネートモノマー、例えば、MDI、TDI、MDI及びMDI同族体の混合物(ポリメリックMDI又はPMDI)、及びこれらのポリイソシアネートのオリゴマー、特に、イソシアヌレート、カルボジイミド、ウレトンイミン、ビウレット、アロファネート、又はイミノオキサジアジンジオン、ポリイソシアネートモノマーと短鎖ポリオールの付加体、さらにまたアジピン酸ジヒドラジド及びその他のヒドラジド類;
【0162】
- 保護されたアミノ基をもつさらなる潜在性硬化剤、例えば、ケチミン類、オキサゾリジン類、エナミン類、又は別のアルジミン類;
【0163】
- 乾燥剤、例えば、モレキュラーシーブス、酸化カルシウム、高反応性イソシアネート類、例えば、p-トシルイソシアネート、オルトギ酸エステル類、アルコキシシラン類、例えば、テトラエトキシシラン、有機アルコキシシラン、例えば、ビニルトリメトキシシラン、及びシラン基のα位に官能基を有する有機アルコキシシラン類;
【0164】
- 接着促進剤、特にオルガノアルコキシシラン類、例えば、エポキシシラン類、ビニルシラン類、(メタ)アクリロイルシラン類、イソシアネートシラン類、カルバメートシラン類、S-(アルキルカルボニル)メルカプトシラン類、及びアルジミノシラン類、並びにこれらのシラン類のオリゴマー形態;
【0165】
- 熱、光、及びUV照射に対する安定剤;
【0166】
- 難燃物質;
【0167】
- 界面活性物質、例えば、湿潤剤、レベリング剤、液化剤、又は消泡剤;
【0168】
- 殺生物剤、例えば、殺藻剤、防かび剤又は真菌の増殖を阻害する物質。
【0169】
そのような添加剤が組成物の貯蔵安定性を低下させないことを確実にすることが有利である。このことは、これらの添加剤が架橋をもたらす反応、例えば、アルジミノ基の加水分解又はイソシアネート基どうしの架橋を、貯蔵中に有意な程度に引き起こしてはならないことを意味する。より特に、このことは、これらの添加剤の全ては、たとえ含んでいたとしても高々微量の水しか含まないことが必要であることを意味する。所定の添加剤を組成物中に混合する前に、それらを化学的又は物理的に乾燥することが望ましい可能性がある。
【0170】
説明した組成物は、少なくとも1種の化合物VB及び少なくとも1種のポリイソシアネートPと並んで、言及した有機酸(例えば特に安息香酸又はサリチル酸)の1つの形態の、及び/又は言及した有機金属化合物の1つの形態の、及び/又は言及した三級アミノ基含有化合物の1つの形態の少なくとも1種の触媒を含むことが好ましい。
【0171】
説明した組成物は、湿気を排除して貯蔵される。それは貯蔵安定性があり、すなわち、湿気を排除して、適切な包装又は装置、例えば、バット、ペール缶、バケット、バッグ、又はカートリッジの中で、数ヶ月から1年さらにそれより長い期間にわたって、その適用特性又は硬化後の特性がその使用に関わるほどの程度にまで変化することなく、貯蔵することができる。典型的には、貯蔵安定性は粘度の測定によって判断される。
【0172】
化合物VBのアルジミノ基及び存在する全てのさらなるアルジミノ基は、湿気(水分)と接触して加水分解される性質を有する。組成物中に存在するイソシアネート基は、形式的な意味で、アルジミノ基の加水分解(これは式(VIIa)又は(VIIb)の対応するアルデヒドを放出する)の過程で放出されたアミノ基と反応する。アルジミノ基に対して過剰なイソシアネート基は、存在する水と反応する。これらの反応の結果として、組成物は硬化して高分子量ポリマーを形成する。この過程は架橋ともいわれる。イソシアネート基と、加水分解されるアルジミノ基との反応は、アミノ基を介して進む必要は必ずしもない。アルジミノ基のアミノ基への加水分解の中間体との反応も可能であることが考えられるだろう。例えば、加水分解されているアルジミノ基が、ヘミアミナールの形態で、イソシアネート基と直接反応することが考えられる。ホットメルト接着剤組成物の場合には、これが架橋を引き起こし、その結果として組成物はもはや溶融可能ではなくなる。言及した式(VIIa)の特に好ましい無臭アルデヒドからのアルジミノ基だけが組成物中に存在する場合は、組成物の硬化はいかなる厄介な臭気を生じさせず、これは、多くの用途に、特に密閉空間での用途、例えばビルディング又は車両の内装、又は大面積用途、例えば床のコーティング、又は昇温しての用途、例えばホットメルト接着剤に、大きな利点又は必須の前提条件である。
【0173】
硬化反応に必要な水は、空気(空気の湿気)に由来することができ、あるいは組成物を水含有成分と例えばスプレーによって接触させることもでき、あるいは水含有成分を適用の過程で組成物に添加することもできる。
【0174】
上記組成物は、湿気と接触して気泡の形成なしに硬化する。硬化速度は、1種以上の任意に存在してもよい触媒の種類と量、及び硬化の過程の温度に影響されうる。
【0175】
説明した組成物は広範囲の様々な用途に用いることができる。例えば、それは様々な基材を接着結合するための、例えば、自動車、鉄道車両、船舶、又はその他の工業製品の製造における部材の接着結合のための接着剤として、特に、反応性ホットメルト接着剤として、全ての種類のシーラントとして、例えば建築におけるシーリングジョイントのためのシーラントとして、そして様々な物品又は様々な基材のためのコーティング又は被覆材として適している。好ましいコーティングは保護塗料、シール材、保護コーティング及びプライマーである。被覆材のなかでは、特に床被覆材が好ましいものとして言及されるべきである。そのような被覆材は、本組成物を典型的には基材上に注ぎ且つそれをレベリングさせることによって作られ、組成物は硬化して床被覆材をもたらす。例えば、そのような床被覆材はオフィス、生活圏、病院、学校、倉庫、ガレージ、及びその他の家庭又は工業的な用途に用いられる。
【0176】
好ましい態様では、説明した組成物は、シーラント又は接着剤、特に反応性ホットメルト接着剤として用いられる。
【0177】
説明した組成物は、ジイソシアネートモノマーの低含量が必要とされる用途に特に適している。それらは、特に、その組成物がスプレーされる用途、及び組成物が昇温して(例えば、ホットメルト接着剤として)適用される用途である。
【0178】
本発明のさらなる側面は、基材S1を基材S2に接着結合させるための方法に関し、その方法は以下の工程:
i)上述した組成物の1つを基材S1に適用する工程;
ii)上記の適用した組成物をその組成物のオープンタイム内に基材S2と接触させる工程;
又は、
i’)上述した組成物の1つを基材S1及び基材S2に適用する工程;
ii’)上記の適用した組成物をその組成物のオープンタイム内に互いに接触させる工程
