説明

低温液化ガスによる水中及び気中の多目的解凍機。

【課題】食品ス−パ−、レストランから一般家庭の小型機種まで、負担にならない格安で、しかも良好な鮮度の忠実再現機能を持った解凍機と関連機能商品を提供する。
【解決手段】低温無酸素液化ガス1の僅かな消費、水中解凍機では、例えば−196℃の液化窒素ガス、僅かなガス量の水中放散で、200℃温度差もたらされる無酸素水中気泡11の爆裂超音波とキャビテ−シンエネルギ発散を利用する。気中解凍機でも、処理槽5内の有酸素空気と液化窒素ガスの入れ替え、その槽内無酸素ガスの循環使用と槽内加湿のガス気体風圧で、水中及び気中両者処理共に、無酸素、無乾燥、無ドリップ、チアイ鮮血色、鮮度維持で急速解凍が可能である。高価な、電気超音波発振装置や触媒圧縮放散チ−リングユニット等は不要で、処理槽5と、水中処理はポンプ13、気中処理はファン、後は液化ガス配管ユニットと、無酸素ガス3だけが必要となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
主として冷凍食材の解凍処理分野で、単体の鮮魚や肉塊等の水中解凍、微細シラウオや微細チリメンジャコブロック冷凍等の冷凍食材、或は和菓子のような真空包装以外では裸で水中解凍不能な食材の気中解凍、付随的にチルド加工及び冷凍加工の総合分野である。
【0002】
応用として、医療生態保存物、例えば臓器移植冷凍保管での無酸素低温急速解凍、或は輸血血液の冷凍保存で、無酸素低温急速解凍、及び医学研究等々の解凍にも使用される。
【0003】
応用として、電気抵抗検証や湿度と温度対応研究にも使用される。
【0004】
応用として、素材開発の温度湿度による種々変化検証にも使用される。
【背景技術】
【0005】
冷凍食材の解凍では気中解凍と水中解凍、水中気中のいずれかの電気式超音波発振解凍があり、或は水道水放水解凍、中には自然温度気中放置解凍迄ある。
【0006】
水中解凍の場合は、貯水タンクに被解凍物を投げこみ解凍で、水温低下で解凍不能、やむを得ずボイラ−蒸気導入で加温解凍もでも鮮度劣化はもとより、ドリップ汚濁排水の浄化費用も加算される。
【0007】
水中或は気中の両者共に、従来既存の電気発振装置による発振素子では、一定振幅周波数帯固有の低周波又は高周波単独巾振幅発振に関する解凍技術が存在するが、振動素子からの直進性の電気的特徴に阻まれたり、被処理物の直射部以外の陰影部位及び裏面部位の処理力の劣りが致命傷で、また低炭素化社会に反して大きな電力を消費し、設備機器も非常に高価で、健康管理上からも種々の問題をはらんでいる。
【0008】
冷凍食材の水中或は気中解凍では、人工的各種単一波長の電気高周波発振器による被解凍物の分子振動は、多少の差はあれ、分子摩擦熱解凍が主であり、膨大な電気エネルギ−消費と共に、振動素子は低周波数発信素子、高周波数発信素子共に、周波数帯で耐用期間は替わるが機能低下で年次交換を必要とし、時には、周波数帯によっては近接精密電気機器へのノイズ的悪影響も発生する。
【0009】
冷凍食材の気中解凍では、前日からの長時間を費やして、その上に低温雰囲気にすれば低温乾燥と尚の長時間解凍を要し、常温では高温劣化促進が早く、その上に、客対応の翌日必要量想定量の事前解凍では、当日での過不足が平均的に30%前後発生し、余れば食材損失、不足では鮮度味無関係の電子レンジ解凍等、有形無形のロス発生が日常茶飯事の常識論となっている。
【0010】
特に、指摘せざるを得ない事は、近年、過冷却瞬間冷凍と称する−7℃冷凍技術で鮮度維持を誇示している商品でも、全てが小物薄物が過度冷却の世界であり、100mm以上の厚みの海老ブロック、或は肉塊等の−30℃乃至鮪の−60℃の冷凍加工には通用しないが、それも良しとして、いくら高度冷凍の冷凍加工物でも、前述の従来の解凍方式では全く意味が無く、解凍技術の大きな問題点は、少しでも鮮度維持の為に解凍雰囲気温度を低下させているが、温度差による長時間解凍しか無いと言う先入観的常識論から、やむを得ず鮮度劣化解凍により、一般社会からも冷凍、解凍品が低イメ−ジの代名詞にもなっている。
【0011】
特に、市中に氾濫している冷凍冷蔵庫は、急速解凍室、保湿冷蔵室が装填された冷凍解凍冷蔵庫は全世界でもなく、家庭用や、特に欧米のホ−ムパ−ティ−用の冷凍食品解凍は単に冷凍室から冷蔵室に移管して長時間乾燥の解凍劣化が常識である。
【0012】
本来、鮮度維持目的の冷凍食材は、必要な時に、必要な量を、即刻、鮮度維持して、急速解凍し、レストランではオ−ダ−が来て解凍調理、主婦は夕食等の献立調理寸前に解凍が出来なければ、鮮度維持冷凍食材の意味が無く、残念ながら全世界で該当商品は皆無である。
【0013】
従来の大量の業務用冷凍食材の解凍の多くは、小型大型のタンクに清水を充填して、被処理物を浸し、被解凍物の大量投入で水温低下の場合は加温装置で加温水とするか、又は水道放流水によって温度低下を回避、それでも長時間解凍で鮮度劣化と水道料金と排水処理に膨大な金額の浪費をしており、気中冷蔵温度解凍でも人工的電気発振装置で高価で大電力消費の一定周波数帯の超音波で、多かれす少なかれ、分子振動摩擦発熱解凍に終始している。
【0014】
又、医学研究或は冷凍保存の動物臓器類や、電気抵抗試験等の機器類は、超低温雰囲気は簡単に装設出来ても、解凍技術に至っては、動物臓器ですら常温解凍の現状で有り、広大な米国での臓器保冷運搬も、現地では常温解凍しているのが現状である。
【0015】
【特許文献1】特願2009− 20783 特願2009−118018 特願2009−119237 特願2009−141652 特願2009−181044
【非特許文献】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
真っ先に、現代の全ての加工処理機械は、地球の人類生存条件である低炭素社会にマッチした、省エネルギ−機器でなければならない事が、今後の大きな課題である。
【0017】
多種多様な種類の冷凍食材等の解凍処理、冷凍加工完了時の鮮度を忠実に再現する為には可能な限り低温で急速に、必要に応じて付着菌類の滅菌処理解凍等、自然界の原理で危険な人工的超音波発振器を使わずに、絶対安全なしかも低コストで、これらの全てを機能的に保持しなければならない。
