低再循環性および可逆性を提供する設計を有する医療用カテーテル
【課題】本発明は、医療用カテーテルアセンブリを提供する。
【解決手段】医療用カテーテルアセンブリは、細長いカテーテル部材を含み、該細長いカテーテル部材は、長手方向軸に沿って延び、近位端、遠位端、および外壁を有し、第1の内部管腔および第2の内部管腔を画定し、該外壁は、該第1の内部管腔と流体連通して第1の流れストリームの確立を容易にする第1の開口部、および該第2の内部管腔と流体連通して第2の流れストリームの確立を容易にする第2の開口部を画定し、該第1の開口部は、第1の横方向に間隔を置いて離された軸方向の壁部分および第2の横方向に間隔を置いて離された軸方向の壁部分を有する第1の連続壁によって画定され、該第2の開口部は、第1の横方向に間隔を置いて離された軸方向の壁部分および第2の横方向に間隔を置いて離された軸方向の壁部分を有する第2の連続壁によって画定される。
【解決手段】医療用カテーテルアセンブリは、細長いカテーテル部材を含み、該細長いカテーテル部材は、長手方向軸に沿って延び、近位端、遠位端、および外壁を有し、第1の内部管腔および第2の内部管腔を画定し、該外壁は、該第1の内部管腔と流体連通して第1の流れストリームの確立を容易にする第1の開口部、および該第2の内部管腔と流体連通して第2の流れストリームの確立を容易にする第2の開口部を画定し、該第1の開口部は、第1の横方向に間隔を置いて離された軸方向の壁部分および第2の横方向に間隔を置いて離された軸方向の壁部分を有する第1の連続壁によって画定され、該第2の開口部は、第1の横方向に間隔を置いて離された軸方向の壁部分および第2の横方向に間隔を置いて離された軸方向の壁部分を有する第2の連続壁によって画定される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本出願は、2009年9月30日に出願された米国仮特許出願第61/247,101号、および2009年12月22日に出願された米国仮特許出願第61/289,073号の利益および優先権を主張し、それぞれの全容は、本明細書において参考として援用されている。
【0002】
(1.技術分野)
本開示は、カテーテルアセンブリに関し、詳細には、二方向の流体の流れを容易にするように適合された血液透析カテーテルアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
(2.関連技術の説明)
カテーテルは、体腔、管路、および脈管に流体を導入、回収する際に使用される可撓性の医療用器具である。カテーテルは、血液が、治療のために血管から回収され、その後、患者の身体を巡る循環のために血管に戻される血液透析処置において特定の用途を有する。
【0004】
多くの血液透析カテーテルは、例えば、二重または三重管腔カテーテルのような複数の管腔を含み、1つの管腔は、一方向における連通を介して脈管から流体を回収することに当てられ、他の少なくとも1つの管腔は、別の方向における連通を介して脈管へ流体を戻すことに当てられる。一般的に、それを通して流体が回収される管腔は、「動脈」管腔と称され、それを通して流体が戻される管腔は、「静脈」管腔と称される。カテーテル壁の対応する開口部を通って、流体は動脈管腔に入り、静脈管腔を出る。例示的な血液透析処置の間、多管腔カテーテルの配置の後、血液は、カテーテルの動脈管腔を通って患者から回収され、透析または浄化のために血液透析ユニットに向けられ、老廃物および毒素を除去する。透析された血液は、カテーテルの静脈管腔を通って患者に戻される。
【0005】
公知の血液透析カテーテルは、様々なカテーテル先端の設計を組み込んでいる。例えば、カテーテルは、千鳥状の静脈管腔および動脈管腔を、したがって千鳥状の静脈開口部および動脈開口部を備えている設計を含み得る。千鳥状の開口部は、患者に戻る血液が、動脈開口部の下流の静脈管腔から排出されることを確実にする。しかしながら、例えば、位置的閉塞または線維素シースもしくは血栓の形成から生じる、カテーテルの動脈管腔における閉塞により、劣等な流れ性能がしばしば生じる。
【0006】
流れの閉塞を解決するために取られる現行の手段は、患者を配置し直すこと、カテーテルの管腔を洗浄すること、および血液透析ユニットへのカテーテルの血液ラインを逆転することを含む。しかしながら、これらの手段は、浄化された血液が、カテーテル入口に対して上流に排出される状況を作り、これによって、清浄な血液がカテーテルの中に引き戻されるという望ましくない可能性が増加し得る。血液のこの「再循環」は、処方された血液清浄レベルに達するための治療時間を増加することにより、非効率的な透析を生じる。
【0007】
カテーテルの壁における静脈開口部および動脈開口部に関連する幾つかの要因が、血液透析処置の間、閉塞および再循環の可能性に影響を及ぼすことが発見された。これらの要因は、例えば、開口部間の円周方向および軸方向の距離、ならびにそれらの外周および円周方向の高さを含む。しかしながら、公知のカテーテル先端の設計は、1つ以上のこれらの要因の最適化には不十分である。例えば、各々Abrahamsonへの特許文献1および特許文献2は、カテーテルアセンブリを開示しており、該カテーテルアセンブリは、本体部分の壁に形成された側面開口部および遠位の先端に形成された開口部とそれぞれ流体連通する、長手方向に間隔を置いて離された取入管腔およびリターン管腔を画定する本体部分を含む。側面開口部は、二対の概ね平行な壁部分によって画定され、遠位の先端の開口部は、構成が実質的に円形である。
【0008】
さらなる公知のカテーテル先端の設計が、それぞれTwardowskiらへの特許文献3および特許文献4に開示されており、これらは、内部の静脈管腔および動脈管腔を含むカテーテルを開示している。静脈管腔および動脈管腔は、カテーテルの遠位端に配置された対応する開口部と連通しており、該開口部は、互いから長手方向に間隔を置いて離されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第5,403,291号明細書
【特許文献2】米国特許第5,489,278号明細書
【特許文献3】米国特許第5,685,867号明細書
【特許文献4】米国特許第5,961,486号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
閉塞の可能性を低減し、再循環を制限することが望まれているので、上に特定された1つ以上の要因を最適化する構造を含むカテーテル先端の設計が有利である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(概要)
本開示の一実施形態において、医療用カテーテルが開示され、該医療用カテーテルは、細長いカテーテル部材を含み、該細長いカテーテル部材は、長手方向軸を画定し、近位端、遠位端、外壁、ならびに第1の内部管腔および第2の内部管腔を有する。あるいは、カテーテルは、それを貫通する第3の内部管腔を含み得、第1、第2、および第3の内部管腔は、外壁から内向きに延びる少なくとも2つの隔壁によって分離される。
【0012】
カテーテル部材の外壁は、第1の内部管腔と流体連通して第1の流れストリームの確立を容易にする第1の開口部と、第2の内部管腔と流体連通して第2の流れストリームの確立を容易にする第2の開口部とを画定する。第1の内部管腔と第2の内部管腔との間の再循環の可能性を低減するために、第1の開口部および第2の開口部の構成、寸法、および配置は、第2の流れストリームからの該第1の流れストリームの分離を最大にする。この目的のために、一実施形態において、第1の開口部および第2の開口部のそれぞれは、一定の横方向の寸法を有する中間部分によって接続される近位方向に先細りの部分と遠位方向に先細りの部分とを含み得ることが想定されている。カテーテル部材の外壁に含まれた第1の開口部および第2の開口部の近位方向に先細りの部分は、遠位方向に増加する横方向の寸法を含み得る。さらに、または代替として、第1の開口部および第2の開口部の遠位方向に先細りの部分は、遠位方向に減少する横方向の寸法を含み得る。
【0013】
第1の開口部は第1の連続壁によって画定され、第2の開口部は第2の連続壁によって画定され、第1の連続壁および第2の連続壁の各々は、長手方向軸に平行な軸に沿って延びる第1の軸方向の壁部分と第2の軸方向の壁部分とを含み、第1の横方向の壁部分および第2の横方向の壁部分が、第1の軸方向の壁部分および第2の軸方向の壁部分を接続する。本開示のカテーテルの一実施形態において、第1の軸方向の壁部分は第1の長さを画定し、第2の軸方向の壁部分は第2の、より大きな長さを画定する。第1の横方向の壁部分および第2の横方向の壁部分のうちの少なくとも1つが、例えば、第2の軸方向の壁部分に向かって湾曲するような弓形の構成を含み得ることが想定されている。例えば、第1の横方向の壁部分および第2の横方向の壁部分のそれぞれが、弓形の構成を含み得る。
【0014】
第1の軸方向の壁部分は、カテーテル部材の円周に沿って測定される第1の距離をそれらの間に画定し、第2の軸方向の壁部分は、カテーテル部材の円周に沿って測定される第2の距離をそれらの間に画定する。第1の距離および第2の距離は、等しくあり得ることにより、第1の開口部および第2の開口部の分離を最大にする。
【0015】
本開示のカテーテルの1つの特定の実施形態において、外壁に含まれる第1の開口部および第2の開口部は、構成および寸法が同一である。
【0016】
本開示の別の局面において、細長いカテーテルを含む医療用カテーテルが開示され、該細長いカテーテルは、長手方向軸に沿って延び、近位端、遠位端、外壁、ならびに第1の内部管腔および第2の内部管腔を有する。外壁は、第1の内部管腔と流体連通して第1の流れストリームの確立を容易にする第1の開口部、および第2の内部管腔と流体連通して第2の流れストリームの確立を容易にする第2の開口部を画定する。
【0017】
第1の開口部は、第1の横方向に間隔を置いて離された軸方向の壁部分および第2の横方向に間隔を置いて離された軸方向の壁部分を有する第1の連続壁によって画定され、第2の開口部は、第1の横方向に間隔を置いて離された軸方向の壁部分および第2の横方向に間隔を置いて離された軸方向の壁部分を有する第2の連続壁によって画定され、第1の軸方向の壁部分および第2の軸方向の壁部分は、カテーテルの円周に沿って測定された相当距離をそれらの間で画定して第1の開口部と第2の開口部との分離を最大にする。第1の軸方向の壁部分は、第1の長さを画定し得、第2の軸方向の壁部分は、第2の、より大きな長さを画定し得ることが想定されている。
【0018】
第1の壁の第1の軸方向の壁部分および第2の軸方向の壁部分は、一対の第1の横方向の壁部分によって接続され、第2の壁の第1の軸方向の壁部分および第2の軸方向の壁部分は、一対の第2の横方向の壁部分によって接続される。
【0019】
第1の開口部および第2の開口部はそれぞれ、弓形の構成を有する少なくとも1つの横方向の壁部分を含むことが想定されている。
【0020】
第1の開口部および第2の開口部はそれぞれ、一定の横方向の寸法を有する中間部分によって接続される近位方向に先細りの部分と遠位方向に先細りの部分とを含み得る。例えば、第1の開口部および第2の開口部の近位方向に先細りの部分は、遠位方向に増加する横方向の寸法を含み得る。さらに、または代替として、第1の開口部および第2の開口部の遠位方向に先細りの部分は、遠位方向に減少する横方向の寸法を含み得る。
【0021】
本開示のさらに別の局面において、医療処置の間、カテーテルの内部管腔の間の流体の再循環を低減するために、医療用カテーテルを製造する方法が開示される。方法は、(i)長手方向軸に沿って延びる細長い部材を提供するステップであって、該細長い部材は、外壁を含み、該細長い部材を貫通する第1の内部管腔および第2の内部管腔を画定する、ステップと、(ii)第1の内部管腔と連通して、カテーテルを通る第1の流れストリームの確立を容易にするように、細長い部材の外壁に第1の開口部を形成するステップであって、第1の開口部は、近位方向に先細りの部分と遠位方向に先細りの部分とを含む、ステップと、(iii)第2の内部管腔と連通して、カテーテルを通る第2の流れストリームの確立を容易にするように、細長い部材の外壁に第2の開口部を形成するステップであって、第2の開口部は、近位方向に先細りの部分と遠位方向に先細りの部分とを含み、第1の開口部および第2の開口部は、第2の開口部の遠位部分からの第1の開口部の近位部分の分離を最大にすることにより第1の流れストリームと第2の流れストリームとの分離を最大にするような構成、寸法、および配置とされる、ステップとを含む。
【0022】
細長い部材の外壁に第1の開口部および第2の開口部を形成するステップは、それぞれが中間部分を含む第1の開口部および第2の開口部を形成することを含み得、該中間部分は、近位方向に先細りの部分および遠位方向に先細りの部分を接続する一定の横方向の寸法を備えていることが想定されている。第1の開口部および第2の開口部の近位方向に先細りの部分は、遠位方向に増加する横方向の寸法を含み得る。さらに、または代替として、第1の開口部および第2の開口部の遠位方向に先細りの部分は、遠位方向に減少する横方向の寸法を含み得る。
【0023】
細長い部材の外壁に第1の開口部および第2の開口部を形成するステップは、第1の連続壁によって画定された第1の開口部、および第2の連続壁によって画定された第2の開口部を形成することを含み得ることがさらに想定されている。本開示の方法の一実施形態において、第1の壁および第2の壁はそれぞれ、細長い部材の長手方向軸に平行な軸に沿って延びる第1の軸方向の壁部分および第2の軸方向の壁部分によって画定され得、第1の横方向の壁部分および第2の横方向の壁部分は、第1の軸方向の壁部分および第2の軸方向の壁部分を接続し得ることが想定されている。例えば、第1の軸方向の壁部分は、第1の長さを画定し、一方、第2の軸方向の壁部分は、第2の、より大きな長さを画定し得ることが想定されている。
【0024】
細長い部材の外壁に第1の開口部および第2の開口部を形成するステップは、第1の開口部および第2の開口部を形成することを含み得、ここで、第1の横方向の壁部分および第2の横方向の壁部分のいずれか、または両方が、例えば、第2の軸方向の壁部分に向かって湾曲する弓形の構成のような、弓形の構成を含むことがさらに想定されている。
【0025】
製造の1つの特定な方法において、細長い部材の外壁に第1の開口部および第2の開口部を形成するステップは、構成および寸法が同一である第1の開口部および第2の開口部を形成することを含み得る。
【0026】
本開示のさらなる局面において、医療用カテーテルアセンブリが開示され、該医療用カテーテルアセンブリは、長手方向軸に沿って延びる細長いカテーテル部材を含み、近位端、遠位端、および外壁を有する。
【0027】
細長いカテーテル部材は、第1の内部管腔および第2の内部管腔を画定する。外壁は、第1の内部管腔と流体連通して第1の流れストリームの確立を容易にする第1の開口部と、第2の内部管腔と流体連通して第2の流れストリームの確立を容易にする第2の開口部とを含む。第1の開口部および第2の開口部は、直径の反対側に配置されることにより第1の開口部と第2の開口部との分離を最大にし、それによって第2の流れストリームからの第1の流れストリームの分離が最大にされて第1の内部管腔と第2の内部管腔との間の再循環の可能性を低減する。
【0028】
第1の開口部は、第1の横方向に間隔を置いて離された壁部分および第2の横方向に間隔を置いて離された壁部分を有する第1の連続壁によって画定され、第1の壁の第1の壁部分および第2の壁部分のうちの少なくとも1つが、弓形の構成を有し、第2の開口部は、第1の横方向に間隔を置いて離された壁部分および第2の横方向に間隔を置いて離された壁部分を有する第2の連続壁によって画定され、第2の壁の第1の壁部分および第2の壁部分のうちの少なくとも1つが、弓形の構成を有する。
