説明

低溶解度化合物を局所適用するための医薬組成物

本発明は、水に対する溶解度が低い医薬有効成分を、100gあたり50mg以上含有する製剤を提供する。この溶解度は、本明細書中に記載の溶媒の混合物により達成される。更に、本明細書中に記載の製剤は、クリーム、軟膏、スプレー、フォーム、又はオレオゲル(oleogel)を製造するための基礎製剤として使用され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、先に出願された欧州特許出願EP 07013369.9号(出願日は2007年7月9日)の優先権、及び先に出願された米国仮特許出願US 60/948,554号(出願日は2007年7月9日)の全ての利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
局所的投与される有効成分は、主に発赤、腫れ、乾癬のかゆみ及び不快感、アトピー性皮膚炎、並びに他の皮膚の病態を処置するために使用される。そのような有効薬物成分は、通常の溶媒、例えば水に対し、溶解度が低いのが一般である。本明細書中で「低溶解度」という用語は、その化合物の水に対する溶解度が、20℃で20mg/l以下であることを意味する。グルココルチコステロイド、ステロイド、カルシニューリン阻害剤、ビタミンDアナロク(analoque)、レチノイド、(immunosuppressant)、抗真菌剤(antimycotic)、抗感染剤、エストロゲン、アンドロゲン、フマル酸エステルは、そのような低水溶性の局所投与に用いられる典型的な薬物クラスである。そのような一例としては、WO 03/082827又はWO 2006/050998に記載されている。1つの例としては、化学名が(R)-1,1,1-トリフルオロ-4-(5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-4-メチル-2-{[[2-メチル-5-キノリル)アミノ]メチル}ペンタン-2-オール、その実験式C25H26F4N2O2で表され、分子量が462.5である、非ステロイド性有効成分が挙げられる。これは、WO 2006/050998の実施例1(以後Ex1/998と表記する)に係る化合物である。前記化合物は、結晶性で非多型性の、黄色から緑色の粉末であり、水に溶解せず、僅かにヘキサンに溶解し、エチルアルコールに中程度に溶解する。これは、局所投与に使用される標準的なクリーム及び軟膏ビヒクル、例えばワセリン(petrolatum)及びミネラルオイル等に対し、低い溶解度を呈する。
【0003】
商業的に、局所投与薬物製品は、溶液、懸濁物、クリーム及び軟膏として入手可能である。米国特許第3,892,856号は、ポリエチレングリコール中に溶解した、及び油性基剤中で乳化したコルチコステロイドの使用を記載している。他に、患者に使用する低水溶性化合物の選択肢として、懸濁物の状態で有効成分を含有する、水中油型製剤の製剤が挙げられる。
【0004】
他の例は、科学文献及び特許文献中に見出され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、少なくとも0.1%の濃度で薬物成分を含有し、インビトロでの放出速度の増大を達成し、そしてインビボでの有効性を高めた製剤を提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、水に対する溶解度が低い医薬有効成分を、100gあたり50mg以上含有する製剤を提供する。この溶解度は、本明細書中に記載の溶媒の混合物により達成される。更に、本明細書及び請求項1中に記載の製剤は、クリーム、軟膏、スプレー、フォーム、又はオレオゲル(oleogel)を製造するための基礎製剤として使用され得る。
【0007】
前記基礎製剤は、1つ以上の低水溶性医薬化合物に加え、オレイルアルコール、セテアリルオクタノアート及び植物油を含有する。
【0008】
従って、本発明の一つの態様は、少なくとも1つの医薬有効成分、並びに
a)オレイルアルコール、
b)セテアリルオクタノアート、及び
c)植物油
を含有する医薬製剤(基礎製剤)である。
【0009】
一つの好ましい態様において、前記少なくとも1つの医薬有効成分の水に対する溶解度は、20℃で20mg/l以下である。なおもより好ましい態様において、前記少なくとも1つの医薬有効成分の水に対する溶解度は、20℃で2mg/l以下、あるいは20℃で1mg/l以下である。
【0010】
含有される化合物の例
・グルココルチコステロイド、ステロイド、カルシニューリン阻害剤、ビタミンDアナロク、レチノイド、免疫抑制剤、抗真菌剤、抗感染剤、エストロゲン、アンドロゲン、フマル酸エステル、
・限定されないが、ベタメタゾン、クロベタゾール、デキサメタゾン、プレドニカルバート、クロコルトロン、モメタゾン、メチルプレドニゾロンを含むグルココルチコイド、及びそれらのエステル及び塩、
・限定されないが、ビフォナゾール、クロトリマゾール、イトラコナゾール、フルコナゾール、テルビナフィンを含む抗真菌性薬物、
・限定されないが、カルシポトリオール、カルシトール、タカルシトールを含むビタミンD類似体、
・(R)-1,1,1-トリフルオロ-4-(5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-4-メチル-2-{[[2-メチル-5-キノリル)アミノ]メチル}ペンタン-2-オール(Ex1/998)、又はWO 2006/050998若しくはWO 03/082827に記載の他の化合物、以下のいずれかの化合物:
5-[4-(5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2- トリフルオロメチル-ペンチルアミノ]-2-メチルキノリン,
5-[4-(5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2- トリフルオロメチル-ペンチルアミノ]-1-メチルイソキノリン),
5-[4-(5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2- トリフルオロメチル-ペンチルアミノ]イソキノル-1(2H)-オン,
5-[4-(5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2- トリフルオロメチル-ペンチルアミノ]-2,6-ジメチルキノリン,
5-[4-(5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2- トリフルオロメチル-ペンチルアミノ]-6-クロロ-2-メチルキノリン,
5-[4-(5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2- トリフルオロメチル-ペンチルアミノ]イソキノリン,