【0018】
現状の解凍では、水中解凍処理、或は気中解凍処理共に、前日からの長時間解凍の為に必要予想量解凍処理で30%前後の想定誤差があり、解凍量過不足発生等、又、長時間の為の時間外の勤務時間的にも、有形無形のロスが日常茶飯事で大きな課題である。
【0019】
気中解凍法では、冷凍加工物を、気中温度その儘雰囲気に放置して、長時間解凍している物まであり、鮮度劣化もさることながら、菌類急速増殖防止で、食の安全性からも雑菌繁殖が大きな課題である。
【0020】
気中解凍法では、周知の事実である冷凍庫から冷蔵庫の5℃前後に移管して、長時間低温乾燥の鮮度劣化と大きな目減りをする食材、例えばチリメンジャコ冷凍ブロックのような場合、微細姿外形に雑菌付着のまま6kg前後のブロック形状で冷凍され、解凍長時間の気中解凍でブロック芯部の解凍迄にはブロック外周は雑菌増殖して臭気発散、消費者保護の面からも問題である。
【0021】
気中解凍法では、常温又は冷蔵温度に移管し、電気的超音波発振装置を併用しているものでは、解凍処理に必要な大電力消費と共に、周波数によっては人体への影響と関係機関への届け出も必要で、健康的安全性も考慮すべきである。
【0022】
又、従来の電気的超音波発振装置による振動素子からの強制振動波長は直進性を持ち、高周波になればなる程に被処理物の分子振動摩擦熱が大きくなり、電気的特性の波動直進性による受波面の組織劣化に繋がり、気中超音波発振の場合は構造的安全性と、水中発振の場合は作業者の水中接触を禁止すべきであるが、健康面に影響があり得るにも係らず法的規制はないが、作業者健康保護にも慎重に対応すべきである。
【0023】
又、日本料理のダシに欠かせられないイリコの元の鰯の稚魚も、日本の瀬戸内海で漁獲されるが大漁時に冷凍保管して必要時に解凍処理等、一端冷凍加工すれば水中での解凍が不能な食材は数知れず、現状では致し方なく低温乾燥解凍しか無い。
【0024】
日本では法的規制により、将来は別として現状では余り必要では無いが、欧米を含む多くの国では、生態移植医学で、或は生体移植目的の冷凍保存の解凍処理で、卵子精子の微細細胞ですら低温放散した核水分の自己再吸入度合いが使用可否の別れ道で、人体内蔵移植秒読み時間帯の中で、現状の体温同様の35℃前後の気中解凍の組織酸化劣化の医療生態解凍に、無酸素低温気中で、乾燥することなく、急速に解凍処理方策が望まれている。
【0025】
又、電気抵抗検証や湿度と温度対応研究にも、中央の大型耐候試験装置の使用も悪くはないが、それぞれ分散された各研究棟毎の独立研究室において種々目的に便利に小型化された機器が望まれている。
【0026】
素材開発の温度と湿度及び酸素との関連等による種々変化検証にも同様である。
【0027】
重要な事は、冷凍物の宿命である解凍方法が、解凍劣化による諸リスクから逃避している冷凍製造業界の技術的或は精神的課題を消費者は指摘すべきであるが、残念ながら冷凍加工業界も消費者も、全てが温度差冷凍、温度差解凍での現状の先入観に浸っており、ノ−エネルギ−で安全な鮮度保持解凍などは意中に無い。
【課題を解決する為の手段】
【0028】
食品分野、医療分野、或は各種研究分野等、解凍処理に必要な鮮度再現基本条件は、水中解凍或は気中解凍共に、無酸素、低温、無乾燥、急速、簡易操作、安全性、ランニング費用低廉、設備費用低廉、同時に低炭素社会対応、これら全てが必須条件である。
【0029】
これらの各条件の全ての項目を可能ならしめるには、常識的見解を破棄して、冷凍にしか使用されていない−196℃超低温の液化窒素ガス等の使用がベストである事に留意すべきである。
【0030】
低温液化窒素ガス或は低温液化炭酸ガス等の低温無酸素液化ガスによる各分野での冷凍加工技術は昔からの周知の事実である。
【0031】
既冷凍加工物が避けて通れない過程で、解凍処理技術にも、この無酸素液化ガスによって実施可能ならば、冷凍食材業界は一変し、世界で初めて、無酸素、無加熱、無乾燥、低温維持、分単位の急速、無ドリップ、チアイ鮮血色で、その上に、チルド加工、低温滅菌、冷凍加工をも脇役に持つ事が現実となる。
【0032】
本発明と、従来市販の各種解凍機と根本的な違いは、高価な固定周波数の電気超音波発振装置一式及び冷媒による冷却装置、及び流水ロス、とりわけ鮮度劣化に繋がる長時間を費やしている解凍のネックポイント解消になる。
【0033】
又、非常にシンプルな構成と同時に、無酸素ガス液体(2)及び無酸素ガス(3)の消費量及び付帯機器の電力消費量の費用は超微小である事から、大型解凍機種は勿論の事、小型ポ−タ−ブル解凍機種に至る迄同一構造であり、−196℃液化窒素ガス等による無加熱、低温、急速、鮮度維持解凍処理と言う本発明の利点は更に多く、従来常識的な冷凍庫から冷蔵庫に移管解凍と言う長時間事前解凍による過不足ロス問題も自然解消し、常温又は低温の、急速水中解凍機と急速気中解凍機の二機種が、又付随的にチルド加工や冷凍加工をも可能なならしめる。
【0034】
例えば、−196℃の液化窒素ガス使用の冷凍加工は古来から周知の事実であり、超低温下での冷凍は単なる温度差による冷凍で、小学生でも常識の域である。
【0035】
しかし、−196℃の液化窒素ガス使用の解凍処理と言えば、国内外を問わず全世界の液化窒素冷凍加工業界の製造技術者でも、温度差による冷凍と温度差による解凍と言う常識的先入観から、本発明と従来の認識思想は天と地程のかけ離れた技術であるが、冷凍も解凍も鮮度維持の同一目的である限り、−196℃液化窒素ガスは冷凍と解凍は同類項的域の媒体素材であることに留意しなければならない。
【0036】
否、それ以上に、−1956℃液化窒素ガスは、冷凍加工媒体以上に、それよりも解凍処理に適している媒体素材である。
【0037】
