説明

低用量静脈内アセトアミノフェン

疼痛(たとえば、術後疼痛)および/または熱の治療または予防のために、約1000mgより少ない単一用量レベルでのアセトアミノフェンの静脈内投与用組成物および方法を本明細書では記載する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
低用量の静脈内投与用アセトアミノフェンを含有する医薬組成物、ならびに、被験体において疼痛および/または熱を治療および/または予防するためにこれらの組成物と使用に関する。
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、2007年11月13日に出願された米国特許仮出願第60/987,761号(標題“Reduced Dose Intravenous Acetaminophen”)に関するもので、優先権を主張する。
【背景技術】
【0003】
病院で、特に術後の状況においては、痛みが患者の一番の関心事である。オピオイド鎮痛剤は、1784年から術後疼痛を治療するために用いられ、非経口モルヒネが1850年代以降、主要な治療法である。オピオイドは、多くの疼痛状態の治療に非常に有効であるが、これらは、吐き気、嘔吐、便秘、尿閉、鎮静、および呼吸抑制などの副作用および用量に依存した危険性を有する。同様に、旧来の非選択的(二重阻害剤)製品および最新のシクロオキシゲナーゼ(COX)−2製品を包含する非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)は、特に手術前後の状況で用いられる場合、様々な望ましくない副作用を有する。非選択的NSAIDは、血小板機能異常症および手術部位での出血の可能性、上部胃腸管潰瘍および出血、浮腫、高血圧、鬱血性心不全、腎機能障害,スチーブン・ジョンソン症候群および中毒性表皮剥離症などの重度の皮膚反応、アナフィラキシー、ならびにごく最近では、血栓症心血管系イベントの危険性増大に関連する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許仮出願第60/987,761号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
低用量の静脈内投与用アセトアミノフェンを有する医薬組成物、ならびに、被験体において疼痛および/または熱を治療および/または予防するためにこれらの組成物を使用する方法を本明細書において記載する。
【0006】
いくつかの実施形態において、本明細書において記載する医薬組成物は、約1グラム未満のアセトアミノフェンを含み、この場合、医薬組成物は、静脈内投与に適した処方として提供される。たとえば、様々な実施形態は、約500mg〜約1グラム、または約500mg〜約800mg、または約500mg〜約750mgを含み得る。様々な実施形態において、本明細書において記載する医薬組成物は、約600mg〜約700mgのアセトアミノフェンを含む。
【0007】
いくつかの実施形態において、本明細書において記載する医薬組成物は、少なくとも1つの酸化防止剤をさらに含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの酸化防止剤は、塩酸システイン一水和物、チオグリコール酸、チオール酢酸、ジチオトレイトール、還元グルタチオン、チオ尿素、アルファ−チオグリセロール、システイン、アセチルシステイン、またはメルカプトエタンスルホン酸、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、少なくとも1つのチオールを有する有機化合物、アルキルポリヒドロキシル化化合物、またはシクロアルキルポリヒドロキシル化化合物を含む。
【0008】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、緩衝剤(たとえば、無水リン酸二ナトリウム)をさらに含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、溶液中の場合、約4〜約8のpHを有する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、溶液中の場合、約5〜約6のpHを有する。
【0009】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、溶液中の場合、約250mOsm/L〜約400mOsm/Lのオスモル濃度を有する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は等張剤をさらに含む。いくつかの実施形態において、等張剤は、デキストロース、マンニトール、またはラクトースである。
【0010】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、アセトアミノフェン以外の少なくとも1つの鎮痛剤をさらに含む。いくつかの実施形態において、アセトアミノフェン以外の少なくとも1つの鎮痛剤は、アニリド、オピオイド、NSAID、カンナビノイド、ピララゾン(pyralazone)、またはバルビツール酸塩を含む。
【0011】
いくつかの実施形態において、医薬組成物はEDTAをさらに含む。
【0012】
さらなる態様で、それを必要とする被験体において疼痛もしくは熱を予防または軽減する方法であって、被験体に、本明細書で記載する医薬組成物を静脈内投与経路によって投与することを含む方法を本明細書において提供する。いくつかの実施形態において、投与を少なくとも1回、約3〜約5時間間隔で繰り返す。いくつかの実施形態において、投与を少なくとも6回、24時間の期間で繰り返す。様々な実施形態において、投与を、3〜8回(たとえば、3回、4回、5回、6回、7回、または8回)、24時間の期間で繰り返し、約3〜約5グラムのアセトアミノフェン(たとえば、約3グラム、約4グラムまたは約5グラム)を24時間にわたって送達する。他の実施形態において、投与を24時間の期間で3〜8回繰り返し、約4グラム未満のアセトアミノフェンを24時間にわたって送達する。
【0013】
いくつかの実施形態において、IV投与用医薬処方は:約600mg〜約700mgのアセトアミノフェン、塩酸システイン一水和物、無水リン酸二ナトリウム、およびマンニトールを含む溶液であり、この溶液は、約5〜約6のpHおよび約200〜400mOsm/Lのオスモル濃度を有する。いくつかの実施形態において、溶液中の医薬組成物は、約0.5%(w/v)〜約10%(w/v)のアセトアミノフェン濃度を有する。いくつかの実施形態において、アセトアミノフェン濃度は約1%(w/v)である。いくつかの実施形態において、投与される医薬組成物はEDTAをさらに含む。
【0014】
いくつかの実施形態において、治療される被験体は、感染症に罹っている。いくつかの実施形態において、治療される被験体は熱に苦しんでいる。いくつかの実施形態において、治療される被験体は、無意識、鎮静状態、空腹であるか、吐き気を催しているか、または経口経路によって医薬組成物を投与できない。
【0015】
いくつかの実施形態において、医薬組成物を外科的介入後に被験体に投与する。いくつかの実施形態において、医薬組成物を被験体への外科的介入の3時間以内に投与する。いくつかの実施形態において、医薬組成物を被験体への外科的介入の1時間以内に投与する。いくつかの実施形態において、医薬組成物を術後に投与する。いくつかの実施形態において、治療される被験体は術後疼痛に苦しんでいる。
【0016】
様々な実施形態において、本明細書において記載する医薬組成物は、予備治療として投与される。
【0017】
本明細書において記載する他の態様は、それを必要とする被験体において疼痛または熱を予防または軽減する方法であって、被験体に、本明細書において記載する医薬組成物を静脈内投与経路によって投与することを含む方法である。
【課題を解決するための手段】
【0018】
今日まで、疼痛または熱を緩和するためのアセトアミノフェンの標準的静脈内(IV)用量は、少なくとも50kgの体重の成人および青年において1000mgであった。この用量レベルで、アセトアミノフェン投与の頻度は、肝毒性の可能性を最小限にするために、最大6時間ごとに1回(すなわち、24時間につき4回投与)に限定される。一方、アセトアミノフェンは、血漿濃度の立ち上がりの間、すなわち、投与後最初の数時間で、最大の効力を有し、薬物の血漿濃度がそのピークから降下した後はあまり有効ではないことが一般的に知られている。理論によって拘束されることを望まないが、効力におけるこのような変化は、アセトアミノフェンが作用する、中央および末梢侵害受容経路の時間依存的および濃度依存的調節による可能性が高いと考えられる。
【0019】
さらに、1000mgの用量のアセトアミノフェンの効果持続期間が6時間よりも短いならば、6時間ごとよりも高い頻度、たとえば4時間ごとの投与では、アセトアミノフェンの最大1日制限が4gであることにより適用範囲に差が生じるので、この用量の使用は制限される。熱の治療において、血漿レベル熱を有効にさげるために、(疼痛に必要なレベルと比較して)必要とされる血漿レベルが低いという事実のために、1000mg未満の用量で十分有効であり得る。
【0020】
したがって、本明細書において記載するように、低用量のアセトアミノフェンの静脈内投与は、さらに頻度の高いIVアセトアミノフェン投与を可能にして、1日の制限によって人工的に生じる潜在的な差を回避しつつ、多くの患者に関して症状のより良好な全体的軽減をもたらす。
【0021】
また、アセトアミノフェン低IV用量は、患者の要求に対して治療をカスタマイズし、併用療法で使用される他の薬物の用量を選択し、アセトアミノフェンを含有する経口製品のよりスムーズな移行を可能にする際に、医師に対してより大きな柔軟性をもたらす。
【0022】
したがって、静脈内投与用のアセトアミノフェンの低IV用量処方ならびに疼痛および/または熱の治療または予防のための低IV用量のアセトアミノフェンの使用を本明細書において記載する。
【0023】
用語
