説明

体液中の細菌の検出

【課題】体液中の細菌を検出するための方法を提供する。
【解決手段】細菌を含有している可能性のある体液を、血液細胞の呼吸を低下させるための界面活性剤及び細菌増殖促進因子を含む容器内に入れるステップと、ある期間にわたり容器内の体液中のグルコースレベルを測定及び/又は検出するステップとを含む方法及びこの方法を実施するためのシステム。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
[0001]血液は、従来、処理され、例えば複数の成分に分離され、輸血用製剤等の種々の有用な製剤を提供する。バフィーコートや血小板等の血液成分又は製剤は、処理の間にプールすることができ、例えば、4〜6単位の濃厚血小板は、輸血用製剤として投与する前にプールすることができる。更に、閉鎖系(例えば、成分を外部環境に曝さない)において処理された血液成分は、投与前に保存することができる。例えば、赤血球は数週間保存することができ、血小板は数日間(例えば、現在の米国の慣例によれば5日間)保存することができる。
浸入
【0002】
[0002]保存された成分及び/又は保存されていない成分は、細菌等、望ましくない物質を含有し得る。細菌は、採血(血液サンプリング等)及び/又は保存の際に血液又は血液成分を汚染することがある。細菌汚染源の1つに、1又は数種類の細菌を含有し得る供血者の皮膚を挙げることができる。静脈穿刺に先立つドナー皮膚への(例えば、アルコールの)塗布は、無菌性の保証には不十分となることがあるため、細菌は採血容器内に浸入する可能性があり、血液又は血液成分が保存されている間に細菌が繁殖する可能性がある。更に、瀉血針がドナーに挿入されると瀉血針は皮膚を円盤状に切り取り、この細菌含有皮膚プラグを血液と共に採血容器内に浸入させることがある。
【0003】
[0003]他の汚染源として、ドナーの血液、環境(空気及び環境中の機器を含む)並びに瀉血専門医が挙げられる。汚染は、血液単位が献血されている間及び/又は血液試料が採取されている間に生じ得る。
【0004】
[0004]一部の血液成分(例えば、血小板)は通常周囲温度にて保存されるため、多くの細菌種は周囲温度ではより急速に繁殖するために、汚染の問題は拡大する可能性がある。
【0005】
[0005]汚染された血液製剤、特に細菌汚染された血液製剤は、これらの製剤と接触した人又はそれを投与された人に潜在的な健康リスクを課す。例えば、細菌汚染された輸血用製剤の投与は、レシピエントに悪影響を与える可能性があり、顕著なレベルまで細菌汚染された血小板の投与は、米国における毎年の重度の疾病状態の多くの症例又は死亡に関与する。
【0006】
[0006]細菌を検出するための一部の既存の技法は、労働及び時間集約型であり、高価な機器を必要とすることがある。これらの技法のいくつかは、サンプリングを制限する、不正確な結果をもたらす、及び/又は特定の細菌種を検出できない可能性がある。更に、これらの技法は、環境から試料へと汚染を導入することがある。
【0007】
[0007]本発明は、先行技術の不利点の少なくとも一部の改良を提供する。本発明の上述及び他の利点は、後述の説明から明らかになるであろう。
【発明の概要】
【0008】
[0008]一実施形態において、血液及び血液製剤等、体液中の細菌を検出するための方法であって、細菌を含有している可能性のある体液を、血液細胞の呼吸を低下させるための界面活性剤及び細菌増殖促進因子と接触させるステップと、ある期間にわたり体液、界面活性剤及び細菌増殖促進因子を収容する容器におけるグルコースレベルを測定及び/又は検出するステップとを含む方法が提供される。
【0009】
[0009]本発明の別の一実施形態は、血液及び血液製剤等、体液中の細菌を検出するためのシステムであって、グルコース読み取り及び/又は測定装置と、体液の保持に適した容器であって、アクセスポートを備え、血液細胞の呼吸を低下させるための界面活性剤及び細菌増殖促進因子を収容する容器を備える体液サンプリング装置とを具備するシステムを提供する。
【0010】
[0010]血液細胞の呼吸(その代謝のための基質としてグルコースを利用する)は、界面活性剤の存在下で低下するため、また、細菌は、その代謝サイクルにおいてグルコースを利用するため(好気性細菌は解糖系においてグルコースを利用し、嫌気性細菌は発酵においてグルコースを利用する)、細菌が体液中に存在すれば、細菌増殖は増殖促進因子の存在下で促進され、グルコースレベルは経時的に減少する。このようにして、グルコースレベルの変化は、細菌検出の代替マーカーとして用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】体液の保持に適した容器であって、グルコースサンプリングポートを備え、血液細胞の呼吸を低下させるための界面活性剤及び細菌増殖促進因子を収容する容器を備える体液サンプリング装置と、グルコース読み取り及び/又はグルコース測定装置とを具備する、本発明に係る細菌検出システムの一実施形態を示す図である。
【図2】グルコース読み取り及び/又はグルコース測定装置と、複数の体液容器及び図1に示す体液サンプリング装置を備える体液処理システムとを具備する、本発明に係る細菌検出システムの別の一実施形態を示す図である。
【図3】グルコース読み取り及び/又はグルコース測定装置と、複数の体液容器、ベント、白血球除去フィルター、ベントポーチ及び図1に示す体液サンプリング装置を備える体液処理システムとを具備する、本発明に係る細菌検出システムの別の一実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0014]有利には、本発明は、好気性細菌の検出のみならず、その代謝に酸素を用いない偏性嫌気性細菌の検出及び通性嫌気性細菌の検出も可能にする。