何故ならば、超低温無酸素環境での冷凍加工が鮮度維持に適していると思われるが、冷凍加工可能な低温域では相対湿度はゼロであり、仮超低温域に気中加湿しても気中水分は独立微細水滴で瞬間的に氷結し、冷凍加工物の水分蒸散防止には全く意味が無いことは周知の事実で、一例が、−196℃液化窒素での体外受精卵子保存の適応卵子検体時には、シャ−レ−内で卵子自体が特種水分吸収の可否が分かれ道であり、水分吸収された卵子のみが受精行程に入れるもので、超低温保存全ての卵子が受精作業に適しているものではないことからも、超低温の液体窒素による急速冷凍でも欠点がある。
【0038】
しかし、解凍処理の条件は、低温とはいえ冷凍温度と異なり、水中解凍でも気中解凍でも、解凍雰囲気温度は5℃前後から10℃未満が多く、水中解凍では低温乾燥は有り得無いが、気中解凍の場合でも、この温度範囲では、加湿機による湿度上昇が容易に可能で、解凍処理工程では、低温冷凍時に蒸散させられた体内水分の補完すら可能である。
【0039】
水中解凍処理も気中解凍処理も、鮮度維持では酸化劣化防止が第一目的であり、従来既存機種の水中解凍処理に20%有酸素空気の水中散気でもしようものなら、瞬く間に水面は酸化ドリップ泡で覆いつくされるが、低温液化ガスの無酸素ガスの水中散気では全くドリップ泡が発生せず、処理水との温度差で複合周波数の水中爆裂超音波発振で急速解凍我出来、又気中解凍では、処理槽内の20%空気を無酸素ガス注入で交換して無酸素ガス空間にすれば、加湿無酸素ガスで、加圧風流ファンによって処理槽内の無酸素ガスの循環で吸引吹きつけによる風速衝突衝撃波発生すり自然界低域超音波での急速解凍が可能となった。
【0040】
水中解凍処理も気中解凍処理も、当然ながら鮮度維持目的で低温雰囲気であり、処理槽内に液化窒素ガスの一定温度低下迄の継続充満でも低温化は充分に可能で、従来の高価で電力を消費し、故障発生も高い処理水冷却装置や空気冷却装置の必要性は全くない。
【0041】
気中解凍処理は、無乾燥環境での解凍処理が重要であり、被解凍物の外部水分蒸散は必然的に浸透圧によって内部水分も細胞外に漏洩し、鮮度劣化や重量低下によるロスも発生し、この水分蒸散劣化回避には、加湿器で槽内無酸素ガス気体を吸引して加湿無酸素ガスで処理槽内に循環的に戻し、絶えず処理槽内の規定湿度を保ち鮮度維持を計る。
【0042】
ポ−タ−ブル形状の小型解凍機種では、加湿器にかわって砕氷を裸で装填すれば、加圧風流ファンによって砕氷が解氷して水分蒸散で蒸散熱冷却と同時に処理槽内の加湿にも繋がる。
【0043】
これらの理想論的環境の全てが備わって初めて可能な事項が、加圧風流ファンによる低温の無酸素加湿気体を被解凍物に放散する事で、これによって無酸素の目視不能な気中水滴と無酸素気体の放散衝突で低周波的超音波も発生し、水中波動にも匹敵する解凍速度の上昇にも繋がった。
【0044】
この気中急速解凍は、処理槽内の無酸素加湿低温ガスを加圧風流ファンによって吸引して、被処理物に加圧吹きつけする事で、処理槽内加湿水分子が被処理物の表裏全体に直接又は反射風が衝突する時の衝撃波動で冷凍物にあらゆる複合波動を与え、従来の槽内静止放置長時間乾燥劣化解凍或は、それに高価で人工電気的分子摩擦発熱特性と、直進性超音波照射の受波面の直射部分瑕疵と、反対面の解凍遅延ギャップ等の解消に、百万円単位での設備投資削減にもなる事が実証された。
【0045】
滅菌解凍。或は滅菌洗浄の目的は、本来冷凍時点で滅菌冷凍されるべき物が、輸入相手国での状況把握不透明の為、或は国内でも冷凍時点で生食冷凍食品の滅菌が本来の形であるが不透明であり、解凍には欠かせられない一工程である。
【0046】
これには、食品安全法に基づく種々の安全滅菌剤を、気中解凍では加湿器蒸散水に自動又は手動で点滴することで、又水中解凍の場合は処理槽内の清水又は海水の解凍水に添加すれば、被解凍物の外部全域にくまなく滅菌機能を発揮し、安全を確保する。
【0047】
操作の安全性については、当然ながらソフトやハ−ドの知識がない厨房担当者が、如何なる状況にあっても危険性を持たない安全性を追求し、特に心臓ペ−スメ−カ−保持社経の配慮から、人体悪影響の電波、磁力、赤外線等の使用は、仮に安全装置を付随しても使用してはならない。
【0048】
ランニング費用の低減化は低炭素化社会で機器開発企業の義務であり、液化窒素ガスの消費量においては、解凍処理に必要量は被解凍物の種類によって多少の差はあるが、被解凍物1kg当たりの液化窒素消費量は0.1kg乃至0.2kgで、冷凍加工に消費する量の3%乃至5%で充分である。
【0049】
設備費用は、高度な解凍機能を有しながら、管材以外の電気機器は、水中解凍処理では処理水循環水流ポンプ、気中解凍では加圧風流ファン、加湿機以外は必要無く、従来解凍機器の高価な冷却装置、及び超音波発振装置と超音波振動素子等の百万円単位の各機器は不要であり、設備費用及び消費電力共に僅かである。
【0050】
「請求項2」は、周知の市販冷凍冷蔵庫内に、本発明の小型機種をレ−ルロ−ラ−方式等で挿入設置し、冷蔵温度による冷却空気に加湿機によって湿度を加え、小型可搬無酸素ガスボンベ(16)による、低温加湿無酸素の水中又は気中の解凍処理機を装着したもので、従来の冷蔵庫移管での長時間解低温乾燥劣化解凍とは雲泥の差の鮮度維持解凍が得られるもので、解凍室付きの冷凍解凍冷蔵庫である。
【発明の効果】
【0051】
超低温液化ガス、例えば−196℃の液化窒素ガスは冷凍加工以外には超低温であるが為に、解凍処理に使用すること自体が想定外であったようだが、真実は、冷凍以上に、解凍には不可欠な機能素材であり、本発明の効果は下記の通りである。
【0052】
1、超低温の液化ガスの新用途開発であり、ガス業界と食品業界の繋がりは、一部ガス企 業の窒素冷凍機分野だけであったが、末端のガス販売会社迄、食品流通業界に進路開 拓が可能となった。
2、世界で初めて、ポ−タ−ブル超小型機から大型機種まで、水中処理から気中処理迄、 解凍機能からチルド加工や付随的には洗浄から滅菌処理、又冷凍までも一貫した、本 来の企業の社会的責任(CSR)完遂の食品機械で、種々の食品分野への進展が可能 となった。
3、従来機種に装着の高価な電気機器の必要が無く、格安設備費と格安のランニングコス トで、しかも最高の機能が得られる。