5-[4-(5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2- トリフルオロメチル-ペンチルアミノ]キノリン,
5-[4-(2,3-ジヒドロ-5-フルオロ-7-ベンゾフラニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチル-ペンチルアミノ]キノリン-2[1H]-オン,
6-フルオロ-5-[4-(5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチル-ペンチルアミノ]-2-メチルキノリン,
8-フルオロ-5-[4-(5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチル-ペンチルアミノ]-2-メチルキノリン,
5-[4-(5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチル-ペンチルアミノ]-2-メチルイソキノル-1(2H)-オン、及びそれらの鏡像異性体:
2(R)-5-[4-(5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチル-ペンチルアミノ]-2-メチルキノリン),
2(R)-5-[4-(5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチル-ペンチルアミノ]-1-メチルイソキノリン,
2(R)-5-[4-(5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチル-ペンチルアミノ]イソキノル-1(2H)-オン,
2(R)-5-[4-(5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチル-ペンチルアミノ]-2,6-ジメチルキノリン,
2(R)-5-[4-(5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチル-ペンチルアミノ]-6-クロロ-2-メチルキノリン,
2(R)-5-[4-(5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチル-ペンチルアミノ]イソキノリン,
2(R)-5-[4-(5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチル-ペンチルアミノ]キノリン,
2(R)-5-[4-(2,3-ジヒドロ-5-フルオロ-7-ベンゾフラニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチル-ペンチルアミノ]キノリン-2[1H]-オン,
2(R)-6-フルオロ-5-[4-(5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチル-ペンチルアミノ]-2-メチルキノリン,
2(R)-8-フルオロ-5-[4-(5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチル-ペンチルアミノ]-2-メチルキノリン,
2(R)-5-[4-(5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチル-ペンチルアミノ]-2-メチルキノル-1(2H)-オン,
2(S)-5-[4-(5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチル-ペンチルアミノ]-2-メチルキノリン),
2(S)-5-[4-(5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチル-ペンチルアミノ]-1-メチルイソキノリン),
2(S)-5-[4-(5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチル-ペンチルアミノ]イソキノル-1(2H)-オン,
2(S)-5-[4-(5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチル-ペンチルアミノ]-2,6-ジメチルキノリン,
2(S)-5-[4-(5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチル-ペンチルアミノ]-6-クロロ-2-メチルキノリン,
2(S)-5-[4-(5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチル-ペンチルアミノ]イソキノリン,
2(S)-5-[4-(5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチル-ペンチルアミノ]キノリン,
2(S)-5-[4-(2,3-ジヒドロ-5-フルオロ-7-ベンゾフラニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチル-ペンチルアミノ]キノリン-2[1H]-オン,
2(S)-6-フルオロ-5-[4-(5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチル-ペンチルアミノ]-2-メチルキノリン,
2(S)-8-フルオロ-5-[4-(5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチル-ペンチルアミノ]-2-メチルキノリン,
2(S)-5-[4-(5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチル-ペンチルアミノ]-2-メチルイソキノル-1(2H)-オン
1-(キノリン-8-イルアミノ)-4-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンタン-2-オール
1-(キノリン-8-イルアミノ)-4-(5-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンタン-2-オール
1-(キノリン-5-イルアミノ)-4-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンタン-2-オール
1-(キノリン-5-イルアミノ)-4-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンタン-2-オール
1-(キノリン-4-イルアミノ)-4-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンタン-2-オール
I-(キノリン-4-イルアミノ)-4-(5-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンタン-2-オール