【0013】
[0015]一実施形態において、体液中の細菌を検出するための方法であって、(a)細菌を含有している可能性のある体液を、(i)血液細胞の呼吸を低下させるための界面活性剤及び(ii)細菌増殖促進因子を含む容器内に入れるステップと、(b)ある期間にわたり該容器内の体液中のグルコースレベルを測定及び/又は検出するステップとを含み、該期間にわたるグルコースレベルの減少が細菌の存在を示す方法が提供される。
【0014】
[0016]本方法の実施形態は、容器内の第1のグルコースレベルを測定及び/又は検出するステップと、第1のレベルを測定及び/又は検出するステップの約4〜約15時間以内に、容器内の第2のグルコースレベルを測定及び/又は検出するステップとを含むか、ある期間にわたり容器内のPCにおけるグルコースレベルを連続的に測定及び/又は検出するステップを含む。
【0015】
[0017]一実施形態において、処理された体液は、対象から体液を最初に得てから約24時間以内に容器内に入れる。
【0016】
[0018]或いは、又は更に、本方法の一実施形態は、対象から体液を採取するステップと、体液を採取するステップから約24時間以内に、該体液の一部を容器内に送り、該容器内で該体液の一部が界面活性剤及び細菌増殖促進因子と接触するステップと、適切な期間の後、ある期間にわたり容器内のグルコースレベルを測定及び/又は検出するステップとを含む。具体例として、血液単位を採取、処理して、例えばPC等、1又は複数の成分に血液を分離することができる。血液採取の約24時間以内に、分離されたPCの一部は容器内に送られ、該容器内で該PCの一部は界面活性剤及び細菌増殖促進因子と接触し、適切な期間の後、ある期間にわたり容器内のグルコースレベルを測定及び/又は検出する。
【0017】
[0019]本方法の実施形態は、体液を容器内に入れる前に、界面活性剤及び細菌増殖促進因子を容器内に入れるステップを含むことができ、例えば、本方法は、グルコースサンプリングポートを備え、血液細胞の呼吸を低下させるための界面活性剤及び細菌増殖促進因子を収容するサンプリング装置容器内に体液を入れるステップを含むことができる。
【0018】
[0020]好ましい実施形態において、体液は、多血小板血漿若しくは濃厚血小板等の血小板含有体液、全血若しくは濃縮赤血球等の赤血球含有体液、臍帯血、幹細胞含有体液又は細胞培養液を含む。一部の実施形態において、体液は白血球除去体液を含む。
【0019】
[0021]別の一実施形態において、体液中の細菌を検出するためのシステムであって、(a)体液の収容に適した容器であって、アクセスポート(好ましくは、グルコースサンプリングポート)を備え、(i)血液細胞の呼吸を低下させるための有効量の界面活性剤及び(ii)有効量の細菌増殖促進因子を収容する容器を備える体液サンプリング装置を具備し、(b)ある期間にわたり体液中の第1のグルコースレベル及び体液中の第2のグルコースレベルを測定及び/又は検出するのに適した、グルコースサンプリング装置(例えば、試薬パッド及び/又は試験紙等)を更に備えるグルコース読み取り装置及び/又はグルコース測定装置を更に具備し、該期間にわたるグルコースレベルの減少が細菌の存在を示すシステムが提供される。
【0020】
[0022]通常、体液の収容に適した体液サンプリング装置容器は、可撓性容器である。
【0021】
[0023]細菌検出システムの好ましい一実施形態において、該システムは、複数の容器、例えば、体液を収容及び/又は採取するための第1の容器(例えば、「ソース容器」)並びに界面活性剤及び細菌増殖促進因子を収容する、体液の一部を収容するための少なくとも1つの第2の容器(例えば、システムの一部でもある体液サンプリング装置の一部として)を備える体液処理システムと、ある期間にわたり体液中のグルコースレベルを検出するグルコース読み取り及び/又は測定装置とを具備する。体液処理システムは、容器間の流体連通を可能にする複数の導管を通常備え、また、例えば、1又は複数の追加的な容器(例えば、添加物溶液のため及び/又は処理された体液成分を収容するための)及び/又はフィルター装置(例えば、白血球除去フィルター装置)及び/又はガス注入口及び/又はガス排出口等の1又は複数のベント等、追加的な要素を備えることができる。通常、体液処理システムは、締め具、トランスファーレッグクロージャー(transfer leg closure)、チェック弁及び/又は回転弁等、1又は複数の液体流量制御装置も備える。
【0022】
[0024]細菌検出システム及び/又は体液処理システムの実施形態は、取り外し可能な(又は着脱可能な)体液サンプリング装置を好ましくは備える。例えば、体液処理システムは、体液サンプリング装置を備えるよう作製することができ、或いは体液サンプリング装置は、既存の体液処理システム(血液バッグ一式等、任意の市販の体液処理システムを含む)に(例えば、無菌性を維持するための無菌ドッキングにより)取り付けることができる。第1の(ソース)容器と第2の容器(体液サンプリング装置容器)との間の流体連通を可能にする導管は、液体がそこを通過した後に切断(好ましくは、サンプリング装置及びソース容器の内容物の無菌性を維持するためヒートシールにより)することができ、細菌は、その後検出することができる。
【0023】
[0025]或いは、又は更に、細菌検出システム及び/又は体液処理システムは、プラスチックコード又はケーブル等、テザー、好ましくは可撓性テザーによって(例えば、第1の容器と)接続した体液サンプリング装置を備えることができる。具体例として、上述の導管は、切断し、密封することができ、個々のテザーは、例えば、細菌の分析が完了するまで、分析チャンバーとソース容器との結びつきを維持する。
