説明

作業機

【課題】 第2種取出カプラの圧抜きを圧抜き弁付き第1種取出カプラを経由してできるようにする。
【解決手段】 機体フレームに作業装置6を装着し、この作業装置6に油圧ポンプと連通する一対の油圧取り出し配管16と、各油圧取り出し配管16の先端に接続された圧抜き弁付き第1種取出カプラ17と、この第1種取出カプラ17を支持するカプラ支持具18とを設ける。カプラ支持具18に一対の第1種取出カプラ17の圧抜き弁と連通する圧抜き路19を形成するとともに、この圧抜き路19を油タンクに連通する排油管20を接続する。一対の第1種取出カプラ17と別の一対の第2種取出カプラ21を設け、この各第2種取出カプラ21に接続された分岐配管22をそれぞれ各油圧取り出し配管16に接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、トラックローダ、スキッドローダ、コンパクトトラックローダ(CTL)等の作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の作業機においては、アタッチメントを着脱自在に装着した場合に、そのアタッチメントの油圧アクチュエータへ圧油を供給するために、作業機側に油圧ポンプと接続された油圧取り出し配管を設け、アタッチメント側に油圧アクチュエータと接続された油圧受け取り配管を設け、両側の配管をクイックカプラ(急速継手、急速連結器)で断接自在に接続している。そしてクイックカプラによる配管接続を容易にするために、油圧取り出し配管側に圧抜き弁及び圧抜き路を設けて、接続作業時に圧抜きができるようになっている。
【0003】
特許文献1に開示されている作業機械の配管接続構造においては、ベースマシンに搭載された油圧源及びタンクと油圧アクチュエータとを結ぶ油圧配管が複数の単位配管に分割されるとともに、この単位配管同士が互いの継手により接続される作業機械の配管接続構造において、上記各単位配管に設けられた圧抜き弁と、上記タンクに直結された圧抜き管と、上記圧抜き弁と上記圧抜き管とを接続して単位配管内の残圧を圧抜き弁及び圧抜き管を介してタンクに抜く圧抜きホースとを具備している(特許請求の範囲)。
【0004】
また、前記配管の圧抜き構造としては、特許文献2に開示されている平面急速連結器があり、この平面急速連結器は、外側筒状体と、既知の方法で平面急速連結を提供する手段に連結された筒状素子を軸方向に移動可能に受け入れるための該外側筒状体内に螺合されたブッシュとを含む平面急速連結器において、上記筒状素子に、外周に環状シール素子を含む筒状体を固着し、上記筒状素子の胴部に、平面急速連結器の室と通孔を介して連通する貫通室が形成され、上記貫通室がバネにより予め負荷をかけられた弁軸によって閉鎖可能な弁座を有し、該弁軸が上記筒状体と上記外側筒状体との間に形成された室に突入する延長部を含み、放出用取り付け具に連結された貫通孔が該室から延びている(特許請求の範囲)。
【0005】
なお、この特許文献2においては、前記筒状体は摺動自在な摺動筒になっていて、その摺動筒に形成された孔である弁座と弁軸とによって圧抜き弁が構成され、室及び貫通孔によって連結器内を開放する圧抜き路が形成され、放出用取り付け具によって排油管(圧抜き管)が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4449780号公報
【特許文献2】特許第3617635号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記油圧取り出し配管は、給油及び排油あるいは作動油の行き帰りのために2本で対になっているが、両従来技術においては、各配管1本毎に圧抜き管を接続しなくてはならなく、コスト高であるとともに接続作業が面倒になっている。
この従来技術の問題点は、2本の油圧取り出し配管の取出カプラを共通支持するカプラ支持具を設け、カプラ支持具にアタッチメント側の油圧受け取り配管の受取カプラを接続するように構成し、前記カプラ支持具に2つの取出カプラに連通した圧抜き路を形成するとともに、この圧抜き路に連通する排油管を接続しておくことにより解決でき、コストを低減して接続作業も容易にすることができる。
【0008】
ところで、作業機に装着するアタッチメントには、使用油量が異なるものがあり、その場合、クイックカプラの口径が異なる。