4-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)-1-(イソキノリン-1-イルアミノ)-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンタン-2-オール
4-(5-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)-1-(イソキノリン-1-イルアミノ)-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンタン-2-オール
1-(キノリン-5-イルアミノ)-4-メチル-4-フェニル-2-(トリフルオロメチル)ペンタン-2-オール
1-(キノリン-5-イルアミノ)-4-メチル-4-フェニル-2-(トリフルオロメチル)ペンタン-2-オール
4-メチル-1-(2-メチルキノリン-5-イルアミノ)-4-フェニル-2-(トリフルオロメチル)ペンタン-2-オール
N-(キノリン-5-イル)-4-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロ-メチル)ペンタン酸アミド
4-(1,3-ベンゾジオキソール-4-イル)-N-(キノリン-5-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロ-メチル)ペンタンアミド
N-(キノリン-5-イル)-4-(2-クロロフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル-)-ペンタンアミド
N-(キノリン-5-イル)-4-(2-クロロ-5-フルオロフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンタンアミド
N-(キノリン-5-イル)-3-[1-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-シクロプロピル]-2-ヒドロキシ-2-(トリフルオロメチル)プロパンアミド
4-(4-ブロモ-2-メトキシフェニル)-1-(キノリン-5-イルアミノ)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンタン-2-オール
4-(5-ブロモ-2-メトキシフェニル)-N-(キノリン-5-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンタンアミド
4-(4-ブロモ-2-メトキシフェニル)-N-(キノリン-5-イル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンタンアミド
N-(キノリン-5-イル)-)-2-ヒドロキシ-4-メチル-4-フェニル-2-(トリフルオロメチル)ペンタンアミド
4-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)-1-(2-メトキシキノリン-5-イルアミノ)-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンタン-2-オール
4-(5-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)-1-(2-メトキシキノリン-5-イルアミノ)-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンタン-2-オール
1-(2-Ethoxyキノリン-5-イルアミノ)-4-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンタン-2-オール
4-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)-1-(2-ヒドロキシキノリン-5-イルアミノ)-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンタン-2-オール
4-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)-1-(2-キノロン-5-イルアミノ)-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンタン-2-オール
1-(2-アセチルアミノキノリン-5-イルアミノ)-4-(5-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンタン-2-オール
4-(5-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)-4-メチル-1-(2-(メチルアミノ)キノリン-5-イルアミノ-)-2-(トリフルオロメチル)ペンタン-2-オール
4-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)-4-メチル-1-(2-メチルキノリン-5-イルアミノ)-2-(トリフルオロメチル)ペンタン-2-オール
4-(5-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)-4-メチル-1-(2-メチルキノリン-5-イルアミノ)-2-(トリフルオロメチル)-ペンタン-2-オール
5-[4-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチルアミノ]キノリン-2-カルボン酸アミド
5-[4-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチルアミノ]キノリン-2-カルボン酸アミド
5-[4-(5-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-トリフルオロメチルペンチルアミノ]キノリン-2-カルボン酸アミド
4-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチル-1-(2-(トリフルオロメチル)キノリン-5-イルアミノ)ペンタン-2-オール
4-(5-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)-4-メチル-2-トリフルオロメチル-1-(2-(トリフルオロメチル)-キノリン-5-イルアミノ)ペンタン-2-オール
1-(2-(アセトキシメチル)キノリン-5-イルアミノ)-4-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンタン-2-オール