を含み、
上記基材S2は、上記基材S1と同じ材料又は異なる材料からなる。
【0179】
この場合、部材をオープンタイム内に接合することを確実にすることが重要であり、それはその2つの接合された部材が互いに確実に接着結合されることを確実にするためである。
【0180】
シーラントとしての用途では、組成物は基材S1とS2との間に適用され、これに続いて硬化される。典型的には、シーラントはジョイントの中に注入される。
【0181】
両方の用途において、基材S1は基材S2と同じであっても、異なっていてもよい。
【0182】
好適な基材S1及び/又はS2は、例えば、無機材料、例えば、ガラス、ガラスセラミック、コンクリート、モルタル、煉瓦、タイル、石膏、及び天然石(例えば花崗岩又は大理石);金属又は合金、例えば、アルミニウム、スチール、非鉄金属、亜鉛メッキした金属;有機基材、例えば、木材、プラスチック(例えば、PVC、ポリカーボネート、PMMA、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリウレタン(PU));コーティングされた基材、例えば粉体塗装された金属又は合金;並びに、塗装及びラッカー塗装、特に自動車塗装、である。
【0183】
基材は、必要な場合には、接着剤又はシーラントの適用の前に前処理することができる。そのような前処理には、特に物理的及び/又は化学的洗浄方法、例えば、研磨、サンドブラスト、ブラシがけ等、あるいは洗浄剤又は溶媒での処理、あるいは接着促進剤、接着促進剤溶液又はプライマーの適用、が含まれる。
【0184】
本明細書中、「プライマー」は、アンダーコートとして適切な組成物を意味することが理解され、これは、非反応性揮発性物質及び場合により固体添加剤と並んで、少なくとも1種のポリマー及び/又は反応性基をもつ少なくとも1種の物質を含み、基材に適用した場合に、典型的には少なくとも10μmの層厚さの固体のしっかりした接着性フィルムに硬化されることができ、その硬化は非反応性揮発性物質(例えば、溶媒又は水)の揮発のみか、化学反応によるか、あるいはこれらの因子の組み合わせによってのいずれかで起こり、これが次に適用した層(例えば接着剤又はシーラント)に対する良好な接着力を作り出す。
【0185】
上記組成物は、広い温度範囲で適用できる。例えば、組成物は、弾性接着剤又はシーラントには典型的であるように室温で適用することができる。しかし、上記組成物は低温でも及び高温でも適用することができる。後者は、特に組成物が高粘度又は溶融性成分(溶融適用接着剤、例えば、ワームメルト接着剤又はホットメルト接着剤に、典型的に存在する)を含む場合に有利である。ワームメルト接着剤の適用温度は、例えば、40〜80℃の範囲であり、ホットメルトの場合は85〜200℃である。
【0186】
したがって、ワームメルトの場合、組成物は適用前に40〜80℃、特に60℃〜80℃の温度に加熱され、上述した方法の工程i)又はi’)において特にこの温度で適用される。ホットメルトの場合は、組成物は適用前に85℃〜200℃、特に100℃〜180℃、好ましくは120℃〜160℃の温度に加熱され、上述した方法の工程i)又はi’)において特にこの温度で適用される。
【0187】
基材S1及びS2の接着結合又はシーリングのための上述した方法は、接着結合された又はシールされた物品を提供する。そのような物品は、建築部門、輸送部門、家具部門、織物部門、又は包装部門からの物品であることができる。例えば、そのような物品は建築構造物、特に建築又は土木工学の建築構造物、又は輸送の形態、例えば、水用又は陸用乗り物、特に自動車、バス、トラック、列車、又は船舶、あるいはそれらの取り付け可能な部品であってよい。
【0188】
特に、組成物を弾性接着結合のための接着剤として用いる場合は、構造的粘性を有するペースト状の稠度(コンシステンシー)を有することが好ましい。そのような接着剤は、適切な装置を用いて、好ましくはビードの形態(これは実質的に丸又は三角の断面をもっていてよい)で基材に適用される。接着剤を適用するための好適な方法は、例えば、市販のカートリッジ(これは手動で、あるいは圧縮空気を用いて操作する)からの、あるいはデリバリーポンプ又は押出機を用いて、適切な場合には塗布ロボットを用いてのバット又はペール缶から適用である。良好な適用特性をもつ接着剤は、長い貯蔵寿命と短い糸引きとを有する。言い換えれば、それは適用後に、適用ユニットを除去した後で、適用した形態で残り、すなわちバラバラに流れず、たとえあったとしても非常に短い糸ひきしか形成せず、そのため基材が汚されない。
【0189】
この組成物は、少量の水で且つ気泡の形成なしに速やかに架橋する。例えば、接着剤としての適用のためには、このことは、たとえそれまでに環境からのかなり少ない水しか組成物と接触していなくても、接着結合は初期の段階である程度まで既に応力がかけられることを意味する。これは、工業生産、例えば、車両の組み立てにおいて大きな利点であり、なぜなら、接着結合によって付着された部材はかなり短い時間の後でさえその接着結合によってその位置で保たれていなければならず、その接着結合された物品は結果としてさらなる固定なしにさらに移動及び加工されることができる。
【0190】
上述した組成物と水、特に空気の湿度の形態の水との反応によって得られる硬化した組成物は、優れた特性が注目に値する。それは、例えば、高伸度及び高引張強度を有する。その弾性率は、その組成物を作るために用いた成分、例えば、ポリオール、ポリイソシアネート、又はジアミンの関数として変動し、したがって、特定の用途の必要条件、例えば、接着剤については高い値に、あるいはシーラントに対しては低い値に調節することができる。
【0191】
特に好ましい態様では、説明した組成物は反応性ホットメルト接着剤組成物である。この場合、(u+v)個のイソシアネート基を有し且つ化合物VBのQを表すポリイソシアネート及びポリイソシアネートPの両方が、上で詳細に既に説明したとおりの、(u+v)個のイソシアネート基を有する室温で固体のポリウレタンポリマーPUP1である。
【0192】
そのようなホットメルト接着剤組成物は、充填剤が添加されていないことが有利である。そのようなホットメルト接着剤組成物においては、式(I)の化合物とポリイソシアネートP、特に室温で固体のポリウレタンポリマーPUP1との合計質量が、全組成物を基準にして40〜100質量%、特に75〜100質量%、好ましくは80〜100質量%であることが有利である。
【0193】