そのため、前記取出カプラを共通支持するカプラ支持具を使用していると、異口径取出カプラを別途設けるだけでなく、その異口径取出カプラ用に圧抜き可能なカプラ支持具も別途設ける必要が生じ、カプラ支持具の製作費用が増大する。
【0009】
本発明は、このような問題点を解決できるようにした作業機を提供することを目的とする。
本発明は、油圧取り出し配管の先端の圧抜き弁付き第1種取出カプラを圧抜き路付きカプラ支持具に接続し、第2種取出カプラの分岐配管を前記油圧取り出し配管に接続することにより、第2種取出カプラの圧抜きを第1種取出カプラを経由してできるようにした作業機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明における課題解決のための具体的手段は、次の通りである。
第1に、走行装置2を縣架した機体フレーム3に駆動原7及び油圧ポンプ10を搭載するとともに作業装置6を装着し、この作業装置6に油圧ポンプ10と連通する一対の油圧取り出し配管16と、各油圧取り出し配管16の先端に接続された圧抜き弁付き第1種取出カプラ17と、この第1種取出カプラ17を支持するカプラ支持具18とを設けており、前記カプラ支持具18に一対の第1種取出カプラ17の圧抜き弁17aと連通する圧抜き路19を形成するとともに、この圧抜き路19に油タンク14に連通する排油管20を接続しており、
前記一対の第1種取出カプラ17とは別の少なくとも一対の第2種取出カプラ21を設け、この各第2種取出カプラ21に接続された分岐配管22をそれぞれ前記各油圧取り出し配管16に接続していることを特徴とする。
【0011】
第2に、前記作業装置6は前部に作業具5を有する昇降自在なアーム41を備えており、このアーム41の前部にカプラ支持具18を第1取付部23aに取り付けるステー23を設けており、このステー23に前記一対の第2種取出カプラ21を取り付ける第2取付部23bを形成していることを特徴とする。
第3に、前記カプラ支持具18に圧抜き路19と連通する排油カプラ24を設けており、この排油カプラ24を中心に前記一対の第1種取出カプラ17と一対の第2種取出カプラ21とを対称位置に配置していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、第2種取出カプラの圧抜きを圧抜き弁付き第1種取出カプラを経由してできる。
即ち、第1に、カプラ支持具18に支持された一対の第1種取出カプラ17は、圧抜き弁17aで圧抜き路19に開放することにより油圧取り出し配管16内の圧を抜くことができ、一対の第1種取出カプラ17とは別の一対の第2種取出カプラ21は、分岐配管22を介して各油圧取り出し配管16に接続していることにより、第1種取出カプラ17の圧抜き弁17aを利用して分岐配管22及び油圧取り出し配管16内の圧を抜くことができる。
【0013】
第2に、作業装置6のアーム41の前部にステー23を設け、このステー23にカプラ支持具18と一対の第2種取出カプラ21とを取り付けておくことができる。
第3に、カプラ支持具18に圧抜き路19と連通する排油カプラ24を設け、この排油カプラ24を中心に一対の第1種取出カプラ17と一対の第2種取出カプラ21とを対称位置に配置することにより、第2種取出カプラ21に接続される油圧アクチュエータも第1種取出カプラ17に接続されるものと略同じ条件で排油カプラ24を共同利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態を示す外部油圧取り出し構造の側面図である。
【図2】同外部油圧取り出し構造の一部断面側面図である。
【図3】第1種及び第2種取出カプラの正面図である。
【図4】同外部油圧取り出し構造の油圧回路図である。
【図5】第1種及び第2種取出カプラを展開した一部断面説明図である。
【図6】ローダ作業機の全体側面図である。
【図7】ローダ作業機の全体正面図である。
【図8】作業装置の概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図6〜8において、符号1はトラックローダで例示したローダ作業機(作業機)を示しており、このローダ作業機1は、走行装置2を縣架した機体フレーム3の前部に運転装置4を配置し、この運転装置4の前方側で作業具(バケット)5を昇降させる作業装置(掘削作業装置)6の基部側を前記機体フレーム3の後部の左右両側に支持しており、機体フレーム3の後部にエンジン(駆動源)7及び冷却機器8を搭載し、機体フレーム3の後端を開放状に形成してボンネット9で開閉自在に覆っており、機体フレーム3の前後中途部にエンジン7によって駆動される多連の油圧ポンプ10を搭載している。