4-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)-1-(2-(ヒドロキシメチル)キノリン-5-イルアミノ)-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンタン-2-オール
4-(5-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)-1-(2-(ヒドロキシメチル)キノリン-5-イルアミノ)-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンタン-2-オール
5-[4-(5-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチルアミノ]-キノリン-2-カルボン酸 メチルアミド
3-[1-(5-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)シクロプロプ-1-イル]-1-(2-(ヒドロキシメチル)キノリン-5-イルアミノ)-2-(トリフルオロメチル)プロパン-2-オール
5-[(4-(5-フルオロ-2-メトキシフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(トリフルオロメチル)ペンチルアミノ]キノリン-2-カルボン酸ジエチルアミド
・プレドニゾン若しくはフルドロコルチゾン等のコルチコステロイド、
・タルコリムス若しくはピメクロリムス等のカルシニューリン阻害剤
【0011】
本発明の更なる態様において、前記基礎製剤は、2〜50重量%、好ましくは5〜20重量%のオレイルアルコールを含有する。
【0012】
本発明のもう一つの態様において、前記基礎製剤は、2〜50重量%、好ましくは5〜20重量%のセテアリルオクタノアートを含有する。
【0013】
本発明のなおも更なる態様において、前記基礎製剤は、2〜50重量%、好ましくは5〜20重量%の植物油を含有する。
【0014】
前記植物油の例として、限定されないが、ダイズ油、オリーブ油、ゴマ油、又はラッカセイ油が挙げられる。植物油は、複数の異なる植物油の混合物であってもよいことを理解されたい。好ましくは、前記植物油はダイズ油である。
【0015】
水中油クリーム製剤
上記基礎製剤は、水中油クリームに製剤化され得る。そのようなクリーム製剤は、約60%という高い割合で水相(非溶媒相)を含有し得ることを特徴とし、そのクリーム内の前記2つの相系は、界面活性剤ではなくポリマー性の安定化剤を使用して安定化される。
【0016】
最後の点は協調すべき価値がある。なぜなら、界面活性剤は、典型的には皮膚に対して刺激を生じるのに対して、本明細書中に記載の製剤によれば、界面活性剤を高い割合で使用する必要は無いからである。
【0017】
要するに、本発明に従い、薬物製品の製造過程及び保管期間において、溶解状態にある有効薬物を維持する特別に調合された油性化合物の混合物を含有する新規水中油クリームビヒクルによる、低水溶性薬物の製剤化が可能である。
【0018】
驚くべきことに、そして予想に反して、本明細書中に記載の水中油クリーム製剤は、油脂性軟膏組成物の場合よりも、明らかな薬物放出速度の亢進及びインビボでの有効性を示す。かかる油脂性軟膏組成物は、通常、ビヒクルの閉塞性(occlusivity)故に薬物の皮膚透過性の亢進をもたらすのに使用される。テイラーメイドの油脂性軟膏は、高濃度の浸透促進剤を含有しており、これは通常、インビトロでの放出速度及びインビボでの有効性に対して他の追加的な作用を引き起こすものであるから、これらの結果は、特に驚くべきことである。
【0019】
前記水中油クリームは安定であり、有効な生体活性を備え、そして適用の際肌に刺激を生じないことが見出された。
【0020】
本発明の更なる一つの態様は、
少なくとも1つ以上の医薬有効成分、並びに
a)オレイルアルコール、
b)セテアリルオクタノアート、及び
c)植物油
d)プロピレングリコール、
e)グリセロール
を含有する、水中油クリーム製剤の形態の医薬製剤である。
【0021】
好ましい態様において、前記少なくとも1つの医薬有効成分の水に対する溶解度は、20℃で20mg/l以下である。
【0022】
本発明の更なる態様において、前記水中油クリーム製剤は、3〜15重量%、好ましくは5〜10重量%のオレイルアルコールを含有する。
【0023】
本発明のもう一つの態様において、前記水中油クリーム製剤は、2〜15重量%、好ましくは3〜10重量%のセテアリルオクタノアートを含有する。
【0024】
本発明のなおも更なる態様において、前記水中油クリーム製剤は、3〜15重量%、好ましくは4〜6重量%の植物油を含有する。
【0025】
本発明のなおも更なる態様において、前記水中油クリーム製剤は、4〜10重量%、好ましくは8重量%のグリセロール(85%)を含有する。
【0026】
本発明のなおも更なる態様において、前記水中油クリーム製剤は、4〜10重量%、好ましくは8重量%のプロピレングリコールを含有する。
【0027】
そのような植物油の例として、ダイズ油、オリーブ油、ゴマ油、ヒマシ油、又はラッカセイ油が挙げられる。植物油には、複数の異なる植物油の混合物であってもよいことを理解されたい。好ましくは、前記植物油は、ダイズ油である。
【0028】
本発明に係るクリーム製剤は、更に、中鎖トリグリセリド、ミネラルオイル、シクトメチコン、ステアリルアルコール、ブチル化ヒドロキシトルエン、マクロゴールグリセロールヒドロキシステアラート(macrogolglycerolhydroxystearate)、ポビドン、アクリル酸コポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、アクリル酸、トロメタモル、又はそれらの混合物を含有してもよい。
【0029】
上述した水中油クリーム製剤の追加的な特異な側面は:
・古典的な乳化剤の使用を要さずに製剤化し、及び主にポリマーを用いて安定化されること、並びに
・水相の組成物(プロピレングリコール及びグリセロール)が保存料を必要としないことである。
【0030】
オレオゲル製剤
本明細書中の冒頭に記載した基礎製剤は、オレオゲル製剤にも変化し得る。そのようなオレオゲル製剤は、本明細書中に記載した、前記脂質の混合物のゲル状粘性製剤であることを特徴とする。
【0031】
よって、本発明の更なる態様は、少なくとも1つ以上の医薬有効成分、並びに
a)オレイルアルコール、
b)セテアリルオクタノアート、及び
c)植物油
d)二酸化ケイ素又はステアリン酸アルミニウム
を含有するオレオゲル製剤の形態の医薬製剤である。
【0032】
好ましい態様において、前記少なくとも1つの医薬有効成分の水に対する溶解度は、20℃で20mg/l以下である。
【0033】
本発明の更なる態様において、前記オレオゲル製剤は、10〜40重量%、好ましくは15〜30重量%のオレイルアルコールを含有する。
