説明

体液分析装置

【課題】血糖の検査のための改善された装置を提供する。
【解決手段】本発明は体液とりわけ血糖の検査のための装置に関するものであり、搬送テープ(14)および体液における検体の検出のための複数の検査領域(16)からなる検査テープ(12)からなり、検査テープ(12)の搬送のための封止(24)を有する検査テープ(12)のための容器(18)からなり、検査領域(16)は、テープが通過するときに封止端(30)に対して延びている先端(32)を有する。円滑なテープの搬送のために、先端(32)または(および)封止端(30)は少なくとも部分的に、テープの長手方向に直角な方向に角度をなしていたり、曲げられているということが提案される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体液を分析するとりわけ血糖の検査のための装置に関するものであり、さらに詳しくは、搬送テープと、該搬送テープに沿っており、該テープ上に分布する体液における検体の検出に対する複数の検査領域からなる検査テープからなり、前記検査テープの搬送路のための封止を有する検査テープのための容器からなり、該テープが通過するときに、検査領域が、封止端に対して延びている先端を有する。
【0002】
そのような検査テープは、消費可能なカセットとして用いられ、さらに詳しくは、簡素でかつ迅速な方法で要求された分析過程を実行するために、素人によって用いられうる自動化された、携帯用装置における血糖を測定するために用いられる。適した検査成分を提供された複数の検査領域は、従来の個々の検査サンプルの代わりに創傷のある検査テープ上で連続的に設けられる。該体液は、たとえば光学的な分析手法によって検査を実行することができるように、該テープを前に出すことによって活動的な位置に動かされる検査領域に適用される。この方法において、無数の検査を別々に分離して取り扱う必要がなく、また、使い捨ての検査サンプルを廃棄する必要なく無数の検査を実行することが可能である。
【背景技術】
【0003】
出願人からの国際公開2004/第056269号パンフレットにおいて、種々の封止の着想が、環境的な影響を損ねないような容器における該検査テープの未使用部分を保護することが記述されている。また、同時に、種々の封止概念が、該検査領域の継続的な供給に対してテープの輸送を許容することを記述されている。封止は、封止端で開封されており、該封止端は該検査領域の前方端に平行に延びている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上のことから、本発明の目的は、先行技術において発生する不利な点を回避し、駆動のための要求に関して該テープの搬送がより最適化されるように、一般的な装置を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1において述べられた特徴の組み合わせは、この目的を達成するために提案されている。本発明の有利な実施の形態およびさらなる発展は、従属項から得られる。
【0006】
本発明の背景としての考えは、検査領域の形態を適用することであり、該テープ搬送が容易になるように、互いに封止することである。それゆえ、本発明によれば、テープ搬送方向に面する検査領域の先端、または/および検査領域のための効果的な封止端が該搬送テープの長手方向に対して直角の方向に角度が付けられたり、曲げられているということが提案される。結果として、0とは異なる角度を該先端および該封止端が含み、それぞれの該検査領域が封止を通過するときに、ピークの力を低減させたり、平らにしたりする大きな幅にわたる突端の接触を回避する。
【0007】
テープ幅にわたって徐々に力が増加するので、該検査領域が、該封止端に向かって面する先端によって明確に区分された端を有するときに有利である。
【0008】
該検査領域の該先端は、該検査領域の幅にわたって90°とは異なる角度で該テープの長手方向に対角線上に延びている。該検査テープと相互作用する該封止端が、該テープ幅にわたる該テープの長手方向に対して対角であるとき、対応する利点が達成される。
【0009】
ピークの力の発生を回避するために、該封止端および該先端は、少なくとも5°を囲むべきである。
【0010】
他の改良として、円滑なテープの進入のために、該封止の輪郭が描かれることを供給し、かつ、該検査テープの直角方向において丸くなっていることが好ましい。
【0011】
本発明によると、該封止の着想は、特にカセットによって形成される容器に用いられることが好ましく、封止は、該検査テープカセットの貯蔵室の出口を封止する。
【0012】
良好な封止作用のために、封止が、該検査領域を運ぶ該搬送テープの幅広い側面に対して、該封止が押圧され得る柔軟な封止領域を封止が有しているとき、有利になる。
【0013】
製造のために、該検査領域が、予め作製された平担な必須の材料成分として、該検査テープに適用され、かつ、該検査領域が、該検査テープ上に好んで塗布されるとき、有利になる。
【0014】
本発明の一側面は、該検査領域の先端が、該封止を通じて搬送の間部分的に封止端を通過するということである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明は、図において図式的に示されている実施の形態によって以下により詳細に説明される。図1に示される検査テープカセット10は、搬送テープ14と、血液サンプルにおける血糖の検出のためのテープの長手方向において他と離間した搬送テープに適用される複数の検査領域16からなる検査テープ12を含む。カセット10は、容器または、便宜上テープコイルの形態をとり、使用済み検査テープのための貯蔵空間20と使用済み検査テープのための引き出すスプール(spool)22を有している保持するハウジング18を有している。サンプルの液体または血液が、たわんだ先端部26で未使用の検査領域16に適用されるために、封止スリットが該検査テープ12を通過することを促す一方、その反面、封止24は、固定的に、図示されていないカバーに対して外側から貯蔵空間20を封止する。
【0016】
検査領域16は、予め作製され、ラベル状であり、適当な大きさに切断された、搬送テープ14上に塗布されていて、その結果搬送テープ上に持ち上げられている。前記検査領域16は、したがって、テープの引っ張り方向(矢印28)における封止24の封止端30に対して延びている先端32を有する。図1に示される例において、入り口側上の封止端30は、斜めにかつ急峻な角度をなして延びていて、したがって、テープが円滑に通過されることを可能にするのに対し、検査領域16の先端32は、テープの長手方向に対して直角に搬送テープ14の幅にわたって延びている。この目的のために、封止端30および先端32によって囲まれる角度は、少なくとも5°であるべきである。
【0017】
封止端30は、便宜上円滑なテープの進入のために付加的に輪郭を描かれていて、かつ、さらに詳しくは、テープの幅の広い側から離れた上面に向かって丸くなっている。効果的な封止端は、この場合において、搬送テープ14または検査領域構体16に係合する封止線によって定義される。接触のないスリット状の封止とは違って、封止24は、搬送テープ14に対して押印されうる表面の封止を引っ張るために柔軟な封止領域34を有している。
【0018】
図2に示される実施の形態において、テープが封止24を通過するときに、ピークの力の発生は、搬送テープ14上の斜めの角度で検査領域16の位置を定めることによって回避される。先端32は、したがって、90°とは異なる角度でテープの長手方向の端に対して対角に延びている。この方法において、検査領域16は、テープの長手方向に対して直角に延びている封止端30に向かって面している先端36を有していて、該先端はまず封止端30を通過し、テープの駆動力のみが、搬送に対する抵抗を克服するために漸次的でなければならない。
【0019】
図3による実施の形態において、封止24の封止端30は、テープ方向に対して長手方向に曲がった手法で延びているが、図1における矩形の検査領域16は、搬送テープ14に適用される。この手段は、封止領域34に持ち上げられた検査領域16の円滑な進入を保証する。
【0020】
本発明によれば、ピークの力は、検査領域16または封止24を斜めの位置に定めることによって回避されるが、図4は、封止端30および先端32は、互いに平行である先行技術による配列によるテープの搬送に対する力の図表を示している。この場合において、検査領域が、平滑でないテープの動作を全面的に導き、強度なテープの駆動を要求する封止を通過するときに力38の突然の増加が発生する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】一部破断斜視図において封止されたテープの搬送路を有する血糖検査のための検査テープカセットを示す、一部破断斜視開口図である。
【図2】部分的な平面図における斜めに位置された検査領域を有する検査テープを示している。
【図3】図2に対応する視点における別の実施の形態である。
【図4】先行技術による従来の封止を通じて通過される該テープに対する力の図表である。
【符号の説明】
【0022】
10 カセット
12 検査テープ
14 搬送テープ
16 検査領域
18 容器
20 貯蔵空間(貯蔵室)
24 封止
30 封止端
32 先端
34 封止領域
36 先端