【0016】
前記機体フレーム3は鋼板で形成されていて、底壁26A、左右側壁26B、前壁26C及び後部壁26Dを有する箱形状のフレーム本体26を形成し、このフレーム本体26の左右側壁26Bの後端から外側方へ突出した前記左右後部壁26Dに支持枠体27を固着し、フレーム本体26の後上部に左右後部壁26D及び支持枠体27の上部を連結する架橋体28を固着している。
【0017】
この機体フレーム3のフレーム本体26は、架橋体28より前側が上方に開放されていて、底部に油圧ポンプ10を配置し、その上方に運転装置4のキャビンを配置可能になっており、架橋体28より後側が上方に開放されていて、エンジン7を上方から搭載可能になっており、背面側が後方に開放されていて、エンジン7及び冷却機器8を後方及び上方からメンテナンス可能になっている。
【0018】
左右各支持枠体27は、板金材で内側壁27A、外側壁27B及び背壁を形成し、内側壁27A及び外側壁27Bの前縁を前記フレーム本体26の後部壁26Dに固着して箱形状に形成されている。
支持枠体27の内側壁27Aは外側壁27Bより大きく上方へ突出しており、この内側壁27Aの上部に前記架橋体28の左右端部が固着されている。支持枠体27の前壁はフレーム本体26の後部壁26Dによって形成されており、走行装置2の後方を覆うフェンダも兼ねている。
【0019】
左右支持枠体27の内側壁27Aはエンジンルームの左右側壁を形成しており、その上縁は架橋体28の後縁から後方へ下向き傾斜しており、エンジンルームの上方を覆うルームカバー39は架橋体28から機体フレーム3後端まで下向き傾斜し、運転装置4からの後下方視界を拡大するように構成されている。前記ルームカバー39は前部が架橋体28に枢支されており、後部を上昇させてエンジンルームの上方を開放させることができるようになっている。
【0020】
前記フレーム本体26の側壁26Bには、走行装置2の油圧モータが取り付けられ、外面下部にトラックフレーム30が固着され、外面上縁にフェンダ31が固着されている。このフェンダ31は支持枠体27の後部壁26Dの上端に接続されている。
前記トラックフレーム30には前後従動輪33F、33Rと複数個の転輪34とが支持され、これらと油圧モータに装着された駆動輪35とにかけてクローラ36が巻き掛けられてクローラ式走行装置が構成され、左右一対のクローラ式走行装置で走行装置2が構成されている。
【0021】
なお、走行装置2はクローラ式走行装置に代えて、前後ホイール式走行装置、前ホイール式で後クローラ式の走行装置にしてもよい。
運転装置4はフレーム本体26の前半分の上方に配置され、キャビン37内の床板に運転席38及び操縦装置を配置して構成されている。前記キャビン37の床板はキャビン底の後半分に設けられ、前半分は下方に開放されており、運転席38に着座する運転者はフレーム本体26内に設けられるステップに足を置くようになっている。キャビン37は前面に乗降口を有する。
【0022】
前記キャビン37は背面下部に枢支軸を有し、その枢支軸は前記架橋体28の上面に設けられた支持ブラケットに支持されており、また、キャビン37とフレーム本体26との間にキャビン昇降用のダンパが設けられている。
キャビン37は背面下部を中心に前部が前下側から後上側へ昇降可能であり、上昇させることにより、フレーム本体26内を開放して付設機器のメンテナンスができるようになっている。
【0023】
作業装置6は、作業具(バケット)5と、この作業具5を枢支軸5Aを介して先端に枢支連結した左右一対のアーム41と、左右各アーム41の基部と枢支連結されたリフトリンク42と、左右各アーム41の基部近傍と枢支連結された制御リンク43と、前記作業具5とアーム41の枢支ピン44aとの間に設けた作業具シリンダ44と、アーム41と支持枠体27との間に設けたアームシリンダ45とを有している。
【0024】
前記左右アーム41は前連結部材46と後連結部材47とによって前後2箇所で連結されていて、キャビン37の左右側方で昇降するように配置されており、前連結部材46はアーム41を最下位まで下降したときにフレーム本体26の前壁26Cと当接可能になっており、後連結部材47はパイプで形成されていてアーム41の後端より若干前側に位置している。左右各アーム41は互いに対向している側壁の基部が下方へ三角形状の突出部41Aを有している。