【0024】
[0026]本発明により細菌を検出することができるため、本発明の実施形態は、様々な国の規制によって現在許可されている期間よりも長い期間保存できる血液成分の提供に適切となり得る。例えば、濃厚血小板(PC)は細菌に汚染され得るとの懸念から(少なくとも部分的に)、現在の米国の慣例は、閉鎖系において処理される場合、個々のPC単位及びプールされたPCが5日以内に利用されることを要求する。しかし、本発明の実施形態は、汚染されたPCの検出を可能にするため、プールされたPC及びプールされていないPCをモニターすることができ、汚染されていないと決定されれば、現在要求されている5日間の限度を超えて用いることができる。具体例として、閉鎖系において処理された個々のPC単位又はプールされたPCは、例えば、7日間の保存の後に輸注することができる。
【0025】
[0027]グラム陽性、グラム陰性、好気性及び嫌気性細菌を含む多種多様の細菌は、グルコースを利用するため、本発明の実施形態によれば、ある期間にわたる体液中のグルコースのレベル又は濃度の減少は細菌の存在を反映する。
【0026】
[0028]具体例として、実施形態は、次のうち1又は複数であってもよい細菌の存在の検出を提供する。スタフィロコッカス・エピデルミデス(Staphylococcus epidermidis)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、スタフィロコッカス・ルグドゥネンシス(Staphylococcus lugdunensis)、セラチア・マルセセンス(Serratia marcescens)、セラチア・リクファシエンス(Serratia liquefaciens)、エルシニア・エンテロコリチカ(Yersinia enterocolitica)、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumonia)、クレブシエラ・オキシトカ(Klebsiella oxytoca)、エシェリキア・コリ(Escherichia coli)、エンテロバクター・クロアカ(Enterobacter cloacae)、エンテロバクター・エロゲネス(Enterobacter aerogenes)、シュードモナス・エルギノーサ(Pseudomonas aeruginoisa)、ユーバクテリウム・リモサム(Eubacterium limosum)、サルモネラ・エンテリカ(Salmonella enterica)(以前はサルモネラ・コレレスイス(Salmonella choleraesuis))等のサルモネラ菌種、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)等のバチルス菌種、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)、プロピオニバクテリウム・アクネス(Propionibacterium acnes)、ストレプトコッカス・アガラクチア(Streptococcus agalactiae)(B群連鎖球菌又はGBSとしても知られている)、ストレプトコッカス・ボビス(Streptococcus bovis)(少なくとも一部の菌株は現在、ストレプトコッカス・ガロリティカス(Streptococcus gallolyticus)と呼ばれている)、ストレプトコッカス・インファンタリウス(Streptococcus infantarius)及びストレプトコッカス・ミティス(Streptococcus mitis)。
【0027】
[0029]本発明に係るシステム及び方法は、輸血部、血液センター及び/又は血液バンクのスタッフによる使用に特に適している。
【0028】
[0030]必要に応じて、本発明に従って細菌の存在が決定されると、公知の技法により更なる分析を行い、存在する細菌の特定の種を同定することができる。
【0029】
[0031]次に、本発明の各構成要素をより詳細に後述するが、同様の構成要素は同様の参照番号を有する。
【0030】
[0032]好ましくは、サンプリング装置の実施形態は、少なくとも2個のポートと、該ポートのうち少なくとも1個と流体連通した少なくとも1本の導管とを備える容器を具備する。
【0031】
[0033]図1は、本発明の一実施形態において用いるための体液サンプリング装置100を図解する。図解されているサンプリング装置は、アクセスポート10(例えば、「グルコースサンプリングポート」)及び該ポートの一端を密封する貫通可能な要素11(弾性のある隔壁等)を備える、体液の一部を収容するためのサンプリング装置容器50(例えば、「サンプリング容器」)であって、該貫通可能な要素が、密封を維持しつつ、例えば液体抜き取り装置(例えば注射器等。通常、除去装置は、注射器に取り付けられた針又はノズルを更に備える)又はグルコースプローブの挿入を可能にする穿刺可能部分12(好ましくは、該要素の中心又はその付近に配置される)を備える容器と、体液注入ポート20と、該ポートと流体連通した導管30とを具備する。一部の実施形態において、多孔質膜13、好ましくは、疎水性微多孔膜が、ポートの他の一端又はその付近に配置される。例えば、注射器に取り付けられた針又はノズルは、隔壁を穿刺した(膜13を貫通することなく)後、注射器のプランジャーが注射筒において部分的に引き抜かれ、真空を生じ、体液を容器から膜を通して筒内に引くことができる。通常、アクセスポート10は、容器50とは異なる材料で作られている。