説明したホットメルト接着剤組成物は、驚くほど低い含有量のジイソシアネートモノマーしか有していない。このことはホットメルト接着剤にとって特に有利であり、なぜなら、刺激性、感作性、又は毒性の物質である、適応過程でのジイソシアネートモノマーのガス放出は、使用者に対して健康上のリスクになりうるからである。説明したホットメルト接着剤組成物中のジイソシアネートモノマーの含有量は、組成物の湿気反応性成分の合計に基づいて、特に1.0質量%以下、好ましくは0.5質量%以下である。
【0194】
そのようなホットメルト接着剤組成物の特に好適な任意選択のさらなる成分は、非反応性の熱可塑性ポリマー、例えば、不飽和モノマー類(特に、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、イソプレン、酢酸ビニルもしくはその高級エステル類、及び(メタ)アクリレート)のホモポリマー又はコポリマーであり、特に好適な任意選択によるさらなる成分は、エチレン-酢酸ビニルコポリマー(EVA)、アタクティックポリ-α-オレフィン類(APAO)、ポリプロピレン類(PP)、及びポリエチレン類(PE)である。
【0195】
反応性ホットメルト接着剤の作用の様式にとっては、接着剤が溶融性であることが重要であり、このことは、それが適用される適応温度で十分に低い粘度を有し、且つ、それが、空気湿度での架橋反応が完了する前でさえ、冷却の過程で充分な接着強度を非常に迅速に作り出す(初期強度)ことを意味する。説明したホットメルト接着剤は、85℃〜200℃、典型的には120℃〜160℃の範囲の慣用の適用温度で、容易に扱える粘度を有し、且つ良好な接着強度が冷却の過程で十分迅速に作り出されることが発見されている。
【0196】
適用した場合、説明したホットメルト接着剤は湿気、特に空気湿度の形態の湿気と接触する。冷却の過程での固化による物理的硬化と並行して、湿気による化学架橋も起こり、これは主に、アルジミノ基が湿気によって加水分解され且つ存在するイソシアネート基と既に説明した仕方で速やかに反応することによる。過剰なイソシアネート基も同様に公知の方法で、湿気で架橋する。
【0197】
化学反応に必要な湿気は、空気(空気湿度)に由来してもよく、あるいは組成物を含水成分と、例えば塗布又はスプレーによって接触させることもでき、あるいは適用の過程で含水成分を組成物に、例えば、水性ペースト(これは例えばスタティックミキサーを用いて混合される)の形態で添加することもできる。
【0198】
湿気による硬化の過程で、説明したホットメルト接着剤組成物は、気泡を形成する非常に低い傾向しか示さず、なぜなら、アルジミノ基が存在する結果として、(化学量論にしたがって)ほとんど又は全く、二酸化炭素が架橋の過程で形成されないからである。
【0199】
説明したホットメルト接着剤組成物を用いた接着結合のための方法における好適な基材S1及び/又はS2は、特にプラスチック、有機材料、例えば、皮革、織物、紙、木材、樹脂結合木質材料、樹脂-織物複合材料、ガラス、磁器、セラミック、並びに金属及び合金、特に塗装した又は粉体塗装した金属及び合金である。
【0200】
この関連で好適なプラスチックは、特に、ポリ塩化ビニル(PVC)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレンコポリマー(ABS)、SMC(シートモールディングコンポジット)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド(PA)、ポリエステル、ポリオキシメチレン(POM)、ポリオレフィン(PO)、特に、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン/プロピレンコポリマー(EPM)、及びエチレン/プロピレン-ジエンターポリマー(EPDM)、好ましくは、表面をプラズマ、コロナ、又は火炎で処理したPP又はPEである。
【0201】
ホットメルト接着剤の場合の接着剤層の厚さ(接着結合厚さ)は、典型的には10マイクロメートル以上である。接着結合厚さは、特に、10マイクロメートル〜20ミリメートル、特に、80マイクロメートル〜500マイクロメートルである。厚い層の場合、遅い水の拡散によって起こる架橋は典型的には非常に遅い。
【0202】
説明したホットメルト接着剤組成物は特に工業生産工程で用いられる。これは特に輸送部門、家具部門、又は織物工業からの物品をもたらす。好ましい輸送部門は自動車部門である。
【0203】
そのような物品の例は、水用又は陸上乗り物、例えば、自動車、バス、トラック、又は船舶;自動車の内装装飾部品、例えば、ルーフライニング、サンバイザー、計器板、ドアサイドパーツ、手荷物棚など;シャワー及び浴槽部門からの木質繊維材料;家具用の装飾用フィルム、織物例えば綿を用いたメンブレンフィルム、衣類部門におけるポリエステルフィルム、又は自動車トリムのための発泡体付き布地である。
【0204】
一方で、そのような物品は、特に、包装部門からの物品である。
【0205】
説明したホットメルト接着剤組成物は、従来技術を超えた一連の利点を有する。
【0206】
それらは大きく低減したジイソシアネートモノマー含有量を有し、結果として、それらを用いた場合、有害なジイソシアネート蒸気に対して大きく低減された使用者への曝露をもたらす。説明した組成物によって、市販され容易に入手できるジイソシアネート、例えば、4,4’-MDI又はIPDIに基づき且つ非常に低い含有量のジイソシアネートモノマーを有するホットメルト接着剤組成物が得られる。
【0207】
さらに、説明したホットメルト接着剤は、たとえそれが遅い反応性の脂肪族イソシアネート基(例えば、IPDI又はH12MDIのイソシアネート基)のみを含む場合でも大きな架橋速度をもつ。純粋に脂肪族ジイソシアネートに基づく従来技術の反応性ホットメルト接着剤は一般的に低い架橋速度を有するので、それらは多くの用途に対して使用に適さない。
【0208】
さらに、説明したホットメルト接着剤は、気泡を形成する非常に低い傾向を示し、なぜなら、湿気によるイソシアネート基の架橋とは対照的に、加水分解されるアルジミノ基によるイソシアネート基の架橋反応においては、二酸化炭素は全く生じないからである。
【0209】
これらの利点に加えて、説明したホットメルト接着剤は、従来技術のシステムに類似した良好な特性、具体的には、迅速な接着強度、良好な熱安定性、及び良好な伸度と組み合わされた高い最終強度を示し、最終的な機械特性は非常に広範囲内で接着用途の必要条件に調節可能である。
【0210】