【0025】
前記リフトリンク42は縦向き配置されており、その下部は支持枠体27内に挿入されていて第1ピンP1を介して枢支され、その上部は第2ピンP2を介して後連結部材47より後方のアーム41の基部と連結され、この上部が前後移動するように揺動可能になっている。
前記制御リンク43は前後向き配置されており、その前部は支持枠体27の内側壁27Aの上部とフレーム本体26の後部壁26Dの前上部に固着した支持体48とに第3ピンP3を介して枢支され、その後部は第4ピンP4を介してアーム41の基部近傍の前記突出部41Aと連結され、略水平姿勢から後部が上昇する立ち上がり揺動可能になっている。
【0026】
前記アームシリンダ45は、チューブ下部が支持枠体27内に挿入されていて第1連結ピンR1を介して連結され、シリンダロッド先端が第2連結ピンR2を介してアーム41に連結されている。
前記第1ピンP1は機体フレーム3の後端上部近傍に位置し、第3ピンP3は第1ピンP1より僅かに高く、前後位置が運転装置4のキャビン37の後部とオーバラップする位置になっている。
【0027】
前記第1連結ピンR1は第1ピンP1より僅かに前方に位置し、前記第2連結ピンR2は、後連結部材47を挟んで第2ピンP2と反対側に位置し、これらは略直線上に配置されている。第2ピンP2から第2連結ピンR2までの距離は、第2ピンP2から第4ピンP4までの距離より長く、第2ピンP2から第3ピンP3までの距離より短くなっており、側面視において、アームシリンダ45は制御リンク43と交叉している。
【0028】
図6に示す作業具5が接地したアーム41の最下位状態において、リフトリンク42は第2ピンP2が第1ピンP1より僅かに後方の後傾斜姿勢であり、制御リンク43は第4ピンP4が第3ピンP3より僅かに高い後上がりに傾斜姿勢であり、アーム41は第2連結ピンR2が第2ピンP2より低くかつ第4ピンP4より高い前下向き傾斜姿勢であり、アームシリンダ45は制御リンク43の前後方向略中央と交叉し、アームシリンダ45がアーム41の第2ピンP2と枢支軸5Aとを結ぶ中心線に対して略直交している。
【0029】
前記アーム41、リフトリンク42及び制御リンク43は、第1ピンP1から第4ピンP4の4ピンを節とする4節リンク構造になっており、アームシリンダ45を伸張することにより、制御リンク43の拘束を受けかつリフトリンク42の前後揺動を伴いながら第2ピンP2を中心にしてアーム41を上昇する。
アーム41が最下位状態から最上位状態になるまでの上昇動作の全範囲に亘って、リフトリンク42はボンネット9より後方へは突出することがなく、制御リンク43は尻上がり姿勢から立ち上がって後傾姿勢まで変化するが、90度よりも小さい範囲で上下揺動する。
【0030】
図6において、前記冷却機器8は、ラジエータとオイルクーラとを左右に併設して一体化したものであり、オイルクーラの油圧ホースはその他の油圧機器の油圧ホースとともに油圧中継器13に接続されており、この油圧中継器13を介して油タンク14に接続されている。
油タンク14は油圧ポンプ10の側方でフレーム本体26の底部に配置され、制御弁15はフレーム本体26の側壁26Bの内面上部に配置されており、油圧ポンプ10で油タンク14から吸引した作動油を制御弁15を介して走行装置2の油圧モータ、作業具シリンダ44及びアームシリンダ45等へ供給可能になっている。
【0031】
図1〜8において、トラックローダ等の作業機においては、機体フレーム3内の油圧ポンプ10の作動油を外部に取り出して、挟砕切断機、油圧圧砕機、カッター、ニブラ、杭打ち機、杭抜き機、油圧ブレーカ、油圧ハンマ、油圧ウインチ等のアタッチメント25を駆動可能になっている。
このアタッチメント25には油圧シリンダ又は油圧モータ等の油圧アクチュエータが内蔵されており、使用油量の違いにより複数種のアタッチメント25があり、図4では第1種アタッチメント25Aと第2種アタッチメント25Bとを例示している。
【0032】
作業装置6の左アーム41の内側面には油圧ポンプ10及び制御弁15と連通する一対の油圧取り出し配管16が前後に沿わされており、この油圧取り出し配管16の先端は圧抜き弁付き第1種取出カプラ17と接続され、この第1種取出カプラ17はカプラ支持具18に支持されている。