【0032】
[0034]好ましくは、導管30は無菌でドッキングでき、これにより装置を例えば別の導管及び/又は容器と無菌ドッキングにより接続でき、これにより閉鎖系を提供することができる。一部の実施形態において、例えば、図1に示す通り、システムは、導管と流体連通した一方向(one−way)チェック弁等、流量制御装置35と、チェック弁と流体連通した少なくとも1個の追加的な導管36(好ましくは、無菌でドッキングできる導管)とを備える。サンプリング装置は界面活性剤及び細菌増殖促進因子を有し、図解されているサンプリング装置は、そのそれぞれが界面活性剤及び細菌増殖促進因子を含有する2個の錠剤5、5aを容器内に含む。好ましくは、図1に示す通り、装置は、例えば、プリント又はエッチングした印を付けるのに適した、或いは印を有するラベルを貼るのに適した領域も備える。
【0033】
[0035]必要に応じて、サンプリング装置は、例えばアクセスポートがそれを更に備えることにより、その後容器から液体を除去するために、注射器等、液体抜き取り装置のサンプリング装置への接続を可能にするルアー(luer)コネクタ(図示せず)を備えることができる。
【0034】
[0036]図1は、概略的なグルコース読み取り装置及び/又はグルコース測定装置500も示す。
【0035】
[0037]通常、また図2に図解されている通り、細菌検出システム1000は、複数の容器、例えば、体液を収容及び/又は採取するための第1の容器51と、第1の容器を通過した体液の一部を収容するための少なくとも1つの第2の容器50(システムの一部でもある図1に示す体液サンプリング装置100の一部として)とを備える体液処理システム300を具備し、第2の容器は界面活性剤及び細菌増殖促進因子を有し、グルコース読み取り装置及び/又はグルコース測定装置500は、ある期間にわたり体液中のグルコースレベルを検出及び/又は測定する。図解されている体液処理システムは、容器間の流体連通を可能にする複数の導管を備える。
【0036】
[0038]一部の実施形態において、細菌検出システムは、複数の容器及び白血球除去フィルターを備える体液処理システムを具備する。例えば、図3に図解されている実施形態において、細菌検出システム1000は、複数の容器及び白血球除去フィルター250を備える体液処理システム300を具備する。図解されている体液処理システム300は、例えば、プールした体液を収容するための第1の容器51(プール用マニホールド及び個々のPC単位の容器は図示せず)と、第1の容器を通過した体液の一部を収容するための少なくとも1つの第2の容器50(システムの一部でもある図1に示す体液サンプリング装置100の一部として)とを備え、第2の容器は界面活性剤及び細菌増殖促進因子を収容し、グルコース読み取り装置及び/又はグルコース測定装置500は、ある期間にわたる体液中のグルコースレベルを検出及び/又は測定する。図解されているシステムにおいて、体液は、第1の容器51を通過し、白血球除去フィルター250を通って、保存容器を備えることができる第3の容器53に送られる。図解されている体液処理システムは、容器間の流体連通を可能にする複数の導管を備える。
【0037】
[0039]図3に図解されている体液処理システム300は、本技術分野で公知の通りに用いるためのベント225(これはガス注入口及び/又はガス排出口を備えることができる)と、ベントポーチ275とを更に具備する。例えば、プールされたPCは第1の容器51に送られ、ベント225はベントに空気を通し、ベントと第1の容器との間の導管内のPCを容器に流れ込ませることができる。その後、容器51内の空気が導管及びベントを通過することができ、導管は密封される。システムがベントポーチ275を備える実施形態において、白血球除去体液が第3の容器53に送られた後、容器53内の空気はベントポーチに送られ、容器53に通じる導管は密封することができる。
【0038】
[0040]図3は、第1の容器51と流体連通した第2の容器50(体液サンプリング装置100の一部として)(白血球除去前のサンプリングを可能にする)を図解するが、別の一実施形態(図示せず)において、第2の容器50(体液サンプリング装置100の一部として)は、第3の容器53と流体連通する(例えば、白血球除去後のサンプリングを可能にする)。
【0039】
[0041]界面活性剤及び/又は細菌増殖促進因子は、乾燥状態(例えば、粉末又は錠剤)であっても、液状であってもよい。いずれの形状であっても、更に別の成分、原料及び/又は添加物が含まれ得る。必要に応じて、例えば、界面活性剤及び/又は細菌増殖促進因子が乾燥状態、例えば錠剤型の場合、更に別の成分、原料及び/又は添加物、例えば、次のうち1又は複数等、不活性物質が含まれ得る。例えば、容積を与えるため及び/又は結合を容易にするためのマルトース、マンニトール及び塩化カルシウム等の塩。
【0040】
[0042]本発明に係る界面活性剤は、血液細胞(血小板、赤血球及び白血球)の呼吸を大幅に低下させるが、細菌の呼吸における効果は殆ど又は全くない。好ましい界面活性剤は、ポリアネトールスルホン酸ナトリウム(sulfonic polyanethol sodium)(SPS)である。
【0041】
[0043]様々な細菌増殖促進因子が、本発明における使用に適している。好ましい促進因子の1つに、トリプチケースソイ(trypticase soy)ブロス(TPB)が挙げられる。他の適切な増殖促進因子は、溶原性ブロス(LBブロス)、マンニトールブロス、M9最少培地(これは、例えば、次の、グルコース、カルシウム及びマグネシウムのうち1又は複数を補給することができる)又は補給されたブロスを含む他のブロス等、ブロスを含むが、これらに限定されるものではない。
