説明

作像済用紙処理装置

【課題】用紙の再資源材料としての価値を損なわずに情報秘匿性の向上を効率的に実現する作像済用紙処理装置を提供する。
【解決手段】この作像済用紙処理装置60は、手差しトレイ(給紙装置)30と画像形成装置本体の手差し口との間に、一度の搬送で表裏を読み取ることのできる読み取り手段31が構成されている。尚、読み取り手段31は、使用済み用紙の作像面を読み取る手段a(作像面読取手段)と、使用済み用紙の非作像面を読み取る手段b(非作像面読取手段)とを備えている。手差し部30から給紙された使用済み用紙は、この読み取り手段31を通過する際に両面の情報が図示しない使用済み用紙情報記憶部へ送られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作像済用紙処理装置に関し、さらに詳しくは、用紙に印刷されている画像を判読不能もしくは判読困難とするために、その画像に無意味な画像を重ねて印刷する作像済用紙処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、使用済み用紙は古紙原材料として再利用することが積極的に行われてきた。古紙原材料としてはシュレッダー処理により品質や価値が低下するが、溶融によりその課題を解決する技術も知られている。しかし、溶融処理は秘匿性は高いが、溶融前に廃棄用の用紙を収容する収容部には情報読み取り可能な状態で紙が積載されているため、収容部に積載されている紙が抜き取られて情報が漏洩しないようにするために、溶融を利用者が確認しながら実施したり、運搬時のセキュリティを確実に行なうことが必要であった。
特に個人情報保護法施行後の近年には、使用済み用紙に含まれる情報も保護対象として流出防止が法的に義務付けられたこともあり、シュレッダーによる使用済み用紙処理は増加する傾向にあるが、原材料としての価値を損なわずに、省スペースで、簡単に、機密情報を防止しながら古紙をリサイクルするということは重要な課題となってきている。
特許文献1には、用紙手差し部にて印刷済みの用紙に後処理工程の一つとして画像の上にさらに画像を重ねることで、判読不能もしくは判読困難とする技術が開示されている。これによると、古紙原材料としての価値を損なうことがなく、また処理後の紙は一時廃棄置き場の状態でも機密情報に判読困難化処理がされていることで、外部だけでなく内部の利用者に対しても機密性が向上する。
【特許文献1】特開2001−228751公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1に開示されている従来技術は、この構成のままで、通常の複写機やFAXを実際に後処理装置として動作させる場合には、以下の2点で課題がある。
1)読み取り位置に対して、書き込み開始位置を考慮する必要性があるか否かが不明なため、実際に動作させることができない。
2)表裏同時読み取りの構成が無く、後処理を実施した場合に片面側しか機密性向上の処理動作を実現できない。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、既に作像された後の、いわゆる作像済み用紙に対して、作像されている情報の全部または一部を判読困難もしくは判読不能にすることにより、用紙の再資源材料としての価値を損なわずに情報秘匿性の向上を効率的に実現する作像済用紙処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、転写紙上に形成された画像情報を秘匿する作像済用紙処理装置において、像担持体と、該像担持体上の画像を前記転写紙に転写する転写手段と、を備えた画像形成装置と、該画像形成装置に前記転写紙を供給する給紙装置と、前記転写紙の作像面を読み取る作像面読取手段と、前記転写紙の非作像面を読み取る非作像面読取手段と、前記転写紙に形成された画像情報を秘匿する秘匿レベルを選択する秘匿レベル選択手段と、を備え、前記作像面読取手段と前記画像形成装置内の転写手段までの距離をA、前記転写手段に最も近い像担持体の書き込み位置から該転写手段までの距離をBとした場合、A≧Bとなる位置に前記作像面読取手段を設置し、前記作像面読取手段、又は/及び、非作像面読取手段により取得した転写紙上の情報の種類と情報の位置に基づいて、前記画像形成装置による画像形成のための書込み信号を生成する信号生成手段と、前記秘匿レベル選択手段により選択された秘匿レベルに基づいて情報判読の不能化若しくは困難化レベルの変更を行うレベル変更手段と、を有し、前記非作像面読取手段により読取られた前記転写紙の非作像面に画像情報が存在する場合、警報を発するように制御する制御手段を備えたことを特徴とする。