左アーム41の前上部(枢支ピン44aの近傍)の内側面には板金で形成されたステー23が着脱自在に締結されており、このステー23は左アーム41の前面から上方に突出していて、その突出部分に下側の第1取付部23aと上側の第2取付部23bとが形成され、第1取付部23aにカプラ支持具18の側面がボルト締結されている。
【0033】
第1種取出カプラ17はソケットとプラグの雌雄で一対となっており、それぞれ第1種アタッチメント25Aの第1種受取カプラ51のソケットとプラグと嵌脱自在になっている。第1種受取カプラ51は油圧アクチュエータに接続された油圧受け取り配管50の基端に設けられている。
図3においては、正面視で右にソケットが、左にプラグがそれぞれ配置されており、ソケットには第1種受取カプラ51のプラグと嵌合し、プラグは第1種受取カプラ51のソケットと嵌合可能である。
【0034】
前記一対の第1種取出カプラ17は、ソケットもプラグも内部に逆止弁を有するとともに、図2、4、5に示すように、圧抜き弁17aを備えていて、カプラ支持具18に挿入支持されている。
カプラ支持具18は鋳物で形成されていて、一対の第1種取出カプラ17を接続する取付孔18a、18bと排油路18cとこれらを連通する圧抜き路19とが形成されており、取付孔18a、18bに第1種取出カプラ17のソケットとプラグとが挿入され、かつ油圧取り出し配管16の端部が接続され、ソケット及びプラグと油圧取り出し配管16との間に戻しスプリング52が配置されている。
【0035】
カプラ支持具18の排油路18cには内部に逆止弁を有する排油カプラ24が挿入され、かつ油タンク14に連通する排油管20の端部が接続されている。第1種用のアタッチメント25Aに排油路56を有する場合に、排油路56の排油カプラを前記排油カプラ24に接続する。
前記各第1種取出カプラ17は接続方向に摺動自在な摺動筒を有しており、この摺動筒にカプラの内外を連通する貫通孔が形成され、この貫通孔を開閉するために前記圧抜き弁17aが設けられており、圧抜き弁17aの先端ピンはその摺動筒から突出していて、摺動筒を戻しスプリング52に抗して取付孔18a、18bの奥側へ摺動することにより、先端ピンが孔奥の壁に当接して圧抜き弁17aが開放し、第1種取出カプラ17内を圧抜き路19と連通するようになっている。
【0036】
従って、各第1種取出カプラ17は、第1種受取カプラ51のソケット及びプラグを接続するとき、又は接続していなくとも、摺動筒を摺動して圧抜き弁17aを開放すると、その内部は圧抜き路19と連通し、その内部及び油圧取り出し配管16内部の作動油を排油管20に流し、それらの油圧を抜くことができる。
前記ステー23の第2取付部23bには、前記一対の第1種取出カプラ17と口径が異なる一対の第2種取出カプラ21が設けられており、この各第2種取出カプラ21は分岐配管22を介してそれぞれ前記各油圧取り出し配管16に接続されている。
【0037】
図4に示す第2種アタッチメント25Bは、油圧アクチュエータに接続された油圧受け取り配管53の基端に、第1種アタッチメント25Aの第1種受取カプラ51と口径が異なる一対の第2種受取カプラ54を有し、この第2種受取カプラ54は第2種取出カプラ21と嵌脱自在に嵌合する。
ステー23の上部は平面視L字状に形成されていて第2取付部23bとなっており、この第2取付部23bに前側から一対の第2種取出カプラ21のソケット及びプラグを挿入してナット58で締結固定し、ソケット及びプラグの後部にそれぞれ分岐配管22の先端を接続している。各分岐配管22の基端は油圧取り出し配管16にT継手55を介して接続されている。
【0038】
前記第2種取出カプラ21はソケットとプラグの雌雄で一対となっており、それぞれ第2種受取カプラ54のソケットとプラグと嵌脱自在になっている。図3においては、正面視で右にソケットが、左にプラグがそれぞれ配置されており、ソケットには第2種受取カプラ54のプラグと嵌合し、プラグは第2種受取カプラ54のソケットと嵌合可能である。
【0039】
前記一対の第1種取出カプラ17と一対の第2種取出カプラ21とは、排油カプラ24を中心に上下対称位置に配置しており、第2種用のアタッチメント25Bが第1種用と同様に排油路を有するものである場合には、排油カプラ24を共同利用して、第2種用のアタッチメント25Bの排油路を排油カプラ24に接続する。