【0034】
本発明のもう一つの態様において、前記オレオゲル製剤は、5〜40重量%、好ましくは10〜30重量%のセテアリルオクタノアートを含有する。
【0035】
本発明のなおも更なる態様において、前記オレオゲル製剤は、10〜30重量%、好ましくは15〜20重量%の植物油を含有する。
【0036】
本発明のなおももう一つの態様において、前記オレオゲル製剤は、3〜10重量%、好ましくは4〜5重量%の二酸化ケイ素、又は2〜8重量%、好ましくは3〜6重量%のステアリン酸アルミニウムを含有する。
【0037】
植物油の例として、ダイズ油、オリーブ油、ゴマ油、ヒマシ油、又はラッカセイ油が含まれる。植物油は、複数の異なる植物油の混合物であってもよいことを理解されたい。好ましくは、植物油はダイズ油である。
【0038】
本発明のオレオゲル製剤は、更に、中鎖トリグリセリド、ミネラルオイル、シクロメチコン、又はそれらの混合物を含有してもよい。
【0039】
スプレー製剤
本明細書中の冒頭に記載した基礎製剤は、スプレー製剤にも変化し得る。そのようなスプレー製剤は、前記医薬有効成分を溶解状態で含有し、容器内に保存され、その容器から患者の皮膚にスプレーされることを特徴とする。
【0040】
よって、本発明の更なる態様は、少なくとも1つ以上の医薬有効成分、並びに
a)オレイルアルコール、
b)セテアリルオクタノアート、
c)植物油、及び
d)ミネラルオイル
を含有するスプレー製剤の形態の医薬製剤である。
【0041】
好ましい態様において、前記少なくとも1つの医薬有効成分の水に対する溶解度は、20℃で20mg/l以下である。
【0042】
本発明の更なる態様において、前記スプレー製剤は、10〜50重量%、好ましくは10〜40重量%のオレイルアルコールを含有する。
【0043】
本発明のもう一つの態様において、前記スプレー製剤は、10〜50重量%、好ましくは20〜40重量%のセテアリルオクタノアートを含有する。
【0044】
本発明のなおも更なる態様において、前記スプレー製剤は、10〜50重量%、好ましくは16〜30重量%の植物油を含有する。
【0045】
本発明のなおももう一つの態様において、前記スプレー製剤は、2〜15重量%、好ましくは4〜15重量%のミネラルオイルを含有する。
【0046】
植物油の例として、ダイズ油、オリーブ油、ゴマ油、ヒマシ油、又はラッカセイ油が含まれる。植物油は、複数の異なる植物油の混合物であってもよいことを理解されたい。好ましくは、植物油はダイズ油である。
【0047】
本発明のスプレー製剤は、更に、中鎖トリグリセリド、シクロメチコン、又はそれらの混合物を含有してもよい。
【0048】
フォーム製剤
本明細書中の冒頭に記載した基礎製剤は、フォーム製剤にも変化し得る。そのようなフォーム製剤は、前記医薬有効成分を溶解状態で含有し、与圧缶内に保存され、その缶から放出されると同時に、噴射剤(propellant)の蒸発により、フォームが形成されることを特徴とする。
【0049】
よって、本発明の更なる態様は、少なくとも1つ以上の医薬有効成分、並びに
a)オレイルアルコール、
b)セテアリルオクタノアート、及び
c)植物油、
d)プロピレングリコール、
d)グリセロール、
f)噴射剤
を含有するフォーム製剤の形態の医薬製剤である。
【0050】
好ましい態様において、前記少なくとも1つの医薬有効成分の水に対する溶解度は、20℃で20mg/l以下である。
【0051】
本発明の更なる態様において、前記フォーム製剤の脂質相は、2〜15重量%、好ましくは3〜10重量%のオレイルアルコールを含有する。
【0052】
本発明のもう一つの態様において、前記フォーム製剤の脂質相は、2〜10重量%、好ましくは3〜5重量%のセテアリルオクタノアートを含有する。
【0053】
本発明のなおも更なる態様において、前記フォーム製剤の脂質相は、2〜10重量%、好ましくは3〜5重量%の植物油を含有する。
【0054】
本発明のなおももう一つの態様において、前記フォーム製剤は、2〜10重量%、好ましくは4〜8重量%のグリセロール(85%)を含有する。
【0055】
本発明のなおも更なる態様において、前記フォーム製剤は、2〜10重量%、好ましくは4〜10重量%のプロピレングリコールを含有する。
【0056】
本発明のもう一つの態様において、前記フォーム製剤は、2〜10重量%、好ましくは6〜8重量%の噴射剤を含有する。
【0057】
噴射剤は、室温大気圧下で気化するが、室温与圧下で液体であり得る化合物である。噴射剤の例として、プロパン、ブタン、イソブタン、若しくはそれらの混合物等の炭化水素;ヘプタフルオロプロパン若しくはテトラフルオロエタン等のハイドロフルオロアルカン、ジメチルエーテル、又はそれらの混合物が含まれる。
【0058】
植物油の例として、ダイズ油、オリーブ油、ゴマ油、ヒマシ油、又はラッカセイ油が含まれる。植物油は、複数の異なる植物油の混合物であってもよいことを理解されたい。好ましくは、植物油はダイズ油である。
【0059】
フォーム製剤は、更に、マクロゴールグリセロールヒドロキシステアラート、マクロゴール-400-ステアラート、メチルセルロース、キサンタンガム又はそれらの混合物を含有してもよい。
【0060】
定義
1.代替的親水性ポリマー(Alternative hydrophilic polymer)
アクリル酸コポリマー、アクリル酸、例えばヒドロキシエチルメチルセルロースヒドロキシエチルセルロース、及びメチルセルロース等のセルロースエステル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、キサンタンガム、アルギナート(alginate)、キトサン。
【0061】
2.油性スプレー
本発明における定義では、有効成分を溶解状態で含有し、少なくとも1つの植物油、オレイルアルコール、及びセテアリルオクタノアートを含有するコア製剤からなる、液状の、スプレー可能な製剤として理解されるべきである。
【0062】
3.オレオゲル
本発明における定義では、有効成分を溶解状態で含有し、少なくとも1つの植物油、オレイルアルコール、及びセテアリルオクタノアートを含有するコア製剤からなり、二酸化ケイ素及び/又はステアリン酸アルミニウム等の増粘剤の添加によりゲル状態となる、ゲル状粘性製剤として理解されるべきである。
【0063】
4.フォーム
本発明における定義では、有効成分を溶解状態で含有し、少なくとも1つの植物油、オレイルアルコール、及びセテアリルオクタノアートを含有するコア製剤からなり、そして実施例に記載の如く水相を含む製剤として理解されるべきである。フォームは、与圧缶から放出され、液化噴射剤(プロパン、ブタン、イソブタン、若しくはそれらの混合物等の炭化水素;ヘプタフルオロプロパン若しくはテトラフルオロエタン等のハイドロフルオロアルカン;ジメチルエーテル、又はそれらの混合物であり得る)の蒸発により形成される。