【0029】
本開示のカテーテルアセンブリの一実施形態において、第1の壁の第1の壁部分と第2の壁部分との両方は、構成が弓形であり得、第2の壁の第1の壁部分と第2の壁部分との両方は、構成が弓形であり得ることが想定されている。
【0030】
本開示の別の局面において、医療用カテーテルアセンブリが開示され、該医療用カテーテルアセンブリは、細長いカテーテル部材を含み、該細長いカテーテル部材は、そこを貫通する第1の内部管腔および第2の内部管腔を画定する。
【0031】
細長いカテーテル部材は外壁を含み、該外壁は、第1の連続壁によって画定された第1の開口部であって、第1の開口部は、第1の内部管腔と流体連通して第1の流れストリームの確立を容易にする、第1の開口部、および第2の連続壁によって画定された第2の開口部であって、第2の開口部は、第2の内部管腔と流体連通して第2の流れストリームの確立を容易にする、第2の開口部を有する。
【0032】
第1の開口部および第2の開口部はそれぞれ、近位方向に先細りの部分と遠位方向に先細りの部分とを含み、それによって第2の流れストリームからの第1の流れストリームの分離が最大にされて第1の内部管腔と第2の内部管腔との間の再循環の可能性を低減する。
【0033】
第1の開口部の近位方向に先細りの部分および遠位方向に先細りの部分は、第1の中間部分によって接続され、第2の開口部の近位方向に先細りの部分および遠位方向に先細りの部分は、第2の中間部分によって接続される。
【0034】
第1の中間部分は、第1の壁の第1の壁部分および第2の壁部分によって画定され、第2の中間部分は、第2の壁の第1の壁部分および第2の壁部分によって画定される。第1の中間部分を画定する第1の壁部分および第2の壁部分のうちの少なくとも1つは、構成が弓形であり、第2の中間部分を画定する第1の壁部分および第2の壁部分のうちの少なくとも1つは、構成が弓形である。
【0035】
本開示のカテーテルアセンブリの一実施形態において、第1の中間部分を画定する第1の壁部分および第2の壁部分のそれぞれは、構成が弓形であり得、第2の中間部分を画定する第1の壁部分および第2の壁部分のそれぞれは、構成が弓形であり得ることが想定されている。
【0036】
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
【0037】
(項目1)
医療用カテーテルアセンブリであって、該医療用カテーテルアセンブリは、
細長いカテーテル部材を備えており、該細長いカテーテル部材は、長手方向軸に沿って延び、近位端、遠位端、および外壁を有し、第1の内部管腔および第2の内部管腔を画定し、該外壁は、該第1の内部管腔と流体連通して第1の流れストリームの確立を容易にする第1の開口部、および該第2の内部管腔と流体連通して第2の流れストリームの確立を容易にする第2の開口部を画定し、該第1の開口部は、第1の横方向に間隔を置いて離された軸方向の壁部分および第2の横方向に間隔を置いて離された軸方向の壁部分を有する第1の連続壁によって画定され、該第2の開口部は、第1の横方向に間隔を置いて離された軸方向の壁部分および第2の横方向に間隔を置いて離された軸方向の壁部分を有する第2の連続壁によって画定され、該第1の軸方向の壁部分および該第2の軸方向の壁部分は、それらの間で、該細長いカテーテル部材の円周に沿って測定された相当距離を画定し、それによって該第1の開口部と該第2の開口部との分離を最大にし、その結果該第2の流れストリームからの該第1の流れストリームの分離が最大にされて該第1の内部管腔と該第2の内部管腔との間の再循環の可能性を低減する、医療用カテーテルアセンブリ。
【0038】
(項目2)
上記第1の開口部および上記第2の開口部を画定する壁の上記第1の軸方向の壁部分は、第1の長さを画定し、該第1の開口部および該第2の開口部を画定する壁の上記第2の軸方向の壁部分は、第2の、より大きな長さを画定する、上記項目のいずれか一項に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【0039】
(項目3)
上記第1の開口部および上記第2の開口部は各々、一定の横方向の寸法を有する中間部分によって接続された近位方向に先細りの部分および遠位方向に先細りの部分を含む、上記項目のいずれか一項に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【0040】
(項目4)
上記第1の開口部および上記第2の開口部の上記近位方向に先細りの部分は、遠位方向に増加する横方向の寸法を有する、上記項目のいずれか一項に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【0041】
(項目5)
上記第1の開口部および上記第2の開口部の上記遠位方向に先細りの部分は、遠位方向に減少する横方向の寸法を有する、上記項目のいずれか一項に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【0042】
(項目6)
上記第1の開口部および上記第2の開口部を画定する壁の上記第1の軸方向の壁部分および上記第2の軸方向の壁部分は、上記長手方向軸に平行な軸に沿って延びる、上記項目のいずれか一項に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【0043】
(項目7)
上記項目のいずれか一項に記載の医療用カテーテルアセンブリであって、該医療用カテーテルアセンブリを貫通して延びる第3の内部管腔をさらに含み、上記第1の内部管腔と、上記第2の内部管腔と、該第3の内部管腔とは、上記外壁から内向きに延びる少なくとも2つの隔壁によって分離されている、医療用カテーテルアセンブリ。
【0044】
(項目8)
上記第1の開口部および上記第2の開口部は、構成および寸法が同一である、上記項目のいずれか一項に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【0045】
(項目9)
上記第1の開口部を画定する壁の上記第1の軸方向の壁部分および上記第2の軸方向の壁部分は、一対の第1の横方向の壁部分によって接続され、上記第2の開口部を画定する壁の上記第1の軸方向の壁部分および上記第2の軸方向の壁部分は、一対の第2の横方向の壁部分によって接続されている、上記項目のいずれか一項に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【0046】
(項目10)
上記第1の横方向の壁部分および上記第2の横方向の壁部分の対のうちの少なくとも一対は、弓形の構成を有している、上記項目のいずれか一項に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【0047】
(項目11)
上記第1の開口部および上記第2の開口部を画定する壁の上記第1の横方向の壁部分および上記第2の横方向の壁部分のうちの少なくとも1つは、上記第2の軸方向の壁部分に向かって湾曲する弓形の構成を含む、上記項目のいずれか一項に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【0048】
(項目12)
上記第1の開口部および上記第2の開口部を画定する壁の上記第1の横方向の壁部分および上記第2の横方向の壁部分の各々は、弓形の構成を含む、上記項目のいずれか一項に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【0049】
(項目13)
上記第1の開口部および上記第2の開口部を画定する壁の上記第1の横方向の壁部分および上記第2の横方向の壁部分の各々は、上記第2の軸方向の壁部分に向かって湾曲する弓形の構成を含む、上記項目のいずれか一項に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【0050】
(項目14)
医療用カテーテルアセンブリであって、該医療用カテーテルアセンブリは、
細長いカテーテル部材を備えており、該細長いカテーテル部材は、長手方向軸に沿って延び、近位端、遠位端、および外壁を有し、第1の内部管腔および第2の内部管腔を画定し、該外壁は、該第1の内部管腔と流体連通して第1の流れストリームの確立を容易にする第1の開口部、および該第2の内部管腔と流体連通して第2の流れストリームの確立を容易にする第2の開口部を含み、該第1の開口部は、第1の横方向に間隔を置いて離された壁部分および第2の横方向に間隔を置いて離された壁部分を有する第1の連続壁によって画定され、該第1の壁の該第1の壁部分および該第2の壁部分のうちの少なくとも1つは、弓形の構成を有し、該第2の開口部は、第1の横方向に間隔を置いて離された壁部分および第2の横方向に間隔を置いて離された壁部分を有する第2の連続壁によって画定され、該第2の壁の該第1の壁部分および該第2の壁部分のうちの少なくとも1つは、弓形の構成を有し、該第1の開口部および該第2の開口部は、直径の反対側に配置されることにより該第1の開口部と該第2の開口部との分離を最大にし、それによって該第2の流れストリームからの該第1の流れストリームの分離が最大にされて該第1の内部管腔と該第2の内部管腔との間の再循環の可能性を低減する、医療用カテーテルアセンブリ。
【0051】
(項目15)
上記第1の壁の上記第1の壁部分および上記第2の壁部分は、構成が弓形であり、上記第2の壁の上記第1の壁部分および上記第2の壁部分は、構成が弓形である、上記項目のいずれか一項に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【0052】
(項目16)
医療用カテーテルアセンブリであって、該医療用カテーテルアセンブリは、
細長いカテーテル部材であって、該細長いカテーテル部材を貫通して延びる第1の内部管腔および第2の内部管腔を画定する、細長いカテーテル部材を備えており、該細長いカテーテル部材は外壁を含み、該外壁は、第1の連続壁によって画定されかつ該第1の内部管腔と流体連通して第1の流れストリームの確立を容易にする第1の開口部、および第2の連続壁によって画定されかつ該第2の内部管腔と流体連通して第2の流れストリームの確立を容易にする第2の開口部を有し、該第1の開口部および該第2の開口部は各々、近位方向に先細りの部分と遠位方向に先細りの部分とを含み、それによって該第2の流れストリームからの該第1の流れストリームの分離が最大にされて該第1の内部管腔と該第2の内部管腔との間の再循環の可能性を低減し、該第1の開口部の該近位方向に先細りの部分および該遠位方向に先細りの部分は、第1の中間部分によって接続され、該第2の開口部の該近位方向に先細りの部分および該遠位方向に先細りの部分は、第2の中間部分によって接続され、該第1の中間部分は、該第1の壁の第1の壁部分および第2の壁部分によって画定され、該第2の中間部分は、該第2の壁の第1の壁部分および第2の壁部分によって画定され、該第1の中間部分を画定する該第1の壁部分および該第2の壁部分のうちの少なくとも1つは、構成が弓形であり、該第2の中間部分を画定する該第1の壁部分および該第2の壁部分のうちの少なくとも1つは、構成が弓形である、医療用カテーテルアセンブリ。
【0053】
(項目17)
上記第1の中間部分を画定する上記第1の壁部分および上記第2の壁部分の各々は、構成が弓形であり、上記第2の中間部分を画定する上記第1の壁部分および上記第2の壁部分の各々は、構成が弓形である、上記項目のいずれか一項に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【0054】
(摘要)
本開示は、細長いカテーテル部材を含む医療用カテーテルに関し、該細長いカテーテル部材は、長手方向軸を画定し、近位端、遠位端、外壁、ならびに第1の内部管腔および第2の内部管腔を有する。カテーテル部材の外壁は、第1の内部管腔と流体連通して第1の流れストリームの確立を容易にする第1の開口部と、第2の内部管腔と流体連通して第2の流れストリームの確立を容易にする第2の開口部とを含む。第1の開口部および第2の開口部のそれぞれは、一定の横方向の寸法を有する中間部分によって接続される近位方向に先細りの部分と遠位方向に先細りの部分とを含む。第1の内部管腔と第2の内部管腔との間の再循環の可能性を低減するために、第1の開口部および第2の開口部の構成、寸法、および配置は、第2の流れストリームからの該第1の流れストリームの分離を最適化する。
【図面の簡単な説明】
【0055】
本開示の様々な実施形態が、添付の図面を参照して本明細書において記述される。
【図1】図1は、本開示の原理によるカテーテルアセンブリの一実施形態の斜視図であり、カテーテルハブ、カテーテルハブから遠位方向に延びる細長いカテーテル部材、カテーテルハブから近位方向に延びる第1の延長チューブおよび第2の延長チューブを含む。
【図2】図2は、図1の線2−2に沿った断面図であり、カテーテル部材に対する二重管腔の構成を示す。
【図2A】図2Aはこれも、図1の線2−2に沿った断面図であり、カテーテル部材に対する代替の構成を示す。
【図2B】図2Bはこれも、図1の線2−2に沿った断面図であり、カテーテル部材に対する三重管腔の構成を示す。
【図3】図3は、カテーテル部材の遠位部分の側面斜視図である。
【図4】図4は、図3に示された詳細な領域の側面斜視図である。
【図5】図5は、カテーテル部材の遠位部分の側面平面図であり、カテーテル部材の外壁によって画定された第1の開口部を示す。
【図6】図6は、カテーテル部材の遠位部分の側面平面図であり、カテーテル部材の外壁によって画定された第2の開口部を示す。
【図7】図7は、カテーテル部材の遠位部分の端面図である。
【図8】図8は、本開示の代替実施形態に従って、第1の開口部と第2の開口部とを含む本開示のカテーテル部材の遠位部分の側面斜視図である。
【図9】図9は、本開示の別の実施形態に従って、第1の開口部と第2の開口部とを含む本開示のカテーテル部材の遠位部分の側面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
(実施形態の詳細な説明)
被検者の身体に対する流体の管理、すなわち回収および導入のための医療用カテーテルの観点から、より詳細には、血液透析カテーテルの観点から、本開示の様々な例示的な実施形態が以下、本明細書において論議される。しかしながら、本開示の原理は、被験者の外科手術、診断、および関連する疾患および身体的不快の治療を含むある範囲のカテーテルの用途に対して等しく適用可能であることが想定されている。本開示のカテーテルに関する原理は、例えば、慢性と急性両方の適用を含む血液透析、心臓、腹部、泌尿器、腸管に対する処置のような様々なカテーテル関連の処置に対して等しく適用可能であり得ることがさらに想定されている。さらに、カテーテルは、例えば薬剤、生理食塩水、体液、血液および尿のような流体の管理のために使用され得る。
【0057】
以下の論議において、用語「近位の」および「従動の」は互換的に使用され得、正しい使用の間、臨床医により近い構造の部分を指すことが理解されるべきである。用語「遠位の」および「先導の」も互換的に使用され得、正しい使用の間、臨床医からより遠い構造の部分を指すことが理解されるべきである。本明細書に使用されているように、用語「患者」は、人間の患者または他の動物を指すとして理解されるべきであり、用語「臨床医」は、医者、看護師または他の介護提供者を指すとして理解されるべきであり、サポート職員を含み得る。
【0058】