前記第1種用の油圧取り出し配管16、排油管20及び第2種用の分岐配管22は、油圧ホースでもよいが、金属パイプが使用されており、左アーム41の内側面に沿って複数個の留め具57で固定されており、全長にわたって可及的にアーム上下幅内に配置されている。第1種油圧受け取り配管50及び第2種油圧受け取り配管53は金属パイプでもよいが、一般的に油圧ホースが使用されている。
【0040】
なお、本発明は前記実施形態における各部材の形状及びそれぞれの前後・左右・上下の位置関係は、図1〜8に示すように構成することが最良である。しかし、前記実施形態に限定されるものではなく、部材、構成を種々変形したり、組み合わせを変更したりすることもできる。
例えば、前記一対の第1種取出カプラ17も第2種取出カプラ21もソケットとプラグの配置は左右逆でもよく、第2種取出カプラ21のソケットとプラグとはカプラ支持具18の近傍に配置することが好ましいが、離れていても支障はない。
前記一対の第1種取出カプラ17のソケットとプラグとを上下に配置し、その側方に第2種取出カプラ21もソケットとプラグとを上下にして配置してもよい。
【0041】
第2種取出カプラ21には第1種取出カプラ17と口径が異なるものを使用しているが、同種の2つのアタッチメント25を同時駆動する場合は、第2種取出カプラ21を第1種取出カプラ17と口径が同じものにしてもよい。
また、一対の第2種取出カプラ21の一方又は両方をブラケットに取り付け、このブラケットをカプラ支持具18に装着するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0042】
1 ローダ作業機(作業機)
2 走行装置
3 機体フレーム
4 運転装置
5 作業具
6 作業装置
7 エンジン(駆動源)
10 油圧ポンプ
13 油圧中継器
14 油タンク
15 制御弁
16 油圧取り出し配管
17 第1種取出カプラ
17a 圧抜き弁
18 カプラ支持具
18a 取付孔
18c 排油路
19 圧抜き路
20 排油管
21 第1種取出カプラ
22 分岐配管
23 ステー
23a 第1取付部
23b 第2取付部
24 排油カプラ
25 アタッチメント
41 アーム
50 第1種油圧受け取り配管
51 第1種受取カプラ
52 戻しスプリング
53 第2種油圧受け取り配管
54 第2種受取カプラ
55 T継手
56 排油路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行装置(2)を縣架した機体フレーム(3)に駆動源(7)及び油圧ポンプ(10)を搭載するとともに作業装置(6)を装着し、この作業装置(6)に油圧ポンプ(10)と連通する一対の油圧取り出し配管(16)と、各油圧取り出し配管(16)の先端に接続された圧抜き弁付き第1種取出カプラ(17)と、この第1種取出カプラ(17)を支持するカプラ支持具(18)とを設けており、前記カプラ支持具(18)に一対の第1種取出カプラ(17)の圧抜き弁(17a)と連通する圧抜き路(19)を形成するとともに、この圧抜き路(19)に油タンク(14)に連通する排油管(20)を接続しており、
前記一対の第1種取出カプラ(17)とは別の一対の第2種取出カプラ(21)を設け、この各第2種取出カプラ(21)に接続された分岐配管(22)をそれぞれ前記各油圧取り出し配管(16)に接続していることを特徴とする作業機。
【請求項2】
前記作業装置(6)は前部に作業具(5)を有する昇降自在なアーム(41)を備えており、このアーム(41)の前部にカプラ支持具(18)を第1取付部(23a)に取り付けるステー(23)を設けており、このステー(23)に前記一対の第2種取出カプラ(21)を取り付ける第2取付部(23b)を形成していることを特徴とする請求項1に記載の作業機。
【請求項3】
前記カプラ支持具(18)に圧抜き路(19)と連通する排油カプラ(24)を設けており、この排油カプラ(24)を中心に前記一対の第1種取出カプラ(17)と一対の第2種取出カプラ(21)とを対称位置に配置していることを特徴とする請求項2に記載の作業機。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−36258(P2013−36258A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−174169(P2011−174169)
【出願日】平成23年8月9日(2011.8.9)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】