特に別の定めがない限り、本明細書において用いられる全ての技術用語および科学用語は、請求される対象物が属する技術分野の当業者によって通常理解されるのと同じ意味を有する。本明細書における用語について複数の定義が存在する場合は、この節における定義を優先する。URLまたは他のこのような識別子もしくはアドレスについて参照する場合、このような識別子は変わる可能性があり、インターネット上の特定の情報は変わり得るが、同等の情報は、インターネットもしくは他の適切な参照元を検索することによって見いだすことができると理解される。その引用が、このような情報の有効性および一般的普及の証拠となる。
【0024】
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明は具体例であって、例示だけのものであり、請求される対象を限定するものではないと理解されるべきである。本出願において、単数形の使用は、特に明記しない限り複数を包含する。本明細書で使用されるように、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈上明らかに他の指定がない限り、複数を包含することに留意しなければならない。「or」の使用は、特に記載しない限り、「および/または」を意味することにも留意すべきである。さらに、「including(包含する)」という用語ならびに他の形態、たとえば「include」、「includes」および「included」は限定的ではない。
【0025】
標準的化学用語の定義は、Carey and Sundberg “ADVANCED ORGANIC CHEMISTRY 4TM ED.” Vols. A(2000)and B(2001), Plenum Press, New Yorkをはじめとする参考資料において見いだすことができる。特に別の表示がなければ、当業者の範囲内の、質量分析、NMR、HPLC、IRならびにUV/Vis分光法および薬理学の従来法を用いることができる。特に定義がなければ、本明細書において記載する分析化学、合成有機化学、ならびに医薬品および薬化学に関連して用いられる命名法、ならびにその実験手順および技術は、当該技術分野において既知のものである。標準的技術を、化学合成、化学分析、医薬品、処方、および送達、ならびに患者の治療に用いることができる。反応および精製技術を、たとえば製造業者の仕様書のキットを用いて、または当該技術分野において通常行われるように、または本明細書において記載されるように、実施することができる。前記技術および手順は、当該技術分野において周知の従来法について、また本明細書全体にわたって言及され、議論される様々な一般的およびさらに詳細な文献において記載されるようにして、一般的に実施することができる。本明細書全体にわたって、基およびその置換基は、安定な部分および化合物を提供するために当業者が選択することができる。
【0026】
本明細書において用いられる、「treat(治療する)」、「treating」、または「treatment」という用語および他の文法的同等物は、疾患または症状の緩和、寛解または改善、さらなる症状の予防、症状の根底にある代謝原因の改善もしくは予防、疾患もしくは状態の阻害、たとえば、疾患もしくは状態の進行の阻止、疾患もしくは状態の軽減、疾患もしくは状態の退行の誘発、疾患もしくは状態によって引き起こされる状態の軽減、または疾患もしくは状態の症状の停止を包含し、予防を包含することが意図される。この用語は、治療的有用性および/または予防的有用性を達成することをさらに含む。治療的有用性とは、治療される基礎疾患の根絶または改善を意味する。また、治療的有用性は、患者が依然として基礎疾患に罹っている可能性があるにもかかわらず、患者において改善が観察されるように、基礎疾患に関連する1つ以上の生理学的症状の根絶または改善をもって達成される。予防的有用性を得るために、組成物を、特定の疾患になる危険性のある患者、または1つ以上の が報告されている患者に投与することができる。
【0027】
本明細書において用いられる「有効量」、「治療有効量」または「薬剤的有効量」は、治療される疾患もしくは状態の1つ以上の症状をある程度軽減する、少なくとも1つの投与薬剤または投与化合物の十分な量を意味する。結果は、疾患の徴候、症状、もしくは原因の軽減および/または緩和、あるいは生物系の任意の他の望ましい変更であり得る。たとえば、治療的使用についての「有効量」は、疼痛を臨床的に有意に軽減するために必要な、本明細書において開示する化合物を含む組成物の量である。さらなる例は、「有効量」が熱を下げる用量であり得ることである。個々の場合で適切な「有効」量は、用量漸増研究などの技術を用いて決定することができる。
【0028】
「administer(投与する)」、「administering」、「administration」などの用語は、本明細書において用いられる場合、化合物もしくは組成物を生物学的作用の所望の部位へ送達することを可能にするために使用できる方法を意味する。これらの方法としては、経口経路、十二指腸内経路、非経口注射(静脈内、皮下、腹腔内、筋肉内、静脈内または注入を包含する)、局所および直腸投与が挙げられるが、これらに限定されない。当業者は、Goodman and Gilman,The Pharmacological Basis of Therapeutics, current ed.; Pergamon;およびRemington’s, Pharmaceutical Sciences(current edition), Mack Publishing Co., Easton,Paで議論されているような、本明細書において記載する化合物および方法とともに用いることができる投与技術に精通している。好適な実施形態において、本明細書において記載するアセトアミノフェンを含む組成物を静脈内投与する。
【0029】
処方、組成物もしくは成分に関して、本明細書において用いられる「許容される」という用語は、治療される被験体の全体的な健康に対して持続的な悪影響を及ぼさないことを意味する。
【0030】
「酸化防止剤」という用語は、酸素または酸素由来のフリーラジカルが他の物質と相互作用するのを防止する化合物を意味する。酸素に暴露されると、またはフリーラジカルの存在下で、ある薬物または賦形剤を用いて起こる酸化的プロセスを最小限に抑えるか、または遅らせるために、酸化防止剤を添加する。これらのプロセスは、多くの場合、光、温度、水素イオン濃度、微量の金属もしくは過酸化物の存在によって触媒され得る。
【0031】
本明細書において用いられる「enhance(向上させる)」または「enhancing」という用語は、所望の効果の有効性もしくは期間を増大または延長することを意味する。したがって、治療剤の効果を向上させることに関して、「向上させる」という用語は、有効性または期間のいずれかにおいて、他の治療剤の系に対する影響を増大または延長できることを意味する。本明細書において用いられる「〜を向上させる有効量」とは、所望の系において別の治療剤の効果を向上させるための適切な量を意味する。
【0032】
アセトアミノフェンおよび少なくとも1つの追加成分に関して言及する「同時投与」、「併用投与」または類似の成句は、治療される哺乳動物に成分を同時に投与することを意味する。「同時に」とは、各成分を同じ時間またはことなる時点で任意の順序で連続して投与できることを意味する。しかし、同じ時間で投与しない場合は、治療効果の望ましい向上を得るために十分近接した時間で投与すべきである。このような化合物を用いた投与の好適な投与間隔および順序は、本開示をもってすれば、当業者には容易に明らかになるであろう。好ましくは、両成分を同じ時間で、または同じ時間内に投与する。
【0033】
本明細書において用いる場合、「動物」という用語は、脊椎動物を意味する。さらに好ましくは、脊椎動物は哺乳動物である。本明細書において用いる場合、「哺乳動物」という用語は、高等脊椎動物の哺乳綱を意味する。「哺乳動物」という用語は、ヒトを包含するが、これに限定されない。
【0034】
本明細書において用いる場合、「疼痛」という用語は、侵害受容疼痛、神経因性疼痛、術後痛、腰痛、群発性頭痛、ヘルペス神経痛、幻肢痛、中枢性疼痛、歯痛、オピオイド抵抗性疼痛、内臓痛、術後疼痛、骨損傷疼痛、陣痛および出産中の疼痛、日焼けをはじめとする火傷の結果起こる疼痛,産後の疼痛、偏頭痛、ならびに膀胱炎を包含する尿生殖路に関連する疼痛が挙げられるが、これらに限定されないあらゆる種類の疼痛を意味する。被験体における疼痛の程度は、たとえば、疼痛強度視覚アナログ尺度または疼痛強度分類尺度をはじめとする疼痛の標準的な客観的分析尺度を用いて定量化することができる。同様に、「疼痛軽減」の程度も、客観的分析、たとえば、知覚可能かつ有意義な疼痛軽減までの時間によって定量化することができる。
【0035】
「静脈内処方」、または「静脈内アセトアミノフェン処方」という用語は、一旦溶液中で再構成されると、静脈内投与(たとえば、注射、注入またはその他の方法による)に生理学的に適合する、凍結乾燥粉末(または他の固体形態)として提供されるアセトアミノフェンの単回投与処方を意味する。あるいは、この用語は、溶液として提供される処方を意味する。
【0036】
静脈内投与(IV処方)用の低用量アセトアミノフェン処方
いくつかの実施形態において、本明細書において記載されるIVアセトアミノフェン処方は、投与前に滅菌条件下で溶液に再構成される凍結乾燥粉末の形態である。他の実施形態において、IVアセトアミノフェン処方は、投与の準備がととのった滅菌溶液として提供される。記載した形態のいずれかのIV処方に適切な容器(たとえば、バイアル、ビン、アンプル、容器など)、ならびに無菌技術は周知である。
【0037】
IVアセトアミノフェン用量
様々な実施形態において、単回投与IVアセトアミノフェン処方は、約1グラム未満のアセトアミノフェンを含む。いくつかの実施形態において、単回投与IVアセトアミノフェンは、約500〜約1000mgを含む。いくつかの実施形態において、単回投与IVアセトアミノフェンは、約550mg〜約900mgを含む。いくつかの実施形態において、本明細書において記載する単回投与IVアセトアミノフェン処方は、アセトアミノフェンを約550mg〜約800mg、すなわち、アセトアミノフェンを約560mg、570mg、580mg、600mg、610mg、620mg、630mg、640mg、650mg、660mg、670mg、675mg、680mg、690mg、700mg、720mg、750mg、775mg、または約550mg〜約800mgの任意の他の量のアセトアミノフェンを含む。いくつかの実施形態において、IVアセトアミノフェン処方は、アセトアミノフェンを約600mg〜約700mg、すなわち、アセトアミノフェンを約610mg、620mg、630mg、640mg、650mg、660mg、670mg、680mg、690mg、または約600mg〜約700mgの任意の他の量のアセトアミノフェンを含む。一実施形態において、アセトアミノフェン処方は、約650mgのアセトアミノフェンを含む。