本発明の特に顕著な側面は、イソシアネート基を有するポリウレタンポリマー中の、又はポリイソシアネートオリゴマー中の、又はイソシアネート基を有するポリウレタンポリマーもしくはポリイソシアネートオリゴマーを含む組成物中のジイソシアネートモノマー含有量を低減させるための方法に関し、その方法は、1当量のアルジミノ基当たり化学量論量未満の水の存在下、特に0.5モル未満の水の存在下で、式(IVa’)又は(IVb’)の少なくとも1種のポリアルジミンA’と反応させることによる。したがって、この方法は式(IVa)又は(IVb)の上述した「非対称」ポリアルジミンAに限定されず、それどころか、非対称ではないポリアルジミンの場合でさえも、ジイソシアネートモノマーの含有量の所望の低下をもたらすことが発見されている。
【0211】
【化14】

【0212】
式(IVa’)及び(IVb’)中、X’はn個の一級アミノ基をもつポリアミンDA’からこれらのn個のアミノ基を取り除いた後の基であり、nは2〜6、特に2又は3、好ましくは2である。Y、Y、Y、及びYはそれぞれ式(I)に対して既に定義したとおりである。
【0213】
ポリアミンDA’はn個の一級アミノ基を有する。これらのn個のアミノ基を別にして、ポリアミンDA’はイソシアネート基と反応性である基をもたない。より特に、それらはいかなる水酸基、いかなる二級アミノ基、及びいかなるメルカプト基ももたない。
【0214】
好適なポリアミンDA’は、既に言及した「非対称」ジアミンDAに加えて、以下のジアミン及びトリアミン類である。
- 脂肪族ジアミン類。例えば、エチレンジアミン、1,3-プロパンジアミン、2-メチル-1,2-プロパンジアミン、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジアミン、1,4-ブタンジアミン、1,5-ペンタンジアミン、1,6-ヘキサメチレンジアミン、1,7-ヘプタンジアミン、1,8-オクタンジアミン、1,9-ノナンジアミン、1,10-デカンジアミン、1,11-ウンデカンジアミン、1,12-ドデカンジアミン、メチルビス(3-アミノプロピル)アミン、1,5-ジアミノ-2-メチルペンタン(MPMD)、2,5-ジメチル-1,6-ヘキサメチレンジアミン;
【0215】
- 脂環式ジアミン類。例えば、1,3-及び1,4-ジアミノシクロヘキサン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4-アミノ-3-メチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4-アミノ-3-エチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4-アミノ-3,5-ジメチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4-アミノ-3-エチル-5-メチルシクロヘキシル)メタン(M−MECA)、2-メチル-1,3-ジアミノシクロヘキサン、1,3-及び1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、2,5(2,6)-ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(NBDA)、3(4),8(9)-ビス(アミノメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、3,9-ビス(3-アミノプロピル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、1,3-及び1,4-キシリレンジアミン;
【0216】
- エーテル基を含む脂肪族ジアミン類。例えば、ビス(2-アミノエチル)エーテル、3,6-ジオキサオクタン-1,8-ジアミン、4,7-ジオキサデカン-1,10-ジアミン、4,7-ジオキサデカン-2,9-ジアミン、4,9-ジオキサドデカン-1,12-ジアミン、5,8-ジオキサドデカン-3,10-ジアミン、及びこれらのジアミン類の高級オリゴマー類;
【0217】
- ポリオキシアルキレンジアミン類。これらは典型的にはポリオキシアルキレンジオール類のアミノ化による生成物であり、例えば、Jeffamine(登録商標)の商品名(Huntsman Chemicals社)、Polyetheramine(登録商標)名(BASF社)、又はPC Amine(登録商標)名(Nitroil社)で入手でき、例えば、Jeffamine(登録商標)D-230、Jeffamine(登録商標)D-400、Jeffamine(登録商標)D-2000、Jeffamine(登録商標)D-4000、Jeffamine(登録商標)XTJ-511、Jeffamine(登録商標)ED-600、Jeffamine(登録商標)ED-900、Jeffamine(登録商標)ED-2003、Jeffamine(登録商標)XTJ-568、Jeffamine(登録商標)XTJ-569、Jeffamine(登録商標)XTJ-523、Jeffamine(登録商標)XTJ-536、Jeffamine(登録商標)XTJ-542、Jeffamine(登録商標)XTJ-559、Polyetheramine(登録商標)D 230、Polyetheramine(登録商標)D 400、及びPolyetheramine(登録商標)D 2000、PC Amine(登録商標)DA 250、PC Amine(登録商標)DA 400、PC Amine(登録商標)DA 650、及びPC Amine(登録商標)DA 2000である;
【0218】
- 脂肪族トリアミン類。例えば、4-アミノメチル-1,8-オクタンジアミン、1,3,5-トリス(アミノメチル)ベンゼン、1,3,5-トリス(アミノメチル)シクロヘキサン;
【0219】
- ポリオキシアルキレントリアミン類。これらは典型的にはポリオキシアルキレントリオール類のアミノ化による生成物であり、例えば、例えば、Jeffamine(登録商標)の商品名(Huntsman Chemicals社)、Polyetheramine(登録商標)の商品名(BASF社)、又はPC Amine(登録商標)名(Nitroil社)で入手でき、例えば、Jeffamine(登録商標)T-403、Jeffamine(登録商標)T-5000; Polyetheramine(登録商標)T 403、Polyetheramine(登録商標)T 5000; 及びPC Amine(登録商標)TA 403、PC Amine(登録商標)TA 5000である。
【0220】
ポリアミンDA’はジアミン、好ましくは上述した非対称ジアミンDAであることが特に有利である。
【0221】