幾つかの図面を通して同様の構成要素は同様の参照番号で示される図面をここで参照すると、図1は、本開示の原理による血液透析カテーテルアセンブリ10を示す。カテーテルアセンブリ10は、遠位端12Aおよび近位端12Bを有するカテーテルハブまたは筐体12と、カテーテルハブ12から遠位方向に延びる細長いカテーテル部材14と、カテーテルハブ12から近位方向に延びる第1の延長チューブ16および第2の延長チューブ18とを含む。カテーテルアセンブリ10には、カテーテル部材14と一体に形成されたハブ12が提供され得る。あるいは、ハブ12は、臨床医による患者へのカテーテルの配置の後、カテーテル部材14に取り付けられるように構成され得る。カテーテルアセンブリ10は、延長チューブ16、18の周りに配置可能である一対のクランプ20をさらに含む。各クランプ20は、開いた位置から実質的に閉じた位置に可動であり、対応する延長チューブ16、18を圧縮し、それによって延長チューブ16、18を通る流体の流れを抑制する。
【0059】
カテーテルハブ12は有利なことには、臨床医による係合のための大きさとされ、延長チューブ16、18に隣接して配置される近位の(トレーリング)筐体セクション22と、カテーテル部材14に隣接して配置される遠位の(リーディング)筐体セクション24とを含む。近位の筐体セクション22は、固定された関係で第1の延長チューブ16および第2の延長チューブ18を受け入れるように適合される。例えば、延長チューブ16、18は、締まり嵌めもしくは摩擦嵌め、セメント、接着剤の使用によって、または任意の他の適切な方法で、カテーテルハブ12のそれぞれの延長導管(図示されず)内に固定され得る。カテーテルハブ12の遠位の筐体セクション24は、中央の開口部(図示されず)を画定し、該中央の開口部は、例えば、締まり嵌めもしくは摩擦嵌め、セメント、接着剤の使用によって、または任意の他の適切な方法で、固定された関係で、カテーテル部材14を受け入れるような構成および大きさとされる。
【0060】
図1に示されたカテーテルアセンブリ10の実施形態において、カテーテルハブ12は、一対の相対するウイング26をさらに含み、一対の相対するウイング26は、カテーテルハブ12から外向きに垂れている。ウイング26は、カテーテルハブ12を患者に対して固定するために、1つ以上の縫合糸(図示されず)がその周りに固定され得る表面として役立つ。あるいは、ウイング26またはカテーテルハブ12は、それらの外側表面に環状溝(図示されず)を含み得、該環状溝は、縫合糸を受け入れるような構成および大きさとされ、この場合、縫合糸は、環状溝内に配置され得、患者に対して実質的に固定され得る。
【0061】
ここで図2も参照すると、細長いカテーテル部材14が論議される。カテーテル部材14は、例えば慢性または急性の用途のような、カテーテル部材14が使用される特定の用途次第で、実質的に可撓性の材料または構造がより硬い材料のいずれかから形成され得る。例えば、カテーテル部材14は、部分的または全体的いずれかの、例えばチタンおよびステンレス鋼、医療グレードのポリウレタン、シリコーンなどの高分子物質または金属から形成され得る。しかしながら、当業者は、本開示に従って、他の適切な材料も妥当であり得ることを理解する。カテーテル本体14は、従来の射出成形または押出し処理を含むが、これらに限定されない任意の適切な製造方法によって形成され得る。
【0062】
カテーテル部材14は、その普通の状態においては、予め湾曲した構成を含み得、カテーテル部材14は普通は、例えば、カテーテル部材14が挿入される体腔または脈管のような標的の組織の構成に従うために、外力がないときは、弓形の構成に向かって付勢される。あるいは、カテーテル部材14は、平常の弓形の構成を欠くことがあり得る。
【0063】
図1〜2Aを参照すると、カテーテル部材14は、外壁28を含み、長手方向軸「X」を画定する。カテーテル部材14の外壁28は、必要または所望であれば、その安定性および剛性を増加させるために、補強材を含み得ることが想定されている。図2に示されるように、本開示の一実施形態において、カテーテル部材14は、二重管腔の構成を取り得、該二重管腔の構成は、隔壁34によって分離される第1の内部管腔30および第2の内部管腔32を含み、カテーテル部材14の長さに沿って延び得るか、または延び得ないことがあり得る。この実施形態において、第1の長手方向の管腔30および第2の長手方向の管腔32はそれぞれ、例えば血液と流体連通するような構成および寸法とされ、長楕円形、腎臓形、D型、円形、パイ(pie)型などを含むが、これらに限定されない意図された目的に対して適切な任意の断面構成を含み得る。管腔30、32のいずれもが取入(動脈)管腔またはリターン(静脈)管腔として機能し得ることが想定されているが、以下の論議全体を通して、管腔30は静脈管腔と称され、管腔32は動脈管腔と称される。管腔30、32は、図2においては配向が並列として示されているが、同軸関係でも配置され得る。
【0064】
図2Aに見られるように、代替実施形態において、カテーテル部材14は、当技術分野で公知かつ慣例的であるように、ガイドワイヤチャネル36を含み得、ガイドワイヤチャネル36は、例えば脈管器官のような標的の組織部位の中にカテーテル部材14を入れることを容易にするために利用されるガイドワイヤ(図示されず)を受け入れ、かつこれを通すような構成および大きさとされる。ガイドワイヤチャネル36は、例えば薬剤など流体の注入に使用され得ることも想定されている。あるいは、カテーテル部材14を貫通する長手方向の管腔30、32のうちの1つが、静脈または動脈管腔のいずれかとして機能することに加えて、ガイドワイヤチャネルとして役立ち得る。
【0065】
カテーテル部材14は、図2および図2Aにおいて、二重管腔の構成で示されているが、カテーテル部材14は、任意の適切な数のさらなる内部管腔を含み得ることも本明細書において想定されている。例えば、カテーテル部材14は、図2Bに示されているように、三重管腔の構成を取り得、該三重管腔の構成は、隔壁34、34A、34Bによって分離された3つの内部管腔30、32A、32Bを含む。
【0066】
ここで図3〜7を参照すると、カテーテル部材14はリーディング(遠位)端38を含み、リーディング(遠位)端38は、それと一体に形成されるか、またはそれに取り付けられたカテーテル先端部材40を有し、カテーテル先端部材40は有利なことには、身体組織の中への最初の挿入を容易にするような構成および寸法とされる。カテーテル先端部材40の構成および機能に関する詳細は、2006年9月29日に出願された米国特許出願公開第2008/0082080号を参照することにより取得され得、米国特許出願公開第2008/0082080号の全容は、本明細書に参考として援用されている。カテーテル部材14のリーディング先端38は、外壁28によって画定された第1の開口部42Aおよび第2の開口部42Bをさらに含む。第1の開口部42Aは、カテーテル部材14を貫通する第1の内部管腔30(図2)と流体連通し、したがって静脈開口部として機能し、第2の開口部42Bは、カテーテル部材14を貫通する第2の内部管腔32(図2)と流体連通し、したがって動脈開口部として機能する。静脈開口部42Aおよび動脈開口部42Bは、レーザ加工を含むがこれに限定されない適切な製造間の方法で形成され得ることが想定されている。図3〜図7に示されたカテーテル部材14の実施形態において、静脈開口部42Aおよび動脈開口部42Bは、カテーテル部材14の長手方向軸「X」に沿った同じ軸方向の位置に配置されている。しかしながら、本開示の代替実施形態において、静脈開口部42Aは、例えば、カテーテル部材14に出入りする流体の連通を調節するために、カテーテル部材14の長手方向軸「X」に沿って動脈開口部42Bから間隔を置いて離され得る。例えば、静脈開口部42Aおよび動脈開口部42Bは、長手方向軸「X」に沿って互いから5mm以内に配置され得るが、静脈開口部42Aと動脈開口部42Bとの間の増加された軸方向の間隔は、本開示の範囲を超えるものではないことが想定されている。
【0067】
静脈開口部42Aは、連続壁43Aによって画定され、連続壁43Aは、カテーテル部材14の長手方向軸「X」に平行な軸に沿って延びる第1の軸方向の壁部分44Aおよび第2の軸方向の壁部分46A(図4、図6)、ならびに第1の軸方向の壁部分44Aおよび第2の軸方向の壁部分46Aを接続する第1の横方向の壁部分48Aおよび第2の横方向の壁部分50Aを有する。軸方向の壁部分44A、46Aおよび横方向の壁部分48A、50Aの寸法は、静脈開口部42Aによって画定される二次元面積が、静脈管腔30の断面面積よりも大きいか、または等しくなるような寸法とされる。図6に最も良く見られるように、静脈開口部42Aの第1の軸方向の壁部分44Aは、軸方向の長さ「L1」を画定し、軸方向の長さ「L1」は、第2の軸方向の壁部分46Aによって画定される軸方向の長さ「L2」よりも小さい。その結果、静脈開口部42Aの壁部分44A,46A、48A、50Aは協働して、近位方向に先細りの部分52A、遠位方向に先細りの部分54A、およびそれらの間に配置された中間部分56Aを画定する。詳細には、近位方向に先細りの部分52Aは、その横方向の寸法α1、すなわちカテーテル本体14の円周に沿って測定された寸法が遠位方向に増加するように先細りとなる。反対に、遠位方向に先細りの部分54Aは、参照文字β1で表されるその横方向の寸法が遠位方向に減少するように先細りとなる。近位方向および遠位方向に先細りの部分52A,54Aの変化する横方向の寸法α1、β1とは対照的に、近位方向に先細りの部分52Aおよび遠位方向に先細りの部分54Aを接続する中間部分56Aは、一定の横方向の寸法γ1を含む。
【0068】
図3〜図7において、静脈開口部42Aの横方向の壁部分48A、50Aはそれぞれ、直線状の構成を含むとして示されており、それによって静脈開口部42Aは、構成が実質的に台形となる。しかしながら、カテーテル本体14の代替実施形態も想定されており、代替実施形態においては、静脈開口部42Aの横方向の壁部分48A、50Aのいずれか、または両方が、弓形の構成を含み得る。例えば、横方向の壁部分48A、50Aのいずれか、または両方が、第1の軸方向の壁部分44Aに向かって湾曲し得るか、または第1の軸方向の壁部分44Aから離れるように湾曲し得ることが想定されている。さらに、横方向の壁部分48A、50Aのうちの一方が直線状の構成を含み、他方が弓形の構成を含む、カテーテル本体14の実施形態が想定されている。
【0069】
ここで、特に図4および図5を参照すると、動脈開口部42Bは、連続壁43Bによって画定され、連続壁43Bは、カテーテル部材14の長手方向軸「X」に平行な軸に沿って延びる第1の軸方向の壁部分44Bおよび第2の軸方向の壁部分46B、ならびに第1の軸方向の壁部分44Bおよび第2の軸方向の壁部分46Bを接続する第1の横方向の壁部分48Bおよび第2の横方向の壁部分50Bを有する。軸方向の壁部分44B、46Bおよび横方向の壁部分48B、50Bの寸法は、動脈開口部42Bによって画定される二次元面積が、動脈管腔32の断面面積よりも大きいか、または等しくなるような寸法とされる。図5に最も良く見られるように、動脈開口部42Bの第1の軸方向の壁部分44Bは、軸方向の長さ「L3」を画定し、軸方向の長さ「L3」は、第2の軸方向の壁部分46Bによって画定される軸方向の長さ「L4」よりも小さい。その結果、動脈開口部42Bの壁部分44B,46B、48B、50Bは協働して、近位方向に先細りの部分44B、遠位方向に先細りの部分46B、およびそれらの間に配置された中間部分48Bを画定する。詳細には、近位方向に先細りの部分52Bは、その横方向の寸法α2、すなわちカテーテル本体14の円周に沿って測定された寸法が遠位方向に増加するように先細りとなる。反対に、遠位方向に先細りの部分54Bは、参照文字β2で表されるその横方向の寸法が遠位方向に減少するように先細りとなる。静脈開口部42Aと同様に、動脈開口部42Bの近位方向および遠位方向に先細りの部分52B、54Bはそれぞれ、変化する横方向の寸法α2、β2を含むが、近位方向に先細りの部分52Bおよび遠位方向に先細りの部分54Bを接続する中間部分56Bは、一定の横方向の寸法γ2を含む。
【0070】
図3〜図7において、動脈開口部42Bの横方向の壁部分48B、50Bはそれぞれ、直線状の構成を含むとして示されており、それによって動脈開口部42Bは、構成が実質的に台形となる。しかしながら、カテーテル本体14の代替実施形態も想定されており、代替実施形態においては、動脈開口部42Bの横方向の壁部分48B、50Bのいずれか、または両方が、弓形の構成を含み得る。例えば、横方向の壁部分48B、50Bのいずれか、または両方が、第1の軸方向の壁部分44Bに向かって湾曲し得るか、または第1の軸方向の壁部分44Bから離れるように湾曲し得ることが想定されている。さらに、横方向の壁部分48B、50Bのうちの一方が直線状の構成を含み、他方が弓形の構成を含む、カテーテル本体14の実施形態が想定されている。
【0071】
カテーテル部材14が、図面全体を通して構成および寸法が同一である静脈および動脈開口部42A、42Bを含むとして示されているが、静脈開口部42Aの構成が動脈開口部42Bの構成とは異なる実施形態は、本開示の範囲外ではない。
【0072】
ここで、図4を特に参照すると、静脈開口部42Aの第1の軸方向の壁部分44Aは、カテーテル本体14の円周に沿って動脈開口部42Bの第1の軸方向の壁部分44Bから第1の距離「C1」だけ間隔を置いて離され、静脈開口部42Aの第2の軸方向の壁部分46Aは、カテーテル本体14の円周に沿って動脈開口部42Bの第2の軸方向の壁部分46Bから第2の距離「C2」だけ間隔を置いて離されている。図4に示されたカテーテル本体14の実施形態において、静脈および動脈開口部42A、42Bは、直径の反対側に配置されてそれらの間の距離を最大にしている。換言すれば、静脈および動脈開口部42A、42Bは、第1の距離「C1」が、第2の距離「C2」と実質的に等しくなるように、外壁28に配置される。しかしながら、カテーテル本体14の代替実施形態において、例えば、第1の距離「C1」は、第2の距離「C2」よりも大きくあり得るか、または第2の距離「C2」が、第1の距離「C1」よりも大きくあり得るなど、第1の距離「C1」および第2の距離「C2」は、等しくないことがあり得ることが想定されている。
【0073】
ここで図1〜図7を参照すると、カテーテルアセンブリ10の使用および動作が、血液透析処置の過程の間において論議される。最初に、中空のニードルカニューレ(図示されず)が、標的の身体脈管の中に挿入されて静脈切開(入口)部位を作成する。例えば、ニードルカニューレが、静脈にアクセスするために、頸部および鎖骨に隣接して、被験体の皮膚内に配置され得る。ニードルカニューレを標的の脈管内に配置すると、ガイドワイヤ(図示されず)が、ニードルカニューレの近位端を通して挿入され、身体脈管内の所望の位置へと進められる。次に、ニードルカニューレは引き抜かれ、ガイドワイヤの遠位端は標的の脈管内に配置されたままとし、ガイドワイヤの近位端は、患者の身体から外向きに延びている。
【0074】
配置のあと、ガイドワイヤは、カテーテル部材14を貫通するガイドワイヤチャネル36の中に挿入されて、カテーテル部材14が遠位方向に前進して標的の脈管の中に入ることを容易にする。従来技術のように、カテーテル部材14の配置は、挿入スタイレットおよび/または導入器シースの使用によって補佐され得ることが想定されている。
【0075】
上で論議されたように、図1〜図7で示されるカテーテル部材14の実施形態において、開口部42Aは、静脈管腔30(図2)と流体連通し、それによって、参照文字「F1」(図7)によって識別される第1の流れストリームが確立され、開口部42Bは、動脈管腔32(図2)と流体連通し、それによって、参照文字「F2」(図7)によって識別される第2の流れストリームが確立される。したがって、カテーテル部材14を出る例えば血液のような流体は、第1の流れストリーム「F1」の経路に従って開口部42Aを通って静脈管腔30から外に出、カテーテル部材14に入る血液は、開口部42Bを通って動脈管腔32の中に入り第2の流れストリーム「F2」に従う。
【0076】