4、設備は処理槽と、処理水循環水流ポンプ、加圧風流ファン、加湿器と管材ユニット、 後は低温液化ガスシリンダ−或は液化ガス貯留タンク等はガス販売社の貸与設置。
5、CSRとトレサビリティ−で、従来解凍法では開示不能な生産管理解凍詳細の開示ア ピ−ルも可能。
6、従来の真空装置や電磁波等の電力浪費及び人体影響懸念を排除し、低温無酸素の各種 急速解凍処理が可能。
7、従来の水中解凍の有酸素空気水中散気の酸化ドリップ泡による鮮度劣化から、低温水 中無酸素ガス放散でドリップ泡の解消と、気中解凍の長時間酸化乾燥劣化を、低温加 湿無酸素加圧風流で急速解凍処理が可能。
8、被処理物付着雑菌類の滅菌が水中解凍、気中解凍両者共可能である。
9、冷凍冷蔵庫の冷蔵室に本発明を格納すれば、冷蔵温度有酸素加湿気体での新鮮急速解 凍室付きの、冷凍解凍冷蔵庫にもなる。
10、ポ−タ−ブル小型機種は、海上及び陸上でレジャ−にも、交流及び直流電源で使用 可能で得ある。
【発明を実施する為の最良の形態】
【0053】
請求項1には、低温液化ガスによる水中解凍機及び気中解凍機が記述されているが、先ず、水中解凍機殻述べる。
【0054】
「図1」等に示す水中解凍機の場合は、解凍機本体(4)の処理槽(5)内に、清水又は塩水の、処理水(6)を処理槽(5)の水面上空間を持って充填する。
【0055】
処理水(6)を事前に急速低温化するには、低温無酸素液化ガス貯留槽(1)から、無酸素ガス液体(2)を処理槽(5)内に導入使用する事も良いが、被処理物(7)投入と同時に数度℃の処理水(6)温度低下でも不足の場合にのみ無酸素ガス液体(2)を導入して処理水(6)の低温化をはかる方がベタ−である。
【0056】
処理水(6)の充填量は、被処理物(7)を投入しても処理槽(5)内水面上の空間に無酸素ガス(3)を充満させて、後述の吸引吐出の循環使用に必要な量の空間容積を保有する。
【0057】
低温無酸素液化ガス貯留槽(1)からの、無酸素ガス液体(2)又は無酸素ガス(3)を、無酸素液化ガス流量調整弁(8)を経由して、処理槽(5)内に充填の処理水(6)中に設置したガス放散箱又は管(9)に直接に、又は微細気泡発生器(10)を装着経由で結続して、処理水(6)の水中に無酸素ガス水中気泡(11)を発生させる。
無酸素ガス水中気泡(11)は、処理水(6)の水中に装填の網籠(12)の中の被処理物(7)に向かって処理水循環水流ポンプ(13)の放散圧力で噴射するが、この理由は、低温無酸素液化ガス貯留槽(1)自体の放出圧力で常時稼動すれば、無酸素ガス(3)の必要以上のロス回避の為である。
【0058】
処理水循環水流ポンプ(13)の吐出管(14)に付設の槽内上部空間ガス吸引管(15)よって、処理水(6)の水面上空間残留の無酸素ガス(3)を吸引して気泡化させ、水面上に浮上した無酸素ガス(3)は再度槽内上部空間ガス吸引管(15)によって吸引され、これを繰り返す。
【0059】
但し、ポ−タ−ブル処理機を含む小型機種では、小型可搬無酸素ガスボンベ(16)によって、処理槽(5)内の処理水(6)の水面上空間に無酸素ガス(3)をスプレ−吹き込みで、有酸素空気を追い出し、無酸素ガス空間(17)とする事も出来る。
【0060】
処理槽(5)内に無酸素ガス(3)を循環利用するに当たり、処理水循環水流ポンプ(13)の吐出圧力でも微細水中気泡は出来るが、必要に応じて、微細気泡発生器(10)を装着経由して供給する。
【0061】
ガス放散箱又は管(9)に開けられた単数又は複数の放散開口孔(18)の口径は、高圧注入では1mmから2mm直径穴、低圧の場合はそれなりに約5mmに直径を広げる事もある。
【0062】
特に、ガス放散箱又は管(9)は、処理槽内壁(22)に垂直装着、或は処理槽蓋(21)に装着されることもあり、一定の放散圧力を保有する。
【0063】
処理水循環水流ポンプ(13)の機種機構は、処理水(6)の水中ポンプの場合は潤滑油不使用機種で、尚、危険防止の為に直流12V乃至24Vとし、処理槽外設置ポンプで交流高電圧の場合でも、インペラ室と駆動部の独立機種でシ−ル破損でも処理水(6)内に潤滑油脂類の漏洩混入が皆無のポンプ機種とする。
【0064】
固定又は脱着可能な孔開き仕切り壁(19)と、多少の間隙を持って、挿入及び引き上げ等で脱着可能な一定面積保有の濾過網(20)を装着する。
【0065】
通常は処理槽(5)内の水流通過が容易な網目とするが、微細魚のチリメンジャコ及びレジャ−魚釣り用の撒き餌アミエビ等は微細網目の網籠(12)を使用する。
【0066】
処理槽蓋(21)は、処理槽(5)内の水流等での水滴飛散防止と同時に、気流が激しい場所の水面上の無酸素ガス(3)と有酸素空気との接触混合防止で、処理槽蓋(21)の設置が必要であろう。
【0067】
処理槽内壁(22)の素材は、無酸素ガス水中気泡(11)の破裂時に発生する超音波やキャビテ−ションの反響機能があるステンレス製が望ましいが、家庭用を含む量産対応では樹脂製でも差し支え無い。
【0068】
低温の無酸素ガス液体(2)及び無酸素ガス(3)は、−196℃超低温液化窒素ガス、或は超低温液化炭酸ガス、その他の液化ガス等が使用されるが、酸化作用と引火爆発性さえ無ければ、又、食品衛生上と価格との関連性さえ許容されれば、他の無酸素ガスでも使用は可能である。
【0069】
処理水(6)には、解凍機として使用する場合は、清水又は塩水を使用するが、0℃以下で使用する冷凍加工や低温チルド加工の場合は、エチルアルコ−ル添加等による不凍水とする。
【0070】
冷蔵温度の4℃から10℃、或は30℃未満の水温の中に、−196℃液化窒素ガス等を放散すれば、温度差200℃前後の為に大小無数の大きさの水中気泡が、発生、破裂、幾何級数的振幅の水中超音波波動、その上に液化ガスの微細気泡発生器(10)との相乗効果で、透明水が瞬時に無酸素ガスで白濁化し、−20℃前後の冷凍物等の投入、或は超低温の無酸素ガス液体(2)の注入で、処理水(6)が急激に低温化で7℃前後の冷水にもかかわらず、解凍水中の気泡破裂による高低超音波及びそれに基づくキャビ−ションエネルギ−作用と想定されるが、水素結合凍結の解除作用によって、冷凍魚類のさんま及び20mmの厚さのビ−フステ−キ冷凍牛肉も1分前後で解凍され、ポ−タ−ブル家庭用から、小規模店舖用、大規模大量処理に至るまで、同一機構でシンプル格安の、低温液化ガスによる水中解凍機となる。