【0038】
いくつかの実施形態において、本明細書において記載するIV処方溶液中のアセトアミノフェンの濃度は、約0.3%(w/v)〜約12%(w/v)すなわち、約0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1.0%、1.1%、1.2%、1.5%、2.5%、3%、3.7%、4%、4.5%、5%、6%、7%、8%、8.5%、9%、10%、10.5%、11%、または約0.3%(w/v)〜約12%(w/v)の任意の他の濃度である。いくつかの実施形態において、アセトアミノフェンの濃度は、約0.7%(w/v)〜約1.4%(w/v)、すなわち、約0.8%、0.9%、1.0%、1.1%、1.2%、1.3%または約0.7%(w/v)〜約1.4%(w/v)の任意の他のアセトアミノフェンの濃度である。一実施形態において、アセトアミノフェンの濃度は、約1.0%(w/v)である。
【0039】
いくつかの実施形態において、IVアセトアミノフェン処方溶液の容積は、約30〜約200ml、すなわち、約30、35、40、45、55、60、65、75、80、85、90、92、95、100、105、110、125、130、150、175、180、または約30〜約200mlのIV処方溶液の他の容積である。いくつかの実施形態において、IV処方の容積は、約75〜約125mlである。他の実施形態において、容積は約40〜約75mlである。一実施形態において、IV処方の容積は、約100mlである。
【0040】
酸化防止剤
一般的に、本明細書において記載するアセトアミノフェン処方は、溶液中のアセトアミノフェンの安定性を増大させるために、少なくとも1つの酸化防止剤も含む。好適な酸化防止剤の例としては、これらに限定されないが、塩酸システイン一水和物、チオグリコール酸、チオール酢酸、ジチオトレイトール、還元グルタチオン、チオ尿素、アルファ−チオグリセロール、システイン、アセチルシステイン、メチオニン、メルカプトエタンスルホン酸、メタ重亜硫酸塩、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体(たとえば、パルミチン酸アスコルビル)、クエン酸ナトリウム、少なくとも1つのチオールを有する有機化合物、アルキルポリヒドロキシル化化合物、シクロアルキルポリヒドロキシル化化合物、ヒドロキシポリカルボン酸、アルファ−ヒドロキシポリカルボン酸(たとえば、クエン酸)、トコトリエノール、ジメチルグリシン、ベタイン、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、トコフェロール、トコフェロールポリエチレングリコールスクシネート、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル、ハイドロキノン、ヒドロキシクマリン、エタノールアミン、レシチン、セファリン、リンゴ酸、ソルビトール、リン酸、チオ二プロピオン酸およびそのエステル、ジチオカルバメートまたはこれらの任意の組み合わせが挙げられる。一実施形態において、アセトアミノフェン処方は、ポリエチレングリコールまたはその誘導体を含まない。他の実施形態において、アセトアミノフェン処方は亜硫酸塩を含まない。一実施形態において、酸化防止剤は塩酸システイン一水和物である。さらに別の実施形態において、酸化防止剤はマンニトールである。
【0041】
いくつかの実施形態において、固体形態のIV処方(すなわち、溶液に調製する前)中の酸化防止剤の量%(w/w)は、約0.10%(w/w)〜約5.0%(w/w)、すなわち、0.15%(w/w)、0.17%(w/w)、0.20%(w/w)、0.30%(w/w)、0.40%(w/w)、0.45%(w/w)、0.50%(w/w)、0.52%(w/w)、0.55%(w/w)、0.60%(w/w)、0.70%(w/w)、0.80%(w/w)、1.0%(w/w)、1.3%(w/w)、1.5%(w/w)、1.7%(w/w)、2.0%(w/w)、2.2%(w/w)、2.3%(w/w)、2.5%(w/w)、2.7%、2.8%、3.0%(w/w)、3.2%、3.5%(w/w)、3.6%(w/w)、4.0%(w/w)、4.7%(w/w)、または約0.10%(w/w)〜約5.0%(w/w)の任意の他の酸化防止剤の量%(w/w)である。いくつかの実施形態において、酸化防止剤の量%(w/w)は、約0.30%(w/w)〜約1.0%(w/w)である。一実施形態において、酸化防止剤の量%(w/w)は、約0.50%(w/w)である。
【0042】
いくつかの実施形態において、投与前のIV処方溶液中の酸化防止剤の濃度は、約0.01mg/ml〜約10mg/mlの範囲、すなわち、0.02mg/ml、0.03mg/ml、0.05mg/ml、0.08mg/ml、0.09mg/ml、0.10mg/ml、0.12mg/ml、0.13mg/ml、0.15mg/ml、0.18mg/ml、0.20mg/ml、0.22mg/ml、0.25mg/ml、0.27mg/ml、0.30mg/ml、0.40mg/ml、0.45mg/ml、0.50mg/ml、0.60mg/ml、0.80mg/ml、1.2mg/ml、1.5mg/ml、2.0mg/ml、2.5mg/ml、3.0mg/ml、3.5mg/ml、4.0mg/ml、5.0mg/ml、6.0,mg/ml、7.5mg/ml、8.0mg/ml、9mg/ml、9.5mg/ml、または約0.01mg/ml〜約10mg/mlの任意の他の酸化防止剤の濃度である。いくつかの実施形態において、酸化防止剤の濃度は、約0.08mg/ml〜約0.50mg/mlである。一実施形態において、酸化防止剤の濃度は、約0.25mg/mlである。
【0043】
緩衝剤
いくつかの実施形態において、IVアセトアミノフェン処方は、処方のpHを本明細書において記載するような許容できる範囲内に維持するために、少なくとも1つの緩衝剤を含む。使用される緩衝液は、ヒトにおける非経口投与に適合する緩衝液であり、そのpHを、4〜8に調節することができる。いくつかの実施形態において、IVアセトアミノフェン処方のpHは、約pH4〜約pH8、すなわち、pH4.5、pH4.6、pH4.8、pH5.0、pH5.5、pH6.2、pH6.5、pH7.5、または約pH4〜約pH8の任意の他のpH値である。いくつかの実施形態において、IVアセトアミノフェン処方のpHは、約pH5〜約pH7.0、すなわち、約pH5.2、pH5.5、pH5.6、pH6.0、pH、6.4、または約pH5〜約pH7.0の任意の他のpH値である。一実施形態において、IVアセトアミノフェン処方は、約5〜約6のpHを有する。
【0044】
いくつかの実施形態において、緩衝剤は、約4.5〜約6.5のpKa、すなわち、4.6、4.8、5.0、5.2、5.3、5.4、5.5、5.8、6.0、6.2、6.4、または約4.5〜約6.5の任意の他のpKaを有する。
【0045】
いくつかの実施形態において、緩衝剤は、必要に応じて、酸(たとえば、塩酸)または塩基(たとえば、水酸化ナトリウム)を用いて、本明細書において記載するような適切なpHに調節されたクエン酸塩、リン酸塩、酢酸塩、グルタミン酸塩、酒石酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、ヒスチジンまたは他のアミノ酸、グルコン酸塩、リンゴ酸塩、コハク酸塩、ギ酸塩、プロピオン酸塩、炭酸塩、またはこれらの任意の組み合わせの薬剤的に許容される塩または酸である。一実施形態において、緩衝剤は、無水リン酸二ナトリウムである。
【0046】
いくつかの実施形態において、固定形態のIV処方(すなわち、溶液に調製する前)中の緩衝剤の量%(w/w)は、約0.05%(w/w)〜約2%(w/w)、すなわち、約0.08%(w/w)、0.10%(w/w)、0.15%(w/w)、1.0%(w/w)、1.3%(w/w)、1.5%(w/w)、1.7%(w/w)、0.20%(w/w)、0.22%(w/w)、0.25%(w/w)、0.26%(w/w)、0.27%(w/w)、0.28%(w/w)、0.30%(w/w)、0.35%(w/w)、0.40%(w/w)、0.50%(w/w)、0.60%(w/w)、0.70%(w/w)、0.80%(w/w)、1.2%(w/w)、1.4%(w/w)、1.5%(w/w)、1.7%、または約0.05%(w/w)〜約2.0%(w/w)の緩衝剤の任意の他の量%(w/w)である。いくつかの実施形態において、緩衝剤の量%(w/w)は、約0.10%〜約0.70%である。一実施形態において、緩衝剤の量%(w/w)は約0.26%である。
【0047】
いくつかの実施形態において、投与前のIV処方溶液中の緩衝剤の濃度は、約0.01mg/ml〜約10mg/mlの範囲であり、すなわち、0.02mg/ml、0.03mg/ml、0.05mg/ml、0.08mg/ml、0.09mg/ml、0.10mg/ml、0.12mg/ml、0.13mg/ml、0.15mg/ml、0.30mg/ml、0.5mg/ml、0.8mg/ml、1.2mg/ml、1.5mg/ml、2.0mg/ml、2.5mg/ml、3.0mg/ml、3.5mg/ml、4.0mg/ml、5.0mg/ml、6.0mg/ml、7.5mg/ml、8.0mg/ml、9mg/ml、9.5mg/ml、または約0.01mg/ml〜約10mg/mlの任意の他の緩衝剤濃度である。いくつかの実施形態において、緩衝剤の濃度は、約0.08mg/ml〜約0.30mg/mlである。一実施形態において、緩衝剤の濃度は約0.13mg/mlである。
【0048】
等張剤