イソシアネート基を有する少なくとも1種のポリウレタンポリマー又はポリイソシアネートオリゴマーと、少なくとも1種のポリアルジミンA’との、化学量論量未満の水の存在下での反応においては、ポリアルジミンA’の加水分解するアルジミノ基が、イソシアネート基を有するポリウレタンポリマー又はポリイソシアネートオリゴマー中に存在するジイソシアネートモノマーと優先的に反応するという事実によって、ジイソシアネートモノマーの含有量の驚くべき低下がおそらくは達成される。このようにして、最初に存在していたジイソシアネートモノマーの多くの部分が転化される。
【実施例】
【0222】
〔試験法の説明〕
【0223】
赤外スペクトルは、Perkin-Elmer社のFR-IT 1600装置(ZnSe結晶を用いた水平ATR分析ユニット)で測定した。液状試料は希釈せずに膜として塗布し、固体試料はCH2Cl2に溶かした。吸収バンドは波数(cm-1)で記録した(測定範囲:4000〜650 cm-1)。
【0224】
1H NMRスペクトルは、Bruker社のDPX-300分光計で300.13 MHzで測定した。ケミカルシフトδは、テトラメチルシラン(TMS)に対するppmで記録し、結合定数JはHz単位で記録した。真のカップリングパターン及び擬カップリングパターンは区別していない。
【0225】
粘度は、特定した温度にて、温度調節されたPhysica UMコーンプレート粘度計(コーン直径20 mm、コーン角度1°、コーンチップとプレートの距離0.1 mm、剪断速度10〜1000 s-1)で測定した。
【0226】
調製したジアルジミンのアミン含量、すなわちアルジミノ基の形態の保護されたアミノ基の含有量は、滴定法(氷酢酸中0.1 N HClO4、クリスタルバイオレットを使用)によって測定し、常にmmol N/gで報告する。
【0227】
ジイソシアネートモノマーの含有量は、HPLC(フォトダイオードアレイを用いて検出、移動相として0.04 Mの酢酸ナトリウム/アセトニトリル)を使用して測定し、全組成物を基準にした質量%で記録した。
【0228】
引張強度は、1 mmの厚さ及び75 mmの長さ(中心部分長さ30 mm、中心部分幅4 mm)のダンベルについてDIN 53504に準拠して測定した。このダンベルを作るために、厚さ1 mmの接着剤フィルムを調製し(接着剤の塗布温度は130℃)、これからダンベルを打ち抜き、これを次に23℃及び50%相対空気湿度で特定した時間貯蔵した。
【0229】
a)ジアルジミンの調製
〔ジアルジミンA−1〕
丸底フラスコに、窒素雰囲気下、55.0 g (0.19 mol)の蒸留した2,2-ジメチル-3-ラウロイルオキシプロパナールを最初に仕込んだ。激しく撹拌しながら、15.6 g (0.18 molのN)の1-アミノ-3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン(=イソホロンジアミン、IPDA;Vestamin(登録商標)IPD、Degussa社;アミン含量11.68 mmol N/g)を滴下ロートからゆっくりと添加し、その間にこの混合物は温度上昇し、次第に曇っていった。その後、揮発性成分を減圧下で除去した(10 mbar、80℃)。収量: 67.1 gの透明無色のオイルで、2.73 mmol N/gのアミン含量及び20℃で190 mPa.sの粘度を有する。
【0230】
IR: 2952, 2922, 2852, 2819sh, 1738 (C=O), 1666 (C=N), 1464, 1418, 1394, 1378, 1364, 1350, 1298, 1248, 1236sh, 1158, 1112, 1048, 1020, 1000, 938, 928, 910, 894, 868, 772, 722。
1H NMR (CDCl3, 300 K): δ7.59 及び 7.57 (2×s, 計1 H, CH=N ([異性体(複数)]), 7.47 (s, 1 H, CH=N), 4.03 及び 4.01 (2×s, 2×2 H, C(CH3)2-CH2-O), 3.37 (m, 1 H, N-CHCy), 3.08 (dd, 2 H, J=約11.1, N-CH2-CCy), 2.30 (t, 4 H, J=約7.5, OC(O)-CH2-CH2), 1.61 (m, 4 H, OC(O)-CH2-CH2), 1.60-0.85 (m, 65 H, 残りのCH)。
【0231】
〔ジアルジミンA−2〕
丸底フラスコに、窒素雰囲気下、55.0 g (0.19 mol)の蒸留した2,2-ジメチル-3-ラウロイルオキシプロパナールを最初に仕込んだ。激しく撹拌しながら、9.4 g (0.18 molのN)の1,3-ジアミノペンタン(DAMP;Dytek(登録商標)EP Diamine, Invista社;アミン含量19.42 mmol N/g)を滴下ロートからゆっくりと添加し、その間にこの混合物は温度上昇し、次第に曇っていった。その後、揮発性成分を減圧下で除去した(10 mbar、80℃)。収量: 60.9 gの透明な淡黄色のオイルで、3.01 mmol N/gのアミン含量及び20℃で50 mPa.sの粘度を有する。
【0232】
IR: 2955sh, 2922, 2868sh, 2852, 1737 (C=O), 1666 (C=N), 1466, 1419, 1394, 1373,1346,1300,1248,1233,1159,1112,1057,1019,1000, 935, 884, 769br, 722。
【0233】
〔ジアルジミンA−3〕
丸底フラスコに、窒素雰囲気下、15.0 g (0.175 molのN)の1-アミノ-3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン(=イソホロンジアミン、IPDA;Vestamin(登録商標)IPD、Degussa社;アミン含量11.68 mmol N/g)を最初に仕込んだ。激しく撹拌しながら、26.0 g (0.180 mol)の蒸留した3-アセトキシ-2,2-ジメチルプロパナールを滴下ロートからゆっくりと添加し、その間にこの混合物は大きく温度上昇した。その後、揮発性成分を減圧下で除去した(10 mbar、80℃)。収量: 37.3 gの透明無色のオイルで、4.69 mmol N/gのアミン含量及び20℃で820 mPa.sの粘度を有する。
【0234】
IR: 2954, 2931, 2925, 2906, 2869, 2846, 2821, 1740 (C=O), 1666 (C=N), 1470, 1462, 1440sh, 1394, 1374, 1365sh, 1232, 1038, 1008, 986, 971, 940sh, 926, 912, 895, 866, 844, 798。