【0064】
製剤の製造:
本発明の製剤は、当該技術分野で周知の方法に従い製造され得る。そのような製造技術は、文献中にも詳細に記載されており、例えば、Francoise Nielloud & Gilberte Marti-Mestres, Marcel Dekker, New Yorkによる'Pharmaceutical Emulsions and Suspensions'、及びStig Friberg, Kare Larsson & Stig E. Friberg, Marcel Dekker, New Yorkによる'Food Emulsions' - Food Science and Technologyが挙げられる。
【0065】
製造の基本的な工程を、以下に簡潔に記載する。
【0066】
水中油クリーム:
1.脂肪成分を溶解する;活性成分を溶解する
2.水相を調製する
3.水相と脂肪相を組み合わせる
4.充填する
【0067】
フォーム:
1.脂肪成分を溶解する;活性成分を溶解する
2.水相を調製する
3.水相と脂肪相を組み合わせる
4.ホモジナイズする
5.アルミニウム缶中に充填する
6.弁を圧着する
7.噴射剤を充填する
【0068】
スプレー:
1.脂肪成分を溶解する;活性成分を溶解する
2.充填する
【0069】
オレオゲル:
1.脂肪成分を溶解する;活性成分を溶解する
2.ゲル化剤を添加する
3.充填する
【0070】
発明の目的
よって、以下の事項が、本発明の目的である:
【0071】
1.少なくとも1つ以上の医薬有効成分、並びに
a)オレイルアルコール、
b)セテアリルオクタノアート、及び
c)植物油
を含有する医薬製剤。
【0072】
2.前記製剤が、2〜50重量%、好ましくは5〜20重量%のオレイルアルコールを含有することを特徴とする、項目1に記載の医薬製剤。
【0073】
3.前記製剤が、2〜50重量%、好ましくは3〜20重量%のセテアリルオクタノアートを含有することを特徴とする、項目1又は2に記載の医薬製剤。
【0074】
4.前記製剤が、2〜50重量%、好ましくは5〜20重量%の植物油を含有することを特徴とする、項目1〜3のいずれか1項に記載の医薬製剤。
【0075】
5.前記植物油が、ダイズ油、オリーブ油、ゴマ油、ヒマシ油、又はラッカセイ油であることを特徴とする、項目1〜4のいずれか1項に記載の医薬製剤。
【0076】
6.更に、
d)プロピレングリコール、
e)グリセロール
を含有する、項目1に記載の医薬製剤。
【0077】
7.前記製剤が、3〜15重量%、好ましくは5〜10重量%のオレイルアルコールを含有することを特徴とする、項目6に記載の医薬製剤。
【0078】
8.前記製剤が、2〜15重量%、好ましくは3〜10重量%のセテアリルオクタノアートを含有することを特徴とする、項目6に記載の医薬製剤。
【0079】
9.前記製剤が、3〜15重量%、好ましくは4〜6重量%の植物油を含有することを特徴とする、項目6に記載の医薬製剤。
【0080】
10.前記製剤が、4〜10重量%、好ましくは8重量%のグリセロール(85%)を含有することを特徴とする、項目6に記載の医薬製剤。
【0081】
11.前記製剤が、4〜10重量%、好ましくは8重量%のプロピレングリコールを含有することを特徴とする、項目6に記載の医薬製剤。
【0082】
12.前記製剤が、更に中鎖トリグリセリド、ミネラルオイル、シクトメチコン、ステアリルアルコール、ブチル化ヒドロキシトルエン、マクロゴールグリセロールヒドロキシステアラート(macrogolglycerolhydroxystearate)、ポビドン、アクリル酸コポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、アクリル酸、トロメタモルを含有することを特徴とする、項目6〜11のいずれか1項に記載の医薬製剤。
【0083】
更に、
d)二酸化ケイ素
を含有する、項目1に記載の医薬製剤。
【0084】
更に、
d)ステアリン酸アルミニウム
を含有する、項目1に記載の医薬製剤。
【0085】
前記製剤が、10〜40重量%、好ましくは15〜30重量%のオレイルアルコールを含有することを特徴とする、項目13又は14に記載の医薬製剤。
【0086】
前記製剤が、5〜40重量%、好ましくは10〜30重量%のセテアリルオクタノアートを含有することを特徴とする、項目13又は14に記載の医薬製剤。
【0087】
前記製剤が、10〜30重量%、好ましくは15〜20重量%の植物油を含有することを特徴とする、項目13又は14に記載の医薬製剤。
【0088】
前記製剤が、3〜10重量%、好ましくは4〜5重量%の二酸化ケイ素を含有することを特徴とする、項目14に記載の医薬製剤。
【0089】
前記製剤が、2〜8重量%、好ましくは3〜6重量%のステアリン酸アルミニウムを含有することを特徴とする、項目14に記載の医薬製剤。
【0090】
前記製剤が、更に、中鎖トリグリセリド、ミネラルオイル、シクロメチコン、又はこれらの混合物を含有することを特徴とする、項目13〜19のいずれか1項に記載の医薬製剤。
【0091】
更に、
d)ミネラルオイル
を含有する、項目1に記載の医薬製剤。
【0092】
前記製剤が、10〜50重量%、好ましくは10〜40重量%のオレイルアルコールを含有することを特徴とする、項目21に記載の医薬製剤。
【0093】
前記製剤が、10〜50重量%、好ましくは20〜40重量%のセテアリルオクタノアートを含有することを特徴とする、項目21に記載の医薬製剤。
【0094】
前記製剤が、10〜50重量%、好ましくは16〜30重量%の植物油を含有することを特徴とする、項目21に記載の医薬製剤。
【0095】
前記製剤が、2〜15重量%、好ましくは4〜15重量%のミネラルオイルを含有することを特徴とする、項目21に記載の医薬製剤。
【0096】
更に、中鎖トリグリセリド、シクロメチコン、又はそれらの混合物を含有することを特徴とする、項目21〜25のいずれか1項に記載の医薬製剤。
【0097】
更に、
d)プロピレングリコール、
e)グリセロール、
f)噴射剤
を含有する、項目1に記載の医薬製剤。
【0098】
前記製剤が、2〜15重量%、好ましくは3〜10重量%のオレイルアルコールを含有することを特徴とする、項目27に記載の医薬製剤。
【0099】
前記製剤が、2〜10重量%、好ましくは3〜5重量%のセテアリルオクタノアートを含有することを特徴とする、項目27に記載の医薬製剤。
【0100】
前記製剤が、2〜10重量%、好ましくは3〜5重量%の植物油を含有することを特徴とする、項目27に記載の医薬製剤。
【0101】
前記製剤が、2〜10重量%、好ましくは4〜8重量%のグリセロール(85%)を含有することを特徴とする、項目27に記載の医薬製剤。