カテーテル部材14に出入りする血液の慣性力により、血流は、動いている状態を保つ一般的な傾向を示し、通常、最も抵抗の少ない経路に従う。その結果、静脈管腔30(図2)を出る血液は一般的に、開口部42Aの近位方向に先細りの部分52A(図4、図6)を通過して遠位方向に先細りの部分54Aを通してカテーテル部材14の外に出、動脈管腔32(図2)の中に入る血液は一般的に、開口部42Bの遠位方向に先細りの部分54B(図4、図5)を通過して近位方向に先細りの部分52Bを通してカテーテル部材14の中に入る。したがって、静脈開口部42Aの遠位方向に先細りの部分54Aおよび動脈開口部42Bの近位方向に先細りの部分52Bは、カテーテル部材14に出入りする血液の連通の間、高流動性区域を構成し、そこでは血流の速度および血流によって及ぼされる圧力は最高となる。
【0077】
代替の構成と比較して、静脈開口部42A(図4、図6)および動脈開口部42B(図4、図5)の実質的に台形の構成は、血流を標的にして血流をこれらの高流動性区域の中に導き、高流動性区域間の軸方向および円周方向の間隔を増大する。例えば、静脈開口部42Aおよび動脈開口部42Bをカテーテル部材14の長手方向軸「X」(図4)に沿って実質的に同じ軸方向の位置に配置することによって、かつ静脈開口部42Aおよび動脈開口部42Bをカテーテル部材14の円周の周りに互いから等距離を置いて離すことによって、開口部42A、42Bは、高流動性区域間の軸方向および円周方向の間隔を最適化するように協働し、それによって閉塞の可能性を最小とし、かつ再循環を制限する。さらに、当技術分野で使用されている代替の、公知の構成と比較して、静脈開口部42Aおよび動脈開口部42Bの台形の構成は、開口部42A,42Bの外周とそれらの円周方向の高さとの両方を最適化することが発見された。
【0078】
本開示の様々な実施形態において、静脈開口部42A(図4、図6)および動脈開口部42B(図4、図5)の高流動性区域間の円周方向および軸方向の距離は、変えられ得ることが想定されている。静脈開口部42Aおよび動脈開口部42Bの高流動性区域間の円周方向および軸方向の距離を変化させることによって、静脈開口部42Aの近位方向に先細りの部分52A(図4、図6)を通過することにより遠位方向に先細りの部分54Aを通して静脈管腔30(図2)を出る血液の傾向が増大し、同じく、動脈開口部42Bの遠位方向に先細りの部分54B(図4、図5)を通過して近位方向に先細りの部分52Bを通して動脈管腔32(図2)にはいる血液の傾向が増大する。その結果、静脈開口部42Aおよび動脈開口部42Bの高流動性区域間の円周方向および軸方向の距離を変化させることによって、血液の再循環が調整、かつ最小とされ得、位置的閉塞、および/または線維素シースもしくは血栓形成の可能性も調整、かつ最小とされ得る。
【0079】
さらに、静脈開口部42Aおよび動脈開口部42Bの外周および/または円周方向の高さが本開示の代替実施形態において変えられ得、それによって、遠位方向に先細りの部分54Aを通して静脈開口部42A(図4、図6)を出て近位方向に先細りの部分52Bを通して動脈開口部42B(図4、図5)に入る血流の傾向にさらに影響を及ぼし、それによって、再循環、ならびに/または位置的閉塞、および/もしくは繊維素シースもしくは血栓形成の可能性にさらに影響を与えることが想定されている。
【0080】
ここで図8を参照すると、カテーテル部材の代替実施形態が論議され、該カテーテルは概ね、参照文字114で参照される。カテーテル部材114は、図1〜図7に関して上で論議されたカテーテル部材14と同様であるので、両者の間の違いについてのみ論議される。
【0081】
カテーテル部材114は、第1の開口部142Aおよび第2の開口部142Bを画定する外壁128を含む。第1の開口部142Aは、患者から流体を回収するために、カテーテル部材114を貫通する第1の内部管腔130と流体連通し、したがって動脈開口部として機能し、第2の開口部142Bは、流体を患者に戻すために、カテーテル部材114を貫通する第2の内部管腔132と流体連通し、したがって静脈開口部として機能する。
【0082】
第1の開口部142Aは、連続壁143Aによって画定され、連続壁143Aは、近位端146および遠位端148を備えた軸方向の壁部分144を有し、カテーテル部材114の長手方向軸「X」に平行な軸に沿って延びる。第1の開口部142Aを画定する壁143Aは、弓形の壁部分150をさらに含み、弓形の壁部分150は、軸方向の壁部分144の近位端146を遠位端148に接続する。軸方向の壁部分144および弓形の壁部分150の寸法は、第1の開口部142Aによって画定される二次元面積が、第1の内部管腔130の断面面積よりも大きいかまたは等しくなるような寸法とされる。
【0083】
壁部分144の構成は、図8に示されるカテーテル部材114の実施形態には実質的に直線状の構成を含むとして示されているが、例えば、第1の開口部142Aの中への流体の連通を変えるために、代替実施形態においては変えられ得ることが想定されている。例えば、図9に示されているように、一実施形態において、カテーテル部材114は、例えば、弓形の壁部分150に向かって湾曲する構成のような弓形の構成を備えた壁部分144’を含み得る。しかしながら、壁部分148’の構成はあるいは、弓形の壁部分150から遠ざかるように湾曲し得ることも想定されている。
【0084】
再び図8を参照すると、弓形の壁部分150の曲率は、第1の開口部142Aが、近位方向に先細りの部分152Aと、遠位方向に先細りの部分154Aと、それらの間に配置される中間部分156Aとを含むような曲率とされる。詳細には、近位方向に先細りの部分152Aは、その横方向の寸法Δ1、すなわちカテーテル本体14の円周に沿って測定された寸法が遠位方向に増加するように先細りとなる。反対に、遠位方向に先細りの部分154Aは、参照文字θ1で表されるその横方向の寸法が遠位方向に減少するように先細りとなる。
【0085】
図8に示されたカテーテル114の実施形態において、第2の開口部142Bは、第1の開口部142Aと、構成と寸法との両方において、実質的に同一である。したがって、簡潔さのために、第2の開口部142Bは、詳細には論議されない。
【0086】
当業者は、本明細書に詳細に記述され添付の図面で示されたデバイスおよび方法は、非限定的な例示的実施形態であることを理解する。一例示的実施形態と関連して示されるか、または記述された要素および特徴は、本開示の範囲から逸脱することなく、別の実施形態の要素および特徴と組み合わされ得ることが想定されている。また、当業者は、上記の実施形態に基づいて本発明のさらなる特徴および利点を理解する。例えば、カテーテル部材14(図1)は、留置位置にカテーテルアセンブリ10を長期にわたり固定するための組織内部成長に対する部位として機能するために、外壁28に少なくとも1つのカフ(図示されず)、および/または透視検査装置によって患者の組織内にカテーテル部材14を配置することを容易にするために、放射線不透過性のマーキングまたはストリップ(図示されず)を含み得る。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲によって示された場合を除き、具体的に示され記述されたものによって限定されない。
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本出願は、2009年9月30日に出願された米国仮特許出願第61/247,101号、および2009年12月22日に出願された米国仮特許出願第61/289,073号の利益および優先権を主張し、それぞれの全容は、本明細書において参考として援用されている。
【0002】
(1.技術分野)
本開示は、カテーテルアセンブリに関し、詳細には、二方向の流体の流れを容易にするように適合された血液透析カテーテルアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
(2.関連技術の説明)
カテーテルは、体腔、管路、および脈管に流体を導入、回収する際に使用される可撓性の医療用器具である。カテーテルは、血液が、治療のために血管から回収され、その後、患者の身体を巡る循環のために血管に戻される血液透析処置において特定の用途を有する。
【0004】
多くの血液透析カテーテルは、例えば、二重または三重管腔カテーテルのような複数の管腔を含み、1つの管腔は、一方向における連通を介して脈管から流体を回収することに当てられ、他の少なくとも1つの管腔は、別の方向における連通を介して脈管へ流体を戻すことに当てられる。一般的に、それを通して流体が回収される管腔は、「動脈」管腔と称され、それを通して流体が戻される管腔は、「静脈」管腔と称される。カテーテル壁の対応する開口部を通って、流体は動脈管腔に入り、静脈管腔を出る。例示的な血液透析処置の間、多管腔カテーテルの配置の後、血液は、カテーテルの動脈管腔を通って患者から回収され、透析または浄化のために血液透析ユニットに向けられ、老廃物および毒素を除去する。透析された血液は、カテーテルの静脈管腔を通って患者に戻される。
【0005】
公知の血液透析カテーテルは、様々なカテーテル先端の設計を組み込んでいる。例えば、カテーテルは、千鳥状の静脈管腔および動脈管腔を、したがって千鳥状の静脈開口部および動脈開口部を備えている設計を含み得る。千鳥状の開口部は、患者に戻る血液が、動脈開口部の下流の静脈管腔から排出されることを確実にする。しかしながら、例えば、位置的閉塞または線維素シースもしくは血栓の形成から生じる、カテーテルの動脈管腔における閉塞により、劣等な流れ性能がしばしば生じる。
【0006】
流れの閉塞を解決するために取られる現行の手段は、患者を配置し直すこと、カテーテルの管腔を洗浄すること、および血液透析ユニットへのカテーテルの血液ラインを逆転することを含む。しかしながら、これらの手段は、浄化された血液が、カテーテル入口に対して上流に排出される状況を作り、これによって、清浄な血液がカテーテルの中に引き戻されるという望ましくない可能性が増加し得る。血液のこの「再循環」は、処方された血液清浄レベルに達するための治療時間を増加することにより、非効率的な透析を生じる。
【0007】
カテーテルの壁における静脈開口部および動脈開口部に関連する幾つかの要因が、血液透析処置の間、閉塞および再循環の可能性に影響を及ぼすことが発見された。これらの要因は、例えば、開口部間の円周方向および軸方向の距離、ならびにそれらの外周および円周方向の高さを含む。しかしながら、公知のカテーテル先端の設計は、1つ以上のこれらの要因の最適化には不十分である。例えば、各々Abrahamsonへの特許文献1および特許文献2は、カテーテルアセンブリを開示しており、該カテーテルアセンブリは、本体部分の壁に形成された側面開口部および遠位の先端に形成された開口部とそれぞれ流体連通する、長手方向に間隔を置いて離された取入管腔およびリターン管腔を画定する本体部分を含む。側面開口部は、二対の概ね平行な壁部分によって画定され、遠位の先端の開口部は、構成が実質的に円形である。
【0008】
さらなる公知のカテーテル先端の設計が、それぞれTwardowskiらへの特許文献3および特許文献4に開示されており、これらは、内部の静脈管腔および動脈管腔を含むカテーテルを開示している。静脈管腔および動脈管腔は、カテーテルの遠位端に配置された対応する開口部と連通しており、該開口部は、互いから長手方向に間隔を置いて離されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第5,403,291号明細書
【特許文献2】米国特許第5,489,278号明細書
【特許文献3】米国特許第5,685,867号明細書
【特許文献4】米国特許第5,961,486号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
閉塞の可能性を低減し、再循環を制限することが望まれているので、上に特定された1つ以上の要因を最適化する構造を含むカテーテル先端の設計が有利である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(概要)
本開示の一実施形態において、医療用カテーテルが開示され、該医療用カテーテルは、細長いカテーテル部材を含み、該細長いカテーテル部材は、長手方向軸を画定し、近位端、遠位端、外壁、ならびに第1の内部管腔および第2の内部管腔を有する。あるいは、カテーテルは、それを貫通する第3の内部管腔を含み得、第1、第2、および第3の内部管腔は、外壁から内向きに延びる少なくとも2つの隔壁によって分離される。
【0012】
カテーテル部材の外壁は、第1の内部管腔と流体連通して第1の流れストリームの確立を容易にする第1の開口部と、第2の内部管腔と流体連通して第2の流れストリームの確立を容易にする第2の開口部とを画定する。第1の内部管腔と第2の内部管腔との間の再循環の可能性を低減するために、第1の開口部および第2の開口部の構成、寸法、および配置は、第2の流れストリームからの該第1の流れストリームの分離を最大にする。この目的のために、一実施形態において、第1の開口部および第2の開口部のそれぞれは、一定の横方向の寸法を有する中間部分によって接続される近位方向に先細りの部分と遠位方向に先細りの部分とを含み得ることが想定されている。カテーテル部材の外壁に含まれた第1の開口部および第2の開口部の近位方向に先細りの部分は、遠位方向に増加する横方向の寸法を含み得る。さらに、または代替として、第1の開口部および第2の開口部の遠位方向に先細りの部分は、遠位方向に減少する横方向の寸法を含み得る。
【0013】
第1の開口部は第1の連続壁によって画定され、第2の開口部は第2の連続壁によって画定され、第1の連続壁および第2の連続壁の各々は、長手方向軸に平行な軸に沿って延びる第1の軸方向の壁部分と第2の軸方向の壁部分とを含み、第1の横方向の壁部分および第2の横方向の壁部分が、第1の軸方向の壁部分および第2の軸方向の壁部分を接続する。本開示のカテーテルの一実施形態において、第1の軸方向の壁部分は第1の長さを画定し、第2の軸方向の壁部分は第2の、より大きな長さを画定する。第1の横方向の壁部分および第2の横方向の壁部分のうちの少なくとも1つが、例えば、第2の軸方向の壁部分に向かって湾曲するような弓形の構成を含み得ることが想定されている。例えば、第1の横方向の壁部分および第2の横方向の壁部分のそれぞれが、弓形の構成を含み得る。
【0014】
第1の軸方向の壁部分は、カテーテル部材の円周に沿って測定される第1の距離をそれらの間に画定し、第2の軸方向の壁部分は、カテーテル部材の円周に沿って測定される第2の距離をそれらの間に画定する。第1の距離および第2の距離は、等しくあり得ることにより、第1の開口部および第2の開口部の分離を最大にする。
【0015】
本開示のカテーテルの1つの特定の実施形態において、外壁に含まれる第1の開口部および第2の開口部は、構成および寸法が同一である。
【0016】
本開示の別の局面において、細長いカテーテルを含む医療用カテーテルが開示され、該細長いカテーテルは、長手方向軸に沿って延び、近位端、遠位端、外壁、ならびに第1の内部管腔および第2の内部管腔を有する。外壁は、第1の内部管腔と流体連通して第1の流れストリームの確立を容易にする第1の開口部、および第2の内部管腔と流体連通して第2の流れストリームの確立を容易にする第2の開口部を画定する。
【0017】
第1の開口部は、第1の横方向に間隔を置いて離された軸方向の壁部分および第2の横方向に間隔を置いて離された軸方向の壁部分を有する第1の連続壁によって画定され、第2の開口部は、第1の横方向に間隔を置いて離された軸方向の壁部分および第2の横方向に間隔を置いて離された軸方向の壁部分を有する第2の連続壁によって画定され、第1の軸方向の壁部分および第2の軸方向の壁部分は、カテーテルの円周に沿って測定された相当距離をそれらの間で画定して第1の開口部と第2の開口部との分離を最大にする。第1の軸方向の壁部分は、第1の長さを画定し得、第2の軸方向の壁部分は、第2の、より大きな長さを画定し得ることが想定されている。