【0235】
b)ポリウレタンポリマーの調製
〔ポリウレタンポリマー1〕
515 gのDynacoll(登録商標)7360ポリオール(Degussa社;結晶性ポリエステルジオール、OH価 32 mg KOH/g、酸価 約 2mg KOH/g)と84 gの4,4’-メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI; Desmodur(登録商標)44 MC L, Bayer社)を、80℃で公知の方法によってNCO末端ポリウレタンポリマーに転化した。この室温で固体の反応生成物は、滴定法によって測定して1.95質量%のフリーイソシアネート基含有量をもっていた。
【0236】
〔ポリウレタンポリマー2〕
232 gのDynacoll(登録商標)7360ポリオール(Degussa社;結晶性ポリエステルジオール、OH価 32 mg KOH/g、酸価 約 2mg KOH/g)、155 gのDynacoll(登録商標)7110ポリオール(Degussa社;非晶質ポリエステルジオール、OH価 52 mg KOH/g、酸価 約 10 mg KOH/g)、及び62 gのイソホロンジイソシアネート(IPDI; Vestanat(登録商標)IPDI, Degussa社)を、130℃で公知の方法によってNCO末端ポリウレタンポリマーに転化した。この室温で固体の反応生成物は、滴定法によって測定して2.16質量%のフリーイソシアネート基含有量をもっていた。
【0237】
c)ホットメルト接着剤の製造
〔実施例1〜3及び比較例4〕
各試料について、表1にしたがう特定成分を100℃に加熱し、窒素雰囲気下で、特定した質量部をネジ蓋式ポリプロピレンカップに秤量し、遠心ミキサー(SpeedMixer(登録商標)DAC 150、FlackTec Inc.; 3000 rpmで1分間)を使用して混合した。そのすぐ後に、そうして得られたその可動性混合物に、0.2 gのPlurafac(登録商標)LF 132(BASF社;末端エーテル化脂肪アルコールアルコキシレート)と混合した0.19 gの水を添加し、遠心ミキサー(3000 rpmで1分間)を使用して混合した。その直後に、その混合物を内部コーティングされたアルミニウムチューブに移し、密封した。
【0238】
【表1】

【0239】
例1〜3では、ポリウレタンポリマー1のイソシアネート基とジアルジミンのアルジミノ基との間の比が1.0/0.9であり、水とアルジミンのアルジミノ基との間の比が0.5/1.0である。
【0240】
このようにして製造した実施例1〜3及び比較例4のホットメルト接着剤は、均一で可動性であり、粘度、4,4’-メチレンジフェニルジイソシアネートモノマー(4,4’-MDI)の含有量、及び引張強度について試験した。結果を表2に示す。
【0241】
【表2】

【0242】
〔実施例5及び比較例6〕
各試料について、表3にしたがう特定成分を130℃に加熱し、窒素雰囲気下で、特定した質量部をネジ蓋式ポリプロピレンカップに秤量し、遠心ミキサー(SpeedMixer(登録商標)DAC 150、FlackTec Inc.; 3000 rpmで1分間)を使用して混合した。そのすぐ後に、そうして得られたその可動性混合物に、0.2 gのPlurafac(登録商標)LF 132(BASF社;末端エーテル化脂肪アルコールアルコキシレート)と混合した0.21 gの水を添加し、遠心ミキサー(3000 rpmで1分間)を使用して混合した。その直後に、その混合物を内部コーティングされたアルミニウムチューブに移し、密封した。
【0243】
【表3】

【0244】
実施例5では、ポリウレタンポリマー2のイソシアネート基とジアルジミンA−1のアルジミノ基との間の比が1.0/0.9であり、水とアルジミンA−1のアルジミノ基との間の比が0.5/1.0である。
【0245】
そうして製造したホットメルト接着剤を次に貯蔵前及び貯蔵後の粘度、イソホロンジイソシアネートモノマー(IPDI; シス及びトランス異性体の合計)の含有量、及び引張強度について試験をした。その結果を表4に示す。
【0246】
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
イソシアネート基及びアルジミノ基を有する下記式(I)の化合物VB。
【化1】

式中、
Qは(u+v)個の末端イソシアネート基を有するポリイソシアネートから全てのイソシアネート基を取り除いた後の基であり;
uは1又は2であり;
vは1又は2であり;
Yは下記式(Ia)又は(Ib):
【化2】

〔式中、Y及びYは、
それぞれ独立に1〜12の炭素原子を有する一価炭化水素基であるか、又は
一緒になって、5〜8、好ましくは6の炭素原子を有し任意選択で置換されていてもよい炭素環の一部分であり且つ4〜20の炭素原子を有する二価の炭化水素基であるか、
のいずれかであり、
は、任意選択で少なくとも1つのヘテロ原子、特にエーテル、カルボニル、又はエステル基の形態の酸素を有していてもよい一価炭化水素基であり;
は、5〜8、好ましくは6原子の環サイズを有する置換もしくは非置換のアリールもしくはヘテロアリール基であるか、又は
【化3】

(式中、Rは水素原子又はアルコキシ基である)
であるか、又は
少なくとも6の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルケニルもしくはアリールアルケニル基である。〕
の基であり;
Xは、2つの一級アミノ基をもつジアミンDAからその2つのアミノ基を取り除いた後の基であり、
但し、前記ジアミンDAの2つの一級アミノ基のうちの少なくとも1つが脂肪族アミノ基であり、且つ前記ジアミンDAのその2つの一級アミノ基が、
・その特定のアミノ基のα位の炭素原子(Cα)上の水素原子の数が少なくとも1つ互いに異なるか、又は、
・その特定のアミノ基のβ位の炭素原子(Cβ)上の水素原子の数が少なくとも2つ互いに異なる、
ことを条件とする。
【請求項2】