いくつかの実施形態において、IVアセトアミノフェン処方は、IV投与と生理学的に適合する範囲中に処方のオスモル濃度を維持するために、1つ以上の等張剤も含む。いくつかの実施形態において、IVアセトアミノフェン処方のオスモル濃度は、約230mOsm/L〜約420mOsm/L、すなわち、約240mOsm/L、250mOsm/L、260mOsm/L、270mOsm/L、280mOsm/L、290mOsm/L、300mOsm/L、305mOsm/L、310mOsm/L、320mOsm/L、350mOsm/L、375mOsm/L、400mOsm/L、または約240mOsm/L〜約420mOsm/Lの任意の他のオスモル濃度である。いくつかの実施形態において、IVアセトアミノフェン処方のオスモル濃度は、約280mOsm/L〜約320mOsm/L、すなわち、約290mOsm/L、295mOsm/L、300mOsm/L、305mOsm/L、310mOsm/L、315mOsm/L、または約280mOsm/L〜約320mOsm/Lの任意の他のオスモル濃度である。一実施形態において、IVアセトアミノフェン処方のオスモル濃度は、約200〜400mOsm/Lである。
【0049】
IVアセトアミノフェン処方の等張性を調節するために適した化学物質としては、これらに限定されないが、マンニトール、ソルビトール、グリセロール、スクロース、グルコース、デキストロース、レブロース、フルクトース、ラクトース、ポリエチレングリコール400〜4000、リン酸塩、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、グルコノグルコヘプトン酸カルシウム(calcium gluconoglucoheptonate)、ジメチルスルホンが挙げられる。一実施形態において、等張剤はマンニトールである。
【0050】
いくつかの実施形態において、固体形態のIV処方(すなわち、溶液に調製する前)中の等張剤の量%(w/w)は、約5%(w/w)〜約95%(w/w)、すなわち、約10%(w/w)、15%(w/w)、20%(w/w)、25%(w/w)、30%(w/w)、35%(w/w)、40%(w/w)、45%(w/w)、50%(w/w)、55%(w/w)、60%(w/w)、65%(w/w)、70%(w/w)、72%(w/w)、74%(w/w)、76%(w/w)、78%(w/w)、79%(w/w)、80%(w/w)、81%(w/w)、82%(w/w)、84%(w/w)、86%(w/w)、90%(w/w)、92%(w/w)、または約5%(w/w)〜約95%(w/w)の任意の他の等張剤の量%(w/w)である。いくつかの実施形態において、等張剤の量%(w/w)は、約65%(w/w)〜約85%(w/w)である。一実施形態において、等張剤の量%(w/w)は、約79%である。
【0051】
いくつかの実施形態において、投与前のIV処方溶液中の等張剤の濃度は、約1.0mg/ml〜約150mg/ml、すなわち、1.0mg/ml、2.0mg/ml、3.0mg/ml、3.5mg/ml、4.0mg/ml、4.5mg/ml、5.0mg/ml、8.0mg/ml、12mg/ml、15mg/ml、20mg/ml、25mg/ml、30mg/ml、32mg/ml、35mg/ml、37mg/ml、38mg/ml、40mg/ml、50mg/ml、60,mg/ml、75mg/ml、80mg/ml、90mg/ml、95mg/ml、100、110、120、140、または約5mg/ml〜約150mg/mlの緩衝剤の任意の他の濃度である。いくつかの実施形態において、緩衝剤の濃度は、約0.08mg/ml〜約0.30mg/mlである。一実施形態において、緩衝剤の濃度は、約0.13mg/mlである。
【0052】
安定剤
いくつかの実施形態において、本明細書において記載されるIVアセトアミノフェン処方には、安定剤、たとえばエチレンジアミノテトラ酢酸(EDTA)、エチレンジアミノ、N,N’−二酢酸−N,N’−二プロピオン酸、エチレンジアミノテトラリン酸、2,2’−(エチレンジアミノ)二酪酸、ニトリロ三酢酸、またはエチレン−グリコールビス(ジアミノエチルエーテル)N,N,N’,N’−テトラ酢酸およびそのナトリウムもしくはカルシウム塩などのキレート剤も含まれる。いくつかの実施形態において、IVアセトアミノフェン処方は安定剤としてEDTAを含む。
【0053】
いくつかの実施形態において、本明細書において記載されるIVアセトアミノフェン処方は、安定剤を約0.005〜約1.0mg/mlの量で含む。いくつかの実施形態において、安定剤は、約0.01mg/ml、0.05mg/ml、0.1mg.ml、0.5mg/ml、または1.0mg/mlの量で存在する。
【0054】
いくつかの実施形態において、溶液中のアセトアミノフェンの酸化を軽減し、その結果、安定性を増大させるために、不活性ガス(たとえば、アルゴンまたは窒素)を滅菌条件下、溶液中に通気することによって、IV処方溶液から酸素を除去する。貯蔵中のアセトアミノフェン溶液の酸化的分解を最小限にするための方法は、たとえば、その全体が参考として本明細書で援用される米国特許第6,992,218号にさらに詳細に記載されている。
【0055】
治療法
多くの場合、アセトアミノフェンのIV投与は、特に病院の状況での、患者の疼痛もしくは熱の適切かつ有効な軽減のために最も適した投与経路と考えられる。いくつかの実施形態において、本明細書において記載されるアセトアミノフェンのIV処方が投与される被験体(たとえば、少なくとも約50kgの体重の成人被験体または青年)は、無意識、鎮静状態、空腹であるか、吐き気を催しているか、または経口経路によって医薬組成物の投与ができない。加えて、直腸経路は、きわめて変わりやすいバイオアベイラビリティと関連し、吸収を遅らせ、小児においては、有効な直腸用量は、一部の小児患者を潜在的な毒物にさらす。いくつかの実施形態において、疼痛または熱に苦しむ患者は、IV投与以外の投与経路によるアセトアミノフェン投与によって可能であるよりも早い疼痛軽減もしくは熱治療の開始を必要とする。
【0056】
いくつかの実施形態において、本明細書において記載するIV処方を、別の療法の前治療として用いる。これらの実施形態のいくつかにおいて、本明細書において記載するIV処方を用いた前治療によって、さらに低用量のアセトアミノフェンの使用が可能になる。いくつかの実施形態において、本明細書において記載するIV処方を、化学療法、放射線治療、生検、または輸血前に投与する。これらは非制限的例であり、本明細書において記載するIV処方は、疼痛および/または熱が起こることが予想される任意の療法の前治療として投与することができると理解されるべきである。
【0057】
本明細書において記載するIV処方を、急性侵害受容疼痛、急性神経因性疼痛、術後疼痛、腰痛、群発性頭痛、ヘルペス神経痛、幻肢痛、中枢性疼痛、歯痛(dental pain)、オピオイド抵抗性疼痛、内臓痛、術後疼痛、処置痛、骨損傷疼痛、陣痛および出産中の疼痛、火傷の結果起こる疼痛、産後の疼痛、頭痛、筋肉痛、背中の痛み、関節炎痛、感冒、歯痛(toohache)、歯痛(dental pain)、骨関節炎痛、生理痛、月経痛、偏頭痛、および膀胱炎をはじめとする尿生殖路に関連する疼痛、を包含するが、これらに限定されない疼痛状態を軽減するために使用できる。いくつかの実施形態において、IV処方を被験体に先制して、すなわち、疼痛または疼痛を誘発する状態もしくは刺激(たとえば、外科手術)の開始前に投与する。いくつかの実施形態において、本明細書において記載するIV処方は、感染症、薬物反応、アレルギー反応、輸血反応、発作、外科手術、熱射病、リウマチ性疾患、癌が原因の熱、または原因不明の熱を包含するが、これらに限定されない熱を下げるために用いられる。いくつかの実施形態において、本明細書において記載するIV処方を、歯科処置を受けている患者に投与する。
【0058】
いくつかの実施形態において、外科的介入を受けた後のIV処方を被験体に、たとえば、外科的介入後約12時間以内、すなわち、11時間、10時間、9時間、8時間、6時間、5時間、4時間、3時間、2時間、1時間、45分、30分、15分、5分、または外科的介入後約12時間以内の任意の期間で投与する。
【0059】
いくつかの実施形態において、IV処方を被験体に外科的介入前、たとえば、外科的介入前約4時間以内、すなわち、約3時間、2時間、1時間、30分、15分またはさらには外科的介入自体の最中に投与する。
【0060】
IV処方溶液中のアセトアミノフェン濃度に依存し、そして本明細書において記載するアセトアミノフェンの用量レベルと一致して、投与されるIV処方溶液の容積は、約1mL〜約200mL、たとえば、5mL、10mL、20mL、25mL、30mL、40mL、50mL、60mL、65mL、70mL、85mL、90mL、100mL、110mL、120mL、130mL、140mL、150mL、160mL、180mL、または約1mL〜約200mLの任意の他のIV処方溶液の容積であり得る。
【0061】
いくつかの実施形態において、IV処方の投与に必要な時間は、約1分〜約1時間の範囲、すなわち、約5分、10分、11分、15分、20分、30分、45分、または約1分〜約1時間の任意の他の投与時間である。いくつかの実施形態において、IV処方の投与に必要な時間は、約5分〜約45分、または約5分〜約30分、または約5分〜約15分の範囲である。
【0062】
被験体の状態の重篤度および持続性に応じて、また介護者の判断に従って、本明細書において記載されるようなアセトアミノフェンのIV処方用量を、24時間で約3〜約5グラムの投与を可能にする時間間隔で投与することができる。いくつかの実施形態において、アセトアミノフェンのIV処方を、24時間で約4グラムの投与を可能にするのに十分な時間間隔で投与する。いくつかの実施形態において、医療介護者によって必要と見なされる場合、IV処方を24時間ごとに1〜6回、すなわち、1、2、3、4、5、6回投与する。いくつかの実施形態において、投与頻度は4時間ごとに1回以下である。
【0063】