【特許請求の範囲】
【請求項1】
体液を分析し、とりわけ、血糖を検査するための装置であって、当該装置の搬送テープ(14)と、搬送テープ(14)に沿って、かつテープ上に分布している体液中の検体の検出のための複数の検査領域(16)とからなる検査テープ(12)を備え、
前記検査テープ(12)の搬送用の封止(24)を有する検査テープ(12)用の容器(18)を備え、前記検査領域(16)が、テープが通過したときに封止端(30)に対して延びている先端(32)を有し、先端(32)または/および封止端(30)が少なくともテープの長手方向に対して直角な方向に対応して部分的に角度をなしていたり、曲げられているということを特徴としている装置。
【請求項2】
前記検査領域(16)が、封止端(30)に向かって面している先端(32)によって明確にされている先端(36)を有するということを特徴としている請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記検査領域(16)の該先端(32)が、検査領域(16)にわたって90°とは異なる角度で該テープの長手方向に対角であるということを特徴としている請求項1または2記載の装置。
【請求項4】
前記検査テープ(12)と相互作用している封止端(30)が、テープ幅にわたってテープの長手方向に対角に延びているということを特徴としている請求項1または2記載の装置。
【請求項5】
前記封止端(30)および先端(32)は少なくとも5°の角度を含むということを特徴としている請求項1〜4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記封止(30)が、円滑なテープの進入のために輪郭を描いていて、検査テープ(12)の直角方向において丸くなっていることが好ましいということを特徴としている請求項1〜5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記封止(24)が、出口領域において検査テープ(12)のためにカセット(10)の貯蔵室(20)を封止し、カセット(10)によって容器(18)が形成されているということを特徴としている請求項1〜6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記封止(24)が、検査領域(16)を搬送する搬送テープ(14)の幅の広い側に対して押圧されうる可変性の封止領域(34)を有するということを特徴としている請求項1〜7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記検査領域(16)が、予め作製された平坦な材料成分として前記検査テープ(12)に適用されていて、塗布されることが好ましいということを特徴としている請求項1〜8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
体液を分析し、さらに詳しくは、血糖を検査するための装置であり、搬送テープ(14)と搬送テープ(14)に沿って、かつテープ上に分布している体液における検体の検出のための複数の検査領域(16)からなる検査テープ(12)を構成している装置であり、検査テープ(12)の搬送のための封止(24)を有している検査テープ(12)のための容器(18)を構成していて、前記検査領域(16)が、テープが通過するときに封止端(30)に対して延びている先端(32)を有し、検査領域(16)の先端(32)が封止(24)を通じて搬送する間に部分的に封止端(30)を通過するということを特徴としている装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−349677(P2006−349677A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−158786(P2006−158786)
【出願日】平成18年6月7日(2006.6.7)
【出願人】(501205108)エフ ホフマン−ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト (285)
【Fターム(参考)】