【0005】
請求項2は、転写紙上に形成された画像情報を秘匿する作像済用紙処理装置において、 像担持体と該像担持体上の画像を前記転写紙に転写する転写手段と両面印刷機能とを備えた画像形成装置と、該画像形成装置に前記転写紙を供給する給紙装置と、前記転写紙の作像面を読み取る作像面読取手段と、前記転写紙の非作像面を読み取る非作像面読取手段と、前記転写紙に形成された画像情報を秘匿する秘匿レベルを選択する秘匿レベル選択手段と、を備え、前記作像面読取手段と前記画像形成装置内の転写手段までの距離をA、前記転写手段に最も近い像担持体の書き込み位置から該転写手段までの距離をBとした場合、A≧Bとなる位置に前記作像面読取手段を設置し、前記作像面読取手段、又は/及び、非作像面読取手段により取得した転写紙上の情報の種類と情報の位置に基づいて、前記画像形成装置による画像形成のための書込み信号を生成する信号生成手段と、前記秘匿レベル選択手段により選択された秘匿レベルに基づいて情報判読の不能化若しくは困難化レベルの変更を行うレベル変更手段と、を有し、前記非作像面読取手段により読取られた前記転写紙の非作像面に画像情報が存在する場合、前記作像面読取手段による情報秘匿処理を実施しながら転写紙を両面反転経路へ導入し、連続的に前記非作像面側に対しても前記非作像面読取手段からの情報に基づいて情報秘匿処理を実施するように制御する制御手段を備えたことを特徴とする。
【0006】
請求項3は、前記給紙装置は、複数枚の転写紙を連続的に給紙可能な構成を有していることを特徴とする。
請求項4は、前記制御手段は、前記作像面読取手段、又は/及び、前記非作像面読取手段により画像情報を読み取ることができない場合、情報秘匿処理を実行しないことを特徴とする。
請求項5は、前記画像形成装置を構成する作像手段がプロセスカートリッジにより構成されていることを特徴とする。
請求項6は、前記制御手段は、情報秘匿処理を実施した転写紙の排紙先を情報秘匿処理を実施していない転写紙の排紙先と分離することを特徴とする。
請求項7は、前記転写紙に形成された画像情報を秘匿するための塗りつぶし領域、若しくは塗りつぶしパターンの濃度を選択可能としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、利用者が必要とする情報秘匿レベルに合わせた判読困難化を実現でき、かつ用紙の再資源利用価値を損なうことのない作像済み用紙処理装置を提供することができる。また、非作像面側も同時に読み取り、その中に秘匿処理すべき情報が含まれているか否かを判断して警告する構成を持つことで、利用者が情報秘匿を想定していない面に、秘匿情報が含まれていた場合にも情報漏れを防止することができる。
また、非作像面側も同時に読み取り、その中に秘匿処理すべき情報が含まれているかを判断する構成を持つことで、用紙の表裏どちらに秘匿情報が含まれていても、情報秘匿処理を実施することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明の画像形成装置の一例として説明する一般的は複写装置の構成図である。この画像形成装置50では、感光体ユニット1としての感光体上に書き込みユニット2から照射されるLD光で静電潜像が形成され、それが現像ユニット3でトナー像として現像される。トナー像は一次転写ローラ5に印加されたトナーと逆極性のバイアスにより、中間転写ベルト4上に転写される。