様々な実施形態において、アセトアミノフェンのIV処方は、24時間にわって約4グラム未満を提供するために投与され、様々な実施形態において、アセトアミノフェンのIV処方を、24時間で3〜6回投与する。たとえば、いくつかの実施形態においては、アセトアミノフェンのIV処方を24時間で3回投与する。他の実施形態においては、アセトアミノフェンのIV処方を24時間で4回投与する。さらに別の実施形態において、アセトアミノフェンのIV処方を24時間で5回投与する。いくつかの実施形態において、アセトアミノフェンのIV処方を24時間で6回投与する。いくつかの実施形態において、アセトアミノフェンのIV処方を24時間で7回投与する。いくつかの実施形態において、アセトアミノフェンのIV処方を24時間で8回投与する。
【0064】
併用療法
本明細書において記載するアセトアミノフェンIV処方は、他の治療用薬剤、たとえば、その治療価値または緩和価値について選択される他の鎮痛剤、解熱剤、または抗炎症剤と組み合わせて用いることもできる。一般的に、併用療法が採用される場合、他の薬剤は、アセトアミノフェンと同じ医薬組成物中で投与する必要はなく、異なる物理的および化学的特性のために、異なる投与経路によって投与することができる。投与様式および可能な場合、同じ医薬組成物中での投与の推奨度の決定は、本明細書において記載する教唆とあわせて、熟練した臨床医の知識範囲に十分含まれる。IVアセトアミノフェン処方またはアセトアミノフェンと併用される1つ以上の治療剤(たとえば、アセトアミノフェン以外の鎮痛剤)の初回投与は、当該技術分野で既知の確立されたプロトコルにしたがって行うことができ、その後、観察される効果に基づいて、投与量、投与様式および投与時間を熟練した臨床医が変更することができる。
【0065】
本明細書において記載するIVアセトアミノフェン処方と併用される化合物(たとえば鎮痛剤)の特定の選択は、診察する医師(または他の医療介護者)の診察および患者の状態の審査および適切な治療プロトコルによって変わるであろう。化合物を、患者が経験する疼痛の重篤度、疾患、障害、もしくは状態の性質、状態、および用いられる化合物の実際の選択に応じて、一斉に(たとえば、同時、本質的に同時、もしくは同じ治療プロトコル内で)または連続して投与することができる。投与の順序、および治療プロトコル中の各治療薬の投与の繰り返し回数の決定は、治療される疾患および患者の状態の評価後には、熟練した医師の知識の範囲内に十分含まれる。
【0066】
本明細書において記載する併用療法に関して、アセトアミノフェンIV処方と同時投与される化合物の投与量は、用いられるコドラッグ(codrug)の種類、患者が経験する疼痛の程度、中毒の危険性、治療される疾患もしくは状態などに応じて変わるであろう。加えて、1つ以上の生物活性剤と同時投与される場合、本明細書において提供されるアセトアミノフェンIV処方は、生物活性剤と同時、または連続してのいずれかで投与することができる。連続して投与する場合、診察する医師が、生物活性剤と組み合わせたタンパク質の適切な投与順序を決定する。
【0067】
どの場合でも、複数の治療剤(そのうちの1つが本明細書において記載するアセトアミノフェンIV処方である)を任意の順序で、またはさらには同時に投与することができる。同時の場合、複数の治療剤を単一の統一IV形式、または複数の形式(ほんの一例として、単一IV処方として、複数IV処方として、またはIV処方および丸薬としてのいずれか)で提供することができる。治療剤のうちの1つを複数回投与で投与することができるか、または両方とも複数回投与として投与することができる。同時でない場合、複数回投与間のタイミングは、1分超から12時間未満まで変化し得る。いくつかの実施形態において、複数回投与間のタイミングは、約1分〜約6時間、または約1分〜約3時間、または約1分〜約1時間である。加えて、結合法、組成物および処方は、2つの薬剤のみの使用に限定されず、複数の治療的組み合わせの使用も想定される。
【0068】
本明細書において開示される併用療法を構成する医薬品は、併用投与形態(すなわち、併用IV処方)または実質的に同時投与を意図した独立投与形態であり得る。併用療法を構成する医薬品は、二段階投与を必要とするレジメンによって投与されるいずれかの治療化合物と連続して投与することもできる。二段階投与レジメンは、活性剤の連続投与または別個の活性剤の間隔をあけた投与を必要とし得る。複数の投与段階間の時間は、各医薬品の特性、たとえば、医薬品の有効性、溶解度、バイオアベイラビリティ、血漿半減期および動力学的特性に応じて、数分から数時間の範囲であり得る。
【0069】
本明細書において記載する化合物および併用療法を、熱もしくは疼痛状態の発生前、発生中、または発生後に投与することができ、化合物を含有する組成物を投与するタイミングは変わり得る。したがって、疾患もしくは状態の発生を防止するために、たとえば、化合物を予防薬として使用することができ、症状を発症する傾向を有する被験体に連続して投与することができる。化合物および組成物を症状の発現中または発現後できるだけすぐに被験体に投与することができる。化合物の投与を、症状の発現後最初の48時間以内、好ましくは症状の発現後最初の48時間以内、さらに好ましくは症状の発現後最初の6時間以内、最も好ましくは症状の発現後最初の3時間以内に開始することができる。
【0070】
化合物は、好ましくは、疼痛状態(たとえば、術後疼痛)の発現前または発現後に実施できる限りすぐに、そして疾患の治療に必要な時間、たとえば約1ヶ月〜約3ヶ月投与する。
【0071】
アセトアミノフェンIV処方と併用される鎮痛剤の例
オピオイド
いくつかの実施形態において、本明細書において記載するアセトアミノフェンIV処方を、アリルプロジン、アルファメチルフェンタニル、アルフェンタニル、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、カルフェンタニル、コデイン、デキストロプロポキシフェン、デキストロモラミド、デゾシン、ジアセチルモルフィン、ジヒドロコデイン、ジパパノン(dipapanone)、ジスモルフィン(dismorphine)、ジヒドロコデイン、エトロフィン、フェンタニル、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、ケトベミドン、レフェタミン、レボルファノール、レボ−アルファセチルメタドール、レボメトルファン、メプタジノール、メタドン、モルヒネ、ナルブフィン、ニコモルフィン、オーメフェンタニル、アヘン、オリパビン、オキシコドン、オキシモルフォン、メタドン、PEPAP、ペンタゾシン、ペチジン、フェナゾシン、ピリタミド(piritamide)、プロジン、ナプシル酸プロポキシフェン、レミフェンタニル、スフェンタニル、チリジン、テバイン、トラマドール、およびタペンタドール等であるが、これらに限定されない1つ以上のオピオイドとの任意の組み合わせで使用する。
【0072】
非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)
いくつかの実施形態において、本明細書において記載するアセトアミノフェンIV処方を、アモキシプリン、ベノリラート、コリンマグネシウムサリチル酸、ジフルシナル、ファイスラミン、サリチル酸メチル、サリチル酸マグネシウム、サリチル酸サリチル、ジクロフェナク、アセクロフェナク、アセメタシン、ブロムフェナク、エテンザミド、エトドラク、インドメタシン、ナブメトン、スリンダク、トルメチン、カルプロフェン、フェンブフェン、フェンプロフェン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、ケトロラック、ロキソプロフェン、ナプロキセン、オキサプロジン、チアプロフェン酸、スプロフェン、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フェニルブタゾン、メタミゾール、オキシフェンブタゾン、スルフィンピラゾン、ピロキシカム、ロルノキシカム、メロキシカム、テノキシカム、ニメスリドサリキシレート(salixylates)、アリールアルカン酸、2−アリールプロピオン酸(プロフェン)、n−アリールアントラニル酸(フェナム酸)、ピラゾリジン誘導体、オキシカム、およびCOX−2阻害剤等であるが、これらに限定されない1つ以上のNSAIDとの任意の組み合わせで用いる。
【0073】
他の鎮痛剤
いくつかの実施形態において、本明細書において記載するアセトアミノフェンIV処方を、バルビツール酸塩(たとえば、ブタルビタール)、ピラゾロン(たとえば、アミノフェナゾン、メタミゾール、フェナゾン)、カンナビノイド(たとえば、テトラヒドロカンナビノール)、ジコノチド、コリンマグネシウムフェンタニル、オキシコドン、コデイン、ジヒドロコデイン、ジヒドロコデイノンエノールアセテート、モルヒネ、デソモルヒネ、アポモルヒネ、ジアモルヒネ、ペチジン、メタドン、デキストロプロポキシフェン、ペンタゾシン、デキストロモラミド、オキシモルフォン、ヒドロモルフォン、ジヒドロモルヒネ、ノスカピン、パプベリン(papverine)、パプベレタム(papveretum)、アルフェンタニル、ブプレノルフィン、トラマドールおよびその薬剤的に許容される塩、誘導体、相同体または類似体ならびにオピオイド作動薬等であるが、これらに限定されない、上記にない1つ以上の鎮痛剤との任意の組み合わせで用いる。
【0074】
アセトアミノフェンIV処方と併用される制吐剤の例
いくつかの実施形態において、本明細書において記載するアセトアミノフェンIV処方を、抗ヒスタミン剤(たとえば、シクリジン、ジフェンヒドラミン、ジメンヒドリナート、メクリジン、プロメタジン、ペンタジン、フェネルガン、プロマコット、またはヒドロキシジン);5−HT受容体拮抗物質(たとえば、ドラセトロン、グラニセトロン、オンダンセトロン、トロピセトロン、またはパロノセトロン);およびドーパミン拮抗物質(たとえば、ドンペリドン、ドロペリドール、ハロペリドール、クロルプロマジン、プロメタジン、プロクロルペラジン、またはメトクロプラミド)等であるが、これらに限定されない、上記にない1つ以上の制吐剤との任意の組み合わせで用いる。
【0075】
キット
いくつかの実施形態において、IVアセトアミノフェン処方の患者への投与を簡略化できるキットを本発明では提供する。いくつかの実施形態において、キットは、滅菌水の添加によって再構成される滅菌凍結乾燥物として提供される前述のアセトアミノフェンIV処方の単位投与形態を含む。他の実施形態において、IV処方を、投与準備が完了した滅菌脱気溶液として提供する。キットは、疼痛もしくは熱を治療するためのアセトアミノフェンIV処方使用に関するラベルまたは印刷された説明書をさらに含むことができる。キットは、他の治療剤の単位投与形態、たとえば、アセトアミノフェンIV処方と併用される、有効量の第2鎮痛剤を含む容器もさらに含むことができる。いくつかの実施形態において、キットは、IV処方単位投与形態の投与に有用な装置をさらに含む。このような装置の例としては、注射器またはドリップバッグ等であるが、これらに限定されない。