前記ジアミンDAが、1,2-プロパンジアミン、2-メチル-1,2-プロパンジアミン、1,3-ブタンジアミン、1,3-ジアミノペンタン(DAMP)、4-アミノエチルアニリン、4-アミノメチルアニリン、4-[(4-アミノシクロヘキシル)メチル]アニリン、2-アミノエチルアニリン、2-アミノメチルアニリン、2-[(4-アミノシクロヘキシル)メチル]アニリン、及び4-[(2-アミノシクロヘキシル)メチル]アニリン; 2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン(TMD)、1,5-ジアミノ-2-ブチル-2-エチルペンタン、1-アミノ-3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン(=イソホロンジアミン=IPDA)、及び1,4-ジアミノ-2,2,6-トリメチルシクロヘキサン(TMCDA)からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の、イソシアネート基及びアルジミノ基を有する化合物。
【請求項3】
前記ジアミンDAが、1,3-ジアミノペンタン(DAMP)、1,5-ジアミノ-2-ブチル-2-エチルペンタン、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン(TMD)、及び1-アミノ-3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン(= イソホロンジアミン = IPDA)からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の、イソシアネート基及びアルジミノ基を有する化合物。
【請求項4】
Yが式(Ia)の基であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の、イソシアネート基及びアルジミノ基を有する化合物。
【請求項5】
及びYがそれぞれメチルであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の、イソシアネート基及びアルジミノ基を有する化合物。
【請求項6】
が、下記式(II)又は(III)の基、好ましくは式(III)の基であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の、イソシアネート基及びアルジミノ基を有する化合物。
【化4】

(式中、Rは、水素原子、又はアルキルもしくはアリールアルキル基、特に1〜12の炭素原子を有するものであり、好ましくは水素原子であり;
は、1〜30、特に11〜30の炭素原子を有し、且つ任意選択でヘテロ原子を含んでいてもよい炭化水素基であり;
は、水素原子であるか、又は
1〜30、特に11〜30の炭素原子を有し、任意選択で環状部分をもっていてもよく、且つ任意選択で少なくとも1つのヘテロ原子をもっていてもよい、直鎖状又は分岐状のアルキル基であるか、又は
5〜30の炭素原子を有する、一又は多不飽和の、直鎖状又は分岐状の炭化水素基であるか、又は
任意選択で置換されていてもよい、芳香族又はヘテロ芳香族の5又は6員環、
である。)
【請求項7】
u+vの合計が2又は3の値であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の、イソシアネート基及びアルジミノ基を有する化合物。
【請求項8】
Qが、(u+v)個の末端イソシアネート基を有するポリウレタンポリマーPUPから全てのイソシアネート基を取り除いた後の基であり、前記ポリウレタンポリマーPUPは、特に、少なくとも1種のポリオールと少なくとも1種のポリイソシアネートとから、好ましくは少なくとも1種のジオールと少なくとも1種のジイソシアネートとから得られることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の、イソシアネート基及びアルジミノ基を有する化合物。
【請求項9】
(u+v)個の末端イソシアネート基を有する前記ポリウレタンポリマーPUPが、イソシアネート基を有する室温で固体のポリウレタンポリマーPUP1であることを特徴とする、請求項8に記載の、イソシアネート基及びアルジミノ基を有する化合物。
【請求項10】
Qが、(u+v)個の末端イソシアネート基を有し且つ、脂肪族、脂環式、又は芳香族ジイソシアネートから調製されるポリイソシアネートオリゴマーPIから全てのイソシアネート基を取り除いた後の基であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の、イソシアネート基及びアルジミノ基を有する化合物。
【請求項11】
下記式(IVa)又は式(IVb)の少なくとも1種のジアルジミンAを、下記式(V)の少なくとも1種のポリイソシアネートと、化学量論量未満の水の存在下で反応させることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載のイソシアネート基及びアルジミノ基を有する式(I)の化合物の製造方法。
【化5】

【請求項12】
水とジアルジミンAのアルジミノ基との間の比が、アルジミノ基1当量当たり水0.5モル以下、特に0.3〜0.5モルであることを特徴とする、請求項11に記載の製造方法。
【請求項13】
式(IVa)又は(IVb)の前記ジアルジミンAのアルジミノ基の数に対する式(V)の前記ポリイソシアネートのイソシアネート基の数の比が、少なくとも1、好ましくは1〜5であることを特徴とする、請求項11又は12に記載の製造方法。
【請求項14】
a)請求項1〜10のいずれか一項に記載のイソシアネート基及びアルジミノ基を有する式(I)の化合物、特に、請求項11〜13のいずれか一項に記載の製造方法によって製造された化合物、の少なくとも1種、及び
b)少なくとも1種のポリイソシアネートP
を含む組成物。
【請求項15】
前記ポリイソシアネートPが、(u+v)個の末端イソシアネート基を有するポリイソシアネートであって、それから式(I)の化合物中のQが導かれるポリイソシアネートと同じポリイソシアネートであることを特徴とする、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
組成物中の式(I)の化合物の含有量が、式(I)の化合物とポリイソシアネートPとの合計量に基づいて少なくとも20質量%であることを特徴とする、請求項14又は15に記載の組成物。
【請求項17】
式(I)の化合物及びポリイソシアネートPの合計質量が、全組成物に基づいて、5〜100質量%、好ましくは10〜100質量%であることを特徴とする、請求項14〜16のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
組成物中に存在する全てのアルジミノ基と組成物中に存在する全てのイソシアネート基との間の比が0.1〜1.1、好ましくは0.2〜1.0、より好ましくは0.2〜0.9であることを特徴とする、請求項14〜17のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項19】