【0018】
第1の壁の第1の軸方向の壁部分および第2の軸方向の壁部分は、一対の第1の横方向の壁部分によって接続され、第2の壁の第1の軸方向の壁部分および第2の軸方向の壁部分は、一対の第2の横方向の壁部分によって接続される。
【0019】
第1の開口部および第2の開口部はそれぞれ、弓形の構成を有する少なくとも1つの横方向の壁部分を含むことが想定されている。
【0020】
第1の開口部および第2の開口部はそれぞれ、一定の横方向の寸法を有する中間部分によって接続される近位方向に先細りの部分と遠位方向に先細りの部分とを含み得る。例えば、第1の開口部および第2の開口部の近位方向に先細りの部分は、遠位方向に増加する横方向の寸法を含み得る。さらに、または代替として、第1の開口部および第2の開口部の遠位方向に先細りの部分は、遠位方向に減少する横方向の寸法を含み得る。
【0021】
本開示のさらに別の局面において、医療処置の間、カテーテルの内部管腔の間の流体の再循環を低減するために、医療用カテーテルを製造する方法が開示される。方法は、(i)長手方向軸に沿って延びる細長い部材を提供するステップであって、該細長い部材は、外壁を含み、該細長い部材を貫通する第1の内部管腔および第2の内部管腔を画定する、ステップと、(ii)第1の内部管腔と連通して、カテーテルを通る第1の流れストリームの確立を容易にするように、細長い部材の外壁に第1の開口部を形成するステップであって、第1の開口部は、近位方向に先細りの部分と遠位方向に先細りの部分とを含む、ステップと、(iii)第2の内部管腔と連通して、カテーテルを通る第2の流れストリームの確立を容易にするように、細長い部材の外壁に第2の開口部を形成するステップであって、第2の開口部は、近位方向に先細りの部分と遠位方向に先細りの部分とを含み、第1の開口部および第2の開口部は、第2の開口部の遠位部分からの第1の開口部の近位部分の分離を最大にすることにより第1の流れストリームと第2の流れストリームとの分離を最大にするような構成、寸法、および配置とされる、ステップとを含む。
【0022】
細長い部材の外壁に第1の開口部および第2の開口部を形成するステップは、それぞれが中間部分を含む第1の開口部および第2の開口部を形成することを含み得、該中間部分は、近位方向に先細りの部分および遠位方向に先細りの部分を接続する一定の横方向の寸法を備えていることが想定されている。第1の開口部および第2の開口部の近位方向に先細りの部分は、遠位方向に増加する横方向の寸法を含み得る。さらに、または代替として、第1の開口部および第2の開口部の遠位方向に先細りの部分は、遠位方向に減少する横方向の寸法を含み得る。
【0023】
細長い部材の外壁に第1の開口部および第2の開口部を形成するステップは、第1の連続壁によって画定された第1の開口部、および第2の連続壁によって画定された第2の開口部を形成することを含み得ることがさらに想定されている。本開示の方法の一実施形態において、第1の壁および第2の壁はそれぞれ、細長い部材の長手方向軸に平行な軸に沿って延びる第1の軸方向の壁部分および第2の軸方向の壁部分によって画定され得、第1の横方向の壁部分および第2の横方向の壁部分は、第1の軸方向の壁部分および第2の軸方向の壁部分を接続し得ることが想定されている。例えば、第1の軸方向の壁部分は、第1の長さを画定し、一方、第2の軸方向の壁部分は、第2の、より大きな長さを画定し得ることが想定されている。
【0024】
細長い部材の外壁に第1の開口部および第2の開口部を形成するステップは、第1の開口部および第2の開口部を形成することを含み得、ここで、第1の横方向の壁部分および第2の横方向の壁部分のいずれか、または両方が、例えば、第2の軸方向の壁部分に向かって湾曲する弓形の構成のような、弓形の構成を含むことがさらに想定されている。
【0025】
製造の1つの特定な方法において、細長い部材の外壁に第1の開口部および第2の開口部を形成するステップは、構成および寸法が同一である第1の開口部および第2の開口部を形成することを含み得る。
【0026】
本開示のさらなる局面において、医療用カテーテルアセンブリが開示され、該医療用カテーテルアセンブリは、長手方向軸に沿って延びる細長いカテーテル部材を含み、近位端、遠位端、および外壁を有する。
【0027】
細長いカテーテル部材は、第1の内部管腔および第2の内部管腔を画定する。外壁は、第1の内部管腔と流体連通して第1の流れストリームの確立を容易にする第1の開口部と、第2の内部管腔と流体連通して第2の流れストリームの確立を容易にする第2の開口部とを含む。第1の開口部および第2の開口部は、直径の反対側に配置されることにより第1の開口部と第2の開口部との分離を最大にし、それによって第2の流れストリームからの第1の流れストリームの分離が最大にされて第1の内部管腔と第2の内部管腔との間の再循環の可能性を低減する。
【0028】
第1の開口部は、第1の横方向に間隔を置いて離された壁部分および第2の横方向に間隔を置いて離された壁部分を有する第1の連続壁によって画定され、第1の壁の第1の壁部分および第2の壁部分のうちの少なくとも1つが、弓形の構成を有し、第2の開口部は、第1の横方向に間隔を置いて離された壁部分および第2の横方向に間隔を置いて離された壁部分を有する第2の連続壁によって画定され、第2の壁の第1の壁部分および第2の壁部分のうちの少なくとも1つが、弓形の構成を有する。
【0029】
本開示のカテーテルアセンブリの一実施形態において、第1の壁の第1の壁部分と第2の壁部分との両方は、構成が弓形であり得、第2の壁の第1の壁部分と第2の壁部分との両方は、構成が弓形であり得ることが想定されている。
【0030】
本開示の別の局面において、医療用カテーテルアセンブリが開示され、該医療用カテーテルアセンブリは、細長いカテーテル部材を含み、該細長いカテーテル部材は、そこを貫通する第1の内部管腔および第2の内部管腔を画定する。
【0031】
細長いカテーテル部材は外壁を含み、該外壁は、第1の連続壁によって画定された第1の開口部であって、第1の開口部は、第1の内部管腔と流体連通して第1の流れストリームの確立を容易にする、第1の開口部、および第2の連続壁によって画定された第2の開口部であって、第2の開口部は、第2の内部管腔と流体連通して第2の流れストリームの確立を容易にする、第2の開口部を有する。
【0032】
第1の開口部および第2の開口部はそれぞれ、近位方向に先細りの部分と遠位方向に先細りの部分とを含み、それによって第2の流れストリームからの第1の流れストリームの分離が最大にされて第1の内部管腔と第2の内部管腔との間の再循環の可能性を低減する。
【0033】
第1の開口部の近位方向に先細りの部分および遠位方向に先細りの部分は、第1の中間部分によって接続され、第2の開口部の近位方向に先細りの部分および遠位方向に先細りの部分は、第2の中間部分によって接続される。
【0034】
第1の中間部分は、第1の壁の第1の壁部分および第2の壁部分によって画定され、第2の中間部分は、第2の壁の第1の壁部分および第2の壁部分によって画定される。第1の中間部分を画定する第1の壁部分および第2の壁部分のうちの少なくとも1つは、構成が弓形であり、第2の中間部分を画定する第1の壁部分および第2の壁部分のうちの少なくとも1つは、構成が弓形である。
【0035】
本開示のカテーテルアセンブリの一実施形態において、第1の中間部分を画定する第1の壁部分および第2の壁部分のそれぞれは、構成が弓形であり得、第2の中間部分を画定する第1の壁部分および第2の壁部分のそれぞれは、構成が弓形であり得ることが想定されている。
【0036】
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
【0037】
(項目1)
医療用カテーテルアセンブリであって、該医療用カテーテルアセンブリは、
細長いカテーテル部材を備えており、該細長いカテーテル部材は、長手方向軸に沿って延び、近位端、遠位端、および外壁を有し、第1の内部管腔および第2の内部管腔を画定し、該外壁は、該第1の内部管腔と流体連通して第1の流れストリームの確立を容易にする第1の開口部、および該第2の内部管腔と流体連通して第2の流れストリームの確立を容易にする第2の開口部を画定し、該第1の開口部は、第1の横方向に間隔を置いて離された軸方向の壁部分および第2の横方向に間隔を置いて離された軸方向の壁部分を有する第1の連続壁によって画定され、該第2の開口部は、第1の横方向に間隔を置いて離された軸方向の壁部分および第2の横方向に間隔を置いて離された軸方向の壁部分を有する第2の連続壁によって画定され、該第1の軸方向の壁部分および該第2の軸方向の壁部分は、それらの間で、該細長いカテーテル部材の円周に沿って測定された相当距離を画定し、それによって該第1の開口部と該第2の開口部との分離を最大にし、その結果該第2の流れストリームからの該第1の流れストリームの分離が最大にされて該第1の内部管腔と該第2の内部管腔との間の再循環の可能性を低減する、医療用カテーテルアセンブリ。
【0038】
(項目2)
上記第1の開口部および上記第2の開口部を画定する壁の上記第1の軸方向の壁部分は、第1の長さを画定し、該第1の開口部および該第2の開口部を画定する壁の上記第2の軸方向の壁部分は、第2の、より大きな長さを画定する、上記項目のいずれか一項に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【0039】
(項目3)
上記第1の開口部および上記第2の開口部は各々、一定の横方向の寸法を有する中間部分によって接続された近位方向に先細りの部分および遠位方向に先細りの部分を含む、上記項目のいずれか一項に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【0040】
(項目4)
上記第1の開口部および上記第2の開口部の上記近位方向に先細りの部分は、遠位方向に増加する横方向の寸法を有する、上記項目のいずれか一項に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【0041】
(項目5)
上記第1の開口部および上記第2の開口部の上記遠位方向に先細りの部分は、遠位方向に減少する横方向の寸法を有する、上記項目のいずれか一項に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【0042】
(項目6)
上記第1の開口部および上記第2の開口部を画定する壁の上記第1の軸方向の壁部分および上記第2の軸方向の壁部分は、上記長手方向軸に平行な軸に沿って延びる、上記項目のいずれか一項に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【0043】
(項目7)
上記項目のいずれか一項に記載の医療用カテーテルアセンブリであって、該医療用カテーテルアセンブリを貫通して延びる第3の内部管腔をさらに含み、上記第1の内部管腔と、上記第2の内部管腔と、該第3の内部管腔とは、上記外壁から内向きに延びる少なくとも2つの隔壁によって分離されている、医療用カテーテルアセンブリ。
【0044】
(項目8)
上記第1の開口部および上記第2の開口部は、構成および寸法が同一である、上記項目のいずれか一項に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【0045】
(項目9)
上記第1の開口部を画定する壁の上記第1の軸方向の壁部分および上記第2の軸方向の壁部分は、一対の第1の横方向の壁部分によって接続され、上記第2の開口部を画定する壁の上記第1の軸方向の壁部分および上記第2の軸方向の壁部分は、一対の第2の横方向の壁部分によって接続されている、上記項目のいずれか一項に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【0046】
(項目10)
上記第1の横方向の壁部分および上記第2の横方向の壁部分の対のうちの少なくとも一対は、弓形の構成を有している、上記項目のいずれか一項に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【0047】
(項目11)
上記第1の開口部および上記第2の開口部を画定する壁の上記第1の横方向の壁部分および上記第2の横方向の壁部分のうちの少なくとも1つは、上記第2の軸方向の壁部分に向かって湾曲する弓形の構成を含む、上記項目のいずれか一項に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【0048】
(項目12)
上記第1の開口部および上記第2の開口部を画定する壁の上記第1の横方向の壁部分および上記第2の横方向の壁部分の各々は、弓形の構成を含む、上記項目のいずれか一項に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【0049】
(項目13)
上記第1の開口部および上記第2の開口部を画定する壁の上記第1の横方向の壁部分および上記第2の横方向の壁部分の各々は、上記第2の軸方向の壁部分に向かって湾曲する弓形の構成を含む、上記項目のいずれか一項に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【0050】
(項目14)
医療用カテーテルアセンブリであって、該医療用カテーテルアセンブリは、
細長いカテーテル部材を備えており、該細長いカテーテル部材は、長手方向軸に沿って延び、近位端、遠位端、および外壁を有し、第1の内部管腔および第2の内部管腔を画定し、該外壁は、該第1の内部管腔と流体連通して第1の流れストリームの確立を容易にする第1の開口部、および該第2の内部管腔と流体連通して第2の流れストリームの確立を容易にする第2の開口部を含み、該第1の開口部は、第1の横方向に間隔を置いて離された壁部分および第2の横方向に間隔を置いて離された壁部分を有する第1の連続壁によって画定され、該第1の壁の該第1の壁部分および該第2の壁部分のうちの少なくとも1つは、弓形の構成を有し、該第2の開口部は、第1の横方向に間隔を置いて離された壁部分および第2の横方向に間隔を置いて離された壁部分を有する第2の連続壁によって画定され、該第2の壁の該第1の壁部分および該第2の壁部分のうちの少なくとも1つは、弓形の構成を有し、該第1の開口部および該第2の開口部は、直径の反対側に配置されることにより該第1の開口部と該第2の開口部との分離を最大にし、それによって該第2の流れストリームからの該第1の流れストリームの分離が最大にされて該第1の内部管腔と該第2の内部管腔との間の再循環の可能性を低減する、医療用カテーテルアセンブリ。
【0051】
(項目15)
上記第1の壁の上記第1の壁部分および上記第2の壁部分は、構成が弓形であり、上記第2の壁の上記第1の壁部分および上記第2の壁部分は、構成が弓形である、上記項目のいずれか一項に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【0052】
(項目16)
医療用カテーテルアセンブリであって、該医療用カテーテルアセンブリは、