本発明の画像形成装置50はタンデム型と呼ばれるカラーの画像形成装置で、感光体ユニット1と現像ユニット3の組み合わせが4セット中間転写ベルト4に沿って配置されており、それぞれの現像ユニットに別の色のトナーが入っており、各感光体上にY、M、C、Kのトナー像がそれぞれ形成され、それらのトナー像が中間転写ベルト4の上で順番に重ねられる。中間転写ベルト4上に作成されたトナー像は、二次転写ローラ6に印加されるバイアスによって、タイミングをあわせて搬送された紙の上に転写され、定着ユニット7に搬送されて定着され機外に排紙される。
【0009】
図2は上記画像形成装置50を後処理装置として利用して機密処理を実現できるようにした本発明に係る作像済用紙処理装置の構成例を示す図である。同じ構成要素には図1と同じ参照番号を付して説明する。この作像済用紙処理装置60は、手差しトレイ(給紙装置)30と画像形成装置本体の手差し口との間に、一度の搬送で用紙の表裏を読み取ることのできる読み取り手段31が構成されている。
尚、読み取り手段31は、使用済み用紙の作像面を読み取る手段a(作像面読取手段)と、使用済み用紙の非作像面を読み取る手段b(非作像面読取手段)とを備えている。手差し部30から給紙された使用済み用紙は、この読み取り手段31を通過する際に両面の情報が図示しない使用済み用紙情報記憶部へ送られる。本実施形態では、読み取り手段31を手差しトレイ30と画像形成装置本体の手差し口との間に設けているが、画像形成装置50の内部に設けるようにしても構わない。
【0010】
即ち、既に作像された後の、いわゆる作像済み用紙に対して、記載されている情報の全部または一部を判読困難もしくは判読不能にすることができ、用紙の再資源材料としての価値を損なわずに情報秘匿性の向上を効率的に実現する装置を提供するために、用紙に作像処理を行うことができる画像形成装置50と、装置に作像処理済みの用紙を供給できる手差しトレイ30と、この手差しトレイ30と用紙に画像を形成する画像形成装置50との間に、用紙上の印字情報や画像情報を読み取る読み取り手段31を備えた装置において、少なくとも用紙の作像面側を読み取る手段(手段a)から二次転写ローラ6までの用紙搬送距離をA、最も二次転写ローラ6に近い感光体の書き込み位置から転写までの作像に沿ったレイアウト距離Bとした場合、A≧Bとなる位置に読み取り手段(手段a)を設けると共に、用紙の非作像面側の情報を読み取る手段(手段b)を設け、手段bからの情報を手段aと同様に処理することによって情報秘匿漏れを防止する。
【0011】
これを実現するために、1)用紙に作像処理を行うことができる画像形成装置50と、画像形成装置50に作像処理済みの用紙を供給できる手差しトレイ30と、この手差しトレイ30と画像形成装置50との間に、用紙上の印字情報や画像情報を読み取る読み取り手段31を備えた装置において、少なくとも第一作像面側に対向した読み取り手段(手段a)から二次転写ローラ6(用紙上画像形成手段)までの用紙搬送距離をA、最も二次転写ローラ6に近い感光体の書き込み位置から転写(用紙上画像形成手段)までの作像に沿ったレイアウト距離Bとした場合、A≧Bとなる位置に読み取り手段(手段a)を設けると共に、用紙の非作像面側の情報を読み取る手段(手段b)を設ける。2)用紙内の情報秘匿レベルを利用者が選択できる処理フローを持つ。3)読み取り手段により取得した用紙上の情報種類と情報の位置を元に、作像手段の書き込み信号を生成させる処理フローを持つ。4)2)情報を3)にフィードバックし、情報判読不能化もしくは困難化レベルを変更することができる構成を持つ。5)手段bからの情報により、秘匿すべき情報が用紙の非作像面側に存在すると判断された場合には、操作部へ警告を表示する処理フローを持つ。
【0012】
これにより、利用者が必要とする情報秘匿レベルに合わせた判読困難化を実現でき、かつ用紙の再資源利用価値を損なうことのない作像済み用紙処理装置を提供することができる。また、非作像面側も同時に読み取り、その中に秘匿処理すべき情報が含まれているかを判断して警告する構成を持つことで、利用者が情報秘匿を想定していない面に、秘匿情報が含まれていた場合にも情報漏れを防止することができる。
尚、画像形成装置50に両面印刷機能を備えている場合、上記5)は、手段bからの情報により、秘匿すべき情報が用紙の非作像面側に存在すると判断された場合には、作像面側に手段aからの情報による情報秘匿処理を実施しながら用紙を両面反転経路へ導入し、連続的に非作像面側に対しても手段bからの情報により情報秘匿処理を実施する。