【0071】
次に、「図2」に示す気中解凍機の場合は、解凍機本体(4)の処理槽(5)内の清水又は塩水、或は不凍水の処理水(6)に代わって無酸素ガス空間(17)とする。
【0072】
既冷凍物等である被処理物(7)を解凍処理をするにあたり、処理槽(5)内を事前に急速低温化するには超低温の無酸素ガス液体(2)を導入使用する事も良いが、被処理物(7)投入と同時に低温の無酸素ガス(3)を導入して処理槽(5)内の低温化をはかる方がガス消費量が減少して省エネルギ−に繋がる。
【0073】
低温無酸素液化ガス貯留槽(1)自体には、液化ガスの液体排出専用弁と蒸散ガス排出専用弁が既設されているが、装着目的から微調整が困難である為に、低温無酸素液化ガス貯留槽(1)において両者の選択で、解凍機本体で無酸素ガス液体(2)又は無酸素ガス(3)の放出量を制御する無酸素液化ガス流量調整弁(8)を設置経由して、処理槽(5)内に設置したガス放散箱又は管(9)に、或は処理槽(5)内に直接放散する。
【0074】
処理槽(5)内の低温化の為に、低温無酸素液化ガス貯留槽(1)自体の放出圧力で無酸素ガス液体(2)を処理槽(5)内に放出する事は良いとしても、無酸素ガス(3)は処理槽(5)内への連続導入は、余剰ガスとなって処理槽(5)外に放散するだけの為に一定量の処理槽(5)内への導入後は停止し、水中解凍機の処理水循環水流ポンプ(13)に代わって設置の加圧風流ファン(23)により、処理槽(5)内に充満の無酸素ガス(3)を吸引して槽内に吐出し、これを繰り返すことで低温無酸素液化ガス貯留槽(1)の無酸素ガス(3)を必要最小限の消費で浪費を解消する。
【0075】
但し、ポ−タ−ブル処理機を含む小型機種では、小型可搬無酸素ガスボンベ(16)によって、処理槽(5)内空間に無酸素ガス(3)をスプレ−吹き込みで、有酸素空気を追い出し、無酸素ガス空間(17)とする事で、大型と同様の目的を達成する。
【0076】
処理槽(5)内に無酸素ガス(3)を連続大量に供給しても、処理槽(5)内の有酸素空気と入れ代わって無酸素ガス空間(17)となった後の無酸素ガス(3)供給は、瞬時に大気放散の為に、槽内の無酸素ガス(3)を循環使用する事がベタ−であるが、無酸素ガス(3)の大量消費でも良い場合でも、超乾燥の無酸素ガス(3)の直接使用は正当でなく、必ず、被処理物(7)と共に処理槽(5)内に投入の氷塊(26)の加圧風流ファン(23)による解氷蒸散湿度、或は処理槽(5)内の無酸素ガス(3)吸引吐出による加湿器(24)による加湿空間として加圧風流ファン(23)が必要で有る。
【0077】
加圧風流ファン(23)から槽内循環で供給される無酸素ガス(3)が一定圧力以上の場合は、ガス放散箱又は管(9)に直接に導入しても機能を発揮するが、ガス放散箱又は管(9)に単数又は複数装着している放散開口孔(18)の口径が小さい場合はそれなりに圧力を要求するが、放散開口孔(18)の口径を大きくすることで目的を果たす。
【0078】
しかし、ガス放散箱又は管(9)を経由せずに、加圧風流ファン(23)によって直接に、処理槽(5)内の加湿された無酸素ガス(3)を循環放散対流によって、冷蔵庫等での低温気体静止解凍では得られない、鮮度維持無乾燥急速解凍処理が実現した。
【0079】
気中解凍機に装着の、加圧風流ファン(26)の機種機構は種々有るが、ガス放散箱又は管(9)経由の場合は一定以上の吹き出し圧力が必要な為に、複数段付きの加圧風流ファン(23)、或は各種気体加圧機等があるが、処理槽(5)内に直接吹き込む場合は、静圧をも考慮してタ−ボファン、シロッコファン等々がベタ−であり、軸流ファンでも風量によっては差し支えない。
【0080】
加圧風流ファン(23)の装着は、処理槽(5)と導通穴を有する穴開き仕切り壁(19)に、単数又は複数の加圧風流ファン(23)の吐出口径の貫通孔を別途開けて装着するが、水中解凍機に使用の脱着可能な濾過網(20)は当然撤去する。
【0081】
穴開き仕切り壁(19)も、濾過網(20)同様な挿入引き上げ撤去可能にすれば、気中解凍機用に加圧風流ファン(23)装着済の穴開き仕切り壁(19)として、用途に応じて交換可能とし、別途格納することが望ましい。
【0082】
処理槽(5)内での加圧風流ファン(23)は乱気流で、空気と接している場合は、比重が空気とほぼ同様である為に無酸素ガス(3)が処理槽外に飛散して有酸素空気が進入する為に、又、設置場所によっては外気の風気流で、処理槽(5)内の無酸素ガス(3)と有酸素空気との接触混合防止で、処理槽蓋(21)の設置が必要である。
【0083】
処理槽内壁(22)の素材は、厳密に思考すれば加湿の無酸素ガス(3)が加圧風流ファン(23)によって処理槽(5)内のあらゆる物質に衝突する衝撃波で超音波を発する為に、音波反射機能があるステンレス製が望ましいが、家庭用を含む量産対応では樹脂製でも差し支え無い。
【0084】
低温の無酸素ガス液体(2)及び無酸素ガス(3)は、−196℃超低温液化窒素ガス、或は超低温液化炭酸ガス、その他の液化ガス等が使用されるが、其の他の無酸素ガスも酸化作用と引火爆発性さえ無ければ、又、食品衛生上と価格との関連性さえ許容されれば他の無酸素ガスでも使用は可能である。
【0085】
処理槽(5)内の無酸素ガス空間(17)内に装填の被処理物(7)に、加圧風流ファン(23)によって、加湿された無酸素ガス(3)を吹きつける事によって、被処理物(7)の表面に一種の衝撃波の低周波が発生し、冷蔵温度の4℃から10℃、或は30℃未満の無酸素加湿ガス空間の中で、複合波長振幅の気中超音波波動が発生し、被処理物(7)の導伝導率にもよるが、水素結合凍結の解除作用に大きく作用し、急速鮮度維持解凍が可能である。
【0086】
従来の冷蔵室移管解凍のような無気流静止乾燥空間での解凍では想定不能な急速解凍、無乾燥解凍、無酸化解凍、無ドリップ、鮮度維持解凍が、ポ−タ−ブル家庭用から、小規模店舗用、大規模大量処理に至るまで、同一機構でシンプル格安の、低温液化ガスによる気中解凍機である。