細長いカテーテル部材であって、該細長いカテーテル部材を貫通して延びる第1の内部管腔および第2の内部管腔を画定する、細長いカテーテル部材を備えており、該細長いカテーテル部材は外壁を含み、該外壁は、第1の連続壁によって画定されかつ該第1の内部管腔と流体連通して第1の流れストリームの確立を容易にする第1の開口部、および第2の連続壁によって画定されかつ該第2の内部管腔と流体連通して第2の流れストリームの確立を容易にする第2の開口部を有し、該第1の開口部および該第2の開口部は各々、近位方向に先細りの部分と遠位方向に先細りの部分とを含み、それによって該第2の流れストリームからの該第1の流れストリームの分離が最大にされて該第1の内部管腔と該第2の内部管腔との間の再循環の可能性を低減し、該第1の開口部の該近位方向に先細りの部分および該遠位方向に先細りの部分は、第1の中間部分によって接続され、該第2の開口部の該近位方向に先細りの部分および該遠位方向に先細りの部分は、第2の中間部分によって接続され、該第1の中間部分は、該第1の壁の第1の壁部分および第2の壁部分によって画定され、該第2の中間部分は、該第2の壁の第1の壁部分および第2の壁部分によって画定され、該第1の中間部分を画定する該第1の壁部分および該第2の壁部分のうちの少なくとも1つは、構成が弓形であり、該第2の中間部分を画定する該第1の壁部分および該第2の壁部分のうちの少なくとも1つは、構成が弓形である、医療用カテーテルアセンブリ。
【0053】
(項目17)
上記第1の中間部分を画定する上記第1の壁部分および上記第2の壁部分の各々は、構成が弓形であり、上記第2の中間部分を画定する上記第1の壁部分および上記第2の壁部分の各々は、構成が弓形である、上記項目のいずれか一項に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【0054】
(摘要)
本開示は、細長いカテーテル部材を含む医療用カテーテルに関し、該細長いカテーテル部材は、長手方向軸を画定し、近位端、遠位端、外壁、ならびに第1の内部管腔および第2の内部管腔を有する。カテーテル部材の外壁は、第1の内部管腔と流体連通して第1の流れストリームの確立を容易にする第1の開口部と、第2の内部管腔と流体連通して第2の流れストリームの確立を容易にする第2の開口部とを含む。第1の開口部および第2の開口部のそれぞれは、一定の横方向の寸法を有する中間部分によって接続される近位方向に先細りの部分と遠位方向に先細りの部分とを含む。第1の内部管腔と第2の内部管腔との間の再循環の可能性を低減するために、第1の開口部および第2の開口部の構成、寸法、および配置は、第2の流れストリームからの該第1の流れストリームの分離を最適化する。
【図面の簡単な説明】
【0055】
本開示の様々な実施形態が、添付の図面を参照して本明細書において記述される。
【図1】図1は、本開示の原理によるカテーテルアセンブリの一実施形態の斜視図であり、カテーテルハブ、カテーテルハブから遠位方向に延びる細長いカテーテル部材、カテーテルハブから近位方向に延びる第1の延長チューブおよび第2の延長チューブを含む。
【図2】図2は、図1の線2−2に沿った断面図であり、カテーテル部材に対する二重管腔の構成を示す。
【図2A】図2Aはこれも、図1の線2−2に沿った断面図であり、カテーテル部材に対する代替の構成を示す。
【図2B】図2Bはこれも、図1の線2−2に沿った断面図であり、カテーテル部材に対する三重管腔の構成を示す。
【図3】図3は、カテーテル部材の遠位部分の側面斜視図である。
【図4】図4は、図3に示された詳細な領域の側面斜視図である。
【図5】図5は、カテーテル部材の遠位部分の側面平面図であり、カテーテル部材の外壁によって画定された第1の開口部を示す。
【図6】図6は、カテーテル部材の遠位部分の側面平面図であり、カテーテル部材の外壁によって画定された第2の開口部を示す。
【図7】図7は、カテーテル部材の遠位部分の端面図である。
【図8】図8は、本開示の代替実施形態に従って、第1の開口部と第2の開口部とを含む本開示のカテーテル部材の遠位部分の側面斜視図である。
【図9】図9は、本開示の別の実施形態に従って、第1の開口部と第2の開口部とを含む本開示のカテーテル部材の遠位部分の側面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
(実施形態の詳細な説明)
被検者の身体に対する流体の管理、すなわち回収および導入のための医療用カテーテルの観点から、より詳細には、血液透析カテーテルの観点から、本開示の様々な例示的な実施形態が以下、本明細書において論議される。しかしながら、本開示の原理は、被験者の外科手術、診断、および関連する疾患および身体的不快の治療を含むある範囲のカテーテルの用途に対して等しく適用可能であることが想定されている。本開示のカテーテルに関する原理は、例えば、慢性と急性両方の適用を含む血液透析、心臓、腹部、泌尿器、腸管に対する処置のような様々なカテーテル関連の処置に対して等しく適用可能であり得ることがさらに想定されている。さらに、カテーテルは、例えば薬剤、生理食塩水、体液、血液および尿のような流体の管理のために使用され得る。
【0057】
以下の論議において、用語「近位の」および「従動の」は互換的に使用され得、正しい使用の間、臨床医により近い構造の部分を指すことが理解されるべきである。用語「遠位の」および「先導の」も互換的に使用され得、正しい使用の間、臨床医からより遠い構造の部分を指すことが理解されるべきである。本明細書に使用されているように、用語「患者」は、人間の患者または他の動物を指すとして理解されるべきであり、用語「臨床医」は、医者、看護師または他の介護提供者を指すとして理解されるべきであり、サポート職員を含み得る。
【0058】
幾つかの図面を通して同様の構成要素は同様の参照番号で示される図面をここで参照すると、図1は、本開示の原理による血液透析カテーテルアセンブリ10を示す。カテーテルアセンブリ10は、遠位端12Aおよび近位端12Bを有するカテーテルハブまたは筐体12と、カテーテルハブ12から遠位方向に延びる細長いカテーテル部材14と、カテーテルハブ12から近位方向に延びる第1の延長チューブ16および第2の延長チューブ18とを含む。カテーテルアセンブリ10には、カテーテル部材14と一体に形成されたハブ12が提供され得る。あるいは、ハブ12は、臨床医による患者へのカテーテルの配置の後、カテーテル部材14に取り付けられるように構成され得る。カテーテルアセンブリ10は、延長チューブ16、18の周りに配置可能である一対のクランプ20をさらに含む。各クランプ20は、開いた位置から実質的に閉じた位置に可動であり、対応する延長チューブ16、18を圧縮し、それによって延長チューブ16、18を通る流体の流れを抑制する。
【0059】
カテーテルハブ12は有利なことには、臨床医による係合のための大きさとされ、延長チューブ16、18に隣接して配置される近位の(トレーリング)筐体セクション22と、カテーテル部材14に隣接して配置される遠位の(リーディング)筐体セクション24とを含む。近位の筐体セクション22は、固定された関係で第1の延長チューブ16および第2の延長チューブ18を受け入れるように適合される。例えば、延長チューブ16、18は、締まり嵌めもしくは摩擦嵌め、セメント、接着剤の使用によって、または任意の他の適切な方法で、カテーテルハブ12のそれぞれの延長導管(図示されず)内に固定され得る。カテーテルハブ12の遠位の筐体セクション24は、中央の開口部(図示されず)を画定し、該中央の開口部は、例えば、締まり嵌めもしくは摩擦嵌め、セメント、接着剤の使用によって、または任意の他の適切な方法で、固定された関係で、カテーテル部材14を受け入れるような構成および大きさとされる。
【0060】
図1に示されたカテーテルアセンブリ10の実施形態において、カテーテルハブ12は、一対の相対するウイング26をさらに含み、一対の相対するウイング26は、カテーテルハブ12から外向きに垂れている。ウイング26は、カテーテルハブ12を患者に対して固定するために、1つ以上の縫合糸(図示されず)がその周りに固定され得る表面として役立つ。あるいは、ウイング26またはカテーテルハブ12は、それらの外側表面に環状溝(図示されず)を含み得、該環状溝は、縫合糸を受け入れるような構成および大きさとされ、この場合、縫合糸は、環状溝内に配置され得、患者に対して実質的に固定され得る。
【0061】
ここで図2も参照すると、細長いカテーテル部材14が論議される。カテーテル部材14は、例えば慢性または急性の用途のような、カテーテル部材14が使用される特定の用途次第で、実質的に可撓性の材料または構造がより硬い材料のいずれかから形成され得る。例えば、カテーテル部材14は、部分的または全体的いずれかの、例えばチタンおよびステンレス鋼、医療グレードのポリウレタン、シリコーンなどの高分子物質または金属から形成され得る。しかしながら、当業者は、本開示に従って、他の適切な材料も妥当であり得ることを理解する。カテーテル本体14は、従来の射出成形または押出し処理を含むが、これらに限定されない任意の適切な製造方法によって形成され得る。
【0062】
カテーテル部材14は、その普通の状態においては、予め湾曲した構成を含み得、カテーテル部材14は普通は、例えば、カテーテル部材14が挿入される体腔または脈管のような標的の組織の構成に従うために、外力がないときは、弓形の構成に向かって付勢される。あるいは、カテーテル部材14は、平常の弓形の構成を欠くことがあり得る。
【0063】
図1〜2Aを参照すると、カテーテル部材14は、外壁28を含み、長手方向軸「X」を画定する。カテーテル部材14の外壁28は、必要または所望であれば、その安定性および剛性を増加させるために、補強材を含み得ることが想定されている。図2に示されるように、本開示の一実施形態において、カテーテル部材14は、二重管腔の構成を取り得、該二重管腔の構成は、隔壁34によって分離される第1の内部管腔30および第2の内部管腔32を含み、カテーテル部材14の長さに沿って延び得るか、または延び得ないことがあり得る。この実施形態において、第1の長手方向の管腔30および第2の長手方向の管腔32はそれぞれ、例えば血液と流体連通するような構成および寸法とされ、長楕円形、腎臓形、D型、円形、パイ(pie)型などを含むが、これらに限定されない意図された目的に対して適切な任意の断面構成を含み得る。管腔30、32のいずれもが取入(動脈)管腔またはリターン(静脈)管腔として機能し得ることが想定されているが、以下の論議全体を通して、管腔30は静脈管腔と称され、管腔32は動脈管腔と称される。管腔30、32は、図2においては配向が並列として示されているが、同軸関係でも配置され得る。
【0064】
図2Aに見られるように、代替実施形態において、カテーテル部材14は、当技術分野で公知かつ慣例的であるように、ガイドワイヤチャネル36を含み得、ガイドワイヤチャネル36は、例えば脈管器官のような標的の組織部位の中にカテーテル部材14を入れることを容易にするために利用されるガイドワイヤ(図示されず)を受け入れ、かつこれを通すような構成および大きさとされる。ガイドワイヤチャネル36は、例えば薬剤など流体の注入に使用され得ることも想定されている。あるいは、カテーテル部材14を貫通する長手方向の管腔30、32のうちの1つが、静脈または動脈管腔のいずれかとして機能することに加えて、ガイドワイヤチャネルとして役立ち得る。
【0065】
カテーテル部材14は、図2および図2Aにおいて、二重管腔の構成で示されているが、カテーテル部材14は、任意の適切な数のさらなる内部管腔を含み得ることも本明細書において想定されている。例えば、カテーテル部材14は、図2Bに示されているように、三重管腔の構成を取り得、該三重管腔の構成は、隔壁34、34A、34Bによって分離された3つの内部管腔30、32A、32Bを含む。
【0066】
ここで図3〜7を参照すると、カテーテル部材14はリーディング(遠位)端38を含み、リーディング(遠位)端38は、それと一体に形成されるか、またはそれに取り付けられたカテーテル先端部材40を有し、カテーテル先端部材40は有利なことには、身体組織の中への最初の挿入を容易にするような構成および寸法とされる。カテーテル先端部材40の構成および機能に関する詳細は、2006年9月29日に出願された米国特許出願公開第2008/0082080号を参照することにより取得され得、米国特許出願公開第2008/0082080号の全容は、本明細書に参考として援用されている。カテーテル部材14のリーディング先端38は、外壁28によって画定された第1の開口部42Aおよび第2の開口部42Bをさらに含む。第1の開口部42Aは、カテーテル部材14を貫通する第1の内部管腔30(図2)と流体連通し、したがって静脈開口部として機能し、第2の開口部42Bは、カテーテル部材14を貫通する第2の内部管腔32(図2)と流体連通し、したがって動脈開口部として機能する。静脈開口部42Aおよび動脈開口部42Bは、レーザ加工を含むがこれに限定されない適切な製造間の方法で形成され得ることが想定されている。図3〜図7に示されたカテーテル部材14の実施形態において、静脈開口部42Aおよび動脈開口部42Bは、カテーテル部材14の長手方向軸「X」に沿った同じ軸方向の位置に配置されている。しかしながら、本開示の代替実施形態において、静脈開口部42Aは、例えば、カテーテル部材14に出入りする流体の連通を調節するために、カテーテル部材14の長手方向軸「X」に沿って動脈開口部42Bから間隔を置いて離され得る。例えば、静脈開口部42Aおよび動脈開口部42Bは、長手方向軸「X」に沿って互いから5mm以内に配置され得るが、静脈開口部42Aと動脈開口部42Bとの間の増加された軸方向の間隔は、本開示の範囲を超えるものではないことが想定されている。
【0067】
静脈開口部42Aは、連続壁43Aによって画定され、連続壁43Aは、カテーテル部材14の長手方向軸「X」に平行な軸に沿って延びる第1の軸方向の壁部分44Aおよび第2の軸方向の壁部分46A(図4、図6)、ならびに第1の軸方向の壁部分44Aおよび第2の軸方向の壁部分46Aを接続する第1の横方向の壁部分48Aおよび第2の横方向の壁部分50Aを有する。軸方向の壁部分44A、46Aおよび横方向の壁部分48A、50Aの寸法は、静脈開口部42Aによって画定される二次元面積が、静脈管腔30の断面面積よりも大きいか、または等しくなるような寸法とされる。図6に最も良く見られるように、静脈開口部42Aの第1の軸方向の壁部分44Aは、軸方向の長さ「L1」を画定し、軸方向の長さ「L1」は、第2の軸方向の壁部分46Aによって画定される軸方向の長さ「L2」よりも小さい。その結果、静脈開口部42Aの壁部分44A,46A、48A、50Aは協働して、近位方向に先細りの部分52A、遠位方向に先細りの部分54A、およびそれらの間に配置された中間部分56Aを画定する。詳細には、近位方向に先細りの部分52Aは、その横方向の寸法α1、すなわちカテーテル本体14の円周に沿って測定された寸法が遠位方向に増加するように先細りとなる。反対に、遠位方向に先細りの部分54Aは、参照文字β1で表されるその横方向の寸法が遠位方向に減少するように先細りとなる。近位方向および遠位方向に先細りの部分52A,54Aの変化する横方向の寸法α1、β1とは対照的に、近位方向に先細りの部分52Aおよび遠位方向に先細りの部分54Aを接続する中間部分56Aは、一定の横方向の寸法γ1を含む。
【0068】
図3〜図7において、静脈開口部42Aの横方向の壁部分48A、50Aはそれぞれ、直線状の構成を含むとして示されており、それによって静脈開口部42Aは、構成が実質的に台形となる。しかしながら、カテーテル本体14の代替実施形態も想定されており、代替実施形態においては、静脈開口部42Aの横方向の壁部分48A、50Aのいずれか、または両方が、弓形の構成を含み得る。例えば、横方向の壁部分48A、50Aのいずれか、または両方が、第1の軸方向の壁部分44Aに向かって湾曲し得るか、または第1の軸方向の壁部分44Aから離れるように湾曲し得ることが想定されている。さらに、横方向の壁部分48A、50Aのうちの一方が直線状の構成を含み、他方が弓形の構成を含む、カテーテル本体14の実施形態が想定されている。
【0069】