これにより、利用者が必要とする情報秘匿レベルに合わせた判読困難化を実現でき、かつ用紙の再資源利用価値を損なうことのない作像済み用紙処理装置を提供することができる。また、非作像面側も同時に読み取り、その中に秘匿処理すべき情報が含まれているかを判断する構成を持つことで、用紙の表裏どちらに秘匿情報が含まれていても、情報秘匿処理を実施することができる。
【0013】
図3は読み取り手段31の手段aと用紙上に画像を形成するいわゆる二次転写ローラ6との距離Aと、最下流の感光体書き込み位置cから二次転写ローラ6までの距離Bとを示している。読み取った信号を最下流の感光体書き込み信号の基準とする為、A≧Bとなる関係が必要となる。この関係は手段bには適用されない。図示していないが、特許文献1にも例が示されているように、利用者は予め必要な情報秘匿レベルを選択することができる。
即ち、用紙に作像処理を行うことができる画像形成装置50と、画像形成装置50に作像処理済みの用紙を供給できる手差しトレイ30と、この手差しトレイ30と画像形成装置本体の手差し口との間に、用紙上の印字情報や画像情報を読み取る読み取り手段31を備えた作像済用紙処理装置60において、手段aから二次転写ローラ6(用紙上画像形成手段)までの用紙搬送距離をA、最も二次転写ローラ6に近い感光体1の書き込み位置cから二次転写ローラ6(用紙上画像形成手段)までの作像に沿ったレイアウト距離Bとした場合、A≧Bとなる位置に手段aを設ける。
読み取った画像情報を処理し、利用者の必要な情報秘匿レベルに合わせて、用紙上の必要箇所に新たに作像をすることで、判読困難化を実現できる。また、本実施例では表裏を給紙時に読み取っていることから、第一作像→第二作像と順次処理することで、用紙両面に存在する可能性のある機密情報を効率的に必要なレベルで秘匿することが可能となる。
【0014】
図4は情報秘匿するときの片面処理フローチャートである。まず、本体からの要求により手差しトレイ30から用紙を給紙する(S1)。給紙された用紙は読み取り手段31の手段aにより作像面側の画像情報データが取得される(S2)。続けて読み取り手段31の手段bにより非作像面側の画像情報データが取得される(S3)。制御部は、まず作像面側に秘匿情報が存在するか否かを判断する(S4)。秘匿情報が存在すると(S4でyes)、非作像面側に秘匿情報が存在するか否かを判断する(S5)。非作像面側に秘匿情報が存在しないと(S5でno)、予め設定された設定秘匿レベルに合わせて表面の情報秘匿処理を実施して終了する(表面の秘匿情報判読困難化処理を実施する)(S11)。一方、ステップS5で非作像面側に秘匿情報が存在すると(S5でyes)、処理中の場合には、作像中の紙を排紙して動作を中断して(即ち、秘匿情報有りの用紙は作像前の状態で停止)(S6)。操作部に「裏面に秘匿されない情報あり」を警告表示する(S7)。それにより、処理中止または継続を使用者が選択する(S8)。中止する場合は(S8で中止)給紙中の紙があれば排紙して作像動作を終了する(尚、ユーザが想定していない面に秘匿情報が検出された場合に、一旦停止してユーザが中止を選択することができる)(S10)。
【0015】
一方、ステップS8で継続の場合は(S8で継続)、設定秘匿レベルに合わせて表面の情報秘匿処理を実施する(ユーザが想定していない面に秘匿情報があるということを検出して、ユーザに周知した上で処理を継続する。表面の秘匿情報判読困難化処理を実施する)(S9)。また、ステップS4で作像面に秘匿情報が存在しない場合(S4でno)、非作像面側に秘匿情報が存在するか否かを判断する(S13)。非作像面側に秘匿情報が存在すると(S13でyes)、処理中の場合には、作像中の紙を排紙して動作を中断して(即ち、秘匿情報有りの用紙は作像前の状態で停止)(S14)。操作部に「裏面に秘匿されない情報あり」を警告表示する(S15)。それにより、処理中止または継続を使用者が選択する(ユーザが想定していない面に秘匿情報があるということを検出し、ユーザに周知した上で処理を継続する。表面に秘匿情報が無いため、作像せずもしくは白紙作像で通紙する)(S16)。中止する場合は(S16で中止)給紙中の紙があれば排紙して作像動作を終了する(尚、ユーザが想定していない面に秘匿情報が検出された場合に、一旦停止してユーザが中止を選択することができる)(S18)。