【0087】
以上の、低温液化ガスによる水中及び気中の解凍で、両者選択使い分けは、水中解凍に適した食材、例えば鮮魚、野菜類、果実類等は低温水中で無酸素ガス水中気泡(11)の水中爆裂によるエネルギ−で、鮮度維持急速解凍を行う。
【0088】
又水中解凍にはそぐわないえ食材を気中解凍で、例えばチリメンジャコの冷凍ブロックや冷凍菓子類等の解凍を、無酸素低温加湿風力で鮮度維持急速解凍を行う。
【0089】
低温無酸素液化ガス貯留槽(1)から導入の無酸素ガス液体(2)及び無酸素ガス(3)の両者の導入種選択で、無酸素ガス液体(2)の場合は超低温である事から、水中冷凍機の場合はエチルアルコ−ル添加による不凍水(27)にすればチルド加工や−20℃乃至−35℃温度域で、無酸素ガス水中気泡(11)の稼動と停止により、水中爆裂超音波及びキャビテ−ションエネルギ−の稼動と停止に重なり、可能な限りの被処理物(7)の外と芯の同時冷凍が可能であり、気中冷凍の場合は処理槽(5)内に無酸素ガス液体(2)を被処理物(7)に加圧放射することで、従来に無い外と芯の超急冷凍我可能で、チルド加工も可能な、低温液化ガスによる水中及び気中の多目的解凍機である。
【0089】
「請求項2」は、家庭用及び業務用の冷凍冷蔵庫内に、冷蔵庫装填解凍機(28)として装填される、低温液化ガスによる水中及び気中の多目的解凍機。
【0090】
「請求項3」は、ポ−タ−ブル小型機種では、レジャ−ボ−ト、キャンピングカ−、及び魚釣り道具の一つとして、ブロック冷凍しか販売していない撒き餌アミエビの釣り場所での解凍にも使用出来る、レジャ−用解凍機(29)の、低温液化ガスによる水中及び気中の多目的解凍機。
【0091】
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】低温無酸素ガスの水中放散による水中解凍機で、ポ−タ−ブルから大型に至るまでの透視図、一部開欠図、の斜視図である。
【図2】低温無酸素ガスの水中放散による水中解凍機で、濾過網と網籠がドッキングした、透視図、一部開欠図、の斜視図である。
【図3】低温無酸素ガスの処理槽内放散による気中解凍機で、加湿器内蔵の処理槽で氷塊投入解氷加湿の気中解凍機の透視図、一部開欠図、の斜視図である。
【図4】低温無酸素ガスの処理槽内放散による気中解凍機で、氷塊投入解氷加湿の気中解凍機の透視図、一部開欠図、の斜視図である。
【図5】低温無酸素ガスの処理槽内放散による気中解凍機で、氷塊投入解氷加湿の気中解凍機の槽内回転風流の透視図、一部開欠図、の斜視図である。
【図6】低温無酸素ガスの処理槽内放散による気中解凍機で、加湿器装着で、無酸素ガスによる低温化の槽内回転風流気中大型解凍機の透視図、一部開欠図、の斜視図である。
【図7】超低温の無酸素ガス水中気泡の放散で、気泡爆裂超音波発振のイメ−ジの、処理槽断面図である。
【図8】超低温の無酸素ガスによる気中回頭機の、加湿無酸素ガスと不処理物との衝突衝撃波によるイメ−ジの、処理槽断面図である。
【図9】水中解凍或は気中解凍の処理槽自体を、低温の冷蔵庫に挿入引き出しで方式で装填した、側面斜視図である。
【図10】処理水循環ポンプと、濾過網と網籠を共用して一体化したユニットで、魚釣り枚餌のオキアミ冷凍ブロックも、ビ−フテキ牛肉もキャンプで簡単に解凍可能な、水中解凍機の斜視透明図である。
【図11】処理水循環ポンプと、濾過網と網籠を共用して一体化したユニットで、あらゆる水槽の中で使用可能な、無酸素ガスの可搬小型ボンベ使用の水中解凍機の斜視透明図である。
【符号の説明】
【0093】
1 低温無酸素液化ガス貯留槽
2 無酸素ガス液体
3 無酸素ガス
4 解凍機本体
5 処理槽
6 処理水
7 被処理物
8 無酸素液化ガス流量調整弁
9 ガス放散箱又は管
10 微細気泡発生器
11 無酸素ガス水中気泡
12 網籠
13 処理水循環水流ポンプ
14 吐出管
15 槽内上部空間ガス吸引管
16 小型可搬無酸素ガスボンベ
17 無酸素ガス空間
18 放散開口孔
19 穴開き仕切り壁
20 濾過網
21 処理槽蓋
22 処理槽内壁
23 加圧風流ファン
24 加湿器
25 無酸素加湿風流空間
26 氷塊
27 不凍水
28 冷蔵庫装填解凍機
29 レジャ−用解凍機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超低温無酸素液化ガスによる冷凍加工は周知の事実であるが、その超低温無酸素液化ガス貯留槽(1)から、無酸素ガス液体(2)と無酸素ガス(3)の二種の選択導入使用により、無酸素水中急速解凍処理及び無酸素気中加湿急速解凍処理を可能にし、同時に付随機能としてチルド加工、滅菌機能、及び冷凍機能も保有するのが本発明である。
先ず、「図1」等に示す水中解凍機の場合は、解凍機本体(4)の処理槽(5)内の清水又は塩水の処理水(6)の中で、既冷凍物等である被処理物(7)を解凍処理をするにあたり、処理水(6)を事前に急速低温化するには無酸素ガス液体(2)を導入使用する事も良いが、被処理物(7)投入と同時に数度℃の処理水(6)温度低下でも不足の場合にのみ無酸素ガス液体(2)を導入して処理水(6)の低温化をはかる方がベタ−である。 処理水(6)の充填量は、被処理物(7)を投入しても処理槽(5)内水面上の空間に無酸素ガス(3)を充満させて、後述の吸引吐出の循環使用に必要な量の空間容積を保有する。
尚、処理水(6)は、低温チルド加工や冷凍機構に使用する場合は、不凍水にして使用することは言うまでもない。