少なくとも1種の触媒、特にアルジミンの加水分解を促進する触媒、好ましくは酸を含むことを特徴とする、請求項14〜18のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項20】
請求項14〜19のいずれか一項に記載の組成物と、水、特に大気湿度の形態の水との反応によって得られる、硬化した組成物。
【請求項21】
接着剤、特にホットメルト接着剤としての、請求項14〜19のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項22】
以下の工程:
i)請求項14〜19のいずれか一項に記載の組成物を基材S1に適用する工程;
ii)適用した前記組成物をその組成物のオープンタイム内に基材S2と接触させる工程;
又は、
i’)請求項14〜19のいずれか一項に記載の組成物を基材S1及び基材S2に適用する工程;
ii’)適用した前記組成物をその組成物のオープンタイム内に互いに接触させる工程
を含み、
前記基材S2は、前記基材S1と同じ材料又は異なる材料からなる、
基材S1を基材S2に接着結合させる方法。
【請求項23】
前記組成物を、適用前に40℃〜80℃、特に60℃〜80℃の温度に加熱し、工程i)又はi’)において特にこの温度で適用することを特徴とする、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記組成物を、適用前に85℃〜200℃、特に100℃〜180℃、好ましくは120℃〜160℃の温度に加熱し、工程i)又はi’)において特にこの温度で適用することを特徴とする、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
請求項22〜24のいずれか一項に記載の方法によって接着結合された物品。
【請求項26】
前記物品が、建築部門、輸送部門、家具部門、織物部門、又は包装部門からの物品であることを特徴とする、請求項25に記載の物品。
【請求項27】
イソシアネート基を有するポリウレタンポリマー中の、又はポリイソシアネートオリゴマー中の、又はイソシアネート基を有するポリウレタンポリマーもしくはポリイソシアネートオリゴマーを含む組成物中のジイソシアネートモノマー含有量を低減させるための方法であって、
それらを、アルジミノ基1当量当たり、化学量論量未満の水、特に0.5モル未満の水の存在下で、下記式(IVa’)又は(IVb’)の少なくとも1種のポリアルジミンA’と反応させることによる、方法。
【化6】

〔式中、Y及びYは、
それぞれ独立に1〜12の炭素原子を有する一価炭化水素基であるか、又は
一緒になって、5〜8、好ましくは6の炭素原子を有し任意選択で置換されていてもよい炭素環の一部分であり且つ4〜20の炭素原子を有する二価の炭化水素基であるか、
のいずれかであり;
は、任意選択で少なくとも1つのヘテロ原子、特にエーテル、カルボニル、又はエステル基の形態の酸素を有していてもよい一価炭化水素基であり;
は、5〜8、好ましくは6原子の環サイズを有する置換もしくは非置換のアリールもしくはヘテロアリール基であるか、又は
【化7】

(式中、Rは水素原子又はアルコキシ基である)
であるか、又は
少なくとも6の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルケニルもしくはアリールアルケニル基である。
の基であり;
X’は、n個の一級アミノ基をもつポリアミンDA’からそれらn個のアミノ基を取り除いた後の基であり、
nは2〜6、特に2又は3、好ましくは2である。〕
【請求項28】
が下記式(II)又は(III)、好ましくは式(III)であることを特徴とする、請求項27に記載の方法。
【化8】

〔式中、Rは、水素原子、又はアルキルもしくはアリールアルキル基、好ましくは水素原子であり;
は、1〜30、特に11〜30の炭素原子を有し、且つ任意選択でヘテロ原子を含んでいてもよい炭化水素基であり;
は、水素原子であるか、又は
1〜30、特に11〜30の炭素原子を有し、任意選択で環状部分をもっていてもよく、且つ任意選択で少なくとも1つのヘテロ原子をもっていてもよい、直鎖状又は分岐状のアルキル基であるか、又は
5〜30の炭素原子を有する、一又は多不飽和の、直鎖状又は分岐状の炭化水素基であるか、又は
任意選択で置換されていてもよい、芳香族又はヘテロ芳香族の5又は6員環、
である。〕
【請求項29】
前記ポリアミンDA’が2つの一級アミノ基をもつジアミンであり、これら2つのアミノ基が、
その所定のアミノ基に対してα位にある炭素原子(Cα)上の水素原子の数が少なくとも1つ互いに異なるか、あるいは
その所定のアミノ基に対してβ位にある炭素原子(Cβ)上の水素原子の数が少なくとも2つ互いに異なる、
ことを特徴とする、請求項27又は28に記載の方法。
【請求項30】
前記ポリアミンDA’が、1,2-プロパンジアミン、2-メチル-1,2-プロパンジアミン、1,3-ブタンジアミン、1,3-ジアミノペンタン(DAMP)、4-アミノエチルアニリン、4-アミノメチルアニリン、4-[(4-アミノシクロヘキシル)メチル]アニリン、2-アミノエチルアニリン、2-アミノメチルアニリン、2-[(4-アミノシクロヘキシル)メチル]アニリン、4-[(2-アミノシクロヘキシル)メチル]アニリン;2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン(TMD)、1,5-ジアミノ-2-ブチル-2-エチルペンタン、1-アミノ-3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン(=イソホロンジアミン=IPDA)、及び1,4-ジアミノ-2,2,6-トリメチルシクロヘキサン(TMCDA)からなる群から選択されることを特徴とする、請求項29に記載の方法。

【公表番号】特表2010−522717(P2010−522717A)
【公表日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−500269(P2010−500269)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際出願番号】PCT/EP2008/053633
【国際公開番号】WO2008/116901
【国際公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【出願人】(504274505)シーカ・テクノロジー・アーゲー (227)
【Fターム(参考)】