【0042】
[0044]グルコースレベルは、液体において検出される。例えば、小容量の体液を、サンプリング装置容器から取り出し(注射器を通常備える液体抜き取り装置を用いて、アクセス(グルコースサンプリング)ポートを経由する)、グルコース読み取り装置及び/又はグルコース測定装置に挿入された試薬パッド又は試験紙の上に通常入れてもよく、この操作は適切な期間の後に少なくとも1回繰り返される。
或いは、例えば、体液で少なくとも部分的に満たされたサンプリング装置容器内にプローブが入れられ、プローブが該液体中に入れられ、プローブ読み取りが行われ、プローブが取り出され、適切な期間の後にプローブ(同一又は異なるプローブ)が挿入され、再度プローブ読み取りが行われてもよい。或いは、プローブは容器内に残しておくことができ、複数及び/又は連続的読み取りを可能にする。ある期間にわたるグルコースレベルの減少は、細菌が存在することを示す。
【0043】
[0045]様々な機器、装置及び/又はプロトコルが、体液中のグルコースのレベル又は濃度の検出に適している。例示的な適切な装置500(グルコース読み取り装置及びグルコース測定装置等)は、本技術分野で公知のものであり、例えば、LifeScan、Inc.(カリフォルニア州ミルピタス、例えば、グルコメーターシュアステップフレックスメーター(Glucometer SureStep Flexx Meters)、ワンタッチ(OneTouch)(登録商標)血糖測定器)、Roche Diagnostics Corp.(インディアナ州インディアナポリス、例えば、ACCU-CHEK(登録商標)測定器)、Abbott Laboratories(イリノイ州アボットパーク、例えば、オプティマムオメガ(Optimum Omega)(商標))、Nipro Diagnostics、Inc.(フロリダ州フォートローダーデール、例えば、トゥルートラック(TrueTrack)(登録商標)製品)及びBayer(ニューヨーク州タリタウン、例えば、1265ラピッドラボ(Rapidlab)(登録商標)血液ガス分析装置)から入手できる市販の装置を含む。
【0044】
[0046]グルコース読み取り装置及びグルコース測定装置は、例えば、「合格(pass)」及び「不合格(fail)」結果を表示するよう設定することができ、例えば、あるグルコース閾値が設定された場合、該閾値を下回る値が検出されれば、その体液単位は「不合格」であり、該閾値を下回る値が検出されなければ、その体液単位は「合格」である。或いは、又は更に、グルコース読み取り装置及びグルコース測定装置は、細菌汚染又は非汚染と相関するグルコースレベルを測定するよう設定することができる。
【0045】
[0047]1又は複数のプローブ、センサ又は液体抜き取り装置を利用、例えば、体液のための容器の内部又はその上に入れることができる。一部の実施形態において、構成要素、例えば、液体抜き取り装置、プローブ及び/又はセンサは内蔵型であり、一回限りの使用に適している。本発明に係るシステムの実施形態は、例えば、体液が容器に入る前に予め組み立て及び/又は予め取り付けられたこれらの品目を備えることができる。或いは、又は更に、これら品目のうち1又は複数は、体液が容器に入る間又はその後に組み立て、取り付け及び/又は用いることができる。
【0046】
[0048]本発明の実施形態は様々な適用に適しており、体液は、多くのソース、好ましくは哺乳類に由来することができる。体液は、ヒト(例えば、血液単位若しくはフェレーシス製剤を提供するドナー)又は動物等、対象に由来することができる。一部の実施形態において、例えば、体液が輸血用製剤として投与される、或いは体液が臍帯血である又は幹細胞を含む一部の実施形態において、方法は、好ましくは閉鎖系を維持しつつ実施される。
【0047】
[0049]本方法の実施形態は、任意の適切な期間及び任意の適切な温度にて実施することができる。例えば、体液は、対象から採取され(必要に応じて、処理して体液を1又は複数の成分に分離する)、体液が界面活性剤及び細菌増殖促進因子と接触して液体中の第1のグルコースレベルが測定及び/又は検出される前に、具体例として室温にて採取から最長で約24時間の期間維持することができる。通常、体液(例えば、血液)が採取され、処理されて分離された成分を生じ、例えば、分離された成分の1つがPC単位である場合、PC単位(又はプールされたPC)が第1の容器内に維持され、PCの一部が第1の容器から第2の容器へと送られ、該容器内でPCの一部は界面活性剤及び細菌増殖促進因子と接触し、好ましくは、第2の容器は、体液が第2の容器に送られる前に界面活性剤及び細菌増殖促進因子を収容する。ある適切な期間の後、例えば、少なくとも約4時間後(例えば、採血の約24時間以内にPC等、体液が界面活性剤及び細菌増殖促進因子と接触し、該適切な期間はその更に4時間である)、第2のグルコースレベルが測定及び/又は検出される。好ましくは、体液が血小板含有体液(例えば、プールされた又は単一のPC単位)である実施形態において、界面活性剤及び細菌増殖促進因子と接触させた血小板含有体液が該適切な期間、室温より高い温度にて維持、例えば、約35℃の温度にて維持される。
【0048】
[0050]体液中のグルコースのレベル又は濃度は、任意の適切な期間にわたり測定及び/又は検出することができる。通常、期間は、第1のレベルの測定及び/又は検出と第2のレベルの測定及び/又は検出との間が約4〜約15時間、より好ましくは、約5〜約13時間の範囲である。
【0049】