【発明を実施するための形態】
【0076】
本発明の好適な実施形態を本明細書で明示し、記載してきたが、このような実施形態は、例示のためにのみ記載するものであると理解される。本発明の範囲から逸脱することなく多くの変形、変更、および置換をなすことができる。本明細書で記載する本発明の実施形態に対する様々な代替手段を、本発明の実施において用いることができると理解される。以下のクレームが本発明の範囲を規定し、これらのクレームの範囲内にある方法および構造ならびにその同等物はしたがって網羅されることが意図される。したがって、これらの実施例は決して例を制限するものと解釈されるべきではない。たとえば、以下の実施例に記載されている様々な量の成分ならびに成分自体を本明細書に記載される開示にしたがって変更することができる。
【実施例1】
【0077】
IVアセトアミノフェン処方
【0078】
【表1】

【0079】
[実施例1A]
IVアセトアミノフェン処方
実施例1Aを、実施例2に概説した手順にしたがい、実施例1に記載する量の賦形剤を用いて調製する。
【0080】
【表2】

【0081】
[実施例1B]
IVアセトアミノフェン処方
実施例1Bを、実施例2に概説した手順に従って、実施例1に記載した量の賦形剤を用いて調製する。
【0082】
【表3】

【0083】
[実施例1C]
IVアセトアミノフェン処方
実施例1Cを、実施例2に概説した手順に従って、実施例1に記載した量の賦形剤を使用して調製する。
【0084】
【表4】

【0085】
[実施例1D]
IVアセトアミノフェン処方
実施例1Dを、実施例2に概説した手順に従って、実施例1に記載した量の賦形剤を使用して調製する。
【0086】
【表5】

【0087】
[実施例1E]
IVアセトアミノフェン処方
実施例1Eを、実施例2に概説した手順に従って、実施例1に記載した量の賦形剤を使用して調製する。
【0088】
【表6】

【0089】
[実施例1F]
IVアセトアミノフェン処方
実施例1Fを、実施例2に概説した手順に従って、実施例1に記載した量の賦形剤を使用して調製する。
【0090】
【表7】

【実施例2】
【0091】
IV処方溶液の調製:
保存前に、実施例1で記載する処方に窒素を通気し、II型無色ビンに移し、次いで真空下(約550mmHgの低圧)に置いた後、アルミキャップを圧着した合成エラストマーグレーストッパでビンに栓をする。残存酸素含量は約1.5ppmの溶解酸素である。次にビンを121℃で15分間滅菌する。滅菌溶液を使用するまで常温(30℃未満で)で最大2年間保存する。
【実施例3】
【0092】
650mgのIVアセトアミノフェン対プラセボの、腹腔鏡手術後の術後疼痛の治療に関する鎮痛有効性および安全性の第III期ランダム化二重盲検プラセボ対照多施設平行群反復投与研究
疼痛軽減用静脈内非NSAID非オピオイド治療を行うために、急性疼痛の治療に関して、APAPの650mgのIV用量の安全性および有効性を調べる。
【0093】
研究設計および評価
第III期ランダム化二重盲検プラセボ対照多施設平行群反復投与研究を、計画または選択的腹腔鏡手術を受けた約240人の被験体において実施する。約15〜20のUS施設がこの研究に参加する。
【0094】
被験体を全実験施設にわたって、治験薬(APAPもしくはプラセボのいずれか)をある投与量(650mg、1000mg、もしくはプラセボ)で以下に記載するスケジュールで注入するために主にランダムに割り当てる。
【0095】
時間PIおよび疼痛軽減(PR)評価を、T0(治験薬の初回注入)直前のベースラインで開始し、T24時間まで継続する。
【0096】
全被験体は、下記のように研究全体にわたってあらゆる時間での救急薬を入手できる。
【0097】
研究は、以下の評価期間および手順を含む:
スクリーニング(21日目にランダム化のため)
スクリーニングとは、被験体がインフォームドコンセント用紙に署名した時に開始し、POD1に関する治験薬治療に対するランダム化で終了する期間である。この期間中に、被験体の適格性およびベースライン状態を決定する。
【0098】
治療期間(用量1/T0/POD1〜T24/POD2)
治験薬治療の投与(および研究に関連する評価)はT0(POD1のモニタリング)からT24時間(POD2のモニタリング)までである。
【0099】
評価基準
主要有効性エンドポイントは、救急薬治療後の全データを除外する、SPID24(T0〜T24でのベースラインからのVASスコアの差の合計として定義される)である。
【0100】
被験体選択基準
研究への参加に適格となるためには、被験体は外科手術前に以下の基準を全て満足しなければならない:(1)研究に参加する前にインフォームドコンセントを書面で提出する;(2)腹腔鏡手術を受ける予定である(腹腔鏡胃バイパス手術は適格ではない);(3)被験体が妊娠の可能性がある女性である場合は、外科手術の21日以内に妊娠検査が陰性である;(4)年齢が少なくとも18才であるが、80才を越えない;(5)肥満度指数(BMI)が19lb/in以上45lb/in未満である(6)米国麻酔学会によるASAリスククラスがI、II、またはIIIである;(7)研究手順および疼痛スケールの使用について読解する能力を有し、治験責任医師および職員と意味のあるやりとりができる;(8)治験責任医師の意見で研究参加不適正とされる他の肉体的、精神的、または医学的症状がない。
【0101】
除外基準(スクリーニング)
以下の基準のいずれかを満たすならば、被験体は参加に適格でない:(1)治験薬治療投与前7日以上、オピオイドもしくはトラマドールを毎日使用していた(治験責任医師の意見で、オピオイド耐性を発現したか、もしくは発現している被験体は除外される);(2)外科手術前14日以内にシャパラル、ヒレハリソウ、ジャーマンダー、Gin Bu Huan、カバ、ペニーロイヤル、タツナミソウ、セイヨウオトギリソウ、またはバレリアンで治療されている;(3)治験責任医師の判断で、被験体の快適な生活、研究職員とやりとりする能力、完全な研究活動に支障を来し得るか、またはその他、研究への参加禁忌である重大な医学的疾患、検査所見の異常または状態を有する;(4)オピオイド、アセトアミノフェン、または治験薬の不活性成分(賦形剤)に対して過敏性であることがわかっている;(5)過去2年以内にアルコールもしくは薬物乱用もしくは依存性の前歴があることがわかっているか、または疑われる;(6)肝機能障害、たとえば、正常値の上限の3.0倍以上のAST/ALT/ビリルビン、活動性肝疾患、臨床的に重大な肝疾患の兆候、または治験薬を受けることによって肝障害に対する感受性が増大する可能性を示唆し得る他の状態(たとえば、アルコール依存症、肝硬変、もしくは肝炎)がある;(7)外科手術前7日以内にモノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)で治療されている;(8)外科手術の30日以内に別の臨床研究(治験薬もしくは市販品)に参加している。
【0102】
術後除外基準
外科手術後および治験薬に対するランダム化前に以下の基準のいずれも満たしてはならない:(1)予定されている腹腔鏡外科手術以外の外科手術を受けていたか、または治験責任医師の観点で研究参加を不適格とされる手術中もしくは手術後の合併症があった;(2)外科手術の翌日中に非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、ステロイドまたはMAOIを摂取した(例外:心疾患予防(cardioprophylaxis)を目的とした、81mg/日のような低用量アスピリンの使用および局所もしくは吸入ステロイドの使用が許容される);(3)麻酔または術後鎮痛管理(単回注射として行われる場合、閉鎖の時点での手術創傷の局所麻酔薬浸潤)の一部として投与される経皮カテーテルを通しての脳幹脊髄性オピオイドまたは連続的局所麻酔薬注入を受けていた;(4)治療を必要とする熱(38.6℃または101.5°F超)があった。
【0103】
術後評価(PODO)
被験体は、腹腔鏡手術または本明細書において記載するような他の承認された外科的処置を受ける予定である。実施される処置の種類をはじめとする外科的処置の詳細をCRFに記録し、手術前後の薬物治療を記録する。
【実施例4】
【0104】
650mgのIVアセトアミノフェンの第III期非盲検予測多施設反復投与ランダム化複数日安全性および有効性研究
第III期非盲検予測多施設反復投与ランダム化複数日安全性および有効性研究を213人の被験体で実施した。被験体を以下のようにランダムに割り当てた:92人の被験体はq6群(6時間ごとに1gのIVアセトアミノフェン)、91人の被験体はq4群(4時間ごとに650mgのIVアセトアミノフェン)、そして28人の被験体は標準的治療対照群(経口アセトアミノフェンを含み得るが、IVアセトアミノフェンを含まない)。5日の研究治療を完了した被験体は、q6群中63人、q4群中59人、および対照群中26人であった。第1エンドポイントは、自発的有害事象報告および毎日の肝臓酵素を用いた安全性の評価であった。有効性の評価も実施した。
【0105】
選択基準(スクリーニング)
研究への参加に適格になるためには、被験体は以下の基準をすべて満たさなければならなかった:(1)研究に参加する前にインフォームドコンセントを書面で提出している;(2)年齢が少なくとも18歳であり、体重が少なくとも41kgである;(3)(a)「絶食」(NPO)状態であること、(b)経口摂取を困難にする病状を有すること、または(c)IV治療を必要とする病状を有することのいずれかのために治験責任医師によりIV治療を複数日(目標は5日)使用する必要があることが見込まれている;(4)疼痛もしくは熱(38℃以上の中核体温として定義される)の治療のためにIVアセトアミノフェンを用いた5日間の治療を受ける意志がある。被験体は、対照群に割り当てられ、標準的治療を受けるが、IV APAPを受けない確率は、15%より若干低かった(7分の1);(5)研究の手順を読解する能力を有し、治験責任医師および職員と意味のあるやりとりをする能力を有する;そして(6)被験体が妊娠の可能性がある女性である場合は、ランダム化の48時間以内に妊娠検査が陰性である。