低温無酸素液化ガス貯留槽(1)からの、無酸素ガス液体(2)又は無酸素ガス(3)を、無酸素液化ガス流量調整弁(8)を経由して、処理槽(5)内に充填の処理水(6)中に設置したガス放散箱又は管(9)に、直接に又は微細気泡発生器(10)経由で結続して、処理水(6)の水中に無酸素ガス水中気泡(11)を発生させ、処理水(6)の水中に装填の網籠(12)の中の被処理物(7)に向かって放散するが、処理水(6)の低温化の為に、低温無酸素液化ガス貯留槽(1)自体の放出圧力で無酸素ガス液体(2)を処理水(6)中に放出する事は良いとしても、無酸素ガス(3)は処理水(6)中への導入後は、余剰ガスで処理水(6)を浮上して処理槽(5)外に放散するだけの為に、無酸素ガス(3)は一定量の処理水(6)内への導入後は停止し、処理水循環水流ポンプ(13)の吐出管(14)に付設の槽内上部空間ガス吸引管(15)よって、処理水(6)の水面上空間残留の無酸素ガス(3)を吸引して気泡化させ、水面上に浮上した無酸素ガス(3)は再度槽内上部空間ガス吸引管(15)によって吸引され、これを繰り返すことで低温無酸素液化ガス貯留槽(1)の無酸素ガス(3)の浪費を解消する。
但し、ポ−タ−ブル処理機を含む小型機種では、小型可搬無酸素ガスボンベ(16)によって、処理槽(5)内の処理水(6)の水面上空間に無酸素ガス(3)をスプレ−吹き込みで、有酸素空気を追い出し、無酸素ガス空間(17)とする事で、大型と同様の目的を達成する。
処理槽(5)内に無酸素ガス(3)を大量に供給しても、無酸素水中気泡はその大半が瞬時に大気放散の為に、低圧微量の無酸素ガス(3)を微細気泡発生器(10)を経由して供給する事の方がベタ−であるが、無酸素ガス(3)の大量消費でも良い場合は、当然ながら微細気泡発生器(10)の装着は必要無い。
低温無酸素液化ガス貯留槽(1)から供給される無酸素ガス(3)が一定圧力以上の場合は、ガス放散箱又は管(9)に直接に導入しても、ガス放散箱又は管(9)に単数又は複数装着している放散開口孔(18)の口径が1mmから2mmの場合は大小各種の気泡が発生するが、水中吹き出し圧力の不足の場合は、ガス放散箱又は管(9)が垂直装着で水平吹き出しの事も想定され、或はガス放散箱又は管(9)が網籠(12)の上部設置で下向き吹き出しの事も有り、その吹き出し圧力不足の場合等と同時に、主たる目的は、無酸素ガス(3)の消費量削減であり、処理水(6)を吸引して、ガス放散箱又は管(9)に加圧供給する処理水循環水流ポンプ(13)を設置するだけでも、水中気泡の放出圧力の幇助にもなる。
処理水循環水流ポンプ(13)の機種機構は、処理水(6)の水中ポンプの場合は潤滑油不使用機種で、尚、危険防止の為に直流12V乃至24Vとし、処理槽外設置ポンプで交流高電圧の場合でも、インペラ室と駆動部の独立機種でシ−ル破損でも処理水(6)内に潤滑油脂類の漏洩混入が皆無のポンプ機種が安全で、当然ながら処理水循環水流ポンプ(13)の異物吸引防止と、ガス放散箱又は管(9)の放散開口孔(18)の目詰り防止で、必要ある場合は脱着可能な孔開き仕切り壁(19)を装着し、多少の間隙を持って一定の面積を持った挿入及び引き上げ等で脱着可能な濾過網(20)を必ず装着し、微細魚のチリメンジャコ及びレジャ−魚釣り用の撒き餌アミエビ等は微細網目の網籠(12)を利用し、処理水(6)を吸引及びガス放散箱又は管(9)経由で処理槽(5)内に循環吐出する。
処理槽蓋(21)は、処理槽(5)内の水流等での水滴飛散防止と同時に、気流が激しい場所の水面上の無酸素ガス(3)と有酸素空気との接触混合防止で、処理槽蓋(21)の設置が必要であろう。
処理槽内壁(22)の素材は、無酸素ガス水中気泡(11)の破裂時に発生する超音波やキャビテ−ションの反響機能があるステンレス製が望ましいが、家庭用を含む量産対応では樹脂製でも差し支え無い。
低温の無酸素ガス液体(2)及び無酸素ガス(3)は、−196℃超低温液化窒素ガス、或は超低温液化炭酸ガス、その他の液化ガス等が使用されるが、酸化作用と引火爆発性さえ無ければ、又、食品衛生上と価格との関連性さえ許容されれば、他の無酸素ガスでも使用は可能である。
処理水(6)には、清水又は塩水を使用し、冷蔵温度の4℃から10℃、或は30℃未満の水温の中に、−196℃液化窒素ガス等を放散すれば、温度差200℃前後の為に大小無数の大きさの水中気泡が、発生、破裂、幾何級数的振幅の水中超音波波動、その上に液化ガスの微細気泡発生器(10)との相乗効果で、透明水が瞬時に無酸素ガスで白濁化し、−20℃前後の冷凍物等の投入、或は超低温の無酸素ガス液体(2)の注入で、処理水(6)が急激に低温化で7℃前後の冷水にもかかわらず、解凍水中の気泡破裂による高低超音波及びそれに基づくキャビ−ションエネルギ−作用と想定されるが、水素結合凍結の解除作用によって、冷凍魚類のさんま及び20mmの厚さのビ−フステ−キ冷凍牛肉も1分前後で解凍され、ポ−タ−ブル家庭用から、小規模店舗用、大規模大量処理に至るまで、同一機構でシンプル格安の、低温液化ガスによる水中解凍機となる。
次に「図2」、「図3」、「図4」によって気中解凍機を説明する。
解凍機本体(4)の処理槽(5)内の清水又は塩水の処理水(6)に代わって無酸素ガス空間(17)の中で、既冷凍物等である被処理物(7)を解凍処理をするにあたり、処理槽(5)内を事前に急速低温化するには超低温の無酸素ガス液体(2)を導入使用する事も良いが、氷塊に等しい被処理物(7)投入と同時に無酸素ガス()を導入して処理槽(5)内の低温化をはかる方が省エネルギ−からベタ−である。
低温無酸素液化ガス貯留槽(1)からの、無酸素ガス液体(2)又は無酸素ガス(3)を、無酸素液化ガス流量調整弁(8)を経由して、処理槽(5)内に設置したガス放散箱又は管(9)に、或は処理槽(5)内に直接放散して処理槽(5)内を無酸素ガス空間とする。
処理槽(5)内に装填の網籠(12)の中の被処理物(7)に向かって、放散する無酸素ガス(3)は、処理槽(5)内の低温化の為に、低温無酸素液化ガス貯留槽(1)自体の放出圧力で無酸素ガス液体(2)の放出でも良い我、無酸素ガス(3)は処理槽(5)内への連続導入は、余剰ガスとなって処理槽(5)外に放散するだけの為に、無酸素ガス(3)は一定量の処理槽(5)内への導入後は停止し、水中解凍機の処理水循環水流ポンプ(13)に代わって装着の、加圧風流ファン(23)により、処理槽(5)内に充満の無酸素ガス(3)を吸引して槽内に吐出し、これを繰り返すことで低温無酸素液化ガス貯留槽(1)の無酸素ガス(3)を必要最小限に止める。
但し、ポ−タ−ブル処理機を含む小型機種では、小型可搬無酸素ガスボンベ(16)によって、処理槽(5)内空間に無酸素ガス(3)をスプレ−吹き込みで、有酸素空気を追い出し、無酸素ガス空間(17)とする事で、大型と同様の目的を達成する。