[0051]好ましくは、サンプリング装置がソース容器から取り外される、例えば、ソース容器がサンプリング容器と流体連通しない実施形態の一部において、ソース容器は、サンプリング装置とは異なる仕方で処理することができる。例えば、ソース容器とサンプリング装置との間に配置された導管が密封され切断された後、サンプリング装置は、急速な微生物増殖に更に利する条件(例えば、周囲温度より高温、例えば、約35〜約37℃の温度で保存する)にて処理することができ、ソース容器は、より常法に従って処理(例えば、約22℃の周囲温度で保存)することができる。
【0050】
[0052]次の定義は、本発明において用いられる。
【0051】
[0053]体液。体液は、生物に関連する任意の処理された又は処理されていない液体、特に、全血、温かい又は冷たい血液、臍帯血及び保存された又は新鮮な血液;生理食塩水、栄養素、添加物及び/又は抗凝血剤溶液を含むがこれらに限定されない少なくとも1種類の生理溶液で希釈された血液等、処理された血液;濃厚血小板(PC)、多血小板血漿(PRP)、乏血小板血漿(PPP)、血小板不含血漿、血漿、新鮮凍結血漿(FFP)、血漿から得られる成分、濃縮赤血球(PRC)、移行帯物質又はバフィーコート(BC)等、血液成分;血液又は血液成分に由来する、或いは骨髄に由来する血液製剤;幹細胞;血漿から分離され、生理溶液又は凍結保護液に再懸濁された赤血球;並びに血漿から分離され、生理溶液又は凍結保護液に再懸濁された血小板等、血液を含む。体液は、細胞培養液、及び骨髄穿刺液を含む生理溶液も含む。体液は、本発明に従って処理される前に、白血球の一部を除去するよう処理され得る。本明細書において、血液製剤又は体液は、上述の成分を意味し、また、他の手段によって得られ、同様の性質を有する同様の血液製剤又は体液を意味する。
【0052】
[0054]「単位」とは、ドナーから得られた、或いは全血1単位に由来する体液の量である。単位は、1回の献血の間に採血された量も意味し得る。通常、単位の容量は変動し、量は患者毎、献血毎に異なる。一部の血液成分、特に血小板及びバフィーコートの複数単位は、通常、4以上の単位を組み合わせることによってプール又は組み合わせることができる。
【0053】
[0055]本明細書において、用語「閉鎖」は、システムの無菌統合性を損なう必要のない、体液、例えば、ドナー血液、血液試料及び/又は血液成分の採取及び処理(並びに必要に応じて、操作、例えば一部の分離、成分への分離、濾過、保存及び貯蔵)を可能にするシステムを意味する。閉鎖系は、「無菌ドッキング」装置として公知のものを用いた、システム構成要素の接続から本来作製された又はそれによりもたらされたものとなることができる。例示的な無菌ドッキング装置は、例えば、米国特許第4,507,119号、第4,737,214号及び第4,913,756号に開示されている。
【0054】
[0056]必要に応じて、本発明の実施形態は、自動追跡及び/又は自動検出プロトコル及び機器を備えることができる。例えば、1又は複数の容器及びサンプリング装置は、次のうち1又は複数等、情報を有する印(例えば、バーコードラベル)を備えることができる。体液のソース(複数可)、血液型、利用されている添加物(複数可)、特定のグルコースレベルが達成されたかについての表示、インキュベーション温度。この情報は追跡し、測定又は検出結果と組み合わせ、適切ないずれかの形式において表示することができる、例えば、サンプリング装置、ソース容器及び保存容器のうち少なくとも1種において、及び/又はプリントアウトとして示す(必要に応じて機械可読型で)ことができる。この情報は、例えば、ローカル接続又はインターネット版により、利用者又は利用者の施設の電子記録/データベースに付け加えることができる。
【0055】
[0057]体液サンプリング容器は、血液バッグ(例えば、採取バッグ及び/又はサテライト(satellite)バッグ)の作製に従来用いられてきた材料等の材料で通常作製された可撓性容器を好ましくは備える。本発明に係る体液処理システムの一実施形態は、複数の導管及び容器、好ましくは血液バッグ(例えば、採取バッグ、サテライトバッグ及び/又は保存バッグ)等の可撓性容器、並びにベント(空気又はガス)ポーチ又はバッグを通常備える。一実施形態において,本発明に係るシステムは、閉鎖系を含む。多種多様の適切な容器及び導管は、本技術分野で公知のものである。例えば、採血及びサテライトバッグ並びに導管は、可塑化ポリ塩化ビニルで作製することができる。バッグ及び/又は導管は、例えば、エチレンアクリル酸ブチル共重合体(ethylene butyl acrylate copolymer)(EBAC)樹脂、エチレンアクリル酸メチル共重合体(ethylene methyl acrylate copolymer)(EMAC)樹脂、可塑化超高分子量PVC樹脂及びエチレン酢酸ビニル(EVA)で作製することもできる。バッグ及び/又は導管は、例えば、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリエステル及びポリカーボネートで構成することもできる。
【0056】
[0058]適切なアクセスポート、貫通可能な隔壁、流量制御装置(締め具、トランスファーレッグクロージャー、チェック弁及び回転弁等)並びにプール用マニホールドもまた、本技術分野で公知のものであり、市販されている。
【0057】