一方、ステップS16で継続の場合は(S16で継続)、情報秘匿処理を実施しない(白紙作像)(S17)。また、ステップS13で非作像面側に秘匿情報が存在しないと(S13でno)、情報秘匿処理を実施しない(表裏共に秘匿情報が無いと判断できた場合には、作像せず、もしくは白紙作像で通紙する)(白紙作像)(S19)。
【0016】
図5は情報秘匿するときの両面処理フローチャートである。まず、本体からの要求により手差しトレイ30から用紙を給紙する(S20)。給紙された用紙は読み取り手段31の手段aにより作像面側の画像情報データが取得される(S21)。
続けて読み取り手段31の手段bにより非作像面側の画像情報データが取得される(S22)。制御部は、まず作像面側に秘匿情報が存在するか否かを判断する(S23)。秘匿情報が存在すると(S23でyes)、非作像面側に秘匿情報が存在するか否かを判断する(S24)。非作像面側に秘匿情報が存在しないと(S24でno)、予め設定された設定秘匿レベルに合わせて表裏面の情報秘匿処理を実施して終了する(表面の秘匿情報判読困難化処理を実施する)(S33)。そして、予め設定されていれば、秘匿情報処理用の排紙口へ用紙を排紙する(S27)。
一方、ステップS24で非作像面側に秘匿情報が存在すると(S24でyes)、秘匿処理を両面作像と判断し(S25)、設定秘匿レベルに合わせて表裏面の情報秘匿処理を実施して(裏面に秘匿情報があるということを検出して、両面作像動作を実行する。表面の秘匿情報判読困難化処理の後、用紙を反転給紙して裏面の判読困難化処理を実行する)(S26)。ステップS27に進む。
【0017】
また、ステップS23で作像面に秘匿情報が存在しない場合(S23でno)、非作像面側に秘匿情報が存在するか否かを判断する(S28)。非作像面側に秘匿情報が存在すると(S28でyes)、秘匿処理を両面作像と判断して(S29)、表面には秘匿処理しない(白紙作像もしくは現像を停止する処理を入れることも可)(S30)。そして、予め設定された設定秘匿レベルに合わせて表裏面の情報秘匿処理を実施してステップS27に進む(用紙反転給紙させて裏面の情報秘匿処理を実施する)(S31)。一方、ステップS28で非作像面側に秘匿情報が存在しないと(S28でno)、情報秘匿処理を実施しないでステップS27に進む(白紙作像もしくは現像を停止する処理を入れることも可)(秘匿すべき情報がないと判断された用紙については、白紙もしくは現像停止させることも可能な制御としている)(S32)。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の画像形成装置の一例として説明する一般的は複写装置の構成図である。
【図2】上記画像形成装置50を後処理装置として、機密処理を実現できる本発明に係る作像済用紙処理装置の構成例を示す図である。
【図3】読み取り部の手段aと二次転写ローラとの距離Aと、最下流の感光体書き込み位置cから二次転写ローラまでの距離Bとを示す図である。
【図4】情報秘匿するときの片面処理フローチャートである。
【図5】情報秘匿するときの両面処理フローチャートである。
【符号の説明】
【0019】
1 感光体ユニット、2 書き込みユニット、3 現像ユニット、4 中間転写ベルト、5 一次転写ローラ、6 二次転写ローラ、7 定着ユニット、8 転写クリーニング部材、9 トナーカートリッジ、11 位置マーク用ローラ、21、22 フォトセンサ、30 手差しトレイ、31 読取り手段、50 画像形成装置、60 作像済用紙処理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
転写紙上に形成された画像情報を秘匿する作像済用紙処理装置において、
像担持体と、該像担持体上の画像を前記転写紙に転写する転写手段と、を備えた画像形成装置と、
該画像形成装置に前記転写紙を供給する給紙装置と、
前記転写紙の作像面を読み取る作像面読取手段と、