【0106】
除外基準(スクリーニング)
被験体は以下の基準のいずれかを満たすならば、参加に適格ではなかった:(1)治験責任医師の判断で、被験体の快適な生活に支障を来すか、またはその他、研究への参加の禁忌を示す重大な医学的疾患、検査所見の異常または状態を有していた;(2)研究職員とやりとりすること、または研究要件(追跡調査来院を包含する)の完了が困難であることが予想された;(3)アセトアミノフェンもしくはIVアセトアミノフェンの不活性成分(賦形剤)に対して過敏性を示すか、またはアセトアミノフェンの摂取に対する禁忌を有することがわかっていた;(4)肝機能障害、たとえば、正常値の上限(ULN)の3倍以上のALT、ULNの3倍以上のビリルビン、既知活動性肝疾患(たとえば、肝炎)、医学的に重大な慢性肝疾患の兆候もしくは肝臓に影響を及ぼす他の状態(たとえば、DSM−IV、肝硬変または慢性肝炎によって定義されるようなアルコール依存症)を有していた;または(5)研究参加の30日以内に介入臨床研究(治験薬もしくは市販品)に参加していた。
【0107】
有効性分析
有効性の全ての分析は、修飾ITT集団に関して2つの適応症(急性疼痛および熱)について別々に行った。被験体の全体的評価を各研究日および全体的評価について治療群別に記述的にまとめた(N、平均、SD、中央値、最低値、および最高値)。要約統計量も各施設について提供した。
【0108】
治療群の以下の対間での有効性エンドポイントの比較を、5%の有意性で両側検定を用いて調査した:
・IVアセトアミノフェン1g対IVアセトアミノフェン650mg
・IVアセトアミノフェン1g対標準的治療
・IVアセトアミノフェン650mg対標準的治療
試験因子として治療群を用いる一元配置分散分析(ANOVA)モデルを用いて、これらの対間の治療差を試験した。全ての群はこの分析モデルに含まれていた。ANOVAモデルから得られるp値を要約統計量とともに提示する。
【0109】
安全性分析
安全性分析は全て、安全性集団に関して実施した。
【0110】
有害事象のために中止した被験体のパーセンテージ、有害事象(AE)または重大な有害事象(SAE)を有する被験体のパーセンテージ、および検査値において臨床的に意味のある変化を有する被験体のパーセンテージをまとめた。
【0111】
すべての有害事象および重大な有害事象をMedical Dictionary for Regulatory Activities(MedDRA), Version 10.0にしたがってコード化した。さらなる分析は、少なくとも1つのAEを報告する被験体の数の表示(発生率表)、体組織および重篤度による各AEのエピソードの合計数、体組織、および特質による各AEのエピソードの合計数を含んでいた。肝機能試験異常を、有害事象の一般的術後基準を用いて類別した。
【0112】
それぞれの臨床検査値について、記述的統計学(N、平均、標準偏差、中央値、および範囲)をベースラインおよび最終値に関して表にした。ベースラインからの変化を、ベースラインと最終値との両方を有していた被験体について表にした。肝機能試験も、特定の場所の研究所について、正常値の上限に対して正規化した値を用いて評価した。
【0113】
ベースラインおよび/または最終測定で臨床的に関連して高いか、または低いベースライン臨床検査値におけるシフトを表すために、シフト表を作成した。
【0114】
記述的統計学(N、平均、標準偏差、中央値、および範囲)をベースラインから最終測定までのバイタルサインにおける変化について表にした。
【0115】
被験体の素因
合計257人の被験体を研究登録のために選別した。選別された総数のうち、44人が選別不合格であり、213人を登録し、q6群に92人の被験体、q4群に91人の被験体、および対照群に28人の被験体をランダムに割り当てた。5日間の研究治療を完了した被験体は、q6群中に63人、q4群中に59人、対照群に26人含まれていた。
【0116】
q4h群およびq6h群中の被験体は、少なくとも1回のIVアセトアミノフェンの投与を受け、5日目の治療の完了前に研究への参加を中止した場合、研究治療中止/早期中止と見なされた。対照群の被験体は、T0後の任意の時点であるが、5日目の標準的治療完了前に中止した場合、研究治療中止/早期中止と見なされた。
【0117】
少なくとも1回のIVアセトアミノフェンの投与を受け、5日目の治療完了前に研究への参加を中止したが、最終治験来院に復帰した被験体は、「部分治療完了者」と見なした。同様に、5日目の標準的治療を完了する前に研究への参加を中止したが、最終治験来院に復帰した対照群中の被験体を「部分治療完了者」と見なした。
【0118】
5日目の治療(IVアセトアミノフェンもしくは標準的治療)および処置を完了した被験体を、「治療完了者」と位置づけた。最終治験来院前に研究への参加中止を決めた研究完了者を早期中止治療完了者と位置づけた。
【0119】
安全性転帰
治療群間には、深刻な有害事象、重度の有害事象、関連する有害事象、または全体的な治療中に発生した有害事象(TEAE)の頻度において臨床的に意義のある差が存在しなかった。実際、ほとんどのTEAEを、治験責任医師が重症度において軽度もしくは中程度と評価した。治療群において見られる肝臓酵素上昇の頻度は同程度であった。さらに具体的には、肝臓トランスアミナーゼアラニンアミノトランスフェラーゼおよびアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼに関して、上昇の頻度および重度は治療群間で同程度であった。臨床検査評価、バイタルサイン、または健康診断に関して治療群間では臨床的に意義のある差はなかった。したがって、これらのデータに基づくと、両活性治療群における静脈内アセトアミノフェン(すなわち、650mgおよび1000mg用量群)は耐用性が良好だった。
【0120】
有効性転帰
修飾ITT集団を有効性の全分析について使用した:4点分類評定尺度(0=不十分、l=可、2=良好、3=優秀)を用いて毎日の遡及(2日目〜5日目)および全体的な評価(全治療期間遡及)として提供された被験体全体的評価(研究治療の採点および研究治療に関連する副作用への満足感の採点)。因子として治療群を用いた一方向性ANOVAモデルを用いて、各治療対間の治療差を試験した:
・IVアセトアミノフェン1g(q6h)対IVアセトアミノフェン650mg(q4h)
・IVアセトアミノフェン1g(q6h)対標準的治療(対照)
・IVアセトアミノフェン650mg(q4h)対標準的治療(対照)
全エンドポイントを0.05有意性レベルで試験した(両側)。
【0121】
IVアセトアミノフェン650mgのq4h群は対照群に対して、5日目(平均評点2.4対2.0、p=0.0167)および退院前の5日目の最後(平均評点2.4対2.0、p=0.0129)の24時間遡及評価での研究治療に関連する副作用への満足度を採点する主観的包括的評価について、統計的に有意に良好な満足度をもたらした。4日目に、満足度は有意性(平均評点2.5対2.2、p=0.1162)の傾向を示した。研究治療への満足度を採点する主観的包括的評価に関連して、IVアセトアミノフェン650mgのq6h群と対照群との間には、評価点のいずれでも統計的に有意な差はなかった。研究治療への満足度または研究治療に関連する副作用への満足度のいずれかを採点する両主観的包括的評価について、2日目、3日目、4日目、5日目、または退院前の5日目の最後での毎日の24時間の遡及評価に関連して2つの活性治療群間には統計的に有意な差はなく、研究完了通院での全体的評価に関しても統計的に有意な差はなかった。
【0122】
IVアセトアミノフェン1gq6h群は対照群と比較して、5日目(平均評点2.4対2.0、p=0.0062)および退院前の5日目の最後(平均評点2.5対2.0、p=0.0073)の24時間遡及評価での研究治療に関連する副作用への満足度を採点する主観的包括的評価について、統計的に有意に良好な満足度をもたらした。4日目に、満足度は有意性(平均評点2.5対2.2、p=0.0744)に対する傾向を示した。研究治療への満足度を採点する主観的包括的評価に関して、どの評価点でもIVアセトアミノフェン1gのq6h群と対照群との間に統計的に有意な差はなかった。
【0123】
5日目および退院前の5日目の最後で毎日の24時間遡及評価の研究治療に関連する副作用への満足度を採点する主観的包括的評価において両活性治療群対対照群に関して統計的に有意な差は観察されなかった。したがって、これらのデータは、IVアセトアミノフェン1gのq6hおよび650mgのq4h群が有効であり、全体的満足度に基づいて匹敵する有効性をもたらしたことを示唆する。
【0124】
本発明の多くの修正、同等物、および変形が前記教唆を考慮すると可能であり、したがって、添付の請求項の範囲内に含まれると理解すべきであり、本発明は、具体的に記載された以外にも実施することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
約500mg〜約1000mgのアセトアミノフェンおよび少なくとも1つの酸化防止剤を含む医薬組成物であって、静脈内投与に適した処方として提供される、医薬組成物。
【請求項2】
前記少なくとも1つの酸化防止剤が、塩酸システイン一水和物、チオグリコール酸、チオール酢酸、ジチオトレイトール、還元グルタチオン、チオ尿素、アルファ−チオグリセロール、システイン、アセチルシステイン、またはメルカプトエタンスルホン酸、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、少なくとも1つのチオールを有する有機化合物、アルキルポリヒドロキシル化化合物、またはシクロアルキルポリヒドロキシル化化合物を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記少なくとも1つの酸化防止剤が、塩酸システイン一水和物を含む、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