ここで、特に図4および図5を参照すると、動脈開口部42Bは、連続壁43Bによって画定され、連続壁43Bは、カテーテル部材14の長手方向軸「X」に平行な軸に沿って延びる第1の軸方向の壁部分44Bおよび第2の軸方向の壁部分46B、ならびに第1の軸方向の壁部分44Bおよび第2の軸方向の壁部分46Bを接続する第1の横方向の壁部分48Bおよび第2の横方向の壁部分50Bを有する。軸方向の壁部分44B、46Bおよび横方向の壁部分48B、50Bの寸法は、動脈開口部42Bによって画定される二次元面積が、動脈管腔32の断面面積よりも大きいか、または等しくなるような寸法とされる。図5に最も良く見られるように、動脈開口部42Bの第1の軸方向の壁部分44Bは、軸方向の長さ「L3」を画定し、軸方向の長さ「L3」は、第2の軸方向の壁部分46Bによって画定される軸方向の長さ「L4」よりも小さい。その結果、動脈開口部42Bの壁部分44B,46B、48B、50Bは協働して、近位方向に先細りの部分44B、遠位方向に先細りの部分46B、およびそれらの間に配置された中間部分48Bを画定する。詳細には、近位方向に先細りの部分52Bは、その横方向の寸法α2、すなわちカテーテル本体14の円周に沿って測定された寸法が遠位方向に増加するように先細りとなる。反対に、遠位方向に先細りの部分54Bは、参照文字β2で表されるその横方向の寸法が遠位方向に減少するように先細りとなる。静脈開口部42Aと同様に、動脈開口部42Bの近位方向および遠位方向に先細りの部分52B、54Bはそれぞれ、変化する横方向の寸法α2、β2を含むが、近位方向に先細りの部分52Bおよび遠位方向に先細りの部分54Bを接続する中間部分56Bは、一定の横方向の寸法γ2を含む。
【0070】
図3〜図7において、動脈開口部42Bの横方向の壁部分48B、50Bはそれぞれ、直線状の構成を含むとして示されており、それによって動脈開口部42Bは、構成が実質的に台形となる。しかしながら、カテーテル本体14の代替実施形態も想定されており、代替実施形態においては、動脈開口部42Bの横方向の壁部分48B、50Bのいずれか、または両方が、弓形の構成を含み得る。例えば、横方向の壁部分48B、50Bのいずれか、または両方が、第1の軸方向の壁部分44Bに向かって湾曲し得るか、または第1の軸方向の壁部分44Bから離れるように湾曲し得ることが想定されている。さらに、横方向の壁部分48B、50Bのうちの一方が直線状の構成を含み、他方が弓形の構成を含む、カテーテル本体14の実施形態が想定されている。
【0071】
カテーテル部材14が、図面全体を通して構成および寸法が同一である静脈および動脈開口部42A、42Bを含むとして示されているが、静脈開口部42Aの構成が動脈開口部42Bの構成とは異なる実施形態は、本開示の範囲外ではない。
【0072】
ここで、図4を特に参照すると、静脈開口部42Aの第1の軸方向の壁部分44Aは、カテーテル本体14の円周に沿って動脈開口部42Bの第1の軸方向の壁部分44Bから第1の距離「C1」だけ間隔を置いて離され、静脈開口部42Aの第2の軸方向の壁部分46Aは、カテーテル本体14の円周に沿って動脈開口部42Bの第2の軸方向の壁部分46Bから第2の距離「C2」だけ間隔を置いて離されている。図4に示されたカテーテル本体14の実施形態において、静脈および動脈開口部42A、42Bは、直径の反対側に配置されてそれらの間の距離を最大にしている。換言すれば、静脈および動脈開口部42A、42Bは、第1の距離「C1」が、第2の距離「C2」と実質的に等しくなるように、外壁28に配置される。しかしながら、カテーテル本体14の代替実施形態において、例えば、第1の距離「C1」は、第2の距離「C2」よりも大きくあり得るか、または第2の距離「C2」が、第1の距離「C1」よりも大きくあり得るなど、第1の距離「C1」および第2の距離「C2」は、等しくないことがあり得ることが想定されている。
【0073】
ここで図1〜図7を参照すると、カテーテルアセンブリ10の使用および動作が、血液透析処置の過程の間において論議される。最初に、中空のニードルカニューレ(図示されず)が、標的の身体脈管の中に挿入されて静脈切開(入口)部位を作成する。例えば、ニードルカニューレが、静脈にアクセスするために、頸部および鎖骨に隣接して、被験体の皮膚内に配置され得る。ニードルカニューレを標的の脈管内に配置すると、ガイドワイヤ(図示されず)が、ニードルカニューレの近位端を通して挿入され、身体脈管内の所望の位置へと進められる。次に、ニードルカニューレは引き抜かれ、ガイドワイヤの遠位端は標的の脈管内に配置されたままとし、ガイドワイヤの近位端は、患者の身体から外向きに延びている。
【0074】
配置のあと、ガイドワイヤは、カテーテル部材14を貫通するガイドワイヤチャネル36の中に挿入されて、カテーテル部材14が遠位方向に前進して標的の脈管の中に入ることを容易にする。従来技術のように、カテーテル部材14の配置は、挿入スタイレットおよび/または導入器シースの使用によって補佐され得ることが想定されている。
【0075】
上で論議されたように、図1〜図7で示されるカテーテル部材14の実施形態において、開口部42Aは、静脈管腔30(図2)と流体連通し、それによって、参照文字「F1」(図7)によって識別される第1の流れストリームが確立され、開口部42Bは、動脈管腔32(図2)と流体連通し、それによって、参照文字「F2」(図7)によって識別される第2の流れストリームが確立される。したがって、カテーテル部材14を出る例えば血液のような流体は、第1の流れストリーム「F1」の経路に従って開口部42Aを通って静脈管腔30から外に出、カテーテル部材14に入る血液は、開口部42Bを通って動脈管腔32の中に入り第2の流れストリーム「F2」に従う。
【0076】
カテーテル部材14に出入りする血液の慣性力により、血流は、動いている状態を保つ一般的な傾向を示し、通常、最も抵抗の少ない経路に従う。その結果、静脈管腔30(図2)を出る血液は一般的に、開口部42Aの近位方向に先細りの部分52A(図4、図6)を通過して遠位方向に先細りの部分54Aを通してカテーテル部材14の外に出、動脈管腔32(図2)の中に入る血液は一般的に、開口部42Bの遠位方向に先細りの部分54B(図4、図5)を通過して近位方向に先細りの部分52Bを通してカテーテル部材14の中に入る。したがって、静脈開口部42Aの遠位方向に先細りの部分54Aおよび動脈開口部42Bの近位方向に先細りの部分52Bは、カテーテル部材14に出入りする血液の連通の間、高流動性区域を構成し、そこでは血流の速度および血流によって及ぼされる圧力は最高となる。
【0077】
代替の構成と比較して、静脈開口部42A(図4、図6)および動脈開口部42B(図4、図5)の実質的に台形の構成は、血流を標的にして血流をこれらの高流動性区域の中に導き、高流動性区域間の軸方向および円周方向の間隔を増大する。例えば、静脈開口部42Aおよび動脈開口部42Bをカテーテル部材14の長手方向軸「X」(図4)に沿って実質的に同じ軸方向の位置に配置することによって、かつ静脈開口部42Aおよび動脈開口部42Bをカテーテル部材14の円周の周りに互いから等距離を置いて離すことによって、開口部42A、42Bは、高流動性区域間の軸方向および円周方向の間隔を最適化するように協働し、それによって閉塞の可能性を最小とし、かつ再循環を制限する。さらに、当技術分野で使用されている代替の、公知の構成と比較して、静脈開口部42Aおよび動脈開口部42Bの台形の構成は、開口部42A,42Bの外周とそれらの円周方向の高さとの両方を最適化することが発見された。
【0078】
本開示の様々な実施形態において、静脈開口部42A(図4、図6)および動脈開口部42B(図4、図5)の高流動性区域間の円周方向および軸方向の距離は、変えられ得ることが想定されている。静脈開口部42Aおよび動脈開口部42Bの高流動性区域間の円周方向および軸方向の距離を変化させることによって、静脈開口部42Aの近位方向に先細りの部分52A(図4、図6)を通過することにより遠位方向に先細りの部分54Aを通して静脈管腔30(図2)を出る血液の傾向が増大し、同じく、動脈開口部42Bの遠位方向に先細りの部分54B(図4、図5)を通過して近位方向に先細りの部分52Bを通して動脈管腔32(図2)にはいる血液の傾向が増大する。その結果、静脈開口部42Aおよび動脈開口部42Bの高流動性区域間の円周方向および軸方向の距離を変化させることによって、血液の再循環が調整、かつ最小とされ得、位置的閉塞、および/または線維素シースもしくは血栓形成の可能性も調整、かつ最小とされ得る。
【0079】
さらに、静脈開口部42Aおよび動脈開口部42Bの外周および/または円周方向の高さが本開示の代替実施形態において変えられ得、それによって、遠位方向に先細りの部分54Aを通して静脈開口部42A(図4、図6)を出て近位方向に先細りの部分52Bを通して動脈開口部42B(図4、図5)に入る血流の傾向にさらに影響を及ぼし、それによって、再循環、ならびに/または位置的閉塞、および/もしくは繊維素シースもしくは血栓形成の可能性にさらに影響を与えることが想定されている。
【0080】
ここで図8を参照すると、カテーテル部材の代替実施形態が論議され、該カテーテルは概ね、参照文字114で参照される。カテーテル部材114は、図1〜図7に関して上で論議されたカテーテル部材14と同様であるので、両者の間の違いについてのみ論議される。
【0081】
カテーテル部材114は、第1の開口部142Aおよび第2の開口部142Bを画定する外壁128を含む。第1の開口部142Aは、患者から流体を回収するために、カテーテル部材114を貫通する第1の内部管腔130と流体連通し、したがって動脈開口部として機能し、第2の開口部142Bは、流体を患者に戻すために、カテーテル部材114を貫通する第2の内部管腔132と流体連通し、したがって静脈開口部として機能する。
【0082】
第1の開口部142Aは、連続壁143Aによって画定され、連続壁143Aは、近位端146および遠位端148を備えた軸方向の壁部分144を有し、カテーテル部材114の長手方向軸「X」に平行な軸に沿って延びる。第1の開口部142Aを画定する壁143Aは、弓形の壁部分150をさらに含み、弓形の壁部分150は、軸方向の壁部分144の近位端146を遠位端148に接続する。軸方向の壁部分144および弓形の壁部分150の寸法は、第1の開口部142Aによって画定される二次元面積が、第1の内部管腔130の断面面積よりも大きいかまたは等しくなるような寸法とされる。
【0083】
壁部分144の構成は、図8に示されるカテーテル部材114の実施形態には実質的に直線状の構成を含むとして示されているが、例えば、第1の開口部142Aの中への流体の連通を変えるために、代替実施形態においては変えられ得ることが想定されている。例えば、図9に示されているように、一実施形態において、カテーテル部材114は、例えば、弓形の壁部分150に向かって湾曲する構成のような弓形の構成を備えた壁部分144’を含み得る。しかしながら、壁部分148’の構成はあるいは、弓形の壁部分150から遠ざかるように湾曲し得ることも想定されている。
【0084】
再び図8を参照すると、弓形の壁部分150の曲率は、第1の開口部142Aが、近位方向に先細りの部分152Aと、遠位方向に先細りの部分154Aと、それらの間に配置される中間部分156Aとを含むような曲率とされる。詳細には、近位方向に先細りの部分152Aは、その横方向の寸法Δ1、すなわちカテーテル本体14の円周に沿って測定された寸法が遠位方向に増加するように先細りとなる。反対に、遠位方向に先細りの部分154Aは、参照文字θ1で表されるその横方向の寸法が遠位方向に減少するように先細りとなる。
【0085】
図8に示されたカテーテル114の実施形態において、第2の開口部142Bは、第1の開口部142Aと、構成と寸法との両方において、実質的に同一である。したがって、簡潔さのために、第2の開口部142Bは、詳細には論議されない。
【0086】
当業者は、本明細書に詳細に記述され添付の図面で示されたデバイスおよび方法は、非限定的な例示的実施形態であることを理解する。一例示的実施形態と関連して示されるか、または記述された要素および特徴は、本開示の範囲から逸脱することなく、別の実施形態の要素および特徴と組み合わされ得ることが想定されている。また、当業者は、上記の実施形態に基づいて本発明のさらなる特徴および利点を理解する。例えば、カテーテル部材14(図1)は、留置位置にカテーテルアセンブリ10を長期にわたり固定するための組織内部成長に対する部位として機能するために、外壁28に少なくとも1つのカフ(図示されず)、および/または透視検査装置によって患者の組織内にカテーテル部材14を配置することを容易にするために、放射線不透過性のマーキングまたはストリップ(図示されず)を含み得る。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲によって示された場合を除き、具体的に示され記述されたものによって限定されない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用カテーテルアセンブリであって、該医療用カテーテルアセンブリは、
細長いカテーテル部材を備えており、該細長いカテーテル部材は、長手方向軸に沿って延び、近位端、遠位端、および外壁を有し、第1の内部管腔および第2の内部管腔を画定し、該外壁は、該第1の内部管腔と流体連通して第1の流れストリームの確立を容易にする第1の開口部、および該第2の内部管腔と流体連通して第2の流れストリームの確立を容易にする第2の開口部を画定し、該第1の開口部は、第1の横方向に間隔を置いて離された軸方向の壁部分および第2の横方向に間隔を置いて離された軸方向の壁部分を有する第1の連続壁によって画定され、該第2の開口部は、第1の横方向に間隔を置いて離された軸方向の壁部分および第2の横方向に間隔を置いて離された軸方向の壁部分を有する第2の連続壁によって画定され、該第1の軸方向の壁部分および該第2の軸方向の壁部分は、それらの間で、該細長いカテーテル部材の円周に沿って測定された相当距離を画定し、それによって該第1の開口部と該第2の開口部との分離を最大にし、その結果該第2の流れストリームからの該第1の流れストリームの分離が最大にされて該第1の内部管腔と該第2の内部管腔との間の再循環の可能性を低減する、医療用カテーテルアセンブリ。
【請求項2】
前記第1の開口部および前記第2の開口部を画定する壁の前記第1の軸方向の壁部分は、第1の長さを画定し、該第1の開口部および該第2の開口部を画定する壁の前記第2の軸方向の壁部分は、第2の、より大きな長さを画定する、請求項1に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【請求項3】
前記第1の開口部および前記第2の開口部は各々、一定の横方向の寸法を有する中間部分によって接続された近位方向に先細りの部分および遠位方向に先細りの部分を含む、請求項1または請求項2に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【請求項4】
前記第1の開口部および前記第2の開口部の前記近位方向に先細りの部分は、遠位方向に増加する横方向の寸法を有する、請求項3に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【請求項5】
前記第1の開口部および前記第2の開口部の前記遠位方向に先細りの部分は、遠位方向に減少する横方向の寸法を有する、請求項3または請求項4に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【請求項6】
前記第1の開口部および前記第2の開口部を画定する壁の前記第1の軸方向の壁部分および前記第2の軸方向の壁部分は、前記長手方向軸に平行な軸に沿って延びる、請求項1〜請求項5のうちのいずれか一項に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のうちのいずれか一項に記載の医療用カテーテルアセンブリであって、該医療用カテーテルアセンブリを貫通して延びる第3の内部管腔をさらに含み、前記第1の内部管腔と、前記第2の内部管腔と、該第3の内部管腔とは、前記外壁から内向きに延びる少なくとも2つの隔壁によって分離されている、医療用カテーテルアセンブリ。