【0102】
前記製剤が、2〜10重量%、好ましくは4〜10重量%のプロピレングリコールを含有することを特徴とする、項目27に記載の医薬製剤。
【0103】
前記製剤が、2〜10重量%、好ましくは6〜8重量%の噴射剤を含有することを特徴とする、項目27〜32のいずれか1項に記載の医薬製剤。
【0104】
前記噴射剤が、プロパン、ブタン、イソブタン、若しくはそれらの混合物等の炭化水素;ヘプタフルオロプロパン若しくはテトラフルオロエタン等のハイドロフルオロアルカン、ジメチルエーテル、又はそれらの混合物であることを特徴とする、項目33に記載の医薬製剤。
【0105】
前記製剤が、更に、マクロゴールグリセロールヒドロキシステアラート、マクロゴール-400-ステアラート、メチルセルロース、キサンタンガム、これらの一部、又はこれらの混合物を含有することを特徴とする、項目27〜34のいずれか1項に記載の医薬製剤。
【0106】
前記少なくとも1つの医薬有効成分の水に対する溶解度が、20℃で20mg/l以下であることを特徴とする、項目1〜35のいずれか1項に記載の医薬製剤。
【0107】
前記少なくとも1つの医薬有効成分の水に対する溶解度が、20℃で2mg/l以下であることを特徴とする、項目36に記載の医薬製剤。
【0108】
前記医薬有効成分に、グルココルチコステロイド、ステロイド、カルシニューリン阻害剤、ビタミンDアナロク、レチノイド、免疫抑制剤、抗真菌剤、抗感染剤、エストロゲン、アンドロゲン、フマル酸エステル、
又は
限定されないが、ベタメタゾン、クロベタゾール、デキサメタゾン、プレドニカルバート、クロコルトロン、モメタゾン、メチルプレドニゾロンを含むグルココルチコイド、及びそれらのエステル及び塩、
又は
限定されないが、ビフォナゾール、クロトリマゾール、イトラコナゾール、フルコナゾール、テルビナフィンを含む抗真菌性薬物、
又は
限定されないが、カルシポトリオール、カルシトール、タカルシトールを含むビタミンD類似体、
又は(R)-1,1,1-トリフルオロ-4-(5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-4-メチル-2-{[[2-メチル-5-キノリル)アミノ]メチル}ペンタン-2-オール、又はWO 2006/050998若しくはWO 03/082827に記載の他の化合物、
又は
プレドニゾン若しくはフルドロコルチゾン等のコルチコステロイド、
又は
タルコリムス若しくはピメクロリムス等のカルシニューリン阻害剤が含まれることを特徴とする、項目1〜37のいずれか1項に記載の医薬製剤。
【図面の簡単な説明】
【0109】
(原文記載なし)
【実施例】
【0110】
以下の実施例において、本発明を更に説明するが、これらはいかなる意味においても限定を意図するものではない。
【0111】
【表1】

【0112】
【表2】

【0113】
【表3】

【0114】
【表4】

【0115】
実施例:インビトロ放出
図1aに示されるように、低溶解度化合物として(R)-1,1,1-トリフルオロ-4-(5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-4-メチル-2-{[[2-メチル-5-キノリル)アミノ]メチル}ペンタン-2-オール(Ex1/998)を使用して、驚くべきことに、非閉塞的水中油クリームが、非常に閉塞的な油脂性軟膏製剤を上回るインビトロ放出を呈することが証明された。
【0116】
実施例:インビボでの有効性
インビトロ放出のデータを支持するために行われた。図中の数値は、未処理群に対する穂重量(ear weight)の減少のパーセントを表す。
【0117】
(R)-1,1,1-トリフルオロ-4-(5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-4-メチル-2-{[[2-メチル-5-キノリル)アミノ]メチル}ペンタン-2-オール(Ex1/998)と他の抗炎症化合物との比較を、図1bに示す。
【図1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つ以上の医薬有効成分、並びに
a)オレイルアルコール、
b)セテアリルオクタノアート、及び
c)植物油
を含有する医薬製剤。
【請求項2】
前記製剤が、2〜50重量%、好ましくは5〜20重量%のオレイルアルコールを含有することを特徴とする、請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項3】
前記製剤が、2〜50重量%、好ましくは3〜20重量%のセテアリルオクタノアートを含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の医薬製剤。
【請求項4】
前記製剤が、2〜50重量%、好ましくは5〜20重量%の植物油を含有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の医薬製剤。
【請求項5】
前記植物油が、ダイズ油、オリーブ油、ゴマ油、ヒマシ油、又はラッカセイ油であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の医薬製剤。
【請求項6】
更に、
d)プロピレングリコール、
e)グリセロール
を含有する、請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項7】
前記製剤が、3〜15重量%、好ましくは5〜10重量%のオレイルアルコールを含有することを特徴とする、請求項6に記載の医薬製剤。
【請求項8】
前記製剤が、2〜15重量%、好ましくは3〜10重量%のセテアリルオクタノアートを含有することを特徴とする、請求項6に記載の医薬製剤。
【請求項9】
前記製剤が、3〜15重量%、好ましくは4〜6重量%の植物油を含有することを特徴とする、請求項6に記載の医薬製剤。
【請求項10】
前記製剤が、4〜10重量%、好ましくは8重量%のグリセロール(85%)を含有することを特徴とする、請求項6に記載の医薬製剤。
【請求項11】
前記製剤が、4〜10重量%、好ましくは8重量%のプロピレングリコールを含有することを特徴とする、請求項6に記載の医薬製剤。
【請求項12】
前記製剤が、更に中鎖トリグリセリド、ミネラルオイル、シクトメチコン、ステアリルアルコール、ブチル化ヒドロキシトルエン、マクロゴールグリセロールヒドロキシステアラート(macrogolglycerolhydroxystearate)、ポビドン、アクリル酸コポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、アクリル酸、トロメタモルを含有することを特徴とする、請求項6〜11のいずれか1項に記載の医薬製剤。
【請求項13】
更に、