溶液として提供される、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記溶液が、約30ml〜約200mlの容積を有する、請求項4に記載の医薬組成物。
【請求項6】
緩衝剤をさらに含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記緩衝剤が、無水リン酸二ナトリウムを含む、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記医薬組成物が溶液中の場合、約4〜約8のpHを有する、請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記医薬組成物が溶液中の場合、約5〜約6のpHを有する、請求項8記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記医薬組成物が溶液中の場合、約250mOsm/L〜約400mOsm/Lのオスモル濃度を有する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記アセトアミノフェンが約600〜約700mgの量で存在する、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記医薬組成物が等張剤をさらに含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記等張剤が、デキストロース、マンニトール、またはラクトースである、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記等張剤がマンニトールである、請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項15】
EDTAをさらに含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項16】
アセトアミノフェン以外の少なくとも1つの鎮痛剤をさらに含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項17】
アセトアミノフェン以外の前記少なくとも1つの鎮痛剤が、アニリド、オピオイド、NSAID、カンナビノイド、ピラザロン(pyrazalone)、またはバルビツール酸塩を含む、請求項16に記載の医薬組成物。
【請求項18】
アセトアミノフェン以外の前記少なくとも1つの鎮痛剤がオピオイドを含む、請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項19】
前記組成物が、ポリエチレングリコールまたはその誘導体を含まない、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項20】
前記組成物が亜硫酸塩を含まない、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項21】
それを必要とする被験体において疼痛もしくは熱を治療または予防する方法であって、約500mg〜約1000mgのアセトアミノフェンを含む医薬組成物を静脈内投与経路によって前記被験体に投与することを含む、方法。
【請求項22】
前記医薬組成物の投与を約3〜約8時間の間隔で少なくとも1回繰り返し、被験体が合計約3〜約5グラムのアセトアミノフェンを受ける、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記医薬組成物を24時間で少なくとも6回投与する、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記医薬組成物が少なくとも1つの酸化防止剤を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記少なくとも1つの酸化防止剤が、塩酸システイン一水和物、チオグリコール酸、チオール酢酸、ジチオトレイトール、還元グルタチオン、チオ尿素、α−チオグリセロール、システイン、アセチルシステイン、またはメルカプトエタンスルホン酸、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、少なくとも1つのチオールを有する有機化合物、アルキルポリヒドロキシル化化合物、またはシクロアルキルポリヒドロキシル化化合物を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記少なくとも1つの酸化防止剤が、塩酸システイン一水和物を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
緩衝剤をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項28】
前記緩衝剤が無水リン酸二ナトリウムを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
前記医薬組成物が約4〜約8のpHを有する請求項21に記載の方法。
【請求項30】
前記医薬組成物が約5〜約6のpHを有する、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記医薬組成物が約200mOsm/L〜約400mOsm/Lのオスモル濃度を有する、請求項21に記載の方法。
【請求項32】
前記アセトアミノフェンが前記溶液中に約600〜約700mgの量で存在する、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項33】
前記医薬組成物が等張剤をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項34】
前記等張剤が、デキストロース、マンニトール、またはラクトースである、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記等張剤がマンニトールである、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
EDTAをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項37】
前記医薬組成物がアセトアミノフェン以外の少なくとも1つの鎮痛剤をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項38】
アセトアミノフェン以外の前記少なくとも1つの鎮痛剤が、アニリド、オピオイド、NSAID、カンナビノイド、ピラザロン、またはバルビツール酸塩を含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
アセトアミノフェン以外の前記少なくとも1つの鎮痛剤がオピオイドを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記被験体が熱に苦しんでいる、請求項21に記載の方法。
【請求項41】
前記被験体が、無意識、鎮静状態、空腹であるか、吐き気を催しているか、または経口経路によって医薬組成物を投与できない、請求項21に記載の方法。
【請求項42】
前記医薬組成物を前記被験体に対する外科的介入後に投与する、請求項21に記載の方法。
【請求項43】
前記医薬組成物を前記被験体に対する外科的介入の3時間以内に投与する、請求項21に記載の方法。
【請求項44】
前記医薬組成物を前記被験体に対する外科的介入の1時間以内に投与する、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記医薬組成物を術後に投与する、請求項21に記載の方法。
【請求項46】
アセトアミノフェン以外の少なくとも1つの鎮痛剤を前記被験体に投与することをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項47】
アセトアミノフェン以外の前記少なくとも1つの鎮痛剤が、アニリド、オピオイド、NSAID、カンナビノイド、ピラザロン、またはバルビツール酸塩を含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記被験体が感染症に罹っている、請求項21に記載の方法。
【請求項49】
それを必要とする被験体において疼痛もしくは熱を軽減または予防する方法であって、静脈内投与経路によって;約600mg〜約700mgのアセトアミノフェン、塩酸システイン一水和物、無水リン酸二ナトリウム、およびマンニトールを含む溶液中の医薬組成物を前記被験体に投与することを含み、前記溶液が、約5〜約6のpH、および約200〜400mOsm/Lのオスモル濃度を有する、方法。
【請求項50】
前記医薬組成物が、約0.5%(w/v)〜約10%(w/v)のアセトアミノフェン濃度を有する、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記アセトアミノフェン濃度が約1%(w/v)である、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記医薬組成物がEDTAをさらに含む、請求項49に記載の方法。
【請求項53】
前記被験体が術後疼痛に苦しんでいる、請求項49に記載の方法。
【請求項54】
前記被験体が苦しんでいる疼痛の程度が軽減される、請求項21に記載の方法。
【請求項55】
前記医薬組成物を前治療として投与する、請求項21に記載の方法。

【公表番号】特表2011−503198(P2011−503198A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−534188(P2010−534188)
【出願日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際出願番号】PCT/US2008/083458
【国際公開番号】WO2009/064928
【国際公開日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【出願人】(510132451)ケイデンス ファーマシューティカルズ,インク. (1)
【Fターム(参考)】