【請求項8】
前記第1の開口部および前記第2の開口部は、構成および寸法が同一である、請求項1〜請求項7のうちのいずれか一項に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【請求項9】
前記第1の開口部を画定する壁の前記第1の軸方向の壁部分および前記第2の軸方向の壁部分は、一対の第1の横方向の壁部分によって接続され、前記第2の開口部を画定する壁の前記第1の軸方向の壁部分および前記第2の軸方向の壁部分は、一対の第2の横方向の壁部分によって接続されている、請求項1〜請求項7のうちのいずれか一項に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【請求項10】
前記第1の横方向の壁部分および前記第2の横方向の壁部分の対のうちの少なくとも一対は、弓形の構成を有している、請求項9に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【請求項11】
前記第1の開口部および前記第2の開口部を画定する壁の前記第1の横方向の壁部分および前記第2の横方向の壁部分のうちの少なくとも1つは、前記第2の軸方向の壁部分に向かって湾曲する弓形の構成を含む、請求項10に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【請求項12】
前記第1の開口部および前記第2の開口部を画定する壁の前記第1の横方向の壁部分および前記第2の横方向の壁部分の各々は、弓形の構成を含む、請求項10に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【請求項13】
前記第1の開口部および前記第2の開口部を画定する壁の前記第1の横方向の壁部分および前記第2の横方向の壁部分の各々は、前記第2の軸方向の壁部分に向かって湾曲する弓形の構成を含む、請求項12に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【請求項14】
医療用カテーテルアセンブリであって、該医療用カテーテルアセンブリは、
細長いカテーテル部材を備えており、該細長いカテーテル部材は、長手方向軸に沿って延び、近位端、遠位端、および外壁を有し、第1の内部管腔および第2の内部管腔を画定し、該外壁は、該第1の内部管腔と流体連通して第1の流れストリームの確立を容易にする第1の開口部、および該第2の内部管腔と流体連通して第2の流れストリームの確立を容易にする第2の開口部を含み、該第1の開口部は、第1の横方向に間隔を置いて離された壁部分および第2の横方向に間隔を置いて離された壁部分を有する第1の連続壁によって画定され、該第1の壁の該第1の壁部分および該第2の壁部分のうちの少なくとも1つは、弓形の構成を有し、該第2の開口部は、第1の横方向に間隔を置いて離された壁部分および第2の横方向に間隔を置いて離された壁部分を有する第2の連続壁によって画定され、該第2の壁の該第1の壁部分および該第2の壁部分のうちの少なくとも1つは、弓形の構成を有し、該第1の開口部および該第2の開口部は、直径の反対側に配置されることにより該第1の開口部と該第2の開口部との分離を最大にし、それによって該第2の流れストリームからの該第1の流れストリームの分離が最大にされて該第1の内部管腔と該第2の内部管腔との間の再循環の可能性を低減する、医療用カテーテルアセンブリ。
【請求項15】
前記第1の壁の前記第1の壁部分および前記第2の壁部分は、構成が弓形であり、前記第2の壁の前記第1の壁部分および前記第2の壁部分は、構成が弓形である、請求項14に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【請求項16】
医療用カテーテルアセンブリであって、該医療用カテーテルアセンブリは、
細長いカテーテル部材であって、該細長いカテーテル部材を貫通して延びる第1の内部管腔および第2の内部管腔を画定する、細長いカテーテル部材を備えており、該細長いカテーテル部材は外壁を含み、該外壁は、第1の連続壁によって画定されかつ該第1の内部管腔と流体連通して第1の流れストリームの確立を容易にする第1の開口部、および第2の連続壁によって画定されかつ該第2の内部管腔と流体連通して第2の流れストリームの確立を容易にする第2の開口部を有し、該第1の開口部および該第2の開口部は各々、近位方向に先細りの部分と遠位方向に先細りの部分とを含み、それによって該第2の流れストリームからの該第1の流れストリームの分離が最大にされて該第1の内部管腔と該第2の内部管腔との間の再循環の可能性を低減し、該第1の開口部の該近位方向に先細りの部分および該遠位方向に先細りの部分は、第1の中間部分によって接続され、該第2の開口部の該近位方向に先細りの部分および該遠位方向に先細りの部分は、第2の中間部分によって接続され、該第1の中間部分は、該第1の壁の第1の壁部分および第2の壁部分によって画定され、該第2の中間部分は、該第2の壁の第1の壁部分および第2の壁部分によって画定され、該第1の中間部分を画定する該第1の壁部分および該第2の壁部分のうちの少なくとも1つは、構成が弓形であり、該第2の中間部分を画定する該第1の壁部分および該第2の壁部分のうちの少なくとも1つは、構成が弓形である、医療用カテーテルアセンブリ。
【請求項17】
前記第1の中間部分を画定する前記第1の壁部分および前記第2の壁部分の各々は、構成が弓形であり、前記第2の中間部分を画定する前記第1の壁部分および前記第2の壁部分の各々は、構成が弓形である、請求項16に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【請求項1】
医療用カテーテルアセンブリであって、該医療用カテーテルアセンブリは、
細長いカテーテル部材を備えており、該細長いカテーテル部材は、長手方向軸に沿って延び、近位端、遠位端、および外壁を有し、第1の内部管腔および第2の内部管腔を画定し、該外壁は、該第1の内部管腔と流体連通して第1の流れストリームの確立を容易にする第1の開口部、および該第2の内部管腔と流体連通して第2の流れストリームの確立を容易にする第2の開口部を画定し、該第1の開口部は、第1の横方向に間隔を置いて離された軸方向の壁部分および第2の横方向に間隔を置いて離された軸方向の壁部分を有する第1の連続壁によって画定され、該第2の開口部は、第1の横方向に間隔を置いて離された軸方向の壁部分および第2の横方向に間隔を置いて離された軸方向の壁部分を有する第2の連続壁によって画定され、該第1の軸方向の壁部分および該第2の軸方向の壁部分は、それらの間で、該細長いカテーテル部材の円周に沿って測定された相当距離を画定し、それによって該第1の開口部と該第2の開口部との分離を最大にし、その結果該第2の流れストリームからの該第1の流れストリームの分離が最大にされて該第1の内部管腔と該第2の内部管腔との間の再循環の可能性を低減する、医療用カテーテルアセンブリ。
【請求項2】
前記第1の開口部および前記第2の開口部を画定する壁の前記第1の軸方向の壁部分は、第1の長さを画定し、該第1の開口部および該第2の開口部を画定する壁の前記第2の軸方向の壁部分は、第2の、より大きな長さを画定する、請求項1に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【請求項3】
前記第1の開口部および前記第2の開口部は各々、一定の横方向の寸法を有する中間部分によって接続された近位方向に先細りの部分および遠位方向に先細りの部分を含む、請求項1または請求項2に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【請求項4】
前記第1の開口部および前記第2の開口部の前記近位方向に先細りの部分は、遠位方向に増加する横方向の寸法を有する、請求項3に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【請求項5】
前記第1の開口部および前記第2の開口部の前記遠位方向に先細りの部分は、遠位方向に減少する横方向の寸法を有する、請求項3または請求項4に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【請求項6】
前記第1の開口部および前記第2の開口部を画定する壁の前記第1の軸方向の壁部分および前記第2の軸方向の壁部分は、前記長手方向軸に平行な軸に沿って延びる、請求項1〜請求項5のうちのいずれか一項に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のうちのいずれか一項に記載の医療用カテーテルアセンブリであって、該医療用カテーテルアセンブリを貫通して延びる第3の内部管腔をさらに含み、前記第1の内部管腔と、前記第2の内部管腔と、該第3の内部管腔とは、前記外壁から内向きに延びる少なくとも2つの隔壁によって分離されている、医療用カテーテルアセンブリ。
【請求項8】
前記第1の開口部および前記第2の開口部は、構成および寸法が同一である、請求項1〜請求項7のうちのいずれか一項に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【請求項9】
前記第1の開口部を画定する壁の前記第1の軸方向の壁部分および前記第2の軸方向の壁部分は、一対の第1の横方向の壁部分によって接続され、前記第2の開口部を画定する壁の前記第1の軸方向の壁部分および前記第2の軸方向の壁部分は、一対の第2の横方向の壁部分によって接続されている、請求項1〜請求項7のうちのいずれか一項に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【請求項10】
前記第1の横方向の壁部分および前記第2の横方向の壁部分の対のうちの少なくとも一対は、弓形の構成を有している、請求項9に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【請求項11】
前記第1の開口部および前記第2の開口部を画定する壁の前記第1の横方向の壁部分および前記第2の横方向の壁部分のうちの少なくとも1つは、前記第2の軸方向の壁部分に向かって湾曲する弓形の構成を含む、請求項10に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【請求項12】
前記第1の開口部および前記第2の開口部を画定する壁の前記第1の横方向の壁部分および前記第2の横方向の壁部分の各々は、弓形の構成を含む、請求項10に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【請求項13】
前記第1の開口部および前記第2の開口部を画定する壁の前記第1の横方向の壁部分および前記第2の横方向の壁部分の各々は、前記第2の軸方向の壁部分に向かって湾曲する弓形の構成を含む、請求項12に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【請求項14】
医療用カテーテルアセンブリであって、該医療用カテーテルアセンブリは、
細長いカテーテル部材を備えており、該細長いカテーテル部材は、長手方向軸に沿って延び、近位端、遠位端、および外壁を有し、第1の内部管腔および第2の内部管腔を画定し、該外壁は、該第1の内部管腔と流体連通して第1の流れストリームの確立を容易にする第1の開口部、および該第2の内部管腔と流体連通して第2の流れストリームの確立を容易にする第2の開口部を含み、該第1の開口部は、第1の横方向に間隔を置いて離された壁部分および第2の横方向に間隔を置いて離された壁部分を有する第1の連続壁によって画定され、該第1の壁の該第1の壁部分および該第2の壁部分のうちの少なくとも1つは、弓形の構成を有し、該第2の開口部は、第1の横方向に間隔を置いて離された壁部分および第2の横方向に間隔を置いて離された壁部分を有する第2の連続壁によって画定され、該第2の壁の該第1の壁部分および該第2の壁部分のうちの少なくとも1つは、弓形の構成を有し、該第1の開口部および該第2の開口部は、直径の反対側に配置されることにより該第1の開口部と該第2の開口部との分離を最大にし、それによって該第2の流れストリームからの該第1の流れストリームの分離が最大にされて該第1の内部管腔と該第2の内部管腔との間の再循環の可能性を低減する、医療用カテーテルアセンブリ。
【請求項15】
前記第1の壁の前記第1の壁部分および前記第2の壁部分は、構成が弓形であり、前記第2の壁の前記第1の壁部分および前記第2の壁部分は、構成が弓形である、請求項14に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【請求項16】
医療用カテーテルアセンブリであって、該医療用カテーテルアセンブリは、
細長いカテーテル部材であって、該細長いカテーテル部材を貫通して延びる第1の内部管腔および第2の内部管腔を画定する、細長いカテーテル部材を備えており、該細長いカテーテル部材は外壁を含み、該外壁は、第1の連続壁によって画定されかつ該第1の内部管腔と流体連通して第1の流れストリームの確立を容易にする第1の開口部、および第2の連続壁によって画定されかつ該第2の内部管腔と流体連通して第2の流れストリームの確立を容易にする第2の開口部を有し、該第1の開口部および該第2の開口部は各々、近位方向に先細りの部分と遠位方向に先細りの部分とを含み、それによって該第2の流れストリームからの該第1の流れストリームの分離が最大にされて該第1の内部管腔と該第2の内部管腔との間の再循環の可能性を低減し、該第1の開口部の該近位方向に先細りの部分および該遠位方向に先細りの部分は、第1の中間部分によって接続され、該第2の開口部の該近位方向に先細りの部分および該遠位方向に先細りの部分は、第2の中間部分によって接続され、該第1の中間部分は、該第1の壁の第1の壁部分および第2の壁部分によって画定され、該第2の中間部分は、該第2の壁の第1の壁部分および第2の壁部分によって画定され、該第1の中間部分を画定する該第1の壁部分および該第2の壁部分のうちの少なくとも1つは、構成が弓形であり、該第2の中間部分を画定する該第1の壁部分および該第2の壁部分のうちの少なくとも1つは、構成が弓形である、医療用カテーテルアセンブリ。
【請求項17】
前記第1の中間部分を画定する前記第1の壁部分および前記第2の壁部分の各々は、構成が弓形であり、前記第2の中間部分を画定する前記第1の壁部分および前記第2の壁部分の各々は、構成が弓形である、請求項16に記載の医療用カテーテルアセンブリ。
【図1】
【図2】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2011−72792(P2011−72792A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−223095(P2010−223095)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(501289751)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (320)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−223095(P2010−223095)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(501289751)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (320)
【Fターム(参考)】
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