[0059]白血球除去フィルターを備える実施形態において、様々な白血球除去フィルターは、例えば、米国特許第4,880,548号、第4,925,572号、第5,152,905号及び第6,074,869号に記載されている通り、本発明における使用に適している。ガス注入口及び/又はガス排出口(例えば、筐体と、該筐体内に配置された多孔質膜を備える少なくとも1個のベント要素とを具備する)等、ベントを備える実施形態において、様々な材料が、ベント要素としての使用に適している。親水性微多孔膜及び疎水性多孔質膜並びにベント等、適切な要素は、例えば、米国特許第5,126,054号及び第5,451,321号に開示されている。好ましくは、閉鎖系において用いる場合、ガス注入口及び/又はガス排出口は、そこから細菌が浸入するのを防ぐ、例えば、ガス注入口及びガス排出口は、細菌を遮断する孔定格を有するベント要素を備える。
【0058】
[0060]次の実施例は、本発明を更に説明するが、当然ながら、決して本発明の範囲を限定するものとして理解するべきではない。
【実施例1】
【0059】
[0061]本実施例は、好気性及び嫌気性細菌の存在の検出にグルコース測定を用いることができることを証明する。
【0060】
[0062]図1に概略的に示すサンプリング装置100が得られる。約10mLの容量を収容するサンプリング装置容器50は、各錠剤が1.75mgのSPS、TSB、塩化カルシウム及び製造処理剤を含有する2個の錠剤を収容する。可撓性チューブ30及び36は、それぞれ約2インチの長さである。
【0061】
[0063]抗凝血剤を含む採取セット内に全血を採取し、処理(濾過等)して、個々の容器内に白血球除去した濃厚血小板(PC)単位を得る。24時間後、PC単位に、1〜10CFU/mL又は100〜250CFU/MLの標的接種材料で次の細菌を接種する。
【表1】

【0062】
[0064]PCの容器をサンプリング装置へと無菌ドッキングした後、嫌気性細菌にはガス非透過性容器を、好気性細菌にはガス透過性容器を用い、接種された単位のそれぞれおよそ5〜6mLを図1に概略的に示すサンプリング装置内に入れ、試料を採取してパーセント酸素及びグルコースレベルを測定する。それぞれのサンプリング装置を、嫌気及び好気条件下35℃で18及び24時間、撹拌しつつインキュベートし、試料を採取して18及び24時間目にパーセント酸素及びグルコースレベルを測定する。メーカーの説明書に従って操作したBayerの1265ラピッドラボ(登録商標)血液ガス分析装置(ニューヨーク州タリタウン)によりグルコースレベルを測定する。
【0063】
[0065]更に、接種2時間後に試料を採取し、パーセント酸素及びグルコースレベルを測定する。
【0064】
[0066]対照として非接種PC単位を用いる。
【0065】
[0067]接種された単位のサンプリング時間0時間及び2時間におけるグルコースレベルは、約12〜28mmol/Lの範囲であり、サンプリング時間18時間及び24時間におけるグルコースレベルは約0〜約3mmol/Lである。
【0066】
[0068]対照のサンプリング時間0時間及び2時間におけるグルコースレベルは、約12〜28mmol/Lの範囲であり、グルコースレベルは、サンプリング時間18時間及び24時間においてほぼこの範囲のままである。
【0067】
[0069]本実施例は、接種された単位においてグルコースレベルが経時的に減少することを証明し、この結果は好気性及び嫌気性細菌の増殖を反映する。
【実施例2】
【0068】
[0070]本実施例は、6〜24時間の様々な試料装置インキュベーション時間にわたって好気性及び嫌気性細菌の存在の検出にグルコース測定を用いることができることを証明する。
【0069】
[0071]抗凝血剤を含む採取セット内に全血を採取し、処理(濾過等)して、個々の容器内に白血球除去した濃厚血小板(PC)単位を得る。24時間後、PC単位に、1〜10CFU/mLの標的接種材料で次の細菌を接種する。
【表2】

【0070】
[0072]更に24時間後、PCの容器をサンプリング装置と無菌ドッキングする。
【0071】
[0073]無菌ドッキングの後、接種された単位それぞれのおよそ5〜6mLを、嫌気性細菌にはガス非透過性容器を、好気性細菌にはガス透過性容器を用いて、図1に概略的に示すサンプリング装置内(各錠剤がSPS、TSB、塩化カルシウム及び製造処理剤を含有する2個の錠剤を有する)に入れ、試料を採取してパーセント酸素及びグルコースレベルを測定する。それぞれのサンプリング装置を嫌気及び好気条件下35℃で6、9、12及び24時間、撹拌しつつインキュベートし、試料を採取して6、9、12及び24時間目にpH、パーセント酸素及びグルコースレベルを測定する。メーカーの説明書に従って操作したBayerの1265ラピッドラボ(登録商標)血液ガス分析装置(ニューヨーク州タリタウン)によりグルコースレベルを測定する。
【0072】
[0074]対照として非接種PC単位を用いる。
【0073】
[0075]PC(接種及び対照)のグルコースレベルは、サンプリング装置内に入れた時点では、約26mmol/Lである。サンプリング時間6時間、9時間及び12時間におけるサンプリング装置内の接種された単位のグルコースレベルは、それぞれ約13mmol/L、4.5mmol/L及び4.2mmol/Lであり、これらのサンプリング時間における対照のグルコースレベルは、約26mmol/Lのままである。
【0074】
[0076]本実施例は、グルコースレベルが、サンプリング装置における6、9及び12時間のインキュベーションにおいて測定可能に減少することを証明し、この結果は、好気性及び嫌気性細菌の増殖を反映する。
【0075】
[0077]本明細書に引用されている刊行物、特許出願及び特許を含むあらゆる参考文献は、あたかも各参考文献が、参照によりここに援用されていると個々に且つ特に示され、その全体が本明細書に記載されているのと同じ程度まで、これによって参照によりここに援用する。
【0076】