処理槽(5)内に無酸素ガス(3)を連続大量に供給しても、処理槽(5)内の有酸素空気と入れ代わって無酸素ガス空間(17)となった後の無酸素ガス(3)供給は、瞬時に大気放散の為に槽内の無酸素ガス(3)を循環使用する。
又、低温無酸素液化ガス貯留槽(1)からの湿度ゼロの無酸素ガス(3)を直接的被処理物(7)に放散することは正当でなく、必ず、被処理物(7)と共に処理槽(5)内に投入の氷塊(26)の加圧風流ファン(23)による解氷蒸散湿度、或は処理槽(5)内の無酸素ガス(3)吸引吐出による加湿器(24)による加湿無酸素ガスの加圧風流ファン(23)による循環使用が正当である。
加圧風流ファン(23)から槽内循環で供給される無酸素ガス(3)が一定圧力以上の場合は、ガス放散箱又は管(9)に直接に導入しても機能を発揮するが、ガス放散箱又は管(9)に単数又は複数装着している放散開口孔(18)の口径が小さい場合はそれなりに圧力を要求するも、放散開口孔(18)の口径を大きくすることで目的を果たす事が出来る。
又、ガス放散箱又は管(9)を経由せずに、直接に処理槽(5)内に無酸素ガス(3)を吹き込み、処理槽(5)内部全体に加湿された無酸素ガス(3)を循環放散対流によって、低温無酸素対流雰囲気で、従来の気体静止解凍では得られない、鮮度維持無乾燥急速解凍処理が実現した。
加圧風流ファン(26)の機種機構は種々有るが、ガス放散箱又は管(9)経由の場合は一定以上の吹き出し圧力が必要な為に、複数段付きの加圧風流ファン(23)、或は各種気体加圧機等、種々あるが、処理槽(5)内に直接吹き込む場合は、静圧をも考慮してタ−ボファン、シロッコファン等々がベタ−であり、軸流ファンでも風量によっては差し支えない。
加圧風流ファン(23)の装着は、処理槽(5)と導通穴を有する、穴開き仕切り壁(19)に、単数又は複数の加圧風流ファン(23)の吐出口径の貫通孔を別途開けて装着するが、水中解凍機に使用の脱着可能な濾過網(20)は当然撤去する。
穴開き仕切り壁(19)も、濾過網(20)同様な挿入引き上げ撤去可能にすれば、気中解凍機用に加圧風流ファン(23)装着済の穴開き仕切り壁(19)として別途格納することが望ましい。
処理槽蓋(21)は、処理槽(5)内での加圧風流ファン(23)の乱気流で、無酸素ガス(3)が処理槽外に飛散して有酸素空気が進入する為に、又、気流が激しい場所の水処理槽(5)内の無酸素ガス(3)と有酸素空気との接触混合防止で、処理槽蓋(21)の設置が必要である。
処理槽内壁(22)の素材は、厳密に思考すれば加湿の無酸素ガス(3)が加圧風流ファン(23)によって処理槽(5)内のあらゆる物質に衝突する衝撃波で超音波を発する為に、反響機能があるステンレス製が望ましいが、家庭用を含む量産対応では樹脂製でも差し支え無い。
低温の無酸素ガス液体(2)及び無酸素ガス(3)は、−196℃超低温液化窒素ガス、或は超低温液化炭酸ガス、その他の液化ガス等が使用されるが、酸化作用と引火爆発性さえ無ければ、又、食品衛生上と価格との関連性さえ許容されれば、他の無酸素ガスでも使用は可能である。
処理槽(5)内の無酸素ガス空間(17)内に装填の被処理物(7)に、加圧風流ファン(23)によって、加湿された無酸素ガス(3)を吹きつける事によって、被処理物(7)の表面に一種の衝撃波の低周波が発生し、無酸素加湿ガス空間の中で、複合波長振幅の気中超音波波動が発生し、−20℃前後の冷凍物等の装填と、低温の無酸素ガス(3)の注入で、処理槽(5)内温度は5℃前後の冷温になり、被処理物(7)の熱電導率にもよるが、水素結合凍結の解除作用に大きく作用し、急速鮮度維持解凍が可能となった。
従来の低温無気流静止空間での解凍では想定不能な、急速解凍、無乾燥解凍、無酸化解凍、無ドリップ、鮮度維持解凍が、ポ−タ−ブル家庭用から、小規模店舗用、大規模大量処理に至るまで、同一機構でシンプル格安の、低温液化ガスによる気中解凍機である。
以上の、低温液化ガスによる水中及び気中の解凍で、両者選択使い分けは、水中解凍に適した食材、例えば鮮魚、野菜類、果実類等は、低温水中で無酸素ガス水中気泡(11)の水中爆裂によるエネルギ−で、鮮度維持急速解凍を行う。
又水中解凍にはそぐわないえ食材を気中解凍で、例えばチリメンジャコの冷凍ブロックや冷凍菓子類等の解凍を、無酸素低温加湿風力で鮮度維持急速解凍を行う。
低温無酸素液化ガス貯留槽(1)から導入の無酸素ガス液体(2)及び無酸素ガス(3)の両者の導入種選択で、無酸素ガス液体(2)の場合は超低温である事から、水中冷凍の場合はエチルアルコ−ル添加による不凍水(27)にすればチルド加工や−20℃乃至−35℃温度域の無酸素ガス水中気泡(11)の稼動及び停止により、水中爆裂超音波及びキャビテ−ションエネルギ−の稼動と停止に重なり、可能な限りの被処理物(7)の外と芯の同時冷凍が可能であり、気中冷凍機の場合は処理槽(5)内に無酸素ガス液体(2)を導入し、被処理物(7)に噴射するだけで超急速冷凍の為に低温乾燥する予有がなく鮮度抜群の冷凍加工と共に、チルド加工も可能な、低温液化ガスによる水中及び気中の多目的解凍機。
【請求項2】
家庭用及び業務用の冷凍冷蔵庫内に、冷蔵庫装填解凍機(28)として装填される、請求項1記載の低温液化ガスによる水中及び気中の多目的解凍機。
【請求項3】
ポ−タ−ブル小型機種では、レジャ−ボ−ト、キャンピングカ−、及び魚釣り道具の一つとして、ブロック冷凍しか販売していない撒き餌アミエビの釣り場所での解凍にも使用出来るレジャ−用解凍機(29)の、請求項1記載の低温液化ガスによる水中及び気中の多目的解凍機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−41559(P2011−41559A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−213713(P2009−213713)
【出願日】平成21年8月24日(2009.8.24)
【出願人】(591220148)伸洋産業株式会社 (69)
【Fターム(参考)】