d)二酸化ケイ素
を含有する、請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項14】
更に、
d)ステアリン酸アルミニウム
を含有する、請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項15】
前記製剤が、10〜40重量%、好ましくは15〜30重量%のオレイルアルコールを含有することを特徴とする、請求項13又は14に記載の医薬製剤。
【請求項16】
前記製剤が、5〜40重量%、好ましくは10〜30重量%のセテアリルオクタノアートを含有することを特徴とする、請求項13又は14に記載の医薬製剤。
【請求項17】
前記製剤が、10〜30重量%、好ましくは15〜20重量%の植物油を含有することを特徴とする、請求項13又は14に記載の医薬製剤。
【請求項18】
前記製剤が、3〜10重量%、好ましくは4〜5重量%の二酸化ケイ素を含有することを特徴とする、請求項14に記載の医薬製剤。
【請求項19】
前記製剤が、2〜8重量%、好ましくは3〜6重量%のステアリン酸アルミニウムを含有することを特徴とする、請求項14に記載の医薬製剤。
【請求項20】
前記製剤が、更に、中鎖トリグリセリド、ミネラルオイル、シクロメチコン、又はこれらの混合物を含有することを特徴とする、請求項13〜19のいずれか1項に記載の医薬製剤。
【請求項21】
更に、
d)ミネラルオイル
を含有する、請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項22】
前記製剤が、10〜50重量%、好ましくは10〜40重量%のオレイルアルコールを含有することを特徴とする、請求項21に記載の医薬製剤。
【請求項23】
前記製剤が、10〜50重量%、好ましくは20〜40重量%のセテアリルオクタノアートを含有することを特徴とする、請求項21に記載の医薬製剤。
【請求項24】
前記製剤が、10〜50重量%、好ましくは16〜30重量%の植物油を含有することを特徴とする、請求項21に記載の医薬製剤。
【請求項25】
前記製剤が、2〜15重量%、好ましくは4〜15重量%のミネラルオイルを含有することを特徴とする、請求項21に記載の医薬製剤。
【請求項26】
更に、中鎖トリグリセリド、シクロメチコン、又はそれらの混合物を含有することを特徴とする、請求項21〜25のいずれか1項に記載の医薬製剤。
【請求項27】
更に、
d)プロピレングリコール、
e)グリセロール、
f)噴射剤(propellant)
を含有する、請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項28】
前記製剤が、2〜15重量%、好ましくは3〜10重量%のオレイルアルコールを含有することを特徴とする、請求項27に記載の医薬製剤。
【請求項29】
前記製剤が、2〜10重量%、好ましくは3〜5重量%のセテアリルオクタノアートを含有することを特徴とする、請求項27に記載の医薬製剤。
【請求項30】
前記製剤が、2〜10重量%、好ましくは3〜5重量%の植物油を含有することを特徴とする、請求項27に記載の医薬製剤。
【請求項31】
前記製剤が、2〜10重量%、好ましくは4〜8重量%のグリセロール(85%)を含有することを特徴とする、請求項27に記載の医薬製剤。
【請求項32】
前記製剤が、2〜10重量%、好ましくは4〜10重量%のプロピレングリコールを含有することを特徴とする、請求項27に記載の医薬製剤。
【請求項33】
前記製剤が、2〜10重量%、好ましくは6〜8重量%の噴射剤を含有することを特徴とする、請求項27〜32のいずれか1項に記載の医薬製剤。
【請求項34】
前記噴射剤が、プロパン、ブタン、イソブタン、若しくはそれらの混合物等の炭化水素;ヘプタフルオロプロパン若しくはテトラフルオロエタン等のハイドロフルオロアルカン、ジメチルエーテル、又はそれらの混合物であることを特徴とする、請求項33に記載の医薬製剤。
【請求項35】
前記製剤が、更に、マクロゴールグリセロールヒドロキシステアラート、マクロゴール-400-ステアラート、メチルセルロース、キサンタンガム、これらの一部、又はこれらの混合物を含有することを特徴とする、請求項27〜34のいずれか1項に記載の医薬製剤。
【請求項36】
前記少なくとも1つの医薬有効成分の水に対する溶解度が、20℃で20mg/l以下であることを特徴とする、請求項1〜35のいずれか1項に記載の医薬製剤。
【請求項37】
前記少なくとも1つの医薬有効成分の水に対する溶解度が、20℃で2mg/l以下であることを特徴とする、請求項36に記載の医薬製剤。
【請求項38】
前記医薬有効成分に、グルココルチコステロイド、ステロイド、カルシニューリン阻害剤、ビタミンDアナロク(analoque)、レチノイド、免疫抑制剤(immunosuppressant)、抗真菌剤(antimycotic)、抗感染剤、エストロゲン、アンドロゲン、フマル酸エステル、
又は
限定されないが、ベタメタゾン、クロベタゾール、デキサメタゾン、プレドニカルバート、クロコルトロン、モメタゾン、メチルプレドニゾロンを含むグルココルチコイド、及びそれらのエステル及び塩、
又は
限定されないが、ビフォナゾール、クロトリマゾール、イトラコナゾール、フルコナゾール、テルビナフィンを含む抗真菌性薬物、
又は
限定されないが、カルシポトリオール、カルシトール、タカルシトールを含むビタミンD類似体、
又は(R)-1,1,1-トリフルオロ-4-(5-フルオロ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-7-イル)-4-メチル-2-{[[2-メチル-5-キノリル)アミノ]メチル}ペンタン-2-オール、又はWO 2006/050998若しくはWO 03/082827に記載の他の化合物、
又は
プレドニゾン若しくはフルドロコルチゾン等のコルチコステロイド、
又は
タルコリムス若しくはピメクロリムス等のカルシニューリン阻害剤が含まれることを特徴とする、請求項1〜37のいずれか1項に記載の医薬製剤。

【公表番号】特表2010−532778(P2010−532778A)
【公表日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−515429(P2010−515429)
【出願日】平成20年7月9日(2008.7.9)
【国際出願番号】PCT/EP2008/006067
【国際公開番号】WO2009/007137
【国際公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(506302181)インテンディス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (5)
【Fターム(参考)】