前記転写紙の非作像面を読み取る非作像面読取手段と、
前記転写紙に形成された画像情報を秘匿する秘匿レベルを選択する秘匿レベル選択手段と、を備え、
前記作像面読取手段と前記画像形成装置内の転写手段までの距離をA、前記転写手段に最も近い像担持体の書き込み位置から該転写手段までの距離をBとした場合、A≧Bとなる位置に前記作像面読取手段を設置し、
前記作像面読取手段、又は/及び、非作像面読取手段により取得した転写紙上の情報の種類と情報の位置に基づいて、前記画像形成装置による画像形成のための書込み信号を生成する信号生成手段と、前記秘匿レベル選択手段により選択された秘匿レベルに基づいて情報判読の不能化若しくは困難化レベルの変更を行うレベル変更手段と、を有し、前記非作像面読取手段により読取られた前記転写紙の非作像面に画像情報が存在する場合、警報を発するように制御する制御手段を備えたことを特徴とする作像済用紙処理装置。
【請求項2】
転写紙上に形成された画像情報を秘匿する作像済用紙処理装置において、
像担持体と該像担持体上の画像を前記転写紙に転写する転写手段と両面印刷機能とを備えた画像形成装置と、
該画像形成装置に前記転写紙を供給する給紙装置と、
前記転写紙の作像面を読み取る作像面読取手段と、
前記転写紙の非作像面を読み取る非作像面読取手段と、
前記転写紙に形成された画像情報を秘匿する秘匿レベルを選択する秘匿レベル選択手段と、を備え、
前記作像面読取手段と前記画像形成装置内の転写手段までの距離をA、前記転写手段に最も近い像担持体の書き込み位置から該転写手段までの距離をBとした場合、A≧Bとなる位置に前記作像面読取手段を設置し、
前記作像面読取手段、又は/及び、非作像面読取手段により取得した転写紙上の情報の種類と情報の位置に基づいて、前記画像形成装置による画像形成のための書込み信号を生成する信号生成手段と、前記秘匿レベル選択手段により選択された秘匿レベルに基づいて情報判読の不能化若しくは困難化レベルの変更を行うレベル変更手段と、を有し、前記非作像面読取手段により読取られた前記転写紙の非作像面に画像情報が存在する場合、前記作像面読取手段による情報秘匿処理を実施しながら転写紙を両面反転経路へ導入し、連続的に前記非作像面側に対しても前記非作像面読取手段からの情報に基づいて情報秘匿処理を実施するように制御する制御手段を備えたことを特徴とする作像済用紙処理装置。
【請求項3】
前記給紙装置は、複数枚の転写紙を連続的に給紙可能な構成を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の作像済用紙処理装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記作像面読取手段、又は/及び、前記非作像面読取手段により画像情報を読み取ることができない場合、情報秘匿処理を実行しないことを特徴とする請求項1又は2に記載の作像済用紙処理装置。
【請求項5】
前記画像形成装置を構成する作像手段がプロセスカートリッジにより構成されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の作像済用紙処理装置。
【請求項6】
前記制御手段は、情報秘匿処理を実施した転写紙の排紙先を情報秘匿処理を実施していない転写紙の排紙先と分離することを特徴とする請求項1又は2に記載の作像済用紙処理装置。
【請求項7】
前記転写紙に形成された画像情報を秘匿するための塗りつぶし領域、若しくは塗りつぶしパターンの濃度を選択可能としたことを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の作像済用紙処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−109760(P2009−109760A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−282220(P2007−282220)
【出願日】平成19年10月30日(2007.10.30)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】