[0078]本明細書において他に断りがなければ、或いは文脈と明らかに矛盾することがなければ、本発明を説明する文脈における(特に次の特許請求の範囲の文脈における)「1つの(a)」及び「1つの(an)」及び「その(the)」の用語並びに同様の言及対象の使用は、単数形と複数形の両方を包含するものと理解するべきである。用語「を含む」、「を有する」、「を備える」及び「を具備する」は、他に記述がなければオープンエンドな用語(即ち、「を含むが、これらに限定されるものではない」を意味する)として理解するべきである。本明細書における数値範囲の記述は、本明細書において他に断りがなければ、該範囲内にある個々の数値のそれぞれについて個々に言及する簡便な方法となることを単に企図しており、個々の数値のそれぞれが、あたかもそのそれぞれが本明細書に記述されているかの如く本明細書に組み込まれる。本明細書に記載されているあらゆる方法は、本明細書において他に断りがなければ、或いは他に文脈と明らかに矛盾することがなければ、任意の適切な順序で実施することができる。本明細書におけるあらゆる実施例又は例示目的の用語(例えば、「等」)の使用は、単に本発明をより明解にすることを企図しており、他に請求されてなければ本発明の範囲に制約を課すものではない。本明細書におけるいかなる用語も、請求されていない要素のいずれも本発明の実施に必要不可欠であると示すものと理解するべきではない。
【0077】
[0079]本発明者らに知られた本発明を実施するための最良の形態を含む本発明の好ましい実施形態が、本明細書に記載されている。これらの好ましい実施形態の変形は、当業者であれば、先述の記載を読むことにより明らかになるであろう。本発明者らは、当業者が必要に応じてこのような変形を用いることを予想し、本発明者らは、本明細書に特に記載されている以外の仕方で本発明が実施されることを企図する。従って、本発明は、適用法に認められる、本明細書に添付されている特許請求の範囲に記述されている対象物のあらゆる修正及び均等物を含む。更に、本明細書において他に断りがなければ、或いは他に文脈と明らかに矛盾することがなければ、そのあらゆる可能な変形における上述の要素のいかなる組み合わせも本発明に包含される。
【符号の説明】
【0078】
5,5a…錠剤、10…アクセスポート、11…貫通可能な要素、12…穿刺可能部分、13…多孔質膜、20…体液注入ポート、30…導管、35…流量制御装置、36…導管、50,51,53…容器、100…体液サンプリング装置、225…ベント、250…白血球除去フィルター、275…ベントポーチ、300…体液処理システム、500…グルコース測定装置、1000…細菌検出システム


【特許請求の範囲】
【請求項1】
体液中の細菌を検出するための方法であって、
(a)細菌を含有している可能性のある体液を、(i)血液細胞の呼吸を低下させるための界面活性剤と、(ii)細菌増殖促進因子とを含む容器内に入れるステップと、
(b)ある期間にわたり前記容器内の体液中のグルコースレベルを測定及び/又は検出するステップであり、前記期間にわたるグルコースレベルの減少が細菌の存在を示すこととなる、ステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記体液が血小板含有体液を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記体液が幹細胞含有体液を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記体液が細胞培養液を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記容器内の第1のグルコースレベルを測定及び/又は検出するステップと、
前記第1のグルコースレベルを測定及び/又は検出する前記ステップの約4〜約15時間以内に、前記容器内の第2のグルコースレベルを測定及び/又は検出するステップと
を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
対象から体液を得るステップと、
前記対象から体液を得る前記ステップの約24時間以内に、前記体液の一部を容器内に送り、該容器内で体液の前記一部が界面活性剤及び細菌増殖促進因子と接触するステップと
を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
体液が白血球除去体液を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
体液中の細菌を検出するためのシステムであって、
(a)体液の収容に適した容器であり、グルコースアクセスポートを備え、(i)血液細胞の呼吸を低下させるための有効量の界面活性剤と(ii)有効量の細菌増殖促進因子とを収容する容器を備える体液サンプリング装置と、
(b)ある期間にわたり体液中の第1のグルコースレベル及び体液中の第2のグルコースレベルを測定又は検出するのに適したグルコース測定装置及び/又はグルコース読み取り装置であり、前記期間にわたるグルコースレベルの減少が細菌の存在を示すこととなる、グルコース測定装置及び/又はグルコース読み取り装置と
を具備するシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−223561(P2012−223561A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−69848(P2012−69848)
【出願日】平成24年3月26日(2012.3.26)
【出願人】(596064112)ポール・コーポレーション (70)
【氏名又は名称原語表記】Pall Corporation
【Fターム(参考)】